JP2023541509A

JP2023541509A - 視覚的マーカー検出システムを有する移動式消毒装置及びその使用方法

Info

Publication number: JP2023541509A
Application number: JP2023503162A
Authority: JP
Inventors: アリー，シェリフ; フルタン，ポール; スティビッチ，マーク; ホワイトロニス，ニコラス
Original assignee: ゼネックス・ディスインフェクション・サービシィズ・インコーポレーテッド
Priority date: 2020-07-17
Filing date: 2020-07-17
Publication date: 2023-10-03
Also published as: EP4181973A1; WO2022015318A1; US20230149583A1; CA3173614A1

Abstract

視覚的マーカー検出（ｖｉｓｕａｌｍａｒｋｅｒｄｅｔｅｃｔｉｏｎ：ＶＭＤ）システムを利用して、移動式装置が配設されているエリア／部屋内の１つ以上の場所を決定及び／若しくは確認する、並びに／又は移動式装置がエリア／部屋内の事前設定された場所に好適に位置決めされていることを決定及び／若しくは確認する、移動式装置及び方法が提供される。更に、ＶＭＤシステムを利用して、移動式装置の動作、特に上記装置を動作させるとき及び／又は様式に影響を及ぼす、移動式装置及び方法が提供される。更に、ＶＭＤシステムを利用して、移動式装置が、ある特定のタイムフレーム内、例えば上記装置の動作中に、他の場所に移動したかどうかを判断する、移動式装置及び方法が提供される。更に、ＶＭＤシステムを利用して、上記装置の上記場所に固有の情報を伝達する、移動式装置及び方法が提供される。

Description

本発明は一般に、視覚的マーカー検出システムを有する移動式装置に関し、より詳細には、視覚的マーカー検出システムを有する移動式消毒装置及びその使用方法に関する。

以下の説明及び例は、このセクションに含まれているため、先行技術であるとは認められない。

病原性微生物が感染症及び汚染の主な原因であることが示されているため、特にヘルスケア環境、人間の人数が多い、及び／又は人間の頻繁な出入りがある公共のエリア、並びに（限定するものではないが、クリーンルーム環境を必要とするもの等の）極めて敏感な製造用途において、エリア／部屋の消毒がますます重要となっている。エリア／部屋消毒システムはその設計仕様に応じて、多様な構成となる。例えば、一部のエリア／部屋消毒システムは部屋／エリア内に固定して設置されるが、携帯型のものもある。多くの携帯型エリア／部屋消毒システムの課題は、上記システムから発射される消毒剤が、エリア／部屋内の最大数の表面及び／又は重要な表面へと効率的に分散されるように、上記システムを位置決めするための場所を決定することである。特に、多数のエリア／部屋消毒システム内での消毒剤の分散は、多くの場合、有効量の消毒剤を発射できる距離によって制限される。消毒剤の曝露の不足により、望ましくない多数の病原性微生物が表面に残る可能性があり、この表面は継続的な汚染を受けやすくなる。反対に、エリア／部屋消毒デバイスを表面に近接させて配置すると、該表面の曝露が過剰になり、これは事実上、消毒液の浪費、また潜在的には消毒プロセスを実施するための時間及び／又はエネルギーの浪費となる。この観点から、携帯型エリア／部屋消毒デバイスを、エリア／部屋内の所定の場所、特に消毒デバイスからの消毒剤の効率的な分散のために適切であると見なされた場所に位置決めすることが望ましい場合がある。

以上のアイデアに加えて、又はその代わりに、携帯型エリア／部屋消毒デバイスを消毒プロセスのために動作させるエリア／部屋内の１つ以上の具体的な場所を把握及び／又は確認することが、例えばコンプライアンスの報告のために、又は消毒プロセスが実行された１つ以上の場所を再調査できるようにするために、望ましい場合がある。しかしながら、１つ以上の移動式デバイスの１つ以上の場所を決定するための従来の技法は、エリア／部屋内の具体的な１つ以上の場所の決定に関して信頼性がないことが分かっている。特に、全地球測位システムが検討されてきたが、これらは一般に建造物内では信頼性が低く、またエリア／部屋内の正確な位置を提供するために十分な解像度を提供するものではない。更に、無線周波数識別（ｒａｄｉｏｆｒｅｑｕｅｎｃｙｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ：ＲＦＩＤ）システムが提案されてきたが、これはエリア／部屋内の正確な位置を提供するにはあまりにコストが高い、及び／又は十分な信頼性を有しないことが分かっている。特に、一部のＲＦＩＤシステムは、ある特定の近接範囲内の移動式対象物／デバイス上のパッシブＲＦＩＤタグを検出する、天井又は壁に設置されたスキャナを使用する。しかしながらＲＦＩＤスキャナは高コストである場合があるため、多くの施設では、ＲＦＩＤスキャナは、各部屋に１個ではなくフロアレベル又はユニットレベルでしか存在しない場合がある。ＲＦＩＤシステムを使用する他の試みとしては、ＲＦＩＤスキャナを移動式対象物／デバイスに取り付け、部屋の中の固定された場所に配設された複数のＲＦＩＤパッシブタグを信号強度に基づいて三角測量することによって、上記対象物／デバイスの場所を特定するものが挙げられる。しかしながらこの技法は、エリア／部屋内の正確な位置を提供するために十分な信頼性を有しないことが分かっている。他の応用例では、消毒デバイスをセットアップするユーザが、後続の消毒プロセスのために上記デバイスのおおよその場所を記録する場合があるが、このような技法はヒューマンエラーが発生しやすく、一部のコンプライアンス報告のために、信頼できるものであることを個別に確認する必要がある。

従って、消毒プロセスのためにエリア／部屋内において携帯型消毒デバイスが配置される及び／又は動作する場所を決定及び／又は確認するための方法を開発することが有利となる。更に、法外なコストを掛けることなく、又はヒューマンエラーが発生しやすくすることなく、上述のような性能が強化される消毒装置を開発することが有益となる。更に、エリア／部屋内における具体的な場所の決定又は確認に関連付けられた動作を有する移動式装置を開発することが有利となる。

視覚的マーカー検出システムを有する装置、及びその使用方法を提供する。上記装置及び方法の様々な実施形態に関する以下の説明は、添付の特許請求の範囲の主題を限定するものと解釈してはならない。

エリアを消毒するための方法のある実施形態は、エリア／部屋内に配置される指定視覚的マーカーが移動式消毒装置の撮像デバイスの視野内となるように、上記移動式消毒装置を上記エリア／部屋内に位置決めするステップを含む。上記方法は更に、上記移動式消毒装置と電気通信するユーザインタフェースから、上記指定視覚的マーカーが上記撮像デバイスの上記視野内にあることの通知を受信するステップを含む。更に上記方法は、その後、上記エリア／部屋内で消毒プロセスを開始及び実行するために、位置決めされた上記移動式消毒装置を起動するステップであって、上記移動式消毒装置は、上記消毒プロセス中に消毒剤を上記移動式消毒装置の雰囲気に発射するよう構成される、ステップを含む。

消毒装置の実施形態は、殺菌源、撮像デバイス、並びにプロセッサ及び上記プロセッサが実行可能なプログラム命令を有するコントローラを含む。一部のケースにおいては、上記プログラム命令は、上記撮像デバイスによって取得された視覚的マーカーの画像をデコードして、指定された空間内の上記消毒装置の位置と、上記消毒装置の１つ以上の動作パラメータとを決定することにより、上記指定された空間内で消毒プロセスを実行するためのものである。このような実施形態では、上記プログラム命令は更に、決定された上記１つ以上の動作パラメータに従って上記消毒プロセスを実行するために上記消毒装置の上記殺菌源及び他の部品を起動するためのものである。更なる又は別のケースにおいては、上記プログラム命令は、上記撮像デバイスによって取得された視覚的マーカーの画像を受信した後、消毒プロセスを開始及び実行するために上記消毒装置の上記殺菌源及び他の部品を起動するためのものである。このような実施形態では、上記プログラム命令は更に、上記撮像デバイスに信号を送信することによって、上記消毒プロセス中及び上記消毒プロセス後に１つ以上の画像を取得し、取得された他の上記１つ以上の画像が上記視覚的マーカーを含むかどうかを判断するためのものである。

消毒装置の別の実施形態は、殺菌源、撮像デバイス、及びコントローラを含み、上記コントローラは、プロセッサと、上記撮像デバイスによって取得された第１の視覚的マーカーの画像を分析することによって、上記第１の視覚的マーカーが上記消毒装置に関連付けられた複数の指定視覚的マーカーのセットのうちの１つであるかどうかを判断するために、上記プロセッサが実行可能なプログラム命令とを有する。更に上記プログラム命令は、上記第１の視覚的マーカーが複数の指定視覚的マーカーの上記セットのうちの１つであると判断された後で、上記装置の動作ロックを解除するためのものである。

別の装置のある実施形態は、撮像デバイス、上記装置の可動性を実現するためのホイール、上記装置のユーザに情報を伝達するためのデバイス、並びにプロセッサ及び上記プロセッサが実行可能なプログラム命令を有するコントローラを含む。上記プログラム命令は、上記撮像デバイスによって取得された視覚的マーカーの画像を受信し、上記画像を分析することによって構造物内における上記装置の場所を決定し、１つ以上の信号を、決定された上記場所に関連する場所固有情報を伝達するための上記伝達デバイスに送信するためのものである。

本発明の他の目的及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」及び添付の図面を参照すると明らかになるであろう。

図１は、移動式装置の一例を示す。図２は、移動式消毒装置の一例を示す。図３は、移動式装置のユーザが実施できる、又は移動式装置のプログラム命令に組み込むことができる、複数のプロセスの例示的なセットのフローチャートを示す。図４～１２は、本明細書で開示される移動式装置に関する複数のプログラム命令の様々なセットの例のフローチャートを示す。

本発明は様々な修正及び代替形態を許容するものであるが、その特定の実施形態を例として図示し、本明細書で詳細に説明する。しかしながら、図面及びその詳細な説明は、開示されている特定の形態に本発明を限定することを意図しておらず、反対に、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲内のあらゆる修正、均等物、及び代替物を包含することが意図されていることを理解されたい。

移動式装置及び方法であって、視覚的マーカー検出システムを利用して、移動式装置が配設されたエリア／部屋内の１つ以上の場所を決定及び／又は確認する、移動式装置及び方法が提供される。更に、移動式装置及び方法であって、視覚的マーカー検出システムを利用して、移動式装置がエリア／部屋内の事前設定された場所に、又はエリア／部屋内のデバイス若しくは対象物の付近に若しくは上記デバイス若しくは上記対象物から事前設定された距離に、好適に位置決めされているかどうかを決定及び／又は確認する、移動式装置及び方法が提供される。更に、移動式装置及び方法であって、視覚的マーカー検出システムを利用して、移動式装置の動作に影響を及ぼす、特に移動式装置を動作させる時点及び／又は様式を制御する、移動式装置及び方法が提供される。更に、移動式装置及び方法であって、視覚的マーカー検出システムを利用して、移動式装置が、特定のタイムフレーム内、例えば上記装置の動作中に、エリア／部屋内の他の場所に移動したかしていないかを決定する、移動式装置及び方法が提供される。更に、移動式装置及び方法であって、視覚的マーカー検出システムを利用して、移動式装置のユーザに、上記移動式装置の場所に固有の情報を伝達する、移動式装置及び方法が提供される。

