<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるスロットマシン10に本発明を適用した場合の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図であり、図3は筐体11の正面図である。
図2及び図3に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前方に開放された箱状に形成されている。
筐体11の前面側には、図1及び図2に示すように前面扉12が取り付けられている。前面扉12は、筐体11の左側部に設けられた軸部15を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12はその裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態はキーシリンダ14への所定のキーによる解錠操作により解除される。
前面扉12の中央部上寄りには図1に示すように、遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明の材質により形成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
図2及び図3に示すように、筐体11は仕切り板11aによりその内部が上下2分割されており、仕切り板11aの上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L、中リール32M及び右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リール32L,32M,32Rの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータ33に連結されており、各ステッピングモータ33の駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール32L,32M,32Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール32Lを例に挙げて図4に基づいて説明する。なお、図4は左リール32Lの組立斜視図である。
左リール32Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材34と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルト(図4では図示略)とを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材34に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材34の中心部はステッピングモータ33の駆動軸に取り付けられている。したがって、ステッピングモータ33の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材34が回転され、左リール32Lが回転するようになっている。
ステッピングモータ33は、リールユニット31内において起立状態に配置されたモータプレート35の側面にねじ固定されている。モータプレート35には、発光素子36aと受光素子36bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ36が設置されている。一方、円筒骨格部材34には、半径方向に延びるセンサカットバン37がねじ固定されている。このセンサカットバン37の先端部37aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ36の両素子36a,36bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール32Lが1回転するごとにセンサカットバン37の先端部37aの通過をリールインデックスセンサ36が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置70に検出信号が出力される。したがって、主制御装置70はこの検出信号に基づいて左リール32Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。なお、ステッピングモータ33、円筒骨格部材34、モータプレート35、リールインデックスセンサ36及びセンサカットバン37の組合せは各リール32L,32M,32Rのそれぞれに対して設けられているため、主制御装置70は各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に確認することができる。
ステッピングモータ33は例えば504パルスの励磁信号を与えることにより504ステップ進むことで1回転されるように設定されており、このステップ数によってステッピングモータ33の回転位置、すなわち左リール32Lの回転位置が制御される。各リール32L,32M,32Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。この場合、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り換えるには24ステップ(すなわち24パルス)を要する。そして、24ステップの出力が21回行われることにより、1周分に対応する504ステップとなる。主制御装置70は、各リール32L,32M,32Rのそれぞれについて、リールインデックスセンサ36の検出信号が出力された時点からのステップ数(すなわちパルス数)により、どの図柄が表示窓部21Lから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓部21Lから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
遊技パネル20の下方左側には図1に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。メダル及び仮想メダルのいずれかである遊技媒体(又は遊技価値)が所定数以上ベットされているときにこのスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン42,43,44が設けられている。各ストップボタン42,43,44は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42,43,44は、対応するリール32L,32M,32Rの加速が終了して定速回転が開始された後であって対応するリールインデックスセンサ36にて対応するセンサカットバン37が検出されると停止操作が有効化される。
なお、スタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、各ストップボタン42,43,44の操作に基づき各リール32L,32M,32Rが回転を停止して、遊技媒体の付与及び遊技状態の管理といった各種処理の実行が完了するまでが、1回のゲーム(遊技回)に相当する。
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側にはメダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ52によって、受付許可時であればホッパ装置53へ導かれ、受付禁止時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口58からメダル受け皿59へと導かれる(図1参照)。ホッパ装置53は、後述するメインラインML1~ML5上に遊技媒体の付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口58を通じてメダル受け皿59に払い出す機能を有している。メダル投入口45の下方には、図1に示すように、メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ52内に詰まった際に押される返却ボタン46が設けられている。
表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、クレジットされた仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するためのクレジット投入ボタン47が設けられている。本スロットマシン10では一度にベット(すなわち賭け設定)することが可能な遊技媒体(メダル又は仮想メダル)の数は「3」である。現状のベット数が「0」であるとともに3枚以上の仮想メダルが貯留記憶されている状況においてクレジット投入ボタン47が操作された場合には仮想メダルが3枚減少する代わりにベット数が「3」となる。現状のベット数が「1」であるとともに2枚以上の仮想メダルが貯留記憶されている状況においてクレジット投入ボタン47が操作された場合には仮想メダルが2枚減少する代わりにベット数が「3」となる。現状のベット数が「2」であるとともに1枚以上の仮想メダルが貯留記憶されている状況においてクレジット投入ボタン47が操作された場合には仮想メダルが1枚減少する代わりにベット数が「3」となる。なお、貯留記憶されている仮想メダルの枚数が、ベット可能な数に対する現状のベット数の差よりも少ない場合にクレジット投入ボタン47が操作された場合には、ベット数がその仮想メダルの枚数分増加するとともに、仮想メダルの枚数が0枚となる。
スタートレバー41の左側には、精算ボタン51が設けられている。本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有している。仮想メダルが貯留記憶されている状況で精算ボタン51が操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口58から払い出される。また、遊技媒体がベットされている状況で精算ボタン51が操作された場合、そのベットされている遊技媒体の数のメダルがメダル排出口58から払い出される。また、遊技媒体がベットされているとともに仮想メダルが貯留記憶されている状況で精算ボタン51が操作された場合、ベットされている遊技媒体の数と貯留記憶されている仮想メダルの数との合計数のメダルがメダル排出口58から払い出される。
筐体11の内部においてホッパ装置53の左方には、図2及び図3に示すように、電源装置54が設けられている。電源装置54には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチ55と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン56と、スロットマシン10の設定値を「1」から「6」の範囲で変更するために、遊技ホールの管理者が保有する設定キーが挿入されて操作される設定キー挿入孔57とが設けられている。
次に、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄について説明する。
図5には、左リール32L、中リール32M及び右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応させて番号が「0」~「20」まで付されているが、これら番号は後述する主制御装置70が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)の7種類がある。そして、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は異なっている。
図6は、表示窓部21L,21M,21Rの正面図である。各表示窓部21L,21M,21Rは、対応するリール32L,32M,32Rに付された21個の図柄のうち図柄全体が視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、5本のメインラインML1~ML5が設定されている。第1メインラインML1は左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだラインであり、第2メインラインML2は左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの上段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだラインであり、第3メインラインML3は左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの中段図柄を結んだラインであり、第4メインラインML4は左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの下段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだラインであり、第5メインラインML5は左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだラインである。所定数(具体的には「3」)の遊技媒体がベットされた状態で各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、いずれかのメインラインML1~ML5上に当選役に対応した入賞が成立した場合には、遊技媒体の付与という利益、再遊技という利益及び遊技状態の移行のいずれかが付与される。つまり、本スロットマシン10では、入賞が成立し得るラインとして5本のメインラインML1~ML5が設定されている。それぞれのメインラインML1~ML5は一直線に延びるラインとして設定されている。
以下、図7を参照しながら、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明する。図7は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明するための説明図である。
遊技媒体の付与が行われる小役入賞としては、第1補填入賞、第2補填入賞、第3補填入賞、第4補填入賞、第5補填入賞、第6補填入賞、第7補填入賞、第8補填入賞、第9補填入賞、第1ベル入賞、第2ベル入賞、特殊ベル入賞、第1スイカ入賞、第2スイカ入賞及びチェリー入賞がある。詳細には、いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、第1補填入賞となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第2補填入賞となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第3補填入賞となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、第4補填入賞となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「BAR」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第5補填入賞となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「BAR」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第6補填入賞となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄である場合、第7補填入賞となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第8補填入賞となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第9補填入賞となる。第1補填入賞~第9補填入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「1」となる。
いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、又はいずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第1ベル入賞となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第2ベル入賞となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、特殊ベル入賞となる。第1ベル入賞、第2ベル入賞及び特殊ベル入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「15」となる。
いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第1スイカ入賞となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、第2スイカ入賞となる。第1スイカ入賞及び第2スイカ入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「5」となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「チェリー」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、チェリー入賞となる。チェリー入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「2」となる。
遊技媒体をベットすることなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞として、通常リプレイ入賞、第1チャンスリプレイ入賞、第2チャンスリプレイ入賞及び特殊リプレイ入賞がある。詳細には、いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、通常リプレイ入賞となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1チャンスリプレイ入賞となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第2チャンスリプレイ入賞となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、特殊リプレイ入賞となる。
上記いずれかのリプレイ入賞となった場合、遊技媒体のベットを不要としながら次ゲームの遊技を行うことが可能となる再遊技の特典が付与される。具体的には、「3」の遊技媒体をベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、遊技媒体のベットを不要としながら、「3」の遊技媒体がベットされた状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞として、BB入賞及びRB入賞がある。詳細には、いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、BB入賞となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「BAR」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「BAR」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、RB入賞となる。BB入賞が成立した場合には遊技状態がBB状態に移行し、RB入賞が成立した場合には遊技状態がRB状態に移行する。
BB状態及びRB状態は、非AT状態である場合よりも1ゲームにおける遊技媒体の純増期待値(「1ゲームにおける遊技媒体の付与期待数」から「1ゲームにおいてベットされた遊技媒体数」を減算した値)が高くなる遊技状態である。さらにいうと、BB状態及びRB状態は、これらBB状態及びRB状態以外のいずれの遊技状態よりも1ゲームにおける遊技媒体の純増期待値(「1ゲームにおける遊技媒体の付与期待数」から「1ゲームにおいてベットされた遊技媒体数」を減算した値)が高くなる遊技状態である。具体的には、第1ベル入賞の成立を可能とさせる役に他の遊技状態の場合よりも高い確率(例えば約1/1.1)で当選するとともに、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングとは無関係に第1ベル入賞が成立することとなる。BB状態及びRB状態は、複数ゲームに亘って継続し、ゲームの実行内容に応じた事象の発生に基づき終了条件が成立した場合に終了する。当該終了条件は任意であるが、本スロットマシン10ではBB状態であれば当該BB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数が350以上となることが終了条件として設定されており、RB状態であれば当該RB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数が150以上となることが終了条件として設定されている。
次に、各種報知及び各種演出を実行するための装置について説明する。
前面扉12の上部には、図1に示すように、上部ランプ61及びスピーカ62が設けられているとともに画像表示装置63が設けられている。上部ランプ61は、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した態様で発光制御されるとともに、入賞結果に応じた態様で発光制御される。また、上部ランプ61は、画像表示装置63における表示演出に対応した発光演出が行われるように発光制御される。スピーカ62は左右一対として設けられており、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御されるとともに、入賞結果に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御される。また、スピーカ62は、画像表示装置63における表示演出に対応した音出力演出が行われるように音出力制御される。
画像表示装置63は表示面を有しており、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されているが、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。スロットマシン10において異常が発生した場合には当該異常に対応した画像が当該表示面にて表示されるように表示制御される。また、画像表示装置63は、内部抽選における役の当選結果及び各ゲームにおける入賞結果に対応した画像が表示面にて表示されるように表示制御される。つまり、画像表示装置63では表示演出が実行される。
前面扉12の遊技パネル20には、現状ベットされている遊技媒体の数を表示する主側ベット表示部64及び演出側ベット表示部69と、貯留記憶された仮想メダルの数を表示するクレジット表示部65と、小役入賞時に付与対象となった遊技媒体数を表示するとともに画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合にその報知される内容に対応した表示が行われ、さらには遊技履歴の管理結果を報知するための表示が行われる兼用表示部66と、遊技区間が第2区間であることに対応した表示が行われる区間表示部67とが設けられている。
主側ベット表示部64は遊技パネル20の左下の隅角部分に設けられている。主側ベット表示部64は3個の発光部64a,64b,64cが縦方向に並設されており、各発光部64a~64cには赤色などの単色発光タイプのLEDが用いられている。ベットされている遊技媒体の数が「1」である場合には最下部の発光部64aが点灯状態となり残りの発光部64b,64cが消灯状態となる。ベットされている遊技媒体の数が「2」である場合には最下部と中央のそれぞれの発光部64a,64bが点灯状態となり最上部の発光部64cが消灯状態となる。ベットされている遊技媒体の数が「3」である場合には3個全ての発光部64a~64cが点灯状態となる。1ゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止した後に、当該ゲームにてリプレイ入賞が成立しなかった場合には1ゲームの処理が全て終了した場合に主側ベット表示部64の各発光部64a~64cは全て消灯状態となる。この消灯状態は遊技媒体の新たなベットが発生するまで維持される。リプレイ入賞が成立した場合には主側ベット表示部64の各発光部64a~64cは全て点灯状態に維持される。主側ベット表示部64は後述する主制御装置70により表示制御が行われる。
演出側ベット表示部69は表示窓部21L,21M,21Rの左方において表示窓部21L,21M,21Rに並設されている。演出側ベット表示部69は5個の発光部69a,69b,69cが縦方向に並設されており、各発光部69a~69cには青色などの単色発光タイプのLEDが用いられている。これら発光部69a~69cのうち中央の発光部69aは第3メインラインML3の横方に配置されており、その上下一対の発光部69bはそれぞれ第2メインラインML2及び第4メインラインML4の横方に配置されており、上下両端の発光部69cはそれぞれ第1メインラインML1及び第5メインラインML5の横方に配置されている。ベットされている遊技媒体の数が「1」である場合には第3メインラインML3が有効化されることに対応させて中央の発光部69aが点灯状態となり、残りの発光部69b,69cが消灯状態となる。ベットされている遊技媒体の数が「2」である場合には第2メインラインML2~第4メインラインML4が有効化されることに対応させて中央及びその上下両側の3個の発光部69a,69bが点灯状態となり、上下両端の発光部69cが消灯状態となる。ベットされている遊技媒体の数が「3」である場合には全てのメインラインML1~ML5が有効化されることに対応させて5個全ての発光部69a~69cが点灯状態となる。1ゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止した後に、当該ゲームにてリプレイ入賞が成立しなかった場合には1ゲームの処理が全て終了した場合に演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cは全て消灯状態となる。この消灯状態は遊技媒体の新たなベットが発生するまで維持される。リプレイ入賞が成立した場合には後述する前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合を除き、演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cは全て点灯状態に維持される。前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合における演出側ベット表示部69の表示制御の内容については後に詳細に説明する。演出側ベット表示部69は後述する演出制御装置90により表示制御が行われる。
主側ベット表示部64は遊技パネル20の左下の隅角部分に設けられているのに対して、演出側ベット表示部69は表示窓部21L,21M,21Rの左方に設けられている。また、主側ベット表示部64の表示範囲よりも演出側ベット表示部69の表示範囲の方が広く確保されている。したがって、主側ベット表示部64よりも演出側ベット表示部69の方が遊技者に注目され易い。
クレジット表示部65は7セグメント表示器によって構成されている。当該7セグメント表示器の各セグメントには緑色などの単色発光タイプのLEDが用いられている。
図8(a)は兼用表示部66及び区間表示部67が設けられた共通表示領域68の正面図である。共通表示領域68には、図8(a)に示すように2個の7セグメント表示器66a,66bが横方向に並設された兼用表示部66と、1個の発光部からなる区間表示部67とが集約されている。
遊技媒体の付与に対応するいずれかの小役入賞(第1~第9補填入賞、第1ベル入賞、第2ベル入賞、特殊ベル入賞、第1スイカ入賞、第2スイカ入賞又はチェリー入賞)が成立した場合には、その小役入賞が成立したゲームの終了時にその小役入賞に対応する遊技媒体の付与数が兼用表示部66にて表示される。具体的には、第1~第9補填入賞のいずれかが成立した場合には左側の7セグメント表示器66aは非表示となるとともに右側の7セグメント表示器66bに「1」が表示されることによって「1」の遊技媒体が付与されたことが報知される。第1ベル入賞、第2ベル入賞及び特殊ベル入賞のいずれかが成立した場合には左側の7セグメント表示器66aに「1」が表示されるとともに右側の7セグメント表示器66bに「5」が表示されることによって「15」の遊技媒体が付与されたことが報知される。また、第1スイカ入賞及び第2スイカ入賞のいずれかが成立した場合には左側の7セグメント表示器66aは非表示となるとともに右側の7セグメント表示器66bに「5」が表示されることによって「5」の遊技媒体が付与されたことが報知される。また、チェリー入賞が成立した場合には左側の7セグメント表示器66aは非表示となるとともに右側の7セグメント表示器66bに「2」が表示されることによって「2」の遊技媒体が付与されたことが報知される。
一方、いずれかのリプレイ入賞、BB入賞及びRB入賞といった遊技媒体が付与されない入賞が成立したとしても、その入賞に対応する表示が兼用表示部66にて行われることはなく、この場合には各7セグメント表示器66a,66bは非表示の状態に維持される。兼用表示部66における遊技媒体の付与数の表示は、その表示が行われたゲームの次ゲームを開始させるために遊技媒体がベットされた場合に終了され、このベットされたタイミングにおいて各7セグメント表示器66a,66bは非表示の状態となる。
画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合には、その報知される停止順序に対応する情報が兼用表示部66にて表示される。図8(b)は兼用表示部66にて表示される停止順序に対応する情報の内容を説明するための説明図である。図8(b)に示すように、本スロットマシン10では画像表示装置63にて報知されるリール32L,32M,32Rの停止順序として、第1停止が左リール32Lであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が右リール32Rである停止順序と、第1停止が左リール32Lであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が中リール32Mである停止順序と、第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rである停止順序と、第1停止が中リール32Mであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が左リール32Lである停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が中リール32Mである停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が左リール32Lである停止順序と、第1停止が左リール32Lであり残りが任意である停止順序と、第1停止が中リール32Mであり残りが任意である停止順序と、第1停止が右リール32Rであり残りが任意である停止順序とが存在している。
画像表示装置63における停止順序の報知は、役の抽選処理にて、第1ベル当選データを含むとともに第1~第6補填当選データのいずれかを含む役に当選した場合、第2ベル当選データを含むとともに第7~第9補填当選データのいずれかを含む役に当選した場合、又は第1ベル当選データを含むとともに特殊ベル当選データを含む役に当選した場合に実行され得る。具体的には、第1ベル当選データを含むとともに第1~第6補填当選データのいずれかを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第1ベル入賞が成立し、今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されなかった場合には第1~第6補填入賞のいずれかが成立し得る。第1ベル入賞が成立した場合には既に説明したとおり「15」の遊技媒体が遊技者に付与され、第1~第6補填入賞のいずれかが成立した場合には既に説明したとおり「1」の遊技媒体が遊技者に付与される。
第2ベル当選データを含むとともに第7~第9補填当選データのいずれかを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第2ベル入賞が成立し、今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されなかった場合には第7~第9補填入賞のいずれかが成立し得る。第2ベル入賞が成立した場合には既に説明したとおり「15」の遊技媒体が遊技者に付与され、第7~第9補填入賞のいずれかが成立した場合には既に説明したとおり「1」の遊技媒体が遊技者に付与される。
第1ベル当選データを含むとともに特殊ベル当選データを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち左リール32Lが第1停止される停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合には第1ベル入賞が成立し、中リール32M又は右リール32Rが第1停止される停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合には第1ベル入賞又は特殊ベル入賞が成立する。第1ベル入賞又は特殊ベル入賞が成立した場合には既に説明したとおり「15」の遊技媒体が遊技者に付与される。
上記停止順序のいずれかが画像表示装置63にて報知される場合には、兼用表示部66における左側の7セグメント表示器66aは非表示の状態が維持される一方、右側の7セグメント表示器66bにてその報知対象の停止順序に対応する表示が行われる。この表示内容は図8(b)に示す通りであり、画像表示装置63における停止順序の報知内容に対して兼用表示部66の停止順序の表示内容が1対1で対応させて設定されている。但し、これに限定されることはなく、画像表示装置63における停止順序の報知内容の一部又は全部に対しては兼用表示部66の複数種類の表示内容が対応させて設定されている構成としてもよい。
兼用表示部66における停止順序の表示内容は、兼用表示部66にて遊技媒体の付与に対応する表示が行われる場合に表示対象となる表示内容と相違している。これにより、兼用表示部66にて表示されている内容が、遊技媒体の付与数に対応しているのか、それともリール32L,32M,32Rの停止順序に対応しているのかを区別し易くなる。
図9(a)及び図9(b)は画像表示装置63における停止順序の報知内容と兼用表示部66における停止順序の表示内容との関係を説明するための説明図である。
画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、図9(a)に示すように、画像表示装置63にはゲームを終了させるために必要な停止操作の回数と同数の単位表示画像GL,GM,GRが表示され、各単位表示画像GL,GM,GRにおいてリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示が行われる。具体的には左リール32Lに対応する左単位表示画像GLと、中リール32Mに対応する中単位表示画像GMと、右リール32Rに対応する右単位表示画像GRとが表示される。そして、図9(a)においては第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rである場合の停止順序が報知される様子を示しているため、左単位表示画像GLには左リール32Lの停止順序に対応する「2」の画像が表示され、中単位表示画像GMには中リール32Mの停止順序に対応する「1」の画像が表示され、右単位表示画像GRには右リール32Rの停止順序に対応する「3」の画像が表示される。
画像表示装置63においては上記のようにリール32L,32M,32Rの停止順序そのものを報知する画像が表示されるのに対して、兼用表示部66では図9(b)に示すように、上記リール32L,32M,32Rの停止順序に対応する「L」の表示が行われる。つまり、画像表示装置63においてはリール32L,32M,32Rの数に対応する単位表示画像GL,GM,GRが表示されるとともに各単位表示画像GL,GM,GRにおいて対応するリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示が行われるのに対して、兼用表示部66ではリール32L,32M,32Rの数とは無関係な表示が行われる。これにより、兼用表示部66においてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知内容に対応する表示が行われるとしても、画像表示装置63における表示内容に遊技者を注目させることが可能となる。
兼用表示部66の表示範囲は画像表示装置63の表示範囲よりも狭い範囲となっている。この点からも、画像表示装置63に比べて兼用表示部66に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。また、兼用表示部66は、リール32L,32M,32Rを視認可能とする表示窓部21L,21M,21Rを挟んで画像表示装置63側とは逆側に存在している。これにより、画像表示装置63に対して兼用表示部66が離間された位置に配置されることとなり、これによっても兼用表示部66に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。
リール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、兼用表示部66におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示及び画像表示装置63におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示は役の抽選処理が行われた後であってリール32L,32M,32Rの停止操作が有効化される前に開始される。この場合、兼用表示部66におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示の方が、画像表示装置63におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示よりも先に開始されるが、これら表示が同時又は略同時に開始される構成としてもよく、表示開始順序が逆であってもよい。また、兼用表示部66及び画像表示装置63におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示は、当該表示の実行対象となったゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rに対して停止指令が発生した場合に終了される。
兼用表示部66は共通表示領域68において中央側に配置されているのに対して、区間表示部67は共通表示領域68の隅角側に配置されている。区間表示部67は、遊技区間が第1区間及び第2区間のうち第2区間であることを報知するための表示部である。第2区間とは、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて成立対象となる入賞が異なる役に当選した場合に遊技者にとって有利な入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されることで1ゲームにおける遊技媒体の獲得期待値(「1ゲームにおける遊技媒体の付与期待数」から「1ゲームにおいてベットされた遊技媒体数」を減算した値)が1以上となり得る有利な遊技状態(具体的にはAT状態)が開始され得る区間であって当該有利な遊技状態が継続し得る区間である。一方、第1区間とは、上記有利な遊技状態が開始されない区間であって上記有利な遊技状態が継続しない区間である。
区間表示部67は、第1区間においては消灯状態に維持され、第2区間に移行することで点灯状態となる。そして、区間表示部67は、点灯状態となった場合、その後に第2区間が終了するまでその点灯状態が維持され、第2区間が終了して第1区間に移行する場合に消灯状態となる。
上記のように区間表示部67は第2区間において点灯状態とされると当該第2区間が終了するまではその点灯状態が維持される構成において、共通表示領域68に集約させて設けられる兼用表示部66は、遊技媒体の付与が発生した場合に点灯状態とされ次のゲームの開始に際して消灯状態とされるとともに、リール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置63にて表示される場合に点灯状態とされそのゲームの終了に際して消灯状態とされる。したがって、区間表示部67を共通表示領域68内に配置することで遊技者に対して目立ち過ぎないようにした構成において、第2区間である状況では共通表示領域68において区間表示部67のみが点灯状態となっている状況を積極的に生じさせることが可能となり、遊技ホールの管理者にとって区間表示部67の確認の容易化が図られる。
なお、第2区間においては区間表示部67の点灯状態が維持される構成に代えて第2区間においては区間表示部67にて所定の周期で点滅表示が行われる構成としてもよい。また、兼用表示部66及び区間表示部67として、液晶表示装置などの他の表示器を用いてもよい。
次に、各種制御装置について説明する。
スロットマシン10には、各種制御装置が設けられている。具体的には、図3に示すようにリールユニット31の上方には主制御装置70が設けられている。主制御装置70は筐体11の背面部を生じさせる背板11bに取り付けられている。主制御装置70は主制御基板71が基板ボックス81に収容されて構成されている。主制御基板71の一方の板面である素子搭載面にはMPU72が搭載されている。基板ボックス81は当該基板ボックス81の外部から当該基板ボックス81内に収容されたMPU72を目視することが可能となるように透明に形成されている。なお、基板ボックス81は無色透明に形成されているが、基板ボックス81の外部から当該基板ボックス81内に収容されたMPU72を目視することが可能であれば有色透明に形成されていてもよい。主制御装置70は基板ボックス81において主制御基板71の素子搭載面と対向する対向壁部82がスロットマシン10前方を向くようにして筐体11の背板11bに搭載されている。したがって、前面扉12を筐体11に対してスロットマシン10前方に開放させて筐体11の内部空間を露出させることにより、基板ボックス81の対向壁部82を目視することが可能となるとともに当該対向壁部82を通じてMPU72を目視することが可能となる。
基板ボックス81は複数のケース体を前後に組合せることにより形成されているが、これら複数のケース体には、これらケース体の分離を阻止するとともにこれらケース体の分離に際してその痕跡を残すための結合部83が設けられている。結合部83は、略直方体形状の基板ボックス81における一辺に複数並設されている。これにより、一部の結合部83を利用してケース体の分離を阻止している状態において当該一部の結合部83を破壊してケース体を分離させたとしても、その後に別の結合部83を結合状態とすることでケース体の分離を再度阻止することが可能となる。また、ケース体の分離に際して結合部83が破壊されてその痕跡が残ることにより、結合部83を目視確認することでケース体の分離が不正に行われているか否かを把握することが可能となる。また、基板ボックス81において結合部83が並設された一辺とは別の一辺にはケース体間の境界を跨ぐようにして封印シール84が貼り付けられている。封印シール84はその引き剥がしに際して粘着層がケース体に残る。これにより、ケース体の分離に際して封印シール84が剥がされた場合にはその痕跡を残すことが可能となる。
スロットマシン10には図2に示すように、主制御装置70以外にも演出制御装置90が設けられている。演出制御装置90は、前面扉12において画像表示装置63の後方に重ねて配置されている。演出制御装置90は、主制御装置70から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63の制御を実行する。なお、演出制御装置90は主制御装置70と同様に基板ボックス内に制御基板が収容されてなる。
<電気的構成>
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図10のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置70の主制御基板71には既に説明したとおりMPU72が搭載されている。MPU72には、当該MPU72により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM73と、そのROM73内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM74と、クロック回路から出力されるクロック信号に基づいて乱数を所定の数値範囲内において順次更新する乱数回路75と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路とが設けられている。また、それ以外にもMPU72には、割込回路、データ入出力回路などが内蔵されている。なお、MPU72に対してROM73及びRAM74が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU72には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU72の入力側には、リールユニット31における各リール32L,32M,32Rのリールインデックスセンサ36、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42,43,44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a,43a,44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、クレジット投入ボタン47の操作を検出するクレジット投入検出センサ47a、精算ボタン51の操作を検出する精算検出センサ51a、ホッパ装置53の払出検出センサ、並びに電源装置54に設けられたリセットボタン56の操作を検出するリセット検出センサ及び設定キー挿入孔57に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU72に入力される。
MPU72の出力側には、リールユニット31における各リール32L,32M,32Rのステッピングモータ33、セレクタ52に設けられたセレクタ駆動部52a、ホッパ装置53の払出モータ、主側ベット表示部64、クレジット表示部65(図10では図示略)、兼用表示部66、区間表示部67及び演出制御装置90等が接続されている。各ゲームにおいてはリールユニット31の各リール32L,32M,32Rの回転駆動制御がMPU72により行われる。セレクタ52は、メダル投入口45から投入されたメダルを、受付許可時であれば投入メダル検出センサ45aにて検出させた後にホッパ装置53へ導き、受付禁止時であれば投入メダル検出センサ45aにて検出させることなくメダル受け皿59へ排出する機能を有する。セレクタ駆動部52aはセレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換えるための機能を有しており、具体的にはセレクタ52に設けられた通路切換片を受付許可用の位置と受付禁止用の位置との間で動作させる。MPU72はセレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力状態及び停止状態を切り換えることにより、セレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換える。
MPU72は、小役入賞が成立してメダルの払い出しを実行する場合にはホッパ装置53の駆動制御を実行する。また、MPU72は、遊技媒体のベットが発生した場合にはそのベット数の報知が行われるように主側ベット表示部64を表示制御する。また、MPU72は、仮想遊技媒体が貯留記憶されている場合にはその貯留記憶されている仮想遊技媒体の数が表示されるようにクレジット表示部65を表示制御する。また、MPU72は、遊技媒体の付与が発生した場合にはその付与対象となった遊技媒体の数が表示されるように兼用表示部66を表示制御する。また、MPU72は、第2区間である場合に第2区間であることの報知が行われるように区間表示部67を表示制御する。また、MPU72は、遊技の管理結果に対応する表示が行われるように兼用表示部66を表示制御する。
MPU72は、各ゲームの各タイミングで演出制御装置90にコマンドを送信するとともに、画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序を報知させるためのコマンドを演出制御装置90に送信する場合にはその報知させる内容に対応した表示が行われるように兼用表示部66の表示制御を実行する。この場合、画像表示装置63の直接的な表示制御は演出制御装置90により行われるのに対して、兼用表示部66の直接的な表示制御はMPU72により行われる。つまり、相対的に複雑な表示制御の実行対象となる画像表示装置63については演出制御装置90において直接的な表示制御が実行され、相対的に簡素な表示制御の実行対象となる兼用表示部66についてはMPU72において直接的な表示制御が実行される。これにより、MPU72の処理負荷の軽減を図りながら、演出への注目度の向上を重視した表示と、信頼性を重視した表示との両方を行うことが可能となる。
MPU72の入力側には、電源装置54に設けられた停電監視回路が接続されている(図示略)。電源装置54には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部及び停電監視回路が搭載されており、停電監視回路は、外部電源から電源部に印加されている電圧を監視し、当該電圧が基準電圧以下となった場合にMPU72に停電信号を出力する。MPU72は、停電信号を受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。また、電源装置54には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電断中電力としてバックアップ電力をRAM74に供給するための電断中電源部が設けられている。これにより、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況であっても、電断中電源部においてバックアップ電力を供給可能な状況(例えば1日や2日)ではRAM74においてデータが記憶保持される。
演出制御装置90は、各種報知や各種演出の実行を制御するための演出制御基板91を備えている。演出制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92には、当該MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM93、及びそのROM93内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM94が内蔵されているとともに、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路、割込回路、データ入出力回路及び乱数発回路などが内蔵されている。
なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。また、RAM94には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電源装置54の電断中電源部からバックアップ電力が供給されないが、RAM94に対してバックアップ電力が供給される構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、既に説明したとおり主制御装置70のMPU72が接続されており、当該MPU72から各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、上部ランプ61、スピーカ62、画像表示装置63及び演出側ベット表示部69が接続されている。MPU92は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御、画像表示装置63の表示制御、及び演出側ベット表示部69の発光制御を実行することで、各種報知や各種演出が行われるようにする。
演出制御基板91には、図示は省略するが、MPU92の他に、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、キャラクタROM、及びビデオRAM等が搭載されている。VDPは、画像表示装置63に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDPは、ビデオRAMのデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAMに記憶させる画像データを、キャラクタROMから所定のタイミングで読み出して画像表示装置63に表示させる。キャラクタROMは、画像表示装置63に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROMには、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。ビデオRAMは、画像表示装置63に表示させる表示データを記憶するためのメモリである。MPU92は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき演出の実行内容を決定した場合、その決定した演出の実行内容に従って、各更新タイミングに対応する画像の内容を指示する描画リストをVDPに出力する。VDPは、当該描画リストに従ってキャラクタROMから画像データを読み出し、その読み出した画像データを利用してビデオRAMに表示データを作成する。そして、VDPは、その作成した表示データに対応する画像信号を画像表示装置63に出力することで、当該画像表示装置63にその表示データに対応する画像を表示させる。
なお、以下の説明では説明の便宜上、主制御装置70のMPU72、ROM73及びRAM74をそれぞれ主側MPU72、主側ROM73及び主側RAM74といい、演出制御装置90のMPU92、ROM93及びRAM94をそれぞれ演出側MPU92、演出側ROM93及び演出側RAM94という。
<主側MPU72により実行される各種処理について>
次に、主側MPU72により実行される処理について説明する。まず、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に当該主側MPU72にて実行されるメイン処理について図11のフローチャートを参照しながら説明する。
メイン処理ではまず初期化処理を実行する(ステップS101)。初期化処理では、タイマ割込み処理による割込みを許可し、さらに主側MPU72内のレジスタ群及びI/O装置等に対する各種の初期設定を行う。その後、設定キーが設定キー挿入孔57に挿入されてON操作された状態で電源ONが行われているか否かを判定する(ステップS102)。設定キーによるON操作が行われた状態で電源ONが行われている場合には(ステップS102:YES)、電源ONに際してリセットボタン56が押圧操作されていないのであれば(ステップS103:NO)、一部クリア処理を実行した後に(ステップS104)、設定値更新処理を実行する(ステップS106)。一方、電源ONに際してリセットボタン56が押圧操作されているのであれば(ステップS103:YES)、全部クリア処理を実行した後に(ステップS105)、設定値更新処理を実行する(ステップS106)。全部クリア処理(ステップS105)では主側RAM74の全エリアが初期化されるのに対して、一部クリア処理(ステップS104)では主側RAM74においてBB当選データが記憶されるエリア、RB当選データが記憶されるエリア、BB状態であることを示す情報が記憶されるエリア及びRB状態であることを示す情報が記憶されるエリア以外のエリアが初期化される。
設定値更新処理では、設定キーが挿入されてON操作されていることを条件として現在の設定値を読み込むとともに、クレジット表示部65に現在の設定値を表示する。設定値更新処理が実行される場合には、その前に一部クリア処理(ステップS104)及び全部クリア処理(ステップS105)のいずれかが実行されているため、設定値更新処理の開始に際してクレジット表示部65には設定値が「1」であることに対応する表示が行われる。設定値更新処理では、リセットボタン56が操作される度に設定値を1更新するとともに、その更新後の設定値をクレジット表示部65に表示する。なお、設定値が「6」である状況でリセットボタン56が操作された場合には設定値は「1」に更新される。スタートレバー41が操作された後に設定キーのON操作が解除された場合に、その時点で選択されている設定値が今回の設定値更新処理において設定された設定値となり、設定値更新処理を終了する。この場合、クレジット表示部65における設定値の表示が終了される。その後、通常処理に移行する(ステップS107)。通常処理については後に詳細に説明する。
メイン処理において設定キーのON操作が行われていない場合(ステップS102:NO)、ステップS108以降の復電処理を実行する。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させるための処理である。復電処理では、主側RAM74を確認することでスロットマシン10の設定値が正常か否かを判定する(ステップS108)。具体的には、設定値が「1」~「6」のいずれかである場合に正常であると判定し、「0」又は「7」以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS109)。停電フラグは主側RAM74に設けられており、主側MPU72への動作電力の供給が停止される場合において予め定められた停電時処理が正常に実行された場合には当該停電フラグに「1」がセットされることとなる。停電フラグに「1」がセットされている場合には、RAM判定値が正常であるか否かを確認する(ステップS110)。具体的には、主側RAM74のチェックサム値を調べ、その値が正常であるか否かを確認する。
ステップS108~ステップS110の全てにおいて肯定判定をした場合には前回の電断時における停電時処理が正常に実行されたことを意味する。この場合、主側RAM74に保存されたスタックポインタの値を主側MPU72のスタックポインタに書き込み、主側RAM74に退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させることで、主側MPU72のレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる(ステップS111)。また、主側RAM74の停電フラグを「0」クリアする(ステップS112)。その後、復電処理の実行を認識させるための復電コマンドを演出側MPU92に送信した後に(ステップS113)、電源遮断前の番地に戻る(ステップS114)。
一方、ステップS108~ステップS110のいずれかで否定判定をした場合には動作禁止処理を実行する。動作禁止処理では、次回のタイマ割込み処理(図12)の実行を禁止し(ステップS115)、主側MPU72の全ての出力ポートを「0」クリアすることにより当該出力ポートに接続された全てのアクチュエータをOFF状態とし(ステップS116)、ホール管理者等にエラーの発生を報知するためのエラー報知処理を実行する(ステップS117)。そして、無限ループとなる。当該動作禁止処理は、一部クリア処理(ステップS104)又は全部クリア処理(ステップS105)が実行されることにより解除される。
次に、主側MPU72にて実行されるタイマ割込み処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。なお、タイマ割込み処理は、例えば1.49ミリ秒ごとに起動される。
レジスタ退避処理(ステップS201)では、後述する通常処理で使用している主側MPU72内の全レジスタの値を主側RAM74に退避させる。ステップS202では停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認し、停電フラグに「1」がセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
停電フラグは、電源装置54の停電監視回路からの停電信号が主側MPU72に入力された場合にセットされる。停電時処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、主側MPU72のスタックポインタの値を主側RAM74に保存する。その後、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時に主側RAM74のデータが正常であるか否かを判定するための判定値を算出して当該主側RAM74に保存し、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え無限ループに入る。
ステップS202にて停電フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、主側MPU72自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、これら各リール32L,32M,32Rに設けられたステッピングモータ33を駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。
ステップS207では、入力ポートに接続された各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ減算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するカウンタ処理を行う。ステップS210では、各種コマンドを演出側MPU92へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS212では主側ベット表示部64の発光制御を行うためのベット表示部の制御処理を行う。ステップS213では、先のステップS201にて主側RAM74に退避させた各レジスタの値をそれぞれ主側MPU72内の対応するレジスタに復帰させる。
ステップS214では遊技履歴を管理するとともにその管理結果に対応する内容を兼用表示部66に表示させるための管理用処理を実行する。具体的には、全体のゲーム数に対する第2区間の総ゲーム数の比率が計算される。また、ゲームが行われていない状況においてリセットボタン56が操作されたことを条件として、直近の計算結果の比率が兼用表示部66に表示される。この場合、全体のゲーム数に対する第2区間の総ゲーム数の比率の計算が設定値ごとに行われる構成としてもよい。当該構成においては、設定値が変更されたとしても設定値ごとに行われている上記比率の情報が初期化されずに計算が継続される構成としてもよい。その後、ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行される通常処理について図13のフローチャートに基づき説明する。
まず次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う(ステップS301)。その後、開始待ち処理を実行する(ステップS302)。図14は開始待ち処理を示すフローチャートである。
まず主側RAM74に設けられたベット数設定カウンタ74a(図10参照)の値がベット上限数であるか否かを判定する(ステップS401)。ベット数設定カウンタ74aは実行対象となるゲームのベット数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。ベット上限数は「3」である。ステップS401にて否定判定をした場合、主側RAM74に設けられたクレジットカウンタ74bの値が1以上である状況においてクレジット投入ボタン47が操作されたか否かを判定する(ステップS402)。クレジットカウンタ74bは貯留記憶されている仮想遊技媒体の数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
ステップS402にて肯定判定をした場合には、ベット設定処理を実行する(ステップS403)。ベット設定処理では、ベット数設定カウンタ74aの値が「0」であるとともにクレジットカウンタ74bの値が3以上である状況においてクレジット投入ボタン47が操作された場合にはクレジットカウンタ74bの値を3減算する代わりにベット数設定カウンタ74aの値を3加算する。また、ベット数設定カウンタ74aの値が「1」であるとともにクレジットカウンタ74bの値が2以上である状況においてクレジット投入ボタン47が操作された場合にはクレジットカウンタ74bの値を2減算する代わりにベット数設定カウンタ74aの値を2加算する。また、ベット数設定カウンタ74aの値が「2」であるとともにクレジットカウンタ74bの値が1以上である状況においてクレジット投入ボタン47が操作された場合にはクレジットカウンタ74bの値を1減算する代わりにベット数設定カウンタ74aの値を1加算する。また、クレジットカウンタ74bの値が、ベット上限数に対するベット数設定カウンタ74aの値の差よりも小さい場合にクレジット投入ボタン47が操作された場合には、ベット数設定カウンタ74aの値にクレジットカウンタ74bの値を加算する代わりにクレジットカウンタ74bを「0」クリアする。
その後、ベット設定コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS404)。ベット設定コマンドには、今回のベット設定処理(ステップS403)により更新された後のベット数設定カウンタ74aの値に対応する情報が含まれる。つまり、現状のベット数の情報がベット設定コマンドには含まれる。これにより、ベット数が変化した場合にはその変化後におけるベット数を演出側MPU92にて特定することが可能となる。
ステップS401にて肯定判定をした場合、ステップS402にて否定判定をした場合又はステップS404の処理を実行した場合、メダル投入口45にメダルが投入されていることにより投入メダル検出センサ45aにて1枚のメダルが検出されているか否かを判定する(ステップS405)。ステップS405にて肯定判定をした場合、主側RAM74のベット数設定カウンタ74aの値がベット上限数未満であれば(ステップS406:NO)、ベット数設定カウンタ74aの値を1加算し(ステップS407)、ベット設定コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS408)。ベット設定コマンドには、ステップS407により更新された後のベット数設定カウンタ74aの値に対応する情報が含まれる。つまり、現状のベット数の情報がベット設定コマンドには含まれる。これにより、ベット数が変化した場合にはその変化後におけるベット数を演出側MPU92にて特定することが可能となる。ベット数設定カウンタ74aの値がベット上限数であれば(ステップS406:YES)、主側RAM74のクレジットカウンタ74bの値を1加算し(ステップS409)、クレジット増加コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS410)。クレジット増加コマンドにはクレジットカウンタ74bの値を示す情報は含まれない。
ステップS408又はステップS410の処理を実行した場合、ベット数設定カウンタ74aの値がベット上限数であってクレジットカウンタ74bの値が上限貯留記憶数(具体的には「50」)であることを条件として(ステップS411:YES)、受付禁止処理を実行する(ステップS412)。受付禁止処理が実行されることにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45aにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。
ステップS405にて否定判定をした場合、ステップS411にて否定判定をした場合、又はステップS412の処理を実行した場合、ベット数設定カウンタ74aの値が「3」であることを条件として(ステップS413:YES)、主側RAM74に設けられた受入時のベット設定済みフラグに「1」をセットする(ステップS414)。受入時のベット設定済みフラグは、1回のゲームを開始可能な数の遊技媒体がベットされた状況であるか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。その後、クレジット投入ボタン47の消灯処理を実行する(ステップS415)。クレジット投入ボタン47の裏側には図示しない発光部が設けられており、ゲームが実行されていない状況であってベット数設定カウンタ74aの値がベット上限数である「3」未満である状況において発光部が点灯状態となり、ゲームが実行されている状況又はベット数設定カウンタ74aの値がベット上限数である「3」である状況において発光部が消灯状態となる。ステップS415の処理が実行されることによりクレジット投入ボタン47が点灯状態から消灯状態となる。これにより、更なる遊技媒体のベットが不可であることが遊技者に報知される。なお、ゲームが実行されていない状況であってベット数設定カウンタ74aの値がベット上限数である「3」未満である状況であってもクレジットカウンタ74bの値が「0」である場合にはクレジット投入ボタン47が消灯状態となる構成としてもよい。
ステップS413にて否定判定をした場合又はステップS415の処理を実行した場合、精算ボタン51が操作されたか否かを判定する(ステップS416)。精算ボタン51が操作されている場合(ステップS416:YES)、主側RAM74に設けられたリプレイ時のベット設定済みフラグに「1」がセットいるか否かを判定する(ステップS417)。リプレイ時のベット設定済みフラグは、前回のゲームにおいていずれかのリプレイ入賞が成立している場合において、前回のベット数と同数のベット設定が既に完了しているか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
ステップS417にて否定判定をした場合、精算処理を実行する(ステップS418)。精算処理では、ベット数設定カウンタ74aの値とクレジットカウンタ74bの値との和に対応する枚数のメダルがメダル受け皿59に排出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。この場合、ベット数設定カウンタ74aを「0」クリアするとともにクレジットカウンタ74bを「0」クリアする。その後、主側RAM74における受入時のベット設定済みフラグを「0」クリアする(ステップS419)。また、精算コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS420)。演出側MPU92は精算コマンドを受信することで精算処理が実行されたことに対応する処理を実行する。
ステップS416にて否定判定をした場合、ステップS417にて肯定判定をした場合又はステップS420の処理を実行した場合、疑似ベット対応処理を実行する(ステップS421)。疑似ベット対応処理については後に詳細に説明する。
通常処理(図13)の説明に戻り、ステップS302にて開始待ち処理を実行した後は、主側RAM74におけるリプレイ時のベット設定済みフラグ及び受入時のベット設定済みフラグのいずれかに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS303)。ステップS303にて否定判定をした場合にはステップS302に戻る。ステップS303にて肯定判定をした場合にはスタートレバー41が操作されたか否かを判定する(ステップS304)。スタートレバー41が操作されていない場合にはステップS302に戻る。
スタートレバー41が操作された場合には(ステップS304:YES)、メインラインML1~ML5の全てを有効化させた後に受付禁止処理を実行する(ステップS305)。受付禁止処理が実行されることにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45aにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。
その後、ステップS306にてゲームが開始された場合の各種設定を行うための開始時の設定処理を実行し、ステップS307にて今回のゲームにおける役の抽選を行うための役の抽選処理を実行し、ステップS308~ステップS312にてフリーズ用の処理を実行し、ステップS313にて各リール32L,32M,32Rを今回の役の抽選処理の結果に対応した態様で駆動制御するためのリール制御処理を実行し、ステップS314にて今回のゲームの結果に対応する遊技状態及び遊技区間の設定を可能とするための遊技終了時の対応処理を実行する。
