JP7161739B2 - 作業機 - Google Patents

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Description

本発明は作業機に関する。特に、走行機体の後部に装着され、耕耘ロータの回転によって代掻き作業を行う作業機に関する。
農作業において、田植えのために、圃場に水を入れて土を砕いてかきならす作業を代掻き作業といい、そのための作業機は、代掻き機等と呼ばれる。代掻き機は、一般的には、回転軸に取り付けられた複数の爪を回転させて圃場を掻き均す耕耘ロータと、耕耘ロータの上方をカバーするシールドカバーと、耕耘ロータの後方に設けられ、砕かれた土を平らに均す第1整地体(エプロンとも呼ばれる)と、第2整地体(レベラとも呼ばれる)を備える。
通常、耕耘ロータの側方には、入力軸から入力された動力を回転軸に伝えるためのチェーンが配置され、そのチェーンを保護する部材は、例えばチェーンケース(もしくは伝動ケース等)と呼ばれる。チェーンケースは、作業機の側方に、ある程度の厚みを有して配置される。そのため、畦ぎわの処理をする際に、畦にぶつけたり、耕耘作業中に圃場に埋没した石にぶつけたりして、チェーンケースが破損する場合もある。
そのような事態を想定し、従来、チェーンケースを保護するガード部材を設けた農作業機が知られている。例えば、特許文献1には、チェーンケースを保護するガード体に傾斜部を設けることにより、ガード体に土寄せ機能をもたせた農作業機が開示されている。
特開2016-2061号公報
特許文献1に記載された農作業機は、あくまでガード体に土寄せ機能を与えるための構成であり、ガード体に当たった土が耕耘体側に流れるような構造となっている。そのため、例えば圃場に石が埋没していたような場合に、ガード体によって耕耘体側に石を引き込む場合があるため、耕耘爪に石が当たって損傷する可能性がある。また、畦ぎわを処理する際に、畦等の障害物に当たっても、ガード体の構造上、その障害物を農作業機の外側に受け流すような作用は無いため、障害物に当たった衝撃をダイレクトに受けてしまう可能性もある。
本発明の目的の一つは、チェーンケースを保護すると共に障害物から受ける衝撃を緩和することが可能な構造体を備えた作業機を提供することにある。
また、本発明の他の目的の一つは、チェーンケースを保護すると共に圃場のわらを土中に埋没させることが可能な構造体を備えた作業機を提供することにある。
本発明の一実施形態による作業機は、耕耘ロータと、入力された動力を前記耕耘ロータに伝達するチェーンユニットと、前記チェーンユニットを保護するチェーンケースと、前記チェーンケースの前方に配置されたガード部材と、を有し、前記ガード部材は、第1部分と、該第1部分よりも前方に位置する第2部分とを含み、前記第2部分は、下方に向かうほど後方に位置するように傾斜するとともに前方に向かうほど内側に位置するように傾斜する。
なお、ここでいう「内側」とは、作業機の左右方向において、相対的に作業機の中心に近い側のことを指す。すなわち、ガード部材が作業機の左端部に配置されている場合には、右側が内側であり、ガード部材が作業機の右端部に配置されている場合には、左側が内側である。
側面視において、前記第2部分の前端と、前記チェーンケースの中心線とがなす角は、25~35°の範囲に収めることが好ましい。
前記第1部分の第1面と、前記第2部分の前記第1面に連なる第2面とがなす角は、35~45°の範囲に収めることが好ましい。
前記耕耘ロータは、チェーンケースプレートに軸支され、前記ガード部材は、弾性体を介して前記チェーンケースプレートに接続されていてもよい。
前記ガード部材は、前記第1部分と前記第2部分とを一体物として含んでもよい。
前記チェーンケースと前記ガード部材との間に、間隙が設けられていてもよい。
本発明の作業機によれば、チェーンケースを保護すると共に障害物から受ける衝撃を緩和することが可能となる。また、本発明の作業機によれば、チェーンケースを保護すると共に圃場のわらを下方に流し、土中に埋没させることが可能となる。
第1実施形態における作業機の構成を示す斜視図である。 第1実施形態における作業機が左側作業体を折り畳んだときの構成を示す斜視図である。 第1実施形態における作業機の左側作業体の端部近傍の構成を示す拡大平面図である。 第1実施形態における作業機の展開状態の構成を示す側面図である。 第1実施形態における作業機の左側作業体の端部近傍の構成を示す拡大斜視図である。 第1実施形態における作業機のガード部材の構成を示す平面図である。 第1実施形態における作業機のガード部材の構成を示す側面図である。
