JP7159879B2 - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
前記活性光線硬化型インクジェットインクが、重合性モノマー及び光重合開始剤を含有
する液体組成物(A成分)と前記A成分をゲル化させることのできる融点が40℃以上の組成物(B成分)とを含有し、
前記A成分と前記B成分とを、インラインで、加熱下、混合ユニット内で混合して調製された活性光線硬化型インクジェットインクを用いること、及び前記B成分が重合性モノマー及び光重合開始剤を含まないことを特徴とするインクジェット記録方法。
前記活性光線硬化型インクジェットインクが、重合性モノマー及び光重合開始剤を含有する液体組成物(A成分)と前記A成分をゲル化させることのできる融点が40℃以上の組成物(B成分)とを含有し、かつ前記B成分が重合性モノマー及び光重合開始剤を含まない組成物であり、
前記活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に向けて吐出するインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドの上流に、前記A成分と前記B成分とを、加熱下、混合する混合ユニットと、
調製した混合物が所望の温度で可逆的にゾル・ゲル相転移する活性光線硬化型インクジェットインクとなるように、前記A成分と前記B成分との混合量を制御する手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
また、A成分として、さらに着色剤として顔料又は染料を含有することが、好ましい。
さらに、本発明においては、B成分の融点が、50~130℃の範囲内であることが好ましい。これにより、高画質を達成しつつ良好な射出安定性が得られる。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、B成分が、ワックス性ゲル化剤であることが、高画質と射出安定性の観点から好ましい。
さらに、本発明においては、A成分と前記B成分の質量比(A:B)が、90.0:10.0~99.5:0.5の範囲内であることが好ましい。これにより、高画質を達成しつつ良好な射出安定性が得られる。
本発明の実施態様としては、記録安定性の観点から、前記混合ユニットの下流にサブタンクを有することが好ましい。
また、前記加熱下、混合する手段が、前記B成分を前記混合ユニットの上流で加熱溶融した後、送液ポンプにより前記A成分を含む加熱された前記混合ユニット内に送液することが好ましい。
さらに、本発明においては、送液ポンプが、ダイヤフラムポンプ又はシリンジポンプであることが好ましい。これにより、混合ユニットに脈動等なく安定に一定量のA成分、B成分が供給される。
また、本発明において、「前記A成分と前記B成分とを、インラインで、加熱下、混合ユニット内で混合」とは、ゲルインクの原料となるA成分とB成分とをインクジェット画像形成装置内で、加熱下、混合することをいう。
本発明に係るインクジェット記録方法は、活性光線硬化型インクジェットインクを記録するためのインクジェット記録方法であって、前記活性光線硬化型インクジェットインクが、重合性モノマー及び光重合開始剤を含有する液体組成物(A成分)と前記A成分をゲル化させることのできる融点が40℃以上の組成物(B成分)とを含有し、前記A成分と前記B成分とを、加熱下、混合ユニット内で混合して調製された活性光線硬化型インクジェットインクを用いることを特徴とする。
インク供給工程では、インク供給部によりインクジェットインクが供給される。インク供給部は、A成分を収納する貯蔵タンク1、A成分の送液流路2、A成分の送液ポンプ3、B成分の貯蔵タンク4、B成分の送液ポンプ5、加熱ユニット6、混合ユニット7及び送液流路12より構成されている。
本発明に係る活性光線硬化型インクジェットインクは、重合性モノマー及び光重合開始剤を含有する液体組成物(A成分)と前記A成分をゲル化させることのできる融点が40℃以上の組成物(B成分)とを含有している。
本発明に係るゲルインクは、重合性モノマー及び光重合開始剤を含有する液体組成物(A成分)を含有している。
重合性モノマーは、光重合性モノマー(光重合性化合物ともいう。)であることが好ましい。なかでも、重合性モノマーが、ラジカル重合性モノマー又はカチオン重合性モノマーであることが好ましい。光重合性化合物は、上記活性光線を照射されることにより架橋又は重合し、インクを硬化させる作用を有する。光重合性化合物は、モノマー、重合性オリゴマー、プレポリマーあるいはこれらの混合物のいずれであってもよい。光重合性化合物は、本発明に係るインク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。また光重合性と熱硬化性の両方の性質を有するモノマーが含まれていてもよい。
