JP7153865B2 - 無線通信システム、無線通信装置および指向性決定方法 - Google Patents

無線通信システム、無線通信装置および指向性決定方法 Download PDF

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Description

本開示は、高周波を用いた無線通信装置同士の送受信に係る指向性を決定する無線通信システム、無線通信装置および指向性決定方法に関する。
5G(第5世代移動通信システム)への割り当てが検討されている高周波数帯(例えば6~30GHzの高SHF(Super High Frequency)帯、30~300GHzのEHF(Extremely High Frequency)帯。以下同様。)では、電波伝搬損失が大きいために無線通信装置同士の伝送距離が短く限定される。この制約を緩和するため、送信、受信あるいは送受信に電波の指向性を取り入れたビームフォーミング技術(つまり、送信BF(Beam Forming)、受信BFあるいは送受信BFに係る指向性の形成技術)の適用が常套手段となっている。これにより、無線通信装置同士の送受信間のリンクバジェット(つまり、送信点と受信点との間の経路であるリンクにおける許容電波伝搬損失)を大きく確保することが期待される。
例えば非特許文献1では、送受信BFの指向性を形成するために、次の従来手法が無線送信機と無線受信機との間で実行されることが開示されている。
具体的には、第1のステップとして、無線送信機は、短時間に送信時の指向性(つまり、送信指向性)を複数通りにスキャンしながら信号を送信する。無線受信機は、オムニ受信(つまり、無指向性で受信)し、最も受信電力レベルの大きい送信指向性を決定して送信機に報告する。
次に、第2のステップとして、無線送信機は、報告された送信指向性を形成して信号を送信する。無線受信機は、短時間に指向性(つまり、受信指向性)を複数通りにスキャンしながら信号を受信する。無線受信機は、最も受信電力レベルの大きい受信指向性を決定する。
次に、第3のステップとして、無線送信機と無線受信機とは、それぞれ決定された送信指向性および受信指向性を形成してデータ送信およびデータ受信をそれぞれ実行する。
Ehab Mahmoud Mohamed, et. al., ‘Millimeter Wave Beamforming Based on WiFi Fingerprinting in Indoor Environment’, 2015 IEEE International Conference on Communication Workshop (ICCW), June, 2015
上述した第1~第3のステップを用いた無線リンク(つまり、送信点と受信点との間の無線通信の経路)の確立手法によれば、受信時の信号成分(Signal)の最大化が図れる。従って、1リンクだけが存在している場合には、このリンクのリンクバジェットが大きくとれるので、伝送距離の増大を図ることが可能となる。
しかし、近傍内に複数の無線リンクが高密度に存在し、かつ上述したミリ波等のようにキャリア周波数としての同一周波数を用いて無線リンクを確立する場合、他の無線リンクにおける信号成分が自己の無線リンクにおいて干渉成分(Interference)として受信されることがある。このため、上述した第1~第3のステップからなる従来手法では、自己の無線リンクにおいて受信された信号成分の最大値を用いて送受信BFの指向性が決定されても、その決定された送受信BFの指向性が自己の無線リンクにおいて必ずしも良好な通信品質を担保できるわけではないという課題があった。
ここで、上述した従来手法における課題の具体例を、図14を参照して詳述する。図14は、従来技術の課題の説明図である。
図14に示すように、近距離以内に計6台の無線送信機TXz1,TXz2,TXz3および無線受信機RXz1,RXz2,RXz3が位置している。無線送信機TXz1と無線受信機RXz1とは、それぞれ上述した第1~第3のステップからなる従来手法を用いて送信指向性TXBFz1および受信指向性RXBFz1を決定して形成し、データの送受信を行っている。同様に、無線送信機TXz2と無線受信機RXz2とは、それぞれ上述した第1~第3のステップからなる従来手法を用いて送信指向性TXBFz2および受信指向性RXBFz2を決定して形成し、データの送受信を行っている。同様に、無線送信機TXz3と無線受信機RXz3とは、それぞれ上述した第1~第3のステップからなる従来手法を用いて送信指向性TXBFz3および受信指向性RXBFz3を決定して形成し、データの送受信を行っている。
ところが、無線送信機TXz3から無線受信機RXz3に送信される信号成分は無線受信機RXz1にとっては干渉成分となる。言い換えると、送信指向性TXBFz3が形成された状態で無線送信機TXz3から信号が送信されると、無線受信機RXz3においても受信されるが、無線受信機RXz3の近くに位置する他の無線受信機(例えば無線受信機RXz1)が受信指向性RXBFz1を形成しているために受信されてしまう。無線受信機RXz1は、同じ無線リンクを形成する無線送信機TXz1からの信号を信号成分として受信するが、他の無線リンクの無線送信機TXz3からの信号を干渉信号として受信することになる。
このため、無線送信機TXz3と無線受信機RXz3とからなる無線リンクの指向性を決定する際に、物理的に近い距離内に位置する他の無線リンク(例えば無線送信機TXz1と無線受信機RXz1とからなる無線リンク)の影響も加味しなければ、無線受信機RXz1にとっては干渉信号の受信電力レベルが大きくなり、適切な指向性の形成が困難となってしまう。
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、高周波数帯の同一周波数を用いる複数の異なる無線リンクが近傍内に位置する場合でも、それぞれの無線リンクにおける送信側および受信側の送受信に係る指向性を適応的に決定し、他の無線リンクからの干渉の影響を許容レベル未満に低減して通信品質の劣化を抑制する無線通信システム、無線通信装置および指向性決定方法を提供することを目的とする。
本開示は、無線送信機と無線受信機とが通信可能に接続される無線通信システムであって、前記無線受信機は、前記無線送信機からの信号の送信が無い間にM(M:2以上の整数)通りの受信指向性をスキャンしながら受信パラメータを測定して第1測定結果を保持し、前記無線送信機は、L(L:2以上の整数)通りの送信指向性をスキャンしながら前記無線受信機に信号を送信し、前記無線受信機は、前記L通りの送信指向性のそれぞれごとに送信される信号の受信に係る受信パラメータを測定し、受信パラメータの大きい上位k(k:既定の整数値、1<k<L)個の測定結果のそれぞれに対応するk個の送信指向性を決定して前記無線送信機に報告し、前記無線送信機は、前記k個の送信指向性のうちいずれかを形成して前記無線受信機に信号を送信し、前記無線受信機は、前記M通りの受信指向性をスキャンしながら前記無線送信機から送信される信号の受信に係る受信パラメータを測定して第2測定結果を保持し、前記第1測定結果および前記第2測定結果に基づいて、前記M通りの受信指向性からデータ通信に用いる受信指向性を決定する、無線通信システムを提供する。
また、本開示は、無線送信機との間で通信可能に接続される無線通信装置であって、前記無線送信機から送信される信号を受信する受信アンテナ部と、前記受信アンテナ部におけるM(M:2以上の整数)通りの受信指向性をスキャン可能に設定する設定部と、前記無線送信機からの信号の送信が無い間に、前記M通りの受信指向性のそれぞれにおいて受信パラメータを測定する測定部と、前記受信パラメータの第1測定結果を記憶するメモリと、前記無線送信機からL(L:2以上の整数)通りの送信指向性をスキャンしながら送信される信号の受信に係る受信パラメータの測定結果に基づいて、受信パラメータの大きい上位k(k:既定の整数値、1<k<L)個の測定結果のそれぞれに対応するk個の送信指向性を決定する受信制御部と、を備え、前記測定部は、前記M通りの受信指向性がスキャンされながら、前記無線送信機から前記k個の送信指向性のうちいずれかにおいて送信される信号の受信に係る受信パラメータを測定し、前記受信パラメータの第2測定結果を前記メモリに記憶し、前記受信制御部は、前記第1測定結果および前記第2測定結果に基づいて、前記M通りの受信指向性からデータ通信に用いる受信指向性を決定する、無線通信装置を提供する。