以下、図面を参照して本発明の作業機の実施形態について説明する。但し、本発明の作業機は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の記号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。例えば、本発明の作業機が中央作業体、左側作業体及び右側作業体の3つの作業体で構成される場合、それぞれの作業体が有する部分であることを示すために、数字の後に「C」、「L」及び「R」を付すことがある。
本願の明細書及び特許請求の範囲において、「上」は圃場から垂直に遠ざかる方向を示し、「下」は圃場に向かって垂直に近づく方向を示す。また、「前」は作業機を基準として走行機体が位置する方向を示し、「後」は前とは180°反対の方向を示す。また、「左」は作業機を基準として走行機体が位置する方向に向かったときの左を示し、「右」は左とは180°反対の方向を示す。
〈第1実施形態〉
[作業機10の構成]
以下、第1実施形態による作業機10の構成について、図1及び図2を用いて詳細に説明する。図1は、第1実施形態における作業機の構成を示す斜視図である。図2は、第1実施形態における作業機が左側作業体を折り畳んだときの構成を示す斜視図である。なお、図2は、図1に対して左側作業体10Lの位置が変化しただけの図であるため、説明の便宜上、図1において既出の符号のいくつかは省略されている。
図1に示されるように、本実施形態による作業機10は、中央作業体10C、左側作業体10L及び右側作業体10Rを備え、3つに分割された構造となっている。中央作業体10Cは、作業機10の中央部に配置され、作業機本体として機能する。左側作業体10L及び右側作業体10Rは、中央作業体10Cの左右両端部に上下方向に回動可能に取り付けられている。作業機10は、これら左側作業体10L及び右側作業体10Rを斜め上方に回動させることにより中央作業体10Cに重ねて折り畳むことができ、斜め下方に回動させることにより図1に示すように展開することができる。
ここで、左側作業体10L及び右側作業体10Rを中央作業体10Cに重ねて折り畳んだ状態を収納状態と呼ぶ。収納状態とは、作業機10が走行機体の進行方向に対して直交する方向の幅を縮小された状態である。また、左側作業体10L、右側作業体10R及び中央作業体10Cが横に並んだ状態を展開状態と呼ぶ。展開状態とは、作業機10が走行機体の進行方向に対して直交する方向に延長された状態である。
次に、中央作業体10Cについて説明する。中央作業体10Cは、トラクタ等の走行機体との連結部として機能するトップマスト12及びロアーリンク連結部14、走行機体から動力が伝達される入力軸16、左右方向に延び中央作業体10Cを支持する支持フレーム18C、サイドプレート19C、チェーンケース20Cの内部に配置されたチェーンユニット(図示せず)、ギヤボックス22、中央シールドカバー24C、耕耘ロータ(図示せず)、第1中央整地体28C、第2中央整地体30C、エプロン制御機構31a及び31b、並びに中央レベラ制御機構32Cを備えている。
トップマスト12は、中央作業体10Cの前方中央部に設けられ、ロアーリンク連結部14は、中央作業体10Cの前方左右二箇所に設けられている。トップマスト12及び左右二箇所に設けられたロアーリンク連結部14は、図示しない走行機体のトップリンク及び左右二箇所に設けられたロアーリンク(3点リンクヒッチ機構)にそれぞれ連結され、作業機10は走行機体の後部に昇降可能に装着される。なお、作業機10と走行機体との連結は、走行機体の3点リンクヒッチ機構に装着されるオートヒッチフレームを介してもよい。
入力軸16は、中央作業体10Cの前方中央部に設けられたギヤボックス22に設けられ、走行機体から伝達された動力を作業機10に入力する。入力軸16は走行機体のPTO軸に連結され、PTO軸からユニバーサルジョイント等を介して動力が伝達される。
支持フレーム18Cは、中央作業体10Cの本体フレームを兼ねており、ギヤボックス22の左右両側に走行機体の進行方向に対して左右方向に延設されている。ここで、ギヤボックス22とチェーンケース20Cとの間に配置された支持フレーム18Cの内部には、伝動シャフト(図示せず)が内装されている。この伝動シャフトにより、ギヤボックス22からチェーンケース20Cの内部のチェーンユニット(図示せず)に対して耕耘ロータを回転させるための動力が伝達される。
