JP7156610B2 - 硫黄化合物含有物除去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回転する送風機ファンに付着した硫黄化合物含有物を運転継続状態で除去する硫黄化合物含有物除去方法に関するものである。
火力発電プラント等では、石炭及び石油コークス等を燃料として燃焼室で燃焼することにより、高温高圧の水蒸気を発生させ、その水蒸気で蒸気タービン及び発電機を駆動させて発電している。燃料として石炭及び石油コークス等を使用する場合、燃焼排ガス中には、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)及び粉塵(燃焼灰、未燃カーボン)が含まれる。燃焼排ガスは、送風機ファンにより、燃焼室から煙突まで送風される。
送風機ファンは、燃焼ガスに含まれている未燃カーボン及び燃焼灰等が結合し粘度の高い硫酸アンモニウムミストを送風することで、硫黄化合物含有物(例えば、硫酸アンモニウム)が付着することがある。送風機ファンに硫黄化合物含有物が不均一に付着することにより、送風機ファンの回転バランスの不良が発生する。送風機ファンの回転バランスの不良が発生することにより、送風機ファンに振動が発生し、プラントの安定運転を阻害している。
送風機ファン等の洗浄対象物に付着した付着物を除去する方法として、ドライアイスを噴射して付着物を除去する方法が提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。
しかし、特許文献1~3に記載の技術では、運転停止状態の洗浄対象物の付着物を除去することはできるが、運転継続状態の洗浄対象物の付着物を除去することができない。つまり、特許文献1~3に記載の技術では、洗浄対象物の運転を停止させなければ洗浄することができないので、洗浄のために運転を停止させる時間的ロスが生じてしまう問題がある。
特開2017-70891号公報 特開2016-198854号公報 特開2015-128745号公報
本発明の目的は、上記問題を解決し、回転する送風機ファンに付着した硫黄化合物含有物を運転継続状態で除去することができる硫黄化合物含有物除去方法を提供することである。
本発明は、以下のものに関する。
(1)送風機ファンに付着した硫黄化合物含有物を除去する硫黄化合物含有物除去方法であって、回転する前記送風機ファンに向けてドライアイス粒を噴射する工程と、前記ドライアイス粒を前記硫黄化合物含有物に衝突させる工程と、前記硫黄化合物含有物を前記送風機ファンから剥離させる工程とを含む、硫黄化合物含有物除去方法。
(2)前記ドライアイス粒が前記硫黄化合物含有物に衝突する際の飛行速度と前記硫黄化合物含有物の速度との相対速度が、50m/s以上200m/s以下である、(1)の硫黄化合物含有物除去方法。
(3)前記ドライアイス粒が前記硫黄化合物含有物に衝突する際の前記ドライアイス粒の平均質量が、0.012g以上0.111g以下である、(1)又は(2)の硫黄化合物含有物除去方法。
(4)前記ドライアイス粒が前記硫黄化合物含有物に衝突する際の前記ドライアイス粒1個分の平均運動エネルギーが、0.23J以上2.22J以下である、(1)~(3)のいずれかの硫黄化合物含有物除去方法。
(5)前記ドライアイス粒が前記硫黄化合物含有物に衝突する際の環境温度が、147℃以上200℃以下である、(1)~(4)のいずれかの硫黄化合物含有物除去方法。
(6)前記硫黄化合物含有物が、硫酸アンモニウムを含む、(1)~(5)のいずれかの硫黄化合物含有物除去方法。
(7)前記ドライアイス粒を噴射する方向が、前記送風機ファンの下流側方向からである、(1)~(6)のいずれかの硫黄化合物含有物除去方法。
(8)前記送風機ファンが、遠心ファンである、(1)~(7)のいずれかの硫黄化合物含有物除去方法。
(9)前記ドライアイス粒を噴射する方向が、前記送風機ファンの回転軸の軸方向に対して略垂直方向である、(8)の硫黄化合物含有物除去方法。
(10)前記送風機ファンを構成する羽根の回転方向における前面と後面のうち、前記後面に対して前記ドライアイス粒を噴射する、(8)又は(9)の硫黄化合物含有物除去方法。
本発明によれば、送風機ファンに付着した硫黄化合物含有物を効率的に除去でき、さらに付着物の堆積による送風機ファンの振動を軽減できる。
本発明の硫黄化合物含有物除去方法を示すフローチャートである。 本発明の硫黄化合物含有物除去方法におけるドライアイス粒の噴射による洗浄原理について説明するための概略図である。 本発明の硫黄化合物含有物除去方法を実施するプラントの模式図である。 本発明の硫黄化合物含有物除去方法に用いるブラスト装置の模式図である。