光カチオン重合性モノマーとしては、各種公知のカチオン重合性のモノマーが使用できる。例えば、特開平6-9714号、特開2001-31892号、特開2001-40068号、特開2001-55507号、特開2001-310938号、特開2001-310937号、特開2001-220526号の各公報に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
本発明に係るA成分は重合性モノマー及び光重合開始剤を含有する。光重合開始剤は、前記光重合性化合物がラジカル重合性の官能基を有する化合物であるときは、光ラジカル開始剤を含み、前記光重合性化合物がカチオン重合性の官能基を有する化合物であるときは、光酸発生剤を含む。光重合開始剤は、本発明に係るインク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。光重合開始剤は、光ラジカル開始剤と光酸発生剤の両方の組み合わせであってもよい。
光重合開始剤の含有量は、インクジェットインクが十分に硬化できる範囲であればよく、たとえば、本発明に係るインクジェットインクの全質量に対して0.01質量%以上10質量%以下とすることができる。
A成分として、さらに着色剤として顔料又は染料を含有することができる。着色材には、染料及び顔料が含まれる。耐候性の良好な画像を得る観点からは、着色材は顔料であることが好ましい。顔料は、形成すべき画像の色等に応じて、たとえば、黄顔料、赤又はマゼンタ顔料、青又はシアン顔料及び黒顔料から選択することができる。
B成分は、A成分をゲル化させることのできる融点が40℃以上の組成物(以降ゲル化剤ともいう。)である。本発明では、ゲル化剤の融点が40℃以上である。融点は50~130℃の範囲内であることがより好ましい。融点が40℃以上あることにより、A成分と混合した後のインクの相転移温度と記録媒体の温度差を十分設けることができるため、十分なピニングを達成でき、結果として高画質が達成される。好ましくは50℃以上である。更に融点は130℃以下であることが好ましい。130℃以下であれば、混合後のゲルインクのゾルゲル相転移温度も高くなることがないため、射出安定性が低下することがない。
上記石油系ワックスの例には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス及びペトロラクタムを含む石油系ワックスが含まれる。
上記植物系ワックスの例には、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ及びホホバエステルが含まれる。
上記動物系ワックスの例には、ミツロウ、ラノリン及び鯨ロウが含まれる。
上記変性ワックスの例には、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、12-ヒドロキシステアリン酸誘導体及びポリエチレンワックス誘導体が含まれる。
上記高級脂肪酸の例には、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸,ラウリン酸、オレイン酸、及びエルカ酸が含まれる。
上記高級アルコールの例には、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコールが含まれる。
上記脂肪酸アミドの例には、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド及び12-ヒドロキシステアリン酸アミドが含まれる。
上記脂肪酸アミドの市販品の例には、日本化成社製、ニッカアマイドシリーズ(「ニッカアマイド」は同社の登録商標)、伊藤製油社製、ITOWAXシリーズ、及び花王株式会社製、FATTYAMIDシリーズが含まれる。
上記N-置換脂肪酸アミドの例には、N-ステアリルステアリン酸アミド及びN-オレイルパルミチン酸アミドが含まれる。
上記高級アミンの例には、ドデシルアミン、テトラデシルアミン及びオクタデシルアミンが含まれる。
上記合成ワックスの市販品の例には、Baker-Petrolite社製、UNILINシリーズ(「UNILIN」は同社の登録商標)が含まれる。
上記ダイマージオールの市販品の例には、CRODA社製、PRIPORシリーズ(「PRIPOR」は同社の登録商標)が含まれる。
一般式(G1)において、R1及びR2は、いずれも炭素数が9以上25以下である直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基である。
一般式(G2)において、R3及びR4は、いずれも炭素数が9以上25以下である直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基である。
本発明に係るインクは、本発明の効果が得られる範囲において、A成分又はB成分の一部として、分散剤、光増感剤、重合禁止剤、熱架橋剤及び界面活性剤を含むその他の成をさらに含んでいてもよい。これらの成分は、本発明に係るインク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
