JP7152509B2 - 連続遠心機及び連続遠心機のエア排出方法 - Google Patents

連続遠心機及び連続遠心機のエア排出方法 Download PDF

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Description

本発明は、試料を連続的に流して液体試料中の粒子をロータ内で遠心分離する連続遠心機に関し、特にロータ内へ送られた試料中に混入するエア(空気)を除去できるようにすることにある。
遠心分離機は、通常の重力場では沈降しないもしくは沈降しにくい粒子を分離するもので、例えばウイルスや菌体などが分離対象に含まれる。ウイルスや菌体は、薬品やワクチンなどの製造にとっては欠かせない原料であり、これらの製造過程において原料を分離精製する設備として連続遠心機(連続遠心分離機)が広く使用される。連続遠心機は、高速回転するロータおよびその上下に接続される貫通穴を有した2本の回転軸等とロータに試料を供給するための試料供給部を有する。
試料供給部は、試料を供給するための送液ポンプや流量計および圧力計をシリコンチューブなどで接続したシステムが提案されている。連続遠心機が回転中は、ロータ内は完全に液体で満たされている必要がある。液体が完全に満たされていない状態で運転を行なうとロータはアンバランス状態となって過大な振動が発生する恐れがあり、好ましくない。最悪の場合は、連続遠心機は異常振動となり運転停止させなければならない。また、試料ラインに空気が留まっていると、試料注入時の試料ラインの圧力が高くなり、所定の流量で試料を注入できなくなってしまうおそれがある。また、コアボディと下側ロータカバーとの間において径方向に流れて遠心分離用の空間に試料を送るための流路が形成されるが、遠心中は外周ほど液圧が高くなるため、試料内の微細な気泡が最外部まで送り込めずに流路が詰まってしまい、試料が流れにくくなり、試料送液のための圧力が高くなってしまう。連続遠心機において安定した遠心分離性能を得るためには、試料送液のための圧力は低いほうが良いため、試料ラインに留まっている空気がロータ内に入り込まないように取り除くことが重要となる。例えば特許文献1では試料ラインに空気が混入したか否かを容易に検出できるようにし、ロータ室に注入する前に試料ラインの空気を排出するようにした連続遠心機が提案されている。また特許文献2では、ロータの下側の生じた気泡を効果的に排出するために、ロータの下から上方向に薬液を流した後に、薬液を流す方向を切り替えて、ロータの上から下方向に所定時間流すように構成した連続遠心機が提案されている。
特開2013-22473号公報 特開2011-177703号公報
連続遠心機に用いられる試料ラインの配管は、シリコンチューブのように透明又は半透明なチューブを使用する場合、試料ラインに空気があるかどうかは目視で確認することができるので、シリコンチューブを手で摘んで試料ラインの圧力を一旦高くしてから解放したりするなど、オペレータのマニュアル操作で試料ラインから空気を排出することができる。しかしながら、マニュアル操作による空気の排出をしても空気が十分排出できるとは限らないうえに、試料内に気泡として混入する空気まで排出させることが難しい。その対策として特許文献1では、試料がロータ内に入る前にエアセンサによって気泡を検出して、三叉路を介して外部に排出する。しかしながら、エアセンサの検出限界以下の微小な気泡や試料液中に溶けた気泡は検出することができないので除去できない。また、連続遠心機のロータコアへ試料を注入する際、ロータ内のシャフトやロータコアで構成される流路は、接続されるチューブに比べて細いため、エアが混入していると抜けにくい。ロータコアの内部でエアブロックを起こしたら、ラインの圧力が上がってしまい、試料の注入が難しくなってしまう。そこでロータの回転開始後、低速回転域(一般的には4,000rpm程度)でロータに供給する試料の流れ方向を手動にて反転させて、トップフィードとボトムフィードの切替えを手動にて複数回行い、同時にポンプ速度を上げるケースがあったが、非常に手間であった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、ロータに流入した試料中に混入している気泡を効果的に排出できるようにした連続遠心機及び連続遠心機のエア排出方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、複数のバルブをブリッジ状に設け、制御部の制御によってエア抜き用の流路切替え工程を自動で実施できるようにした連続遠心機及び連続遠心機のエア排出方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、複数のバルブの一部を一時的に制限し、流路内の圧力を一時的に上昇させることによって試料の流速を高めることができる連続遠心機及び連続遠心機のエア排出方法を提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。本発明の一つの特徴によれば、試料を分離するための円筒状のロータと、ロータが収納される遠心室と、ロータを回転させる駆動手段と、ロータの回転中にロータに試料を連続的に供給および排出する試料ラインを備えた連続遠心機において、ロータを回転させながら試料をロータにトップフィードとボトムフィードで交互に流す操作を行い、フィード方向の切替え後の流速が通常よりも高くなるように試料ラインを一時的に絞って、その後に開放するという操作(エア排出モード)を行う。試料ラインは、試料タンクに接続される試料供給ラインと、回収タンクに接続される試料排出ラインと、ロータの上側通路に繋がるアッパーラインと、ロータの下側通路に繋がるロアラインを有し、4つのラインをブリッジ接続すると共に、それぞれのブリッジ部分に流路開閉用のバルブを設けた。
