JP7155504B2 - 検知システム、波長選択素子 - Google Patents
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Description
このような問題は、検知器や検知システム等の信頼性の低下等を招くため、解決が求められている。
しかし、特許文献1,2には、このような問題を解決するための手段等に関してなんら開示されていない。
第1の発明は、第1波長領域(A)の光を反射し、前記第1波長領域以外の波長の光を透過する波長選択素子(211)と、前記波長選択素子で反射された前記第1波長領域の光を受光する受光素子(216)と、を備える検知器(20)である。
第2の発明は、第1の発明の検知器において、前記波長選択素子(211)を透過した光を吸収する光吸収部材(217)を備えること、を特徴とする検知器(20)である。
第3の発明は、第1波長領域(A)に隣接し、前記第1波長領域よりも波長が大きい第2波長領域(B)の光を反射又は吸収する第1波長選択素子(411)と、前記第1波長領域に隣接し、前記第1波長領域よりも波長が小さい第3波長領域(C)の光を反射又は吸収する第2波長選択素子(412)と、前記第1波長選択素子及び前記第2波長選択素子を透過した前記第1波長領域の光を受光する受光素子(216)と、を備える検知器(40)である。
第4の発明は、第1の発明又は第2の発明の検知器において、前記波長選択素子(211)は、前記第1波長領域の光の少なくとも一部を反射するコレステリック液晶層(213,214)を備えること、を特徴とする検知器(20)である。
第5の発明は、第3の発明の検知器において、前記第1波長選択素子(411)は、前記第2波長領域の光の少なくとも一部を反射するコレステリック液晶層(414,415)を備えること、を特徴とする検知器(40)である。
第7の発明は、第6の発明の検知システムおいて、前記第1波長領域(A)は、前記受光素子(216)の受光可能な波長領域であり、前記発光器(10)の投光する光の波長は、前記第1波長領域(A)内であること、を特徴とする検知システム(1)である。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
また、本明細書中において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。また、膜や層等の文言に関しても同様であるとする。
図1は、第1実施形態の検知システム1を説明する図である。
図2は、第1実施形態の検知器20を説明する図である。
図1に示すように、本実施形態の検知システム1は、所定の波長の光を発する発光器10と、発光器10の発した光を受信する検知器20とを備えている。
本実施形態では、この検知システム1の稼働時には、発光器10は、起動時には常時又は点滅式に検知器へ向けて投光しており、検知器20は、発光器10の発する光が受信できないことを検知する形態を例に挙げて説明する。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、使用者等の操作により発光器10が光を発し、検知器20がこの光を受信したことを検知する形態の検知システムとしてもよい。
したがって、この検知システム1は、例えば、家電等操作用のリモコンや、工場等においてライン上の所定の位置に製品が搬送されてきたことを検知するシステムや、所定の領域内への侵入を検知するシステム等に適用可能であり、屋内や屋外での使用が可能である。
発光器10は、光を発する発光部11と、この発光を制御する発光制御部12とを備えている。この発光器10は、検知器20へ向けて所定の波長の光を投光する。
発光部11は、LED(Light Emitting Diode)やレーザー発振器等を発光素子として、所定の波長λaの光Lを発する。発光制御部12は、このLEDの発光を制御し、所定の信号(例えば、パルス信号)に基づいてLEDの点灯と消灯とを切り替える。したがって、本実施形態の発光器10が発する光Lは、パルス信号に応じた点滅式のパルス光となっている。
本実施形態では、発光部11が発する光の波長λaについては、一例として、赤外光域(特に、近赤外光域)であり、950nm程度である例を挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、隣接して用いる場合の検知システムの台数や使用する環境等に応じて適宜選択することができる。
検知器20は、発光器10に対して離間して配置され、発光部11が発したパルス光Lを受光部21で受信する。また、本実施形態20の検知器20は、連続的に発光部11が発するパルス光Lを受信しており、パルス光Lが受信できないことを検知する。