インクジェットヘッドからの吐出性をより高める観点からは、本発明に係るインクジェットインク(以下単にインクともいう)の80℃における粘度は3mPa・s以上20mPa・s以下であることが好ましい。また、着弾して常温に降温した際にインクを十分にゲル化させる観点からは、インクの25℃における粘度は1000mPa・s以上であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録装置は、活性光線硬化型インクジェットインクを用いるインクジェット記録装置であって、前記活性光線硬化型インクジェットインクが、重合性モノマー及び光重合開始剤を含有する液体組成物(A成分)と前記A成分をゲル化させることのできる融点が40℃以上の組成物(B成分)とを含有し、前記活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に向けて吐出するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドの上流に、前記A成分と前記B成分とを、加熱下、混合する混合ユニットと、調製した混合物が所望の温度で可逆的にゾル・ゲル相転移する活性光線硬化型インクジェットインクとなるように、前記A成分と前記B成分との混合量を制御する手段とを有することを特徴とする。
インクジェットヘッド310は、ノズル311の吐出口が設けられたノズル面313を、画像を形成する際に搬送部320に対向する面に有しており、搬送部320によって搬送される記録媒体400に対してインクを吐出する。本発明に係るインクをゾル化して吐出性を高める観点から、インクジェットヘッド310は、インクの温度を調整してインクを低粘度に調整するための温度調整手段を有してもよい。温度調整手段の例には、パネルヒーター、リボンヒーター及び保温水による加熱手段が含まれる。
搬送部320は、画像を形成する際に、インクジェットヘッド310の鉛直方向直下において、インクジェットヘッド310に対向する記録媒体400が移動するように、記録媒体400を搬送する。例えば、搬送部320は、駆動ローラ321及び従動ローラ322、搬送ベルト323及び加熱装置324を有する。
また、加熱装置324により搬送ベルト323を加熱することができる。記録媒体の種類に合わせて適宜記録媒体の温度を調整することで、ゾルゲル相転移インクのピニングを調整して最適な画質を得ることができる。
照射部330は、光源を有し、搬送部320の上面に光源から活性光線を照射する。これにより、搬送される記録媒体400上に着弾したインクジェットインクの液滴に活性光線を照射して、液滴を硬化させることができる。照射部330は、インクジェットヘッド310よりも下流側で搬送部320の直上に配設することができる。光源の輻射熱によってインクジェットインクが溶けることによるインクの硬化不良の発生を抑制する観点から、光源は発光ダイオード(LED)であることが好ましい。インクジェットインクを硬化させるための活性光線を照射することができるLED光源の例には、395nm、水冷LED、Phoseon Technology社製が含まれる。
制御部340は、画像形成中のインクジェット記録装置300の動作を制御する。ここでは、ゲルインクが所望の温度で可逆的にゾル・ゲル相転移する活性光線硬化型インクジェットインクとなるように、前記A成分と前記B成分との混合量を制御することも含まれる。
A液成分の流路102に設けられた流量センサーの情報をもとにA液成分の送液ポンプ103の送量を制御することができる。
A液成分の送液ポンプ103の駆動時間を決め、一定の量を送液する。
A液成分の送液ポンプ103は常時駆動し、A液成分の流路102に設けられた電磁弁(図示を省略)のON-OFFで流量を制御することができる。
記憶部350は、制御部340が実行する制御プログラム、及び記録媒体の種類と、その記録媒体の単位面積に着弾できるインクの最大量(及び任意に最小量)と、を対応付けるテーブルを含む各種の情報を参照可能に格納する。
データ入力部360は、外部機器との間で、印刷すべき記録媒体の種類及び印刷すべき画像を含むデータなどの各種情報を送受信する。
測定部370は、画像を形成する記録媒体の種類を測定し、得られた情報を制御部340に送信する。
インク供給部では、A成分とB成分とを、加熱下、混合ユニット内で混合して、ゲルインクを調製し、インクジェットヘッド310へ送液する。混合ユニットの下流には、サブタンクを有することが好ましい。
加熱ユニットは、ヒーター及びヒーターからの熱を伝える伝熱部材等により構成され、サブタンク109、各送液流路及び混合ユニット107内のインクジェットインクの温度等を所定の温度に加熱、保温する。ヒーターとしては、例えば、通電されることによりジュール熱を生じる電熱線が用いられる。また、伝熱部材としては、熱伝導率の高い部材、例えば、各種金属(合金)で形成された熱伝導板が用いられる。
