[0019]本発明の好ましい実施形態は、基板搬送容器、および基板搬送容器を備える基板搬送容器スタックを提供し、基板搬送容器および基板搬送容器スタックは、半導体製造などのプロセスにおける基板の搬送、保管、処理、および加工に有利に使用できる。
[0020]本発明の好ましい実施形態はまた、基板搬送容器、および基板搬送容器を備える基板搬送容器スタックを提供し、基板搬送容器および基板搬送容器スタックは、基板をパージ処理に出すために有利に使用される。
[0021]本発明の好ましい実施形態は、さらに、複数の基板搬送容器、および以下の特徴を備える複数の基板搬送容器を含む基板搬送容器スタックを提供する。複数の基板搬送容器は、基板搬送容器スタック内で基板搬送容器が適切な相対位置にあるように保護するか、または寄与する構造を備える。
[0022]本発明の好ましい実施形態は、複数の基板搬送容器、および以下の特徴を備える複数の基板搬送容器を含む基板搬送容器スタックを提供する。複数の基板搬送容器は、基板搬送容器スタック内の複数の基板搬送容器の適切な相対的位置決めに基づいて、基板搬送容器スタックとその複数の基板搬送容器の搬送、基板の保管、基板の処理、および基板の加工のうち少なくとも1つにおいて更なる利点を達成する。
[0023]本発明の好ましい実施形態の1つは、垂直方向に積み重ねられた複数の基板搬送容器を備える基板搬送容器スタックを提供し、複数の基板搬送容器は、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接する各1組の基板搬送容器において、それぞれの下部基板搬送容器がそれぞれの上部基板搬送容器を支持するように積み重ねられ、各々の基板搬送容器が搬送容器外部フレームを備え、搬送容器外部フレームは、内部開口を含む内部ゾーン周辺の水平方向のフレーム面に張り出し、かつ基板搬送容器スタックの基板搬送容器の内部開口により区分けされる内部収容空間内に基板(例えばプレート状の基板)を収容および支持するための基板台座を備え、内部収容空間または内部収容空間の一部は、基板搬送容器スタックの基板搬送容器の内部開口によって規定される。
[0024]各々の基板搬送容器は、基板搬送容器の搬送容器外部フレームに少なくとも1つの上部支持構造と少なくとも1つの下部支持構造を備え、その目的は、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器が、その少なくとも1つの上部支持構造によって、垂直方向に隣接する1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器を、その少なくとも1つの下部支持構造の位置で支持するためである。
[0025]基板搬送容器スタックの各々の基板搬送容器は、さらに以下の特徴を備える:
外部基板搬送容器フレームが、第1フレームウェブ軸に沿って延びる第1フレームウェブと、第2フレームウェブ軸に沿って延びる第2フレームウェブと、第3フレームウェブ軸に沿って延びる第3フレームウェブと、第4フレームウェブ軸に沿って伸びる第4フレームウェブを備え、
第1フレームウェブ軸は、第1フレームウェブおよび第4フレームウェブと関連する第1頂点において、第4フレームウェブ軸と直交し、さらに第1フレームウェブおよび第4フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第1フレーム頂点領域と交差し、
第1フレームウェブ軸は、第1フレームウェブおよび第2フレームウェブと関連する第2頂点において、第2フレームウェブ軸と直交し、さらに第1フレームウェブおよび第2フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第2フレーム頂点領域と交差し、
第3フレームウェブ軸は、第3フレームウェブおよび第4フレームウェブと関連する第4頂点において、第4フレームウェブ軸と直交し、さらに第3フレームウェブおよび第4フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第4フレーム頂点領域と交差し、
第3フレームウェブ軸は、第3フレームウェブおよび第2フレームウェブと関連する第3頂点において、第2フレームウェブ軸と直交し、さらに第3フレームウェブおよび第2フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第3フレーム頂点領域と交差し、さらに、
複数の基板保持アームが、搬送容器外部フレームから内向きかつ上向きに張り出し、複数の基板保持アームは内部ゾーンとオーバーラップし、かつ基板台座を形成し、基板台座は搬送容器外部フレームの垂直方向範囲の上方にある距離を隔てて配置され、円周と、あらかじめ定められ、許容される直径か、またはあらかじめ定められ、許容される最小の直径および最大の直径で示される直径範囲内の直径に相当する直径を有するプレート状の基板を搬送するように構成される。
[0026]基板搬送容器スタックの各々の基板搬送容器は、少なくとも1つの第1位置決め構造と少なくとも1つの第2位置決め構造を備え、垂直方向に隣接する1組の基板搬送容器において、1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器の少なくとも1つの第1位置決め構造が、1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器の少なくとも1つの第2位置決め構造と係合するか、または係合可能であり、この垂直方向に隣接する1組の基板搬送容器の2つの基板搬送容器の適切な相対的位置決めを確保する。
[0027]以下で説明する本発明の好ましい実施形態の更に別の面によると、基板搬送容器スタック内におけるこのような基板搬送容器の適切な相対的位置決めに基づいて、基板搬送容器スタックおよびその基板搬送容器の搬送、基板の保管、処理、および加工の少なくとも1つにおける更なる利点、および先行技術のアプローチの実に大幅な改善が達成される。
[0028]第1および第2位置決め構造は、以下のように配置および形成されても良い。すなわち、基板搬送容器スタックが、第1および第2位置決め構造を全く同じように備える基板搬送容器のみを含むとしても、ある1つの基板搬送容器のそれぞれの第1構造、例えば突起および開口または凹部のうちの1つが、基板搬送容器スタックの中で上部または下部に位置する垂直方向に隣接する基板搬送容器である別の基板搬送容器のそれぞれの第2構造、例えば突起および開口部または凹部のうちの1つと係合可能であるように配置および形成されても良い。
[0029]本発明の好ましい実施形態により提供される基板搬送容器の上記解説において、基板搬送容器スタックは、水平なサポート(または一般的に水平基準面)上に適切に水平方向に位置決めされるものとする。これは、典型的には、または好ましくは、基板搬送容器スタックが、それぞれの基板搬送容器に支持される半導体ウェハのような基板の保管、運搬、搬送、および処理の目的で使用されるときに適用される位置決めである。基板搬送容器スタックが異なって位置決めされる場合、例えば斜面上や90度回転させて位置決めされる場合、それぞれの基板搬送容器の搬送容器外部フレームのフレーム面は、厳密には「水平」面ではなく、さらに、「水平な」または「水平方向に」および「垂直な」または「垂直方向に」のような用語に関連するその他の指標もまた、厳密には適用しない。これらを考慮して、これらの指標は、1つの垂直軸および2つの水平軸を有する基板搬送容器スタックの固有の直交座標軸に暗に関連していると理解されるべきであり、水平基準面に対する基板搬送容器スタックの実際の方向とは無関係である。
[0030]フレームウェブ軸および頂点については、当該フレーム軸は、好ましくはそれぞれの関連するフレームウェブ内で、少なくとも部分的に延びるものと想定されるが、このことは必須ではないことに注意すべきである。さらに、それぞれの頂点が、必ずしもそれぞれのフレーム頂点領域内に配置されると仮定する必要はない。このような仮定が合理的であるかどうか、またどの程度合理的であるかは、フレームウェブおよびフレーム頂点領域の正確なジオメトリと共に、搬送容器外部フレーム、例えば、おおよそ正方形または長方形の搬送容器外部フレームに依存する。一般的には、フレームウェブ軸は、それぞれのフレームウェブのまっすぐな重心線と一致するとされる。フレームウェブの形、およびフレームウェブの垂直方向範囲によるが、この仮定では、頂点が外部フレームウェブのそれぞれの関連するフレーム頂点領域の上に配置されるという結果になるだろう。
[0031]他の好ましい実施形態によると、フレーム頂点領域は、互いに垂直方向に整列されて、それぞれの基板搬送容器の最下部で合致する。この場合には、例えば、フレーム頂点領域の重心で合致するために、それぞれに対応するフレーム頂点領域内に、複数の頂点を配置することは、代替案として、意味を持つ。本好ましい実施形態によると、フレームウェブは関連するフレーム頂点領域から上方向に延びる。この場合、フレームウェブは、関連するフレームウェブ軸から距離を隔てた位置で、フレーム頂点領域間の距離の相当な部分に沿って延びる。その結果、フレームウェブはボトム側、またはボトムエッジが凸面形状を有していることが好ましい。
[0032]例えば、他の好ましい実施形態によると、基板搬送容器の搬送容器外部フレームのフレーム頂点領域が、平面状の、または実質的に平面状の外部頂点部分と、湾曲した、または傾斜した内部頂点部分を備え、内部頂点部分は、外部頂点部分と一体的に接続され、上方向に、かつ内部ゾーン方向に延びるように立ち上がる。平面状の、または実質的に平面状の外部頂点部分は、互いに、垂直方向に配置され、それぞれの基板搬送容器の最下部で合致する。基板搬送容器の搬送容器外部フレームのフレームウェブの各々は、それぞれ、湾曲した、または傾斜したウェブ部分を備え、ウェブ部分は、それぞれのフレームウェブに沿って張り出し、それぞれの外部頂点部分か、またはそれぞれの下部ウェブエッジか、または、少なくとも一部が対応するフレームウェブに沿って延びる実質的に平面状の外部ウェブ部分のいずれかの位置から上方向に、かつ内部ゾーン方向に延びるように、立ち上がる。湾曲した、または傾斜したウェブ部分と内部頂点領域が、連続した搬送容器フレームプロファイルが内部ゾーン周りに張り出し、かつ上部および内部エッジを閉じ込めるように形成されていて、ウェブ部分が、各々内部頂点部分の対応する1組のペア間に張り出し、それぞれのペアの内部頂点部分にマージする。例えば、本好ましい実施形態のある変形例によると、フレームウェブは、関連する複数のフレーム頂点領域間の距離の実質的な部分を超えるように、外部頂点領域の垂直レベルとその間に延びる、それぞれのフレームウェブの下部ウェブエッジとの間に、垂直ギャップがある凸面形状を有する。
[0033]基板搬送容器スタックの各々は、少なくとも2つの第1位置決め構造、および少なくとも2つの第2位置決め構造を備えても良く、第1および第2位置決め構造は、垂直方向に隣接するそれぞれの組の基板搬送容器の2つの基板搬送容器の適切な相対的位置決めを確保するために、互いに係合しているか、または係合可能である。
[0034]基板搬送容器スタックのすべての基板搬送容器は、同じタイプ(例えば、構造上同じであり、または、および、同じ構造配置を有する)であっても良く、それぞれの基板搬送容器のフレームウェブが互いに区別されるように、基板搬送容器のある特定の特徴は、垂直回転軸周りの回転に対してオーダー2の回転対称を有し、さらに、基板搬送容器の別の特徴は、垂直回転軸周りの回転に対してオーダー1の回転対称を有する。
[0035]もし基板搬送容器スタックのすべての基板搬送容器が同じ種類である場合、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接する各1組の基板搬送容器に対して、下部基板搬送容器の第1フレームウェブが上部基板搬送容器の第3フレームウェブを支持し、下部基板搬送容器の第2フレームウェブが上部基板搬送容器の第4フレームウェブを支持し、下部基板搬送容器の第3フレームウェブが上部基板搬送容器の第1フレームウェブを支持し、基板搬送容器の第4フレームウェブが上部基板搬送容器の第2フレームウェブを支持するように基板搬送容器が互いに積み重ねられるので、基板搬送容器の搬送容器外部フレームのそれぞれの第1および第3フレーム頂点領域は、基板搬送容器スタックの第1垂直エッジ領域でオーバーラップし、基板搬送容器の搬送容器外部フレームのそれぞれの第1および第3フレーム頂点領域は、基板搬送容器スタックの第3垂直エッジ領域でオーバーラップし、基板搬送容器の搬送容器外部フレームのそれぞれの第2および第4フレーム頂点領域は、基板搬送容器スタックの第2垂直エッジ領域でオーバーラップし、さらに、基板搬送容器の外部搬送容器のそれぞれの第2および第4フレーム頂点領域は、基板搬送容器スタックの第4垂直エッジ領域でオーバーラップする。
[0036]言い換えると、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接する各1組の基板搬送容器の2つの基板搬送容器は、垂直回転軸まわりに互いに対して相対的に180度回転し、基板搬送容器スタックを形成することができる。
[0037]基板搬送容器スタックの各々の基板搬送容器は、少なくとも1つの第1位置決め構造と少なくとも1つの第2位置決め構造を同様に備えることができ、第1および第2位置決め構造は、搬送容器外部フレームの正反対の部分に配置されているので、以下の条件を満たす時、垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器の少なくとも1つの第1位置決め構造は、垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器の少なくとも1つの第2位置決め構造と係合可能である。その以下の条件とは、垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の2つの基板搬送容器が、下部基板搬送容器の第1フレームウェブが上部基板搬送容器の第3フレームウェブを支持し、下部基板搬送容器の第2フレームウェブが上部基板搬送容器の第4フレームウェブを支持し、下部基板搬送容器の第3フレームウェブが上部基板搬送容器の第1フレームウェブを支持し、さらに、下部基板搬送容器の第4フレームウェブが上部基板搬送容器の第2フレームウェブを支持するように互いに積み重ねられている場合である。
[0038]つまり、基板搬送容器スタックが、位置決め構造を同じように備える個々の基板搬送容器を多数使用して組み立てられる場合、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接するそれぞれの各1組の基板搬送容器のそれぞれの2つの基板搬送容器が、垂直回転軸まわりに、互いに対して180度回転された状態で、位置決め構造が配置される。もしそうでなければ、第1および第2位置決め構造が互いに係合することができないであろう。以下で検討されるように、基板搬送容器スタックが、ベースとカバーを備える場合、ベースは、基板搬送容器スタックの最下部の基板搬送容器の少なくとも1つの第2位置決め構造と係合するか、または係合可能である少なくとも1つの第1位置決め構造を備え、カバーは、基板搬送容器スタックの最上部の基板搬送容器の少なくとも1つの第1位置決め構造と係合するか、または係合可能である少なくとも1つの第2位置決め構造を備え、その結果、ベースおよびカバーを基板搬送容器に対して容易に適切な位置に配置することができるか、または確実に適切な位置に配置することができる。ここで述べた解決法は、基板搬送容器スタックの中の基板搬送容器のある特定の垂直シーケンスを確保し、特定の垂直シーケンスは、本明細書で記述された先行技術を超えるさらなる利点と改善を達成するための基板搬送容器スタックの特定の発明性のある特徴の基礎となり得る。
[0039]基板搬送容器の搬送容器外部フレームのフレーム頂点領域は、それぞれ、平面状または実質的に平面状の外部頂点部分を有し、第1および第2位置決め構造が、それぞれの平面状または実質的に平面状の外部頂点部分に備えられる。
[0040]各々の基板搬送容器が、第1および第2位置決め構造のどちらか一方として少なくとも1つの垂直突起を備え、さらに、第1および第2位置決め構造のもう一方として少なくとも1つの凹部または開口を備えても良い。
[0041]他の好ましい実施形態によると、それぞれの基板搬送容器の複数の基板保持アームの各々は、それぞれのフレームウェブに関連する2つのフレーム頂点領域の間の領域の関連するフレームウェブに備えられ、さらに、基板保持アームは、それぞれのフレームウェブに関連するそれぞれ最も近い2つのフレーム頂点領域から可変の距離を置いて、それぞれのフレームウェブに備えられる。また、平行なフレームウェブ軸を含む2つのフレームウェブの正反対の部分に備えられるそれぞれの基板搬送容器の基板保持アームのペアは、最も近いそれぞれのフレーム頂点領域から異なる距離を有しても良い。
[0042]好ましくは、複数の基板保持アームが、垂直方向に互い違いに配置されたセットを構成し、このセットが、基板搬送容器スタック内に少なくとも4セット配置され、直接垂直方向に隣接している複数の基板保持アームのそれぞれのセットは、それぞれの基板保持アームが、互いに水平方向に、対応するオフセットが設けられて配置され、垂直方向に直接隣接する基板保持アームは、垂直方向に隣接する基板搬送容器の対応する1組のペアに属し、これら隣接する基板保持アームは、少なくともその上部の台座要素の位置と、垂直方向で重なり合わず、上部の台座要素は、それぞれの基板搬送容器の他の基板保持アームの対応する上部台座要素と一体になり、基板台座を形成する。
[0043]それぞれの基板搬送容器の複数の基板保持アームは、好ましくは、フレームウェブのうちの第1フレームウェブおよび第2フレームウェブのどちらか一方に備えられる第1基板保持アームおよび第2基板保持アームと、フレームウェブのうちの第3フレームウェブおよび第4フレームウェブのどちらか一方に備えられる第3基板保持アームおよび第4基板保持アームを備え、第3フレームウェブおよび第4フレームウェブのフレームウェブ軸は、第1基板保持アームおよび第2基板保持アームが備えられるフレームウェブのフレームウェブ軸に対して平行または実質的に平行に延びる。