本発明の他の特徴によれば、バルブは遠心分離運転を制御する制御部によって独立して開閉操作され、制御部は、以下のa)~d)のステップで制御する。
a) 4つのバルブのうち対向する2つのバルブだけを開放することによってロータに対する試料の供給方向をトップフィード又はボトムフィードに定め、
b) 試料のロータからの排出が行われた後に、開放されたバルブのうちの排出側に位置するバルブを閉じることにより流路圧力を所定のピーク圧力P2まで到達させてから、排出側に位置するバルブを再び開いて流路圧力を通常状態に戻し、
c) ステップa)にて開放された2つのバルブを閉じて、残りのバルブを開くようにしてロータに対する試料の供給方向を反対方向にし、
d) ステップb)及びステップc)を繰り返すことによってロータ内の気泡を排出させる。また、ステップb)において、排出側に位置するバルブを、短い時間だけ閉じる操作と一定時間開く操作の2つの操作を複数回繰り返すことによって、流路圧力を所定のピーク圧力P2まで複数回上昇させる。このステップd)も双方のフィード方向で複数回ずつ実行すると良い。
本発明のさらに他の特徴によれば、4つのバルブは、遠心室の外部に設けられるものであって、圧縮空気又は電力を動力源として開閉される。また、ロータは、円筒形のロータボディと、ロータボディの上下開口を塞ぐように取りつけられる上側ロータカバーと下側ロータカバーと、試料を分離するためであって内部を複数の空間に仕切るコアを含んで構成される。アッパーラインはロータボディの回転軸線の上側にて上側ロータカバーに接続され、ロアラインはロータボディの回転軸線の下側にて下側ロータカバーに接続される。ロータのコアは、ロータ内を複数均等に分割する羽根状隔壁が外周部に突設される中空状の円筒状の胴部と、胴部の上端と下端を塞ぐよう配設された端面部を有する。
本発明のさらに他の特徴によれば、試料供給ラインには送液ポンプと圧力計(圧力センサ)が設けられ、ステップb)における排出側に位置するバルブの開閉は、圧力計の出力に基づいて制御部によって制御される、尚、トップフィード又はボトムフィードに設定した際に、下流側のバルブの開閉によらずに、ロータよりも下流側に液体の圧力を高めるための流路制限手段をバルブブリッジ部とは別に設けるようにしても良い。
本発明によれば、遠心分離運転前の試料供給時に、試料の流れ方向を複数回自動で反転させるので、ロータ内の遠心分離空間やライン内に滞留する気泡(空気)を効果的に排出できる。また、試料の流れ方向を反転させた後に、試料ラインの下流側のバルブを制限(一部閉鎖又は完全閉鎖)することによって試料の液圧を一時的に上昇させるので、ロータやライン内に滞留する気泡(空気)の排出を促進できる。このように遠心分離運転前の試料注入工程において、内部に存在する気泡(空気)を確実に取り除くことができるので、遠心分離運転時に決められたプロトコル通りの流量で試料を注入することが可能となり、安定した遠心分離性能を得ることができる。
本発明の実施例に係る連続遠心機1の全体を示す斜視図である。 図1の遠心分離部10の詳細構造を示す断面図である。 図2のロータ100の分解斜視図である。 図3のロータ100の底部付近の要部縦断面図である。 図1の遠心分離部10の試料ラインの配管図である。 ロータ100へのボトムフィードによる試料の流れを示す図である。 ロータ100へのトップフィードによる試料の流れを示す図である。 トップフィードとボトムフィードの際のバルブA~Dの開閉状況を示すテーブルである。 本実施例におけるトップフィードとボトムフィードの切替え操作とその際の圧力95を示す図である。 トップフィードとボトムフィードの切替制御手順を示すフローチャートである。 図10のエア抜き工程(ステップ205)の制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。
図1は、本実施例に係る連続遠心機1の全体を示す斜視図である。図1に示されるように連続遠心機1は、ワクチン製造工程などに使用されるいわゆる“連続超遠心分離機”と呼ばれるものであり、遠心分離部10と制御装置部50の2つの主要部分から構成される。遠心分離部10と制御装置部50との間は配線・配管群40で接続される。連続遠心機1は、駆動部30に吊り下げたロータ100を、リフト16およびアーム17の操作によってチャンバ11に出し入れ可能な構造である。遠心分離部10には、ロータ室となる円筒状のチャンバ11と、チャンバ11を支持するベース12と、チャンバ11の内部に出し入れ自由に収容されて高速回転するロータ100と、チャンバ11の上部に配置されてロータ100を吊り下げた状態でこれを回転駆動する駆動部30と、チャンバ11の下側に取り付けられる下側軸受部20と、駆動部30を上下および前後方向に移動させるためのリフト16およびアーム17と、ロータ100に試料又は滅菌液を連続的に供給・排出する送液ポンプ77(図5参照)を有して構成される。チャンバ11の内部には、駆動部30に吊り下げられたロータ100が収容される。回転体であるロータ100の外側面は、胴体部である円筒状のロータボディ101と、その両端をねじ込み式で閉止する上側ロータカバー110および下側ロータカバー120を含んで構成される。上側ロータカバー110の上側には、試料の通路であって回転軸ともなるアッパーシャフト32が設けられ、下側ロータカバー120の下側には、試料の通路であって回転軸ともなるロアシャフト105が設けられる。
ロータ100は高速で回転駆動されるため、遠心分離中は、運転時の大気との風損や摩擦熱による発熱を抑える目的でチャンバ11の内部は減圧された状態に保たれる。チャンバ11内を減圧状態にするために、チャンバ11内の空気を排出する図示せぬ排出口がチャンバ11の胴部に形成され、図示しない真空ポンプが接続される。チャンバ11は複数のボルト13でベース12に固定され、ベース12は複数のボルト14により床面に固定される。