その後、媒体付与処理を実行する(ステップS315)。媒体付与処理では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立している場合に、当該小役入賞に対応した数の遊技媒体を遊技者に付与するための処理を実行する。具体的には、仮想メダルを付与する場合には主側RAM74のクレジットカウンタ74bに今回の小役入賞に対応した値を加算し、クレジットカウンタ74bの値が上限貯留記憶数に達している場合にはその上限貯留記憶数を超えた数分のメダルがメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。また、媒体付与処理では、今回付与対象となった遊技媒体の数に対応する表示が行われるように兼用表示部66を表示制御する。この兼用表示部66における遊技媒体の数に対応する表示は、遊技媒体のベットが新たに行われるまで継続される。
その後、ステップS316~ステップS317にてフリーズ用の処理を実行し、ステップS318にてスロットマシン10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに出力するための外部出力設定処理を実行し、ステップS319にてゲーム終了時の各種設定を行うためのゲーム終了時の設定処理を実行する。そして、受付許可処理を実行する(ステップS320)。受付許可処理が実行されることにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45aにて検出された後にホッパ装置53にて回収される。但し、リプレイ入賞が成立したゲームであって主側RAM74のクレジットカウンタ74bの値が上限貯留記憶数である場合には受付許可処理を実行することなく、メダル投入口45に投入されたメダルが投入メダル検出センサ45aにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される状態を維持させる。
<役の抽選処理>
次に、通常処理(図13)のステップS307にて実行される役の抽選処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
まず役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する(ステップS501)。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されるとその時点における乱数を乱数回路75からラッチする構成となっている。乱数回路75は「0」~「65535」の乱数を生成しており、主側MPU72は、スタートレバー41の操作を確認した場合に乱数回路75においてラッチした値を主側RAM74に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。乱数回路75は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、役の当否判定を行うための抽選テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS502)。本スロットマシン10では、「1」から「6」まで6段階の設定値が予め用意されており、設定キー挿入孔57に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの設定値に対応する当選確率に基づいて役の抽選処理を実行させるのかを設定することができる。設定値が「n」よりも「n+1」の方が遊技者にとって有利な当選確率となる。具体的には、設定値が「n」よりも「n+1」の方が所定の役の当選確率が高いことにより、設定値が「n」よりも「n+1」の方が遊技者にとって有利となる。また、遊技状態として非ボーナス状態(非AT状態及びAT状態を含む)、BB状態、RB状態及びRT状態(非AT状態及びAT状態を含む)が存在している。RT状態とは他の遊技状態よりもリプレイ役に当選する確率が高くなる遊技状態のことである。なお、リプレイ役に当選した場合には確実にリプレイ入賞が成立するためRT状態は他の遊技状態よりもリプレイ入賞が成立する確率が高くなる遊技状態でもある。ステップS502では、現状の設定値と現状の遊技状態との組合せに対応する抽選テーブルを選択する。
設定値が「3」である場合を例に挙げて、BB状態及びRB状態のいずれでもない状態における抽選テーブルについて説明する。図16はBB状態、RB状態及びRT状態のいずれでもない非ボーナス状態の役抽選テーブルを説明するための説明図であり、図17はRT状態の役抽選テーブルを説明するための説明図である。なお、以下の説明では図18の説明図を適宜参照する。
役抽選テーブルには非ボーナス状態時及びRT状態時のいずれであっても、図16及び図17に示すように、インデックス値IVが設定されている。各インデックス値IVには、当選となる当選データ(すなわち役)がそれぞれ対応付けられているとともにポイント値PVが設定されている。ポイント値PVは、対応するインデックス値IVの当選確率を乱数回路75の最大値(「65535」)との関係で定めるものである。また、インデックス値IVの数は非ボーナス状態時とRT状態時とで同一となっており、各インデックス値IVに設定されている当選データの種類も非ボーナス状態時及びRT状態時とで同一となっている。
具体的には、インデックス値IV=1~6には、第1ベル当選データが設定されているとともに第1~第6補填当選データのいずれかが設定されている。インデックス値IV=1で当選となった場合、図18に示すように、第1停止(最初に停止指令が発生したリール)が左リール32Lであり、第2停止(2番目に停止指令が発生したリール)が中リール32Mであり、第3停止(最後に停止指令が発生したリール)が右リール32Rである場合に、各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第1補填入賞が成立し得る。インデックス値IV=2で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に、各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第4補填入賞が成立し得る。インデックス値IV=3で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に、各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第3補填入賞が成立し得る。インデックス値IV=4で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に、各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第6補填入賞が成立し得る。インデックス値IV=5で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に、各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第2補填入賞が成立し得る。インデックス値IV=6で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に、各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第5補填入賞が成立し得る。
本スロットマシン10においてはストップボタン42~44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能なリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。換言すれば、ストップボタン42~44が操作されてから規定時間(190ミリ秒)が経過するまでに停止させるリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。このようなリール制御が行われることにより、当選している役に対応した入賞を成立させ易くすることが可能となるとともに、当選していない役に対応した入賞が成立してしまうことを回避することが可能となる。但し、滑らせることが可能なリール32L,32M,32Rの回転量が上記のように制限されているため、一のリール32L,32M,32Rにおいて、入賞を成立させるための図柄の組合せを構成する構成図柄間に5図柄以上が存在していると、対応するストップボタン42~44の操作タイミングによっては当該構成図柄がメインラインML1~ML5上に停止しないことが起こり得る(当該事象を所謂「取りこぼし」ともいう)。第1ベル入賞、第2ベル入賞及び各種リプレイ入賞は対応する順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合には取りこぼしが発生しない入賞態様であり、第1~第9補填入賞、第1スイカ入賞、第2スイカ入賞、チェリー入賞、BB入賞及びRB入賞はリール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングによっては取りこぼしが発生し得る入賞態様である。
インデックス値IV=7~9には、第2ベル当選データが設定されているとともに第7~第9補填当選データのいずれかが設定されている。インデックス値IV=7で当選となった場合、図18に示すように、第1停止が左リール32Lである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類並びに各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第7補填入賞が成立し得る。インデックス値IV=8で当選となった場合、第1停止が中リール32Mである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類並びに各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第9補填入賞が成立し得る。インデックス値IV=9で当選となった場合、第1停止が右リール32Rである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類並びに各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第8補填入賞が成立し得る。
インデックス値IV=10には、図16及び図17に示すように、第1ベル当選データ及び特殊ベル当選データが設定されている。インデックス値IV=10で当選となった場合、図18に示すように、第1停止が左リール32Lである場合、第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類並びに各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に成立する。一方、第1停止が中リール32M及び右リール32Rのいずれかである場合、第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類に関係なく特殊ベル入賞が成立し得る。但し、リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の操作タイミングによっては特殊ベル入賞が成立しない。この場合、第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類並びにストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が成立する。つまり、インデックス値IV=10で当選となった場合であって第1停止として中リール32M又は右リール32Rが停止された場合、特殊ベル入賞の成立が優先され、各ストップボタン42~44の操作タイミングとの関係で特殊ベル入賞を成立させることができない場合に第1ベル入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=11には、図16及び図17に示すように、第1スイカ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=11で当選となった場合、図18に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第1スイカ入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第1スイカ入賞が成立しない可能性がある。インデックス値IV=12には、図16及び図17に示すように、第2スイカ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=12で当選となった場合、図18に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第2スイカ入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第2スイカ入賞が成立しない可能性がある。
インデックス値IV=13には、図16及び図17に示すように、チェリー当選データのみが設定されている。インデックス値IV=13で当選となった場合、図18に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくチェリー入賞が成立し得る。但し、左リール32Lの回転位置に対する左ストップボタン42の操作タイミングによっては、チェリー入賞が成立しない可能性がある。
インデックス値IV=14には、図16及び図17に示すように、第1チャンスリプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=14で当選となった場合、図18に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1チャンスリプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=15には、図16及び図17に示すように、第2チャンスリプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=15で当選となった場合、図18に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2チャンスリプレイ入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=16には、図16及び図17に示すように、通常リプレイ当選データ及び特殊リプレイ当選データが設定されている。インデックス値IV=16で当選となった場合、図18に示すように、第1停止が左リール32Lである場合、第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類並びに各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。一方、第1停止が中リール32M及び右リール32Rのいずれかである場合、第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類に関係なく特殊リプレイ入賞が成立し得る。但し、左リール32Lの回転位置に対する左ストップボタン42の操作タイミングによっては特殊リプレイ入賞が成立しない。特殊リプレイ入賞が成立しない操作タイミングで左ストップボタン42が操作された場合には通常リプレイ入賞が確実に成立する。つまり、インデックス値IV=16で当選となった場合であって第1停止として中リール32M又は右リール32Rが停止された場合、特殊リプレイ入賞の成立が優先され、左ストップボタン42の操作タイミングとの関係で特殊リプレイ入賞を成立させることができない場合に通常リプレイ入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=17には、図16及び図17に示すように、通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=17で当選となった場合、図18に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=18には、図16及び図17に示すように、チェリー当選データ及びBB当選データが設定されている。インデックス値IV=18で当選となった場合、図18に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくチェリー入賞又はBB入賞が成立し得る。インデックス値IV=18で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくBB入賞の成立が優先され、BB入賞の成立が不可となるタイミングでストップボタン42~44が操作された場合にチェリー入賞の成立が優先される。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、チェリー入賞及びBB入賞のいずれもが成立しない可能性がある。なお、これに限定されることはなく、インデックス値IV=18で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくチェリー入賞の成立が優先され、チェリー入賞の成立が不可となるタイミングでストップボタン42~44が操作された場合にBB入賞の成立が優先される構成としてもよい。
インデックス値IV=19には、図16及び図17に示すように、BB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=19で当選となった場合、図18に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくBB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、BB入賞が成立しない可能性がある。
インデックス値IV=20には、図16及び図17に示すように、チェリー当選データ及びRB当選データが設定されている。インデックス値IV=20で当選となった場合、図18に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくチェリー入賞又はRB入賞が成立し得る。インデックス値IV=20で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくRB入賞の成立が優先され、RB入賞の成立が不可となるタイミングでストップボタン42~44が操作された場合にチェリー入賞の成立が優先される。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、チェリー入賞及びRB入賞のいずれもが成立しない可能性がある。なお、これに限定されることはなく、インデックス値IV=20で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくチェリー入賞の成立が優先され、チェリー入賞の成立が不可となるタイミングでストップボタン42~44が操作された場合にRB入賞の成立が優先される構成としてもよい。
インデックス値IV=21には、図16及び図17に示すように、RB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=21で当選となった場合、図18に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくRB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、RB入賞が成立しない可能性がある。
ここで、BB当選データ及びRB当選データ以外の当選データは対応する入賞が成立したか否かに関係なく当選となったゲームにて消去され、当選となったゲームの次以降のゲームには持ち越されない。これに対して、BB当選データ及びRB当選データは、主側RAM74の全部クリア処理(ステップS105)が行われる場合を除き、当選となったゲームの次以降のゲームであっても対応する入賞が成立するまで記憶保持される。この場合に、BB当選データ及びRB当選データのいずれか一方が持ち越されている状態のゲームであってもBB当選データ及びRB当選データのそれぞれに対応するインデックス値IV(具体的にはインデックス値IV=18~21)は抽選対象となるが、当該インデックス値IVに当選したとしても、その当選となったインデックス値IVに対応するBB当選データ及びRB当選データは主側RAM74に新たに記憶されることはない。これにより、BB当選データ及びRB当選データが累積して記憶されてしまわないようにすることが可能となる。
インデックス値IV=1~15,18~21の際に当選となる確率は、図16の非ボーナス状態時の役抽選テーブルが選択される場合と図17のRT状態時の役抽選テーブルが選択される場合とで同一である。具体的には、インデックス値IV=1の際に当選となる確率、インデックス値IV=2の際に当選となる確率、インデックス値IV=3の際に当選となる確率、インデックス値IV=4の際に当選となる確率、インデックス値IV=5の際に当選となる確率、インデックス値IV=6の際に当選となる確率、インデックス値IV=7の際に当選となる確率、インデックス値IV=8の際に当選となる確率及びインデックス値IV=9の際に当選となる確率はそれぞれ約1/21.8である。また、インデックス値IV=10の際に当選となる確率は約1/728であり、インデックス値IV=11の際に当選となる確率は約1/164であり、インデックス値IV=12の際に当選となる確率は約1/146であり、インデックス値IV=13の際に当選となる確率は約1/423であり、インデックス値IV=14の際に当選となる確率は約1/328であり、インデックス値IV=15の際に当選となる確率は約1/164である。また、インデックス値IV=18の際に当選となる確率は約1/437であり、インデックス値IV=19の際に当選となる確率は約1/437であり、インデックス値IV=20の際に当選となる確率は約1/655であり、インデックス値IV=21の際に当選となる確率は約1/655である。
一方、インデックス値IV=16,17の際に当選となる確率は、図16の非ボーナス状態時の役抽選テーブルが選択される場合よりも図17のRT状態時の役抽選テーブルが選択される場合の方が高い。具体的には、インデックス値IV=16で当選となる確率は、図16の非ボーナス状態時の役抽選テーブルが選択される場合には約1/21.8であるのに対して図17のRT状態時の役抽選テーブルが選択される場合には約1/6.55である。また、インデックス値IV=17で当選となる確率は、図16の非ボーナス状態時の役抽選テーブルが選択される場合には約1/10.9であるのに対して図17のRT状態時の役抽選テーブルが選択される場合には約1/3.28である。上記のような当選確率の傾向は設定値が「3」である場合に限定されることはなく、他の設定値であっても同様である。
役の抽選処理(図15)の説明に戻り、ステップS502にて抽選テーブルを選択した後、インデックス値IVを1とした後に(ステップS503)、役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する(ステップS504)。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS501にて取得した乱数の値を現在の判定値DVとし、この乱数の値に現在のインデックス値IVであるインデックス値IV=1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、インデックス値IVと対応する役の当否判定を行う(ステップS505)。役の当否判定では判定値DVが「65535」を超えたか否かを判定する。「65535」を超えた場合には(ステップS505:YES)、そのときのインデックス値IVと対応する当選データを主側RAM74にセットするための当選データの取得処理を実行する(ステップS506)。
判定値DVが「65535」を超えなかった場合には(ステップS505:NO)、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはインデックス値IVを1加算した後に(ステップS507)、インデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する(ステップS508)。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS504に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS504では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS505では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ステップS506の処理を実行した場合、又はステップS508にて否定判定をした場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。この場合には、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報第1設定処理を行う(ステップS509)。その後、ステップS510にてゲーム開始時の有利抽選処理を実行し、ステップS511にて遊技区間の第1制御処理を実行し、ステップS512にて停止順報知制御処理を実行する。これらステップS510~ステップS512の処理内容については後に詳細に説明する。
その後、ゲーム開始コマンドの送信処理を実行する(ステップS513)。当該送信処理では、今回の役の抽選処理(図15)にていずれかの役に当選となっている場合にはその当選となった役に対応する情報と、現状の遊技状態に対応する情報と、ステップS510及びステップS511の処理結果に対応する情報とをゲーム開始コマンドに設定し、そのゲーム開始コマンドを演出側MPU92に送信する。ゲーム開始コマンドとは、新たなゲームが開始されたことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドであって、主側MPU72にて決定された各種情報を演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。
演出側MPU92は、ゲーム開始コマンドを受信した場合、今回のゲームにおける各種情報を当該ゲーム開始コマンドから把握する。そして、演出側MPU92は、その把握した各種情報に応じた態様で演出の内容を決定する。そして、その決定した演出の内容に対応するデータテーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出し、その読み出したデータテーブルに従って上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。
図19はステップS506にて実行される当選データの取得処理を示すフローチャートである。
今回の役の抽選処理にてインデックス値IV=18~21のいずれかに当選したか否かを判定する(ステップS601)。ステップS601にて否定判定をした場合、今回当選したインデックス値IVに対応させて設定されている当選データを主側RAM74に記憶する(ステップS608)。今回の役の抽選処理にてインデックス値IV=18~21のいずれかに当選した場合(ステップS601:YES)、主側RAM74に既にBB当選データ又はRB当選データが記憶されているか否かを判定する(ステップS602)。
BB当選データ及びRB当選データの両方が主側RAM74に記憶されていない場合には(ステップS602:NO)、インデックス値IV=18又は19に当選したのであれば(ステップS603:YES)、BB当選データを主側RAM74に記憶し(ステップS604)、インデックス値IV=20又は21に当選したのであれば(ステップS603:NO)、RB当選データを主側RAM74に記憶する(ステップS605)。そして、ステップS604又はステップS605の処理を実行した場合であって、インデックス値IV=18又は20に当選したのであれば(ステップS606:YES)、さらにチェリー当選データを主側RAM74に記憶する(ステップS607)。これにより、主側RAM74にBB当選データ及びRB当選データの両方が記憶されていない状況においては、インデックス値IV=18に当選した場合にはチェリー当選データ及びBB当選データの両方が主側RAM74に記憶され、インデックス値IV=19に当選した場合にはBB当選データが主側RAM74に記憶され、インデックス値IV=20に当選した場合にはチェリー当選データ及びRB当選データの両方が主側RAM74に記憶され、インデックス値IV=21に当選した場合にはRB当選データが主側RAM74に記憶される。
一方、BB当選データ及びRB当選データのいずれかが主側RAM74に記憶されている場合には(ステップS602:YES)、ステップS603~ステップS605の処理を実行しない。そして、インデックス値IV=18又は20に当選したのであれば(ステップS606:YES)、チェリー当選データを主側RAM74に記憶する(ステップS607)。これにより、主側RAM74にBB当選データ及びRB当選データのいずれかが記憶されている状況においてはインデックス値IV=18~21のいずれかに当選したとしても当該当選を契機としてBB当選データ又はRB当選データが主側RAM74に新たに記憶されることはない。但し、インデックス値IV=18にはBB当選データだけではなくチェリー当選データが設定されており、インデックス値IV=20にはRB当選データだけではなくチェリー当選データが設定されているため、インデックス値IV=18又は20に当選した場合には、主側RAM74にBB当選データ及びRB当選データのいずれかが既に記憶されていたとしてもチェリー当選データを主側RAM74に記憶する。
上記のようにBB当選データ及びRB当選データのいずれかが主側RAM74に記憶されている場合にはインデックス値IV=18~21のいずれかで当選となったとしても当該当選を契機としてBB当選データ又はRB当選データが主側RAM74に新たに記憶されないようにプログラムによる処理が設定されていることにより、BB当選データ及びRB当選データのいずれかが主側RAM74に記憶されている否かに応じて役抽選テーブルの種類を変更しなくても、BB当選データ及びRB当選データが主側RAM74に累積的に記憶されないようにすることが可能となる。BB当選データ及びRB当選データのいずれかが主側RAM74に記憶されている否かに応じて役抽選テーブルの種類を変更しないようにすることで、当該当選データの記憶の有無に応じた役抽選テーブルを用意する必要がないため、役抽選テーブルを記憶するために必要な記憶容量を削減することが可能となる。
BB当選データ及びRB当選データのいずれかが主側RAM74に記憶されている場合にはインデックス値IV=18~21のいずれかで当選となったとしても当該当選を契機としてBB当選データ又はRB当選データが主側RAM74に新たに記憶されない構成であっても、BB当選データ及びRB当選データのいずれかが主側RAM74に記憶されている状況でインデックス値IV=18又は20で当選となった場合にはチェリー当選データが主側RAM74に記憶される。これにより、チェリー当選データが選択的に記憶されることとなり、BB当選データ及びRB当選データのいずれかが主側RAM74に記憶されているか否かによってチェリー当選データが記憶される確率が変動してしまわないようにすることが可能となる。
<リール制御処理>
次に、通常処理(図13)のステップS313にて実行されるリール制御処理について説明する。リール制御処理の説明に先立ち、各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ33についてより詳細に説明する。
図20(a)はステッピングモータ33の駆動系を示す接続図であり、図20(b)はステッピングモータ33の駆動特性を示す図である。図21は相励磁の内容を説明するための説明図である。
ステッピングモータ33として、ハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用している。なお、ステッピングモータはハイブリッド型に限らず、種々のステッピングモータを使用することができる。
ハイブリッド型のステッピングモータ33は、図20(a)に示すように、中央に配置された回転子85と、回転子85の周囲に配置され第1~第4ポール86a~86dを有する固定子86とを備えている。回転子85は、N極に着磁された手前側回転子85aと、S極に着磁された奥側回転子85bとで構成され、手前側回転子85aの周囲に設けられた歯と歯の間に、奥側回転子85bの周囲に設けられた歯が位置するように1/2ピッチだけ相対的にずらされた状態で回転軸に取り付けられている。そして、手前側回転子85aと奥側回転子85bとの間には図示しない筒状磁石が取着されている。
第1ポール86aと第3ポール86cには、図20(b)に示すように、励磁コイルL0と励磁コイルL2がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL0の巻き終わり端と励磁コイルL2の巻き始め端とが結線され、ここに所定の直流電源+B(例えば+24ボルト)が印加される。同じく、第2ポール86bと第4ポール86dにも励磁コイルL1と励磁コイルL3がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL1の巻き終わり端と励磁コイルL3の巻き始め端とが結線され、ここに上述した直流電源+Bが印加される。
第1ポール86aの励磁コイルL0に励磁信号を印加し、第1ポール86aをS極に励磁するとともに第3ポール86cをN極に励磁する相をA相とし、これとは逆に第3ポール86cの励磁コイルL2に励磁信号を印加し、第1ポール86aをN極に励磁するとともに第3ポール86cをS極に励磁する相を逆A相と称する。同様に、第2ポール86bの励磁コイルL1に励磁信号を印加し、第2ポール86bをS極に励磁するとともに第4ポール86dをN極に励磁する相をB相とし、これとは逆に第4ポール86dの励磁コイルL3に励磁信号を印加し、第2ポール86bをN極に励磁するとともに第4ポール86dをS極に励磁する相を逆B相と称する。
ステッピングモータ33に対する励磁信号は励磁データとして、図20(b)に示すモータドライバ87に与えられる。この励磁データは主側RAM74に格納されており、タイマ割込み処理によって適切な励磁データが出力される。この励磁データによってステッピングモータ33に対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号(電流)が通電される。
ステッピングモータ33が1相励磁駆動方式の場合には、A相、B相、逆A相及び逆B相に対して順次励磁信号を印加することにより、回転子85を時計方向又は反時計方向に回転駆動させることができる。つまり、例えばまずA相に通電すると、S極になった第1ポール86aの突起と手前側回転子85aの歯、N極になった第3ポール86cの突起と奥側回転子85bの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次にB相に通電すると、S極になった第2ポール86bの突起と手前側回転子85aの歯、N極になった第4ポール86dの突起と奥側回転子85bの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次に逆A相に通電すると、N極になった第1ポール86aの突起と奥側回転子85bの歯、S極になった第3ポール86cの突起と手前側回転子85aの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次に逆B相に通電すると、N極になった第2ポール86bの突起と奥側回転子85bの歯、S極になった第4ポール86dの突起と手前側回転子85aの歯とがそれぞれ吸引力により向き合う。この順序で励磁することにより、回転子85は図20(a)において時計方向に回転する。
本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rの回転を開始させて定速回転となるまでの加速期間及び定速回転を維持させるための期間においては、1相励磁と2相励磁とを交互に行う1-2相励磁駆動が採用されている。1-2相励磁駆動では以下の(1)~(8)の励磁シーケンス(励磁順序)に従って励磁が行われる。すなわち、1組のみの励磁が1相励磁であり、2相を同時に励磁するのが2相励磁であるから、図21に示すように1-2相励磁駆動は、(1)A相に通電し(1相励磁)、(2)A相とB相の両方に通電し(2相励磁)、以下同様、(3)B相に通電し、(4)B相と逆A相の両方に通電し、(5)逆A相に通電し、(6)逆A相と逆B相の両方に通電し、(7)逆B相に通電し、(8)逆B相とA相の両方に通電し、その後(1)に戻るような駆動方式である。本実施形態では励磁相を切り換えるための励磁信号が504パルス出力されることによりリールが1周する構成であるため、1パルスの励磁信号(すなわち1回の励磁相の切り換え)に基づく角度変化、すなわち1ステップあたりの角度変化は約0.714°となる。
図22(a)は、リール32L,32M,32Rの回転を開始させる場合における励磁パターンが設定された加速用テーブルを説明するための説明図である。
加速時の初期励磁相としては、特定の励磁相のみを駆動する1相励磁の他に特定の2つの励磁相を同時に駆動する2相励磁が考えられる。リールの大きさやイナーシャなどによっても相違するが、通常のスロットマシンであれば1相励磁でもリールを初速ゼロから加速させることが可能である。しかしながら、2相励磁の方が1相励磁よりも回転トルクが大きいため、十分な初速を得るためには初期励磁は2相励磁の方が好ましい。
図22(a)に示す励磁パターンでは、1.49ミリ秒ごとの割込みタイミングに同期して2相励磁に設定してからは130割込みの間、この励磁状態を保持する。なお、初期励磁としての2相励磁は、図21に示した励磁順2、励磁順4、励磁順6及び励磁順8のうち前回の回転停止時の励磁相に対応した励磁順が選択されることとなる。
2相励磁の状態をタイマ割込み処理(図12)の130割込みに亘って保持した後は、1-2相励磁を交互に繰り返すが、相励磁の保持期間として、図22(a)に示すように1相励磁の励磁保持期間と2相励磁の励磁保持期間とが細かく制御される。具体的には、初期励磁である2相励磁に続く1相励磁がタイマ割込み処理(図12)の8割込み分行われ、その次の2相励磁はタイマ割込み処理(図12)の7割込み分だけ行われるというように、保持期間が徐々に短くなるように設定されている。そして、最終的にタイマ割込み処理(図12)の2割込みの間隔で1相励磁と2相励磁とが交互に繰り返され、最後には1相励磁がタイマ割込み処理(図12)の2割込みに亘って行われるように設定されている。このように加速用テーブルの最後が1相励磁であるため、定速回転期間における最初の相励磁の種類は2相励磁となる。このように各相励磁における保持期間を定速回転に近づくにつれ順次短くすることで、高速な加速処理を短時間で実現することができるとともに、定速回転へのスムーズな移行が可能になる。定速回転においてはタイマ割込み処理(図12)の1割込みの間隔で1相励磁と2相励磁とが交互に繰り返される。
ステッピングモータ33を停止させる際には4相励磁が利用される。4相励磁では、A相、逆A相、B相及び逆B相の全てを励磁する。相反する2相を励磁した場合には磁束を打ち消し合うことになるが、ステッピングモータ33の回転中は誘導電圧によって逆起電力が生じ、例えばA相と逆A相とに流れる電流の差分のトルクが発生する。そして、4相励磁とした場合、相反する2相同士において当該トルクが発生する。したがって、4相励磁であっても制動力を生じさせることが可能である。但し、4相励磁をした場合における制動力は、1相励磁の場合よりも小さい。
4相励磁を利用してステッピングモータ33が停止される場合について図22(b)の説明図を参照しながら説明する。図22(b)は、リール32L,32M,32Rの回転を停止させる場合における励磁パターンが設定された停止用テーブルを説明するための説明図である。
ステッピングモータ33が停止される場合、図22(b)に示すように、1相励磁と2相励磁とが交互に繰り返されている状況において停止指令が発生することにより4相励磁が開始される。この場合、4相励磁が開始されるタイミングは、1割込みに亘って2相励磁が実行された後のタイミングに定められている。この4相励磁は、100割込み(149ミリ秒)に亘って継続される。そして、100割込みに亘って4相励磁を行った後は、1相励磁を34割込み(50.7ミリ秒)に亘って行った後に、当該1相励磁を終了させる。この1相励磁の対象となる相は、目標とする停止角度の位置に対応する1相となっている。
上記のように制動の開始に際して最も制動力が弱い4相励磁を利用することによりステッピングモータ33の回転子85を滑らかに停止させることが可能となる。但し、制動力が弱いことに起因して4相励磁を行った場合、4相励磁を開始したタイミングから慣性によってある程度は回転子85が進むこととなる。この慣性で進むステップ数はリールユニット31の仕様によって相違するものであり、そのステップ数はリールユニット31を利用した実験によって設計段階である程度は把握することが可能であるものの一定とはならずにある程度のばらつきが生じ得る。これに対して、4相励磁を所定期間に亘って行った後に、目標とする停止角度の位置に対応する1相を対象とした1相励磁を所定期間に亘って行うことにより、停止位置を設計した位置とすることが可能となる。
各リール32L,32M,32Rの回転位置を把握する場合には、ステッピングモータ33のステップ数が利用される。具体的には、既に説明したとおり本スロットマシン10では各リール32L,32M,32Rの各ベルト上に21個の図柄が描かれており、1回転するために要するステップ数は504ステップとなっている。この場合、所定の位置(表示窓部21L,21M,21Rから視認可能は範囲における各リール32L,32M,32Rの下段の位置)においてある図柄から次の図柄へ切り換える場合に必要なステップ数(すなわち各図柄に割り当てられているステップ数)は24ステップで一定となる。したがって、各リール32L,32M,32Rに対応するリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出された時点からのステップ数、すなわち1パルスの励磁信号を出力した回数(すなわち励磁相を切り換えた回数)に基づき、各リール32L,32M,32Rの回転位置を把握する。
以下、図23のフローチャートを参照しながらリール制御処理について説明する。
リール制御処理では、まず前回のゲームでリール32L,32M,32Rの回転が開始された時点から予め定められた開始ウエイト期間(例えば4.1秒)が経過したか否かを判定する(ステップS701)。開始ウエイト期間が経過していない場合には開始ウエイト期間が経過するまでステップS701にて待機する。開始ウエイト期間が経過した場合には、次回のゲームのための開始ウエイト期間を再設定するとともに(ステップS702)、主側RAM74に設けられた回転開始フラグに「1」をセットする(ステップS703)。これにより、タイマ割込み処理(図12)におけるステップS206のステッピングモータ制御処理にてステッピングモータ33の加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。
その後、ストップボタン42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する(ステップS704)。いずれのストップボタン42~44も操作されていない場合には、ストップボタン42~44のいずれかが操作されるまでステップS704の処理を繰り返し実行する。ストップボタン42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、主側RAM74に設けられた有効期間フラグ102a~102c(図24参照)のうち今回操作が行われたストップボタン42~44に対応する有効期間フラグ102a~102cに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS705)。有効期間フラグ102a~102cは、各ストップボタン42~44(すなわち各リール32L,32M,32R)に1対1で対応させて設けられている。各有効期間フラグ102a~102cは、対応するリール32L,32M,32Rの回転が開始されて加速期間が完了して定速回転となった場合に「1」がセットされ、対応するリール32L,32M,32Rの回転が停止された場合に「0」クリアされる。つまり、有効期間フラグ102a~102cに「1」がセットされている状況が対応するリール32L,32M,32Rに対するストップボタン42~44の操作が有効化されている状況に該当する。
ステップS704にて操作有りと判定されたストップボタン42~44に対応する有効期間フラグ102a~102cに「1」がセットされていない場合には(ステップS705:NO)、ステップS704に戻る。したがって、「1」がセットされていない有効期間フラグ102a~102cに対応するストップボタン42~44が操作されたとしてもその操作は無効なものとして扱われる。ステップS704にて操作有りと判定されたストップボタン42~44に対応する有効期間フラグ102a~102cに「1」がセットされている場合には(ステップS705:YES)、今回のストップボタン42~44の操作が有効であることを意味する。したがって、今回操作されたストップボタン42~44に対応するリール32L,32M,32Rを停止させるための処理を実行する。
具体的には、まずボタン消灯処理を実行する(ステップS706)。各ストップボタン42~44の裏側にはそれぞれ図示しない発光部が設けられている。当該発光部は、対応するリール32L,32M,32Rの定速回転が開始されて対応するストップボタン42~44の操作が有効化されたタイミングで点灯状態となり、対応するストップボタン42~44の操作に基づき対応するリール32L,32M,32Rを停止させるための制御が開始された場合に消灯状態となる。ボタン消灯処理では、今回操作されたストップボタン42~44を含めて全てのストップボタン42~44に対応する発光部が消灯状態となるようにする。一のリール32L,32M,32Rに対して停止制御が開始された場合には、有効期間フラグ102a~102cに「1」がセットされているか否かに関係なく、他のリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42~44の操作が無効化される。この場合に、一のリール32L,32M,32Rに対して停止制御が開始された場合にはボタン消灯処理(ステップS706)を実行して回転中のリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42~44を含めて、全てのストップボタン42~44を消灯状態とすることで、ストップボタン42~44の操作が無効化されていることを遊技者に認識させることが可能となる。なお、詳細は後述するが、今回停止指令が発生したリール32L,32M,32Rの停止制御が完了したタイミングで、未だ停止指令が発生していないリール32L,32M,32Rが存在している場合にはその未だ停止指令が発生していないリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42~44の発光部が点灯状態とされる。
その後、停止指令コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS707)。停止指令コマンドとは、いずれのストップボタン42~44が操作されて停止指令が発生したのかを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。その後、今回停止対象となっているリール32L,32M,32Rにおいて、ストップボタン42~44が操作されたタイミングで基点位置(具体的には下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する(ステップS708)。具体的には、今回停止対象となっているリール32L,32M,32Rに対応するリールインデックスセンサ36の検出信号が入力された時点から出力した励磁信号のパルス数(すなわち励磁相を切り換えた回数)により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。その後、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリール32L,32M,32Rのスベリ数を算出する(ステップS709)。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリール32L,32M,32Rを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS709では、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいてスベリ数として「0」~「4」のいずれかの値を算出する。
その後、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する(ステップS710)。そして、今回停止させるべきリール32L,32M,32Rの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し(ステップS711)、等しくなった場合にはリール32L,32M,32Rの回転を停止させるリール停止処理を行う(ステップS712)。主側RAM74にはリール32L,32M,32Rに1対1で対応させて停止指令フラグが設けられており、リール停止処理ではこれら停止指令フラグのうち今回停止対象となっているリール32L,32M,32Rに対応する停止指令フラグに「1」をセットする。これにより、後述する停止制御用処理(図26)にて今回停止対象となっているリール32L,32M,32Rが停止されるようにするための制御が開始される。
その後、今回停止対象となっているリール32L,32M,32Rの停止が完了したか否かを判定する(ステップS713)。主側RAM74にはリール32L,32M,32Rに1対1で対応させて停止完了フラグ104a~104c(図24参照)が設けられており、ステップS713では今回停止対象となっているリール32L,32M,32Rに対応する停止完了フラグ104a~104cに「1」がセットされているか否かを判定する。今回停止対象となっているリール32L,32M,32Rの停止が完了していない場合にはステップS713にて待機する。今回停止対象となっているリール32L,32M,32Rの停止が完了している場合(ステップS713:YES)、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する(ステップS714)。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、停止情報第2設定処理を行う(ステップS715)。
ここで、停止情報とは、各リール32L,32M,32Rの停止態様を、役の抽選処理(図15)の結果に対応したものとするための情報であり、当該停止情報を利用することにより、各ストップボタン42~44が停止操作された場合に基点位置に到達している到達図柄に対するスベリ数(具体的には「0」~「4」)を算出することが可能となる。当該停止情報としては、各図柄とスベリ数との対応関係を示すスベリ数データが、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応させて主側ROM73に予め記憶されている。但し、これに限定されることはなく、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応するスベリ数データを、リール32L,32M,32Rの回転中などに導出する構成としてもよい。
上記停止情報を設定するための処理として、役の抽選処理(図15)のステップS509にて実行される停止情報第1設定処理と、リール制御処理(図23)のステップS715にて実行される停止情報第2設定処理とが存在している。停止情報第1設定処理では、役の抽選処理の結果に応じて停止情報を設定する。停止情報第2設定処理では、停止情報第1設定処理又は前回の停止情報第2設定処理にて主側RAM74に格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選データと、リール32L,32M,32Rの停止順序と、停止しているリール32L,32M,32Rの停止出目とに基づいて停止情報を変更する。
ステップS715にて停止情報第2設定処理を実行した後は、ステップS716~ステップS720にてフリーズ用の処理を実行し、ステップS704に戻る。ステップS716~ステップS720におけるフリーズ用の処理については後に説明する。
ステップS714にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS721にて入賞判定処理を実行する。入賞判定処理では、各リール32L,32M,32RにおいてメインラインML1~ML5上に停止している図柄の種類を把握する。そして、主側RAM74に記憶されている当選データの内容に基づき、各リール32L,32M,32RにおいていずれかのメインラインML1~ML5上に停止表示されている図柄の組合せが役の抽選処理において当選となった役に対応する図柄の組合せであるか否かを判定し、当選となった役に対応する図柄の組合せである場合には当選役の入賞の成立として入賞対応処理を実行する。
入賞対応処理では、その入賞が小役入賞であれば媒体付与処理において遊技媒体の付与を可能とするように付与対象となる遊技媒体数の情報を主側RAM74にセットする。一方、その入賞がリプレイ入賞であれば、通常処理(図13)のステップS319におけるゲーム終了時の設定処理にて再遊技設定処理が実行されるようにするためのフラグ設定処理を実行する。
入賞判定処理を実行した後は入賞結果コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS722)。入賞結果コマンドには、今回の入賞成立の有無を示すデータが含まれているとともに、入賞が成立している場合にはその入賞の種類を示すデータが含まれている。
次に、各リール32L,32M,32Rを回転制御させるための構成について説明する。図24は各リール32L,32M,32Rの回転制御を実行するために利用される主側RAM74の各エリアを説明するための説明図である。
図24に示すように主側RAM74には加速完了フラグ101a~101cが設けられている。加速完了フラグ101a~101cとして、左リール32Lに対応させて左用加速完了フラグ101aと、中リール32Mに対応させて中用加速完了フラグ101bと、右リール32Rに対応させて右用加速完了フラグ101cとが設けられている。左リール32Lの回転が開始された後であって当該左リール32Lの加速期間が完了して定速回転が開始された場合に左用加速完了フラグ101aに「1」がセットされ、左リール32Lの停止が完了した場合に左用加速完了フラグ101aが「0」クリアされる。中リール32Mの回転が開始された後であって当該中リール32Mの加速期間が完了して定速回転が開始された場合に中用加速完了フラグ101bに「1」がセットされ、中リール32Mの停止が完了した場合に中用加速完了フラグ101bが「0」クリアされる。右リール32Rの回転が開始された後であって当該右リール32Rの加速期間が完了して定速回転が開始された場合に右用加速完了フラグ101cに「1」がセットされ、右リール32Rの停止が完了した場合に右用加速完了フラグ101cが「0」クリアされる。
主側RAM74には有効期間フラグ102a~102cが設けられている。有効期間フラグ102a~102cとして、左リール32Lに対応させて左用有効期間フラグ102aと、中リール32Mに対応させて中用有効期間フラグ102bと、右リール32Rに対応させて右用有効期間フラグ102cとが設けられている。左リール32Lの定速回転が開始された後であって左リール32Lに対応するリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出された場合に左用有効期間フラグ102aに「1」がセットされ、左リール32Lの停止が完了した場合に左用有効期間フラグ102aが「0」クリアされる。中リール32Mの定速回転が開始された後であって中リール32Mに対応するリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出された場合に中用有効期間フラグ102bに「1」がセットされ、中リール32Mの停止が完了した場合に中用有効期間フラグ102bが「0」クリアされる。右リール32Rの定速回転が開始された後であって右リール32Rに対応するリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出された場合に右用有効期間フラグ102cに「1」がセットされ、右リール32Rの停止が完了した場合に右用有効期間フラグ102cが「0」クリアされる。
主側RAM74には停止指示フラグ103a~103cが設けられている。停止指示フラグ103a~103cとして、左リール32Lに対応させて左用停止指示フラグ103aと、中リール32Mに対応させて中用停止指示フラグ103bと、右リール32Rに対応させて右用停止指示フラグ103cとが設けられている。左用有効期間フラグ102aに「1」がセットされている状況において左ストップボタン42が操作されたことに基づきリール制御処理(図23)のリール停止処理(ステップS712)が実行された場合に左用停止指示フラグ103aに「1」がセットされ、左リール32Lの停止が完了した場合に左用停止指示フラグ103aが「0」クリアされる。中用有効期間フラグ102bに「1」がセットされている状況において中ストップボタン43が操作されたことに基づきリール制御処理(図23)のリール停止処理(ステップS712)が実行された場合に中用停止指示フラグ103bに「1」がセットされ、中リール32Mの停止が完了した場合に中用停止指示フラグ103bが「0」クリアされる。右用有効期間フラグ102cに「1」がセットされている状況において右ストップボタン44が操作されたことに基づきリール制御処理(図23)のリール停止処理(ステップS712)が実行された場合に右用停止指示フラグ103cに「1」がセットされ、右リール32Rの停止が完了した場合に右用停止指示フラグ103cが「0」クリアされる。
主側RAM74には停止完了フラグ104a~104cが設けられている。停止完了フラグ104a~104cとして、左リール32Lに対応させて左用停止完了フラグ104aと、中リール32Mに対応させて中用停止完了フラグ104bと、右リール32Rに対応させて右用停止完了フラグ104cとが設けられている。左リール32Lの停止が完了した場合に左用停止完了フラグ104aに「1」がセットされ、全リール32L,32M,32Rの回転が停止されてリール制御処理(図23)のステップS714にて肯定判定をした場合に左用停止完了フラグ104aが「0」クリアされる。中リール32Mの停止が完了した場合に中用停止完了フラグ104bに「1」がセットされ、全リール32L,32M,32Rの回転が停止されてリール制御処理(図23)のステップS714にて肯定判定をした場合に中用停止完了フラグ104bが「0」クリアされる。右リール32Rの停止が完了した場合に右用停止完了フラグ104cに「1」がセットされ、全リール32L,32M,32Rの回転が停止されてリール制御処理(図23)のステップS714にて肯定判定をした場合に右用停止完了フラグ104cが「0」クリアされる。
図25はタイマ割込み処理(図12)のステップS206にて実行されるステッピングモータ制御処理を示すフローチャートである。
まず主側RAM74に設けられた回転中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS801)。回転中フラグはリール32L,32M,32Rの回転が開始された場合に「1」がセットされ、全てのリール32L,32M,32Rの停止が完了した場合に「0」クリアされる。回転中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS801:NO)、主側RAM74の回転開始フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS802)。既に説明したとおりリール制御処理(図23)にて開始ウエイト期間が経過したと判定された場合に(ステップS701:YES)、ステップS703にて回転開始フラグに「1」がセットされる。
回転開始フラグに「1」がセットされている場合(ステップS802:YES)、図22(a)に示す加速用テーブルを主側ROM73から主側RAM74に読み出す(ステップS803)。この場合、各リール32L,32M,32Rに対して個別に加速用テーブルを読み出す。そして、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるための回転開始処理を実行する(ステップS804)。回転開始処理では、加速用テーブルの最初の加速順序に設定されているデータに従って各リール32L,32M,32Rに対して2相励磁を開始する。その後、主側RAM74の回転中フラグに「1」をセットするとともに(ステップS805)、主側RAM74の回転開始フラグを「0」クリアする(ステップS806)。
主側RAM74の回転中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS801:YES)、主側RAM74に設けられた対象リールカウンタに「1」をセットする(ステップS807)。対象リールカウンタは、ステップS808~ステップS821の処理の実行対象となるリール32L,32M,32Rを主側MPU72にて特定するためのカウンタである。対象リールカウンタの値が「1」である場合、左リール32LがステップS808~ステップS821の処理の実行対象となり、対象リールカウンタの値が「2」である場合、中リール32MがステップS808~ステップS821の処理の実行対象となり、対象リールカウンタの値が「3」である場合、右リール32RがステップS808~ステップS821の処理の実行対象となる。
その後、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの停止完了フラグ104a~104cに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS808)。ステップS808にて肯定判定をした場合、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの停止が既に完了していることを意味するため、ステップS809~ステップS821の処理を実行することなくステップS822に進む。
ステップS808にて否定判定をした場合、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの停止指示フラグ103a~103cに「1」がセットされている場合には(ステップS809:YES)、停止制御用処理を実行し(ステップS810)、停止指示フラグ103a~103cに「1」がセットされていないものの現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの有効期間フラグ102a~102cに「1」がセットされている場合には(ステップS811:YES)、定速制御用処理を実行する(ステップS812)。これら定速制御用処理及び停止制御用処理については後に説明する。
現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの有効期間フラグ102a~102cに「1」がセットされていない場合(ステップS811:NO)、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの加速完了フラグ101a~101cに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS813)。ステップS813にて否定判定をした場合、加速制御用処理を実行する(ステップS814)。加速制御用処理では、図22(a)に示す加速用テーブルに従って、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの加速を行う。この場合、各リール32L,32M,32Rに対して個別に加速用テーブルが読み出されているため、各リール32L,32M,32Rのそれぞれについて個別に加速を行う。
その後、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの加速が完了したか否かを判定する(ステップS815)。具体的には、当該リール32L,32M,32Rに対応させて読み出されている加速用テーブルにおいて加速順序が24番目における1相励磁が2割込みに亘って維持されたか否かを判定する。加速が完了している場合(ステップS815:YES)、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの加速完了フラグ101a~101cに「1」をセットする(ステップS816)。つまり、加速完了フラグ101a~101cに対して「1」をセットする処理は、各リール32L,32M,32Rに対して個別に行われる。なお、対応する加速完了フラグ101a~101cに「1」がセットされており対応する有効期間フラグ102a~102cに「1」がセットされていない状態は、対応するリール32L,32M,32Rの加速が完了したものの当該リール32L,32M,32Rのリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出されていない状態である。
対応する加速完了フラグ101a~101cに「1」がセットされている場合(ステップS813:YES)、定速制御用処理を実行する(ステップS817)。定速制御用処理では、タイマ割込み処理(図12)の1割込みの間隔で1相励磁と2相励磁とが交互に繰り返されるように1パルスの励磁信号を出力して励磁相を切り換える。その後、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rのリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出されたか否かを判定する(ステップS818)。リールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出された場合(ステップS818:YES)、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの有効期間フラグ102a~102cに「1」をセットする(ステップS819)。これにより、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rに対するストップボタン42~44の操作が有効化される。
ここで、定速回転が開始された後にリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出されるタイミングは、各リール32L,32M,32Rの回転開始が同時に行われ、さらに同一の加速用テーブルを利用して加速制御が行われたとしても、各リール32L,32M,32Rの前回の停止位置に応じて相違することとなる。これに対して、ステップS818及びステップS819の処理、すなわちリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出された場合に有効期間フラグ102a~102cに「1」をセットする処理は各リール32L,32M,32Rに対して個別に行われる。したがって、ストップボタン42~44が有効化されるタイミングはリール32L,32M,32R毎に異なるものとなる。よって、ストップボタン42~44の有効化が全てのリール32L,32M,32Rに対して同時に行われる構成に比べて、リール32L,32M,32Rの停止操作を早期に開始させることが可能となる。
その後、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rのストップボタン42~44が既に点灯状態となっているか否かを判定する(ステップS820)。ストップボタン42~44が消灯状態である状況でリール32L,32M,32Rの回転が開始されるため、有効期間フラグ102a~102cに「1」がセットされたタイミングにおいては基本的に対応するストップボタン42~44は消灯状態となっている。したがって、基本的にはステップS820にて否定判定をして、ボタン点灯処理を実行する(ステップS821)。ボタン点灯処理では、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rのストップボタン42~44を消灯状態から点灯状態に切り換える。これにより、操作が有効化されたストップボタン42~44から順に消灯状態から点灯状態に切り換えられることとなり、操作が有効であるストップボタン42~44を遊技者が認識し易くなる。
一方、リール32L,32M,32Rの回転が脱調などによって正常に行われなくなった場合には、後述する脱調対応処理(ステップS824)が実行されることによって、その回転が異常であるリール32L,32M,32Rの再加速が行われる。この場合、当該リール32L,32M,32Rの加速が完了して定速回転が開始されさらに当該リール32L,32M,32Rに対応するリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出されるまでは対応するストップボタン42~44の操作は有効化されない。これに対して、後述する脱調対応処理(ステップS824)では再加速の対象となったリール32L,32M,32Rのストップボタン42~44を消灯状態とするための処理は実行されない。したがって、既にストップボタン42~44の操作が有効化されて当該ストップボタン42~44が発光状態である状況において、対応するリール32L,32M,32Rに回転異常が発生することで再加速が行われた場合には、そのストップボタン42~44の点灯状態は操作が有効化される前であっても維持される。よって、このような再加速に基づいてステップS819の処理が実行された場合には、既に対応するストップボタン42~44が点灯状態となっているため、ステップS820にて肯定判定をしてステップS821の処理を実行しない。
現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの有効期間フラグ102a~102cに「1」がセットされている場合(ステップS811:YES)、定速制御用処理を実行する(ステップS812)。当該定速制御用処理では、ステップS817の定速制御用処理と同様に、タイマ割込み処理(図12)の1割込みの間隔で1相励磁と2相励磁とが交互に繰り返されるように1パルスの励磁信号を出力して励磁相を切り換える。これにより、対応するストップボタン42~44の操作が有効化された状態において対応するリール32L,32M,32Rの定速回転が維持される。そして、この状況で当該リール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42~44が操作された場合にはリール制御処理(図23)のステップS712にてリール停止処理が実行されることで、対応する停止指示フラグ103a~103cに「1」がセットされる。
ステッピングモータ制御処理(図25)では、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの停止指示フラグ103a~103cに「1」がセットされている場合(ステップS809:YES)、停止制御用処理を実行する(ステップS810)。
図26は停止制御用処理を示すフローチャートである。
まず現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rに対応させて主側RAM74に設けられた停止制御中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS901)。停止制御中フラグは、各リール32L,32M,32Rに1対1で対応させて設けられており、対応するリール32L,32M,32Rに対する停止制御が開始されたか否かを主側MPU72にて特定するために利用される。対応する停止制御中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS901:NO)、図22(b)に示す停止用テーブルを主側ROM73から主側RAM74に読み出す(ステップS902)。この読み出された停止用テーブルは現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rを停止させるために利用され、他のリール32L,32M,32Rについて停止制御を開始する場合には停止用テーブルが主側ROM73から主側RAM74に新たに読み出される。その後、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの停止制御中フラグに「1」をセットする(ステップS903)。
ステップS901にて肯定判定をした場合、又はステップS903の処理を実行した場合、停止制御実行処理を実行する(ステップS904)。停止制御実行処理では、図22(b)に示す停止用テーブルに従って、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの停止を行う。
