情報処理装置等から送信される種々の電子文書データを受信し、当該電子文書データを印刷する画像形成装置が知られている。画像形成装置は、PDF等のランダムアクセス形式の電子文書データを受信する場合、当該電子文書データ全体の受信を完了した後、電子文書データの構造情報を参照しつつ、各ページのデータにアクセスして印刷する。ランダムアクセス形式の電子文書データでは、データ内における各ページの位置等を示す構造情報が、必ずしもデータの先頭に位置するとは限らない。例えば、PDFの場合、構造情報はデータの後方に位置し得る。これにより、電子文書データの受信開始から印刷開始までに要する時間が長くなり得る。
例えば、特許文献1のシステムでは、電子文書データから3つ以上に分割されて形成されたデータブロックのうち、最後尾のデータブロックから順に、コンピュータ装置から印刷装置に転送される。そして、印刷装置が、構造情報の一例であるデータブロック内の相互互換テーブルを取得し、コンピュータ装置が取得を示す信号を印刷装置から受信した後、コンピュータ装置は、先頭のデータブロックから順に印刷装置に転送する。印刷装置は、受信動作と受信し終えたデータブロックのラスタライズ動作とをオーバーラップして行うことで、最初のページの印刷時間及び電子文書データ全体の印刷時間を短縮する。
しかしながら、特許文献1のシステムでは、電子文書データを分割して最後尾のデータブロックから順に送信し、相互互換テーブルの受信通知を受けた後に残りのデータブロックを先頭から順に送信するという独自のフローで、電子文書データがコンピュータ装置から印刷装置へ受け渡される。このため、上記フローに対応する印刷装置へのみ、電子文書データの送信が可能である。よって、コンピュータ装置は、上記フローに対応する印刷装置と、非対応の印刷装置とに対して異なる送信処理を行う必要がある。
また、ランダムアクセス形式の電子文書データの一例であるPDFのデータ構造は、先頭から順に、ヘッダ、ボディ、相互互換テーブル及びトレイラを含む。ボディは、データのオブジェクトを含む。例えば、ボディでは、オブジェクト番号毎に、ドキュメントカタログ、ページ情報及び各ページのオブジェクト情報等が定義されている。このボディにおいて、オブジェクトは、文書のページ順に並んで配置されているとは限らない。このため、例えば、印刷装置が相互互換テーブルを取得しても、1ページ目のオブジェクトがボディの最後尾近くに配置されている場合、印刷装置の印刷開始が遅くなる。
上述のような特許文献1における問題に鑑み、本発明者らは、印刷に要する時間を短縮するために、電子文書データを逐次処理可能な形式へ変換することを検討した。逐次処理可能な形式への変換とは、電子文書データ内に配列された各ページのオブジェクトを先頭から順に処理することで、ページ番号順に出力できるようにする変換である。例えば、当該変換は、電子文書データ内の各ページのオブジェクトをページ番号順に配列し直す変換である。しかしながら、コンピュータ装置が電子文書データの印刷の要求を受けた後に、コンピュータ装置又は印刷装置が電子文書データを逐次処理可能な形式へ変換すると、変換処理の時間が必要になる。これにより、印刷の要求から印刷の出力までに要する時間が長くなる可能性がある。
そこで、本開示の技術は、電子文書データを逐次処理可能な形式へ予め変換し、変換前後の電子文書データを関連付けておくことで、電子文書データの印刷の要求を受けた後から、変換後の電子文書データの印刷を出力するまでに要する時間を短縮する。
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することによって重複した説明を省く。
(実施の形態1)
<画像形成システム1000の構成>
実施の形態1に係る画像形成システム1000の構成を説明する。図1は、実施の形態1に係る画像形成システム1000の構成示す図である。図1に示すように、画像形成システム1000は、サーバ装置1と、コンピュータ端末2と、画像形成装置3とを含む。サーバ装置1とコンピュータ端末2と画像形成装置3とは、互いに通信する。本実施の形態では、サーバ装置1とコンピュータ端末2と画像形成装置3とは、通信網4を介して通信する。例えば、通信網4は、インターネット、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、モバイル通信網、電話回線通信網、又は、その他の有線若しくは無線通信を用いる通信網であってもよい。本実施の形態では、通信網4はインターネットである。ここで、サーバ装置1及びコンピュータ端末2は、情報処置装置の一例である。
このような画像形成システム1000は、サーバ装置1及び/又はコンピュータ端末2から画像形成装置3へ電子文書データを送信し、画像形成装置3は、受信した電子文書データの画像を媒体上に形成する。本実施の形態では、画像形成システム1000が扱う電子文書データは、閲覧環境によらない閲覧性を有する電子文書データであるとして説明するが、これに限定されない。
また、画像が形成される媒体は、記録媒体であってもよく、画面を表示するディスプレイ画面又は投影面等の表示面であってもよい。記録媒体の例は、紙、布、フィルム又は板等のシート材であるが、これに限定されない。本実施の形態では、媒体は紙であるとする。よって、画像形成装置3は、記録媒体である紙上に印刷することによって、画像を形成する。また、画像形成システム1000は、1つ以上のサーバ装置1と、1つ以上のコンピュータ端末2と、1つ以上の画像形成装置3とを含んでもよい。
また、サーバ装置1、コンピュータ端末2及び画像形成装置3は、分離した別々の装置を構成するが、少なくとも2つが一体化された装置を構成してもよい。また、各装置は、1つ以上の装置で構成されてもよい。装置が2つ以上の装置で構成される場合、当該2つ以上の装置は、1つの機器内に配置されてもよく、分離した2つ以上の機器内に分かれて配置されてもよい。本明細書及び特許請求の範囲では、「装置」とは、1つの装置を意味し得るだけでなく、複数の装置からなるシステムも意味し得る。
サーバ装置1は通信機能を有する情報処理装置である。サーバ装置1は、インターネット上のクラウドサーバを構成する。サーバ装置1は、コンピュータ端末2又は画像形成装置3からの要求に基づいて、PDF(Portable Document Format)等の電子文書データを管理し、画像形成装置3へ送信するプリントサーバとして機能する。本実施の形態では、サーバ装置1の例は、コンピュータ装置であるが、これに限定されない。また、PDF等の電子文書データは、閲覧環境によらない閲覧性を有する電子文書データの一例である。
コンピュータ端末2は通信機能を有する情報処理装置である。コンピュータ端末2の例は、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン及びタブレット端末などのスマートデバイス、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC、デスクトップPC、テレビ会議端末、及びIWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)等である。本実施の形態では、コンピュータ端末2は、ノートPCであるとして説明するが、これに限定されない。
画像形成装置3は画像処理機能及び通信機能を有する情報処理装置である。画像形成装置3の例は、MFP、ファクシミリ、スキャナ、プリンタ、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB及びデジタルサイネージなどの出力装置、HUD(Head Up Display)装置、並びに、ディスプレイ装置等である。本実施の形態では、画像形成装置3は、ファクシミリ、スキャナ及びプリンタ機能を有するMFPであるとして説明するが、これに限定されない。
サーバ装置1及びコンピュータ端末2は、任意のアプリケーション又はドライバを用いて、PDF等のランダムアクセス形式の電子文書データを生成する。サーバ装置1及びコンピュータ端末2は、電子文書データを含む印刷要求を画像形成装置3へ送信する。画像形成装置3は、サーバ装置1又はコンピュータ端末2によって送信された電子文書データを受信して印刷処理を実行する。
例えば、サーバ装置1は、電子文書データを逐次処理可能な形式(「フォーマット」とも呼ぶ)に変換し、画像形成装置3に対して、変換後の電子文書データの印刷指令を出力する。また、サーバ装置1は、変換後の電子文書データを保存し、自身で保持する。
例えば、コンピュータ端末2は、電子文書データを逐次処理可能な形式に変換し、画像形成装置3に対して、変換後の電子文書データの印刷指令を出力する。また、コンピュータ端末2は、変換後の電子文書データを保存し、自身で保持する。