[0044]第1基板保持アームの接続ポイントと第4基板保持アームの接続ポイントは、それぞれ最も近いフレーム頂点領域から同じ距離を有し、第1基板保持アームは、それぞれのフレームウェブと結合され、第4基板保持アームも、それぞれのフレームウェブと結合され、第2基板保持アームの接続ポイントと第3基板保持アームの接続ポイントも、それぞれ最も近いフレーム頂点領域から同じ距離を有し、第2基板保持アームは、それぞれのフレームウェブと結合され、第3基板保持アームも、それぞれのフレームウェブと結合されている。しかしながら、それぞれの最も近いフレーム頂点領域から第1基板保持アームと第4基板保持アームの接続ポイントへの距離は、それぞれの最も近いフレーム頂点領域から第2基板保持アームと第3基板保持アームの接続ポイントへの距離とは異なる可能性がある。
[0045]前述された基板保持アームの提案された配置が、比較的小さなピッチ、すなわち基板搬送容器スタック内の基板台座間のより小さな垂直方向の距離を有することで、基板搬送容器スタック内で垂直方向に隣接する基板搬送容器の垂直方向に隣接する基板保持アームが、垂直方向では重なり合わないことを可能とし、または垂直方向ではオーバーラップしないので、結果として高い保管効率が達成される。
[0046]他の好ましい実施形態によると、複数の基板搬送容器の各々が、搬送容器外部フレームの外部円周に設置されたインターフェース要素を1セット備え、基板搬送容器スタックの他の基板搬送容器と必ずしも直接的に相互に作用することなく、搬送容器外部フレームの外部円周で、それぞれの基板搬送容器と、個々に、かつ直接的に相互作用することが可能である。
[0047]インターフェース要素が、水平方向にそれぞれの搬送容器外部フレーム外部円周の隣接部から張り出した突出部なのであり、突出部が、下部から個別にそれぞれの基板搬送容器を支えるように係合させ、それぞれの基板搬送容器を基板搬送容器スタック中のそれぞれの基板搬送容器の下に位置する、少なくとも1つの他の基板搬送容器に対して相対的に垂直方向に移動可能となる。
[0048]この配置は、取扱い装置または開口装置が、技術的に簡単な方法でそれぞれの基板搬送容器と相互作用することを可能にするので、例えば、基板をロードおよびアンロードするために基板搬送容器の基盤台座にアクセスするために、それぞれの基板搬送容器が個々に支持されるか、または基板搬送容器スタック内でそれぞれの基板搬送容器の下に配置された、少なくとも1つの他の基板搬送容器に向かって相対的に移動させられるか、いずれかの処理の実行が可能になる。
[0049]基板搬送容器の各々は、共通な水平方向に延びる1組の突出部と、反対側の共通の水平方向に延びる別の1組の突出部を有しても良く、突出部は、それぞれのフレーム頂点領域、例えば、それぞれのフレーム頂点領域の平面または実質的に平面である外部頂点部分か、またはそれぞれのフレーム頂点領域の近傍のそれぞれのフレームウェブの位置のいずれかに備えられることが好ましく、突出部のペアは、垂直方向に互い違いに配置された4つのセットを構成し、基板搬送容器スタックに配置される。
[0050]第1突出部が、第1フレーム頂点領域か、または第1フレーム頂点領域の近傍の第4フレームウェブに取り付けられ、かつ第4突出部が、第4フレーム頂点領域か、または第4フレーム頂点の近傍の第4フレームウェブに取り付けられても良く、さらに第1突出部と第4突出部は、同じ水平方向に張り出していて、第2突出部は、第2フレーム頂点領域か、または第2頂点領域の近傍の第2フレームウェブに取り付けられていて、かつ第3突出部が、第3フレーム頂点領域か、または第3フレーム頂点領域の近傍の第2フレームウェブに取り付けられても良く、さらに第2突出部と第3突出部は同じ方向に張り出し、その方向は第1突出部と第4突出部が延びる水平方向に対して反対方向である。
[0051]別の方法として、第1突出部が、第1フレーム頂点領域か、または第1フレーム頂点領域近傍の第1フレームウェブに取り付けられ、かつ第2突出部が、第2フレーム頂点領域か、または第2フレーム頂点領域近傍の第1フレームウェブに取り付けられていて、さらに第1突出部と第2突出部が同一の水平方向に張り出していて、さらに、第3突出部が第3フレーム頂点領域か、または第3フレーム頂点領域近傍の第3フレームウェブに取り付けられていて、さらに第4突出部が、第4フレーム頂点領域か、または第4フレーム頂点領域近傍の第3フレームウェブに取り付けられていて、さらに第3突出部と第4突出部は同じ方向に張り出し、その方向は第1突出部と第2突出部が張り出す水平方向に対して反対方向である。
[0052]好ましい実施形態によると、第1および第4突出部、もしくは第1および第2突出部が第1タイプの突出部であり、第2および第3突出部、もしくは第3および第4突出部が、第2タイプの突出部であり、さらに、第1タイプの突出部と第2タイプの突出部は、異なる形状を有するという第1特徴と、第1タイプの突出部と第2タイプの突出部がそれぞれのフレーム頂点領域に異なって配置されるか、もしくはそれぞれのフレーム頂点領域に対して相対的な位置に配置されるという第2特徴のいずれか一方、もしくはその両方を併せ持つ。この結果、例えば、外部の取り扱い装置や移動装置の適切なインターフェース構成によって、選択された基板搬送容器との個々の相互作用を単純化する。
[0053]突出部は、垂直方向に互い違いに配置された突出部の複数のセットとして基板搬送容器スタックに設置され、それぞれのセットの突出部は、垂直方向に直接隣接する突出部が垂直方向に重なり合わないか、または垂直方向に完全には重なり合わないように設置される。垂直方向に配置される複数の突出部の間の垂直距離を広くとるので、垂直方突出部向に隣接する突出部は同じタイプであることが好ましい。
[0054]基板搬送容器スタックの基板搬送容器は、本発明の好ましい実施形態に記載された通り、突出部を備える。
[0055]本発明の好ましい複数の実施形態によると、基板搬送容器スタックのすべての基板搬送容器は、同じタイプのものでも良い。
[0056]好ましい実施形態によると、基板搬送容器スタックは、さらに複数の基板搬送容器の上に積み重ねられたカバーを備え、これら基板搬送容器中の最上部の基板搬送容器がそのカバーを支持する。
[0057]好ましい実施形態によると、基板搬送容器スタックは、さらに複数の基板搬送容器が上に積み重ねられたベースを備え、このベースが複数の基板搬送容器の最下部の基板搬送容器を支持する。
[0058]本明細書中で使用される用語に関しては、カバー(もし備えられる場合)とベース(もし備えられる場合)は、基板搬送容器スタックに属する。このカバーとベースを備えた基板搬送容器スタックは、1つのユニットか単一構造として集合的に取り扱われ、基板搬送容器スタックは、それぞれの基板搬送容器に保持された基板を保管、運搬、搬送、および処理する目的を提供することができる。この結果、本ユニットまたは本基板搬送容器スタックは、基板ホルダー、基板保管部と搬送装置と表現しても良く、またはそれは別のモジュールを備えるので、モジュール化された基板処理装置と表現することもできる。すなわち、このモジュール化された基板処理装置とは、基板搬送容器と、もしカバーを備えるなら、そのカバーと、もしベースを備えるなら、そのベースを備えたものである。それぞれの基板を基板台座上にロードするか、またはそれぞれの基板を基板台座からアンロードするための、それぞれの基板搬送容器の台座にアクセスするために、開口装置が使用される。この開口装置は、移動機構を備え、移動機構は、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接するそれぞれ1組のペアの基板搬送容器の上部基板搬送容器と下部基板搬送容器を垂直方向に移動させることで、上部基板搬送容器と下部基板搬送容器の間にギャップが開口され広がるので、それにより下部基板搬送容器の基板台座が、例えば、ロボットアームによりローディング動作か、またはアンローディング動作のために、水平方向からアクセスされることを可能にする。この点に関して、PCT公開出願 国際公開第2014/107818 A2に記載された従来の開口装置を、本発明の好ましい実施形態に記載されている種類の基板搬送容器スタック上での操作に適用するのは容易である。
[0059]ベースが、少なくとも1つの基板搬送容器スタックの最下部の基板搬送容器の第2位置決め構造と係合しているか、または係合可能な状態であるかのいずれかの状態の、少なくとも1つの第1位置決め構造を備え、カバーが、少なくとも1つの基板搬送容器スタックの最上段の基板搬送容器の第1位置決め構造と係合しているか、または係合可能な状態であるかのいずれかの状態の、少なくとも1つの第2位置決め構造を備え、前述したように、基板搬送容器に関するベースとカバーの適切な配置が容易に実施され、同時に確実に実現される。
[0060]本発明の好ましい実施形態によると、基板搬送容器スタックの各々の基板搬送容器は、さらに以下の特徴を有する。
円周と、あらかじめ定められ許容される直径か、またはあらかじめ定められる最大の直径に対応した直径を有するプレート状の基板が搬送され、基板台座により保持される場合には、この基板台座は水平な搬送プレーンを規定し、その搬送プレーンはこのプレート状の基板の下面と同一平面であり、
複数のパーティションウェブは、搬送容器外部フレームから内部ゾーンを経由して伸び、その複数のパーティションウェブは、内部開口とその内部ゾーンの少なくとも2つの補助開口を区分けし、さらに、基盤台座により運ばれ、あらかじめ定められた直径か、またはあらかじめ定められた直径の値の範囲内のいずれかに対応する円周と直径を有するプレート状の基板が、そのパーティションウェブのどの部分ともオーバーラップしない状態で、その内部開口および基板台座が配置され、かつ形成され、
パーティションウェブの少なくとも1つの第1円弧部分が、第4フレームウェブと少なくとも1つの第1補助開口を区分けする内部開口の間の空間中に張り出し、
パーティションウェブの少なくとも1つの第2円弧部分が、第2フレームウェブと少なくとも1つの第2補助開口を区分けする内部開口の間の空間中に張り出し、
この円弧部分は、あらかじめ定められた直径か、またはあらかじめ定められた直径の値の範囲内のいずれかに対応する、ある曲率半径を有し、
さらに、基板搬送容器スタックの基板搬送容器のパーティションウェブの円弧部分は、基板搬送容器の第1および第3ウェブフレーム軸に平行または実質的に平行である第1水平軸に対して少なくとも平行または実質的に平行な方向に基板搬送容器スタックの内部収容空間を限定する。
[0061]基板搬送容器に保持される基板が有効的にパージ処理に出されるために、基板搬送容器スタックの基板搬送容器の内部ゾーンの第1補助開口と第2補助開口は、内部収容空間に対して垂直方向であってかつ平行か、または実質的に平行に、その対向する両サイドに延びる、基板搬送容器スタックの少なくとも1つの第1パージチャネルと、少なくとも1つの第2パージチャネルを形成する。
[0062]基板搬送容器は、水平方向のパージ流が基板搬送容器の基盤台座に保持される基板の間の空間を通って基板搬送容器スタック内を流れるパージ構造を備えても良い。
[0063]先行技術のアプローチを超える、実質的な改良が実現されている。本発明の好ましい実施形態によると、例えば半導体ウェハのような基板の効率的なパージ処理が要求される基板搬送容器スタックにおいて、第1および第2パージチャネルがかなり大きな開口断面を有することが可能となるので、その開口断面が基板搬送容器スタック内の層流パージガスを実現することができる。
[0064]第1および第2パージチャネルとパージ構造が、それぞれの処理工程の後に、半導体ウェハの形式の基板のパージ処理を可能にする。このようなパージ処理は、半導体ウェハの処理と半導体装置の製造において重要な工程である。本発明の好ましい実施形態の記載によると、この基板搬送容器と基板搬送容器スタックは、基板搬送容器の台座に保持されたウェハを適切なパージ処理状況下に置くために好んで使用されるので、本ウェハは、そのパージ処理において、パージガス流、例えば窒素ガス流やドライクリーンエア流の中で洗浄され、その結果、気体または固体の汚染物質、特に前述の処理ステップによるウェハのアウトガスが、基板搬送容器スタックから外に排出される。
[0065]このような使用場面のために、すなわち、基板搬送容器スタック内に収容された複数の基板をパージ処理状況下に置くために、基板搬送容器スタックがベースとカバーを備えても良い。
[0066]前に提案された基板搬送容器スタックの中で隣接する基板搬送容器の特定の関連付けられた配置に関して、垂直方向に隣接する基板搬送容器のこの特定の関連付けられた配置が、互いの上に積み重ねられた基板搬送容器のそれぞれの第1と第2補助開口が、少なくとも1つの第1パージチャネルを形成し、かつ、互いの上に積み重ねられた基板搬送容器のそれぞれの第1と第2補助開口が、少なくとも1つの第2パージチャネルを形成するという結果になることに注意すべきである。この目的のために、各第1円弧部分が、垂直方向に隣接する1つ以上の基板搬送容器の、関連する1つ以上の第2円弧部分と協調できるような状態で、かつ、各第2円弧部分が、垂直方向に隣接する1つ以上の基板搬送容器の、関連する1つ以上の第1円弧部分と協調できるような状態で、パーティションウェブと、特にそのパーティションウェブの円弧部分が互いに補完しあうように備えられるのが好ましい。以下に言及される好ましい実施形態では、各々の基板搬送容器の内部ゾーンに2つの第1補助開口および2つの第2補助開口が備えられ、2つの第1パージチャネルと2つの第2パージチャネルが基板搬送容器スタック内に得られる。
[0067]他の好ましい実施形態によると、各々の基板搬送容器は、第1パーティションウェブを備え、第1パーティションウェブは第1フレームウェブと第3フレームウェブの間に張り出し、かつ第4ウェブフレームと内部開口の間の空間に張り出して第1フレームウェブと第3フレームウェブの間の間隔の相当な部分、好ましくはほとんどの部分に橋架する1つの第1円弧部分を備える。さらに、各々の基板搬送容器は、第2パーティションウェブを備え、第2パーティションウェブは第1フレームウェブと第3フレームウェブの間に張り出し、かつ第2フレームウェブと内部開口の間の空間に張り出して第1フレームウェブと第3フレームウェブの間の間隔の相当な部分、好ましくはほとんどの部分に橋架する1つの第2円弧部分を備える。
[0068]第1パーティションウェブは、一端で第1円弧部分と結合し、もう一端で第1フレーム頂点領域に近い第1フレームウェブとマージする第1連結部と、一端で第1円弧部分と結合し、もう一端で第4フレーム頂点領域に近い第3フレームウェブとマージする第2連結部を備え、さらに、第2パーティションウェブは、一端で第2円弧部分と結合し、もう一端で第2フレーム頂点領域に近い第1フレームウェブとマージする第1連結部と、一端で第2円弧部分と結合し、もう一端で第3フレーム頂点領域に近い第3フレームウェブとマージする第2連結部を備える。さらに、第1パーティションウェブは、第1円弧部分を第4フレームウェブと連結する第3連結領域を備えることができ、それによって類似の、または同じサイズの2つの第1補助開口を区分けし、さらに、第2パーティションウェブは、第2円弧部分を第2フレームウェブと連結する第3連結領域を備えることができ、それによって類似の、または同じサイズの2つの第2補助開口を区分けする。
[0069]また、パージ構造がパージ経路の形で備えられることが提案され、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器がパージ経路を備える。パージ経路は、内部収容空間のそれぞれの部分が、少なくとも1つの第1パージ経路を通ってそれぞれの第1パージチャネルと接続されて、第1パージチャネルから内部収容空間の部分へ、または内部収容空間の部分から第1パージチャネルへパージガスが流れ、また、内部収容空間の部分が少なくとも1つの第2パージ経路を通ってそれぞれの第2パージチャネルと接続されて、内部収容空間の部分から第2パージチャネルへ、または第2パージチャネルから内部収容空間へパージガスが流れるように、垂直方向に隣接するこの1組の基板搬送容器のパーティションウェブの円弧部分を通っている。
[0070]少なくとも1つの第1パージチャネルおよび少なくとも1つの第1パージ経路は、供給用パージチャネルおよび供給用パージ経路として使用可能であり、少なくとも1つの第2パージチャネルおよび少なくとも1つの第2パージ経路は、排出用パージチャネルおよび排出用パージ経路として使用可能である。別の方法として、少なくとも1つの第2パージチャネルおよび少なくとも1つの第2パージ経路は供給用パージチャネルおよび供給用パージ経路として使用可能であり、少なくとも1つの第1パージチャネルおよび少なくとも1つの第1パージ経路は、排出用パージチャネルおよび排出用パージ経路として使用可能である。配置は、適切には以下のようである。少なくとも1つの供給用パージチャネルに供給されるパージガスは、少なくとも1つの供給用パージ経路を経由して、隣接するそれぞれの1組の基板、すなわち上部基板搬送容器の基盤台座によって支持される基板と、下部基板搬送容器の台座によって支持される基板の間のクリアランススペースへ供給され、少なくとも1つの排出用パージ経路を経由して、このクリアランススペースからパージガスを排出する少なくとも1つの排出用パージチャネルへ排出される。基板搬送容器スタックに属する大多数の基板搬送容器について、垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の円弧部分を通る提案されたパージ経路は、供給用パージ経路および排出用パージ経路の機能を果たすのに適し、適切なパージガス流を達成するのに十分である。ここで、すべての基板搬送容器がそれぞれの基板を運搬し(必ずしもそうではない)、基盤は、あらかじめ定められた許容可能な基板の厚さと一致するか、または基板搬送容器と基板搬送容器スタックが設計された基板の厚さ範囲と一致していると想定されても良く、その結果、それぞれの1組の隣接する基板の間に適切なクリアランススペースができる。
[0071]基板搬送容器スタックには、少なくとも1つの供給ポートが備えられていて、供給ポートには、外部のパージガス供給源からパージガスを供給するための少なくとも1つの供給用パージチャネルが備えられ、基板搬送容器スタックには、さらに少なくとも1つの排出ポートが備えられていて、排出ポートには、基板搬送容器スタックから外部のパージガスドレインへ、パージガスを排出するための少なくとも1つの排出用チャネルが備えられている。
[0072]パージ経路は、垂直方向に隣接するそれぞれ1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器のパーティションウェブのそれぞれの円弧部分の上面領域と、垂直方向に隣接するそれぞれ1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器のパーティションウェブのそれぞれの円弧部分の下面領域によって規定される。
