JP7155185B2 - 分子検出装置及び分子検出方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、分子検出装置及び分子検出方法に関する。
ガス検出方法のうち、比較的濃度が高いガス成分を検出する方法としては種々の方法が知られているが、極低濃度に相当するppb(十億分の1)からppt(一兆分の1)の濃度では検出方法が限られている。特に、サリンなどの毒ガスや爆薬類等を検出した場合、これらは密閉された状態で保管されており、わずかに放出された揮発性の成分(匂い物質)を訓練された警察犬などによって検知することが一般的である。動物を利用した対処法は抑止効果が高いもののコストが高く、加えて常態的な正確性を確保するのが難しい。また匂い物質は一酸化炭素のような化学構造の単純な物質と異なり、分子量が数十から500程度で化学構造が複雑であり、一酸化炭素などを検出するガスセンサでは検知が難しい。
こうした課題を解決するために、カーボンナノチューブやグラフェンを用いた乾式のセンサーが提案されている。乾式のセンサーは、表面に匂い物質と結合するプローブが固定されており、選択的に匂い物質を検出することができる。このプローブは有機分子から構成されていることが多く、また生体由来の細胞や抗体の場合もある。プローブは特定の匂い分子を捕捉してセンサーに電気的信号を発生させ、電気的信号の変化を元に被検出物の有無を確認する。
特開2019-052993号公報
本発明が解決しようとする課題は、より高感度で気体試料を識別することができる分子検出装置及び分子検出方法を提供することである。
実施形態に係る分子検出装置は、気体試料中の第1分子群を検出するように構成される第1検出素子を備える第1検出部と、気体試料中の、第1分子群よりも濃度の高い第2分子群を検出するように構成される第2検出素子を備える第2検出部と、第1検出部と第2検出部との間に設けられた、少なくとも第1分子群を吸着する吸着材を備える吸着部とを備える。
図1は、実施形態の分子検出装置の一例を示すブロック図である。 図2は、実施形態の検出部の一例を示す断面図である。 図3は、実施形態の検出部の一例を示す図である。(a)は第1検出素子の拡大断面図であり、(b)は検出部の斜視図であり、(c)は第1プローブの拡大図である。 図4は、実施形態の分子検出装置の一例を示すブロック図である。 図5は、ミカンの匂いの組成を示すグラフである。 図6は、実施形態の分子検出方法の一例を示すフローチャートである。 図7は、実施形態の検出部の使用時の一例を示す断面図である。 図8は、実施形態の検出素子において検出される電流値変化の一例を示す図である。 図9は、実施形態の分子検出装置の一例を示すブロック図である。
以下、実施形態について、添付の図面を参照して説明する。なお、各実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、その説明を一部省略する場合がある。図面は模式的なものであり、各部の厚さと平面寸法との関係、各部の厚さの比率等は現実のものとは異なる場合がある。
・分子検出装置
実施形態に従う分子検出装置は、気体試料中の分子を検出するための装置である。図1に示すように、分子検出装置1は、例えばフィルタ装置2と、捕集器3と、検出器4と、識別器5とを備える。
フィルタ装置2は、一般的な中高性能フィルタを備え、図示しないファン又はポンプの駆動により気体試料6が通過して、気体試料6から比較的大きな不純物、及び検出対象外の夾雑物等を除去する。捕集器3は、フィルタ装置2を通過した気体試料6を検出器4に送る。検出器4は検出素子を備え、気体試料6中の分子の検出を行う。識別器5は、例えば検出器4と接続され、検出器4で得られた測定値に基づいて気体試料6の種類を決定する。
検出器4について図2を用いて説明する。検出器4は、例えば捕集器3とつながる流路7を備える。流路7の内部は、例えば非特異的検出部7aと、第1検出部7bと、吸着部7cと、第2検出部7dとの4つのユニットに分かれている。これらの4つのユニットは、この順番で流路7の上流側(捕集器3側)から下流側に向かって並んでいる。
非特異的検出部7a、第1検出部7b及び第2検出部7dは、それぞれ気体試料6中の分子を検出するための検出素子を備える。非特異的検出部7aには、非特異的検出素子8が設けられている。非特異的検出素子8は、気体試料6中の分子を非特異的に検出するように構成されている。第1検出部7bは第1検出素子9を備える。第1検出素子9は、気体試料6中の第1分子群を検出するように構成されている。第2検出部7dは、第2検出素子11を備える。第2検出素子11は、気体試料6中の第2分子群を検出するように構成されている。ここで、第2分子群は、第1分子群よりも気体試料中の濃度が高い分子群である。第1分子群及び第2分子群の具体例及び決定方法については後述する。
第1検出部7bは例えば、複数の第1検出素子9を備えてもよい。そのような例について図3を用いて説明する。図3の(b)は、第1検出部7bの一例を示す斜視図である。第1検出部7bは、複数の第1検出素子9A~9Dを備える。第1検出素子9A~9Dは、例えばアレイ状に配置され得るが、そのような配置に限定されるものではなく一直線上に配置されてもよいし、円形に並べられていてもよいし、ランダムな配置であってもよい。
図3の(a)は、複数の第1検出素子9A~9Dのうち1つの第1検出素子9Aの拡大断面図を示す。第1検出素子9Aは、例えば、ゲート電極12として機能する半導体基板と、ゲート電極12上に積層された絶縁層13と、絶縁層13上に積層されたチャンネルである感応膜14と、感応膜14の一端と接続されたソース電極15と、感応膜14の他端に接続されたドレイン電極16とを具備する電界効果トランジスタ(FET)の構成を有することが好ましい。感応膜14上には、複数の第1プローブ17が固定されている。
