JP7151921B1 - 波長変換シート用フィルム、波長変換シート、バックライト、及び、表示装置 - Google Patents

波長変換シート用フィルム、波長変換シート、バックライト、及び、表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7151921B1
JP7151921B1 JP2022062536A JP2022062536A JP7151921B1 JP 7151921 B1 JP7151921 B1 JP 7151921B1 JP 2022062536 A JP2022062536 A JP 2022062536A JP 2022062536 A JP2022062536 A JP 2022062536A JP 7151921 B1 JP7151921 B1 JP 7151921B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
wavelength conversion
conversion sheet
film
primer layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022062536A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023057008A (ja
Inventor
武士 坂本
修一 田村
暁人 春木
祥多 山西
優子 藤岡
太郎 森本
修之 小野
龍太郎 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from JP2021166429A external-priority patent/JP2023056922A/ja
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2022062536A priority Critical patent/JP7151921B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7151921B1 publication Critical patent/JP7151921B1/ja
Publication of JP2023057008A publication Critical patent/JP2023057008A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Planar Illumination Modules (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Optical Filters (AREA)

Abstract

【課題】波長変換シートとしたときに蛍光体層との密着性により優れた波長変換シート用フィルム、該フィルムを有する波長変換シート、該波長変換シートを有するバックライト及び表示装置を提供する。【解決手段】基材20上に、プライマー層30を有し、前記プライマー層30がポリウレタン系樹脂を含む樹脂組成物の硬化物を含有し、前記硬化物の軟化点が250℃以上である、波長変換シート用フィルム10。【選択図】図1