例えば、画像形成装置3は、サーバ装置1又はコンピュータ端末2から、逐次処理可能な形式に変換された電子文書データを受信する。画像形成装置3は、電子文書データを全てストレージ等に保存する前に、当該電子文書データを受信しつつ逐次処理で印刷する。
<ハードウェア構成>
サーバ装置1のハードウェア構成を説明する。図2は、実施の形態1に係るサーバ装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、サーバ装置1は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、メモリ104と、通信I/F(インタフェース:Interface)105と、入出力I/F106と、操作I/F107と、表示装置108とを構成要素として含む。なお、これら構成要素の全てが必須ではない。また、上記構成要素はそれぞれ、例えばバスを介して互いに接続されている。なお、上記構成要素は、有線通信及び無線通信のいずれを介して接続されてもよい。
CPU101はプロセッサ等で構成され、サーバ装置1全体の動作を制御する。ROM102は不揮発性半導体記憶装置等で構成され、サーバ装置1で動作するアプリケーションプログラム等の各種プログラムを記憶する。RAM103は揮発性半導体記憶装置等で構成され、CPU101のワークエリアとして使用される。メモリ104は、各種プログラムで利用されるデータ等の種々の情報を記憶する。メモリ104は、揮発性又は不揮発性の半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置で構成される。なお、メモリ104が、ROM102及び/又はRAM103を含んでもよい。
プログラムは、ROM102又はメモリ104等に予め保持されている。プログラムは、CPU101によって、ROM102又はメモリ104等からRAM103に読み出されて展開される。CPU101は、RAM103に展開されたプログラム中のコード化された各命令を実行する。なお、プログラムは、ROM102及びメモリ104に限らず、例えば記録ディスク等の記録媒体に格納されていてもよい。また、プログラムは、有線ネットワーク、無線ネットワーク又は放送等を介して伝送され、RAM103に取り込まれてもよい。
なお、上述したCPU101によって実現される機能は、CPU101等のプログラム実行部によって実現されてもよく、回路によって実現されてもよく、プログラム実行部及び回路の組み合わせによって実現されてもよい。例えば、このような機能は、集積回路であるLSI(大規模集積回路:Large Scale Integration)によって実現されてもよい。このような機能は個別に1チップ化されてもよく、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。LSIとして、LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続及び/又は設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサ、又は、特定用途向けに複数の機能の回路が1つにまとめられたASIC(Application Specific Integrated Circuit)等が利用されてもよい。
通信I/F105は、通信網4を介して他の装置と通信するためのインタフェースである。通信I/F105は、接続端子及び通信回路等を含んでもよい。
入出力I/F106は、他の装置又はデバイスと接続され、情報を送受信するためのインタフェースである。例えば、入出力I/F106は、外部メモリ等の記録メディアと接続され、当該記録メディアに記憶されている情報を読み出す、及び、当該記録メディアに情報を書き込むことを可能にする。入出力I/F106は、接続端子等を含んでもよい。
操作I/F107は、ユーザによる操作入力を受け付けるためのインタフェースである。操作I/F107は、ボタン、ダイヤル、キー、マウス、タッチパネル及び音声入力のためのマイク等の入力装置を含んでもよい。
表示装置108は、CPU101の制御に従って種々の画面を表示する。表示装置108は、液晶パネル、有機EL(Electroluminescence)及び無機EL等のディスプレイであってもよい。また、表示装置108は、音声出力のためのスピーカを含んでもよい。表示装置108は、操作I/F107を兼ねたタッチパネルであってもよい。
図3は、実施の形態1に係るコンピュータ端末2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、コンピュータ端末2は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、メモリ204と、通信I/F205と、入出力I/F206と、操作I/F207と、表示装置208とを構成要素として含む。コンピュータ端末2の各構成要素の構成及び機能は、サーバ装置1の構成要素と同様であるため、その説明を省略する。
図4は、実施の形態1に係る画像形成装置3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、画像形成装置3は、コントローラ300と、プロッタエンジン320と、操作パネル330と、スキャナエンジン340とを構成要素として含む。コントローラ300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、NVRAM(Non-volatile RAM)304と、メモリ305と、通信I/F306と、エンジンI/F307と、パネルI/F308と、スキャナI/F309と、入出力I/F310とを構成要素として含む。
プロッタエンジン320は、記録媒体への画像の印刷処理において、画像形成装置3のプロッタの動作を制御する。プロッタは、任意の印刷装置であり、インクジェット方式の場合、例えば、インクジェットヘッドであり、レーザプリンタ方式の場合、例えば、感光体、レーザ照射装置又は転写装置である。
操作パネル330は、ユーザから設定、条件及び指示等の入力を受け付ける。操作パネル330は、例えば、タッチパネル機能を搭載した液晶パネル、有機EL若しくは無機ELなどのディスプレイ、キー及び/又はマウス等である。
スキャナエンジン340は、画像形成装置3におけるスキャナの動作を制御する。なお、スキャナは、特に限定されないが、例えば、圧版、ADF(自動原稿送り装置:Auto Document Feeder)及び撮像素子等を有する既知のものが例示される。
CPU301、ROM302及びRAM303それぞれの構成は、CPU101、ROM102及びRAM103と同様である。CPU301は、画像形成装置3全体の動作を制御する。ROM302は、画像形成装置3上で動作する各種プログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。
NVRAM304及びメモリ305は、各種プログラムで利用されるデータ等の種々の情報を記憶する。NVRAM304は、不揮発性記憶装置等で構成される。メモリ305の構成は、メモリ104と同様である。
CPU301によって実現される機能は、CPU301等のプログラム実行部によって実現されてもよく、回路によって実現されてもよく、プログラム実行部及び回路の組み合わせによって実現されてもよい。
通信I/F306は、通信網4を介して他の装置と通信するためのインタフェースである。通信I/F306は、接続端子及び通信回路等を含んでもよい。
エンジンI/F307は、プロッタエンジン320と接続するためのインタフェースである。パネルI/F308は、操作パネル330と接続するためのインタフェースである。スキャナI/F309は、スキャナエンジン340と接続するためのインタフェースである。
入出力I/F310は、他の装置又はデバイスと接続され、情報を送受信するためのインタフェースである。例えば、入出力I/F310は、外部メモリ等の記録メディアと接続され、当該記録メディアに記憶されている情報を読み出す、及び、当該記録メディアに情報を書き込むことを可能にする。入出力I/F310は、接続端子等を含んでもよい。
<機能的構成>
サーバ装置1の機能的構成を説明する。図5は、実施の形態1に係るサーバ装置1の機能的構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、サーバ装置1は、通信部11と、表示部12と、データ保存部13と、データ処理部14と、変換モジュール15と、管理DB(データベース)16と、入出力部17とを含む。さらに、変換モジュール15は、変換判定部15aと、変換部15bと、管理部15cとを含む。
通信部11の機能は、通信I/F105及びCPU101等によって実現される。通信部11は、通信網4を介した他の装置との通信を制御する。例えば、通信部11は、電子文書データを送受信する。
