JP7151849B1 - エレベーターのかご内暴れ行動検出装置の閾値調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、メンテナンス時の調整のバラツキを抑えることのできるエレベーターのかご内暴れ行動検出装置の閾値調整方法を提供する。【解決手段】本発明のエレベーターのかご内暴れ行動検出装置30の閾値調整方法は、かご20に設置され、前記かごの振動を検出し、前記振動が閾値を超えると振動異常を出力するエレベーターのかご内暴れ行動検出装置の閾値調整方法であって、前記暴れ行動検出装置は、前記閾値をメンテナンス員が調整可能であり、かご床24に前記かごの振動を検出し、振動値を表示可能な表示部41を有する携帯型の振動検出装置40を設置し、前記メンテナンス員が、前記かご内で暴れ行動を採り、前記暴れ行動により前記表示部に表示された振動値が異常と認識させない第1の振動範囲に収まっているが、前記暴れ行動検出装置が振動異常を出力する場合に、前記閾値を調整する。【選択図】図7
Description
本発明は、エレベーターのかごに設置され、かご内における利用者の暴れ行動を検出する装置の閾値を調整する方法に関するものである。
エレベーターではかご内における利用者の異常行動を検出し、防犯やエレベーターの破損防止等、安全性の向上が求められている。たとえば、特許文献1では、暴れ行動検出装置としてかごに振動センサーを設置し、所定の閾値を超える振動を検出すると、かご内で利用者の暴れなどの異常行動が発生しているとして、かご内のインジケーターに表示、注意アナウンスの出力、振動異常管制運転への移行、警備会社への発報等を行なうようにしている。
暴れ行動検出装置の閾値は、振動シミュレーション等により予め機種毎に設定される。しかしながら、定期的なエレベーターのメンテナンスの際に設置された暴れ行動検出装置が正しく動作することを確認する必要がある。
そこで、メンテナンス員が実際にかご内でジャンプ等の暴れ行動を行ない、メンテナンス員が適正であると考える暴れ行動に対して暴れ行動検出装置が正しく応答するかどうか確認している。暴れ行動検出装置が、メンテナンス員が適正であると考える暴れ行動で応答しない場合には、閾値を調整する。
メンテナンス員による暴れ行動は、所定の振動をかごに与え、暴れ行動検出装置を応答させる行動強度で行なう必要がある。
しかしながら、すべてのメンテナンス員が同じレベルの暴れ行動を実行することは難しい。このため、暴れ行動検出装置の閾値の設定にバラツキが生じてしまうことがある。
本発明の目的は、メンテナンス時の調整のバラツキを抑えることのできるエレベーターのかご内暴れ行動検出装置の閾値調整方法を提供することである。
本発明のエレベーターのかご内暴れ行動検出装置の閾値調整方法は、
かごに設置され、前記かごの振動を検出し、前記振動が閾値を超えると振動異常を出力するエレベーターのかご内暴れ行動検出装置の閾値調整方法であって、
前記暴れ行動検出装置は、前記閾値をメンテナンス員が調整可能であり、
振動を検出し、振動値を表示可能な表示部を有する携帯型の振動検出装置をかご床に設置し、
前記メンテナンス員が、前記かご内で暴れ行動を採り、前記暴れ行動により前記表示部に表示された振動値が異常と認識させない第1の振動範囲に収まっているが、前記暴れ行動検出装置が振動異常を出力する場合に、前記閾値を調整する。
かごに設置され、前記かごの振動を検出し、前記振動が閾値を超えると振動異常を出力するエレベーターのかご内暴れ行動検出装置の閾値調整方法であって、
前記暴れ行動検出装置は、前記閾値をメンテナンス員が調整可能であり、
振動を検出し、振動値を表示可能な表示部を有する携帯型の振動検出装置をかご床に設置し、
前記メンテナンス員が、前記かご内で暴れ行動を採り、前記暴れ行動により前記表示部に表示された振動値が異常と認識させない第1の振動範囲に収まっているが、前記暴れ行動検出装置が振動異常を出力する場合に、前記閾値を調整する。