その後、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの回転の停止が完了したか否かを判定する(ステップS905)。具体的には、当該リール32L,32M,32Rに対応させて読み出されている停止用テーブルにおいて最後の励磁順序である1相励磁が34割込みに亘って維持されたか否かを判定する。停止が完了している場合(ステップS905:YES)、各種フラグクリア処理を実行する(ステップS906)。各種フラグクリア処理では、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの加速完了フラグ101a~101c、有効期間フラグ102a~102c、停止指示フラグ103a~103c及び停止制御中フラグを「0」クリアする。そして、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの停止完了フラグ104a~104cに「1」をセットする(ステップS907)。これにより、当該リール32L,32M,32Rがステッピングモータ制御処理(図25)における制御対象のリール32L,32M,32RとなったとしてもステップS808にて肯定判定をすることで、ステップS809~ステップS821の処理が実行されない状態となる。
その後、停止完了フラグ104a~104cの全てに「1」がセットされているか否かを判定することで、全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止したか否かを判定する(ステップS908)。ステップS908にて否定判定をした場合には、有効期間フラグ102a~102cに「1」がセットされているリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42~44を消灯状態から点灯状態に切り換える(ステップS909)。既に説明したとおりストップボタン42~44は操作が有効化されたタイミングで点灯状態とされるが、一のリール32L,32M,32Rに対する停止制御が開始された場合にはリール制御処理(図23)のステップS706にてボタン消灯処理が実行されることで、回転中のリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42~44であっても消灯状態とされる。これに対して、ステップS909にてボタン点灯処理が実行されることで、一のリール32L,32M,32Rの回転の停止が完了して残りのリール32L,32M,32Rの停止操作が有効化された場合には、それに対応させて停止操作が有効となったストップボタン42~44を点灯状態とすることが可能となる。一方、全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止した場合には(ステップS908:YES)、主側RAM74の回転中フラグを「0」クリアする(ステップS910)。
ステッピングモータ制御処理(図25)の説明に戻り、ステップS808にて肯定判定をした場合、ステップS810の処理を実行した場合、ステップS812の処理を実行した場合、ステップS815にて否定判定をした場合、ステップS816の処理を実行した場合、ステップS818にて否定判定をした場合、ステップS820にて肯定判定をした場合又はステップS821の処理を実行した場合、主側RAM74の対象リールカウンタの値を1加算する(ステップS822)。1加算後における対象リールカウンタの値が3以下である場合(ステップS823:NO)、ステップS808に戻る。これにより、回転制御の実行対象が次の順番のリール32L,32M,32Rに対して、ステップS808~ステップS821の処理が実行される。1加算後における対象リールカウンタの値が「4」である場合(ステップS823:YES)、ステップS824にて脱調対応処理を実行した後に本ステッピングモータ制御処理を終了する。
脱調対応処理では、回転中の各リール32L,32M,32Rについてリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が前回検出されてから計測されたステップ数が1周分のステップ数よりも大きい数として設定された基準ステップ数以上となっているか否かを判定する。基準ステップ数以上となっている場合、そのリール32L,32M,32Rに対して脱調などの回転異常が発生している可能性が高いため、そのリール32L,32M,32Rに対応する加速完了フラグ101a~101c、有効期間フラグ102a~102c、停止指示フラグ103a~103c及び停止制御中フラグを「0」クリアするとともに、当該リール32L,32M,32RについてステップS803及びステップS804の処理を実行して再加速を開始させる。この場合、回転異常が特定されたリール32L,32M,32R以外のリール32L,32M,32Rに対しては再加速の処理を実行しない。また、脱調対応処理では、再加速の処理の実行対象となったリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42~44を含めて、ストップボタン42~44の消灯処理を実行しない。したがって、点灯状態となっているストップボタン42~44に対応するリール32L,32M,32Rが再加速の対象となったとしても、当該ストップボタン42~44の点灯状態は維持される。
次に、各リール32L,32M,32Rの回転制御が実行される様子について図27のタイムチャートを参照しながら説明する。図27(a)は左リール32Lの回転状況を示し、図27(b)は左リール32Lに対応させて設けられたリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が左リール32Lの加速が完了した後に最初に検出されるタイミングを示し、図27(c)は左用有効期間フラグ102aの状態を示し、図27(d)は中リール32Mの回転状況を示し、図27(e)は中リール32Mに対応させて設けられたリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が中リール32Mの加速が完了した後に最初に検出されるタイミングを示し、図27(f)は中用有効期間フラグ102bの状態を示し、図27(g)は右リール32Rの回転状況を示し、図27(h)は右リール32Rに対応させて設けられたリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が右リール32Rの加速が完了した後に最初に検出されるタイミングを示し、図27(i)は右用有効期間フラグ102cの状態を示し、図27(j)は少なくとも1個のストップボタン42~44が点灯状態となっている期間を示す。
t1のタイミングで図27(a)、図27(d)及び図27(g)に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。この場合、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに対して加速用テーブルに基づく加速制御が実行される。そして、t2のタイミングで各リール32L,32M,32Rにおいて加速が完了して定速回転が開始される。なお、各リール32L,32M,32Rにおいて加速が完了するタイミングは同一又は略同一である構成に限定されることはなく、加速制御を開始する際の回転位置との関係で相互に異なることがあり得る構成としてもよい。
その後、全てのリール32L,32M,32Rにおいて定速回転が行われている状況であるt3のタイミングで図27(b)に示すように最初に左リール32Lのリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出されて左リール32Lの回転位置が回転初期位置となることで、図27(c)に示すように左用有効期間フラグ102aに「1」がセットされた状態となる。これにより、左リール32Lに対する左ストップボタン42の操作が有効化された状態となる。また、図27(j)に示すように左ストップボタン42が消灯状態から点灯状態に切り換えられることで、左ストップボタン42の操作が有効であることが遊技者に報知される。但し、中ストップボタン43及び右ストップボタン44は消灯状態に維持される。なお、t3のタイミング~t4のタイミングにおいて左ストップボタン42が操作された場合には、中リール32Mに対する中ストップボタン43の操作及び右リール32Rに対する右ストップボタン44の操作が有効化されていない状況であっても左リール32Lの停止制御が開始される。
その後、全てのリール32L,32M,32Rにおいて定速回転が行われている状況であるt4のタイミングで図27(h)に示すように右リール32Rのリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出されて右リール32Rの回転位置が回転初期位置となることで、図27(i)に示すように右用有効期間フラグ102cに「1」がセットされた状態となる。これにより、右リール32Rに対する右ストップボタン44の操作が有効化された状態となる。また、右ストップボタン44が消灯状態から点灯状態に切り換えられることで、右ストップボタン44の操作が有効であることが遊技者に報知される。但し、中ストップボタン43は消灯状態に維持される。なお、t4のタイミング~t5のタイミングにおいて右ストップボタン44が操作された場合には、中リール32Mに対する中ストップボタン43の操作の操作が有効化されていない状況であっても右リール32Rの停止制御が開始される。
その後、全てのリール32L,32M,32Rにおいて定速回転が行われている状況であるt5のタイミングで図27(e)に示すように中リール32Mのリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出されて中リール32Mの回転位置が回転初期位置となることで、図27(f)に示すように中用有効期間フラグ102bに「1」がセットされた状態となる。これにより、中リール32Mに対する中ストップボタン43の操作が有効化された状態となる。また、中ストップボタン43が消灯状態から点灯状態に切り換えられることで、中ストップボタン43の操作が有効であることが遊技者に報知される。
その後、左ストップボタン42が操作されることにより、t6のタイミングで図27(a)に示すように左リール32Lの停止制御が開始されるとともに図27(c)に示すように左用有効期間フラグ102aが「0」クリアされ、さらにt7のタイミングで図27(a)に示すように左リール32Lの回転が停止する。この場合、t6のタイミング~t7のタイミングでは左リール32Lの停止制御を実行しているため、中リール32Mに対する中ストップボタン43の操作及び右リール32Rに対する右ストップボタン44の操作が無効化される。したがって、t6のタイミング~t7のタイミングでは図27(j)に示すように全てのストップボタン42~44が消灯状態となる。そして、t7のタイミングで左リール32Lの停止制御が完了することで、中リール32Mに対する中ストップボタン43の操作及び右リール32Rに対する右ストップボタン44の操作が有効となる。また、当該t7のタイミングで図27(j)に示すように中ストップボタン43及び右ストップボタン44が再度、点灯状態となる。
その後、中ストップボタン43が操作されることにより、t8のタイミングで図27(d)に示すように中リール32Mの停止制御が開始されるとともに図27(f)に示すように中用有効期間フラグ102bが「0」クリアされ、さらにt9のタイミングで図27(d)に示すように中リール32Mの回転が停止する。この場合、t8のタイミング~t9のタイミングでは中リール32Mの停止制御を実行しているため、右リール32Rに対する右ストップボタン44の操作が無効化される。したがって、t8のタイミング~t9のタイミングでは図27(j)に示すように全てのストップボタン42~44が消灯状態となる。そして、t9のタイミングで中リール32Mの停止制御が完了することで、右リール32Rに対する右ストップボタン44の操作が有効となる。また、当該t9のタイミングで図27(j)に示すように右ストップボタン44が再度、点灯状態となる。
その後、右ストップボタン44が操作されることにより、t10のタイミングで図27(g)に示すように右リール32Rの停止制御が開始されるとともに図27(i)に示すように右用有効期間フラグ102cが「0」クリアされ、さらにt11のタイミングで図27(g)に示すように右リール32Rの回転が停止する。また、t10のタイミングで、図27(j)に示すように右ストップボタン44が消灯状態となる。
上記のとおりリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出された場合に有効期間フラグ102a~102cに「1」をセットする処理は各リール32L,32M,32Rに対して個別に行われる。したがって、ストップボタン42~44が有効化されるタイミングはリール32L,32M,32R毎に異なるものとなる。よって、ストップボタン42~44の有効化が全てのリール32L,32M,32Rに対して同時に行われる構成に比べて、リール32L,32M,32Rの停止操作を早期に開始させることが可能となる。
ここで、リール32L,32M,32Rの停止順序が報知されていない状況においては左リール32Lに対する停止操作が最初に行われることが一般的である。また、リール32L,32M,32Rの停止順序が報知されていない状況において左リール32Lに対する停止操作が最初に行われる場合には、チェリー入賞の取りこぼしが発生しないタイミングで左ストップボタン42が操作される。図28の図柄配列を説明するための説明図に示すように、チェリー入賞の取りこぼしが発生しないように左リール32Lに対する停止操作が行われる場合には、最大スベリ数が4コマであるためフォロー範囲として示す3番目の「白7」図柄~13番目の「スイカ」図柄が左リール32Lの下段に到達し得る。
例えば、チェリー当選データが主側RAM74に記憶されていない状況で3番目の「白7」図柄が左リール32Lの下段に到達している状況で左ストップボタン42が操作された場合には3番目の「白7」図柄~6番目の「リプレイ」図柄のいずれかが左リール32Lの下段に到達し、チェリー当選データが主側RAM74に記憶されている状況で3番目の「白7」図柄が左リール32Lの下段に到達している状況で左ストップボタン42が操作された場合には7番目の「ベル」図柄が左リール32Lの下段に到達する。また、例えば、チェリー当選データが主側RAM74に記憶されていない状況で9番目の「チェリー」図柄が左リール32Lの下段に到達している状況で左ストップボタン42が操作された場合には10番目の「BAR」図柄~13番目の「スイカ」図柄のいずれかが左リール32Lの下段に到達し、チェリー当選データが主側RAM74に記憶されている状況で9番目の「チェリー」図柄が左リール32Lの下段に到達している状況で左ストップボタン42が操作された場合には当該9番目の「チェリー」図柄が左リール32Lの下段に到達する。
上記のようにフォロー範囲が設定されている構成において各リール32L,32M,32Rにおいて対応するリールインデックスセンサ36がセンサカットバン37を検出することとなる回転初期位置は、15番目の図柄が対応するリール32L,32M,32Rの下段の位置に存在している回転位置である。左リール32Lにおいてこの回転初期位置は、上記フォロー範囲と当該フォロー範囲以外の範囲である非フォロー範囲(0番目の「スイカ」図柄~2番目の「ベル」図柄及び14番目の「スイカ」図柄~20番目の「ベル」図柄)との境界のうち左リール32Lの回転方向における下流側の境界に対して、当該下流側に1図柄分進んだ回転位置である。
既に説明したとおりリール32L,32M,32Rの回転が開始される場合には図22(a)に示す加速用テーブルに従ってリール32L,32M,32Rの加速制御が行われる場合、加速が完了するまでに1パルスの励磁信号が24回出力される。また、1パルスの励磁信号が出力される毎に各リール32L,32M,32Rのステッピングモータ33は1ステップ進むとともに、1図柄分進めるために必要なステップ数は24ステップである。したがって、加速制御が開始されてから完了するまでにリール32L,32M,32Rは1図柄分進むことなる。この場合に、左リール32Lの回転初期位置は、フォロー範囲と非フォロー範囲との左リール32Lの回転方向における下流側の境界に対して、当該下流側に1図柄分進んだ回転位置である。つまり、左リール32Lの回転初期位置は、フォロー範囲における左リール32Lの回転方向における下流側の端に存在している13番目の「スイカ」図柄に対して2図柄分進んだ15番目の「赤7」図柄が下段の位置に存在している回転位置となる。これにより、フォロー範囲に含まれるいずれかの図柄が左リール32Lの下段の位置に停止するように左リール32Lに対する左ストップボタン42の操作が行われている場合には、次回のゲームの開始に際して左リール32Lの加速が完了して定速回転となった後において早期に、左リール32Lに対応するリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出されて左ストップボタン42の操作が有効化されることとなる。そして、加速が完了した後にリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出された場合には各リール32L,32M,32Rに対するストップボタン42~44の操作が個別に有効化される構成において、左リール32Lの回転初期位置が上記のように設定されていることにより、左リール32Lに対する停止操作が最初に行われる状況において左リール32Lに対する左ストップボタン42の操作を早期に有効なものとすることが可能となる。
さらに説明すると、左リール32Lにおける14番目の「スイカ」図柄が下段の位置に停止している状況で当該左リール32Lの回転が開始された場合、左リール32Lのリールインデックスセンサ36がセンサカットバン37を最初に検出した後のタイミングで当該左リール32Lの加速制御が完了するため、加速制御が完了した後に左リール32Lのリールインデックスセンサ36がセンサカットバン37を検出するタイミングは左リール32Lがさらに1周したタイミングとなる。これに対して、フォロー範囲に含まれるいずれかの図柄が左リール32Lの下段の位置に停止している状況で左リール32Lの回転が開始された場合には、当該左リール32Lの加速制御が完了した後に、左リール32Lのリールインデックスセンサ36がセンサカットバン37を最初に検出するタイミングが発生する。
<各種遊技状態>
次に、通常処理(図13)のステップS314にて実行される遊技終了時の対応処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。なお、通常処理(図13)におけるステップS314の処理はリール制御処理(ステップS313)よりも後に実行されるため、遊技終了時の対応処理は1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行されることとなる。
まずBB状態ST2(図30参照)、RB状態ST3(図30参照)又はRT状態ST4(図30参照)の移行制御と進行制御とを行うためのボーナス用処理を実行する(ステップS1001)。ボーナス用処理については後に詳細に説明する。その後、BB状態ST2、RB状態ST3及びRT状態ST4のいずれでもないことを条件として(ステップS1002:NO)、現状の遊技状態に対応する処理にジャンプする(ステップS1003)。具体的には、遊技状態が通常遊技状態ST1(図30参照)である場合には通常用処理を実行し(ステップS1004)、遊技状態がAT状態ST5(図30参照)である場合にはAT用処理を実行し(ステップS1005)、遊技状態が終了準備状態ST6(図30参照)である場合には遊技区間の第2制御処理を実行する(ステップS1006)。また、ステップS1004の通常用処理及びステップS1005のAT用処理のいずれかを実行した場合にも遊技区間の第2制御処理(ステップS1006)を実行する。ステップS1004~ステップS1006の処理内容については後に詳細に説明する。
現状の遊技状態がBB状態ST2、RB状態ST3又はRT状態ST4である場合にはステップS1002にて肯定判定をすることで、ステップS1004の通常用処理及びステップS1005のAT用処理を実行しない。したがって、BB状態ST2、RB状態ST3又はRT状態ST4である場合には、通常遊技状態ST1を進行させるための処理及びAT状態ST5を進行させるための処理が実行されない。一方、現状の遊技状態がBB状態ST2、RB状態ST3又はRT状態ST4であってもステップS1006における遊技区間の第2制御処理を実行する。したがって、BB状態ST2、RB状態ST3又はRT状態ST4である場合であっても第2区間SC2を進行させるための処理が実行される。
次に、遊技状態及び遊技区間について説明する。図30は本スロットマシン10に存在している遊技状態及び遊技区間を説明するための説明図である。
本スロットマシン10では遊技状態として、通常遊技状態ST1と、BB状態ST2と、RB状態ST3と、RT状態ST4と、AT状態ST5と、終了準備状態ST6とが存在している。これら遊技状態ST1~ST6は相互に重複して発生することはない。
通常遊技状態ST1は、主側RAM74の一部クリア処理(ステップS104)又は全部クリア処理(ステップS105)が実行されることにより滞在する遊技状態である。また、通常遊技状態ST1において発生したBB状態ST2若しくはRB状態ST3が終了した場合、又は終了準備状態ST6が終了した場合、遊技状態が通常遊技状態ST1となる。通常遊技状態ST1は1ゲームにおける遊技媒体の純増期待値(「1ゲームにおける遊技媒体の付与期待数」から「1ゲームにおいてベットされた遊技媒体数」を減算した値)が0未満となる。
BB状態ST2は、BB当選データが主側RAM74に記憶されている状況においてBB入賞が成立した場合に移行する遊技状態である。また、RB状態ST3は、RB当選データが主側RAM74に記憶されている状況においてRB入賞が成立した場合に移行する遊技状態である。BB状態ST2及びRB状態ST3は、非AT状態である場合よりも1ゲームにおける遊技媒体の純増期待値(「1ゲームにおける遊技媒体の付与期待数」から「1ゲームにおいてベットされた遊技媒体数」を減算した値)が高くなる遊技状態である。さらにいうと、BBST2状態及びRB状態ST3は、これらBB状態ST2及びRB状態ST3以外のいずれの遊技状態よりも1ゲームにおける遊技媒体の純増期待値(「1ゲームにおける遊技媒体の付与期待数」から「1ゲームにおいてベットされた遊技媒体数」を減算した値)が高くなる遊技状態である。具体的には、第1ベル入賞の成立を可能とさせる役に他の遊技状態の場合よりも高い確率(例えば約1/1.1)で当選するとともに、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングとは無関係に第1ベル入賞が成立することとなるため、1ゲームにおける遊技媒体の純増期待値は8以上となる。BB状態ST2及びRB状態ST3は、複数ゲームに亘って継続し、ゲームの実行内容に応じた事象の発生に基づき終了条件が成立した場合に終了する。当該終了条件は任意であるが、BB状態ST2であれば当該BB状態ST2が開始されてから付与された遊技媒体の合計数が350以上となることが終了条件として設定されており、RB状態ST3であれば当該RB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数が150以上となることが終了条件として設定されている。
RT状態ST4はBB状態ST2が終了した後に移行する遊技状態である。RT状態ST4は、役の抽選処理(図15)にて図17に示すRT状態の役抽選テーブルが参照されることにより、リプレイ役の当選確率が他の遊技状態よりも高くなる遊技状態である。また、リプレイ役に当選した場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なくリプレイ入賞が成立するため、RT状態ST4はリプレイ入賞の成立確率が他の遊技状態よりも高くなる遊技状態である。そして、リプレイ入賞の成立確率が他の遊技状態よりも高く設定されていることにより、1ゲームにおける遊技媒体の純増期待値(「1ゲームにおける遊技媒体の付与期待数」から「1ゲームにおいてベットされた遊技媒体数」を減算した値)は「0」よりも大きく1未満となる。RT状態ST4は、前半側終了基準数(具体的には「20」)のゲームが実行されること又はインデックス値IV=16に当選した状況で通常リプレイ入賞が成立することにより終了する前半RT状態と、前半RT状態において前半側終了基準数のゲームが実行されるまでに通常リプレイ入賞が成立することで移行し後半側終了基準数(具体的には「20」)のゲームが実行されることにより終了する後半RT状態とを備えている。後半RT状態が終了することでRT状態ST4は終了する。
AT状態ST5は通常遊技状態ST1においてAT状態ST5への移行条件が成立することで移行する遊技状態である。AT状態ST5は当該AT状態ST5の残りの継続ゲーム数及び残りのセット回数が「0」となった場合に終了し、それ以外にも第2区間SC2のエンディング条件が成立した場合に終了する。AT状態ST5が第2区間SC2のエンディング条件が成立することなく終了する場合、終了準備状態ST6に移行する。また、AT状態ST5が第2区間SC2のエンディング条件が成立することで終了する場合、通常遊技状態ST1に移行する。AT状態ST5ではインデックス値IV=1~6のいずれかに当選した場合、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。また、AT状態ST5ではインデックス値IV=7~9のいずれかに当選した場合、第2ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。第1ベル入賞又は第2ベル入賞が成立することで「15」の遊技媒体が付与される。これにより、AT状態ST5の1ゲームにおける遊技媒体の期待付与数を高めることが可能となる。AT状態ST5である状況においては1ゲームにおける遊技媒体の純増期待値(「1ゲームにおける遊技媒体の付与期待数」から「1ゲームにおいてベットされた遊技媒体数」を減算した値)が1以上となる。さらにいうとAT状態ST5である状況においては1ゲームにおける遊技媒体の純増期待値が5以上となる。
終了準備状態ST6は、後述する第2区間SC2のエンディング条件が成立することなくAT状態ST5が終了する場合に移行する遊技状態である。終了準備状態ST6は1ゲームが実行された場合に終了する。終了準備状態ST6が終了する場合、通常遊技状態ST1に移行する。終了準備状態ST6は1ゲームにおける遊技媒体の純増期待値(「1ゲームにおける遊技媒体の付与期待数」から「1ゲームにおいてベットされた遊技媒体数」を減算した値)が0未満となる遊技状態である。
上記のように各種遊技状態ST1~ST6が存在している構成において、これら遊技状態ST1~ST6とは別に遊技区間が設定されている。遊技区間として第1区間SC1と第2区間SC2とが設定されている。つまり、本スロットマシン10では遊技状況を決定付ける要素として、「1」~「6」の設定値と、各種遊技状態ST1~ST6と、第1区間SC1及び第2区間SC2の遊技区間とが存在している。
第1区間SC1とは、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて成立対象となる入賞が異なる役に当選した場合に遊技者にとって有利な入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されることで1ゲームにおける遊技媒体の純増期待値(「1ゲームにおける遊技媒体の付与期待数」から「1ゲームにおいてベットされた遊技媒体数」を減算した値)が1以上となり得る有利な遊技状態(AT状態ST5)が開始されない区間であって、上記有利な遊技状態が継続しない区間である。主側RAM74の一部クリア処理(ステップS104)又は全部クリア処理(ステップS105)が実行された場合には通常遊技状態ST1であって第1区間SC1となる。また、第2区間SC2において第2区間SC2の初期化処理が実行された場合にも第1区間SC1となる。第2区間SC2とは、上記有利な遊技状態が開始され得る区間であって上記有利な遊技状態が継続し得る区間である。したがって、第1区間SC1よりも第2区間SC2の方が有利な状況となる。よって、遊技者は第1区間SC1においては第2区間SC2に移行することを期待することとなる。
第1区間SC1は、第2区間SC2への移行契機が発生することで終了し、第2区間SC2へ移行する。これに対して、第2区間SC2はAT状態ST5又は終了準備状態ST6が終了して通常遊技状態ST1に移行する場合には終了する。第2区間SC2が終了した場合には第1区間SC1へ移行する。また、第2区間SC2の終了条件として、第1区間SC1への移行が発生することなく第2区間SC2が継続されることで実行された合計ゲーム数が上限ゲーム数(具体的には1500ゲーム)に到達すること、及び第1区間SC1への移行が発生することなく第2区間SC2が継続されることで遊技媒体の制限付き合計純増枚数が上限純増枚数(具体的には2400枚)に到達することのいずれか一方の条件が成立することというエンディング条件が設定されている。遊技媒体の制限付き合計純増枚数とは、「第2区間SC2が継続している状況で実行されたゲームにより付与された遊技媒体の合計数(遊技媒体の付与が発生していない状況では「0」)」から「第2区間SC2が継続されている状況でゲームを実行するために消化された遊技媒体の合計数(ゲームが実行されていない状況では「0」)」を減算した値を所定差枚数とした場合において、当該所定差枚数の最小値を所定基準値として、当該所定基準値からの上記所定差枚数の増加分の枚数のことである。
つまり、第2区間SC2が継続されることで当該第2区間SC2の開始時からの遊技媒体の制限付き合計純増枚数が上限純増枚数に到達した場合には当該第2区間SC2が終了して第1区間SC1に移行する。また、第2区間SC2が継続されることで当該第2区間SC2の開始時からのゲームの実行回数が上限ゲーム数に到達した場合には当該第2区間SC2が終了して第1区間SC1に移行する。そして、これらエンディング条件のいずれか一方が成立した場合には、AT状態ST5の途中であってもそのエンディング条件が成立したゲームにてAT状態ST5が終了されるとともに第2区間SC2が終了されて第1区間SC1であって通常遊技状態ST1である状況に移行する。これにより、第2区間SC2が過剰に継続してしまわなようにすることが可能となる。
図30に示すように通常遊技状態ST1、BB状態ST2、RB状態ST3及びRT状態ST4には、第1区間SC1及び第2区間SC2のいずれにおいても滞在し得る。一方、AT状態ST5及び終了準備状態ST6には、第1区間SC1において滞在することはなく、第2区間SC2においてのみ滞在する。
図31は主側MPU72にて実行されるボーナス用処理を示すフローチャートである。なお、ボーナス用処理は遊技終了時の対応処理(図29)におけるステップS1001にて実行される。遊技終了時の対応処理(図29)は既に説明したとおり1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行されるため、ボーナス用処理も1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行されることとなる。
RT状態ST4ではなく(ステップS1101:NO)、さらにBB状態ST2及びRB状態ST3のいずれでもない場合(ステップS1103:NO)、BB入賞が成立していることを条件として(ステップS1104:YES)、BB発生処理を実行する(ステップS1105)。BB発生処理では、主側RAM74に設けられたボーナスカウンタにBB状態ST2の終了基準数である「350」をセットする。また、主側RAM74に設けられたBBフラグに「1」をセットするとともに主側RAM74に設けられた前半RTフラグ及び後半RTフラグを「0」クリアする。BBフラグに「1」がセットされている場合、役の抽選処理(図15)ではボーナス状態の役抽選テーブルを主側ROM73から読み出して役の抽選を実行する。当該ボーナス状態の役抽選テーブルが参照される場合、第1ベル入賞の成立を可能とさせる役に約1/1.1の確率で当選する。そして、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングとは無関係に第1ベル入賞が成立する。また、BBフラグに「1」がセットされている場合、ステップS1103にて肯定判定をする。また、BB発生処理ではBB発生コマンドを演出側MPU92に送信する。演出側MPU92はBB発生コマンドを受信した場合、BB状態ST2に対応するデータテーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出し、その読み出したデータテーブルに従って上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。
RT状態ST4ではなく(ステップS1101:NO)、さらにBB状態ST2及びRT状態ST4のいずれでもない場合(ステップS1103:NO)、RB入賞が成立していることを条件として(ステップS1106:YES)、RB発生処理を実行する(ステップS1107)。RB発生処理では、主側RAM74に設けられたボーナスカウンタにRB状態ST3の終了基準数である「150」をセットする。また、主側RAM74に設けられたRBフラグに「1」をセットするとともに主側RAM74に設けられた前半RTフラグ及び後半RTフラグを「0」クリアする。RBフラグに「1」がセットされている場合、役の抽選処理(図15)ではボーナス状態の役抽選テーブルを主側ROM73から読み出して役の抽選を実行する。当該ボーナス状態の役抽選テーブルが参照される場合、第1ベル入賞の成立を可能とさせる役に約1/1.1の確率で当選する。そして、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングとは無関係に第1ベル入賞が成立する。また、RBフラグに「1」がセットされている場合、ステップS1103にて肯定判定をする。また、RB発生処理ではRB発生コマンドを演出側MPU92に送信する。演出側MPU92はRB発生コマンドを受信した場合、RB状態ST3に対応するデータテーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出し、その読み出したデータテーブルに従って上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。
主側RAM74のBBフラグ又はRBフラグに「1」がセットされている場合(ステップS1103:YES)、今回のゲームがBB状態ST2又はRB状態ST3において消化されたゲームであることを意味する。この場合、今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生しているか否かを判定する(ステップS1108)。具体的には、第1ベル入賞が成立したか否かを判定する。ステップS1108にて肯定判定をした場合、主側RAM74のボーナスカウンタの値から今回付与対象となった遊技媒体の数を減算する。BB状態ST2又はRB状態ST3においては遊技媒体の付与が発生する入賞として第1ベル入賞のみが発生するとともに当該第1ベル入賞が発生した場合には「15」の遊技媒体が付与されるため、ステップS1109では、主側RAM74のボーナスカウンタの値から「15」を減算する。
減算後におけるボーナスカウンタの値が「0」である場合(ステップS1110:YES)、主側RAM74のBBフラグに「1」がセットされていることを条件として(ステップS1111:YES)、RT状態の設定処理を実行する(ステップS1112)。RT状態の設定処理では、主側RAM74に設けられた前半RTフラグに「1」をセットするとともに主側RAM74に設けられたRTカウンタに前半終了基準数である「20」をセットする。前半RTフラグは、RT状態ST4のうち前半RT状態であることを主側MPU72にて特定するためのフラグであり、RTカウンタは前半RT状態及び後半RT状態の終了契機を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
ステップS1111にて否定判定をした場合又はステップS1112の処理を実行した場合、ボーナス終了処理を実行する(ステップS1113)。ボーナス終了処理では、BBフラグ及びRBフラグを「0」クリアする。また、ボーナス終了処理ではボーナス終了コマンドを演出側MPU92に送信する。演出側MPU92はボーナス終了コマンドを受信した場合、BB状態ST2又はRB状態ST3が終了したことを示すボーナスエンディングに対応するデータテーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出し、その読み出したデータテーブルに従って上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。また、ボーナス終了コマンドにはBB状態ST2及びRB状態ST3のうちいずれが終了したのかを示す情報が設定されている。ボーナス終了コマンドにBB状態ST2が終了したことを示す情報が設定されている場合には、ボーナスエンディングに対応する演出が終了した後に、RT状態ST4に対応するデータテーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出し、その読み出したデータテーブルに従って上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。一方、ボーナス終了コマンドにRB状態ST3が終了したことを示す情報が設定されている場合には、ボーナスエンディングに対応する演出が終了した後に、RB状態ST3に移行する前の遊技状態に対応するデータテーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出し、その読み出したデータテーブルに従って上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。
RT状態ST4である場合、具体的には主側RAM74の前半RTフラグ又は後半RTフラグに「1」がセットされている場合(ステップS1101:YES)、RT用処理を実行する(ステップS1102)。図32はRT用処理を示すフローチャートである。
主側RAM74の前半RTフラグに「1」がセットされている場合(ステップS1201:YES)、役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=16に当選しているか否かを判定する(ステップS1202)。インデックス値IV=16には既に説明したとおり通常リプレイ当選データ及び特殊リプレイ当選データが設定されている。インデックス値IV=16で当選となった場合、第1停止が左リール32Lである場合、第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類並びに各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。一方、第1停止が中リール32M及び右リール32Rのいずれかである場合、第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類に関係なく特殊リプレイ入賞が成立し得る。但し、左リール32Lの回転位置に対する左ストップボタン42の操作タイミングによっては特殊リプレイ入賞が成立しない。特殊リプレイ入賞が成立しない操作タイミングで左ストップボタン42が操作された場合には通常リプレイ入賞が確実に成立する。つまり、インデックス値IV=16で当選となった場合であって第1停止として中リール32M又は右リール32Rが停止された場合、特殊リプレイ入賞の成立が優先され、左ストップボタン42の操作タイミングとの関係で特殊リプレイ入賞を成立させることができない場合に通常リプレイ入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=16に当選している場合(ステップS1202:YES)、通常リプレイ入賞が成立したか否かを判定する(ステップS1203)。インデックス値IV=16に当選していない場合(ステップS1202:NO)、又はインデックス値IV=16に当選したものの通常リプレイ入賞ではなく特殊リプレイ入賞が成立した場合(ステップS1203:NO)、主側RAM74のRTカウンタの値を1減算する(ステップS1204)。これにより、前半RT状態の残りの継続ゲーム数が1減少する。そして、その1減算後のRTカウンタの値が「0」である場合(ステップS1205:YES)、主側RAM74の前半RTフラグを「0」クリアする(ステップS1208)。この場合、主側RAM74に設けられた後半RTフラグに「1」がセットされないため、RT状態ST4は後半RT状態に移行することなく前半RT状態だけで終了する。
一方、インデックス値IV=16に当選した場合であって通常リプレイ入賞が成立した場合(ステップS1202及びステップS1203:YES)、主側RAM74に設けられた後半RTフラグに「1」をセットする(ステップS1206)。後半RTフラグは、RT状態ST4のうち後半RT状態であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。その後、主側RAM74のRTカウンタに後半終了基準数である「20」をセットするとともに(ステップS1207)、主側RAM74の前半RTフラグを「0」クリアする(ステップS1208)。
なお、前半RTフラグが「0」クリアされる契機は、後半RT状態への移行が発生することなく前半終了基準数のゲームである20ゲームが消化された場合及び後半RT状態への移行が発生した場合だけではなく、主側RAM74にBB当選データ又はRB当選データが記憶された場合にも前半RTフラグが「0」クリアされる。つまり、前半RT状態の途中で役の抽選処理(図15)にてBB役又はRB役に当選した場合にも前半RT状態が終了する。
後半RTフラグに「1」がセットされている場合、RT状態ST4のうち後半RT状態であることを意味するため、ステップS1201にて否定判定をしてステップS1209に進む。ステップS1209では主側RAM74のRTカウンタの値を1減算する。そして、その1減算後におけるRTカウンタの値が「0」である場合(ステップS1210:YES)、主側RAM74の後半RTフラグを「0」クリアする(ステップS1211)。
なお、後半RTフラグが「0」クリアされる契機は、後半終了基準数のゲームである20ゲームが消化された場合だけではなく、主側RAM74にBB当選データ又はRB当選データが記憶された場合にも後半RTフラグが「0」クリアされる。つまり、後半RT状態の途中で役の抽選処理(図15)にてBB役又はRB役に当選した場合にも後半RT状態が終了する。
上記のとおりRT状態ST4においてはまず前半RT状態が開始される。前半RT状態においてインデックス値IV=16に当選した場合であって通常リプレイ入賞が成立した場合には後半RT状態に移行する。後半RT状態はBB当選データ又はRB当選データが記憶されない限り後半終了基準数のゲームである20ゲームが消化された場合に終了する。一方、前半RT状態においてインデックス値IV=16に当選するとともに通常リプレイ入賞が成立するという事象が発生することなく前半終了基準数のゲームである20ゲームが消化された場合には、前半RT状態が終了することに伴って後半RT状態への移行が発生することなくRT状態ST4が終了する。したがって、前半RT状態においては前半終了基準数のゲームの範囲内でできるだけ多くゲームを消化した段階で、インデックス値IV=16に当選するとともに通常リプレイ入賞を成立させることにより、RT状態ST4の滞在ゲーム数を多く確保することが可能となる。
この場合に、上記のとおりインデックス値IV=16で当選となった場合、第1停止が左リール32Lである場合、第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類並びに各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。一方、第1停止が中リール32M及び右リール32Rのいずれかである場合、第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類に関係なく特殊リプレイ入賞が成立し得る。但し、左リール32Lの回転位置に対する左ストップボタン42の操作タイミングによっては特殊リプレイ入賞が成立しない。特殊リプレイ入賞が成立しない操作タイミングで左ストップボタン42が操作された場合には通常リプレイ入賞が確実に成立する。つまり、インデックス値IV=16で当選となった場合であって第1停止として中リール32M又は右リール32Rが停止された場合、特殊リプレイ入賞の成立が優先され、左ストップボタン42の操作タイミングとの関係で特殊リプレイ入賞を成立させることができない場合に通常リプレイ入賞が確実に成立する。したがって、前半RT状態において早いタイミングでインデックス値IV=16に当選した場合には特殊リプレイ入賞を成立させるように各ストップボタン42~44を操作することで前半RT状態を継続させ、前半RT状態における残りの前半終了基準数のゲームが少なくなった段階でインデックス値IV=16に当選した場合には通常リプレイ入賞を成立させるように各ストップボタン42~44を操作することが好ましい。このような事情において本スロットマシン10では、前半RT状態においてインデックス値IV=16に当選した場合にはその旨がリール32L,32M,32Rの停止操作が可能となるタイミングよりも前に報知される。また、前半RT状態における残りの前半終了基準数のゲームが回避ゲーム数範囲(具体的には8ゲーム~20ゲーム)である場合にはインデックス値IV=16に当選した場合に特殊リプレイ入賞の成立を促す停止順序の報知が実行され、前半RT状態における残りの前半終了基準数のゲームが成立ゲーム数範囲(具体的には7ゲーム以下)である場合にはインデックス値IV=16に当選した場合に通常リプレイ入賞の成立を促す停止順序の報知が実行される。
上記のような停止順序の報知を実行させるための制御は、主側MPU72における役の抽選処理(図15)の停止順報知制御処理(ステップS512)にて実行される。図33は停止順報知制御処理を示すフローチャートである。
主側RAM74の前半RTフラグに「1」がセットされている場合であって(ステップS1301:YES)、インデックス値IV=16に当選した場合(ステップS1302:YES)、主側RAM74のRTカウンタの値が8以上であるか否かを判定する(ステップS1303)。RTカウンタの値が回避ゲーム数範囲(具体的には8ゲーム~20ゲーム)である場合(ステップS1303:YES)、逆押し報知用の停止順設定処理を実行する(ステップS1304)。これにより、第1停止が右リール32Rであり残りが任意である停止順序に対応する表示が兼用表示部66にて開始される。当該表示は、リール32L,32M,32Rの停止操作が有効となる前に開始され、当該表示の実行対象となったゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rに対して停止指令が発生した場合に終了される。その後、逆押し報知用コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS1305)。演出側MPU92は逆押し報知用コマンドを受信した場合、第1停止が右リール32Rであり残りが任意である停止順序に対応する表示を画像表示装置63に開始させる。当該表示は、リール32L,32M,32Rの停止操作が有効となる前に開始され、当該表示の実行対象となったゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rに対して停止指令が発生した場合に終了される。
図34(a)~図34(c)は上記のような逆押し報知が実行された場合においてその逆押し報知に従ってリール32L,32M,32Rの停止操作が行われた場合におけるリール32L,32M,32Rの停止態様を説明するための説明図である。逆押し報知を確認した遊技者が右リール32Rを第1停止させるとともに中リール32Mを第2停止させた場合、図34(a)に示すような停止態様となる。この場合、第3メインラインML3上における中リール32M及び右リール32Rの停止図柄は「リプレイ」図柄となる。当該停止態様は通常リプレイ入賞及び特殊リプレイ入賞のいずれも成立し得る停止態様である。
図34(a)に示す状況において左リール32Lを停止させる場合に6番目の「リプレイ」図柄が左リール32Lの下段に存在しているタイミングで左ストップボタン42が操作された場合には図34(b)に示すように第3メインラインML3上に特殊リプレイ入賞が成立する態様で左リール32Lの停止制御が実行される。これにより、特殊リプレイ入賞が成立する。特殊リプレイ入賞が成立することで後半RT状態への移行が回避されて、前半RT状態が継続される。一方、図34(a)に示す状況において左リール32Lを停止させる場合に6番目の「リプレイ」図柄以外の図柄が左リール32Lの下段に存在しているタイミングで左ストップボタン42が操作された場合には図34(c)に示すように第3メインラインML3上に通常リプレイ入賞が成立する態様で左リール32Lの停止制御が実行される。これにより、通常リプレイ入賞が成立し後半RT状態に移行する。
停止順報知制御処理(図33)の説明に戻り、RTカウンタの値が成立ゲーム数範囲(具体的には7ゲーム以下)である場合(ステップS1303:NO)、順押し報知用の停止順設定処理を実行する(ステップS1306)。これにより、第1停止が左リール32Lであり残りが任意である停止順序に対応する表示が兼用表示部66にて開始される。当該表示は、リール32L,32M,32Rの停止操作が有効となる前に開始され、当該表示の実行対象となったゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rに対して停止指令が発生した場合に終了される。その後、順押し報知用コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS1307)。演出側MPU92は順押し報知用コマンドを受信した場合、第1停止が左リール32Lであり残りが任意である停止順序に対応する表示を画像表示装置63に開始させる。当該表示は、リール32L,32M,32Rの停止操作が有効となる前に開始され、当該表示の実行対象となったゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rに対して停止指令が発生した場合に終了される。順押し報知に従ってリール32L,32M,32Rの停止操作が行われた場合には、各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく図34(c)に示すように第3メインラインML3上に通常リプレイ入賞が成立する態様で各リール32L,32M,32Rの停止制御が実行される。これにより、通常リプレイ入賞が成立し後半RT状態に移行する。
ステップS1301にて否定判定をした場合、ステップS1302にて否定判定をした場合、ステップS1305の処理を実行した場合又はステップS1307の処理を実行した場合、他の停止順報知用処理を実行する(ステップS1308)。他の停止順報知用処理では、例えばAT状態ST5である場合において役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=1~6のいずれかに当選している場合には第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が兼用表示部66にて行われるようにするとともに、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置63にて報知されるようにするためのコマンドを演出側MPU92に送信する。また、例えばAT状態ST5である場合において役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=7~9のいずれかに当選している場合には第2ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が兼用表示部66にて行われるようにするとともに、第2ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置63にて報知されるようにするためのコマンドを演出側MPU92に送信する。
RT状態ST4の前半RT状態においては上記のとおりインデックス値IV=16で当選した場合に通常リプレイ入賞が成立した場合には後半RT状態への移行が発生する一方、インデックス値IV=16で当選した場合に特殊リプレイ入賞が成立した場合には後半RT状態への移行が回避される構成において、いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、特殊リプレイ入賞となる。また、特殊リプレイ入賞を成立させるためには第1停止として中リール32M又は右リール32Rを停止させる必要があるとともに、左リール32Lの回転位置に対して所定のタイミングで左ストップボタン42を操作する必要がある。したがって、遊技者は特殊リプレイ入賞が成立した場合、実際にはリプレイ入賞が成立しているものの所謂リプレイ外しを行ったと認識することとなる。この場合に、特殊リプレイ入賞が成立した場合には所定の報知の実行態様が、リプレイ入賞が成立しなかった場合と同様の実行態様となる。当該所定の報知の実行態様について以下に説明する。
図35は主側MPU72にて実行されるゲーム終了時の設定処理を示すフローチャートである。なお、ゲーム終了時の設定処理は通常処理(図13)におけるステップS319にて実行される。当該ステップS319の処理は1ゲームが終了する場合に実行される処理である。
今回のゲームにおいていずれかのリプレイ入賞が成立した場合(ステップS1401:YES)、現状の遊技状態が前半RT状態であって今回のゲームにおいて特殊リプレイ入賞が成立していることを条件として(ステップS1402及びステップS1403:YES)、クレジット投入ボタン47の点灯処理を実行する(ステップS1404)。これにより、クレジット投入ボタン47が消灯状態から点灯状態となる。但し、特殊リプレイ入賞が成立しているため今回のゲームが終了したとしても主側RAM74のベット数設定カウンタ74aの値はベット上限数である「3」に維持される。したがって、クレジット投入ボタン47が点灯状態となったとしても新たな遊技媒体のベットを行うことはできない。
その後、主側RAM74に設けられた疑似ベット対応フラグに「1」をセットする(ステップS1405)。疑似ベット対応フラグは、前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した後の状況であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。また、ベット消灯コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS1406)。演出側MPU92はベット消灯コマンドを受信した場合、演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cを消灯状態とする。
ステップS1402にて否定判定をした場合、ステップS1403にて否定判定をした場合又はステップS1406の処理を実行した場合、主側RAM74のリプレイ時のベット設定済みフラグに「1」をセットする(ステップS1407)。つまり、いずれかのリプレイ入賞が成立した場合にはベット数設定カウンタ74aの値をそのまま維持するとともにリプレイ時のベット設定済みフラグに「1」をセットする。これにより、いずれかのリプレイ入賞が成立した場合には、遊技媒体の新たなベットを不要としながら新たなゲームを開始することが可能となる。
今回のゲームにていずれのリプレイ入賞も成立しなかった場合(ステップS1401:NO)、ベット数設定カウンタ74aを「0」クリアする(ステップS1408)。ベット数設定カウンタ74aは現状のベット数を主側MPU72にて特定するためのカウンタであり、主側ベット表示部64ではベット数設定カウンタ74aの値に対応する表示が行われる。図36はベット表示部の制御処理を示すフローチャートである。なお、ベット表示部の制御処理はタイマ割込み処理(図12)のステップS212にて実行される。
ベット数設定カウンタ74aの値が「0」である場合(ステップS1501:YES)、全消灯処理を実行する(ステップS1502)。全消灯処理が実行されることにより、ベット表示部64において縦方向に並設された3個の発光部64a~64cはいずれも消灯状態となる。
ベット数設定カウンタ74aの値が「1」である場合(ステップS1503:YES)、第1点灯処理を実行する(ステップS1504)。第1点灯処理が実行されることにより、ベット表示部64において縦方向に並設された3個の発光部64a~64cのうち最下部の発光部64aが点灯状態となり残りの発光部64b,64cが消灯状態となる。
ベット数設定カウンタ74aの値が「2」である場合(ステップS1505:YES)、第2点灯処理を実行する(ステップS1506)。第2点灯処理が実行されることにより、ベット表示部64において縦方向に並設された3個の発光部64a~64cのうち最下部と中央のそれぞれの発光部64a,64bが点灯状態となり最上部の発光部64cが消灯状態となる。
ベット数設定カウンタ74aの値が「3」である場合(ステップS1505:NO)、第3点灯処理を実行する(ステップS1507)。第3点灯処理が実行されることにより、ベット表示部64において縦方向に並設された3個の発光部64a~64cの全てが点灯状態となる。
なお、上記のとおりいずれかのリプレイ入賞が成立した場合には前半RT状態における特殊リプレイ入賞の成立であったとしてもベット数設定カウンタ74aの値は維持される。したがって、ベット表示部64において3個の発光部64a~64cの全てが点灯状態となっている状態が維持される。但し、これに限定されることはなく、いずれかのリプレイ入賞が成立した場合には所定期間(例えば1秒)に亘ってベット表示部64の全ての発光部64a~64cを一旦消灯状態とした後に、遊技者による操作とは無関係に全ての発光部64a~64cを再度発光状態とする構成としてもよい。
ゲーム終了時の設定処理(図35)の説明に戻り、ステップS1408の処理を実行した後は、ベット消灯コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS1409)。演出側MPU92はベット消灯コマンドを受信した場合、演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cを消灯状態とする。これにより、リプレイ入賞が成立しなかったゲームにおいてはゲームが終了する場合に主側ベット表示部64の全ての発光部64a~64cが消灯状態となるだけではなく演出側ベット表示部69の全ての発光部69a~69cが消灯状態となる。
その後、主側RAM74のクレジットカウンタ74bの値が1以上であることを条件として(ステップS1410:YES)、クレジット投入ボタン47の点灯処理を実行する(ステップS1411)。これにより、クレジット投入ボタン47が消灯状態から点灯状態となり、仮想メダルのベットが可能であることが遊技者に報知される。
次に、主側MPU72にて実行される疑似ベット対応処理について図37のフローチャートを参照しながら説明する。なお、疑似ベット対応処理は開始待ち処理(図14)のステップS421にて実行される。
まず主側RAM74の疑似ベット対応フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1601)。疑似ベット対応フラグには既に説明したとおり前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合に「1」がセットされる。疑似ベット対応フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1601:YES)、クレジット投入ボタン47が操作されたことを条件として(ステップS1602:YES)、疑似ベット対応コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS1603)。演出側MPU92は疑似ベット対応コマンドを受信した場合、演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cを発光状態とするとともにそれに対応する音がスピーカ62から出力されるようにする。
その後、疑似ベット対応フラグを「0」クリアする(ステップS1604)。また、クレジット投入ボタン47の消灯処理を実行する(ステップS1605)。これにより、クレジット投入ボタン47が点灯状態から消灯状態となる。
図38は演出側MPU92にて実行されるベット報知制御処理を示すフローチャートである。なお、ベット報知制御処理は比較的短い周期(例えば4ミリ秒)で繰り返し実行される。
まず主側MPU72からベット設定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS1701)。ベット設定コマンドは既に説明したとおりメダル投入口45にメダルが投入されること又はクレジット投入ボタン47が操作されたことに基づきベット数設定カウンタ74aの値が増加した場合に主側MPU72から送信される。ベット設定コマンドにはベット数が増加した後におけるベット数設定カウンタ74aの値に対応する情報が含まれている。
ベット設定コマンドを受信している場合(ステップS1701:YES)、ベット設定時の段階発光データの読み出し処理を実行する(ステップS1702)。当該読み出し処理では、演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cのうち今回受信したベット設定コマンドに含まれるベット数設定カウンタ74aの値に対応する発光部69a~69cが全て点灯状態となるように発光データを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す。この場合、既に点灯状態である発光部69a~69cはその点灯状態が維持され、新たに増加したベット数に対応する発光部69a~69cが消灯状態から点灯状態になるようにするための発光データを読み出す。また、2以上のベット数が増加した場合には少ないベット数に対応した発光部69a~69cから順に所定の間隔(例えば1秒)を置いて順次、点灯状態となるようにするための発光データを読み出す。演出側MPU92は発光制御用処理にて発光データに対応する発光制御を演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cに対して行う。
なお、演出側RAM94には既に点灯状態となっている発光部69a~69cの種類を演出側MPU92が特定するために参照される点灯済みカウンタが設けられている。点灯済みカウンタの値が「0」である場合、演出側ベット表示部69の全ての発光部69a~69cが消灯状態であることに対応しており、点灯済みカウンタの値が「1」である場合、演出側ベット表示部69のうち発光部69aのみが点灯状態であることに対応しており、点灯済みカウンタの値が「2」である場合、演出側ベット表示部69のうち発光部69a及び発光部69bのみが点灯状態であることに対応しており、点灯済みカウンタの値が「3」である場合、演出側ベット表示部69の全ての発光部69a~69cが点灯状態であることに対応している。演出側ベット表示部69の発光部69a~69cのいずれかが点灯状態となった場合にはそれに合わせて点灯済みカウンタの値を更新する。
その後、ベット設定時の音出力データの読み出し処理を実行する(ステップS1703)。当該読み出し処理では、今回増加したベット数に対応するベット音がスピーカ62から出力されるように音出力データを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す。演出側MPU92は音出力制御用処理にて音出力データに対応する音出力制御をスピーカ62に対して行う。
ベット報知制御処理では、主側MPU72から精算コマンド又はベット消灯コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS1704)。精算コマンドは既に説明したとおり精算処理が実行された場合に主側MPU72から送信される。ベット消灯コマンドは既に説明したとおりリプレイ入賞が成立しなかったゲームの終了時に主側MPU72から送信されるとともに、前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立したゲームの終了時に主側MPU72から送信される。ステップS1704にて肯定判定をした場合、ベット発光部の消灯処理を実行する(ステップS1705)。当該消灯処理では、演出側ベット表示部69の全ての発光部69a~69cを消灯状態にする。また、演出側RAM94の点灯済みカウンタの値を「0」クリアする。
ベット報知制御処理では、主側MPU72から疑似ベット対応コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS1706)。疑似ベット対応コマンドは既に説明したとおり前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立したゲームが終了した後にクレジット投入ボタン47が操作された場合に主側MPU72から送信される。
疑似ベット対応コマンドを受信している場合(ステップS1706:YES)、ベット設定時の段階発光データの読み出し処理を実行する(ステップS1707)。当該読み出し処理では、演出側ベット表示部69の全ての発光部69a~69cを消灯状態から点灯状態に切り換えるための発光データを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す。この場合、少ないベット数に対応した発光部69a~69cから順に所定の間隔(例えば1秒)を置いて順次、点灯状態となるようにするための発光データを読み出す。演出側MPU92は発光制御用処理にて発光データに対応する発光制御を演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cに対して行う。また、演出側RAM94の点灯済みカウンタに「3」をセットする。その後、ベット設定時の音出力データの読み出し処理を実行する(ステップS1708)。当該読み出し処理では、ベット数が「3」増加したことに対応するベット音がスピーカ62から出力されるように音出力データを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す。演出側MPU92は音出力制御用処理にて音出力データに対応する音出力制御をスピーカ62に対して行う。
ベット報知制御処理では、主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS1709)。ゲーム開始コマンドはスタートレバー41の操作に基づき新たなゲームが開始された場合に役の抽選処理(図15)のステップS513にて送信される。ゲーム開始コマンドを受信している場合(ステップS1709:YES)、演出側RAM94の点灯済みカウンタの値が「3」であるか否かを判定することで、演出側ベット表示部69の全ての発光部69a~69cが既に点灯状態であるか否かを判定する(ステップS1710)。既に説明したとおり主側RAM74のベット数設定カウンタ74aの値がベット上限数であることを条件としてゲームが開始されるため、基本的には演出側RAM94の点灯済みカウンタの値が「3」である状況で主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信する。但し、前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した後においてクレジット投入ボタン47が操作されることなくスタートレバー41が操作された場合には、演出側RAM94の点灯済みカウンタの値が「3」ではなく「0」である状況で主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信する。この場合、ステップS1710にて否定判定をして、ベット発光部の同時発光データの読み出し処理を実行する(ステップS1711)。
当該読み出し処理では、演出側ベット表示部69の全ての発光部69a~69cを消灯状態から点灯状態に切り換えるための同時発光データを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す。この場合、少ないベット数に対応した発光部69a~69cから順に所定の間隔(例えば1秒)を置いて順次、点灯状態となるのではなく、全ての発光部69a~69cが同時に点灯状態となるようにするための発光データを読み出す。演出側MPU92は発光制御用処理にて発光データに対応する発光制御を演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cに対して行う。また、演出側RAM94の点灯済みカウンタに「3」をセットする。なお、ステップS1710にて否定判定をした場合にはベット設定時の音出力データの読み出し処理は実行されない。したがって、演出側ベット表示部69の全ての発光部69a~69cが同時に点灯状態となる場合に、それに対応するベット音の音出力は行われない。
次に、ベット報知が行われる様子について図39のタイムチャートを参照しながら説明する。図39(a)は1ゲームが実行されている期間を示し、図39(b)はクレジット投入ボタン47が操作されたタイミングを示し、図39(c)はスタートレバー41が操作されたタイミングを示し、図39(d)は主側ベット表示部64の各発光部64a~64cの状態を示し、図39(e)は演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cの状態を示し、図39(f)はベット音の出力タイミングを示し、図39(g)は通常リプレイ入賞が成立したタイミングを示し、図39(h)は特殊リプレイ入賞が成立したタイミングを示す。
t1のタイミングで図39(b)に示すようにクレジット投入ボタン47が操作されることにより、図39(d)に示すように主側ベット表示部64の各発光部64a~64cが発光部64a→発光部64b→発光部64cの順序で順次、消灯状態から点灯状態に切り換わるとともに、図39(e)に示すように演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cが発光部69a→発光部69b→発光部69cの順序で順次、消灯状態から点灯状態に切り換わる。そして、t2のタイミングで主側ベット表示部64の全ての発光部64a~64cが点灯状態となるとともに演出側ベット表示部69の全ての発光部69a~69cが点灯状態となる。主側ベット表示部64の点灯状態及び演出側ベット表示部69の点灯状態はゲームが終了する場合に消灯契機が発生するまで維持される。また、t1のタイミング~t2のタイミングに亘って図39(f)に示すようにスピーカ62からベット音が出力される。これにより、ベット数がベット上限数となったことを遊技者に認識させることが可能となる。なお、ベット数がベット上限数となることでクレジット投入ボタン47が点灯状態から消灯状態に切り換わる。
その後、t3のタイミングで図39(c)に示すようにスタートレバー41が操作されることにより、図39(a)に示すようにゲームが開始される。当該ゲームはt4のタイミングで終了する。このゲームではいずれのリプレイ入賞も成立しない。したがって、ゲームが終了するt4のタイミングで、図39(d)に示すように主側ベット表示部64の全ての発光部64a~64cが同時に点灯状態から消灯状態となるとともに、図39(e)に示すように演出側ベット表示部69の全ての発光部69a~69cが同時に点灯状態から消灯状態となる。なお、主側RAM74のクレジットカウンタ74bの値が1以上であればt4のタイミングでクレジット投入ボタン47が消灯状態から点灯状態に切り換わる。
その後、t5のタイミングで図39(b)に示すようにクレジット投入ボタン47が操作されることにより、図39(d)に示すように主側ベット表示部64の各発光部64a~64cが発光部64a→発光部64b→発光部64cの順序で順次、消灯状態から点灯状態に切り換わるとともに、図39(e)に示すように演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cが発光部69a→発光部69b→発光部69cの順序で順次、消灯状態から点灯状態に切り換わる。そして、t6のタイミングで主側ベット表示部64の全ての発光部64a~64cが点灯状態となるとともに演出側ベット表示部69の全ての発光部69a~69cが点灯状態となる。また、t5のタイミング~t6のタイミングに亘って図39(f)に示すようにスピーカ62からベット音が出力される。これにより、ベット数がベット上限数となったことを遊技者に認識させることが可能となる。なお、ベット数がベット上限数となることでクレジット投入ボタン47が点灯状態から消灯状態に切り換わる。
