JP7150285B2 - ウイルス及び細菌の殺菌装置 - Google Patents
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Description
除菌剤、殺菌剤による殺菌処理が行われている。ウイルス等は、洗浄剤、強酸、強アルカリ、有機溶媒、高温、強い紫外線、電子線、放射線等により死滅する。しかし、人体への影響が懸念される領域では、洗浄剤、次亜塩素酸、過酢酸、アルコール等を直接接触させる、若しくは空間へ噴霧する、若しくは空間へ噴霧し付着させて回収することで殺菌が行われている。
(構成)
図1は、第1実施形態に係るウイルス等の殺菌装置10を示す図である。図1に示す殺菌装置10は、紫外線発生器12からの紫外線を利用して、殺菌平面Aを殺菌処理する装置である。殺菌平面Aを殺菌処理する際、同時に殺菌空間Sも殺菌処理される。
紫外線発生器12は、例えば、紫外線LED、深紫外LED、紫外線レーザ、エキシマランプ、水銀灯等を利用できる。紫外線レーザの光源に関しては、気体レーザ及び固体レーザを用いることが出来る。気体レーザでは、波長248nmのKrFエキシマレーザ、波長244nmのアルゴンレーザの2倍高調波等を用い、固体レーザでは、YAGレーザ或いはYVO4レーザの4倍高調波(波長266nm又は258nm)、YLFレーザ(263nm又は262nm)等を用いる。
殺菌装置10は、紫外線発生器12より発生された紫外光を、レンズシステム14により所定の方向(例えば、略平行光)へ向きを変えてXYスキャナ16へ入射し、XYスキャナは、出力光を殺菌平面Aの点線で示したP1-P2-P3-P4-P5-P6-P7…Pm-Pnとスキャン(走査)させ、殺菌平面A(abcd)全体を紫外線照射する。
1 [mJ/cm2] * 10,000 [cm2] / (3600*2) [Sec] = 1.39 [mW]
以上となり、例えば、10mWの深紫外LEDを使用すれば、2時間で7m2を除菌することが可能である。
(1)紫外線照射のスキャンは、図1Aのような連続的且つ画一的なスキャンだけでなく、従来の方式では困難なランダムなスキャン、殺菌平面A内の領域毎に重点を置いたスキャン、スキャン密度も容易に変更できるため、所望の領域に必要な強度の照射を行うことができる。
(構成)
図2は、第2実施形態に係るウイルス等の殺菌装置20を示す図である。図2に示す殺菌装置20は、第1実施形態における殺菌装置10と比較すると、殺菌装置10のレンズシステム14からXYスキャナ16への経路中に、ビームスプリッタ25、第2のレンズシステム24、及び光検出器27が追加されている点で相違する。
第1実施形態の殺菌装置10と同様に、レンズシステム14により概略平行ビームへ向きを変えてXYスキャナ16へ入射し、XYスキャナ16は、紫外線ビームを殺菌平面Aに向けてスキャン(走査)して、殺菌平面A(abcd)を紫外線照射する。このとき、照射点Pからの反射光又は殺菌空間Sに浮遊している粒子からの散乱光が光検出器27で検出され、反射光若しくは散乱光に応じた信号がスキャン制御装置28へ入力される。
(1)照射点Pからは、紫外線による反射光だけでなく、周辺の光による反射光も生じているため、光検出器27にスペクトル検出器を使用することにより、カラー画像や赤外画像等のスペクトルに基づく画像情報が得られ、画像認識による認識精度を高めることが出来る。その結果、一層精密に照射領域と強度を決定し、照射した強度をフィードバックすることにより、一層安全に短時間に殺菌を行うことができる。
(構成)
図3は、第3実施形態に係るウイルス等の殺菌装置30を示す図である。殺菌装置30は、実施形態1,2が点ビームで対象物を照射するのに対し、面単位で一括して照射する点で異なる。
紫外線発生器12により発生された紫外光を、第1のレンズシステム34-1により略平行光に変えて光スイッチ素子36へ照射し、光スイッチ素子上に形成された画像を第2のレンズシステム34-2により殺菌平面Aへ投影する。光スイッチ素子36では、画像処理兼表示制御装置38により発生された投影画像信号33-1により、ピクセル毎に透過する光量が変調され、光スイッチ素子36上に二次元の任意の画像が再現される。
照射除外領域では、照射する出力の強度を下げる又はOFFにすることにより、照射除外対象が、紫外線によるダメージを受けないようにすることができる。
(1) 光スイッチ素子36として、二次元ではなく、一次元(線状)に配置された素子を使用することもできる。この場合は、線状に発生された像を、第一実施形態や第二実施形態の二次元のXYスキャナ16に代えて、一次元スキャナを使用することにより二次元像として殺菌平面Aへ投影する。
(構成)