表示部12の機能は、表示装置108及びCPU101等によって実現される。表示部12は、種々の情報を表示する。例えば、表示部12は、ユーザからの指示を受け付ける画面、及び、ユーザへのメッセージを通知する画面等を表示する。表示部12は、画面を用いた視覚的な表示に加えて、音声を用いた聴覚的な表示を行ってもよい。
入出力部17の機能は、入出力I/F106及びCPU101等によって実現される。入出力部17は、他の装置又はデバイスと接続され、情報を送受信する。例えば、入出力部17は、電子文書データを送受信する。
データ保存部13の機能は、メモリ104等によって実現される。データ保存部13は、電子文書データを保存する。例えば、データ保存部13は、コンピュータ端末2から受信した電子文書データを保存する。データ保存部13は、変換モジュール15によって逐次処理可能な形式に変換された電子文書データを保存してもよい。ここで、本明細書及び特許請求の範囲において、「逐次処理可能な形式」を「逐次フォーマット」とも呼ぶ。
データ処理部14の機能は、CPU101等によって実現される。データ処理部14は、電子文書データを処理する。例えば、データ処理部14は、データ保存部13に保存され且つ逐次フォーマットへ未変換の電子文書データを、変換モジュール15に出力し逐次フォーマットへ変換させる。また、データ処理部14は、電子文書データの画像出力の要求を受けた場合、管理DB16に保存され且つ対応する電子文書データを、画像の出力対象である画像形成装置3に送信する。例えば、データ処理部14は、逐次フォーマットへ変換された電子文書データが存在する場合、変換後の電子文書データを送信し、存在しない場合、変換されていない変換前の電子文書データを送信する。また、データ処理部14は、後述する管理リスト又は管理リスト内の管理情報を電子文書データと対応付けて送信してもよい。
変換モジュール15の変換判定部15aの機能は、CPU101等によって実現される。変換判定部15aは、データ処理部14を介して受け取る電子文書データに対して、逐次フォーマットへの変換が必要であるか否かを判定する。変換判定部15aは、必要である場合、当該電子文書データを変換部15bに出力する。変換判定部15aは、不要である場合、当該電子文書データを管理DB16に保存する。
例えば、変換判定部15aは、後述する管理リストに含まれる情報と、電子文書データとを比較し、判定してもよい。そして、変換判定部15aは、電子文書データが管理リストに含まれていない場合、逐次フォーマットへの変換が必要であると判定してもよい。変換判定部15aは、電子文書データが管理リストに含まれているが、電子文書データが管理リストに含まれている電子文書データよりも新しい場合、逐次フォーマットへの変換が必要であると判定してもよい。
また、変換判定部15aは、電子文書データのデータ形式に基づき、判定してもよい。電子文書データが、PCL及びPS等のシーケンシャルアクセス形式の電子文書データである場合、変換判定部15aは、変換が不要であると判定してもよい。電子文書データが、PDF等のランダムアクセス形式の電子文書データである場合、変換判定部15aは、変換が必要であると判定してもよい。
また、電子文書データがランダムアクセス形式の電子文書データである場合、変換判定部15aは、当該電子文書データのデータ構造におけるボディを参照してもよい。そして、変換判定部15aは、ボディに含まれるオブジェクトが、オブジェクトに対応するページ番号の順序で配列されているかを検出してもよい。例えば、オブジェクト間には、オブジェクトの境界位置を示す境界情報(区切り位置を示すページ区切情報とも呼ばれる)が設定されている。変換判定部15aは、境界情報に基づき、各オブジェクトを特定してもよい。変換判定部15aは、オブジェクトがページ番号の順序で配列されている場合、変換が不要であると判定し、オブジェクトがページ番号の順序で配列されていない場合、変換が必要であると判定してもよい。
例えば、図6は、電子文書データの一例であるPDFファイルのデータ構造の一例を示す図である。図6に示すように、PDFファイルのデータ構造は、国際標準化機構(ISO: International Organization for Standardization)で管理されているオープンスタンダードに準拠して、先頭から順に、ヘッダPH、ボディPB、相互参照表PR及びトレイラPTを有する。PDF等の電子文書データは、データ構造における先頭のヘッダPHから順に読み込まれる。そして、ヘッダPHは、PDFのバージョン情報等を含む。
ボディPBでは、オブジェクト番号毎に、ドキュメントカタログ、ページ情報、各ページのオブジェクト情報等が定義されている。オブジェクト番号は、オブジェクトの識別子であり、例えば、「x y obj」のように、参照番号「x」、生成番号「y」及び「obj」を並べて形成される。ドキュメントカタログは、オブジェクト階層のルート(最上位)である。ページ情報は、各ページのオブジェクト情報への参照等を含む。各ページのオブジェクト情報は、各ページを描画するためのデータを含む。
相互参照表PRは、相互互換テーブルとも呼ばれる。相互参照表PRは、ボディPBに定義されている各オブジェクト番号と、当該オブジェクト番号のオブジェクトのアドレス情報(位置情報)とを対応付けて含む。アドレス情報は、オブジェクトがヘッダPHの先頭から何バイト目かを示すオフセット情報である。相互参照表PRに基づいて、オブジェクトの位置を特定し、アクセスすることが可能である。
トレイラPTは、相互参照表PRでの位置を示すアドレス情報(startxref)、ドキュメントカタログのオブジェクト番号(Root)、及び、PDFファイルの作成日時への参照情報(Info)等を含む。
PDFファイルの構造上、ドキュメントカタログにアクセスするには、ドキュメントカタログのオブジェクト番号をトレイラPTから特定し、このオブジェクト番号に対応するアドレス情報を相互参照表PRから特定する必要がある。すなわち、通常のPDFファイルの処理では、PDFファイルのトレイラPTまでを読み込んだ上で、PDFファイルに係る画像処理が開始される。
PDFの言語仕様上、オブジェクト情報はページ順に並んでいなくてもよく、オブジェクト番号も連番である必要はない。例えば、図6において、「5 0 obj」、「18 0 obj」及び「7 0 obj」はそれぞれ、文書における5ページ目、1ページ目及び3ページ目を描画するためのオブジェクト情報であってもよい。このため、オブジェクト情報が整列されていなければ、オブジェクト情報におけるどこまでが何ページ目か相互参照表PRなしに判断できない。
変換部15bの機能は、CPU101等によって実現される。変換部15bは、変換判定部15aから受け取る電子文書データに対して、逐次フォーマットへの変換を実行する。例えば、変換部15bは、当該電子文書データのボディに含まれる各オブジェクトを位置情報及び境界情報等に基づき特定し、特定されたオブジェクトを、オブジェクトに対応するページ番号の順序で再配列してもよい。さらに、変換部15bは、当該電子文書データの相互参照表及びトレイラを、再配列後のオブジェクトの位置に従って変更してもよい。変換部15bは、逐次フォーマットへの変換を完了できた、つまり成功した場合、逐次フォーマットへ変換された電子文書データを、変換後の電子文書データとして管理DB16に保存する。変換部15bは、逐次フォーマットへの変換を完了できなかった、つまり成功しなかった場合、逐次フォーマットへの未変換の電子文書データを、変換前の電子文書データとして管理DB16に保存する。
また、変換部15bは、逐次フォーマットへの変換後の電子文書データについて、そのヘッダに、変換後の電子文書データであることを示すコメント等の情報を加えてもよい。例えば、変換前後の電子文書データにおいて、相互参照表及びトレイラの位置が変更されない場合であっても、印刷時にヘッダを参照することで、電子文書データが逐次フォーマットへの変換を受けているか否かの判定が可能である。このため、電子文書データが逐次フォーマットへの変換を受けているか否かに応じて、印刷処理が変更され得る。例えば、電子文書データが逐次フォーマットへの変換を受けている場合、相互参照表及びトレイラを参照せずに、つまり、参照する前に、ボディに含まれる各オブジェクトを配列順に印刷処理する専用の印刷処理が行われてもよい。電子文書データが逐次フォーマットへの変換を受けていない場合、相互参照表及びトレイラを参照した後にボディに含まれる各オブジェクトを印刷処理する通常の印刷処理が行われてもよい。