ここで、チェーンユニットとは、一対のスプロケットと、それらの間に架け渡されたローラーチェーンとで構成される機構であり、2つの軸間において動力を伝達する機能を有する。前述の耕耘ロータの回転軸と支持フレーム18Cの内部の伝動シャフトは、それぞれ支持フレーム18Cに接続されたサイドプレート19Cを用いて軸支されている。サイドプレート19Cは、チェーンケース20Cが取り付けられることから、チェーンケースプレートとも呼ばれる。
前述の伝動シャフト及び耕耘ロータの回転軸の2つの軸間における動力の伝達に、上記チェーンユニットが用いられる。なお、チェーンケース20Cは、チェーンユニットを保護するためのカバー部材である。
中央シールドカバー24Cは、支持フレーム18Cに沿って設けられ、耕耘ロータの上方を覆うように配置される。耕耘ロータで砕かれた土は、中央シールドカバー24Cの内壁に当たってさらに砕土されるとともに、落下して再び圃場に戻る。このように、中央シールドカバー24Cは、耕耘ロータによって巻き上げられた土の飛散防止機能と砕土機能とを兼ね備えている。
中央作業体10Cが有する耕耘ロータは、中央シールドカバー24Cの下方において回転自在に軸支された回転軸(図示せず)に対して、フランジ又はホルダを用いて複数の耕耘爪を取り付けた構成を有する。入力軸16から入力された動力は、ギヤボックス22内で変速され、支持フレーム18の内部の伝動シャフト、チェーンユニット等を経由して伝達され、耕耘ロータの回転運動へと変換される。
第1中央整地体28Cは、中央シールドカバー24Cに対し、回動可能に取り付けられており、通常、エプロンと呼ばれる。第2中央整地体30Cは、第1中央整地体28Cに対し、上下方向へ回動可能に取り付けられており、通常、レベラと呼ばれる。第1中央整地体28Cは、中央作業体10Cの耕耘ロータの回転によって飛散した泥や土を圃場に戻すカバーとしての役割と、第2中央整地体30Cを圃場に押し付けて整地作業を行う整地部材としての役割を担う。第2中央整地体30Cは、直接圃場に接することにより、圃場表面の整地を行う整地部材としての役割を担う。
エプロン制御機構31a及び31bは、中央シールドカバー24Cと第1中央整地体28Cとの間に架設され、第1中央整地体28Cの上下方向への回動を制御する手段として機能する。エプロン制御機構31a及び31bは、第1中央整地体28Cの上方向への回動を妨げる加圧モードと、第1中央整地体28Cの上方向への回動を妨げない非加圧モードとを切り替え可能であり、加圧モードでは、第1中央整地体28Cに対して上方向への回動を妨げる付勢力を働かせる。この付勢力は、エプロン制御機構31a及び31bを構成するリンクロッドに配置されたスプリングの反力によって実現される。エプロン制御機構31a及び31bを加圧モードとすることにより、第1中央整地体28Cによる砕土性能や整地性能を高めることができ、より効率良く圃場を仕上げることができる。
中央レベラ制御機構32Cは、中央シールドカバー24Cと第2中央整地体30Cとの間に架設され、第2中央整地体30Cの上下方向への回動を制御する手段として機能する。中央レベラ制御機構32Cは、第2中央整地体30Cを下方に向けた状態(土寄せ状態)に固定する土寄せモードと、第2中央整地体30Cの上下方向への回動を妨げない整地モードとを切り替え可能である。モードの切り替えは、中央レベラ制御機構32Cを構成するリンクロッドの動作の規制又は解除によって実現される。
次に、左側作業体10Lについて説明する。左側作業体10Lは、左側シールドカバー24L、左側シールドカバー24Lの下方に配置された耕耘ロータ26L(図2参照)、支持フレーム18L、サイドプレート19L、チェーンケース20Lの内部に配置されたチェーンユニット(図示せず)、ガード部材21L、第1左側整地体28L、第2左側整地体30L、左側レベラ制御機構32L、及び左側延長整地体回動機構34Lを備えている。左側シールドカバー24L、支持フレーム18L、サイドプレート19L、チェーンケース20L、第1左側整地体28L、第2左側整地体30L、及び左側レベラ制御機構32Lの担う役割については、それぞれ前述の中央作業体10Cにおける対応する各要素と同様であるため、ここでの説明は省略する。
