JP2020048622A - 生体状態推定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
被検者の生体計測特徴量を取得する生体計測特徴量取得部と、
前記生体計測特徴量に基づいて、前記生体状態が取り得る複数の状態段階のうちの、前記生体計測特徴量が得られた時点の前記被検者の生体状態が属する状態段階を推定する生体状態推定部とを含み、
前記生体状態推定部が、
前記生体計測特徴量と学習パラメータとを用いて前記生体計測特徴量が得られた時点に於ける前記被検者の生体状態が取り得る状態段階の各々に前記被検者の生体状態が属する確率である事後確率又はその指標値を算出する状態段階事後確率算出部と、
前記事後確率と遷移確率とに基づいて算出される前記被検者の生体状態が取り得る状態段階の各々に前記被検者の生体状態が属している確率である出現確率のうち、前記出現確率の最も高い状態段階を前記生体計測特徴量が得られた時点に於ける前記被検者の生体状態の属する状態段階であると推定する状態段階推定部と
を含み、
前記学習パラメータが、
校正用の前記生体状態の計測による状態段階の判定結果及びこれと伴に得られた生体計測特徴量を含む学習データの群を準備する過程と、
前記学習データの群の少なくとも一部を教師用データの群として用いた学習処理によって、前記事後確率を算出するための前記学習パラメータを決定する過程にして、前記教師用データの群に於いて、前記生体状態が取り得る前記状態段階の各々に判定されている学習データの群の前記学習パラメータに対する寄与が互いに等しくなるように、前記学習データの群からの前記教師用データの群の選択又は前記学習処理を実行する過程と
によって決定され、
前記遷移確率が、前記生体計測特徴量が得られた時点よりも所定の時間の経過前の時点に於ける前記被検者の生体状態の属する状態段階から前記生体計測特徴量が得られた時点に於いて前記被検者の生体状態が取り得る状態段階の各々へ前記被検者の生体状態が遷移又は停留する確率であり、
校正用の前記生体状態の計測による時系列の状態段階の判定結果を含む系列学習データを準備する過程と、
前記系列学習データに於ける各時点の前記生体状態の属する状態段階がそこから前記所定の時間の経過後の次の時点に同じ状態段階に停留する頻度及び別の状態段階に遷移する頻度に基づいて、各状態段階にある前記生体状態が前記所定の時間の経過後に各状態段階に推移する確率を前記遷移確率として決定する過程と
によって決定される装置によって達成される。
10…生体状態推定装置
12…機械学習装置
P…被検者
図1(A)を参照して、本発明による被検者の生体状態推定装置の一つの実施形態は、被検者Pの胸部又は腹部に装着可能な(ウェアラブルな)筐体1を有し、かかる筐体1内に生体状態の推定に使用される構成要素が収容された形態となっていてよい。筐体1内には、特に、生体状態推定のために参照される生体計測特徴量が抽出される生理データを計測するためのセンサが収容される。例えば、推定される生体状態が眠気の程度である場合には、生理データとしては、例えば、呼吸波形データ、体動加速度データが選択されるので、筐体1内に収容されるセンサは、例えば、被検者の呼吸運動に伴う体表面の変位によって変化する圧力を計測する圧力センサ(呼吸センサ)、被検者の体動に伴って変化する加速度値を計測する加速度センサなどであってよい。圧力センサは、この分野に於いて、呼吸波形データを計測するために使用される任意の、例えば、ピエゾ素子を用いたセンサであってよく、被検者の呼吸運動に伴う胸部又は腹部の収縮・膨張による体表面の変位を圧力値として計測するものであってよい。加速度センサは、上記の如く被検者の体動により変化する加速度値を計測するセンサであるところ、体動の向きは、任意の方向であるので、3軸加速度センサが用いられてよい。なお、センサの種類、センサを収容する筐体の形態は、計測される生理データに応じて種々のものであってよいことは理解されるべきである。例えば、センサが心拍センサであれば、腕時計型や胸バンド型の形態の筐体が採用されてもよい。また、センサとしては、心臓の拍動により生じる電位を計測する心電位センサ、皮下の血流の変化を光学的に検出する光電脈波センサ、心臓の拍動により生じる皮膚の微小な変動を捉える加速度センサなど,種々のセンサが用いられてよい。センサがいずれの場合であっても本発明の範囲に属することは理解されるべきである。