[0073]それぞれの第1パージ経路は、第1および第2円弧部分と、それぞれの第1および第2パーティションウェブの第1および第2接続部分の少なくとも相当な部分に完全に沿うように張り出し、垂直方向に隣接するそれぞれ1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器のそれぞれのパーティションウェブの上面と、垂直方向に隣接するそれぞれ1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器のそれぞれのパーティションウェブの下面によって規定され、それぞれの第2パージ経路は、第2および第1円弧部分と、それぞれの第2および第1パーティションウェブの第1および第2接続部分の少なくとも相当な部分に完全に沿うように張り出し、垂直方向に隣接するそれぞれ1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器のそれぞれのパーティションウェブの上面と、垂直方向に隣接するそれぞれ1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器のそれぞれのパーティションウェブの下面によって規定され、さらに、第1および第2パージ経路は、内部収容空間の対向する両サイドに配置される。
[0074]パージ経路は、縦長の開口幅を含む細長いノズル開口として設計され、開口は内部収容空間のそれぞれの部分に向かって先細りになっている。これが好ましくは水平方向のパージガス流を促進させ、基板に効果的にパージ処理を施す助けとなる。
[0075]他の好ましい実施形態によると、ほとんどのパージ経路は、垂直方向に隣接する他の1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器の基盤台座によって規定された上部搬送プレーンと、垂直方向に隣接する他の1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器の基板台座によって規定された下部搬送プレーンの間で、内部収容空間のそれぞれの部分をそれぞれの第1チャネルまたはそれぞれの第2チャネルと繋がる。基板搬送容器スタックは、それぞれの上部搬送プレーンとそれぞれの下部搬送プレーンの間で、それぞれ内部収容空間のそれぞれの部分に繋がり、プレート状の形状をした複数の基板のあらかじめ定められた許容される厚さまたは厚さの範囲に対して設計され、かつ上部搬送プレーンからある垂直な距離を隔てたところに位置するので、好ましくは、パージ経路は、厚さまたは厚さの範囲を超える下部搬送プレーンから垂直な距離を隔てたところにある内部収容空間のそれぞれの部分の周りの周方向に伸びるそれぞれの細長い湾曲したパージ経路として形成される。
[0076]好ましい実施形態によると、基板搬送容器スタックの基板搬送容器の大多数は、基板搬送容器スタックの関連する下部基板搬送容器の基板台座の搬送プレーンが、基板搬送容器の大多数のそれぞれの基板搬送容器の円弧部分を横切るように、基板搬送容器内のそれぞれの基板搬送容器の下に位置する1つの特定の関連する下部基板搬送容器に対して相対的な位置に、それぞれの円弧部分を含む。
[0077]1つの最下部の基板搬送容器、または好ましくは、あらかじめ定められた数の最下部の基板搬送容器を除くすべての基板搬送容器は、一般的に、基板搬送容器スタックのある特定の関連する下部基板搬送容器に相対的に配置されるそれぞれの円弧部分を前述された方法で備え、内部収容空間のそれぞれの部分をそれぞれの第1経路およびそれぞれの第2経路と接続する。
[0078]最下部の基板搬送容器、またはあらかじめ定められた複数の最下部の基板搬送容器は、内部収容空間中に上方向に延びるベースの円筒形突起の垂直方向の突出範囲の位置に、それぞれの円弧部分を備えることができる。円筒形突起は、平面状の上面と、あらかじめ定められた許容可能な直径に相当する直径か、またはあらかじめ定められた許容可能な基板の直径範囲内の直径を備える。平面状の上面は、ある垂直方向の距離を隔てて、基板搬送容器の最下部の基板搬送容器の搬送プレーンの下に配置される。垂直方向の距離とは、垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の基板台座によって規定される搬送プレーン間の距離と同じである。この垂直方向の距離は、そのような垂直方向に隣接する1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器の基板台座に支持される上部の基板の下面と、1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器の基板台座によって支持される下部の基板の上面の間の垂直方向の距離に対応する。
[0079]基板搬送容器スタックの大多数の基板搬送容器について、それぞれの基板台座によって規定される搬送プレーンは、パージ経路の下に位置し、パージ経路は、基板搬送容器スタックの中のそれぞれの基板搬送容器の上方に配置される垂直方向に隣接する各1組の基板搬送容器のパーティションウェブの円弧部分を通り抜ける。
[0080]一般的に、基板搬送容器スタックのすべての基板搬送容器は、1つの最上部の基板搬送容器を除いて、または、好ましくはあらかじめ定められた複数の最上部の基板搬送容器を除いて、基板搬送容器スタックのそれぞれの基板搬送容器の上に位置する基板搬送容器によって提供されるそのようなパージ経路の下に位置するそれぞれの基板台座によって規定される搬送プレーンを有するだろう。
[0081]前述したカバーが、少なくとも1つの第1パージチャネルと少なくとも1つの第2パージチャネルと協同し、かつ最上段の1つの基板搬送容器の基板台座に関連するか、または最上段のあらかじめ定められた複数の基板搬送容器のそれぞれの基板台座に関連するパージ経路を備えたパージ構造を備え、さらにパージ構造に備えられたパージ経路は、それぞれの基板台座に関連した内部収容空間のある一部に、それぞれの第1パージチャネルとそれぞれの第2パージチャネルと直接または間接的に繋がることが提案される。パージ構造によって提供されるパージ経路はまた、カバーの平面状の下面領域と、最上部の基板搬送容器の台座によって規定された搬送プレーンの間か、もしくは、それぞれの上部搬送プレーンと、垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の台座によって規定されるそれぞれの下部搬送プレーンの間の内部収容空間のそれぞれの部分を、それぞれの第1パージチャネルとそれぞれの第2パージチャネルと接続しても良く、パージ構造によって提供されるパージ経路は、好ましくは、それぞれの細長い湾曲したパージ経路として形成され、細長い湾曲したパージ経路は、下部搬送プレーン、および上部搬送プレーンまたは平面領域から、それぞれある垂直方向の距離を隔てて、内部収容空間のそれぞれの部分の周りに円周方向に延びる。下部搬送プレーンからの垂直方向距離は、基板搬送容器スタックの設計の基準となったプレート状の基板のあらかじめ定められた許容可能な厚さまたは厚さ範囲よりも大きい。
[0082]パージ構造は、第1円弧状領域を含む第1パーティションリッジと、第2円弧状領域を含む第2パーティションリッジを備えることができ、第1および第2パーティションリッジは、基板搬送容器の第1および第2パーティションウェブのそれぞれの第1および第2円弧部分に沿って張り出し、さらに、第1パーティションリッジは、それぞれの一端で第1円弧部分とマージする第1および第2延長部を備えても良く、例えば、第2パーティションリッジは、それぞれの一端で第2円弧部分とマージする第1および第2延長部を備えることが好ましく、第1および第2延長部は、基板搬送容器の第1および第2パーティションウェブのそれぞれの第1および第2連結部に沿って張り出し、パージ構造によって提供されるパージ経路は、それぞれのパージチャネルと接続される内部収容空間の各部分ごとに、第1パーティションリッジを通って延びるそれぞれの第1パージ経路と、第2パーティションリッジを通って延びるそれぞれの第2パージ経路を備えることが好ましい。
[0083]パージ構造によって提供される第1および第2パージ経路は、垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器の第1および第2パーティションウェブの上面と、垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器の第1および第2パーティションウェブの下面によって区分けされる第1および第2パージ経路に沿って張り出しても良い。
[0084]パージ経路は、基板搬送容器スタック内に、規程された等間隔な垂直位置に、以下の(a)、(b)、(c)または(d)のいずれかの位置に配置されて、互い違いになるように備えられることが望ましい、すなわち、(a)カバーの平面状の下面領域と、最上部の基板搬送容器の基盤台座によって支持された基板の上面との間で隔てられた垂直方向の距離のほぼ中間位置か、(b)ある1組の基板搬送容器ペアの垂直方向に隣接した上部基板搬送容器の基盤台座によって支持される基板の下面と、本基板搬送容器ペアの垂直方向に隣接した下部基板搬送容器の基盤台座によって支持された基板の上面との間で垂直方向に隔てられた距離のほぼ中間位置か、(c)すべての基板台座が、あらかじめ定められた基板の厚さと、基板搬送容器スタックの設計の基準となったあらかじめ定められた基板の直径を有する円周を有するそれぞれのプレート状の基板を搬送するならば、最下部の基板搬送容器の基板台座により支持された基板の下面と、ベースの円筒形突起の平面状の上面の間の垂直方向に隔てられた距離のほぼ中間位置か、または(d)ベースの円筒形突起の垂直方向の突出範囲内の位置のいずれかに配置されることが好ましい。
[0085]それぞれの基板搬送容器の上部支持構造および下部支持構造は、上部シール構造と下部シール構造の形態で備えられることが好ましく、シール構造の一方が内部ゾーン周辺に連続して伸びる少なくとも1つの連続するシーリングリップまたはシーリングリッジを含み、シール構造のもう一方が内部ゾーン周辺に連続して伸びる少なくとも1つの連続するシーリングサーフェス・ストリップを含んでも良い。さらに、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接するそれぞれの各1組の基板搬送容器に対して、それぞれの上部基板搬送容器の下部シール構造は、内部ゾーンおよび内部収容空間を基板搬送容器スタックの周辺環境からシールするために、それぞれの下部基板搬送容器の関連する上部シール構造と係合されているか、または係合可能な状態である。前述された好ましい実施形態によると、少なくとも1つの第1パージチャネルと少なくとも1つの第2パージチャネルもまた、提案された内部ゾーンのシーリングによって基板搬送容器スタックの周辺環境からシールされる。最上部の基板搬送容器の上部シール構造は、カバーの関連するシール構造と係合されているかまたは係合可能な状態であり、最下部の基板搬送容器の下部シール構造は、ベースの関連するシール構造と係合されるかまたは係合可能な状態であり、内部収容空間と、少なくとも1つの第1パージチャネルと、少なくとも1つの第2パージチャネルを、基板搬送容器スタックの周辺環境からシールする。カバーは、その重さが相互に関連するシール構造間の適切なシーリング係合を達成するかまたは寄与するような重さを有するように設計されている。
[0086]次のことが提案される。カバーとベースのうちの1つは、第1パージチャネルと繋がる第1ポートを備え、カバーとベースのうちの1つは、第2パージチャネルと繋がる第2ポートを備え、その結果、パージガスが、供給ポートとして定義され、かつ機能する第1ポートと第2ポートのうちの一方を経由して基板搬送容器スタック内に供給され、排出ポートの役割をする第1ポートと第2ポートのうちのもう一方を経由して基板搬送容器スタックから排出されることが可能となり、その第1および第2パージチャネルとパージ経路を経由して内部収容空間を通るパージガス流を実現する。特に、例えば、カバーとベースのうち一方が第1ポートを備えることができ、カバーとベースのうちもう一方が第2ポートを備えることが可能となる。しかしながら、別の方法として、カバーとベースのうち一方が、第1ポートと第2ポートを備えることも可能である。例えば、第1ポートと第2ポートを備えるベースを有することは、あるインターフェース配置にとって、ポートを、例えばパージガス用のサプライラインとリターンラインと繋ぐために有利であるかもしれない。別のインターフェース配置にとっては、カバーが第1および第2ポートを備えることが有利であるかもしれない。
[0087]第1ポートは、カバーまたはベースにそれぞれ組み込まれる第1層流化器を介して第1パージチャネルと繋がり、第1パージチャネルを通る実質的に層流化したパージガス流を実現する。加えて、または別の方法として、第2ポートは、カバーまたはベースにそれぞれ組み込まれる第2層流化器を介して第2パージチャネルと繋がり、第2パージチャネルを通る実質的に層流化したパージガス流を実現する。第1層流化器と第2層流化器のうち少なくとも1つは、例えば層流化ファブリックのようなガスろ過媒体を少なくとも1つ、さらにその中を通過するパージガスの乱れを軽減または防止するために適用されるガス分配マニュホールドを備える。
[0088]第1および第2パージチャネルと、パージ経路は、実質的に層流化したパージガスが内部収容空間を通って流れるように寸法設定され配置されても良い。これを達成するために、さらに、基板搬送容器の台座の搬送プレーンの間の垂直距離は、実質的に層流化したパージガスが内部収容空間を通って流れるように寸法設定されても良い。
[0089]好ましい実施形態によると、基板搬送容器の搬送容器外部フレームのフレーム頂点領域は、実質的に平面状の外部頂点部分と、湾曲した、または傾斜した内部頂点部分をそれぞれ備え、内部頂点部分は、外部頂点部分と一体に連結され、外部頂点部分から内部ゾーンに向かって上方向に延びるように立ち上がる。さらに、基板搬送容器の搬送容器外部フレームのフレームウェブはそれぞれ、湾曲した、または傾斜したウェブ部分を備え、ウェブ部分はそれぞれのフレームウェブに沿って張り出し、それぞれの外部頂点部分、または、それぞれの下部ウェブエッジ、または、それぞれのフレームウェブに少なくとも部分的に沿って延びる実質的に平面状の外部ウェブ部分から、内部ゾーンに向かって上方向に延びるように立ち上がる。さらに、それぞれの1組の内部頂点部分の間に張り出し、かつそれぞれの1組の内部頂点部分にマージする湾曲した、または傾斜したウェブ部分と、内部頂点部分は、連続する搬送容器フレーム輪郭が提供され、内部ゾーン周りに張り出し、内部ゾーンを制限する上部エッジおよび内部エッジを備えるように形成されている。
[0090]この場合、それぞれの基板搬送容器の上部シール構造は、連続する搬送容器フレーム輪郭の連続する表面部分によって好適に提供され、連続する表面部分は、内部ゾーン周りの連続する搬送容器フレーム輪郭の上側に沿って近接して張り出し、連続するシーリングサーフェス・ストリップとして規定し、かつ機能する。
[0091]それぞれの基板搬送容器の下部シール構造は、連続するシーリングリップまたはシーリングリッジの形態で備えられても良く、シーリングリップまたはシーリングリッジは、内部ゾーン周りの連続する搬送容器フレーム輪郭の下側に沿って近接して延びる。
[0092]基板搬送容器は、プラスチック材料で、できれば射出成形により一体的に形成されても良い。基板搬送容器は、静電気を軽減するプラスチック材料でモールドできる。これは、例えばクリーンルーム用途に特に推奨される。基板搬送容器は、ポリエーテル・エーテル・ケトン、PEEK、またはポリカーボネート、PCでモールドできる。
[0093]本発明の他の好ましい実施形態は、それぞれの上に積み重ねられるか、または積み重ね可能なただ1つのタイプからなる複数の基板搬送容器を含む基板搬送容器スタックを備え、かつ基板搬送容器スタックの内部収容空間内にそれぞれのプレート状の基板を搬送し、さらに複数の基板搬送容器は、各々が位置決め構造を有し、上部基板搬送容器と下部基板搬送容器が相対的に互いに対して適切な位置に配置されたならば、上部の基板搬送容器と下部の基板搬送容器の1組のペアの各々の位置決め構造が互いに係合または係合可能になる。基板搬送容器のある特徴として、垂直回転軸周りの回転に関して、オーダー2の回転対称と、オーダー1の回転対称を有する。上部基板搬送容器と下部基板搬送容器の適切な相対位置決めは、垂直回転軸周りに180度の相対回転を含んでも良い。この基板搬送容器スタックと基板搬送容器スタックの基板搬送容器は、さらに、以下で説明される特徴を備えることができる。
[0094]本発明の他の好ましい実施形態は、ある基板搬送容器を提供する。基板搬送容器は、搬送容器外部フレームを備え、搬送容器外部フレームは内部開口を含む内部ゾーン周りのフレーム面に張り出し、プレート状の基板を収容しかつ支持する基板台座を規定するか、または備える。基板搬送容器はさらに、その搬送容器外部フレームに少なくとも1つの上部支持構造と少なくとも1つの下部支持構造を備えるので、基板搬送容器は、下部基板搬送容器として、その少なくとも1つの上部支持構造で、基板搬送容器に積み重ねられる同じタイプの別の基板搬送容器を、その少なくとも1つの下部支持構造の位置で支えることができ、さらに、基板搬送容器は、上部基板搬送容器として、その少なくとも1つの下部支持構造の位置で、基板搬送容器が積み重ねられる同じタイプの別の基板搬送容器の少なくとも1つの上部支持構造によって支えられることができる。
[0095]基板搬送容器は、さらに以下の特徴を備える:
搬送容器外部フレームは、第1フレームウェブ軸に沿って延びる第1フレームウェブと、第2フレームウェブ軸に沿って延びる第2フレームウェブと、第3フレームウェブ軸に沿って延びる第3フレームウェブと、第4フレームウェブ軸に沿って延びる第4フレームウェブを備え、
第1フレームウェブ軸は、第1フレームウェブおよび第4フレームウェブと関連する第1頂点において、第4フレームウェブ軸と直交し、さらに第1フレームウェブおよび第4フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第1フレーム頂点領域と交差し、