その後、t7のタイミングで図39(c)に示すようにスタートレバー41が操作されることにより、図39(a)に示すようにゲームが開始される。当該ゲームはt8のタイミングで終了する。このゲームでは図39(g)に示すように通常リプレイ入賞が成立する。通常リプレイ入賞が成立した場合、主側RAM74のベット数設定カウンタ74aの値が維持されるため、次回のゲームは新たなベット設定を行わなくても開始することが可能となる。したがって、今回のゲームが終了したとしても、図39(d)に示すように主側ベット表示部64の各発光部64a~64cの点灯状態は維持されるとともに、図39(e)に示すように演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cの点灯状態は維持される。また、クレジット投入ボタン47は消灯状態に維持される。
その後、t9のタイミングで図39(c)に示すようにスタートレバー41が操作されることにより、図39(a)に示すようにゲームが開始される。当該ゲームはt10のタイミングで終了する。このゲームでは図39(h)に示すように特殊リプレイ入賞が成立する。また、現状の遊技状態は前半RT状態である。前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合、主側RAM74のベット数設定カウンタ74aの値が維持されるため、図39(d)に示すように主側ベット表示部64の点灯状態は維持されるものの、図39(e)に示すように演出側ベット表示部69の全ての発光部69a~69cは消灯状態となる。また、主側RAM74のクレジットカウンタ74bの値が1以上であるか否かに関係なく、クレジット投入ボタン47が消灯状態から点灯状態に切り換わる。なお、前半RT状態ではない遊技状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合には主側ベット表示部64と同様に演出側ベット表示部69も点灯状態に維持され、クレジット投入ボタン47は消灯状態に維持される。
その後、t11のタイミングで図39(b)に示すようにクレジット投入ボタン47が操作されることにより、図39(e)に示すように演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cが発光部69a→発光部69b→発光部69cの順序で順次、消灯状態から点灯状態に切り換わる。そして、t12のタイミングで演出側ベット表示部69の全ての発光部69a~69cが点灯状態となる。なお、主側ベット表示部64は点灯状態に維持されている。また、t11のタイミング~t12のタイミングに亘って図39(f)に示すようにスピーカ62からベット音が出力される。また、t11のタイミングでクレジット投入ボタン47が点灯状態から消灯状態に切り換わる。
その後、t13のタイミングで図39(c)に示すようにスタートレバー41が操作されることにより、図39(a)に示すようにゲームが開始される。当該ゲームはt14のタイミングで終了する。このゲームでは図39(h)に示すように特殊リプレイ入賞が成立する。また、現状の遊技状態は前半RT状態である。前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合、主側RAM74のベット数設定カウンタ74aの値が維持されるため、図39(d)に示すように主側ベット表示部64の点灯状態は維持されるものの、図39(e)に示すように演出側ベット表示部69の全ての発光部69a~69cは消灯状態となる。また、主側RAM74のクレジットカウンタ74bの値が1以上であるか否かに関係なく、クレジット投入ボタン47が消灯状態から点灯状態に切り換わる。
その後、t15のタイミングで図39(b)に示すようにクレジット投入ボタン47が操作されることなく、図39(c)に示すようにスタートレバー41が操作されることにより、図39(a)に示すようにゲームが開始される。当該t15のタイミングで図39(e)に示すように演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cが同時に消灯状態から点灯状態に切り換わる。なお、主側ベット表示部64は点灯状態に維持されている。また、図39(f)に示すように今回はベット音が出力されない。当該ゲームはt16のタイミングで終了する。このゲームではいずれのリプレイ入賞も成立しない。したがって、ゲームが終了するt16のタイミングで、図39(d)に示すように主側ベット表示部64の全ての発光部64a~64cが同時に点灯状態から消灯状態となるとともに、図39(e)に示すように演出側ベット表示部69の全ての発光部69a~69cが同時に点灯状態から消灯状態となる。なお、主側RAM74のクレジットカウンタ74bの値が1以上であればt16のタイミングでクレジット投入ボタン47が消灯状態から点灯状態に切り換わる。
以上のとおり、前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合、新たなベット設定を行うことなく新たなゲームを開始させることができる状況であっても演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cが点灯状態から消灯状態となる。そして、クレジット投入ボタン47が操作された場合には新たなベット設定が行われていない状況であっても演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cが順次、消灯状態から点灯状態となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、特殊リプレイ入賞となる。また、特殊リプレイ入賞を成立させるためには第1停止として中リール32M又は右リール32Rを停止させる必要があるとともに、左リール32Lの回転位置に対して所定のタイミングで左ストップボタン42を操作する必要がある。したがって、遊技者は特殊リプレイ入賞が成立した場合、実際にはリプレイ入賞が成立しているものの所謂リプレイ外しを行ったと認識することとなる。この場合に、上記のとおり特殊リプレイ入賞が成立した場合には演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cを点灯状態から消灯状態に一旦切り換え、その後にクレジット投入ボタン47が操作された場合に演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cを順次、消灯状態から点灯状態に切り換える構成であることにより、実際にはリプレイ入賞が成立している状況であっても所謂リプレイ外しを行ったと遊技者に認識させることが可能となる。
前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合には、演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cを消灯状態とするだけではなく、クレジット投入ボタン47が消灯状態から点灯状態に切り換わる。これにより、実際にはリプレイ入賞が成立している状況であっても所謂リプレイ外しを行ったと遊技者に認識させることが可能となる。
前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合であってその後にクレジット投入ボタン47が操作された場合には演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cが順次、消灯状態から点灯状態に切り換わるだけではなく、スピーカ62からベット音が出力される。これにより、実際にはリプレイ入賞が成立している状況であっても所謂リプレイ外しを行ったと遊技者に認識させることが可能となる。
前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合においてクレジット投入ボタン47が操作されることなくスタートレバー41が操作された場合には、当該操作を契機にゲームを開始させる場合に演出側ベット表示部69の全ての各発光部69a~69cを同時に消灯状態から点灯状態に切り換える。これにより、上記のように実際にはリプレイ入賞が成立している状況であっても所謂リプレイ外しを行ったと遊技者に認識させることを可能としながらも、ゲームが開始された場合には演出側ベット表示部69の全ての各発光部69a~69cが点灯状態となっているようにすることが可能となる。
前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合には演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cを消灯状態とする構成において、主側ベット表示部64の各発光部64a~64cは点灯状態に維持される。これにより、前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した後の状況であったとしても、遊技ホールの管理者は主側ベット表示部64を確認することで遊技媒体のベットが行われている状況であるか否かを明確に特定することが可能となる。
<第2区間SC2について>
次に、第2区間SC2について説明する。まず主側MPU72にて実行される遊技区間の第1制御処理について図40のフローチャートを参照しながら説明する。遊技区間の第1制御処理は役の抽選処理(図15)において役の当否判定が完了した後に実行される処理であるステップS511にて実行される。
まず主側RAM74に設けられた第2区間フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1801)。第2区間フラグは遊技区間が第2区間SC2であるか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグであり、第2区間フラグに「1」がセットされている場合が第2区間SC2であり、第2区間フラグの値が「0」である場合が第1区間SC1である。第2区間フラグに「1」がセットされている場合には(ステップS1801:YES)、ステップS1802以降の処理を実行しない。これにより、第2区間SC2である場合にはステップS1804の解除ゲーム数の抽選処理及びステップS1806の移行抽選処理が実行されないことになる。
第2区間フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1801:NO)、今回の役の抽選処理(図15)にていずれかのインデックス値IVに当選したか否かを判定する(ステップS1802)。今回の役の抽選処理(図15)が外れであった場合には(ステップS1802:NO)、ステップS1803~ステップS1809の処理を実行しない。これにより、第1区間SC1であったとしても役の抽選処理(図15)にて外れとなった場合には、ステップS1803の第2区間SC2に設定するための処理、ステップS1804の解除ゲーム数の抽選処理及びステップS1806の移行モードの抽選処理が実行されないことになる。但し、第1区間SC1において役の抽選処理(図15)にて外れとなった場合には非移行対応処理を実行する(ステップS1810)。非移行対応処理については後に説明する。
今回の役の抽選処理(図15)にていずれかのインデックス値IVに当選している場合(ステップS1802:YES)、主側RAM74の第2区間フラグに「1」をセットし、主側RAM74に設けられた継続ゲーム数カウンタ74c(図10参照)及び合計獲得数カウンタ74d(図10参照)のそれぞれを「0」クリアする(ステップS1803)。第2区間フラグに「1」がセットされることで第2区間SC2となる。
継続ゲーム数カウンタ74cは、第1区間SC1を間に挟むことなく第2区間SC2が継続された場合における当該第2区間SC2の開始時からのゲームの実行回数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。第2区間SC2において継続ゲーム数カウンタ74cの値が上限ゲーム数(具体的には1500ゲーム)に対応する値に到達した場合には、AT状態ST5の途中であっても、当該到達したゲームにて第2区間SC2が終了されて、第1区間SC1であって通常遊技状態ST1となる状況に移行する。
合計獲得数カウンタ74dは、第1区間SC1を間に挟むことなく第2区間SC2が継続された場合における当該第2区間SC2の開始時からの遊技媒体の制限付き合計純増枚数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。なお、遊技媒体の制限付き合計純増枚数とは、既に説明したとおり、「第2区間SC2が継続している状況で実行されたゲームにより付与された遊技媒体の合計数(遊技媒体の付与が発生していない状況では「0」)」から「第2区間SC2が継続されている状況でゲームを実行するために消化された遊技媒体の合計数(ゲームが実行されていない状況では「0」)」を減算した値を所定差枚数とした場合において、当該所定差枚数の最小値を所定基準値として、当該所定基準値からの上記所定差枚数の増加分の枚数のことである。第2区間SC2において合計獲得数カウンタ74dの値が上限純増枚数(具体的には2400枚)に対応する値に到達した場合には、AT状態ST5の途中であっても、当該到達したゲームにて第2区間SC2が終了されて、第1区間SC1であって通常遊技状態ST1となる状況に移行する。
その後、解除ゲーム数の抽選処理を実行する(ステップS1804)。解除ゲーム数とは、後述する直撃抽選処理(ステップS2006)及び移行抽選処理(ステップS2011)にてAT状態ST5への移行当選とならない場合においてAT状態ST5への移行が発生するまでに必要なゲーム数である。解除ゲーム数の抽選処理では、まず主側ROM73に予め記憶された解除ゲーム数の抽選テーブルを読み出すとともに、主側RAM74において定期的に更新される抽選カウンタから数値情報を取得する。そして、抽選カウンタから取得した数値情報を解除ゲーム数の抽選テーブルに対して照合することで解除ゲーム数を選択する。この場合、解除ゲーム数として、50ゲーム、100ゲーム、200ゲーム、300ゲーム、400ゲーム、500ゲーム、600ゲーム、700ゲーム及び800ゲームのいずれかが選択される。また、これら各解除ゲーム数の選択確率は同一となっている。但し、これに限定されることはなく、多いゲーム数の解除ゲーム数が選択される確率が高く設定されている構成としてもよく、少ないゲーム数の解除ゲーム数が選択される確率が高く設定されている構成としてもよい。解除ゲーム数の抽選処理を実行した後は、当該解除ゲーム数の抽選処理にて選択した解除ゲーム数を、主側RAM74に設けられた解除ゲーム数カウンタに設定する(ステップS1805)。解除ゲーム数カウンタは主側MPU72にて残りの解除ゲーム数を特定するためのカウンタである。
その後、移行モードの抽選処理を実行する(ステップS1806)。移行モードとは、後述する移行抽選処理(ステップS2011)にてAT状態ST5への移行当選となる期待値を区別するためのモードである。移行モードは複数種類設定されており、具体的にはAT状態ST5への移行当選となる期待値が最も低い第1移行モードと、AT状態ST5への移行当選となる期待値が中間である第2移行モードと、AT状態ST5への移行当選となる期待値が最も高い第3移行モードとが存在している。移行モードの抽選処理では、まず主側ROM73に予め記憶された移行モードの抽選テーブルを読み出すとともに、主側RAM74において定期的に更新される抽選カウンタから数値情報を取得する。そして、抽選カウンタから取得した数値情報を移行モードの抽選テーブルに対して照合することで移行モードを選択する。この場合、各移行モードの選択確率は同一となっている。但し、これに限定されることはなく、第1移行モードが選択される確率が高く設定されている構成としてもよく、第3移行モードが選択される確率が高く設定されている構成としてもよい。移行モードの抽選処理を実行した後は、当該抽選処理にて選択した移行モードの種類に対応する情報を、主側RAM74に設けられた移行モード記憶エリアに記憶する(ステップS1807)。
その後、区間表示部67の点灯処理を実行する(ステップS1808)。区間表示部67の点灯処理では、区間表示部67を消灯状態から点灯状態に切り換える。これにより、第2区間SC2であることの報知が区間表示部67にて開始されることとなる。その後、区間移行コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS1809)。演出側MPU92は区間移行コマンドを受信することにより、遊技区間が第2区間SC2に移行したことに対応する演出が開始されるようにする。また、区間移行コマンドには、ステップS1805にて解除ゲーム数カウンタに設定された解除ゲーム数の情報、及びステップS1807にて移行モード記憶エリアに設定された移行モードの種類に対応する情報が含まれている。
次に、主側MPU72にて実行される遊技区間の第2制御処理について図41のフローチャートを参照しながら説明する。遊技区間の第2制御処理は遊技終了時の対応処理(図29)におけるステップS1006にて実行される。上記のとおり遊技終了時の対応処理は1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行されるため、遊技区間の第2制御処理も1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行される。
主側RAM74の第2区間フラグに「1」がセットされており現状の遊技区間が第2区間SC2である場合(ステップS1901:YES)、主側RAM74のフラグの状態を確認することで現状の遊技状態が終了準備状態ST6であるか否かを判定する(ステップS1902)。終了準備状態ST6は既に説明したとおり、第2区間SC2のエンディング条件が成立することなくAT状態ST5が終了する場合に移行する遊技状態である。
終了準備状態ST6である場合(ステップS1902:YES)、主側RAM74に設けられた終了準備完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1903)。終了準備完了フラグは、終了準備状態ST6において1ゲームが実行されたか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。遊技終了時の対応処理(図29)におけるAT用処理(ステップS1005)では、AT状態ST5が終了する場合に終了準備状態ST6とするためのフラグの設定が行われるとともに終了準備完了フラグが「0」クリアされる。
終了準備完了フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1903:NO)、終了準備完了フラグに「1」をセットした後に(ステップS1904)、ステップS1905以降の処理を実行する。終了準備完了フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1903:YES)、終了準備状態ST6において1ゲームが実行されたことを意味する。この場合、第2区間SC2を終了させるための処理を実行する。
具体的には、まず第2区間SC2の初期化処理を実行する(ステップS1914)。第2区間SC2の初期化処理では主側RAM74の第2区間フラグを「0」クリアする。これにより、遊技区間が第1区間SC1となる。また、第2区間SC2の初期化処理では、AT状態ST5に滞在していたとしても、当該AT状態ST5の残りの継続ゲーム数を記憶するためのカウンタ及び残りのセット回数を記憶するためのカウンタを含めてAT状態ST5であることを示す各種データをクリアすることにより遊技状態を通常遊技状態ST1に移行させる。なお、BB状態ST2、RB状態ST3及びRT状態ST4の途中であっても第2区間SC2の初期化処理が実行されることで第2区間SC2は終了されるが、BB状態ST2、RB状態ST3及びRT状態ST4は終了されることなくそのまま継続される。
その後、区間表示部67を点灯状態から消灯状態に切り換える(ステップS1915)。これにより、区間表示部67における第2区間SC2であることの報知が終了される。その後、第2区間SC2の初期化が行われたことを示す第2区間初期化コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS1916)。これにより、演出側MPU92は第2区間SC2が終了したことに対応する演出が実行されるようにする。
終了準備状態ST6ではない場合(ステップS1902:NO)、又はステップS1904の処理を実行した場合、主側RAM74の継続ゲーム数カウンタ74cの値を1加算する(ステップS1905)。継続ゲーム数カウンタ74cは既に説明したとおり、第1区間SC1を間に挟むことなく第2区間SC2が継続された場合における当該第2区間SC2の開始時からのゲームの実行回数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
その後、1加算後における継続ゲーム数カウンタ74cの値が上限ゲーム数である1500以上となっているか否かを判定する(ステップS1906)。継続ゲーム数カウンタ74cの値が1500以上である場合、第2区間SC2のエンディング条件が成立したことを意味する。この場合、ステップS1906にて肯定判定をして、ステップS1914~ステップS1916における第2区間SC2を終了させるための処理を実行する。ステップS1914~ステップS1916の処理内容は既に説明したとおりである。これにより、第2区間SC2が終了して第1区間SC1となるとともに、AT状態ST5の途中であった場合には当該AT状態ST5は強制的に終了されて通常遊技状態ST1となる。
継続ゲーム数カウンタ74cの値が1500未満である場合(ステップS1906:NO)、今回のゲームにおいて、第1チャンスリプレイ入賞、第2チャンスリプレイ入賞、通常リプレイ入賞及び特殊リプレイ入賞のいずれかのリプレイ入賞が成立したか否かを判定する(ステップS1907)。この場合、今回のゲームが通常遊技状態ST1、BB状態ST2、RB状態ST3、RT状態ST4及びAT状態ST5のいずれの遊技状態であったとしてもステップS1907の判定の対象となる。
いずれのリプレイ入賞も成立していない場合(ステップS1907:NO)、主側RAM74の合計獲得数カウンタ74dから今回のゲームのベット数(すなわちベット数設定カウンタ74aの値)を減算する(ステップS1908)。この場合、前回のゲームにおいてリプレイ入賞が成立しており、今回のゲームが当該リプレイ入賞の成立による再遊技に該当するゲームであったとしても、今回のゲームのベット数(すなわちベット数設定カウンタ74aの値)を合計獲得数カウンタ74dから減算する。
合計獲得数カウンタ74dは既に説明したとおり第1区間SC1を間に挟むことなく第2区間SC2が継続された場合における当該第2区間SC2の開始時からの遊技媒体の制限付きの合計純増枚数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。なお、遊技媒体の制限付き合計純増枚数とは、既に説明したとおり、「第2区間SC2が継続している状況で実行されたゲームにより付与された遊技媒体の合計数(遊技媒体の付与が発生していない状況では「0」)」から「第2区間SC2が継続されている状況でゲームを実行するために消化された遊技媒体の合計数(ゲームが実行されていない状況では「0」)」を減算した値を所定差枚数とした場合において、当該所定差枚数の最小値を所定基準値として、当該所定基準値からの上記所定差枚数の増加分の枚数のことである。
その後、今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生するいずれかの小役入賞(第1~第9補填入賞、第1ベル入賞、第2ベル入賞、特殊ベル入賞、第1スイカ入賞、第2スイカ入賞及びチェリー入賞)が成立したか否かを判定する(ステップS1909)。この場合、今回のゲームが通常遊技状態ST1、BB状態ST2、RB状態ST3、RT状態ST4及びAT状態ST5のいずれの遊技状態であったとしてもステップS1909の判定の対象となる。ステップS1909にて肯定判定をした場合、主側RAM74の合計獲得数カウンタ74dに今回のゲームにて付与された遊技媒体の数を加算する(ステップS1910)。
ステップS1909にて否定判定をした場合、又はステップS1910の処理を実行した場合、主側RAM74の合計獲得数カウンタ74dの値が0以上であるか否かを判定する(ステップS1911)。合計獲得数カウンタ74dの値が0未満である場合(ステップS1911:NO)、合計獲得数カウンタ74dを「0」クリアする(ステップS1912)。
上記のとおりステップS1908にて合計獲得数カウンタ74dから今回のゲーム数のベット数が減算されるため、例えば第2区間SC2に移行した直後の通常遊技状態ST1におけるゲームにおいていずれの小役入賞も成立しなかった場合、合計獲得数カウンタ74dの値は0未満となる。この場合、ステップS1911にて否定判定をすることで、ステップS1912にて合計獲得数カウンタ74dが「0」クリアされる。これにより、「第2区間SC2が継続している状況で実行されたゲームにより付与された遊技媒体の合計数(遊技媒体の付与が発生していない状況では「0」)」から「第2区間SC2が継続されている状況でゲームを実行するために消化された遊技媒体の合計数(ゲームが実行されていない状況では「0」)」を減算した値を所定差枚数とした場合において、当該所定差枚数の最小値を所定基準値として、当該所定基準値からの上記所定差枚数の増加分の枚数である遊技媒体の制限付き合計純増枚数を、合計獲得数カウンタ74dを利用して計測することが可能となる。
ステップS1907にて肯定判定をした場合、ステップS1911にて肯定判定をした場合又はステップS1912の処理を実行した場合、合計獲得数カウンタ74dの値が上限純増枚数である「2400」を超えているか否かを判定する(ステップS1913)。合計獲得数カウンタ74dの値が「2400」を超えている場合、第2区間SC2のエンディング条件が成立したことを意味する。この場合、ステップS1913にて肯定判定をして、ステップS1914~ステップS1916における第2区間SC2を終了させるための処理を実行する。ステップS1914~ステップS1916の処理内容は既に説明したとおりである。これにより、第2区間SC2が終了して第1区間SC1となるとともに、AT状態ST5の途中であった場合には当該AT状態ST5は強制的に終了されて通常遊技状態ST1となる。
ここで、いずれかのリプレイ入賞が成立した場合、ステップS1907にて肯定判定をすることでステップS1908~ステップS1912の処理を実行しない。リプレイ入賞が成立するゲームにおいてはその開始時に遊技者が所有する遊技媒体がベット設定に際して利用されるものの、リプレイ入賞が成立したことによる利益として、当該リプレイ入賞が成立したゲームにおけるベット数と同数のベット数にて新たなゲームの再遊技を行うことが可能となる。つまり、リプレイ入賞が成立したゲームにおいては遊技者が所有する遊技媒体の数が変動していない。この場合に、リプレイ入賞が成立したゲームにおいてはステップS1908~ステップS1912の処理を実行しないようにすることで、遊技者が所有する遊技媒体の数が変動しないゲームにおいては合計獲得数カウンタ74dの値を変化させるための処理の実行を省略することが可能となり、無駄な処理の実行を省くことが可能となる。
その一方、リプレイ入賞が成立したゲームであっても、ステップS1913にて、合計獲得数カウンタ74dの値が上限純増枚数である「2400」を超えているか否かを判定する。これにより、リプレイ入賞が成立したゲームよりも前のゲームにおいて実際には既に合計獲得数カウンタ74dの値が上限純増枚数である「2400」を超えていたにも関わらずノイズなどの原因で第2区間SC2の初期化処理が実行されていなかった場合であっても、その後のリプレイ入賞が成立したゲームにおいて合計獲得数カウンタ74dの値が上限純増枚数である「2400」を超えていることを特定することが可能となり、第2区間SC2の初期化処理が実行されるようにすることが可能となる。
ステップS1913にて否定判定をした場合、エンディング対応処理を実行する(ステップS1917)。エンディング対応処理については後に説明する。
<通常遊技状態ST1について>
次に、通常遊技状態ST1における処理内容ついて説明する。図42は主側MPU72にて実行されるゲーム開始時の有利抽選処理を示すフローチャートである。ゲーム開始時の有利抽選処理は役の抽選処理(図15)において役の当否判定が完了した後であって、遊技区間の第1制御処理(ステップS511)及び停止順報知制御処理(ステップS512)よりも前に実行される処理であるステップS510にて実行される。
まず主側RAM74の第2区間フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2001)。第2区間フラグは既に説明したとおり遊技区間が第2区間SC2であるか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグであり、第2区間フラグに「1」がセットされている場合が第2区間SC2であり、第2区間フラグの値が「0」である場合が第1区間SC1である。第2区間フラグに「1」がセットされていない場合には(ステップS2001:NO)、ステップS2002以降の処理を実行しない。これにより、第1区間SC1である場合には遊技状態をAT状態ST5に移行させるための処理が実行されないことになる。
第2区間フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2001:YES)、現状の遊技状態がAT状態ST5であれば(ステップS2002:YES)、ゲーム開始時のAT状態用処理を実行する(ステップS2003)。当該ゲーム開始時のAT状態用処理は後に説明する。
第2区間フラグに「1」がセットされている場合であって(ステップS2001:YES)、遊技状態がAT状態ST5でもない場合(ステップS2002:NO)、主側RAM74に設けられた第2移行確定フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2004)。第2移行確定フラグは後述する移行抽選処理(ステップS2011)にて既にAT状態ST5への移行当選となっていることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。第2移行確定フラグに「1」がセットされている場合には(ステップS2004:YES)、ステップS2005以降の処理を実行しない。これにより、既にAT状態ST5への移行が確定している状況においては、ステップS2005以降における遊技状態をAT状態ST5に移行させるための処理が実行されないことになる。
第2移行確定フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2004:NO)、主側RAM74に直撃対応の当選データが記憶されているか否かを判定する(ステップS2005)。直撃対応の当選データはチェリー当選データとなっている。つまり、今回のゲームにおける役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=13,18及び20のいずれかで当選となっている場合にステップS2007にて肯定判定をすることになる。ステップS2007にて肯定判定をした場合、直撃抽選処理を実行する(ステップS2006)。直撃抽選処理では、主側ROM73に設けられた直撃抽選用テーブル及び主側RAM74において定期的に更新される抽選カウンタを利用して、今回のゲームの終了時にAT状態ST5に移行させるか否かを抽選により決定する。当該直撃抽選処理にて直撃当選となる確率は任意であるが、本スロットマシン10では25%の確率で直撃当選となる。
直撃抽選処理にて直撃当選となった場合(ステップS2007:YES)、主側RAM74に設けられた第1移行確定フラグに「1」をセットする(ステップS2008)。第1移行確定フラグは直撃当選となったことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。その後、直撃コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2009)。演出側MPU92は直撃コマンドを受信した場合、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63における演出の実行態様を直撃当選となったことに対応する実行態様となるようにする。遊技者は当該演出を確認することにより、直撃当選を契機としたAT状態ST5に移行することを把握することが可能となる。
ステップS2005にて否定判定をした場合又はステップS2007にて否定判定をした場合、今回のゲームにおける役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=10~15,18~21のいずれかで当選となっているか否かを判定する(ステップS2010)。ステップS2010にて肯定判定をした場合、移行抽選処理を実行する(ステップS2011)。
移行抽選処理では、主側ROM73に設けられた移行抽選用テーブル及び主側RAM74において定期的に更新される抽選カウンタを利用して、AT状態ST5に移行させるか否かを抽選により決定する。この場合、移行抽選用テーブルは移行モードの種類に1対1で対応させて設けられている。つまり、第1移行モードに対応する第1移行抽選用テーブルと、第2移行モードに対応する第2移行抽選用テーブルと、第3移行モードに対応する第3移行抽選用テーブルとが設けられている。第1移行モードであり第1移行抽選用テーブルが参照される場合には移行抽選処理(ステップS2011)にてAT状態ST5への移行当選となる期待度は20%である。第1移行抽選用テーブルは、インデックス値IV=10~15,18~21のうち役の抽選処理(図15)にて当選となる確率が低いインデックス値IVほどAT状態ST5の移行当選となる確率が高くように設定されている。第2移行モードであり第2移行抽選用テーブルが参照される場合には移行抽選処理(ステップS2011)にてAT状態ST5への移行当選となる期待度は40%である。第2移行抽選用テーブルは、インデックス値IV=10~15,18~21のうち役の抽選処理(図15)にて当選となる確率が低いインデックス値IVほどAT状態ST5の移行当選となる確率が高くように設定されている。第3移行モードであり第3移行抽選用テーブルが参照される場合には移行抽選処理(ステップS2011)にてAT状態ST5への移行当選となる期待度は60%である。第3移行抽選用テーブルは、インデックス値IV=10~15,18~21のうち役の抽選処理(図15)にて当選となる確率が低いインデックス値IVほどAT状態ST5の移行当選となる確率が高くように設定されている。
移行抽選処理にてAT状態ST5の移行当選となった場合(ステップS2012:YES)、主側RAM74の第2移行確定フラグに「1」をセットする(ステップS2013)。第2移行確定フラグは既に説明したとおり移行抽選処理(ステップS2011)にて既にAT状態ST5への移行当選となっていることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。また、主側RAM74に設けられた移行待機カウンタに移行待機ゲーム数(具体的には5ゲーム)に対応する値をセットする(ステップS2014)。移行待機カウンタは第2移行確定フラグに「1」がセットされてから移行待機ゲーム数(具体的には5ゲーム)が消化されたことを主側MPU72にて特定するためのカウンタである。移行抽選処理(ステップS2011)にて移行当選となることで、第2移行確定フラグに「1」がセットされるだけではなく移行待機カウンタに移行待機ゲーム数に対応する値がセットされる。第2移行確定フラグに「1」がセットされている状況で1ゲームが消化される度に移行待機カウンタの値が1減算される。そして、第2移行確定フラグに「1」がセットされている状況において移行待機カウンタの値が「0」となることで遊技状態がAT状態ST5に移行する。したがって、移行抽選処理(ステップS2011)にて移行当選となった後に移行待機ゲーム数が消化されることでAT状態ST5への移行が発生することとなる。
次に、主側MPU72にて実行される通常用処理について図43のフローチャートを参照しながら説明する。通常用処理は遊技終了時の対応処理(図29)におけるステップS1004にて実行される。上記のとおり遊技終了時の対応処理は1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行されるため、通常用処理も1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行される。なお、既に説明したとおり遊技終了時の対応処理(図29)ではBB状態ST2、RB状態ST3又はRT状態ST4である場合にはステップS1002にて肯定判定をすることで通常用処理(ステップS1004)が実行されない。
主側RAM74の第2区間フラグに「1」がセットされており現状の遊技区間が第2区間SC2である場合(ステップS2101:YES)、主側RAM74の第1移行確定フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2102)。今回のゲームの開始時に実行された直撃抽選処理(ステップS2006)にて直撃当選となっている場合、第1移行確定フラグに「1」がセットされている。
第1移行確定フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2102:YES)、直撃当選となったことに基づきAT状態ST5に移行させるための処理を実行する。具体的には、まず主側RAM74に設けられたセット回数カウンタに直撃時の初期セット回数として「3」をセットする(ステップS2103)。セット回数カウンタは、AT状態ST5の残りのセット回数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。AT状態ST5において残りの継続ゲーム数が「0」となった場合にはAT状態ST5の1セットが終了する。この場合に、セット回数カウンタの値が1以上であれば残りの継続ゲーム数として所定ゲーム数が新たに設定されて新たな1セットが開始され、セット回数カウンタの値が「0」であればAT状態ST5が終了する。
その後、主側RAM74に設けられたAT継続カウンタに直撃時の初期ゲーム数として「100」をセットする(ステップS2104)。AT継続カウンタは、AT状態ST5の実行中の1セットにおける残りの継続ゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。その後、主側RAM74に設けられたAT状態フラグに「1」をセットする(ステップS2105)。AT状態フラグはAT状態ST5であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。その後、AT移行コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2106)。演出側MPU92はAT移行コマンドを受信した場合、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63における演出の実行態様をAT状態ST5に対応する実行態様となるようにする。その後、主側RAM74に設けられた第1出力開始フラグに「1」をセットする(ステップS2107)。第1出力開始フラグはAT状態ST5が開始されることに対応した外部出力を実行すべき状況であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。なお、ステップS2107の処理を実行した場合に第1移行確定フラグを「0」クリアする。
第1移行確定フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2102:NO)、主側RAM74の第2移行確定フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2108)。第2移行確定フラグは既に説明したとおり移行抽選処理(ステップS2011)にて移行当選となったか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
第2移行確定フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2108:YES)、主側RAM74の移行待機カウンタの値を1減算する(ステップS2109)。移行待機カウンタは既に説明したとおり第2移行確定フラグに「1」がセットされてから移行待機ゲーム数(具体的には5ゲーム)が消化されたことを主側MPU72にて特定するためのカウンタである。1減算後における移行待機カウンタの値が「0」である場合(ステップS2110:YES)、非直撃時においてAT状態ST5に移行させるための処理を実行する。また、第2移行確定フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2108:NO)、主側RAM74の解除ゲーム数カウンタの値を1減算し(ステップS2111)、1減算後における解除ゲーム数カウンタの値が「0」である場合にも(ステップS2112:YES)、非直撃時においてAT状態ST5に移行させるための処理を実行する。
非直撃時においてAT状態ST5に移行させるための処理では、まずセット回数の抽選処理を実行する(ステップS2113)。セット回数の抽選処理では、主側ROM73に設けられたセット回数抽選用テーブル及び主側RAM74において定期的に更新される抽選カウンタを利用して、AT状態ST5のセット回数を抽選により決定する。抽選対象となるセット回数は1回、2回及び3回であり、第1移行モードである場合には選択されるセット回数の期待値が1.2回であり、第2移行モードである場合には選択されるセット回数の期待値が1.8回であり、第3移行モードである場合には選択されるセット回数の期待値が2.4回である。そして、セット回数の抽選処理(ステップS2113)にて選択されたセット回数を主側RAM74のセット回数カウンタにセットする(ステップS2114)。
その後、主側RAM74のAT継続カウンタに通常初期ゲーム数として「50」をセットする(ステップS2115)。また、主側RAM74のAT状態フラグに「1」をセットする(ステップS2116)。また、AT移行コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2117)。演出側MPU92はAT移行コマンドを受信した場合、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63における演出の実行態様をAT状態ST5に対応する実行態様となるようにする。その後、主側RAM74の第1出力開始フラグに「1」をセットする(ステップS2118)。なお、ステップS2118の処理を実行した場合に第2移行確定フラグを「0」クリアする。
<AT状態ST5について>
次に、AT状態ST5における処理内容について説明する。図44は主側MPU72にて実行されるゲーム開始時のAT状態用処理を示すフローチャートである。ゲーム開始時のAT状態用処理はゲーム開始時の有利抽選処理(図42)におけるステップS2003にて実行される。
まず主側RAM74に設けられた上乗せ期間カウンタの値が1以上であるか否かを判定することで、現状がAT状態ST5における上乗せ期間であるか否かを判定する(ステップS2201)。上乗せ期間カウンタは、上乗せ期間であるか否か及び当該上乗せ期間の残りの継続ゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。ステップS2201にて肯定判定をした場合、上乗せ期間用処理を実行する(ステップS2215)。上乗せ期間用処理については後に説明する。
上乗せ期間カウンタの値が「0」であり上乗せ期間ではない場合(ステップS2201:NO)、今回のゲームにおける役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=10~15,18~21のいずれかに当選していることを条件として(ステップS2202:YES)、上乗せ期間の移行抽選処理を実行する(ステップS2203)。上乗せ期間の移行抽選処理では、主側ROM73に設けられた上乗せ期間移行抽選用テーブル及び主側RAM74において定期的に更新される抽選カウンタを利用して、AT状態ST5において残りの継続ゲーム数の上乗せが発生し易くなる上乗せ期間に移行させるか否かを抽選により決定する。この場合、役の抽選処理(図15)にて当選となる確率が低いインデックス値IVほど上乗せ期間の移行当選となる確率が高くなっている。
上乗せ期間の移行当選となった場合(ステップS2204:YES)、継続ゲーム数の加算処理を実行する(ステップS2205)。継続ゲーム数の加算処理では、上乗せ期間が継続することとなる継続ゲーム数以上のゲーム数を主側RAM74のAT継続カウンタの値に加算する。具体的には、上乗せ期間は10ゲームに亘って継続することとなるが、ステップS2205では当該10ゲーム以上のゲーム数である20ゲームを主側RAM74のAT継続カウンタの値に加算する。これにより、上乗せ期間の途中でAT状態ST5の残りの継続ゲーム数が「0」となってしまわないようにすることが可能となる。その後、第1加算コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2206)。第1加算コマンドは上乗せ期間への移行に際してのゲーム数の上乗せが発生したことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。また、第1加算コマンドには今回上乗せの対象となったゲーム数である20ゲームの情報が含まれている。演出側MPU92は第1加算コマンドを受信した場合、上乗せ期間への移行に際してのゲーム数の上乗せが発生したことを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されるようにする。その後、主側RAM74に設けられた上乗せ当選フラグに「1」をセットする(ステップS2207)。上乗せ当選フラグは、上乗せ期間の移行抽選処理(ステップS2203)にて上乗せ期間の移行当選となったことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
上乗せ期間の移行抽選処理(ステップS2203)にて上乗せ期間の移行当選とならなかった場合(ステップS2204:NO)、今回のゲームにおける役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=10で当選となっているか否かを判定する(ステップS2208)。インデックス値IV=10には既に説明したとおり第1ベル当選データ及び特殊ベル当選データが設定されている。ステップS2208にて肯定判定をした場合、セット回数の加算処理を実行する(ステップS2209)。具体的には、主側RAM74のセット回数カウンタにレア役当選時のセット回数として「3」を加算する。つまり、AT状態ST5において役の抽選処理(図15)にて最も当選確率が低いインデックス値IV=10に当選した場合にはAT状態ST5の残りのセット回数が確実に増加することとなるとともに、その増加回数は直撃時の初期セット回数と同数の「3」である。これにより、AT状態ST5において役の抽選処理(図15)にて最も当選確率が低いインデックス値IV=10に当選することの有利度を高めることが可能となる。
その後、第2加算コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2210)。第2加算コマンドは残りのセット回数の上乗せが発生したことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。また、第2加算コマンドには今回上乗せの対象となったセット回数である「3」の情報が含まれている。演出側MPU92は第2加算コマンドを受信した場合、「3」のセット回数が付与されたことを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されるようにする。
ステップS2208にて否定判定をした場合、第1上乗せ抽選処理を実行する(ステップS2211)。第1上乗せ抽選処理では、主側ROM73に設けられた第1上乗せ抽選用テーブル及び主側RAM74において定期的に更新される抽選カウンタを利用して、AT状態ST5の残りのセット回数が増加することとなる上乗せを発生させるか否かを抽選により決定する。第1上乗せ抽選処理にて選択され得るセット回数は、0回、1回及び2回のいずれかである。この場合、役の抽選処理(図15)にて当選となる確率が低いインデックス値IVほど、1回以上のセット回数が選択される確率が高くなるとともに選択されるセット回数の期待値が大きい値となる。
第1上乗せ抽選処理にて1回又は2回のセット回数が選択された場合(ステップS2212:YES)、第1上乗せ抽選処理にて選択されたセット回数を主側RAM74のセット回数カウンタに加算する(ステップS2213)。その後、第3加算コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2214)。第3加算コマンドは残りのセット回数の上乗せが発生したことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。また、第3加算コマンドには今回上乗せの対象となったセット回数の情報が含まれている。演出側MPU92は第3加算コマンドを受信した場合、今回上乗せの対象となったセット回数が付与されたことを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されるようにする。
次に、主側MPU72にて実行されるAT用処理について図45のフローチャートを参照しながら説明する。AT用処理は遊技終了時の対応処理(図29)におけるステップS1005にて実行される。上記のとおり遊技終了時の対応処理は1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行されるため、AT用処理も1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行される。
まず主側RAM74のAT継続カウンタの値を1減算する(ステップS2301)。その後、主側RAM74の上乗せ期間カウンタの値が1以上であるか否かを判定することで、現状が上乗せ期間であるか否かを判定する(ステップS2302)。
上乗せ期間カウンタの値が「0」であり上乗せ期間ではない場合(ステップS2302:NO)、主側RAM74の上乗せ当選フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2303)。今回のゲームの開始時に上乗せ期間の移行抽選処理(ステップS2203)にて上乗せ期間の移行当選となっている場合に、上乗せ当選フラグに「1」がセットされている。
上乗せ当選フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2303:YES)、上乗せ期間の設定処理を実行する(ステップS2304)。上乗せ期間の設定処理では、主側RAM74の上乗せ期間カウンタに上乗せ期間の初期継続ゲーム数である10ゲームに対応する値をセットする。その後、上乗せ当選フラグを「0」クリアした後に(ステップS2305)、上乗せ期間の開始コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2306)。上乗せ期間の開始コマンドは上乗せ期間に移行したことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。演出側MPU92は上乗せ期間の開始コマンドを受信した場合、上乗せ期間が開始されたことを示す演出及び上乗せ期間であることを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されるようにする。
その後、フリーズカウンタの設定処理を実行する(ステップS2307)。フリーズカウンタの設定処理では、主側RAM74に設けられたフリーズカウンタに上乗せ期間移行時のフリーズ期間(具体的には5秒)をセットする。フリーズカウンタにセットされたフリーズ期間はタイマ割込み処理(図12)が起動される度に、ステップS208のタイマ減算処理にて減算される。フリーズカウンタの値が1以上である場合には、主側RAM74に設けられたいずれかのエンディングフラグに「1」がセットされていないことを条件として、通常処理(図13)のステップS317にて否定判定をすることで当該ステップS317にて待機する。ステップS317の処理が実行されるタイミングはリール制御処理(ステップS313)、遊技終了時の対応処理(ステップS314)及び媒体付与処理(ステップS315)を実行した後のタイミングである。したがって、上乗せ期間への移行設定が行われた場合には、基本的に当該移行設定が行われたゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が停止して遊技状態の移行処理及び媒体付与処理が完了してから上乗せ期間移行のフリーズ期間が経過するまでは新たなゲームを開始することができない状況となる。そして、当該上乗せ期間移行のフリーズ期間において上乗せ期間が開始されることを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されるため、上乗せ期間が開始されることを遊技者に認識させることが可能となる。
上乗せ期間カウンタの値が1以上であり上乗せ期間である場合(ステップS2302:YES)、当該上乗せ期間カウンタの値を1減算する(ステップS2308)。そして、その1減算後における上乗せ期間カウンタの値が「0」となった場合(ステップS2309:YES)、上乗せ期間の終了コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2310)。上乗せ期間の終了コマンドは上乗せ期間が終了したことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。演出側MPU92は上乗せ期間の終了コマンドを受信した場合、上乗せ期間が終了したことを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されるようにする。
ステップS2303にて否定判定をした場合、ステップS2307の処理を実行した場合、ステップS2309にて否定判定をした場合又はステップS2310の処理を実行した場合、主側RAM74のAT継続カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS2311)。AT継続カウンタの値が「0」となっている場合(ステップS2311:YES)、主側RAM74のセット回数カウンタの値を1減算する(ステップS2312)。そして、その1減算後におけるセット回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS2313)。
セット回数カウンタの値が1以上である場合(ステップS2313:NO)、AT状態ST5の新たなセットを開始させるための処理を実行する。具体的には、まず主側RAM74のAT継続カウンタに新たなセットの初期継続ゲーム数として「50」をセットする(ステップS2314)。その後、AT継続コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2315)。AT継続コマンドはAT状態ST5の新たなセットが開始されたことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。演出側MPU92はAT継続コマンドを受信した場合、AT状態ST5の新たなセットが開始されたことを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されるようにする。
その後、主側RAM74に設けられた第2出力開始フラグに「1」をセットする(ステップS2316)。第2出力開始フラグは、AT状態ST5の新たなセットが開始されることに対応した外部出力を実行すべき状況であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。また、AT信号のOFF設定処理を実行するとともに(ステップS2317)、OFF継続カウンタの設定処理を実行する(ステップS2318)。これらステップS2317及びステップS2318の処理については後に説明する。
セット回数カウンタの値が「0」である場合(ステップS2313:YES)、終了準備状態ST6の設定処理を実行する(ステップS2319)。当該設定処理では、主側RAM74に設けられた終了準備状態フラグに「1」をセットする。終了準備状態フラグは終了準備状態ST6であることを主側MPU72にて特定するためのフラグであり、終了準備状態フラグに「1」がセットされることで遊技状態が終了準備状態ST6となる。また、主側RAM74の終了準備完了フラグを「0」クリアする(ステップS2320)。終了準備完了フラグは既に説明したとおり終了準備状態ST6において1ゲームが実行されたか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
終了準備状態ST6では既に説明したとおり、遊技区間の第2制御処理(図41)におけるステップS1902にて肯定判定をして、終了準備完了フラグに「1」がセットされていない場合には(ステップS1903:NO)、終了準備完了フラグに「1」をセットした後に第2区間SC2のエンディング条件の成立の有無を特定するための処理を実行し、今回のゲームにおける遊技区間の第2制御処理(図41)を終了する。一方、終了準備完了フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1903:YES)、第2区間SC2を終了させて第1区間SC1に移行させるための処理を実行する(ステップS1914~ステップS1916)。これにより、AT状態ST5が終了したゲームの次のゲームが終了する場合に第2区間SC2が終了することとなる。
AT用処理(図45)においてステップS2320の処理を実行した後は、主側RAM74のAT状態フラグを「0」クリアする(ステップS2321)。これにより、AT状態ST5が終了して、遊技状態が通常遊技状態ST1となる。また、AT状態ST5が終了したことを示すAT終了コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2322)。演出側MPU92はAT終了コマンドを受信した場合、AT状態ST5が終了したことを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されるようにする。その後、主側RAM74の外部出力終了フラグに「1」をセットする(ステップS2323)。外部出力終了フラグは、AT状態ST5が終了して通常遊技状態ST1に移行することに対応する外部出力の状態とすべき状況であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
<上乗せ期間について>
次に、AT状態ST5における上乗せ期間についてより詳細に説明する。
上乗せ期間においてはゲーム開始時のAT状態用処理(図44)においてステップS2201にて肯定判定をすることでステップS2215の上乗せ期間用処理が実行される。当該上乗せ期間用処理では詳細は後述するが、各ゲームにおいてAT状態ST5のセット回数の上乗せを発生させるか否かの抽選が実行され、当選となった場合にはセット回数が加算される。そして、セット回数が加算される場合にはそれに対応する演出が実行され得る。この場合に当該演出の実行態様を決定付ける演出モードが複数種類設定されている。
図46は上乗せ期間における演出モードの内容を説明するための説明図である。
図46に示すように上乗せ期間における演出モードとして第1演出モードと第2演出モードと第3演出モードとが設定されている。これら第1~第3演出モードは、セット回数の上乗せ当選となった場合に上乗せ対象となったセット回数を報知するか否か、及び上乗せ期間中のフリーズ期間が発生しない状況においてセット回数の上乗せ当選となったことを遊技者に認識可能とさせる報知が実行されるか否かによって相違している。
つまり、上乗せ期間においてセット回数の上乗せ当選となった場合、上乗せ対象となるセット回数は1回、2回及び3回のいずれかである。当該構成においてセット回数の上乗せ当選となり当該上乗せ当選となったことが報知される場合に、その際に選択されたセット回数まで遊技者に報知されるようにするか否かが第1~第3演出モードにおいて相違している。
上乗せ期間においてセット回数の上乗せが発生したことを示す報知が実行される場合、演出効果を高めるために比較的大きな音による上乗せ対応音声がスピーカ62から出力される。この場合に、リール32L,32M,32Rの停止順序が報知されている状況で当該上乗せ対応音声が急に出力されると、それにビックリした遊技者がリール32L,32M,32Rの停止順序を間違ってしまうおそれがある。したがって、上乗せ期間においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される状況でセット回数の上乗せ当選となった場合には主側MPU72による制御により基本的に途中フリーズ期間が発生する。当該途中フリーズ期間においては遊技者の操作に対するリール32L,32M,32Rの制御が阻止される。そして、当該途中フリーズ期間において上乗せ対応音声が出力される。これにより、上乗せ対応音声に遊技者がビックリしたとしてもそのタイミングでは遊技者の操作に対するリール32L,32M,32Rの制御が阻止されているためリール32L,32M,32Rの停止順序を間違えてしまう可能性が低減される。
これに対して、リール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない状況においてセット回数の上乗せ当選となることがある。このような状況において上乗せ対応音声が出力されることで遊技者がビックリしたとしても、リール32L,32M,32Rの停止順序は任意であるためリール32L,32M,32Rの停止順序を間違えてしまうことはない。したがって、当該状況において途中フリーズ期間は発生しない。そして、当該状況においてセット回数の上乗せ当選となったことの報知が実行されるようにするか否かが第1~第3演出モードにおいて相違している。
第1演出モードはセット回数の上乗せ当選となったことが報知される場合に上乗せ対象となったセット回数が報知されるモードであって、途中フリーズ期間が発生しない状況であってもセット回数の上乗せ当選となったことの報知が実行されるモードである。第2演出モードはセット回数の上乗せ当選となったことが報知される場合に上乗せ対象となったセット回数が報知されないモードであって、途中フリーズ期間が発生しない状況であってもセット回数の上乗せ当選となったことの報知が実行されるモードである。第3演出モードはセット回数の上乗せ当選となったことが報知される場合に上乗せ対象となったセット回数が報知されるモードであって、途中フリーズ期間が発生しない状況においてセット回数の上乗せ当選となったことの報知が実行されないモードである。
上乗せ期間への移行が発生する場合には既に説明したとおり基本的に上乗せ期間移行時のフリーズ期間が発生する。当該上乗せ期間移行時のフリーズ期間はリール32L,32M,32Rの回転が停止した後に発生するため当該上乗せ期間移行時のフリーズ期間が経過するまでは新たなゲームを開始することができない。また、上乗せ期間移行時のフリーズ期間においては上乗せ期間が開始されることを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行される。当該上乗せ期間移行時のフリーズ期間が経過した後に上乗せ期間における最初のゲームを開始させることが可能となるが、このタイミングで画像表示装置63では上乗せ期間における演出モードを第1~第3演出モードのいずれにするのかを決定するための画像表示が行われる。
図47(a)~図47(d)は演出モードを第1~第3演出モードのいずれにするのかを決定するための画像表示を説明するための説明図である。図47(a)に示すようにモード決定用画像G1には選択対象となっている演出モードの種類を示す選択対象モード画像G2と、選択対象モード画像G2において選択対象となっている演出モードが次の種類の演出モードに切り換えられるまでの残り切り換え期間を示す切り換え期間画像G3と、演出モードの種類を決定するための操作を示唆する操作示唆画像G4とが含まれている。
選択対象モード画像G2には第1演出モードに対応する「モード1」という第1対応画像と、第2演出モードに対応する「モード2」という第2対応画像と、第3演出モードに対応する「モード3」という第3対応画像とが表示される。これら各対応画像は環状に並んでいるように表示される。また、これら対応画像のうち最も手前に表示されている対応画像に対応する演出モードの種類が選択対象となり、最も手前に表示される対応画像は残り切り換え期間が経過する度に所定の順序で変更される。具体的には、図47(a)に示すように第1対応画像が最も手前に表示されている状況において残り切り換え期間が経過した場合には、図47(b)に示すように最も手前に表示される画像が第2対応画像に変更される。そして、次に残り切り換え期間が経過した場合には最も手前に表示される画像が第3対応画像に変更され、さらに残り切り換え期間が経過した場合には最も手前に表示される画像が第1対応画像に戻る。
切り換え期間画像G3には残り切り換え期間の長さを遊技者に認識可能とさせる画像が表示される。具体的には、切り換え期間画像G3ではゲージ表示が行われ、残り切り換え期間が短くなるほどゲージ表示の長さ寸法が小さくなる。なお、残り切り換え期間は3秒に設定されているが任意である。
操作示唆画像G4では演出モードの種類を決定するための操作がスタートレバー41の操作であることを示す文字画像が表示される。スタートレバー41が操作されてゲームの開始契機が発生した場合にそのタイミングで選択対象モード画像G2において最も手前に表示されている対応画像に対応する種類の演出モードが、今回の上乗せ期間において選択された種類の演出モードとなる。例えば図47(a)に示す状況でスタートレバー41が操作されてゲームの開始契機が発生した場合には今回の上乗せ期間で発生する演出モードが第1演出モードとなり、例えば図47(b)に示す状況でスタートレバー41が操作されてゲームの開始契機が発生した場合には今回の上乗せ期間で発生する演出モードが第2演出モードとなる。
ここで、上記のようにスタートレバー41が操作されてゲームの開始契機が発生したタイミングで選択対象モード画像G2において最も手前に表示される対応画像に対応する種類の演出モードが今回の上乗せ期間で発生する種類の演出モードとなる構成においては、メダル投入口45へのメダルの投入又はクレジット投入ボタン47の操作によるベット設定によって、そのタイミングで選択対象となっている対応画像に対応する種類の演出モードに決定されると勘違いする遊技者が現れてしまうおそれがある。当該遊技者はベット設定を行った時点で演出モードの種類を決定したと勘違いしているため、その後のスタートレバー41の操作タイミングが所望とする種類の演出モードとは異なる種類の演出モードが選択対象となっているタイミングとなってしまうおそれがある。特に、所望とする種類の演出モードが選択対象となっている残り切り換え期間があと僅かなタイミングでベット設定を行い即座にスタートレバー41を操作した場合、所望とする種類の演出モードとは異なる種類の演出モードに決定されてしまう可能性が高くなる。
これに対して、本スロットマシン10ではベット設定が行われたタイミングで、その時点で選択対象となっている種類の演出モードに対する残り切り換え期間を初期値に再セットする構成となっている。具体的には、図47(c)に示すように選択対象モード画像G2において第2対応画像が最も手前に表示されているとともに切り換え期間画像G3に表示されている残り切り換え期間が初期値の1/5である状況においてベット設定が行われた場合には、図47(d)に示すように選択対象モード画像G2において第2対応画像が最も手前に表示されている状態を維持しながら切り換え期間画像G3に表示されている残り切り換え期間を初期値に戻す。これにより、ベット設定が演出モードの種類の決定操作であると遊技者が勘違いしていたとしても、所望の種類の演出モードが今回の上乗せ期間の演出モードとして決定され得るようにすることが可能となる。
以下、上記のように演出モードが決定されるようにするための処理構成について説明する。図48は演出側MPU92にて実行される演出モードの選択処理を示すフローチャートである。なお、演出モードの選択処理は後述するAT中の演出制御処理(図56)において実行される。
まず演出側RAM94に設けられた選択期間フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、演出モードの選択期間であるか否かを判定する(ステップS2401)。選択期間フラグは演出モードの選択期間であるか否かを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。選択期間フラグに「1」がセットされておらず演出モードの選択期間ではない場合(ステップS2401:NO)、演出側RAM94に設けられた開始演出フラグに「1」がセットされているのに対して演出側RAM94に設けられた演出制御カウンタの値が「0」であるか否かを判定することで、演出モードの選択期間の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS2402)。開始演出フラグは、主側MPU72から上乗せ期間の開始コマンドを受信することで開始される上乗せ期間の開始演出が開始された後の状況であるか否かを演出側MPU92にて特定するためのフラグであり、演出制御カウンタは、各種演出の切り換えタイミングを演出側MPU92にて特定するためのカウンタである。
ステップS2402にて否定判定をした場合、主側MPU72から上乗せ期間の開始コマンドを受信していることを条件として(ステップS2403:YES)、上乗せ期間の開始演出を開始させるための処理を実行する。具体的には、まず上乗せ期間の開始演出用テーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS2404)。上乗せ期間の開始演出用テーブルは、上乗せ期間の開始演出を実行させるための各種データが設定されたテーブルである。演出側MPU92は当該上乗せ期間の開始演出用テーブルに従って上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63を制御することにより、これら上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて上乗せ期間の開始演出が実行されるようにする。また、演出側RAM94の演出制御カウンタに開始演出基準値をセットするとともに(ステップS2405)、演出側RAM94の開始演出フラグに「1」をセットする。開始演出基準値は、上乗せ期間に移行する場合に主側MPU72において設定される上乗せ期間移行時のフリーズ期間(具体的には5秒)に対応している。また、上乗せ期間の開始演出用テーブルに設定されている各種データは当該上乗せ期間移行時のフリーズ期間に亘って上乗せ期間の開始演出を実行することを可能とするデータとなっている。これにより、上乗せ期間移行時のフリーズ期間に亘って上乗せ期間の開始演出が実行されることになる。
演出制御カウンタにセットされた値は定期的(例えば4ミリ秒)に減算される。そして、ステップS2405にて演出制御カウンタに開始演出基準値がセットされた後において当該演出制御カウンタの値が「0」となった場合、上乗せ期間の開始演出が終了したことを意味する。なお、当該タイミングで主側MPU72における上乗せ期間移行時のフリーズ期間も終了する。演出側RAM94の開始演出フラグに「1」がセットされているのに対して演出側RAM94の演出制御カウンタの値が「0」である場合、ステップS2402にて肯定判定をして、演出モードの選択期間を開始させるための処理を実行する。
具体的には、まず演出モードの選択期間用テーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS2407)。演出モードの選択期間用テーブルは、演出モードの選択期間に対応する演出を実行させるための各種データが設定されたテーブルである。演出側MPU92は当該演出モードの選択期間用テーブルに従って上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63を制御することにより、これら上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて演出モードの選択期間に対応する演出が実行されるようにする。この場合、画像表示装置63では図47(a)~図47(d)に示すモード決定用画像G1が表示される。
その後、演出側RAM94に設けられた対象演出カウンタを「0」クリアする(ステップS2408)。対象演出カウンタは、モード決定用画像G1における選択対象モード画像G2において選択対象となっている演出モードを演出側MPU92にて特定するためのカウンタである。対象演出カウンタの値が「0」である場合、選択対象モード画像G2において選択対象となっている演出モードは第1演出モードとなり、対象演出カウンタの値が「1」である場合、選択対象モード画像G2において選択対象となっている演出モードは第2演出モードとなり、選択対象カウンタの値が「2」である場合、選択対象モード画像G2において選択対象となっている演出モードは第3演出モードとなる。なお、上記演出モードの選択期間用テーブルには各演出モードが選択対象となっていることに対応する選択対象モード画像G2を画像表示装置63に表示させるためのデータが設定されており、演出側MPU92はこれらデータのうち選択対象カウンタの値に対応するデータに基づいて画像表示装置63の表示制御を実行することにより、現状の選択対象となっている演出モードの種類に対応する選択対象モード画像G2が表示されるようにする。
