以下に、本発明の実施の形態にかかる制御装置および設備機器システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる照明システムの構成例を示す図である。実施の形態1にかかる照明システム100は、1台の制御装置10と、1台以上の照明機器20とを備える。各照明機器20は一意に定まり、制御装置10との通信において伝達可能な識別子を備える。また、制御装置10および照明機器20は無線通信機能を備える。照明機器20は、さらに、制御装置10または他の照明機器20である無線通信機器から受信した無線信号を他の無線通信機器へ中継する中継器としても動作することが可能である。
制御装置10は、直接、または、中継器として動作している照明機器20を介して、各照明機器20へ制御信号を送信し、各照明機器20を制御する。例えば、制御装置10は、各照明機器20を点灯させる、各照明機器20を消灯させる、といったような制御を行う。なお、照明機器20は、制御装置10が制御する設備機器の一例である。制御装置10は、照明機器20以外の設備機器、例えば、空調機を制御するものでもよい。制御装置10の制御対象が空調機の場合、空調機は、照明機器20と同様に、無線通信機能を有し、中継器として動作が可能とする。また、制御装置10は、照明機器と空調機など、複数種類の設備機器を制御可能な構成であってもよい。制御装置10が各種の設備機器へ制御信号を送信し、各設備機器を制御する動作は従来の一般的な制御動作と同様であるため、本明細書では説明を省略する。
図2は、実施の形態1にかかる制御装置10の構成例を示す図である。制御装置10は、構成機器数管理部11、接続機器管理部12、通信状態確認部13、操作受付部14、受信電力マージン判定部15、機器探索部16、中継器選定部17および表示部18を備える。
構成機器数管理部11は、照明システム100を構成する照明機器20の数、すなわち、制御装置10が制御を行う対象の照明機器20の数を管理する。
接続機器管理部12は、制御装置10と通信可能な状態にある照明機器20の識別情報を管理する。照明機器20の識別情報は、照明システム100内で各照明機器20を一意に示す情報であればどのような情報でもよい。接続機器管理部12が管理する照明機器20の識別情報は、MAC(Media Access Control)アドレス、IP(Internet Protocol)アドレスなどでもよい。
通信状態確認部13は、各照明機器20が制御装置10と通信可能か否かを確認する。操作受付部14は、ユーザによる操作を受け付ける。受信電力マージン判定部15は、照明機器20が信号の受信電力に基づいて通信の可否を判定する際に用いる閾値を設定する際のマージンの値を設定する。機器探索部16は、制御装置10と通信ができない状態の照明機器20を探索する。中継器選定部17は、制御装置10との直接通信が不可能な照明機器20と制御装置10との間で無線信号の中継を行う中継器として動作させる照明機器20を選定する。表示部18は、例えば、ユーザによる操作を受け付ける際のメニュー画面、照明機器20の状態を示す画面など、各種の画面を表示する。制御装置10は、ユーザによる操作を他の機器、例えば、制御装置10と無線通信が可能な専用の操作端末を介して受け付ける構成であってもよい。操作端末は、各種画面を表示する表示部、および、ユーザの操作を受け付けるユーザインタフェースを備えるものとする。他の機器は、専用の操作端末ではなく、パーソナルコンピュータ、スマートフォンなどであってもよい。ユーザによる操作を他の機器を介して受け付ける場合、操作受付部14が他の機器と通信を行い、操作内容を示す情報を受け取る。この場合、制御装置10は表示部18を備えなくてもよい。
図3は、実施の形態1にかかる照明機器20の構成例を示す図である。照明機器20は、無線通信中継部21、コマンド処理部22、判定閾値設定部23、受信電力測定部24および受信電力判定部25を備える。なお、図3では、制御装置10および他の照明機器20との無線通信動作に関連する構成要素を記載し、照明機器20の本来の機能を実現するために必要な光源などの構成要素については記載を省略している。
無線通信中継部21は、制御装置10および他の照明機器20といった他の機器から受信した信号の中継処理を行う。中継処理の詳細については別途説明する。コマンド処理部22は、制御装置10から送信される各種コマンドを処理する。判定閾値設定部23は、制御装置10から通知される受信電力マージンの値に基づき、他の機器からの受信信号が一定の品質を満たすか否かの判定に用いる閾値を設定する。受信電力測定部24は、他の機器からの受信信号の電力を測定する。受信電力判定部25は、他の機器からの受信信号の電力が閾値以上か否かを判定する。
つづいて、制御装置10の動作について、図4を参照しながら説明する。図4は、実施の形態1にかかる制御装置10の動作の一例を示すフローチャートである。図4に示したフローチャートは、照明システム100を構成する照明機器20の中の一部を中継器に設定する場合の制御装置10の動作の一例を示す。
制御装置10は、予め定められた操作、例えば、中継器の設定動作の開始を指示する操作をユーザより受け付けた場合、図4に示した動作を開始する。
