JP7154889B2 - 燃料電池モジュール及びこれに使用される流体供給装置 - Google Patents
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Description
このように構成された本発明によれば、改質された燃料ガス及び残余燃料ガスを、管を介して燃料電池セルスタック及び燃焼器に夫々供給することができる。また、このように構成された本発明によれば、燃料電池セルスタックとハウジングが管を介して接続されるので、ユニオンやフランジを管に設けることにより、燃料電池セルスタックとハウジングを容易に着脱することが可能になる。
このように構成された本発明によれば、燃料電池セルスタックとハウジングの間の空間に断熱材が配置されているので、燃料電池セルスタックとハウジングの間で直接伝わる熱を更に低減することができる。これにより、ハウジング内の改質器、燃焼器等の配置変更等が、燃料電池セルスタックの温度分布に与える影響を更に低減することができる。
このように構成された本発明によれば、燃料電池セルスタックがハウジングの1つの面に対向するように配置されているので、ハウジングから燃料電池セルスタックに熱が直接伝わったとしても、燃料電池セルスタックに温度ムラが発生しにくく、ハウジングから受ける熱による悪影響を更に軽減することができる。
このように構成された本発明によれば、燃料電池セルスタックとハウジングとの間が完全に断熱材によって熱的に分離されているため、この断熱材を貫通する各通路を通過するガスによる熱の流入を除いては、熱伝達や輻射を高水準に遮断することができる。
このように構成された本発明によれば、燃料電池セルスタックとハウジングが、鉛直方向に並べて配置されているので、断熱材を通してハウジング内の熱が漏れた場合であっても、燃料電池セルスタックの一側のみが加熱されることがなく、燃料電池セルスタックの温度分布をより均一化することができる。
一般に、燃料電池セルスタックは改質器や燃焼器を収容したハウジングよりも重量が大きい。上記のように構成された本発明によれば、ハウジングが燃料電池セルスタックの上方に並べて配置されているので、ハウジングの上方に燃料電池セルスタックを並べて配置した場合に比べ、燃料電池モジュールの安定性が良く、また、上方のハウジングを容易に支持することができる。
このように構成された本発明によれば、燃料供給通路と燃料排出通路が燃料電池セルスタックとハウジングの間に挟まれた空間内に延びているので、占有床面積を広げることなく、燃料供給通路及び燃料排出通路を設けることができる。また、燃料供給通路や、燃料排出通路を接続すべき位置が、上面視において燃料電池セルスタック側とハウジング側で異なっている場合でも、それらの間の空間内で通路を湾曲又は屈曲させることにより、通路を接続することができる。このため、単一のハウジングに対し、寸法、形状の異なる種々の燃料電池セルスタックを接続することが可能になる。
一般に平板型セルスタックは、それ自体が密閉構造を有し、燃料ガスが流れる流路が内部に形成されているので、この流路と各通路を接続するだけで、ハウジングとの間で簡単に流体を供給したり、排出したりすることができる。これにより、燃料電池モジュールの構造をシンプルにすることができる。
図1は本発明の実施形態による燃料電池モジュール全体の概略構成を示す図である。
図1に示すように、本発明の実施形態による燃料電池モジュール1は、発電反応を行う燃料電池セルスタック2と、この燃料電池セルスタック2に、原燃料ガスを改質した燃料ガス、及び加熱した酸化剤ガスである空気を供給する流体供給装置4と、を有する。
なお、図1においては、断熱材8はひとつづきのものとして記載しているが、複数の断熱材で構成されるものであってもよい。例えば、燃料電池セルスタック2及びハウジング6を包囲する断熱材と、燃料電池セルスタック2とハウジング6との間に設ける断熱材とは、異なる断熱材であってもよい。
さらに断熱材は、異なる断熱性能を有する部材を複数組み合わせて用いてもよく、重ねあわせや配置方法は、適宜要求される仕様に応じて設計することができる。
また、燃料電池セルスタック2とハウジング6との間に設ける断熱材は、必ずしも燃料電池セルスタック2とハウジング6との間を完全に覆うものでなくてもよく、少なくとも必要に応じて部分的に配置することで効果を奏するものである。