Description

本開示は、波長変換シートに用いられるフィルムに関する。また本開示は、該フィルムを有する波長変換シート、並びに、該波長変換シートを備えるバックライト及び表示装置に関する。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴って、液晶表示装置の需要が増加している。また、最近においては家庭用の液晶テレビの普及率も高まっており、スマートフォン、タブレット端末も広く普及しつつあることから、液晶表示装置の市場は拡大する状況にある。
このような液晶表示装置は、一般的に、カラーフィルタ、対向基板、これらに挟持された液晶層を有する液晶セル部を有し、さらに、バックライト部とよばれる光源を有するものである。
また、最近では、量子ドットの技術を用いたバックライト部材の開発も進められている。量子ドットとは、半導体のナノメートルサイズの微粒子を言う。また、量子ドットは、電子や励起子がナノメートルサイズの小さな結晶内に閉じ込められる量子閉じ込め効果(量子サイズ効果)により、発光波長の可視領域全体に渡って調整することができる。量子ドットは、狭い波長帯で強い蛍光を発生することができるため、表示装置が色純度の優れた三原色の光で照明することができるようになる。そのため、量子ドットを用いたバックライトによって、優れた色再現性を有する表示装置とすることができる。
この表示装置のバックライト光源に用いられる波長変換シートは、半導体のナノメートルサイズの蛍光体微粒子を樹脂の層に分散させた蛍光体層と、蛍光体層を保護するために蛍光体層の表面に形成されるフィルムと、LED光源と組み合わせた構成を有する。当該フィルムは、蛍光体層の劣化を抑制するため、水蒸気バリア性を有する。例えば、蛍光体が含有される蛍光体層にバリアフィルムを積層した波長変換シートであって、バリアフィルムが所定のポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にバリア層を積層した波長変換シート及びそれを用いたバックライトユニットが開発されている(特許文献1)。
蛍光体層への水蒸気の侵入を更に抑制するために、蛍光体層とバリアフィルムとの密着性を向上させることが試みられている。例えば特許文献2及び特許文献3には、ポリウレタン系樹脂組成物を含むプライマー層を用いることにより、高温高湿環境下でも蛍光体層との密着性に優れるバリアフィルムを開示している。
国際公開第2015/037733号 特開2018-13724号公報 特開2019-126924号公報
特許文献2,3の波長変換シートは、60℃90%RHの環境に500時間放置する試験を行った後でも、蛍光体層との密着性が優れていた。しかしながら、上記環境で更に放置し続けると、波長変換シートと蛍光体層との間で剥離が発生した。この剥離の発生により、酸素及び水蒸気が波長変換シートの内部に侵入し、蛍光体層が劣化することが問題となっていた。
本開示は上記課題に鑑みなされたものであり、波長変換シートとしたときに蛍光体層との密着性により優れた波長変換シート用フィルム、該フィルムを有する波長変換シート、該波長変換シートを有するバックライト及び表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々の配合のプライマー層を形成したフィルムについて、その物性と蛍光体層との長期環境試験後の密着性との関連を評価した。その結果、硬化物としたときの軟化点が所定値以上であるポリウレタン系樹脂組成物を用いた場合に、60℃90%RHの環境下で500時間を超えて長期間放置しても、蛍光体層との優れた密着性を担保できることを見出し、本開示を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決するために、本開示は、以下の[1]~[10]を提供する。
[1] 基材上に、プライマー層を有し、前記プライマー層がポリウレタン系樹脂を含む樹脂組成物の硬化物を含有し、前記硬化物の軟化点が250℃以上である、波長変換シート用フィルム。
[2] 前記樹脂組成物は、水酸基に対するイソシアネート基のモル比(NCO/OH比)が1.1以上である、[1]に記載の波長変換シート用フィルム。
[3] 前記ポリウレタン系樹脂が、(メタ)アクリル基を有する多官能イソシアネートと、ヒドロキシル基含有化合物との反応によって得られるポリウレタン系樹脂を含む、[1]または[2]に記載の波長変換シート用フィルム。
[4] 前記樹脂組成物が、シランカップリング剤を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の波長変換シート用フィルム。
[5] 前記基材と前記プライマー層との間にバリア層を更に含む、[1]~[4]のいずれかに記載の波長変換シート用フィルム。
[6] 前記バリア層が、無機酸化物層と、有機被覆層とを含み、前記有機被覆層が前記プライマー層と接触する、[5]に記載の波長変換シート用フィルム。
[7] 前記バリア層が、金属酸化物とリン化合物とを含む組成物の反応物を含む層である、[5]に記載の波長変換シート用フィルム。
[8] 蛍光体を含む蛍光体層の少なくとも一方の表面側に、前記プライマー層と前記蛍光体層とが接触するように[1]~[7]のいずれかに記載のフィルムが設けられる、波長変換シート。
[9] 一次光を放出する少なくとも1つの光源と、前記光源に隣接して配置され、導光又は拡散のための光学板と、前記光学板の光出射側に配置された波長変換シートとを備えたバックライトであって、前記波長変換シートが[8]に記載の波長変換シートであるバックライト。
[10] バックライト及び液晶パネルを備えた表示装置であって、前記バックライトが[9]に記載のバックライトである表示装置。
本開示に依れば、高温高湿環境下で長期間放置しても蛍光体層との優れた密着性を有し、蛍光体層の劣化を抑制することができる波長変換シートを得ることができる。当該波長変換シートを用いることにより、蛍光体層の劣化が発生しにくいバックライト及び表示装置を得ることができる。
本開示の波長変換シート用フィルムの一実施形態を模式的に説明する断面概略図である。 本開示の波長変換シートの一実施形態を模式的に説明する断面概略図である。 本開示のバックライトの一実施形態を示す断面図である。 本開示のバックライトの他の実施形態を示す断面図である。
以下、本開示の波長変換シート用フィルムについて、詳細に説明する。なお、本明細書中の「AA~BB」との数値範囲の表記は、「AA以上BB以下」であることを意味する。
[波長変換シート用フィルム]
波長変換シート用フィルムは、波長変換シートの蛍光体層を保護するとともに、外部環境から酸素及び水蒸気が波長変換シート内部に侵入して蛍光体層に到達し、該蛍光体層が劣化することを防止する役割を果たす。
本開示の波長変換シート用フィルムは、基材上に、プライマー層を有し、前記プライマー層がポリウレタン系樹脂を含む樹脂組成物の硬化物を含有し、前記硬化物の軟化点が250℃以上である。
図1は、本開示の波長変換シート用フィルムの一実施形態を模式的に説明する断面概略図である。波長変換シート用フィルム10は、基材層20上にプライマー層30を有する。図1に示すように、波長変換シート用フィルム10は、基材層20とプライマー層30との間にバリア層40を有していてもよい。図1に示すように、基材層20におけるプライマー層30が形成される面と反対側の面に、拡散層50が設けられていてもよい。
本開示の波長変換シート用フィルムは、波長変換シートとして用いたときに光源からの光を効率よく変換するために、JIS K 7361-1:1997に基づき測定される全光線透過率が高いことが好ましい。具体的には、本開示の波長変換シート用フィルムは、JIS K 7361-1:1997に基づき測定される全光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
本開示の波長変換シート用フィルムのガスバリア性は、後述する蛍光体の劣化を考慮した要求により設定することができる。具体的に、波長変換シートに用いられる蛍光体が酸素や水蒸気等で劣化しやすい性質を有している場合には、波長変換シート用フィルムは高いガスバリア性を有していることが好ましい。一方、蛍光体が劣化しにくいのであれば、波長変換シート用フィルムに高いガスバリア性は要求されない。
波長変換シート用フィルムのJIS K 7129-2:2006による酸素透過度の値は、20cc/m・day・atm以下であることが好ましく、10cc/m・day・atm以下であることがより好ましく、5cc/m・day・atm以下であることが更に好ましく、2cc/m・day・atm以下であることが特に好ましい。また、波長変換シート用フィルムのJIS K 7129:2008 B法による水蒸気透過度の値は、20g/m・day以下であることが好ましく、10g/m・day以下であることがより好ましく、5g/m・day以下であることが更に好ましく、2g/m・day以下であることが特に好ましい。
酸素透過度は、例えば、MOCON社製の酸素透過率測定装置「OX-TRAN」にて測定できる(モコン法)。また、水蒸気透過度は、例えば、MOCON社製の水蒸気透過率測定装置「PERMATRAN」にて測定できる。酸素透過度の測定時の条件は、温度23℃、相対湿度90%とする。水蒸気透過度の測定時の条件は、温度40℃、相対湿度90%とする。
以下、波長変換シート用フィルムの各層について説明する。
[基材層]
基材層は、主としてプライマー層の支持体としての役割を担う。基材層は、高い光透過性を有するものが好適である。具体的には、基材層は、JIS K 7361-1:1997に準拠する全光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
基材層は、波長変換シートの機能を害することのない樹脂フィルムであれば、材質は特に制限されない。基材層として、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンブチレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン樹脂、非晶ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、液晶ポリマー等の樹脂を挙げることができる。透明性、耐熱性等を得るためには、基材層としてポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることが好ましい。また、上述した酸素透過度及び水蒸気透過度を得るために、基材層としてポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン樹脂を用いることが好ましい。
基材層は、単層からなる樹脂フィルムであってもよく、複数の樹脂フィルムが接着層を介して接着されたものであってもよい。図1に示す例では、基材層20は、第1の基材20-1と、第2の基材20-2とが、接着層22を介して接着されている。この場合、第1の基材20-1は、プライマー層30を形成する際の支持体となる。第2の基材20-2は、基材層20全体の厚みを増し、波長変換シート用フィルム10に剛性を与える役割を果たす。
基材層全体の厚みは特に制限されるものではないが、8μm以上200μm以下であることが好ましく、8μm以上150μm以下であることがより好ましい。波長変換シート用フィルムを巻き取り方式で製造する場合には、基材層全体の厚みは125μm以下であることが好ましい。一方、基材層全体の厚みを増すことにより、基材層によって酸素及び水蒸気に対するガスバリア性を得ることができる。この場合、バリア層を省略することもできる。バリア層を設けずに基材層により要求されるガスバリア性を担保するために、基材層全体の厚みは、50μm以上であることが好ましく、75μm以上であることがより好ましい。
複数の樹脂フィルムで基材層を構成する場合、プライマー層の支持体となる第1の基材の厚みは、8μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上25μm以下であることがより好ましく、8μm以上20μm以下であることが更に好ましい。第1の基材が上記厚みであると、プライマー層を巻き取り方式で製造するにあたり、ハンドリング性が良好となる。また、第2の基材の厚みは、8μm以上150μm以下であることが好ましく、8μm以上100μm以下であることがより好ましい。第2の基材が上記厚みであると、波長変換シート用フィルムに適度な剛性を与えることができる。更に、波長変換シート用フィルムを巻き取り方式で製造するにあたり、ハンドリング性が良好となる。なお、上記のように基材層によりガスバリア性を担保する場合には、第2の基材の厚みは、40μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。
接着層22を構成する接着剤は、基材層同士の良好な接着性と、波長変換シートに要求される光学性能を満たすものであれば、特に制限されない。例えば、接着剤としては、ポリ酢酸ビニル系接着剤;アクリル酸エチル、ブチル、2-エチルヘキシルエステル等のホモポリマー、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤;シアノアクリレ-ト系接着剤;酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとエチレンとの共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤;セルロ-ス系接着剤;ポリエステル系接着剤;ポリアミド系接着剤;ポリイミド系接着剤;尿素樹脂又はメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤;フェノ-ル樹脂系接着剤;エポキシ系接着剤;ポリウレタン系接着剤;反応型(メタ)アクリル系接着剤;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤;シリコーン系接着剤;アルカリ金属シリケ-ト、低融点ガラス等からなる無機系接着剤等を使用することができる。接着剤層を構成する接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム状、シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、さらに、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
尚、上記の接着剤に代えて、例えば、熱硬化性樹脂や、熱可塑性樹脂に架橋剤等を含有させた樹脂により接着層を形成してもよい。あるいは、EVA、アイオノマー、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂を、押出しラミネートにより基材の間に押し出し、接着層を形成してもよい。
基材層のプライマー層が設けられる側の表面には、プライマー層またはバリア層との密着性等を向上させるために、予め所望の表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理などが挙げられる。