一般に、本明細書中で検討される装置は、移動式として構成される装置である。本明細書中で使用される場合、用語「移動式（ｍｏｂｉｌｅ）」及び「携帯型（ｐｏｒｔａｂｌｅ）」は、移動できること又は移動させることができることを指し、本明細書中では相互交換可能なものとして使用できる。本明細書中で検討される装置の可動性を実現するための構成としては、限定するものではないが、（電動若しくは非電動）ホイール、１つ以上のハンドル、ナビゲーションプログラム命令（事前にプログラムされた経路、遠隔制御及び／若しくは自律機能によるナビゲーションを含む）、上記装置を少なくとも１メートル効率的かつ安全に輸送できる重量及び設計、又はこれらのいずれの組み合わせが挙げられる。本明細書中で検討される装置は、上述の構成のうちのいずれの１つ以上をいずれの組み合わせで含むことによって、その可動性を実現でき、従って上記装置は、言及されている全ての構成を含むように限定されるものではないことが強調される。例えば、電動ホイールを有する装置は、ナビゲーションプログラム命令を含む場合も含まない場合もある。更に、自律移動するように構成された装置は、ハンドルを含む場合も含まない場合もある。更に、１つ以上のハンドルを有する装置は、ホイールを含む場合も含まない場合もあり、その逆も同様である。更に、ホイールを備える装置は一般に、ホイールを備えない装置よりも押し引きが容易であるため、本明細書中で検討されるホイールを有する装置は、ホイールを備えないものよりも重くてよいが、必ずしもそうではない。いずれにせよ、本明細書で開示される、ホイールを有する装置に関する全ての言及は、車軸に取り付けられたホイールのデバイスを有する装置を指す。場合によっては、本明細書中で検討される装置のホイールはキャスターであってよい。

一般に、「装置を少なくとも１メートル効率的かつ安全に輸送できる重量及び設計（ｗｅｉｇｈｔａｎｄｄｅｓｉｇｎｗｈｉｃｈａｆｆｏｒｄｓｔｈｅａｐｐａｒａｔｕｓｔｏｂｅｅｆｆｉｃｉｅｎｔｌｙａｎｄｓａｆｅｌｙｔｒａｎｓｐｏｒｔｅｄａｔｌｅａｓｔ１ｍｅｔｅｒ）」は、装置によって異なり得る。例えば、装置が電動でない場合、この句は、１人以上の平均的な身長及び体重の成人が、装置を少なくとも１メートル効率的かつ安全に搬送できる、押すことができる、及び／又は引っ張ることができる、人間工学に基づいた重量及び設計に関連し得る。例えば、本明細書中で検討される電動でない装置の重量は、限定するものではないが特に上記装置がホイールを含まず、かつ１人の個人が装置の移設の操作を実施できる設計（即ちサイズ、形状等）のものである場合には、およそ２５ポンド未満となり得る。あるいは、本明細書中で検討される電動でない装置の重量は、特に上記装置がホイールを含む、及び／又は複数人が装置の移設の操作を実施するのを容易にする設計のものである（例えば複数のハンドルを含む）場合には、およそ２５ポンド超かつおよそ２００ポンド未満となり得る。更に他の実施形態では、本明細書中で検討される、電動でなく、ホイールを有する、及び／又は複数人が装置の移設の操作を実施できる装置の重量は、およそ２５ポンド未満となり得る。

別の実施形態では、本明細書中で検討される装置は電動であってよく、この場合、装置の重量は電動でない場合ほど制限されないものとすることができ、特に、電動である装置は、いずれの重量と、装置を少なくとも１メートル効率的かつ安全に輸送できる設計とを有することができる。例えば、本明細書中で検討される電動の装置は、ある重量と、装置の移動を過度の時間遅延なしに（例えば装置の移動を開始及び停止させるための信号の受信から５秒未満で）開始及び停止させることができるモータ制御とを含んでよい。更に、本明細書中で検討される電動の装置は、ある重量と、装置又は装置の経路に沿ったインフラストラクチャに損傷を与えることなく装置を移動させることができる速度制御及び／又はナビゲーション制御とを含んでよい。例えば本明細書中で検討される電動の装置は、装置が障害物及び／又は壁に衝突するのを防止するナビゲーション制御を含んでよい。更に、又はあるいは、本明細書中で検討される電動の装置は、装置の速度を制限しながらも、特に本明細書中で検討される装置が少なくとも１メートル効率的に移動するよう構成されるというアイデアに関して、装置がある位置まで適時移動できるような速度を実現できるように、構成されていてよい。本明細書中で検討される装置の速度の例示的な範囲は、最速でおよそ２００メートル／分であってよいが、更に速い速度も考えることができる。

いずれにせよ、電動の装置は、ユーザが装置をガイドするための構成、及び／又は装置がそれ自体を自律的にガイドするための構成を含んでよい。ユーザが移動式装置をガイドできるようにすることができる例示的な構成としては、１つ以上のハンドル、並びに／又は１つ以上のユーザ入力制御、例えば限定するものではないがステアリングホイール、ジョイスティック、方向移動のための音声入力及び／若しくは特定の方向移動を示す１つ以上の触覚入力制御を可能にするための手段（例えば限定するものではないが、ボタン、スイッチ、グラフィカルユーザインタフェース、及び／若しくはタッチセンサ手段）が挙げられる。一部のケースにおいては、ユーザが装置をガイドできるようにするための構成は、上記装置の移動を上記装置において制御できるように、上記装置に組み込むことができる。このようなシナリオの一部においては、装置は、移動式装置が車両（例えばユーザ駆動式床クリーナー）である場合には座席、及び／又は移動式装置の移動がユーザを危険にさらす可能性がある場合にはシールドといった、装置をガイドするユーザを収容するための構成を含んでよい。更に他のケースにおいては、ユーザが装置をガイドできるようにするためのユーザ入力制御は、装置の移動を遠隔制御で制御できるように、装置と共に使用される分離型ユーザインタフェースに組み込まれていてよい。一部のケースにおいては、移動式装置は、ユーザが上記装置の移動をガイドできるようにするために、上記装置に組み込まれた構成と、分離型ユーザインタフェースに組み込まれた構成とを含んでよい。更に他のケースにおいては、移動式装置はこれに加えて又はその代わりに、例えば所定の経路をたどるためのプログラム命令によって、及び／又は自律移動のためのナビゲーション制御によって、それ自体をガイドするよう構成されていてよい。

本明細書に記載の移動式装置が少なくとも１メートル効率的に輸送されるよう構成されるというアイデアに加えて、（電動であるかどうかに関係なく）本明細書中で検討される装置は、一部のケースにおいては、エリア又は部屋を横断する装置の移動を開始するために必要な時間がそれほど長くない（例えば５秒以下である）装置を対象とするものであってよい。従って、本明細書中で検討される装置は、その動作のために表面にねじ留め又はボルト留めされる装置の形態を取らない。更に、本明細書で開示される移動式装置は、装置又は装置の経路に沿ったインフラストラクチャに損傷を与えることなく装置を移動させることを可能にするガードを含んでよい。例えば、本明細書で開示される移動式装置は、装置の最外周に沿ったバンパーを有してよい。更に、又はあるいは、本明細書で開示される移動式装置は、その壊れやすい部品を、保護用ハウジング内に配設してよく、及び／又は装置の最外周から内側に向かって配設してよい。

本明細書中で使用される場合、用語「エリア／部屋（ａｒｅａ／ｒｏｏｍ）」は、人間による占有に適した建造物内の空間を指す。本明細書中で使用される場合、句「人間による占有に適した空間（ｓｐａｃｅｗｈｉｃｈｉｓｓｕｉｔａｂｌｅｆｏｒｈｕｍａｎｏｃｃｕｐａｎｃｙ）」は、平均的なサイズの成人が、少なくとも食事、睡眠、仕事、休憩、アクティビティへの参加、又はタスクの完了のための期間にわたって快適に占有できるような空間を指す。一部のケースにおいては、人間による占有に適した空間は、部屋（ｒｏｏｍ）であってよく、これは本明細書では空間であって、壁、天井、床、及び該空間に出入りするための１つ以上のドアによって囲まれた、空間を指す。他のケースにおいては、人間による占有に適した空間は、部屋を特徴付ける境界のうちの全てを備えてはいないエリアであってよい。人間による占有に適した空間の例としては、限定するものではないが、個室の病室、複数の患者が占有する病室、トイレ、ウォークインクローゼット、玄関、寝室、オフィス、手術室、患者の診察室、待機及び／又は休憩エリア、ナースステーション、実験室、クリーンルーム、貯蔵室／機械室、ワークステーション、個人用小室、ホテルの部屋、会議室／パーティールーム、ジム、トレーニングルーム、ロッカールーム、教室、店舗の販売フロア、店舗の通路、図書館の通路及び座席エリア、飛行機のキャビン、コックピット、船舶のキャビン、並びに車両が挙げられる。

本明細書で開示される方法及び装置の使用のために特に適用可能となり得る建造物の例としては、限定するものではないが、医療施設（病院、救急医療施設、診療所、養護施設、外来手術施設、出産センター、透析センター、ホスピスセンター、及び血液バンクを含むがこれらに限定されない）、製薬研究所及びプラント、保育施設、フィットネスセンター、食品製造及び／又は加工施設、動物ケアセンター、農業用建造物、オフィス用建造物、店舗、ホテル、学校、並びに図書館が挙げられる。本明細書で開示される装置及び方法は、飛行機、ジェット機、ヘリコプター、クルーズ船、ボート、及び潜水艦を含むがこれらに限定されない、様々なタイプの航空機及び船舶でも使用できる。

一般に、本明細書で開示される方法について、並びに本明細書で開示される移動式装置及びシステムの使用について考慮され得るエリア／部屋は、およそ２５ｆｔ^２を超えるフットプリントを有してよいが、これより小さなエリア／部屋を考えることもできる。一部のケースにおいては、本明細書で開示される方法及び本明細書で開示される移動式装置の使用に特に適していると考えることができるエリア／部屋は、およそ１００ｆｔ^２を超えるフットプリントを有してよい。特に、比較的大きなエリア／部屋の中で移動式装置おおよその位置を決定及び／又は設定することが特に有益となり得ると考えられる。というのは、その中で装置を位置決めできる場所のばらつきが増大するためである。例えば以下で更に詳細に記載されるように、本明細書で開示される方法及び装置について考慮される移動式装置は、その動作の効能が、エリア／部屋内の該装置の位置によって影響を受け、また一部のケースにおいては、該装置からエリア／部屋内の表面までの距離によって影響を受け得る、装置であってよい。このような移動式装置の効能のばらつきは、上記装置が使用されるエリア／部屋のサイズに比例するため、本明細書で開示される方法及び装置は特に、移動式装置の効能を制御するために、比較的大きなエリア／部屋に特に適したものとなり得る。