レンズ218は、受光部21に入射した光を集光させて受光素子216へ入射させる凸レンズ等の光学部材である。
図6は、第1実施形態及び後述の第2実施形態の受光素子216の受光感度及び各波長選択フィルタにより反射又は吸収される波長に関して説明する図である。図6において横軸は、波長であり、縦軸は受光素子の受光感度を示し、曲線は受光素子216の受光感度を示している。
図3に示すように、波長選択フィルタ211は、透明基板215に、波長選択反射層212が積層されて形成されている。本実施形態の波長選択反射層212は、所定の波長域Aの光の少なくとも一部を反射する機能を有しており、第1反射層213と第2反射層214とが積層されて形成されている。なお、本実施形態の第1反射層213及び第2反射層214は、それぞれ単層である例を挙げて説明するが、これに限らず、それぞれ2層以上の層が積層された多層構造としてもよい。
透明基板215を形成する樹脂材料としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、アクリル等が挙げられ、耐熱性の観点から、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)、TAC(トリアセチルセルロース)等がより好ましい。
なお、本実施形態では、透明基板215は、高い透光性を有する例を挙げて説明するが、これに限らず、波長選択反射層212を透過した光の少なくとも一部を吸収する機能を有していてもよい。また、例えば、透明基板215に換えて、黒色等の暗色系に着色された不透明な板状又はフィルム状の部材であって、波長選択フィルタ211を支持する部材を用いてもよい。このような部材を用いる場合には、光吸収部材217を省略することができる。
この波長域Aは、波長λ1以上波長λ2以下の領域であり、パルス光Lの波長であるλaを含んでいる(図6参照)。
波長選択反射層212(第1反射層213及び第2反射層214)が反射する波長域Aは、その反射率がピークとなる波長が波長λaに等しい又は波長λaの近傍であって、可能な範囲で狭いことが好ましい。
本実施形態では、波長域Aは、例えば、図6に示すように、波長λ1以上波長λ2以下(λ1=900nm、λ2=1000nm)の領域である例を挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、発光器10の発する光の波長λaに応じて適宜設定できる。
このコレステリック液晶層は、液晶のらせんピッチによって決定される所定の波長領域であって、かつ、液晶の旋回方向に一致する回転方向の円偏光成分を選択的に反射し、それ以外の波長領域の円偏光成分や液晶の旋回方向とは逆の回転方向の円偏光成分を透過させる機能を有している。
また、本実施形態では、図2等に示すように、第1反射層213及び第2反射層214の表面の法線方向に対して入射角度θ(0°<θ<90°)で映像光が入射し、反射角度θで反射しているので、反射光のピーク輝度を有する波長(中心波長)は、法線方向から入射して反射した場合の反射光よりも短波長側へシフトしている。したがって、受光素子216の位置で反射光のピーク輝度を有する波長(例えば、角度θ正反射においてピーク輝度を有する波長)を、ここでの選択波長域の中心波長とする。
誘電体多層膜とは、屈折率の異なる誘電体材料(低屈折率の誘電体材料及び高屈折率の誘電体材料)の薄膜を、スパッタリング等により複数積層したものであり、例えば、赤外光域の光を反射させて可視光域を透過したり、可視光域を反射して赤外光域を透過させたりするもの等がある。本実施形態の波長選択反射層212として誘電体多層膜を用いる場合は、波長域Aの光を反射し、それ以外の光を透過するものを用いることが好ましい。
また、波長選択反射層212としては、所定の波長域Aの光を反射し、それ以外の波長域の光を透過する反射型の偏光フィルム等を用いてもよい。これらは、多層式、ワイヤグリッド式のものが好ましい。
光吸収部材217は、受光素子216及び波長選択フィルタ211よりも光の進行方向側に配置された部材であり、光を吸収する機能を有している。光吸収部材217は、例えば、黒色部材、光吸収性の多層薄膜、あるいはナノ加工表面形状としてカーボンナノチューブを配した構造やモスアイ等を用いることができる。
発光器10が発したパルス光Lは、検知器20の受光部21に入射する。このパルス光Lは、波長域A内の光あり、受光部21に入射したパルス光Lのうち、右円偏光及び左円偏光の光は、波長選択フィルタ211(第1反射層213及び第2反射層214)で反射され、受光素子216へ入射する。