本発明の実施の形態に係る硫黄化合物含有物除去方法は、送風機ファンに付着した硫黄化合物含有物を除去する硫黄化合物含有物除去方法であって、図1に示すように、回転する送風機ファンに向けてドライアイス粒を噴射する工程S1と、ドライアイス粒を硫黄化合物含有物に衝突させる工程S2と、硫黄化合物含有物を送風機ファンから剥離させる工程S3とを含む。上記の工程S2においては、ドライアイス粒が硫黄化合物含有物に衝突して硫黄化合物含有物に亀裂が発生すると推定される。また、上記の工程S3においては、ドライアイス粒が亀裂箇所で昇華し体積が膨張することで硫黄化合物含有物が送風機ファンから剥離すると推定される。
本発明の実施の形態に係る硫黄化合物含有物除去方法におけるドライアイス粒の噴射による洗浄原理について、図2を参照しながら説明する。
まず、図2(a)に示すように、洗浄対象物である送風機ファン10に付着した硫黄化合物含有物20に向けてドライアイス粒30をブラスト装置(図示せず)により噴射する。
次に、図2(b)に示すように、ドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に衝突すると、ドライアイス粒30によって、急冷され、収縮した硫黄化合物含有物20に亀裂21が発生すると推定される。
次に、ドライアイス粒30が亀裂21の近傍箇所で昇華し体積が膨張する気体31となることで、図2(c)に示すように、硫黄化合物含有物20が送風機ファン10から剥離すると推定される。
そして、図2(d)に示すように、硫黄化合物含有物20が付着していない送風機ファン10となり、送風機ファン10から硫黄化合物含有物20を除去する洗浄が完了する。
送風機ファン10は、図3に示すように、燃料を燃焼させるボイラー等の燃焼室41と燃焼排ガスを排煙する煙突46の間に設けられる。送風機ファン10は、燃焼排ガスを燃焼室41から煙突46まで送風するためのファンである。
火力発電プラント等では、燃焼室41から煙突46までの過程で、例えば、脱硝装置42、空気予熱器(GAH)43、集塵機(EP)44及び脱硫装置45が設けられており、排ガス処理及び熱回収が行われている。脱硝装置42は、アンモニア(NH)が供給され、脱硝触媒によってNOxを窒素(N)に還元、無害化する。空気予熱器43は、燃焼排ガスが有する熱にて微粉炭を燃焼させるための空気を予熱する。集塵機44は、燃焼排ガスを集塵し、燃焼排ガス中の煤塵を除去する。脱硫装置45は、燃焼排ガス中に含まれる硫黄酸化物(SOx)等の有害物質を除去する。
脱硫装置45は、例えば、燃焼排ガス中のSOxの1種である三酸化硫黄(SO)を除去するため、アンモニア(NH)が注入される。
注入されたNHが過剰である場合、下記の式(1)の反応により、(NHSO(硫酸アンモニウム)が生成する。
NH過剰: SO+2NH+HO=(NHSO (1)
注入されたNHが不足した場合、下記の式(2)の反応により、NHHSO(酸性硫酸アンモニウム)が生成する。
NH不足: SO+NH+HO=NHHSO (2)
火力発電プラント等では、一例として、送風機ファン10の上流である空気予熱器43と集塵機44の間でNHを燃焼排ガス中に注入しているが、充分に反応が進まず、上記式(2)で示すNH不足による酸性硫酸アンモニウムが生成することがある。
酸性硫酸アンモニウムの融点約147℃に対して、排ガス温度は、160℃と高いため、酸性硫酸アンモニウムはミスト状で送風機ファン10に吸い込まれる。吸い込まれたミスト状の酸性硫酸アンモニウムは、送風機ファン10の装置内で燃焼ガスに含まれている集塵機44で集塵できなかった未燃カーボン及び燃焼灰等が結合し粘度の高い硫酸アンモニウムミストとなり、硫酸アンモニウムを含む硫黄化合物含有物20が送風機ファン10に付着してしまう。送風機ファン10に付着した硫酸アンモニウムを含む硫黄化合物含有物20が、本発明の硫黄化合物含有物除去方法の洗浄対象物となる。
洗浄対象物としての硫黄化合物含有物20は、硫酸アンモニウムを含むものに限定されること無く、硫黄酸化物(SOx)と中和して生成した生成物であれば洗浄対象物になり得る。
送風機ファン10としては、燃焼排ガスを送風することができるものであれば、特に限定されることなく、例えば、遠心ファン、軸流ファン、斜流ファン及び横流ファン等が挙げられる。
遠心ファンは、遠心方向に風を送り出すファンであり、軸流ファンより静圧が高い。遠心ファンとしては、ターボ形ファン及びシロッコ形ファンがある。
軸流ファンは、空気を羽根で切るようにして押し出すことで、遠心ファンより多くの風量を送ることができるが、遠心ファンより静圧が低い。軸流ファンとしては、プロペラ形ファンがある。
斜流ファンは、遠心ファンと軸流ファンの中間の性能を有する。斜流ファンとしては、プロペラ形ファンがある。
横流ファンは、軸方向に長い送風幅を持つことが可能である。横流ファンとしては、クロスフロー形ファンがある。
ドライアイス粒を噴射する工程S1において、洗浄対象物である送風機ファン10に付着した硫黄化合物含有物20に向けてドライアイス粒30を噴射するブラスト装置について説明する。