ここで、図2に示されるように、耕耘ロータ26Lは、回転軸(爪軸ともいう)26La及びその回転軸26Laの周囲にホルダを介して配置された複数の耕耘爪26Lbを備える。チェーンユニットを介して伝達された動力により回転軸26Laが回転すると、その周囲に配置された耕耘爪26Lbが一斉に回転し、圃場の土を砕土及び攪拌する。
なお、図示は省略しているが、中央作業体10Cには耕耘ロータ26Cが設けられ、右側作業体10Rには耕耘ロータ26Rが設けられている。これらの耕耘ロータ26C及び耕耘ロータ26Rも耕耘ロータ26Lと同様の構成を有している。本明細書では、中央作業体10C、左側作業体10L及び右側作業体10Rのそれぞれが有する耕耘ロータをまとめて「耕耘ロータ26」と呼ぶ場合がある。
図1に戻って、ガード部材21Lは、チェーンケース20Lの前方に、間隙を介して配置される。ガード部材21Lは、展開状態の作業機10を使用して圃場の畦ぎわを処理する際に、チェーンケース20Lが畦や障害物に当たって破損することを防ぐために配置される部材である。ガード部材21Lの詳細については後述する。
左側延長整地体回動機構34Lは、左側作業体10Lの第2左側整地体30Lに対し、回動可能に連結された左側延長整地体36Lを回動させるための機構である。左側延長整地体36Lは、左側作業体10Lの端部から作業機10の左方向に延長して設けられ、左側作業体10Lの外側の領域の整地作業を担う。第2左側整地体30Lと左側延長整地体36Lとは、延長整地体連結部38Lによって回動可能に連結されており、左側延長整地体36Lが第2左側整地体30Lに向かって折り畳まれるように回動可能となっている。
ここで、本実施形態において、左側延長整地体回動機構34Lは、駆動モータ部34La、回動アーム34Lb、及び連結ワイヤ34Lcを含む。回動アーム34Lbは、一端が駆動モータ部34Laに接続され、他端が連結ワイヤ34Lcに接続されている。また、連結ワイヤ34Lcは、一端が回動アーム34Lbに接続され、他端が左側延長整地体36Lに接続されている。
駆動モータ部34Laが動作すると、回転駆動力が発生して、回動アーム34Lbが略水平方向に回動する。この回動アーム34Lbの回動動作に連動して、連結ワイヤ34Lcに引っ張られた左側延長整地体36Lが延長整地体連結部38Lを介して回動する。これにより、左側延長整地体36Lの収納及び展開が可能となる。
なお、本実施形態では、左側延長整地体回動機構34Lを、駆動モータ部34La、回動アーム34Lb、及び連結ワイヤ34Lcで構成する例を示したが、延長整地体連結部38Lを介して左側延長整地体36Lを回動可能とする機構であれば、他の機構を用いてもよい。
次に、右側作業体10Rについて説明する。右側作業体10Rは、右側シールドカバー24R、右側シールドカバー24Rの下方に配置された耕耘ロータ(図示せず)、支持フレーム18R、サイドプレート19R、チェーンケース20Rの内部に配置されたチェーンユニット(図示せず)、第1右側整地体28R、第2右側整地体30R、右側レベラ制御機構32R、及び右側延長整地体回動機構34Rを備えている。なお、図1及び図2には図示されないが、ガード部材21Lと同様に、チェーンケース20Rの前方にもガード部材が配置されている。
ここで、右側シールドカバー24R、支持フレーム18R、サイドプレート19R、チェーンケース20R、第1右側整地体28R、第2右側整地体30R、右側レベラ制御機構32R、及び右側延長整地体回動機構34Rの担う役割については、それぞれ前述の左側作業体10Lにおける対応する各要素と同様であるため、ここでの説明は省略する。また、右側延長整地体36R及び延長整地体連結部38Rについても、前述の左側延長整地体36L及び延長整地体連結部38Lと同様である。
さらに、本実施形態による作業機10は、中央作業体10C、左側作業体10L、及び右側作業体10Rに、それぞれ中央土寄せ板40Ca及び40Cb、左側土寄せ板40L、並びに右側土寄せ板40Rを備えている。これらは、代掻き作業時に発生する水流(実際には、土を含む水の流れ)をコントロールするための板であり、これら土寄せ板を設けることにより、圃場表面の仕上がりを向上させることができる。
例えば、中央土寄せ板40Ca及び40Cbは、作業機10の前方を走行する走行機体のタイヤ等の轍に土を戻す位置に設けられ、轍によって生じた圃場の起伏の平坦化に寄与する。また、左側土寄せ板40L及び右側土寄せ板40Rは、土を内側に寄せるとともに、各土寄せ板の裏側にその周辺の水流を引き込む。その結果、左側作業体10L及び右側作業体10Rの端部よりも外側に藁などが浮遊していたとしても、水流によってそれぞれの耕耘ロータ内に引き込み、圃場表面の仕上がりの向上に寄与する。