いくつかの実施形態では、本明細書中で検討される移動式装置は、およそ７５インチの最大高さ及び／又はおよそ７０インチの最大幅、並びに特定のケースにおいてはおよそ３２インチの最大幅を有してよい。特に、上述のようなサイズの制限は、１つの移動式装置を、構造が異なる複数の空間（そのうちのいくつかは、ドア又はドアの幅を有する通路といった進入のためのアクセスが限定されている）において使用しようとする実施形態において、有利となり得る。より具体的には、このような複数の空間内での移動式装置の使用に対応するために、本明細書で開示される移動式装置は、これらの空間内へと、その入口を通って移動できるように、サイズの制限を有してよい。本明細書中で検討される移動式装置を、限定するものではないが飛行機の通路といった狭い空間で使用しようとするケースでは、装置の最大幅を、およそ１５インチ未満といった比較的狭いものとすることができる。他のケースにおいては、本明細書中で検討される移動式装置は、上記装置が使用されることになる空間のサイズ又はその入口のサイズによって制限されない空間内で使用でき、従ってこのような空間で使用される移動式装置は、上述のような幅及び／又は高さの制限がないものとすることができる。

本明細書中で検討される移動式装置はそのサイズにかかわらず、一部のケースにおいては、装置の雰囲気に影響を及ぼす又は装置の雰囲気によって影響される動作を実行するよう構成された、装置であってよい。例えば、本明細書で開示される特徴及び方法について、移動式床クリーナー（自己駆動式のもの及びユーザ駆動式のものを含む）を考えることができる。更に、本明細書中で検討される移動式装置は、その動作の効能が、エリア／部屋内におけるその場所によって影響されるような装置であってよい。このような動作を実行するよう構成された移動式装置の例としては、限定するものではないが、移動式エリア／部屋消毒装置、移動式空気清浄機、移動式運動検出器、移動式加熱及び／又は冷却デバイス、移動式大気質分析器、並びに移動式照明式病原体検出器が挙げられる。特にこのような装置はそれぞれ、これらが配設された雰囲気に関わる動作を実行し、また更に上記装置の効能は、部屋のサイズ及び構成に応じて、上記装置が配設されているエリア又は部屋の中の具体的な場所に影響され得る。

例えば、それが配設されたエリア／部屋の雰囲気中へと殺菌剤を発射する及び／又は分散させるよう構成された移動式エリア／部屋消毒装置に関して、上記エリア／部屋の目的とする表面に対する消毒の上記装置の効能は、これらの表面までの距離に少なくとも部分的に依存する。従って、エリア／部屋全体の表面を消毒するための効率は、移動式エリア／部屋消毒装置が消毒プロセスを実行する間の、上記エリア／部屋内における上記装置の位置に依存し得る。更に、それが配設されたエリア／部屋の雰囲気内での移動を検出するよう構成された移動式運動検出器に関して、上記エリア／部屋の１つ以上の特定の領域において運動を検出する上記検出器の効能は、（上記運動検出器に使用されるセンサ技術に応じて）上記エリア／部屋内における上記運動検出器の位置、及び場合によっては特に、上記運動検出器が特定の領域の見通し線内に配置されているかどうかに依存し得る。更に、移動式空気清浄機及び移動式大気質分析器は、上記装置の雰囲気から空気を取り込み、上記装置の雰囲気へと空気を放出するように構成され、エリア／部屋の一部分又は全体の空気を加熱する、冷却する、循環させる、消毒する、及び／又は分析する上記分析器の効能は、エリア／部屋内でのその位置に影響される。

以下に更に詳細に記載されているように、本明細書で開示される装置及び方法は、移動式消毒装置、より具体的には移動式エリア／部屋消毒装置、及びエリア／部屋内の表面を消毒する方法に重点を置いている。しかしながら本明細書に記載されているアイデアの範囲は必ずしもそのように限定されない。特に、本明細書で開示される方法及び装置はいずれの移動式装置に適用でき、また特に、装置の雰囲気に影響を及ぼす又は装置の雰囲気によって影響される動作を実行するよう構成された装置に適用可能であってよく、上記装置の動作の効能は、上述のように、上記装置が配設されているエリア／部屋内における上記装置の位置によって影響される。従って、図３～１２を参照して説明される方法及び装置は、エリア／部屋を消毒するための移動式消毒装置及び方法を対象としているものの、上記装置の特徴は必ずしも消毒装置に限定されず、上記方法で概説されているプロセスは必ずしもエリア／部屋の消毒に限定されない。反対に、図３～１２を参照して開示されるプロセス及び装置の特徴は、装置が移動式であることを特徴付ける上述の条件のうちのいずれの１つ以上によって構成されるいずれの移動式装置に対して、適用できると考えられる。特に、図３～１２を参照して開示されるプロセス及び装置の特徴はいずれも、移動式床クリーナー、移動式空気清浄機、移動式運動検出器、移動式加熱及び／又は冷却デバイス、移動式大気質分析器、並びに移動式照明式病原体検出器に対して適用できると考えられる。

可動性として構成されることに加えて、本明細書中で検討される各移動式装置は、撮像デバイス、プロセッサ、及び上記撮像デバイスから受信した画像に関連して上記移動式装置の動作に影響を及ぼすためのプログラム命令を含む。撮像デバイスは、画像センサ及び電子撮像デバイスを含む。画像センサは、限定するものではないが相補型金属酸化物半導体（ｃｏｍｐｌｅｍｅｎｔａｒｙｍｅｔａｌ‐ｏｘｉｄｅ‐ｓｅｍｉｃｏｎｄｕｃｔｏｒ：ＣＭＯＳ）センサ又は電荷結合素子（ｃｈａｒｇｅ‐ｃｏｕｐｌｅｄｄｅｖｉｃｅ：ＣＣＤ）等の、画像を作成するための情報を検出して伝達するよう構成されたいずれのセンサであってよい。電子撮像デバイスは、限定するものではないがカメラ（静止画像カメラ及びビデオカメラを含む）又はスキャナ等の、上記画像センサから受信した情報（即ち信号）を処理して画像を生成するよう構成されたいずれのデバイスであってよい。プログラム命令は、上記撮像デバイスから受信した画像を検出し、また場合によっては分析して、妥当な場合は上記画像に関連して上記装置の動作に影響を及ぼすために、上記プロセッサによって実行可能である。上記撮像デバイスから受信した画像に基づいて上記装置の動作に影響を及ぼすためのプログラム命令の例を、図３～１２を参照して更に詳細に説明する。

撮像デバイスから受信した画像を分析するステップは：上記画像を画像のデータベースと比較するステップ；上記画像を、撮像デバイスが撮影した１つ以上の過去の画像と比較するステップ；上記画像内の視覚的に識別可能なマークのサイズ、形状、輪郭、明瞭度、及び／若しくは配置を分析するステップ；並びに／又は上記画像をデコードするステップを含むがこれらに限定されない、異なる形態を取ることもできる。更に、画像分析の目的は様々であり、特に：移動式消毒装置がエリア／部屋内のある場所に適切に配置されていることを確認するため；上記画像内の視覚的マーカーが移動式消毒装置に関連付けられているかどうかを判断するため；移動式消毒装置が過去の消毒プロセスの場所から移動しているかどうかを判断するため；消毒装置が消毒プロセス中に移動しているかどうかを判断するため；移動式消毒装置の動作パラメータを決定するため；及び／又は視覚的マーカーが配置されているエリア／部屋に関連する場所情報を決定するために使用される。様々な分析プロセスの例を、図６～１２を参照して以下で更に詳細に説明する。

図面に移ると、例示的な移動式装置の概略図が図１、２に示されている。特に図１、２はそれぞれ移動式装置１０及び移動式消毒装置３０を示し、これらはそれぞれ、撮像デバイス１２、電源回路構成１４、プログラム命令１６、プロセッサ１８、統合型ユーザインタフェース２０を有する。更に、装置１０、３０はそれぞれ、分離型ユーザインタフェース２２に通信可能に結合される。装置１０、３０は、殺菌剤３４が装置３０の雰囲気中に発射されるように配設された殺菌源３２を移動式消毒装置３０が含む点で、異なっている。更に、移動式消毒装置３０は電源プラグ３６を含み、移動式装置１０はバッテリ２４を含む。更に、移動式消毒装置３０は、ハンドル３５、その可動性を実現するためのホイール３７、及び任意にホイール３７の移動を自動化するためのモータ３８を含む。更に移動式消毒装置３０は、リモートドア移動センサ３９に通信可能に結合される。しかしながら、殺菌源３２、電源プラグ３６、ハンドル３５、ホイール３７、モータ３８、及びドア移動センサ３９を含むこと、並びに／又はこれらの構成は、移動式消毒装置３０と相互に排他的なものではなく、またバッテリ２４も移動式装置１０と相互に排他的なものではないことに留意されたい。

対照的に、いくつかの実施形態では移動式装置１０が殺菌源を含んでよい。更に、移動式消毒装置３０が電源プラグ３６に加えて又はその代わりにバッテリを含んでよく、反対に移動式装置１０がバッテリ２４に加えて又はその代わりに電源プラグを含んでよい。更に、場合によっては、移動式消毒装置３０はモータ３８を含まなくてよく、特定の実施形態ではホイール３７及び／又はハンドル３５を含まなくてよい。更に、場合によっては移動式装置１０が、その可動性を実現するためのホイールと、任意に上記ホイールの移動を自動化するためのモータとを含んでよい。更に移動式装置１０がドア移動センサを含んでよく、及び／又は移動式消毒装置３０はドア移動センサ３９を含まなくてよい。いずれにせよ、移動式装置１０、３０は携帯型のものである。従って、ホイールと、任意に上記ホイールの移動を自動化するためのモータとを有することに加えて、又はその代わりに、移動式装置１０、３０は、１つ以上のハンドル、ナビゲーションプログラム命令（事前にプログラムされた経路、遠隔制御及び／若しくは自律機能によるナビゲーションを含む）、上記装置を少なくとも１メートル効率的かつ安全に輸送できる重量及び設計、又はこれらのいずれの組み合わせといった、上記装置の可動性を実現するための他の構成を含んでよい。