図4は、第4実施形態に係るウイルス等の殺菌装置40を示す図である。殺菌装置40は、二次元の紫外線を殺菌平面A及び殺菌空間Sへ投影照射する紫外線発光素子アレイ46と、殺菌平面A及び殺菌空間Sの画像を受けて、受光画像信号43-2を生成する受光素子47と、この受光画像信号から投影画像信号43-1を生成して紫外線発光素子アレイ46に送る画像処理兼表示制御装置48とを備え、紫外線発光素子アレイ46が二次元の投影画像信号43-1に基づき紫外線照射を行っている。
二次元配列された紫外線発光電子アレイ46により、紫外線発光素子アレイ上に表示された像を、第1のレンズシステム44-1により殺菌平面Aへ投影する。紫外線発光素子アレイ46では、画像処理兼表示制御装置48により発生された投影画像信号43-1により、ピクセル毎に発生する紫外光の光量が変調されるため、紫外線発光素子アレイ46上に任意の画像が再現される。
(1) 前記、紫外線発光電子アレイ46の表示を1ピクセル毎に点滅しスキャンする場合、照射点からは、紫外線による反射光だけでなく、周辺の光による反射光も生じているため、受光素子47に代えてあるいは併用して、高感度の赤外検出器やスペクトル検出器を使用することにより、1ピクセル毎に、高精度の温度やスペクトルも同時に入手することが出来るため、画像認識による認識精度を高めることが出来る。
(構成)
図5は、第5実施形態に係るウイルス等の殺菌装置システム50を示す図である。殺菌装置システム50は、第1実施形態~第4実施形態の個別の殺菌装置10,20,30,40,50のいずれかを、部屋毎に適宜配したシステムである。なお、ここでは、説明の便宜上、殺菌装置10を例にとって説明する。
殺菌装置10の夫々に照射除外対象を求め、紫外線を対象物に照射することが可能である。照射除外領域以外の照射領域は、殺菌装置毎に任意に設定されるため、複数の殺菌装置10が設置された場合、照射領域が重なったり照射できない領域が生じることがある。図5の場合、夫々の殺菌装置10で得られた対象物の画像が殺菌装置のID、位置情報と共にサーバへ送られ、サーバ56で夫々の画像から殺菌領域全体の画像を構築することが可能である。従って、得られた全体の画像から照射領域の重なりや欠落を検出することが可能である。
(構成)
図6は、第6実施形態に係るウイルス等の殺菌装置60を示す図である。殺菌装置60は、第2実施形態~第4実施形態において、殺菌装置10のO点から発せられるビームが、任意の位置にある反射体58のP点(反射点)により反射し、照射除外対象(例えば、人体,動物等)62のQ点へ到達するビーム強度を下げる又はOFFにする殺菌装置である。図6では、第2実施形態~第4実施形態の殺菌装置に対し、1個以上の任意の数の受光装置67-1,67-2,…が付加されている。但し、この受光装置67は、第3実施形態、第4実施形態で使用している受光装置37、47で兼ねることもできる。太い実線O-P-Qは、殺菌装置10のO点から照射されるビームが、反射体58の点Pで反射して照射除外対象62のQ点を照射しているビームを表す。一点鎖線Q-Rは、このビームがQ点で反射して、受光素子67-1のR点へ到達しているビームを表す。
図6の太い実線のように、殺菌装置10のO点から発せられたビームが反射体のP点で反射して照射除外対象62のQ点へ到達するものとする。照射除外対象62のQ点にビームが当たった場合、ビームは人や動物では完全に吸収されないため、Q点で反射した光の一部が、一点鎖線で示すように受光素子67-1のR点へ到達する。即ち、受光素子67を、Q点からのビームを検出できる適切な位置に配置し、受光輝度の閾値を適切に決定して閾値を超えた点を検出することにより、照射ビームが反射体のP点で反射して照射除外対象のQ点に入射したことを検出することが可能である。
(1) 照射除外対象62に直接照射しても安全な強度でビームをスキャンし、反射体58のP点の位置情報を記録する。
(2) 2回目のスキャンからは、記録されている反射体58のP点に対するビームの輝度を下げる又はOFFにする。それ以外の領域では、ビームの輝度を任意に上げて(例えば数倍から数十倍に上げて)照射する。
(3) (1)と(2)を繰り返す。
前記(1)のビームには、紫外線に代えて可視光線や赤外線を採用することもできる。紫外線を使用しなければ、紫外線による暴露の心配がなくなる。また、可視光線の場合は、紫外線が当たっている場所(目視不可)を可視光により目視できるだけでなく、受光素子には、紫外線受光素子でなく一般的な可視光の受光素子を使用することができる。
受光素子67として、レンズシステム44-2(図4参照)と二次元的に配置された受光素子を使用して、殺菌平面A(a-b-c-d)を二次元の受光素子67上に結像することにより殺菌平面Aの画像データを取得することができる。殺菌平面Aの画像データを画像処理し、照射した点の位置と輝度変化を求めることにより、照射領域と照射除外領域を区別することができる。殺菌装置10により照射している殺菌平面Aと、得られた照射領域を比較することにより、累積照射量の計算や照射異常の検出および故障検出を行うことができる。