また、本実施形態による作業機10は、左側作業体10L及び右側作業体10Rに、それぞれ左側レベラ制御機構32L、右側レベラ制御機構32Rを備えている。これら左側レベラ制御機構32L及び右側レベラ制御機構32Rは、中央レベラ制御機構32Cと同様に、それぞれ第2左側整地体30L、第2右側整地体30Rの上下方向への回動を規制又は解除する手段として機能する。
以上説明した左側作業体10L及び右側作業体10Rは、中央作業体10Cの両端部に設けられた作業体回動機構44a及び44bを介して回動用シリンダ46a及び46bの作用により回動し、前述の収納状態又は展開状態となる。その際、第1中央整地体28Cと第1左側整地体28L、及び、第1中央整地体28Cと第1右側整地体28Rとは、それぞれ第1連結部48a及び48bとによって連結される。また、第2中央整地体30Cと第2左側整地体30L、及び、第2中央整地体30Cと第2右側整地体30Rとは、それぞれ第2連結部50a及び50bとによって連結される。
なお、本明細書及び特許請求の範囲では、左側作業体10L及び右側作業体10Rを合わせた総称を「側方作業体」と呼ぶことがある。また、第1左側整地体28L及び第1右側整地体28Rを合わせた総称を「第1側方整地体」と呼んだり、第2左側整地体30L及び第2右側整地体30Rを合わせた総称を「第2側方整地体」と呼んだりすることがある。さらに、左側延長整地体36L及び右側延長整地体36Rを合わせた総称を「延長整地体」と呼ぶことがある。
[ガード部材の構成]
次に、ガード部材の構成について図3~図6を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態の作業機10は、左側作業体10Lに配置されたガード部材21Lと、右側作業体10Rに配置されたガード部材(図示せず)を有するが、両者は同じ構造であるため、ここでは、ガード部材21Lを例示して説明する。
図3は、第1実施形態における作業機10の左側作業体10Lの端部近傍の構成を示す拡大平面図である。図4は、第1実施形態における作業機10の展開状態の構成を示す側面図である。図5は、第1実施形態における作業機10の左側作業体10Lの端部近傍の構成を示す拡大斜視図である。図6は、第1実施形態における作業機10のガード部材21Lの構成を示す平面図である。図7は、第1実施形態における作業機10のガード部材21Lの構成を示す側面図である。
図3及び図5に示されるように、ガード部材21Lは、弾性体52を介してサイドプレート19Lに接続されている。本実施形態において、サイドプレート19Lへのガード部材21Lの接続には、2組のボルト及びナットで構成される固定部材54を用いているが、これに限られるものではない。
弾性体52は、ガード部材21Lに受けた衝撃がサイドプレート19Lに直接的に伝わらないようにする目的で配置されている。例えば、ガード部材21Lが、畦などの障害物にぶつかったり圃場に埋没していた石にぶつかったりした場合に、その衝撃が直接サイドプレート19Lに伝わってしまうと、サイドプレート19Lや左側シールドカバー24Lの変形の原因となる。弾性体52は、そのような衝撃を緩和するための緩衝部材である。
弾性体52としては、ゴム、樹脂等の弾性を有する材料で構成された部材を用いても良いし、ばね(例えば、コイルばね)を用いても良い。ただし、ここに挙げた例に限らず、ガード部材21Lが受けた衝撃を緩和することができる部材であれば、如何なる部材を用いても良い。
また、図3に示されるように、ガード部材21Lは、チェーンケース20Lの前方に、間隙を有して配置されている。この間隙は、前述のようにガード部材21Lが衝撃を受けた際に、弾性体52が撓んでチェーンケース20Lに干渉しないようにするために設けられている。また、同時に、この間隙は、チェーンケース20の交換等のメンテナンス性を向上させるため、工具などを入れやすくする目的も兼ねている。
ところで、図4に示されるように、ガード部材21Lは、作業機10を側面視した場合に、略三角形状を有している。具体的には、ガード部材21Lの前端部が、下方に向かうほど後方に位置するように傾斜する。また、図3及び図5に示されるように、本実施形態のガード部材21Lの前端部は、屈曲しており、前方に向かうほど内側に向かうように傾斜する。これらの点について、以下に説明する。