前記メンテナンス員が、前記かご内で暴れ行動を採り、前記暴れ行動により前記表示部に表示された振動値が異常と認識させる第2の振動範囲に収まっているが、前記暴れ行動検出装置が振動異常を出力しない場合、前記暴れ行動検出装置の前記閾値を調整する。
前記振動検出装置は、所定期間内の最大振動値を前記表示部に表示することができる。
前記振動検出装置は、前記暴れ行動検出装置に設定されている前記閾値に基づいて、前記振動範囲を算出して、前記表示部に表示する。
前記振動検出装置は、前記振動値が、前記振動範囲未満、前記振動範囲内、及び、前記振動範囲超の何れであるか音声出力することが望ましい。
本発明のエレベーターのかご内暴れ行動検出装置の閾値調整方法によれば、メンテナンス員がかご内で振動検出装置を参照しながら暴れ行動を採り、当該暴れ行動により発生した振動が、所定の振動範囲に収まっているかどうかを確認する。そして、振動検出装置により検出された振動値が、所定の振動範囲に収まっているときに、暴れ行動検出装置が正しく作動し、振動異常を出力する、或いは、出力しないかどうかを確認する。所定の振動範囲に対する暴れ行動検出装置の出力が正しくない場合には閾値の調整を行なう。
メンテナンス員が振動検出装置を参照しつつ暴れ行動を採ることで、暴れ行動の強度の統一化を図ることができ、メンテナンス員毎に暴れ行動のレベルがばらついてしまうことを防止でき、暴れ行動検出装置の閾値設定を正しく行なうことができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は、エレベーター10の概略構成を示す説明図である。図に示すように、かご20は、主ロープ11の一端に吊り下げられており、主ロープ11の他端にはカウンターウェイト12が吊り下げられている。主ロープ11は、巻上機14に連結されたシーブ13に掛けられ、巻上機14が正逆回転することで、かご20をシャフト16内で昇降させる。また、かご20の停止はシーブ13に連結されたブレーキ15により行なうことができる。巻上機14やブレーキ15は、たとえばシャフト16の端部に設けられた機械室17に設置される。
機械室17には、エレベーター10を全体として制御する制御盤18を具える。制御盤18は、巻上機14やブレーキ15を制御することは勿論、以下で説明するかご内の暴れ行動検出装置30の検出結果に基づき、かご20内のインジケーター25(図2参照)に表示、注意アナウンスのスピーカー出力、振動異常管制運転への移行、警備会社への発報等を行なう。
かご20は、かごフレーム21(図1参照)間にドアパネル22、カーパネル23、かご床24(図2参照)などを配置し、利用者が乗り込む空間を形成している。かご20内には、図2に示すように、制御盤18に電気的に接続され、利用者やメンテナンス員が参照可能なインジケーター25と操作可能な操作パネル26を具える。インジケーター25は、一般的にはかご20の位置、移動方向を表示する。また、操作パネル26は、かご呼びや戸開、戸閉の操作を受け付ける。操作パネル26は、押しボタン式、タッチパネル式、非接触パネル式などであってよい。
本実施形態では、さらに、インジケーター25は、かご20に振動異常が発生したことを表示し、暴れ行動を止めることを促すメッセージを表示する。また、メンテナンス時には、振動異常を検出すると、インジケーター25に振動異常の発生を表示する。たとえば、図2中、インジケーター25の「1」の表示が振動異常の発生、「1」に代えて「0」(図示せず)の表示が振動異常未検出の状態を示す。
かご20には、暴れ行動検出装置30が配置される。暴れ行動検出装置30は、かご20の振動を検出し、当該振動が所定の閾値を超えると、利用者の暴れ行動があったと判断し、制御盤18に振動異常を通知する。
暴れ行動検出装置30は、図3に示すように振動センサー31と演算器32を具え、かご20に発生する振動を加速度、周波数、振幅等で検出する。
振動センサー31は、たとえば加速度センサーであって、静電容量型、圧電型、ピエゾ型等のものを用いることができ、かご20の振動を好適に検出できる位置、たとえば、かご床24の裏面、或いは、かご床24とかごフレーム21との間、或いは、図2に示すようにかごフレーム21に配置される。