図2は本発明の実施例による燃料電池モジュール全体を示す斜視図である。図3は、本発明の実施例による燃料電池モジュールの全断面図である。図4は、図3におけるIV-IV線に沿う断面図であり、図5は、図3におけるV-V線に沿う断面図であり、図6は、図3におけるVI-VI線に沿う断面図である。なお、図2においては、燃料電池セルスタック等を包囲する断熱材を省略して示している。
図2に示すように、本発明の実施例による燃料電池モジュール1は、発電反応を行う燃料電池セルスタック2と、この燃料電池セルスタック2に原燃料ガスを改質した燃料ガス、及び加熱した酸化剤ガスである空気を供給する流体供給装置4と、を有する。また、流体供給装置4は、蒸発器4a及び改質・加熱器4bから構成されている。蒸発器4aは、供給された水を蒸発させて水蒸気を生成すると共に、この水蒸気を原燃料ガスと混合するように構成されており、改質・加熱器4bは蒸発器4aから供給された混合ガスを水蒸気改質して、水素を含む燃料ガスを生成し、燃料電池セルスタック2に供給するように構成されている。
図2及び図3に示すように、本実施例においては、燃料電池セルスタック2は平板型セルスタックであり、複数の長方形の平板型燃料電池セル2aを積層して構成されている。即ち、各燃料電池セル2aは、酸化物イオン導電体で構成された平板状の電解質の両面に、燃料極及び空気極(酸化剤ガス極)の電極を夫々設けることにより構成され、各燃料電池セル2aの間にはセパレータが配置されている(以上、図示せず)。また、積層された複数の燃料電池セル2aの上端にはトップエンドプレート10aが配置され、下端にはボトムエンドプレート10bが配置されている。このように複数の燃料電池セル2aを積層して得られた燃料電池セルスタック2の内部には、各燃料電池セル2aに燃料ガスを供給するための燃料ガス供給通路(図示せず)と、酸化剤ガスである空気を供給するための酸化剤ガス供給通路(図示せず)が形成されている。また、燃料電池セルスタック2の上部及び底部からは、発電された電力を取り出すための2本のバスバー2bが夫々延びている。
次に、図2及び図3を参照して、蒸発器4aの構造を説明する。図2に示すように蒸発器4aには、水を供給するための水供給用配管20と、原燃料ガスを供給するための原燃料ガス供給配管22と、排気ガスを排出するための排気ガス排出管24が接続されている。また、改質・加熱器4bのハウジング6と、その外部の蒸発器4aとは配管により接続されており、この配管は改質・加熱器4bから蒸発器4aへ排気ガスを供給する排気ガス配管26と、この内側に配置された混合ガス導管28の二重管構造となっている(図3)。混合ガス導管28は、蒸発器4a内で生成された水蒸気と、蒸発器4aに供給された原燃料ガスを混合した混合器を改質・加熱器4b内に導入するように構成されている。また、蒸発器4aの側面周囲三辺には、蒸発器4aを補助的に加熱するための電気ヒータ29が巻回されている。
次に、図2乃至図6を参照して、改質・加熱器4bの構造を説明する。
図2に示すように、改質・加熱器4bは、金属製のハウジング6によって囲まれた直方体状の箱形に形成されており、その上面には発電用の酸化剤ガスである空気を供給するための空気供給パイプ32が接続されている。また、上述したように、ハウジング6の上面には排気ガス配管26と混合ガス導管28の二重管(図3)、底面には、燃料供給通路12、燃料排出通路14、酸化剤ガス供給通路16、及び酸化剤ガス排出通路18が接続されている。また、ハウジング6の一方の側面には、点火用のセラミックヒータ34が取り付けられている。
図3に示すように、改質・加熱器4bを形成するハウジング6の内部には、改質器36と、燃焼器38を収容する密閉空間が形成されている。
残余燃料ガスマニホルド38aは、ハウジング6の一端部の底壁面に取り付けられた箱形の部材であり、ハウジング6の底壁面に接続された燃料排出通路14からの残余燃料ガスが内部に流入するように構成されている。
次に、図3及び図4を参照して、改質・加熱器4bに備えられた酸化剤ガス熱交換器を説明する。