ブラスト装置は、図4に示すように、コンプレッサー51と、ドライヤー52と、ドライアイスブラスト機53と、ブラストガン54とを備える。
図4では、送風機ファン10が遠心ファンであり、遠心ファンに付着した硫黄化合物含有物20に向けてドライアイス粒30を噴射するブラスト装置を示す。
コンプレッサー51は、ドライアイスブラスト機53に圧縮空気を供給するものである。
ドライヤー52は、コンプレッサー51から排出された圧縮空気の湿度を低下させるものである。ドライヤー52は、圧縮空気中の水分を除去した後、圧力調整弁及び流量計を介して圧縮空気をドライアイスブラスト機53へと供給する。
ドライアイスブラスト機53は、ドライアイス粒30を貯留するとともに、ドライアイス粒30をブラストガン54に供給するものである。
ブラストガン54は、コンプレッサー51から供給された圧縮空気を利用して、ドライアイス粒30を洗浄対象物に噴射するものである。ブラストガン54には、ノズル55が取り付けられており、ノズル55を介してドライアイス粒30及び圧縮空気が洗浄対象物に向けて噴射される。
硫黄化合物含有物20は、送風機ファン10を構成する羽根の回転方向における前面と後面のうち、図4に示すような形で後面に付着することがある。送風機ファン10の後面に硫黄化合物含有物20が付着する環境においては、ドライアイス粒30を噴射する方向が、送風機ファン10の下流側方向からであることが好ましい。つまり、送風機ファン10の後面に硫黄化合物含有物20が付着する環境においては、送風機ファン10を構成する羽根の回転方向における前面と後面のうち、後面に対してドライアイス粒30を噴射することが好ましい。送風機ファン10の下流側方向からからライアイス粒30を噴射することで、送風機ファン10の後面に付着した硫黄化合物含有物20を追いかけることになるので、ドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に衝突する際の飛行速度と硫黄化合物含有物20の速度との相対速度が一定以上であることを要する。
ドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に衝突する際の飛行速度と硫黄化合物含有物20の速度との相対速度は、50m/s以上200m/s以下であることが好ましく、60m/s以上180m/s以下であることがより好ましく、70m/s以上160m/s以下であることがさらに好ましい。ドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に衝突する際の飛行速度と硫黄化合物含有物20の周速度との相対速度が、上記範囲であることで、ドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に十分な衝撃を加えることができ、硫黄化合物含有物20に亀裂を発生させ、硫黄化合物含有物20を洗浄除去することができる。なお、硫黄化合物含有物20の速度は、ドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に衝突する際の飛行方向の速度成分である。
なお、上記の各速度は、高速度カメラで測定することができる。
ドライアイス粒30を噴射する方向は、図4に示すように、送風機ファン10の回転軸11の軸方向に対して略垂直方向であることが好ましい。ここで、「略垂直方向」とは、送風機ファン10の回転軸11の軸方向に対して85度以上95度以下であることをいう。ドライアイス粒30を噴射する方向は、送風機ファン10の回転軸11の軸方向に対して、86度以上94度以下であることが好ましく、87度以上93度以下であることがより好ましく、88度以上92度以下であることがさらに好ましい。
送風機ファン10が遠心ファンである場合では、ドライアイス粒30を噴射する方向は、遠心ファンの接線方向であることが好ましい。
ドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に衝突する際のドライアイス粒30の平均質量は、0.012g以上0.111g以下であることが好ましく、0.055g以上0.111g以下であることがより好ましく、0.098g以上0.111g以下であることがさらに好ましい。ドライアイス粒30の平均質量が、上記範囲であることで、ドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に十分な衝撃を加えることができ、硫黄化合物含有物20に亀裂を発生させ、硫黄化合物含有物20を洗浄除去することができると推定する。