ゲルインクを加温する場合はタンク外部から加熱するが、ゲルインク自体の液温とヒーターの制御を同期させるのが困難である。このためインク自体の温度を接液センサーで確認しながらヒーター温度を制御するのが一般的である。具体的にはヒーター部分の温度と液温の両方を監視してヒーター出力を決めることが好ましい。
混合ユニットでは、A成分とB成分とを、加熱下、混合ユニット内で混合して、所望の温度で可逆的にゾル・ゲル相転移するゲルインクとなるようA成分と前記B成分との混合量を制御してゲルインクを調製する。A成分及びB成分は加熱制御されたそれぞれのタンクから混合ユニットに送液されることが好ましい。
本発明において、混合ユニットがスタティックミキサーを有することが好ましい。スタティックミキサーは、可動部分がない静止型の混合・攪拌ミキサーの1種であり、長方形の板を左右逆方向に180度ねじったエレメントを管内に交互に配列された形で構成されている。スタティックミキサーは、分割作用、転換作用及び反転作用3つの作用により混合をおこなうことができる。以上の作用から従来のバッチ方式に比べ、再現性に優れ、正確で均一な混合ができ、省メンテナンスコスト、省エネルギー、省スペースにも有効である。
A成分、B成分及びゲルインクの送液に用いられる送液ポンプに種類としては、ターボ型(非容積式)ポンプ、容積式ポンプ、特殊型ポンプなどが挙げられるが、本発明では定量性が求められることから、容積式ポンプの使用が好ましい。容積式ポンプとしては、ピストンポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプ、歯車ポンプ(ギヤポンプ)、ベーンポンプ、ねじポンプ、シリンジポンプ、チューブポンプなどが挙げられ、いずれのポンプも好ましく使用される。本発明の構成例1に記載のようにスタティックミキサーを使用する場合は、スタティックミキサーの特性上、管断面方向の混合は良好だが管軸方向の混合はほとんどないため液体は定量的に注入する必要があり、定量ポンプが必須となる。
サブタンク109は、通気路を介して負圧制御部111に接続されている。負圧制御部111はサブタンク内の圧力を調整する。このため、サブタンク内の圧力は、図示を省略する負圧制御部によって加えられる負圧の度合いによって変化する。また、サブタンクには、フロートセンサー(液面センサ)110が設けられており、タンク内に貯留されているインク量は常時検出することができる。サブタンクからインクジェットヘッドまでの圧力が圧力制御部により負圧状態とされるため、画像形成や各種のメンテナンスを行わない際に、ノズルからインクが漏れ出すことを防止される。
送液流路はチューブ状の部材で構成され、貯蔵タンクと混合ユニットを接続すると共に内部を連通する。インク流路としては、例えば、伝熱性の良い樹脂材や金属管が用いられる。流路上には、電磁弁及びポンプが設けられている。
インクジェット記録装置300は、上記構成以外にも、吐出前のインクジェットインクを貯蔵するためのインクタンク(不図示)、インクタンクとインクジェットヘッド310とをインクが流通可能に連通するインク流路(不図示)を有していてもよい。
制御部340は、記憶部350に格納されている、記録媒体の種類と、その記録媒体の単位面積に着弾できるインクの最大量(及び任意に最小量)と、を対応付けるテーブルを参照し、前記特定された記録媒体の種類の単位面積に着弾できるインクの最大量、及び任意に最小量を設定する。
(1-1)A成分A-1の調製
(1-2)マゼンタ顔料分散液1の調製
以下に示す種類及び量の分散剤及び分散媒をステンレス容器に入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌溶解し、室温まで冷却した後、下記顔料を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズと共にポリプロピレン製の容器に入れ密栓した。ジルコニアビーズと下記材料の質量比は2対1になるように調製した。その後、ペイントシェーカーにて、所望の粒径になるまで分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して、マゼンタ顔料分散液1を調製した。
分散剤:JET-9151(BYK社製) 11質量部
分散媒:トリプロピレングリコールジアクリレート(0.2%UV-10含有)
69質量部
顔料:PV19/PR202(BASF製、D4500J) 20質量部
(1-3)A成分A-1の調製
下記の各成分と前記顔料分散液とを混合して、60℃に加熱して攪拌した。得られた溶液を、ADVANTEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過して、A成分A-1を調製した。