図3及び図4に示すように、ハウジング6はその壁面の一部が二重壁構造に構成されており、この二重壁の内側に発電用の空気を流すことにより、燃焼器38が生成した燃焼ガスで内部を流れる空気を加熱している。即ち、ハウジング6の上面の一部、長手方向の側壁面の一部、及び底壁面の一部は、内壁板6aと、外壁板6bの二枚の金属板から形成されている。これら内壁板6aと外壁板6bの間には、伝熱用のフィン40が配置されており、内壁板6aの熱が内壁板6aと外壁板6bの間の空間に効率良く伝わるようになっている。従って、内壁板6a、外壁板6b、及び伝熱用のフィン40は、供給された酸化剤ガスである空気を、燃焼器38によって生成された燃焼ガスにより加熱して燃料電池セルスタック2に供給する酸化剤ガス熱交換器として機能する。
次に、本発明の実施例による燃料電池モジュール1の作用を説明する。
まず、燃料電池モジュール1の起動時においては、原燃料ガス供給配管22を介して流体供給装置4の蒸発器4aに原燃料ガスが供給されると共に、空気供給パイプ32を介して発電用の空気が流体供給装置4の改質・加熱器4bに供給される。図3に示すように、供給された原燃料ガスは、蒸発器4aの蒸発室30a、混合室30bを通って混合ガス導管28に流入し、さらに、改質・加熱器4bの改質器36の中に流入する。なお、燃料電池モジュール1の起動初期においては、改質器36の温度が低いため、原燃料ガスを改質する反応は発生しない。改質器36に流入した原燃料ガスは、燃料供給通路12(図5)を通って燃料電池セルスタック2の内部に流入する。
本発明の実施形態の燃料電池モジュール1によれば、燃料電池セルスタック2が金属製のハウジング6とは独立して、ハウジング6の外部に配置されている(図2)。このため、燃料電池セルスタック2は、実質的に、燃料電池セルスタック2とハウジング6の間を流れる流体を介してのみ熱を受ける。このため、燃焼器38等から放射される輻射熱等に基づいて燃料電池セルスタック2に温度ムラが発生することがない。また、燃料電池セルスタック2は、実質的に、流体を介してのみ加熱されるので、燃料電池セルスタック2の温度分布は供給する流体の温度及び流量によって規定され、ハウジング6内の改質器36、燃焼器38等の配置変更等により、燃料電池セルスタック2の温度分布が影響を受けることはない。このため、燃料電池セルスタック2と、ハウジング6内の改質器36、燃焼器等38を独立して設計することが可能になり、改質器36、燃焼器38等の設計の自由度を広げることができる。また、改質器36、燃焼器38等を収容したハウジング6が燃料電池セルスタック2とは独立しているので、1機種のハウジングを汎用的に種々の燃料電池セルスタックと組み合わせて使用することができ、量産により製造コストを下げることができる。
さらに、上述した本実施形態の燃料電池モジュール1においては、燃料供給通路12及び燃料排出通路14は、燃料電池セルスタック2とハウジング6の間の空間内に延びているが、これらの通路の何れか一方は燃料電池セルスタック2又はハウジング6の側面から延びていてもよい。また、燃料供給通路12及び燃料排出通路14は、ハウジング6の一側、又は一面から延びていてもよい。
2 燃料電池セルスタック
2a 燃料電池セル
2b バスバー
4 流体供給装置
4a 蒸発器
4b 改質・加熱器
6 ハウジング
6a 内壁板
6b 外壁板
8 断熱材
10a トップエンドプレート
10b ボトムエンドプレート
12 燃料供給通路
14 燃料排出通路
16 酸化剤ガス供給通路
18 酸化剤ガス排出通路
20 水供給用配管
22 原燃料ガス供給配管
24 排気ガス排出管
26 排気ガス配管
28 混合ガス導管
29 電気ヒータ
30a 蒸発室
30b 混合室
30c 排気ガス室
30d 通路
30e フィン
32 空気供給パイプ
34 セラミックヒータ
36 改質器
36a 改質触媒
38 燃焼器
38a 残余燃料ガスマニホルド
38b 残余燃料ガス分配管
38c 残余空気分散板
40 フィン
Claims (16)
- 供給された燃料ガスと酸化剤ガスを反応させることにより発電する燃料電池モジュールであって、
複数の燃料電池セルを備えた燃料電池セルスタックと、
原燃料ガスを改質して、水素を含む燃料ガスを生成し、上記燃料電池セルスタックに供給する改質器と、
上記燃料電池セルスタックにおいて発電に使用されずに残った残余燃料ガスを燃焼させ、上記改質器を加熱する燃焼器と、
上記改質器及び上記燃焼器を収容する空間が内部に形成されたハウジングと、
を有し、
上記ハウジングの下面には、発電に使用する酸化剤ガスを加熱するための熱交換器が設けられ、