管理DB16の機能は、メモリ104等によって実現される。管理DB16は、電子文書データを示す情報の管理リストを格納する。さらに、管理DB16は、逐次フォーマットへの変換前の電子文書データ及び変換後の電子文書データを格納する。電子文書データを示す情報は、電子文書データを識別することができる情報であればよい。電子文書データを示す情報の例は、電子文書データのID及びファイル名等である。管理リストは、逐次フォーマットへの変換が成功した場合、逐次フォーマットへの変換前の電子文書データを示す情報と、逐次フォーマットへの変換後の電子文書データを示す情報とを関連付けて含む。管理リストは、逐次フォーマットへの変換が成功しなかった場合、逐次フォーマットへの変換前の電子文書データを示す情報と、当該電子文書データにおいて逐次フォーマットへの変換が不可であったことを示す情報とを関連付けて含む。管理リストは、変換前の電子文書データと変換後の電子文書データとを関連付ける関連情報の一例である。
例えば、図7は、実施の形態1に係る管理リストの一例を示す図である。図7に示すように。管理リストは、逐次フォーマットへの変換前の電子文書データのファイル名と、当該電子文書データの逐次フォーマットへの変換後の電子文書データのファイル名と、処理実行日時を示すタイムスタンプと、変換が成功したか否かを示す変換不可フラグとを関連付けて含んでもよい。変換不可フラグは、成功の場合「No」であり、不成功の場合「Yes」である。なお、逐次フォーマットへの変換が成功した場合、変換後の電子文書データには、変換前の電子文書データと異なるファイル名が与えられる。
管理部15cの機能は、CPU101等によって実現される。管理部15cは、変換判定部15aの判定結果及び変換部15bの変換処理結果を、管理リストに記録する。例えば、管理部15cは、変換判定部15aによって逐次フォーマットへの変換が不要であると判定された電子文書データを示す情報と、判定実行の日時とを関連付けた管理情報を、管理リストに記録する。管理部15cは、変換部15bによって逐次フォーマットへ変換できなかった電子文書データを示す情報と、変換が不可であることを示す情報と、変換試行の日時とを関連付けた管理情報を、管理リストに記録する。また、管理部15cは、変換部15bによって逐次フォーマットへ変換された変換後の電子文書データを示す情報と、変換前の電子文書データを示す情報と、変換実行の日時とを関連付けた管理情報を、管理リストに記録する。
例えば、図7の管理リストにおいて、変換後の電子文書データのファイル名の欄が空であり、且つ変換不可フラグがYesである管理情報は、変換前の電子文書データが変換できなかったことを示し、そのタイムスタンプは変換を試みた日時を示す。
変換後の電子文書データのファイル名の欄が空であり、且つ変換不可フラグがNoである管理情報は、変換前の電子文書データの変換を試みていないことを示し、そのタイムスタンプは、管理リストに当該管理情報の項目を登録した日時を示す。このような電子文書データは、変換判定部15aによって変換不要と判定されたデータである。
変換後の電子文書データのファイル名の欄にファイル名が記載されている管理情報では、変換不可フラグがYesになることは無く、そのタイムスタンプは変換を実行した日時を示す。
なお、管理リストは変換前の電子文書データと同一場所に格納されるのが望ましいが、パス等を管理リスト内で管理することで、複数箇所に配置された管理リスト及び電子文書データについて管理することもできる。
コンピュータ端末2の機能的構成を説明する。図8は、実施の形態1に係るコンピュータ端末2の機能的構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、コンピュータ端末2は、通信部21と、表示部22と、データ保存部23と、データ処理部24と、変換モジュール25と、管理DB26と、入出力部27とを含む。さらに、変換モジュール25は、変換判定部25aと、変換部25bと、管理部25cとを含む。コンピュータ端末2の各構成要素の構成及び機能は、サーバ装置1の構成要素と同様であるため、その説明を省略する。
画像形成装置3の機能的構成を説明する。図9は、実施の形態1に係る画像形成装置3の機能的構成の一例を示すブロック図である。図9に示すように、画像形成装置3は、通信部31と、表示部32と、入出力部33と、印刷部34とを含む。さらに、印刷部34は、印刷データ受信部34aと、出力管理部34bと、変換部34cと、ページデータ生成部34dと、データ記憶部34eと、印刷データ処理部34fと、転写部34gとを含む。ページデータ生成部34dは、分割可否判定部34d1と、ページ毎データ生成部34d2とを含む。
通信部31の機能は、通信I/F306及びCPU301等によって実現される。通信部31は、通信網4を介した他の装置との通信を制御する。例えば、通信部31は、電子文書データを送受信する。さらに、通信部31は、管理リスト又は管理リストにおける電子文書データの管理情報を、当該電子文書データと共に受信してもよい。
表示部32の機能は、操作パネル330、パネルI/F308及びCPU301等によって実現される。表示部32は、種々の情報を表示する。例えば、表示部32は、ユーザからの指示を受け付ける画面、及び、ユーザへのメッセージを通知する画面等を表示する。表示部32は、画面を用いた視覚的な表示に加えて、音声を用いた聴覚的な表示を行ってもよい。
入出力部33の機能は、入出力I/F310及びCPU301等によって実現される。入出力部33は、他の装置又はデバイスと接続され、情報を送受信する。例えば、入出力部33は、電子文書データを送受信する。
印刷部34の機能は、コントローラ300、プロッタエンジン320及びスキャナエンジン340等によって実現される。印刷部34は、通信部31を介して受信される電子文書データ及び印刷指令に基づき、当該電子文書データの画像を記録媒体に形成する印刷処理を実行する。
印刷データ受信部34aの機能は、CPU301等によって実現される。印刷データ受信部34aは、通信部31を介して受信された情報のうち、通信部31から印刷部34に出力された情報を受信し、出力管理部34b等に出力する。
出力管理部34bの機能は、CPU301等によって実現される。出力管理部34bは、印刷データ受信部34aから受け取った電子文書データの画像出力である印刷を管理する。例えば、管理リストにおける電子文書データに対応する管理情報が、逐次フォーマットへの変換後の電子文書データであることを示す情報を含む場合、出力管理部34bは、当該電子文書データの画像出力の実行指令と、当該電子文書データとを、ページデータ生成部34dに出力する。上記管理情報が、逐次フォーマットへの変換後の電子文書データであること示す情報を含まない場合、出力管理部34bは、当該電子文書データに対する逐次フォーマットへの変換指令と、当該電子文書データとを、変換部34cに出力する。
なお、図7の管理リストに示すように、管理情報が変換後の電子文書データのファイル名を含まないが、その変換不可フラグが立ち「Yes」である場合、出力管理部34bは、逐次フォーマットへの変換指令を出力せずに、電子文書データの画像出力の実行指令をページデータ生成部34dに出力する。管理情報が変換後の電子文書データのファイル名を含まないが、その変換不可フラグが立たず「No」である場合、出力管理部34bは、逐次フォーマットへの変換指令を変換部34cに出力する。
変換部34cの機能は、CPU301等によって実現される。変換部34cは、出力管理部34bから受け取る電子文書データに対して、逐次フォーマットへの変換を実行し、ページデータ生成部34dに出力する。
ページデータ生成部34dの分割可否判定部34d1及びページ毎データ生成部34d2の機能は、CPU301等によって実現される。分割可否判定部34d1は、受け取った電子文書データ内の識別情報に基づき、当該電子文書データが分割可能か否かを判定する。
例えば、分割可否判定部34d1は、電子文書データのボディにおいて、識別情報の一例である境界情報を検出してもよい。分割可否判定部34d1は、オブジェクト間に境界情報を検出する場合、電子文書データを複数ページのデータに分割可能であると判定する。分割可否判定部34d1は、オブジェクト間に境界情報を検出しない場合、電子文書データを分割不可能であると判定する。この場合、電子文書データは、例えば1ページのデータである。分割可否判定部34d1は、分割可否の判定結果と、検出された境界情報とをページ毎データ生成部34d2に出力する。
ページ毎データ生成部34d2は、分割可否判定部34d1の判定結果及び境界情報に基づいて、電子文書データをページ毎のデータに分割する。さらに、ページ毎データ生成部34d2は、分割後のデータそれぞれに対して、電子文書データを形成するのに不足する情報を算出し付与することで、ページ毎の電子文書データを生成する。逐次フォーマットへ変換された電子文書データは、ページ毎のデータをページ番号順に含む。このため、ページ毎データ生成部34d2は、電子文書データを先頭から順に分割することによって、ページ毎の電子文書データをページ番号順に生成し出力することができる。