また、本開示は、無線送信機と無線受信機とが通信可能に接続される無線通信システムにおける指向性決定方法であって、前記無線受信機は、前記無線送信機からの信号の送信が無い間にM(M:2以上の整数)通りの受信指向性をスキャンしながら受信パラメータを測定して第1測定結果を保持し、前記無線送信機は、L(L:2以上の整数)通りの送信指向性をスキャンしながら前記無線受信機に信号を送信し、前記無線受信機は、前記L通りの送信指向性のそれぞれごとに送信される信号の受信に係る受信パラメータを測定し、受信パラメータの大きい上位k(k:既定の整数値、1<k<L)個の測定結果のそれぞれに対応するk個の送信指向性を決定して前記無線送信機に報告し、前記無線送信機は、前記k個の送信指向性のうちいずれかを形成して前記無線受信機に信号を送信し、前記無線受信機は、前記M通りの受信指向性をスキャンしながら前記無線送信機から送信される信号の受信に係る受信パラメータを測定して第2測定結果を保持し、前記第1測定結果および前記第2測定結果に基づいて、前記M通りの受信指向性からデータ通信に用いる受信指向性を決定する、指向性決定方法を提供する。
本開示によれば、高周波数帯の同一周波数を用いる複数の異なる無線リンクが近傍内に位置する場合でも、それぞれの無線リンクにおける送信側および受信側の送受信に係る指向性を適応的に決定でき、他の無線リンクからの干渉の影響を許容レベル未満に低減して通信品質の劣化を抑制できる。
実施の形態1に係る無線通信システムが配置される工場内のレイアウト例を示す模式図 実施の形態1に係る無線送信機ならびに無線受信機の内部構成例を示すブロック図 データ送受信に先立つ指向性決定期間の一例を示す図 送信指向性のスキャンに対応するSINRの測定結果を示すテーブルを示す図 受信指向性のスキャンに対応するSINRの測定結果を示すテーブルを示す図 実施の形態1に係る無線通信システムの第1ユースケースにおける動作手順例を示すフローチャート 無線送信機の電波放射が無い場合の、受信指向性のスキャンに対応する受信電力レベルの測定結果を示すテーブルを示す図 無線受信機がオムニ受信する場合の、送信指向性のスキャンに対応する受信電力レベルの測定結果を示すテーブルを示す図 i(=1~k)ごとの、受信指向性のスキャンに対応する受信電力レベルの測定結果を示すテーブルを示す図 i(=1~k)ごとの、受信指向性のスキャンに対応するSINRの計算結果を示すテーブルを示す図 実施の形態1に係る無線通信システムの第2ユースケースにおける動作手順例を示すフローチャート 実施の形態1に係る無線通信システムの他の配置例を示す模式図 実施の形態1に係る無線通信システムの他の配置例を示す模式図 従来技術の課題の説明図
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る無線通信システム、無線通信装置および指向性決定方法の構成および作用を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
図1は、実施の形態1に係る無線通信システム100が配置される工場内WL1のレイアウト例を示す模式図である。実施の形態1では、無線通信システム100は工場内WL1等の物理的に狭域な通信エリア内に配置されるとして説明するが、前述した通信エリア内に配置されるのであれば工場内WL1に限定されない。なお、通信エリアは、一定数の基地局が置局可能な空間容積を有する場所(例えば、工場、交差点、工事現場、野球場あるいはサッカー場等のスタジアム、国際会議場等の大会議室)であればよい。
無線通信システム100は、複数の通信端末UE1,UE2,UE3,UE4,UE5,UE6と、基地局BS1,BS2、BS3,BS4と、を含む構成である。複数の通信端末UE1~UE6と、基地局BS1~BS4とは、工場内WL1の比較的近い位置(近傍内)に高密度に配置される。
通信端末UE1~UE6は、それぞれの自端末の位置(例えば、座標(X1,Y1,Z1))に応じて、基地局BS1~BS4のうちいずれかとの間で、無線通信回線を介して適応的に接続される。
無線通信システム100は、通信端末UE1~UE6のそれぞれと基地局BS1~BS4のそれぞれとが同一の無線規格方式に準拠した無線通信をそれぞれ実行可能なネットワークを構成する。通信端末UE1~UE6のそれぞれは、基地局BS1~BS4のうちいずれかとの間での通信試行が成功した場合にその基地局との間で無線通信を開始する。
以下、無線通信システム100における無線通信に用いられる無線規格方式として、高周波数帯(例えば、5G(第5世代移動通信システム)での使用が検討されている28GHz帯、またはミリ波(つまり、30GHz~300GHz帯))を例示して説明する。つまり、電波伝搬損失が大きいために無線通信装置同士の伝送距離が短く限定されるような無線通信規格(例えば、WiGig(登録商標))を例示する。
図1に示されるように、無線送信機の一例としての通信端末UE1,UE2は、無線受信機の一例としての基地局BS1との間で無線通信を行う。言い換えると、通信端末UE1と基地局BS1とは一つの無線リンクを形成し、同様に、通信端末UE2と基地局BS1とは他の一つの無線リンクを形成する。
また、無線送信機の一例としての通信端末UE3は、無線受信機の一例としての基地局BS2との間で無線通信を行う。言い換えると、通信端末UE3と基地局BS2とは一つの無線リンクを形成する。
また、無線送信機の一例としての通信端末UE4は、無線受信機の一例としての基地局BS3との間で無線通信を行う。言い換えると、通信端末UE4と基地局BS3とは一つの無線リンクを形成する。
また、無線送信機の一例としての通信端末UE5,UE6は、無線受信機の一例としての基地局BS4との間で無線通信を行う。言い換えると、通信端末UE5と基地局BS4とは一つの無線リンクを形成し、同様に、通信端末UE6と基地局BS4とは他の一つの無線リンクを形成する。
実施の形態1に係る無線通信システム100では、比較的狭域(狭いエリア)内に複数の無線リンクが高密度に形成される。信号成分(Signal)の受信電力レベルを最大にするように送信指向性および受信指向性を決定する方法では(従来手法参照)、近傍内に高密度に配置された他の無線リンクからの干渉成分も受信する可能性があり、この場合には自己の無線リンクにおいては信号対干渉雑音比(SINR:Signal to Interference plus Noise Ratio)が低く留まる確率が高くなる。
例えば、図1では通信端末UE1と基地局BS1との間の無線リンクでは、直接波の通信経路(破線参照)に沿うように送信指向性および受信指向性が選ばれると、通信端末UE6と基地局BS4との間の無線リンクとの間で強い干渉が発生する。これは、基地局BS4から通信端末UE6に向けて送信した信号が基地局BS1においては干渉信号として受信されてしまい、基地局BS1におけるSINRが劣化するためである。
同様に、通信端末UE4と基地局BS3との間の無線リンクでは、直接波の通信経路(破線参照)に沿うように送信指向性および受信指向性が選ばれると、通信端末UE3と基地局BS2との間の無線リンクとの間で強い干渉が発生する。これは、通信端末UE4から基地局BS3に向けて送信した信号が基地局BS2においては干渉信号として受信されてしまい、基地局BS2におけるSINRが劣化するためである。
このように、物理的に狭域な通信エリア(例えば工場内WL1)に高密度に複数の無線リンクが形成されると(図1参照)、受信信号レベルを最大にするように送信指向性および受信指向性を決定する従来手法では、他の無線リンクからの信号(つまり、自己の無線リンクにとっては干渉信号)の影響を受けて、送信指向性および受信指向性が適応的に決定できずに、良好な無線通信が困難となってしまう。
そこで、実施の形態1に係る無線通信システム100によれば、図1に示す工場内WL1では、壁あるいは天井が存在することも加味し、個々の無線リンクにおいてSINRを最大にするように送信指向性および受信指向性を決定するので、直接波の通信経路よりも壁あるいは天井を介した反射経路の方を採用した通信経路を使用するように、送信指向性および受信指向性を決定する。これにより、それぞれの無線リンクにおいて、他の無線リンクからの干渉成分の影響を抑制してSINRが最大となるように送信指向性および受信指向性が形成されるので、良好な通信が可能となる。
無線通信システム100により構成されるネットワークは、C/U分離型のネットワークでなくてもよいし、C/U分離型のネットワークであってもよい。実施の形態1では、C/U分離型ではないネットワークを例示する。つまり、無線通信システム100では、制御データの通信とユーザデータの通信とが同じ基地局により実施される。