第1フレームウェブ軸は、第1フレームウェブおよび第2フレームウェブと関連する第2頂点において、第2フレームウェブ軸と直交し、さらに第1フレームウェブおよび第2フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第2フレーム頂点領域と交差し、
第3フレームウェブ軸は、第3フレームウェブおよび第4フレームウェブと関連する第4頂点において、第4フレームウェブ軸と直交し、さらに第3フレームウェブおよび第4フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第4フレーム頂点領域と交差し、
第3フレームウェブ軸は、第3フレームウェブおよび第2フレームウェブと関連する第3頂点において、第2フレームウェブ軸と直交し、さらに第3フレームウェブおよび第2フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第3フレーム頂点領域と交差し、さらに、
複数の基板保持アームが、搬送容器外部フレームから内向きかつ上向きに張り出し、複数の基板保持アームは内部ゾーンとオーバーラップし、かつ基板台座を形成し、基板台座は搬送容器フレームの垂直方向範囲の上方にある距離を隔てて配置され、かつあらかじめ定められた許容直径に相当する直径か、またはあらかじめ定められた許容最小直径および許容最大直径で示される許容直径範囲内の直径と円周を有するプレート状の基板を支持するように構成される。
[0096]基板搬送容器は、少なくとも1つの第1位置決め構造と少なくとも1つの第2位置決め構造を備え、少なくとも1つの第1位置決め構造は、基板搬送容器上に積み重ねられる同じタイプの別の基板搬送容器の少なくとも1つの第2位置決め構造と係合可能であり、さらに、少なくとも1つの第2位置決め構造は、基板搬送容器が積み重ねられる同じタイプの別の基板搬送容器の少なくとも1つの第1位置決め構造と係合可能であり、互いに積み重ねられる同じタイプのこのような少なくとも2つの基板搬送容器の適切な相対的位置決めを確保することができる。
[0097]基板搬送容器は同じタイプの他の複数の基板搬送容器と結合されるように構成されても良く、基板搬送容器を互いに積み重ねることにより、前述された本発明の他の好ましい一実施形態による基板搬送容器スタックを形成する。
[0098]基板搬送容器は、前述された本発明の他の好ましい一実施形態による基板搬送容器スタックのそれぞれの基板搬送容器のもつ1つ以上のさらなる特徴を有しても良い。
[0099]本発明の多くの変形例による他の特徴と好ましい実施形態は、添付の図面および以下の詳細説明から明らかである。
[0130]図1は、互いに積み重ねられた複数の基板搬送容器12を含む基板搬送容器スタック10の、第1の好ましい実施形態の斜視図であり、基板搬送容器は基板搬送容器スタックのベース14に積み重ねられ、基板搬送容器スタックのカバー16は基板搬送容器の上に積み重ねられている。例えば、公開米国出願2017/0372930-A1号の用語によると、基板搬送容器スタック10は「基板ホルダー」として表現され、多数の別々の「モジュール」すなわち、基板搬送容器12と、「トップモジュール」または「キャップピース」または「アッパーキャップ」と表現されるカバー16と、「ボトムモジュール」または「ボトムピース」または「ボトムキャップ」と表現されるベース14を備える。積み重ねられた基板搬送容器18、すなわちベース14とカバー16を除いて互いに積み重ねられた個々の基板搬送容器12の複数は、「スタックモジュール」として表現されても良い。
[0131]本発明の好ましい実施形態によると、ベース14およびカバー16は、基板搬送容器スタック10に備えられると考えることができる。ベース14およびカバー16を含むこの基板搬送容器スタックは、「Tec-Cell」として示されても良い。しかしながら、ベースとカバーは必ずしも備えられ、使用される必要はない。これは、例えば、基盤搬送容器が使用される特定の用途に依存する。したがって、互いに積み重ねられた個々の基板搬送容器12の複数、すなわち、ベース14とカバー16を備えていない、積み重ねられた基板搬送容器18もまた、本発明の好ましい実施形態による基板搬送容器スタックを構成することができる。
[0132]盤搬送容器の各々は、以下で明らかなように、それぞれの基板、例えば、半導体ウェハの形態の基板を保持することができる。基板搬送容器スタックは、本質的に異なる基板搬送容器、または異なるタイプの基板搬送容器を備えることができる。ガスやパージガスを処理するプレナム構造、および、基盤搬送容器集合体の内部環境と、基板搬送容器によって保持される基板を周囲から隔離するシール構造が実現されることが好ましい。基盤搬送容器の各々、ベース、およびカバーは、基盤搬送容器集合体のこのようなプレナム構造やシール構造を提供する構造を備えることができる。
[0133]図1に示すように、ベース14は、ガス供給部またはガス帰還部に接続されるノズルまたはコネクター20を備えることができ、その結果、基盤はガスと接触するか、またはガスに処理されることが可能となる。ガスノズルまたはガスコネクター20は、どのような設計でもよく、異なって配置されてもよく、例えば、ベース14のどのサイドに配置されてもよい。このようなノズルまたはコネクター20が複数備えられても良い。さらに、カバー16が、代替的にまたは追加的に、例えばガスノズルまたはガスコネクター22のような1つまたは複数のガスノズルまたはガスコネクターを備えても良い。全体として少なくとも2つのガスノズルまたはガスコネクターが備えられても良く、基盤搬送容器集合体の内部環境を通るガス循環が実現される。本発明の好ましい実施形態では、2つのこのようなノズルまたはコネクターが備えられ、ノズルまたはコネクターのうちの1つは、ガス用入り口ノズル、またはガス用入り口コネクター、またはガス用インレットであり、ノズルまたはコネクターのうちのもう一方は、ガス用リターンまたは排気ノズル、もしくは、ガス用リターンまたは排気コネクターまたはアウトレットである。また、以下のことが注目される。ノズルまたはコネクターは、何らかの理由のために、あらゆる気体、またはその他の生成物、例えば液体等を取り入れることができ、ノズルまたはコネクターは、別の装置に接続されることが可能であり、装置は、気体やその他の生成物を処理、加圧、または提供し、どのような場所にあってもよい。しかし、特に関連する用途としては、基盤搬送容器に保持される基板をパージ処理に出すことであり、パージ処理は、基板を通過する基板搬送容器スタック内のパージガス流を提供することを含み、ノズルまたはコネクターが基板搬送容器スタックの中へパージガスを取り入れ、または基板搬送容器スタックからパージガスを排出する。
[0134]図2は、積み重ねられた基板搬送容器18、すなわち、ベース14およびカバー16を有しない、個々の基板搬送容器12が互いに積み重ねられた複数の基板搬送容器の斜視図である。図2に示すように、基板搬送容器12の各々は、それぞれの基板30を保持することができる。これを達成するために、基板搬送容器12はそれぞれ、それぞれの基板搬送容器の基板台座を一般に規定する複数の基板保持アーム32を備える。本発明の好ましい実施形態によると、それぞれの基板搬送容器12は、4つの基板保持アーム32を備える。
[0135]基板搬送容器スタック10の基板搬送容器12によって保持される基板30の複数34は、垂直方向に隣接する基板の間に定められた垂直距離を隔てて、定められた垂直方向位置に配置される。使用シナリオにより、基板搬送容器スタックのすべての基板搬送容器が、それらの対応する基板台座に対応する基板を保持するわけではない。もし基板搬送容器スタック10のすべての基板搬送容器12が、同じ種類のそれぞれの基板を保持する場合、これらの基板は、等間隔の垂直方向位置に、基板台座によって位置決めされても良い。
[0136]以下のことに注目すべきである。基板搬送容器は、基板保持アームの保持端によって規定される基板台座によって保持される基板を適切に保持することを可能にする任意の数の基板保持アームを備えることができる。典型的には、基板搬送容器毎に少なくとも3つの基板保持アームを含んでも良い。好ましくは、図に示される好ましい実施形態のように、基板搬送容器毎に4つの基板保持アームが備えられる。原則、保持アームは任意の設計でよい。
[0137]別の好ましい実施形態では、基板搬送容器スタックまたは基板搬送容器スタックの基板搬送容器は、各基板が基板搬送容器スタックの中で、上方または下方の基板搬送容器から分離または隔離されるように、バリアを備えることができるということも除外すべきではない。バリアは、好ましくは基板に接触すべきではなく、例えば基板が汚染された場合、またはもし基板が割れたり破損した場合、汚染または破損した基板から材料が他の基板上に落ちたり、他の基板を汚染しないように、基板を保護することができる。このようなバリアは、それぞれの基板搬送容器と一体的に形成されるか、または基板搬送容器スタックの中に含まれる別の要素であってもよい。
[0138]図3は、基板30を保持した、本発明の第2の好ましい実施形態の基板搬送容器12を上から見た図である。第2の好ましい実施形態の基板搬送容器は、図1と2に示される第1の好ましい実施形態による基板搬送容器スタック10の基板搬送容器12とわずかにしか異ならないため、両実施形態には、同じ参照番号が使用される。図4Aは、基板を有しない、第2の好ましい実施形態の基板搬送容器を上から見た図である。
[0139]第1の好ましい実施形態の基板搬送容器12と同じように、第2の好ましい実施形態の基板搬送容器12は搬送容器外部フレーム40を備え、搬送容器外部フレームは、4つのフレームウェブ42a、42b、42c、および42dを備え、フレームウェブは、搬送容器外部フレームそれぞれのフレーム頂点領域で対になるように一体に接続される。搬送容器外部フレーム40の4つのフレーム頂点領域は、参照番号44a、44b、44c、および44dで示される。図4Bに示すように、フレームウェブは関連するフレームウェブ軸Aa、Ab、Ac、およびAdに沿って張り出し、フレームウェブ軸はそれぞれの頂点領域に関連するそれぞれの頂点で、対になって直交する。したがって、外部搬送容器フレームは、図3、図4およびその他の図から明らかなように、好ましい実施形態が概ね正方形または長方形で示される場合には、少なくとも実質的に正方形か、または長方形である。
[0140]第2の好ましい実施形態の基板搬送容器12は、第1の好ましい実施形態の基板搬送容器12のように、4つの基板保持アーム32を備え、基板保持アームは、個々の参照番号32a、32b、32c、および32dが割り当てられ、それらの対応する基板を保持していない状態の基板保持端と共に基板のための基盤台座を形成する。基板を保持していない状態の保持端は、それぞれの基板保持アームの座部として示されても良い。図4Aに示すように、4つの基板保持アーム32a、32b、32c、および32dは外部搬送容器フレーム40から内向きに、かつ基板ホルダーの中心に向かうか、または実質的に中心に向かう方向に突出する。アームの長さは、任意の長さであってよい。例えば、アームの長さは意図された基板のサイズによって決められることができる。さらに、本発明の好ましい実施形態では、アームは基板搬送容器と一体成型されるか、または基板搬送容器と1ピースで作られるため、長さが一定である。しかし、本発明の別の好ましい実施形態では、基板保持アームがハンガーやエクステンションを介して調整可能であることを除外してはならない。
[0141]基板搬送容器12は、その外側、上側、底側に沿って、ガイドまたはラッチまたはその他のフォーメーションを備えることが適切であり、ガイドは基板搬送容器を含む基板搬送容器スタックの中で下方または上方の基板搬送容器とインターフェースすることが可能となり、基板搬送容器が積み重ねられた時にスタックが落下したり、ずれたりしないように固定されるか、または相互に作用する。さらに、垂直方向に隣接するこのような1組の基板搬送容器の2つの基板搬送容器の、適切な、またはあらかじめ定められた相対的位置決めは、このようなガイド、またはラッチ、またはその他のフォーメーションにより保護されるか、またはもたらされる。このようなガイド、またはラッチ、またはその他のフォーメーションは、任意のタイプ、数、であって良く、またモジュールの任意の側面にあっても良い。本発明の好ましい実施形態によると、1つの基板搬送容器の少なくとも1つの突起は、その下方または上方の基板搬送容器の開口または凹部の中にはまるので、2つの基板搬送容器は横方向の動きに耐えることができる。さらに、垂直方向に隣接するこのような1組の基板搬送容器の基板搬送容器と、それに応じて、基板搬送容器スタックのすべての基板搬送容器の適切な、および、あらかじめ定められた相対的位置決めは、このような方法で保護されるか、またはもたらされる。
[0142]例えば、図に示すように、基板搬送容器12は突起50a、50bと、凹部または開口52a、52bを備えることができる。突起50aと隣接する凹部または開口52aの第1ペアと、および突起50bと隣接する凹部または開口52bの第2ペアは、外部搬送容器フレーム40の直径方向に対向するフレーム頂点領域44aと44cに設置される。各突起50a、50bは、それぞれの基板搬送容器に積み重ねられる垂直方向に隣接する上方の基板搬送容器の対応する開口または凹部の中に突出し、各開口または凹部52a、52bの中には、それぞれの基板搬送容器が積み重ねられる垂直方向に隣接する下方の基板搬送容器の対応する突起が突出する。図に示すように、突起は上方向に突出すると想定されても良い。しかしながら、別の方法として、突起が下方向に突出することも可能である。この場合、各突起は、それぞれの基板搬送容器が積み重ねられる、垂直方向に隣接する下方の基板搬送容器の対応する開口または凹部の中に突出し、各開口または凹部の中には、それぞれの基板搬送容器に積み重ねられる、垂直方向に隣接する上方の基板搬送容器の対応する突起が突出する。上方向と下方向に突出する突起の組み合わせもまた可能である。
[0143]原則、突起ならびに凹部もしくは開口は任意の数であっても良く、またそれぞれの基板搬送容器上の任意の側面またはどの位置にあっても良い。これらの突起は前述したように、その下段または上段の基板搬送容器に取り付けられた各基板搬送容器が自己センタリングおよび自己整列するのを助けるのと同時に、横方向の動きおよび整列のずれを抑制することも助ける。
[0144]図3、4Aおよび4Bに示す突起50a、50b、および凹部または開口52a、52bの配置は、互いに積み重ねられる同一の基板搬送容器を含む基板搬送容器スタックの中で、すべての基板搬送容器の突起が垂直方向に整列し、すべての基板搬送容器の凹部または開口が垂直方向に整列するので、どの突起も、垂直方向に隣接する下方または上方の基板搬送容器の関連する凹部または開口と係合できない。これは基板搬送容器が、垂直回転軸まわりに180度回転させた相対回転位置決めで交互に回転させて積み重ねられた場合も同様であり、フレーム頂点領域44a、44cは、基板搬送容器スタックの直径方向に対向する垂直エッジ領域で、互いに上方に、交互に配置される。少なくとも2つのサブタイプの基板搬送容器が明らかに必要であり、すなわちそれは、図3、4A、および4Bに示されるような第1サブタイプの基板搬送容器12と、図4Cに示されるような第2タイプの基板搬送容器12´である。
[0145]第2サブタイプの基板搬送容器12´は、突起50a´と隣接する凹部または開口52a´の第1ペアと、突起50b´と隣接する凹部または開口52bの第2ペアを備え、第1ペアと第2ペアは、第1サブタイプの基板搬送容器12のように、外部搬送容器フレーム40の直径方向に対向するフレーム頂点領域44aと44cに配置される。しかし、第2サブタイプの基板搬送容器12´は、第1サブタイプの基板搬送容器12と比較すると、突起と凹部または開口の位置が置き換えられている。基板搬送容器スタックの中で、2つのサブタイプの基板搬送容器12および12´は、互いに交互に積み重ねられなければならず、その結果、各突起が垂直方向に隣接する上方の基板搬送容器の関連する凹部または開口の中へ突出することができ、前述された利点が達成される。これらの2つのサブタイプにはその他に異なるところがないことが好ましいため、参照番号12´、50a´、52a´、および52b´を除き、第1サブタイプの基板搬送容器12に使用される参照番号と同じものが第2サブタイプの基板搬送容器12´にも使用される。以下の説明の中で、基板搬送容器スタックの「基板搬送容器12」が参照される場合、参照番号12は、第2サブタイプの基板搬送容器12´と第1サブタイプの基板搬送容器12に関連する。
[0146]2つのサブタイプに基づく基板搬送容器12、12´は、基板搬送容器フレーム40の外部円周に、特定のフォーメーション、この場合、突出部54a、54b、54c、および54dを備え、突出部は側方または水平方向に突出し、例えば搬送、支持、または移動装置またはメカニズムのような相互作用装置またはメカニズムが、基板搬送容器スタックの中でそれぞれの基板搬送容器と相互作用することを可能にする。例えば、図10に関連して以下に例示されるように、オープナー装置の移動メカニズムは、このような突出部と係合することでそれぞれの基板搬送容器と相互に作用することができる。したがって、これらのフォーメーションは、一般的には「インターフェース構成」と表現することができ、本明細書中では、「インターフェース突出部」と表現される。
[0147]本件の場合、4つのこのようなインターフェース突出部54a、54b、54c、および54dがあり、インターフェース突出部はそれぞれ、フレーム頂点領域44a、44b、44c、および44dに配置される。これらの突出部の第1タイプ、すなわち突出部54aおよび54dは、フレーム頂点領域44aおよび44dに配置されフレームウェブ42dに対して側方に突出し、さらに、これらの突出部の第2タイプ、すなわち突出部54b、および54cは、フレーム頂点領域44bおよび44cに配置されフレームウェブ42bに対して側方に突出するので、第1タイプの突出部と第2タイプの突出部は、外部搬送容器フレーム40から反対方向に突出する。第2タイプの突出部54bおよび54cは、それぞれのフレーム頂点領域におけるフレームウェブ軸Adに沿って配置される第1タイプの突出部54aおよび54dよりも、それぞれのフレーム頂点領域におけるフレームウェブ軸Abに沿って、いくらか内側に配置される。これにより、図8A、8B、9、および10で本発明の相当する好ましい実施形態として示されるように、2つのサブタイプに基づく基板搬送容器12、12´の交互の積み重ねが、水平方向に互い違いに配置されるインターフェース突出部を実現する。これを達成するために、2つのサブタイプの基板搬送容器は、垂直軸回りに180度回転した相対回転位置決めで互いに積み重ねられるので、第1タイプのインターフェース突出部と第2タイプのインターフェース突出部が一つ置きに交互に基板搬送容器スタックから側方に突出し、それらは垂直方向にオーバーラップしないか、またはわずかにだけオーバーラップする。これは、前述した相互作用装置またはメカニズムの係合構造の、基板搬送容器スタックのそれぞれの基板搬送容器との係合を簡易化するために好都合である。