なお、ドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に衝突する際のドライアイス粒30は飛行時の昇華によって減量するが、その平均質量は、炭酸ガスの昇華拡散による影響を計算して衝突直前の粒子径残存率及び体積残存率を求め、この衝突直前の体積残存率と予め測定済みの衝突前の平均体積と密度の積によって算出することができる。平均化は、数百個~数千個分の粒子の測定値から数平均する方法を用いることができる。ただし、上記の炭酸ガスの昇華拡散によるドライアイス粒30の体積残存率は、本明細書で例示している条件範囲、例えば環境温度及びドライアイス粒30の飛行速度の条件範囲で一定値、つまり実施例における88.3%を適用でき、ドライアイス粒30の密度も一定値、つまり1.57g/cmを適用できるものと仮定する。
ドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に衝突する際のドライアイス粒1個分の平均運動エネルギーは、硫黄化合物含有物20の位置を基準にしたときのドライアイス粒30の運動エネルギーであって、0.23J以上2.22J以下であることが好ましく、0.30J以上2.22J以下であることがより好ましく、0.36J以上2.22J以下であることがさらに好ましい。ドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に衝突する際のドライアイス粒1個分の平均運動エネルギーが、上記範囲であることで、ドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に十分な衝撃を加えることができ、硫黄化合物含有物20に亀裂を発生させ、硫黄化合物含有物20を洗浄除去することができる。
なお、ここでのドライアイス粒1個分の平均運動エネルギーは、前述のドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に衝突する際のドライアイス粒30の平均質量<m>と、高速度カメラで測定されたドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に衝突する際の飛行速度と硫黄化合物含有物20の速度との相対速度<v>とから、(1/2)mvの式によって求めることができる。
ドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に衝突する際の環境温度は、147℃以上200℃以下であることが好ましく、147℃以上180℃以下であることがより好ましく、147℃以上165℃以下であることがさらに好ましい。ドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に衝突する際の環境温度が、上記範囲であることで、ドライアイス粒30が固体を維持しやすく、昇華する前に硫黄化合物含有物20に衝突することができる。
なお、ドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に衝突する際の環境温度は、送風機ファン10の近傍に設置された熱電対によって測定することができる。
回転する送風機ファン10に向けてドライアイス粒30を噴射する工程(S1)を行う前のドライアイス粒30の形状は、径φが1.0mm以上5.0mm以下であることが好ましく、1.5mm以上4.5mm以下であることがより好ましく、2.0mm以上4.0mm以下であることがさらに好ましい。また、ドライアイス粒30の形状は、長さLが3.0mm以上15.0mm以下であることが好ましく、4.0mm以上12.5mm以下であることがより好ましく、5.0mm以上10.0mm以下であることがさらに好ましい。ドライアイス粒30の形状が、上記範囲であることで、十分な飛行速度を得やすくなり、十分な平均運動エネルギーが得やすくなる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
[ブラスト装置]
実施例において用いたブラスト装置(ColdJet社製、製品名「Aero C100」)の仕様及びドライアイス粒を表1に示す。
Figure 0007156610000001
[硫黄化合物含有物]
実施例での洗浄対象物である硫黄化合物含有物の成分を表2に示す。
Figure 0007156610000002
[硫黄化合物含有物除去]
<回転する送風機ファンに向けてドライアイス粒を噴射する工程S1>
工程S1として、送風機ファンとして遠心ファンに付着した硫黄化合物含有物に向けてドライアイス粒を噴射した。ドライアイス粒を噴射した方向は、遠心ファンの回転軸の軸方向に対して略垂直方向であり、遠心ファンの接線方向である。
遠心ファンの回転数は、900rpmであった。
<ドライアイス粒を硫黄化合物含有物に衝突させる工程S2>
工程S2において、以下の条件でドライアイス粒を硫黄化合物含有物に衝突させた。