発光器10は、連続的にパルス光Lを発しているため、発光器10と検知器20との間に位置する検知すべき物体の有無又はその物体の位置等の変化によりパルス光Lが遮られると、受光素子216へ入射するパルス光Lが途絶える。受光部21からの信号に基づいて、受光制御部22はこれを検知し、不図示の出力部からこれを適宜外部へ出力する。
外光のうち、波長域A未満の波長の光G3、波長域Aより大きい波長の光G2は、偏光状態等に関わらず、波長選択フィルタ211を透過し、光吸収部材217により吸収される。しかし、外光に含まれる波長域A内の波長の右円偏光G11は、第1反射層213で反射され、外光に含まれる波長域A内の波長の左円偏光G12は、第2反射層214で反射される。
反射されたこれらの外光(波長域Aの範囲内の円偏光)G11,G12は、受光素子216に入射する。しかし、入射した外光は、検知器20への入射時の外光の総光量に比べて波長選択フィルタ211により大幅に光量が低減されており、受光素子216が受光しても総受光光量の飽和等を起こす可能性が大幅に低減されるため、発光器10の投光したパルス光Lの検知の妨げにはならない。
また、本実施形態によれば、波長選択フィルタ211は、第1反射層213及び第2反射層214をコレステリック液晶により容易に作成できるので、生産コストを抑えて、信頼性の高い検知器20及び検知システム1とすることができる。
図4は、第2実施形態の検知器40及び受光部41を説明する図である。図4(a)は、検知器40を説明する図であり、図4(b)は、受光部41を説明する図である。
第2実施形態の検知器40は、受光部41が、波長選択フィルタを2つ備えている点等が、第1実施形態の検知器20とは異なる以外は、第1実施形態の検知器20と同様の形態である。また、この第2実施形態の検知器40は、前述の第1実施形態の検知システム1に適用可能である。したがって、前述の第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
受光部41は、第1波長選択フィルタ411、第2波長選択フィルタ412、レンズ218、受光素子216等を備えている。本実施形態では、第2波長選択フィルタ412が、検知器40の入光部41aに配置されている例を示すが、これに限らず、入光部41aには、第1実施形態と同様に、透光性を有する樹脂製等のシート状の部材等が配置される形態としてもよい。
本実施形態では、第2波長選択フィルタ412が、波長域A未満(例えば、波長λ1=900nm未満)の波長の光を吸収し、波長域A以上(波長λ1=900nm以上)の波長の光を透過する場合を例に挙げて説明する。このような第2波長選択フィルタ412は、例えば、波長λ1未満の波長の光を吸収する光吸収剤を含有する樹脂製やガラス製の板状の部材を用いることができる。第2波長選択フィルタ412に用いられる樹脂材料としては、PC、アクリル等を用いることができ、PIが好適である。
また、第2波長選択フィルタ412は、紫外光から可視光域の光(波長900nm以下の光)を反射又は吸収して遮蔽可能であり、それ以上の波長の光を透過するフィルタ等を用いてもよい。
この場合には、第2波長選択フィルタ412は、例えば、不図示の樹脂製又はガラス製の透明基材上に波長域Cの光を反射し、それ以外を透過する機能を有するコレステリック液晶層や誘電体多層膜等が形成されたフィルム状の部材や、ワイヤグリッド式の偏光フィルム等を用いてもよい。
また、第2波長選択フィルタ412は、波長域Aに隣接する波長域A未満の所定の波長域の光を吸収又は反射し、波長域A以上の波長の光を透過する機能を保ちながら、外観の意匠性向上、波長依存透過性と内部構造の見える事を防ぐことを両立するため、もしくはセキュリティ性向上のために、検知器40内部を隠蔽する目的で、適宜、着色されたり、検知器20内部の部材の劣化を抑制するために可視光領域や紫外光領域の光を遮蔽する機能を有していたりしてもよい。
本実施形態では、第1波長選択フィルタ411は、波長域Aに隣接する波長域であって、波長域Aよりも大きい波長域B(波長λ2より大きく波長λ4以下の領域、図6参照)の光を反射し、波長域B以外の波長の光を透過する機能を有する例を挙げて説明する。この波長域Bは、波長域Aに比べて小さいが受光素子216が受光感度を有する領域である。
本実施形態では、波長域Bは、例えば、図6に示すように、波長λ2より大きく波長λ4以下(λ2=1000nm、λ4=1100nm)の領域である例を挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
透明基板416は、前述の第1実施形態の波長選択フィルタ211の透明基板215と同様の部材を用いることが好ましい。また、透明基板416は、着色透明等であってもよいし、可視光領域の光を吸収する機能を有していてもよい。