その後、演出側RAM94の演出制御カウンタに切換基準値をセットし(ステップS2409)、さらに演出側RAM94の選択期間フラグに「1」をセットするとともに演出側RAM94の開始演出フラグを「0」クリアする(ステップS2410)。切換基準値は、選択対象モード画像G2において選択対象となっている演出モードが次の種類の演出モードに切り換えられるまでの残り切り換え期間(具体的には3秒)に対応している。演出制御カウンタにセットされた値は定期的(例えば4ミリ秒)に減算される。
演出側RAM94の選択期間フラグに「1」がセットされている場合、ステップS2401にて肯定判定をして選択期間中の処理を実行する。具体的には、主側MPU72からベット設定コマンドを受信しているか否かを判定するとともに(ステップS2411)、主側MPU72からクレジット増加コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS2412)。ベット設定コマンドは既に説明したとおり主側MPU72の開始待ち処理(図14)においてメダル投入口45へのメダルの投入に基づきベット設定が行われた場合、又はクレジット投入ボタン47の操作に基づきベット設定が行われた場合に主側MPU72から送信されるコマンドである(ステップS404、ステップS408)。また、クレジット増加コマンドは既に説明したとおり主側MPU72の開始待ち処理(図14)においてメダル投入口45へのメダルの投入に基づき主側RAM74のクレジットカウンタ74bの値が1加算された場合に主側MPU72から送信されるコマンドである(ステップS410)。
主側MPU72からベット設定コマンドを受信している場合(ステップS2411:YES)、又は主側MPU72からクレジット増加コマンドを受信している場合(ステップS2412:YES)、選択対象モード画像G2において選択対象となっている演出モードの種類について、残り切り換え期間を再セットするための処理を実行する。当該処理では、演出側RAM94の演出制御カウンタに切換基準値をセットした後に(ステップS2413)、再セット調整処理を実行する(ステップS2414)。再セット調整処理では、演出モードの選択期間用テーブルにおいて切り換え期間画像G3を表示させるためのデータを、当該切り換え期間画像G3に表示されている残り切り換え期間を初期値に戻すデータに調整する。これにより、図47(c)に示すように切り換え期間画像G3において残り切り換え期間が途中まで減少している画像が表示されている状況であったとしても、図47(d)に示すように選択対象モード画像G2において最も手前に表示されている対応画像の種類を変更させることなく切り換え期間画像G3に表示されている残り切り換え期間が初期値に戻される。
演出側RAM94の選択期間フラグに「1」がセットされている場合であって主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信している場合(ステップS2415:YES)、演出側RAM94の対象演出カウンタの値に対応する上乗せ期間用テーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出し(ステップS2416)、演出側RAM94の選択期間フラグを「0」クリアする(ステップS2417)。ゲーム開始コマンドは既に説明したとおり主側MPU72における役の抽選処理(図15)において役の抽選が完了した後に主側MPU72から送信されるコマンドである(ステップS513)。役の抽選処理(図15)はスタートレバー41が操作されたことに基づきゲームの開始契機が発生した場合に実行されるため、ゲーム開始コマンドは当該開始契機が発生した場合に送信される。そして、当該ゲーム開始コマンドを主側MPU72から受信した場合に演出側MPU92にてステップS2416及びステップS2417の処理が実行されることにより、スタートレバー41が操作されたことに基づきゲームの開始契機が発生した場合に演出モードの選択期間が終了するとともにその時点で選択対象モード画像G2において選択対象となっている演出モードの種類が、今回の上乗せ期間において実行対象として決定された演出モードの種類となる。
演出側RAM94の選択期間フラグに「1」がセットされている場合であって演出側RAM94の演出制御カウンタの値が「0」となっている場合(ステップS2418:YES)、選択対象モード画像G2において選択対象となっている演出モードが次の種類の演出モードに切り換えられるまでの残り切り換え期間が経過したことを意味する。この場合、演出側RAM94の対象演出カウンタの値を1加算するとともに(ステップS2419)、その1加算後における対象演出カウンタの値が「2」を超えた場合には(ステップS2420:YES)、当該対象演出カウンタを「0」クリアする(ステップS2421)。これにより、残り切り換え期間が経過した場合には選択対象モード画像G2において選択対象となっている演出モードが次の種類の演出モードに切り換えられる。
図49は演出モードの選択期間において上乗せ期間にて実行対象となる演出モードの種類が決定される様子を示すタイムチャートである。図49(a)は演出モードの選択期間である状況を示し、図49(b)は選択対象モード画像G2において第1演出モードが選択対象となっている期間を示し、図49(c)は選択対象モード画像G2において第2演出モードが選択対象となっている期間を示し、図49(d)は選択対象モード画像G2において第3演出モードが選択対象となっている期間を示し、図49(e)は演出側RAM94の演出制御カウンタを利用して計測されている残り切り換え期間を示し、図49(f)はスタートレバー41の操作タイミングを示し、図49(g)は主側RAM74のベット数設定カウンタ74a又はクレジットカウンタ74bの値が増加したタイミングを示す。
まず前回のゲームでリプレイ入賞(具体的には第1チャンスリプレイ入賞又は第2チャンスリプレイ入賞)が成立し、その次のゲームで上乗せ期間が開始される場合について説明する。
前回のゲームにおける役の抽選処理(図15)においてインデックス値IV=14又は15に当選し、上乗せ期間の移行抽選処理(ステップS2203)にて上乗せ期間の移行当選となった場合、第1チャンスリプレイ入賞又は第2チャンスリプレイ入賞が成立したゲームで上乗せ期間に移行させるための処理が実行される。そして、上乗せ期間移行時のフリーズ期間が経過するt1のタイミングで図49(a)に示すように演出モードの選択期間が開始される。この場合、画像表示装置63では図47(a)に示すようにモード決定用画像G1の表示が開始される。また、モード決定用画像G1の表示が開始されたタイミングにおいては図49(b)に示すように選択対象が第1演出モードとなっており、選択対象モード画像G2において最も手前には第1演出モードに対応する第1対応画像が表示される。また、当該t1のタイミングで図49(e)に示すように演出側RAM94の演出制御カウンタに残り切り換え期間の初期値がセットされ、当該残り切り換え期間の計測が開始される。
その後、t2のタイミング、t3のタイミング及びt4のタイミングのそれぞれで図49(e)に示すように演出制御カウンタの値が「0」となる。つまり、これら各タイミングで残り切り換え期間の計測が完了する。したがって、t2のタイミングでは図49(b)及び図49(c)に示すように選択対象が第1演出モードから第2演出モードに変更される。この場合、選択対象モード画像G2において最も手前に表示される対応画像は第1演出モードに対応する第1対応画像から第2演出モードに対応する第2対応画像に変更される。また、t3のタイミングでは図49(c)及び図49(d)に示すように選択対象が第2演出モードから第3演出モードに変更される。この場合、選択対象モード画像G2において最も手前に表示される対応画像は第2演出モードに対応する第2対応画像から第3演出モードに対応する第3対応画像に変更される。また、t4のタイミングでは図49(b)及び図49(d)に示すように選択対象が第3演出モードから第1演出モードに変更される。この場合、選択対象モード画像G2において最も手前に表示される対応画像は第3演出モードに対応する第3対応画像から第1演出モードに対応する第1対応画像に変更される。
その後、t5のタイミングで図49(f)に示すようにベット上限数の遊技媒体がベットされている状況においてスタートレバー41が操作される。したがって、ゲームの開始契機が発生する。当該t5のタイミングにおいて選択対象となっている演出モードの種類は図49(b)に示すように第1演出モードである。したがって、今回の上乗せ期間において実行対象となる演出モードの種類は第1演出モードとなる。そして、演出の実行対象が第1演出モードである上乗せ期間が開始される。
次に、前回のゲームでリプレイ入賞が成立することなく、その次のゲームで上乗せ期間が開始される場合について説明する。
前回のゲームにおける役の抽選処理(図15)においてインデックス値IV=10~13,18~21に当選し、上乗せ期間の移行抽選処理(ステップS2203)にて上乗せ期間の移行当選となった場合、リプレイ入賞が成立しなかったゲームで上乗せ期間に移行させるための処理が実行される。そして、上乗せ期間移行時のフリーズ期間が経過するt6のタイミングで図49(a)に示すように演出モードの選択期間が開始される。この場合、画像表示装置63では図47(a)に示すようにモード決定用画像G1の表示が開始される。また、モード決定用画像G1の表示が開始されたタイミングにおいては図49(b)に示すように選択対象が第1演出モードとなっており、選択対象モード画像G2において最も手前には第1演出モードに対応する第1対応画像が表示される。また、当該t1のタイミングで図49(e)に示すように演出側RAM94の演出制御カウンタに残り切り換え期間の初期値がセットされ、当該残り切り換え期間の計測が開始される。
その後、t7のタイミングで図49(e)に示すように演出制御カウンタの値が「0」となる。つまり、当該t7のタイミングで残り切り換え期間の計測が完了する。したがって、t7のタイミングでは図49(b)及び図49(c)に示すように選択対象が第1演出モードから第2演出モードに変更される。この場合、選択対象モード画像G2において最も手前に表示される対応画像は第1演出モードに対応する第1対応画像から第2演出モードに対応する第2対応画像に変更される。
その後、図49(e)に示すように残り切り換え期間の計測が完了する前のタイミングであるt8のタイミングで図49(g)に示すように主側RAM74のベット数設定カウンタ74a又はクレジットカウンタ74bの値が増加する。つまり、メダル投入口45へのメダルの投入によるベット設定若しくは仮想メダルの増加、又はクレジット投入ボタン47の操作によるベット設定が発生する。この場合、図49(c)に示すように選択対象となる演出モードが第2演出モードに維持された状況で、図49(e)に示すように残り切り換え期間の初期値が再セットされる。
その後、t9のタイミングで図49(f)に示すようにベット上限数の遊技媒体がベットされている状況においてスタートレバー41が操作される。したがって、ゲームの開始契機が発生する。当該t9のタイミングにおいて選択対象となっている演出モードの種類は図49(c)に示すように第2演出モードである。したがって、今回の上乗せ期間において実行対象となる演出モードの種類は第2演出モードとなる。そして、演出の実行対象が第2演出モードである上乗せ期間が開始される。
上記のとおりベット設定が行われたタイミングで、その時点で選択対象となっている種類の演出モードに対する残り切り換え期間が初期値に再セットされる。これにより、ベット設定が演出モードの種類の決定操作であると遊技者が勘違いしていたとしても、所望の種類の演出モードが今回の上乗せ期間の演出モードとして決定され得るようにすることが可能となる。
また、ベット設定が行われなかったとしてもメダル投入口45へのメダルの投入に基づき仮想メダルが増加した場合にも、その時点で選択対象となっている種類の演出モードに対する残り切り換え期間が初期値に再セットされる。これにより、メダル投入口45へのメダルの投入が演出モードの種類の決定操作であると遊技者が勘違いしていたとしても、所望の種類の演出モードが今回の上乗せ期間の演出モードとして決定され得るようにすることが可能となる。
次に、主側MPU72にて実行される上乗せ期間用処理について図50のフローチャートを参照しながら説明する。なお、上乗せ期間用処理はゲーム開始時のAT状態用処理(図44)におけるステップS2215にて実行される。
まず第2上乗せ抽選処理を実行する(ステップS2501)。第2上乗せ抽選処理では、主側ROM73に設けられた第2上乗せ抽選用テーブル及び主側RAM74において定期的に更新される抽選カウンタを利用して、AT状態ST5の残りのセット回数が増加することとなる上乗せを発生させるか否かを抽選により決定する。第2上乗せ抽選処理では、インデックス値IV=10~15,18~21以外のインデックス値IVに当選している場合又はいずれのインデックス値IVにも当選していない場合、30%の確率で1セットの上乗せが選択され、10%の確率で2セットの上乗せが選択され、10%の確率で3セットの上乗せが選択される。インデックス値IV=10に当選している場合、10%の確率で1セットの上乗せが選択され、30%の確率で2セットの上乗せが選択され、60%の確率で3セットの上乗せが選択される。インデックス値IV=11に当選している場合、50%の確率で1セットの上乗せが選択され、25%の確率で2セットの上乗せが選択され、25%の確率で3セットの上乗せが選択される。インデックス値IV=12に当選している場合、60%の確率で1セットの上乗せが選択され、20%の確率で2セットの上乗せが選択され、20%の確率で3セットの上乗せが選択される。インデックス値IV=13に当選している場合、20%の確率で1セットの上乗せが選択され、40%の確率で2セットの上乗せが選択され、40%の確率で3セットの上乗せが選択される。インデックス値IV=14に当選している場合、30%の確率で1セットの上乗せが選択され、35%の確率で2セットの上乗せが選択され、35%の確率で3セットの上乗せが選択される。インデックス値IV=15に当選している場合、50%の確率で1セットの上乗せが選択され、25%の確率で2セットの上乗せが選択され、25%の確率で3セットの上乗せが選択される。インデックス値IV=18又は19に当選している場合、20%の確率で1セットの上乗せが選択され、40%の確率で2セットの上乗せが選択され、40%の確率で3セットの上乗せが選択される。インデックス値IV=20又は21に当選している場合、10%の確率で1セットの上乗せが選択され、40%の確率で2セットの上乗せが選択され、50%の確率で3セットの上乗せが選択される。
上記のとおり役の抽選処理(図15)にて当選となる確率が低いインデックス値IVほど上乗せされるセット回数の期待値が多くなる。これにより、役の抽選処理(図15)にて当選確率が低いインデックス値IVに当選したことの有利度を高めることが可能となる。また、役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=10~15,18~21以外に当選した場合又はいずれのインデックス値IVにも当選しなかった場合にはセット回数の上乗せが発生しないことがあり得るのに対して、役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=10~15,18~21のいずれかに当選した場合には確実にセット回数の上乗せが発生する。これにより、上乗せ期間においては役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=10~15,18~21のいずれかに当選することを遊技者は期待することとなる。
第2上乗せ抽選処理(ステップS2501)にて1回以上のセット回数の上乗せが選択された場合(ステップS2502:YES)、セット回数の加算処理を実行する(ステップS2503)。セット回数の加算処理では、第2上乗せ抽選処理(ステップS2501)にて選択されたセット回数を主側RAM74のセット回数カウンタに加算する。
その後、今回のゲームにおいてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されるか否かを判定する(ステップS2504)。具体的には、今回の役の抽選処理(図15)においてインデックス値IV=1~10のいずれかに当選したか否かを判定する。ステップS2504にて肯定判定をした場合、主側RAM74に設けられた途中フリーズ発生フラグに「1」をセットする(ステップS2505)。途中フリーズ発生フラグは、ゲームの途中でフリーズ期間を発生させる必要があるか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
その後、フリーズカウンタの設定処理を実行する(ステップS2506)。フリーズカウンタの設定処理では、主側RAM74のフリーズカウンタに途中フリーズ期間(具体的には5秒)をセットする。フリーズカウンタにセットされたフリーズ期間は既に説明したとおりタイマ割込み処理(図12)が起動される度に、ステップS208のタイマ減算処理にて減算される。途中フリーズ発生フラグに「1」がセットされている状況においてフリーズカウンタの値が1以上である場合には、主側RAM74に設けられたいずれかのエンディングフラグに「1」がセットされていないことを条件として、通常処理(図13)のステップS312又はリール制御処理(図23)のステップS720にて待機する。また、途中フリーズ期間が発生している状況においてセット回数の上乗せが発生したことを示す報知が実行され、途中フリーズ期間は当該報知が実行される期間以上の期間となっている。これにより、上乗せ期間のリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されるゲームにおいて停止順序の報知の対象となっているリール32L,32M,32Rに対する停止操作が行われる前に、上乗せ対応音声を含むセット回数の上乗せ報知が実行される場合には当該報知が実行されている状況において遊技者の操作に応じたリール32L,32M,32Rの停止制御が確実に阻止される。よって、上乗せ対応音声の発生に遊技者がビックリしたとしても、当該遊技者がリール32L,32M,32Rの停止順序を間違ってしまわないようにすることが可能となる。
なお、通常処理(図13)のステップS312の処理が実行されるタイミングは役の抽選処理(図15)が実行された後であってリール32L,32M,32Rの回転が開始される前のタイミングであり、リール制御処理(図23)のステップS720の処理が実行されるタイミングは未だ停止指令が発生していないリール32L,32M,32Rが存在している状況において1個のリール32L,32M,32Rの回転の停止が完了した後のタイミングである。したがって、セット回数の上乗せ報知及び途中フリーズ期間は、リール32L,32M,32Rの回転が開始される直前のタイミング、第1停止対象となったリール32L,32M,32Rの回転の停止が完了したタイミング、及び第2停止対象となったリール32L,32M,32Rの回転の停止が完了したタイミングのいずれかにおいて発生することとなる。
その後、今回の役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=7~10のいずれかに当選したか否かを判定する(ステップS2507)。既に説明したとおりAT状態ST5においてインデックス値IV=1~10のいずれかに当選した場合にリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されることとなるが、インデックス値IV=1~6の場合には第1停止対象及び第2停止対象のそれぞれのリール32L,32M,32Rの種類が報知されるのに対して、インデックス値IV=7~10の場合には第1停止対象のリール32L,32M,32Rの種類は報知されるが、第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類は報知されない。
今回の役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=1~6のいずれかに当選している場合(ステップS2507:NO)、発生タイミングの抽選処理を実行する(ステップS2508)。発生タイミングの抽選処理では、主側ROM73に設けられた発生タイミング抽選用テーブル及び主側RAM74において定期的に更新される抽選カウンタを利用して、途中フリーズ期間を発生させるタイミングを抽選により決定する。途中フリーズ期間の発生タイミングとしては、役の抽選処理(図15)が実行された後であってリール32L,32M,32Rの回転が開始される前のタイミングである開始時のタイミング、第1停止対象となったリール32L,32M,32Rの回転の停止が完了したタイミングである第1停止時のタイミング、及び第2停止対象となったリール32L,32M,32Rの回転の停止が完了したタイミングである第2停止時のタイミングが存在している。ステップS2508における発生タイミングの抽選処理にて選択される確率は、開始時のタイミング、第1停止時のタイミング及び第2停止時のタイミングのいずれであっても同一となっている。
発生タイミングの抽選処理(ステップS2508)にて開始時のタイミングが選択された場合(ステップS2509:YES)、主側RAM74に設けられた開始時発生フラグに「1」をセットする(ステップS2510)。開始時発生フラグは途中フリーズ期間を開始時のタイミングで発生させるべきか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
通常処理(図13)では主側RAM74に設けられたいずれのエンディングフラグにも「1」がセットされていない状況であって(ステップS308:NO)、主側RAM74の途中フリーズ発生フラグ及び主側RAM74の開始時発生フラグの両方に「1」がセットされている場合(ステップS309及びステップS310:YES)、フリーズ発生コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS311)。フリーズ発生コマンドは途中フリーズ期間が主側MPU72の制御により発生することを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。演出側MPU92はフリーズ発生コマンドを受信した場合、上乗せ対応音声を含むセット回数の上乗せ報知が実行されるように上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63を制御する。その後、主側RAM74のフリーズカウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS312)。フリーズカウンタにセットされた途中フリーズ期間の計測が完了していない場合には、ステップS312にて否定判定をすることでステップS312の処理を繰り返し実行する。これにより、途中フリーズ期間の計測が完了するまでリール32L,32M,32Rの回転の開始が待機される。途中フリーズ期間の計測が完了することでステップS312にて肯定判定をしてステップS313のリール制御処理(図23)が開始されることで、リール32L,32M,32Rの回転が開始される。
上乗せ期間用処理(図50)の説明に戻り、ステップS2510における主側RAM74の開始時発生フラグに「1」をセットする処理は、第2上乗せ抽選処理(ステップS2501)にて上乗せ当選となった場合であって今回の役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=7~10に当選した場合にも(ステップS2507:YES)実行される。既に説明したとおりAT状態ST5においてインデックス値IV=7~10のいずれかに当選した場合、第1停止対象のリール32L,32M,32Rの種類は報知されるが、第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類は報知されない。当該構成において、第2上乗せ抽選処理(ステップS2501)にて上乗せ当選となった場合であって今回の役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=7~10に当選した場合に主側RAM74の開始時発生フラグに「1」をセットすることで、第1停止対象のリール32L,32M,32Rの種類のみが報知されるゲームにおいて第2上乗せ抽選処理(ステップS2501)にて上乗せ当選となった場合には、リール32L,32M,32Rの回転が開始される前のタイミングで途中フリーズ期間を伴って上乗せ対応音声を含むセット回数の上乗せ報知が実行されるようにすることが可能となる。
発生タイミングの抽選処理(ステップS2508)にて第1停止時のタイミングが選択された場合(ステップS2511:YES)、主側RAM74に設けられた第1停止時発生フラグに「1」をセットする(ステップS2512)。第1停止時発生フラグは途中フリーズ期間を第1停止時のタイミングで発生させるべきか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
リール制御処理(図23)では主側RAM74に設けられたいずれのエンディングフラグにも「1」がセットされていない状況であって(ステップS716:NO)、主側RAM74の途中フリーズ発生フラグに「1」がセットされているとともに(ステップS717:YES)、第1停止対象となるリール32L,32M,32Rの停止が完了した状況において主側RAM74の第1停止時発生フラグに「1」がセットされている場合(ステップS718:YES)、フリーズ発生コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS719)。フリーズ発生コマンドは途中フリーズ期間が主側MPU72の制御により発生することを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。演出側MPU92はフリーズ発生コマンドを受信した場合、上乗せ対応音声を含むセット回数の上乗せ報知が実行されるように上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63を制御する。その後、主側RAM74のフリーズカウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS720)。フリーズカウンタにセットされた途中フリーズ期間の計測が完了していない場合には、ステップS720にて否定判定をすることでステップS720の処理を繰り返し実行する。これにより、途中フリーズ期間の計測が完了するまでリール32L,32M,32Rの停止操作の有効化が待機される。途中フリーズ期間の計測が完了することでステップS720にて肯定判定をしてリール制御処理(図23)のステップS704の処理が実行されることでリール32L,32M,32Rの停止操作が有効化される。
上乗せ期間用処理(図50)の説明に戻り、発生タイミングの抽選処理(ステップS2508)にて第2停止時のタイミングが選択された場合(ステップS2511:NO)、主側RAM74に設けられた第2停止時発生フラグに「1」をセットする(ステップS2513)。第2停止時発生フラグは途中フリーズ期間を第2停止時のタイミングで発生させるべきか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
リール制御処理(図23)では主側RAM74に設けられたいずれのエンディングフラグにも「1」がセットされていない状況であって(ステップS716:NO)、主側RAM74の途中フリーズ発生フラグに「1」がセットされているとともに(ステップS717:YES)、第2停止対象となるリール32L,32M,32Rの停止が完了した状況において主側RAM74の第2停止時発生フラグに「1」がセットされている場合(ステップS718:YES)、フリーズ発生コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS719)。フリーズ発生コマンドは途中フリーズ期間が主側MPU72の制御により発生することを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。演出側MPU92はフリーズ発生コマンドを受信した場合、上乗せ対応音声を含むセット回数の上乗せ報知が実行されるように上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63を制御する。その後、主側RAM74のフリーズカウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS720)。フリーズカウンタにセットされた途中フリーズ期間の計測が完了していない場合には、ステップS720にて否定判定をすることでステップS720の処理を繰り返し実行する。これにより、途中フリーズ期間の計測が完了するまでリール32L,32M,32Rの停止操作の有効化が待機される。途中フリーズ期間の計測が完了することでステップS720にて肯定判定をしてリール制御処理(図23)のステップS704の処理が実行されることでリール32L,32M,32Rの停止操作が有効化される。
ステップS2510の処理、ステップS2512の処理又はステップS2513の処理を実行した場合、フリーズ対応当選コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2514)。フリーズ対応当選コマンドには、第2上乗せ抽選処理(ステップS2501)にて上乗せ当選となったことを示す情報、第2上乗せ抽選処理(ステップS2501)にて選択された上乗せ対象のセット回数の情報、及び今回のゲームにおいて途中フリーズ期間が発生することを示す情報が含まれる。演出側MPU92はフリーズ対応当選コマンドを受信した場合、それに対応する処理を実行する。当該処理の内容については後に説明する。
一方、今回のゲームにおいてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない場合、すなわち今回の役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=1~10のいずれかに当選しなかった場合(ステップS2504:NO)、非フリーズ対応当選コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2515)。非フリーズ対応当選コマンドには、第2上乗せ抽選処理(ステップS2501)にて上乗せ当選となったことを示す情報、第2上乗せ抽選処理(ステップS2501)にて選択された上乗せ対象のセット回数の情報、及び今回のゲームにおいて途中フリーズ期間が発生しないことを示す情報が含まれる。演出側MPU92は非フリーズ対応当選コマンドを受信した場合、それに対応する処理を実行する。当該処理の内容については後に説明する。
図51は演出側MPU92にて実行される上乗せ期間中の演出制御処理を示すフローチャートである。なお、上乗せ期間中の演出制御処理は後述するAT中の演出制御処理(図56)において実行される。
主側MPU72からフリーズ対応当選コマンドを受信している場合(ステップS2601:YES)、演出側RAM94の対象演出カウンタの値が「1」であるか否かを判定することで、今回の上乗せ期間において選択対象となっている演出モードが第2演出モードであるか否かを判定する(ステップS2602)。第2演出モードではない場合(ステップS2602:NO)、上乗せセット回数の記憶処理を実行する(ステップS2603)。上乗せセット回数の記憶処理では、演出側RAM94に設けられた上乗せセット回数カウンタに、今回受信したフリーズ対応当選コマンドに設定されている上乗せ対象のセット回数の情報をセットする。上乗せセット回数カウンタは、直近の第2上乗せ抽選処理(ステップS2501)にて選択された上乗せ対象のセット回数を演出側MPU92にて特定するためのカウンタである。また、合計上乗せセット回数の記憶処理を実行する(ステップS2604)。合計上乗せセット回数の記憶処理では、演出側RAM94に設けられた合計セット回数カウンタに、今回受信したフリーズ対応当選コマンドに設定されている上乗せ対象のセット回数の情報を加算する。合計セット回数カウンタは、今回の上乗せ期間において上乗せされたセット回数の合計回数を演出側MPU92にて特定するためのカウンタである。
既に説明したとおり第1演出モード及び第3演出モードはセット回数の上乗せ当選となったことが報知される場合に上乗せ対象となったセット回数が報知されるモードであるのに対して、第2演出モードはセット回数の上乗せ当選となったことが報知される場合に上乗せ対象となったセット回数が報知されないモードである。この場合に、上記のとおり第1演出モード又は第3演出モードである場合にはステップS2603及びステップS2604の処理が実行されることにより、第1演出モード及び第3演出モードにおいてセット回数の上乗せ当選となったことを報知する場合に上乗せ対象となったセット回数を報知することが可能となる。
上乗せ期間中の演出制御処理では、主側MPU72からフリーズ発生コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2605)。フリーズ発生コマンドは、途中フリーズ期間の発生タイミングが開始時のタイミングである場合には通常処理(図13)におけるステップS311にて主側MPU72から送信され、途中フリーズ期間の発生タイミングが第1停止時のタイミング又は第2停止時のタイミングである場合にはリール制御処理(図23)におけるステップS719にて主側MPU72から送信される。
フリーズ発生コマンドを受信している場合(ステップS2605:YES)、演出側ROM93から演出側RAM94に上乗せ対応音声データを読み出す(ステップS2606)。演出側MPU92は音出力制御用処理にて上乗せ対応音声データに対応する音出力制御をスピーカ62に対して行うことにより、途中フリーズ期間以下の期間である上乗せ報知期間(具体的には2秒)に亘って比較的大きな音による上乗せ対応音声が出力されるようにする。
その後、演出側RAM94の対象演出カウンタの値が「1」であるか否かを判定することで、今回の上乗せ期間において選択対象となっている演出モードが第2演出モードであるか否かを判定する(ステップS2607)。第2演出モードではない場合(ステップS2607:NO)、回数報知用の表示テーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS2608)。当該回数報知用の表示テーブルは演出側RAM94の上乗せセット回数カウンタにセットされ得る値(具体的には「1」~「3」)に1対1で対応させて設けられている。ステップS2608では、演出側RAM94の上乗せセット回数カウンタの値に対応する種類の回数報知用の表示テーブルを読み出す。演出側MPU92は当該回数報知用の表示テーブルに従って画像表示装置63を表示制御することにより、当該画像表示装置63においてセット回数の上乗せが発生したことを示す画像だけではなく今回の上乗せにおいて上乗せ対象となったセット回数を示す画像が表示される。これにより、第1演出モード及び第3演出モードにおいてセット回数の上乗せ当選となったことが報知される場合には上乗せ対象となったセット回数も報知される。
第2演出モードである場合(ステップS2607:YES)、回数非報知用の表示テーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS2609)。演出側MPU92は当該回数非報知用の表示テーブルに従って画像表示装置63を表示制御することにより、当該画像表示装置63においてセット回数の上乗せが発生したことを示す画像が表示されるものの、今回の上乗せにおいて上乗せ対象となったセット回数を示す画像は表示されない。これにより、第2演出モードにおいてセット回数の上乗せ当選となったことが報知される場合には上乗せ対象となったセット回数は報知されない。
上乗せ期間中の演出制御処理では、主側MPU72から非フリーズ対応当選コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2610)。非フリーズ対応当選コマンドは、リール32L,32M,32Rの停止順序が報知されないゲームにおいて第2上乗せ抽選処理(ステップS2501)にて上乗せ当選となった場合に主側MPU72から送信されるコマンドである。
非フリーズ対応当選コマンドを受信している場合(ステップS2610:YES)、演出側RAM94の対象演出カウンタの値が「2」であるか否かを判定することで、今回の上乗せ期間において選択対象となっている演出モードが第3演出モードであるか否かを判定する(ステップS2611)。既に説明したとおり第1演出モード及び第2演出モードは途中フリーズ期間が発生しない状況であってもセット回数の上乗せ当選となったことの報知が実行されるモードであるのに対して、第3演出モードは途中フリーズ期間が発生しない状況においてセット回数の上乗せ当選となったことの報知が実行されないモードである。
第3演出モードである場合(ステップS2611:YES)、ステップS2612以降の処理を実行しない。これにより、第3演出モードでは途中フリーズ期間が発生しない状況においてセット回数の上乗せ当選となったことの報知が実行されない。
第1演出モード又は第2演出モードである場合(ステップS2611:NO)、告知発生タイミングの抽選処理を実行する(ステップS2612)。告知発生タイミングの抽選処理では、演出側ROM93に設けられた告知発生タイミング抽選用テーブル及び演出側RAM94において定期的に更新される抽選カウンタを利用して、セット回数の上乗せ当選となったことの告知発生タイミングを抽選により決定する。告知発生タイミングとしては、役の抽選処理(図15)が実行された後であってリール32L,32M,32Rの回転が開始される前のタイミングである演出側の開始時のタイミング、第1停止対象となったリール32L,32M,32Rの回転の停止が完了したタイミングである演出側の第1停止時のタイミング、及び第2停止対象となったリール32L,32M,32Rの回転の停止が完了したタイミングである演出側の第2停止時のタイミングが存在している。ステップS2612における告知発生タイミングの抽選処理にて選択される確率は、開始時のタイミング、第1停止時のタイミング及び第2停止時のタイミングのいずれであっても同一となっている。告知発生タイミングの抽選処理(ステップS2612)にて選択されたタイミングに対応する情報を演出側RAM94に記憶する(ステップS2613)。
なお、主側MPU72からゲーム開始コマンド(ステップS513)を受信したタイミングが演出側の開始時のタイミングに該当する。主側MPU72から第1停止時における停止指令コマンド(ステップS707)を受信したタイミングが演出側の第1停止時のタイミングに該当する。主側MPU72から第2停止時における停止指令コマンド(ステップS707)を受信したタイミングが演出側の第2停止時のタイミングに該当する。
その後、演出側RAM94の対象演出カウンタの値が「0」であるか否かを判定することで、今回の上乗せ期間において選択対象となっている演出モードが第1演出モードであるか否かを判定する(ステップS2614)。既に説明したとおり第1演出モードはセット回数の上乗せ当選となったことが報知される場合に上乗せ対象となったセット回数が報知されるモードであるのに対して、第2演出モードはセット回数の上乗せ当選となったことが報知される場合に上乗せ対象となったセット回数が報知されないモードである。
第1演出モードである場合(ステップS2614:YES)、上乗せセット回数の記憶処理を実行する(ステップS2615)。上乗せセット回数の記憶処理では、演出側RAM94の上乗せセット回数カウンタに、今回受信した非フリーズ対応当選コマンドに設定されている上乗せ対象のセット回数の情報をセットする。上乗せセット回数カウンタは既に説明したとおり、直近の第2上乗せ抽選処理(ステップS2501)にて選択された上乗せ対象のセット回数を演出側MPU92にて特定するためのカウンタである。また、合計上乗せセット回数の記憶処理を実行する(ステップS2616)。合計上乗せセット回数の記憶処理では、演出側RAM94の合計セット回数カウンタに、今回受信した非フリーズ対応当選コマンドに設定されている上乗せ対象のセット回数の情報を加算する。合計セット回数カウンタは既に説明したとおり、今回の上乗せ期間において上乗せされたセット回数の合計回数を演出側MPU92にて特定するためのカウンタである。
上乗せ期間中の演出制御処理では、告知発生タイミングであるか否かを判定する(ステップS2617)。演出側RAM94に演出側の開始時のタイミングに対応する情報が記憶されている場合には主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信した場合にステップS2617にて肯定判定をし、演出側RAM94に演出側の第1停止時のタイミングに対応する情報が記憶されている場合には主側MPU72から第1停止に対応する停止指令コマンドを受信した場合にステップS2617にて肯定判定をし、演出側RAM94に演出側の第2停止時のタイミングに対応する情報が記憶されている場合には主側MPU72から第2停止に対応する停止指令コマンドを受信した場合にステップS2617にて肯定判定をする。
ステップS2617にて肯定判定をした場合、演出側ROM93から演出側RAM94に上乗せ対応音声データを読み出す(ステップS2618)。演出側MPU92は音出力制御用処理にて上乗せ対応音声データに対応する音出力制御をスピーカ62に対して行うことにより、上乗せ報知期間(具体的には2秒)に亘って比較的大きな音による上乗せ対応音声が出力されるようにする。
その後、演出側RAM94の対象演出カウンタの値が「0」であるか否かを判定することで、今回の上乗せ期間において選択対象となっている演出モードが第1演出モードであるか否かを判定する(ステップS2619)。第1演出モードである場合(ステップS2619:YES)、回数報知用の表示テーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS2620)。当該回数報知用の表示テーブルは演出側RAM94の上乗せセット回数カウンタにセットされ得る値(具体的には「1」~「3」)に1対1で対応させて設けられている。ステップS2620では、演出側RAM94の上乗せセット回数カウンタの値に対応する種類の回数報知用の表示テーブルを読み出す。演出側MPU92は当該回数報知用の表示テーブルに従って画像表示装置63を表示制御することにより、当該画像表示装置63においてセット回数の上乗せが発生したことを示す画像だけではなく今回の上乗せにおいて上乗せ対象となったセット回数を示す画像が表示される。これにより、第1演出モードにおいてセット回数の上乗せ当選となったことが報知される場合には上乗せ対象となったセット回数も報知される。
第2演出モードである場合(ステップS2619:NO)、回数非報知用の表示テーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS2621)。演出側MPU92は当該回数非報知用の表示テーブルに従って画像表示装置63を表示制御することにより、当該画像表示装置63においてセット回数の上乗せが発生したことを示す画像が表示されるものの、今回の上乗せにおいて上乗せ対象となったセット回数を示す画像は表示されない。これにより、第2演出モードにおいてセット回数の上乗せ当選となったことが報知される場合には上乗せ対象となったセット回数は報知されない。
上乗せ期間中の演出制御処理では、主側MPU72から上乗せ期間の終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2622)。上乗せ期間の終了コマンドは上乗せ期間が終了した場合にAT用処理(図45)におけるステップS2310にて送信される。上乗せ期間の終了コマンドを受信した場合(ステップS2622:YES)、演出側RAM94の対象演出カウンタの値が「1」であるか否かを判定することで、今回の上乗せ期間において選択対象となっている演出モードが第2演出モードであるか否かを判定する(ステップS2623)。第2演出モードではない場合(ステップS2623:NO)、回数報知用の終了テーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS2624)。当該回数報知用の終了テーブルは今回の上乗せ期間において上乗せされたセット回数の合計回数を示す画像を画像表示装置63に表示させるためのテーブルである。ステップS2624では演出側RAM94に回数報知用の終了テーブルを読み出した後に、当該回数報知用の終了テーブルに対して演出側RAM94の合計セット回数カウンタに記憶されている情報を書き込む。そして、当該回数報知用の終了テーブルに従って演出側MPU92により画像表示装置63の表示制御が実行されることにより、今回の上乗せ期間にて付与されたセット回数の合計回数を示す画像が画像表示装置63において表示される。
第2演出モードである場合(ステップS2623:YES)、回数非報知用の終了テーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS2625)。演出側MPU92は当該回数非報知用の終了テーブルに従って画像表示装置63を表示制御することにより、当該画像表示装置63において上乗せ期間が終了したことを示す画像が表示されるものの、今回の上乗せに期間おいて付与されたセット回数の合計回数を示す画像は表示されない。
次に、リール32L,32M,32Rの停止順序の報知の有無に応じて途中フリーズ期間の設定態様が相違する様子について図52のタイムチャートを参照しながら説明する。図52(a)は1ゲームが実行されている期間を示し、図52(b)は左リール32Lが回転している期間を示し、図52(c)は中リール32Mが回転している期間を示し、図52(d)は右リール32Rが回転している期間を示し、図52(e)はリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が画像表示装置63及び兼用表示部66にて実行されている期間を示し、図52(f)は途中フリーズ期間が発生している状況を示し、図52(g)は上乗せ対応音声がスピーカ62から出力されている期間を示す。
上乗せ期間においてt1のタイミングで図52(a)に示すように新たなゲームが開始され、図52(b)~図52(d)に示すように各リール32L,32M,32Rにて回転が開始される。また、当該ゲームでは役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=1~6のいずれかにて当選しているため、当該t1のタイミングで図52(e)に示すように画像表示装置63及び兼用表示部66にてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が開始される。
その後、t2のタイミングで中ストップボタン43が操作されることにより、図52(c)に示すように中リール32Mの回転が最初に停止される。この場合、今回のゲームの開始時における上乗せ期間用処理(図50)のステップS2508における発生タイミングの抽選処理にて第1停止時のタイミングが選択されている。したがって、t2のタイミングで図52(f)に示すように途中フリーズ期間の計測が開始されるとともに、図52(g)に示すようにスピーカ62からの上乗せ対応音声の出力が開始される。そして、t3のタイミングで図52(g)に示すように上乗せ対応音声の出力が停止されるとともに、その後のt4のタイミングで図52(f)に示すように途中フリーズ期間の計測が完了する。これにより、第2停止させるための操作が無効化された状況において上乗せ対応音声の出力が完了するため、比較的大きな音で上乗せ対応音声が出力されることで遊技者がビックリしたとしても、それによってリール32L,32M,32Rの停止順序を間違ってしまわないようにすることが可能となる。
その後、図52(d)に示すようにt5のタイミングで右リール32Rが第2停止されるとともに図52(b)に示すようにt6のタイミングで左リール32Lが第3停止されることで、当該t6のタイミングで図52(a)に示すように今回のゲームが終了する。また、当該t6のタイミングで図52(e)に示すように停止順報知が終了する。
その後、t7のタイミングで図52(a)に示すように新たなゲームが開始される。また、当該ゲームでは役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=1~10のいずれかにて当選しているため、当該t7のタイミングで図52(e)に示すように画像表示装置63及び兼用表示部66にてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が開始される。
この場合、今回のゲームの開始時における上乗せ期間用処理(図50)のステップS2508における発生タイミングの抽選処理にて開始時のタイミングが選択されている。したがって、t7のタイミングで図52(f)に示すように途中フリーズ期間の計測が開始されるとともに、図52(g)に示すようにスピーカ62からの上乗せ対応音声の出力が開始される。そして、t8のタイミングで図52(g)に示すように上乗せ対応音声の出力が停止されるとともに、その後のt9のタイミングで図52(f)に示すように途中フリーズ期間の計測が完了する。これにより、リール32L,32M,32Rの回転が開始される前の状況において上乗せ対応音声の出力が完了するため、比較的大きな音で上乗せ対応音声が出力されることで遊技者がビックリしたとしても、それによってリール32L,32M,32Rの停止順序を間違ってしまわないようにすることが可能となる。
途中フリーズ期間の計測が完了するt9のタイミングで図52(b)~図52(d)に示すように各リール32L,32M,32Rにて回転が開始される。その後、図52(d)に示すようにt10のタイミングで右リール32Rが停止され、図52(c)に示すようにt11のタイミングで中リール32Mが第2停止され、図52(b)に示すようにt12のタイミングで左リール32Lが第3停止されることで、当該t12のタイミングで図52(a)に示すように今回のゲームが終了する。また、当該t12のタイミングで図52(e)に示すように停止順報知が終了する。
その後、t13のタイミングで図52(a)に示すように新たなゲームが開始され、図52(b)~図52(d)に示すように各リール32L,32M,32Rにて回転が開始される。また、当該ゲームでは役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=1~10のいずれにも当選していないため、図52(e)に示すように画像表示装置63及び兼用表示部66においてリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。
その後、t14のタイミングで左ストップボタン42が操作されることにより、図52(b)に示すように左リール32Lの回転が最初に停止される。この場合、今回のゲームの開始時における上乗せ期間中の演出制御処理(図51)のステップS2612における告知発生タイミングの抽選処理にて演出側の第1停止時のタイミングが選択されている。したがって、t14のタイミングで図52(g)に示すようにスピーカ62からの上乗せ対応音声の出力が開始される。但し、今回のゲームではリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されていないため、図52(f)に示すように途中フリーズ期間は発生しない。そして、t15のタイミングで図52(g)に示すように上乗せ対応音声の出力が停止される。これにより、リール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない状況においては強制的な遊技の停止期間となる途中フリーズ期間が発生していない状況において上乗せ対応音声の出力が行われる。
その後、図52(d)に示すようにt16のタイミングで右リール32Rが第2停止されるとともに図52(c)に示すようにt17のタイミングで中リール32Mが第3停止されることで、当該t17のタイミングで図52(a)に示すように今回のゲームが終了する。
<エンディング期間について>
次に、AT状態ST5におけるエンディング期間について説明する。図53は主側MPU72にて実行されるエンディング対応処理を示すフローチャートである。なお、エンディング対応処理は遊技区間の第2制御処理(図41)におけるステップS1917にて実行される。
まず主側RAM74に設けられた第1エンディングフラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2701)。第1エンディングフラグは継続ゲーム数カウンタ74cを利用して計測されている第2区間SC2におけるゲームの実行回数が上限ゲーム数に到達する可能性が高いことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
第1エンディングフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2701:NO)、主側RAM74の継続ゲーム数カウンタ74cの値と、主側RAM74に設けられたAT継続カウンタの値と、主側RAM74に設けられたセット回数カウンタの値から1減算した値及びAT状態ST5の1セットにおける初期継続ゲーム数の値(50ゲーム)の責との和が、第2区間SC2の上限ゲーム数以上となっているか否かを判定する(ステップS2702)。AT継続カウンタは、AT状態ST5における1セットの残りの継続ゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。AT状態ST5のセットが継続する場合における1セットの初期継続ゲーム数は50ゲームとなっており、当該1セットの途中で上乗せ条件が成立することで残りの継続ゲーム数が増加し得る。セット回数カウンタは、AT状態ST5の残りのセット回数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。第2区間SC2の上限ゲーム数は既に説明したとおり1500ゲームに設定されている。なお、第2区間SC2の上限ゲーム数は1500ゲームに限定されることはなく、1500ゲームよりも少ないゲーム数であってもよく、1500ゲームよりも多いゲーム数であってもよい。
ステップS2702にて肯定判定をした場合、第1エンディングフラグに「1」をセットする(ステップS2703)。第1エンディングフラグに「1」がセットされた場合、詳細は後述するがAT状態ST5において残りの継続ゲーム数の上乗せ及び残りのセット回数の上乗せを発生させるための処理は実行されるが、当該上乗せの発生に際してのフリーズ期間の設定は行われない状態となるとともに当該上乗せが発生したことを遊技者に認識可能とさせる演出が実行されない状態となる。
その後、第1エンディングコマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2704)。当該第1エンディングコマンドには第2区間SC2のエンディング条件が成立するまでに必要なゲーム数の情報、すなわち第2区間SC2の上限ゲーム数に対する継続ゲーム数カウンタ74cの値の差に対応する情報が含まれる。演出側MPU92は第1エンディングコマンドを受信することで主側MPU72において第1エンディングフラグに「1」がセットされている状況であることを把握することが可能となる。演出側MPU92は未だエンディング期間に対応する実行態様による演出を開始していない状況において第1エンディングコマンドを受信した場合、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63における演出の実行態様をエンディング期間に対応する実行態様となるようにする。
ステップS2701にて肯定判定をした場合、ステップS2702にて否定判定をした場合又はステップS2704の処理を実行した場合、主側RAM74に設けられた第2エンディングフラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2705)。第2エンディングフラグは、合計獲得数カウンタ74dを利用して計測されている遊技媒体の制限付きの合計純増枚数が上限純増枚数に到達する可能性が高いことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
第2エンディングフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2705:NO)、AT継続カウンタの値と、セット回数カウンタの値から1減算した値及びAT状態ST5の1セットにおける初期継続ゲーム数の値(50ゲーム)の責との和にAT状態ST5における遊技媒体の獲得期待値を積算した結果の値を合計獲得数カウンタ74dの値に加算した結果が第2区間SC2の上限純増枚数以上となっているか否かを判定する(ステップS2706)。AT状態ST5の1ゲームにおける遊技媒体の獲得期待値は約5枚である。第2区間SC2の上限純増枚数は既に説明したとおり2400枚に設定されている。なお、第2区間SC2の上限純増枚数は2400枚に限定されることはなく、2400枚よりも少ない枚数であってもよく、2400枚よりも多い枚数であってもよい。
ステップS2706にて肯定判定をした場合、第2エンディングフラグに「1」をセットする(ステップS2707)。第2エンディングフラグに「1」がセットされた場合、詳細は後述するがAT状態ST5において残りの継続ゲーム数の上乗せ及び残りのセット回数の上乗せを発生させるための処理は実行されるが、当該上乗せの発生に際してのフリーズ期間の設定は行われない状態となるとともに当該上乗せが発生したことを遊技者に認識可能とさせる演出が実行されない状態となる。
その後、第2エンディングコマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2708)。当該第2エンディングコマンドには第2区間SC2のエンディング条件が成立するまでに必要な遊技媒体の制限付きの合計純増枚数の情報、すなわち第2区間SC2の上限純増枚数に対する合計獲得数カウンタ74dの値の差に対応する情報が含まれる。演出側MPU92は第2エンディングコマンドを受信することで主側MPU72において第2エンディングフラグに「1」がセットされている状況であることを把握することが可能となる。演出側MPU92は未だエンディング期間に対応する実行態様による演出を開始していない状況において第2エンディングコマンドを受信した場合、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63における演出の実行態様をエンディング期間に対応する実行態様となるようにする。
次に、主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされている場合における主側MPU72の処理内容について説明する。
ゲーム開始時のAT状態用処理(図44)の処理内容は、主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされていたとしても、これら第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの両方に「1」がセットされていない状況と同一である。また、AT用処理(図45)の処理内容は、主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされていたとしても、これら第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの両方に「1」がセットされていない状況と同一である。これにより、主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされていたとしても、これら第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの両方に「1」がセットされていない状況と同様に、AT状態ST5における残りの継続ゲーム数を上乗せさせるための処理及びAT状態ST5における残りのセット回数を上乗せさせるための処理が実行される。よって、これら上乗せ用の処理の処理内容を第1,第2エンディングフラグに「1」がセットされているか否かによって変更する必要がないため、主側MPU72の処理構成を簡素化することが可能となる。
通常処理(図13)では主側RAM74の第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのいずれかに「1」がセットされている場合(ステップS316:YES)、ステップS317の処理を実行しない。これにより、主側RAM74の第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのいずれかに「1」がセットされている場合には主側MPU72における制御においてAT状態ST5の上乗せ期間への移行が発生したとしても、上乗せ期間移行のフリーズ期間は発生しない。
通常処理(図13)では主側RAM74の第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのいずれかに「1」がセットされている場合(ステップS308:YES)、主側RAM74の途中フリーズ発生フラグ及び開始時発生フラグに「1」がセットされていたとしても、ステップS311及びステップS312の処理を実行しない。また、リール制御処理(図23)では主側RAM74の第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのいずれかに「1」がセットされている場合(ステップS716:YES)、主側RAM74の途中フリーズ発生フラグに「1」がセットされているとともに第1停止対象となるリール32L,32M,32Rの停止が完了した状況において第1停止時発生フラグに「1」がセットされていたとしても、ステップS719及びステップS720の処理を実行しない。また、リール制御処理(図23)では主側RAM74の第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのいずれかに「1」がセットされている場合(ステップS716:YES)、主側RAM74の途中フリーズ発生フラグに「1」がセットされているとともに第2停止対象となるリール32L,32M,32Rの停止が完了した状況において第2停止時発生フラグに「1」がセットされていたとしても、ステップS719及びステップS720の処理を実行しない。これにより、主側RAM74の第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのいずれかに「1」がセットされている場合には主側MPU72における制御において上乗せ期間におけるセット回数の上乗せが発生したとしても、途中フリーズ期間は発生しない。
上記のとおり第2区間SC2のエンディング条件が成立する可能性が高くエンディング期間に対応する演出が発生している場合には、AT状態ST5の上乗せ期間への移行が発生したとしても上乗せ期間移行のフリーズ期間が発生することはなく、AT状態ST5の上乗せ期間においてセット回数の上乗せが発生したとしても途中フリーズ期間が発生しない。これにより、既にエンディング期間に対応する演出が実行されている状況において、上乗せ用処理の実行を契機として、遊技の進行を強制的に待機させるフリーズ期間が発生してしまわないようにすることが可能となる。
主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされているか否かによって、リール32L,32M,32Rの停止順序の報知の実行態様が相違する。当該内容について以下に説明する。図54は主側MPU72にて実行されるAT時の停止順報知用処理を示すフローチャートである。なお、AT時の停止順報知用処理はAT状態ST5において停止順報知制御処理(図33)におけるステップS1308にて実行される。
AT状態ST5である場合において役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=1~6のいずれかに当選している場合(ステップS2801:YES)、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が兼用表示部66にて行われるようにするとともに(ステップS2802)、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置63にて報知されるようにするための第1ベル入賞用コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2803)。また、AT状態ST5である場合において役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=7~9のいずれかに当選している場合(ステップS2804:YES)、第2ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が兼用表示部66にて行われるようにするとともに(ステップS2805)、第2ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置63にて報知されるようにするための第2ベル入賞コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2806)。
ステップS2801~ステップS2806の処理は主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされているか否かに関係なく実行される。これにより、AT状態ST5においてはエンディング期間に対応する演出が実行されている状況であったとしても、インデックス値IV=1~6のいずれかに当選した場合には第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されるとともに、インデックス値IV=7~9のいずれかに当選した場合には第2ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。
AT時の停止順報知用処理ではステップS2807にて、役の抽選処理(図15)においてインデックス値IV=10に当選しているか否かを判定する。既に説明したとおりインデックス値IV=10には、第1ベル当選データと特殊ベル当選データとが設定されている。インデックス値IV=10にて当選となった場合、左リール32Lが第1停止された場合にはその後のリール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の停止操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が成立する。一方、インデックス値IV=10にて当選となった場合において中リール32M又は右リール32Rが第1停止された場合にはその後のリール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第1ベル入賞又は特殊ベル入賞が成立する。この場合、特殊ベル入賞の成立が優先され、各ストップボタン42~44の停止操作タイミングとの関係で特殊ベル入賞を成立させることができない場合に第1ベル入賞が確実に成立する。AT状態ST5においてインデックス値IV=10に当選した場合、既に説明したとおり上乗せ期間の移行抽選処理(ステップS2203)にて上乗せ期間の移行当選となる確率が他のインデックス値IVよりも高い。また、AT状態ST5においてインデックス値IV=10に当選した場合には上乗せ期間の移行当選とならなかったとしてもゲーム開始時のAT状態用処理(図44)におけるステップS2208にて肯定判定をすることで確実にセット回数の加算処理(ステップS2209)が実行される。
インデックス値IV=10に当選することの有利度が高い構成において、AT状態ST5であって第1,第2エンディングフラグに「1」がセットされていない状況でインデックス値IV=10に当選した場合には、他のインデックス値IVに当選した場合には成立しない特殊ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。つまり、AT状態ST5である場合において役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=10に当選している場合(ステップS2807:YES)、主側RAM74の第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの両方に「1」がセットされていないことを条件として(ステップS2808:NO)、逆押し報知用の停止順設定処理を実行するとともに(ステップS2809)、逆押し報知用コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2810)。
図55(a)はインデックス値IV=10に当選した場合において逆押し報知が実行される様子を説明するための説明図である。AT状態ST5であって第1,第2エンディングフラグに「1」がセットされていない状況でインデックス値IV=10に当選した場合、ステップS2810にて逆押し報知用コマンドが演出側MPU92に送信されることで、画像表示装置63では図55(a1)に示すように第1停止が右リール32Rであり残りが任意である停止順序に対応する表示が行われるとともに左リール32Lに「白7」図柄、中リール32Mに「白7」図柄及び右リール32Rに「赤7」図柄を狙うべきことを示す表示が行われる。また、ステップS2809にて逆押し報知用の停止順設定処理が実行されることで、兼用表示部66では図55(a2)に示すように第1停止が右リール32Rであり残りが任意である停止順序に対応する表示が行われる。そして、当該報知に従った順序でリール32L,32M,32Rの回転を停止させるとともにメインラインML3上に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止するように各ストップボタン42~44の停止操作が行われることで、図55(a3)に示すようにメインラインML3上に特殊ベル入賞が成立する。
なお、第1停止として中リール32Mが停止されたとしても、いずれかのメインラインML1~ML5上に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止するように各ストップボタン42~44の停止操作が行われることで、いずれかのメインラインML1~ML5上に特殊ベル入賞が成立する。また、第1停止として中リール32M又は右リール32Rが停止されたとしても、いずれかのメインラインML1~ML5上に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止する停止操作タイミングで各ストップボタン42~44が停止操作されなかった場合には第1ベル入賞が成立することとなる。
一方、AT状態ST5にて第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグのいずれかに「1」がセットされている状況においては、既に第2区間SC2のエンディング条件が成立する可能性が高い状況であるとともにエンディング期間に対応する演出が開始されている。このような状況下においては更なるセット回数の上乗せなどが主側MPU72の制御により実際に発生していたとしても実質的には遊技者に利益が付与されていないため、インデックス値IV=10に当選した場合に特殊ベル入賞が成立すると遊技者は当選確率が低いインデックス値IVに無駄に当選してしまったと思ってしまうおそれがある。したがって、AT状態ST5であって第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされている状況でインデックス値IV=10に当選した場合には、他のインデックス値IVに当選した場合にも成立し得る第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。つまり、AT状態ST5である場合において役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=10に当選している場合(ステップS2807:YES)、主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされていることを条件として(ステップS2808:YES)、順押し報知用の停止順設定処理を実行するとともに(ステップS2811)、順押し報知用コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS2812)。
図55(b)はインデックス値IV=10に当選した場合において順押し報知が実行される様子を説明するための説明図である。AT状態ST5であって第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされている状況でインデックス値IV=10に当選した場合、ステップS2812にて順押し報知用コマンドが演出側MPU92に送信されることで、画像表示装置63では図55(b1)に示すように第1停止が左リール32Lであり残りが任意である停止順序に対応する表示が行われる。また、ステップS2811にて順押し報知用の停止順設定処理が実行されることで、兼用表示部66では図55(b2)に示すように第1停止が左リール32Lであり残りが任意である停止順序に対応する表示が行われる。そして、当該報知に従った順序でリール32L,32M,32Rの回転を停止させることにより図55(b3)に示すようにいずれかのメインラインML1~ML5上に第1ベル入賞が確実に成立する。