また、プライマー層またはバリア層との密着性を改善する方法として、予め、アンカーコート剤層、接着剤層等の下地層を形成してもよい。
下地層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
[バリア層]
バリア層は、波長変換シート用フィルムにガスバリア性を付与する層である。バリア層は、波長変換シート用フィルムに要求されるガスバリア性に応じて任意に設けられる層である。バリア層は、基材層のプライマー層と反対側、または、基材層とプライマー層との間に設けられてもよい。波長変換シート用フィルムの製造過程及び波長変換シートの製造過程でバリア層の損傷を防止するため、また、波長変換シートとしたときに蛍光体層がシート端部から劣化することを抑制するため、バリア層は、基材層とプライマー層との間に設けられることが好ましい。
図1に示す例では、バリア層40は、基材層20側から順に、無機酸化物層42及び有機被覆層44が積層されて構成される。有機被覆層44は、プライマー層30と接触する。
なお、本開示のバリア層は図1の積層構成に限定されない。バリア層を構成する層としては、「無機酸化物を蒸着することにより形成される無機酸化物層」、「ゾル-ゲル法により形成される無機酸化物層」、「ポリビニルアルコール等の水溶性高分子等を含むコーティング剤を塗布して形成される有機被覆層」、及び、「金属酸化物とリン化合物とを含む組成物の反応物を含む層(以下、「金属リン酸反応物層」と称する)」がある。本開示におけるバリア層の構成としては、これらの層からなる群から選ばれる単一種の単層、前記群から選ばれる単一種を複数積層した層、前記群から選ばれる二種以上を交互に積層した層等が挙げられる。これらの中でも、図1に示すように無機酸化物層と有機被覆層とを積層させた構成、または、金属リン酸反応物層の単層構成であることが好ましい。
<無機酸化物層>
無機酸化物層は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム又はこれらの混合物からなる層を例示することができる。ガスバリア性、透明性、生産性などの観点から、無機酸化物層は、酸化アルミニウム又は酸化珪素を主成分とする薄膜層であることが好ましい。
無機酸化物層を形成する方法は、無機酸化物を蒸着することにより形成する方法、ゾル-ゲル法により形成する方法を挙げることができる。蒸着膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、及びイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、及び光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
無機酸化物層の厚みは、特に限定されるものではないが、5nm以上500nm以下であることが好ましい。無機酸化物層の厚みが5nm以上であることにより、無機酸化物層が均一となり、波長変換シート用フィルムに十分なガスバリア性を付与することができる。無機酸化物層は、ガスバリア性を考慮すると、8nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることが更に好ましい。また、無機酸化物層の厚みが500nm以下であることにより、無機酸化物層に十分に可撓性を付与することができるようになり、各無機酸化物層に傷や割れが発生することを軽減することができる。無機酸化物層は、透明性及び生産性等を考慮すると、100nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることが更に好ましく、20nm以下であることが特に好ましい。無機酸化物層を複数設ける場合は、それぞれの無機酸化物層が上記の厚み範囲であることが好ましい。
<有機被覆層>
有機被覆層は、後工程での二次的な各種損傷を防止すると共に、波長変換シート用フィルムに高いガスバリア性を付与する層である。また、無機酸化物層が基材層と有機被覆層との間に位置することにより、無機酸化物層に傷や割れが発生することを軽減することができる。また、有機被覆層がプライマー層と接触して設けられることにより、本開示のプライマー層とバリア層の密着性を良好にすることができる。
有機被覆層は、例えば水溶性高分子と、1種以上の金属アルコキシド及び加水分解物、又は塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液若しくは水/アルコール混合溶液と、を含むガスバリア性組成物をコーティング液として、該コーティング液を塗布して形成される。有機被覆層は、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、金属アルコキシド加水分解物及び金属アルコキシド重合物からなる群より選択される少なくとも1種を成分として含有していることが好ましい。有機被覆層に用いられる水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチレン-ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。特に、ポリビニルアルコール及び/又はエチレン-ビニルアルコール共重合体を用いた場合に、優れたガスバリア性を得ることができる。ポリビニルアルコ-ル系樹脂及び/又はエチレン-ビニルアルコール共重合体との含有量は、上記のアルコキシドの合計量100質量部に対して5質量部以上500質量部以下の範囲であることが好ましく、20質量部以上200質量部以下の範囲であることがより好ましい。
ガスバリア性組成物には、シランカップリング剤等も添加することができる。シランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。本開示においては、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適であり、それには、例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、あるいは、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を使用することができる。上記のようなシランカップリング剤は、1種ないし2種以上を混合して用いてもよい。本開示において、上記のようなシランカップリング剤の使用量は、上記のアルコキシシラン100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
有機被覆層の厚みは、特に限定されるものではないが、100nm以上500nm以下であることが好ましい。有機被覆層の厚みが100nm以上であることにより、波長変換シート用フィルムに十分なガスバリア性を付与することができる。有機被覆層は、ガスバリア性を考慮すると、120nm以上であることがより好ましく、150nm以上であることが更に好ましい。また、有機被覆層の厚みが500nm以下であることにより、十分な透明性を確保することができる。透明性及び生産性等を考慮すると、有機被覆層は、300nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましい。有機被覆層を複数設ける場合は、それぞれの有機被覆層が上記の厚み範囲であることが好ましい。
<金属リン酸反応物層>
金属酸化物とリン化合物とを含む組成物の反応物を含む層(金属リン酸反応物層)としては、例えば、国際公開WO2011/122036に記載されている層が挙げられる。上記金属としては、アルミニウムが好ましい。
金属リン酸反応物層の厚みは、特に限定されるものではないが、100nm以上2000nm以下であることが好ましい。金属リン酸反応物層層の厚みが100nm以上であることにより、波長変換シート用フィルムに十分なガスバリア性を付与することができる。金属リン酸反応物層層は、ガスバリア性を考慮すると、200nm以上であることがより好ましく、300nm以上であることが更に好ましい。また、金属リン酸反応物層の厚みが2,000nm以下であることにより、成膜時の膜割れを抑制することができる。耐屈曲性等を考慮すると、金属リン酸反応物層は、1,000nm以下であることがより好ましく、900nm以下であることが更に好ましい。
[プライマー層]
プライマー層は、波長変換シートとしたときに蛍光体層との良好な密着性を確保して、高温高湿環境下においても波長変換シート用フィルムと蛍光体層との剥離を防止し、蛍光体層の劣化を防止する役割を果たす。
本開示において、プライマー層は、ポリウレタン系樹脂を含む樹脂組成物の硬化物を含有する。なお、プライマー層がポリウレタン系樹脂を含むことは、X線光電子分光法(XPS)、赤外分光法(IR)、核磁気共鳴法(NMR)、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GCMS)などによりウレタン結合が検出されることで確認できる。
本開示において、プライマー層を構成する樹脂組成物の硬化物の軟化点は、250℃以上である。硬化物の軟化点は、サーマルプローブを用いた局所熱分析で測定される値である。
サーマルプローブを用いた局所熱分析では、プライマー層の表面にサーマルプローブを接触させた状態で、温度を上昇させながらサーマルプローブの加熱前からの変位を計測し、熱膨張曲線を得る。具体的に、加熱によりプライマー層の樹脂が膨張することで、サーマルプローブが押し上げられる。プライマー層の樹脂が軟化すると、サーマルプローブの先端が樹脂内に入り込むため、サーマルプローブが下降する。サーマルプローブの変位が上昇から下降に転じる点が、熱膨張曲線のピークに相当する。熱膨張曲線のピークの温度を、プライマー層を構成する樹脂組成物の硬化物の軟化点と定義する。なお、本発明において、軟化点は、プライマー層表面の任意の10箇所について測定した値の平均値である。
プライマー層が、ポリウレタン系樹脂を含む樹脂組成物の硬化物を含有することにより、波長変換シートとしたときにプライマー層と蛍光体層との間の剥離強度が高く、高温高湿環境下に暴露する前の密着性(「初期密着性」と称する場合がある。)が良好となる。
プライマー層を構成する樹脂組成物の硬化物の軟化点が250℃未満である場合、初期密着性は良好であっても、高温高湿環境(例えば、60℃90%RH)下で放置されると、プライマー層と蛍光体層との間で剥離が発生する。すなわち、高温高湿環境下で放置することにより、密着性(「経時的な密着性」、「経時密着性」などと称する場合がある。)が低下する。プライマー層を構成する樹脂組成物の硬化物の軟化点が250℃以上であることにより、高温高湿環境下で500時間を超えて長期間放置されても、剥離強度の低下、すなわち、経時密着性の低下を抑制することができる。該軟化点は、270℃以上であることが好ましく、280℃以上であることがより好ましい。
プライマー層を構成する樹脂組成物の硬化物の軟化点が、高温高湿環境に暴露されたときにプライマー層と蛍光体層との剥離状態(密着性)に与える影響については、以下のように推測される。
まず、初期密着性については、以下のように推測される。波長変換シートの蛍光体層は、後述するように、波長変換シート用フィルムのプライマー層表面に、蛍光体層の前駆体となる樹脂組成物を塗布し、該樹脂組成物を硬化させることにより形成される。プライマー層の蛍光体層側では、蛍光体層の収縮に伴い、収縮応力が発生する。一方、プライマー層の蛍光体層と反対側は、基材層またはバリア層と接触しているため、蛍光体層硬化時に収縮応力は発生しない。すなわち、蛍光体層の形成により、プライマー層の厚み方向の応力分布があり、プライマー層内部に歪みが発生している。蛍光体層とプライマー層との間の初期密着性が弱い場合、プライマー層内部の歪みの影響により蛍光体層とプライマー層との間で剥離が生じる。
波長変換シートが高温高湿環境下に長期間放置されると、環境温度よりも軟化点が高かったとしても、プライマー層を構成する樹脂組成物が熱及び水蒸気による影響を受ける。硬化物の軟化点が250℃未満である場合、熱及び水蒸気により、樹脂の性質が変化しやすい。樹脂の性質の変化としては、ポリウレタン系樹脂の加水分解や軟化が考えられる。このため、初期密着性が良好であったとしても、プライマー層内部の応力バランスが変化したり、蛍光体層との界面でのプライマー層が劣化したりするなどして、密着性が低下し、剥離が発生すると考えられる。一方、硬化物の軟化点が250℃以上であれば樹脂の性質の変化が発生しにくいため、応力バランスの変化やプライマー層の劣化が抑制される。この結果、高温高湿環境下に放置された場合でも、蛍光体層とプライマー層との間で高い密着性を維持することができると考えられる。
ポリウレタン系樹脂組成物は、多官能イソシアネートとヒドロキシル基含有化合物との反応によって得られる一液ないし二液型ポリウレタン系樹脂を含む。
多官能イソシアネート及びヒドロキシル基含有化合物の組み合わせ、多官能イソシアネート及びヒドロキシル基含有化合物の配合比、軟化点の異なる複数のヒドロキシル基含有化合物の組み合わせ及びその配合比、ポリウレタン系樹脂中のNCO/OH比、ポリウレタン系樹脂の分子量などを変えることにより、プライマー層を構成する樹脂組成物の硬化物の軟化点を変えることができる。また、ポリウレタン系樹脂と軟化点が異なる粘着付与樹脂(タッキーファイヤー)を添加することに依っても、プライマー層を構成する樹脂組成物の硬化物の軟化点を変えることができる。
多官能イソシアネート及びヒドロキシル基含有化合物はそれぞれ、1種のみ用いられていてもよいし、複数種が用いられていてもよい。
多官能イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネ-ト;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。多官能イソシアネートは、アダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体などの高分子量化した変性体として使用してもよく、ブロック体として使用してもよい。変性体及びブロック体は、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などの官能基を有していてもよい。中でも、(メタ)アクリル基含有ポリイソシアネートを用いることが好ましい。すなわち、本開示のポリウレタン系樹脂は、(メタ)アクリル基を有する多官能イソシアネートと、ヒドロキシル基含有化合物との反応によって得られるポリウレタン系樹脂を含む。
また、ヒドロキシル基含有化合物としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリアクリレートポリオールなどが挙げられる。
NCO/OH比については、1.1以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.3以上であることが更に好ましい。NCO/OH比が1.1以上であることにより、初期密着性に優れるとともに、軟化点が250℃以上となりやすくなる。なお、NCO/OH比が高いと、プライマー層がタック性を有するようになる。このため、NCO/OH比は、4.0以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましい。