制御装置10は、動作を開始すると、まず、照明システム100を構成する照明機器20の数および設置環境情報を取得する(ステップS11)。具体的には、制御装置10の操作受付部14が、照明システム100を構成する照明機器20の数および設置環境情報の入力をユーザより受け付ける。ここでのユーザとは、照明システム100の施工者を想定する。設置環境情報とは、照明システム100が設置される環境、例えば、設置される空間の広さ、空間に占める障害物の程度、などを表す情報である。本実施の形態では、オフィスおよび工場といった大まかな設置場所の分類を示す情報を設置環境情報とする。そのため、ステップS11において、制御装置10は、例えば、照明システム100を設置する環境がオフィス、工場、および、その他の環境のいずれであるかを選択させるためのメニュー画面を表示部18に表示し、ユーザによる選択操作を操作受付部14が受け付けることで、設置環境情報を取得する。照明システム100を構成する照明機器20の数の情報は構成機器数管理部11に受け渡され、構成機器数管理部11で保持される。設置環境情報は受信電力マージン判定部15に受け渡され、受信電力マージン判定部15で保持される。以下、照明システム100を構成する照明機器20の数をシステム構成機器数と称する。
制御装置10は、次に、照明機器20から受信電力情報を収集することで、制御装置10と通信可能な状態の照明機器20を確認する(ステップS12)。このステップS12では、通信状態確認部13が、受信電力の情報を含む応答信号の送信を要求するコマンドである応答要求コマンドを同報送信し、照明機器20からの応答信号を受信したか否かにより、通信可能な状態の照明機器20を確認する。詳細については後述するが、応答要求コマンドを受信した照明機器20は、応答要求コマンドを受信した信号の電力を示す受信電力情報を含んだ応答信号を返送する。応答信号を返送した照明機器20が、制御装置10と直接または中継器に設定された照明機器20を介して通信が可能な照明機器20となる。応答要求コマンドは、制御装置10との直接通信が可能な照明機器20、および、中継器に設定済みの照明機器20である設定済機器を介して制御装置10との通信が可能な照明機器20を確認するための第1の信号である。
制御装置10は、ステップS12を実行後、全ての照明機器20から受信電力情報を収集できたか否かを確認する(ステップS13)。なお、制御装置10は、ステップS12で応答要求コマンドを送信してから一定時間が経過した後、全ての照明機器20から受信電力情報を収集できたか否かを確認する。一定時間は、応答要求コマンドが各照明機器20に到達するまでの所要時間と、応答要求コマンドを受信した各照明機器20からの応答信号を制御装置10が受信するまでの所要時間とを考慮して予め決定される。これらの所要時間に加えて、上記のシステム構成機器数および照明システム100の設置環境の一方または双方を考慮して上記の一定時間を決定してもよい。例えば、システム構成機器数が多い場合は上記の一定時間を長い値とする。また、照明システム100の設置環境が無線通信に影響を与える雑音の多い環境の場合は上記の一定時間を長い値とする。
全ての照明機器20から受信電力情報を収集できた場合(ステップS13:Yes)、制御装置10は、ユーザに設定完了を報知する(ステップS14)。ステップS14において、制御装置10は、例えば、設定が完了したことを表示部18に表示することでユーザへの報知を行う。その他の報知方法として、制御装置10は、全ての照明機器20を点灯させる制御、点滅させる制御などを行うことでユーザへの報知を行ってもよい。
また、全ての照明機器20から受信電力情報を収集できていない場合(ステップS13:No)、すなわち、受信電力情報を収集できない照明機器20が存在する場合、制御装置10は、中継器の設定段数が上限数未満か否かを確認する(ステップS15)。中継器の設定段数の上限数は予め定められているものとする。この上限数はユーザが設定できるようにして、例えば上記のステップS11で上限数の設定を受け付ける構成の制御装置10としてもよい。
中継器の設定段数が上限数以上の場合(ステップS15:No)、制御装置10は、中継器の設定ができない旨をユーザに報知する(ステップS18)。一方、中継器の設定段数が上限数未満の場合(ステップS15:Yes)、制御装置10は、受信電力情報を収集できなかった照明機器20を探索する(ステップS16)。このステップS16では、機器探索部16が、後述する構成のサーチコマンドを同報送信し、サーチコマンドに対する応答として受信した信号に含まれる情報に基づいて、受信電力情報を収集できなかった照明機器20を探索する。ステップS16で機器探索部16が探索する照明機器20は、制御装置10と通信することができない状態の照明機器20のうち、新たに中継器を設定することによって、新たに設定した中継器を介して制御装置10と通信できるようになる照明機器20である。サーチコマンドは、制御装置10と通信可能な照明機器20のうち、中継器に設定されていない照明機器20を新たに中継器に設定すると通信が可能になる照明機器20を探索するための第2の信号である。