(1)生体状態推定に於ける改良の概要
「発明の概要」の欄に於いても説明されている如く、サポートベクターマシン法やランダムフォレスト法などの教師付き機械学習の手法に従って構成された識別器は、生体計測特徴量と生体状態との対応関係がやや複雑であっても、生体計測特徴量に対応する生体状態を的確に識別することが可能であるところ、生体状態が時系列に変化するものであっても、その経時的な変化傾向の特徴を考慮していないため、ノイズ等の影響により、時系列で見ると、生体状態の推定結果が不自然に変化する場合がある。また、機械学習に使用した学習データの群に於いて、或る状態段階に判定されているデータの数がその他の状態段階に判定されているデータの数よりも相当に多くなっている場合、即ち、学習データの群が不均衡データ群となっていると、識別器の推定結果が学習データの群でデータの数の多かった状態段階に偏ってしまう場合がある。例えば、生体状態として眠気レベルを推定する構成に於いて、図8(A)に示されている如く眠気レベルが推移した例に対して、学習データ群が不均衡データ群となっており、生体状態の経時的な変化傾向の特徴を考慮しない態様にて生体計測特徴量から眠気レベルの推定を行った場合、図8(B)に示されている如く、図8(A)の眠気レベルの推移に比して、推定結果の眠気レベルに偏りが生じ(眠気レベル3が多く含まれた学習データを学習に用いたため、推定結果が眠気レベル3に偏っている。)、また、短時間の内に眠気レベルが激しく遷移しており、眠気の傾向を把握することが困難となっている。そこで、本実施形態に於いては、以下に説明される如く、不均衡な学習データしかなくても、推定結果が特定の状態に偏らないようにすると共に、推定結果に生体状態の経時的な変化傾向の特徴が反映されるようにして、推定精度の向上が図られる。
本実施形態の装置の生体状態の推定に於いては、図2(A)に示されている如く、生理データの取得(ステップ1〜3)、生体計測特徴量の算出(ステップ4)、事後確率の算出(ステップ5)、出現確率指標値の算出(ステップ6)及び状態段階の推定(ステップ7)が反復して実行され、生体状態の推定結果が時系列に出力される。以下、各処理について説明する。
生体状態の推定のために計測される生理データは、生体状態の種類に応じて適宜選択されてよい。例えば、生体状態として眠気の程度を推定する場合には、既に述べた如く、生理データとして呼吸波形、体動加速度が時系列に計測されてよい。そして、かかる時系列に計測された生理データから抽出される生体計測特徴量も生体状態の種類に応じて適宜選択されてよい。典型的は、生体計測特徴量として、時系列の生理データの所定の時間毎の統計量が採用されよい。その場合、例えば、図2(D)に模式的に示されている如く、時系列の生理データは、エポックという単位に分割し、エポック毎に生体計測特徴量が抽出されてよい(一つのエポックは、前後のエポックと重複していても、重複していなくてもよい。図示の如く、例えば、60秒幅のエポックが、30秒間ずつ前後のエポックと重複するようになっていてもよく、各エポックの終了時Ct1、Ct2…に於いて各エポックに於ける時系列の生理データを用いて生体計測特徴量が抽出又は算出される。なお、前後のエポックと重複する割合は任意に変更されてよい。)。従って、この場合、図2(A)に示されている如く、各エポックが完了するまで、生理データの計測(ステップ1)と記憶(ステップ2)が反復して実行され、エポックの完了毎(ステップ3)に生体計測特徴量の抽出が実行されることとなる(ステップ4)。
・吸気時間の平均
・呼気時間の平均
・(吸気時間/呼吸時間)の平均
・ポーズ時間の平均
・(呼気波形面積/吸気波形面積)の平均
・吸気時間の標準偏差
・呼気時間の標準偏差
・(吸気時間/呼吸時間)の標準偏差