基地局BS1~BS4のそれぞれは、上述した28GHz帯またはミリ波に基づく高速なスループットを提供可能なスモールセル基地局であり、高密度に置局される(図1参照)。通信端末UE1~UE6のそれぞれは、基地局BS1~BS4のいずれとの間においても、制御データを通信し、ユーザデータを通信する。制御データは、C(Control)-planeに係るデータを含む。ユーザデータは、U(User)-planeに係るデータを含む。ユーザデータは、例えば画像データ(例えば動画、静止画)、音声データを含み、データ量の多いデータを含み得る。
C-planeは、無線通信における呼接続および無線資源割当の制御データを通信するための通信プロトコルである。U-planeは、通信端末と基地局との間で、割り当てられた無線資源を使用して実際に通信(例えば映像通信、音声通信、データ通信)するための通信プロトコルである。
基地局BS1~BS4のそれぞれのセル半径は、例えば10m~50mであり、マクロセルに比べて比較的小さい。基地局BS1~BS4のそれぞれが採用可能な無線アクセス技術は、多様であり、複数種類存在してよい。それぞれの基地局の通信可能範囲は、例えば基地局の位置とセル半径に応じて定まり、全ての基地局BS1~BS4の通信可能範囲は同一面積でもよいし異なる面積でもよい。
通信端末UE1~UE6および基地局BS1~BS4は、それぞれが採用可能な無線アクセス技術(例えば、無線通信規格および無線周波数)に準拠してもよいが、本開示に係る無線通信システムの特徴およびその特徴に基づく効果が大きく発揮されるのは、それぞれの無線リンクが同一の周波数帯域を使用し、またビームフォーミングを適用する無線通信方式規格の場合である。このため、以降の説明では、無線アクセス技術は高周波数帯域を活用して送信ビームフォーミングおよび受信ビームフォーミングをともに適用することが想定されている5G(第5世代移動通信方式)を例示して説明する。
図2は、実施の形態1に係る無線送信機10ならびに無線受信機20の内部構成例を詳細に示すブロック図である。実施の形態1の説明を分かり易くするために、無線送信機10は通信端末UE1~UE6のそれぞれ(図1参照)に対応し、無線受信機20は基地局BS1~BS4のそれぞれ(図1参照)に対応するとして説明するが、反対でもよい。つまり、無線送信機10は基地局BS1~BS4のそれぞれ(図1参照)に対応し、無線受信機20は通信端末UE1~UE6のそれぞれ(図1参照)に対応してもよい。
無線送信機10は、送信部TX1と、メモリM1と、受信部RX1とを主に含む構成である。無線送信機10は、例えば工場内WL1において基地局BS1~BS4のうちいずれかとの間で無線通信可能な通信端末であり、具体的には、ユーザにより携帯されるスマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、または据置型のセンサあるいは監視カメラ等のIoT(Interest of Things)機器等である。
送信部TX1は、送信デジタルベースバンド処理部1と、送信シーケンス制御部2と、送信指向性設定部3と、L(L:2以上の整数)個の送信無線部51,…,5Lと、指向性送信アンテナ部8とを有する。受信部RX1は、受信シーケンス制御部4と、受信デジタルベースバンド処理部9とを少なくとも有する。
無線送信機10は、例えばCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)あるいはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成されるプロセッサ(図示略)を内蔵する。送信デジタルベースバンド処理部1と、送信シーケンス制御部2と、送信指向性設定部3と、受信シーケンス制御部4と、受信デジタルベースバンド処理部9とは、例えばこのプロセッサがメモリM1と協働することで機能的な構成として実現可能である。
送信デジタルベースバンド処理部1は、無線送信機10において実行されるアプリケーション等の送信データ生成部(図示略)から送信データを入力する。送信デジタルベースバンド処理部1は、送信シーケンス制御部2からの制御信号に従い、その送信データに対してベースバンド帯域での各種の信号処理(いわゆるベースバンド信号処理)を施してベースバンド帯域の送信信号を生成する。送信部TX1でのベースバンド処理は、例えば、符号化処理、デジタル信号をアナログ信号に変換するためのDA(Digital Analog)変換、MCS(Modulation Coding Scheme)に従った送信データの変調処理を含む。送信デジタルベースバンド処理部1は、信号処理後の送信信号をL個の送信無線部51~5Lにそれぞれ出力する。
送信シーケンス制御部2は、上述したミリ波等の高周波数帯を用いた無線通信のデータ送信周期FRM(図3参照)ごとに、データ送信周期FRMの先頭の約1ミリ秒程度の指向性決定期間F1において実行される通信シーケンスの実行を受信シーケンス制御部4と協働しながら制御する。通信シーケンスとは、前述の指向性決定期間F1の間に、無線送信機10と無線受信機20とからなる無線リンクにおいてデータ通信のために形成されるビームフォーミングに係る送信指向性および受信指向性を決定するための一連の動作手順である。
送信指向性設定部3は、送信シーケンス制御部2からの制御信号に従い、ビームフォーミングに係る送信指向性を指向性送信アンテナ部8に形成させる。具体的には、送信指向性設定部3は、送信シーケンス制御部2からの制御信号において指定される送信指向性に対応するそれぞれの可変移相器ごとの移相量を導出し、それぞれの可変移相器ごとに導出された移相量を対応する可変移相器に設定させる。
L(L:2以上の整数)個の送信無線部51,…,5Lのそれぞれは、同様に動作するものであり、送信デジタルベースバンド処理部1からの送信信号を入力する。L個の送信無線部51~5Lのそれぞれは、上述したミリ波等の高周波数帯の送信RF(Radio Frequency)信号に変換して無線通信規格に対応した送信電力の最大レベルを超えない所定レベルまで送信電力の増幅処理を施す。例えば送信無線部51は、送信電力が増幅処理された後の送信RF信号を、送信無線部51に対応するt個の可変移相器6t11~6t1tのそれぞれに送る。同様に、送信無線部5Lは、送信電力が増幅処理された後の送信RF信号を、送信無線部5Lに対応するt個の可変移相器6tL1~6tLtのそれぞれに出力する。
指向性送信アンテナ部8は、t×L個の可変移相器6t11,6t12,…,6t1t,…,6tL1,6tL2,…,6tLtと、t個の加算器7t1,7t2,…,7ttと、t個の送信アンテナ素子At1,At2,…,Attとにより構成される。tは2以上の整数である。t個の可変移相器6t11~6t1tは送信無線部51に対応して設けられ、同様に、t個の可変移相器6tL1~6tLtは送信無線部5Lに対応して設けられる。また、加算器7t1は送信アンテナ素子At1に対応して設けられ、加算器7t2は送信アンテナ素子At2に対応して設けられ、同様に、加算器7ttは送信アンテナ素子Attに対応して設けられる。
可変移相器6t11,…,6tL1は、対応する送信無線部51,…,5Lからの送信RF信号に対し、送信指向性設定部3からの対応する移相量に従って位相値を可変に調整して加算器7t1に出力する。同様に、可変移相器6t1t,…,6tLtは、対応する送信無線部51,…,5Lからの送信RF信号に対し、送信指向性設定部3からの対応する移相量に従って位相値を可変に調整して加算器7ttに出力する。
加算器7t1は、L個の可変移相器6t11,…,6tL1のそれぞれからの送信RF信号を加算して送信アンテナ素子At1に出力する。これにより、送信アンテナ素子At1は、加算器7t1により加算された送信RF信号(つまり、送信指向性を形成するためのビームフォーミングに係る信号処理が施された送信RF信号)を無線受信機20に向けて送信する。同様に、加算器7ttは、L個の可変移相器6t1t,…,6tLtのそれぞれからの送信RF信号を加算して送信アンテナ素子Attに出力する。これにより、送信アンテナ素子Attは、加算器7ttにより加算された送信RF信号(つまり、送信指向性を形成するためのビームフォーミングに係る信号処理が施された送信RF信号)を無線受信機20に向けて送信する。