ページ毎データ生成部34d2は、分割前の電子文書データと、当該電子文書データのページ毎の電子文書データとを対応付けて、データ記憶部34eに記憶させる。また、ページ毎データ生成部34d2は、ページ毎の電子文書データを印刷データ処理部34fに出力する。なお、ページ毎データ生成部34d2は、ページ毎の電子文書データに印刷の順序を示す情報を付加してもよい。
データ記憶部34eの機能は、NVRAM304及びメモリ305等によって実現される。データ記憶部34eは、分割前の電子文書データと、分割後のページ毎の電子文書データとを記憶する。
印刷データ処理部34fの機能は、CPU301等によって実現される。印刷データ処理部34fは、ページ毎の電子文書データに含まれるコマンドを解釈及び描画し、印刷用の画像データを生成し、転写部34gに出力する。例えば、印刷データ処理部34fは、ページ毎の電子文書データを逐次処理することによって、ページ毎の印刷用の画像データをページ番号順に生成し出力する。
転写部34gの機能は、CPU301、エンジンI/F307及びプロッタエンジン320等によって実現される。転写部34gは、印刷データ処理部34fから受け取る印刷用の画像データを元に、記録媒体に画像を形成する。転写部34gは、印刷用の画像データを逐次処理することによって、ページ番号順に画像を形成する。
<サーバ装置1及びコンピュータ端末2の動作>
サーバ装置1は、コンピュータ端末2等からサーバ装置1に送信された電子文書データに対して、印刷要求の指令を受け取る前に、予め逐次フォーマットへの変換を実行し、変換後の電子文書データを保持する。さらに、サーバ装置1は、当該電子文書データの印刷要求の指令を受け取ると、保持している電子文書データを画像形成装置3に送信する。
コンピュータ端末2は、コンピュータ端末2で生成された電子文書データ、又は、外部装置等から取得した電子文書データを、印刷要求の指令を受け取る前に逐次フォーマットへ変換するために、サーバ装置1に予め送信する。又は、コンピュータ端末2は、印刷要求の指令を受け取る前に当該電子文書データを自身で逐次フォーマットへ予め変換し、保持する又はサーバ装置1に送信する。
上述のようなサーバ装置1及びコンピュータ端末2における電子文書データを逐次フォーマットへ事前に変換する動作を説明する。図10は、実施の形態1に係るサーバ装置1又はコンピュータ端末2の動作の一例を示すフローチャートである。
図10に示すように、通信部11又は21は、指定場所から電子文書データを取得し、データ保存部13又は23に保存する(ステップS101)。なお、指定場所とは、電子文書データが格納されている場所であり、ユーザ等によって電子文書データの取得を指定される場所である。指定場所の例は、サーバ装置1、コンピュータ端末2、クラウド上のパス及びネットワーク上等におけるデータの格納場所である。
さらに、変換判定部15a又は25aは、取得された電子文書データの管理情報が管理DB16又は26の管理リストに含まれているか否かを判定する(ステップS102)。変換判定部15a又は25aは、管理リストに含まれていない場合(ステップS102でYes)、ステップS105に進み、管理リストに含まれている場合(ステップS102でNo)、ステップS103に進む。
ステップS103において、変換判定部15a又は25aは、取得された電子文書データのタイムスタンプと、管理リストに含まれる当該電子文書データの管理情報のタイムスタンプとを比較する。取得された電子文書データのタイムスタンプは、当該電子文書データが最後に更新を受けた日時である。管理リストのタイムスタンプは、管理リストに含まれる電子文書データが管理リストに登録された日時又は逐次フォーマットへの変換等により管理情報が最後に更新を受けた日時である。
次いで、変換判定部15a又は25aは、取得された電子文書データのタイムスタンプの方が新しい場合(ステップS104でYes)、ステップS105に進み、そうでない場合(ステップS104でNo)、ステップS109に進む。
ステップS105において、変換判定部15a又は25aは、取得された電子文書データに対する逐次フォーマットへの変換の実行を決定する。そして、変換部15b又は25bは、取得された電子文書データに対して、逐次フォーマットへの変換を試みる。
次いで、管理部15c又は25cは、変換が成功した場合(ステップS106でYes)、ステップS107に進み、変換が成功しなかった場合(ステップS106でNo)、ステップS108に進む。変換が成功しないケースとして、以下のような例を挙げることができる。1つは、電子文書データが1ページのデータしか含まないケースである。1つは、電子文書データのオブジェクトが既にページ番号順に配列されているが、電子文書データのヘッダ等の先頭部分に、逐次フォーマットへの変換済みであることを示すコメント等の情報が含まれていないケースである。1つは、逐次フォーマットへの変換の際、変換される電子文書データのデータサイズと同程度のサイズの空き記憶領域(ワークエリア等)が確保できないケースである。1つは、逐次フォーマットへの変換後の電子文書データの記憶領域が確保できないケースである。本実施の形態では、逐次フォーマットへの変換前及び変換後の電子文書データが保持される。このため、変換後の電子文書データのデータサイズと同程度のサイズの空き記憶領域がメモリ等に必要である。
ステップS107において、管理部15c又は25cは、変換後の電子文書データを用いて管理リストを更新し、ステップS109に進む。例えば、管理部15c又は25cは、変換前の電子文書データのファイル名、変換後の電子文書データの新しいファイル名、変換実行日時及び変更不可フラグ等を関連付けて管理リストに登録する。この場合、変更不可フラグは、「No」である。
ステップS108において、管理部15c又は25cは、変換が成功しなかった電子文書データについて、管理リストに変更不可フラグを追加し、ステップS109に進む。例えば、管理部15c又は25cは、当該電子文書データのファイル名、変換試行日時及び変更不可フラグ「Yes」等を関連付けて管理リストに登録する。
ステップS109において、変換判定部15a又は25aは、指定場所の電子文書データと管理リストとを比較し、指定場所の全ての電子文書データに対してステップS101~S108の処理を完了したか否かを判定する。変換判定部15a又は25aは、完了している場合(ステップS109でYes)、ステップS110に進み、未完了の場合(ステップS109でNo)、ステップS101に戻る。
ステップS110において、変換判定部15a又は25aは、指定場所の電子文書データと管理リストとを比較し、指定場所にはないが管理リストのみに含まれる電子文書データが存在するか否かを判定する。変換判定部15a又は25aは、存在する場合(ステップS110でYes)、ステップS111に進み、存在しない場合(ステップS110でNo)、一連の処理を終了する。
ステップS111において、管理部15c又は25cは、指定場所にはないが管理リストのみに含まれる電子文書データの管理情報を、管理リストから削除する。さらに、管理部15c又は25cは、管理DB16又は26に保存されている当該電子文書データを削除し、一連の処理を終了する。
<画像形成装置3の動作>
画像形成装置3の動作を説明する。図11は、実施の形態1に係る画像形成装置3の動作の一例を示すフローチャートである。
図11に示すように、印刷部34の印刷データ受信部34aは、通信部31を介して、サーバ装置1又はコンピュータ端末2である要求先から、電子文書データの印刷指示を取得する(ステップS201)。このとき、印刷データ受信部34aは、印刷指示に加えて、印刷対象の電子文書データを要求先から受け取る。さらに、印刷データ受信部34aは、管理リスト又は当該電子文書データの管理情報を受け取ってもよい。
なお、サーバ装置1又はコンピュータ端末2は、ユーザ等から電子文書データの印刷の要求を受けると、管理DB16又は26に保存され且つ印刷対象の電子文書データに対応する、逐次フォーマットへの変換前の電子文書データ又は変換後の電子文書データを、画像形成装置3に送信する。サーバ装置1又はコンピュータ端末2は、管理リストを参照し、管理リスト内に変換後の電子文書データが記録されている場合、変換後の電子文書データを送信し、管理リスト内に変換後の電子文書データが記録されていない場合、変換前の電子文書データを送信する。
次いで、出力管理部34bは、管理リストを参照し、印刷対象の電子文書データが管理リストに記録されているか否かを判定する(ステップS202)。出力管理部34bは、管理リストを取得済みの場合、取得している管理リストを用いてもよく、要求先に問い合わせて要求先に保持される管理リストを参照してもよい。出力管理部34bは、管理リストへの記録がある場合(ステップS202でYes)、ステップS203に進み、管理リストへの記録がない場合(ステップS202でNo)、ステップS204に進む。
