JP7159782B2 - リング状部材の搬送装置及び搬送方法、並びに転がり軸受、機械、及び車両の製造方法 - Google Patents
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Description
また、転がり軸受に限らず、同様の形状を有するリング状部材についても同様の問題があった。
(1) 複数のリング状部材をそれぞれの中心孔を連通させて並べた配列体が配置される配列体配置部と、
前記リング状部材の中心孔に挿入可能であり、軸方向先端部に向けて先細りとなる傾斜面を有する棒体と、
前記棒体の基端部が固定され、前記棒体を移動自在に支持する棒体移動機構と、
前記棒体に作用する軸方向反力、及び前記軸方向に直交する径方向反力を検出する外力センサと、
前記棒体を、該棒体の先端部から前記配列体の前記中心孔内へ前記リング状部材の配列方向に沿って挿入して、前記配列体の前記配列方向の一端から他端まで挿通させる途中で、前記外力センサが前記軸方向反力を検出した場合に、前記棒体を前記径方向反力の作用方向へ移動させるように前記棒体移動機構を駆動させる棒体位置補正部と、
を備え、
前記棒体移動機構は、前記棒体を前記配列体に挿通させたまま所望の位置に移動させるリング状部材の搬送装置。
このリング状部材の搬送装置によれば、一列に並べて置かれた複数のリング状部材に段部が生じていても、棒体がリング状部材同士の段部に突き当たった際、棒体の傾斜面が段部に沿って摺動する。そのときに、棒体に生じた径方向反力の作用方向に棒体を移動させることで、棒体を更に先へ円滑に挿入できる。これによれば、棒体をリング状部材に円滑に自動挿入することが容易に行え、複数のリング状部材を効率よく搬送できる。
前記棒体位置補正部は、前記少なくとも2方向の反力を合成した前記径方向反力を求め、求めた前記径方向反力の作用方向へ前記棒体を移動させる(1)に記載のリング状部材の搬送装置。
このリング状部材の搬送装置によれば、外力センサが、互いに交差する少なくとも2方向の反力を検出することで径方向反力を検出し、この径方向反力の作用方向へ棒体を移動させることで、棒体を更に先へ挿入することができる。
このリング状部材の搬送装置によれば、多軸ロボットにより棒体を所望の位置及び姿勢で配置でき、且つ棒体を高精度に直線移動できる。これにより、リング状部材の中心孔内での棒体の挿入動作を正確に制御できる。
このリング状部材の搬送装置によれば、6軸力覚センサにより、棒体に負荷される荷重とトルクとを同時に測定でき、高精度に径方向反力の作用方向を特定できる。また、棒体の移動制御をより高精度に行える。
このリング状部材の搬送装置によれば、一列に並べられたリング状部材を棒体に一度に支持させることができ、効率よくリング状部材を搬送できる。
このリング状部材の搬送装置によれば、リング状部材の中心軸ずれが過大であ場合等、棒体が挿入不能である場合に、棒体の挿入動作を中止する。これによりフェールセーフ機構を構築できる。
前記配列体の前記リング状部材の配列方向一端側で、軸方向先端部に向けて先細りとなる傾斜面を有する棒体を前記配列体と同軸に配置する工程と、
前記棒体を、前記配列方向に沿って前記中心孔内へ挿入して、前記配列体の配列方向の一端から他端まで挿通する工程と、
前記棒体を、前記配列体に挿通させたまま移動させ、複数の前記リング状部材を搬送する工程と、
を有し、
前記棒体を前記配列体に挿通する工程は、
前記棒体の前記配列体への挿入途中で、前記棒体の軸方向に作用する軸方向反力、及び前記軸方向に直交する径方向反力を検出し、前記軸方向反力が検出された場合に、前記棒体を前記径方向反力の作用方向へ移動させる工程を含む
リング状部材の搬送方法。
このリング状部材の搬送方法によれば、一列に並べて置かれた複数のリング状部材に段部が生じていても、棒体がリング状部材同士の段部に突き当たった際、棒体の傾斜面が段部に沿って摺動する。そのときに、棒体に生じた径方向反力の作用方向に棒体を移動させることで、棒体を更に先へ円滑に挿入できる。これによれば、棒体をリング状部材に円滑に自動挿入することが容易に行え、複数のリング状部材を効率よく搬送できる。