ステップS16で機器探索部16が同報送信するサーチコマンドの構成について説明する。図5は、サーチコマンドの構成例を示す図である。サーチコマンド400は、宛先情報401、中継上限数402、中継数403、受信電力マージン404および受信機器情報405で構成される。宛先情報401には、同報送信を示す情報、または、制御装置10の識別情報が設定される。宛先情報401に設定される情報は、同報送信を示すアドレス、制御装置10を示すアドレスであってもよい。機器探索部16は、宛先情報401に同報送信を示す情報を設定してサーチコマンド400を送信する。詳細については後述するが、サーチコマンド400を受信した照明機器200は、サーチコマンド400を受信する前に応答要求コマンドを受信済み、かつ中継数403が中継上限数402未満の場合、サーチコマンド400を中継する。また、サーチコマンド400を受信した照明機器200は、サーチコマンド400を受信する前に応答要求コマンドを受信していない場合、サーチコマンド400の宛先情報401を、制御装置10を示す情報に書き換え、さらに、自己を示す情報を受信機器情報405に書き込み、制御装置10宛に送信する。
サーチコマンド400の説明に戻り、中継上限数402は、サーチコマンド400を中継する回数の上限を示す固定値である。中継数403は、サーチコマンド400が中継された回数を示す。中継数403は、初期値が0であり、サーチコマンド400が照明機器20により中継されるごとに、インクリメントされる。すなわち、照明機器20は、サーチコマンド400を中継する際、中継数403に1を加算する。受信電力マージン404は、応答要求コマンドを受信せずにサーチコマンドを受信した照明機器20がサーチコマンドの受信電力が十分か否かを判定する際に使用される情報である。例えば、照明機器20は、サーチコマンドの受信電力が、予め定められた最低受信電力に受信電力マージン404を加算した値よりも大きい場合、受信電力が十分であり所望の通信品質が実現できると判断する。受信電力マージン404は、ステップS11で取得する設置環境情報に基づいて設定される。例えば、機器探索部16は、設置環境情報と受信電力マージンとの対応テーブルを予め保持し、ステップS11で受け取った設置環境情報に対応する値を対応テーブルから読み出して受信電力マージン404に設定する。設置環境情報が工場またはオフィスを示すとした場合、設置環境情報が工場を示す場合の受信電力マージン404の方が、設置環境情報がオフィスを示す場合の受信電力マージン404よりも大きくなるようにする。
受信機器情報405は、宛先情報401に同報送信を示す情報が設定されたサーチコマンド400を受信した各照明機器20を示す情報である。受信機器情報405には、宛先情報401に同報送信を示す情報が設定されたサーチコマンド400を受信した各照明機器20の識別情報が書き込まれる。例えば、宛先情報401に同報送信を示す情報が設定されたサーチコマンド400を照明機器#1および照明機器#3が中継し、このサーチコマンド400を照明機器#6が受信し、照明機器#6は宛先情報401を書き換えて制御装置10宛に送信するとする。なお、照明機器#1および照明機器#3は、応答要求コマンドを受信してからサーチコマンド400を受信する照明機器20、照明機器#6は、応答要求コマンドを受信せずにサーチコマンド400を受信する照明機器20である。この場合、制御装置10は、照明機器#1、照明機器#3および照明機器#6のそれぞれの識別情報が受信機器情報405に書き込まれたサーチコマンド400を受信する。制御装置10の機器探索部16は、受信したサーチコマンド400の受信機器情報405を確認することにより、サーチコマンド400が照明機器#1および照明機器#3により中継されたこと、照明機器#6が応答要求コマンドを受信せずにサーチコマンド400を受信したことを知ることができる。
図4の説明に戻り、ステップS16を実行後、制御装置10は、中継器の選択および設定を行う(ステップS17)。すなわち、制御装置10は、中継器として動作させる照明機器20を選択し、選択した照明機器20を中継器に設定する。制御装置10は、中継器として動作させる照明機器20の選択を、ステップS16において照明機器20から受信した各サーチコマンド400の受信機器情報405に基づいて行う。中継器として動作させる照明機器20の数は複数の場合もある。制御装置10は、中継器として動作させる照明機器20の選択が終了すると、選択した照明機器20に対して、中継器としての動作開始を指示する中継器設定コマンドを送信する。中継器設定コマンドには、中継器として動作する照明機器20が信号を中継すべき照明機器20の中継先の識別情報が含まれる。ステップS17の処理は、制御装置10の中継器選定部17が行う。
制御装置10が中継器として動作させる照明機器20を選択する方法について、図6を参照しながら説明する。図6は、実施の形態1にかかる制御装置10が中継器として動作させる照明機器20の選択動作を説明するための図である。
図6に示した例では、照明機器#31~#36が照明システムを構成し、照明機器#31~#33は制御装置との直接通信が可能な位置に存在し、照明機器#34~#36は制御装置との直接通信が不可能な位置に存在する。また、照明機器#34は、照明機器#31および#32との通信が可能であり、照明機器#35は、照明機器#31、#32および#33との通信が可能であり、照明機器#36は、照明機器#32および#33との通信が可能である。この場合、制御装置が照明機器#34~#36と通信できるように中継器を設定する方法としては、照明機器#31および#33を中継器に設定する方法と、照明機器#32を中継器に設定する方法とが考えられる。図6に示した例の場合、制御装置は、照明機器#31~#33のそれぞれについて、中継器に設定した場合に通信可能となる照明機器の数と、中継器に設定した場合に通信可能となる照明機器の組み合わせとを確認し、中継器として動作させる照明機器の数がなるべく少なくなるよう照明機器を選択する。具体的には、制御装置は、照明機器#32を中継器に選択する。そして、制御装置は、選択した照明機器#32に対して中継器設定コマンドを送信し、照明機器#34宛の無線信号、照明機器#35宛の無線信号および照明機器#36宛の無線信号を受信した場合に中継処理を行うよう指示する。