メモリM1は、例えば無線送信機10の処理時に用いられるワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)と、無線送信機10の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROM(Read Only Memory)とを有する。RAMには、無線送信機10の各部により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、無線送信機10の動作(例えば、無線送信機10により実行されるステップ(処理))を規定するプログラムが書き込まれている。
受信シーケンス制御部4は、上述したミリ波等の高周波数帯を用いた無線通信のデータ送信周期FRM(図3参照)ごとに、データ送信周期FRMの先頭の約1ミリ秒程度(図3参照)の指向性決定期間F1において実行される通信シーケンスの実行を送信シーケンス制御部2と協働しながら制御する。
受信デジタルベースバンド処理部9は、受信シーケンス制御部4からの制御信号に従い、入力されたベースバンド帯域の受信信号(後述参照)に対してベースバンド帯域での各種の信号処理(いわゆるベースバンド信号処理)を施して受信データを生成する。受信部RX1でのベースバンド処理は、例えば、復号処理、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのAD(Analog Digital)変換、MCS(Modulation Coding Scheme)に従った受信信号の復調処理を含む。受信デジタルベースバンド処理部9は、信号処理後の受信データを出力する。
なお、受信部RX1の構成は無線受信機20の受信部RX2と同一であり同様に動作するものであるため、ここでは、受信部RX1内の受信シーケンス制御部4および受信デジタルベースバンド処理部9以外の他の構成の説明は省略する。
無線受信機20は、受信部RX2と、メモリM21と、送信部TX2とを主に含む構成である。無線受信機20は、例えば工場内WL1において通信端末UE1~UE6のうちいずれかとの間で無線通信可能な基地局である。
受信部RX2は、受信デジタルベースバンド処理部21と、受信シーケンス制御部24と、受信指向性設定部23と、受信無線部25と、指向性受信アンテナ部28とを少なくとも有する。送信部TX2は、送信シーケンス制御部22と、送信デジタルベースバンド処理部29とを少なくとも有する。
無線受信機20は、例えばCPU、DSPあるいはFPGAを用いて構成されるプロセッサ(図示略)を内蔵する。受信デジタルベースバンド処理部21と、受信シーケンス制御部24と、受信指向性設定部23と、送信シーケンス制御部22と、送信デジタルベースバンド処理部29とは、例えばこのプロセッサがメモリM21と協働することで機能的な構成として実現可能である。
受信デジタルベースバンド処理部21は、受信シーケンス制御部24からの制御信号に従い、受信無線部25からのベースバンド帯域の受信信号(後述参照)に対してベースバンド帯域での各種の信号処理(いわゆるベースバンド信号処理)を施して受信データを生成する。受信部RX2でのベースバンド処理は、例えば、復号処理、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのAD変換、MCSに従った受信信号の復調処理を含む。受信デジタルベースバンド処理部21は、信号処理後の受信データを出力する。
受信制御部の一例としての受信シーケンス制御部24は、上述したミリ波等の高周波数帯を用いた無線通信のデータ送信周期FRM(図3参照)ごとに、データ送信周期FRMの先頭の約1ミリ秒程度(図3参照)の指向性決定期間F1において実行される通信シーケンスの実行を送信シーケンス制御部22と協働しながら制御する。例えば、受信シーケンス制御部24は、受信無線部25からの受信電力レベルの測定結果を取得し、その測定結果に基づいて、データ通信に用いる受信指向性を決定して受信指向性設定部23に出力する。
設定部の一例としての受信指向性設定部23は、受信シーケンス制御部24からの制御信号に従い、ビームフォーミングに係る受信指向性を指向性受信アンテナ部28に形成させる。具体的には、受信指向性設定部23は、受信シーケンス制御部24からの制御信号において指定される受信指向性に対応するそれぞれの可変移相器ごとの移相量を導出し、それぞれの可変移相器ごとに導出された移相量を対応する可変移相器に設定させる。
受信無線部25は、加算器27r1からの受信RF信号を入力する。受信無線部25は、上述したミリ波等の高周波数帯の受信RF信号の受信電力の増幅処理を施し、更に、その受信RF信号をベースバンド帯域の受信信号に変換する。受信無線部25は、ベースバンド帯域の受信信号を受信デジタルベースバンド処理部21に出力する。また、測定部の一例としての受信無線部25は、受信RF信号の受信電力(つまり受信電力レベル)を測定し、その測定結果(つまり受信電力レベル)を受信シーケンス制御部24に出力する。
受信アンテナ部の一例としての指向性受信アンテナ部28は、加算器27r1と、r個の可変移相器26r1,26r2,…,26rrと、r個の受信アンテナ素子Ar1,Ar2,…,Arrとにより構成される。rは2以上の整数であり、tと同一値でもよいし異なる値でもよい。可変移相器26r1は受信アンテナ素子Ar1に対応して設けられ、可変移相器26r2は受信アンテナ素子Ar2に対応して設けられ、可変移相器26rrは受信アンテナ素子Arrに対応して設けられる。
受信アンテナ素子Ar1において受信された送信RF信号(つまり受信RF信号)は、受信指向性設定部23からの対応する移相量に従って、可変移相器26r1により位相値が調整される。同様に、受信アンテナ素子Ar2において受信された受信RF信号は、受信指向性設定部23からの対応する移相量に従って、可変移相器26r2により位相値が調整される。同様に、受信アンテナ素子Arrにおいて受信された受信RF信号は、受信指向性設定部23からの対応する移相量に従って、可変移相器26rrにより位相値が調整される。
加算器27r1は、r個の可変移相器26r1~26rrのそれぞれからの受信RF信号を加算して受信無線部25に出力する。
メモリM21は、例えば無線受信機20の処理時に用いられるワークメモリとしてのRAMと、無線受信機20の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROMとを有する。RAMには、無線受信機20の各部により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、無線受信機20の動作(例えば、無線受信機20により実行されるステップ(処理)))を規定するプログラムが書き込まれている。また、メモリM21は、後述するテーブルT1(図4参照),T2(図5参照),T3(図7参照),T4(図8参照),T5(図9参照),T6(図10参照)を記憶する。
送信デジタルベースバンド処理部29は、無線受信機20において実行されるアプリケーション等の送信データ生成部(図示略)から送信データを入力する。送信デジタルベースバンド処理部29は、送信シーケンス制御部22からの制御信号に従い、その送信データに対してベースバンド帯域での各種の信号処理(いわゆるベースバンド信号処理)を施してベースバンド帯域の送信信号を生成する。送信部TX2でのベースバンド処理は、例えば、符号化処理、デジタル信号をアナログ信号に変換するためのDA変換、MCSに従った送信データの変調処理を含む。
送信シーケンス制御部22は、上述したミリ波等の高周波数帯を用いた無線通信のデータ送信周期FRM(図3参照)ごとに、データ送信周期FRMの先頭の約1ミリ秒程度の指向性決定期間F1において実行される通信シーケンスの実行を受信シーケンス制御部24と協働しながら制御する。
なお、送信部TX2の構成は無線送信機10の送信部TX1と同一であり同様に動作するものであるため、ここでは、送信部TX2内の送信シーケンス制御部22および送信デジタルベースバンド処理部29以外の他の構成の説明は省略する。
図3は、データ送受信に先立つ指向性決定期間F1の一例を示す図である。無線送信機10と無線受信機20とは、図3に示すデータ送信周期FRM(例えば10ミリ秒)ごとに、データ送信周期FRMの先頭の約1ミリ秒程度の指向性決定期間F1において、対応する送信指向性および受信指向性をそれぞれ決定する。無線送信機10と無線受信機20とは、指向性決定期間F1において対応する送信指向性および受信指向性を決定した後、残りのデータ通信期間F2(例えば9ミリ秒程度)においてデータ通信を行う。
次に、実施の形態1に係る無線通信システム100における動作手順として、第1ユースケースと第2ユースケースの2つを例示して説明する。
(第1ユースケース)