ステップS204において、変換部34cは、印刷対象の電子文書データに対して、逐次フォーマットへの変換を実行する。さらに、印刷部34は、変換後の電子文書データを記録媒体に印刷し、一連の処理を終了する。このとき、印刷部34は、変換後の電子文書データを逐次処理し、各ページをページ番号順に印刷する。
また、ステップS203において、出力管理部34bは、管理リストにおける印刷対象の電子文書データの管理情報が、逐次フォーマットへの変換後の当該電子文書データを示す情報である電子文書データ名を含むか否かを判定する。つまり、出力管理部34bは、管理リストに、変換後の電子文書データを示す情報が記載されているか否かを判定する。出力管理部34bは、当該情報が含まれている場合(ステップS203でYes)、ステップS205に進み、当該情報が含まれていない場合(ステップS203でNo)、ステップS206に進む。
ステップS205において、印刷部34は、印刷対象の電子文書データを記録媒体に印刷し、一連の処理を終了する。なお、印刷対象の電子文書データは、変換後の電子文書データである。このため、印刷部34は、電子文書データに含まれるオブジェクトを逐次処理しつつ、各ページをページ番号順に印刷することができる。
また、ステップS206において、出力管理部34bは、管理リストにおける印刷対象の電子文書データの管理情報に含まれる変換不可フラグが「Yes」である、つまり立っているか否かを判定する。出力管理部34bは、変換不可フラグが立っている場合(ステップS206でYes)、ステップS207に進み、変換不可フラグが立っていない場合(ステップS206でNo)、ステップS208に進む。
ステップS207において、印刷部34は、印刷対象の電子文書データを記録媒体に印刷し、一連の処理を終了する。なお、印刷対象の電子文書データは、逐次フォーマットへの変換前、つまり未変換の電子文書データである。このため、印刷部34は、電子文書データを通常通りに印刷することになる。例えば、印刷部34は、電子文書データ全体の受信を完了した後に、電子文書データに含まれる相互参照表を確認し、相互参照表に基づき電子文書データに含まれる各ページのオブジェクトにアクセスして処理し、各ページをページ番号順に印刷する。
ステップS208において、印刷部34は、ステップS204と同様に、印刷対象の電子文書データを逐次フォーマットへ変換した後に、記録媒体に印刷し、一連の処理を終了する。
<効果等>
上述のような実施の形態1に係る情報処理装置としてのサーバ装置1及びコンピュータ端末2は、閲覧環境によらない閲覧性を有する電子文書データを取得し、逐次処理可能なフォーマットの電子文書データに変換する変換部15b及び25bと、変換前の電子文書データと変換後の電子文書データとを関連付ける関連情報を管理する管理部15c及び25cと、電子文書データの画像出力の要求を受けた場合、関連情報に基づき、変換後の電子文書データが存在しているとき、変換後の電子文書データを画像の出力対象に送信するデータ処理部14及び24とを備える。
上記構成によると、サーバ装置1及びコンピュータ端末2は、電子文書データの画像出力の要求を受けた場合、変換処理が既に行われている変換後の電子文書データを画像の出力対象に送信する。これにより、画像出力の要求の受信から変換後の電子文書データの送信までに要する時間が低減される。よって、画像の出力対象は、変換後の電子文書データの画像出力を早期に開始することができる。さらに、画像の出力対象は、変換後の電子文書データを受信しつつ逐次処理し、画像出力することができるため、画像出力に要する時間も低減される。従って、画像形成の処理速度を向上することが可能になる。
また、実施の形態1に係るサーバ装置1及びコンピュータ端末2において、管理部15c及び25cは、逐次処理可能なフォーマットへの変換が成功した場合、関連情報において、変換前の電子文書データと変換後の電子文書データとを関連付け、変換が成功しなかった場合、関連情報において、変換が不可であることを示す情報と変換前の電子文書データとを関連付けてもよい。上記構成によると、電子文書データに対して、変換が不可である電子文書データに対して、当該変換が試みられることが抑えられる。よって、不要な処理が低減される。
また、実施の形態1に係るサーバ装置1及びコンピュータ端末2において、関連情報は、電子文書データの管理リストを含んでもよい。さらに、管理部15c及び25cは、逐次処理可能なフォーマットへの変換が成功した場合、変換前の電子文書データを示す情報と変換後の電子文書データを示す情報とを関連付けて管理リストに記録し、変換が成功しなかった場合、変換前の電子文書データを示す情報と変換が不可であることを示す情報とを関連付けて管理リストに記録してもよい。上記構成によると、管理リストを参照することによって、電子文書データが、変換後の電子文書データ及び変換が不可である電子文書データのいずれであるかの判別が可能になる。よって、変換が不可である電子文書データへの変換処理等の不要な処理が低減される。
また、実施の形態1に係るサーバ装置1及びコンピュータ端末2において、変換部15b及び25bは、指定場所から電子文書データを取得し、管理部15c及び25cは、指定場所に含まれる電子文書データの全てに対する管理リストへの記録処理を完了後、指定場所に含まれないが管理リストに含まれる電子文書データを示す情報を管理リストから削除してもよい。上記構成によると、電子文書データに対して、不要又は不適切な処理が行われることが低減される。
また、実施の形態1に係るサーバ装置1及びコンピュータ端末2は、取得された電子文書データの逐次処理可能なフォーマットへの変換が可能であるか否かを判定し、判定結果に応じて電子文書データを変換部15b及び25bに変換させる変換判定部15a及び25aを備えてもよい。上記構成によると、電子文書データに対する不要な変換処理が低減される。
また、実施の形態1に係る画像形成装置3は、電子文書データと電子文書データの関連情報とを受信する受信部としての印刷データ受信部34aと、関連情報に基づき、電子文書データの画像出力を管理する出力管理部34bとを備える。出力管理部34bは、関連情報が、電子文書データが逐次処理可能なフォーマットへの変換後であることを示す場合、電子文書データに対して変換を実行せずに電子文書データの画像出力を実行する。
上記構成によると、画像形成装置3は、変換後の電子文書データに対して、変換を実行せずに画像出力を実行する。これにより、画像形成装置3は、処理量を低減することができる。さらに、画像形成装置3は、変換後の電子文書データを受信しつつ逐次処理し画像出力することができるため、画像出力に要する時間を低減することができる。従って、画像形成の処理速度を向上することが可能になる。
また、実施の形態1に係る画像形成装置3において、関連情報は管理リストを含み、出力管理部34bは、管理リストに記録されている電子文書データを示す情報が、逐次処理可能なフォーマットへの変換後の電子文書データを示す場合、電子文書データに対して変換を実行せずに画像出力を実行し、管理リストに記録されている電子文書データを示す情報が、変換が不可であることを示す場合、電子文書データに対して変換を実行せずに画像出力を実行してもよい。上記構成によると、画像形成装置3は、変換後の電子文書データ、及び、変換不可である電子文書データに対して、変換を実行せずに画像出力を実行するため、処理量を低減することができる。
また、実施の形態1に係る画像形成装置3において、出力管理部34bは、管理リストに記録されている電子文書データを示す情報が、逐次処理可能なフォーマットへの変換後の電子文書データ及び変換が不可であることのいずれも示さない場合、電子文書データに対して変換の実行後に画像出力を実行してもよい。上記構成によると、上記のような電子文書データは、変換が可能であるが未変換である。このような電子文書データに対して変換の実行後に画像出力を実行することによって、画像形成装置3は、当該電子文書データを逐次処理し画像出力することができる。
また、実施の形態1に係る画像形成装置3において、出力管理部34bは、受信された電子文書データを示す情報が管理リストに記録されていない場合、電子文書データに対して逐次処理可能なフォーマットへの変換の実行後に画像出力を実行してもよい。上記構成によると、上記のような電子文書データは、未変換である。このような電子文書データに対して変換の実行後に画像出力を実行することによって、画像形成装置3は、当該電子文書データを逐次処理し画像出力することができる。