制御装置部50には、チャンバ11の内部を冷却するための図示せぬ冷却装置と、図示せぬ真空ポンプと、ロータ100を所定の場所に移動させるための図示せぬリフト駆動装置と、ロータ100を駆動制御する図示せぬ遠心機コントローラ(制御装置)等が収容される。制御装置部50の上部には、操作・入力する箇所である操作パネル60が配置される。制御装置は、図示しないマイクロコンピュータと記憶装置を含んだ電子回路で構成され、ロータ100の駆動制御、送液ポンプの駆動、後述する複数のバルブA~Dの制御を含む連続遠心機全体の制御を行なう。
図2は図1の遠心分離部10の詳細構造を示す断面図である。チャンバ11は、その内部に駆動部30に吊り下げられた状態のロータ100が収容され、ロータ100の周囲を覆うように円筒形のエバポレータ(蒸発配管)18が設置され、エバポレータ18の外側には円筒形の防御壁の機能を果たすプロテクタ19が設置される。エバポレータ18は、冷媒ガスを循環させる銅配管で構成されており、ロータ100の収容空間を冷却可能である。
ロータ100の内部には、注入された試料を高重力場に導入するためのロータコア130が設置される。ロータコア130は、コアボディ131と、コアボディ131の胴部に設けられた羽根状の隔壁132(図3で後述する132a~132f)によってロータ100の内部を複数の遠心分離空間に分割する。駆動部30は、リフト16(図1参照)の先端部に取り付けられるもので、アッパーシャフト32を回転可能に軸支する。アッパーシャフト32の内部であって軸心位置には、鉛直方向に延びる試料通過孔が形成され、上側の試料の通路の一部を形成することになる。アッパーシャフト32の下端部は漏斗状に広がり、試料通過孔と上側ロータカバー110に形成された試料通路111に連通するように、上側ロータカバー110がアッパーシャフト32にナット119と上側ロータカバー110第二雄ねじ117が螺合することによって固定される。なお、上側ロータカバー110とアッパーシャフト32の間にはシールの為のOリング118が設けられている。駆動部30に含まれるモータの駆動によってアッパーシャフト32が高速回転されと、アッパーシャフト32に連結されたロータ100も高速回転する。ロータコア130の下側には、回転軸部であるロアシャフト105が取り付けられる。ロアシャフト105の軸中心には、試料の下側通路の一部を形成する試料通過孔が貫通しており、試料通過孔は下側ロータカバー120に形成された試料通路121と下側接続部71を接続する。
遠心分離を行なう前にロータ100の内部には試料が供給される。下側接続部71に接続される下側パイプ72を介して試料が矢印75b、75cのように供給され、下側軸受部20を通過してロアシャフト105の試料通過孔を通過して、ロータ100の内部を下から上方向に導入される。このように下側の試料通路121からロータ100内に試料を導入することを「ボトムフィード」と呼ぶ。送液ポンプ77(図5で後述)によって送出された試料がロータ100内に満たされると、上側パイプ82から試料が排出されるので、その状態が制御装置51によって検知されると、制御装置51は駆動部30の図示しないモータを制御して、ロータ100を高速な遠心分離運転回転数まで加速する。
ロータ100内に導入された試料は、ロータコア130によって高遠心力場へ移動されて沈殿と上清とに分離され、上清(廃液)は、上側ロータカバー110に形成された試料通路111からアッパーシャフト32の試料通過孔を通り、駆動部30内を通過して上側接続部81から矢印85aのように上方に排出される。矢印85aのように排出された試料は、上側パイプ82を通って矢印85bのように送出される。
図3は図2のロータ100の拡大図である。コアボディ131は合成樹脂製であって中実にて形成される円柱状のコアボディ131の外周側に、周方向に突出する6枚の羽根状の隔壁132a~132fを形成したものである。隔壁132a~132fは、軸方向に連続する形状であって、コアボディ131と一体に成形され、隔壁132a~132fの外周側端部がロータボディ101の内周面に当接することによって、分離空間137(図4参照)を周方向に均等な6つの空間に区画する。コアボディ131は、上面131aと下面131bの回転中心にそれぞれ試料通過孔134を有し、試料通過孔134から径方向に延在する複数のコア端面溝135a~135fが形成される。コアボディ131の上面131aと下面131bは、それぞれ上側ロータカバー110の下面と、下側ロータカバー120の上面に接することで、コアボディ131とロータカバーの間に、径方向に延びる6本の試料通路を形成する。ここでは、コア端面溝135a~135fの外縁が、コアボディ131の外周側に等間隔で配置された6枚の隔壁132a~132fの中間付近に開口する。コアボディ131の底面部の形状は、上面の形状と基本的に同じ形状とされる。上側ロータカバー110とロータボディ101はねじ込み式であって、上側ロータカバー110の円筒面の下端には雄ねじ114が形成され、ロータボディ101の上側開口101aには雌ねじ102が形成される。同様にして、下側ロータカバー120とロータボディ101はねじ込み式であって、下側ロータカバー120の円筒面の下端には雄ねじ124が形成され、ロータボディ101の下側開口101bには雌ねじ(図では見えない)が形成される。