図6は、走行機体の進行方向を上にして、ガード部材21Lを上方から見た図を示している。図6に示されるように、本実施形態のガード部材21Lは、板状の部材の一部を前方側で屈曲させた構造を有する。本実施形態では、ガード部材21Lのうち、固定部材54で固定されている部分を第1部分21Laと呼び、第1部分21Laの前方に位置する傾斜した部分を第2部分21Lbと呼ぶ。
前述のとおり、ガード部材21Lは、板状の部材の一部を屈曲させて形成したものであるため、第1部分21Laと第2部分21Lbとを一体物として含む。しかしながら、これに限らず、第1部分21Laに対し、別に形成された第2部分21Lbを溶着等により接続してガード部材21Lを構成することも可能である。
図6に示されるように、ガード部材21Lの第2部分21Lbは、前方に向かうほど内側、すなわち、ここでは右側に向かって傾斜する。このとき、図6において、第1部分21Laの第1面21La-1と、第2部分21Lbの第1面21La-1に連なる第2面21Lb-1とがなす角αは、35~45°の範囲に収まるようにすることが好ましい。このような範囲に収めることにより、ガード部材21Lが畦や埋没した石などの前方の障害物に当たったとき、衝撃を緩和しつつ左方向、すなわち作業機の左右方向における外側に向かって障害物を受け流すことが可能である。また、圃場のわらも作業機の外側に向かって流されるため、ガード部材21Lの前方にわらが堆積しないという効果もある。さらに、障害物から受ける衝撃は、傾斜によって作業機の外側に受け流されて緩和され、かつ、弾性体52の緩衝機能によっても緩和されるため、サイドプレート19Lまで直接的に伝達される衝撃は非常に小さいものとなる。
図7は、ガード部材21Lを側面、具体的には作業機10の左方向から見た図を示している。図7に示されるように、ガード部材21Lの第2部分21Lbは、下方に向かうほど、後方に位置するように傾斜する。このとき、図7において、チェーンケース20Lの中心線60と、第2部分21Lbの前端21Lb-2とがなす角βは、25~35°の範囲に収まるようにすることが好ましい。このような範囲に収めることにより、圃場のわらを効率よく下方に流し、泥土の中に沈めることが可能である。本発明者らの知見によれば、前述の角βが25°を下回るとわらを押し、引っ掛かりやすくなり、35°を上回るとシールドカバー側板からガード部材の第2部分21Lbが突出し、上部にわらがかかりやすくなるというデメリットがある。
以上のように、本実施形態の作業機10は、チェーンケース20Lの前方に、図3~7を用いて説明した構造を有するガード部材21Lを配置することにより、チェーンケース20Lを保護すると共に畦や石等の障害物から受ける衝撃を緩和することが可能である。具体的には、畦ぎわを処理する際に、チェーンケース20Lが畦や石などの障害物に当たって破損することを防ぐことができる。また、圃場に埋没した石等があった場合において、ガード部材21Lの形状により、石に当たった衝撃を作業機10の外側に受け流すことができ、チェーンケース20L、サイドプレート19L及び耕耘ロータ26Lの損傷を回避することができる。
なお、ここまでの説明はガード部材21Lを例に挙げたが、チェーンケース20Rの前方に配置したガード部材(図示せず)も同様の効果を奏する。また、本実施形態のガード部材は、チェーンケース20Cの前方に配置してもよい。この場合、図2に示されるように、左側作業体10Lを格納した状態で圃場の処理を行う場合に、ガード部材21Lと同様の効果を奏する。
さらに、本実施形態では、チェーンケース20Lの前方にガード部材21Lを配置する例について説明したが、ガード部材の配置場所は、チェーンケースの前方に限られるものではない。本実施形態のガード部材は、チェーンケースの保護という役割だけでなく、作業機の端部や耕耘ロータに与える損傷を回避する目的もあるため、作業体の端部のうちチェーンケースが配置されていない側の端部前方にガード部材を配置しても、十分に効果を得ることができる。
〈第2実施形態〉
第1実施形態では、作業機10として、中央作業体10C、左側作業体10L及び右側作業体10Rの3つの作業体で構成される代掻き作業機を例示したが、これに限らず、本発明は、1つの作業体のみで構成される、いわゆる1本ものの代掻き作業機に対しても適用することが可能である。