[0148]図29A、29B、29C、29D、30A、30B、30Cおよび30Dに示すように、突出部54a、54b、54c、および54dと、基板保持アーム32a、32b、32c、および32dは、様々な形態で形成されることができる。
[0149]図1および2の基板搬送容器スタック10の基板搬送容器12は、異なる種類のインターフェース突出部を備えることに注目すべきであり、インターフェース突出部は、それぞれの基板搬送容器の外部搬送容器フレームから側方または水平方向に突出する。図1および2に示す配置によると、それぞれの同じタイプのインターフェース突出部が、それぞれの基板搬送容器のそれぞれのフレームウェブか、またはそれぞれのフレーム頂点領域から突出し、垂直方向に完全にオーバーラップする。これは、図1および2の好ましい実施形態と、図3、4A、4B、および4Cの好ましい実施形態との唯一関連する相違点であると想定されるので、図3、4A、4B、および4Cに基づく基板搬送容器12、12´の前項および以下の詳細記述は、図1および2の基板搬送容器スタックの第1サブタイプの対応する基板搬送容器12と、第2サブタイプの対応する基板搬送容器12´の対応する詳細記述でもあると理解されることができる。
[0150]前述された本発明の好ましい実施形態の基板搬送容器は、パーティションウェブ60aおよび60bを備え、パーティションウェブは、それぞれの基板搬送容器12、12´の内部ゾーン62を複数の開口に区分けする。外部搬送容器フレーム40は内部ゾーン周辺に張り出し、パーティションウェブ60aおよび60bはフレームウェブ42aおよび42cの間に張り出し、かつ大きな内部開口64と2組の小さな内部開口66a、66bと68a、68bが形成されるように、これらのフレームウェブ42aおよび42cと一体に接続される。大きな内部開口64は、フレームウェブ42dとパーティションウェブ60aの間に延びる第1のペアの小さな内部開口66a、66bと、フレームウェブ42bとパーティションウェブ60bの間に延びる第2のペアの小さな内部開口68a、68bの間に位置する。例えば、図に示すように、小さな内部開口は、同一の、または一致する対称形状を有する。安定性の理由から、パーティションウェブ60aおよび60bは、それぞれの隣接したフレームウェブ42dおよび42bと、中間領域でそれぞれ一体に接続されるので、それぞれのペアの小さな内部開口が得られる。もし、このようにそれぞれのパーティションウェブの中間領域で隣接するフレームウェブと一体連結されない場合、代わりに、それぞれの大きな内部開口64の両サイドにはそれぞれの大きな内部開口が設けられる。
[0151]基板搬送容器12、12´の大きな内部開口64は、基板搬送容器12、12´を含む基板搬送容器スタックの内部収容空間を確定する。図2に示されるように、また、以下に説明される図8A、8B、および9に示されるように、この内部収容空間の中で、基板または半導体ウェハはそれぞれの基板搬送容器によって保持される。基板またはウェハは、内部収容空間の内部領域に保持され、内部収容空間は、基板搬送容器スタックの基板搬送容器12、12´のパーティションウェブ60aおよび60bのそれぞれの円弧部分によって、両側方に範囲を定められる。図3に示されるように、パーティションウェブの円弧部分は、基板またはウェハの直径に適応した曲率半径を有するので、図3の上から見た図では、円弧部分は小さなあらかじめ定められた半径距離を隔てて、基板またはウェハの外部円周部分に沿って延びる。この距離は、この図に示されているよりも実質的に小さくてもよい。
[0152]図3に示されるように、基板搬送容器の小さな内部開口66a、66bおよび68a、68bは、基板搬送容器スタックのパージガス配送チャネル、またはパージチャネル70および72を規定する。図4Aに示されるように、チャネル70は小さな内部開口66a、66bに対応するチャネル70aと70bの1ペアを含み、チャネル72は小さな内部開口68a、68bに対応するチャネル72aと72bの1ペアを含む。これらの分配チャネル70および72のうちの一方(またはチャネルのペア70a、70bおよび72a、72b)のうちの1ペアは、供給チャネル(または供給チャネルのペア)として定義され、かつ機能し、他のもう一方は、除去またはコレクターチャネル(または除去またはコレクターチャネルのペア)として定義され、かつ機能する。
[0153]図に示されるように、これらのチャネルまたはチャネルのペアは、対角線上に向かい合う位置に配置されるか、または両側方に配置されるので、基板またはウェハは基板搬送容器スタックの間に配置される。一般的に、設計は図に示される設計に限定されない。示されるように、または当業者が予測できるように、チャネルは任意の数、サイズ、および設計であって良い。さらに、チャネルは、任意の方法で基板にガスを分配するのを助けることができるので、空気またはパージガスは、図8Bで概略的にまたは記号で示されるような層流の形で、各基板に供給されることが可能である。
[0154]特に、図1を参照すると、チャネルまたはチャネルのペアは、基板搬送容器スタックの中で、ベース14のノズルまたはコネクター20と、カバー16の対応する別のノズルまたはコネクターのようなそれぞれのノズルまたはコネクターと接続されるので、基板搬送容器に保持される基板は、前述されたようにパージ処理を受けることができる。図8Bに概略的に、または記号で示されるように、パージガスは、それぞれの基板搬送容器により基板搬送容器スタック内に保持された隣接する基板の間を通過するように、チャネルまたはチャネルのペアの一方を経由して基板に伝えられ、さらに、基板の間を通過した後、チャネルまたはチャネルのペアのもう一方によって収集される。
[0155]図5は、本発明の第3の好ましい実施形態の斜視図であり、基板保持アームにより保持される基板がない状態で示される。本好ましい実施形態は、第1および第2の好ましい実施形態とはわずかにだけ異なる。
[0156]図5に示される基板搬送容器12は、第1および第2の好ましい実施形態と同様に、4つの基板保持アーム32a、32b、32c、および32dを備える。斜視図では、基板保持アームが存在し、それらがどのように配置され形成されているかを確認できる。特に、基板保持アームがどのように外部搬送容器フレーム40から内方向かつ上方向に張り出し、外部搬送容器フレーム40の上部境界線の上方の垂直方向距離に配置される基板台座を規定するかを確認することができる。外部搬送容器フレーム40はまた、公開米国出願2017/0372930-A1号の用語に従って、「ホルダー本体」と表現されてもよい。「基板搬送容器本体」という用語もまた、代替用語として適切である。
[0157]斜視図では、アーム32bはポイント64で上方向にアーチ形になり、外部搬送容器フレーム40へのアームの接続ポイントよりも高いポイントに基板を保持端部または座部を備えることが確認できる。外部搬送容器フレームに対するアーチ部分および座部の角度、長さ、度合いは任意であって良い。さらに、積み重ね状態にあるとき、上方または下方のホルダーおよび基板は、アームを介して、下の基板からオフセットされることができるので、基板同士が接触せず、または互いに汚染し合うことがなく、例えば0.5ミリなどの小さな距離が基板間に保たれる。アーチにより、基板搬送容器スタックの中で、基板またはアーム自身を通さずに、スタックの実質的な重量を基板搬送容器から基板搬送容器へ移動させることが可能となる。
[0158]図6は、例えば図5に示される好ましい実施形態による基板保持アーム32bのような、前述された1つまたはすべての好ましい実施形態の基板保持アームの詳細断面図である。本好ましい実施形態のその他の3つの基板保持アームと、その他の好ましい実施形態の基板保持アームは、それぞれの基板台座を規定するアームの上部および内側端部が相似的に形成されることができる。
[0159]図6は、基板保持アーム32bの一部分を示す。アームのこの一部分は、自由端に上部アーチ部分64と座部66を備える。図6に示されるように、座部66の上面は、内方向に伸びる上部中央線から、2つの反対側方に向かってわずかに下方向に曲げられる。一般的に、座部の上面は、周方向(基板の外部エッジに対して)または、横方向に凸状に曲げられる。原則、上部アーチ部分64は任意の適切な角度、度合い、または長さであって良く、座部66は任意の適切な長さであって良い。上部アーチ部分64と座部の間のアーム部分は、縦長の突起67を備え、突起は、基板が形成された基板台座の定められた位置に載った状態を保ち、基板が動かされるか、押し出されるか、あるいは座部66の正確な位置から不注意であっても、注意深くであったとしても台座位置66の適切な位置から動かされなくすることに役立つことができる。
[0160]図7は、保持アームの台座66とその他の保持アームによって画成される基板台座に保持される基板30を有する図6の基板保持アーム32bの詳細側断面図である。図7に示されるように、座部66は、基板30と基板保持アーム32の残りの構造に対して、下方向かつ内方向に曲げられる。座部66の導入と共に、座部66の上面が2つの対向する横方向にわずかに下方向に曲がって伸びる基点となる上部中央線を含むことで、基板30と座部66の間の接触ポイントまたは微小な接触面69が実現される。
[0161]基板の摩擦、汚染を軽減するために、さらに、接触ポイントまたは接地面69が基板の遠位端部に位置するように、一般的にこの接触ポイントまたは接地面69は可能な限り小さく作られることが望ましく、そうすることで、基板の下面は、基板保持アームによって汚染されないか、または汚染されることがほとんどないか、または基板保持アームの他のどの部分とも接触しない。さらに、縦長の突起67は、基板30の外部円周により近く突出して、形成された基板台座の収容空間を半径方向に制限する止め具を形成するので、基盤は基板台座上の定められた位置をとらえ、維持することができる。
[0162]図8Aおよび8Bは、本発明の好ましい実施形態による多数の基板搬送容器(または、「モジュール」)を備える基板搬送容器スタック(または「基板ホルダー」)の第4の好ましい実施形態の断面斜視図である。しかし、基板搬送容器は、図3、4A、4B、および4Cによる第1サブタイプの対応する基板搬送容器12または第2サブタイプの対応する基板搬送容器12´と同一か、またはよく似ていると想定されるため、図8Aおよび8Bは第2の好ましい実施形態による基板搬送容器スタック10の典型的な例であると理解されるだろう。この基板搬送容器スタック10は、基板搬送容器12に積み重ねられるカバー16を備える。このカバー16は、図1に示される好ましい実施形態のカバー16と基本的に同一であるか、または良く似ている。さらに、基板搬送容器スタック10は、基板搬送容器12が積み重ねられるベース14を備える。このベース14は、概略的にのみ示される。原則、ベース14は、図1に示される好ましい実施形態のベース14と基本的に同一であるか、または良く似ている。ベース14は、ガスノズルまたはガスコネクター20を備え、カバー16はガスノズルまたはガスコネクター22を備える。
[0163]前述された好ましい実施形態のように、基板搬送容器スタック10は、限られた空間構成の中の基板搬送容器スタックの内部収容空間内に、基板搬送容器12を使用して基板またはウェハを保持するので、基板搬送容器スタックは限られた空間に多くの基板を保管または収容することができ、基板および基板搬送容器は中心に配置され、整列される。本発明の第2の好ましい実施形態を基に説明されるように、基板搬送容器は、空気やガスが基板搬送容器スタック10の内部パージガス配送チャネルを通って流れるように設計され、チャネルは、基板搬送容器の開口66および68(または開口66a、66bと68a、68bのペア)のような開口によって区分けされる。これらのパージガス配送チャネルは、そのうちの1つが図8A中で参照番号70が割り当てられ、チャネルはそれぞれ、ベース14のガスノズルまたはガスコネクター20およびカバー16のガスノズルまたはガスコネクター22のうち関連する1つに直接的に、または間接的に接続される。カバー16およびベース14は、それぞれのガスノズルまたはガスコネクターを基板搬送容器スタック10の少なくとも1つの関連する垂直方向の内部パージガス配送チャネルと接続するために、パージガス分配および接続構造を備えても良い。カバー16のこのような構造73の内部空間は、水平方向のガス分配チャネル74を介してガスノズルまたはガスコネクター22と接続される。投入されるパージガス流と排出されるパージガス流は、図8Bの中で矢印76および78で概略的に表され、結果として生じる垂直方向および水平方向のパージガス流は、別の矢印で表される。ガス分配および接続構造と、垂直方向および水平方向のチャネルは、基板搬送容器スタック内に保持される隣接する基板の間を水平方向に流れる層流のパージガスを実現する。
[0164]本好ましい実施形態では、供給される投入パージガス流76は、ガスインレット(または前述の用語に従って、「ガスノズル」または「ガスコネクター」)22の中に入り、その後、ガス分配チャネル74およびカバー16の構造73の内部空間を経由し、図8Aに示されるパージガス配送チャネル70に類似した基板搬送容器スタックの垂直方向の内部パージガス配送チャネルの中に入ることができる。このようにして、供給されたパージガスは、水平方向および垂直方向に分配され、基板に向かって、および基板搬送容器スタックの内部収容空間内に保持される隣接した基板の間の空間を通って入り込み、水平方向に流れる。基板搬送容器に保持された基板を横切って層流の、および均等なパージガスが流れることで、パージガスはそれぞれの基板と相互作用することが可能になり、クリーニング処理等の1つまたは複数の所望の機能が達成される。ガス流はその後、基板搬送容器スタックのもう一方の垂直方向の内部パージガス配送チャネル70の中に入り、さらに、ガスアウトレット20(または前述の用語に従って「ガスノズル」または「ガスコネクター」)の中へ押し出されるために、ベース14のガス流出口凹部または別の構造を経由して、ガスアウトレット20に向かって排出される。ガス排出口20から、パージガスが排気パージガス78として基板搬送容器スタックを出ていく。この排出されたガスは汚染されている可能性があり、適切な追加の処理、放出、再使用、リサイクル等に出されても良い。
[0165]図9は、図8による基板搬送容器スタックの別の断面斜視図である。ベース14は、凹部または空洞80を含むように概略的に示され、凹部または空洞はパージガスを排出するための、あるいは、基板搬送容器スタックをパージガスが逆流する場合、パージガスを入れるための、ベースのパージガス分配および接続構造として機能する。出口サイドおよび入り口サイドのこのようなガス分配および接続構造は、前述された垂直方向の内部パージガス配送チャネルと共に、基板搬送容器スタック内に保持される隣接した基板の間を水平方向に流れる層流のパージガスを実現、または提供する。追加の、または別の層流化構造が、基板搬送容器スタックの入り口サイドか、または出口サイドか、または両サイドに備えられても良く、ベース14および/またはカバー16にそれぞれ組み込まれても良い。
[0166]図10は、本発明の好ましい実施形態による基板搬送容器スタック10の断面斜視図であり、基板搬送容器スタックは、例えば図8A、8B、および9に示される好ましい実施形態のような基板搬送容器スタックであり、図3、4A、4B、および4Cについて前述したような2つのサブタイプの複数の基板搬送容器12および12´を含む。図10において、2つの隣接する基板搬送容器の間にロードおよびアンロードするためのギャップを開けるためのオープナー装置82の移動機構と共に、基板搬送容器スタックが部分的に非積み重ね状態、開口状態で示され、それぞれの基板30は2つの隣接する基板搬送容器の下部の基板搬送容器の基板台座にロードされることが可能であるか、またはそれぞれの基板30はこの基板台座からアンロードされることが可能である。このような基板台座は、基板30を支持する基板保持アーム32によって表される。基板をアンロードまたはロードするために、例えばロボットアーム装置のような適切なローディングおよびアンローディングアームアレンジメントが備えられる。
[0167]移動機構は、基板搬送容器スタックの異なるサイドまたは角に配置される支持アームおよび移動アーム84を備え、支持アームおよび移動アームは、基板搬送容器スタックの選択された基板とそれぞれ相互に作用することができる。このようなアームのセットが多数備えられ、それは例えば、図10に示される支持アームおよび移動アーム84および86によって表される2つのこのようなアームのセットである。それぞれのアームは第1および第2タイプの相互作用突出部54a、54b、54c、および54dの関連する特定の突出部と係合するように構成され、突出部は、基板搬送容器のそれぞれのフレームウェブまたはフレーム頂点領域から側方または水平方向に突出する。垂直方向に隣接するアーム84と86においては、アームのうちの1つは第1タイプの突出部54aと係合するように構成され、アームのうち他のもう一方は第2タイプの突出部54cと係合するように構成される。
[0168]これらの支持アームおよび移動アームのセットを備えることにより、前述されたように、2つの隣接する基板搬送容器の間のロードおよびアンロードのためのギャップが開けられるので、下部の部分的な基板搬送容器スタックと上部の部分的な基板搬送容器スタックが得られる。従って、図10に示されるように、それぞれのアームのセットは互いに積み重ねられた上部の複数の基板搬送容器を、互いに積み重ねられた下部の複数の基板搬送容器から垂直方向の距離を隔てた位置で搬送する。
[0169]図10は、基板搬送容器スタック10の一角のみを示し、既に説明されたように、類似のアームおよび構造が、基板搬送容器スタックの別の一角、またはすべての角に備えられることに注目しなければならない。アームは、例えば空気スライド上で、またはコンベヤー、またはバンドおよびギア機構を使用して、基板搬送容器スタックの垂直方向範囲に沿って、上下に移動可能である。アームは第1および第2タイプのそれぞれの突出部と係合する係合状態と、第1および第2タイプのそれぞれの突出部から解放され、非係合する解放状態をとるように操作可能であるので、基板搬送容器の中で隣接する所望のペアの基板搬送容器が選択され、その間にロードおよびアンロードのためのギャップが開けられる。