下側ロータカバー120の内側には、中央の回転軸心に沿って嵌合軸123が形成され、軸心には試料通路121が形成される。下側ロータカバー120とロータボディ101の間にはOリング125が介在され、嵌合軸123とコアボディ131の下面に形成された嵌合孔(図では見えない)の間には、Oリング126が介在される。同様に上側ロータカバー110とロータボディ101の間にもOリング115、Oリング133が介在されている。下側ロータカバー120の上側の円周上の2箇所には、コアボディ131の下面に設けられる位置決め用孔に嵌合するピン128a、128bが取りつけられる。
図4はロータ100の底部付近の部分断面図である。本断面は回転軸線A1を通る鉛直面の縦断面図である。下側ロータカバー120には回転軸線A1に沿って延びる試料通路121と、試料通路121の途中から斜めに分岐するように形成される試料分岐通路122が形成される。試料通路121はロアシャフト105(図2参照)に形成された試料連通孔と連通する。ロアシャフト105はナット129によって下側ロータカバー120に固定される。なお、下側ロータカバー120とロアシャフト105の間にはOリング127が設けられている。
駆動部30の図示しないモータが回転すると、アッパーシャフト32が回転し、それに同期するようにロータ100全体も回転する。ロアシャフト105は下側軸受部20(図2参照)によって回転可能なように軸支されるので、ロータ100と共に回転する。試料通路121には途中から斜め径方向に分岐する複数の試料分岐通路122が形成されるので、矢印75dの方向に試料通路121から流入した試料は、試料分岐通路122を通って矢印176のように上方向及び径方向外側に流れて径方向通路145に到達する。その後、試料は径方向通路145を矢印177の方向に流れてから、分離空間137に到達する。分離空間137では試料が矢印178の方向(上方向)に連続的に流れながら遠心分離運転が行われる。これら試料通路121、試料分岐通路122、径方向通路145は径が細い上に屈曲した接続部分があるため、液中に溶け込んでいる微小な気泡が屈曲部分に溜まりやすい。またロータが回転中に試料を注入する場合には、比重の軽い気泡は試料分岐通路122を径方向外側に向かって流れにくく停滞しやすい。そこで、本実施例では後述するように、試料の流れる方向をボトムフィードとトップフィードで1回以上反転させるようにし、さらには、試料のフィード中においても断続的に送液圧力を高める操作を行うことにより、気泡を滞留部分から離脱させるようにする。
図5は遠心分離部10の試料ラインの配管図である。本明細書では、試料タンク70から回収タンク86までであって、ロータ100の内部を除く一連のライン(流路)を“試料ライン”と定義する。遠心分離される試料は送液ポンプ77によって、試料を貯える試料タンク70から供給パイプ73を矢印75aの方向に流れ、送液ポンプ77を通過してバルブブリッジ部90の試料流入点73aに流入する。供給パイプ73の途中には圧力センサ(圧力計)76が接続される。圧力センサ76は、試料ラインに供給される液体の圧力を測定する。マイコン52は、圧力センサ76から圧力データを取得することにより送液ポンプ77の駆動を制御し、送液ポンプ77を駆動してロータ100に試料を送ることが出来る。
バルブブリッジ部90は、ブリッジ接続された4つのバルブA~Dによって構成される流路切替手段である。バルブブリッジ部90により、下側パイプ72から上側パイプ82方向に試料を流す第一の流路方向(ボトムフィード)と、上側パイプ82から下側パイプ72方向に試料を流す第二の流路方向(トップフィード)が切り替えられる。バルブブリッジ部90の4つの接続点のうちタンク側の2つは、試料タンク70から試料供給ラインによって供給される試料の流入点73aと、回収タンク86へ試料供給ラインを介して試料を排出するための試料排出点83aである。残りのロータ100側の接続点の2つは、下側パイプ72に接続されるロアライン接続点72aと、上側パイプ82に接続されるアッパーライン接続点82aとなる。バルブA~Dは、それぞれ同一部品であって、高圧のエアを駆動源としてバルブの開閉を行い、流路を開くか閉じるかいずれかの制御が可能である。バルブA~Dの開閉操作は、制御装置51に含まれるマイコン52の指示によって行われる。尚、バルブA~Dの種類は任意で有り、マイコン52の指示によって開閉制御が直接又は間接的に実行可能であるならば、電力を用いる電磁バルブでも良い。また、バルブA~Dは、“全開位置”、又は“全閉位置”の2つしか選択できないようなバルブで十分であるが、半開等の任意の中間位置が選択できるような開度調整可能なバルブを用いても良い。
下側パイプ72、上側パイプ82、供給パイプ73、排出パイプ83は、シリコンチューブ等の弾力性のあるもの、ステンレスパイプ等の弾力性のないもの等、適宜設定することができる。しかしながら、本願のエア抜き工程をおこなうにはステンレスパイプ等の弾力性のないものとすると好ましい。制御装置51はマイコン52を含んで構成され、コンピュータプログラムを実行することにより、送液ポンプ77の駆動による試料の送出及び排出の制御、バルブブリッジ部90のバルブA~Dの開閉制御、圧力センサ76を用いた試料の圧力測定を含む遠心分離運転の全体の管理を行う。送液ポンプ77は、点線で示すようにマイコン52の制御によって駆動される。圧力センサ76の出力は信号線によってマイコン52に伝達される。ここでは図示していないが、バルブブリッジ部90のバルブA~Dへは、高圧空気を送出するエアパイプが接続され、マイコン52がそれぞれのエアパイプへの高圧空気の供給又は遮断を制御することによって、バルブA~Dの開閉操作を行う。遠心分離運転時のロータ100の内部への連続的な試料の注入方向は、図5の矢印75cのように下側から行い、矢印85aのようにロータ100の上側からアッパーシャフト32の試料貫通穴を介して分離された上澄み液(上清)が図示しない排出ラインに排出される、いわゆるボトムフィードが一般的であるが、トップフィードで行う場合もある。