多官能イソシアネート及びヒドロキシル基含有化合物の種類にもよるが、ポリウレタン系樹脂の分子量が大きい程、ポリウレタン系樹脂の軟化点が高くなり、この結果、樹脂組成物の硬化物の軟化点が250℃以上となりやすくなる。ポリウレタン系樹脂の分子量(重量平均分子量)としては、100以上100,000以下であることが好ましい。
上記ポリウレタン系樹脂組成物の硬化物は、プライマー層全量中で40質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましい。ポリウレタン系樹脂を40質量%以上含有することにより、プライマー層と蛍光体層との初期密着性及び経時密着性を向上させることができる。
本開示において、プライマー層は、シランカップリング剤を更に含有することが好ましい。シランカップリング剤を含むことにより、シランカップリング剤は、高温高湿環境下で長時間放置された場合に、ポリウレタン系樹脂中のウレタン結合が加水分解されることにより経時密着性が低下することを抑制する効果がある。また、バリア層が設けられる構成においては、プライマー層とバリア層(特に有機被覆層)との密着性を向上させることができる。
シランカップリング剤は、その分子の一端にある官能基、通常、クロロ、アルコキシ、又は、アセトキシ基等が加水分解してシラノ-ル基(Si-OH)を形成する。これにより、プライマー層の樹脂組成物が共有結合等で修飾され、強固な結合を形成する。このため、高温高湿環境下でのウレタン結合の加水分解が抑制され、経時的な密着性の低下を抑制できると考えられる。また、シランカップリング剤の他端にあるビニル、メタクリロキシ、アミノ系、エポキシ系、あるいは、メルカプト等の有機官能基により、プライマー層と蛍光体層との密着性、及び、バリア層とプライマー層との密着性を高めることができる。
シランカップリング剤としては、二元反応性を有する有機官能性シランモノマ-類を使用することができ、例えば、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル-トリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビス(β-ヒドロキシエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルシリコ-ンの水溶液等の1種ないしそれ以上を使用することができる。
上記のシランカップリング剤は、プライマー層全量中1質量%以上で含有することが好ましく、2質量%以上で含有することがより好ましい。シランカップリング剤の含有量が上記範囲であると、プライマー層と蛍光体層との間の初期密着性、及び、バリア層とプライマー層との間の密着性を更に向上させることができる。また、プライマー層と蛍光体層との間で、経時的に良好な密着性を維持することができる。なお、プライマー層の伸長性を良好とするとともに、プライマー層のクラック発生を抑制するために、シランカップリング剤は、プライマー層全量中30質量%以下で含有することが好ましく、20質量%以下で含有することがより好ましい。
また、本開示では更に、プライマー層を形成した後に、プライマー層の表面(蛍光体層との接触面)に、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理などの表面処理を施してもよい。
本開示において、プライマー層は、充填剤を更に含んでいてもよい。充填剤は、プライマー層を形成するための塗布液の粘度等を調整し、コーティング適性等を高める役割を有する。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、シリカ、タルク、ガラスフリットなどの粉末、樹脂粉末などを使用することができる。
プライマー層は、更に、必要に応じて、安定剤、架橋剤、滑剤、紫外線吸収剤、その他等の添加剤を含んでいてもよい。
プライマー層の厚みは特に限定されるものではないが、0.05μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。プライマー層内部の歪みを小さくするために、プライマー層は比較的厚い方が好ましい。ただし、プライマー層が厚すぎると、ハンドリング性や生産性が低下することから、プライマー層の厚みは、10μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。
本実施形態に関するプライマー層は、光源からの光を効率よく変換するために、JIS K 7361-1:1997に基づき測定される全光線透過率が高いことが好ましい。具体的には、本実施形態に関するプライマー層は、PETフィルム(膜厚:12μm)上にプライマー層を形成した際のJIS K 7361-1:1997に基づき測定される全光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
[拡散層]
拡散層は、光の出射角分布の異方性の低減、及び、貼り付き防止を目的として設けられる層であり、本開示においては任意に設けられる層である。
拡散層は、バインダー樹脂及びフィラーを含む。フィラー自体がバインダー樹脂中に埋設されること、また、フィラーの少なくとも一部分がバインダー樹脂から層表面側に露出して拡散層表面に凹凸形状が付与されることによって、光の出射角分布の異方性の低減効果が得られる。
更に、拡散層表面が凹凸形状であることにより、波長変換シート用フィルムまたは波長変換シートの製造過程で、波長変換シート用フィルムまたは波長変換シート同士が接触しても貼り付きを防止する役割を有する。例えば、巻き取り方式で波長変換シート用フィルムまたは波長変換シートを製造する場合、波長変換シート用フィルムまたは波長変換シートの取り扱いが容易になるとともに、表面の傷つきを抑制することができる。また、表示装置としたときに、導光板または拡散板と波長変換シートとの貼り付きを防止する役割も有し、導光板または拡散板と波長変換シートとの擦れによる傷発生を抑制し、表示装置の外観不良の発生を低減する効果も奏する。
拡散層のバインダー樹脂は、波長変換シート用フィルム及び波長変換シートに要求される仕様を満たすものであれば、特に制限はされない。例えば、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂等を用いることができる。高硬度を有するという観点から、バインダー樹脂はアクリル系樹脂であることが好ましい。
フィラーは、波長変換シート用フィルム及び波長変換シートに要求される光学性能の観点から、樹脂フィラーであることが好ましい。フィラーに用いられる樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂やポリスチレン系樹脂等を挙げることができる。拡散層の耐傷性を向上させるとの観点では、アクリル系樹脂フィラーであることが特に好ましい。ここでのアクリル系樹脂とは、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステル、及びアクリル酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のカルボキシル基又はカルボン酸エステル基を持つエチレン性不飽和単量体を単量体成分として含む重合体である。
フィラーの屈折率と樹脂バインダーの屈折率との屈折率差は、0.5以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましく、0.1以下であることがさらに好ましい。
フィラーの平均粒径は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、1.5μm以上10μm以下であることがより好ましい。フィラーの平均粒径が1μm以上であることにより、フィラーの少なくとも一部が拡散層の表面からより多く露出するようになり、適度な光拡散性を与えるとともに、貼り付きをより効果的に抑制することができる。フィラーの平均粒径が50μm以下であることにより、フィラーが拡散層から脱離しにくくなり、拡散層の機能低下や脱落したフィラーによる傷つきを抑制することができる。
なお、本開示において、平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値d50を意味する。
フィラーの含有量は、拡散層全量に対して5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、10質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。5質量%以上であることにより、適度な光拡散性を与えることができるとともに、貼り付きを効果的に防止することができる。50質量%以下であることにより、波長変換シート用フィルム及び波長変換シートとして要求される光学特性を満たしやすくなり、更に拡散層の成膜性も良好とすることができる。
拡散層は、必要に応じて、安定剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、紫外線吸収剤、その他等の添加剤を任意に含んでいてもよい。
拡散層の厚みは特に制限されず、フィラーの平均粒径、波長変換シート用フィルム及び波長変換シートに要求される仕様などに応じて適宜設定することができる。例えば、拡散層の厚みは、1.0μm以上50.0μm以下であることが好ましく、1.5μm以上10.0μm以下であることがより好ましい。尚、拡散層の厚みとは、拡散層中のフィラー以外の樹脂部分の厚さを意味し、樹脂の上に頭出ししたフィラーの部分は含まない。拡散防止層の厚みは、例えば、走査型電子顕微鏡等により断面を観察することにより測定することができる。
[波長変換シート用フィルムの製造方法]
本開示の波長変換シート用フィルムは、下記の工程により製造される。
(1)バリア層形成工程
基材層(あるいは、第1の基材)の一方の表面に、バリア層を形成する。なお、バリア層形成工程は省略することができる。
図1に例示するように有機被覆層及び無機酸化物層をバリア層とする場合は、まず基材層(あるいは、第1の基材)上に、無機酸化物層を形成し、該無機酸化物層上に有機被覆層を形成する。
尚、基材層(あるいは、第1の基材)のバリア層が形成される面に、予め、上述した表面処理が施されていてもよいし、下地層が形成されていてもよい。
無機酸化物層は、蒸着またはゾル-ゲル法により形成することができる。無機酸化物を蒸着する方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、及びイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、及び光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
有機被覆層は、上記ガスバリア性組成物を含むコーティング剤を塗布し、加熱により硬化させて形成することができる。コーティング剤は、所望のガスバリア性、厚み、粘度などが得られるように、上記ガスバリア性組成物に溶媒等を加えて調製される。コーティング剤を塗布する方法は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、デップコート、スプレイコート、その他のコーティング法の塗布方式を挙げることができる。
金属リン酸反応物層は、国際公開WO2011/122036に記載されている方法により形成することができる。
(2)プライマー層形成工程
基材層上またはバリア層上に、プライマー層を形成する。プライマー層は、上記ポリウレタン系樹脂を含む樹脂組成物のコーティング剤を塗布し、加熱により硬化させて形成することができる。コーティング剤は、厚み、粘度などが得られるように、上記コーティング剤に溶媒等を加えて調製される。コーティング剤を塗布する方法は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、デップコート、スプレイコート、その他のコーティング法の塗布方式を挙げることができる。加熱温度は、50℃以上180℃以下の範囲内であることが好ましい。
図1に示すように基材層が複数の基材を積層させて構成される場合、本開示の波長変換シート用フィルムの製造方法は、(2)プライマー層形成工程の後に、(3)接着工程を更に有する。
(3)接着工程
接着工程では、第1の基材のバリア層と反対側の面と、第2の基材とを、接着層を介して積層する。
具体的に、第1の基材の表面に、上述した接着剤を塗布し、第2の基材を重ね合わせ、接着層を硬化させる。あるいは、第1の基材の表面に、架橋剤及び樹脂を含むコーティング剤を塗布した後、第2の基材を重ね合わせ、該コーティング剤を熱などにより架橋させる。接着剤あるいはコーティング剤を塗布する方法は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、デップコート、スプレイコート、その他のコーティング法、あるいは、印刷法等によって施すことができる。
あるいは、押出しラミネートにより、第1の基材と第2の基材との間に溶融した熱可塑性樹脂を流し、その後冷却して接着層を形成してもよい。
なお、図1に示すように拡散層が設けられている場合、基材層または第2の基材に、予め拡散層が形成されていることが好ましい。
具体的には、樹脂とフィラーと溶剤等とを含むコーティング剤を、基材層または第2の基材のバリア層が設けられる面と反対側の表面に塗布し、硬化させて形成することができる。コーティング剤を塗布する方法は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、デップコート、スプレイコート、その他のコーティング法の塗布方式を挙げることができる。
[波長変換シート用フィルムの用途]
本開示の波長変換シート用フィルムは、例えば、面光源の波長変換シート用の波長変換シート用フィルムに用いることができる。面光源としては、液晶表示装置などの表示装置のバックライト光源、検査機器のバックライト光源等が挙げられる。すなわち、本開示の波長変換シート用フィルムは、「表示装置のバックライト光源の波長変換シート用の波長変換シート用フィルム」、「検査機器のバックライト光源の波長変換シート用の波長変換シート用フィルム」等に用いることができる。
さらに、本開示の波長変換シート用フィルムは、「園芸の波長変換シート用の波長変換シート用フィルム」にも用いることができる。園芸の波長変換シートとしては、例えば、紫外線を植物の成長に適した波長に変換する機能を備えたシートが挙げられる。植物の成長に適した波長としては、光合成に適した波長が挙げられる。園芸の波長変換シートは、例えば、ビニールハウス及びガラス室の園芸施設の天井等に設置することができる。
[波長変換シート]