図4の説明に戻り、ステップS17を実行後、制御装置10は、ステップS12に戻る。制御装置10は、ステップS13での判定が「Yes」となるまでステップS12、S13およびS15~S17の各処理を繰り返し実行する。ステップS13での判定が「Yes」になると、中継器の設定が完了し、制御装置10は、照明システム100を構成する全ての照明機器20と通信できるようになる。
制御装置10がステップS12、S13およびS15~S17の各処理を繰り返し実行して中継器を設定する動作の具体例を説明する。例えば、制御装置10は、ステップS12、S13およびS15~S17の各処理を繰り返し実行する際、図7~図11に示した情報を生成し、中継器として動作させる照明機器の選択および設定を行う。図7~図11は、実施の形態1にかかる制御装置10が中継器を設定する際に生成する情報の例を示す図である。図7~図11において、#1~#15は照明機器20を識別するための番号であり、各照明機器20の識別情報に相当する。接続機器管理部12が図7~図11に示した情報を生成し、保持する。
図7は、制御装置10が図4に示した動作を開始後、最初にステップS16を実行した時点で生成される情報の例を示す。以下、この情報を接続機器情報と称する。制御装置10が最初にステップS16を実行した場合、図7に示した構成の接続機器情報が接続機器管理部12で生成される。図7に示した接続機器情報は、「照明機器」、「制御装置との距離」、「中継器選定」および「中継可能な照明機器」で構成される。
「照明機器」は、制御装置10と通信が可能な照明機器20を示す。
「制御機器との距離」は、同じ行の「照明機器」が示す照明機器20と制御装置10との距離を示す。ここでの距離とは、制御装置10との通信経路を構成する無線リンクの数であり、制御装置10との直接通信が可能な照明機器20の場合は「1」となる。また、1台の中継器を介して制御装置10との通信が可能な照明機器20の場合、「制御機器との距離」は「2」となる。「制御機器との距離」は、制御装置10との間で送受信される無線信号を中継する中継器の数に1を加算した値ともいえる。
「中継器選定」は、同じ行の「照明機器」が示す照明機器20が中継器に選定済みか否か、すなわち、中継器として動作中か否かを示す。同じ行の「照明機器」が示す照明機器20が中継器に選定されている場合、「中継器選定」の欄は「○」となる。制御装置10が最初にステップS16を実行した時点では中継器に選定された照明機器が存在しないため、図7では「中継器選定」の欄が空欄となっている。
「中継可能な照明機器」は、同じ行の「照明機器」が示す照明機器20が中継器に選定された場合に、この照明機器20が無線信号を中継できる照明機器20を示す。別の表現を用いれば、「中継可能な照明機器」は、同じ行の「照明機器」が示す照明機器20が中継器に選定された場合に制御装置10と通信できるようになる照明機器20を示す。この「中継可能な照明機器」には、応答要求コマンドを受信せずにサーチコマンドを受信し、サーチコマンドに対する応答を送信した照明機器の識別情報が書き込まれる。図7に示した接続機器情報は、応答要求コマンドを受信せずにサーチコマンドを受信し、サーチコマンドに対する応答を返送した照明機器が照明機器#4~#8および#10であることを示す。図7に示した接続機器情報は、また、照明機器#1が中継したサーチコマンドを照明機器#4~#6が受信したこと、照明機器#2が中継したサーチコマンドを照明機器#6および#7が受信したこと、照明機器#3が中継したサーチコマンドを照明機器#7、#8および#10が受信したことを示す。つまり、図7に示した接続機器情報は、照明機器#1が中継装置として動作した場合は照明機器#4~#6が制御装置10と通信できるようになり、照明機器#2が中継装置として動作した場合は照明機器#6および#7が制御装置10と通信できるようになり、照明機器#3が中継装置として動作した場合は照明機器#7、#8および#10が制御装置10と通信できるようになることを示す。
図8は、制御装置10が図4に示した動作を開始後、最初にステップS17を実行した時点で生成される接続機器情報の例を示す。図6を用いて説明したように、制御装置10は、中継器として動作する照明機器の数がなるべく少なくなるよう、中継器に設定する照明機器20を選択する。図7に示した接続機器情報が生成される場合、中継可能な照明機器、すなわち、応答要求コマンドを受信せずにサーチコマンドを受信した照明機器は、照明機器#4~#8および#10である。これらの全てと通信できるようになり、かつ中継器として動作する照明機器の数が最も少なくなるのは照明機器#1および#3を中継器とする場合である。そのため、ステップS17において、制御装置10の中継器選定部17は、照明機器#1および#3を中継器に選定する。この結果、図7に示した接続機器情報が更新され、図8に示した内容となる。図8において、「中継器選定」の欄の「-」は、同じ行の「照明機器」が示す照明機器20が中継器に選定されていないことを示す。