[0170]以下に、第5の好ましい実施形態に係る基板搬送容器と、この種の複数の基板搬送容器を含む基板搬送容器スタックについて、図11A、図11B、および以下の図を基に説明する。図12A、図12B、図12C、および図13から図16と同様に、図11Aおよび11Bは、個々の基板搬送容器112とその詳細について示し、一方で図17Aおよび図17B、図18Aおよび図18B、図19および図20は複数の基板搬送容器112と基板搬送容器130と、基板搬送容器スタック内でのそれらの連携および相互作用について例示し、説明する。この説明では、図1から10の好ましい実施形態の前述の説明に係る参照番号が、類似または相似な要素に使用され、参照番号は、それぞれ100ずつ増加している。別段の記載がない場合、第1から第4の好ましい実施形態の前述の説明は、第5の好ましい実施形態にも適用されるので、以下の説明は第5の好ましい実施形態のそれ以前の好ましい実施形態との違いと、さらなる構造詳細の説明に焦点をあてる。さらなる構造詳細はまた、それ以前の好ましい実施形態にも適用されることができる。
[0171]前述の好ましい実施形態と同様に、基板搬送容器112は、外部搬送容器フレーム140を備える。外部搬送容器フレーム140は、第1フレームウェブ142a、第2フレームウェブ142b、第3フレームウェブ142c、および第4フレームウェブ142dを含み、フレームウェブはそれぞれ第1フレーム頂点領域144a、第2フレーム頂点領域144b、第3フレーム頂点領域144c、および第4フレーム頂点領域144dの位置で1組に結合するので、一体になった外部搬送容器フレーム140が形成される。さらに、基板保持アーム132aと132bの第1ペアが、第1フレームウェブ142aから内方向に突出し、それらはこの第1フレームウェブと一体に形成されており、基板保持アーム132cと132dの第2ペアが、第3フレームウェブ142cから内方向に突出し、それらはこの第3フレームウェブと一体に形成されている。
[0172]基板搬送容器112の少なくともおおよそ、または一般的に正方形または少なくとも長方形の形状を含むこれらのすべての構造詳細は、前述の好ましい実施形態の基板搬送容器の対応する構造詳細と一致する。しかし、基板保持アームは互いに対して特定の対称性および非対称性を有し、それぞれのフレームウェブに沿った位置に配置される。基板保持アーム132aと基板保持アーム132dは、互いに対して、およびそれぞれの隣接したフレーム頂点領域144とa144dに対して対称的に配置され、基板保持アーム132bと基板保持アーム132dは、互いに対して、およびそれぞれの隣接したフレーム頂点領域144bと144cに対して対称的に配置され、一方、基板保持アーム132aと基板保持アーム132bは、互いに対して、およびそれぞれの隣接したフレーム頂点領域144aと144bに対して非対称的に配置され、基板保持アーム132dと基板保持アーム132cは、互いに対して、およびそれぞれの隣接したフレーム頂点領域144dと144cに対して非対称的に配置される。
[0173]より具体的には、4つのすべての基板保持アームが、対応する方法または類似の方法で、外部搬送容器フレームから、ほぼ直径方向または対角線方向に向かって、内向きに配置され、基板保持アーム132aと基板保持アーム132dは、それらの対応するフレームウェブとの結合ポイントが、それぞれの直近のフレーム頂点領域144aと144dから同じ距離を有し、さらに、基板保持アーム132bと基板保持アーム132cは、それらの対応するフレームウェブとの結合ポイントが、それぞれの直近のフレーム頂点領域144bと144cから同じ距離を有する。しかし、基板保持アーム132aと基板保持アーム132b、および同様に基板保持アーム132dと基板保持アーム132cは、それらの対応するフレームウェブとの結合ポイントが、それぞれの直近のフレーム頂点領域から異なる距離を有する。4つの基板保持アームの切断線XIII-XIIIに対する角度位置αおよびβが図12A中に示され、角度αは角度βよりも小さくなる。これは、前述の実施形態との顕著な相違点である。
[0174]前述の好ましい実施形態のように、第5の好ましい実施形態による基板搬送容器は、第1パーティションウェブ160aと第2パーティションウェブ160bを備え、パーティションウェブは基板搬送容器112の内部ゾーン162を大きな内部開口164と小さな内部開口の第1ペア166aおよび166bと、小さな内部開口の第2ペア168aおよび168bに区分けする。これらのパーティションウェブは、外部搬送容器フレーム140と一体に形成され、第1パーティションウェブ160aは、一端が、第1基板保持アーム132aと直近のフレーム頂点領域144aの間の第1フレームウェブ142aに結合し、もう一端が、第4基板保持アーム132dと直近のフレーム頂点領域144dの間の第3フレームウェブ142cに結合する。同様に、第2パーティションウェブ160bは、一端が、第2基板保持アーム132bと直近のフレーム頂点領域144bの間の第1フレームウェブ142aに結合し、もう一端が、第3基板保持アーム132cと直近のフレーム頂点領域144cの間の第3フレームウェブ142cに結合する。
[0175]前述の好ましい実施形態と同様に、第1パーティションウェブ160aは、第1円弧部分202aを含み、第2パーティションウェブ160bは、第2円弧部分202bを含む。第1円弧部分202aは、第1パーティションウェブ160aの3つの接続部分200aによって、第1フレームウェブ142a、第3フレームウェブ142cと接続され、および、第1円弧部分202aの中間領域で第4フレームウェブ142dと接続される。したがって、ただ1つの小さな内部開口の代わりに、2つの小さな内部開口166aと166bが第1パーティションウェブ160aと第4フレームウェブ142dの間に備えられる。しかしながら、後者、つまりただ1つの小さな内部開口も、別の好ましい実施形態により原則可能である。同様に、第2パーティションウェブ160bの第2円弧部分202bは、3つの接続部200bを介して、第1フレームウェブ142a、第3フレームウェブ142cと接続され、および第2円弧部分202bの中間領域で第2フレームウェブ142bと接続される。したがって、ただ1つの小さな内部開口の代わりに、2つの小さな内部開口168aと168bが第2パーティションウェブ160bと第2フレームウェブ142bの間に備えられる。しかしながら、後者、つまりただ1つの小さな内部開口も、別の好ましい実施形態により原則可能である。
[0176]前述の好ましい実施形態と同様に、正反対の位置にあるフレーム頂点領域、すなわち、例えば第1フレーム頂点領域144aと第3フレーム頂点領域144cは、図に示されるように、位置決め構造、すなわち位置決め突起と位置決め凹部または位置決め開口を備える。本好ましい実施形態では、図12Aの詳細Bおよび図12Bに示すように、第1フレーム頂点領域144aは突起150aと開口または凹部152aのペアを備え、第3フレーム頂点領域144cは、図12Aの詳細Cおよび図12Cに示すように、突起150bと凹部または開口152bのペアを備える。
[0177]しかし、2つの突起150aと150bは、図12Aの図平面上の第1フレーム頂点領域114aと第3フレーム頂点領域144cの間で径方向に伸びる直線Lの一方のサイドに位置し、開口または凹部152aと152bは、直線Lのもう一方のサイドに位置する。配置は、それぞれの基板搬送容器112の突起150aが、基板搬送容器の上に適切な相対回転位置決めで積み重ねられた同じタイプの別の基板搬送容器112の開口または凹部152bの中に突出し、さらに、基板搬送容器の突起150bが、基板搬送容器上に適切に積み重ねられるこの別の基板搬送容器112の開口または凹部152aの中に突出するようになっている。下部基板搬送容器の突起150aと150bと、同じタイプの上部基板搬送容器の開口または凹部152aと152bの間のこの相互係合を可能にするために、2つの基板搬送容器は、垂直回転軸回りに180度回転させた相対回転位置決めで交互に回転させて積み重ねられる。このように、基板搬送容器スタック110の中の両側に隣接する基板搬送容器112のペアの間にこのような交互の相対回転位置決めを備えることにより、基板搬送容器スタックが形成されることができる。これについては、図18、19および20を参照してさらに以下で説明される。したがって、基板搬送容器スタック110は少なくとも2つのサブタイプの基板搬送容器を備えることなく、1つのタイプの基板搬送容器112のみ備えることができる。
[0178]基板搬送容器スタック110内で、垂直方向に隣接する基板搬送容器112の相対的な適切な位置決めを確実に保証する位置決め構造について、突起150aおよび150b並びに開口または凹部152aおよび152bを備えた本事例では、これら位置決め構造が製作公差により引き起こされる同じ種類の基板搬送容器間のある寸法上の変動と、もし当てはまるなら、2つの基板搬送容器の間、またはその基板搬送容器の複数の部分の間の温度差により引き起こされる可能性がある基板搬送容器間の相対的な寸法の変化に適合するように構成されていることが好ましい。その結果、開口または凹部152aおよび152bが、突起150aおよび150bの横方向に広がる幅よりもいくぶん大きな開口幅を有している。例えば、もし突起が凹部または開口内の中央に配置されるならば、突起の外周と開口および凹部の内周の間に0.25ミリのギャップが設けられる。フレームウェブの範囲を超えて累積されるより大きな寸法上のずれを調整するために、例えば図12Aに図示されたラインLによって示した方向のような、少なくとも1つの開口または凹部が対角線上かまたは直径方向に沿って細長く広がる形状を有するように形成される。図12Cと比較して、図12Bで図示されたように、開口または凹部152aはこのように寸法決めされている。例えば、もし下部基板搬送容器の突起150bが開口152aの中の中央に配置されるならば、突起150bと開口または凹部152aの内周の間の横方向の両側に0.25ミリのギャップおよび、突起150bの外周と細長く延びる開口152aの内周の対角線上かまたは直径方向に両側に1ミリのギャップが設けられる。このような2つの開口のうちの1つだけが細長く拡張された開口を有することで、下部の基板搬送容器の突起150aと上部の基板搬送容器の開口152bの間の係合が、下部の基板搬送容器に対して、ただ上部の基板搬送容器を回転するだけで、下部の基板搬送容器の突起150bを上部基板搬送容器の開口152と係合状態にするための回転軸として規定され、機能することができるという利点を提供する。
[0179]ここで注目すべきことは、突起と、開口または凹部が、前述されたやり方に加えて、さらにそれぞれの垂直軸に対して基板搬送容器を回転する必要なしに、同じタイプの複数の基板搬送容器(サブタイプを除く)を、突起および開口または凹部のような、それぞれの位置決め構造を相互に係合させることにより、互いの上に積み重ね可能な、他の複数の方法が存在することである。例えば、複数の基板搬送容器のこのような突起とその関連する凹部が、垂直方向に一直線に並ぶように、基板搬送容器の上側のある点で上方に突き出した突起が、基板搬送容器の下側の、ある一致する点でその凹部に導かれて係合する。このような配置は、原則除外されないが、前述した基板搬送容器を互いに対して相互に回転させる必要がある配置は、さらにいくつかの長所を導く。例えば、1つの長所として、基板搬送容器を互いに対して相互に回転する構造は、基板搬送容器の製造における不正確性を引き起こす否定的な影響を補正するか、少なくとも減少させることを可能にする。そうでなければ、ある点や領域で、それぞれの基板搬送容器の垂直方向への拡張に影響する製造の不正確性が、基板搬送容器スタックの同じ角位置で連続して追加され、その結果、基板搬送容器スタックが著しく傾く可能性がある。さらに図18A、18B、と図19に基づいて以下に詳細を説明するように、このように、垂直方向に両側に隣接する基板保持アームが垂直方向に重なり合うことを避けることができるので、前述の基板保持アームの特別な配置に基づき、さらに重要な長所が達成される。これにより、垂直方向に両側に隣接する基板搬送容器の基盤台座で保持される複数の基板が、互いに垂直方向に、かなり小さな距離を隔てた状態で配置されるので、この種の基板搬送容器スタックにおける基板のための高い保管効率を可能にする。また、この結果は、図5、図6、と図7に記載された好ましい実施形態の基板保持アームの形状と比較して、図11A、図13、図14と図15に記載された第5の好ましい実施形態の基板保持アームの形状に反映される。(第5の好ましい実施形態の)基板台座は、前述の好ましい実施形態に記載の基板保持アームの基板台座が、外部搬送容器フレーム40の上部リムの上方に配置されるよりも低い高さで、外部搬送容器フレーム140の上部リムの上方に配置されるように、この第5の好ましい実施形態の基板保持アームは、前述の好ましい実施形態に記載の基板保持アームが伸びる位置よりも上方には張り出さない。
[0180]例えば、すでに説明した実施形態に記載の開口部のような、前述の内部開口164、166a、166b、168a、および168bが、基板130を収容する基板搬送容器スタック110を構成する内部収容空間、基板搬送容器スタック110を構成する第1内部垂直パージチャネルまたはパージガス配送チャネル170a、170bおよび第2内部垂直パージチャネルまたはパージガス配送チャネル172a、172bを区分けし、第1内部垂直パージチャネルまたはパージガス配送チャネルおよび、第2内部垂直パージチャネルまたはパージガス配送チャネルは、基板130が配置された内部収容空間の対向する2か所の側方部分に位置する。この点については、前述の実施形態に基づいた上記の説明を参照することができる。さらに、垂直方向に両側に隣接する基板搬送容器112の複数の外部搬送容器フレーム140の間と、最下段の基板搬送容器とベース114の間と、最上段の基板搬送容器とカバー116の間で、損失なく、かつ基板搬送容器スタック110の周辺環境から汚染されることなく適切なパージガス流が達成できるように、適切にシーリング係合できることが好ましい。本目的のために、基板搬送容器112の各々が、外部搬送容器フレーム140の下面にシーリングリップまたはシーリングリッジ204を備え、シーリングリップまたはシーリングリッジは、基板搬送容器の内部ゾーン162の周りに延びる。好ましい実施形態で示されたように、好ましく、かつ実現されたとおり、シーリングリップ204は、外部搬送容器フレーム140の内部エッジ、または内部エッジに隣接するように配置される。図示された好ましい実施形態では、内部空間162の範囲を定める外部搬送容器フレーム140の本内部エッジは、例えば図13、15、16、および17Bで確認できる外部搬送容器フレーム140またはそれぞれのフレームウェブの横断面形状から見ると、外部搬送容器フレームの上部エッジでもある。
[0181]シーリングを達成するために、各々の基板搬送容器112とベース114は、シーリングリップまたはシーリングリッジ204のみを使用して、そこに積み重ねられるそれぞれの基板搬送容器を支持するので、シーリングリップまたはシーリングリッジ204は、比較的高い押圧力で、ベース114のそれぞれの関連する上部リングサーフェス部分か、またはそれぞれの下部基板搬送容器112の外部搬送容器フレーム140と係合する。それぞれの下部要素の本リングサーフェス部分は、それぞれの要素のシール構造だけでなく、例えばシーリングリップか、またはシーリングリッジ204のような、支持構造も形成する。カバーを適切な最小限の重さを有するように設計することにより、カバー116と最上段の基板搬送容器間の適切なシール構造が達成できる。
[0182]例えば、互いに関連する位置決め構造の間の係合、本好ましい実施形態の場合、突起150a、150bと開口または凹部152a、152bの間の係合と、シーリングリッジまたはシーリングリップ204と外部搬送容器フレーム140の関連する上部シーリングリング表面部との間の係合は、基板搬送容器スタック110中で垂直方向に両側に隣接する基板搬送容器112間の接触または少なくとも相互のフォームフィットの唯一の部分か、または要素である。さらに、位置決め構造の間の位置決め係合は、垂直方向に両側に隣接する基板搬送容器間で作用する垂直方向の力を生じない係合であることが提案される。
[0183]例えば、同じことが最上段の基板搬送容器112とカバー116の間の係合構造と、ベース114と最下段の基板搬送容器112の間の係合構造にも当てはまる。例えば、それぞれのシール構造のみを経由して、これら2つのペア要素のそれぞれの要素間には、複数の垂直方向の力が作用し、さらにシール構造は、例えば、それぞれ対応するベース114の上部のリング形状シーリングサーフェス部並びに、例えば、本好ましい実施形態に記載されたカバー116の下部のリング形状シーリングサーフェス部または、ある好ましい場合には、シーリングリッジまたはシーリングリップであっても良い。
[0184]基板搬送容器スタック110内の基板搬送容器112に保持される基板130のパージ処理のために、例えば、垂直方向に隣接する基板130の間を水平方向に流れるパージガス流が好ましく、パージガスが、第1垂直パージチャネル170aと170bから発出し、第2垂直パージチャネル172aと172bに流れ込むか、または、第2垂直パージチャネル172aと172bから発出し、第1垂直パージチャネル170aと170bに流れ込むかのいずれかであり、第1および第2垂直パージチャネルはそれぞれ、内部開口166aと166bおよび168aと168bにより、それぞれ区分けされる。パージガスは、基板の両側にあるパーティションウェブ160aと160bの間を、特に、少なくともパーティションウェブの第1および第2円弧部分202aと202bの間を移動する。図示された好ましい実施形態では、内部収容空間の両側にあるこれらのパーティションウェブは、前述されたように、垂直方向に両側に隣接する基板搬送容器の相対回転位置決めにより、第1パーティションウェブ160aと第2パーティションウェブ160bを交互に含む。これは、隣り合う複数のパーティションウェブの間にギャップを有するように、または、特に少なくとも、隣り合う円弧部分の間にギャップを有するように、パーティションウェブの厚さ寸法を合わせることにより簡単な方法で実現することができる。