上述のように、また図１、２に示されているように、移動式装置１０、３０の両方に共通する特徴としては、撮像デバイス１２、電源回路構成１４、プログラム命令１６、プロセッサ１８、統合型ユーザインタフェース２０、及び分離型ユーザインタフェース２２が挙げられる。一般に、電源回路構成１４、プログラム命令１６、及びプロセッサ１８は、上記装置の動作に影響を及ぼすために、（有線又は無線接続を介して）互いに、並びに（限定するものではないが、撮像デバイス１２、統合型ユーザインタフェース２０、分離型ユーザインタフェース２２、バッテリ２４、電源プラグ３６、殺菌源３２、モータ３８及び／又はリモートドア移動センサ３９といった）上記装置の他の部品と、電気通信する。例えば電源回路構成１４は、図２の移動式消毒装置３０の殺菌源３２に電気的に結合され、これによって上記殺菌源を動作させ、特に上記殺菌源を起動して殺菌剤を発射させ、場合によっては殺菌剤を生成させる。更に電源回路構成１４は、プロセッサ１８と、場合によっては統合型ユーザインタフェース２０、分離型ユーザインタフェース２２、及び／又は移動式消毒装置３０の他の部品と電気的に結合され、これによって殺菌源３２を動作させるタイミングに影響を及ぼす。移動式装置１０、３０には、移動式装置１０、３０のいずれの部品間に、これらの動作に影響を及ぼすための他の電気的接続が含まれていてよい。例えば、電源回路構成１４、プロセッサ１８、統合型ユーザインタフェース２０、及び／又は分離型ユーザインタフェース２２は、空気移動デバイス、センサ、アクチュエータ、他の殺菌源、又は装置に任意に含まれる他のいずれの部品と電気通信してよく、これによってこれらの動作に影響を及ぼすことができる。いずれにせよ、図１、２は、撮像デバイス１２、電源回路構成１４、プログラム命令１６、プロセッサ１８、統合型ユーザインタフェース２０、バッテリ２４、及びモータ３８を、全て上記装置のケーシング２６の内部にあるものとして図示している。他のケースでは、これらの部品のうちの１つ以上が別個のケーシング内に配設されていてもよい。いずれのケースにおいても、ケーシングの形状は図１、２に示されている長方形とは異なっていてもよい。

一般に、プロセッサ１８は、プログラム命令を上記プロセッサが実行できるように、プログラム命令１６に電気的に結合され、更にプロセッサ１８は、プログラム命令１６に従って上記装置の他の部品の動作に影響を及ぼすために、上記装置の統合型ユーザインタフェース２０、分離型ユーザインタフェース２２、撮像デバイス１２及び／又はセンサに電気的に結合される。例えばプロセッサ１８は、撮像デバイスから画像を受信する、及び／又は撮像デバイスから受信した上記画像を分析するための、並びに受信及び／又は分析した画像に基づいて上記装置の更なる動作に影響を及ぼすための、プログラム命令１６を実行するために、撮像デバイス１２に電気的に結合される。撮像デバイスから受信した画像に基づいて上記装置の動作に影響を及ぼすためのプログラム命令の例については、図３～１２を参照して更に詳細に説明する。

本明細書中で使用される場合、用語「プログラム命令（ｐｒｏｇｒａｍｉｎｓｔｒｕｃｔｉｏｎ）」は、限定するものではないが、図３～１２を参照して説明されるプロセスのいずれの組み合わせといった、特定の機能を実施するように構成されたソフトウェア内のコマンドを指す。プログラム命令１６は、本明細書で具体的に説明されているプロセス以外のプロセスを実施するためのプログラム命令を含んでよいため、本明細書に記載の装置は、図３～１２を参照して説明される動作を実施するためのプログラム命令を有するものに限定されないことに留意されたい。プログラム命令１６は、特にプロシージャベースの技法、コンポーネントベースの技法、及び／又はオブジェクト指向技法を含む、多様な方法のうちのいずれかで実装できる。更にプログラム命令１６は、ワイヤ、ケーブル、又は無線伝送リンクといったキャリア媒体で伝送できる。一般にプログラム命令１６は、本明細書に記載の装置内の記憶媒体に記憶させることができる。本明細書中で使用される場合、用語「記憶媒体（ｓｔｏｒａｇｅｍｅｄｉｕｍ）」は、限定するものではないが、読み出し専用メモリ、読み書き可能メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気若しくは光ディスク、又は磁気テープといった、プログラム命令の１つ以上のセットを保持するよう構成されたいずれの電子媒体を指す。

上述のように、また図１、２に示されているように、移動式装置１０、３０は統合型ユーザインタフェース２０を含んでよく、また分離型ユーザインタフェース２２に通信可能に結合されていてよい。しかしながら、いずれの装置も、これら両方のユーザインタフェースを含む必要はない。従っていくつかの実施形態では、移動式装置１０、３０のうちの一方又は両方は統合型ユーザインタフェース２０を含まなくてよく、あるいは移動式装置１０、３０のうちの一方又は両方は分離型ユーザインタフェース２２に通信可能に結合されていなくてもよい。換言すれば、移動式装置１０、３０はそれぞれ、少なくとも統合型ユーザインタフェース２０及び分離型ユーザインタフェース２２のうちの一方に関連付けられていてよく、一部のケースにおいては両方のインタフェースに、他のケースにおいては上記インタフェースのうちの一方のみに、関連付けられていてよい。

統合型ユーザインタフェース２０は、移動式装置に固定的に統合されて、バッテリ及び／又は移動式装置の商用電源コード等から移動式装置に供給される電力によって機能する点で、分離型ユーザインタフェース２２とは異なる。反対に分離型ユーザインタフェース２２は、移動式装置１０、３０とは別個のデバイス又はシステムに統合されて、移動式装置１０、３０とは別個の電源によって機能する。分離型ユーザインタフェース２２がアクセスする電源は、分離型ユーザインタフェースが組み込まれているデバイス若しくはシステムのバッテリであってよく、及び／又は、分離型ユーザインタフェースが組み込まれているデバイス若しくはシステムの電源接続（例えば電源コード若しくは回路構成）を介して供給される商用電源であってよい。いずれにせよ、分離型ユーザインタフェース２２が組み込まれているデバイス又はシステムは、それが関連付けられている移動式装置（例えば移動式装置１０及び／又は３０）と無線通信するように構成される。より具体的には、分離型ユーザインタフェース２２が組み込まれているデバイス又はシステム（並びに移動式装置１０及び／又は３０）は、デバイス間の通信信号の伝達を促進するための無線レシーバ及び／又はトランスミッタを含む。

一部のケースにおいては、分離型ユーザインタフェース２２を含むデバイス又はシステムは移動式であってよく、より具体的には、移動式装置１０又は３０から独立して移動可能であってよい。分離型ユーザインタフェース２２を含むデバイス又はシステムを移動式となるように構成できる構成に関して、本明細書中で提供されている用語「移動式」の定義を参照し、簡潔にするために上記定義は繰り返さない。分離型ユーザインタフェース２２を設置できる移動式デバイス又はシステムの例としては、（限定するものではないが携帯電話及び電子タブレット等の）ハンドヘルドデバイス、並びにデスクトップコンピュータ及びそれに付随するコンピュータモニタが挙げられるが、これらに限定されない。一部のケースにおいては、分離型ユーザインタフェース２２並びに／若しくは移動式装置１０及び／若しくは３０を含む、移動式デバイス又はシステムは、上記移動式デバイス又はシステムを移動式装置１０及び／又は３０に対して容易に取り外しできるように、構成されていてよい。このようなケースのうちのいくつかでは、分離型ユーザインタフェース２２並びに移動式装置１０及び／又は３０は、分離型ユーザインタフェース２２が、それ自体の電源の代わりに使用するために、及び／又は分離型ユーザインタフェース２２を含むデバイスのバッテリを充電するために、上記装置に供給される電力にアクセスできるように、構成されていてよい。別のケースでは、分離型ユーザインタフェース２２を含むデバイス又はシステムは移動式でなくてよい。分離型ユーザインタフェース２２を設置できる非移動式デバイス又はシステムの例としては、１つ以上のねじ及び／又は１つ以上のボルトで表面に設置されるものが挙げられるが、これらに限定されない。

一部のケースにおいては、統合型ユーザインタフェース２０及び／又は分離型ユーザインタフェース２２は、限定するものではないが、ユーザが移動式装置１０、３０の動作を開始及び終了させることができるようにするためのスタート・ストップボタン、並びに／又は装置が実行する異なる複数の動作モードの選択を可能にする入力制御といった、移動式装置１０、３０の動作に影響を及ぼすための入力制御を含んでよい。統合型ユーザインタフェース２０及び分離型ユーザインタフェース２２に対する入力制御の構成は、ボタン、スイッチ、グラフィカルユーザインタフェース、タッチセンサ手段、及び音声入力を可能にするための手段を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で公知の構成のうちのいずれかを含んでよい。一部のケースにおいては、分離型ユーザインタフェース２２の１つ以上の入力制御は、単一の特定の移動式装置の動作の制御を対象とするものであってよいが、他のケースにおいては、分離型ユーザインタフェース２２は、複数の移動式装置の動作を制御するための１つ以上の入力制御を含んでよい。更に他のケースにおいては、分離型ユーザインタフェース２２を含むデバイス又はシステムは、その一部は移動式装置１０若しくは３０とは無関係のものであり得る多数の項目にアクセスする、又は多数の項目を制御するための、複数のコンピュータアプリケーション（一般に「アプリ（ａｐｐ）」と呼ばれる）を有するデバイス又はシステムであってよい。このような構成を有するデバイスの一例はスマートフォンであるが、分離型ユーザインタフェース２２として他の電子デバイスも考えることができる。

一部のケースにおいては、移動式装置１０及び／又は３０は、信号を受信し、上記信号に関連する情報を１つ以上の情報伝達デバイスへと出力して、装置のユーザに通知するよう構成されていてよい。一部のケースにおいては、上記１つ以上の情報伝達デバイスは、ユーザインタフェース２０及び／又は分離型ユーザインタフェース２２の一部であってよい。他のケースにおいては、移動式装置１０及び／又は３０は、統合型ユーザインタフェース２０及び／又は分離型ユーザインタフェース２２とは別個の１つ以上の情報伝達デバイスを含んでよい（即ち上記情報伝達デバイスは、統合型ユーザインタフェース２０及び／又は分離型ユーザインタフェース２２と同一のモジュールに含まれない）。いずれにせよ、１つ以上の上記情報伝達デバイスの構成としては、当該技術分野で公知の、視覚的インジケータ、視覚的ディスプレイ、又は聴覚的手段が挙げられる。

情報伝達デバイスへと出力される情報の例としては：撮像デバイス１２によって検出される視覚的マーカーに対する移動式装置の位置；視覚的マーカーが移動式装置の撮像デバイスの視野内にあるという通知；移動式装置が装置の動作のために好適な位置にあるかどうかの通知；移動式装置の動作ロックが起動されているか解除されているかの通知；移動式装置の動作前、動作中、若しくは動作後に完了するべきタスクのステータス；移動式装置の所与の動作に関して、経過した及び／若しくは残っている時間の量；移動式装置が動作中であるか動作中でないかの通知；移動式装置によって実行される、実行されている、若しくは既に実行された、動作モードの通知；移動式装置のある動作の動作パラメータ及び／若しくは結果；移動式装置による動作エラーの通知；並びに／又は移動式装置が実行する動作の早期終了の通知が挙げられるが、これらに限定されない。

上述のように、また図１、２に示されているように、移動式装置１０、３０は撮像デバイス１２を含む。一般に撮像デバイス１２は、画像センサ及び電子撮像デバイスを含む。画像センサは、限定するものではないが相補型金属酸化物半導体（ＣＭＯＳ）センサ又は電荷結合素子（ＣＣＤ）等の、画像を作成するための情報を検出して伝達するよう構成されたいずれのセンサであってよい。電子撮像デバイスは、限定するものではないがカメラ（静止画像カメラ及びビデオカメラを含む）又はスキャナ等の、上記画像センサから受信した情報（即ち信号）を処理して画像を生成するよう構成されたいずれのデバイスであってよい。以下に更に詳細に記載されるように、撮像デバイス１２は、移動式装置１０及び／若しくは３０を視覚的マーカーに対して位置決めするために使用でき、視覚的マーカーを検出するために使用でき、並びに／又は画像を生成するために使用でき、上記移動式装置は、上記画像を分析することによって、分析された画像に基づいて装置の動作に影響を及ぼすための及び／又は情報を伝達するための、プログラム命令を含んでよい。撮像デバイス１２と、上述のような撮像デバイス１２の使用を可能にするための、以下で説明される構成のうちのいずれかとの組み合わせによって、装置１０、３０の視覚的マーカー検出システムを全体として構成できる。