図9は、制御装置10が図4に示した動作を開始後、ステップS16を2回実行した時点で生成される接続機器情報の例を示す。制御装置10が2回目のステップS16を実行した場合、図9に示したような接続機器情報が生成される。図9に示した接続機器情報は、照明機器#1および#3が中継器に設定されている状態においてステップS12、S13、S14およびS15を実行した場合に生成される。図9に示した接続機器情報は、図8に示した接続機器情報に対して、「制御装置との距離」が「2」である照明機器#4~#8および#10の情報が追加されたものである。
図9に示した接続機器情報は、照明機器#1および#3が中継器に設定されている場合に、応答要求コマンドを受信せずにサーチコマンドを受信した照明機器が照明機器#9および#11~#14であることを示す。図9に示した接続機器情報は、また、照明機器#4が中継したサーチコマンドを照明機器#11および#12が受信したこと、照明機器#5が中継したサーチコマンドを照明機器#12が受信したこと、照明機器#6が中継したサーチコマンドを照明機器#13が受信したこと、照明機器#7が中継したサーチコマンドを照明機器#9、#13および#14が受信したこと、照明機器#8が中継したサーチコマンドを照明機器#9が受信したこと、照明機器#10が中継したサーチコマンド受信した照明機器が存在しないこと、を示す。「中継可能な照明機器」の欄の「-」は、同じ行の「照明機器」が示す照明機器20が中継器として動作した場合に制御装置10と通信できるようになる照明機器が存在しないことを示す。
図10は、制御装置10が図4に示した動作を開始後、ステップS17を2回実行した時点で生成される接続機器情報の例を示す。図10は、2回目のステップS17において、照明機器#4および#7が中継器に選定されたことを示す。また、照明機器#4が照明機器#11および#12へ信号を中継し、照明機器#7が照明機器#9、#13および#14へ信号を中継することを示す。
図11は、制御装置10が図4に示した動作を開始後、ステップS17を3回実行した時点で生成される接続機器情報の例を示す。図11は、3回目のステップS17において、照明機器#13が中継器に選定されたことを示す。また、照明機器#13は照明機器#15へ信号を中継することを示す。なお、図11に示した例の場合、照明機器#14を中継装置に設定したとしても照明機器#15と制御装置10が通信できるようになるが、制御装置10は、通信品質を考慮し、照明機器#13を中継装置に選定している。すなわち、制御装置10は、制御装置10からの距離が同一となる2つ以上の経路で同じ照明機器と通信可能な場合、通信品質の良い経路を選択する。具体的には、制御装置10は、ステップS12で収集した受信電力情報で示される受信電力が最も高い照明機器を、中継器として動作する照明機器に選定する。
制御装置10は、以下、同様にして、ステップS13での判定が「Yes」となるまで中継器として動作する照明機器の選択および設定を繰り返す。
制御装置10は、接続機器管理部12が生成して保持している接続機器情報を確認することにより、どの照明機器20が制御装置10と通信可能な状態であるか、どの照明機器20が中継器に設定されているか、通信可能な状態の各照明機器20にどのような経路で無線信号が到達するのか、といったことを知ることができる。
なお、図4のフローチャートに従った動作では、制御装置10が照明機器20から受信電力情報を収集できたかどうかで通信が可能か否かを確認することとしたが、他の方法で確認してもよい。例えば、制御装置10は、収集した受信電力情報が示す受信電力が予め定められた閾値以上の場合、受信電力情報を送信した照明機器20との通信が可能と判断する。また、制御装置10は、各照明機器20に対して状態確認用の信号を送信し、状態確認用の信号に対する応答信号を受信した場合、応答信号を送信した照明機器20との通信が可能と判断してもよい。この場合の応答信号は受信電力情報を含まない。
つづいて、照明機器20の動作について、図12を参照しながら説明する。図12は、実施の形態1にかかる照明機器20の動作の一例を示すフローチャートである。図12に示したフローチャートは、制御装置10が一部の照明機器20を中継器に設定する場合の照明機器20の動作の一例を示す。
照明機器20は、まず、応答要求コマンドを受信したか否かを確認し(ステップS21)、応答要求コマンドを受信した場合(ステップS21:Yes)、応答要求コマンドの中継が必要か否かを確認する(ステップS22)。照明機器20は、中継器に設定されていれば応答要求コマンドの中継が必要と判断し、中継器に設定されていなければ応答要求コマンドの中継が必要ないと判断する。応答要求コマンドの中継が必要か否かの確認は無線通信中継部21が行う。
照明機器20は、応答要求コマンドの中継が必要な場合(ステップS22:Yes)、応答要求コマンドを中継する(ステップS23)。具体的には、無線通信中継部21が、受信した応答要求コマンドを同報送信する。照明機器20は、応答要求コマンドの中継が必要ない場合(ステップS22:No)、および、ステップS23で応答要求コマンドを中継した場合、応答要求コマンドに対する応答を制御装置10へ返送する(ステップS24)。具体的には、コマンド処理部22が、応答要求コマンドを受信した信号の電力を示す受信電力情報を含んだ応答信号を生成し、制御装置10へ返送する。応答要求コマンドを受信した信号の電力の測定は受信電力測定部24が行う。このように、照明機器20は、中継器に設定されている場合、応答要求コマンドを受信すると中継処理を行うとともに、応答信号を制御装置10へ返送する。