第1ユースケースでは、無線受信機20が無線送信機10から送信される信号の受信に係る信号対干渉雑音比(SINR)を測定できる場合の動作手順例を説明する。SINRを測定できるためには、例えば次の条件1,条件2のうちいずれかを満たす必要があると考えられる。
条件1:無線送信機10の送信デジタルベースバンド処理部1において生成される送信信号が、CDMA(Code Division Multiple Access)等において用いられる無線リンクごとに異なる識別可能な拡散符号を用いて帯域拡散されていること。
この場合、無線受信機20の受信デジタルベースバンド処理部21は、対応する拡散符号を用いて逆拡散処理することで、自己の無線リンクの無線送信機10からの信号成分(Signal)と他の無線リンクの無線送信機からの干渉成分(Interference)とを分離して、自己の無線リンクの無線送信機10からの信号成分を測定できる。
条件2:指向性決定期間F1に送られる信号の固定パターンが無線リンクごとに異なる直交するパターンであること。
この場合、無線受信機20の受信デジタルベースバンド処理部21は、無線送信機10から送信される信号の固定パターンが無線リンクごとに直交するように異なるので、自己の無線送信機10からの信号成分(Signal)と他の無線リンクの無線送信機からの干渉成分(Interference)とを分離して、自己の無線リンクの無線送信機10からの信号成分を測定できる。
第1ユースケースの動作手順について、図4、図5および図6を参照して説明する。
図4は、送信指向性のスキャンに対応するSINRの測定結果を示すテーブルT1を示す図である。図5は、受信指向性のスキャンに対応するSINRの測定結果を示すテーブルT2を示す図である。図6は、実施の形態1に係る無線通信システム100の第1ユースケースにおける動作手順例を示すフローチャートである。
第1ユースケースでは、新たに無線リンクを確立する無線送信機10および無線受信機20は、データ送信周期FRMごとに無線リンクの送信指向性および受信指向性をそれぞれ決定する際、次の処理を行う。具体的には、図6において、無線送信機10は、送信するべきデータがあるか否か(言い換えると、送信要求があるか否か)を送信シーケンス制御部2において判断する(St1)。例えば、送信シーケンス制御部2は、送信するべきデータがあるか否かをデータ送信周期FRMごとに送信デジタルベースバンド処理部1に問い合わせ、送信するべきデータがある旨の結果を取得した場合に、送信するべきデータがあると判断してよい。送信するべきデータがあるとの判断がなされるまで(St1、NO)、無線送信機10の処理はステップSt1を繰り返す。
無線送信機10は、送信するべきデータがあると判断した場合に(St1、YES)、L(L:2以上の整数、例えば64)通りの送信指向性を送信指向性設定部3において短時間にスキャン(つまり順次切り替え)しながら、信号(例えば、固定長の信号)を指向性送信アンテナ部8から無線受信機20に送信する(St2)。
無線受信機20は、指向性受信アンテナ部28において無指向性で(つまり、指向性を形成しない状態)で信号を受信(以下、「オムニ受信」という)し、この受信に係るSINR(受信パラメータの一例)を受信無線部25において測定する(St2)。無線受信機20は、L通りの送信指向性のそれぞれに対応して送信された信号の受信に係るSINRの測定結果を生成してメモリM21に記憶する(図4に示すテーブルT1参照)。
図4に示すテーブルT1は、L通りの送信指向性のそれぞれと、それぞれの送信指向性が形成されて送信された信号の受信に係るSINRとを対応付けて格納する。無線受信機20は、テーブルT1に格納されたSINRの中で最大のSINRが得られた時の送信指向性を受信シーケンス制御部24において決定する。無線受信機20は、決定された送信指向性に関する情報を送信部TX2から無線送信機10に送信する(St2)。
無線送信機10は、ステップSt2において無線受信機20から送信された送信指向性に関する情報を受信すると、無線受信機20により決定された送信指向性を、送信指向性設定部3から指向性送信アンテナ部8に形成させる(St3)。これにより、無線送信機10は、データ通信に用いる送信指向性を決定できる。無線送信機10は、その形成された送信指向性で信号を無線受信機20に送信する(St3)。
無線受信機20は、M(M:2以上の整数、例えば64)通りの受信指向性を受信指向性設定部23において短時間にスキャン(つまり順次切り替え)しながら、無線送信機10から送信された信号を指向性受信アンテナ部28において受信する(St3)。無線受信機20は、指向性受信アンテナ部28における信号の受信に係るSINRを受信無線部25において測定する。無線受信機20は、M通りの受信指向性のそれぞれに対応して受信された信号の受信に係るSINRの測定結果を生成してメモリM21に記憶する(図5に示すテーブルT2参照)。
図5に示すテーブルT2は、M通りの受信指向性のそれぞれと、それぞれの受信指向性が形成されて受信された信号の受信に係るSINRとを対応付けて格納する。無線受信機20は、この測定結果に基づいて、最大のSINRが得られた時の受信指向性を受信シーケンス制御部24において決定する(St3)。これにより、無線受信機20は、データ通信に用いる受信指向性を決定できる。
ステップSt3の後、無線送信機10および無線受信機20は、それぞれデータ送信周期FRMの指向性決定期間F1の後のデータ通信期間F2において、データ通信(つまり、データの送信および受信)をそれぞれ行う(St4)。
このように、無線通信システム100の第1ユースケースでは、無線送信機10は、上述した条件1あるいは条件2を満たすように信号を無線受信機20に送信する。図1に示すように近傍内に複数の異なる無線リンクが形成されていても、無線受信機20は、他の無線リンクからの信号(つまり、自己の無線リンクにとっては干渉成分)を、自己の無線リンクの無線送信機10からの信号成分と分離してSINRを測定できる。従って、第1ユースケースによれば、無線通信システム100は、条件1あるいは条件2を満たす必要はあるものの、割と簡易にSINRを測定できるので、それぞれの無線リンクにおける送信側および受信側の送受信に係る指向性を適応的に決定でき、他の無線リンクからの干渉の影響を許容レベル未満に低減して通信品質の劣化を抑制できる。
(第2ユースケース)
第2ユースケースでは、無線受信機20が無線送信機10から送信される信号の受信に係る信号対干渉雑音比(SINR)を直接的には測定できない場合の動作手順例を説明する。
第2ユースケースの動作手順について、図7、図8、図9、図10および図11を参照して説明する。
図7は、無線送信機の電波放射が無い場合の、受信指向性のスキャンに対応する受信電力レベルの測定結果を示すテーブルを示す図である。図8は、無線受信機がオムニ受信する場合の、送信指向性のスキャンに対応する受信電力レベルの測定結果を示すテーブルを示す図である。図9は、i(=1~k)ごとの、受信指向性のスキャンに対応する受信電力レベルの測定結果を示すテーブルを示す図である。図10は、i(=1~k)ごとの、受信指向性のスキャンに対応するSINRの計算結果を示すテーブルを示す図である。図11は、実施の形態1に係る無線通信システム100の第2ユースケースにおける動作手順例を示すフローチャートである。
第2ユースケースでは、新たに無線リンクを確立する無線送信機10および無線受信機20は、データ送信周期FRMごとに無線リンクの送信指向性および受信指向性をそれぞれ決定する際、次の処理を行う。具体的には、図10において、無線送信機10は、送信するべきデータがあるか否か(言い換えると、送信要求があるか否か)を送信シーケンス制御部2において判断する(St11)。例えば、送信シーケンス制御部2は、送信するべきデータがあるか否かをデータ送信周期FRMごとに送信デジタルベースバンド処理部1に問い合わせ、送信するべきデータがある旨の結果を取得した場合に、送信するべきデータがあると判断してよい。送信するべきデータがあるとの判断がなされるまで(St11、NO)、無線送信機10の処理はステップSt11を繰り返す。
無線送信機10は、送信するべきデータがあると判断した場合に(St1、YES)、信号(例えば、固定長の信号)を無線受信機20に送信しない(St12)。つまり、無線送信機10は、送信するべきデータがあると判断した場合でも、一定期間において無線受信機20への信号の送信を省略する。