上記燃料電池セルスタックは上記ハウジングとは独立して、上記ハウジングの外部に配置されていることを特徴とする燃料電池モジュール。 - 上記燃料電池セルスタックは上記ハウジングから離間して設けられている請求項1記載の燃料電池モジュール。
- 上記燃料電池セルスタックと上記ハウジングは、上記改質器において改質された燃料ガスを上記燃料電池セルスタックに供給する燃料供給通路、及び上記燃料電池セルスタックにおいて発電に使用されずに残った上記残余燃料ガスを上記燃焼器に排出する燃料排出通路によって接続されている請求項1又は2に記載の燃料電池モジュール。
- 上記燃料供給通路及び上記燃料排出通路は、管で構成されている請求項3記載の燃料電池モジュール。
- 上記燃料電池セルスタックと上記ハウジングの間の空間には、上記燃料電池セルスタックを上記ハウジングから熱的に隔離する断熱材が配置されている請求項2乃至4の何れか1項に記載の燃料電池モジュール。
- 上記燃料電池セルスタックは、上記ハウジングの1つの面に対向するように配置されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の燃料電池モジュール。
- 上記燃料電池セルスタックと上記ハウジングの間の空間には、上記燃料電池セルスタックを上記ハウジングから熱的に隔離する断熱材が配置され、
上記断熱材は上記燃料電池セルスタック及び上記ハウジングを夫々包囲するように設けられ、
上記燃料供給通路及び上記燃料排出通路は、上記断熱材を貫通して、上記燃料電池セルスタックと上記ハウジングの間に延びている請求項3記載の燃料電池モジュール。 - 上記燃料電池セルスタックと上記ハウジングは、鉛直方向に並べて配置されている請求項1乃至7の何れか1項に記載の燃料電池モジュール。
- 上記ハウジングは、上記燃料電池セルスタックの上方に配置されている請求項8記載の燃料電池モジュール。
- 上記燃料供給通路及び上記燃料排出通路は、並べて配置された上記燃料電池セルスタックと上記ハウジングの間に挟まれた空間内に延びている請求項3又は4に記載の燃料電池モジュール。
- さらに、酸化剤ガスを上記燃料電池セルスタックに供給する酸化剤ガス供給通路と、上記燃料電池セルスタックにおいて発電に使用されずに残った酸化剤ガスを上記ハウジングに排出する酸化剤ガス排出通路と、を有し、上記ハウジングは、上記燃料電池セルスタックに対し、上記燃料供給通路、上記燃料排出通路、上記酸化剤ガス供給通路、及び上記酸化剤ガス排出通路のみによって連結されている請求項3又は4に記載の燃料電池モジュール。
- 上記燃料供給通路、上記燃料排出通路、上記酸化剤ガス供給通路、及び上記酸化剤ガス排出通路の少なくとも1つは、上記ハウジング又は上記燃料電池セルスタックに対し、取り外し可能に連結されている請求項11記載の燃料電池モジュール。
- 上記燃料電池セルスタックは、複数の平板型燃料電池セルを積層して構成された平板型セルスタックである請求項1乃至12の何れか1項に記載の燃料電池モジュール。
- 原燃料ガスを改質した燃料ガス及び加熱された発電用の酸化剤ガスを燃料電池セルスタックに供給するための流体供給装置であって、
原燃料ガスを改質して、水素を含む燃料ガスを生成する改質器と、
上記燃料電池セルスタックにおいて発電に使用されずに残った残余燃料ガスを燃焼させ、上記改質器を加熱する燃焼器と、
上記改質器及び上記燃焼器を収容する密閉空間が内部に形成されたハウジングと、
上記燃料電池セルスタックを上記ハウジングから熱的に隔離する断熱材と、を有し、
上記ハウジングの下面には、発電に使用する酸化剤ガスを加熱するための熱交換器が設けられ、
上記改質器によって生成された燃料ガスは、上記断熱材を超えて延びる燃料供給通路を介して上記燃料電池セルスタックに供給されると共に、上記残余燃料ガスは上記断熱材を超えて延びる燃料排出通路を介して上記ハウジングに排出されることを特徴とする流体供給装置。 - 上記燃料供給通路及び上記燃料排出通路は、上記ハウジングの一側に接続されている請求項14に記載の流体供給装置。
- さらに、上記ハウジングから排出される排気ガスの熱により、原燃料ガスの水蒸気改質に使用する水蒸気を生成する蒸発器を有し、この蒸発器は、上記ハウジングの外部に配置されると共に、断熱材により包囲されている請求項1記載の燃料電池モジュール。
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