図56は演出側MPU92にて実行されるAT中の演出制御処理を示すフローチャートである。なお、AT中の演出制御処理はAT状態ST5又は終了準備状態ST6において比較的短い周期(例えば4ミリ秒)で繰り返し実行される。
まず演出側RAM94に設けられたエンディングフラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2901)。エンディングフラグは、今回のAT状態ST5において主側MPU72から第1エンディングコマンド又は第2エンディングコマンドを受信した後の状況であるか否かを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。エンディングフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2901:NO)、演出モードの選択処理を実行する(ステップS2902)。演出モードの選択処理(図48)の内容は既に説明したとおりである。また、上乗せ期間中である場合には(ステップS2903:YES)、上乗せ期間中の演出制御処理を実行する(ステップS2904)。上乗せ期間中の演出制御処理(図51)の内容は既に説明したとおりである。
ステップS2903にて否定判定をした場合又はステップS2904の処理を実行した場合、その他のAT中制御処理を実行する(ステップS2905)。その他のAT中制御処理としては、例えば主側MPU72から第1加算コマンドを受信している場合には上乗せ期間への移行に際してのゲーム数の上乗せが発生したことを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されるようにするための処理を実行する。また、例えば主側MPU72から第2加算コマンドを受信している場合には「3」のセット回数が付与されたことを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されるようにするための処理を実行する。また、例えば主側MPU72から第3加算コマンドを受信している場合には今回上乗せの対象となったセット回数が付与されたことを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されるようにするための処理を実行する。
その後、主側MPU72から第1エンディングコマンド又は第2エンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2906)。ステップS2906にて肯定判定をした場合、演出側RAM94のエンディングフラグに「1」をセットする(ステップS2907)。その後、エンディング条件の成立に必要な情報を記憶する(ステップS2908)。具体的には、今回受信したエンディングコマンドが第1エンディングコマンドである場合には当該第1エンディングコマンドに含まれている第2区間SC2のエンディング条件が成立するまでに必要なゲーム数の情報、すなわち第2区間SC2の上限ゲーム数に対する継続ゲーム数カウンタ74cの値の差に対応する情報を読み出し、その読み出した情報を演出側RAM94に設けられた第1エンディング条件記憶エリアに記憶させる。また、今回受信したエンディングコマンドが第2エンディングコマンドである場合には当該第2エンディングコマンドに含まれている第2区間SC2のエンディング条件が成立するまでに必要な遊技媒体の制限付きの合計純増枚数の情報、すなわち第2区間SC2の上限純増枚数に対する合計獲得数カウンタ74dの値の差に対応する情報を読み出し、その読み出した情報を演出側RAM94に設けられた第2エンディング条件記憶エリアに記憶させる。
その後、演出側RAM94の第1エンディング条件記憶エリア又は第2エンディング条件記憶エリアに記憶されている情報がエンディング用演出の発生条件の成立に対応しているか否かを判定する(ステップS2909)。エンディング用演出とは、第2区間SC2のエンディング条件が成立する前の所定ゲーム数に亘って上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行される演出のことである。第2区間SC2の継続ゲーム数が、上限ゲーム数よりも所定ゲーム数少ない発生基準ゲーム数以上である場合、すなわち第1エンディング条件記憶エリアに記憶されている情報が所定ゲーム数以下である場合、エンディング用演出の発生条件の成立となる。発生基準ゲーム数は任意であるが、本スロットマシン10では1450ゲームに設定されている。したがって、所定ゲーム数は50ゲームとなる。また、第2区間SC2の遊技媒体の制限付きの合計純増枚数が、上限純増枚数よりも所定枚数少ない発生基準枚数以上である場合、すなわち第2エンディング条件記憶エリアに記憶されている情報が所定枚数以下である場合、エンディング用演出の発生条件の成立となる。発生基準枚数は任意であるが、本スロットマシン10では2150枚に設定されている。したがって、所定枚数は250枚となる。
エンディング用演出の発生条件が成立していない場合(ステップS2909:NO)、エンディング確定演出のデータテーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS2910)。エンディング確定演出のデータテーブルは、エンディング期間に対応する演出としてエンディング確定演出を実行させるための各種データが設定されたテーブルである。演出側MPU92は当該エンディング確定演出のデータテーブルに従って上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63を制御することにより、これら上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてエンディング確定演出が実行されるようにする。
図57(a)は画像表示装置63にて実行されるエンディング確定演出の表示内容の一例を説明するための説明図である。図57(a)に示すようにエンディング確定演出が実行されている状況においては画像表示装置63にてエンディング確定演出に対応するキャラクタ画像G11が表示されるとともに、エンディング確定演出が発生していることを遊技者に認識可能とさせる確定報知画像G12が表示される。これにより、遊技者は第2区間SC2のエンディング条件が成立する可能性が高いことを明確に認識することとなる。
AT中の演出制御処理(図56)の説明に戻り、エンディング用演出の発生条件が成立している場合(ステップS2909:YES)、演出側RAM94に設けられたエンディング実行フラグに「1」をセットする(ステップS2911)。エンディング実行フラグは、エンディング用演出を実行している状況であることを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。また、エンディング用演出のデータテーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS2912)。エンディング用演出のデータテーブルは、エンディング用演出を実行させるための各種データが設定されたテーブルである。演出側MPU92は当該エンディング用演出のデータテーブルに従って上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63を制御することにより、これら上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてエンディング用演出が実行されるようにする。
図57(b)は画像表示装置63にて実行されるエンディング用演出の表示内容の一例を説明するための説明図である。図57(b)に示すようにエンディング用演出が実行されている状況においては画像表示装置63にてエンディング用演出に対応するキャラクタ画像G13が表示される。これにより、遊技者は第2区間SC2のエンディング条件が間もなく成立することを明確に認識することとなる。
AT中の演出制御処理(図56)の説明に戻り、演出側RAM94のエンディングフラグに「1」がセットされている場合(ステップS2901:YES)、演出側RAM94のエンディング実行フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2913)。エンディング実行フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2913:NO)、主側MPU72から入賞結果コマンドを受信していることを条件として(ステップS2914:YES)、エンディング対応情報の更新処理を実行する(ステップS2915)。
演出側RAM94には既に説明したとおり、エンディング条件が成立するために必要なゲーム数を演出側MPU92にて特定するために利用される第1エンディング条件記憶エリア、及びエンディング条件が成立するために必要な遊技媒体の制限付きの合計純増枚数を演出側MPU92にて特定するために利用される第2エンディング条件記憶エリアが設けられている。第1エンディング条件記憶エリアには既に説明したとおり、主側MPU72から第1エンディングコマンドを受信した場合に、当該第1エンディングコマンドに含まれている第2区間SC2のエンディング条件が成立するまでに必要なゲーム数の情報、すなわち第2区間SC2の上限ゲーム数に対する継続ゲーム数カウンタ74cの値の差に対応する情報が記憶される。また、第2エンディング条件記憶エリアには既に説明したとおり、主側MPU72から第2エンディングコマンドを受信した場合に、当該第2エンディングコマンドに含まれている第2区間SC2のエンディング条件が成立するまでに必要な遊技媒体の制限付きの合計純増枚数の情報、すなわち第2区間SC2の上限純増枚数に対する合計獲得数カウンタ74dの値の差に対応する情報が記憶される。
第1エンディングコマンド又は第2エンディングコマンドを受信した後は、第2区間初期化コマンドを次に受信するまで、ステップS2915にてエンディング対応情報の更新処理を実行する。当該更新処理では、主側MPU72から入賞結果コマンドを受信する度に演出側MPU92は第1エンディング条件記憶エリアの値を1減算する。また、主側MPU72から入賞結果コマンドを受信する度に、今回のゲームにおいて遊技者の遊技媒体が増加している場合にはその増加した遊技媒体数に対応する値を第2エンディング条件記憶エリアの値から減算し、今回のゲームにおいて遊技者の遊技媒体が減少している場合にはその減少した遊技媒体数に対応する値を第2エンディング条件記憶エリアの値に加算する。
その後、エンディング対応情報が発生基準情報となっているか否かを判定する(ステップS2916)。具体的には、演出側RAM94の第1エンディング条件記憶エリアの値が所定ゲーム数以下である場合にステップS2916にて肯定判定をする。つまり、第2区間SC2の継続ゲーム数が、上限ゲーム数よりも所定ゲーム数少ない発生基準ゲーム数以上である場合にステップS2916にて肯定判定をする。また、演出側RAM94の第2エンディング条件記憶エリアの値が所定枚数以下である場合にステップS2916にて肯定判定をする。つまり、第2区間SC2の遊技媒体の制限付きの合計純増枚数が、上限純増枚数よりも所定枚数少ない発生基準枚数以上である場合にステップS2916にて肯定判定をする。
ステップS2916にて肯定判定をした場合、演出側RAM94のエンディング実行フラグに「1」をセットするとともに(ステップS2917)、エンディング用演出のデータテーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS2918)。これらの処理内容はステップS2911及びステップS2912と同様である。これにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてエンディング用演出が開始される。
ステップS2906にて否定判定をした場合、ステップS2910の処理を実行した場合、ステップS2912の処理を実行した場合、ステップS2913にて肯定判定をした場合、ステップS2914にて否定判定をした場合、ステップS2916にて否定判定をした場合又はステップS2918の処理を実行した場合、終了制御処理を実行する(ステップS2919)。図58は当該終了制御処理を示すフローチャートである。
まず主側MPU72からAT終了コマンドを受信しているか否か、又はエンディング条件の成立ゲームの開始時となっているか否かを判定する(ステップS3001)。AT終了コマンドは既に説明したとおり、AT状態ST5が終了した場合に主側MPU72におけるAT用処理(図45)のステップS2322にて演出側MPU92に送信される。また、AT中の演出制御処理(図56)におけるステップS2908にて第1エンディング条件記憶エリアに記憶した第2区間SC2のエンディング条件が成立するまでに必要なゲーム数の情報が「1」となっている場合、又はAT中の演出制御処理(図56)におけるステップS2908にて第2エンディング条件記憶エリアに記憶した第2区間SC2のエンディング条件が成立するまでに必要な遊技媒体の制限付きの合計純増枚数の情報が12以下となっている場合に、今回のゲームがエンディング条件の成立ゲームの開始時であると判定する。なお、第1エンディング条件記憶エリアの情報は1ゲームの終了時に1減算されるため、第1エンディング条件記憶エリアの値が「1」となっている状況でゲームが開始された場合には当該ゲームの終了時に確実にエンディング条件が成立する。また、第2エンディング条件記憶エリアの情報は1ゲームの終了時に更新されるが、その更新される内容は入賞の成立態様に応じて変動する。したがって、第2エンディング条件記憶エリアの値が12以下となっている状況でゲームが開始されたとしても、当該ゲームにてエンディング条件が成立する場合もあれば、当該ゲームにてエンディング条件が成立しない場合もある。
エンディング条件が成立することなくAT状態ST5が終了する場合には主側MPU72からAT終了コマンドを受信したことを契機としてステップS3001にて肯定判定をする。また、エンディング条件が成立することでそれに伴ってAT状態ST5が終了する場合には、演出側RAM94の第1エンディング条件記憶エリア又は第2エンディング条件記憶エリアの値が、エンディング条件の成立ゲームとなったことに対応する値となったことを契機としてステップS3001にて肯定判定をする。
ステップS3001にて肯定判定をした場合、演出側RAM94のエンディング実行フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、エンディング用演出が実行されている状況であるか否かを判定する(ステップS3002)。エンディング実行フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3002:NO)、終了用のデータテーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS3003)。終了用のデータテーブルは、エンディング用演出が実行されることなくAT状態ST5が終了する場合に発生するAT終了演出を実行させるための各種データが設定されたテーブルである。演出側MPU92は当該終了用のデータテーブルに従って上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63を制御することにより、これら上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてAT終了演出が実行されるようにする。
エンディング実行フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3002:YES)、最終演出用のデータテーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS3004)。最終演出用のデータテーブルは、エンディング用演出が実行されている状況でAT状態ST5が終了する場合に発生する最終演出を実行させるための各種データが設定されたテーブルである。演出側MPU92は当該最終演出用のデータテーブルに従って上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63を制御することにより、これら上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて最終演出が実行されるようにする。最終演出はエンディング用演出に対して連続性を有する演出である。エンディング用演出が実行されている状況においてAT状態ST5が終了する場合には、当該エンディング用演出に対して連続性を有する最終演出が当該エンディング用演出に続けて実行されるようにすることで、一連の演出を遊技者に提供することが可能となる。
ステップS3001にて否定判定をした場合、主側MPU72から第2区間初期化コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3005)。第2区間初期化コマンドは既に説明したとおり、AT状態ST5が終了した後に発生する1ゲームの終了準備状態ST6が終了した場合、又は第2区間SC2のエンディング条件が成立した場合に、遊技区間の第2制御処理(図41)におけるステップS1916にて主側MPU72から送信される。
第2区間初期化コマンドを受信している場合(ステップS3005:YES)、各種クリア処理を実行する(ステップS3006)。各種クリア処理では、エンディングフラグ、エンディング実行フラグ、第1エンディング条件記憶エリア及び第2エンディング条件記憶エリアなどといったAT状態ST5において利用した演出側RAM94の各種記憶エリアを「0」クリアする。
その後、移行待ち演出のデータテーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS3007)。移行待ち演出のデータテーブルは、AT状態ST5が終了したことを示すとともに演出第1区間SC1から第2区間SC2への移行を待機している状況であることを示す移行待ち演出を実行させるための各種データが設定されたテーブルである。演出側MPU92は当該移行待ち演出のデータテーブルに従って上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63を制御することにより、これら上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて移行待ち演出が実行されるようにする。
図57(c)は画像表示装置63にて実行される移行待ち演出の表示内容の一例を説明するための説明図である。図57(c)に示すように移行待ち演出が実行されている状況においては画像表示装置63にて移行待ち演出に対応するキャラクタ画像G14が表示されるとともに、AT状態ST5が終了したことを示す終了文字画像G15として「END」の文字画像が表示される。これにより、遊技者はAT状態ST5が終了したこと及び第2区間SC2への移行を待機している状況であることを明確に認識することとなる。
次に、AT状態ST5においてエンディング条件が成立する場合におけるスロットマシン10の動作内容について、図59のタイムチャートを参照しながら説明する。図59(a)は第2区間SC2である期間を示し、図59(b)はAT状態ST5である期間を示し、図59(c)は主側MPU72にてAT状態ST5における残りの継続ゲーム数の上乗せ用の処理が実行されるタイミングを示し、図59(d)はフリーズ期間である状況を示し、図59(e)はAT状態ST5における残りの継続ゲーム数の上乗せが発生したことを示す上乗せ演出が実行されている期間を示し、図59(f)は演出側RAM94のエンディングフラグに「1」がセットされている期間を示し、図59(g)はエンディング確定演出が実行されている期間を示し、図59(h)はエンディング用演出が実行されている期間を示す。
遊技状態が通常遊技状態ST1である状況におけるt1のタイミングで図59(a)に示すように第2区間SC2が開始される。そして、第2区間SC2であって通常遊技状態ST1である状況において繰り返しゲームが実行されることで、t2のタイミングで図59(b)に示すように遊技状態がAT状態ST5に移行する。
その後、t3のタイミングで図59(c)に示すように主側MPU72にてAT状態ST5における残りのセット回数を増加させる上乗せ用の処理が実行される。当該上乗せ用の処理は、第1上乗せ抽選処理(ステップS2211)にて上乗せ当選(ステップS2212:YES)となることで実行されるステップS2213の処理である。これにより、第1上乗せ抽選処理にて選択されたセット回数が上乗せされる。また、当該上乗せ用の処理が実行された場合には第3加算コマンドが演出側MPU92に送信されるため(ステップS2214)、図59(e)に示すようにt3のタイミングで上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて今回の上乗せに対応する上乗せ演出が実行される。
その後、t4のタイミングで図59(c)に示すように主側MPU72にてAT状態ST5における残りの継続ゲーム数を増加させる上乗せ用の処理が実行される。当該上乗せ用の処理は、上乗せ期間の移行抽選処理(ステップS2203)にて上乗せ期間の移行当選(ステップS2204:YES)となることで実行されるステップS2205の処理である。また、上乗せ期間への移行に対応するフリーズカウンタの設定処理が実行される(ステップS2307)。主側RAM74の第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの両方に「1」がセットされていない状況でフリーズカウンタの値が1以上となることで、通常処理(図13)におけるステップS317にて否定判定される。したがって、図59(d)に示すようにt4のタイミングでフリーズ期間が発生する。また、上乗せ期間が開始される場合には上乗せ期間の開始コマンドが演出側MPU92に送信されるため(ステップS2306)、図59(e)に示すようにt4のタイミングで上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて上乗せ期間が開始されることに対応する上乗せ演出が実行される。
その後、t5のタイミングで図59(c)に示すように主側MPU72にてAT状態ST5における残りのセット回数を増加させる上乗せ用の処理が実行される。当該上乗せ用の処理は、インデックス値IV=10で当選(ステップS2208:YES)となることで実行されるステップS2209の処理である。これにより、レア役当選時のセット回数として「3」のセット回数が上乗せされる。また、インデックス値IV=10に当選した場合には逆押し報知用の停止順序が報知される。具体的には、画像表示装置63では図55(a1)に示すように第1停止が右リール32Rであり残りが任意である停止順序に対応する表示が行われるとともに左リール32Lに「白7」図柄、中リール32Mに「白7」図柄及び右リール32Rに「赤7」図柄を狙うべきことを示す表示が行われる。また、兼用表示部66では図55(a2)に示すように第1停止が右リール32Rであり残りが任意である停止順序に対応する表示が行われる。そして、当該報知に従った順序でリール32L,32M,32Rの回転を停止させるとともにメインラインML3上に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止するように各ストップボタン42~44の停止操作が行われることで、図55(a3)に示すようにメインラインML上に特殊ベル入賞が成立する。また、当該上乗せ用の処理が実行された場合には第2加算コマンドが演出側MPU92に送信されるため(ステップS2210)、図59(e)に示すようにt5のタイミングで上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて今回の上乗せに対応する上乗せ演出が実行される。
t5のタイミングにおける上乗せ用の処理が実行されることで、t6のタイミングで図59(f)に示すように、主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされるとともに、演出側RAM94のエンディングフラグに「1」がセットされる。この場合、未だエンディング用演出の発生条件は成立していない。つまり、第2区間SC2の継続ゲーム数は発生基準ゲーム数である1450ゲーム以上となっておらず、さらに第2区間SC2の遊技媒体の制限付きの合計純増枚数が発生基準枚数である2150枚以上となっていない。したがって、図59(g)に示すように上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63ではエンディング確定演出が開始される。
その後、エンディング確定演出が実行されている状況において、t7のタイミング及びt8のタイミングのそれぞれで図59(c)に示すように主側MPU72にて上乗せ用の処理が実行される。当該上乗せ用の処理として、ステップS2205の処理が実行された場合には主側RAM74のAT継続カウンタに値が加算され、ステップS2209、ステップS2213及びステップS2503のいずれかの処理が実行された場合には主側RAM74のセット回数カウンタに値が加算される。但し、既に主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされている状況であるため上記のようにAT継続カウンタ又はセット回数カウンタの値が加算されたとしても実質的に遊技者に利益が付与されたことにならない。また、上乗せ期間の移行及び上乗せ期間における上乗せが発生したとしても、主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされているため、通常処理(図13)におけるステップS308又はステップS316にて肯定判定をする。したがって、主側RAM74のフリーズカウンタに1以上の値が設定されていたとしてもフリーズ期間は発生しない。
また、インデックス値IV=「10」に当選したとしても逆押し報知用の停止順序が報知されることはなく、順押し報知用の停止順序が報知される。具体的には、画像表示装置63では図55(b1)に示すように第1停止が左リール32Lであり残りが任意である停止順序に対応する表示が行われる。また、兼用表示部66では図55(b2)に示すように第1停止が左リール32Lであり残りが任意である停止順序に対応する表示が行われる。そして、当該報知に従った順序でリール32L,32M,32Rの回転を停止させることにより図55(b3)に示すようにいずれかのメインラインML1~ML5上に第1ベル入賞が確実に成立する。
また、演出側RAM94のエンディングフラグに「1」がセットされているため、AT中の演出制御処理(図56)におけるステップS2901にて肯定判定をすることでステップS2902~ステップS2912の処理を実行しない。したがって、主側MPU72にて上乗せ用の処理が実行されたとしても、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63ではそれに対応する上乗せ演出は実行されない。
その後、t9のタイミングで、第2区間SC2の継続ゲーム数は発生基準ゲーム数である1450ゲーム以上となる、又は第2区間SC2の遊技媒体の制限付きの合計純増枚数が発生基準枚数である2150枚以上となることにより、エンディング用演出の発生条件が成立する。したがって、当該t9のタイミングで図59(g)及び図59(h)に示すように上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63においてエンディング確定演出が終了してエンディング用演出が開始される。
その後、エンディング用演出が実行されている状況において、t10のタイミング及びt11のタイミングのそれぞれで図59(c)に示すように主側MPU72にて上乗せ用の処理が実行される。但し、エンディング確定演出が実行されている状況と同様に、既に主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされている状況であるためAT継続カウンタ又はセット回数カウンタの値が加算されたとしても実質的に遊技者に利益が付与されたことにならない。また、フリーズ期間が発生することはなく、インデックス値IV=「10」に当選したとしても順押し報知用の停止順序が報知され、さらに上乗せ演出は実行されない。
その後、エンディング用演出が実行されている状況においてt12のタイミングでエンディング条件が成立する。エンディング条件が成立することで、図59(a)に示すように第2区間SC2が終了して第1区間SC1となるとともに、図59(b)に示すようにAT状態ST5が終了して通常遊技状態ST1となる。また、当該t12のタイミングで図59(h)に示すようにエンディング用演出が終了する。この場合、エンディング条件が成立するゲームが開始されたタイミングにおいてエンディング用演出では最終演出が実行されている。また、t12のタイミングで図59(f)に示すように、主側RAM74の第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグが「0」クリアされるとともに演出側RAM94のエンディングフラグが「0」クリアされる。
上記のとおり主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされていたとしても、これら第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの両方に「1」がセットされていない状況と同様に、AT状態ST5における残りの継続ゲーム数を上乗せさせるための処理及びAT状態ST5における残りのセット回数を上乗せさせるための処理が実行される。よって、これら上乗せ用の処理の処理内容を第1,第2エンディングフラグに「1」がセットされているか否かによって変更する必要がないため、主側MPU72の処理構成を簡素化することが可能となる。
その一方、主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされている場合にはAT継続カウンタ又はセット回数カウンタの値が加算されたとしても実質的に遊技者に利益が付与されたことにならない。これに対して、主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされている場合には上乗せ用の処理の実行に伴うフリーズ期間、逆押し報知及び上乗せ演出が実行されない。これにより、実質的に遊技者に利益が付与されていないにも関わらず、利益が付与されたかのような演出が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
<第1区間SC1について>
次に、第1区間SC1における演出の実行内容及び第1区間SC1から第2区間SC2に移行した場合における演出の実行内容について説明する。
役の抽選処理(図15)におけるステップS511にて実行される遊技区間の第1制御処理(図40)では既に説明したとおり第1区間SC1においていずれかの役に当選した場合(ステップS1801:NO、ステップS1802:YES)、ステップS1803にて第2区間SC2に移行させるための処理が実行される。一方、第1区間SC1においていずれの役にも当選しなかった場合(ステップS1801及びステップS1802:NO)、ステップS1810にて非移行対応処理を実行する。図60は非移行対応処理を示すフローチャートである。
まず主側RAM74に設けられた非移行連続カウンタの値を1加算する(ステップS3101)。非移行連続カウンタは、第2区間SC2への移行が発生することなく第1区間SC1において実行されたゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。その後、非移行連続カウンタの値及び現状の使用対象として設定されている設定値の組合せに対応する設定示唆抽選テーブルを主側ROM73から主側RAM74に読み出す(ステップS3102)。そして、設定示唆抽選処理を実行する(ステップS3103)。設定示唆抽選処理では、主側RAM74において定期的に更新される抽選カウンタから数値情報を取得し、その取得した数値情報をステップS3102にて読み出した設定示唆抽選テーブルに対して照合することで今回の送信対象である設定示唆コマンドを選択する。その後、設定示唆抽選処理の結果に対応する設定示唆コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS3104)。
図61(a)は非移行連続カウンタの値及び現状の使用対象として設定されている設定値の組合せに対応する設定示唆抽選テーブルの選択態様を説明するための説明図であり、図61(b)は各設定示唆抽選テーブルの内容を説明するための説明図である。
図61(a)に示すように非移行連続カウンタの値が「1」又は「2」である場合、「1」~「3」の設定値であれば設定示唆抽選テーブルとして第1示唆抽選テーブルが選択され、「4」~「6」の設定値であれば設定示唆抽選テーブルとして第2示唆抽選テーブルが選択される。非移行連続カウンタの値が「3」~「5」のいずれかである場合、「1」又は「2」の設定値であれば設定示唆抽選テーブルとして第1示唆抽選テーブルが選択され、「3」又は「4」の設定値であれば設定示唆抽選テーブルとして第2示唆抽選テーブルが選択され、「5」又は「6」の設定値であれば設定示唆抽選テーブルとして第3示唆抽選テーブルが選択される。非移行連続カウンタの値が6以上である場合、「1」の設定値であれば設定示唆抽選テーブルとして設定1用テーブルが選択され、「2」の設定値であれば設定示唆抽選テーブルとして設定2用テーブルが選択され、「3」の設定値であれば設定示唆抽選テーブルとして設定3用テーブルが選択され、「4」の設定値であれば設定示唆抽選テーブルとして設定4用テーブルが選択され、「5」の設定値であれば設定示唆抽選テーブルとして設定5用テーブルが選択され、「6」の設定値であれば設定示唆抽選テーブルとして設定6用テーブルが選択される。
各設定示唆抽選テーブルには複数種類の設定示唆コマンドに対応させて当選となる抽選カウンタの数値情報が設定されている。この場合、図61(b)に示すように、選択対象となる設定示唆コマンドの種類及びその選択対象の設定示唆コマンドの選択確率が、設定示唆抽選テーブルの種類に応じて相違している。具体的には、設定示唆コマンドとして小期待度コマンド、中期待度コマンド、高期待度コマンド、低設定コマンド、中設定コマンド及び高設定コマンドが設定されている。
小期待度コマンドは、「5」の設定値又は「6」の設定値という高設定値が使用対象として設定されている期待度が低いことを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されるようにするためのコマンドである。図62(a)は小期待度コマンドに対応する演出が画像表示装置63にて実行される様子を説明するための説明図である。図62(a)に示すように画像表示装置63にて移行待ち演出に対応するキャラクタ画像G14が表示されるとともにAT状態ST5が終了したことを示す終了文字画像G15として「END」の文字画像が表示されている状況において、小期待度演出に対応する文字画像G21として「期待?」の文字画像が表示される。
中期待度コマンドは、「5」の設定値又は「6」の設定値という高設定値が使用対象として設定されている期待度が中程度であることを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されるようにするためのコマンドである。画像表示装置63では移行待ち演出に対応するキャラクタ画像G14が表示されるとともにAT状態ST5が終了したことを示す終了文字画像G15として「END」の文字画像が表示されている状況において、中期待度演出に対応する文字画像G21として「期待!」の文字画像が表示される。
高期待度コマンドは、「5」の設定値又は「6」の設定値という高設定値が使用対象として設定されている期待度が高いことを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されるようにするためのコマンドである。画像表示装置63では移行待ち演出に対応するキャラクタ画像G14が表示されるとともにAT状態ST5が終了したことを示す終了文字画像G15として「END」の文字画像が表示されている状況において、高期待度演出に対応する文字画像G21として「熱い!」の文字画像が表示される。
低設定コマンドは、「1」の設定値又は「2」の設定値が使用対象として設定されていることを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されるようにするためのコマンドである。画像表示装置63では移行待ち演出に対応するキャラクタ画像G14が表示されるとともにAT状態ST5が終了したことを示す終了文字画像G15として「END」の文字画像が表示されている状況において、低設定値域演出に対応する文字画像G21として「低設定!!」の文字画像が表示される。
中設定コマンドは、「3」の設定値又は「4」の設定値が使用対象として設定されていることを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されるようにするためのコマンドである。図62(b)は中設定コマンドに対応する演出が画像表示装置63にて実行される様子を説明するための説明図である。図62(b)に示すように画像表示装置63にて移行待ち演出に対応するキャラクタ画像G14が表示されるとともにAT状態ST5が終了したことを示す終了文字画像G15として「END」の文字画像が表示されている状況において、中設定値域演出に対応する文字画像G22として「中間設定!!」の文字画像が表示される。
高設定コマンドは、「5」の設定値又は「6」の設定値が使用対象として設定されていることを示す演出が上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されるようにするためのコマンドである。図62(c)は高設定コマンドに対応する演出が画像表示装置63にて実行される様子を説明するための説明図である。図62(c)に示すように画像表示装置63にて移行待ち演出に対応するキャラクタ画像G14が表示されるとともにAT状態ST5が終了したことを示す終了文字画像G15として「END」の文字画像が表示されている状況において、高設定値域演出に対応する文字画像G22として「高設定!!」の文字画像が表示される。
低設定コマンド、中設定コマンド及び高設定コマンドのいずれかが送信された場合には、使用対象として設定されている設定値が低設定域の設定値(「1」又は「2」)、中設定域の設定値(「3」又は「4」)及び高設定域の設定値(「5」又は「6」)のいずれであるのかを示す演出が実行されるのに対して、小期待度コマンド、中期待度コマンド及び高期待度コマンドのいずれかが送信された場合には使用対象として設定値されている設定値が高設定域の設定値(「5」又は「6」)であるか否かを予測することが可能であるものの使用対象として設定されている設定値が低設定域の設定値(「1」又は「2」)、中設定域の設定値(「3」又は「4」)及び高設定域の設定値(「5」又は「6」)のいずれであるのかを示す演出は実行されない。したがって、使用対象として設定されている設定値を把握したい遊技者は、小期待度コマンド、中期待度コマンド又は高期待度コマンドに対応する演出が実行されるよりも、低設定コマンド、中設定コマンド又は高設定コマンドに対応する演出が実行されることを期待することとなる。
非移行連続カウンタの値が「1」又は「2」であって使用対象として設定されている設定値が「1」~「3」のいずれかである場合、又は非移行連続カウンタの値が「3」~「5」のいずれかであって使用対象として設定されている設定値が「1」又は「2」である場合に選択される第1示唆抽選テーブルにおいては、70%の確率で小期待度コマンドが選択され、20%の確率で中期待度コマンドが選択され、10%の確率で高期待度コマンドが選択されるのに対して、低設定コマンド、中設定コマンド及び高設定コマンドは選択されない。非移行連続カウンタの値が「1」又は「2」であって使用対象として設定されている設定値が「4」~「6」のいずれかである場合、又は非移行連続カウンタの値が「3」~「5」のいずれかであって使用対象として設定されている設定値が「3」又は「4」である場合に選択される第2示唆抽選テーブルにおいては、40%の確率で小期待度コマンドが選択され、30%の確率で中期待度コマンドが選択され、30%の確率で高期待度コマンドが選択されるのに対して、低設定コマンド、中設定コマンド及び高設定コマンドは選択されない。非移行連続カウンタの値が「3」~「5」のいずれかであって使用対象として設定されている設定値が「5」又は「6」である場合に選択される第3示唆抽選テーブルにおいては、10%の確率で小期待度コマンドが選択され、20%の確率で中期待度コマンドが選択され、70%の確率で高期待度コマンドが選択されるのに対して、低設定コマンド、中設定コマンド及び高設定コマンドは選択されない。
非移行連続カウンタの値が6以上であって使用対象として設定されている設定値が「1」である場合に選択される設定1用テーブルにおいては、40%の確率で小期待度コマンドが選択され、10%の確率で中期待度コマンドが選択され、50%の確率で低設定コマンドが選択されるのに対して、高期待度コマンド、中設定コマンド及び高設定コマンドは選択されない。非移行連続カウンタの値が6以上であって使用対象として設定されている設定値が「2」である場合に選択される設定2用テーブルにおいては、40%の確率で小期待度コマンドが選択され、20%の確率で中期待度コマンドが選択され、40%の確率で低設定コマンドが選択されるのに対して、高期待度コマンド、中設定コマンド及び高設定コマンドは選択されない。非移行連続カウンタの値が6以上であって使用対象として設定されている設定値が「3」である場合に選択される設定3用テーブルにおいては、50%の確率で中期待度コマンドが選択され、10%の確率で高期待度コマンドが選択され、40%の確率で中設定コマンドが選択されるのに対して、低期待度コマンド、低設定コマンド及び高設定コマンドは選択されない。非移行連続カウンタの値が6以上であって使用対象として設定されている設定値が「4」である場合に選択される設定4用テーブルにおいては、40%の確率で中期待度コマンドが選択され、10%の確率で高期待度コマンドが選択され、50%の確率で中設定コマンドが選択されるのに対して、低期待度コマンド、低設定コマンド及び高設定コマンドは選択されない。非移行連続カウンタの値が6以上であって使用対象として設定されている設定値が「5」である場合に選択される設定5用テーブルにおいては、10%の確率で中期待度コマンドが選択され、50%の確率で高期待度コマンドが選択され、40%の確率で高設定コマンドが選択されるのに対して、低期待度コマンド、低設定コマンド及び中設定コマンドは選択されない。非移行連続カウンタの値が6以上であって使用対象として設定されている設定値が「6」である場合に選択される設定6用テーブルにおいては、10%の確率で中期待度コマンドが選択され、40%の確率で高期待度コマンドが選択され、50%の確率で高設定コマンドが選択されるのに対して、低期待度コマンド、低設定コマンド及び中設定コマンドは選択されない。
上記構成であることにより第1区間SC1において役の抽選処理(図15)にていずれの役にも当選しないゲームが実行される度に、使用対象として設定されている設定値が高設定値域である期待度を示唆する演出又は使用対象として設定されている設定値が含まれる設定値域を明示する演出が実行される。これにより、第1区間SC1において役の抽選処理(図15)にていずれの役にも当選しないゲームが実行されたことに対する不利益感を低減させることが可能となる。
非移行連続カウンタの値が「1」又は「2」である場合には示唆抽選テーブルとして第1示唆抽選テーブル及び第2示唆抽選テーブルのいずれかが選択されるのに対して、非移行連続カウンタの値が「3」~「5」のいずれかである場合には示唆抽選テーブルとして第1示唆抽選テーブル、第2示唆抽選テーブル及び第3示唆抽選テーブルのいずれかが選択される。したがって、非移行連続カウンタの値が「1」又は「2」である場合よりも非移行連続カウンタの値が「3」~「5」のいずれかである場合の方が、使用対象として設定されている設定値が高設定値域である可能性を予測し易くなる。これにより、第1区間SC1において役の抽選処理(図15)にていずれの役にも当選しないゲームが繰り返されたことに対する不利益感を低減させることが可能となる。
非移行連続カウンタの値が6以上である場合には使用対象として設定されている設定値に1対1で対応する示唆抽選テーブルが読み出されて設定示唆抽選処理が実行され、設定示唆コマンドとして低設定コマンド、中設定コマンド及び高設定コマンドのうち対応する設定値域に対応するコマンドが送信対象として選択され得る。これにより、第1区間SC1において役の抽選処理(図15)にていずれの役にも当選しないゲームが6ゲーム以上に亘って繰り返された場合には、使用対象として設定されている設定値が低設定値域、中設定値域及び高設定値域のいずれに対応しているのかを認識する機会を与えることが可能となる。よって、第1区間SC1において役の抽選処理(図15)にていずれの役にも当選しないゲームが繰り返されたことに対する不利益感を低減させることが可能となるとともに、使用対象として設定されている設定値がいずれの設定値域であるかを把握したい遊技者にとっては逆にメリットとなり得るようにすることが可能となる。
図63は演出側MPU92にて実行される非AT中の演出制御処理を示すフローチャートである。なお、非AT中の演出制御処理は通常遊技状態ST1において比較的短い周期(例えば4ミリ秒)で繰り返し実行される。
主側MPU72からいずれかの設定示唆コマンドを受信している場合(ステップS3201:YES)、その受信した設定示唆コマンドに対応する表示テーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS3202)。当該表示テーブルは設定示唆コマンドに1対1で対応させて設けられており、当該表示テーブルが読み出されることにより、移行待ち演出に対して、今回受信した設定示唆コマンドに対応する設定示唆演出が追加で実行される。画像表示装置63では既に説明したとおり移行待ち演出に対応する画像が表示されている状況において今回受信した設定示唆コマンドに対応する設定示唆画像が追加で表示される。
設定示唆コマンドを受信していない場合(ステップS3201:NO)、主側MPU72から区間移行コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3203)。区間移行コマンドは既に説明したとおり、遊技区間の第1制御処理(図40)にて遊技区間を第1区間SC1から第2区間SC2に移行させる処理が実行された場合にステップS1809にて主側MPU72から演出側MPU92に送信される。また、区間移行コマンドには既に説明したとおり、ステップS1805にて解除ゲーム数カウンタに設定された解除ゲーム数の情報、及びステップS1807にて移行モード記憶エリアに設定された移行モードの種類に対応する情報が含まれている。
区間移行コマンドを受信していない場合(ステップS3203:NO)、その他の非AT中制御処理を実行する(ステップS3209)。当該その他の非AT中制御処理では、設定示唆コマンド及び区間移行コマンドとは異なるコマンドを受信した場合にそれに対応する演出が実行されるようにするための処理を実行する。
区間移行コマンドを受信している場合(ステップS3203:YES)、当該区間移行コマンドに設定されている解除ゲーム数の情報を演出側RAM94に記憶させるとともに(ステップS3204)、当該区間移行コマンドに設定されている移行モードの種類に対応する情報を演出側RAM94に記憶させる(ステップS3205)。その後、解除ゲーム数及び移行モードの組合せに対応する移行示唆抽選テーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS3206)。そして、移行示唆抽選処理を実行する(ステップS3207)。移行示唆抽選処理では、演出側RAM94において定期的に更新される抽選カウンタから数値情報を取得し、その取得した数値情報をステップS3206にて読み出した移行示唆抽選テーブルに対して照合することで今回の表示対象となる移行画像を選択する。その後、移行示唆抽選処理の結果に対応する移行示唆用のデータテーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS3208)。当該移行示唆用のデータテーブルに従って画像表示装置63の表示制御が実行されることにより、移行示唆抽選処理の結果に対応する移行画像が画像表示装置63にて表示される。
図64(a)は解除ゲーム数のゲーム数範囲及び移行モードの種類の組合せに対応する移行示唆抽選テーブルの選択態様を説明するための説明図であり、図64(b)は各移行示唆抽選テーブルの内容を説明するための説明図である。
解除ゲーム数は既に説明したとおり、50ゲーム、100ゲーム、200ゲーム、300ゲーム、400ゲーム、500ゲーム、600ゲーム、700ゲーム及び800ゲームのいずれかである。この場合に、600ゲーム、700ゲーム及び800ゲームが第1範囲に該当し、300ゲーム、400ゲーム及び500ゲームが第2範囲に該当し、50ゲーム、100ゲーム及び200ゲームが第3範囲に該当する。解除ゲーム数が少ないゲーム数ほど遊技者にとって有利であるため、第1範囲よりも第2範囲の方が遊技者にとって有利であり、第2範囲よりも第3範囲の方が遊技者にとって有利である。また、移行モードは既に説明したとおり第1移行モードよりも第2移行モードの方が遊技者にとって有利であり、第2移行モードよりも第3移行モードの方が遊技者にとって有利である。
図64(a)に示すように解除ゲーム数が第1範囲である場合、第1移行モード又は第2移行モードであれば移行示唆抽選テーブルとして第1抽選テーブルが選択され、第3移行モードであれば移行示唆抽選テーブルとして第2抽選テーブルが選択される。解除ゲーム数が第2範囲である場合、第1移行モードであれば移行示唆抽選テーブルとして第1抽選テーブルが選択され、第2移行モードであれば移行示唆抽選テーブルとして第2抽選テーブルが選択され、第3移行モードであれば移行示唆抽選テーブルとして第3抽選テーブルが選択される。解除ゲーム数が第3範囲である場合、第1移行モードであれば移行示唆抽選テーブルとして第2抽選テーブルが選択され、第2移行モードであれば移行示唆抽選テーブルとして第3抽選テーブルが選択され、第3移行モードであれば移行示唆抽選テーブルとして第4抽選テーブルが選択される。
各移行示唆抽選テーブルには複数種類の移行画像に対応させて当選となる抽選カウンタの数値情報が設定されている。この場合、図64(b)に示すように、選択対象となる移行画像の種類及びその選択対象の移行画像の選択確率が、移行示唆抽選テーブルの種類に応じて相違している。具体的には、移行画像として第1移行画像、第2移行画像及び第3移行画像が設定されている。
図65(a)は画像表示装置63に表示される第1移行画像を説明するための説明図である。図65(a)に示すように第1移行画像においては画像表示装置63にて第2区間SC2への移行が発生したことを示すキャラクタ画像G31が表示されるとともに、第1移行画像に対応する第1移行文字画像G32として「普通」の文字画像が表示される。これにより、遊技者は第2区間SC2への移行が発生したこと、並びに解除ゲーム数及び移行モードの組合せの内容が有利な内容である期待度が低いことを認識することとなる。
図65(b)は画像表示装置63に表示される第2移行画像を説明するための説明図である。図65(b)に示すように第2移行画像においては画像表示装置63にて第2区間SC2への移行が発生したことを示すキャラクタ画像G31が表示されるとともに、第2移行画像に対応する第2移行文字画像G33として「期待」の文字画像が表示される。これにより、遊技者は第2区間SC2への移行が発生したこと、並びに解除ゲーム数及び移行モードの組合せの内容が有利な内容である期待度が中程度であることを認識することとなる。
図65(c)は画像表示装置63に表示される第3移行画像を説明するための説明図である。図65(c)に示すように第3移行画像においては画像表示装置63にて第2区間SC2への移行が発生したことを示すキャラクタ画像G31が表示されるとともに、第3移行画像に対応する第3移行文字画像G34として「熱い」の文字画像が表示される。これにより、遊技者は第2区間SC2への移行が発生したこと、並びに解除ゲーム数及び移行モードの組合せの内容が有利な内容である期待度が高いことを認識することとなる。
解除ゲーム数が第1範囲であって移行モードの種類が第1移行モード又は第2移行モードである場合、又は解除ゲーム数が第2範囲であって移行モードの種類が第1移行モードである場合に選択される第1抽選テーブルにおいては、90%の確率で第1移行画像が選択され、10%の確率で第2移行画像が選択される。解除ゲーム数が第1範囲であって移行モードの種類が第3移行モードである場合、解除ゲーム数が第2範囲であって移行モードの種類が第2移行モードである場合、又は解除ゲーム数が第3範囲であって移行モードの種類が第1移行モードである場合に選択される第2抽選テーブルにおいては、50%の確率で第1移行画像が選択され、40%の確率で第2移行画像が選択され、10%の確率で第3移行画像が選択される。解除ゲーム数が第2範囲であって移行モードの種類が第3移行モードである場合、又は解除ゲーム数が第3範囲であって移行モードの種類が第2移行モードである場合に選択される第3抽選テーブルにおいては、10%の確率で第1移行画像が選択され、20%の確率で第2移行画像が選択され、70%の確率で第3移行画像が選択される。解除ゲーム数が第3範囲であって移行モードの種類が第3移行モードである場合に選択される第4抽選テーブルにおいては、10%の確率で第2移行画像が選択され、90%の確率で第3移行画像が選択される。
上記構成であることにより、第1区間SC1から第2区間SC2に移行する場合に画像表示装置63に表示される移行画像を利用して、今回の第2区間SC2における解除ゲーム数及び移行モードを遊技者に予測させることが可能となる。特に、第3移行画像が表示された場合には短い解除ゲーム数であってAT状態ST5への移行期待度が高い移行モードが選択されている確率が高いため、移行画像に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
次に、第1区間SC1となってから第2区間SC2への移行が発生するまでにおける演出の実行内容について、図66のタイムチャートを参照しながら説明する。図66(a)は1ゲームの実行期間を示し、図66(b)は第2区間SC2である期間を示し、図66(c)はAT状態ST5である期間を示し、図66(d)は移行待ち演出が実行されている期間を示し、図66(e)は設定示唆演出が実行されている期間を示し、図66(f)は移行演出が実行されている期間を示す。
図66(b)に示すように第2区間SC2であって図66(c)に示すようにAT状態ST5である状況において図66(a)に示すようにt1のタイミング~t2のタイミングに亘って1ゲームが実行される。当該1ゲームが実行されることによりAT状態ST5の終了条件が成立する。したがって、t2のタイミングで図66(c)に示すようにAT状態ST5が終了して終了準備状態ST6となる。また、図66(a)に示すようにt3のタイミング~t4のタイミングに亘って次の1ゲームが実行されるが、当該ゲームの終了タイミングであるt4のタイミングで図66(b)に示すように第2区間SC2が終了して第1区間SC1となる。なお、当該t4のタイミングで終了準備状態が終了して通常遊技状態ST1となる。
t4のタイミングで上記のとおり第2区間SC2が終了して第1区間SC1となるため、当該t4のタイミングで図66(d)に示すように移行待ち演出が開始される。この場合、画像表示装置63では図57(c)に示すような移行待ち演出に対応する画像の表示が開始される。
その後、第1区間SC1である状況において、図66(a)に示すようにt5のタイミング~t6のタイミング、t7のタイミング~t8のタイミング、t9のタイミング~t10のタイミング、t11のタイミング~t12のタイミング、t13のタイミング~t14のタイミング、及びt15のタイミング~t16のタイミングのそれぞれで1ゲームが実行される。この場合、これら各ゲームではいずれも役の抽選処理(図15)にていずれの役にも当選しない。したがって、これら各ゲームを契機とした第2区間SC2への移行は発生することはなく第1区間SC1に維持される。第1区間SC1に維持されるため、図66(e)に示すようにt5のタイミング~t6のタイミング、t7のタイミング~t8のタイミング、t9のタイミング~t10のタイミング、t11のタイミング~t12のタイミング、t13のタイミング~t14のタイミング、及びt15のタイミング~t16のタイミングのそれぞれで設定示唆演出が実行される。設定示唆演出では既に説明したとおり画像表示装置63において移行待ち演出に対応する画像が表示されている状況において設定示唆に対応する画像が追加で表示される。また、第1区間SC1における第2区間SC2への移行契機とならないゲームの実行回数が多くなるほど、設定示唆演出における設定値示唆の精度が高くなる。
その後、図66(a)に示すようにt17のタイミング~t18のタイミングに亘って新たな1ゲームが実行される。当該ゲームの開始時に実行された役の抽選処理(図15)ではいずれかの役に当選する。したがって、図66(b)に示すように当該t17のタイミングで遊技区間が第1区間SC1から第2区間SC2に移行する。また、図66(d)及び図66(f)に示すように移行待ち演出が終了して移行演出が開始される。移行演出では、今回の第2区間SC2への移行時に決定された解除ゲーム数及び移行モードの組合せに対応する移行画像が画像表示装置63にて表示される。
その後、図66(a)に示すようにt19のタイミング~t20のタイミングに亘って新たな1ゲームが実行される。当該ゲームの開始時であるt19のタイミングで図66(f)に示すように移行演出が終了する。この場合、画像表示装置63における移行画像の表示が終了する。
<外部出力について>
次に、AT状態ST5であることを示すAT信号の外部出力に関する構成について説明する。
本スロットマシン10には外部出力端子板78が設けられている(図10参照)。外部出力端子板78にはAT信号用の出力端子が設けられており、当該AT信号用の出力端子は主側MPU72と電気的に接続されているとともにスロットマシン10の外部に設けられた遊技ホールの管理コンピュータと電気的に接続されている。
AT信号用の出力端子と主側MPU72とは所定信号経路を通じて電気的に接続されており、当該所定信号経路を通じて主側MPU72からHIレベルのAT信号が送信されることで、AT信号用の出力端子を通じて当該HIレベルのAT信号が遊技ホールの管理コンピュータに送信される。詳細は後述するがAT状態ST5が開始される場合にAT信号がLOWレベルからHIレベルに切り換えられる。また、AT状態ST5において1セットが継続される場合には、AT信号がHIレベルからLOWレベルに一旦立ち下げられた後に、再度、LOWレベルからHIレベルに立ち上げられる。また、AT状態ST5が終了する場合にAT信号がHIレベルからLOWレベルに切り換えられる。遊技ホールの管理コンピュータでは、本スロットマシン10から外部出力されているAT信号がLOWレベルからHIレベルに立ち上がった回数を計測することで、AT状態ST5のセット回数を計測することが可能となる。
図67は主側MPU72にて実行される外部出力設定処理を示すフローチャートである。なお、外部出力設定処理は通常処理(図13)において役の抽選処理(図15)、リール制御処理(図23)、遊技終了時の対応処理(図29)及び媒体付与処理(ステップS315)が実行された後のタイミングであるステップS318にて実行される。
まず主側RAM74の第1出力開始フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3301)。既に説明したとおり遊技終了時の対応処理(図29)におけるステップS1004にて実行される通常用処理(図43)においてAT状態ST5に移行させるための処理が実行された場合にステップS2118にて第1出力開始フラグに「1」がセットされる。第1出力開始フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3301:YES)、当該第1出力開始フラグを「0」クリアした後に(ステップS3302)、AT信号のON設定処理を実行する(ステップS3303)。AT信号のON設定処理では、AT信号の出力状態をLOWレベルからHIレベルに切り換える。これにより、所定信号経路を通じて主側MPU72からAT信号用の出力端子にHIレベルのAT信号が送信され、当該AT信号用の出力端子を通じて遊技ホールの管理コンピュータにHIレベルのAT信号が外部出力される。
第1出力開始フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3301:NO)、主側RAM74の第2出力開始フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3304)。既に説明したとおり遊技終了時の対応処理(図29)におけるステップS1005にて実行されるAT用処理(図45)においてAT状態ST5の1セットを継続させるための処理が実行された場合にステップS2316にて第2出力開始フラグに「1」がセットされる。また、ステップS2317にてAT信号のOFF設定処理を実行する。AT信号のOFF設定処理では、AT信号の出力状態をHIレベルからLOWレベルに切り換える。これにより、所定信号経路を通じて主側MPU72からAT信号用の出力端子にLOWレベルのAT信号が送信され、当該AT信号用の出力端子を通じて遊技ホールの管理コンピュータにLOWレベルのAT信号が外部出力される。また、ステップS2318にてOFF継続カウンタの設定処理を実行する。当該設定処理では、主側RAM74に設けられたOFF継続カウンタにOFF継続期間に対応する数値情報を設定する。OFF継続カウンタは、AT状態ST5の1セットが継続された場合においてAT信号をLOWレベルに維持する期間を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。OFF継続期間は200ミリ秒に設定されているが任意である。なお、OFF継続カウンタの値が1以上である場合にはタイマ割込み処理(図12)が起動される度にタイマ減算処理(ステップS208)にてOFF継続カウンタの値が1減算される。また、AT信号の出力状態がLOWレベルとHIレベルとの間で切り換えられる構成に限定されることはなく、AT信号の出力状態と非出力状態との間で切り換えられる構成としてもよい。
第2出力開始フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3304:YES)、当該第2出力開始フラグを「0」クリアした後に(ステップS3305)、主側RAM74のOFF継続カウンタの値が「0」であるか否かを判定することで、AT用処理(図45)のステップS2318にてOFF継続カウンタに設定されたOFF継続期間(具体的には200ミリ秒)が経過しているか否かを判定する(ステップS3306)。OFF継続カウンタの値が1以上である場合(ステップS3306:NO)、ステップS3306の処理を繰り返し実行する。OFF継続カウンタの値が「0」である場合(ステップS3306:YES)、AT信号のON設定処理を実行する(ステップS3307)。AT信号のON設定処理では、AT信号の出力状態をLOWレベルからHIレベルに切り換える。これにより、所定信号経路を通じて主側MPU72からAT信号用の出力端子にHIレベルのAT信号が送信され、当該AT信号用の出力端子を通じて遊技ホールの管理コンピュータにHIレベルのAT信号が外部出力される。
第2出力開始フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3304:NO)、主側RAM74の外部出力終了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3308)。既に説明したとおり遊技終了時の対応処理(図29)におけるステップS1005にて実行されるAT用処理(図45)においてAT状態ST5を終了させるための処理が実行された場合にステップS2323にて外部出力終了フラグに「1」がセットされる。また、図示は省略するが遊技区間の第2制御処理(図41)において第2区間SC2のエンディング条件が成立したと判定した場合にも(ステップS1906:YES、又はステップS1913:YES)、外部出力終了フラグに「1」がセットされる。
外部出力終了フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3308:YES)、当該外部出力終了フラグを「0」クリアした後に(ステップS3309)、AT信号のOFF設定処理を実行する(ステップS3310)。AT信号のOFF設定処理では、AT信号の出力状態をHIレベルからLOWレベルに切り換える。これにより、所定信号経路を通じて主側MPU72からAT信号用の出力端子にLOWレベルのAT信号が送信され、当該AT信号用の出力端子を通じて遊技ホールの管理コンピュータにLOWレベルのAT信号が外部出力される。
次に、AT信号の出力レベルが切り換えられる様子について、図68のタイムチャートを参照しながら説明する。図68(a)は1ゲームの実行期間を示し、図68(b)はAT状態ST5の1セットが終了するタイミングを示し、図68(c)はAT状態ST5の新たなセットが開始されたことを示すセット継続演出が実行されている期間を示し、図68(d)はエンディング確定演出が実行されている期間を示し、図68(e)はリール32L,32M,32Rが回転している期間を示し、図68(f)はメダルの払い出しが実行されている期間を示し、図68(g)はAT信号の出力状態を示し、図68(h)は主側RAM74のOFF継続カウンタの状態を示す。
まずエンディング確定演出及びエンディング用演出が実行されていない状況においてAT状態ST5の1セットが継続される場合について説明する。
図68(a)に示すようにt1のタイミングでゲームが開始され、図68(e)に示すように当該t1のタイミングでリール32L,32M,32Rの回転が開始される。また、今回のゲームはAT状態ST5において開始されているため、図68(g)に示すようにAT信号はHIレベルとなっている。
その後、t2のタイミングで図68(e)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が停止される。この場合、AT用処理(図45)において1減算後におけるAT継続カウンタの値が「0」となるため、図68(b)に示すように今回のAT状態ST5の1セットが終了する。但し、主側RAM74のセット回数カウンタの値が1以上であることによりAT状態ST5の新たな1セットを開始させるための処理が実行される。当該1セットを開始させるための処理が実行された場合にはステップS2315にてAT継続コマンドが演出側MPU92に送信される。したがって、t2のタイミングで図68(c)に示すようにセット継続演出が開始される。また、ステップS2317にてAT信号のOFF設定処理が実行されることにより、t2のタイミングで図68(g)に示すようにAT信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換えられる。また、ステップS2318にてOFF継続カウンタの設定処理が実行されることにより、t2のタイミングで図68(h)に示すようにOFF継続カウンタにOFF継続期間(具体的には200ミリ秒)に対応する情報がセットされる。また、今回のゲームにて遊技媒体の付与に対応する入賞が成立しているとともに貯留記憶されている仮想メダルの数が上限貯留記憶数(具体的には「50」)に達することで、t2のタイミングで図68(f)に示すようにホッパ装置53によるメダルの払い出しが開始される。
ここで、通常処理(図13)ではAT用処理(図45)が含まれる遊技終了時の対応処理(図29)が実行された後に媒体付与処理(ステップS315)が実行されるため、AT信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換えられるとともに主側RAM74のOFF継続カウンタにOFF継続期間(具体的には200ミリ秒)に対応する情報がセットされた後に、ホッパ装置53によるメダルの払い出しが開始される。したがって、図68(f)に示すようにホッパ装置53によるメダルの払い出しが実行されている期間においてOFF継続期間の計測が進行していく。
その後、t3のタイミングで図68(f)に示すようにホッパ装置53によるメダルの払い出しが終了する。この場合、通常処理(図13)ではフリーズ期間が設定されていないことを条件として、外部出力設定処理(図67)を実行する。外部出力設定処理では既に説明したとおり主側RAM74の第2出力開始フラグに「1」がセットされている場合において主側RAM74のOFF継続カウンタの値が1以上である場合にはステップS3306にて待機する。したがって、OFF継続期間の残りの期間が経過するまではAT信号の出力状態がLOWレベルに維持される。
その後、t4のタイミングで図68(h)に示すように主側RAM74のOFF継続カウンタの値が「0」となる。つまり、OFF継続期間の計測が完了する。したがって、当該t4のタイミングで図68(g)に示すようにAT信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられる。また、当該t4のタイミングで図68(a)に示すように今回のゲームが終了する。
次に、エンディング確定演出が実行されている状況においてAT状態ST5の1セットが継続される場合について説明する。
図68(a)に示すようにt5のタイミングでゲームが開始され、図68(e)に示すように当該t5のタイミングでリール32L,32M,32Rの回転が開始される。また、今回のゲームはAT状態ST5において開始されているため、図68(g)に示すようにAT信号はHIレベルとなっている。
その後、t6のタイミングで図68(e)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が停止される。この場合、AT用処理(図45)において1減算後におけるAT継続カウンタの値が「0」となるため、図68(b)に示すように今回のAT状態ST5の1セットが終了する。但し、主側RAM74のセット回数カウンタの値が1以上であることによりAT状態ST5の新たな1セットを開始させるための処理が実行される。当該1セットを開始させるための処理が実行された場合にはステップS2315にてAT継続コマンドが演出側MPU92に送信されるが、図68(d)に示すようにエンディング確定演出が実行されている状況であるため図68(c)に示すようにセット継続演出が実行されない。これにより、主側MPU72の制御ではAT状態ST5の新たな1セットが継続された状況であってもそれに対応する演出が実行されることなくエンディング確定演出が継続されるため、遊技者はAT状態ST5の1セットが終了して新たな1セットが継続されたと認識することはない。
また、ステップS2317にてAT信号のOFF設定処理が実行されることにより、t6のタイミングで図68(g)に示すようにAT信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換えられる。また、ステップS2318にてOFF継続カウンタの設定処理が実行されることにより、t6のタイミングで図68(h)に示すようにOFF継続カウンタにOFF継続期間(具体的には200ミリ秒)に対応する情報がセットされる。また、今回のゲームにて遊技媒体の付与に対応する入賞が成立しているとともに貯留記憶されている仮想メダルの数が上限貯留記憶数(具体的には「50」)に達することで、t6のタイミングで図68(f)に示すようにホッパ装置53によるメダルの払い出しが開始される。
上記のとおり通常処理(図13)ではAT用処理(図45)が含まれる遊技終了時の対応処理(図29)が実行された後に媒体付与処理(ステップS315)が実行されるため、AT信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換えられるとともに主側RAM74のOFF継続カウンタにOFF継続期間(具体的には200ミリ秒)に対応する情報がセットされた後に、ホッパ装置53によるメダルの払い出しが開始される。したがって、図68(f)に示すようにホッパ装置53によるメダルの払い出しが実行されている期間においてOFF継続期間の計測が進行していく。
その後、図68(f)に示すようにホッパ装置53によるメダルの払い出しが継続されている状況であるt7のタイミングで図68(h)に示すように主側RAM74のOFF継続カウンタの値が「0」となる。つまり、OFF継続期間の計測が完了する。但し、通常処理(図13)では未だ媒体付与処理(ステップS315)が実行されており、外部出力設定処理(図67)は実行されていないため、図68(g)に示すようにAT信号はLOWレベルに維持される。