ゲート電極12の材料は、例えば、酸化物半導体であり、例えば、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化スズ、又は酸化チタン等である。
絶縁層13の材料は、例えば、基板の熱酸化により得られるSiOで良く、加えるゲート電圧に合わせて膜厚を調整すればよい。数十ナノメータから500nm程度が選択されることが多い。
ソース電極15及びドレイン電極16の材料は、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)又はアルミニウム(Al)等の金属、或いは、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、IGZO、導電性高分子等の導電性物質である。
感応膜14は、例えば、グラフェン膜又はカーボンナノチューブ等であることが好ましい。感応膜14は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、シリサイド等の導体、又は二硫化モリブデン(MoS)若しくは二セレン化タングステン(WSe)等から構成されてもよい。
感応膜14としてグラフェンを用いた場合、グラフェンがゼロギャップ半導体としての性質を有することから、ゲート電極12に電圧を加えなくともソース電極15とドレイン電極16との間に電流が流れる傾向もみられる。従って、ゲート電極12を必ずしも設ける必要はない。
第1プローブ17は、第1分子群と結合する分子である。本明細書において、「結合」とは、化学結合及び相互作用を含む。
第1プローブ17は、有機化合物であることが好ましい。有機化合物は、第1分子群に属する分子に対する反応基として、例えばカルボニル基(=O)やアミノ基(-NH-)を有する。ペプチドは、このような反応基を多数有するため好ましく用いられる。ペプチドは、加えてアミノ酸が持つ特性基が被検出物との結合性をさらに付与する。ここで、特性基とはカルボニル基(=O)やアミノ基(-NH-)が結合するアルファ位に結合している水素原子以外の結合基を指す。例えばアラニン(A)はメチル基を持ち、バリン(V)はイソプロピル基を持つ、またグリシン(G)は水素を持つ。このようなアミノ基を用いることで、特定の分子に対する結合力が生じる。
第1プローブ17は、例えば図2の(c)に示すように、3つの部位、即ち、第1分子群に対して結合性を有する効果部位HS、感応膜14と結合する支持部位BS、並びに効果部位HSと支持部位BSとをつなぐ連結部位CSから構成されることが好ましい。効果部位HS、支持部位BS及び連結部位CSは、例えばペプチドから構成される。効果部位HSのペプチドを構成するアミノ酸配列は、第1分子群の種類に従って選択される。連結部位CSは、例えば複数のグリシンがアミノ酸結合したものであることが好ましい。支持部位BSは、例えばグリシンとアラニンが交互にアミノ酸結合し、両端にアルギニンが結合したものであることが好ましい。
例えば、第1プローブ17は例えば、次のアミノ酸配列を有するペプチドである。
FFFFF-GGG-RGAGAGAR(配列番号1)
RRRRR-GGG-RGAGAGAR(配列番号2)
HHHHH-GGG-RGAGAGAR(配列番号3)
SSSSS-GGG-RGAGAGAR(配列番号4)
FLLF-GGG-RGAGAGAR(配列番号5)
ここで、ハイフンで別れた3つの部分は、左から順に効果部位HS、連結部位CS、支持部位BSである。アルファベットはアミノ酸を示し、以下を意味する。F:フェニルアラニン、L:ロイシン、R:アルギニン、A:アラニン、R:アルギニン、H:ヒスチジン、S:セリン、G:グリシン。
第1プローブ17は、上記のようなペプチドに限定されるものではなく、他の分子であってもよい。例えば、第1プローブ17は、核酸、他のペプチド、タンパク質、ペプチド断片、アプタマー又は細胞等であってもよい。
例えば、溶剤に溶かした第1プローブ17を感応膜14上に塗布することで、第1プローブ17を感応膜14に固定することができる。また、第1プローブ17を含む溶液に感応膜14を曝すことで、感応膜14上の大部分を覆うように第1プローブ17が自動的に配列することもある。
第1検出素子9B~9Dは、以上に説明した第1検出素子9Aと同じ構成としてもよい。しかしながら、第1検出素子9A~9Dは互に異なる種類の第1プローブ17を備えてもよい。互いに異なる種類の第1プローブ17は、例えば、第1分子群に対する作用強度(結合強度)が互いに異なってもよい。それより第1検出素子9A~9Dで互いに異なる測定値が得られ得る。しかしながら第1検出素子9A~9Dの全てが互いに異なる必要はなく、一部の検出素子の作用強度が他の検出素子と異なっているようにしてもよい。
例えば、第1検出素子9A~9Dから得られる複数の測定値は合わせて1つのパターンとして認識することができる。検出素子に接触した分子群の種類が異なるとパターンも異なり、反対に分子群の種類が同じであれば同じパターンが得られ得る。したがって、様々な既知の分子群のパターンを取得しておき、検出結果と比較することにより、接触した分子群を特定することができる。この方法を以下「パターン認識法」とも称する。
第1検出素子の数は、4つに限定されるものではなく、例えば、1個でも良いし、数十個設けられてもよい。検出素子数は必要なデータ数に合わせて適宜調整する。第1検出素子の数は1つであってもよいが、1つであると匂い物質の検出パターンが得られず検出精度が低下する。また、数百個設けても、図4の識別器のデータ処理能力が過大に必要となる。素子数は必要に応じて調節する。