図2に示すように、かご床24について、水平面内でドアパネル22の開閉方向と平行な向きをX軸、これに直交する軸をY軸とし、鉛直方向をZ軸としたときに、振動センサー31は、X軸、Y軸、Z軸の振動を夫々検出し、検出信号Ax、Ay、Azをアナログ出力する構成とすることができる。
演算器32は、CPU、MPU、不揮発性メモリと、揮発性メモリ、A/D変換器などを用いて実現される。なお、演算器32の機能の全部、又は一部は、制御盤18に設けてもよい。演算器32は、振動センサー31から受信したアナログ検出信号をデジタル変換し、かご20の振動値を演算する。そして、得られた振動値を予め設定された閾値と比較し、振動値が閾値を超えると、振動異常を制御盤18に通知する。
暴れ行動検出装置30の閾値は、メンテナンス員がメンテナンス時に調整可能としている。たとえば、専用の端末装置(図示せず)から制御盤18にアクセスし、演算器32の閾値を調整する。
上記構成のエレベーター10において、通常の運行状態では、暴れ行動検出装置30は、振動センサー31がかご20の振動を検出し、演算器32で演算された振動値が閾値を超えると、振動異常を制御盤18に信号出力する。制御盤18は、振動異常を受信すると、たとえば、かご20内のインジケーター25に振動異常の発生をメッセージ表示、注意アナウンスを出力し、必要に応じて振動異常管制運転への移行、警備会社への発報等を行なう。
暴れ行動検出装置30は、定期的に正常に作動していることを点検し、確認する必要がある。暴れ行動検出装置30のメンテナンスでは、実際にメンテナンス員がかご20内で暴れ行動を採り、当該暴れ行動により暴れ行動検出装置30が振動異常を正しく信号出力するかどうか確認する。振動異常が正しく信号出力されない場合には、暴れ行動検出装置30の閾値を調整する。しかしながら、メンテナンス員の採る暴れ行動の強度が、暴れ行動検出装置30に所定の振動値を検出させるものである保証はない。すなわち、メンテナンス員ごとに適当と考える暴れ行動の強度は異なるから、発生する振動にバラツキが生じ、結果、調整される閾値にもバラツキが生じる。
そこで、本発明では、携帯型の振動検出装置40をかご20内に持ち込み、メンテナンス員が、振動検出装置40の振動値を参照しながら、自らの採る暴れ行動の強度を調整し、当該暴れ行動による振動値が所定の振動範囲に収まったときに、かご20に設置された暴れ行動検出装置30が作動するかどうかを確認する。
携帯型の振動検出装置40として、振動センサーを搭載したスマートフォン、ノートパソコン、PDA(Personal Digital Assistant)などを例示できるがこれに限定されるものではない。もちろん、振動センサーを搭載した専用の振動検出装置を用いても構わない。
振動検出装置40は、たとえば、かご床24に載置される。望ましくは、振動検出装置40は、図2に示すように、かご床24のX軸とY軸が交差する原点に置く。
振動検出装置40は、図4に示すように、メンテナンス員が参照可能な表示部41を有することが望ましい。また、メンテナンス員が、暴れ行動による振動値が所定の振動範囲にあるかどうか、表示部41を参照することなく確認できるように振動検出装置40にはスピーカー42を有することが望ましい。図4は、振動センサーを搭載したスマートフォンを振動検出装置40として採用した実施形態であり、表示部41の上部にスピーカー42が配置されている。
振動検出装置40の機能は、アプリケーションソフト、プログラムなどにより実現できる。具体的には、振動検出装置40は、かご床24に発生するリアルタイムの振動値を測定し、表示部41に表示する(図中「現在の振動値43」)。メンテナンス員による振動値の見逃しを防止するために、所定期間内に測定された最大振動値44を記憶して表示し続けることが望ましい。表示部41は、タッチパネル式とし、最大振動値のリセットボタン46などを設けることで操作性を向上できる。