図2は、本開示の波長変換シートの一実施形態を模式的に説明する断面概略図である。図2の波長変換シート100は、蛍光体層60の両表面に図1に示す波長変換シート用フィルム10(10a,10b)を備える。本開示の波長変換シートの構成は、図2に限定されない。本開示の波長変換シートは、例えば、一方の表面側に図1に示す波長変換シート用フィルムを備え、他方の表面側には別の積層構成を有する本開示の波長変換シート用フィルムを備えていてもよい。別の積層構成を有する本開示の波長変換シート用フィルムとしては、例えば、バリア層が形成されていない波長変換シート用フィルム、バリア層の構成が異なる波長変換シート用フィルムなどがある。
また、本開示の波長変換シート用フィルム10は、蛍光体層60の少なくとも一方の表面側に設けられればよい。すなわち、蛍光体層60の一方の表面側に本開示の波長変換シート用フィルム10(10a)が設け、蛍光体層60の他方の表面側に上述した本開示の波長変換シート用フィルムではない他の波長変換シート用フィルムが設けられていてもよい。
[蛍光体層]
蛍光体層は、バックライト光源から発せられた光の発光波長を調整するための層である。蛍光体層は、蛍光体が含有された封止樹脂を積層することで形成することができる。例えば、蛍光体と封止樹脂とが含有された混合液を基材層の表面に塗布し、硬化することにより形成することができる。蛍光体層には、量子ドットからなる1種又は2種以上の蛍光体が含有される。
蛍光体を形成する量子ドットは、量子閉じ込め効果(quantum confinement effect)を有する所定のサイズの半導体粒子である。量子ドットは、励起源から光を吸収してエネルギー励起状態に達すると、量子ドットのエネルギーバンドギャップに該当するエネルギーを放出する。量子ドットのサイズ又は物質の組成を調節すると、エネルギーバンドギャップを調節することができ、様々なレベルの波長帯のエネルギーを得ることができる。とりわけ、量子ドットは、狭い波長帯で強い蛍光を発生することができる。このため、表示装置が色純度の優れた三原色の光で照明することができるようになることで、優れた色再現性を有する表示装置とすることができる。
量子ドットは、赤に相当する波長の二次光を放出する量子ドット、緑に相当する波長の二次光を放出する量子ドット、及び、これらの組み合わせを含むことが好ましい。なお、量子ドットは、赤に相当する波長の二次光を放出する量子ドット、緑に相当する波長の二次光を放出する量子ドット以外の量子ドットを含有してもよい。
量子ドットのコアは、半導体のナノメートルサイズの微粒子であり、量子閉じ込め効果(量子サイズ効果)を生じる材料であれば特に限定されない。量子ドットとしては、自らの粒径によって発光色が規制される半導体微粒子及びドーパントを有する半導体微粒子が挙げられる。
コアとなる材料として、具体的に、MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaSe、BaTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe及びHgTeのようなII-VI族半導体化合物;AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaAs、GaP、GaN、GaSb、InN、InAs、InP、InSb、TiN、TiP、TiAs及びTiSbのようなIII-V族半導体化合物;Si、Ge及びPbのようなIV族半導体、等の半導体化合物又は半導体を含有する半導体結晶を例示できる。また、InGaPのような3元素以上を含んだ半導体化合物を含む半導体結晶を用いることもできる。
さらに、ドーパントを有する半導体微粒子からなる量子ドットとしては、上記半導体化合物に、Eu3+、Tb3+、Ag、Cuのような希土類金属のカチオン又は遷移金属のカチオンをドープしてなる半導体結晶を用いることもできる。
量子ドットのコアとなる材料としては、作製の容易性、可視域での発光を得られる粒径の制御性、蛍光量子収率の観点から、CdS、CdSe、CdTe、InP、InGaP等の半導体結晶が好適である。
量子ドットは、1種の半導体化合物からなるものであっても、2種以上の半導体化合物からなるものであってもよい。例えば、量子ドットは、発光部としてのコアが保護層(シェル)により被覆された構造(コアシェル構造)を有していてもよい。
コアシェル型の量子ドットを用いる場合にシェルを構成する半導体としては、励起子がコアに閉じ込められるように、コアを形成する半導体化合物よりもバンドギャップの高い材料を用いることで、量子ドットの発光効率を高めることができる。
このようなバンドギャップの大小関係を有するコアシェル構造(コア/シェル)としては、例えば、CdSe/ZnS、CdSe/ZnSe、CdSe/CdS、CdTe/CdS、InP/ZnS、Gap/ZnS、Si/ZnS、InN/GaN、InP/CdSSe、InP/ZnSeTe、InGaP/ZnSe、InGaP/ZnS、Si/AlP、InP/ZnSTe、InGaP/ZnSTe、InGaP/ZnSSe等が挙げられる。
量子ドットのサイズは、所望の波長の光が得られるように、量子ドットを構成する材料によって適宜制御すればよい。量子ドットは粒径が小さくなるに従い、エネルギーバンドギャップが大きくなる。すなわち、結晶サイズが小さくなるにつれて、量子ドットの発光は青色側へ、つまり、高エネルギー側へとシフトする。
一般的には、量子ドットの粒径(直径)は0.5nm以上20nm以下の範囲内であることが好ましく、特に1nm以上10nm以下の範囲内であることが好ましい。なお、量子ドットのサイズ分布が狭いほど、より鮮明な発光色を得ることができる。
量子ドットの形状は特に限定されず、例えば、球状、棒状、円盤状、その他の形状であってもよい。量子ドットの粒径は、量子ドットが球状でない場合、同体積を有する真球状の値とすることができる。
量子ドットは、樹脂で被覆されているものであってもよい。
量子ドットの含有量は、蛍光体層の厚み、バックライトにおける光のリサイクル率、目的とする色味等に応じて適宜調整する。蛍光体層の厚みが後述する範囲であれば、蛍光体層の封止樹脂100質量部に対して、量子ドットの含有量は、0.01質量部以上1.0質量部以下であることが好ましい。
蛍光体層の封止樹脂としては、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が挙げられる。これらの中でも、耐久性の観点から、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が好ましく、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物がより好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、若しくは1つ以上を混合して使用してもよい。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。
電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられ、その中でもエチレン性不飽和結合基が好ましい。また、エチレン性不飽和結合基の中でも(メタ)アクリロイル基が好ましい。以下、(メタ)アクリロイル基を有する電離放射線硬化性化合物を(メタ)アクリレート系化合物と称する。すなわち、封止樹脂は、(メタ)アクリレート系化合物を含む組成物の硬化物を含むことが好ましい。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを指すものである。また、本明細書において、「電離放射線」は、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
電離放射線硬化性化合物は、上記官能基を1つのみ有する単官能の電離放射線硬化性化合物であってもよく、上記官能基を2つ以上有する多官能の電離放射線硬化性化合物であってもよく、これらの混合物であってもよい。これらの中でも、多官能の電離放射線硬化性化合物が好ましく、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有してなる多官能の(メタ)アクリレート系化合物がより好ましい。すなわち、封止樹脂は、多官能の電離放射線硬化性化合物の硬化物を含むことが好ましく、多官能(メタ)アクリレート系化合物の硬化物を含むことがより好ましい。
多官能(メタ)アクリレート系化合物は、アルキレンオキシ基を有するものであってもよい。
アルキレンオキシ基としては、例えば、炭素数が2~4のアルキレンオキシ基が好ましく、炭素数が2又は3のアルキレンオキシ基がより好ましく、炭素数が2のアルキレンオキシ基がさらに好ましい。
アルキレンオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート系化合物は、複数個のアルキレンオキシ基を含むポリアルキレンオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート系化合物であってもよい。
多官能(メタ)アクリレート系化合物がアルキレンオキシ基を有する場合、一分子中のアルキレンオキシ基の数は、2個~30個であることが好ましく、2個~20個であることがより好ましく、3個~10個であることがさらに好ましく、3個~5個であることがよりさらに好ましい。
多官能(メタ)アクリレート系化合物がアルキレンオキシ基を有する場合、ビスフェノール構造を有することが好ましい。これにより、硬化物の耐熱性が向上する傾向にある。ビスフェノール構造としては、例えば、ビスフェノールA構造及びビスフェノールF構造が挙げられ、中でも、ビスフェノールA構造が好ましい。
アルキレンオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、中でも、エトキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート及びプロポキシ化エトキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレートが好ましく、エトキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレートがより好ましい。
また、電離放射線硬化性化合物は、モノマーであってもよく、オリゴマーであってもよく、低分子量のポリマーであってもよく、これらの混合物であってもよい。
電離放射線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合には、電離放射線硬化性組成物は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
蛍光体層中には、内部拡散粒子を含んでいてもよい。
内部拡散粒子は、有機粒子及び無機粒子の何れも用いることができる。有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル-スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン-メラミン-ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂及びポリエステル等からなる粒子が挙げられる。無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等からなる微粒子が挙げられる。
内部拡散粒子の形状は、球形、円盤状、ラグビーボール状、不定形等の形状が挙げられる。また、内部拡散粒子は、中空粒子、多孔質粒子及び中実粒子の何れであってもよい。
内部拡散粒子の含有量は、封止樹脂100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下であることが好ましく、3質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。
内部拡散粒子の平均粒径は、1μm以上7μm以下であることが好ましく、1μm以上3μm以下であることがより好ましい。
蛍光体層の厚みは、10μm以上200μm以下であることが好ましく、20μm以上150μm以下であることがより好ましく、30μm以上130μm以下であることがさらに好ましい。
[波長変換シートの製造方法]
本開示の波長変換シートは、上記製造方法により製造した波長変換シート用フィルムを少なくとも1つ用いて製造することができる。以下では、図2に示すように、蛍光体層を本開示の波長変換シート用フィルムで挟む構成の波長変換シートを製造する方法を例に挙げる。
具体的には、本開示の波長変換シート用フィルムのプライマー層の表面に、蛍光体と封止樹脂とを含む混合液(インク)を塗布する。混合液(インク)を塗布する方法は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、デップコート、スプレイコート、その他のコーティング法の塗布方式を挙げることができる。
そして、蛍光体層と、別の本開示の波長変換シート用フィルムのプライマー層と接触させる。その後、混合液(インク)を熱などにより硬化させて、波長変換シートを得る。
[バックライト]
本開示のバックライトは、一次光を放出する少なくとも1つの光源と、該光源に隣接して配置され、導光又は拡散のための光学板と、該光学板の光出射側に配置された波長変換シート(量子ドットシート)とを備えたバックライトにおいて、該波長変換シートが上述した本開示の波長変換シートであるものである。
本開示のバックライト200としては、図3に示すエッジライト型のバックライト、あるいは、図4に示す直下型のバックライトのいずれも採用することができる。
図3のエッジライト型のバックライト201に用いられる光学板120は、光源110で放出された一次光を導光するための光学部材であり、いわゆる導光板121である。導光板121は、例えば、少なくとも一つの面を光入射面とし、これと略直交する一方の面を光出射面とするように成形された略平板状の形状からなる。
導光板は、主としてポリメチルメタクリレート等の高透明な樹脂から選ばれるマトリックス樹脂からなる。導光板は、必要に応じてマトリックス樹脂と屈折率の異なる樹脂粒子が添加されていてもよい。導光板の各面は、一様な平面ではなく複雑な表面形状をしているものであってもよく、ドットパターン等が設けられていてもよい。
図4の直下型のバックライト202に用いられる光学板120は、光源110のパターンを見えにくくするための光拡散性を有する光学部材(光拡散材122)である。光拡散材122としては、例えば、厚み1~3mm程度の乳白色の樹脂板が挙げられる。
エッジライト型及び直下型のバックライトには、上述した光源、光学板及び波長変換シートの他に、目的に応じて、反射板、光拡散フィルム、プリズムシート、輝度上昇フィルム(BEF)及び反射型偏光フィルム(DBEF)等から選ばれる一種以上の部材を備えていてもよい。反射板は、光学板の光出射面側と反対側に配置される。光拡散フィルム、プリズムシート、輝度上昇フィルム及び反射型偏光フィルムは、光学板の光出射面側に配置される。反射板、光拡散フィルム、プリズムシート、輝度上昇フィルム及び反射型偏光フィルム等から選ばれる一種以上の部材を備える構成とすることで、正面輝度、視野角等のバランスに優れたバックライトとすることができる。