この第1反射層414及び第2反射層415は、コレステリック液晶層により形成される。このようなコレステリック液晶層を形成する液晶材料は、前述の第1実施形態の波長選択反射層212の第1反射層213及び第2反射層214に用いられる液晶材料と同様のものが使用可能であり、添加されるカイラル剤の量等を調整することにより、反射される光の波長領域が設定可能である。
また、第1波長選択フィルタ411は、第1反射層414及び第2反射層415の光の進行方向における位置が、図5に示す位置とは逆になっていてもよい。
また、本実施形態の第1反射層414及び第2反射層415は、それぞれ単層である例を挙げて説明したが、これに限らず、それぞれ2層以上の層が積層された多層構造としてもよい。
また、これに限らず、第1波長選択フィルタ411が、波長域Aより大きい(波長λ2より大きい)波長の光を吸収又は反射し、波長域A以下(波長λ2以下)の波長の光を透過する形態としてもよい。
誘電体多層膜を用いる場合は、波長域Bの光を反射し、波長域B以外の波長の光を透過するものを選択することが好ましい。
また、近赤外線吸収層を用いる場合には、波長域Bの光を吸収し、波長域B以外の波長の光を透過する機能を有するものが好ましい。このような近赤外線吸収層としては、NIRA(Near InfraRed Absobing)色素を含有する樹脂製の光学フィルタ等が好適である。
NIRA色素を含有する近赤外線吸収層を用いる場合、反射する光の波長域の選定等は、NIRA色素の選定や組み合わせ等により、調整が可能である。
前述のように、発光器10は、パルス光Lを検知器40へ向けて発光する。
検知器40の受光部41に入射したパルス光Lは、波長域A内の光であるので、第2波長選択フィルタ412及び第1波長選択フィルタ411を透過し、受光素子216へ入射する。パルス光Lは、発光器10から連続的に発光されており、発光器10と検知器40との間に位置する検知すべき物体の有無又はその物体の位置等の変化によりパルス光Lが遮られると、受光素子216へ入射するパルス光Lが途絶える。受光部21からの信号により受光制御部22はこれを検知し、不図示の出力部から適宜外部へ出力する。
外光のうち波長域A未満の波長の光G3は、第2波長選択フィルタ412により吸収される。また、波長域Aより大きい波長域B内の波長の右円偏光G21は、第1波長選択フィルタ411の第1反射層414で反射され、外光に含まれる波長域B内の波長の左円偏光G22は、第2反射層415で反射されて除去される。
外光のうち波長が波長域Aの範囲内である光G1は、その偏光状態等に関わらず、第2波長選択フィルタ412及び第1波長選択フィルタ411を透過し、受光素子216に入射する。
しかし、この外光G1は、検知器40への入射時の外光の総光量に比べて第1波長選択フィルタ411及び第2波長選択フィルタ412により大幅に光量が低減されており、受光素子216が受光しても総受光光量の飽和等を起こす可能性が大幅に低減されるため、発光器10が投光したパルス光Lの検知の妨げにはならない。
また、第1波長選択フィルタ411が、波長域Aに隣接しており波長域Aより小さい所定の波長域C(図6参照)の光を反射する場合、波長域Cより小さい波長の光は、第1波長選択フィルタ411及び第2波長選択フィルタ412を透過して受光素子216へ入射する。しかし、このような外光も、受光素子216が感応しない波長領域の光であるので、パルス光Lの検知に影響を及ぼさない。
また、本実施形態によれば、第1波長選択フィルタ411は、コレステリック液晶層により第1反射層414及び第2反射層415を備える波長選択反射層413を容易に形成できるので、生産コストを抑えて、信頼性の高い検知器40及び検知システム1とすることができる。
さらに、本実施形態によれば、従来の検知器から大幅な設計変更等を行うことなく、また、反射角度等の設計も不要であるので、より簡単かつ安価に、受光光量の飽和による誤検知を抑制することができる。
(シクロヘキサノン溶液Aの調製)
棒状化合物として下記化学式(1)で示される化合物97.7重量部と、カイラル剤(LC-756、BASF社製)2.3重量部とを溶解させたシクロヘキサノン溶液を準備した。このシクロヘキサノン溶液には、上記棒状化合物に対して、5.0重量%の光重合開始剤(イルガキュア184)と、0.03重量%のレベリング剤(BYK361N、ビックケミー・ジャパン社製)とを添加した(固形分20重量%)。この溶液をシクロヘキサノン溶液Aとした。
棒状化合物として上記化学式(1)で示される化合物96.8重量部と、カイラル剤(CNL-716、ADEKA社製)3.2重量部とを溶解させたシクロヘキサノン溶液を準備した。このシクロヘキサノン溶液には、上記棒状化合物に対して、5.0重量%の光重合開始剤(イルガキュア184)と、0.03重量%のレベリング剤(BYK361N、ビックケミー・ジャパン社製)とを添加した(固形分20重量%)。この溶液をシクロヘキサノン溶液Bとした。