[0185]しかしながら、(以上に述べたギャップの)代わりに、例えば、縦長のパージノズルか、またはライン形状のノズルを備えても良く、パージノズルまたはライン形状のノズルは、図17Bに断面図で示されるように、内側方向に向かって先が細くなるノズル開口が得られるように、それぞれのパーティションウェブの上面と下面を適切に形成することにより得られる。また、例えば、ノズル開口を規定する最も小さな開口幅が、パーティションウェブの内部エッジの位置か、またはパーティションウェブの内部エッジに非常に近い位置のいずれかに備えられても良い。図17Bに示されるように、上部基板搬送容器のパーティションウェブの下面と下部基板搬送容器のパーティションウェブの上面のうちどちらか一面だけを適切に形成するだけでよい。基板搬送容器の全体的な形状を考慮すると、例えば、図17Bに示されるように、上部基板搬送容器の下面が、テーパリング形状を有していても良い。このような縦長のパージノズルか、またはライン形状のノズルを備えることで、それぞれの垂直方向のパージチャネルから発出するパージガスの流速をパーティションウェブの通過経路中で加速し、垂直方向のパージチャネルのそれぞれが、隣接する基板間の空間を経由し流れる層流化されたパージガス流の実現に役立つ。
[0186]図17Bは、図17Aで示された詳細Bの側断面図であり、すなわち、パーティションウェブ160aと160bの接続部分200aと200bを有する複数のパーティションウェブの円弧部分202aと200bの中間領域、さらに説明を加えるなら、それぞれの基板搬送容器スタックの中に保管された複数の基板130の隣接するエッジを有するパーティションウェブ160aと160bの円弧部分202aと202bの中間領域を示す。図17Bに示されるように、基板130の片側にある垂直パージチャネルは、積み重ねられた基板搬送容器の隣接する接続部分200aと200bによって範囲を定められた水平方向のチャネルにより、両側に隣接する基板の間の水平方向のパージガス流が、また、接続部分200aと202bの水平方向の突出部に沿っても得られるように、水平方向に接続されている。対応するライン形状のノズル部分は、図17Bに示されるように基板搬送容器に向かって内向きに開口する。例えば、円弧部分が一体になり、外部搬送容器フレーム140のそれぞれのフレームウェブにより複数の円弧部分を接続することで、これらのライン形状のノズルは、パーティションウェブ160aと160bの円弧部分202aと202bの範囲に完全に従い、2つの接続部分200aと200bの範囲を、実質的か、または完全な、いずれかの状態で、その範囲の上を円弧部分202aと202bの両サイドで張り出してもよい。
[0187]外部搬送容器フレーム140の上部エッジから、上方向かつ内方向に延びる基板保持アームのために、それぞれの基板搬送容器112により保持された基板130は、本基板搬送容器のパーティションウェブ160aおよび160bの円弧部分202aおよび202bと、接続部分200bの垂直範囲内ではなく、それぞれの基板搬送容器112のこれらの要素(パーティションウェブ160aおよび160bの円弧部分202aおよび202bと、接続部分200b)の上の垂直に距離を隔てた位置に配置されても良い。図17Bに図示された基板130の4つのエッジ領域が、別の4つの基板搬送容器のうちの1つにより保持されている。別の4つの基板搬送容器は、図17Bには図示されず、図示された基板搬送容器スタックの中の4つの基板搬送容器の下に配置されている。図17Aは8つの基板130を示し、それはすなわち、図17Bにも示される4つの基板130と、図17Aと17Bに示される4つの基板搬送容器のそれぞれの基板台座に保持される別の4つの基板130である。
[0188]本発明の好ましい複数の実施形態中で、基板搬送容器の台座に保持されたそれぞれの基板ならびに基板搬送容器の外部搬送容器フレーム140の上部エッジまたはリムとの間の垂直距離は、異なっている。例えば、基板搬送容器スタック110の等しい寸法の基板搬送容器により保持される隣接する両側のウェハ間の距離は、2.4ミリから3.4ミリの範囲、または2.7ミリから3.1ミリの範囲であっても良い。好ましい例では、図示されるように、この距離がおおよそ2.9ミリである。ここで述べたことは、もちろん、基板搬送容器スタックのすべての基板搬送容器が、それぞれこのようなウェハ形式の基板を搬送するときにのみ当てはまる。もし、ほかの厚さの基板が取り扱われ、保管される場合、これらのパラメーターは適切に適用されるであろう。
[0189]0.8ミリが典型的なウェハの厚さだと仮定すれば、本典型的なウェハの厚みを有する隣接する基板間の特に好ましい距離である2.9ミリが、基板搬送容器スタック110の基板搬送容器112の基板台座によって規定される隣接する水平搬送プレーン間のピッチ3.7ミリに対応する。もし、他の厚みを有する基板が取り扱われ、保管される場合、このピッチは適切に調整されるであろう。これらパラメーターのすべては、基板搬送容器の使用シナリオと適用される選択肢に適切に適合するように調整可能である。
[0190]前述の水平搬送プレーンは、基盤台座の物理的な構成要素ではなく、仮想の、論理的または仮想の幾何学的構造物であり、幾何学的構造物とは、基板搬送容器の外部搬送容器フレーム並びにそれぞれの外部搬送容器フレームのフレームウェブ及びフレーム頂点領域に関連したフレームウェブ軸及び頂点領域並びに例えば座標軸等、その他軸に関連する、例えば水平フレーム面のような実際の構成要素、その他位置関係を説明するために使用されるものである。これら水平搬送プレーンは、それぞれのプレート状の基板の下面と同一平面上にある幾何学的な平面として規定され、プレート状の基板は、あらかじめ定められた許容され得る直径か、または基盤台座のあらかじめ定められた許容され得る最大直径に対応する直径を有し、かつ理想的には、それぞれの基板台座により水平方向の中心位置に搬送される。例えば、図13と15でも説明されるように、保持端166が台座位置166として規定・作用することにより、図7に示されたように、基板保持アームの保持端166が傾く場合には、所定の許容され得る直径か、または所定の許容され得る最大の直径と正確に一致しない直径を有する基板の下部面は、基盤台座に規定される本仮想水平搬送プレーンから垂直方向の少し距離を隔てた位置で保持されるが、この時、もし基板が基板台座の理想的な中心位置に配置されていたならば、基板は本仮想水平搬送プレーンと平行になるだろう。基板台座中で若干中心位置がずれて配置された基板に対しては、基板の下面と仮想の水平搬送プレーンは、それぞれ互いに若干傾斜した状態で延びるだろう。
[0191]さらに、たとえ基板が基板台座内の中央位置に理想的に配置され、あらかじめ定められた許容可能な直径に相当する直径か、または基盤台座に関連するあらかじめ定められた許容可能な最大直径に相当する直径を有したとしても、基板保持アームの実際の配置や形状に影響を与える可能性がある製作公差により、この基板台座に関連する仮想の水平搬送プレーンと基板の下面の間にはわずかにずれが生じる可能性があるので、基板の下面と仮想の水平搬送プレーンは完全に同一平面上にない可能性があり、互いに対して僅かに傾きを示す可能性もある。
[0192]もちろん、本明細中で与えられる、すべての説明、定義、および教示は、理想的な寸法や理想的な形状から潜在的に製造上の許容誤差により、常に引き起こされる非常に小さなずれが存在するという事実を考慮したうえで、当業者により理解され解釈されなければならない。例えば、特に、これらの基板搬送容器が射出成形により適切なプラスチック材料から成型されるならば、このような製造上の許容誤差は本明細書で開示された基板搬送容器のような装置に対してかなり強力な影響を与える。射出成形のために使用されるモールドと射出成形処理にある適切な最適化が要求されないのであれば、例えば、ある特定の使用目的を達成するために許容され得る製造上の許容誤差を有する基板搬送容器を製造するために実施される、このような射出成形が好ましいかもしれない。このような最適化は、様々な形状の構造を有する射出成形の分野における熟練者の作業に属する。例えば図12Aに描かれたとおり、図示された基板搬送容器112のボトム側に射出位置マークにより対称的に配置された射出位置を備えたモールドを準備することが推奨される。図11Bで図示されたマークは図示する目的でのみ提供し、基板搬送容器が射出成形で製造されるための事例の完全な教示を与えることを意図したものではないので、さらに追加で他の射出位置がもちろん適切であるかもしれない。もちろん、他の適切な製造方法が同様に使用されることも可能である。
[0193]再び図17Bを参照すると、例えば、縦長のライン形状のノズルが、基板搬送容器スタック中の複数の垂直高さ位置に配置されている。垂直高さは、特定のウェハの厚さ、例えば、基板搬送容器が特に設計される前述の典型的なウェハ厚さを有する基板を仮定すると、垂直方向に隣接する上方の基板130の下面と、垂直方向に隣接する下方の基板の上面との間の垂直距離の中央に対応する。両側に隣接する基板の存在とは、ある1つはそれぞれの上部基板搬送容器のパーティションウェブの垂直方向の厚みの範囲内に配置されたものであり、もう1つはそれぞれの下部基板搬送容器のパーティションウェブの垂直方向の厚みの範囲内に配置されたものであって、常に、基板搬送容器スタックの基板搬送容器のすべての基板台座がそれぞれの基板を保持する必要はないが、当然、このような両側に隣接する基板の存在が本明細書では想定されている。
[0194]本明細書で提案されたライン形状のノズルの配置(もし、ライン形状のノズルが備えられていないならば、両側に隣接するパーティションウェブの間に代わりに備えられた縦長の排出開口の配置)が要求されたとおり、複数の基板間の空間を経由して流れる層流化したパージガス流の達成に貢献する。配置において、パージガスが、上方の基板の下面と下方の基板の上面から、ほぼ同じ距離を隔てた位置で隣接する複数の基板間の空間に向けて噴射する。隣接する両側の基板の距離と、それに伴う基板台座の水平搬送プレーンの間のピッチのための寸法を決めるための前述の推奨例は、選択されたウェハの厚みか、または典型的なウェハの厚みのいずれかに基づき、かつ層流化された水平パージガス流と、基板の比較的高い保管効率を提供できるという一般的な要求にこたえる観点で与えられている。これらの推奨例は、特に実質的に異なる厚みを有する基板が取り扱われる場合のピッチに関して特定の使用シナリオに依存する調整が必要となるかもしれない。
[0195]図17Bに示されるように、パーティションウェブ160aと160bの円弧部分202a、202bの外周と、基板130の外部円周の間には放射状の間隔が存在する。例えば、ライン形状のノズルの排気口か、パーティションウェブで規定された一般的なライン状の開口は、基板のエッジ(ウェハのエッジ)の外側であって、放射状に訳3ミリの所に配置されるのが望ましい。基板間に層流化した水平パージガス流を用いた効果的なパージ処理を実現するために、毎秒約5ミリのパージガス流が基板の表面を流れることが推奨されるが、それよりも高いか、または低いパージガス流も適切であるだろう。
[0196]本件で、突起150a、150bおよび開口または凹部152a、152bによって提供される位置決め構造により実現され、かつ維持される基板搬送容器スタック内の基板搬送容器112の交互の位置決め、つまり、基板搬送容器スタックの中で隣接する基板搬送容器が垂直回転軸回りに180度回転させられた位置決めが図18Aに示される。3つのこのような基板搬送容器が、適切な交互の相対位置決めを伴って示され、ここで図面の3つの基板搬送容器の相対変位は、図19に示されたこのように相対的に位置決めされた4つの基板搬送容器のように基板搬送容器間の垂直変位を象徴的に示している。図18Aおよび図19では、詳細CおよびBの位置が図12A、12B、12C,および14で定義され示されたように表示されている。図19では、図示された基板搬送容器において、外部搬送容器フレーム140の傾斜した上面部分に対して、図示された突起の位置の小さな変化が確認できる。この点で、図19は図12Aの矢印XIVによって与えられる視野方向に対応するか、またはそれぞれの基板搬送容器上の反対の視野方向に対応する図であることに注目すべきである。
[0197]図18Aおよび図19は、前述された特定の対称的および非対称的な基板保持アームの配置によって達成される、垂直方向に隣接する基板の基板保持アームの関連付けられた配置を示す。達成されるものとしては、垂直方向に隣接する基板保持アーム、例えば図19では基板保持アーム132aおよび132cと、基板保持アーム132bおよび132dが垂直方向に重なり合わず、互いに対して横方向にずれて配置される。これにより、もしすべての基板台座がそれぞれ基板を収容する場合に、基板搬送容器スタック内の基板搬送容器の基板台座の水平搬送プレーンの間隔をより小さくすることが可能になり、基板搬送容器スタック内に保持される隣接する基板の間の垂直距離を減らすことができる。図18Aは、このような2つの隣接する基板保持アームが対角線方向または直径方向に内方向に類似した方向付けであるために重なり合わないことを示す。これは、頂点領域144bおよび144dと、互いに適切に積み重ねられた複数の基板搬送容器の基板保持アーム132bおよび132dを含む頂点領域の近隣部分を示す図18Bでも示される。
[0198]図20は、複数の基板搬送容器112のフレーム頂点領域144aおよび144cを示し、フレーム頂点領域は互いに適切に積み重ねられている。特に、それぞれの下部基板搬送容器の突起150aと上部基板搬送容器の開口152bの相互係合と、基板搬送容器スタック内の隣接する基板搬送容器の、インターフェース突出部154aおよび154cの横方向に互い違いにされた配置が確認できる。これにより、垂直方向に整列したインターフェース突出部の間、すなわち、垂直方向に隣接するインターフェース突出部154cの間、および垂直方向に両側に隣接するインターフェース突出部154aの間に比較的大きな垂直方向のギャップができるので、例えば移動装置などの外部のインターフェース装置と基板搬送容器のそれぞれとの相互作用を容易にすることができる。
[0199]好ましい実施形態で示されたとおり、積み重ねられた基板搬送容器の4つのフレーム頂点領域でこれらインターフェース突出部の本トランスバース・スタッガ構造は、たった1つの種類の基板搬送容器(サブタイプを含まない)で達成され、位置決め形成要素は本事例では突起150a、150bと開口または凹部152a、152bであり、位置決め形成要素は、垂直方向に隣接する保持アームが交互に、かつ横方向に横断することで互い違いになり、かつ垂直方向に隣接するインターフェース突出部が交互に、横方向に横断することで互い違いになるように、基板搬送容器スタック110中のこれら複数の基板搬送容器112の要求される交互の相対回転位置での適切なスタッキングを確実にする。
[0200]図21、図22A、と図22Bは、本発明の第5の好ましい実施形態に関する基板搬送容器スタック110の一実施例を示す。本事例では、最下段の基板搬送容器112がベース114の上に、またカバー116が最上段の基板搬送容器の上に積み重ねられた状態であり、25枚の基板搬送容器112を超える、例えば27枚または28枚の基板搬送容器112の各々の上に、互いに積み重ねられている。横方向に互い違いなインターフェース突出部154aと154cと、横方向に互い違いなインターフェース突出部154bと154dに示されたとおり、基板搬送容器112は、垂直軸回りにそれぞれに対して相対的に、180度回転する前述の方法で積み重ねられて、前述の位置決め構造により、例えば、本事例では、突起150a、150bと開口または凹部152a、152bにより、方法が確実に実施されている。図で示されたとおり、基板搬送容器スタック110内であって、基板搬送容器112の台座中に保持される基板に対する高い積み重ね効率と高い保管効率が得られる。基本的には、例えば、このような基板搬送容器スタックは、任意の数の基板搬送容器を含むことが可能であり、実際には、制限されない例として示されたものよりも、さらに多くの基板搬送容器を含むことが可能である。例えば、偶数個の基板搬送容器、または非偶数個の基板搬送容器が基板搬送容器スタック中に備えられることが可能である。
[0201]図21の斜視図と図22Aと22Bの側面図によると、ベース114とカバー116は、ベースプレートとカバープレートで形作られている。例えばカバープレートは、その下部側に、最上段の基板搬送容器の基板保持アームと、それによって保持されている基板を収容するための適切な凹部を備えても良い。
[0202]本発明の好ましい実施形態によると、ベース114とカバー116は、基板搬送容器スタック110の中に保持された基板130のパージ処理構造を備えている。例えば、これらのパージ構造は、基板搬送容器スタックの中で隣接する基板搬送容器間の空間を通る層流化パージガス流を達成またはその生成に貢献するための、少なくとも1つの層流化チャンバーと層流化マニュホールドと層流化ファブリックのような、統合された層流化構造を含むか、または有している。
[0203]図23と図24は、ベース114の好ましい実施形態の一例を示す。図23はベースの上部側を上から見た図であり、図24はベース114のいくぶん概略図に近いものである。
[0204]図24に示されたように、ベースは搬送プレート210を備え、基板搬送容器スタック110の複数の基板搬送容器の最下段の基板搬送容器112が、ベースの上のあらかじめ定められた相対的な位置に積み重ねられるように、すなわち、本最下段の基板搬送容器112の突起150a´が開口152bと係合し、かつ突起150b´が開口152aと係合するように、送面は、突起150a´と150b´を備え、位置決め突起はそれぞれの基板搬送容器112の位置決め突起150aと150bに基本的に対応する。例えば、搬送プレート210は金属材料、またはプラスチック材料のいずれかから製作可能である。
[0205]ベース114は、搬送プレート210の上面に内部本体211を備え、内部本体は基板搬送容器スタック110の内部に配置され、その最下段の基板搬送容器112を支持する。搬送プレート210に固定された内部本体は、一体形成して製作されるか、または例えばプレート状の複数の要素のような、複数の要素が互いに取り付けられて製作されるかの、いずれも可能である。実際には、原則として多くの場合、例えばその選ばれた構造に応じて、完成したベース114は一体形成で製作される。