前記棒体の前記配列体への挿入途中で、前記棒体の軸方向に作用する軸方向反力、及び前記軸方向に直交し且つ互いに交差する少なくとも2方向の反力を検出し、前記軸方向反力が検出された場合に、前記少なくとも2方向の反力を合成した前記径方向反力を求め、前記棒体を前記径方向反力の作用方向へ移動させる(7)に記載のリング状部材の搬送方法。
このリング状部材の搬送方法によれば、互いに交差する少なくとも2方向の反力を検出することで径方向反力を検出し、この径方向反力の作用方向へ棒体を移動させることで、棒体を更に先へ挿入することができる。
このリング状部材の搬送方法によれば、棒体に予め定めた閾値以上の軸方向反力が作用する場合に、棒体のこれ以上の挿入を停止することで、フェールセーフ機構を構築できる。
前記転がり軸受を、(7)~(9)のいずれか一つに記載のリング状部材の搬送方法により搬送する転がり軸受の搬送方法。
この転がり軸受の搬送方法によれば、一列に並べて置かれた複数の転がり軸受に棒体を円滑に挿入でき、効率よく転がり軸受を搬送できる。
この転がり軸受の製造方法によれば、複数の転がり軸受を纏めて搬送でき、効率よく転がり軸受を製造できる。
この機械の製造方法によれば、転がり軸受が搭載される機械を効率よく製造できる。
この車両の製造方法によれば、転がり軸受が搭載される車両を効率よく製造できる。
ここでは、リング状部材として、転動輪と、転動輪に転がり接触する複数の転動体とを有する転がり軸受(以下、単に「軸受」と記す。)を例示して説明するが、これに限らない。
搬送装置100は、軸受を載置する軸受載置台(配列体配置部)11と、棒体13の基端部13aを支持する棒体移動機構15と、外力センサ17と、撮像装置19と、ロボット駆動部21と、制御部23とを備える。
図1に示すように、軸受載置台11には、複数の軸受27を、それぞれの中心孔を連通させて直線状に並べた配列体29が配置される。
まず、制御部23は、撮像装置19により配列体29の端面を撮像する(S11)。撮像装置19が撮像した画像の画像信号SIG2は、制御部23に入力される。制御部23は、入力された画像信号SIG2を画像処理して、配列体219の端部における軸受27の中心孔27aの位置を求める。そして、求めた位置を棒体挿入位置として設定する(S12)。
制御部23は、棒体13を配列体29の中心孔27aに挿入する際、挿入途中で棒体13が受ける外力を外力センサ17により検出する。
図6に示すように、棒体13の先端部13bに形成された傾斜面33の領域の径方向寸法Lrよりも、段部28の径方向の段差寸法Lsが小さい場合(Lr>Ls)、棒体13を挿入し続けると、棒体13は、傾斜面33に段部28の縁部28aが摺動しながら、図5(B)に示すように径方向に変位しながら軸方向に移動する。しかし、段部28の段差寸法Lsが径方向寸法Lr以上になると(Lr≦Ls)、棒体13が段部28に突き当たり、これ以上の挿入が不能になる。
また、S15で軸方向反力Fbkが検出され、S16で軸方向反力Fbkが上記した閾値未満である場合には、制御部23は、棒体13を基準距離ΔLだけ挿入方向へ押し進める(S19)。
図7に示すように、棒体13は、軸方向移動に伴って、先端部13bの傾斜面33が軸受27Bの段部28の縁部28aに当接しながら滑り、軸受27A,27Bの径方向内側へ斜め方向に移動する。このとき棒体13における段部28の縁部28aとの接触位置に作用する力は、軸方向反力Fbkと径方向反力Frの合力Fとなる。
図5(A)~(C)、図7においては、径方向反力Frが上方に向かう場合を模式的に示しているが、実際の径方向反力Frの作用方向は、軸受27の配置状況に応じて任意の方向となり得る。
図8(A)に示すように、棒体13の円周方向の1点(P1点)で軸受の段部に突き当たると、棒体13の中心点O1に向けて径方向反力Frが生じる。この径方向反力Frは、上下方向であるZ方向の分力Fzと、軸受の配列方向であるX方向及びZ方向に直交するY方向の分力Fyに分解できる。
制御部23は、図8(B)に示すように、外力センサ17により検出された外力fy,fz(図8(A)参照)に応じて、棒体13のY方向への移動量ΔLyと、Z方法への移動量ΔLzを求める。そして、多軸ロボット43の駆動により、棒体13をY方向にΔLy、Z方向にΔLzだけ移動させ、棒体13の中心位置をO1からΦ方向に距離ΔRだけずれたO2に移動させる。