光重合性化合物2:ポリエチレングリコール#600ジアクリレート
20.0質量部
光重合性化合物3:6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
4.0質量部
光重合性化合物4:3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
21.3質量部
光重合性化合物5:平均官能基数が8のポリエステルアクリレートオリゴマー(ETERNAL CHEMICAL社製、ETERCURE6361-100)
5.0質量部
光重合性化合物6:平均官能基数が2のポリエステルアクリレートオリゴマー(Sartomer社製、CN2270) 13.0質量部
光重合開始剤1:アシルホスフィンオキシド系のラジカル重合開始剤(BASF社製、IRGACURE TPO(「IRGACURE」は同社の登録商標))
2.7質量部
光重合開始剤2:アシルホスフィンオキシド系のラジカル重合開始剤(BASF社製、IRGACURE 819(「IRGACURE」は同社の登録商標))
3.0質量部
光増感剤1:2-イソプロピルチオキサントン(ITX) 0.5質量部
重合禁止剤:BASF社製、IRGASTAB UV10(「IRGASTAB」は同社の登録商標) 0.15質量部
界面活性剤:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製、TSF-4452 0.02質量部
顔料分散液:マゼンタ顔料分散液1 26.0質量部
(1-5)マゼンタ顔料分散液2の調製
以下二種の化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌溶解した。
9質量部
重合性化合物:OXT221(オキセタン221、東亞合成社製) 70質量部
室温まで冷却した後、これに下記マゼンタ顔料1を21部加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズと共にポリプロピレン製の容器に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて8時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して顔料分散液2を作製した。
下記の各添加剤を順次混合し、80℃に加熱して攪拌した後、得られた液体を加熱下、#3000の金属メッシュフィルターでろ過し、冷却して、A-2を調製した。
重合性化合物:OXT221(オキセタン221、東亞合成社製) 44.0質量部
重合性化合物:セロキサイド2021P(脂環式エポキシ、ダイセル化学社製)
10.0質量部
光重合開始剤:CPI-100P(トリアリルスルホニウム塩のプロピレンカーボネート50%溶液、サンアプロ社製) 5.0質量部
増感剤:DEA(ジエトキシアントラセン、川崎化成工業社製)
2.0質量部
界面活性剤:X22-4272(信越化学工業社製) 0.05質量部
顔料分散液:マゼンタ顔料分散液2 19.0質量部
ゲル化剤としてエステルワックス(日油株式会社製、ユニスターM-2222SL)をステンレスビーカーに入れ、90℃で加熱溶解した後に、#3500メッシュの金属フィルターで濾過した。その後ワックス液を金属製の成型容器に流し込み、25℃で冷却させた。固化した成分を成型容器から取り出し、B成分B-1とした。
ゲル化剤としてエステルワックス(日油株式会社製、ユニスターM-2222SL)40質量部とケトンワックス(花王株式会社製、カオーワックスT1)60質量部をステンレス容器に入れ、90℃で加熱溶解した後に、#3500メッシュの金属フィルターで濾過した。その後、ワックス液を金属製の成型容器に流し込み、25℃で冷却させた。その後固化した成分を成型容器から取り出し、B成分B-2とした。
パラフィンワックス(富士フィルム和光純薬工業製、mp68~70)100質量部をステンレス容器に入れ、90℃で加熱溶解した後に、#3500メッシュの金属フィルターで濾過した。その後、ワックス液を金属製の成型容器に流し込み、25℃で冷却させた。その後固化した成分を成型容器から取り出し、B成分B-3とした。
パラフィンワックス(富士フィルム和光純薬社製、mp42~44)100質量部をステンレス容器に入れ、90℃で加熱溶解した後に、#3500メッシュの金属フィルターで濾過した。その後、ワックス液を金属製の成型容器に流し込み、25℃で冷却させた。その後固化した成分を成型容器から取り出し、B成分B-4とした。
比較インクは、A成分とB成分を、あらかじめ加熱下、混合して、調製したゲルインクを、一旦冷却して準備した。
(1-12)インク1の調製
A成分A-1とB成分B-1をそれぞれ90℃に加熱し、ステンレス容器内で98.0:2.0の質量比となるよう、あらかじめ混合し、90℃で15分加熱撹拌した。その後25℃に冷却して、インク1を調製した。