例えば、撮像デバイス１２を用いて移動式装置１０又は３０を視覚的マーカーに対して位置決めするケースにおいて、移動式装置は、撮像デバイス１２が現在視認しているものを表示するための視覚的ディスプレイを（例えばそのメインユニット上及び／又は分離型ユーザインタフェース２２上に）備えてよい。このようなケースでは、視覚的ディスプレイは、視界のビデオディスプレイであってよく、又は視界のコンピュータ生成表現であってよい。いずれの場合においても、視覚的ディスプレイ及び撮像デバイス１２を併用することで、視覚的マーカーに対する移動式装置１０又は３０の位置決めを支援でき、特に上記装置のユーザはリアルタイムビデオディスプレイを使用することで、視覚的マーカーが撮像デバイスの視野内にあることを確認できる。限定するものではないが特に移動式装置１０又は３０が自律移動するものとして構成されている場合の他のケースでは、上記移動式装置は、視覚的マーカーが撮像デバイス１２の視野内にあるときを決定するために（移動式装置の付近の人物にとって視認可能であってもなくてもよい）リアルタイムディスプレイを監視するための、プログラム命令を含んでよい。

特にプログラム命令１６は、一部のケースにおいては、視覚的マーカーに関連し得る色、サイズ、及び／又は深さの知覚の変動を検出するように構成されていてよい。更に他のケースにおいては、撮像デバイス１２は、その視界を監視して、色、サイズ、又は深さの知覚の変動を検出することにより、視覚的マーカーを、それが設置されているエリア／部屋の一部に対して検出するよう構成されていてよい。いずれのケースにおいても、プログラム命令１６、又は撮像デバイス１２の上述のプログラム命令は、限定するものではないが、天井に配設された視覚的マーカーを検出するために撮像デバイスを移動式装置に配設するケースに特に好適なものとなり得る。というのは、エリア／部屋の天井においては色又は高さのばらつきは通常ほとんどないためである。いずれにせよ、以下に更に詳細に記載されるように、プログラム命令１６は上記に加えて又は上記の代わりに、撮像デバイス１２から受信した画像を分析し、分析された画像に基づいて上記装置の動作に影響を及ぼす、及び／又は情報を伝達するためのものであってよい。

一般に、撮像デバイス１２が移動式装置１０、３０に配設される場所は、撮像デバイスが検出及び／又は撮像する視覚的マーカーの予想される配置に応じて、異なる複数の装置間で異なったものとなり得る。以下に更に詳細に記載されるように、視覚的マーカーは、一部のケースにおいては、本明細書で開示される方法のためのエリア／部屋の天井、壁、又は床に配設されていてよい。視覚的マーカーがエリア／部屋の天井にあると予測される実施形態では、撮像デバイス１２は一般に、撮像デバイスの視野が装置の上方を向く、例えば天井に対面する移動式装置１０、３０の表面に沿って配向されるように、装置１０、３０内又は装置１０、３０上に配設されていてよい。あるいは撮像デバイス１２は、移動式装置１０、３０の側壁に沿って配設されて、天井の画像をキャプチャするために上向きに角度を付けられていてよい。視覚的マーカーがエリア／部屋の壁にあると予測される更に他の実施形態では、撮像デバイス１２は一般に、撮像デバイスの視野が装置から側方に配向されるように、装置１０、３０内又は装置１０、３０上に配設されていてよい。視覚的マーカーがエリア／部屋の床にあると予測される更に他のケースにおいては、撮像デバイス１２は一般に、撮像デバイスの視野が装置から下向きに配向されるように、装置１０、３０の底面に沿って配設されていてよい。あるいは撮像デバイス１２は、移動式装置１０、３０の側壁に沿って配設されて、床の画像をキャプチャするために下向きに角度を付けられていてよい。

一般に、撮像デバイス１２の視野及び解像度は、移動式装置１０、３０を使用することになる用途、上記撮像デバイスを用いて検出される視覚的マーカーのサイズ及び明瞭度、並びに上記装置に対する視覚的マーカーの距離に応じて様々であってよい。撮像デバイス１２の例示的な視野は一般に３６ｉｎ^２～３．０ｆｔ^２であってよいが、これより小さな視野及び大きな視野も考えることができる。更に、撮像デバイス１２を起動させるタイミングは、移動式装置の用途及び／又は設計仕様に応じて様々であってよい。一部のケースにおいては、撮像デバイス１２は連続してオンの状態であってよい。しかしながら他のケースにおいては、移動式装置のための電力を節約するために、撮像デバイス１２を、連続して動作させるよりも少なく動作させることが有利となり得る。従って一部のケースにおいては、移動式装置１０及び／又は３０は、周期的に、即ち設定された頻度で、撮像デバイス１２をオンにするように構成されていてよい。更に他のケースでは、図４を参照して以下で更に詳細に説明されるように、移動式装置１０、３０は、装置が運動後に停止状態となったことを検出したときに、撮像デバイス１２をオンにするように構成されていてよい。このような起動時の撮像デバイス１２の動作は、設定された持続時間にわたって連続しているか、設定された持続時間にわたって周期的であるか、又は画像を生成するのに十分な時間にわたるものであってよい。

更に、又はあるいは、移動式装置１０及び／又は３０は、統合型ユーザインタフェース２０へのユーザ入力時、分離型ユーザインタフェース２２へのユーザ入力時、又は装置上のユーザ起動式機構（限定するものではないが、以下で更に詳細に説明されるような、エリア／部屋内のある特定の場所で装置の位置をロックするために使用される機構等）の起動時に、撮像デバイス１２をオンにするように構成されていてよい。特に、プログラム命令１６の一部に従って、プロセッサ１８は、ユーザインタフェース２０から、分離型ユーザインタフェース２２から、又は装置上のユーザ起動式機構から、これらのインタフェースのうちの１つのユーザ入力制御／機構が撮像デバイス１２をオンにするようにトリガされたことを示す１つ以上の信号を受信したときに、撮像デバイス１２を起動するための１つ以上の信号を送信できる。このような起動時の撮像デバイス１２の動作は、設定された持続時間にわたって連続しているか、設定された持続時間にわたって周期的であるか、又は単一の画像を生成するのに十分な時間にわたるものであってよい。

更に他の実施形態では、移動式装置１０、３０は、移動式装置１０、３０とは独立したデバイスから信号を受信したときに、撮像デバイス１２をオンにするように構成されていてよい。より具体的には、移動式装置１０及び／又は３０は、移動式装置１０、３０とは独立したデバイスの無線信号トランスミッタ及び／又はレシーバから信号を検出するための、無線信号トランスミッタ及び／又はレシーバ（例えばＲＦトランスミッタ及び／又はレシーバ）を備えてよい。更に、移動式装置１０及び／又は３０は、上述のような信号の受信時に撮像デバイス１２をオンにするためのプログラム命令を含んでよい。その結果として、移動式装置１０、３０は、一部のケースにおいては、ある特定のデバイス又は環境の検出時に撮像デバイス１２をオンにするように構成され得る。例えば、部屋への入口が無線信号トランスミッタ及び／又はレシーバを含んでよく、上記無線信号トランスミッタ及び／又はレシーバを通過すると、移動式装置１０又は３０はこれらからの信号を検出でき、上記信号を用いて撮像デバイス１２をオンにすることができる。別の例は、無線信号トランスミッタ及び／又はレシーバを有する視覚的マーカーであり、移動式装置１０又は３０が無線信号トランスミッタ及び／又はレシーバの通信範囲内に位置決めされると、上記移動式装置はこれらからの信号を検出でき、上記信号を用いて撮像デバイス１２をオンにすることができる。

いくつかの実施形態では、移動式装置１０、３０は、上記独立したデバイスからの信号を分析して、上記デバイス又は環境が、撮像デバイス１２をオンにすることを是認するかどうかを判断するように構成されていてよい。例えば、移動式装置１０又は３０が病室又は手術室に入ろうとしていることを検出したときに撮像デバイス１２を起動すると有益となり得るが、移動式装置１０又は３０が病室若しくは手術室を出ようとしている、エレベーターに出入りしようとしている、又は廊下を移動していることを検出したときに撮像デバイス１２を起動するのは、あまり有益でない場合がある。いずれにせよ、移動式装置１０、３０とは独立したデバイスからの信号の受信時の撮像デバイス１２の動作は、設定された持続時間にわたって連続しているか、設定された持続時間にわたって周期的であるか、又は単一の画像を生成するのに十分な時間にわたるものであってよい。

撮像デバイス１２をオンにするプロンプトにかかわらず、撮像デバイス１２を起動して画像を生成するタイミング及び頻度は、移動式装置の用途及び／又は設計仕様に応じて様々であってよい。一部のケースにおいては、撮像デバイス１２はオンにされると連続して複数の画像を生成してよい。このような構成は、撮像デバイス１２の電子撮像デバイスがビデオカメラである場合に特に好適となり得る。他のケースにおいては、撮像デバイス１２は、周期的に、即ち設定された頻度で、画像を生成するよう構成されていてよい。更に他のケースにおいては、図４に示され、かつ以下で更に詳細に説明する説明されるように、移動式装置１０、３０は、装置が運動後に停止状態となったことを検出したときに、撮像デバイス１２を起動して１つ以上の画像を生成するように構成されていてよい。更に、又はあるいは、移動式装置１０及び／又は３０は、統合型ユーザインタフェース２０へのユーザ入力時、分離型ユーザインタフェース２２へのユーザ入力の起動時、又は装置上のユーザ起動式機構（限定するものではないが、以下で更に詳細に説明されるような、エリア／部屋内のある特定の場所で装置の位置をロックするために使用される機構等）の起動時に、撮像デバイス１２を起動して１つ以上の画像を生成するように構成されていてよい。

更に他の実施形態では、移動式装置１０、３０は、移動式装置１０、３０とは独立したデバイスから無線信号を受信したときに、撮像デバイス１２を起動して１つ以上の画像を生成するように構成されていてよい。例えば、移動式装置１０又は３０が、無線信号トランスミッタ及び／又はレシーバを有する視覚的マーカーの通信範囲内に位置決めされると、上記移動式装置は上記視覚的マーカーからの信号を検出でき、上記信号を用いて撮像デバイス１２を起動して１つ以上の画像を生成できる。いくつかの実施形態では、移動式装置１０、３０は、独立したデバイスからの信号を分析して、上記デバイス又は環境が、撮像デバイス１２が画像を撮影することを是認するかどうかを判断するように構成されていてよい。いずれにせよ、撮像デバイス１２を起動して画像を撮影するためのプロンプトにかかわらず、１つ以上の画像の生成は、設定された持続時間にわたって連続しているか、設定された持続時間にわたって周期的であるか、又は１回だけ生じる（即ち単一の画像を生成する）ものであってよい。