・ポーズ時間の標準偏差
・(呼気波形面積/吸気波形面積)の標準偏差
・平均呼吸数[=60/(呼吸波形ピーク間隔の平均値(秒))]:呼吸波形データに於いて、ピーク間隔Rw[秒]は、1回の呼吸に要する時間となるので、ピーク間隔Rwであったときの1分間当たりの呼吸数は、60/Rwとなる(以下、単に「呼吸数」と称する。)。そこで、ここでは、エポック内の呼吸数の平均値を、60/(1回の呼吸に要する時間の平均値)により算出する。
・呼吸変動係数[=呼吸数の標準偏差/平均呼吸数]:呼吸数の標準偏差は、呼吸数60/Rwのエポック内の標準偏差である。
・振幅変動係数[=振幅の標準偏差/平均振幅]:振幅は、上側のピークと下側のピークとの差分Raであり、平均振幅は、エポック内のRaの平均値であり、振幅の標準偏差は、エポック内のRaの標準偏差である。
・自己相関ピーク比:1エポック分の呼吸波形データから1エポック分の呼吸波形データの平均を引いた値の自己相関関数値(τ)に於いて(τは、相関時間)、τ=0から見て、最初にピークが現れたとき(τ=τpのとき、とする。)のピーク値を自己相関関数G(0)にて割って正規化した値。
・加速度差分ノルムの最大値:
加速度差分ノルム={(axt-axt-1)2+(ayt-ayt-1)2+(azt-azt-1)2}1/2 …(1)
(axt、ayt、aztは、それぞれ、x軸、y軸、z軸方向の時刻tに於ける加速度値)
のエポック内の最大値
・加速度差分ノルムの標準偏差:加速度差分ノルムのエポック内の標準偏差
X=(x−xa)/σx …(2)
ここで、x、xa、σxは、正規化前の特徴量、その全エポックの平均値又は中央値、標準偏差である(xa、σxは、それまでの計測された全エポックについての値であってよい。)。かかる正規化により、個人差、個人内差(体調、季節などによる違い)が取り除かれ、推定精度が向上することが可能となる。
上記の如く生体計測特徴量が得られると、それらを参照して、時点tに生体計測特徴量Xtが観測されたときに、被検者の生体状態が取り得る各状態段階Yj(j=1,2,…)に、被検者の生体状態が属している事後確率P(Yj|Xt)が算出される。例えば、生体状態として眠気レベルがレベルY1、Y2、Y3のいずれであるかを推定する場合には、P(Y1|Xt)、P(Y2|Xt)、P(Y3|Xt)のそれぞれが算出される。かかる事後確率の算出は、後に説明される如き学習データを用いて教師付き機械学習の手法にて決定されたパラメータ(識別器パラメータ)を用いて構成される識別器を用いて実行される。識別器は、ランダムフォレスト法、サポートベクターマシン法、勾配ブースティング法、k−NN法などの任意の教師付き機械学習の手法に従って構成されてよい。識別器パラメータは、後に説明される如く予め準備されて、メモリ内に記憶され、使用する際に呼び出される。事後確率を算出する具体的な処理は、任意のアルゴリズムにより実行されてよく、典型的には、プログラム言語にて用意された関数やモジュールを使用して実行されてよい。なお、ここにおいて、実際に算出される値は、事後確率を表す任意の指標値であってもよい。
ステップ5にて算出された各状態段階の事後確率P(Yj|Xt)によれば、生体状態の属する状態段階は、最大の事後確率を与える段階であると推定することは可能である。しかしながら、上記の事後確率の算出に於いては、生体状態の推移の傾向が考慮されておらず、従って、生体計測特徴量にノイズ等の瞬間的な又は過渡的な値の擾乱が重畳としていると、算出される事後確率は、それまでの生体状態の推移にかかわらず、ノイズ等の値の擾乱が重畳した生体計測特徴量に対応した値となり、生体状態が誤推定されてしまうこととなる。そこで、本実施形態に於いては、ステップ5にて算出された各状態段階の事後確率に対して更に生体状態の推移の傾向の特徴を加味して、被検者の生体状態が取り得る各状態段階Yjに被検者の生体状態が属している確率を修正し、修正された確率、即ち、出現確率が最大となる状態段階が被検者の生体状態が属している状態段階であると推定される。
δt(j)=maxi[δt-1(i)・Aij]・P(Xt|Yj) …(3)