その後、t8のタイミングで図68(f)に示すようにホッパ装置53によるメダルの払い出しが終了する。この場合、既にOFF継続期間の計測が完了しているため、当該t8のタイミングで図68(g)に示すようにAT信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられる。また、当該t8のタイミングで図68(a)に示すように今回のゲームが終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
AT状態ST5におけるAT継続カウンタ及びセット回数カウンタの値に基づき当該AT状態ST5において第2区間SC2のエンディング条件が成立し得る状況となった場合には主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされる。そして、第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされた場合にはエンディング確定演出又はエンディング用演出が実行される。これにより、AT状態ST5において第2区間SC2のエンディング条件が成立し得る状況となったことを遊技者に認識させることが可能となる。この場合に、主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされていたとしても、これら第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの両方に「1」がセットされていない状況と同様に、AT状態ST5における残りの継続ゲーム数を上乗せさせるための処理及びAT状態ST5における残りのセット回数を上乗せさせるための処理が実行される。よって、これら上乗せ用の処理の処理内容を第1,第2エンディングフラグに「1」がセットされているか否かによって変更する必要がないため、主側MPU72の処理構成を簡素化することが可能となる。
その一方、主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされている場合にはAT継続カウンタ又はセット回数カウンタの値が加算されたとしても実質的に遊技者に利益が付与されたことにならない。これに対して、主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされている場合には上乗せ用の処理の実行に伴うフリーズ期間、逆押し報知及び上乗せ演出が実行されない。これにより、実質的に遊技者に利益が付与されていないにも関わらず、利益が付与されたかのような演出が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
特に、フリーズ期間が発生しないようになることにより、実質的に遊技者の利益とならない上乗せ用処理の実行に起因して遊技の消化効率が低下してしまわないようにすることが可能となる。
主側RAM74の第1エンディングフラグ又は第2エンディングフラグに「1」がセットされている場合にはAT状態ST5の1セットが終了して新たなセットが継続されたとしてもそれに対応する演出は実行されない。これにより、エンディング確定演出又はエンディング用演出への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
AT状態ST5が終了した場合には画像表示装置63に移行待ち演出の画像が表示されるため、AT状態ST5が終了したことを遊技者に明確に認識させることが可能となる。この場合に、当該移行待ち演出の画像は第2区間SC2への移行が新たに発生するまで継続される。これにより、AT状態ST5が終了した後であって第2区間SC2に再度移行する前の状況であることを、移行待ち演出の画像を利用して遊技者に明確に認識させることが可能となるとともに、移行待ち演出の画像をそのまま表示させ続けるだけであるため処理負荷を低減しながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に一部クリア処理(ステップS104)又は全部クリア処理(ステップS105)が実行されたことに基づき第1区間SC1となった場合には画像表示装置63にて移行待ち演出の画像は表示されない。これにより、第1区間SC1である場合にはそれがAT状態ST5の終了後の状況であるか否かを遊技者に明確に認識させることが可能となる。
第1区間SC1において役の抽選処理(図15)にていずれかの役に当選したことに基づき第2区間SC2への移行が発生するため、第2区間SC2への移行契機を役の抽選処理(図15)の結果に関連付けることが可能となる。また、当該構成においては第1区間SC1において役の抽選処理(図15)にていずれの役にも当選しないゲームが繰り返された場合には第1区間SC1が継続してしまうこととなるが、AT状態ST5の終了後における第1区間SC1においては画像表示装置63にて移行待ち演出の画像の表示が継続されるため、第1区間SC1が継続していることを遊技者に明確に認識させることが可能となる。
第1区間SC1において役の抽選処理(図15)にていずれの役にも当選しないゲームが実行される度に、使用対象として設定されている設定値が高設定値域である期待度を示唆する演出又は使用対象として設定されている設定値が含まれる設定値域を明示する演出が実行される。これにより、第1区間SC1において役の抽選処理(図15)にていずれの役にも当選しないゲームが実行されたことに対する不利益感を低減させることが可能となる。
非移行連続カウンタの値が「1」又は「2」である場合には示唆抽選テーブルとして第1示唆抽選テーブル及び第2示唆抽選テーブルのいずれかが選択されるのに対して、非移行連続カウンタの値が「3」~「5」のいずれかである場合には示唆抽選テーブルとして第1示唆抽選テーブル、第2示唆抽選テーブル及び第3示唆抽選テーブルのいずれかが選択される。したがって、非移行連続カウンタの値が「1」又は「2」である場合よりも非移行連続カウンタの値が「3」~「5」のいずれかである場合の方が、使用対象として設定されている設定値が高設定値域である可能性を予測し易くなる。これにより、第1区間SC1において役の抽選処理(図15)にていずれの役にも当選しないゲームが繰り返されたことに対する不利益感を低減させることが可能となる。
非移行連続カウンタの値が6以上である場合には使用対象として設定されている設定値に1対1で対応する示唆抽選テーブルが読み出されて設定示唆抽選処理が実行され、設定示唆コマンドとして低設定コマンド、中設定コマンド及び高設定コマンドのうち対応する設定値域に対応するコマンドが送信対象として選択され得る。これにより、第1区間SC1において役の抽選処理(図15)にていずれの役にも当選しないゲームが6ゲーム以上に亘って繰り返された場合には、使用対象として設定されている設定値が低設定値域、中設定値域及び高設定値域のいずれに対応しているのかを認識する機会を与えることが可能となる。よって、第1区間SC1において役の抽選処理(図15)にていずれの役にも当選しないゲームが繰り返されたことに対する不利益感を低減させることが可能となるとともに、使用対象として設定されている設定値がいずれの設定値域であるかを把握したい遊技者にとっては逆にメリットとなり得るようにすることが可能となる。
第1区間SC1から第2区間SC2への移行が発生した場合に当該第2区間SC2における解除ゲーム数及び移行モードの種類が決定されるため、遊技者はその決定された内容が有利な内容であるか否かに注目することとなる。この場合に、第2区間SC2に移行した場合に実行される移行演出の演出内容は、第2区間SC2の有利度に対応する決定態様で決定される。これにより、第2区間SC2への移行が発生したことを遊技者に認識させるための移行演出を利用して、当該第2区間SC2の有利度を遊技者に示唆することが可能となる。よって、移行演出に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
上乗せ期間においてセット回数の上乗せが発生したことを示す報知が実行される場合、演出効果を高めるために比較的大きな音による上乗せ対応音声がスピーカ62から出力される。この場合に、リール32L,32M,32Rの停止順序が報知されている状況で当該上乗せ対応音声が急に出力されると、それにビックリした遊技者がリール32L,32M,32Rの停止順序を間違ってしまうおそれがある。したがって、上乗せ期間においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される状況でセット回数の上乗せ当選となった場合には主側MPU72による制御により基本的に途中フリーズ期間が発生する。これにより、上乗せ対応音声に遊技者がビックリしたとしてもそのタイミングでは遊技者の操作に対するリール32L,32M,32Rの制御が阻止されているためリール32L,32M,32Rの停止順序を間違えてしまう可能性が低減される。
途中フリーズ期間が実行されている範囲内で上乗せ対応音声の出力が完了する。これにより、上乗せ対応音声が出力されている状況においてはストップボタン42~44の操作を確実に無効化させることが可能となる。
上乗せ対応音声がリール32L,32M,32Rの回転開始時、リール32L,32M,32Rの第1停止時及びリール32L,32M,32Rの第2停止時のいずれかで発生する構成において、上乗せ対応音声が上記回転開始時に発生する場合には途中フリーズ期間は上記回転開始時に発生し、上乗せ対応音声が上記第1停止時に発生する場合には途中フリーズ期間は上記第1停止時に発生し、上乗せ対応音声が上記第2停止時に発生する場合には途中フリーズ期間は上記第2停止時に発生する。つまり、途中フリーズ期間は上乗せ対応音声が出力される直前に開始されるため、ストップボタン42~44の操作が無効化される状況が過剰に発生してしまわないようにすることが可能となる。
リール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない状況においてセット回数の上乗せ当選となることがある。このような状況において上乗せ対応音声が出力されることで遊技者がビックリしたとしても、リール32L,32M,32Rの停止順序は任意であるためリール32L,32M,32Rの停止順序を間違えてしまうことはない。したがって、当該状況において途中フリーズ期間は発生しない。これにより、ストップボタン42~44の操作が無効化される状況が過剰に発生してしまわないようにすることが可能となる。
スタートレバー41が操作されてゲームの開始契機が発生したタイミングで選択対象モード画像G2において最も手前に表示される対応画像に対応する種類の演出モードが今回の上乗せ期間で発生する種類の演出モードとなる構成においては、メダル投入口45へのメダルの投入又はクレジット投入ボタン47の操作によるベット設定によって、そのタイミングで選択対象となっている対応画像に対応する種類の演出モードに決定されると勘違いする遊技者が現れてしまうおそれがある。当該遊技者はベット設定を行った時点で演出モードの種類を決定したと勘違いしているため、その後のスタートレバー41の操作タイミングが所望とする種類の演出モードとは異なる種類の演出モードが選択対象となっているタイミングとなってしまうおそれがある。特に、所望とする種類の演出モードが選択対象となっている残り切り換え期間があと僅かなタイミングでベット設定を行い即座にスタートレバー41を操作した場合、所望とする種類の演出モードとは異なる種類の演出モードに決定されてしまう可能性が高くなる。これに対して、ベット設定が行われたタイミングで、その時点で選択対象となっている種類の演出モードに対する残り切り換え期間が初期値に再セットされる。これにより、ベット設定が演出モードの種類の決定操作であると遊技者が勘違いしていたとしても、所望の種類の演出モードが今回の上乗せ期間の演出モードとして決定され得るようにすることが可能となる。
ベット設定が行われたタイミングで、その時点で選択対象となっている種類の演出モードに対する残り切り換え期間が初期値に再セットされる構成であることにより、残り切り換え期間に対する延長対応の固定期間を加算する構成に比べて、予め記憶する情報の増大化を抑制しながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
残り切り換え期間を示す切り換え期間画像G3が表示されることにより、選択対象となっている演出モードが切り換えられるタイミングを遊技者が予測し易くなる。この場合に、残り切り換え期間が初期値に再セットされた場合には切り換え期間画像G3の表示内容も当該再セットに合わせて変更される。これにより、残り切り換え期間が初期値に再セットされたことを遊技者に明確に認識させることが可能となる。
リールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出された場合に有効期間フラグ102a~102cに「1」をセットする処理は各リール32L,32M,32Rに対して個別に行われる。したがって、ストップボタン42~44が有効化されるタイミングはリール32L,32M,32R毎に異なるものとなる。よって、ストップボタン42~44の有効化が全てのリール32L,32M,32Rに対して同時に行われる構成に比べて、リール32L,32M,32Rの停止操作を早期に開始させることが可能となる。
リール32L,32M,32Rの停止順序が報知されていない状況においては左リール32Lに対する停止操作が最初に行われることが一般的である。また、リール32L,32M,32Rの停止順序が報知されていない状況において左リール32Lに対する停止操作が最初に行われる場合には、チェリー入賞の取りこぼしが発生しないタイミングで左ストップボタン42が操作される。図28の図柄配列を説明するための説明図に示すように、チェリー入賞の取りこぼしが発生しないように左リール32Lに対する停止操作が行われる場合には、最大スベリ数が4コマであるためフォロー範囲として示す3番目の「白7」図柄~13番目の「スイカ」図柄が左リール32Lの下段に到達し得る。このようにフォロー範囲が設定されている構成において各リール32L,32M,32Rにおいて対応するリールインデックスセンサ36がセンサカットバン37を検出することとなる回転初期位置は、15番目の図柄が対応するリール32L,32M,32Rの下段の位置に存在している回転位置である。左リール32Lにおいてこの回転初期位置は、上記フォロー範囲と当該フォロー範囲以外の範囲である非フォロー範囲(0番目の「スイカ」図柄~2番目の「ベル」図柄及び14番目の「スイカ」図柄~20番目の「ベル」図柄)との境界のうち左リール32Lの回転方向における下流側の境界に対して、当該下流側に1図柄分進んだ回転位置である。左リール32Lの回転初期位置は、フォロー範囲と非フォロー範囲との左リール32Lの回転方向における下流側の境界に対して、当該下流側に1図柄分進んだ回転位置である。これにより、フォロー範囲に含まれるいずれかの図柄が左リール32Lの下段の位置に停止するように左リール32Lに対する左ストップボタン42の操作が行われている場合には、次回のゲームの開始に際して左リール32Lの加速が完了して定速回転となった後において早期に、左リール32Lに対応するリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出されて左ストップボタン42の操作が有効化されることとなる。そして、加速が完了した後にリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出された場合には各リール32L,32M,32Rに対するストップボタン42~44の操作が個別に有効化される構成において、左リール32Lの回転初期位置が上記のように設定されていることにより、左リール32Lに対する停止操作が最初に行われる状況において左リール32Lに対する左ストップボタン42の操作を早期に有効なものとすることが可能となる。
AT状態ST5において1セットが継続される場合にはAT信号の出力状態はHIレベルからLOWレベルに一旦切り換えられ、その後にOFF継続期間が経過した場合にLOWレベルからHIレベルに再度切り換えられる。この場合に、AT信号の出力状態をHIレベルからLOWレベルに切り換える処理及びOFF継続期間の計測を開始する処理はリール32L,32M,32Rの回転が終了した後であって媒体付与処理(ステップS315)が実行される前に開始される。そして、媒体付与処理(ステップS315)が終了した後においてOFF継続期間の計測が完了している場合にAT信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられる。これにより、ホッパ装置53によるメダルの払い出しが実行されている期間を含めてOFF継続期間を計測することが可能となるため、OFF継続期間が経過するまで処理の進行を待機するための期間を短くすることが可能となる。
媒体付与処理(ステップS315)の実行期間がOFF継続期間以上となり得る。これにより、OFF継続期間が経過するまでの処理待ち期間が実質的に生じない状況を発生させることが可能となる。
前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合、新たなベット設定を行うことなく新たなゲームを開始させることができる状況であっても演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cが点灯状態から消灯状態となる。そして、クレジット投入ボタン47が操作された場合には新たなベット設定が行われていない状況であっても演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cが順次、消灯状態から点灯状態となる。いずれかのメインラインML1~ML5において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、特殊リプレイ入賞となる。また、特殊リプレイ入賞を成立させるためには第1停止として中リール32M又は右リール32Rを停止させる必要があるとともに、左リール32Lの回転位置に対して所定のタイミングで左ストップボタン42を操作する必要がある。したがって、遊技者は特殊リプレイ入賞が成立した場合、実際にはリプレイ入賞が成立しているものの所謂リプレイ外しを行ったと認識することとなる。この場合に、上記のとおり特殊リプレイ入賞が成立した場合には演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cを点灯状態から消灯状態に一旦切り換え、その後にクレジット投入ボタン47が操作された場合に演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cを順次、消灯状態から点灯状態に切り換える構成であることにより、実際にはリプレイ入賞が成立している状況であっても所謂リプレイ外しを行ったと遊技者に認識させることが可能となる。
前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合には、演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cを消灯状態とするだけではなく、クレジット投入ボタン47が消灯状態から点灯状態に切り換わる。これにより、実際にはリプレイ入賞が成立している状況であっても所謂リプレイ外しを行ったと遊技者に認識させることが可能となる。
前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合であってその後にクレジット投入ボタン47が操作された場合には演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cが順次、消灯状態から点灯状態に切り換わるだけではなく、スピーカ62からベット音が出力される。これにより、実際にはリプレイ入賞が成立している状況であっても所謂リプレイ外しを行ったと遊技者に認識させることが可能となる。
前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合においてクレジット投入ボタン47が操作されることなくスタートレバー41が操作された場合には、当該操作を契機にゲームを開始させる場合に演出側ベット表示部69の全ての各発光部69a~69cを同時に消灯状態から点灯状態に切り換える。これにより、上記のように実際にはリプレイ入賞が成立している状況であっても所謂リプレイ外しを行ったと遊技者に認識させることを可能としながらも、ゲームが開始された場合には演出側ベット表示部69の全ての各発光部69a~69cが点灯状態となっているようにすることが可能となる。
前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合には演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cを消灯状態とする構成において、主側ベット表示部64の各発光部64a~64cは点灯状態に維持される。これにより、前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した後の状況であったとしても、遊技ホールの管理者は主側ベット表示部64を確認することで遊技媒体のベットが行われている状況であるか否かを明確に特定することが可能となる。
BB当選データ及びRB当選データのいずれかが主側RAM74に記憶されている場合にはインデックス値IV=18~21のいずれかで当選となったとしても当該当選を契機としてBB当選データ又はRB当選データが主側RAM74に新たに記憶されないようにプログラムによる処理が設定されていることにより、BB当選データ及びRB当選データのいずれかが主側RAM74に記憶されている否かに応じて役抽選テーブルの種類を変更しなくても、BB当選データ及びRB当選データが主側RAM74に累積的に記憶されないようにすることが可能となる。BB当選データ及びRB当選データのいずれかが主側RAM74に記憶されている否かに応じて役抽選テーブルの種類を変更しないようにすることで、当該当選データの記憶の有無に応じた役抽選テーブルを用意する必要がないため、役抽選テーブルを記憶するために必要な記憶容量を削減することが可能となる。
BB当選データ及びRB当選データのいずれかが主側RAM74に記憶されている場合にはインデックス値IV=18~21のいずれかで当選となったとしても当該当選を契機としてBB当選データ又はRB当選データが主側RAM74に新たに記憶されない構成であっても、BB当選データ及びRB当選データのいずれかが主側RAM74に記憶されている状況でインデックス値IV=18又は20で当選となった場合にはチェリー当選データが主側RAM74に記憶される。これにより、チェリー当選データが選択的に記憶されることとなり、BB当選データ及びRB当選データのいずれかが主側RAM74に記憶されているか否かによってチェリー当選データが記憶される確率が変動してしまわないようにすることが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では主側MPU72にて実行されるステッピングモータ制御処理の処理内容が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図69は主側MPU72にて実行される本実施形態におけるステッピングモータ制御処理を示すフローチャートである。
主側RAM74の回転中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3401:NO)、その他の処理を実行する(ステップS3402)。当該その他の処理では、上記第1の実施形態におけるステッピングモータ制御処理(図25)のステップS802~ステップS806と同一の処理を実行する。
主側RAM74の回転中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3401:YES)、主側RAM74の対象リールカウンタに「1」をセットする(ステップS3403)。その後、その他の処理を実行する(ステップS3404)。当該その他の処理では、上記第1の実施形態におけるステッピングモータ制御処理(図25)のステップS808~ステップS812と同一の処理を実行する。
現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの加速完了フラグ101a~101cに「1」がセットされていない場合(ステップS3405:NO)、ステップS3406~ステップS3408の処理を実行する。ステップS3406~ステップS3408の処理内容は、上記第1の実施形態におけるステッピングモータ制御処理(図25)のステップS814~ステップS816と同一である。
対応する加速完了フラグ101a~101cに「1」がセットされている場合(ステップS3405:YES)、定速制御用処理を実行する(ステップS3409)。定速制御用処理の処理内容は上記第1の実施形態におけるステッピングモータ制御処理(図25)のステップS817と同一である。
その後、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rのリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出されたか否かを判定する(ステップS3410)。リールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出された場合(ステップS3410:YES)、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの有効期間フラグ102a~102cに「1」をセットする(ステップS3411)。これにより、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rに対するストップボタン42~44の操作が有効化される。
ここで、定速回転が開始された後にリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出されるタイミングは、各リール32L,32M,32Rの回転開始が同時に行われ、さらに同一の加速用テーブルを利用して加速制御が行われたとしても、各リール32L,32M,32Rの前回の停止位置に応じて相違することとなる。これに対して、ステップS3410及びステップS3411の処理、すなわちリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出された場合に有効期間フラグ102a~102cに「1」をセットする処理は各リール32L,32M,32Rに対して個別に行われる。したがって、ストップボタン42~44が有効化されるタイミングはリール32L,32M,32R毎に異なるものとなる。よって、ストップボタン42~44の有効化が全てのリール32L,32M,32Rに対して同時に行われる構成に比べて、リール32L,32M,32Rの停止操作を早期に開始させることが可能となる。
その後、全ての有効期間フラグ102a~102cに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3412)。全ての有効期間フラグ102a~102cに「1」がセットされている場合(ステップS3412:YES)、ボタン点灯処理を実行する(ステップS3413)。ボタン転送処理では、全てのストップボタン42~44を消灯状態から点灯状態に切り換える。これにより、ストップボタン42~44の有効化が個別に行われる構成であっても、リール32L,32M,32Rの回転開始後においてストップボタン42~44が消灯状態から点灯状態に切り換えられるタイミングを揃えることが可能となる。
ステップS3414~ステップS3416の処理内容は、上記第1の実施形態におけるステッピングモータ制御処理(図25)のステップS822~ステップS824と同一である。
上記構成によればストップボタン42~44の有効化が個別に行われる構成であっても、リール32L,32M,32Rの回転開始後においてストップボタン42~44が消灯状態から点灯状態に切り換えられるタイミングを揃えることが可能となる。よって、ストップボタン42~44が点灯状態となるタイミングに関して遊技者に違和感を与えないようにすることが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では主側MPU72にて実行されるステッピングモータ制御処理の処理内容が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図70は主側MPU72にて実行される本実施形態におけるステッピングモータ制御処理を示すフローチャートである。
主側RAM74の回転中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3501:NO)、その他の処理を実行する(ステップS3502)。当該その他の処理では、上記第1の実施形態におけるステッピングモータ制御処理(図25)のステップS802~ステップS806と同一の処理を実行する。
主側RAM74の回転中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3501:YES)、主側RAM74の対象リールカウンタに「1」をセットする(ステップS3503)。その後、その他の処理を実行する(ステップS3504)。当該その他の処理では、上記第1の実施形態におけるステッピングモータ制御処理(図25)のステップS808~ステップS812と同一の処理を実行する。
現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの加速完了フラグ101a~101cに「1」がセットされていない場合(ステップS3505:NO)、ステップS3506~ステップS3508の処理を実行する。ステップS3506~ステップS3508の処理内容は、上記第1の実施形態におけるステッピングモータ制御処理(図25)のステップS814~ステップS816と同一である。
対応する加速完了フラグ101a~101cに「1」がセットされている場合(ステップS3505:YES)、定速制御用処理を実行する(ステップS3509)。定速制御用処理の処理内容は上記第1の実施形態におけるステッピングモータ制御処理(図25)のステップS817と同一である。
その後、全ての加速完了フラグ101a~101cに「1」がセットされていることを条件として(ステップS3510:YES)、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rのリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出されたか否かを判定する(ステップS3511)。リールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出された場合(ステップS3511:YES)、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rの有効期間フラグ102a~102cに「1」をセットする(ステップS3512)。これにより、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rに対するストップボタン42~44の操作が有効化される。
ここで、定速回転が開始された後にリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出されるタイミングは、各リール32L,32M,32Rの回転開始が同時に行われ、さらに同一の加速用テーブルを利用して加速制御が行われたとしても、各リール32L,32M,32Rの前回の停止位置に応じて相違することとなる。これに対して、ステップS3511及びステップS3512の処理、すなわちリールインデックスセンサ36にてセンサカットバン37が検出された場合に有効期間フラグ102a~102cに「1」をセットする処理は各リール32L,32M,32Rに対して個別に行われる。したがって、ストップボタン42~44が有効化されるタイミングはリール32L,32M,32R毎に異なるものとなる。よって、ストップボタン42~44の有効化が全てのリール32L,32M,32Rに対して同時に行われる構成に比べて、リール32L,32M,32Rの停止操作を早期に開始させることが可能となる。
また、ステップS3511及びステップS3512の処理は全ての加速完了フラグ101a~101cに「1」がセットされていることを条件として実行される。したがって、ストップボタン42~44が有効化されるタイミングがリール32L,32M,32R毎に異なるものとなる構成であっても、全てのリール32L,32M,32Rの加速が完了している状況においてストップボタン42~44が有効化されるようにすることが可能となる。
その後、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rのストップボタン42~44が既に点灯状態となっているか否かを判定する(ステップS3513)。ストップボタン42~44が消灯状態である状況でリール32L,32M,32Rの回転が開始されるため、有効期間フラグ102a~102cに「1」がセットされたタイミングにおいては基本的に対応するストップボタン42~44は消灯状態となっている。したがって、基本的にはステップS3513にて否定判定をして、ボタン点灯処理を実行する(ステップS3514)。ボタン転送処理では、現状の対象リールカウンタの値に対応するリール32L,32M,32Rのストップボタン42~44を消灯状態から点灯状態に切り換える。これにより、操作が有効化されたストップボタン42~44から順に消灯状態から点灯状態に切り換えられることとなり、操作が有効であるストップボタン42~44を遊技者が認識し易くなる。
ステップS3515~ステップS3517の処理内容は、上記第1の実施形態におけるステッピングモータ制御処理(図25)のステップS822~ステップS824と同一である。
上記構成によれば、ステップS3511及びステップS3512の処理は全ての加速完了フラグ101a~101cに「1」がセットされていることを条件として実行される。したがって、ストップボタン42~44が有効化されるタイミングがリール32L,32M,32R毎に異なるものとなる構成であっても、全てのリール32L,32M,32Rの加速が完了している状況においてストップボタン42~44が有効化されるようにすることが可能となる。
<第4の実施形態>
本実施形態では第1区間SC1における設定示唆の実行条件が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図71は演出側MPU92にて実行される本実施形態における終了制御処理を示すフローチャートである。
ステップS3601~ステップS3604では上記第1の実施形態における終了制御処理(図58)のステップS3001~ステップS3004と同一の処理を実行する。第2区間初期化コマンドを受信している場合(ステップS3605:YES)、各種クリア処理を実行する(ステップS3606)。各種クリア処理では、エンディングフラグ、エンディング実行フラグ、第1エンディング条件記憶エリア及び第2エンディング条件記憶エリアなどといったAT状態ST5において利用した演出側RAM94の各種記憶エリアを「0」クリアする。
その後、演出側RAM94に設けられた第2区間終了後フラグに「1」をセットする(ステップS3607)。第2区間終了後フラグは、AT状態ST5及び第2区間SC2が終了した後の状況であることを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。
その後、移行待ち演出のデータテーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS3608)。移行待ち演出のデータテーブルは、第1区間SC1から第2区間SC2への移行を待機している状況であることを示す移行待ち演出を実行させるための各種データが設定されたテーブルである。演出側MPU92は当該移行待ち演出のデータテーブルに従って上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63を制御することにより、これら上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて移行待ち演出が実行されるようにする。
図72は演出側MPU92にて実行される本実施形態における非AT中の演出制御処理を示すフローチャートである。
主側MPU72からいずれかの設定示唆コマンドを受信している場合(ステップS3701:YES)、演出側RAM94の第2区間終了後フラグに「1」がセットされていることを条件として(ステップS3702:YES)、その受信した設定示唆コマンドに対応する表示テーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS3703)。当該表示テーブルは設定示唆コマンドに1対1で対応させて設けられており、当該表示テーブルが読み出されることにより、移行待ち演出に対して、今回受信した設定示唆コマンドに対応する設定示唆演出が追加で実行される。画像表示装置63では既に説明したとおり移行待ち演出に対応する画像が表示されている状況において今回受信した設定示唆コマンドに対応する設定示唆画像が追加で表示される。
設定示唆コマンドを受信していない場合(ステップS3701:NO)、主側MPU72から区間移行コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3704)。区間移行コマンドを受信している場合(ステップS3704:YES)、演出側RAM94の第2区間終了後フラグを「0」クリアする(ステップS3705)。その後、ステップS3706~ステップS3710の処理を実行する。また、区間移行コマンドを受信していない場合(ステップS3704:NO)、ステップS3711の処理を実行する。ステップS3706~ステップS3711では上記第1の実施形態における非AT中の演出制御処理(図63)のステップS3204~ステップS3209と同一の処理を実行する。
上記構成によれば、AT状態ST5及び第2区間SC2が終了した後の第1区間SC1であることを条件として、当該第1区間SC1において役の抽選処理(図15)にていずれの役にも当選しなかったことに起因して第2区間SC2への移行が発生しなかった場合に設定示唆演出が実行される。これにより、動作電力の供給が開始された場合に一部クリア処理(ステップS104)又は全部クリア処理(ステップS105)が実行されたことで発生した第1区間SC1においては役の抽選処理(図15)にていずれの役にも当選しないゲームが実行されたとしても設定示唆演出が実行されないようにすることが可能となる。
<第5の実施形態>
本実施形態では主側MPU72にて実行される上乗せ期間用処理の処理内容が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図73は主側MPU72にて実行される本実施形態における上乗せ期間用処理を示すフローチャートである。
まず第2上乗せ抽選処理を実行する(ステップS3801)。第2上乗せ抽選処理の処理内容は上記第1の実施形態における上乗せ期間用処理(図50)のステップS2501と同一である。
第2上乗せ抽選処理にて1回以上のセット回数の上乗せが選択された場合(ステップS3802:YES)、セット回数の加算処理を実行する(ステップS3803)。セット回数の加算処理では、第2上乗せ抽選処理(ステップS3801)にて選択されたセット回数を主側RAM74のセット回数カウンタに加算する。
その後、今回のゲームにおける役の抽選処理(図15)においてインデックス値IV=1~6のいずれかに当選したか否かを判定する(ステップS3804)。ステップS3804にて肯定判定をした場合、主側RAM74の途中フリーズ発生フラグに「1」をセットする(ステップS3805)。また、フリーズカウンタの設定処理を実行する(ステップS3806)。これらステップS3805及びステップS3806の処理内容は、上記第1の実施形態における上乗せ期間用処理(図50)のステップS2505及びステップS2506と同一である。
その後、発生タイミングの抽選処理を実行する(ステップS3807)。発生タイミングの抽選処理の処理内容は、上記第1の実施形態における上乗せ期間用処理(図50)のステップS2508と同一である。発生タイミングの抽選処理(ステップS3807)にて開始時のタイミングが選択された場合(ステップS3808:YES)、主側RAM74の開始時発生フラグに「1」をセットする(ステップS3809)。発生タイミングの抽選処理(ステップS3807)にて第1停止時のタイミングが選択された場合(ステップS3810:YES)、主側RAM74の第1停止時発生フラグに「1」をセットする(ステップS3811)。発生タイミングの抽選処理(ステップS3807)にて第2停止時のタイミングが選択された場合(ステップS3810:NO)、主側RAM74の第2停止時発生フラグに「1」をセットする(ステップS3812)。ステップS3809の処理、ステップS3811の処理又はステップS3812の処理を実行した場合、フリーズ対応当選コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS3813)。ステップS3807~ステップS3813の処理が実行された場合における作用は、上記第1の実施形態における上乗せ期間用処理(図50)にてステップS2508~ステップS2514の処理が実行された場合における作用と同一である。
ステップS3804にて否定判定をした場合、今回のゲームにおける役の抽選処理(図15)においてインデックス値IV=7~10のいずれかに当選したか否かを判定する(ステップS3814)。ステップS3814に肯定判定をした場合、発生タイミングの抽選処理を実行する(ステップS3815)。発生タイミングの抽選処理の処理内容は、上記第1の実施形態における上乗せ期間用処理(図50)のステップS2508と同一である。そして、発生タイミングの抽選処理にて開始時のタイミングが選択されたか否かを判定する(ステップS3816)。
開始時のタイミングが選択された場合(ステップS3816:YES)、主側RAM74の途中フリーズ発生フラグに「1」をセットする(ステップS3817)。また、フリーズカウンタの設定処理を実行する(ステップS3818)。これらステップS3817及びステップS3818の処理内容は、上記第1の実施形態における上乗せ期間用処理(図50)のステップS2505及びステップS2506と同一である。また、主側RAM74の開始時発生フラグに「1」をセットする(ステップS3819)。その後、フリーズ対応当選コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS3813)。これにより、主側RAM74の第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの両方に「1」がセットされていないことを条件として、今回のリール32L,32M,32Rの回転が開始される前にフリーズ期間が発生するとともに当該フリーズ期間においてセット回数の上乗せが発生したことを示す演出が実行される。
一方、今回のゲームにおける役の抽選処理(図15)においてインデックス値IV=1~10のいずれにも当選していない場合(ステップS3814:NO)、又はインデックス値IV=7~10のいずれかに当選したことを契機として実行された発生タイミングの抽選処理(ステップS3815)にて第1停止時又は第2停止時が選択された場合(ステップS3816:NO)、非フリーズ対応当選コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS3820)。非フリーズ対応当選コマンドを受信した場合における演出側MPU92の処理内容は上記第1の実施形態と同一である。
上記構成によれば、役の抽選処理(図15)にてインデックス値IV=7~10のいずれかに当選した場合、発生タイミングの抽選処理(ステップS3815)にて開始時のタイミングが選択された場合にはフリーズ期間が発生している状況でセット回数の上乗せが発生したことを示す演出が実行されるのに対して、発生タイミングの抽選処理(ステップS3815)にて第1停止時のタイミング又は第2停止時のタイミングが選択された場合にはフリーズ期間が発生しない。これにより、インデックス値IV=7~10のいずれかに当選してセット回数の上乗せが発生する場合であってもフリーズ期間が発生しない状況を生じさせることが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施形態の構成に対して個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。また、上記各実施形態の構成を相互に組み合わせて適用してもよく、上記各実施形態の構成を相互に組み合わせた構成に対して以下の別形態の構成を個別に又は組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施形態において主側MPU72から演出側MPU92に第1エンディングコマンド及び第2エンディングコマンドの一方が送信されたことを契機として演出側RAM94のエンディングフラグに「1」がセットされた後であっても、演出側MPU92は第1エンディングコマンド及び第2エンディングコマンドの他方を受信したか否かを判定し、当該他方のコマンドを受信した場合には、AT中の演出制御処理(図56)におけるステップS2908の処理が実行される構成としてもよい。これにより、例えば遊技媒体の制限付き合計純増枚数を契機として(すなわち第2エンディングコマンドを受信したことを契機として)演出側RAM94のエンディングフラグに「1」がセットされたとしても、その後に第2区間SC2の継続ゲーム数を契機として(すなわち第1エンディングコマンドを受信したことを契機として)第2区間SC2のエンディング条件が成立する場合であってもそれに対応させてエンディング用演出が実行されるようにすることが可能となる。
(2)上記各実施形態において主側RAM74の第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのいずれかに「1」がセットされた状況となり、AT状態ST5の残りの継続ゲーム数又は残りのセット回数を増加させる上乗せ用処理は実行され得るもののそれに対する上乗せ演出が実行されない状況となった場合には、上乗せ用処理が実行される度に現状の使用対象として設定されている設定値を示唆する演出が実行される構成としてもよい。設定値を示唆する演出としては、現状の使用対象として設定されている設定値が明示される演出、及び現状の使用対象として設定されている設定値が高設定値域に含まれる期待度を示す演出などが挙げられる。これにより、上乗せ用処理が実行されたとしても実質的に利益が付与されない状況において当選確率が低いインデックス値IVに当選したことに対して設定示唆という特典を付与することが可能となる。
(3)上記各実施形態においては主側RAM74の第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのいずれかに「1」がセットされた場合には、上乗せ期間におけるフリーズ期間、インデックス値IV=10に当選した場合における逆押し報知、及び上乗せ演出の全てが実行されなくなる構成としたが、これに限定されることはなく、これらのうち一部は実行されないが一部は実行される構成としてもよい。例えば、上乗せ期間におけるフリーズ期間は実行されないが、インデックス値IV=10に当選した場合における逆押し報知、及び上乗せ演出は実行される構成としてもよく、上乗せ期間におけるフリーズ期間は実行されるが、インデックス値IV=10に当選した場合における逆押し報知、及び上乗せ演出は実行されない構成としてもよい。
(4)上記各実施形態においては主側RAM74の第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのいずれかに「1」がセットされた場合には、エンディング確定演出が実行されている状況及びエンディング用演出が実行されている状況のいずれであっても、上乗せ期間におけるフリーズ期間、インデックス値IV=10に当選した場合における逆押し報知、及び上乗せ演出の全てが実行されなくなる構成としたが、エンディング確定演出が実行されている状況とエンディング用演出が実行されている状況とで実行されなくなる演出の種類が相違している構成としてもよい。例えば、エンディング確定演出が実行されている状況においては上乗せ期間におけるフリーズ期間は実行されないが、インデックス値IV=10に当選した場合における逆押し報知、及び上乗せ演出は実行されるのに対して、エンディング用演出が実行されている状況においては上乗せ期間におけるフリーズ期間、インデックス値IV=10に当選した場合における逆押し報知、及び上乗せ演出の全てが実行されなくなる構成としてもよい。これにより、演出の実行規制を段階的に行うことが可能となる。
(5)上記各実施形態においては主側RAM74の第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのいずれかに「1」がセットされた場合には、AT状態ST5の1セットが終了して新たなセットが継続されたとしてもそれに対応する演出が実行されない構成としたが、これに限定されることはなく、AT状態ST5の1セットが終了して新たなセットが継続されたことに対応する演出が実行される構成としてもよい。この場合、主側RAM74の第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのいずれかに「1」がセットされているか否かに関係なく上記継続演出が同一の態様で実行される構成としてもよく、主側RAM74の第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのいずれかに「1」がセットされている場合には主側RAM74の第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの両方に「1」がセットされていない場合よりも目立たない態様で上記継続演出が実行される構成としてもよい。
(6)上記各実施形態においてはAT状態ST5及び第2区間SC2の終了後における第1区間SC1にてゲームが実行されることで設定示唆演出が実行される場合、画像表示装置63における移行待ち演出に対応する画像に対して、設定示唆演出に対応する文字画像G21~G23が追加される構成としたが、これに限定されることはなく、画像表示装置63における移行待ち演出に対応する画像の表示内容を変更することによって設定示唆演出が実行される構成としてもよい。例えば、移行待ち演出に対応する画像として背景画像が表示されている場合に当該背景画像の表示態様を変更することで設定示唆演出が実行される構成としてもよい。
(7)上記各実施形態においてはAT状態ST5及び第2区間SC2の終了後における第1区間SC1にてゲームが実行されることで設定示唆演出が実行される構成としたが、当該設定示唆演出に加えて又は代えて、設定示唆演出とは異なる演出が実行される構成としてもよい。例えば、第2区間SC2において発生した場合には利益の発生が確定することとなるプレミア演出が実行される構成としてもよい。但し、当該プレミア演出が発生したとしても利益は発生しないため、それを遊技者が認識可能な状態で当該プレミア演出が実行されることが好ましい。
(8)上記各実施形態においては動作電力の供給が開始された場合に主側MPU72にて一部クリア処理(ステップS104)又は全部クリア処理(ステップS105)が実行されることにより遊技区間が第1区間SC1となった場合には、画像表示装置63では通常遊技状態ST1に対応する画像が表示されて第1区間SC1に対応する画像は表示されない構成としたが、当該状況においては画像表示装置63にて第1区間SC1に対応する画像が表示される構成としてもよい。この場合、動作電力の供給が開始された場合に一部クリア処理(ステップS104)又は全部クリア処理(ステップS105)が実行されたことにより発生した第1区間SC1では、AT状態ST5及び第2区間SC2が終了した後における第1区間SC1と同様に画像表示装置63にて移行待ち演出に対応する画像が表示される構成としてもよく、さらに第1区間SC1においていずれの役にも当選しないゲームが実行された場合には設定示唆演出が実行される構成としてもよい。また、当該構成に代えて、動作電力の供給が開始された場合に一部クリア処理(ステップS104)又は全部クリア処理(ステップS105)が実行されたことにより発生した第1区間SC1では、AT状態ST5及び第2区間SC2が終了した後における第1区間SC1と同様に画像表示装置63にて移行待ち演出に対応する画像が表示されるものの第1区間SC1においていずれの役にも当選しないゲームが実行されたとしても設定示唆演出が実行されない構成としてもよい。また、動作電力の供給が開始された場合に一部クリア処理(ステップS104)又は全部クリア処理(ステップS105)が実行されたことにより発生した第1区間SC1では、移行待ち演出に対応する画像とは異なる画像であって第1区間SC1であることを示す画像が画像表示装置63にて表示される構成としてもよい。
(9)上記各実施形態においてはAT状態ST5及び第2区間SC2が終了した場合には移行待ち演出が実行される構成としたが、当該移行待ち演出が実行されない構成としてもよい。例えば、AT状態ST5及び第2区間SC2が終了した場合には通常遊技状態ST1に対応する演出が開始される構成としてもよい。この場合であっても、第1区間SC1においていずれの役にも当選しないゲームが実行された場合には、通常遊技状態ST1に対応する演出が実行されている状況において設定示唆演出が実行される構成としてもよい。
(10)上記各実施形態では第1区間SC1においていずれの役にも当選しないゲームが実行された場合には確実に設定示唆演出が実行される構成としたが、これに限定されることはなく、第1区間SC1においていずれの役にも当選しないゲームが実行された場合には設定示唆抽選処理が実行され、設定示唆抽選処理にて当選となった場合に設定示唆演出が実行される構成としてもよい。この場合、第2区間SC2への移行が発生することなく第1区間SC1において実行されたゲーム数が多くなるほど設定示唆抽選処理にて当選となる確率が高くなる構成としてもよい。これにより、第2区間SC2への移行が発生することなく第1区間SC1におけるゲームが繰り返されたことに対する有利度を高めることが可能となる。
(11)上記各実施形態においてはエンディング条件が成立して第2区間SC2が終了したか否かに関係なく、AT状態ST5及び第2区間SC2が終了したことにより発生した第1区間SC1であればいずれの役にも当選しないゲームが実行された場合には設定示唆演出が実行される構成としたが、これに限定されることはなく、エンディング条件が成立して第2区間SC2が終了したことにより発生した第1区間SC1であればいずれの役にも当選しないゲームが実行された場合には設定示唆演出が実行されるが、エンディング条件が成立することなく第2区間SC2が終了したことにより発生した第1区間SC1ではいずれの役にも当選しないゲームが実行されたとしても設定示唆演出が実行されない構成としてもよい。これにより、エンディング条件が成立して第2区間SC2が終了することの有利度を高めることが可能となる。
また、エンディング条件が成立して第2区間SC2が終了したことにより発生した第1区間SC1の方が、エンディング条件が成立することなく第2区間SC2が終了したことにより発生した第1区間SC1よりも、いずれの役にも当選しないゲームが実行された場合に設定示唆演出が実行される確率が高くなる構成としてもよく、いずれの役にも当選しないゲームが実行された場合に設定値の示唆精度が高い態様で設定示唆演出が実行される構成としてもよい。
(12)上記各実施形態においては第1区間SC1において実行された役の抽選処理(図15)にていずれかの役に当選することで第2区間SC2への移行が発生する構成としたが、これに限定されることはなく、第1区間SC1において実行された役の抽選処理(図15)にて所定の役に当選した場合に第2区間SC2への移行が発生する構成としてもよく、第1区間SC1において実行された役の抽選処理(図15)にて所定の役に当選することで移行抽選処理が実行され、当該移行抽選処理にて当選となった場合に第2区間SC2への移行が発生する構成としてもよい。
(13)上記各実施形態においてはリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されているゲームにて上乗せ対応音声が出力される場合にはフリーズ期間が発生し、リール32L,32M,32Rの停止順序が報知されないゲームにて上乗せ対応音声が出力される場合にはフリーズ期間が発生しない構成としたが、これに限定されることはなく、リール32L,32M,32Rの停止順序が報知されるか否かに関係なく上乗せ対応音声が出力される場合にはフリーズ期間が発生する構成としてもよい。
(14)上記各実施形態においてはリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されているゲームにて上乗せ対応音声が出力される場合には、フリーズ期間が発生している状況において上乗せ対応音声の出力が開始されてさらに当該上乗せ対応音声の出力が完了する構成としたが、これに限定されることはなく、フリーズ期間が発生している状況において上乗せ対応音声の出力が開始されるが、上乗せ対応音声の出力が行われている途中でフリーズ期間が終了する構成としてもよい。これにより、上乗せ対応音声の出力が急に開始されてビックリした遊技者が誤ってストップボタン42~44を操作したタイミングにおいては当該ストップボタン42~44の操作を無効としながら、上乗せ対応音声の出力が行われている途中でフリーズ期間が解除されるためフリーズ期間が過剰に長くなってしまわないようにすることが可能となる。
(15)上記各実施形態においては上乗せ期間にてセット回数の上乗せが発生することで上乗せ対応音声が出力される場合、常に1種類の上乗せ対応音声が出力される構成としたが、これに限定されることはなく、複数種類の上乗せ対応音声が設定されており、上乗せ対象となったセット回数の値に応じて出力対象となる上乗せ対応音声が変更される構成としてもよい。この場合、出力された上乗せ対応音声の種類によって上乗せされたセット回数の値を遊技者に報知することが可能となる。当該構成において、複数種類の上乗せ対応音声のうち相対的に音量が大きい第1上乗せ対応音声がリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されるゲームにて出力される場合にはフリーズ期間が発生し、複数種類の上乗せ対応音声のうち相対的に音量が小さい第2上乗せ対応音声がリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されるゲームにて出力される場合にはフリーズ期間が発生しない構成としてもよい。これにより、フリーズ期間が過剰に発生してしまわないようにすることが可能となる。
(16)上記各実施形態においては上乗せ期間における演出モードの選択期間にてクレジット投入ボタン47が操作された場合には選択対象となっている演出モードについての残り切り換え期間が初期値に再セットされる構成としたが、これに限定されることはなく、クレジット投入ボタン47が操作された場合には選択対象となっている演出モードについての残り切り換え期間に対して所定の固定期間が加算される構成としてもよい。当該所定の固定期間は残り切り換え期間の初期値よりも長い期間としてもよく、短い期間としてもよい。所定の固定期間が残り切り換え期間よりも短い期間である場合、クレジット投入ボタン47の操作に対して現状の選択対象となっている演出モードの残り切り換え期間が過剰に長い期間延長されてしまわないようにすることが可能となる。
(17)上記各実施形態においては上乗せ期間における演出モードの選択期間にて一の演出モードが選択対象となっている状況でクレジット投入ボタン47が複数回操作された場合にはその都度、当該一の演出モードが選択対象となっている残り切り換え期間が初期値に再セットされる構成としたが、これに限定されることはなく、一の演出モードが選択対象となっている状況でクレジット投入ボタン47の操作に対して残り切り換え期間が初期値に再セットされる回数に上限が設定されている構成としてもよい。当該上限として1回が設定されている構成としてもよく、当該上限として2回以上の回数が設定されている構成としてもよい。これにより、残り切り換え期間が初期値に再セットされる事象が過剰に繰り返されてしまわないようにすることが可能となる。
(18)上記各実施形態においては上乗せ期間における演出モードの選択期間にてメダル投入口45にメダルが投入された場合及びクレジット投入ボタン47が操作された場合のいずれであっても残り切り換え期間が初期値に再セットされる構成としたが、これに限定されることはなく、クレジット投入ボタン47が操作された場合には残り切り換え期間が初期値に再セットされるが、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても残り切り換え期間が初期値に再セットされない構成としてもよく、メダル投入口45にメダルが投入された場合には残り切り換え期間が初期値に再セットされるが、クレジット投入ボタン47が操作されたとしても残り切り換え期間が初期値に再セットされない構成としてもよい。
(19)上記各実施形態においては上乗せ期間における演出モードの選択期間にてクレジット投入ボタン47が操作された場合、その操作によって遊技媒体がベットされたことを条件として残り切り換え期間が初期値に再セットされる構成としたが、これに限定されることはなく、クレジット投入ボタン47が操作された場合にはその操作によって遊技媒体がベットされたか否かに関係なく残り切り換え期間が初期値に再セットされる構成としてもよい。これにより、リプレイ入賞の成立後であってもクレジット投入ボタン47の操作が演出モードの種類の決定に対応していると勘違いして当該クレジット投入ボタン47が操作された場合であっても残り切り換え期間が初期値に再セットされることとなる。
(20)上記第3の実施形態のように全てのリール32L,32M,32Rの加速期間が完了した状況においてリールインデックスセンサ36がONとなったリール32L,32M,32Rから個別にストップボタン42~44の操作が有効化される構成に対して、上記第2の実施形態のように全てのストップボタン42~44が有効化されたタイミングで全てのストップボタン42~44が消灯状態から点灯状態に切り換えられる構成としてもよい。
(21)上記各実施形態においては所定対応処理が実行される前に所定期間の計測を開始して、所定対応処理が実行された後において所定期間の計測が完了している場合に計測完了後処理を実行する構成を、AT状態ST5において新たなセットが継続した場合におけるAT信号の出力制御に対して適用したが、当該構成を適用する対象は当該AT信号の出力制御に限定されない。例えば、AT状態ST5においてはAT信号の出力状態がHIレベルとなりBB状態ST2又はRB状態ST3においてはボーナス信号の出力状態がHIレベルとなる構成において、AT状態ST5においてBB状態ST2又はRB状態ST3が発生した場合には、最初にAT信号の出力状態をLOWレベルに切り換えてから出力継続期間(例えば200ミリ秒)が経過した場合にボーナス信号の出力状態をHIレベルに切り換える構成に対して上記構成を適用してもよい。また、演出用の可動物が設けられているとともに当該演出用の可動物が所定演出期間に亘って動作している間はゲームを終了させるための処理の実行が待機される構成において、当該所定演出期間において媒体付与処理にてメダルの払い出しが実行され得る構成としてもよい。
(22)上記各実施形態においてはAT状態ST5において新たなセットが継続される場合にAT信号の出力状態を一旦LOWレベルに切り換えてOFF継続期間を計測している状況において媒体付与処理(ステップS315)が実行される構成としたが、媒体付与処理(ステップS315)に加えて又は代えて、例えばAT状態ST5において新たなセットが継続される場合には所定の確率(例えば50%)でフリーズ期間が発生する構成においては当該フリーズ期間がOFF継続期間を計測している状況において発生する構成としてもよい。この場合、当該フリーズ期間がOFF継続期間よりも短い期間であれば、媒体付与処理の処理期間とフリーズ期間とを合計した期間がOFF継続期間以上となる状況であればOFF継続期間の計測が完了するまで待機する処理待ち期間が発生しない。
(23)上記各実施形態においては前半RT状態にて特殊リプレイ入賞が成立したことで演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cが消灯状態となり、その後にクレジット投入ボタン47が操作されることなくスタートレバー41が操作された場合には演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cがまとめて点灯状態となる構成としたが、これに限定されることはなく、クレジット投入ボタン47が操作されることなくスタートレバー41が操作された場合であってもクレジット投入ボタン47が操作された場合と同様に演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cが順次、消灯状態から点灯状態に切り換わる構成としてもよい。
(24)上記各実施形態においては前半RT状態にて特殊リプレイ入賞が成立した場合に主側ベット表示部64の各発光部64a~64cは点灯状態に維持しながら演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cを消灯状態としその後に演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cを点灯状態とする構成としたが、このようにリプレイ入賞が成立した場合に主側ベット表示部64の各発光部64a~64cは点灯状態に維持しながら演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cを消灯状態としその後に演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cを点灯状態とする構成を他のリプレイ入賞が成立した場合に適用してもよい。この場合、当該他のリプレイ入賞は通常リプレイ入賞と比べてリプレイ入賞が成立したことが遊技者にとって分かりづらい構成としてもよい。
(25)上記各実施形態においてはリプレイ入賞が成立した場合、主側ベット表示部64の各発光部64a~64cの点灯状態がそのまま維持される構成としたが、これに限定されることはなく、リプレイ入賞が成立した場合であっても主側ベット表示部64の各発光部64a~64cは一旦消灯状態とされ、所定期間(例えば2秒)に亘って消灯状態に維持された後に当該リプレイ入賞が成立したゲームと同数の発光部64a~64cが点灯状態となる構成としてもよい。この場合、前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合には主側ベット表示部64及び演出側ベット表示部69の両方が一旦消灯状態とされ、その後に所定期間が経過した場合に主側ベット表示部64が点灯状態に復帰し、クレジット投入ボタン47の操作、メダルの投入又はスタートレバー41の操作が行われた場合に演出側ベット表示部69が点灯状態に復帰する構成としてもよい。
(26)上記各実施形態においてはリプレイ入賞が成立した場合、後述する前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合を除き、演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cの点灯状態がそのまま維持される構成としたが、これに限定されることはなく、リプレイ入賞が成立した場合であっても演出側ベット表示部69の各発光部69a~69cは一旦消灯状態とされ、所定期間(例えば2秒)に亘って消灯状態に維持された後に当該リプレイ入賞が成立したゲームと同数の発光部69a~69cが点灯状態となる構成としてもよい。この場合、前半RT状態において特殊リプレイ入賞が成立した場合及びそれ以外のリプレイ入賞が成立した場合のいずれであっても、演出側ベット表示部69が一旦消灯状態とされ、前者であればその後にクレジット投入ボタン47の操作、メダルの投入又はスタートレバー41の操作が行われた場合に演出側ベット表示部69が点灯状態に復帰し、後者であればその後に所定期間が経過した場合に演出側ベット表示部69が点灯状態に復帰する構成としてもよい。
(27)上記各実施形態においてはBB当選データ及びRB当選データのいずれかが主側RAM74に記憶されている状況でインデックス値IV=18~21のいずれかで当選となった場合には単に当該当選を契機としてBB当選データ又はRB当選データが主側RAM74に新たに記憶されない構成としたが、これに限定されることはなく、BB当選データ及びRB当選データのいずれかが主側RAM74に記憶されている状況でインデックス値IV=18~21のいずれかで当選となった場合には当該当選を契機としてBB当選データ又はRB当選データが主側RAM74に新たに記憶されることはないものの、別の特典が遊技者に付与される構成としてもよい。当該別の特典の付与として、例えばAT状態ST5への移行抽選処理が当該状況専用の態様で実行される構成としてもよく、設定示唆演出が実行される構成としてもよく、設定示唆演出を実行するか否かを決定する抽選処理が実行されて当選となった場合には設定示唆演出が実行される構成としてもよい。
(28)上記各実施形態においてはAT状態ST5が終了した場合には確実に第2区間SC2が終了して第1区間SC1となる構成としたが、これに限定されることはなく、AT状態ST5が終了したとしても第2区間SC2がそのまま継続し得る構成としてもよい。例えば、AT状態ST5が終了した場合における第2区間SC2の継続ゲーム数が維持基準ゲーム数(例えば500ゲーム)以下である場合又はAT状態ST5が終了した場合における遊技媒体の制限付き合計純増枚数が維持基準枚数(例えば500枚)以下である場合には第2区間SC2がそのまま維持される構成としてもよく、AT状態ST5が終了した場合に実行された維持抽選処理にて維持当選となった場合には第2区間SC2がそのまま維持される構成としてもよい。AT状態ST5が終了したとしても第2区間SC2が維持される場合には、AT状態ST5が終了した場合に移行待ち演出とは異なる演出が実行される構成としてもよく、AT状態ST5が終了した場合に移行待ち演出が実行される構成としてもよい。AT状態ST5が終了した場合に移行待ち演出が実行される構成とした場合には、当該移行待ち演出が実行されている状況においていずれかの役に当選するゲームが実行された場合に当該移行待ち演出が終了して移行演出が実行される構成とすることで、AT状態ST5が終了した場合に第2区間SC2がそのまま継続したのか否かを遊技者が認識しづらくさせることが可能となる。
(29)有効ラインがメインラインMLの1本のみである構成に限定されることはなく、有効ラインが2本、3本又は4本以上である構成としてもよい。この場合、ベットされた遊技媒体の数が多いほど有効ラインの数が多くなる構成としてもよく、ベットされた遊技媒体の数とは無関係に最大数の有効ラインが設定される構成としてもよい。
(30)上記各実施形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(31)本発明を所謂Bタイプのスロットマシンに適用してもよく、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはRTゲーム、CTゲーム又はATゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよい。また、遊技者に有利なボーナス状態が存在している構成としてもよい。
(32)各リール32L,32M,32Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報としての機能を有するものであればよい。
(33)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、遊技媒体として遊技球を利用して遊技が行われるパチンコ機に対して適用してもよく、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては理解の容易のため上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.有利移行可能状況(第2区間SC2)に設定する状況設定手段(主側MPU72におけるステップS1803の処理を実行する機能)と、
前記有利移行可能状況である場合に、遊技者に有利な有利遊技状態(AT状態ST5)に遊技状態を移行させる有利移行手段(主側MPU72におけるステップS2013~ステップS2105及びステップS2113~ステップS2116の処理を実行する機能)と、
前記有利遊技状態における残りの継続基準数(残りの継続ゲーム数、残りのセット回数)を特定可能とするために利用される継続基準計測手段(主側RAM74のAT継続カウンタ及びセット回数カウンタ)と、
前記残りの継続基準数がゲームの実行に伴って「0」となった場合に前記有利遊技状態を終了させる第1有利終了手段(主側MPU72におけるステップS2319~ステップS2321の処理を実行する機能)と、
前記有利移行可能状況においてゲームが実行されたことに基づき状況対応記憶手段(継続ゲーム数カウンタ74c、合計獲得数カウンタ74d)における状況対応情報(継続ゲーム数、遊技媒体の制限付き合計純増枚数)を更新する情報更新手段(主側MPU72におけるステップS1905の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1907~ステップS1912の処理を実行する機能)と、