上述のように、本明細書で提供される開示は、視覚的マーカー検出システムを有する移動式装置及びその使用方法を対象とする。本明細書に記載の方法を実行するために視覚的マーカー検出システムが検出する視覚的マーカーとしては、文字（数字、アルファベット、及び／又は英数字）、幾何学形状、記号、絵画的画像、並びに直線バーコード及びマトリックスバーコード（例えばＱＲコード（登録商標））を含むがこれらに限定されない、視覚的に識別可能ないずれのマークが挙げられる。一部のケースにおいては、データが埋め込まれたマーク（即ち直線バーコード及び／又はマトリックスバーコード）が、視覚的マーカーを識別するための情報の保存、移動式装置を動作させるための情報の保存、及び／又はデータが埋め込まれた上記マークの場所に固有の情報の保存のために、有利となり得る。特に、本明細書で開示される移動式装置は、移動式装置の撮像デバイスから受信した画像をデコードすることにより、受信した上記画像内の視覚的マーカーを識別するように、上記装置に関する動作パラメータを決定及び実行するように、並びに／又は場所固有情報を決定して、移動式装置と併用される情報伝達デバイスにこれを送信するように、構成されていてよい。

他のケースにおいては、本明細書に記載の方法のために、本明細書に記載の移動式装置と併用される視覚的マーカーは、データが埋め込まれたマークを必ずしも含まない。特に、本明細書で開示される移動式装置はいくつかの実施形態では、特定の視覚的マーカーと一致する識別情報、動作パラメータ、及び／又は場所固有情報のデータベースを含むか、あるいは上記データベースに通信可能に結合されていてよい。このような場合、移動式装置は、特定の視覚的マーカーの画像に基づいて、視覚的マーカーのアイデンティを決定するため、移動式装置に関する動作パラメータを決定及び実行するため、及び／又は場所固有情報を決定して、移動式装置と併用される情報伝達デバイスにこれを送信するために、データベースからの情報にアクセスするための、プログラム命令を含んでよい。

更に他の実施形態では、本明細書で開示される移動式装置は、識別情報、動作パラメータ、及び／又は場所固有情報のデータベースを含まなくてよく、あるいは上記データベースに通信可能に結合されていなくてよい。特に一部のケースにおいては、本明細書に記載の視覚的マーカー検出システムは、視覚的マーカーを識別するため、移動式装置の動作パラメータを設定するため、及び／又は移動式装置の場所に関連する場所固有情報を表示するために使用されない場合がある。その代わりに、視覚的マーカー検出システムは、エリア／部屋内のある特定の場所に移動式装置を位置決めするために使用できる。あるいは一部のケースにおいては、視覚的マーカー検出システムは、移動式装置が配設されたエリア／部屋内の１つ以上の場所を決定及び／又は確認するために使用できる。更に、又はあるいは、視覚的マーカー検出システムは、移動式装置がエリア／部屋内の事前設定された場所に、又はエリア／部屋内のデバイス若しくは対象物の付近に若しくは上記デバイス若しくは上記対象物から事前設定された距離に、好適に位置決めされているかどうかを決定及び／又は確認するために使用できる。更に、視覚的マーカー検出システムは、上記に加えて又は上記の代わりに、移動式装置が、特定のタイムフレーム内、例えば上記装置の動作中に、エリア／部屋内の他の場所に移動したかどうかを決定するために使用できる。一部のケースにおいては、視覚的マーカー検出システムは、視覚的マーカーを識別するため、移動式装置の動作パラメータを設定するため、及び／又は移動式装置の場所に関連する場所固有情報を表示するために使用されるのに加えて、（視覚的マーカーの画像のデコード、又は視覚的マーカーと相関するデータベース中の情報の探索によってこれらの機能が促進されるかどうかにかかわらず）、上述のいずれの機能のために使用できる。

上述のように、視覚的マーカーは一部のケースにおいて、天井、エリア／部屋の天井、床、又は壁に取り付けられていてよい。あるいは視覚的マーカーは、エリア／部屋内のデバイス又は対象物に結合されていてもよい。このようなケースの一部では、視覚的マーカーは、限定するものではないがキャビネット、ドア、又は窓等の、エリア／部屋内に固定的に配設されたデバイス又は対象物に、結合されていてよい。更に他のケースにおいては、視覚的マーカーは、限定するものではないが患者のベッド、手術台、又は手術用スタンド等の、移動式のデバイス又は対象物に、結合されていてよい。デバイス又は対象物を移動式となるように構成できる構成に関して、本明細書中で提供されている用語「移動式」の定義を参照し、簡潔にするために上記定義は繰り返さない。いずれにせよ、視覚的マーカーは一部のケースにおいては、その支持面から（即ちエリア／部屋内の天井、床、壁、デバイス又は対象物から）懸架されていてよい。あるいは視覚的マーカーは、その支持面に直接結合されていてよい。いずれの場合においても、視覚的マーカーはそれ固有の基板を含んでよく、その上にその視覚的に識別可能なマークが配設される。これにより視覚的マーカーは、一部のケースにおいては、その支持面から容易に取り外し可能とすることができる。あるいは視覚的マーカーは、それが配設される天井、床材、壁、デバイス又は対象物の基板に組み込まれた、視覚的に識別可能なマークであってよい。

いずれにせよ、視覚的マーカーは、一部のケースにおいてはエリア／部屋の入口から少なくともおよそ１フィート、特定のケースにおいては少なくともおよそ３フィートに配置されていてよい。一般に、このような視覚的マーカーの配置は、それが移動式装置の撮像デバイスの視野内に位置決めされたときに、移動式装置全体が確実にエリア／部屋内に配置されるようにするために、有利となり得る。一部のケースにおいてはエリア／部屋の入口から少なくともおよそ１フィート、特定のケースにおいては少なくともおよそ３フィートに視覚的マーカーがあることは、エリア／部屋内で移動式部屋／エリア消毒装置を位置決めするために特に有利となり得る。特に以下で説明されるように、多くのエリア／部屋消毒装置に共通する特徴は、消毒装置から１メートル超、更には２又は３メートル超の表面において、十分な殺菌の効能を達成する構成を有することである。従って、エリア／部屋の入口から少なくともおよそ１フィート、場合によっては少なくともおよそ３フィートに視覚的マーカーがあることは、ドア付近のエリア／部屋内の空間の過剰曝露を回避して、十分に消毒できるエリア／部屋の範囲を潜在的に最適化するために、有利となり得る。

いずれにせよ、本明細書で開示されている方法のためのその信頼性を獲得するために、視覚的マーカーは、その視覚的に識別可能なマークがその周囲から合理的に区別可能である、即ち視覚的マーカーが配設される天井、床材、壁、デバイス又は対象物の色及び構成要素から区別可能であるように、構成される。一部のケースにおいては、視覚的マーカーは、このような目的を達成するために、その視覚的に識別可能なマークの周りに鮮やかな色の境界線を有していてよい。更に、又はあるいは、この視覚的に識別可能なマークは、それが取り付けられる表面に対して区別可能な色を有していてよい。いずれにせよ、視覚的マーカーのサイズ、形状、及び明瞭度は、移動式装置の撮像デバイスの視野及び解像度に応じて、用途毎に様々であってよい。一部のケースにおいては、例えば撮像デバイスが、移動式装置のプログラム命令による分析及び／又はデコードに十分な解像度の画像を十分に生成できる場合、視覚的マーカーを比較的小さなものとする、例えばおよそ１００ｉｎ^２未満、場合によってはおよそ３０ｉｎ^２未満、更にはおよそ５ｉｎ^２未満の面積寸法を有するものとすると、有利となり得る。特に、視覚的マーカーは小さいほど、部屋の中で邪魔にならずに済む。

上述のように、本明細書では、視覚的マーカー検出システムを利用して、移動式装置が配設されているエリア／部屋内の１つ以上の場所を決定及び／又は確認する、方法が開示される。上記１つ以上の場所は、エリア／部屋内の（例えばエリア／部屋内のある特定のｘ‐ｙ座標領域内の、若しくはエリア／部屋内のある特定のｘ‐ｙ座標点の）固定された場所として参照され得るか、又はエリア／部屋内の他のデバイス若しくは対象物に対する場所として参照され得る。例えば後者のシナリオに関しては、場合によっては、高接触デバイス、高接触対象物、又は病原性微生物による汚染が疑われる部屋の中のデバイス若しくは対象物に対する、移動式消毒装置の場所を決定及び／又は確認することが、有利となり得る。本明細書中で使用される場合、用語「高接触デバイス（ｈｉｇｈ‐ｔｏｕｃｈｄｅｖｉｃｅ）」及び「高接触対象物（ｈｉｇｈ‐ｔｏｕｃｈｏｂｊｅｃｔ）」は、頻繁に接触される、頻繁に操作される、又は頻繁に占有される、デバイス及び対象物を指す。エリア／部屋内で見られる可能性がある高接触デバイス及び高接触対象物の例としては、限定するものではないが、デスクトップ、キーボード、電話、椅子、テーブル、ドア及びキャビネットのハンドル、照明スイッチ、及びシンクが挙げられる。ヘルスケア環境における高接触デバイス及び高接触対象物並びに／又はデバイスの例としては、限定するものではないが、患者のベッド、ベッドサイドテーブル、トレイテーブル、手術台、手術用スタンド、点滴ポール、及び車椅子が挙げられる。

場合によっては、上述のようなデバイス又は対象物の特定の側面に対する、移動式消毒装置の場所を決定及び／又は確認することが、有利となり得る。本明細書中で使用される場合、「エリア／部屋内の別のデバイス又は対象物に対する、移動式装置の場所を決定及び／又は確認する」とは、装置が上記デバイス又は対象物に近接している（即ち３フィート以内である）か又はある設定された距離範囲内であること、場合によっては上記デバイス又は対象物の特定の側面に近接しているか又はそこからある設定された距離にあることを、決定及び／又は確認することを指す。例えば、病室の移動式消毒装置は、ベッドに近接しているか又はベッドからある設定された距離にある、場合によっては上記ベッドの側面に近接しているか又はそこからある設定された距離にあることが、決定され得る。

上述のように、視覚的マーカーは、エリア／部屋内のあるデバイス又は対象物に結合されていてよく、また上記デバイス又は上記オブジェクトは、上記部屋の中に固定的に配設されていても、移動式であってもよい。一部のケースにおいては、視覚的マーカーは、高接触デバイス、高接触対象物、又は病原性微生物による汚染が疑われる部屋の中のデバイス若しくは対象物といった、移動式装置の相対的な場所を決定及び／又は確認するために関心の対象となるデバイス又は対象物に結合されていてよい。あるいは、エリア／部屋内の固定された又は移動可能なデバイス又は対象物に対する、移動式装置の場所を決定及び／又は確認するプロセスは、視覚的マーカーをデバイス又は対象物に取り付けるものに必ずしも限定されない。特に、エリア／部屋内の移動式装置の場所の決定及び／又は確認は、該エリア／部屋内の視覚的マーカーの場所と（上記視覚的マーカーがどの表面に取り付けられているかにかかわらず）相関し得る、該エリア／部屋内のデバイス又は対象物の既知の場所又は推定される場所に依存する場合がある。例えば病室には、患者のベッドを配置するべき特定の場所を含むがこれに限定されない、家具及び機器の所定のレイアウトがある場合がある。従って、患者のベッドが、このベッドの移動を容易にするためのホイールを含む場合はあるものの、エリア／部屋内の患者のベッドを配置するべき所定の場所に基づいて、患者のベッドを、エリア／部屋内の移動式装置の場所のために参照できる。