また、実施の形態1に係る画像形成システム1000は、電子文書データを取得し、逐次処理可能なフォーマットの電子文書データに変換する変換部15b又は25bと、変換前の電子文書データと変換後の電子文書データとを関連付ける関連情報を管理する管理部15c又は25cと、関連情報に基づき、電子文書データの画像出力を管理する出力管理部34bとを備え、出力管理部34bは、関連情報が、電子文書データが変換後であること示す場合、電子文書データに対して変換を実行せずに画像出力を実行する。上記構成によると、画像形成システム1000は、実施の形態1に係るサーバ装置1、コンピュータ端末2及び画像形成装置3と同様の効果を奏することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る画像形成システムは、逐次フォーマットへの変換前の電子文書データと変換後の電子文書データとを関連付ける関連情報を、電子文書データに含める点で、実施の形態1と異なる。なお、実施の形態1に係る画像形成システムは、関連情報として管理リストを用いる。以下、実施の形態2について、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、実施の形態1と同様の点の説明を適宜省略する。
<画像形成システムの構成>
実施の形態2に係る画像形成システムは、サーバ装置1Aと、コンピュータ端末2Aと、画像形成装置3Aとを含む。図12は、実施の形態2に係るサーバ装置1Aの機能的構成の一例を示すブロック図である。図13は、実施の形態2に係るコンピュータ端末2Aの機能的構成の一例を示すブロック図である。図14は、実施の形態2に係る画像形成装置3Aの機能的構成の一例を示すブロック図である。
図12に示すように、実施の形態2に係るサーバ装置1Aは、実施の形態1に係るサーバ装置1と比較して、変換モジュール15の代わりに、変換モジュール15Aを含む。変換モジュール15Aは、変換判定部15Aaと、変換部15bと、管理部15Acとを含む。
図13に示すように、実施の形態2に係るコンピュータ端末2Aは、実施の形態1に係るコンピュータ端末2と比較して、変換モジュール25の代わりに、変換モジュール25Aを含む。変換モジュール25Aは、変換判定部25Aaと、変換部25bと、管理部25Acとを含む。
図14に示すように、実施の形態2に係る画像形成装置3Aは、実施の形態1に係る画像形成装置3と比較して、印刷部34の代わりに、印刷部34Aを含む。印刷部34Aは、印刷部34と比較して、出力管理部34bの代わりに、出力管理部34Abを含む。
また、サーバ装置1A、コンピュータ端末2A及び画像形成装置3Aそれぞれのハードウェア構成は、実施の形態1に係るサーバ装置1、コンピュータ端末2及び画像形成装置3と同様である。
図12に示すように、サーバ装置1Aの変換モジュール25Aの変換判定部25Aaは、データ処理部14を介して受け取る電子文書データに対して、逐次フォーマットへの変換が必要であるか否かを判定する。変換判定部25Aaは、電子文書データに含まれる情報に基づき、判定する。例えば、電子文書データに含まれる情報が、逐次フォーマットへの変換後の電子文書データであることを示す情報を含む場合、変換判定部25Aaは逐次フォーマットへの変換が不要であると判定してもよい。電子文書データに含まれる情報が、逐次フォーマットへの変換後の電子文書データであることを示す情報を含まない場合、変換判定部25Aaは逐次フォーマットへの変換が必要であると判定してもよい。例えば、このような情報は、電子文書データの先頭に配置されてもよい。これにより、変換判定部25Aaの判定処理の速度が向上する。電子文書データの先頭の例は、ヘッダ等である。逐次フォーマットへの変換後の電子文書データであることを示す情報の例は、当該情報を示すコメント等である。
変換モジュール25Aの管理部15Acは、変換部15bの変換処理結果を示す情報を、変換部15bによる変換処理が行われた電子文書データに加え、付加後の電子文書データを管理DB16に保存する。例えば、管理部15Acは、変換部15bによる逐次フォーマットへの変換処理が成功した場合、変換後の電子文書データであることを示す情報を、変換後の電子文書データに加える。変換後の電子文書データであることを示す情報の例は、当該情報を示すコメント等である。
また、管理部15Acは、変換部15bによる逐次フォーマットへの変換処理が成功しなかった場合、変換が不可であることを示す情報を、変換が試みられた電子文書データ、つまり変換前の電子文書データに加える。変換が不可であることを示す情報の例は、当該情報を示すコメント等である。なお、変換部15bによる変換処理が行われていない電子文書データは、変換後の電子文書データを示す情報も変換が不可であることを示す情報も含まない。変換後の電子文書データであることを示す情報及び変換が不可であることを示す情報は、関連情報の一例である。
図15Aは、実施の形態2に係る変換後電子文書データ情報のコメントの一例を示す図である。図15Bは、実施の形態2に係る変換不可のコメントの一例を示す図である。例えば、図15Aに示すように、管理部15Acは、変換処理が成功した場合、変換後の電子文書データであることを示す情報として、変換後電子文書データ情報のコメントを、変換後の電子文書データのヘッダPHに加えてもよい。図15Aの例は、変換済みのデータを示す「converted_file」と、対象の電子文書データ名「Test1_conv」とを含む。
また、図15Bに示すように、管理部15Acは、変換処理が成功しなかった場合、変換が不可であることを示す情報として、変換不可のコメントを、変換できなかった変換前の電子文書データのヘッダPHに加えてもよい。図15Bの例は、変換不可を示す「unable_to_convert」と、変換不可フラグ「Yes」とを含む。なお、コメントの位置は、ヘッダPHに限定されず、電子文書データ内のいかなる位置でもよい。
また、コンピュータ端末2Aの各構成要素の構成及び機能は、サーバ装置1Aの構成要素と同様であるため、その説明を省略する。
画像形成装置3Aの印刷部34Aの出力管理部34Abは、印刷データ受信部34aから受け取った電子文書データの印刷を管理する。例えば、電子文書データが、逐次フォーマットへの変換後の電子文書データであることを示す情報を含む場合、出力管理部34Abは、当該電子文書データの印刷の実行指令と、当該電子文書データとを、ページデータ生成部34dに出力する。電子文書データが、逐次フォーマットへの変換不可を示す情報を含む場合、出力管理部34Abは、当該電子文書データの印刷の実行指令と、当該電子文書データとを、ページデータ生成部34dに出力する。電子文書データが、上記の2つの情報のいずれも含まない場合、出力管理部34Abは、当該電子文書データに対する逐次フォーマットへの変換指令と、当該電子文書データとを、変換部34cに出力する。
<サーバ装置1A及びコンピュータ端末2Aの動作>
サーバ装置1A及びコンピュータ端末2Aにおける電子文書データを逐次フォーマットへ事前に変換する動作を説明する。図16は、実施の形態2に係るサーバ装置1A又はコンピュータ端末2Aの動作の一例を示すフローチャートである。
図16に示すように、通信部11又は21は、指定場所から電子文書データを取得し、データ保存部13又は23に保存する(ステップS301)。
さらに、変換判定部15Aa又は25Aaは、取得された電子文書データを探索し、当該電子文書データが、逐次フォーマットへの変換結果に関する情報であるコメントを含むか否かを判定する(ステップS302)。変換判定部15a又は25aは、コメントが含まれていない場合(ステップS302でYes)、ステップS303に進み、コメントが含まれている場合(ステップS302でNo)、ステップS307に進む。
ステップS303において、変換判定部15Aa又は25Aaは、取得された電子文書データに対する逐次フォーマットへの変換の実行を決定する。そして、変換部15b又は25bは、取得された電子文書データに対して、逐次フォーマットへの変換を試みる。
次いで、管理部15Ac又は25Acは、変換が成功した場合(ステップS304でYes)、ステップS305に進み、変換が成功しなかった場合(ステップS304でNo)、ステップS306に進む。
ステップS305において、管理部15Ac又は25Acは、変換後の電子文書データであることを示す情報であるコメントを、変換後の電子文書データに加え、ステップS307に進む。管理部15Ac又は25Acは、コメントが追加された変換後の電子文書データを、管理DB16に保存する。
また、ステップS306において、管理部15Ac又は25Acは、逐次フォーマットへの変換が不可であること示す情報であるコメントを、変換できなかった電子文書データに加え、ステップS307に進む。管理部15Ac又は25Acは、コメントが追加された変換前の電子文書データを、管理DB16に保存する。