また、表示部41には、メンテナンス員が暴れ行動により発生させるべき目標振動値45を表示することが望ましい。目標振動値45は、エレベーター10やかご20の機種、仕様等によって異なり、また、暴れ行動検出装置30に設定される閾値によっても異なる。目標振動値45は、たとえば、これらに基づいて算出することができ、オンスクリーンキーボード等により入力できる。
一実施形態として、目標振動値45に対する所定の振動範囲として、図5に示すように、かご20の振動として異常と認識させない「第1の振動範囲」と、異常と認識させる「第2の振動範囲」を設定できる。たとえば、振動検出装置40は、メンテナンス員が暴れ行動検出装置30に設定されるべき閾値に基づく目標振動値45が入力されることで、図4に示すように、その下側の範囲を第1の振動範囲45a、上側の範囲を第2の振動範囲45bとして自動的に設定されるようにしてもよい。なお、第1の振動範囲45aと第2の振動範囲45bが連続している場合、その境界近傍で検出誤差が発生することがある。従って、第1の振動範囲と第2の振動範囲は図5に示すように所定の振動値分だけ間隔を存して設定することが望ましい。
然して、メンテナンス員は、メンテナンスに用いられる専用の端末装置等により制御盤18を操作して、エレベーター10を暴れ行動検出装置30の点検モードに切り替える。暴れ行動検出装置30の点検モードでは、暴れ行動検出装置30が正しく作動するか、或いは、閾値調整が必要かを点検する。暴れ行動検出装置30の点検モードの制御の流れをフローチャート図6に示す。
暴れ行動検出装置30の点検モードに切り替えられると(ステップS1)、かご20内のインジケーター25には、図2に示すように、点検モードに入っている旨の通知(たとえばインジケーター25に上向き三角印)を表示する(ステップS2)。また、暴れ行動検出装置30により検出されているかご20の振動値が所定の閾値以下であることを示す表示(図示の「1」に代えて「0」の表示)を行なう。
メンテナンス員は、振動検出装置40を起動し、予めエレベーター10やかご20の機種、仕様に応じた目標振動値を最大振動値の欄45に入力する。そして、振動検出装置40をかご床24に載置して(図2参照)、かご20の振動値の計測を開始する(ステップS3)。
この状態から、メンテナンス員は、かご20内で暴れ行動を採る(ステップS4)。暴れ行動は、図7に示すように、たとえばかご20内でのジャンプである。
暴れ行動検出装置30の点検では、目標振動値よりも小さい振動、すなわち上記第1の振動範囲と、目標振動値よりも大きい振動、すなわち上記第2の振動範囲で、夫々暴れ行動検出装置30が正しく作動するかどうかを確認する必要がある。
そこで、メンテナンス員は、かご20内で第1の振動範囲、第2の振動範囲(図5参照)に相当する暴れ行動を採り、暴れ行動検出装置30の振動異常出力の有無を確認する。「第1の振動範囲」では暴れ行動検出装置30が振動異常を出力しなければ正しく作動していると見做され、「第2の振動範囲」では暴れ行動検出装置30が振動異常を出力すれば正しく作動していると見做される。以下では、先に第1の振動範囲での出力の有無を確認した後、第2の振動範囲での出力の有無を確認するが、順序は逆であってもよい。
(1)第1の振動範囲に収まる暴れ行動による振動異常出力の確認
メンテナンス員は、まず、第1の振動範囲に収まる暴れ行動を採る(ステップS4)。メンテナンス員のかご20内での暴れ行動は、振動検出装置40で計測される。振動検出装置40は、図4に示すように、表示部41にリアルタイムの振動値を表示すると共に、所定期間内の最大振動値が表示部41に表示される(ステップS5)。
メンテナンス員は、まず、第1の振動範囲に収まる暴れ行動を採る(ステップS4)。メンテナンス員のかご20内での暴れ行動は、振動検出装置40で計測される。振動検出装置40は、図4に示すように、表示部41にリアルタイムの振動値を表示すると共に、所定期間内の最大振動値が表示部41に表示される(ステップS5)。
表示部41に表示された最大振動値が、同じく表示部41に表示されている第1の振動範囲に収まっている場合には(ステップS6のYes)、メンテナンス員Pの暴れ行動が適正な強度であることがわかる(図7(a)参照)。