図6はロータ100へのボトムフィードによる試料の流れを示す図である。バルブブリッジ部90においてボトムフィードが設定されると、矢印75aのようにバルブブリッジ部90に流入した試料が、矢印75b、75cのように下側パイプ72を通ってロータ100の下側軸受部20からロータ100の内部に試料が流入する。この流路を形成するには、バルブブリッジ部90のうち、バルブAとDを閉じて、バルブBとCを開くようにする。このようにバルブA~Dを操作すれば、ロータ100の内部で下側から上側に向けて試料が流れるボトムフィードが実現できる。ボトムフィードを行いながらロータ100の高速回転をさせると、分離された上清(廃液)は、アッパーシャフト32(図1参照)を通って駆動部30に流入し、駆動部30から上側パイプ82を通って矢印85a、85bのように流れて、アッパーライン接続点82aからバルブブリッジ部90に流入し、試料排出点83aを通って排出パイプ83を矢印85cのように流れて回収タンク86(図5参照)に到達する。
図7はロータ100へのトップフィードによる試料の流れを示す図である。トップフィードにするには、バルブブリッジ部90のうち、バルブBとCを閉じて、バルブAとDを開くようにする。このようにバルブA~Dを操作すれば、試料タンク70から矢印75a、75d、75eのように流れ、ロータ100の内部で上側から下側に向けて試料が流れるボトムフィードが実現できる。トップフィードを行いながらロータ100の高速回転をさせると、分離された沈殿液は、ロアシャフト105(図1参照)を通って下側軸受部20に流入し、下側軸受部20から下側パイプ72を通って矢印85d、85eのように流れて、バルブブリッジ部90に流入し、試料排出点83aを通って排出パイプ83を矢印85f、85cのように流れて、ロアライン接続点72aからバルブブリッジ部90に流入し、試料排出点83aを通って排出パイプ83を矢印85cのように流れて回収タンク86(図5参照)に到達する。
トップフィードとボトムフィード時のバルブA~Dの開閉状態をまとめたのが図8のテーブルである。トップフィードからボトムフィードの切替えでは、各バルブの開閉状態を逆にして、バルブA、B、C、D=(開、閉、閉、開)の状態を、バルブA、B、C、D=(閉、開、開、閉)とすれば良い。同様に、ボトムフィードからトップフィードの切替えでは、各バルブの開閉状態を逆にして、バルブA、B、C、D=(閉、開、開、閉)の状態を、バルブA、B、C、D=(開、閉、閉、開)とすれば良い。このようにトップフィードとボトムフィードの切替制御だけであれば、バルブAとDを共通のエアホースで高圧エアを供給し、バルブBとCを共通のエアホースで高圧エアを供給するようにすれば良い。しかしながら、本実施例では、バルブA~Dはそれぞれ独立して開閉制御できるように構成して、バルブの一部を一時的に制限する(閉鎖または絞る)ことによって流路内の液圧を一時的に上昇させて、上昇させた液圧をすぐに開放するという操作を、間隔をおきながら数回繰り返すようにした。その制御の仕方を図9を用いて説明する。
図9は、本実施例におけるトップフィードとボトムフィードの切替え操作とその際の圧力95を示す図である。横軸は時間の経緯(単位sec.)であり、縦軸は圧力センサで計測された圧力(単位MPa)である。ここでは、ボトムフィードとトップフィードを2回ずつ切替え、それぞれのフィード中に圧力変動を加える回数Yを3とした場合の圧力95の推移を示す。遠心分離を行う前には、まずバルブA、B、C、D=(閉、開、開、閉)としてボトムフィードに設定する。次に、準備工程としてロータ100を回転させる前に、送液ポンプ77を稼働させて密度の異なる液体(密度液)をボトムフィードにてロータ内に順次入れる。例えば密度の低い液体を入れたあとに、密度の高い液体を入れ、分離空間137(図2参照)を密度の異なる液体の層で満たす。ロータ100内が液体で満たされると、上側パイプ82からバルブブリッジ部90まで液体が到達して、試料排出点83aより排出される。この状態になってから、ロータ100を低速回転、例えば4000rpmまで回転させ、整定したら、時刻t~tにわたって本実施例によるエア抜き工程を実行する。
時刻tにおいて、ボトムフィードの状態を維持したまま、一定時間T1(秒)が経過するまで待ち、その後バルブCを閉鎖する。つまり、バルブA、B、C、D=(閉、開、閉、閉)とする。すると、液体の圧力95が矢印95aのように急上昇する。ここで圧力95が矢印95bに示すように所定の圧力閾値(ピーク圧力)P2に到達したら、マイコン52はバルブCを開いて、A、B、C、D=(閉、開、開、閉)の状態に戻す。すると液体の圧力はP2から急激に低下して、矢印95cに示すように通常の給送圧力P1に戻る。通常の給送圧力P1が一定の時間T2(秒)だけ経過したら再びバルブCを閉鎖して圧力を高め、矢印95dのように圧力閾値P2に到達したらバルブCを開く。このように、バルブCを閉鎖して圧力閾値P2に到達させる流路制限手段として作用させ、圧力閾値P2をピーク圧力とする状態を、矢印95、95d、95eのように3回繰り返す。その後、時間T3(秒)だけ待機し、1回目のフィード時のエア抜き工程を終了する。
次に時刻tにおいて、バルブA、B、C、D=(開、閉、閉、開)としてトップフィードに切り替える。この時は、送液ポンプ77を稼働させた状態のままで良い。時刻tから一定時間T1(秒)が経過するまで待ち、その後バルブDを閉鎖する。つまり、バルブA、B、C、D=((開、閉、閉、閉)とする。すると、液体の圧力95が矢印95fのように急上昇する。ここで圧力95が矢印95gに示すように所定の圧力閾値P2に到達したら、マイコン52はバルブDを開いて、A、B、C、D=(開、閉、閉、開)の状態に戻す。すると液体の圧力はP2から急激に低下して、矢印95hに示すように通常の給送圧力P1に戻る。通常の給送圧力P1が一定の時間T2(秒)だけ経過したら再びバルブDを閉鎖して圧力を高め、矢印95iのように圧力閾値P2に到達したらバルブDを開く。このように、流路制限手段として作用するバルブDを閉鎖して圧力閾値P2に到達させる状態を、矢印95g、95i、95jのように3回繰り返す。その後、時間T3(秒)だけ待機し、2回目のフィード時のエア抜き工程を終了する。