エッジライト型及び直下型のバックライトにおいて、光源110は、一次光を放出する発光体であり、青に相当する波長の一次光を放出する発光体を用いることが好ましい。青に相当する波長の一次光は、ピーク波長が380nm~480nmの範囲であることが好ましい。当該ピーク波長は450nm±7nmであることがより好ましく、450nm±5nmであることがより好ましく、450nm±3nmであることがより好ましく、450nm±1nmであることがより好ましい。
光源110としては、バックライトを設置する装置が単純化及び小型化できるという観点から、LED光源であることが好ましく、青色単色のLED光源であることがより好ましい。あるいは、青色単色のLED光源の上に赤色蛍光体を塗布し、青色及び赤色を呈する光源としてもよい。光源110は、少なくとも1つであり、十分な一次光を放出するという観点から、複数個であることが好ましい。
[表示装置]
表示装置としては、例えば液晶表示装置が挙げられる。液晶表示装置は、バックライトと、液晶パネルを備えている。該バックライトが上記した本開示のバックライトである。
液晶パネルは、特に限定されず、液晶表示装置の液晶パネルとして汎用のものを用いることができる。例えば、液晶層の上下をガラス板で挟んだ一般的な構造を有する液晶パネル、具体的には、TN、STN、VA、IPS及びOCB等の表示方式のものを用いることができる。
液晶表示装置は、さらに、偏光板及びカラーフィルタ等を備える。偏光板及びカラーフィルタは汎用のものを用いることができる。
本開示の波長変換シートは、波長変換シート用フィルムと蛍光体層との密着性が特に優れたものである。このため、本開示の波長変換シートを表示装置(液晶表示装置)に適用した場合に、外部環境からの水蒸気や酸素の侵入による蛍光体層の劣化を効果的に抑制することができる。この結果、環境安定性に優れるバックライト光源を備える表示装置とすることができる。
次に、本開示を実施例により、さらに詳細に説明するが、本開示は、この例によってなんら限定されるものではない。
1.評価、測定
下記製法により製造された波長変換シート用フィルム及び波長変換シートについて、以下の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。なお、特記しない限り、及び、試験が特定の環境下で行われない限り、各測定及び評価時の雰囲気は、温度23±5℃、相対湿度40~65%とし、各測定及び評価の開始前に、対象サンプルを前記雰囲気に30分以上晒してから測定及び評価を行った。
1-1.軟化点測定
実施例及び比較例の波長変換シート用フィルムについて、以下の工程によりプライマー層の軟化点を測定した。
測定装置としてANASYS INSTRUMENT社製nanoTA、サーマルプローブとしてANASYS INSTRUMENTS社製PR-EX-AN2-300-5を用いた。
測定前に、下記の工程によりキャリブレーションを行った。
標準試料として、BRUKER社製nanoTA Calibration Samplesを準備した。前記標準試料には、軟化点が公知であるポリカプロラクトン(軟化点:55℃)、ポリエチレン(軟化点:116℃)、ポリエチレンテレフタレート(軟化点:235℃)が載っている。各標準試料の表面にサーマルプローブを接触させながら加熱した。加熱中に、サーマルプローブ直下の熱膨張を計測し、Voltage(電位)に対するDeflection(変位)を表すグラフを取得した。装置で設定する測定条件は以下の通りとした。
測定開始温度:0.1V
測定終了温度:10V
昇温速度:0.2V/sec
各標準試料の軟化点を用い、電位に対するサーマルプローブの変位を表すグラフを温度に対する変位のグラフに変換した。
キャリブレーション後、実施例及び比較例の波長変換シート用フィルムについて、プライマー層表面にサーマルプローブを接触させた。その後、サーマルプローブを接触させた状態で、下記条件で加熱し、温度に対するサーマルプローブの変位を表すグラフ(熱膨張カーブ)を取得した。プライマー層の表面が出ていない場合、試料を樹脂に包埋したあと、DiATOME社製ダイヤモンドナイフ等で形成した断面からプライマー層を測定してもよい。
測定開始温度:40℃
測定終了温度:350℃
昇温速度:5℃/sec
得られた熱膨張カーブにおいて、カーブの頂点となる時の温度を取得した。実施例及び比較例の波長変換シート用フィルムのプライマー層表面の任意の10箇所について上記測定を行った。得られた温度の平均値を、軟化点とした。結果を表1に示す。
1-2.初期密着性評価
実施例及び比較例の波長変換シートを作製した後、波長変換シートの任意の3箇所から25mm×150mmの試験片を切り出した。卓上型材料試験機(STA-1150、高千穂精機(株)製)を用い、23℃の温度環境下、引張速度:300mm/分、剥離方向180°、チャック間距離:15mmの条件でピーリング試験を行い、各試験片について波長変換シート用フィルム(プライマー層)と蛍光体層との間の剥離強度を測定した。得られた剥離強度の平均値を、初期(高温高湿試験前)の剥離強度とした。結果を表1に示す。
1-3.経時密着性評価
実施例及び比較例の波長変換シートを、60℃90%RHに調整した恒温恒湿槽に入れた。250時間、500時間経過後に、波長変換シートを恒温恒湿槽から取り出した。
取り出した波長変換シートについて、上記1-2の手順に従い、各試験片の剥離強度を測定した。任意の3箇所から取得した試験片の剥離強度の平均値を、各経過時間後の剥離強度とした。結果を表1に示す。
2.試料の作製
2-1.波長変換シート用フィルムの作製
<実施例1>
第1の基材として、PETフィルム(厚み:12μm)上に、真空蒸着法により酸化アルミニウム薄膜(AlOx、目標厚み:8nm)を蒸着し、無機酸化物層を形成した。
水、イソプロピルアルコ―ル及び0.5N塩酸を混合した溶液(pH2.2)に、テトラエトキシシランを10℃になるように冷却しながら混合させて、溶液Aを調製した。別途、ケン化価99%以上のポリビニルアルコール、イソプロピルアルコールを混合した溶液Bを調製した。溶液Aと溶液Bとを混合し、有機被覆層形成用塗布液(固形分:5%)を調製した。
次いで、無機酸化物層上に、有機被覆層形成用塗布液をグラビア印刷により塗布し、180℃で60秒間加熱処理し、厚み180nmの有機被覆層を形成した。
次いで、下記処方のプライマー層形成用塗布液を調製した。塗布液のNCO/OH比は1.3であった。
・アクリル系ポリオール樹脂1 50質量部
・アクリル基を有する変性ポリイソシアネート 80質量部
・シランカップリング剤(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) 2.0質量部
・シリカ粉末(平均粒径3μm) 2.0質量部
次いで、有機被覆層上に、プライマー層形成用塗布液を塗布した。塗布液の塗布量は、0.5g/mとした。その後、80℃で60秒間乾燥させて、厚み0.4μmのプライマー層を形成した。
第1の基材の無機酸化物層からプライマー層までが形成された面と反対側の面に、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製、商品名「RU-004、H-1」)をグラビア印刷により塗布し、乾燥させ、厚み4μmの接着層を形成した。
次いで、第1の基材の接着層側に、第2の基材としてPETフィルム(厚み:100μm)を配置し、ニップ圧:0.2MPa、ライン速度:50m/分の条件で第1の基材と第2の基材とを貼り合わせ、実施例1の波長変換シート用フィルムを作製した。
<実施例2>
下記処方のプライマー層形成用塗布液を用いたこと以外は、実施例1と同様の工程にて実施例2のバリアフィルムを作製した。なお、塗布液のNCO/OH比は1.3であった。塗布液の塗布量は、0.5g/mとした。
・アクリル系ポリオール樹脂1 40質量部
・ポリエステルウレタン系樹脂 20質量部
・アクリル基を有する変性ポリイソシアネート 70質量部
・シランカップリング剤(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) 2.0質量部
・シリカ粉末(平均粒径3μm) 2.0質量部
<実施例3>
下記処方のプライマー層形成用塗布液を用いたこと以外は、実施例1と同様の工程にて実施例3のバリアフィルムを作製した。なお、塗布液のNCO/OH比は4.0であった。塗布液の塗布量は、0.5g/mとした。
・アクリル系ポリオール樹脂1 15質量部
・ポリエステルウレタン系樹脂 20質量部
・アクリル基を有する変性ポリイソシアネート 60質量部
・シランカップリング剤(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) 2.0質量部
・シリカ粉末(平均粒径3μm) 2.0質量部
<実施例4>
下記処方のプライマー層形成用塗布液を用いたこと以外は、実施例1と同様の工程にて実施例4のバリアフィルムを作製した。なお、塗布液のNCO/OH比は1.3であった。塗布液の塗布量は、0.5g/mとした。アクリル系ポリオール樹脂2は、アクリル系ポリオール樹脂1より分子量が大きい樹脂である。
・アクリル系ポリオール樹脂2 30質量部
・ポリエステルウレタン系樹脂 20質量部
アクリル基を有する変性ポリイソシアネート 40質量部
・シランカップリング剤(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) 2.0質量部
・シリカ粉末(平均粒径3μm) 2.0質量部
<実施例5>
下記処方のプライマー層形成用塗布液を用いたこと以外は、実施例1と同様の工程にて実施例5のバリアフィルムを作製した。なお、塗布液のNCO/OH比は4.0であった。塗布液の塗布量は、0.5g/mとした。
・アクリル系ポリオール樹脂2 10質量部
・ポリエステルウレタン系樹脂 20質量部
・アクリル基を有する変性ポリイソシアネート 30質量部
・シランカップリング剤(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) 2.0質量部
・シリカ粉末(平均粒径3μm) 2.0質量部
<比較例1>
下記処方のプライマー層形成用塗布液を用いたこと以外は、実施例1と同様の工程にて比較例1のバリアフィルムを作製した。なお、塗布液のNCO/OH比は1.3であった。塗布液の塗布量は、0.5g/mとした。
・ポリエステルウレタン系樹脂 20質量部
・アクリル基を有する変性ポリイソシアネート 5質量部
・シランカップリング剤(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) 2.0質量部
・シリカ粉末(平均粒径3μm) 2.0質量部
<比較例2>
下記処方のプライマー層形成用塗布液を用いたこと以外は、実施例1と同様の工程にて比較例2のバリアフィルムを作製した。なお、塗布液のNCO/OH比は8.0であった。塗布液の塗布量は、0.5g/mとした。
・ポリエステルウレタン系樹脂 20質量部
・アクリル基を有する変性ポリイソシアネート 30質量部
・シランカップリング剤(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) 2.0質量部
・シリカ粉末(平均粒径3μm) 2.0質量部
<比較例3>
下記処方のプライマー層形成用塗布液を用いたこと以外は、実施例1と同様の工程にて比較例3のバリアフィルムを作製した。なお、塗布液のNCO/OH比は1.3であった。塗布液の塗布量は、0.5g/mとした。
・アクリル系ポリオール樹脂1 15質量部
・ポリエステルウレタン系樹脂 20質量部
・アクリル基を有する変性ポリイソシアネート 20質量部
・シランカップリング剤(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) 2.0質量部
・シリカ粉末(平均粒径3μm) 2.0質量部
<比較例4>
下記処方のプライマー層形成用塗布液を用いたこと以外は、実施例1と同様の工程にて比較例4のバリアフィルムを作製した。なお、塗布液のNCO/OH比は1.3であった。塗布液の塗布量は、0.5g/mとした。
・アクリル系ポリオール樹脂2 10質量部
・ポリエステルウレタン系樹脂 20質量部
・アクリル基を有する変性ポリイソシアネート 10質量部
・シランカップリング剤(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) 2.0質量部
・シリカ粉末(平均粒径3μm) 2.0質量部
<比較例5>
下記処方のプライマー層形成用塗布液を用いたこと以外は、実施例1と同様の工程にて比較例5のバリアフィルムを作製した。なお、塗布液のNCO/OH比は4.0であった。塗布液の塗布量は、0.5g/mとした。
・アクリル系ポリオール樹脂1 15質量部
・ポリエステルウレタン系樹脂 20質量部
・アクリル基を持たない変性ポリイソシアネート 40質量部
・シランカップリング剤(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) 2.0質量部
・シリカ粉末(平均粒径3μm) 2.0質量部
2-2.波長変換シートの作製
コアがセレン化カドミウム(CdSe)、シェルが硫化亜鉛(ZnS)からなる蛍光体(平均粒径3~5nmの量子ドット)に、封止樹脂(電離放射線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂)を、封止樹脂100質量部に対して蛍光体が1質量部となるように混合して蛍光体層形成用混合液(インク)を作製した。
実施例及び比較例の波長変換シート用フィルムのプライマー層上に、厚み100μm(乾燥後)となるように上記インクを塗布し、蛍光体層を形成した。
別の実施例及び比較例の波長変換シート用フィルム(それぞれ、上記インクを塗布したバリアフィルムと同じもの)を、上記蛍光体層上にプライマー層が蛍光体層と接触するように積層させた。その後、蛍光体層の封止樹脂をUV硬化することにより、実施例1~5、比較例1~5の波長変換シートを作製した。
3.結果
Figure 0007151921000002
実施例1,4は、測定温度範囲でカーブの頂点が見られなかった。すなわち、実施例1,4のプライマー層は、樹脂組成物の硬化物の軟化点が350℃を超えていると判断した。
実施例1-5では、いずれも、プライマー層の樹脂組成物の硬化物の軟化点が250℃以上であった。実施例1-5の波長変換シートは、250時間経過後の密着性が初期密着性から向上した。また、500時間経過後でも、高い密着性を維持していた。
これに対し、比較例1-5は、プライマー層の樹脂組成物の硬化物の軟化点が低いものであった。比較例1-5の波長変換シートは、初期密着性が実施例1-5と同程度であるものの、250時間経過後の密着性が大幅に低下した。
10(10a,10b) 波長変換シート用フィルム
20 基材層
20-1 第1の基材
20-2 第2の基材
22 接着剤層
30 プライマー層
40 バリア層
42 無機酸化物層
44 有機被覆層
50 拡散層
60 蛍光体層
100 波長変換シート
110 光源
120 光学板
121 導光板
122 拡散板
130 反射板
140 プリズムシート
200 バックライト
201 エッジライト型バックライト
202 直下型バックライト