透明基板215として、ポリエチレンテレフタレートからなる二軸延伸フィルムを準備した。この二軸延伸フィルム上に、ポリイミド材料をバーコーターにて成膜し、一定方向にラビング処理を行い、配向膜を形成した。次に、二軸延伸フィルムに形成された配向膜を介してバーコーターにて、上記シクロヘキサノン溶液Aを塗布した。
次に、100℃で2分間保持し、シクロヘキサノン溶液中のシクロヘキサノンを蒸発させて、棒状化合物を配向させ、塗膜を形成した。そして、得られた塗膜に、紫外線を照射し(37mJ/cm2)、二軸延伸フィルム上にコレステリック構造を固定化することにより、1層目の反射層(第2反射層214)を形成した。
次に、同様に、上記1層目の反射層上に、上記シクロヘキサノン溶液Bを塗布して105℃で2分間保持し、シクロヘキサノン溶液中のシクロヘキサノンを蒸発させて、棒状化合物を配向させて塗膜を形成し、そして得られた塗膜に、紫外線を照射し(400mJ/cm2)、1層目の反射層上にコレステリック構造を固定化することにより2層目の反射層(第1反射層213)を形成した。これにより、2層の反射層が積層された波長選択反射層212を備える実施例1の波長選択フィルタ211Aを作製した。
図7は、実施例1の波長選択フィルタ211Aの反射率を示すグラフである。図7及び後述する図8において、縦軸は反射率、横軸は波長を示している。
図7に示すように、実施例1の波長選択フィルタ211Aは、その反射光の波長域が約1100~1350nmであり、反射率のピークが1220nmである。
上記で作製した実施例1の波長選択フィルタ211Aと、発光素子(浜松ホトニクス社製赤外発光ダイオードL13072、ピーク発光波長1200nm)と、受光素子216(京セミ株式会社製InGaAsフォトダイオードKPDE030、ピーク感度1550nm、分光感度900~1700nm)とを準備し、図1及び図2に示すように発光器10及び検知器20内に適宜設置し、実施例1の検知システム1とした。
一方、上記実施例1と同じ受光素子216を備えるが、実施例1の波長選択フィルタ211Aを設置しない比較例の検知器も同様に準備し、上記実施例1の発光素子を備える発光器10と組み合わせて、比較例1の検知システムとした。
実施例1の波長選択フィルタ211Aを有する実施例1の検知器20及び検知システム1では、ハロゲンランプからの不要な外光の入射にも関わらず、受光素子216が発光器10からの光を検知し、検知器が誤検知することはなかった。
一方、波長選択フィルタ211Aを有しない比較例1の検知器及び検知システムでは、ハロゲンランプからの不要な外光により、受光素子216の受光光量が飽和し、受光素子216が発光器10からの光を検知せず、検知器は、発光器からの光が検知できないとして誤検知が生じた。
(シクロヘキサノン溶液Cの調製)
棒状化合物として上記化学式(1)で示される化合物97.5重量部と、カイラル剤(LC-756、BASF社製)2.5重量部とを溶解させたシクロヘキサン溶液を準備した。このシクロヘキサン溶液には、上記棒状化合物に対して、5.0重量%の光重合開始剤(イルガキュア184)と、0.03重量%のレベリング剤(BYK361N、ビックケミー・ジャパン社製)とを混合した(固形分20重量%)。この溶液をシクロヘキサノン溶液Cとした。
棒状化合物として上記化学式(1)で示される化合物96.5重量部と、カイラル剤(CNL-716、ADEKA社製)3.5重量部とを溶解させたシクロヘキサノン溶液を準備した。このシクロヘキサノン溶液には、上記棒状化合物に対して、5.0重量%の光重合開始剤(イルガキュア184)と、0.03重量%のレベリング剤(BYK361N、ビックケミー・ジャパン社製)とを添加した(固形分20重量%)。この溶液をシクロヘキサノン溶液Dとした。
透明基板416として、ポリエチレンテレフタレートからなる二軸延伸フィルムを準備した。上記二軸延伸フィルム上に、ポリイミド材料をバーコーターにて成膜し、一定方向にラビング処理を行い、配向膜を形成した。次に、二軸延伸フィルムに形成された配向膜を介してバーコーターにて、上記シクロヘキサノン溶液Cを塗布した。
次に、100℃で2分間保持し、シクロヘキサノン溶液中のシクロヘキサノンを蒸発させて、棒状化合物を配向させ、塗膜を形成した。そして、得られた塗膜に、紫外線を照射し(37mJ/cm2)、二軸延伸フィルム上にコレステリック構造を固定化することにより、1層目の反射層(第2反射層415)を形成した。