一方、中継器に設定されていない場合、照明機器20は、応答要求コマンドを受信すると、中継処理は行わずに、応答信号を制御装置10へ返送する。なお、ここでは、照明機器20は、応答要求コマンドを受信した場合、必ずステップS24を実行して応答信号を返送することとしたが、応答要求コマンドの受信電力が閾値以上の場合、すなわち、通信品質が良好と判断した場合に応答信号を返送するようにしてもよい。この場合に用いる閾値は、予め設定されている固定値としてもよいし、照明機器20と無線通信が可能な操作端末を使用してユーザが設定するようにしてもよい。操作端末を使用して設定する場合、設置環境等を考慮した値の設定が可能となる。また、照明機器20は、応答要求コマンドを受信した信号の電力を示す受信電力情報を応答信号に含ませることとしたが、受信信号の電力を間接的に示す情報を応答信号に含ませるようにしてもよい。例えば、照明機器20は、受信電力情報の代わりに、受信電力に基づいて通信品質を判定し、良好、通常、悪い、などを示す判定結果の情報を応答信号に含ませてもよい。
また、照明機器20は、応答要求コマンドを受信しない場合(ステップS21:No)、サーチコマンドを受信したか否かを確認する(ステップS25)。サーチコマンドの構成は図5に示したとおりである。照明機器20は、サーチコマンドを受信した場合(ステップS25:Yes)、応答要求コマンドを受信済みか否かを確認する(ステップS26)。応答要求コマンドを受信済みの場合(ステップS26:Yes)、照明機器20は、サーチコマンドの中継が必要か否かを確認する(ステップS27)。照明機器20は、受信したサーチコマンドの中継上限数402および中継数403を確認し、中継上限数402の値よりも中継数403の値が小さければサーチコマンドの中継が必要と判断し、中継上限数402の値よりも中継数403の値が同じであればサーチコマンドの中継が必要ないと判断する。また、照明機器20は、サーチコマンドを受信した信号の電力(以下、サーチコマンドの受信電力とする)と、予め定められた最低受信電力にサーチコマンド内の受信電力マージン404を加算して生成した判定閾値とを比較し、サーチコマンドの受信電力が判定閾値未満の場合、中継上限数402および中継数403によらず、すなわち、中継上限数402の値よりも中継数403の値が小さくても、中継が必要ないと判断する。サーチコマンドの受信電力が判定閾値未満の場合、十分な通信品質が得られず、制御動作が不安定となる可能性があるためである。受信電力マージン404およびサーチコマンドの受信電力を考慮した処理を行うことにより、十分な通信品質が得られない通信経路が形成されるのを防止し、安定した制御動作が実現される。上記の判定閾値は、判定閾値設定部23が生成する。
照明機器20は、サーチコマンドの中継が必要ない場合(ステップS27:No)、ステップS21に戻って動作を継続する。照明機器20は、サーチコマンドの中継が必要な場合(ステップS27:Yes)、サーチコマンドを中継する(ステップS28)。具体的には、無線通信中継部21が、受信したサーチコマンドの中継数403の値をインクリメントし、同報送信を行う。照明機器20は、ステップS28でサーチコマンドを中継後、ステップS21に戻って動作を継続する。
照明機器20は、応答要求コマンドを受信済みではない場合(ステップS26:No)、サーチコマンドに対する応答を返送する(ステップS29)。具体的には、コマンド処理部22が、受信したサーチコマンドの宛先情報401を制御装置10の識別情報に書き換え、さらに、受信機器情報405に自己の識別情報の追加書込みを行い、送信する。照明機器20は、ステップS29でサーチコマンドに対する応答を返送後、ステップS21に戻って動作を継続する。
また、照明機器20は、サーチコマンドを受信しない場合(ステップS25:No)、中継器設定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS30)。照明機器20は、中継器設定コマンドを受信した場合(ステップS30:Yes)、中継先を設定する(ステップS31)。具体的には、コマンド処理部22が、受信した中継器設定コマンドから中継先の情報を読み出し、読み出した情報が示す照明機器20を中継先に設定する。すなわち、コマンド処理部22は、中継器設定コマンドから読み出した情報が示す照明機器20宛のパケットを受信した場合に中継処理を行うよう、無線通信中継部21を設定する。ステップS31を実行した場合、照明機器20は中継装置としての動作を開始する。照明機器20は、ステップS31を実行して中継先を設定した場合、および、中継器設定コマンドを受信しない場合(ステップS30:No)、ステップS21に戻って動作を継続する。
つづいて、制御装置10および照明機器20を実現するハードウェア構成について説明する。
図13は、実施の形態1にかかる制御装置10を実現するハードウェアの一例を示す図である。制御装置10は、図13に示したプロセッサ101、メモリ102、通信装置103、入力装置104および表示装置105により実現することができる。プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)、システムLSI(Large Scale Integration)などである。メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などである。入力装置104および表示装置105は、入力装置と表示装置とが一体化されたタッチパネルであってもよい。