ステップS307において、変換判定部15Aa又は25Aaは、指定場所の電子文書データを探索し、指定場所の全ての電子文書データに対してステップS301~S306の処理を完了したか否かを判定する。変換判定部15Aa又は25Aaは、完了している場合(ステップS307でYes)、一連の処理を終了し、未完了の場合(ステップS307でNo)、ステップS301に戻る。
<画像形成装置3Aの動作>
画像形成装置3Aの動作を説明する。図17は、実施の形態2に係る画像形成装置3Aの動作の一例を示すフローチャートである。
図17に示すように、印刷部34の印刷データ受信部34aは、通信部31を介して、サーバ装置1又はコンピュータ端末2である要求先から、電子文書データの印刷指示を取得する(ステップS401)。このとき、印刷データ受信部34aは、印刷指示に加えて、印刷対象の電子文書データを要求先から受け取る。
次いで、出力管理部34Abは、印刷対象の電子文書データを探索し、当該電子文書データが、逐次フォーマットへの変換結果に関するコメントを含むか否かを判定する(ステップS402)。出力管理部34Abは、コメントが含まれている場合(ステップS402でYes)、ステップS403に進み、コメントが含まれていない場合(ステップS402でNo)、ステップS404に進む。
ステップS404において、変換部34cは、印刷対象の電子文書データに対して、逐次フォーマットへの変換を実行する。さらに、印刷部34Aは、変換後の電子文書データを記録媒体に印刷し、一連の処理を終了する。このとき、印刷部34Aは、変換後の電子文書データを逐次処理し、各ページをページ番号順に印刷する。
また、ステップS403において、出力管理部34Abは、印刷対象の電子文書データに含まれるコメントが、逐次フォーマットへの変換後の電子文書データであることを示す変換後電子文書データ情報のコメントであるか否かを判定する。出力管理部34Abは、当該コメントである場合(ステップS403でYes)、ステップS405に進み、当該コメントでない場合(ステップS403でNo)、ステップS406に進む。
ステップS405において、印刷部34Aは、印刷対象の電子文書データを記録媒体に印刷し、一連の処理を終了する。印刷部34は、電子文書データを逐次処理し、各ページをページ番号順に印刷する。
また、ステップS406において、出力管理部34Abは、印刷対象の電子文書データに含まれるコメントが、変換不可のコメントであるか否かを判定する。出力管理部34Abは、変換不可のコメントである場合(ステップS406でYes)、ステップS407に進み、変換不可のコメントでない場合(ステップS406でNo)、ステップS408に進む。
ステップS407において、印刷部34Aは、印刷対象の電子文書データを記録媒体に印刷し、一連の処理を終了する。印刷部34Aは、電子文書データを通常通りに印刷する。この場合、電子文書データが含むコメントが、変換後電子文書データ情報のコメントでもなく、変換不可のコメントでもない。このようなコメントの例は、逐次フォーマットへの変換は可能であったが、管理DB16又は26の記憶領域の容量不足のため、変換後の電子文書データが保存できなかったことを示すコメントである。このようなコメントは、逐次フォーマットへの変換が可能であることのみを示すコメントであってもよい。
ステップS408において、印刷部34Aは、ステップS404と同様に、印刷対象の電子文書データを逐次フォーマットへ変換した後に、記録媒体に印刷し、一連の処理を終了する。
また、実施の形態2に係る画像形成システムのその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。そして、上述のような実施の形態2に係る画像形成システムによると、実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、実施の形態2に係るサーバ装置1A及びコンピュータ端末2Aにおいて、管理部15Ac及び25Acは、逐次処理可能なフォーマットへの変換が成功した場合、変換後の電子文書データであることを示す情報を、関連情報として変換後の電子文書データに加え、変換が成功しなかった場合、変換が不可であることを示す情報を、関連情報として変換前の電子文書データに加えてもよい。上記構成によると、サーバ装置1A又はコンピュータ端末2Aから電子文書データを受信した画像形成装置3Aは、電子文書データに含まれる情報から、電子文書データの状態を判定することができる。
また、実施の形態2に係る画像形成装置3Aにおいて、電子文書データが関連情報を含み、出力管理部34Abは、電子文書データの関連情報が、逐次処理可能なフォーマットへの変換後の電子文書データであることを示す場合、電子文書データに対して変換を実行せずに画像出力を実行し、電子文書データの関連情報が、変換が不可であることを示す場合、電子文書データに対して変換を実行せずに画像出力を実行してもよい。上記構成によると、電子文書データへの不要な処理が低減される。
また、実施の形態2に係る画像形成装置3Aにおいて、出力管理部34Abは、受信された電子文書データの関連情報が、逐次処理可能なフォーマットへの変換後の電子文書データであること及び変換が不可であることのいずれも示さない場合、電子文書データに対して変換の実行後に画像出力を実行してもよい。上記構成によると、上記のような電子文書データは、変換が可能であるが未変換である。このような電子文書データに対して変換の実行後に画像出力を実行することによって、画像形成装置3は、当該電子文書データを逐次処理し画像出力することができる。
(その他の実施の形態)
以上、本発明の実施の形態の例について説明したが、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されない。すなわち、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。例えば、各種変形を実施の形態又は変形例に施したもの、及び、異なる実施の形態及び変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、実施の形態に係るサーバ装置及びコンピュータ端末はそれぞれ、変換モジュール及び管理DBを備えていたが、これに限定されない。例えば、サーバ装置及びコンピュータ端末の一方のみが、変換モジュール及び管理DBを備えてもよい。又は、サーバ装置が変換モジュール及び管理DBの一方を備え、コンピュータ端末が変換モジュール及び管理DBの他方を備えてもよい。
また、実施の形態に係るサーバ装置は、2つ以上のサーバ装置で構成されてもよい。
また、本発明は、プログラムであってもよく、上記プログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。例えば、本発明に係るプログラムは、情報処理装置に実行させるプログラムであって、閲覧環境によらない閲覧性を有する電子文書データを取得し、逐次処理可能なフォーマットの電子文書データに変換する処理と、前記変換前の前記電子文書データと前記変換後の前記電子文書データとを関連付ける関連情報を管理する処理と、前記電子文書データの画像出力の要求を受けた場合、前記関連情報に基づき、前記変換後の前記電子文書データが存在しているとき、前記変換後の前記電子文書データを画像の出力対象に送信する処理とを含む。このプログラムによれば、情報処理装置としての上記サーバ装置及びコンピュータ端末と同様の効果が得られる。
また、本発明に係るプログラムは、画像形成装置のコンピュータ装置に実行させるプログラムであって、閲覧環境によらない閲覧性を有する電子文書データと前記電子文書データの関連情報とを受信する処理と、前記関連情報に基づき、前記電子文書データの画像出力を管理する処理とを含み、前記関連情報は、逐次処理可能なフォーマットへの変換前の前記電子文書データと前記変換後の前記電子文書データとを関連付ける情報であり、前記画像出力を管理する処理では、前記関連情報が、前記電子文書データが前記変換後であること示す場合、前記電子文書データに対して前記変換を実行せずに画像出力を実行する。このプログラムによれば、上記画像形成装置と同様の効果が得られる。
また、上記で用いた序数、数量等の数字は、全て本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
また、機能ブロック図におけるブロックの分割は一例であり、複数のブロックを一つのブロックとして実現する、一つのブロックを複数に分割する、及び/又は、一部の機能を他のブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数のブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。