A成分A-1とB成分B-2をそれぞれ90℃に加熱し、ステンレス容器内で97.5:2.5の質量比となるよう、あらかじめ混合し、90℃で15分加熱撹拌した。その後25℃に冷却して、インク2を調製した。
A成分A-2とB成分B-3をそれぞれ90℃に加熱し、ステンレス容器内で95.0:5.0の質量比となるよう、あらかじめ混合し、90℃で15分加熱撹拌した。その後25℃に冷却して、インク3を調製した。
(2-1)インクの粘度の測定
インク1及びインク2の物性(30℃、80℃における粘度、ゲル化温度)を、以下の方法で測定した。
インク1:30℃粘度=1.9×104mPa・s、80℃粘度=10mPa・s、ゲル化温度63℃
インク2:30℃粘度=4.8×105mPa・s、80℃粘度=10mPa・s、ゲル化温度60℃
インク3:30℃粘度=1.0×105mPa・s、80℃粘度=9mPa・s、ゲル化温度58℃
なお、後述する実施例10で用いた、A成分A-1とB成分B-4からなるインクも温度によりゾル・ゲル相転移し、30℃においてゲル状態であることを確認した。
(3-1)画像形成
図7に示した、インクジェット画像形成装置に、構成例1のインク供給部を搭載して、記録媒体上に連続で画像形成を行った。構成例1のインク供給部にA成分A-1とB成分B-1をセットし、加熱ユニットを90℃に加熱した。その後、A成分とB成分の混合質量比が98.0:2.0となるようにA成分とB成分の送液量を調整した。インクジェットヘッド及びサブタンク-インクジェットヘッドの流路も90℃に加熱した。
上記連続印刷を1日5時間実施する試験を20日間繰り返した。1日の試験の終了時には装置の電源をOFFにして、翌日の試験前に装置の電源をONにした。
実施例1において、B成分をB-2に置き換えて、A成分とB成分の混合質量比を表Iのように変えた以外は同様にして、画像形成及び連続印字を実施した。
実施例1において、インク供給部を構成例2に置き換えて、さらにB成分をB-2に置き換えて、A成分とB成分の混合質量比を表Iのように変えた以外は同様にして、画像形成及び連続印字を実施した。
実施例1において、インク供給部を構成例3に置き換えた以外は同様にして、画像形成及び連続印字を実施した。
実施例2において、A成分とB成分の混合質量比を表Iのように変えた以外は同様にして、画像形成及び連続印字を実施した。
実施例1において、A成分をA-2とし、B成分をB-3として、その混合質量比を表Iのように変えた以外は同様にして、画像形成及び連続印字を実施した。
実施例1において、B成分をB-4に置き換えた以外は同様にして、画像形成及び連続印字を実施した。
実施例1において、インク供給部を構成例4に置き換えて、さらにインクを実施例1と組成は同じではあるが、あらかじめ、インクジェットインク画像形成装置の外で調製したインク1に変えて画像形成及び連続印字を実施した。
図5は、比較のインクジェット記録装置で用いられる一般的なインクジェットプリンターのインク供給部の構成例4を示している。構成例4では、ゲルインクはインク貯蔵タンク201内でインク撹拌翼210により撹拌されることでゲルを崩した状態で送液される。サブタンク209に送液されたゲルインクは加熱ユニット206により加熱され、ゾル化した状態でヘッドへと送液される。
比較例1において、インク供給部を構成例5に置き換えて、インク1を使用して画像形成及び連続印を実施した。
図6は、比較のインクジェット記録装置で用いられる一般的なインクジェットプリンターのインク供給部の構成例5を示している。構成例5では、ゲルインクを使用する場合は、装置全体を加熱ユニット210で加熱し、インクを液状にした状態で送液する。
実施例2において、インク供給部を構成例4に置き換えて、さらにインクを実施例2と組成は同じではあるが、あらかじめ、インクジェットインク画像形成装置の外で調製したインク2に変えて画像形成及び連続印字を実施した。
実施例7において、インク供給部を構成例4に置き換えて、さらにインクを実施例7と組成は同じではあるが、あらかじめ、インクジェットインク画像形成装置の外で調製したインク3に変えて画像形成及び連続印字を実施した。
上記3-2に記載の連続印字で得られた、各実施例と比較例の印字物に対して、最初の1枚目の画質と20日後の最終印字物の画質を以下の観点で評価した。
○:ベタ部に目視で濃度ムラ及び光沢ムラ見られないが、文字のポジ部の先鋭性が若干低下している。
△:ベタ部に目視でわずかに濃度ムラ又は光沢ムラが見られ、文字のネガ部が一部潰れている。
×:ベタ部に目視で濃度ムラ及び光沢ムラが見られ、文字のネガ部が潰れている。
上記3-2に記載の連続印字で、各実施例と比較例について得られた印字物に対して、以下の観点で連続印字安定性を評価した。
○:1枚目と最終印字物で画質に差が見られない。
×:1枚目の画質と比較して最終印字物の画質に劣化が見られる。
上記連続印刷に要した消費電力の合計値を記録した。実施例1の連続印刷に要した消費電力を1.0としてとして、各実施例の消費電力の相対値を記載した。