同様にして、時刻tにてボトムフィードに切り替え、3回目のフィード時のエア抜き工程によって矢印95k~95mの3つの圧力ピークを生ずるようにする。最後に時刻tにてトップフィードに切り替え、2回目のトップフィードによるエア抜き工程によって矢印95n~95pの3つの圧力ピークを生ずるようにする。最後に時刻tにてバルブA、B、C、D=(閉、開、開、閉)としてボトムフィードに切り替え、全エア抜き工程を終了する。ここで、T1、T2、T3の時間は適宜設定すれば良いが、例えばT1、T2、T3は数秒程度に設定できる。
このように、本実施例では流路切換えを行うバルブブリッジ部90と、ライン圧力を測定可能な圧力センサ76と、試料を供給する送液ポンプ77を備えたサンプルフィードにおいて、ロータ100を低速回転で整定後に、ボトムフィードとトップフィードの切り替え操作による第一のエア抜き手順を行う。さらに本実施例では、フィード方向の設定後に、1回以上の短い時間の圧力上昇を発生させるようにして第二のエア抜き手順を行う。切り替え中においては、トップフィード又はボトムフィードで試料を流しながら、遠心機の許容圧力Pmaxを超えない、あらかじめ決められた圧力閾値P2のピーク圧力までライン圧力が一時的に上がるようにした。つまり、開操作中のバルブの一つを閉じることにより、液体の圧力を閾値P2まで上昇させ、閾値P2に達した後は、一時的に閉じていたバルブを再び開く、という操作を行うエア排出モードを実現した。この結果、ロータ100内の試料に含まれる気泡を、制御部による自動制御によって自動で取り除くことができるようになった。時刻t以降は、ロータ100を高速回転まで加速させて、下側ライン72からロータ100へ試料を送液しながら、ロータ100の高速回転による連続的な遠心分離運転を実行する。
次に図10のフローチャートを用いて連続遠心機1によるエア抜き工程の手順を説明する。本実施例によるエア抜き工程は、連続遠心分離運転を行う直前の準備段階、即ち、ロータ100の内部が試料によって満たされ、高速回転させる前に一度低速回転で実行されるもので、マイコン52を有する制御装置51(図5参照)によって実施される。まず、試料を試料タンク70にセットして、バルブB、Cを開き、バルブA、Dを閉じることによってボトムフィードにセットする(ステップ201)。次に、フィード方向の設定回数をカウントするためのカウンタXを1にセットし(ステップ202)、ロータ100の内部に試料を供給するために送液ポンプ77を動作させて、下側接続部71から試料を注入する(ステップ203)。ロータ100内が試料で満たされると、上側接続部81から試料が出てくるので、試料が出てきたらロータ100を回転させ、低速回転、例えば4,000rpmまで加速して整定させる(ステップ204)。通常、この時の試料ラインにおける送液の圧力は、連続遠心機1の許容圧力Pmaxに(図9参照)に比べて十分小さい。このように試料をロータ100に供給している最中に、開いている2つのバルブのうち流入方向下流側にあるバルブ(ここではバルブC)を一時的に閉じる操作を実行して、エア抜きを1回以上実施するエア抜き工程を実行する(ステップ205)。エア抜き工程(ステップ205)の詳細手順は図11を用いて後述する。
ボトムフィード時におけるエア抜き工程(ステップ205)が終了したら、マイコン52は、バルブA、Dを開いて、バルブB、Cを閉じることによりボトムフィードからトップフィードに切り替え(ステップ206)、フィード方向の設定回数カウンタXを1つ増加させる(ステップ207)。次に、マイコン52はトップフィードにより試料を供給しながら、図9で実施したバルブDを一時的に閉じるエア抜き工程を実施する(ステップ208)。エア抜き工程(ステップ208)の手順は、開閉するバルブの対象が違うだけでステップ205と同じであるが、詳細手順は図11を用いて後述する。エア抜き工程(ステップ208)が終了すると、マイコン52は、フィード方向逆転回数Nが規定回数4に到達したか否かを判定し、規定回数に到達していない場合は、バルブB、Cを開き、バルブA、Dを閉じることによってボトムフィードにセットして(ステップ210)、設定回数カウンタXを1つ増加させて(ステップ211)、ステップ205に移る。ステップ205から208が再び実行され、ステップ209にてフィード方向逆転回数Xが4に到達したら、エア抜き工程が終了となる(ステップ212)。エア抜き工程が終了、即ち図9の時刻tに到達したら、マイコン52はロータ100を高速で回転させることにより遠心分離運転を実行する。この遠心分離運転の制御手順は従来の連続遠心機の制御手順と同じであるので、ここでの説明は省略する。
次に、図11を用いてエア抜き工程(ステップ205)の詳細手順を説明する。最初に、マイコン201は、フィード方向を設定した後の圧力上昇回数YをカウントするためのカウンタYを0クリアし(ステップ251)、T1秒だけ待機する(ステップ252)。T1秒が経過したら、マイコン52は2つ開いているバルブB、Cのうち、流れ方向の下流側に存在するバルブCを閉じる(ステップ253)。この際、カウンタYを1増加させる(ステップ254)。バルブCを閉とすれば、流路が閉ざされるため徐々にライン圧力は上昇していく。図9の矢印95bに示すように圧力95が閾値P2に到達したら、マイコン52はバルブCを開くと、ラインの中に留まっていた試料は一気に排出される(ステップ255、256)。このように試料の圧力95をP1→P2→P1と急激に変化させることによって、ロータ100内に滞留していた微小な気泡までも効果的に移動させることが可能となる。