制御装置10の構成機器数管理部11、接続機器管理部12、通信状態確認部13、受信電力マージン判定部15、機器探索部16および中継器選定部17は、これらの各部として動作するためのプログラムをプロセッサ101が実行することにより実現される。すなわち、上記のプログラムをメモリ102に予め格納しておき、プロセッサ101が、メモリ102からプログラムを読み出して実行することにより、構成機器数管理部11、接続機器管理部12、通信状態確認部13、受信電力マージン判定部15、機器探索部16および中継器選定部17が実現される。
制御装置10の操作受付部14は、入力装置104および表示装置105により実現される。制御装置10の表示部18は、表示装置105により実現される。なお、通信装置103は、制御装置10が照明機器20との間で無線通信を行う場合に利用される。
図14は、実施の形態1にかかる照明機器20を実現するハードウェアの一例を示す図である。照明機器20は、図14に示したプロセッサ201、メモリ202および通信装置203により実現することができる。これらのプロセッサ201、メモリ202および通信装置203は、それぞれ、図13に示したプロセッサ101、メモリ102および通信装置103と同様のハードウェアである。
照明機器20の無線通信中継部21、コマンド処理部22、判定閾値設定部23、受信電力測定部24および受信電力判定部25は、これらの各部として動作するためのプログラムをプロセッサ201が実行することにより実現される。すなわち、上記のプログラムをメモリ202に予め格納しておき、プロセッサ201が、メモリ202からプログラムを読み出して実行することにより、無線通信中継部21、コマンド処理部22、判定閾値設定部23、受信電力測定部24および受信電力判定部25が実現される。なお、通信装置203は、照明機器20が制御装置10との間で無線通信を行う場合に利用される。
以上のように、本実施の形態にかかる照明システム100において、制御装置10は、応答要求コマンドを送信し、その応答信号の受信結果に基づいて、通信ができない照明機器20が存在するか否かを判断し、通信ができない照明機器20が存在する場合、サーチコマンドを送信し、通信ができない照明機器20へ信号を中継可能な照明機器20を探索する。そして、制御装置10は、探索結果に基づいて、通信ができない照明機器20へ信号を中継する中継器として動作する照明機器20を設定する。このとき、制御装置10は、中継器として動作する照明機器20の数が少なくなるよう、中継器として動作する照明機器20を選択する。また、制御装置10は、通信ができない照明機器20が無くなるまで、応答要求コマンドを使用して行う通信状態の確認処理と、サーチコマンドを使用して行う中継器の設定処理とを繰り返す。これにより、照明システム100内で冗長に無線中継器が設定されることを防止し、輻輳の発生およびバックオフ時間の増加を抑制できる。この結果、安定した無線通信を実現でき、照明システム100の信頼性が高まる。
実施の形態2.
つづいて、実施の形態2にかかる照明システムについて説明する。本実施の形態にかかる照明システムの構成は実施の形態1にかかる照明システム100と同様である。すなわち、実施の形態2にかかる照明システム100は、制御装置10および照明機器20を備える。また、実施の形態2にかかる照明システム100を構成する制御装置10および照明機器20の構成も実施の形態1と同様である。実施の形態2にかかる制御装置10は、動作の一部が実施の形態1にかかる制御装置10と異なる。以下の説明では、実施の形態1にかかる制御装置10と区別するために、実施の形態2にかかる制御装置10を制御装置10aと記載する。
実施の形態1にかかる照明システム100では、中継器として動作させる照明機器20を制御装置10が行うこととしたが、本実施の形態にかかる照明システム100では、中継器として動作させる照明機器20をユーザに選択させる。
図15は、実施の形態2にかかる制御装置10aの動作の一例を示すフローチャートである。図15に示したフローチャートは、照明システム100を構成する照明機器20の中の一部を中継器に設定する場合の制御装置10aの動作の一例を示す。また、図15に示したフローチャートは、図4に示したフローチャートのステップS17をステップS19およびS20に置き換えたものである。ステップS19およびS20以外の各ステップの処理は図4に示したフローチャートの同じステップ番号の処理と同様であるため、説明は省略する。
実施の形態2にかかる制御装置10aは、ステップS16を実行後、中継器の選択、すなわち、中継器として動作させる照明機器20の選択をユーザから受け付ける(ステップS19)。このステップS19において、制御装置10aは、例えば、図16に示した画面を表示部18に表示し、ユーザにより中継器が選択されるのを待つ。図16は、実施の形態2にかかる制御装置10aが表示する中継器選択受け付け画面の第1の例を示す図である。図16において、#1~#8および#10は、実施の形態1の説明で用いた図7などと同様に、照明機器20を識別する番号である。図16は、制御装置10aが図15に示した動作を開始後、最初にステップS16を実行した後に表示する中継器の選択受け付け画面の一例を示す。図16に示した選択受け付け画面は、制御装置10aから見て1段目の中継器として動作する照明機器の選択を制御装置10aが受け付ける場合に表示される画面である。