無線受信機20は、無線送信機10からの信号の送信が無い(つまり、無線送信機10からの電波の放射が無い)状態で、M(上述参照。例えば64)通りの受信指向性を受信指向性設定部23において短時間にスキャン(つまり順次切り替え)しながら信号を指向性受信アンテナ部28において受信する(St12)。この信号は、自己の無線リンクを構成する無線送信機10からの信号成分ではなく、例えば近傍内に配置された他の無線リンクの無線送信機からの信号(つまり、干渉成分)および雑音(ノイズ)成分である。無線受信機20は、この受信に係る受信電力レベル(受信パラメータの一例)を受信無線部25において測定する(St12)。無線受信機20は、M通りの受信指向性のそれぞれに対応して受信された信号の受信に係る受信電力レベルの測定結果(第1測定結果の一例)を生成してメモリM21に記憶する(図7に示すテーブルT3参照)。
図7に示すテーブルT3は、M通りの受信指向性のそれぞれと、それぞれの受信指向性が形成されて受信された信号の受信に係る受信電力レベルR1とを対応付けて格納する。無線受信機20は、テーブルT3に格納された受信電力レベルの中で最大の受信電力レベルが得られた時の受信指向性を受信シーケンス制御部24において決定する。
無線送信機10は、ステップSt12に引き続き、L(L:2以上の整数、例えば64)通りの送信指向性を送信指向性設定部3において短時間にスキャン(つまり順次切り替え)しながら、信号(例えば、固定長の信号)を指向性送信アンテナ部8から無線受信機20に送信する(St13)。
無線受信機20は、指向性受信アンテナ部28において無指向性で(つまり、指向性を形成しない状態)で信号をオムニ受信し、このオムニ受信に係る受信電力レベル(受信パラメータの一例)を受信無線部25において測定する(St13)。無線受信機20は、L通りの送信指向性のそれぞれに対応して送信された信号の受信に係る受信電力レベルの測定結果を生成してメモリM21に記憶する(図8に示すテーブルT4参照)。
図8に示すテーブルT4は、L通りの送信指向性のそれぞれと、それぞれの送信指向性が形成されて送信された信号の受信に係る受信電力レベルとを対応付けて格納する。無線受信機20は、テーブルT4に格納された受信電力レベルの中で最大の受信電力レベルが得られた時の送信指向性を第1位の送信指向性とし、上位k(k:2以上の整数、例えば4)個の受信電力レベルが得られた時の送信指向性を受信シーケンス制御部24において決定する。無線受信機20は、決定された上位k個の送信指向性に関する情報を送信部TX2から無線送信機10に送信して報告する(St13)。
無線送信機10は、パラメータi(i:1~kまでの整数)を送信シーケンス制御部2において設定し、先ずはi=1を送信シーケンス制御部2において設定する(St14)。
無線送信機10は、パラメータi=1(つまり、ステップSt13において最大の受信電力レベルが得られた時)の送信指向性を、送信指向性設定部3から指向性送信アンテナ部8に形成させる(St15)。無線送信機10は、その形成された送信指向性で信号を無線受信機20に送信する(St15)。
無線受信機20は、M(例えば64)通りの受信指向性を受信指向性設定部23において短時間にスキャン(つまり順次切り替え)しながら、無線送信機10から送信された信号を指向性受信アンテナ部28において受信する(St15)。無線受信機20は、指向性受信アンテナ部28における信号の受信に係る受信電力レベルを受信無線部25において測定する。無線受信機20は、M通りの受信指向性のそれぞれに対応して受信された信号の受信に係る受信電力レベルの測定結果(第2測定結果の一例)を生成してメモリM21に記憶する(図9に示すテーブルT5参照)。
図9に示すテーブルT5は、M通りの受信指向性のそれぞれと、それぞれの受信指向性が形成されて受信された信号の受信に係る受信電力レベルとを対応付けて格納する。無線受信機20は、この測定結果(つまり受信電力レベルR2)とステップSt12における測定結果(つまり受信電力レベルR1)とに基づいて、自己の無線リンクにおける無線送信機10からの信号の受信に係るSINRを、数式(1)に従って計算する(St16)。数式(1)において、受信電力レベルR1は、自己の無線リンクにおける無線送信機10からの信号の送信が無い(つまり、信号成分が無い)時の受信に係る受信電力レベルである。また、受信電力レベルR2は、自己の無線リンクにおける無線送信機10からの信号の送信がある(つまり、信号成分がある)時の受信に係る受信電力レベルである。従って、数式(1)の値が自己の無線リンクにおけるSINRに相当することになる。
Figure 0007153865000001
無線受信機20は、M通りの受信指向性のそれぞれに対応して計算されたSINRの計算結果を生成してメモリM21に記憶する(St16、図10に示すテーブルT6参照)。
図10に示すテーブルT6は、M通りの受信指向性のそれぞれと、それぞれの受信指向性に対応して計算されたSINRとを対応付けて格納する。無線受信機20は、ステップSt16において計算されたM通りの受信指向性ごとのSINRの計算結果の最大値が所定値(例えば12dB)より大きいか否かを受信シーケンス制御部24において判断する(St17)。
無線受信機20は、SINRの計算結果の最大値が所定値(上述参照)より大きいと判断した場合には(St17、YES)、その時のパラメータiの値の情報を送信部TX2から無線送信機10に送信して報告するとともに、その最大値が得られた時の受信指向性を受信シーケンス制御部24において決定する(St18)。これにより、無線受信機20は、データ通信に用いる受信指向性を決定できる。また、無線送信機10は、ステップSt18において無線受信機20から送信されたパラメータiの値の情報を受信すると、そのパラメータiの値に対応する送信指向性を、送信指向性設定部3から指向性送信アンテナ部8に形成させる(St18)。これにより、無線送信機10は、データ通信に用いる送信指向性を決定できる。
一方、無線受信機20は、SINRの計算結果の最大値が所定値(上述参照)より大きくないと判断した場合には(St17、NO)、パラメータiの値に1を加算する旨の指示を受信シーケンス制御部24において生成し、その指示を送信部TX2から無線送信機10に送信する。
無線送信機10は、無線受信機20から送信された指示を受信すると、送信シーケンス制御部2において、ステップSt14において設定されたパラメータiに1を加算(つまりインクリメント)する(St19)。無線送信機10は、ステップSt19のインクリメント後のパラメータiがkより大きいか否かを送信シーケンス制御部2において判断する(St20)。ステップSt19のインクリメント後のパラメータiがkより大きくないと判断された場合には(St20、NO)、無線送信機10の処理はステップSt15に戻る。
一方、無線送信機10は、ステップSt19のインクリメント後のパラメータiがkより大きいと判断した場合には(St20、YES)、その旨の情報を送信部TX1から無線受信機20に送信する。無線受信機20は、無線送信機10から送信された情報に基づいて、第1位~第k位の送信指向性の中でSINRの最大値が得られる時の送信指向性および受信指向性を受信シーケンス制御部24において決定する(St21)。例えば、受信シーケンス制御部24は、図10に示すテーブルT6を参照し、所定値(例えば12dB)を超えないが最大値となったSINRの計算結果を選択し、そのSINRに対応する送信指向性および受信指向性を決定できる。これにより、無線受信機20は、データ通信に用いる受信指向性を決定できる。
なお、無線受信機20は、ステップSt21において決定された送信指向性に関する情報を送信部TX2から無線送信機10に送信する。無線送信機10は、無線受信機20から送信された送信指向性に関する情報を受信すると、無線受信機20により決定された送信指向性を、送信指向性設定部3から指向性送信アンテナ部8に形成させる。これにより、無線送信機10は、データ通信に用いる送信指向性を決定できる。
ステップSt18あるいはステップSt21の後、無線送信機10および無線受信機20は、それぞれデータ送信周期FRMの指向性決定期間F1の後のデータ通信期間F2において、データ通信(つまり、データの送信および受信)をそれぞれ行う(St22)。