本実施形態の場合、基本的には、作業体の左端もしくは右端のみにチェーンケースが配置される。この場合においても、チェーンケースの前方に第1実施形態と同様の構造を有したガード部材を配置すればよい。勿論、チェーンケースの前方に限らず、チェーンケースが無い側の作業機端部にもガード部材を配置することが可能である。
〈第3実施形態〉
第1実施形態では、作業機10として、代掻き作業機を例に挙げて説明したが、これに限らず、本発明は、圃場の砕土・整地作業を行うロータリ作業機、土壌の草を刈る草刈り機などに適用することも可能である。
特に、草刈り機は、作業体を走行機体の側方にオフセットさせて使用する形態が多く、作業者から遠い側の作業体端部の視認性が悪くなりやすい。このような場合に、作業体端部を第1実施形態で説明した構造を有するガード部材で保護することは有効である。
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、各実施形態の作業機を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
また、上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
10…作業機、10C…中央作業体、10L…左側作業体、10R…右側作業体、12…トップマスト、14…ロアーリンク連結部、16…入力軸、18…支持フレーム、19C、19L、19R…サイドプレート、20C、20L、20R…チェーンケース、21L…ガード部材、21La…第1部分、21Lb…第2部分、21La-1…第1面、21Lb-1…第2面、21Lb-2…第2部分の前端、22…ギヤボックス、24C…中央シールドカバー、24L…左側シールドカバー、24R…右側シールドカバー、26、26C、26L、26R…耕耘ロータ、26La…回転軸(爪軸)、26Lb…耕耘爪、28C…第1中央整地体、28L…第1左側整地体、28R…第1右側整地体、30C…第2中央整地体、30Ca…本体部、30Cb…プレート部、30L…第2左側整地体、30La…本体部、30Lb…プレート部、30R…第2右側整地体、31a…エプロン制御機構、32C…中央レベラ制御機構、32L…左側レベラ制御機構、32R…右側レベラ制御機構、34L…左側延長整地体回動機構、34La…駆動モータ部、34Lb…回動アーム、34Lc…連結ワイヤ、34R…右側延長整地体回動機構、36L…左側延長整地体、36R…右側延長整地体、38L…左側延長整地体連結部、38R…右側延長整地体連結部、40Ca、40Cb…中央土寄せ板、40L…左側土寄せ板、40R…右側土寄せ板、44a…作業体回動機構、46a…回動用シリンダ、48a…第1連結部、50a…第2連結部、52…弾性体、54…固定部材、60…チェーンケースの中心線

Claims (5)

  1. 耕耘ロータと、
    入力された動力を前記耕耘ロータに伝達するチェーンユニットと、
    前記チェーンユニットを保護するチェーンケースと、
    前記チェーンケースの前方に配置されたガード部材と、
    を有し、
    前記ガード部材は、左右方向を法線方向とする第1面を有する第1部分と、該第1部分よりも前方に位置すると共に前記第1面に連なる第2面を有する第2部分とを含み、
    前記第2部分の前記第2面は、下方に向かうほど後方に位置するように傾斜するとともに前方に向かうほど内側に位置するように傾斜し、
    前記耕耘ロータは、チェーンケースプレートに軸支されており、
    前記第1部分は、弾性体を介して前記チェーンケースプレートに接続されており、
    前記弾性体の一端は、前記チェーンケースプレートに接し、前記弾性体の他端は、前記第1部分に接する、
    作業機。
  2. 側面視において、前記第2部分の前端と、前記チェーンケースの中心線とがなす角は、25~35°の範囲に収まる、請求項1に記載の作業機。
  3. 前記第1部分の第1面と、前記第2部分の前記第2面とがなす角は、35~45°の範囲に収まる、請求項1又は2に記載の作業機。
  4. 前記ガード部材は、前記第1部分と前記第2部分とを一体物として含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の作業機。
  5. 前記チェーンケースと前記ガード部材の前記第1部分との間に、間隙が設けられている、請求項1乃至のいずれか一項に記載の作業機。
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