一般に、エリア／部屋内のデバイス又は対象物に対する、エリア／部屋内の移動式装置の場所を決定及び／又は確認することは、上記装置によって実行される動作から上記デバイス又は対象物が特に利益を得ることができるような場所に、上記装置が配置されていることを示すために有利であり得る。例えば、移動式消毒装置が上記装置の外部へと殺菌剤を発射するケースでは、デバイス又は対象物の少なくとも移動式消毒装置に対面する側面が、上記装置によって実施される消毒プロセスに供されることになる、又は供されていることを示すために、エリア／部屋内のデバイス又は対象物に対する移動式消毒装置の場所を決定及び／又は確認することが、有利となり得る。更に、移動式消毒装置が上記装置の内部に向かって殺菌剤を生成して、上記装置の雰囲気から上記装置を通るようにルーティングされた空気を消毒するケースでは、上記構造物の少なくとも側面の付近の領域の空気が、上記装置によって実施される消毒プロセスに供されることになる、又は供されていることを示すために、デバイス又は対象物に対する移動式消毒装置の場所を決定及び／又は確認することが、有利となり得る。

一部のケースにおいては、移動式装置を、エリア／部屋内のデバイス又は対象物からある設定された距離範囲内に位置決めすると、有利となり得る。例えば、移動式消毒装置がその雰囲気中へと殺菌剤を放出する実施形態では、ある表面に対する殺菌剤の効能は一般に、移動式消毒装置からの上記表面の距離に依存する。従って移動式消毒装置を、上記装置がある特定の曝露時間内に細菌汚染の特定の低減を達成することが分かっている距離以内に位置決めすると、有利となり得る。例えば移動式消毒装置をデバイス又は対象物からおよそ２フィート未満の距離に位置決めすると有利となり得る。

更に一部のケースにおいては、装置によって消毒されるデバイス又は対象物の表面積の量を最適化するために、上記距離範囲の下限を指定すると有利となり得る。特に一部の消毒装置、例えば殺菌光を発射する消毒装置では、装置から放出される殺菌剤の面積範囲は、デバイスから発射されるに従って増大する。このようなシナリオでは、本明細書で開示される方法のために移動式消毒装置を位置決めするための対象物又はデバイスからの例示的な距離範囲は、およそ１フィート～およそ２フィートであってよいが、これより小さな範囲若しくは大きな範囲、及び／又はこれらより小さな範囲終点若しくは大きな範囲終点も考えることができる。一部のケースにおいては、視覚的マーカーを部屋の中において、関心対象のデバイス又は対象物から（あるいは上記デバイス又は対象物の推定位置から）ある設定された距離に配設することによって、移動式装置を上記デバイス又は対象物からある設定された距離範囲内に位置決めできるようにすることができる。あるいは視覚的マーカーを関心対象のデバイス又は対象物上に配設してもよい。このような場合、移動式装置は、距離センサ、並びに／又は画像内の視覚的マーカーのサイズ及び／若しくは明瞭度を分析してそれらを距離と相関させるプログラム命令を含んでよい。

エリア／部屋内の（例えばエリア／部屋内のある特定のｘ‐ｙ座標領域内の、又はエリア／部屋内のある特定のｘ‐ｙ座標点の）固定された位置に、移動式装置を決定又は確認することが望ましい実施形態では、視覚的マーカーを、エリア／部屋の天井に配設するか若しくは天井から懸架する、又はエリア／部屋の床に配設すると、有利となり得る。特に、視覚的マーカーがこのような場所にあることは、距離センサ又は画像明瞭度若しくはサイズ分析を移動式装置の撮像デバイスと併用する必要なく、移動式装置の位置をエリア／部屋内のあるｘ‐ｙ座標領域内に、又はある特定のｘ‐ｙ座標点に、確認するのに役立ち得る。より具体的には、エリア／部屋の天井に配設された若しくは天井から懸架された、又はエリア／部屋の床に配設された、視覚的マーカーを検出することにより、移動式装置の撮像デバイスの視野によって特徴付けられるエリア／部屋のあるｘ‐ｙ座標領域が絶対的に定義されることになる。というのは、（例えばエリア／部屋全体にわたって天井及び床の高さがほぼ変化しないと仮定した場合に）視覚的マーカーと撮像デバイスとの間の垂直方向距離が変化しないためである。

反対に、エリア／部屋の壁に沿って配設された、又はエリア／部屋内の固定された若しくは移動可能な構造物の側壁に沿って配設された、視覚的マーカーを検出すると、移動式装置の撮像デバイスの視野によって特徴付けられるエリア／部屋のあるｘ‐ｙ座標領域の１つの次元しか得られない。というのは、視覚的マーカーと撮像デバイスとの間の距離が変動し得るためである。このようなシナリオでは、エリア／部屋のｘ‐ｙ座標領域の他の次元（即ち視覚的マーカーに対する移動式装置の距離）は、移動式装置上に配置された距離センサによって、又は画像内の視覚的マーカーのサイズ及び／若しくは明瞭度を分析するプログラム命令によって、推測できるか、あるいは決定できる。更に移動式装置は、特にエリア／部屋の天井に配設された若しくは天井から懸架された、又はエリア／部屋の床に配設された視覚的マーカーと併用される場合には、距離センサ、又は画像内の視覚的マーカーのサイズ及び／若しくは明瞭度を分析するための上述のようなプログラム命令を必要としない場合があるが、移動式装置は他の目的のためにこのようなプログラム命令を含んでもよい。

上述のように、本明細書で開示される装置及び方法は、移動式消毒装置、より具体的にはエリア／部屋消毒装置、及びエリア／部屋を消毒する方法に重点を置いている。従って、図２の移動式消毒装置３０は、殺菌剤３４が装置３０の雰囲気中（即ち装置３０の外部）に発射されるように配設された殺菌源３２を含む。本明細書中で検討される移動式エリア／部屋消毒装置は、上記装置の支持構造物を越えて延在した及び／又は支持構造物の上面に沿って配置された殺菌源を有する装置に限定されないことに留意されたい。特に、本明細書中で検討される移動式エリア／部屋消毒装置は、いくつかの実施形態では、装置の構造に一部又は全体がはめ込まれて配設された殺菌源を有してよく、上記装置は開口又は透明窓を備え、これによって、殺菌源から生成された殺菌剤を移動式装置の雰囲気中へと発射するために送ることができる。更に、本明細書中で検討される移動式エリア／部屋消毒装置は、上記装置の上部、側壁部分、又は上記底部を含む装置のいずれの部分に沿って配設された、殺菌源を有してよい。更に他のケースにおいては、本明細書で開示される方法のために考えられる移動式消毒装置は、殺菌剤をその雰囲気中へと発射する必要はなく、又はそのように構成される必要さえない。例えば、空気を取り込み、装置の内部の空気を消毒して、消毒済みの空気を、移動式消毒装置が配設されている部屋／エリアへと再び発射するように構成された、移動式消毒装置を、本明細書で開示される方法のために考えることができる。

本明細書で開示される移動式消毒装置に関して本明細書で検討される殺菌源は、（移動式消毒装置が殺菌剤を装置の外部に分散させるよう構成されているか、装置の内部に分散させるよう構成されているかにかかわらず）分散性の殺菌剤を生成するよう構成されたいずれのデバイスであってよい。特に、本明細書中で検討される殺菌源は、液体、蒸気、ガス、プラズマ、又は殺菌光の形態で殺菌剤を生成するよう構成された、いずれのデバイス又は装置であってよい。液体、蒸気、ガス又はプラズマ殺菌剤を分散させるよう構成できる殺菌源の例としては、液体スプレー、噴霧器、プラズマトーチ、並びに湿潤及び乾燥ミストシステムを含むミスト生成システムが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。本明細書中で使用される場合、用語「ミスト（ｍｉｓｔ）」は、ガス中の微小な小球の懸濁物を指す。本明細書における使用に関して、殺菌ミストは、液体殺菌剤として分類される。一部のケースにおいては、殺菌源は、２種類以上の殺菌剤を生成するように構成されていてよい。例えば、いくつかの殺菌光源は、殺菌効果を有する猛烈な熱及び／又はオゾンを生成してよい。いずれにせよ、本明細書に記載の移動式消毒装置は、消毒装置の設計仕様に応じて、いずれの個数の殺菌源を含んでよい。更に、移動式消毒装置が複数の殺菌源を含む場合、これら複数の殺菌源は、同一の殺菌剤を生成するように構成されていても、異なる殺菌剤を生成するように構成されていてもよい。

本明細書中で使用される場合、用語「殺菌剤（ｇｅｒｍｉｃｉｄｅ）」は、微生物、特に疾患媒介性及び／又は疾患生成微生物（病原菌として知られる）を、不活化又は殺滅するための作用剤を指す。本明細書中で使用される場合、用語「殺滅する（ｋｉｌｌ）」は、有機体の死を引き起こすことを意味する。対照的に、本明細書中で使用される場合、用語「不活化する（ｄｅａｃｔｉｖａｔｅ）」は、有機体を殺滅することなく、その繁殖を不可能とすることを意味する。従って、本明細書中で使用される場合、微生物を不活化するよう構成された殺菌剤は、微生物を繁殖できないようにするものの、微生物を生きたまま残す、作用剤を指す。更に、本明細書中で使用される場合、用語「殺菌源（ｇｅｒｍｉｃｉｄａｌｓｏｕｒｃｅ）」は、殺菌剤を生成して分散させるために使用される１つ以上の部品の集合を指す。いくつかの実施形態では、殺菌源は、殺菌剤を生成するために使用される１つ以上の部品に加えて、上記１つ以上の生成用部品からの殺菌剤の分散を実現するための部品を含んでよい。

一部のケースにおいては、本明細書中で検討される消毒デバイスは、いくつかの実施形態では、その使用様式によって不活化又は殺滅機能性が付与される、液体、蒸気、ガス、又はプラズマ殺菌剤を生成するよう構成された殺菌源を含んでよい。他のケースにおいては、本明細書に記載の移動式消毒装置の殺菌源は、微生物を不活化及び／又は殺滅するよう分子的に構成された、液体、蒸気、ガス又はプラズマ殺菌剤を生成するよう構成されていてよい。本明細書中で使用される場合、句「分子的に構成された（ｍｏｌｅｃｕｌａｒｌｙｃｏｎｆｉｇｕｒｅｄ）」は、この句の後で言明される機能を付与するための、物質の元素の組成（即ち物質を構成する原子の数及びタイプ）を指す。いくつかの実施形態では、微生物を不活化及び／又は殺滅する液体、蒸気、ガス又はプラズマ殺菌剤の機能性は、この殺菌剤を構成する元素に起因するものであってよく、従ってこのような殺菌剤は、「微生物を不活化及び／又は殺滅するよう分子的に構成される」と言い表すことができる。これは、使用方法によって不活化及び／又は殺滅機能性が付与される液体、蒸気、ガス又はプラズマ殺菌剤とは対照的である。