第2検出部7dもまた、複数の第2検出素子11を備えてもよい。第2検出素子11は、第1検出素子9の第1プローブ17に代えて、第2分子群と結合する第2プローブを具備し得る。第2プローブは、図3の(c)に示す構造を有するものであってもよく、或いは他の有機物であってもよい。複数の第2検出素子11は互いに異なる第2プローブを備えてもよいが、全て又は一部が同じ第2プローブを備える構成としてもよい。
非特異的検出素子8は、例えば第1検出素子9Aと同様の構成で、感応膜14に第1プローブ17を設けない構成としてもよい。
非特異的検出素子8、第1検出素子9及び第2検出素子11は、FETの構成に限定されるものではなく、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)素子、表面弾性波(SAW)素子、水晶振動子マイクロバランス(QCM)素子、又はマイクロカンチレーバー(MCL)素子等の構成を有していてもよい。
吸着部7cは、図2に示すように第1検出部7b及び第2検出部7dとの間に、流路7を塞いで設けられた吸着材10を備える。吸着材10は、少なくとも第1分子群を吸着する材料から構成される。例えば、吸着材10は多孔質材料から構成される。多孔質材料として、例えば、炭素材料、金属又は金属酸化物等を用いることが好ましい。多孔質材料はシート状、又はペレット状、球状若しくはナノ粒子状のものを集めて一体としたもの、などの様々な形態であってよい。
第1分子群の種類及び/又は量に応じて、多孔質材料の形態、体積及び表面積を調節することができる。第1分子群の量が多い場合は、多孔質材料の体積を大きくしたり、表面積を大きくしたりすることが好ましい。
また例えば、多孔質材料の表面に試薬を付着させておくことで分子を選択的に吸着させることも可能である。試薬は、例えば、ペプチド等の有機物であることが好ましい。ペプチドは、NHなどの水素結合性部位が多数含まれているため、水素結合によって効率的に第1分子群を吸着することができる。多孔質材料が炭素材料である場合、試薬のペプチドが上記プローブの支持部位BSのようなアミノ酸配列を含む構成とすれば、効率的に試薬を多孔質材料に付着させることができる。多孔質材料が金属又は金属酸化物のナノ粒子の集合体等である場合は、試薬としてカルボン酸を含む有機物を用いることが好ましい。例えば、次に示す化合物Aのようにフッ素化した水素結合基を有する化合物を試薬として用いることも好適である。化合物Aを用いた場合、カルボン酸部位が金属又は金属酸化物の多孔質材料表面に固定され、逆側のフッ素化された水素結合基が分子と相互作用する。
Figure 0007155185000001
流路7の下流側の端は、例えば、分子検出装置1の外部へとつながる図示しない排気口と連結している。
識別器5は、例えば、図4に示すように、CPU51と、記憶部52と、入力部53と、表示部54とを備える。図4は、分子検出装置の一例を示すブロック図であるが、フィルタ装置2、捕集器3を省略している。
CPU51は、記憶部52に格納されたプログラムPに従って、分子検出装置1の各部を制御し、また各検出器4で得られた測定結果から気体試料6の種類を決定するための演算を行う。
記憶部52は、例えば不揮発性メモリ及び揮発性メモリを備え、非特異的検出素子8からの非特異的測定値55、第1検出部7bにおける検出結果である第1測定値56、第2検出部7dにおける検出結果である第2測定値57、比較対照である標準測定値58、演算式59、識別結果60、プログラムP等を格納する。
入力部53は例えばキーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチなどを備え、分子検出装置1の操作に必要なパラメータ等を入力する。表示部54は、ディスプレイ等を備え、測定値及び識別結果等を表示する。
CPU51と、記憶部52と、入力部53と、表示部54とは例えばバス61で互いに接続している。また、識別器5は、非特異的検出素子8からの電気的信号を受信して記憶部52に送るインターフェース(I/F)62、第1検出素子9からの電気的信号を受信して記憶部に送るI/F63、第2検出素子11からの電気的信号を受信して記憶部に送るI/F64を備えてもよい。
検出器4は、分子検出装置1に取り外し可能に取り付けられてもよい。例えば、識別器5と検出器4とは、取り外し可能に接続されていてもよい。その場合、識別器5は検出器4と別体として構成されたコンピュータ、スマートフォン又はタブレット端末などであってもよい。
・第1分子群と第2分子群の決定方法
第1分子群及び第2分子群は、1種類の気体試料について少なくとも1種類ずつ決定される。
実施形態の分子検出装置で検出される気体試料6は、例えば、大気、呼気、排気ガス、分析対象の物体から発生する気体、或いは分析対象の物体の周辺の大気等である。分析対象の物体として、例えば、薬剤、飲食物、動植物、香水等のアロマグッズ、貨物又は荷物、家庭用品又は電化製品等が挙げられる。
第1分子群又は第2分子群として選択される分子は、例えば、揮発性有機化合物(VOC)であり、例えば、匂い物質又はフェロモン物質等である。標的分子は、例えば、アルコール類、エステル類又はアルデヒド類等であってもよいがこれらに限定されるものではない。標的分子は、例えば麻薬・覚せい剤、火薬、生鮮食品又は特定の動植物等に含まれる化学物質であってもよい。標的分子は、例えば、疎水性の物質である。
第1分子群は、例えば、気体試料6中の濃度は少ないが、気体試料6の種類を特定するのに重要な分子、又は気体試料に特異的に含まれる分子等であり得、気体試料6を識別するための検出対象であり得る。第1分子群は、気体試料6の中で相対的に濃度の低い複数種類の分子を含んでもよい。一方、第2分子群として、例えば気体試料6中で最も濃度の高い1種類の分子が選択される。或いは第2分子群は、気体試料6の中で他の成分分子と比較して相対的に濃度が高い1種類又は複数種類の分子を含んでもよい。或いは第2分子群は、比較的濃度が高いことに加え、検出されやすい1種類又は複数種類分子を含んでもよい。