以上の結果を表Iに示す。
比較例2では、メインタンクと流路全体を加熱するため消費電力が膨大になる。
2、102 A成分の送液流路
3、103 A成分の送液ポンプ
4、104 B成分の貯蔵タンク
5、105 B成分の送液ポンプ
105a B成分の供給部
6、106 加熱ユニット
7 混合ユニット
107a 混合ユニットとしてのスタティックミキサー
107b 混合ユニットとしてのダイナミックミキサー
108 電磁弁
109 サブタンク
110 フロートセンサー
111 負圧制御部
112 送液流路
113 スティック状のB成分
201 インク貯蔵タンク
202 インク送液流路
203 インク送液ポンプ
204 電磁弁
206 加熱ユニット
209 サブタンク
210 フロートセンサー
211 負圧制御部
212 送液流路
213 インクジェットヘッド
210 インク撹拌翼
211 加熱ユニット
300 インクジェット記録装置
310 インクジェットヘッド
311 ノズル
313 ノズル面
320 搬送部
321 駆動ローラ
322 従動ローラ
323 搬送ベルト
324 加熱装置
330 照射部
340 制御部
350 記憶部
360 データ入力部
370 測定部
380 インク供給部
400 記録媒体
Claims (11)
- 活性光線硬化型インクジェットインクを記録するためのインクジェット記録方法であって、
前記活性光線硬化型インクジェットインクが、重合性モノマー及び光重合開始剤を含有
する液体組成物(A成分)と前記A成分をゲル化させることのできる融点が40℃以上の組成物(B成分)とを含有し、
前記A成分と前記B成分とを、インラインで、加熱下、混合ユニット内で混合して調製された活性光線硬化型インクジェットインクを用いること、及び前記B成分が重合性モノマー及び光重合開始剤を含まないことを特徴とするインクジェット記録方法。 - 前記A成分中の前記重合性モノマーが、ラジカル重合性モノマー又はカチオン重合性モノマーであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記A成分として、さらに着色剤として顔料又は染料を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記B成分の融点が、50~130℃の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記B成分が、ワックス性ゲル化剤であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記A成分と前記B成分の質量比(A:B)が、90.0:10.0~99.5:0.5の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 活性光線硬化型インクジェットインクを用いるインクジェット記録装置であって、
前記活性光線硬化型インクジェットインクが、重合性モノマー及び光重合開始剤を含有する液体組成物(A成分)と前記A成分をゲル化させることのできる融点が40℃以上の組成物(B成分)とを含有し、かつ前記B成分が重合性モノマー及び光重合開始剤を含まない組成物であり、
前記活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に向けて吐出するインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドの上流に、前記A成分と前記B成分とを、加熱下、混合する混合ユニットと、
調製した混合物が所望の温度で可逆的にゾル・ゲル相転移する活性光線硬化型インクジェットインクとなるように、前記A成分と前記B成分との混合量を制御する手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記混合ユニットの下流にサブタンクを有することを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
- 前記混合ユニットが、スタティックミキサーを有することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のインクジェット記録装置。
- 前記加熱下、混合する手段が、B成分を前記混合ユニットの上流で加熱溶融した後、送液ポンプによりA成分を含む加熱された前記混合ユニット内に送液することを特徴とする
請求項7から請求項9までのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記送液ポンプが、ダイヤフラムポンプ又はシリンジポンプであることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。
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