[0206]本事例では、図24に示されたように、内部本体211は最下段の基板搬送容器112を支持するためのサポートベース212を備え、サポートベースは複数の要素、例えば2つのプレート状の要素212aと212bから構成される。基板搬送容器の外部エッジに沿ってサポートベース212の上部面上に延びる環状サーフェスストリップ213は、最下段の基板搬送容器112をそのシーリングリッジまたはシーリングリップ204の位置で支持し、かつシーリング表面を形成する。基板搬送容器スタック110の基板搬送容器112とカバー116の重量は、本シーリングリッジまたはシーリングリップ204を経由して支持されるので、シーリングが達成される。
[0207]好ましくは、基板搬送容器スタック110の中で基板130のパージ処理を実施するために、ベース114は搬送プレート210の下面に、搬送プレート210に取り付けられたインターフェース本体216を備えても良い。インターフェース本体は、一体化されたパージガス入力コネクターか、またはパージガス・インレットを備え、かつ一体化されたパージガス・リターン・コネクターか、またはパージガス・アウトレットを備える。これらコネクターまたはインレット並びにアウトレットは、サポートベース212の中のガス分配構造またはパージ構造に関連する搬送プレート210を備えたベース114の適切な構造を経由して接続される。チャネルおよびチャンバーのうち少なくとも1つを備えることができるこれらのガス分配構造、またはパージ構造は、流入口またはインフロー凹部218aと218bのペアと、リターンフロー開口またはリターンフロー凹部220aと220bのペアを経由して、基板搬送容器スタックの垂直ガス分配チャネルまたは垂直パージチャネルの関連する1組のペアに接続されるので、パージガス・エントリー・コネクターまたはパージガス・インレットが、これら垂直チャネルの1ペアと接続され、さらに、パージガス・リターン・コネクターまたはパージガス・アウトレットが、これら垂直チャネルのもう一方のペアに接続される。
[0208]図23に示されるように、当業者は、インフロー開口または凹部218a、218b、開口168a、168bのペア、開口166a、166bのペア、及びサポートベース212の上に互いに次々と積み重ねられた基板搬送容器112の同じように続くその他のペアについても、一組の垂直ガス分配チャネルペアか、または垂直パージチャネルペアに共通に属するペアと考え、さらに、そのチャンネルペアを経由して、垂直に隣接する基板搬送容器112のペアの垂直に隣接する間仕切りウェブにより画成されたすでに説明された細長いノズルまたはラインノズル(又は一般的には細長い開口)へパージガスが供給され、その結果、当該パージガスは、基板搬送容器スタックのそれぞれの基板搬送容器の台座に保持される隣接する基板間の空間に向かってかつその中へ水平方向に放出されると考えるだろう。
[0209]また、リターンフロー開口またはリターンフロー凹部220aおよび220bに関しては、サポートベース212上に積み重ねられた最下段の基板搬送容器112の開口166a、166bの形にいくぶん類似した形状であり、図23に示されたリターンフロー開口またはリターンフロー凹部220a、220bの形状とは異なる形状になる可能性がある。当業者は、リフロー開口または凹部220a、220b、さらに開口166a、166bのペア、開口168a、168bのペア、及びサポートベース212の上に互いに次々と積み重ねられた基板搬送容器112の同じように続くその他のペアについても、一組の垂直ガス分配チャネルペアまたは垂直パージチャネルペアに共通に属するペアと考え、さらに、そのチャンネルペアをパージガスが基板搬送容器スタックのそれぞれの基板搬送容器の台座に保持された隣接する基板間の空間をとおり通過した後に、当該チャネルペアの中に当該パージガスが垂直方向に隣接する一組の基板搬送容器ペアの垂直方向に隣接する間仕切りウェブによって画成される前述の細長いノズル又はラインノズル(又は一般的には細長い開口)を経由して該バージガスが吐出すると考えるだろう。
[0210]したがって、インターフェース本体のパージガス・エントリー・コネクターまたはパージガス・インレットを経由して基板搬送容器スタック中に注入されたパージガスは、流入口または凹部218aおよび218b並びに垂直パージチャネル並びに縦長のノズルまたはライン形状のノズル(または一般的に表現される縦長の開口)の第1セットとの2組のペアからなるある1組のペアを経由して複数の基板に供給され、かつ基板搬送容器スタックから、縦長のノズルまたはライン形状のノズル(または一般的に表現される縦長の開口)および垂直パージチャネルおよびリフロー開口または凹部220aおよび220bの2組のペアからなる他の1組のペアを経由して戻り、排出され、最終的にはパージガス・リターン・コネクターまたはパージガス・アウトレットから戻り、排出される。
[0211]図24に概略的に示されるように、サポートベース212を2つのプレート状の要素212aおよび212bで形成することにより、要求される内部構造を有するサポートベース212を多くの工程作業を行うことなく製造することが可能になる。
[0212]ベースは、サポートベース212の上に、円形断面を有する円筒形突起214を備え、円筒形突起は、サポートベース212またはその上部の板状要素212aと一体的に形成されるか、またはそれに(サポートベース212またはその上部の板状要素212aに)、ある分離した要素を取り付けることで形成される。本円筒形突起は、最下段の基板搬送容器112の大きな開口164の中に張り出し、それぞれの基板台座中であって、基板搬送容器スタックの中で搬送される基板130の直径に、正確にまたは実質的に対応する直径を有する。図25に示されたように、円筒形突起214は、サポートベース212により直接支持される基板搬送容器スタックの最下段の基板搬送容器により支持され、最上段の基板130が、基板搬送容器スタック内の他の基板搬送容器と同様にパージ状態を得られるぐらいの高さを有する。その結果、もし、すべての基板搬送容器の台座がそれぞれの基板130を有し、かつ、もし基板搬送容器112とそれにより構成された基板搬送容器スタック110が最適化されるための厚さを基板が有しているならば、円筒形突起214の上部平面と本基板130の下面との距離は、基板搬送容器スタックの中で保持された両方の隣接する基板の上面と下面との間の距離に正確にまたは実質的に対応している。図示された好ましい実施形態の事例では、最下段の3つの基板搬送容器が、円筒形突起214の高さの範囲で、それらの対応するパーティションウェブにより配置され、さらに、そこでは、隣接するパーティションウェブの間のライン形状のノズルまたは縦長の開口がある基板に供給されるパージガスか、または複数の基板間に供給されるためのパージガスを発出するという目的をもっていないという特徴がある。
[0213]図25は、図25の基板搬送容器の上方の基板搬送容器スタックの中に配置された複数の基板搬送容器を図示した図17Aと17Bを参照して検討すべきである。
[0214]ベース114、好ましくは、図示された好ましい実施形態の場合、ベースの搬送プレート210は、それぞれの基板搬送容器112のインターフェース突出部154a、154b、154c、および154dと同様のインターフェース突出部154a´、154b´、154c´、および154d´を備えることができることを付け加えておくべきであり、インターフェース突出部は外部の取り扱い装置、および移動装置等と相互に作用することができる。
[0215]前項で、少なくとも暗黙にすでに示されたとおり、もし、すでに層流化されたパージガス流が流入口または凹部218aおよび218bを経由して、それぞれの基板搬送容器112の開口168aおよび168b並びに166aおよび166bにより形成された基板搬送容器スタックの関連する垂直チャネルに注入されるならば、基板搬送容器スタック内の隣接する基板搬送容器間の空間を通じて層流化パージガス流を与える目的が達成されるか、またはその目的に貢献することが可能である。本目的のために、ベース114、特にベースのサポートベース内に適切な層流化構造が備えられていて、それは、例えば、少なくとも1つの相対的に大きな層流化チャンバーの一種であり、そこには例えば、間仕切り壁の一種であるガス分配構造が備えられている。別の方法として、または追加的に、少なくとも1つの層流化ファブリックが備えられ、パージガスはそこを通って基板搬送容器スタック内の垂直供給チャネル中に発出される。
[0216]ベース114は、任意の適切な材料、例えば少なくとも1つの金属材料とプラスチック材料からか、または、図示された好ましい実施形態として示されたように、ベースを形成するために結合される複数のパーツからか、または一体的に製造される。
[0217]本好ましい実施形態におけるベース114がパージガス・アウトレットと同様に、パージガス・インレットを備えるので、カバー116はこのようなインレットやアウトレットのようなものを備える必要がない。図26は、適切なカバー116の下部側の図であり、カバー116は、図示されたビューによると、図のように上下逆さまに配置されていると考えられる。図27は、カバー116の対応する側面図であるが、図中ではその下部側が下向きに配置され、その上部側が上向きに配置されている。
[0218]カバー116は、基本的にはそれぞれの基板搬送容器112の大きな内部開口64に対応する大きい方の凹部228と、それぞれの基板搬送容器112の小さい方の内部開口166aおよび166b並びに168aおよび168bに対応する1組の小さい方の凹部222aおよび222bからなる第1ペアおよび、1組の小さい方の凹部224aおよび224bからなる第2ペアを備える。小さい方の凹部222aおよび222b並びに224aおよび224bが、それぞれの間仕切り壁240aおよび240bにより大きい方の凹部128からそれぞれ分離されていて、それら間仕切り壁は、それぞれの基板搬送容器112のパーティションウェブ160aおよび160bに対応している。もし、カバー116が基板搬送容器スタック110の最上段の基板搬送容器112の上に積み重ねられる場合、小さい方の凹部222aおよび222bからなる第1凹部ペア並びに小さい方の凹部224aおよび224bからなる第2凹部ペアが、小さい方の内部開口166aおよび166bからなる第1小開口ペア並びに小さい方の内部開口168aおよび168bからなる第2小開口ペアにより形成された第1垂直パージガス配送チャネルまたは垂直パージチャネルのペアおよび第2垂直パージガス配送チャネル、または垂直パージチャネルのペアを拡張するので、垂直パージガスチャネルが、それぞれの基板搬送容器に保持される基板が配置される内部収容空間の全垂直範囲に沿って延びる。間仕切り壁220aおよび220bは、パーティションリッジとも表現され、パーティションウェブの円弧部分202aおよび202bのような円弧部分を備え、かつ基板搬送容器の隣接するパーティションウェブにより規定されたライン形状のノズルまたは縦長の開口に類似の、内部収容空間の外周に沿って伸びるそれぞれの垂直方向に隣接する縦長の開口126のそれぞれのセットを備えるので、図17A、17Bと図25に加えて、図28で示されたように、基板搬送容器スタック110の最上段の基板搬送容器112に保持される最上段の基板の高さ範囲中においても、またパージ処理を実施するために水平方向のパージガス流が発出される。
[0219]図28に示された4つの基板搬送容器112は、図17Bの複数の基板搬送容器の上の基板搬送容器スタック内に配置され、カバー116の大きい方の凹部228内に配置された基板保持アームを経由して、それぞれの基板130を保持する。
間仕切り壁220aおよび220bの中で縦長の開口あるいはライン形状のノズル226を有する小さい方の凹部222a、222bおよび224a、224bは、隣接する基板130の間および大きい方の凹部228内であって、最上段の基板搬送容器112の上面とカバーの下面の間も通過して流れる水平方向のパージガス流を供給する。
[0220]ベース114とカバー116を使用するので、基板搬送容器スタック110内のすべての基板130に対する同一のまたは実質的に同一のパージ状態が得られる。例えば、好ましくは、縦長の開口またはライン形状のノズルが、垂直方向に等間隔で備えられ、基板に向かって水平方向のパージガス流が縦長の開口またはライン形状のノズルから発出され、パージガスが複数の基板を通った後に縦長の開口またはライン形状のノズルへ入り、さらに、ここで再び、基板搬送容器112とそれにより構成された基板搬送容器スタック110の基板が最適化された厚さを有していると仮定すれば、上部の基板130の下面と下部の基板130の上面の間並びに、凹部128内のカバー116の下面および最上段の基板130の上面の間および最下段の基板130の下面およびベース114の円筒形突起214の上面の間の半分の高さ位置に、それぞれのライン形状のノズルまたは縦長の開口が配置されていることが好ましい。しかしながら、基板搬送容器112と基板搬送容器スタック110は、また他の厚みを有する基板の保管、搬送、および処理のために使用されることも可能である。
[0221]好ましくは、カバー116が、水平方向に延びるインターフェース突出部154a´、154b´、154c´、および154d´を備えても良く、インターフェース突出部が、カバー116のフレーム部分227の支持表面229から下方向に突出するインターフェース・セクション224a、224b、224c、および224dによって形成されていることに注意すべきである。フレーム部分227は最上段の基板搬送容器112の外部搬送容器フレーム140上に支持されている。大きい方の凹部228の周りに延びるフレーム部分227の下部リングサーフェス・ストリップおよび、基板搬送容器の内部ゾーン162周りに延びる最上段の基板搬送容器112の外部搬送容器フレーム140の下部リングサーフェス・ストリップは、パージガスを基板搬送容器スタック110内に閉じ込めるために相互に係合するシール面を形成する。もう一つの方法として、これらの表面のうちの1つが、シーリングリップか、またはシーリングリッジによって置き換えられることが可能である。カバー116は、基板搬送容器112のシーリングリップまたはシーリングリッジ204に類似した、同様のタイプのシーリングリップまたは、シーリングリッジを、そのフレーム部分227に備えても良い。
[0222]基板搬送容器スタック110の最上段の基板搬送容器112の上のカバーの適切な相対的位置決めを実現するために、1以上のインターフェース・セクション224a、224b、224c、および224dが、基板搬送容器の位置決め構造に類似した位置決め構造を備える。本事例では、インターフェース・セクション224aが、それぞれの基板搬送容器112の開口または凹部152bに対応している開口または凹部152b´を備え、さらにインターフェース・セクション224cが、それぞれの基板搬送容器112の開口または凹部152aに類似した縦長に延びる凹部または開口152a´を備える。カバー116が基板搬送容器スタック110の最上段の基板搬送容器112の上に適切に積み重ねられたときには、本基板搬送容器の突起150bは、カバー116の開口または凹部152a´の中に張り出し、本基板搬送容器の突起150aはカバー116の開口152b´の中に延びる。
[0223]ベース114に備えられるインターフェース突起の一種と、ベース116に対して備えられたインターフェース突起の一種は、互いに対して適合され、さらに偶数または奇数のいずれの数の複数の基板搬送容器112でも、基板搬送容器スタック110の中に備えられるべきである、ということも付記しておくべきである。
[0224]カバー116は、いかなる適切な材料からでも製造可能であり、例えば、少なくとも1つの金属材料またはプラスチック材料、すでに示された好ましい実施形態の例のように一体的、またはカバーを形成するために組み合わされる複数の部分を含むものからも製造することが可能である。
[0225]すでに記述したとおり、基板搬送容器12と112は、一体的か、またはそれぞれ1つの部材からなるように製造されるのが好ましいこともある。特に、基板搬送容器は、例えば、射出成形を使用して、プラスチック材料から一体成形されることが好ましいこともある。強化のためにファイバーを含むプラスチック材料が使用されることが好ましいこともある。クリーンルームアプリケーションでは、静電容量の発生を抑えたプラスチック材料を使用することが推奨される。その結果、例えば、基板搬送容器がいわゆるESD材料、またはエレクトロニックディスチャージ(電気放電)材料と呼ばれるものから成形されるのが好ましいこともある。例えば、プラスチック材料は、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)およびポリカーボネート(PC)から製造されるか、またはプラスチック材料が、それらのうちの1つを含むこともある。
[0226]成形材料がPEEK、特にVon Allmen AG,CH-8330 Pfaffikonから入手可能な製品バリアントPEEK ESD 101であるか、または同様の特性を有するタイプのPEEKであることが好ましい。このような基板搬送容器は、強化された耐化学性や耐熱性を有し、もし半導体ウェハが処理工程または表面準備処理工程(コンディショニング)に向かってそれぞれの基板搬送容器の台座に置かれた状態で送り出されるならば、耐化学性や耐熱性は有益であり、それらは(送り出された基板搬送容器は)一般に基板搬送容器スタックの中に保持されたすべての基板を集合的に処理または表面準備処理をするための基板搬送容器スタックの一部となるか、それとは別のやり方で(集合的に複数のウェハが送り出される代わりに)、ウェハが個別に取り扱われ、個別にある処理または表面準備装置に送られるだろう。しかしながら、特に保管と一時保管に使用されるための基板搬送容器には、PCもまた、よく適した成形材料である。例えば、増加された電気的導電率を有する製品バリアントPC-CF DCL 32か、または同様の特性を有するあるタイプのものが推奨される。
[0227]本発明の好ましい実施形態による基板搬送容器スタックが、ここまで説明してきたように、より高い保管効率と改善され追加され強化された能力を提供するので、既存のシステムやFOUPに代用されるような搬送メカニズムに対して、高密度の再配置と増強を提供するということも付記しておくべきである。このような基板搬送容器スタックは、「TecCell」や「Tec-Cell」と呼ばれている。
[0228]前述したとおり、本発明の好ましい実施形態が説明された一方で、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは当業者にとって明らかであることは言うまでもない。従って、本発明の技術範囲は、以下のクレームのみにより決定される。