このように、無線通信システム100の第2ユースケースでは、無線受信機20は、無線送信機10からの信号の送信が無い間にM通りの受信指向性をスキャンしながら受信パラメータ(例えば受信電力レベル)を測定して第1測定結果を保持する。無線送信機10は、L通りの送信指向性をスキャンしながら無線受信機20に信号を送信する。無線受信機20は、L通りの送信指向性のそれぞれごとに送信される信号の受信に係る受信パラメータ(例えば受信電力レベル)を測定し、受信パラメータの大きい上位k個の測定結果のそれぞれに対応するk個の送信指向性を決定して無線送信機10に報告する。無線送信機10は、k個の送信指向性のうちいずれかを形成して無線受信機20に信号を送信する。無線受信機20は、M通りの受信指向性をスキャンしながら無線送信機10から送信される信号の受信に係る受信パラメータ(例えば受信電力レベル)を測定して第2測定結果を保持する。無線受信機20は、第1測定結果および第2測定結果に基づいて、M通りの受信指向性からデータ通信に用いる受信指向性を決定する。
これにより、無線通信システム100は、上述したミリ波等の高周波数帯の同一周波数を用いる複数の異なる無線リンクが近傍内に位置する場合でも、それぞれの無線リンクにおける送信側(つまり無線送信機10)および受信側(つまり無線受信機20)の送受信に係る指向性を適応的に決定できる。従って、無線通信システム100によれば、自己の無線リンクを形成する無線送信機10および無線受信機20において信号対干渉雑音比(SINR)を実質的に求めることができる。つまり、そのSINRから自己の無線リンクにおける適切な送信指向性および受信指向性が決定される。このため、無線通信システム100によれば、他の無線リンクからの干渉の影響を許容レベル未満(例えば、電波の直進性が高いミリ波等の高周波数帯の無線通信の切断が生じにくい程)に低減して自己の無線リンクにおける通信品質の劣化を抑制できる。また、無線通信システム100によれば、複数の無線リンクのそれぞれに閉じて自律分散的にデータ通信に用いる送信指向性および受信指向性を決定できるので、例えば複数の無線リンク全体の個々の送信指向性および受信指向性を集中制御型のデータベース等で管理するという煩雑な処理を不要にできる。
また、無線送信機10は、無線受信機20により決定されたデータ通信に用いる受信指向性に対応する送信指向性を、データ通信に用いる送信指向性として決定する。これにより、無線送信機10は、他の無線リンクからの影響を抑制して、良好なデータ通信を行えるための送信指向性を設定できる。
また、無線受信機20は、L通りの送信指向性のそれぞれごとに送信される信号を無指向性で受信する。これにより、無線受信機20は、無線送信機10がL通りの送信指向性をスキャンしながら送信する信号を無指向で均等に受信するので、L通りの送信指向性のうちどの送信指向性が自己の無線リンクにおけるデータ通信に適しているかを適応的に判断できる。
また、無線送信機10は、k個の送信指向性のうち、上位k個の測定結果の大きい順序に対応する送信指向性から順に形成する。これにより、無線受信機20は、オムニ受信の際に受信パラメータ(例えば受信電力レベル)が高い上位k個の送信指向性の順に信号が送信されるので、データ通信に用いる受信指向性を迅速に決定できる。
また、無線受信機20は、第1測定結果および第2測定結果により、信号対干渉雑音比(SINR:Signal to Interference plus Noise Ratio)を計算し、所定値を超えるSINRの計算結果を満たす受信指向性を、データ通信に用いる受信指向性として決定する。これにより、無線受信機20は、自己の無線リンクにおけるSINRを測定することができない場合でも、実質的にSINRを計算することができるので、所定値を超えるSINRが得られる程の安定かつ良好なデータ通信に用いる受信指向性を正確に決定できる。
また、無線受信機20は、SINRの計算結果が所定値を超えない場合、SINRの計算結果の最大値を満たす受信指向性を、データ通信に用いる受信指向性として決定する。これにより、無線受信機20は、所定値を超えないSINRが得られた場合でも、その中で最大のSINRが得られた受信指向性をデータ通信に用いることを決定できるので、比較的良好なデータ通信を実行できる。
無線送信機10がデータ通信に用いる送信指向性を決定する送信シーケンス処理(通信シーケンスの一例)と、無線受信機20がデータ通信に用いる受信指向性を決定する受信シーケンス処理(通信シーケンスの一例)とは、データ通信の送信周期(つまり、データ送信周期FRM)ごとに実行される。これにより、無線通信システム100は、無線送信機10あるいは無線受信機20のいずれかが移動等する場合でも、周期的なデータ送信周期ごとに時々刻々とデータ通信に用いる送信指向性および受信指向性を決定できるので、安定かつ良好なデータ通信を実行できる。
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
例えば、上述した実施の形態1に係る無線通信システム100は工場内WL1等の物理的に狭域な通信エリア内に配置されるとして説明したが、無線通信システム100の適用例は工場内WL1に限定されない(図12,図13参照)。図12および図13は、実施の形態1に係る無線通信システム100の他の配置例を示す模式図である。
他の配置例としては、光ファイバを用いて一般個宅内に光通信の伝送路を引き込むFTTH(Fiber To The Home)の代替案として、ミリ波あるいは5G(第5世代移動通信システム)等の高周波数帯の無線リンクを用いた無線通信システム100の配置が挙げられる。
例えば図12に示すように、一般個宅外に設置される電柱に取り付けられる基地局BS12(無線送信機10の一例)と一般個宅内にそれぞれ設置されるゲートウェイ装置UE12,UE13(無線受信機20の一例)とが、FTTHリプレースとなる無線リンクをそれぞれ形成する。より具体的には、基地局BS12は送信指向性TXBF121を形成してデータ通信し、ゲートウェイ装置UE12は受信指向性RXBF12を形成してデータ通信する。同様に、基地局BS12は送信指向性TXBF122を形成してデータ通信し、ゲートウェイ装置UE13は受信指向性RXBF13を形成してデータ通信する。その後で、一般個宅外に設置される電柱に取り付けられる基地局BS11(無線送信機10の一例)と一般個宅内に設置されるゲートウェイ装置UE11(無線受信機20の一例)とが、FTTHのリプレースとなる無線リンクを形成するように設置されたとする。
FTTHの代替案となる無線リンクは工場内WL1の無線リンクと比べて伝送距離が大きく、より鋭い送信指向性および受信指向性が無線送信機10および無線受信機20にそれぞれ必要となると考えられる。また、屋外環境であるために、良好な反射経路(言い換えると、高いSINRを与える反射経路)が必ずしも存在しない。
そこで、既に形成済みの無線リンク(つまり、基地局BS12とゲートウェイ装置UE12とからなる無線リンク、基地局BS12とゲートウェイ装置UE13とからなる無線リンク)が存在する中で(図12参照)、後から基地局BS11とゲートウェイ装置UE11とからなる無線リンクが追加して形成される場合、ゲートウェイ装置UE11は、上述した実施の形態と同一の処理を実行することで、SINRが最大となるように送信指向性TXBF11を決定して形成する。基地局BS11は、SINRが最大となるように受信指向性RXBF11を形成する。この送信指向性TXBF11および受信指向性RXBF11は、既に形成済みの無線リンクへの影響を抑制するために、ゲートウェイ装置UE11と基地局BS11とからなる無線リンクにおける信号成分(Signal)が最大となる送信指向性および受信指向性からわずかに角度がずれた指向性となる可能性が高い。
例えば図13に示すように、一般個宅外に設置される電柱に取り付けられる基地局BS13(無線送信機10の一例)と一般個宅内にそれぞれ設置されるゲートウェイ装置UE15,UE16(無線受信機20の一例)とが、FTTHのリプレースとなる無線リンクをそれぞれ形成する。より具体的には、基地局BS13は送信指向性TXBF131を形成してデータ通信し、ゲートウェイ装置UE15は受信指向性RXBF15を形成してデータ通信する。同様に、基地局BS13は送信指向性TXBF132を形成してデータ通信し、ゲートウェイ装置UE16は受信指向性RXBF16を形成してデータ通信する。また、一般個宅外に設置される電柱に取り付けられる基地局BS15(無線受信機20の一例)と一般個宅内にそれぞれ設置されるゲートウェイ装置UE17(無線送信機10の一例)とが、FTTHリプレースとなる無線リンクをそれぞれ形成する。より具体的には、ゲートウェイ装置UE17は送信指向性TXBF17を形成してデータ通信し、基地局BS15は受信指向性RXBF15を形成してデータ通信する。その後で、一般個宅外に設置される電柱に取り付けられる基地局BS14(無線送信機10の一例)と一般個宅内に設置されるゲートウェイ装置UE14(無線受信機20の一例)とが、FTTHのリプレースとなる無線リンクを形成するように設置されたとする。