Claims (9)

  1. 基材上に、プライマー層を有し、
    前記プライマー層が、シランカップリング剤及びポリウレタン系樹脂を含む樹脂組成物の硬化物を含有し、
    前記ポリウレタン系樹脂が、多官能イソシアネートとヒドロキシル基含有化合物との反応によって得られる一液ないし二液型ポリウレタン系樹脂を含み、
    前記硬化物の軟化点が250℃以上である、波長変換シート用フィルム。
  2. 前記樹脂組成物は、水酸基に対するイソシアネート基のモル比(NCO/OH比)が1.1以上である、請求項1に記載の波長変換シート用フィルム。
  3. 前記ポリウレタン系樹脂が、(メタ)アクリル基を有する多官能イソシアネートと、ヒドロキシル基含有化合物との反応によって得られるポリウレタン系樹脂を含む、請求項1または請求項2に記載の波長変換シート用フィルム。
  4. 前記基材と前記プライマー層との間にバリア層を更に含む、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の波長変換シート用フィルム。
  5. 前記バリア層が、無機酸化物層と、有機被覆層とを含み、前記有機被覆層が前記プライマー層と接触する、請求項に記載の波長変換シート用フィルム。
  6. 前記バリア層が、金属酸化物とリン化合物とを含む組成物の反応物を含む層である、請求項に記載の波長変換シート用フィルム。
  7. 蛍光体を含む蛍光体層の少なくとも一方の表面側に、前記プライマー層と前記蛍光体層とが接触するように請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のフィルムが設けられる、波長変換シート。
  8. 一次光を放出する少なくとも1つの光源と、前記光源に隣接して配置され、導光又は拡散のための光学板と、前記光学板の光出射側に配置された波長変換シートとを備えたバックライトであって、
    前記波長変換シートが請求項に記載の波長変換シートであるバックライト。
  9. バックライト及び液晶パネルを備えた表示装置であって、前記バックライトが請求項に記載のバックライトである表示装置。
JP2022062536A 2021-10-08 2022-04-04 波長変換シート用フィルム、波長変換シート、バックライト、及び、表示装置 Active JP7151921B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022062536A JP7151921B1 (ja) 2021-10-08 2022-04-04 波長変換シート用フィルム、波長変換シート、バックライト、及び、表示装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021166429A JP2023056922A (ja) 2021-10-08 2021-10-08 波長変換シート用フィルム、波長変換シート、バックライト、及び、表示装置
JP2022062536A JP7151921B1 (ja) 2021-10-08 2022-04-04 波長変換シート用フィルム、波長変換シート、バックライト、及び、表示装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021166429A Division JP2023056922A (ja) 2021-10-08 2021-10-08 波長変換シート用フィルム、波長変換シート、バックライト、及び、表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7151921B1 true JP7151921B1 (ja) 2022-10-12
JP2023057008A JP2023057008A (ja) 2023-04-20