前記状況対応情報が終了基準情報(上限ゲーム数、上限純増枚数)となったことに基づいて、前記有利移行可能状況を終了させる状況終了手段(主側MPU72におけるステップS1914の処理を実行する機能)と、
当該状況終了手段により前記有利移行可能状況が終了された場合、前記残りの継続基準数が「0」となっていなくても前記有利遊技状態を終了させる第2有利終了手段(主側MPU72におけるステップS1914の処理を実行する機能)と、
前記有利遊技状態において上乗せ契機(上乗せ期間の移行当選、インデックス値IV=10で当選、上乗せ当選)が発生したことに基づいて、前記残りの継続基準数が増加するように前記継続基準計測手段の情報を更新するための上乗せ用処理(主側MPU72のステップS2205、ステップS2209、ステップS2213及びステップS2503の処理)を実行する上乗せ実行手段(主側MPU72におけるステップS2205、ステップS2209、ステップS2213及びステップS2503の処理を実行する機能)と、
前記上乗せ用処理が実行される場合に上乗せ演出(フリーズ期間、逆押し報知、上乗せ期間の演出)が実行されるようにする上乗せ演出制御手段(主側MPU72におけるステップS312、ステップS317、ステップS720、ステップS2206、ステップS2210、ステップS2214、ステップS2514、ステップS2515、ステップS2809及びステップS2810の処理を実行する機能、演出側MPU92における演出モードの選択処理、上乗せ期間中の演出制御処理及びステップS2905の処理を実行する機能)と、
前記残りの継続基準数が、前記状況対応情報が前記終了基準情報となり得る数となった場合に、前記上乗せ用処理は実行され得るものの前記上乗せ演出は実行されない所定制限状況となるようにする制限状況発生手段(主側MPU72におけるステップS308、ステップS316、ステップS716、ステップS2703、ステップS2704、ステップS2707、ステップS2708及びステップS2808の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS2901及びステップS2907の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、有利移行可能状況である場合に有利遊技状態への移行が発生し得るため、有利遊技状態への移行を期待する遊技者は有利移行可能状況となることを期待することとなる。また、有利移行可能状況においてゲームが実行されたことに基づき更新された状況対応情報が終了基準情報となった場合には有利移行可能状況が終了し、有利移行可能状況が終了した場合には残りの継続基準数が「0」となっていなくても有利遊技状態が終了する。これにより、有利遊技状態が過剰に継続してしまわないようにすることが可能となる。また、有利遊技状態において残りの継続基準数を増加させる上乗せ用処理が実行された場合には上乗せ演出が実行されるため、残りの継続基準数が増加する場合における遊技者の満足感を高めることが可能となる。
この場合に、有利遊技状態における残りの継続基準数が、有利移行可能状況の状況対応情報が終了基準情報となり得る数となった場合には、上乗せ用処理は実行され得るものの上乗せ演出が実行されない所定制限状況となる。当該所定制限状況においては有利遊技状態における残りの継続基準数がさらに増加したとしても実質的に遊技者の利益とならないが、当該状況であっても上乗せ用処理の実行を阻止しないようにすることにより、上乗せ用処理を実行する状況と実行しない状況との切り換えを行う必要がないため、プログラム容量の増大化を抑制することが可能となる。その一方、所定制限状況においては上乗せ用処理が実行されたとしても上乗せ演出は実行されないため、実質的に遊技者の利益とならない残りの継続基準数の上乗せが発生したことを遊技者に認識させないようにすることが可能となる。よって、遊技を進行させるための処理が好適に行われるようにすることが可能となる。
特徴A2.前記残りの継続基準数が、前記状況対応情報が前記終了基準情報となり得るものとなった場合に、特定演出(エンディング確定演出)が開始されるようにする手段(演出側MPU92におけるステップS2910の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、有利遊技状態における残りの継続基準数が有利移行可能状況の状況対応情報が終了基準情報となり得る数となった場合には特定演出が実行されるため、有利移行可能状況の状況対応情報が終了基準情報となり得ることを遊技者に認識させることが可能となる。この場合に、当該状況においては上乗せ用処理が実行されたとしても上乗せ演出が実行されない所定制限状況となるため、特定演出に遊技者を注目させることが可能となるとともに、実質的に遊技者の利益とならない残りの継続基準数の上乗せが発生したことを遊技者に認識させないようにすることが可能となる。
特徴A3.前記残りの継続基準数が、前記状況対応情報が前記終了基準情報となり得る数であり、前記状況対応情報が前記終了基準情報に到達する前の所定基準情報となった場合に、終了前演出(エンディング用演出)が開始されるようにする手段(演出側MPU92におけるステップS2912及びステップS2918の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、有利移行可能状況の状況対応情報が終了基準情報となり得るとともに当該状況対応情報が終了基準情報に到達する前の所定基準情報となった場合には終了前演出が実行されるため、有利移行可能状況の状況対応情報が終了基準情報に間もなく到達することを遊技者に認識させることが可能となる。この場合に、当該状況においては上乗せ用処理が実行されたとしても上乗せ演出が実行されない所定制限状況となるため、特定演出に遊技者を注目させることが可能となるとともに、実質的に遊技者の利益とならない残りの継続基準数の上乗せが発生したことを遊技者に認識させないようにすることが可能となる。
特徴A4.前記有利遊技状態の1セットが終了して新たなセットが継続される場合に継続演出(AT状態ST5の新たなセットが開始されたことを示す演出)が実行されるようにする手段(主側MPU72におけるステップS2315の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS2905の処理を実行する機能)を備え、
前記所定制限状況においては前記有利遊技状態の1セットが終了して新たなセットが継続されたとしても前記継続演出が実行されないことを特徴とする特徴A2又はA3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、所定制限状況においては有利遊技状態の1セットが終了して新たなセットが継続されたとしても継続演出が実行されない。これにより、特徴A2の構成を備えた場合であれば特定演出への遊技者の注目度を高めることが可能となり、特徴A3の構成を備えた場合であれば終了前演出への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴A5.前記上乗せ演出制御手段は、前記上乗せ演出として、遊技者の操作に対するゲームの進行を停止させる進行停止演出(フリーズ期間)を実行することを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、上乗せ演出として進行停止演出が実行されるため有利遊技状態の残りの継続基準数が増加したことを遊技者に明確に認識させることが可能となる。この場合に、有利遊技状態における残りの継続基準数が有利移行可能状況の状況対応情報が終了基準情報となり得る数となった場合には上乗せ用処理が実行されたとしても進行停止演出が実行されないため、実質的に遊技者の利益とならない上乗せ用処理の実行に起因して遊技の消化効率が低下してしまわないようにすることが可能となる。
特徴A6.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいてゲームの実行状況とするゲーム開始手段(主側MPU72におけるステップS304にて肯定判定をする機能)と、
前記ゲームの実行状況となった場合に役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72における役の抽選処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記ゲームの実行状況となった場合に前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
当該絵柄表示制御手段の制御による前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の制御が実行されるようにする当選対応制御手段(主側MPU72におけるステップS314及びステップS315の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記役の抽選処理にて当選となり得る役として、前記停止操作手段が第1停止操作態様(逆押し)で操作されたことに基づき第1停止結果(左リール32Lに「白7」図柄、中リール32Mに「白7」図柄及び右リール32Rに「赤7」図柄)が表示されて第1所定入賞(特殊ベル入賞)が成立し、前記停止操作手段が第2停止操作態様(順押し)で操作されたことに基づき第2停止結果(「ベル」図柄の組合せ)が表示されて第2所定入賞(第1ベル入賞)が成立する所定役(インデックス値IV=10)が設定されており、
前記上乗せ演出制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定役に当選したゲームにおいて前記上乗せ用処理が実行される場合、前記上乗せ演出として、前記第1停止操作態様で前記停止操作手段を操作すべきことを遊技者に認識可能とさせる第1報知(逆押し報知)が実行されるようにし、
本遊技機は、前記所定制限状況において前記役の抽選処理にて前記所定役に当選した場合、前記第2停止操作態様で前記停止操作手段を操作すべきことを遊技者に認識可能とさせる第2報知(順押し報知)が実行されるようにする手段(主側MPU72におけるステップS2811及びステップS2812の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、所定役に当選したゲームにおいて上乗せ用処理が実行される場合には、第1停止操作態様で停止操作手段を操作すべきことを遊技者に認識可能とさせる第1報知が実行され、遊技者が当該第1報知に従って停止操作手段を操作することにより、第1停止結果が表示されて第1所定入賞が成立する。これにより、入賞結果を利用して、有利遊技状態の残りの継続基準数が増加したことを遊技者に認識させることが可能となる。一方、有利遊技状態における残りの継続基準数が有利移行可能状況の状況対応情報が終了基準情報となり得る数となった場合には所定役に当選したゲームにおいて上乗せ用処理が実行されたとしても、上記第1報知ではなく、第2停止操作態様で停止操作手段を操作すべきことを遊技者に認識可能とさせる第2報知が実行され、遊技者が当該第2報知に従って停止操作手段を操作することにより、第2停止結果が表示されて第2所定入賞が成立する。これにより、実質的に遊技者の利益とならない上乗せ用処理の実行に対して、第1所定入賞が成立してしまわないようにすることが可能となる。
特徴A7.前記状況対応情報は、前記有利移行可能状況が継続している場合に実行されたゲームにより付与された遊技媒体の合計数から前記有利移行可能状況が継続している場合にゲームを実行するために消化された遊技媒体の合計数を減算した値を所定差数とした場合において、当該所定差数の最小値を所定基準値として、当該所定基準値からの前記所定差数の増加分の情報(遊技媒体の制限付き合計純増枚数)であることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、有利移行可能状況における所定基準値からの所定差数の増加分が終了基準情報に到達したことに基づいて当該有利移行可能状況が終了するため、有利移行可能状況が過剰に長く継続してしまわないようにすることが可能となる。この場合に、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A8.前記状況対応情報は、前記有利移行可能状況において実行されたゲーム数の情報であることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、有利移行可能状況において実行されたゲーム数が終了基準情報に到達したことに基づいて当該有利移行可能状況が終了するため、有利移行可能状況が過剰に長く継続してしまわないようにすることが可能となる。この場合に、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴A1~A8の構成に対して、特徴A1~A8、特徴B1~B7、特徴C1~C4、特徴D1~D6、特徴E1~E5、特徴F1~F4、特徴G1~G5、特徴H1~H6、特徴I1~I4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.有利移行可能状況(第2区間SC2)に設定する状況設定手段(主側MPU72におけるステップS1803の処理を実行する機能)と、
前記有利移行可能状況である場合に、遊技者に有利な有利遊技状態(AT状態ST5)に遊技状態を移行させる有利移行手段(主側MPU72におけるステップS2013~ステップS2105及びステップS2113~ステップS2116の処理を実行する機能)と、
前記有利遊技状態において状態終了契機(主側RAM74のAT継続カウンタ及びセット回数カウンタの両方が「0」)が発生したことに基づいて当該有利遊技状態を終了させる第1有利終了手段(主側MPU72におけるステップS2319~ステップS2321の処理を実行する機能)と、
前記有利移行可能状況において状況終了契機(エンディング条件の成立)が発生したことに基づいて前記有利移行可能状況を終了させる第1状況終了手段(主側MPU72におけるステップS1914の処理を実行する機能)と、
当該第1状況終了手段により前記有利移行可能状況が終了された場合、前記状態終了契機が発生していなくても前記有利遊技状態を終了させる第2有利終了手段(主側MPU72におけるステップS1914の処理を実行する機能)と、
前記第1有利終了手段により前記有利遊技状態が終了された場合、前記状況終了契機が発生していなくても前記有利移行可能状況を終了させる第2状況終了手段(主側MPU72におけるステップS1902~ステップS1904、ステップS1914、ステップS2319及びステップS2320の処理を実行する機能)と、
前記有利遊技状態が終了した場合に表示手段(画像表示装置63)に終了対応表示(移行待ち演出)を行わせ、当該終了対応表示を前記有利移行可能状況が新たに設定されるまで継続させる終了対応表示実行手段(演出側MPU92におけるステップS3007の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、有利移行可能状況である場合に有利遊技状態への移行が発生し得るため、有利遊技状態への移行を期待する遊技者は有利移行可能状況となることを期待することとなる。また、状況終了契機が発生したことに基づき有利移行可能状況が終了し、有利移行可能状況が終了した場合には状態終了契機が発生していなくても有利遊技状態が終了する。これにより、有利遊技状態が過剰に継続してしまわないようにすることが可能となる。また、状態終了契機が発生して有利遊技状態が終了した場合には状況終了契機が発生していなくても有利移行可能状況が終了し得ることにより、有利遊技状態の終了に伴って有利移行可能状況が終了し得るようにすることが可能となる。
この場合に、有利遊技状態が終了した場合には表示手段に終了対応表示が行われるため、有利遊技状態が終了したことを遊技者に明確に認識させることが可能となる。また、この終了対応表示は有利移行可能状況に新たに設定されるまで継続される。これにより、有利遊技状態が終了した後であって有利移行可能状況に再度設定される前の状況であることを、終了対応表示を利用して遊技者に明確に認識させることが可能となるとともに、終了対応表示をそのまま表示させ続けるだけであるため処理負荷を低減しながらこのような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴B2.動作電力の供給が開始された場合に情報の消去処理(主側MPU72のステップS104及びステップS105の処理)が実行されたことに基づき前記有利移行可能状況ではない状況となった場合、前記表示手段に前記終了対応表示は行われないことを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、動作電力の供給が開始された場合に情報の消去処理が実行されたことに基づき有利移行可能状況ではない状況となった場合には表示手段にて終了対応表示は行われないため、有利移行可能状況ではない状況である場合にその状況が有利遊技状態の終了後の状況であるか否かを遊技者に明確に認識させることが可能となる。
特徴B3.前記状況設定手段は、役の抽選処理(主側MPU72のステップS307の処理)にていずれかの役に当選したことに基づいて前記有利移行可能状況に設定することを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、有利移行可能状況ではない状況において役の抽選処理にていずれかの役に当選したことに基づき有利移行可能状況に設定されるため、有利移行可能状況の設定契機を役の抽選処理の結果に関連付けることが可能となる。また、当該構成においては有利移行可能状況ではない状況において役の抽選処理にていずれの役にも当選しないゲームが繰り返された場合には当該状況が継続してしまうこととなるが、有利遊技状態の終了後における当該状況においては終了対応表示が継続されるため、当該状況が継続していることを遊技者に明確に認識させることが可能となる。
特徴B4.前記終了対応表示実行手段は、前記有利遊技状態が終了した後において前記有利移行可能状況への新たな設定が行われることなくゲームが実行されたことに基づいて、前記終了対応表示の少なくとも一部の表示内容(文字画像G21~G23)を変化させる内容変化手段(主側MPU72におけるステップS3103及びステップS3104の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS3202の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、有利遊技状態が終了した後において有利移行可能状況への新たな設定が行われることなくゲームが実行されたことに基づいて終了対応表示の少なくとも一部の表示内容が変化するため、有利移行可能状況ではない状況においてゲームが繰り返し実行された場合であっても表示手段の表示内容に変化を与えることが可能となり、遊技への注目度を低下させてしまわないようにすることが可能となる。
特徴B5.遊技者の有利度に対応する複数段階の設定値の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段(主側MPU72におけるステップS106の処理を実行する機能)を備え、
前記内容変化手段は、前記終了対応表示の少なくとも一部の表示内容を変化させる場合におけるその表示内容を、前記使用対象として設定されている前記設定値に応じた決定態様で決定する設定値対応手段(主側MPU72におけるステップS3103の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、有利遊技状態が終了した後において有利移行可能状況への新たな設定が行われることなくゲームが実行されたことに基づいて終了対応表示の少なくとも一部の表示内容が変化される場合、その表示内容は使用対象として設定されている設定値に応じた決定態様で決定される。つまり、有利遊技状態の終了後における有利移行可能状況ではない状況においてゲームが実行された場合にはそれに対して設定示唆が行われる。これにより、有利移行可能状況ではない状況においてゲームが実行されることを、不利益としてではなく遊技者にとって利益のある事象とすることが可能となる。
特徴B6.前記設定値対応手段は、前記終了対応表示の少なくとも一部の表示内容を変化させる場合におけるその表示内容を、前記有利遊技状態が終了した後において前記有利移行可能状況への新たな移行が発生することなく実行されたゲーム数が多くなるほど前記使用対象として設定されている前記設定値を遊技者が予測し易くなる決定態様で決定することを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、有利遊技状態が終了した後において有利移行可能状況への新たな設定が行われることなくゲームが繰り返し実行されるほど、終了対応表示における設定示唆が遊技者にとって設定値を予測し易いものとなる。これにより、有利移行可能状況ではない状況においてゲームが繰り返し実行されることに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴B7.前記有利移行可能状況に設定される場合に当該有利移行可能状況の有利度(解除ゲーム数、移行モード)を決定する決定手段(主側MPU72におけるステップS1804~ステップS1807の処理を実行する機能)と、
前記有利移行可能状況に設定される場合に、移行対応演出(移行演出)が実行されるようにする移行対応演出実行手段(演出側MPU92におけるステップS3204~ステップS3208の処理を実行する機能)と、
を備え、
当該移行対応演出実行手段は、前記決定手段が決定した前記有利度に対応する決定態様で、前記移行対応演出の演出内容を決定する手段(演出側MPU92におけるステップS3204~ステップS3207の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、有利移行可能状況に設定される場合に当該有利移行可能状況の有利度が決定されるため、遊技者はこの決定された有利度に注目することとなる。この場合に、有利移行可能状況に設定される場合に実行される移行対応演出の演出内容は、有利移行可能状況の有利度に対応する決定態様で決定される。これにより、有利移行可能状況に新たに設定されたことを遊技者に認識させるための移行対応演出を利用して、当該有利移行可能状況の有利度を示唆することが可能となる。よって、移行対応演出に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
なお、特徴B1~B7の構成に対して、特徴A1~A8、特徴B1~B7、特徴C1~C4、特徴D1~D6、特徴E1~E5、特徴F1~F4、特徴G1~G5、特徴H1~H6、特徴I1~I4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群及び上記特徴B群の各特徴に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技を進行させるための処理が好適に行われる必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴C群>
特徴C1.遊技者の有利度に対応する複数段階の設定値の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段(主側MPU72におけるステップS106の処理を実行する機能)と、
有利移行可能状況(第2区間SC2)に設定する状況設定手段(主側MPU72におけるステップS1803の処理を実行する機能)と、
前記有利移行可能状況である場合に、遊技者に有利な有利遊技状態(AT状態ST5)に遊技状態を移行させる有利移行手段(主側MPU72におけるステップS2013~ステップS2105及びステップS2113~ステップS2116の処理を実行する機能)と、
前記有利遊技状態において状態終了契機(主側RAM74のAT継続カウンタ及びセット回数カウンタの両方が「0」)が発生したことに基づいて当該有利遊技状態を終了させる第1有利終了手段(主側MPU72におけるステップS2319~ステップS2321の処理を実行する機能)と、
前記有利移行可能状況において状況終了契機(エンディング条件の成立)が発生したことに基づいて前記有利移行可能状況を終了させる第1状況終了手段(主側MPU72におけるステップS1914の処理を実行する機能)と、
当該第1状況終了手段により前記有利移行可能状況が終了された場合、前記状態終了契機が発生していなくても前記有利遊技状態を終了させる第2有利終了手段(主側MPU72におけるステップS1914の処理を実行する機能)と、
前記第1有利終了手段により前記有利遊技状態が終了された場合、前記状況終了契機が発生していなくても前記有利移行可能状況を終了させる第2状況終了手段(主側MPU72におけるステップS1902~ステップS1904、ステップS1914、ステップS2319及びステップS2320の処理を実行する機能)と、
前記有利遊技状態が終了した後において前記有利移行可能状況への新たな設定が行われることなくゲームが実行されたことに基づいて、特別演出(文字画像G21~G23)を実行する特別演出実行手段(主側MPU72におけるステップS3103及びステップS3104の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS3202の処理を実行する機能)と、
を備え、
当該特別演出実行手段は、前記使用対象として設定されている前記設定値に応じた決定態様で前記特別演出の演出内容を決定する設定値対応手段(主側MPU72におけるステップS3103の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、有利移行可能状況である場合に有利遊技状態への移行が発生し得るため、有利遊技状態への移行を期待する遊技者は有利移行可能状況となることを期待することとなる。また、状況終了契機が発生したことに基づき有利移行可能状況が終了し、有利移行可能状況が終了した場合には状態終了契機が発生していなくても有利遊技状態が終了する。これにより、有利遊技状態が過剰に継続してしまわないようにすることが可能となる。また、状態終了契機が発生して有利遊技状態が終了した場合には状況終了契機が発生していなくても有利移行可能状況が終了し得ることにより、有利遊技状態の終了に伴って有利移行可能状況が終了し得るようにすることが可能となる。
この場合に、有利遊技状態が終了した後において有利移行可能状況への新たな設定が行われることなくゲームが実行されたことに基づいて特別演出が実行される場合、当該特別演出の演出内容は使用対象として設定されている設定値に応じた決定態様で決定される。つまり、有利遊技状態の終了後における有利移行可能状況ではない状況においてゲームが実行された場合にはそれに対して設定示唆が行われる。これにより、有利移行可能状況ではない状況においてゲームが実行されることを、不利益としてではなく遊技者にとって利益のある事象とすることが可能となる。
特徴C2.前記設定値対応手段は、前記特別演出の演出内容を、前記有利遊技状態が終了した後において前記有利移行可能状況への新たな移行が発生することなく実行されたゲーム数が多くなるほど前記使用対象として設定されている前記設定値を遊技者が予測し易くなる決定態様で決定することを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、有利遊技状態が終了した後において有利移行可能状況への新たな設定が行われることなくゲームが繰り返し実行されるほど、特別演出における設定示唆が遊技者にとって設定値を予測し易いものとなる。これにより、有利移行可能状況ではない状況においてゲームが繰り返し実行されることに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴C3.前記状況設定手段は、役の抽選処理(主側MPU72のステップS307の処理)にていずれかの役に当選したことに基づいて前記有利移行可能状況に設定することを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、有利移行可能状況ではない状況において役の抽選処理にていずれかの役に当選したことに基づき有利移行可能状況に設定されるため、有利移行可能状況の設定契機を役の抽選処理の結果に関連付けることが可能となる。また、当該構成においては有利移行可能状況ではない状況において役の抽選処理にていずれの役にも当選しないゲームが繰り返された場合には当該状況が継続してしまうこととなるが、有利遊技状態の終了後における当該状況においては設定示唆の内容を含む特別演出が実行されるため、当該状況が継続したとしても遊技者に不利益感を与えないようにすることが可能となる。
特徴C4.前記有利移行可能状況に設定される場合に当該有利移行可能状況の有利度(解除ゲーム数、移行モード)を決定する決定手段(主側MPU72におけるステップS1804~ステップS1807の処理を実行する機能)と、
前記有利移行可能状況に設定される場合に、移行対応演出(移行演出)が実行されるようにする移行対応演出実行手段(演出側MPU92におけるステップS3204~ステップS3208の処理を実行する機能)と、
を備え、
当該移行対応演出実行手段は、前記決定手段が決定した前記有利度に対応する決定態様で、前記移行対応演出の演出内容を決定する手段(演出側MPU92におけるステップS3204~ステップS3207の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、有利移行可能状況に設定される場合に当該有利移行可能状況の有利度が決定されるため、遊技者はこの決定された有利度に注目することとなる。この場合に、有利移行可能状況に設定される場合に実行される移行対応演出の演出内容は、有利移行可能状況の有利度に対応する決定態様で決定される。これにより、有利移行可能状況に新たに設定されたことを遊技者に認識させるための移行対応演出を利用して、当該有利移行可能状況の有利度を示唆することが可能となる。よって、移行対応演出に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
なお、特徴C1~C4の構成に対して、特徴A1~A8、特徴B1~B7、特徴C1~C4、特徴D1~D6、特徴E1~E5、特徴F1~F4、特徴G1~G5、特徴H1~H6、特徴I1~I4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴C群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴D群>
特徴D1.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいてゲームの実行状況とするゲーム開始手段(主側MPU72におけるステップS304にて肯定判定をする機能)と、
前記ゲームの実行状況となった場合に役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72における役の抽選処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記ゲームの実行状況となった場合に前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
当該絵柄表示制御手段の制御による前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の制御が実行されるようにする当選対応制御手段(主側MPU72におけるステップS314及びステップS315の処理を実行する機能)と、
前記役の抽選処理にて特定役(インデックス値IV=1~10)に当選した場合に、特定停止操作態様で前記停止操作手段を操作すべきことを遊技者に認識可能とさせる特定報知(押し順報知)が実行されるようにする特定報知制御手段(主側MPU72におけるステップS2802、ステップS2803、ステップS2805、ステップS2806、ステップS2809及びステップS2810の処理を実行する機能)と、
所定実行契機(ステップS2503の処理)が発生した場合に所定演出(上乗せ対応音声)が実行されるようにする所定演出実行手段(演出側MPU92におけるステップS2618の処理を実行する機能)と、
前記特定報知が実行されている状況において前記所定演出が実行される場合、当該所定演出が実行される前に、前記停止操作手段の操作に基づく前記絵柄の変動表示の停止が行われない停止制限状況(フリーズ期間)を発生させる停止制限発生手段(主側MPU72におけるステップS312、ステップS720及びステップS2505~ステップS2514の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、特定役に当選した場合に特定停止操作態様で停止操作手段を操作すべきことを遊技者に認識可能とさせる特定報知が実行されることにより、遊技者は当該特定報知の内容に従って停止操作手段を操作することで特定役に対応する入賞を成立させることが可能となる。この場合に、特定報知が実行されている状況において所定演出が実行される場合、所定演出が実行される前に、停止操作手段の操作に基づく絵柄の変動表示の停止が行われない停止制限状況が発生する。これにより、所定演出に注目することに起因して特定報知の内容に従った特定停止操作態様とは異なる停止操作態様で停止操作手段が操作されたとしてもそれに対応する停止制御が実行されてしまわないようにすることが可能となる。よって、遊技が好適に行われるようにすることが可能となる。
特徴D2.前記停止制限発生手段は、前記所定演出が実行される前に前記停止制限状況を発生させた場合、当該所定演出が終了するタイミング以降のタイミングで前記停止制限状況を解除させることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、所定演出が実行される前に停止制限状況が発生した場合には当該所定演出が終了するタイミング以降のタイミングで停止制限状況が解除される。これにより、所定演出が実行されている状況においては停止操作手段の操作を無効化させることが可能となる。
特徴D3.前記停止制限発生手段は、前記特定報知が実行されていない状況において前記所定演出が実行される場合、前記停止制限状況を発生させないことを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、特定報知が実行されていない状況において所定演出が実行される場合には停止制限状況が発生しないため、停止操作手段の操作が無効化される状況が過剰に発生してしまわないようにすることが可能となる。
特徴D4.前記役の抽選処理にて前記特定役に当選した場合に前記特定停止操作態様で前記停止操作手段が操作された場合、特定入賞(第1ベル入賞、第2ベル入賞)が成立することで特定利益(遊技媒体の付与)が付与されることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、特定役に当選した場合に特定停止操作態様で停止操作手段が操作された場合に特定入賞が成立して特定利益が付与される構成において、特定報知が実行されている状況において所定演出が実行される場合、所定演出が実行される前に、停止操作手段の操作に基づく絵柄の変動表示の停止が行われない停止制限状況が発生する。これにより、所定演出に注目することに起因して特定報知の内容に従った特定停止操作態様とは異なる停止操作態様で停止操作手段が操作されたとしてもそれに対応する停止制御が実行されてしまわないようにすることが可能となるため、特定役に当選した場合において特定報知が実行されているにも関わらず特定利益が付与されない事象が発生してしまう可能性を低減することが可能となる。
特徴D5.前記絵柄表示手段は、前記絵柄を変動表示する変動表示領域(リール32L,32M,32R)を複数備え、
前記停止操作手段は、複数の前記変動表示領域に対応させて複数設けられており、
前記特定停止操作態様は、複数の前記変動表示領域における前記絵柄の変動表示の停止順序が特定停止順序となることであることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D5によれば、特定停止操作態様が絵柄の変動表示の停止順序が特定停止順序となることである構成において、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴D6.前記所定演出が実行されるタイミングとして、複数の前記変動表示領域のうち停止順序が所定順序の前記変動表示領域における前記絵柄の変動表示が停止された後のタイミングである所定タイミングが含まれており、
前記停止制限発生手段は、前記所定演出が前記所定タイミングで実行される場合、前記所定順序の前記変動表示領域における前記絵柄の変動表示が停止された後であって前記所定タイミングよりも前に前記停止制限状況を発生させることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
特徴D6によれば、停止制限状況は所定演出が発生する直前に開始されるため、停止操作手段の操作が無効化される状況が過剰に発生してしまわないようにすることが可能となる。
なお、特徴D1~D6の構成に対して、特徴A1~A8、特徴B1~B7、特徴C1~C4、特徴D1~D6、特徴E1~E5、特徴F1~F4、特徴G1~G5、特徴H1~H6、特徴I1~I4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.所定選択期間(残り切り換え期間)を計測するために利用される期間計測手段(演出側RAM94の演出制御カウンタ)と、
複数種類の所定内容(演出モード)の中から選択対象となる前記所定内容を設定し、前記期間計測手段において計測されている前記所定選択期間の計測が完了する度に所定順序に従って前記選択対象となる前記所定内容を切り換える選択対象設定手段(演出側MPU92におけるステップS2418~ステップS2421の処理を実行する機能)と、
遊技者により所定操作手段(スタートレバー41)が操作されたタイミングにおいて前記選択対象設定手段により前記選択対象とされている前記所定内容を決定対象内容とする所定内容決定手段(演出側MPU92におけるステップS2416の処理を実行する機能)と、
遊技者により特定操作手段(クレジット投入ボタン47)が操作されたことに基づいて、前記期間計測手段においてその時点で計測されている前記所定選択期間の計測が完了するまでに要する期間を延長させる期間延長手段(演出側MPU92におけるステップS2413の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、所定選択期間の計測が完了する度に所定順序に従って選択対象となる所定内容が切り換えられ、遊技者により所定操作手段が操作されたタイミングにおいて選択対象とされている所定内容が決定対象内容となる。これにより、遊技者は所望の所定内容が選択対象となっているタイミングで所定操作手段を操作することによって、所望の所定内容が決定対象内容となるようにすることが可能となる。この場合に、遊技者により特定操作手段が操作されたことに基づいて、期間計測手段においてその時点で計測されている所定選択期間の計測が完了するまでに要する期間が延長される。これにより、遊技者が現状の選択対象となっている所定内容を決定対象内容とするために間違って特定操作手段を操作してしまい、それに気づいて慌てて所定操作手段が操作された場合であっても、その時点における選択対象の所定内容が特定操作手段を操作したタイミングにおいて選択対象となっていた所定内容である可能性が高くなる。よって、遊技者の選択操作が好適に行われるようにすることが可能となる。
特徴E2.前記期間延長手段は、遊技者により前記特定操作手段が操作されたことに基づいて、前記期間計測手段における前記所定選択期間の計測が途中であったとしても、前記期間計測手段において前記所定選択期間が新たに計測されるようにすることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、特定操作手段が操作された場合には期間計測手段において所定選択期間の計測を新たに開始する構成であるため、所定選択期間を延長するために所定選択期間とは異なる期間の情報を予め用意しておく必要が生じない。
特徴E3.前記所定操作手段及び前記特定操作手段はいずれもゲームを開始させるために操作される操作手段であることを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、所定操作手段及び特定操作手段はいずれもゲームを開始させるために操作される操作手段であるため、所望の所定内容を選択するための操作手段として所定操作手段ではなく特定操作手段が操作されてしまう可能性があるが、上記特徴E1の構成を備えていることにより、このような事象が発生したとしても好適に対処することが可能となる。
特徴E4.前記特定操作手段は遊技価値をベットするために操作される操作手段であり、
前記所定操作手段は前記遊技価値がベットされている状況においてゲームを開始させるために操作される操作手段であることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E4によれば、特定操作手段は遊技価値をベットするために操作される操作手段であり、所定操作手段は遊技価値がベットされている状況においてゲームを開始させるために操作される操作手段であるため、所望の所定内容を選択するための操作手段として所定操作手段ではなく特定操作手段が操作されてしまい、その直後に所定操作手段が操作されてしまう可能性があるが、上記特徴E1の構成を備えていることにより、このような事象が発生したとしても好適に対処することが可能となる。
特徴E5.前記期間計測手段における前記所定選択期間の計測が完了するまでに要する期間を遊技者に認識可能とさせる期間表示(切り換え期間画像G3)を行わせる期間表示手段(演出側MPU92におけるステップS2407の処理を実行する機能)を備え、
当該期間表示手段は、前記期間延長手段により前記所定選択期間の計測が完了するまでに要する期間が延長された場合、前記期間表示の表示内容を当該延長に合わせて変更する手段(演出側MPU92におけるステップS2414の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E5によれば、期間表示が行われることにより、選択対象の所定内容が変更されるタイミングを遊技者が予測し易くなる。この場合に、所定選択期間が延長された場合には期間表示の表示内容が当該延長に合わせて変更されるため、所定選択期間が延長されたことを遊技者に明確に認識させることが可能となる。
なお、特徴E1~E5の構成に対して、特徴A1~A8、特徴B1~B7、特徴C1~C4、特徴D1~D6、特徴E1~E5、特徴F1~F4、特徴G1~G5、特徴H1~H6、特徴I1~I4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴F群>
特徴F1.絵柄を変動表示する変動表示領域(リール32L,32M,32R)を複数有する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
複数の前記変動表示領域における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
複数の前記変動表示領域に対応させて設けられ、対応する前記変動表示領域における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記開始操作手段が操作されたことに基づいて複数の前記変動表示領域における絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づいて対応する前記変動表示領域における絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
を備え、
当該絵柄表示制御手段は、
複数の前記変動表示領域における絵柄の変動表示が開始された場合に、これら変動表示領域における絵柄の変動表示を加速させる加速制御手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS814の処理を実行する機能、第2の実施形態では主側MPU72におけるステップS3406の処理を実行する機能、第3の実施形態では主側MPU72におけるステップS3506の処理を実行する機能)と、
当該加速制御手段による加速が完了した所定の前記変動表示領域における絵柄の変動表示位置が所定基準位置(リールインデックスセンサ36がONとなる位置)となったことを特定した場合に、他の前記変動表示領域における絵柄の変動表示が所定基準位置となったことを特定していなくても、所定の前記変動表示領域における絵柄の変動表示に対する前記停止操作手段の操作による停止制御の実行を可能とする停止可能設定手段(第1の実施形態ではMPU72におけるステップS819の処理を実行する機能、第2の実施形態ではMPU72におけるステップS3411の処理を実行する機能、第3の実施形態ではMPU72におけるステップS3512の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、加速が完了した後において絵柄の変動表示位置が所定基準位置となった場合に停止操作手段の操作が有効化される構成であることにより、加速が完了した後の状況において所定基準位置に基づいて絵柄の変動表示位置を把握可能な状況で停止操作手段の操作を有効化させることが可能となる。この場合に、加速が完了した所定の変動表示領域における絵柄の変動表示位置が所定基準位置となったことが特定された場合、他の変動表示領域における絵柄の変動表示が所定基準位置となったことが特定されていなくても、所定の変動表示領域における絵柄の変動表示に対する停止操作手段の操作による停止制御の実行が可能となる。これにより、上記のように加速が完了した後の状況において所定基準位置に基づいて絵柄の変動表示位置を把握可能な状況で停止操作手段の操作が有効化される構成において、停止操作手段の操作を早期に有効化させることが可能となる。よって、遊技が好適に行われるようにすることが可能となる。
特徴F2.前記停止可能設定手段は、複数の前記変動表示領域の全てに対する前記加速制御手段による加速が完了した状況において所定の前記変動表示領域における絵柄の変動表示位置が所定基準位置となったことを特定した場合に、他の前記変動表示領域における絵柄の変動表示が所定基準位置となったことを特定していなくても、所定の前記変動表示領域における絵柄の変動表示に対する前記停止操作手段の操作による停止制御の実行を可能とすることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、所定の変動表示領域に対する加速が完了して当該所定の変動表示領域における絵柄の変動表示位置が所定基準位置となったことが特定されたとしても、複数の変動表示領域の全てに対する加速が完了していない状況においては当該所定の変動表示領域に対応する停止操作手段の操作が有効化されない。これにより、一部の変動表示領域における絵柄の変動表示の加速が完了していないにも関わらず、所定の変動表示領域における絵柄の変動表示の停止制御が開始されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴F3.複数の前記変動表示領域における絵柄の変動表示が開始された後において、それら複数の前記変動表示領域の全てに対して前記停止操作手段の操作による停止制御の実行が可能とされた場合に複数の前記停止操作手段のそれぞれに設けられた発光手段の状態を停止操作可能に対応する状態とする手段(第2の実施形態では主側MPU72におけるステップS3412及びステップS3413の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1又はF2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、複数の変動表示領域のそれぞれに対して停止操作手段の操作の有効化が個別に行われる構成において、全ての変動表示領域に対して停止操作手段の操作の有効化が行われた場合に、停止操作手段のそれぞれに設けられた発光手段の状態が停止操作可能に対応する状態となる。これにより、停止操作手段の発光手段の状態が停止操作可能に対応する状態となるタイミングを揃えることが可能となり、当該発光手段の状態の切り換えによって停止操作順序の報知が行われていると遊技者に誤解させてしまわないようにすることが可能となる。
特徴F4.前記開始操作手段が操作されたことに基づいてゲームが開始される場合に役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72における役の抽選処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示制御手段の制御による前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の制御が実行されるようにする当選対応制御手段(主側MPU72におけるステップS314及びステップS315の処理を実行する機能)と、
を備え、
所定の前記変動表示領域における絵柄の変動表示位置が第1範囲である場合に対応する前記停止操作手段が操作された場合には、当該停止操作手段の操作タイミングが前記役の抽選処理にて当選となった所定役(インデックス値IV=13)に対応する停止結果の表示を可能とする操作タイミングとなり、所定の前記変動表示領域における絵柄の変動表示位置が第2範囲である場合に対応する前記停止操作手段が操作された場合には、当該停止操作手段の操作タイミングが前記役の抽選処理にて当選となった前記所定役に対応する停止結果の表示を不可とする操作タイミングとなる構成であり、
所定の前記変動表示領域における絵柄の変動表示位置が前記第1範囲である場合に対応する前記停止操作手段が操作された後である状況の方が、所定の前記変動表示領域における絵柄の変動表示位置が前記第2範囲である場合に対応する前記停止操作手段が操作された後である状況よりも、所定の前記変動表示領域における絵柄の変動表示が開始されてから所定の前記変動表示領域に対する前記加速制御手段による加速が完了して所定の前記変動表示領域における絵柄の変動表示位置が所定基準位置となったと特定されるまでに要する期間が短くなる構成であることを特徴とする特徴F1乃至F3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F4によれば、所定の変動表示領域における絵柄の変動表示位置が第1範囲である場合に対応する停止操作手段が操作された場合には所定役に対応する停止結果の表示が可能となる構成において、所定の変動表示領域における絵柄の変動表示位置が第1範囲である場合に対応する停止操作手段が操作された後である状況の方が、所定の変動表示領域における絵柄の変動表示位置が第2範囲である場合に対応する停止操作手段が操作された後である状況よりも、所定の変動表示領域における絵柄の変動表示が開始されてから所定の変動表示領域に対する加速が完了して所定の変動表示領域における絵柄の変動表示位置が所定基準位置となったと特定されるまでに要する期間が短くなる。これにより、所定の変動表示領域における絵柄の変動表示位置が絵柄の変動表示位置が所定役に対応する停止結果の表示を可能とする第1範囲である場合に停止操作手段が操作されている状況においては、当該所定の変動表示領域における絵柄の変動表示に対する停止操作手段の操作が有効化されるまでに要する期間を短くすることが可能となる。
なお、特徴F1~F4の構成に対して、特徴A1~A8、特徴B1~B7、特徴C1~C4、特徴D1~D6、特徴E1~E5、特徴F1~F4、特徴G1~G5、特徴H1~H6、特徴I1~I4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴D群、上記特徴E群及び上記特徴F群の各特徴に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技が好適に行われるようにする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴G群>
特徴G1.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
前記絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
前記絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記開始操作手段が操作されたことに基づいて前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づいて前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
当該絵柄表示制御手段の制御による前記絵柄の変動表示後に当該絵柄の変動表示が行われたゲームの結果に対応する所定対応処理(主側MPU72のステップS314及びステップS315の処理)を実行する所定対応制御手段(主側MPU72におけるステップS314及びステップS315の処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示制御手段の制御による前記絵柄の変動表示後であって前記所定対応処理が実行される前に、所定期間計測手段(主側RAM74のOFF継続カウンタ)を利用して所定期間(OFF継続期間)の計測を開始する計測開始手段(主側MPU72におけるステップS2318の処理を実行する機能)と、
前記所定対応処理が実行された後であって前記所定期間計測手段を利用した前記所定期間の計測が完了した場合に、計測完了後処理(主側MPU72のステップS3307の処理)を実行する完了後処理実行手段(主側MPU72におけるステップS3307の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、絵柄の変動表示後であって所定対応処理が実行される前に所定期間の計測が開始されて、所定対応処理が実行された後において所定期間の計測が完了している場合に計測完了後処理が実行される。これにより、絵柄の変動表示後において所定期間が経過した後に計測完了後処理を実行する場合に、所定対応処理の実行期間を含めて所定期間を計測することが可能となる。よって、処理を好適に実行することが可能となる。
特徴G2.前記計測完了後処理は、所定外部信号(AT信号)の状態を第1状態(LOWレベル)から第2状態(HIレベル)に切り換える処理であることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
特徴G2によれば、絵柄の変動表示後において所定期間が経過した後に所定外部信号の状態を第1状態から第2状態に切り換える場合に、所定対応処理の実行期間を含めて所定期間を計測することが可能となる。
特徴G3.切り換え条件が成立していることに基づいて、前記絵柄表示制御手段の制御による前記絵柄の変動表示後であって前記所定対応処理が実行される前に、前記所定外部信号の状態を前記第2状態から前記第1状態に切り換える手段(主側MPU72におけるステップS2317の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G2に記載の遊技機。
特徴G3によれば、切り換え条件が成立している場合には絵柄の変動表示後に所定外部信号の状態が第2状態から第1状態に切り換えられるとともにその後に所定期間が経過した場合に所定外部信号の状態が第1状態から第2状態に切り換えられることにより、切り換え条件が成立したことを遊技機外部の装置に把握させることが可能となる。この場合に、上記特徴G1の構成を備え、絵柄の変動表示後であって所定対応処理が実行される前に所定外部信号の状態が第2状態から第1状態に切り換えられるとともに所定期間の計測が開始されて、所定対応処理が実行された後において所定期間の計測が完了している場合に所定外部信号の状態が第1状態から第2状態に切り換えられる。これにより、所定対応処理の実行期間を含めて所定期間を計測することが可能となる。
特徴G4.前記所定対応処理には、遊技媒体が払い出されるように払出手段(ホッパ装置53)を駆動制御する処理(主側MPU72のステップS315の処理)が含まれることを特徴とする特徴G1乃至G3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G4によれば、遊技媒体が払い出されるように払出手段が駆動制御されている期間を含めて所定期間を計測することが可能となる。
特徴G5.前記所定対応処理の実行期間が前記所定期間以上となり得ることを特徴とする特徴G1乃至G4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G5によれば、所定対応処理が実行されている状況において所定期間の計測が完了する状況が生じる。この場合、処理待ちの期間を生じさせることなく計測完了後処理が実行されるようにすることが可能となる。
なお、特徴G1~G5の構成に対して、特徴A1~A8、特徴B1~B7、特徴C1~C4、特徴D1~D6、特徴E1~E5、特徴F1~F4、特徴G1~G5、特徴H1~H6、特徴I1~I4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴G群の発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては処理が好適に実行されるようにする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴H群>
特徴H1.遊技者が使用可能な遊技価値数の情報を記憶する数記憶手段(クレジットカウンタ74b)と、
当該数記憶手段に記憶されている遊技価値数の情報をベットすべく操作されるベット操作手段(クレジット投入ボタン47)と、
所定数の前記遊技価値がベットされている状況において開始操作手段(スタートレバー41)が操作された場合にゲームを開始させるゲーム制御手段(主側MPU72におけるステップS304にて肯定判定をする機能)と、
前記ゲームにおいて所定の再遊技入賞(特殊リプレイ入賞)が成立した場合に遊技価値のベットを要することなく新たな前記ゲームの開始を可能とする所定の再遊技特典を付与する再遊技付与手段(主側MPU72におけるステップS1407の処理を実行する機能)と、
ベットされている前記遊技価値の数の情報を表示する第1表示手段(主側ベット表示部64)と、
ベットされている前記遊技価値の数の情報を表示する第2表示手段(演出側ベット表示部69)と、
前記所定の再遊技入賞が成立した場合に前記第1表示手段におけるベットされている前記遊技価値の数の情報の表示を前記所定の再遊技入賞とは異なる再遊技入賞が成立した場合と同様の表示内容にさせる第1表示制御手段(主側MPU72におけるベット表示部の制御処理を実行する機能)と、
前記所定の再遊技入賞が成立した場合に前記第2表示手段におけるベットされている前記遊技価値の数の情報の表示を終了させ、その後に再表示契機が発生した場合に前記第2表示手段におけるベットされている前記遊技価値の数の情報の表示を再開させる第2表示制御手段(演出側MPU92におけるステップS1705、ステップS1707及びステップS1711の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、ベットされている遊技価値の数の情報を表示する表示手段として第1表示手段及び第2表示手段が設けられていることにより、ベットされている遊技価値の数を報知する態様を多様化させることが可能となる。この場合に、所定の再遊技入賞が成立した場合、第1表示手段においてはベットされている遊技価値の数の情報の表示が所定の再遊技入賞とは異なる再遊技入賞が成立した場合と同様の表示内容とされるのに対して、第2表示手段においてはベットされている遊技価値の数の情報の表示が一旦終了された後に、再表示契機が発生することで当該ベットされている遊技価値の数の情報の表示が再開される。これにより、遊技者には第2表示手段に注目させることで所定の再遊技入賞が実際に成立していたとしても再遊技入賞が成立していないという印象を与えることを可能としながら、遊技ホールの管理者は第1表示手段を確認することで所定の再遊技入賞が成立したか否かを目視確認できるようにすることが可能となる。よって、遊技が好適に行われるようにすることが可能となる。
特徴H2.遊技の進行を制御する主制御手段(主側MPU72)と、
当該主制御手段から送信された情報に基づいて演出の実行を制御する演出制御手段(演出側MPU92)と、
を備え、
前記主制御手段が前記第1表示制御手段を有しており、前記演出制御手段が前記第2表示制御手段を有していることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
特徴H2によれば、主制御手段により制御される第1表示手段においては所定の再遊技入賞が成立した場合にベットされている遊技価値の数の情報の表示が所定の再遊技入賞とは異なる再遊技入賞が成立した場合と同様の表示内容にされるのに対して、演出制御手段により制御される第2表示手段においては所定の再遊技入賞が成立した場合に、ベットされている遊技価値の数の情報の表示が一旦終了された後に再表示契機の発生に基づき再開される。これにより、主制御手段により制御される第1表示手段については表示の信頼性を高めながら、演出制御手段により制御される第2表示手段については表示による演出効果を高めることが可能となる。
特徴H3.前記第2表示手段の表示範囲は前記第1表示手段の表示範囲よりも広く設定されていることを特徴とする特徴H1又はH2に記載の遊技機。
特徴H3によれば、所定の再遊技入賞が成立した場合、相対的に表示範囲が広い第2表示手段においてベットされている遊技価値の数の情報の表示が一旦終了された後に再表示契機の発生に基づき再開されるのに対して、相対的に表示範囲が狭い第1表示手段においてはベットされている遊技価値の数の情報の表示が所定の再遊技入賞とは異なる再遊技入賞が成立した場合と同様の表示内容にされる。これにより、遊技者には第2表示手段に注目させることで所定の再遊技入賞が実際に成立していたとしても再遊技入賞が成立していないという印象を与えることを可能としながら、遊技ホールの管理者は第1表示手段を確認することで所定の再遊技入賞が成立したか否かを目視確認できるようにすることが可能となる。
特徴H4.前記第2表示制御手段は、前記所定の再遊技入賞が成立したことで前記第2表示手段におけるベットされている前記遊技価値の数の情報の表示を終了させた場合、その後に前記再表示契機として前記ベット操作手段が操作された場合に前記第2表示手段におけるベットされている前記遊技価値の数の情報の表示を再開させることを特徴とする特徴H1乃至H3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H4によれば、所定の再遊技入賞が成立したことで第2表示手段におけるベットされている遊技価値の数の情報の表示が一旦終了された場合、その後にベット操作手段が操作された場合に当該ベットされている遊技価値の数の情報の表示が再開される。これにより、所定の再遊技入賞が成立した後であってもベット操作手段の操作によって新たなベットが行われたと遊技者に認識させることが可能となる。
特徴H5.前記第2表示制御手段は、前記所定の再遊技入賞が成立したことで前記第2表示手段におけるベットされている前記遊技価値の数の情報の表示を終了させた場合、その後に前記ベット操作手段が操作されることなく前記開始操作手段が操作された場合にも前記第2表示手段におけるベットされている前記遊技価値の数の情報の表示を再開させることを特徴とする特徴H4に記載の遊技機。
特徴H5によれば、所定の再遊技入賞が成立したことで第2表示手段におけるベットされている遊技価値の数の情報の表示が一旦終了された場合、その後にベット操作手段が操作されていなくても開始操作手段が操作された場合には当該ベットされている遊技価値の数の情報の表示が再開される。所定の再遊技入賞が成立した場合には実際には遊技価値がベットされている状態は維持されているため開始操作手段が操作された場合にはゲームが開始される。この場合に、上記のとおりベット操作手段が操作されていなくても開始操作手段が操作された場合には第2表示手段におけるベットされている遊技価値の数の情報の表示が再開されることにより、ゲームが開始された状況においては第2表示手段において遊技価値の数の情報の表示が行われているようにすることが可能となる。
特徴H6.前記第2表示制御手段は、前記ベット操作手段が操作されたことに基づき複数の遊技価値がベットされた場合、当該複数の遊技価値がベットされたことに対応する表示が行われるように前記第2表示手段の表示を段階的に変化させる段階変化手段(演出側MPU92におけるステップS1702及びステップS1707の処理を実行する機能)を備え、
当該段階変化手段は、前記所定の再遊技入賞が成立したことで前記第2表示手段における複数の遊技価値がベットされていることに対応する複数ベット表示を終了させた場合であってその後に前記ベット操作手段が操作された場合、前記第2表示手段の表示を段階的に変化させることで前記第2表示手段において前記複数ベット表示を再開させるものであり、
前記第2表示制御手段は、前記所定の再遊技入賞が成立したことで前記第2表示手段における複数の遊技価値がベットされていることに対応する複数ベット表示を終了させた場合であってその後に前記ベット操作手段が操作されることなく前記開始操作手段が操作された場合、前記第2表示手段において前記複数ベット表示をそのまま再開させる手段(演出側MPU92におけるステップS1711の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H5に記載の遊技機。
特徴H6によれば、複数の遊技価値がベットされた場合には複数ベット表示が行われるように第2表示手段の表示が段階的に変化される構成において、所定の再遊技入賞が成立したことで第2表示手段における複数ベット表示が一旦終了された場合であってその後にベット操作手段が操作された場合、複数ベット表示が行われるように第2表示手段の表示が段階的に変化される。これにより、所定の再遊技入賞が成立した後であってもベット操作手段の操作によって新たなベットが行われたと遊技者に認識させることが可能となる。その一方、所定の再遊技入賞が成立したことで第2表示手段における複数ベット表示が一旦終了された場合であってその後にベット操作手段が操作されることなく開始操作手段が操作された場合、第2表示手段において複数ベット表示がそのまま再開される。これにより、ゲームが開始された状況においては第2表示手段において早期に複数ベット表示が行われるようにすることが可能となる。
なお、特徴H1~H6の構成に対して、特徴A1~A8、特徴B1~B7、特徴C1~C4、特徴D1~D6、特徴E1~E5、特徴F1~F4、特徴G1~G5、特徴H1~H6、特徴I1~I4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴H群の発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技が好適に行われるようにする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴I群>
特徴I1.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいてゲームの実行状況とするゲーム開始手段(主側MPU72におけるステップS304にて肯定判定をする機能)と、
前記ゲームの実行状況となった場合に役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72における役の抽選処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記ゲームの実行状況となった場合に前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
当該絵柄表示制御手段の制御による前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の制御が実行されるようにする当選対応制御手段(主側MPU72におけるステップS314及びステップS315の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記役の抽選処理にて当選となり得る役として、当選したゲームにおいて対応する特別入賞(BB入賞又はRB入賞)が成立しなかった場合にはその当選している状態が次のゲームに維持される特別役(BB当選データが設定される役、RB当選データが設定される役)が設定されており、
前記役抽選手段は、前記特別役に当選している状態であっても前記役の抽選処理にて前記特別役が当選となり得るようにする構成であり、
本遊技機は、前記特別役に当選している状態において前記役の抽選処理にて前記特別役に当選した場合、その新たな前記特別役の当選を無効とする無効手段(主側MPU72におけるステップS602にて肯定判定をする機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、役の抽選処理にて特別役に当選した場合、その当選したゲームにおいて対応する特別入賞が成立しなかったとしても、特別役に当選している状態が次のゲームにおいても維持される。この場合に、特別役に当選している状態であっても役の抽選処理にて特別役が当選となり得るとともに、特別役に当選している状態において役の抽選処理にて特別役に当選した場合にはその新たな特別役の当選は無効なものとして扱われる。これにより、複数の特別役に同時に当選している状態とならないようにしながら、特別役に当選していない状態と特別役に当選している状態とで役の抽選処理の実行態様を共通化させることが可能となる。よって、処理を好適に実行することが可能となる。
特徴I2.前記役抽選手段は、
抽選数値情報を取得する取得手段(主側MPU72におけるステップS501の処理を実行する機能)と、
当該取得手段が取得した前記抽選数値情報がいずれの役に当選しているのかを特定可能とする当選対応情報群(非ボーナス状態の役抽選テーブル)、及び前記取得手段が取得した前記抽選数値情報を利用して前記役の抽選処理を実行する抽選実行手段(主側MPU72におけるステップS502~ステップS508の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記抽選実行手段は、前記特別役に当選していない状態及び前記特別役に当選している状態のいずれであっても、共通の前記当選対応情報群を利用することを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
特徴I2によれば、特別役に当選していない状態及び特別役に当選している状態のいずれであっても共通の当選対応情報群が利用される。これにより、当選対応情報群を予め記憶するための記憶容量を削減することが可能となる。
特徴I3.前記特別役に第1特別役(BB当選データが設定される役)及び第2特別役(RB当選データが設定される役)が含まれており、
前記無効手段は、前記第1特別役及び前記第2特別役のうち一方に当選している状態において前記役の抽選処理にて前記第1特別役及び前記第2特別役のうち他方に当選した場合、その新たな前記特別役の当選を無効とすることを特徴とする特徴I1又はI2に記載の遊技機。
特徴I3によれば、特別役に当選しているか否かによって役の抽選処理の実行内容を変更させない構成において、第1特別役及び第2特別役のうち一方に当選している状態において他方に当選したとしてもその新たに当選した側が無効化されるため、第1特別役と第2特別役とが同時に当選している状態とならないようにすることが可能となる。
特徴I4.前記特別役に当選した場合、当選した状態が次のゲームに持ち越されない特定役(チェリー当選データが設定される役)にも当選し得る構成であり、
前記無効手段は、前記特別役に当選している状態において前記役の抽選処理にて前記特別役及び前記特定役の両方に当選した場合、その新たな前記特別役の当選を無効とする一方、前記特定役の当選を無効としないことを特徴とする特徴I1乃至I3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I4によれば、役の抽選処理では当選した状態が次のゲームに持ち越され得る特別役と当選した状態が次のゲームに持ち越されない特定役とが同時に当選となり得る。この場合に、特別役に当選している状態において役の抽選処理にて特別役及び特定役の両方に当選した場合、その新たな特別役の当選は無効とされる一方、特定役の当選は無効とされない。これにより、特別役に当選しているか否かによって役の抽選処理の実行内容を変更させない構成において、複数の特別役に同時に当選している状態とならないようにしながら、特定役に当選した利益を消失させてしまわないようにすることが可能となる。
なお、特徴I1~I4の構成に対して、特徴A1~A8、特徴B1~B7、特徴C1~C4、特徴D1~D6、特徴E1~E5、特徴F1~F4、特徴G1~G5、特徴H1~H6、特徴I1~I4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴I群の発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては処理が好適に実行されるようにする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。