第1分子群の気体試料中の濃度は、限定されるものではないが、例えば0.1ppm~1000ppmほどであるか、或いは第2分子群の10分の1~1000分の1程度の濃度であり得る。気体試料6は、第1分子群及び第2分子群以外の分子を含んでもよい。
例えば、一例としてミカンの匂いを検出する場合について説明する。ミカンの匂いに含まれる分子の組成は、図5に示すようにリモネン、β-ミルセン、γ-テルピノレン等が非常に多く、微量成分としてバレンセン、ゲルマクレンD等を含む。バレンセン及びゲルマクレンDは、ミカンの匂いにおいて特異的な成分の1つであり、ミカンの匂いを他の柑橘類と分別するのに重要な分子である。このような場合、第1分子群としてバレンセン及び/又はゲルマクレンD等を選択し、第2分子群としてリモネン、β-ミルセン及び/又はγ-テルピノレンを選択することができる。
特定の気体試料を検出するための分子検出装置1を製造するとき、例えば、当該気体試料の組成をもとに第1分子群と第2分子群とが決定され、第1分子群と第2分子群とにそれぞれ結合する第1プローブと第2プローブとが設計又は選択され、それを備える第1検出素子9及び第2検出素子11を含む検出器4が製造され、分子検出装置1が組み立てられる。
したがって、様々な気体試料について、対応する検出器4が各々製造されることが好ましい。しかしながら、成分が似た気体試料であれば、同じ検出器4を用いてパターン認識法により第1分子群及び/又は第2分子群の検出を行うことも可能である。また、複数の気体試料6に対応する複数の検出器4を1つの分子検出装置1内に配置してもよい。それにより、1つの装置で複数種類の気体試料について検出を行うことも可能である。
・分子検出方法
上記分子検出装置1を用いる分子検出方法について説明する。分子検出方法は、例えば、図6に示す次の工程を含む。
(S1)第1検出部で気体試料中の第1分子群の検出を行う第1検出工程、
(S2)少なくとも第1分子群を吸着する吸着材に、気体試料を通過させる通過工程、
(S3)第2検出部で、吸着材を通過した後の気体試料中の第2分子群の検出を行う第2検出工程、及び
(S4)第1検出工程及び前記第2検出工程の結果から気体試料の種類を決定する識別工程。
以下、分子検出方法の詳細な手順について図7を用いて説明する。
気体試料6は、複数種類の分子群、例えば、第1分子20を含む第1分子群と、第1分子20よりも多い第2分子21を含む第2分子群とを含む。第1分子群及び第2分子群以外の分子をまとめてここでは非検出対象分子22とも称する。
まず、検出したい気体試料6の種類に対応した検出器4を備える分子検出装置1を用意する。分子検出装置1を気体試料6に近づけ、捕集器3のファンを駆動して、気体試料6をフィルタ装置2に送り夾雑物を除去する。フィルタ装置2を通過させた後、気体試料6に含まれる分子を更にイオン化することなどにより質量ごとに分離して、不要な夾雑物を除去してもよい。その後、気体試料6を捕集器3内に導入し、流路7に流入させる。流路7内で、気体試料6は、非特異的検出部7a及び第1検出部7bの順で流通し、非特異的検出素子8と、第1検出素子9とに順次接触する。そして、各検出素子で分子の検出が行われる。
各検出素子が図3の(a)に示すようなFETの構成を有する場合、例えばゲート電極12に一定の電圧を印加し、更にソース電極15とドレイン電極16との間に電圧を印加し、ソース電極15とドレイン電極16との間に流れる電流値を計測する。
非特異的検出素子8は、第1分子20、第2分子21及び非検出対象分子22を非特異的に検出するため、それらを合わせた測定値が得られる。例えば、この測定値により、気体試料6が流路7に導入されたことが分かる。非特異的検出素子8による測定は必ずしも行う必要はなく、その場合、分子検出装置1は非特異的検出部7aを備えなくともよい。或いは、第1検出部7bに複数の第1検出素子9を設け、そのうち1つは第1プローブ17を設けない構成として、それを非特異的検出素子8と同様に使用してもよい。
第1検出素子9においては、第1分子群に関する測定値が得られる(第1検出工程S1)。例えば、図3の(a)に示す第1検出素子9を用いる場合、第1分子20が第1プローブ17に近づくと、水素結合の力などにより第1プローブ17に引き付けられ、場合によっては接触する。その結果、第1分子20と第1プローブ17との間で電子のやり取りが発生し、それが感応膜14の電気的変化として現れる。電気的な変化は、ソース電極15とドレイン電極16との間に流れる電流値を変化させるため、その電流値を計測すると、第1分子20の結合を検知することができる。
例えば図8に示すような横軸が時間経過、縦軸が電流値の変化を示すグラフを作成すると、第1分子群の接触後、電流値の変化(例えば抵抗の増加による電流値の低下)が起こる。その後、第1プローブ17から分子が徐々に脱離することで、電流値が元の値に近づく。例えば、変化の始まった時点での電流値P1と、変化が終わった時点でのP2と、および変化量のピークの先端であるP3とを結んで囲まれた面積を測定値としてもよい。
その後、気体試料6が吸着材10を通過する(通過工程S2)。気体試料6が吸着材10を通過する際、吸着材10は、少なくとも第1分子群を吸着する。そのため、第1分子20は吸着材10に付着して残り、吸着されない分子が第2検出部7dへと流れる。したがって、吸着材10通過前の気体試料6は、第1分子群、第2分子群及び非検出対象分子22を含み、通過後の気体試料6は、第2分子群及び非検出対象分子22を含み得る。しかしながら吸着材10通過後の気体試料6に第1分子20が全く含まれない必要はなく、例えば検出限界以下の量で第2検出部7dへと流れ出てもよい。また、第2分子21は、一部が吸着材10に付着して残ってもよい。非検出対象分子22は、その全て又は一部が吸着材10に付着して残ってもよい。