前記(2)で、ビームの輝度を下げる又はOFFにする以外に、照射する時間や頻度を変えて平均照射光量を抑制してもよい。
前記(1)の処理における反射体のP点の検出において、受光輝度の閾値の設定の際、閾値の精度を向上させるため、受光素子67により得られた信号に対し閾値設定処理をリアルタイムもしくは定期的に行ってもよい。閾値設定処理には、信号処理や画像処理およびAI等の技術を用いることができる。
(1) 従来の人や動物の居ない空間だけでなく、人や動物が利用している状態にあって、殆どの空間(居住空間、オフィス、イベント会場、宿泊所、遊戯施設、飲食店、工場等)で、空間や物(着衣している衣料を含む)に対して効果的(高出力)で連続的な殺菌が可能となる。このため、空間に浮遊したり物へ付着している細菌やウイルス、および、人や動物により散布・付着された細菌やウイルスをリアルタイムに殺菌することが可能となり、細菌やウイルスが人や動物へ感染する機会を大幅に減らすことができる。
本出願は、特願2020-151683を先の出願とする国内優先権主張出願である。先の出願と比較すると、本願は、当初明細書及び図面において、第6実施形態及び請求項8に記載した技術的事項を追加している。
A:殺菌平面、 C:スキャナ中心点、 D:殺菌平面Aまでの距離、 p:照射点、P:反射点、 S:殺菌空間、
Claims (8)
- 殺菌装置から発せられた紫外光をビーム状に整形しスキャンにより投影する紫外光投影システムを有するウイルス及び細菌の殺菌装置において、
前記殺菌装置から発せられた紫外線ビームを反射する反射体と、
任意の場所に置かれた受光素子とを備え、
前記受光素子は、前記反射体からの反射光が照射除外対象へ到達したことを検出し、
前記紫外光投影システムは、前記反射体の位置情報を記憶し、前記受光素子が反射光の到達を検出したときの該反射体の位置では平均照射光量を抑制する機能を持ち、
予め決められた照射除外領域に応じて、光量を減少又はゼロにして殺菌処理を行う、ウイルス及び細菌の殺菌装置。 - 光スイッチ素子もしくは紫外光発生素子が配列された紫外線発生デバイス上に再現された画像を、レンズを介して面照射として投影する紫外光投影システムを備え、
予め決められた照射除外領域に応じて、前記デバイス上の画像を構成するピクセル毎に光量を減少又はゼロにして殺菌処理を行う、ウイルス及び細菌の殺菌装置。 - 請求項2に記載のウイルス及び細菌の殺菌装置において、
前記殺菌装置から発せられた紫外線ビームを反射する反射体と、
任意の場所に置かれた受光素子とを備え、
前記受光素子は、前記反射体からの反射光が照射除外対象へ到達したことを検出し、
任意の場所に置かれた受光素子から得られる信号により、前記反射体からの反射光が照射除外対象へビームが到達したことを検出し、
前記紫外光投影システムは、前記反射体の位置情報を記憶し、前記受光素子が反射光の到達を検出したときの該反射体の位置では平均照射光量を抑制する機能を持つ、ウイルス及び細菌の殺菌装置。 - 請求項1~3のいずれか一項に記載のウイルス及び細菌の殺菌装置において、
光軸上の反射によりリアルタイムに得られる反射像若しくは任意の場所に置かれた撮影装置からリアルタイムに得られる撮影像あるいはそれらの記録画像に対して、画像認識により照射除外領域を求める、殺菌装置。 - 請求項4に記載のウイルス及び細菌の殺菌装置において、
光軸上の反射によりリアルタイムに得られる反射像若しくは任意の場所に置かれた撮影装置からリアルタイムに得られる撮影像あるいはそれらの記録画像に対して、画像認識により照射除外対象および照射対象の種類求め、照射除外対象および照射対象の種類に応じて照射光量を制御する、殺菌装置。 - 請求項5に記載のウイルス及び細菌の殺菌装置において、
前記撮影像に対してスペクトル分析を行い、画像認識に加えて、対象とする領域のスペクトルの波長・強度のパターンを解析することにより、照射除外対象および照射対象の種類求め、照射除外対象および照射対象の種類に応じて照射光量を制御する、殺菌装置。 - 請求項1~3のいずれか一項に記載のウイルス及び細菌の殺菌装置において、
光軸上に置かれた受光センサ若しくは任意の場所に置かれた撮影装置からリアルタイムに得られる画像もしくは記録画像に対し、画像およびスペクトルデータ、画像の特長データ、照射除外対象および照射除外領域の取得データ、並びにこれらの解析情報を適宜通信によりサーバへ送信し、サーバによりそれらの情報の記録、解析、認識を行い、殺菌装置の照射領域および照射強度の情報を設定する機能を備えた、殺菌装置。 - 請求項7に記載のウイルス及び細菌の殺菌装置において、
体系的に照明あるいは監視を行う機能を備えた、殺菌装置。
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