ドライアイス粒が硫黄化合物含有物に衝突する際の飛行速度は、平均160m/sであった。そして、ドライアイス粒が硫黄化合物含有物に衝突する際の硫黄化合物含有物の速度(回転周速度)は、74m/sであった。したがって、ドライアイス粒が硫黄化合物含有物に衝突する際の飛行速度と硫黄化合物含有物の速度との相対速度は、160-74=86m/sであった。
ドライアイス粒が硫黄化合物含有物に衝突する際のドライアイス粒1個分の平均運動エネルギー、つまり硫黄化合物含有物の位置を基準にしたときのドライアイス粒の運動エネルギーは、衝突時の1個分のドライアイス粒の平均質量が0.098gであり、ドライアイス粒の相対速度が86.0m/sであるので、0.36Jであった。
ドライアイス粒30が硫黄化合物含有物20に衝突する際の環境温度は、160℃であった。
上記のドライアイス粒1個分の平均質量の算出方法を詳述すると、以下のようになる。
まず、実施例の条件下(環境温度:160℃、ドライアイス粒の飛行時間:0.013秒)で、ドライアイス粒の粒径残存率は、大気への炭酸ガスの昇華拡散により94%であると推算した。これにより体積の残存率は、ドライアイス粒の長さ方向が不変と仮定すれば、0.94×0.94=0.883と算出されるので、ドライアイス粒が硫黄化合物含有物に衝突する際の質量は、密度不変と仮定すれば、初期質量×0.883となる。ここで、初期平均質量は、初期平均体積×密度であり、φ3.0mm×L10.0mmの形状の粒の初期体積:0.07061cm、密度:1.57g/cmから、0.111gであるので、ドライアイス粒が硫黄化合物含有物に衝突する際の質量は、0.111g×0.883=0.098gとなる。
<硫黄化合物含有物を送風機ファンから剥離させる工程S3>
運転停止状態における硫黄化合物含有物除去に必要な平均運動エネルギーを求めたところ、0.23Jであった。そして、運転継続状態における実際のドライアイス粒が硫黄化合物含有物に衝突する際のドライアイス粒1個分の平均運動エネルギーは0.36Jであったため、0.23Jを上回った。したがって、運転継続状態においても硫黄化合物含有物を送風機ファンから剥離させるのに十分なエネルギーが得られ、洗浄除去が可能であることがわかった。そして、120kgのドライアイス粒を衝突させたところ、付着物による送風機ファンの振動が顕著に軽減し、付着物が除去されたことがわかった。
本発明は、回転する送風機ファンに付着した硫黄化合物含有物を運転継続状態で除去することができる硫黄化合物含有物除去方法であり、硫黄化合物含有物が付着する環境で用いる送風機ファンを利用する幅広い分野に適用可能である。
10…送風機ファン
11…回転軸
20…硫黄化合物含有物
21…亀裂
30…ドライアイス粒
31…気体
41…燃焼室
42…脱硝装置
43…空気予熱器
44…集塵機
45…脱硫装置
46…煙突
51…コンプレッサー
52…ドライヤー
53…ドライアイスブラスト機
54…ブラストガン
55…ノズル

Claims (7)

  1. 送風機ファンに付着した硫黄化合物含有物を除去する硫黄化合物含有物除去方法であって、
    回転している前記送風機ファンに向けてドライアイス粒を噴射する工程と、
    前記ドライアイス粒を前記硫黄化合物含有物に衝突させる工程と、
    前記硫黄化合物含有物を前記送風機ファンから剥離させる工程とを含み、
    前記ドライアイス粒を噴射する方向が、前記送風機ファンの回転軸の軸方向に対して略垂直方向であり、
    前記ドライアイス粒が前記硫黄化合物含有物に衝突する際の前記ドライアイス粒の平均質量が、0.055g以上0.111g以下であり、
    前記ドライアイス粒が前記硫黄化合物含有物に衝突する際の環境温度が、147℃以上180℃以下である、硫黄化合物含有物除去方法。
  2. 前記ドライアイス粒が前記硫黄化合物含有物に衝突する際の飛行速度と前記硫黄化合物含有物の速度との相対速度が、50m/s以上200m/s以下である、請求項1に記載の硫黄化合物含有物除去方法。
  3. 前記ドライアイス粒が前記硫黄化合物含有物に衝突する際の前記ドライアイス粒1個分の平均運動エネルギーが、0.23J以上2.22J以下である、請求項1又は2に記載の硫黄化合物含有物除去方法。
  4. 前記硫黄化合物含有物が、硫酸アンモニウムを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の硫黄化合物含有物除去方法。
  5. 前記ドライアイス粒を噴射する方向が、前記送風機ファンの下流側方向からである、請求項1~のいずれか1項に記載の硫黄化合物含有物除去方法。
  6. 前記送風機ファンが、遠心ファンである、請求項1~のいずれか1項に記載の硫黄化合物含有物除去方法。
  7. 前記送風機ファンを構成する羽根の回転方向における前面と後面のうち、前記後面に対して前記ドライアイス粒を噴射する、請求項に記載の硫黄化合物含有物除去方法。
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