吸着材10を通過した後、気体試料6は第2検出部7dに入り、第2検出素子11に接触する。第2検出素子11においては、第2分子21を含む第2分子群に関する測定値が得られる(第2測定工程S3)。測定は、第1検出素子9において説明した方法と同様に行われる。
非特異的検出素子8、第1検出素子9及び第2検出素子11から得られた測定値は、例えば、それぞれ非特異的測定値55、第1測定値56及び第2測定値57として記憶部52に格納される。第1測定値56は、複数の第1検出素子9からの測定結果を合わせた1つの第1パターンであってもよい。同様に、第2測定値57は、複数の第2検出素子11からの測定結果を合わせた1つの第2パターンであってもよい。
次に、識別器5において第1検出部7b及び第2検出部7dで得られた測定結果から、気体試料6の種類を決定する(識別工程S4)。
第1検出部7bは第1分子群を検出することを目的としているため、もし気体試料6の大半が第1分子群であれば第1検出部7bにおける結果を第1分子群の結果として用いることができ、それを用いれば気体試料6の種類を決定することが可能である。しかしながら、実際には気体試料6には様々な分子が含まれ、本分子検出方法のように検出対象として微量な分子を第1分子群として選択する場合、第1分子群と比較して非常に高濃度な第2分子群を含む場合が多い。第2分子群は、第1検出素子9の第1プローブ17又は感応膜14に非特異的に結合する場合がある。その場合、測定値が第1分子群と第2分子群とを合わせた値となり、第1検出部7bの結果だけでは気体試料6の識別が困難になる。この時、第1検出素子9に結合した第2分子群の量は、第2分子群の全体の量に対してはわずかであるため、吸着材10を通過した第2検出部7dにおいても十分量の第2分子群が存在し、第2検出部7dでも検出される。
例えば、検出素子がFETである場合、第2分子群が第1検出部7bにほとんど結合しなかった場合は、第1測定値は、第2測定値よりも小さな電流値の変化量として得られ得る。しかしながら、第2分子群も第1検出部7bに結合した場合、第1測定値は、第1分子群と第2分子群との両方を合わせた混合値となり得る。例えば、第1検出部7bにおける第1測定値が第2測定値よりも大きな変化量となり得る。
このような時は、例えば第1測定値56から第2測定値57を差し引くことにより、第2分子群による第1測定値56への影響が取り除かれ、より正確に第1分子群の測定値を得ることができる。このようなことから、第1検出素子9に結合しやすく、第1検出素子9で検出されやすい検出対象外分子が明らかな場合には、その分子を第2分子群として選択することも有効である。上記演算は、識別器5のCPU51により行われる。例えばCPU51は記憶部52から第1測定値56、第2測定値57、及び演算式59を取り出し、それらを用いて演算する。
例えば、第1検出素子9及び第2検出素子11がそれぞれ複数個用いられる場合には、特定の第1検出素子9に対応する第2検出素子11を決定し、対応関係にある検出素子同士で差し引きの演算を行えばよい。差し引き後の測定値を合わせて1つの第1分子群のパターンとして使用してもよい。
第1測定値に第2測定値の影響が見られない場合は、そのまま第1測定値を第1分子群の結果として用いてもよい。
上記のように得られた第1分子群の測定値又はパターンから、気体試料6の種類を決定する。例えば、CPU51により第1分子群の測定値又はパターンを記憶部52に格納された既知の標準試料の測定値又はパターン(標準測定値58)と比較し、似ていれば気体試料6は標準気体試料と同じ種類であると決定することができる。似ていない場合、この比較を複数種類の標準測定値58を用いて繰り返し行い、似ている測定値又はパターンを有する標準気体試料を探すことも可能である。気体試料6の種類の識別には、第1分子群の測定値の結果に加え第2分子群の測定結果も同様に用いてもよい。
第2検出部7dを通過した気体試料6は装置の外部に排出される。気体試料6の無害化のため、排気口にゼオライト又は金属有機構造体(MOF)、例えば、HKUST-1のような吸着性物質を設けることもできる。また、気体試料6が水に溶けやすい成分の場合は水へのバブリングを行うことで、水中に溶かして処理することも有効である。
以上に説明した通り、実施形態に従う分子検出装置及び分子検出方法によれば、気体試料6を高感度に検出することができる。特に、濃度の低い第1分子群と濃度の高い第2分子群とが併存する場合でも、第1検出部7bと、吸着部7cと、第2検出部7dを用いることにより、より正確な第1分子群の検出値を得ることが可能である。それにより様々な種類の気体試料6をより高感度に検出することが可能である。
実施形態の分子検出装置は、情報ネットワークを介して外部と通信するような構成であってもよい。そのような分子検出装置100について図9を用いて説明する。図9は、分子検出装置の一例を示すブロック図であるが、フィルタ装置2、捕集器3を省略している。分子検出装置100の識別器5は、送信部101と受信部102とを更に備える。識別器5は、図4に示す識別器5と同様にCPU51、記憶部52、入力部53及び表示部54を備えるが、図4ではこれらを省略している。