次にマイコン52は、所定の時間T2が経過するまで待機し(ステップ257)、バルブCを閉じた回数を示すカウンタYが、規定の値(ここでは3)に到達しているかを判定し、到達していなかったらステップ253に戻り、ステップ253~257を合計Y回繰り返す。ステップ258において規定の値3に到達したら、マイコン52は、所定の時間T3が経過するまで待機し(ステップ259)、元のステップ205に戻る。このようにボトムフィードとトップフィードが合計X回となるように切り替えつつ、それぞれのフィード実行時に、圧力上昇と流路開放の操作をY回ずつ行う。以上のように、ライン内に圧力変動を繰り返し与えることおよび流れ方向を切り替える“エア排出モード”を設けたことによって、流路に混入した気泡はラインからほぼ排出される。
尚、ステップ255は圧力閾値P2の到達に合わせてマイコン52によって自動的に制御可能なバルブの開閉を行うものであるが、送液ポンプ77の回転数を同時に制御するようにしても良い。通常の試料注入時に使用する送液ポンプの回転数よりも高めにすることで、配管内の流速が急激に上げることができるため、エアが抜けやすくなると同時に、圧力閾値P2に達するまでの時間を短縮できるため、X=4回分のエア抜き工程を完了させるためのタクトタイムを短縮できる。
ところで“エア排出モード”の機能は、エア抜き工程だけでなく、停止中のCIP工程(ライン洗浄工程)にも活用できる。遠心分離後のロータ、コア内部のサンプル由来の汚れは、一般的にアルカリ水溶液を用いてライン洗浄され、さらにアルカリ成分が残留しないようWFIで洗浄されることが多いが、デッドスペースに汚れやアルカリ成分が残留しないようにする必要がある。上記の制御方法を採用すれば、ラインの圧力、流れ方向、流速などに変化をもたらすことを自動で行えるため、遠心分離後の接液部の洗浄性向上が期待される。さらに特開2011-177703で示されたロータを低速回転させながらライン洗浄する方法と組み合わせることで、より一層洗浄効果の向上が見込まれる。
なお、連続遠心機1とは別装置であるサンプルフィードシステムには、従来製品においてもバルブA~Dの役割を持つ4方向弁を採用していることが多い。上記はこの4方向弁を制御する形で述べたものであるが、サンプルフィードシステムではなく、連続遠心機1の上側シール部および下側シール部近傍に新たなバルブを設けることでも実現できる。遠心分離部にできるだけ近い箇所にバルブを設けて開閉動作を行った方が、圧力変動や流速変動の効果を期待できる。バルブ制御を担う制御部は、サンプルフィードシステム側が備えても、連続遠心機1側が備えても良い。
またサンプルフィードシステムおよび連続遠心機1との接続に使用される配管は、シリコンチューブのようなチューブを用いる場合もあるが、SIPを取り入れる場合などではステンレス配管となる場合もある。チューブ配管であれば自動ピンチバルブを用いればよく、ステンレス配管であれば自動ダイヤフラム弁を用いればよいが、流路を開閉する機能を有すればバルブの種類は問わない。更に言えば、バルブと呼称される部品に限定せずとも、流路を閉塞する機能を有するものであれば、同様の効果を期待できる。
本実施例によれば、トップフィードとボトムフィードの切替え合計回数をX、圧力閾値Pまで圧力を上げてから開とする自動バルブの動作回数をそれぞれの切り替え時にY回とし、自動バルブの開閉間隔時間をT1、T2、T3としてパラメータとしてマイコン52に記憶させることで、エア抜き工程をマイコン52を用いて全自動で行うことが可能となった。ロータ100の高速回転前にロータ内に残留する気泡を自動で除去すれば、遠心分離運転時における試料の送液圧力を低く保つことができ、ロータ100への試料の連続供給が安定し、良好な遠心分離性能を得ることができる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施例の連続遠心機1では、分離する試料を下側パイプ72からロータ100へ入れるボトムフィードの例で説明したが、それだけに限られずに、試料を上側パイプ82からロータ100内に入れて、下側パイプ72から廃液又は分離試料を回収タンク86に回収するトップフィードによる遠心分離運転の場合であっても同様に適用できる。
1…連続遠心機、10…遠心分離部、11…チャンバ、12…ベース、13,14…ボルト、16…リフト、17…アーム、18…エバポレータ、19…プロテクタ、20…下側軸受部、30…駆動部、32…アッパーシャフト、40…配線・配管群、50…制御装置部、51…制御装置、52…マイコン、60…操作パネル、70…試料タンク、71…下側接続部、72…下側パイプ、72a…下側ライン接続点、73…供給パイプ、73a…試料流入点、75a~75e…試料の流れ、76…圧力センサ、77…送液ポンプ、81…上側接続部、82…上側パイプ、82a…アッパーライン接続点、83…排出パイプ、83a…試料排出点、85a~85f…廃液の流れ、86…回収タンク、90…バルブブリッジ部、95…液体の圧力、100…ロータ、101…ロータボディ、101a…上側開口、101b…下側開口、102…雌ねじ、105…ロアシャフト、110…上側ロータカバー、111…試料通路、114…雄ねじ、115…Oリング、117…第二雄ねじ、118…Oリング、119…ナット、120…下側ロータカバー、120a…開口部、121…試料通路、122…試料分岐通路、123…嵌合軸、124…雄ねじ、125~127…Oリング、128a,128b…位置決め用ピン、129…ナット、130…ロータコア、131…コアボディ、131a…コア上面、131b…コア下面、132,132a~132f…隔壁、133…Oリング、134…試料通過孔、135,135a~135f…コア端面溝、137…分離空間、145…径方向通路、176~178…試料の流れ、180~182…試料の流れ、A1…(ロータの)回転軸線