Family

ID=87853038

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022062536A Active JP7151921B1 (ja) 2021-10-08 2022-04-04 波長変換シート用フィルム、波長変換シート、バックライト、及び、表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7151921B1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017226208A (ja) 2016-06-17 2017-12-28 凸版印刷株式会社 発光体保護フィルム、波長変換シート、及びバックライトユニット並びにエレクトロルミネッセンス発光ユニット
JP2019066759A (ja) 2017-10-04 2019-04-25 凸版印刷株式会社 蛍光体保護フィルム、波長変換シート及び発光ユニット
JP2019202521A (ja) 2018-05-25 2019-11-28 大日本印刷株式会社 バリアフィルム、それを用いた波長変換シート、及びそれを用いた表示装置
JP2020049836A (ja) 2018-09-27 2020-04-02 大日本印刷株式会社 バリアフィルム、それを用いた波長変換シート、及びそれを用いた表示装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021166429A (ja) * 2020-04-06 2021-10-14 株式会社Gsユアサ 蓄電素子の管理装置、蓄電装置、及び、車両

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017226208A (ja) 2016-06-17 2017-12-28 凸版印刷株式会社 発光体保護フィルム、波長変換シート、及びバックライトユニット並びにエレクトロルミネッセンス発光ユニット
JP2019066759A (ja) 2017-10-04 2019-04-25 凸版印刷株式会社 蛍光体保護フィルム、波長変換シート及び発光ユニット
JP2019202521A (ja) 2018-05-25 2019-11-28 大日本印刷株式会社 バリアフィルム、それを用いた波長変換シート、及びそれを用いた表示装置
JP2020049836A (ja) 2018-09-27 2020-04-02 大日本印刷株式会社 バリアフィルム、それを用いた波長変換シート、及びそれを用いた表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023057008A (ja) 2023-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7193009B2 (ja) バリアフィルム、波長変換シート、バックライト、及び表示装置
JP7120378B2 (ja) バリアフィルム、それを用いた波長変換シート、及びそれを用いた表示装置
JP7091977B2 (ja) バリアフィルム、それを用いた波長変換シート、及びそれを用いた表示装置
JP7323266B2 (ja) 波長変換シート用のバリアフィルム、波長変換シートおよびそれに用いられる表示装置
JP6780356B2 (ja) 波長変換シート用バリアフィルム、波長変換シート用バリアフィルムを用いた波長変換シート、及びを備えたバックライト光源を用いた表示装置
JP2018013724A (ja) 波長変換シート及びそれに用いられるバリアフィルム
JP7310700B2 (ja) バリアフィルム、それを用いた波長変換シート、及びそれを用いた表示装置
KR20220107318A (ko) 배리어 필름, 그리고 이것을 이용한 파장 변환 시트, 백라이트 및 액정 표시 장치
JP7151921B1 (ja) 波長変換シート用フィルム、波長変換シート、バックライト、及び、表示装置
WO2023058626A1 (ja) 波長変換シート用フィルム、波長変換シート、バックライト、及び、表示装置
JP7070767B2 (ja) 波長変換シート及びそれに用いられるバリアフィルム
JP2023047016A (ja) 波長変換シート用フィルム、波長変換シート、バックライト、及び表示装置
KR20240072259A (ko) 파장 변환 시트용 필름, 파장 변환 시트, 백라이트 및 표시 장치
JP7373084B1 (ja) 波長変換シート、並びに、これを用いたバックライト及び液晶表示装置
JP6911981B2 (ja) 波長変換シート及びそれに用いられるバリアフィルム
KR102635067B1 (ko) 파장 변환 시트용 필름, 그리고 이것을 이용한 파장 변환 시트, 백라이트 및 액정 표시 장치
WO2022039013A1 (ja) バリアフィルム、並びに、これを用いた波長変換シート、バックライト及び液晶表示装置
WO2022239819A1 (ja) 波長変換シート用のバリアフィルム、並びに、これを用いた波長変換シート、バックライト及び液晶表示装置、並びに、波長変換シート用のバリアフィルムの選定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220405

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20220405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220830

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220912

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7151921

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150