送信部101は情報ネットワーク103と接続されている。送信部101は、非特異的測定値55、第1測定値56、第2測定値57等の測定値及び/又は気体試料の識別結果60を記憶部から取り出し、情報ネットワーク103を介して情報利用者104の端末に送信する機能を有する。情報利用者104の端末は、例えばパソコン、スマートフォン、タブレットなどであり得る。又は、端末は、他の実施形態の分子検出装置又は他の分析装置等であってもよい。
受信部102は、情報ネットワーク103を介して情報発信者105の端末から発信された情報を受信して記憶部52に格納する機能を有する。情報発信者105の端末は、例えばパソコン、スマートフォン、タブレットなどであり得る。又は、端末は、他の実施形態の分子検出装置又は他の分析装置等であってもよい。情報発信者105から発信される情報は、例えば、既知の標準気体試料から得られた標準測定値58である。CPU51は、得られた標準測定値58を気体試料6における測定値との比較に使用する。情報ネットワーク103は、例えばインターネットであってもよいし、又はイントラネットであってもよい。
このように、情報を外部の情報ネットワークから取得して参照することで、多くの情報を装置内に格納する必要がなく外部に代替できるため、分子検出装置1をより一層小型化して携帯性を高めることができる。さらに、複数の標準測定値58を即時に取得することもできる。例えば、分子検出装置1を所望の複数個所に配置しておき、得られるデータを各所から集めて分析し、異常事態の避難誘導等に役立てる使用方法も可能である。
[例]
以下、実施形態の分子検出装置及び分子検出方法を用いた例及びその評価結果について記載する。
例1 分子検出装置を用いた気体試料の分析
・検出素子の製造
まず、GrFETとプローブとを組み合わせた検出素子を以下のように用意した。グラフェン膜は、グラファイトからの剥離法により基板へ転写して形成するか、化学気相成長法(CVD)を利用して金属の表面に成長させることにより形成した。金属の表面に成長した単層や複数層のグラフェンをポリマー膜に転写して、所望の電界効果トランジスタ(FET)作製用の半導体基板に再度転写した。例えば、銅箔表面に1000℃程度の条件でメタンガスをフローしたCVDによりグラフェン膜を形成した。
次に、ポリメチルメタクリレート膜を、スピンコート法を用いて4000rpmで塗布し、逆面の銅箔膜を0.1Mの過硫酸アンモニウム溶液でエッチングし、溶液に浮遊したグラフェン膜を回収した。これでグラフェン膜がポリメチルメタクリレート膜側へ転写された。十分に表面を洗浄した後に、これをシリコン基板上に再度転写した。余分なポリメチルメタクリレート膜は、アセトンにより溶解させて除去した。シリコン基板に転写されたグラフェンには、レジストを塗布してパターニングし、酸素プラズマによって電極間隔10μmのパターンを形成した。電極を蒸着してソース電極とドレイン電極を設けたFET構造を形成した。シリコン基板表面に形成されている酸化膜上にグラフェンが配置され、グラフェンがソース電極とドレイン電極で挟まれると共に、シリコン基板側をゲート電極とするFET型のセンサー構造が形成された。この工程は順序を逆にしてもよい。すなわち電極を先に作製して後からグラフェンを転写して加工してもよい。
GrFET素子を4つ製造し、そのグラフェンの表面に互いに異なるプローブを設けた。プローブとして、表1に示すプローブRR(配列番号2)、プローブHH(配列番号3)及びプローブSS(配列番号4)を使用した。
Figure 0007155185000002
各プローブをメタノール溶液に10nMの濃度で溶解させて、この中に感応膜を数分間浸漬して固定した。または、リン酸系のバッファー溶液に溶解させて、この中に感応膜を数分間浸漬して設置した。それにより、互に異なるプローブを備えた第1検出素子A~Cを得た。第1検出素子Dにはプローブを設けず、グラフェン面が露出した状態とした。これらを流路内に設置した。
・気体試料の調整
表2の匂いA、匂いB、匂いCを混合した混合ガスXを作製した。匂いA、匂いB、匂いCは柑橘類のミカンに含まれる成分である。
Figure 0007155185000003
匂いA~Cとしてビンの中に発生した飽和蒸気を利用した。シリンジで蒸気を取り出してテドラーバック内に入れて3つの匂いを混合した混合ガスXを作製した。
・気体試料の検出
混合ガスXを捕集部から流路に流し入れて、上流部に設置された第1検出部に到達させ、第1検出素子A~Dで測定を行った。結果を表3に示す。結果は、第1検出素子Dを基準として強度を評価したものである。
Figure 0007155185000004
次に混合ガスXを多孔質体(吸着材)に通過させた。多孔質体として、TenaxTAとして知られる2、6-Dipheny-p-phenylene Oxideをベースにしている多孔質体を利用した。多孔質体の表面積は、35m/g、孔の径は200nmほどであった。ビーズ状のTenaxTAを開口率が3割ほどのメッシュ状のポリエチレンに担持して第1検出部の下流部に設置した。このような多孔質体のさらに下流部には第2検出素子A~Dを設置した。
第2検出素子A~Dは、次のように製造した。上記GrFET素子と同じものを4つ用意し、これらのうち3つにグラフェンの表面に表4に示すプローブFL(配列番号5)を設け、1つにはプローブを設けずにグラフェン面が露出した状態とした。プローブは、第1検出素子と同様の方法で固定した。
Figure 0007155185000005
第2検出素子A~Dにおいて、吸着材通過後の混合ガスXの測定を行った。測定結果は、表5に示す通りとなった。
Figure 0007155185000006
例2 多孔質材料の検討
・吸着材A及び吸着材Bの製造
0.1gの酸化亜鉛ナノ粒子(アルドリッチ製、直径は50nm以下)が分散した5mLの水溶液を作製する。ナノ粒子は超音波を利用して水の中に拡散させる。フラスコの中に、下記に示す化合物A又は化合物Bを入れて5mLの水溶性溶媒であるエタノール又はジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させた。