メンテナンス員は、振動検出装置40で計測された振動値が第1の振動範囲に収まっている場合(ステップS6のYes)、当該暴れ行動により、かご20の暴れ行動検出装置30が正しく作動していることを確認する(ステップS7)。暴れ行動検出装置30が振動異常を非検出の場合には、たとえばインジケーター25に「0」を表示し、振動異常を検出した場合には「1」を表示すればよい(図2参照)。これにより、メンテナンス員は、インジケーター25を参照することで、暴れ行動検出装置30が作動したかどうかを判断できる。
第1の振動範囲の場合、目標振動値よりも小さい振動であるから、暴れ行動検出装置30が振動異常を出力しなければ(インジケーター25は「0」を表示のまま)、暴れ行動検出装置30が正しく作動していることが確認できる(ステップS7)。
第1の振動範囲の暴れ行動により、暴れ行動検出装置30が正しく作動し、振動異常を出力しなかった場合には(ステップS7のYes)、第1の振動範囲に対して暴れ行動検出装置30の閾値は適正であるから第2の振動範囲に対する点検に移行すればよい(ステップS8のYes)。一方、暴れ行動検出装置30が正しく作動しない、すなわち、第1の振動範囲の振動であるにも拘わらず、振動異常を出力した場合には(ステップS7のNo)、暴れ行動検出装置30の閾値を小さくする等の調整を行ない(ステップS9)、振動検出装置40に記憶されている最大振動値をリセットして(ステップS10)、再度かご20内で暴れ行動を採る(ステップS4)。
一方、振動検出装置40により計測されたメンテナンス員の暴れ行動による最大振動値(ステップS5)が、第1の振動範囲外の場合には(ステップS6のNo)、振動検出装置40に記憶されている最大振動値をリセットして(ステップS10)、再度かご20内で暴れ行動を採ればよい。具体的には、図7(b)に示すようにメンテナンス員Pの暴れ行動の強度が大きく、計測された振動値が第1の振動範囲よりも大きい場合、または、図7(c)に示すように、メンテナンス員Pの暴れ行動の強度が小さく、計測された振動値が第1の振動範囲よりも小さい場合である。そして、再度行なった暴れ行動の振動値が第1の振動範囲に収まったときに、暴れ行動検出装置30が正しく作動したかどうかを判断し(ステップS7)、第2の振動範囲に対する点検に移行(ステップS7のYes、ステップS8のYes)又は閾値調整等をすればよい(ステップ7のNo、ステップS9)。
(2)第2の振動範囲に収まる暴れ行動による振動異常出力の確認
第1の振動範囲における点検が完了した後(ステップ8のYes)、メンテナンス員は、最大振動値をリセットして(ステップS10)、第2の振動範囲に収まる暴れ行動をかご20内で採る(ステップS4)。そして、上記と同様、振動検出装置40により測定された最大振動値を参照し(ステップS5)、暴れ行動が第2の振動範囲に収まっているかどうかを確認する(ステップS6)。
第1の振動範囲における点検が完了した後(ステップ8のYes)、メンテナンス員は、最大振動値をリセットして(ステップS10)、第2の振動範囲に収まる暴れ行動をかご20内で採る(ステップS4)。そして、上記と同様、振動検出装置40により測定された最大振動値を参照し(ステップS5)、暴れ行動が第2の振動範囲に収まっているかどうかを確認する(ステップS6)。
第2の振動範囲の場合、目標振動値よりも大きい振動であるから、暴れ行動検出装置30が振動異常を出力すれば(インジケーター25が「1」を表示)、暴れ行動検出装置30が正しく作動していることが確認できる(ステップS7)。
第2の振動範囲の暴れ行動により、暴れ行動検出装置30が正しく作動、すなわち振動異常を出力した場合には(ステップS7のYes)、暴れ行動検出装置30の閾値は適正であるから点検モードを終了すればよい(ステップS8のNo、ステップ11)。一方、暴れ行動検出装置30が正しく作動しない、すなわち、第2の振動範囲の振動であるにも拘わらず、振動異常を出力しない場合には(ステップS7のNo)、暴れ行動検出装置30の閾値を小さくする等の調整を行ない(ステップS9)、振動検出装置40に記憶されている最大振動値をリセットして(ステップS10)、再度かご20内で暴れ行動を採る(ステップS4)。