次に、同様に、上記1層目の反射層上に、上記シクロヘキサノン溶液Dを塗布して105℃で2分間保持し、シクロヘキサノン溶液中のシクロヘキサノンを蒸発させて、棒状化合物を配向させて塗膜を形成し、そして得られた塗膜に、紫外線を照射し(400mJ/cm2)、1層目の反射層上にコレステリック構造を固定化することにより2層目の反射層(第1反射層414)を形成した。これにより、2層の反射層が積層された波長選択反射層413を備える実施例2の第1波長選択フィルタ411Bを作製した。
図8は、実施例2の第1波長選択フィルタ411Bの反射率を示すグラフである。
図8に示すように、実施例2の第1波長選択フィルタ411Bは、その反射光の波長域が約1000~1210nmであり、反射率のピークが1100nmである。
上記で作製した実施例2の第1波長選択フィルタ411Bと、発光素子(浜松ホトニクス社製赤外発光ダイオードL2388、ピーク発光波長945nm)、受光素子(浜松ホトニクス社製SiPINフォトダイオードS12028、ピーク感度980nm、分光感度360~1140nm)、第2波長選択フィルタ412を準備し、図4及び図5に示すように発光器10及び検知器40内に適宜設置し、実施例2の検知システム1とした。第2波長選択フィルタ412は、市販の赤外透過フィルター(HOYA製IR85N)を用いた。
一方、上記実施例2と同じ受光素子216及び第2波長選択フィルタ412を備えるが、実施例2の第1波長選択フィルタ411Bを設置しない比較例2の検知器も同様に準備し、上記実施例2発光素子を備える発光器10と組み合わせて、比較例1の検知システムとした。
第1波長選択フィルタ411Bを有する実施例2の検知器40及び検知システム1では、ハロゲンランプからの不要な外光の入射にも関わらず、受光素子216が発光器10からの光を検知し、検知器40が誤検知することがなかった。
一方、第1波長選択フィルタ411Bを有しない比較例1の検知器及び検知システムでは、ハロゲンランプからの不要な外光により、受光素子216の受光光量が飽和し、受光素子216が発光器10からの光を検知せず、検知器は、発光器からの光を検知できないとして誤検知が生じた。
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態において、パルス光Lを用いる例を示したが、これに限らず、パルス状の点滅等を有しない光を用いてもよい。
なお、第2実施形態における第1波長選択フィルタ411の波長選択反射層413についても同様である。
10 発光器
11 発光部
12 発光制御部
20,40 検知器
21,41 受光部
22 受光制御部
211 波長選択フィルタ
212,413 波長選択反射層
411 第1波長選択フィルタ
412 第2波長選択フィルタ
Claims (4)
- 第1波長領域の光を受光可能な受光素子を備える検知器と、
前記検知器に対して、所定の波長の光を投光する発光器と、
を備える検知システムであって、
前記検知器は、
前記第1波長領域に隣接した波長域であって前記第1波長領域よりも波長が大きい第2波長領域の光を反射する第1コレステリック液晶層を備える第1波長選択素子と、
前記第1波長領域に隣接した波長域であって前記第1波長領域よりも波長が小さい第3波長領域の光を反射する第2コレステリック液晶層を備える第2波長選択素子と、
を備え、
前記第1波長領域は、900nm以上1000nm以下であり、
前記所定の波長の光は、点滅するパルス光であってその波長が前記第1波長領域内であり、
前記受光素子は、前記第1波長選択素子及び前記第2波長選択素子を透過した前記第1波長領域の光を受光すること、
を特徴とする検知システム。 - 請求項1に記載の検知システムにおいて、
前記発光器は、
光を発する発光部と、
前記発光部の点灯及び消灯を所定の信号に基づいて制御する発光制御部と、
を備え、
前記発光制御部が前記所定の信号に基づいて前記発光部を点灯、消灯させることにより、前記発光部が前記パルス光を投光すること、
を特徴とする検知システム。 - 請求項1又は請求項2に記載の検知システムにおいて、
前記発光器の投光する光を前記受光素子が受光できないことを前記検知器が検知することにより、前記発光器と前記検知器との間に検知すべき物体が位置することを検知すること、
を特徴とする検知システム。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の検知システムに用いられ、所定の波長領域の光を反射し、前記所定の波長領域以外の波長の光を透過する波長選択素子であって、
前記所定の波長領域の光を反射するコレステリック液晶層を備えるフィルタであること、
を特徴とする波長選択素子。
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