ここにおいて、maxiは、δt-1(i)・Aijの最大値を選択する演算子である。Aijは、生体状態が状態段階Yiから所定の時間の経過後に状態段階Yjへ推移する確率である遷移確率であり、状態段階Yiは、時点tよりも所定の時間前の時点t−1に於いて生体状態が属していた状態段階となる。遷移確率Aijは、生体状態の属する状態段階の推移がHMM、CRFなどの任意の確率過程モデルに従って記述されるという仮定の下、後に説明される校正用の生体状態の計測による時系列の状態段階の判定結果を含む系列学習データを用いて算出することが可能であり、遷移確率Aij(又はその指標値)は、後に説明される如く、予め準備されて、メモリ内に記憶され、使用する際に呼び出される。なお、各状態段階の出現確率δt(j)は、時点t=0から時点t=Tまで事後確率が算出された後に、時点t=2から時点t=Tまで再帰的に算出される。また、各状態段階Yjに於いて最大の出現確率δt(j)を与える直前の状態段階Yiが、変数ψt(j)に於いて下記の如く記憶される。
ψt(j)=argmaxi[δt−1(i)・Aij] …(3a)
ここにおいて、argmaxiは、δt−1(i)・Aijが最大となる状態Yiを選択する演算子である。しかる後、時点t=Tまでの出現確率δt(j)とψt(j)とが決定されると、時点t=Tに於ける出現確率δT(j)の最大値Pと状態段階YTが下記の如く与えられる。
P=maxi[δT(j)] …(3b)
YT=argmaxi[δT(j)] …(3c)
かくして、ψt(j)[t=2〜T]、YTにて表される状態段階の列が得られると、時系列の生体状態の属する状態段階の推定結果が、t=Tからt=1に向かって、順に、
Yt=ψt+1(Yt+1=j) …(3d)
によって与えられる。
P(Xt|Yj)=P(Yj|Xt)・P(Xt)/P(Yj) …(4)
により与えられるところ、生体計測特徴量Xtは、均等に出現すると仮定でき、その場合、状態段階Yjによらず、P(Xt)は定数となる。また、各状態段階の出現頻度も均等であると仮定でき、その場合、P(Yj)も定数となる(後に説明される如く、識別器パラメータの決定に於いて不均衡データ対策を行う場合には、各状態段階の出現頻度が均等であると看做すことができる。)。従って、式(3)の演算に於いては、生体計測特徴量Xtの尤度を計算せずに、
δt(j)=maxi[δt−1(i)・Aij]・P(Yj|Xt) …(3e)
を出現確率の指標値として算出し、上記の処理が実行されてよい。また、ステップ5で実際に算出される値が事後確率の指標値Q(Yj|Xt)である場合には、出現確率の指標値は、maxi[δt−1(i)・Aij]・Q(Yj|Xt)となる。或いは、遷移確率を表す指標値Bijを用いる場合には、出現確率の指標値は、maxi[δt−1(i)・Bij]・P(Yj|Xt)若しくはmaxi[δt−1(i)・Bij]・Q(Yj|Xt)などとなる。いずれの場合も本発明の範囲に属することは理解されるべきである。更に別の態様として、各時点tに於ける事後確率と遷移確率との積が最大値となる状態段階が生体状態の属する状態段階であると推定されてもよい。
上記の本実施形態の装置の生体状態の推定に於いては、識別器パラメータと線確率(又はその指標値)とは、予め機械学習の手法によって決定され、メモリに記憶される。以下、それぞれの決定処理について説明する。
既に述べた如く、生体計測特徴量Xtが得られたときの各状態段階の事後確率を算出する識別器は、ランダムフォレスト法、サポートベクターマシン法、勾配ブースティング法、k−NN法などの任意の教師付き機械学習の手法に従って構成されてよいところ、識別器を構成するために設定される識別器パラメータは、図2(B)に示されている如く、下記の如く調製され選択された教師付き学習データ又は正解値付き学習データ(ステップ11、12)を用いて機械学習によって決定される(ステップ13)。