なお、振動検出装置40により計測されたメンテナンス員の暴れ行動による最大振動値(ステップS5)が、第2の振動範囲外の場合には(ステップS6のNo、図7(b)、(c))、上記と同様、最大振動値をリセットして(ステップS10)、再度かご20内で暴れ行動を採ればよい。そして、再度行なった暴れ行動の振動値が第2の振動範囲に収まったときに、暴れ行動検出装置30が正しく作動したかどうかを判断し(ステップS7)、点検終了(ステップS7のYes、ステップS8のNo、ステップS11)又は閾値調整等をすればよい(ステップS7のNo、ステップS9)。
第1の振動範囲、第2の振動範囲の何れかで、閾値調整しても暴れ行動検出装置30が正しく作動しない場合には、暴れ行動検出装置30自体の故障の可能性を含めた点検を行なえばよい。
本発明によれば、振動検出装置40を参照することで、メンテナンス員の暴れ行動の強度のバラツキを抑えることができる。そして、振動検出装置40によって所定の振動範囲に収まる振動値を発生する暴れ行動が確認されたときに、暴れ行動検出装置30が正しく作動するかどうかの点検を行ない、必要に応じて閾値の調整を行なうことができる。
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
なお、メンテナンス員が振動検出装置40の表示部41を参照することなく、暴れ行動による振動値が適正であるかどうかを判断できるようにするために、振動検出装置40は、発生した最大振動値が、所定の振動範囲未満、所定の振動範囲内、及び、所定の振動範囲超の何れであるかをスピーカー42から音声出力するようにしてもよい。所定の振動範囲を第1の振動範囲と第2の振動範囲としている場合、第1の振動範囲未満、第1の振動範囲内、第1の振動範囲と第2の振動範囲の間、第2の振動範囲内、第2の振動範囲超で音声出力を変えることが好適である。
10 エレベーター
18 制御盤
20 かご
24 かご床
30 暴れ行動検出装置
40 振動検出装置
18 制御盤
20 かご
24 かご床
30 暴れ行動検出装置
40 振動検出装置
Claims (5)
- かごに設置され、前記かごの振動を検出し、前記振動が閾値を超えると振動異常を出力するエレベーターのかご内暴れ行動検出装置の閾値調整方法であって、
前記暴れ行動検出装置は、前記閾値をメンテナンス員が調整可能であり、
振動を検出し、振動値を表示可能な表示部を有する携帯型の振動検出装置をかご床に設置し、
前記メンテナンス員が、前記かご内で暴れ行動を採り、前記暴れ行動により前記表示部に表示された振動値が異常と認識させない第1の振動範囲に収まっているが、前記暴れ行動検出装置が振動異常を出力する場合に、前記閾値を調整する、
エレベーターのかご内暴れ行動検出装置の閾値調整方法。 - 前記メンテナンス員が、前記かご内で暴れ行動を採り、前記暴れ行動により前記表示部に表示された振動値が異常と認識させる第2の振動範囲に収まっているが、前記暴れ行動検出装置が振動異常を出力しない場合、前記暴れ行動検出装置の前記閾値を調整する、
請求項1に記載のエレベーターのかご内暴れ行動検出装置の閾値調整方法。 - 前記振動検出装置は、所定期間内の最大振動値を前記表示部に表示する、
請求項1又は請求項2に記載のエレベーターのかご内暴れ行動検出装置の閾値調整方法。 - 前記振動検出装置は、前記暴れ行動検出装置に設定されている前記閾値に基づいて、前記所定の振動範囲を算出して、前記表示部に表示する、
請求項1乃至請求項3の何れかに記載のエレベーターのかご内暴れ行動検出装置の閾値調整方法。 - 前記振動検出装置は、前記振動値が、前記振動範囲未満、前記振動範囲内、及び、前記振動範囲超の何れであるか音声出力する、
請求項1乃至請求項4の何れかに記載のエレベーターのかご内暴れ行動検出装置の閾値調整方法。
Priority Applications (1)
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