Figure 0007155185000007
両溶液を混合して撹拌した。ときおり超音波によってナノ粒子の分散状態を保ちながら撹拌を続けた。撹拌を終了した後、ろ過によって固体を取り出し、エタノールやメタノールでよく洗浄し、回収した。その結果、化合物Aを付着させたナノ粒子A、及び化合物Bを付着させたナノ粒子Bが得られた。ナノ粒子Aまたはナノ粒子Bを、超音波を用いてエタノールに再分散させて、メッシュ状のフッ素樹脂PTFEに塗布して充分に乾燥させた。このようにして吸着材A及び吸着材Bが得られた。
・気体試料の検出
例1と同様の第1検出素子A~D及び第2検出素子A~Dの間に吸着材A又は吸着材Bを配置し、第2検出素子A~Dで検出を行った。第2検出素子Dを基準として強度を評価した結果を表6及び表7に示す。
Figure 0007155185000008
Figure 0007155185000009
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
気体試料中の第1分子群を検出するように構成される第1検出素子を備える第1検出部と、
前記気体試料中の、前記第1分子群よりも濃度の高い第2分子群を検出するように構成される第2検出素子を備える第2検出部と、
前記第1検出部と前記第2検出部との間に設けられた、少なくとも前記第1分子群を吸着する吸着材を備える吸着部と
を備える
分子検出装置。
[2]
前記第1検出素子は、前記第1分子群と結合する第1プローブを具備し、
前記第2検出素子は、前記第2分子群と結合する第2プローブを具備する、
[1]に記載の装置。
[3]
前記第1プローブ及び/又は前記第2プローブは、有機物から構成される[2]に記載の装置。
[4]
前記第1プローブ及び/又は前記第2プローブは、ペプチドから構成される、[3]に記載の装置。
[5]
前記第1検出部及び前記第2検出部で得られた測定結果から前記気体試料の種類を決定するように構成される識別器を更に備える、[1]~[4]の何れか1項に記載の装置。
[6]
前記識別器は、前記第1検出部における測定結果から、前記第2検出部における測定結果を差し引いて得られる演算結果を用いて前記気体試料の種類を決定するように構成される、[5]に記載の装置。
[7]
前記第1検出部は、互に異なる種類の前記第1プローブを備える複数の前記第1検出素子を備え、
前記第2検出部は、互に異なる種類の前記第2プローブを備える複数の前記第2検出素子を備え、
複数の前記第1検出素子からの測定結果を合わせた1つの第1パターンと、複数の前記第2検出素子からの測定結果を合わせた1つの第2パターンとを用いて前記気体試料の種類を決定するように構成される識別器を更に備える、
[2]~[4]の何れか1項に記載の装置。
[8]
前記第1検出素子は、前記第1プローブが表面に固定されたグラフェン膜と、前記グラフェン膜の一端に接続されたソース電極と、前記グラフェン膜の他端に接続されたドレイン電極とを備え、
前記第2検出素子は、前記第1プローブが表面に固定されたグラフェン膜と、前記グラフェン膜の一端に接続されたソース電極と、前記グラフェン膜の他端に接続されたドレイン電極とを備える、
[2]~[7]の何れか1項に記載の装置。
[9]
前記吸着材は、多孔質材料から構成される、[1]~[8]の何れか1項に記載の装置。
[10]
前記吸着材の表面に、ペプチドが付着している、[1]~[9]の何れか1項に記載の装置。
[11]
第1検出素子で、気体試料中の第1分子群を検出する第1検出工程、
前記気体試料を、少なくとも第1分子群を吸着する吸着材に通過させる吸着工程、
第2検出素子で、前記吸着工程後の前記気体試料中の、前記第1分子群よりも濃度が高い第2分子群を検出する第2検出工程、及び
前記第1検出工程及び前記第2検出工程の結果から前記気体試料の種類を決定する識別工程
を含む、分子検出方法。
[12]
前記識別工程では、前記第1検出工程における測定結果から、前記第2検出工程における測定結果を差し引くことにより得られる演算結果を用いて前記気体試料の種類を決定する、[11]に記載の方法。
[13]
前記第1検出素子は、前記第1分子群と結合する第1プローブを具備し、
前記第2検出素子は、前記第2分子群と結合する第2プローブを具備する、
[11]又は[12]に記載の方法。
[14]
前記第1プローブ及び/又は前記第2プローブは、有機物から構成される[13]に記載の方法。
[15]
前記第1プローブ及び/又は前記第2プローブは、ペプチドから構成される[14]に記載の方法。
[16]
前記第1検出工程は、互に異なる種類の前記第1プローブを備える複数の前記第1検出素子を用いて行われ
前記第2検出工程は、互に異なる種類の前記第2プローブを備える複数の前記第2検出素子を用いて行われ、
前記識別工程は、複数の前記第1検出素子からの測定結果を合わせた1つの第1パターンと、複数の前記第2検出素子からの測定結果を合わせた1つの第2パターンとを用いて前記気体試料の種類を決定することを含む、
[13]~[15]の何れか1項記載の方法。
[17]
前記第1検出素子は、前記第1プローブが表面に固定されたグラフェン膜と、前記グラフェン膜の一端に接続されたソース電極と、前記グラフェン膜の他端に接続されたドレイン電極とを備え、
前記第2検出素子は、前記第1プローブが表面に固定されたグラフェン膜と、前記グラフェン膜の一端に接続されたソース電極と、前記グラフェン膜の他端に接続されたドレイン電極とを備える、
[13]~[16]の何れか1項に記載の方法。
[18]