同様にして、既に形成済みの無線リンク(つまり、基地局BS13とゲートウェイ装置UE15,16とからなるそれぞれの無線リンク、基地局BS15とゲートウェイ装置UE17とからなる無線リンク)が存在する中で(図13参照)、後から基地局BS14とゲートウェイ装置UE14とからなる無線リンクが追加して形成される場合、基地局BS14は、上述した実施の形態と同一の処理を実行することで、SINRが最大となるように送信指向性TXBF14を決定して形成する。ゲートウェイ装置UE14は、SINRが最大となるように受信指向性RXBF14を形成する。この送信指向性TXBF14および受信指向性RXBF14は、既に形成済みの無線リンクへの影響を抑制するために、ゲートウェイ装置UE14と基地局BS14とからなる無線リンクにおける信号成分(Signal)が最大となる送信指向性および受信指向性からわずかに角度がずれた指向性となる可能性が高い。
このように、工場内WL1の物理的に狭域な閉じた通信エリアに限らず屋外環境のようなFTTHリプレースのユースケースにおいても、無線通信システム100は、同様に個々の無線リンクにおいて、他の無線リンクの影響を許容レベル未満に低減しながらSINRを最大にするように送信指向性および受信指向性を決定する。これにより、光ファイバの高額な設置工事費を必要とせずに安定的な通信を実現可能な個々の無線リンクを簡易かつ安価に導入できる点で多大なユーザメリットが享受されるとともに、それぞれの無線リンクにおいて良好な通信が期待可能となる。
本開示は、高周波数帯の同一周波数を用いる複数の異なる無線リンクが近傍内に位置する場合でも、それぞれの無線リンクにおける送信側および受信側の送受信に係る指向性を適応的に決定し、他の無線リンクからの干渉の影響を許容レベル未満に低減して通信品質の劣化を抑制する無線通信システム、無線通信装置および指向性決定方法として有用である。
1、29 送信デジタルベースバンド処理部
2、22 送信シーケンス制御部
3 送信指向性設定部
4、24 受信シーケンス制御部
51、5L 送信無線部
6t11、6t12、6t1t、6tL1、6tL2、6tLt、26r1、26r2、26rr 可変移相器
7t1、7t2、7tt、27r1 加算器
8 指向性送信アンテナ部
10 無線送信機
20 無線受信機
9、21 受信デジタルベースバンド処理部
23 受信指向性設定部
28 指向性受信アンテナ部
100 無線通信システム
Ar1、Ar2、Arr 受信アンテナ素子
At1、At2、Att 送信アンテナ素子
M1、M21 メモリ
RX1、RX2 受信部
TX1、TX2 送信部

Claims (9)

  1. 無線送信機と無線受信機とが通信可能に接続される無線通信システムであって、
    前記無線受信機は、
    前記無線送信機からの信号の送信が無い間にM(M:2以上の整数)通りの受信指向性をスキャンしながら受信パラメータを測定して第1測定結果を保持し、
    前記無線送信機は、
    L(L:2以上の整数)通りの送信指向性をスキャンしながら前記無線受信機に信号を送信し、
    前記無線受信機は、
    前記L通りの送信指向性のそれぞれごとに送信される信号の受信に係る受信パラメータを測定し、受信パラメータの大きい上位k(k:既定の整数値、1<k<L)個の測定結果のそれぞれに対応するk個の送信指向性を決定して前記無線送信機に報告し、
    前記無線送信機は、
    前記k個の送信指向性のうちいずれかを形成して前記無線受信機に信号を送信し、
    前記無線受信機は、
    前記M通りの受信指向性をスキャンしながら前記無線送信機から送信される信号の受信に係る受信パラメータを測定して第2測定結果を保持し、
    前記第1測定結果および前記第2測定結果に基づいて、前記M通りの受信指向性からデータ通信に用いる受信指向性を決定する、
    無線通信システム。
  2. 前記無線送信機は、
    前記無線受信機により決定された前記データ通信に用いる受信指向性に対応する送信指向性を、前記データ通信に用いる送信指向性として決定する、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記無線受信機は、
    前記L通りの送信指向性のそれぞれごとに送信される信号を無指向性で受信する、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  4. 前記無線送信機は、
    前記k個の送信指向性のうち、前記上位k個の測定結果の大きい順序に対応する送信指向性から順に形成する、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  5. 前記無線受信機は、
    前記第1測定結果および前記第2測定結果により、信号対干渉雑音比(SINR:Signal to Interference plus Noise Ratio)を計算し、所定値を超える前記SINRの計算結果を満たす受信指向性を、前記データ通信に用いる受信指向性として決定する、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  6. 前記無線受信機は、
    前記SINRの計算結果が前記所定値を超えない場合、前記SINRの計算結果の最大値を満たす受信指向性を、前記データ通信に用いる受信指向性として決定する、
    請求項5に記載の無線通信システム。
  7. 前記無線送信機が前記データ通信に用いる送信指向性を決定する送信シーケンス処理と、前記無線受信機が前記データ通信に用いる受信指向性を決定する受信シーケンス処理とは、前記データ通信の送信周期ごとに実行される、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  8. 無線送信機との間で通信可能に接続される無線通信装置であって、
    前記無線送信機から送信される信号を受信する受信アンテナ部と、
    前記受信アンテナ部におけるM(M:2以上の整数)通りの受信指向性をスキャン可能に設定する設定部と、
    前記無線送信機からの信号の送信が無い間に、前記M通りの受信指向性のそれぞれにおいて受信パラメータを測定する測定部と、
    前記受信パラメータの第1測定結果を記憶するメモリと、
    前記無線送信機からL(L:2以上の整数)通りの送信指向性をスキャンしながら送信される信号の受信に係る受信パラメータの測定結果に基づいて、受信パラメータの大きい上位k(k:既定の整数値、1<k<L)個の測定結果のそれぞれに対応するk個の送信指向性を決定する受信制御部と、を備え、
    前記測定部は、
    前記M通りの受信指向性がスキャンされながら、前記無線送信機から前記k個の送信指向性のうちいずれかにおいて送信される信号の受信に係る受信パラメータを測定し、前記受信パラメータの第2測定結果を前記メモリに記憶し、
    前記受信制御部は、
    前記第1測定結果および前記第2測定結果に基づいて、前記M通りの受信指向性からデータ通信に用いる受信指向性を決定する、
    無線通信装置。
  9. 無線送信機と無線受信機とが通信可能に接続される無線通信システムにおける指向性決定方法であって、
    前記無線受信機は、
    前記無線送信機からの信号の送信が無い間にM(M:2以上の整数)通りの受信指向性をスキャンしながら受信パラメータを測定して第1測定結果を保持し、
    前記無線送信機は、
    L(L:2以上の整数)通りの送信指向性をスキャンしながら前記無線受信機に信号を送信し、
    前記無線受信機は、
    前記L通りの送信指向性のそれぞれごとに送信される信号の受信に係る受信パラメータを測定し、受信パラメータの大きい上位k(k:既定の整数値、1<k<L)個の測定結果のそれぞれに対応するk個の送信指向性を決定して前記無線送信機に報告し、
    前記無線送信機は、
    前記k個の送信指向性のうちいずれかを形成して前記無線受信機に信号を送信し、
    前記無線受信機は、
    前記M通りの受信指向性をスキャンしながら前記無線送信機から送信される信号の受信に係る受信パラメータを測定して第2測定結果を保持し、
    前記第1測定結果および前記第2測定結果に基づいて、前記M通りの受信指向性からデータ通信に用いる受信指向性を決定する、
    指向性決定方法。
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