また、ステアリングコラム、自在継手、中間ギア、ラックアンドピニオン、電動パワーステアリング装置、ウォーム減速機、トルクセンサ等の操舵装置への適用も可能である。
そして、上記機械、操舵装置等を含む車両、工作機械、住宅機器等に、上記搬送装置及び搬送方法並びに製造方法を広く適用することができる。
これにより得られた機械、車両等によれば、効率よく搬送が行えるため、生産性を高めて、しかも低コストな構成にできる。
13 棒体
13a 基端部
13b 先端部
15 棒体移動機構
17 外力センサ
21 ロボット駆動部
23 制御部
27 転がり軸受(リング状部材)
28 段部
29 配列体
33 傾斜面
43 多軸ロボット
100 搬送装置
Claims (11)
- 複数のリング状部材をそれぞれの中心孔を連通させて並べた配列体が配置される配列体配置部と、
前記リング状部材の中心孔に挿入可能な棒状体であって、その軸方向の先端部に、先細りとなる傾斜面を有する棒体と、
前記棒体の基端部が固定され、前記棒体を移動自在に支持する棒体移動機構と、
前記棒体に作用する軸方向反力、及び前記軸方向に直交する径方向反力を検出する外力センサと、
前記棒体移動機構が、前記棒体を、該棒体の先端部から前記配列体の前記中心孔内へ前記リング状部材の配列方向に沿って挿入して、前記配列体の前記配列方向の一端から他端まで挿通させる途中で、前記棒体の前記先端部が前記リング状部材間の段差に当接し、前記外力センサが、前記軸方向反力及び径方向反力を検出した場合に、前記棒体を平行移動させるように前記棒体移動機構を駆動させる棒体位置補正部と、
を備え、
前記棒体位置補正部は、前記外力センサが検出した前記軸方向反力及び径方向反力を合成した合成反力を求め、求めた前記合成反力の作用方向へ前記棒体を平行移動させるリング状部材の搬送装置。 - 前記棒体移動機構は、前記棒体を姿勢変更自在に支持する多軸ロボットを備える請求項1に記載のリング状部材の搬送装置。
- 前記外力センサは、前記多軸ロボットの先端軸と前記棒体との間に配置された6軸力覚センサである請求項2に記載のリング状部材の搬送装置。
- 前記棒体の軸方向長さは、前記配列体の前記リング状部材の配列方向長さよりも長い請求項1~3のいずれか一項に記載のリング状部材の搬送装置。
- 前記棒体位置補正部は、前記棒体の前記配列体への挿入途中で、前記外力センサが前記棒体からの閾値以上の前記合成反力を検出した場合に、前記棒体の挿入動作を中止する機能を有する請求項1~4のいずれか一項に記載のリング状部材の搬送装置。
- 複数のリング状部材をそれぞれの中心孔を連通させて並べた配列体にする工程と、
前記配列体の前記リング状部材の配列方向一端側で、軸方向先端部に、先細りとなる傾斜面を有する棒体を前記配列体と同軸に配置する工程と、
前記棒体を、前記配列方向に沿って前記中心孔内へ挿入して、前記配列体の配列方向の一端から他端まで挿通する工程と、
前記棒体を、前記配列体に挿通させたまま移動させ、複数の前記リング状部材を搬送する工程と、
を有し、
前記棒体を前記配列体に挿通する工程は、
前記棒体の前記配列体への挿入途中で、前記棒体の前記先端部が前記リング状部材間の段差に当接して、前記棒体の軸方向に作用する軸方向反力、及び前記軸方向に直交する径方向反力が検出された場合に、前記軸方向反力及び径方向反力を合成した合成反力を求め、求めた前記合成反力の作用方向へ前記棒体を平行移動させる工程を含む
リング状部材の搬送方法。 - 検出された前記軸方向反力が、予め定めた閾値以上である場合に、前記棒体の挿入を中止する請求項6に記載のリング状部材の搬送方法。
- 前記リング状部材は、転動輪と、該転動輪に転がり接触する複数の転動体とを有する転がり軸受であり、
前記転がり軸受を、請求項6又は請求項7に記載のリング状部材の搬送方法により搬送する転がり軸受の搬送方法。 - 請求項8に記載の転がり軸受の搬送方法を用いる転がり軸受の製造方法。
- 請求項9に記載の転がり軸受の製造方法を用いる機械の製造方法。
- 請求項9に記載の転がり軸受の製造方法を用いる車両の製造方法。
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