既に述べた如く、或る時点から次の時点へ時間が経過する際に生体状態の属する状態段階が推移する確率である遷移確率は、図2(C)の示されている如く、系列学習データを調製し(ステップ21)、生体状態の属する状態段階がHMM、CRFなどの任意の確率過程モデルに従って推移するとの仮定の下、系列学習データを用いて機械学習により算出される(ステップ22)。ここで系列学習データとは、既に触れた如く、校正用の生体状態の計測による時系列の状態段階の判定結果を含むデータである。なお、識別器パラメータの決定に用いた学習データの正解値データを時系列に並べたものであってもよい。また、系列学習データには、遷移確率の算出のアルゴリズムによっては、状態段階に対応する生体計測特徴量の時系列データが含まれていてよい。推定される生体状態が眠気の程度である場合、眠気の程度が任意の尺度(例えば、カロリンスカ眠気尺度、図5参照)に従って被検者の主観的な判定によって時系列に記録され、或いは、脳波測定などにより客観的に測定され時系列に記録されたものであってよい。
Aij=Fij/ΣFij …(5)
(Σは、jについての総和)
により算出される。ここで、Fijは、系列学習データに於ける生体状態が状態段階Yiから所定の時間の経過後に状態段階Yjに推移した頻度であり、ΣFijは、生体状態が状態段階Yiから所定の時間の経過後に各状態段階に推移した頻度の総和である。状態段階が3段階であれば、遷移確率Aijは、9通り算出される。
上記に説明した本発明の有効性を検証するために、以下の如き実験を行った。なお、以下の実施例は、本発明の有効性を例示するものであって、本発明の範囲を限定するものではないことは理解されるべきである。
Claims (1)
- 被検者の生体状態を推定する装置であって、
被検者の生体計測特徴量を取得する生体計測特徴量取得部と、
前記生体計測特徴量に基づいて、前記生体状態が取り得る複数の状態段階のうちの、前記生体計測特徴量が得られた時点の前記被検者の生体状態が属する状態段階を推定する生体状態推定部とを含み、
前記生体状態推定部が、
前記生体計測特徴量と学習パラメータとを用いて前記生体計測特徴量が得られた時点に於ける前記被検者の生体状態が取り得る状態段階の各々に前記被検者の生体状態が属する確率である事後確率又はその指標値を算出する状態段階事後確率算出部と、
前記事後確率と遷移確率とに基づいて算出される前記被検者の生体状態が取り得る状態段階の各々に前記被検者の生体状態が属している確率である出現確率のうち、前記出現確率の最も高い状態段階を前記生体計測特徴量が得られた時点に於ける前記被検者の生体状態の属する状態段階であると推定する状態段階推定部と
を含み、
前記学習パラメータが、
校正用の前記生体状態の計測による状態段階の判定結果及びこれと伴に得られた生体計測特徴量を含む学習データの群を準備する過程と、
前記学習データの群の少なくとも一部を教師用データの群として用いた学習処理によって、前記事後確率を算出するための前記学習パラメータを決定する過程にして、前記教師用データの群に於いて、前記生体状態が取り得る前記状態段階の各々に判定されている学習データの群の前記学習パラメータに対する寄与が互いに等しくなるように、前記学習データの群からの前記教師用データの群の選択又は前記学習処理を実行する過程と
によって決定され、
前記遷移確率が、前記生体計測特徴量が得られた時点よりも所定の時間の経過前の時点に於ける前記被検者の生体状態の属する状態段階から前記生体計測特徴量が得られた時点に於いて前記被検者の生体状態が取り得る状態段階の各々へ前記被検者の生体状態が遷移又は停留する確率であり、
校正用の前記生体状態の計測による時系列の状態段階の判定結果を含む系列学習データを準備する過程と、
前記系列学習データに於ける各時点の前記生体状態の属する状態段階がそこから前記所定の時間の経過後の次の時点に同じ状態段階に停留する頻度及び別の状態段階に遷移する頻度に基づいて、各状態段階にある前記生体状態が前記所定の時間の経過後に各状態段階に推移する確率を前記遷移確率として決定する過程と
によって決定される装置。
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