図16に示した中継器選択受け付け画面において、「中継器候補」は、中継器として選択可能な照明機器20を示す。「中継器候補の前段の中継器」は、中継器候補に対して無線信号を中継する照明機器を示す。制御装置10aが図15に示した動作を開始後、最初にステップS16を実行した時点では、中継器として動作する照明機器20が存在しないため、中継器候補となる照明機器20は制御装置10aとの直接通信が可能なものに限られる。そのため、「中継器候補の前段の中継器」は存在しない。「中継可能な照明機器」は、図7などに示した「中継可能な照明機器」と同じものである。「選択」の欄には、同じ行の「照明機器」が示す照明機器20を中継器として選択するためのチェックボックスが表示される。
中継器選択受け付け画面は、中継器として選択可能な照明機器20である中継器候補と、中継器候補のそれぞれについて、中継器候補を中継器に設定すると制御装置10aとの通信が可能になる照明機器20をユーザに報知するための画面ともいえる。中継器選択受け付け画面を表示する表示部18は、情報をユーザに報知する情報報知部である。
図16に示した画面が表示されている状態において、ユーザは、「中継可能な照明機器」の欄の表示内容を参照し、中継器として動作させる照明機器20を決定して、「選択」欄の対応するチェックボックスにチェックを入れる。その後、ユーザが「決定」ボタンを押下すると、中継器として動作する照明機器20の選択が終了となる。ここでは照明機器#1および#3が選択されたものとして説明を続ける。
制御装置10aは、図16に示した画面を表示し、「選択」欄のチェックボックスにチェックが入った状態で、「決定」ボタンが押下されたことを検出すると、中継器を設定する(ステップS20)。すなわち、制御装置10aは、ユーザにより選択された照明機器20に対して、中継器としての動作開始を指示する中継器設定コマンドを送信する。なお、中継器設定コマンドの送信は、実施の形態1と同様に、中継器選定部17が行う。また、制御装置10aの接続機器管理部12は、中継器として動作する照明機器20がユーザにより選択されると、選択結果に基づいて接続機器情報を更新する。
図17は、実施の形態2にかかる制御装置10aが表示する中継器選択受け付け画面の第2の例を示す図である。図17に示した中継器選択受け付け画面は、制御装置10aが図15に示した動作を開始後、ステップS16を2回実行した後に表示される。また、図17は、照明機器#1および#3が制御装置10aから見て1段目の中継器として動作している場合の画面の例を示している。よって、「中継器候補の前段の機器」の欄には、照明機器#1または照明機器#3が表示される。制御装置10aは、図17に示した選択受け付け画面を表示した状態でユーザにより2段目の中継器として動作する照明機器20が選択されるのを待ち、選択が行われると、ステップS20を実行する。制御装置10aは、以下、同様にして、ステップS13での判定が「Yes」となるまで、中継器として動作する照明機器20の候補を選択受け付け画面に表示し、中継器として動作する照明機器20の選択を受け付ける。
制御装置10aは、図16および図17に示した中継器選択受け付け画面において、ユーザにより中継器が冗長に選択されるのを防止するために、中継器の選択数が最も少なくなる組み合わせをユーザに報知するようにしてもよい。また、制御装置10aは、中継器の選択数が最も少なくなる組み合わせが複数存在する場合に中継器選択受け付け画面を表示し、中継器の選択数が最も少なくなる組み合わせのうちのいずれか一つをユーザに選択させるようにしてもよい。
なお、ユーザによる操作を制御装置10aが直接受け付けるのではなく、制御装置10と無線通信が可能な操作端末がユーザによる操作を受け付け、受け付けた操作の内容を示す情報を操作端末が制御装置10へ送信するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態にかかる照明システム100において、制御装置10aは、応答要求コマンドを送信し、その応答信号の受信結果に基づいて、通信ができない照明機器20が存在するか否かを判断し、通信ができない照明機器20が存在する場合、サーチコマンドを送信し、通信ができない照明機器20へ信号を中継可能な照明機器20を探索する。そして、制御装置10aは、探索結果に基づいて、通信ができない照明機器20へ信号を中継する中継器として動作する照明機器20の候補をユーザに通知し、中継器として動作する照明機器20の選択を受け付ける。本実施の形態にかかる照明システムは、中継器として動作する照明機器20をユーザが選択可能であるため、中継器設定の自由度が大きくなる。
本実施の形態では、図16および図17に例示した、中継器の候補のリストをユーザに提示し、中継器(中継器として動作する照明機器20)を選択させることとしたが、他の方法で中継器をユーザに選択させるようにしてもよい。例えば、上記のステップS19において、制御装置10aは、照明機器20に対して点灯を指示するコマンドを送信する。すると、通信可能な照明機器20は点灯し、通信できない照明機器20は点灯しない。その結果、ユーザは、点灯していない照明機器20の付近において点灯している照明機器20が中継器の候補であることが分かる。この状態において、ユーザが、中継器に設定する照明機器20に近づき、照明機器20と無線通信が可能な操作端末を使用して、中継器に設定する。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。