前記吸着材は、多孔質材料から構成される、[11]~[16]の何れか1項に記載の方法。
[19]
前記吸着材の表面に、ペプチドが付着している、[11]~[17]の何れか1項に記載の方法。
1、100…分子検出装置、
4…検出器、5…識別器、
6…気体試料、7b…第1検出部、7c…吸着部、7d…第2検出部、
9…第1検出素子、10…吸着材、11…第2検出素子、
14…感応膜、15…ソース電極、16…ドレイン電極、17…第1プローブ。

Claims (17)

  1. 気体試料中の第1分子群、及び、前記気体試料中に前記第1分子群よりも高濃度に含有される第2分子群を検出するように構成される第1検出素子を備える第1検出部と、
    前記第2分子群を検出するように構成される第2検出素子を備える第2検出部と、
    前記第1検出部と前記第2検出部との間に設けられた、少なくとも前記第1分子群を選択的に吸着する吸着材を備える吸着部と
    前記第1検出部における測定結果から、前記第2検出部における測定結果を差し引いて得られる演算結果を用いて前記気体試料の種類を決定するように構成される識別器と、
    を備え
    前記気体試料が、前記第1検出部と接触した後、前記吸着部を通過し、前記第2検出部と接触するように構成される、分子検出装置。
  2. 前記第1検出素子は、前記第1分子群と結合する第1プローブを具備し、
    前記第2検出素子は、前記第2分子群と結合する第2プローブを具備する、
    請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1プローブ及び/又は前記第2プローブは、有機物から構成される請求項2に記載の装置。
  4. 前記第1プローブ及び/又は前記第2プローブは、ペプチドから構成される、請求項3に記載の装置。
  5. 前記第1検出部は、互に異なる種類の前記第1プローブを備える複数の前記第1検出素子を備え、
    前記第2検出部は、互に異なる種類の前記第2プローブを備える複数の前記第2検出素子を備え、
    複数の前記第1検出素子からの測定結果を合わせた1つの第1パターンと、複数の前記第2検出素子からの測定結果を合わせた1つの第2パターンとを用いて前記気体試料の種類を決定するように構成される識別器を更に備える、
    請求項2~4の何れか1項に記載の装置。
  6. 前記第1検出素子は、前記第1プローブが表面に固定されたグラフェン膜と、前記グラフェン膜の一端に接続されたソース電極と、前記グラフェン膜の他端に接続されたドレイン電極とを備え、
    前記第2検出素子は、前記第1プローブが表面に固定されたグラフェン膜と、前記グラフェン膜の一端に接続されたソース電極と、前記グラフェン膜の他端に接続されたドレイン電極とを備える、
    請求項2~5の何れか1項に記載の装置。
  7. 前記吸着材は、多孔質材料から構成される、請求項1~6の何れか1項に記載の装置。
  8. 前記吸着材の表面に、ペプチド、並びに、下記式に示す化合物A及び化合物Bが付着している、請求項1~7の何れか1項に記載の装置。
    Figure 0007155185000010
  9. 第1検出素子で、気体試料中の第1分子群を検出する第1検出工程、
    前記気体試料を、少なくとも第1分子群を吸着する吸着材に通過させる吸着工程、
    第2検出素子で、前記吸着工程後の前記気体試料中の、前記第1分子群よりも濃度が高い第2分子群を検出する第2検出工程、及び
    前記第1検出工程及び前記第2検出工程の結果から前記気体試料の種類を決定する識別工程
    を含む、分子検出方法。
  10. 前記識別工程では、前記第1検出工程における測定結果から、前記第2検出工程における測定結果を差し引くことにより得られる演算結果を用いて前記気体試料の種類を決定する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記第1検出素子は、前記第1分子群と結合する第1プローブを具備し、
    前記第2検出素子は、前記第2分子群と結合する第2プローブを具備する、
    請求項9又は10に記載の方法。
  12. 前記第1プローブ及び/又は前記第2プローブは、有機物から構成される請求項11に記載の方法。
  13. 前記第1プローブ及び/又は前記第2プローブは、ペプチドから構成される請求項12に記載の方法。
  14. 前記第1検出工程は、互に異なる種類の前記第1プローブを備える複数の前記第1検出素子を用いて行われ
    前記第2検出工程は、互に異なる種類の前記第2プローブを備える複数の前記第2検出素子を用いて行われ、
    前記識別工程は、複数の前記第1検出素子からの測定結果を合わせた1つの第1パターンと、複数の前記第2検出素子からの測定結果を合わせた1つの第2パターンとを用いて前記気体試料の種類を決定することを含む、
    請求項11~13の何れか1項記載の方法。
  15. 前記第1検出素子は、前記第1プローブが表面に固定されたグラフェン膜と、前記グラフェン膜の一端に接続されたソース電極と、前記グラフェン膜の他端に接続されたドレイン電極とを備え、
    前記第2検出素子は、前記第1プローブが表面に固定されたグラフェン膜と、前記グラフェン膜の一端に接続されたソース電極と、前記グラフェン膜の他端に接続されたドレイン電極とを備える、
    請求項11~14の何れか1項に記載の方法。
  16. 前記吸着材は、多孔質材料から構成される、請求項9~14の何れか1項に記載の方法。
  17. 前記吸着材の表面に、ペプチドが付着している、請求項9~15の何れか1項に記載の方法。
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