Claims (10)

  1. 試料を分離するための円筒状のロータと、ロータが収納される遠心室と、ロータを回転させる駆動手段と、ロータの回転中にロータに試料を連続的に供給および排出する試料ラインと、遠心分離運転を制御する制御部と、を備え
    前記試料ラインは、試料タンクに接続される試料供給ラインと、回収タンクに接続される試料排出ラインと、前記ロータの上側通路に繋がるアッパーラインと、前記ロータの下側通路に繋がるロアラインを有する連続遠心機において、
    4つの前記ラインをブリッジ接続すると共に、前記制御部によって独立して開閉操作されるバルブをそれぞれのブリッジに設け、
    前記制御部は、前記ロータを回転させながら前記試料を前記ロータにトップフィードとボトムフィードで交互に流す操作を、
    a)4つの前記バルブのうち対向する2つのバルブだけを開放することによって前記ロータに対する試料の供給方向をトップフィード又はボトムフィードに定め、
    b)前記試料の前記ロータからの排出が行われた後に、開放されたバルブのうちの排出側に位置する前記バルブを閉じることにより流路圧力を所定のピーク圧力まで到達させてから、排出側に位置する前記バルブを再び開いて前記流路圧力を通常状態に戻し、
    c)前記ステップa)にて開放された2つのバルブを閉じて、残りのバルブを開くようにして前記ロータに対する試料の供給方向を反対方向にし、
    d)前記ステップb)及びステップc)を繰り返す、
    ことを実行することによって前記ロータ内の気泡を排出することを特徴する連続遠心機。
  2. 前記ステップb)において、排出側に位置する前記バルブを、短い時間だけ閉じる操作と一定時間開く操作の2つの操作を複数回繰り返すことによって、前記流路圧力を所定のピーク圧力まで到達させる状態を複数回発生させることを特徴とする請求項に記載の連続遠心機。
  3. 前記d)の繰り返しステップは、複数回実行されることを特徴とする請求項又はに記載の連続遠心機。
  4. 4つの前記バルブは、前記遠心室の外部に設けられるものであって、圧縮空気又は電力を動力源として開閉されることを特徴とする請求項から3のいずれか一項に記載の連続遠心機。
  5. 前記ロータは、円筒形のロータボディと、前記ロータボディの上下開口を塞ぐように取りつけられる上側ロータカバーと下側ロータカバーと、前記試料を分離するためであって内部を複数の空間に仕切るコアを含んで構成され、
    前記アッパーラインは前記ロータボディの回転軸線の上側にて前記上側ロータカバーに接続され、前記ロアラインは前記ロータボディの回転軸線の下側にて前記下側ロータカバーに接続されることを特徴とする請求項に記載の連続遠心機。
  6. 前記コアは、前記ロータ内を複数均等に分割する羽根状隔壁が外周部に突設される中空状の円筒状の胴部と、該胴部の上端と下端を塞ぐよう配設された端面部を有することを特徴とする請求項に記載の連続遠心機。
  7. 前記試料供給ラインには送液ポンプと圧力計が設けられ、
    前記ステップb)における排出側に位置する前記バルブの開閉は、前記圧力計の出力に基づいて前記制御部によって制御されることを特徴とする請求項に記載の連続遠心機。
  8. 試料を分離するための円筒状のロータと、ロータが収納される遠心室と、ロータを回転させる駆動手段と、ロータの回転中にロータに試料を連続的に供給および排出するための試料ラインと、遠心分離運転を制御する制御部を備えた連続遠心機のエア排出方法であって
    前記試料ラインとして、試料タンクに接続される試料供給ラインと、回収タンクに接続される試料排出ラインと、前記ロータの上側通路に繋がるアッパーラインと、前記ロータの下側通路に繋がるロアラインを設け、4つの前記ラインをブリッジ接続して、それぞれのブリッジにバルブを設け、
    前記制御部は、
    a)前記ロータを回転させながら前記試料を前記ロータにトップフィードとボトムフィードで交互に流す操作を行い、
    b)フィード方向を切替えた後の前記試料ラインの流速が通常よりも高くなるように前記試料ラインを一時的に絞って、その後に開放するという操作を行い
    c)4つの前記バルブのうち対向する2つのバルブだけを開放することによって前記ロータに対する試料の供給方向をトップフィード又はボトムフィードに定め、
    d)前記試料の前記ロータからの排出が行われた後に、開放されたバルブのうちの排出側に位置する前記バルブを閉じることにより流路圧力を所定のピーク圧力まで到達させてから、排出側に位置する前記バルブを再び開いて前記流路圧力を通常状態に戻し、
    e)前記ステップa)にて開放された2つのバルブを閉じて、残りのバルブを開くようにして前記ロータに対する試料の供給方向を反対方向にし、
    f)前記ステップd)及びステップe)を繰り返す、
    ことによって前記ロータ内の気泡を排出させることを特徴とする連続遠心機のエア排出方法。
  9. 前記ステップd)において、排出側に位置する前記バルブを、短い時間だけ閉じる操作と一定時間開く操作の2つの操作を複数回繰り返すことによって、前記流路圧力を所定のピーク圧力まで到達させる状態を複数回発生させることを特徴とする請求項に記載の連続遠心機のエア排出方法。
  10. 前記f)の繰り返しステップは、複数回実行されることを特徴とする請求項に記載の連続遠心機のエア排出方法。
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