例えば、沸騰した水及び水蒸気は、その分子組成ではなく使用される温度によって、効果的な滅菌剤となることが多い。その使用方法によって微生物を不活化又は殺滅するガス殺菌剤の例は、極めて高温の空気である。更に一部のプラズマ殺菌剤の殺菌の有効性は主に、プラズマを構成する荷電粒子の分子組成ではなく、上記荷電粒子の存在及び活性によるものである。微生物を殺滅するよう分子的に構成されたガス殺菌剤の例は、オゾンである。微生物を不活化又は殺滅するよう分子的に構成されたプラズマ殺菌剤の例は、反応性酸素種を利用する又は生成するものである。微生物を不活化又は殺滅するよう分子的に構成された液体及び蒸気殺菌剤の例としては、限定するものではないが漂白剤、過酸化水素、塩素、アルコール、四級アンモニウム化合物又はオゾンといった主たる消毒剤を有する、液体及び蒸気消毒液が挙げられる。これらの場合のいずれにおいて、液体及び蒸気殺菌剤は水性又は非水性であってよい。

上述のように、本明細書に記載の移動式消毒装置の殺菌源は、いくつかの実施形態では、殺菌光を生成するよう構成された源であってよい。用語「殺菌光（ｇｅｒｍｉｃｉｄａｌｌｉｇｈｔ）」は、微生物、特に疾患媒介性及び／又は疾患生成性微生物（病原菌として知られる）を不活化又は殺滅できる光を生成及び放出するよう設計された光源を指す。殺菌性であることが知られている光の範囲は、紫外線Ｂ（ＵＶＢ）光及び紫外線Ｃ（ＵＶ‐Ｃ）光、特におよそ２００ｎｍ～およそ３２０ｎｍの紫外光、より詳細には２２０ｎｍの紫外光及び２６０ｎｍ～２６５ｎｍの紫外光を含む。殺菌性であることが知られている別の光の範囲は、およそ４００ｎｍ～およそ４７０ｎｍ、特に４０５ｎｍの可視青紫光（高強度狭スペクトル（ｈｉｇｈ‐ｉｎｔｅｎｓｉｔｙｎａｒｒｏｗ‐ｓｐｅｃｔｒｕｍ：ＨＩＮＳ）光としても知られる）を含む。本明細書で開示される移動式消毒装置に関して検討される殺菌源は、上述の範囲又は波長の光のうちのいずれの１つ以上を生成するように構成されていてよい。

いくつかの実施形態では、本明細書中で検討される移動式消毒装置の殺菌光源は、限定するものではないがおよそ５００ｎｍ超の可視光といった、殺菌性でない光の範囲を生成してよいが、このような能力により、当該光源を殺菌性と呼ぶのが妨げられることになる。これに関して、本明細書で開示される移動式装置の光源又はランプは、場合によっては生成する光のタイプによって特性決定できるが、このような特性決定は必ずしも、当該光源又はランプを、そのタイプの光のみを生成するよう限定するものではない。例えば紫外線ランプは紫外線を生成するランプであるが、他の波長の光も生成してよい。いずれの場合において、本明細書に記載の移動式消毒装置に関して検討される殺菌光源は、消毒装置の設計仕様に応じて、いずれのサイズ及び形状のものであってよい。用語「殺菌光源（ｇｅｒｍｉｃｉｄａｌｌｉｇｈｔｓｏｕｒｃｅ）」及び「殺菌ランプ（ｇｅｒｍｉｃｉｄａｌｌａｍｐ）」は、本明細書では相互交換可能なものとして使用され、殺菌光を生成して分散させるために使用される１つ以上の部品の集合を指す。

紫外光及び／又はＨＩＮＳ光を生成するよう構成できる殺菌性光源の例としては、放電ランプ、発光ダイオード（ＬＥＤ）ソリッドステートデバイス、エキシマレーザが挙げられる。ＨＩＮＳランプは一般に、複数のＬＥＤで構成される。本明細書において使用される放電ランプは、ガス中の電極の間での内部放電を利用して光を生成するランプを指す。この用語はガス放電ランプも内包し、これはイオン性ガスを通して放電を送ることによって光を生成する（即ちプラズマ）。この用語はまた表面放電ランプも内包し、これはガスの存在下で誘電性基材の表面に沿って放電を送り、基材の表面に沿ってプラズマを生成することによって光を生成する。従って、本明細書に記載の殺菌源に関して想定できる放電ランプは、ガス放電ランプ及び表面放電ランプを含む。

放電ランプは更に、使用する１つ以上のガスのタイプ、及びランプを動作させる圧力によって特徴付けることができる。本明細書に記載の殺菌源に関して想定できる放電ランプは、低圧、中圧及び高強度の放電ランプを含んでよい。更に、使用する１つ以上のガスは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、窒素、酸素、水素、水蒸気、二酸化炭素、水銀蒸気、ナトリウム蒸気及びこれらのいずれの組み合わせを含んでよい。いくつかの実施形態では、様々な添加物及び／又は他の物質が上記１つ以上のガスに含まれていてよい。いずれの場合においても、本明細書に記載の殺菌源に関して検討される放電ランプは、連続した光を生成するもの及び短い持続時間の光を生成するものを含んでよく、後者を閃光電球又は閃光ランプと呼ぶ場合がある。光の反復性パルスを供給するために使用される閃光電球又は閃光ランプは、パルス光源と呼ばれる場合がある。

連続した光を生成するために通常使用されるガス放電ランプは水銀蒸気ランプであり、本明細書に記載の移動式消毒装置に関してこれを想定できる。水銀蒸気ランプはピーク強度２５３．７ｍｍの光を放出し、この光は殺菌消毒に特に応用できると考えられ、従って紫外線殺菌放射（ＵＶＧＩ）において一般的に挙げられる。本明細書に記載の移動式消毒装置に関して検討される通常使用される閃光ランプは、キセノン閃光電球である。水銀蒸気ランプとは対照的に、キセノン閃光電球は、紫外線から赤外線までの広範なスペクトルの光を生成し、従って殺菌性のものとして公知であるスペクトル（即ちおよそ２００ｎｍ～およそ３２０ｎｍ）全体にわたる紫外線光を提供する。更にキセノン閃光電球は、最適な殺菌性を有するとして公知であるスペクトル（即ちおよそ２６０ｎｍ～およそ２６５ｎｍ）において比較的十分な強度を提供できる。更にキセノン閃光電球は極めて多量の熱を生成し、これもまた微生物を不活化する、及び殺滅するために更に役立たせることができる。

これらは現在、市場において容易に入手できるものではないが、上述のような本明細書に記載の移動式消毒装置に関して、表面放電ランプを想定してよい。キセノン閃光電球と同様、表面放電ランプは殺菌性のものとして公知であるスペクトル（即ちおよそ２００ｎｍ～およそ３２０ｎｍ）全体にわたる紫外線光を生成する。しかしながら対照的に、表面放電ランプはキセノンランプと比べて、パルスに対してより高いエネルギレベルで動作し、従ってより優れたＵＶ効率で動作し、またより長い寿命を提供する。水銀蒸気ランプ、キセノン閃光ランプ及び表面放電ランプに関する以上の説明及び比較は、このようなランプを含むように本明細書に記載の消毒デバイスを限定するものではないことに留意されたい。寧ろ、以上の説明及び比較は、本明細書に記載の移動式消毒装置のための殺菌光源を選択する際に当業者が考慮できる因子を提供するためだけに提供されたものである。

上述のように、一部のケースにおいては、殺菌光源はエキシマレーザであってよく、従って本明細書で開示される移動式消毒装置の雰囲気中へと発射される殺菌光は、狭帯域光線であってよい。一部のケースにおいては、レーザを有する移動式消毒装置は、レーザを移動させるように構成されていてよく、及び／又は上記装置は、レーザによって複数の表面を消毒できるように、１回の消毒サイクル中にそれ自体を移動させるように構成されていてよい。移動式消毒装置は、このような目的を達成できるいずれの形状、サイズ又は構成のものであってよい。

上述のように、本明細書で開示される装置及び方法は、一部のケースにおいては、移動式エリア／部屋消毒装置、及びエリア／部屋を消毒する方法を対象としてよい。より具体的には、本明細書で開示される方法で使用される移動式装置を含む、本明細書で開示される移動式装置は、エリア／部屋の消毒を促進する構成を有してよい。本明細書中で使用される場合、用語「エリア／部屋消毒装置（ａｒｅａ／ｒｏｏｍｄｉｓｉｎｆｅｃｔｉｏｎａｐｐａｒａｔｕｓ）」は、該エリア内の疾患媒介性微生物を不活化する、破壊する、又は上記微生物の成長を防止するために、人が占有するのに好適な空間を消毒するよう構成された装置を指す。本明細書中で使用される場合、用語「エリア／部屋消毒装置」、「エリア消毒装置」、及び「部屋消毒装置」は相互交換可能なものとして使用できる。本明細書中で検討され、かつ本明細書に記載方法で使用される、いくつかの移動式消毒装置は、エリア／部屋の消毒のために構成されていてよいが、上記装置は必ずしもこのように限定されない。更に、本明細書中で検討され、かつ本明細書に記載の方法で使用される、移動式消毒装置は、エリア／部屋消毒装置に一般に関連して以下で説明される特徴のうちの全て又はいずれを必ずしも含まない。

一般に、エリア／部屋消毒装置は、上記装置が配設されるエリア／部屋の雰囲気に有効量の殺菌剤を空間的に分散させることによって、エリア／部屋内で殺菌される表面及び対象物の数を最大化するような構成を含む。この装置は、このような目的を達成するためのいずれの形状、サイズ又は構成のものであってよい。本明細書中で議論される移動式消毒装置に関して特に検討できるエリア／部屋消毒装置の例示的な構成は、上記装置が配設されたエリア／部屋の床からおよそ２フィート～およそ４フィートの領域に殺菌剤を配向するよう構成されるというものである。特に、部屋の床からおよそ２フィート～およそ４フィートの領域は、使用される機会が多い対象物が一般にこのような領域に配置されるため、エリア／部屋の「高接触」領域と見做される。このような殺菌剤の配向を提供する構成の例は、２０１２年１２月６日出願の米国特許出願第１３／７０６，９２６号、２０１２年１２月７日出願の米国特許出願第１３／７０８，２０８号、２０１４年１０月８日出願の国際特許出願第ＰＣＴ／ＵＳ２０１４／０５９６９８号において開示されており、これらは全て、参照により、その全体が本明細書中に記載されているかのように、本明細書に援用される。エリア／部屋消毒装置に固有の他の特徴も、これらの文献に開示されている。例えば、エリア／部屋消毒装置の他の特徴としては、上記装置について可搬性を実現するためのホイール及び／又はハンドルが挙げられる。更に、多くのエリア／部屋消毒装置は、装置の動作を開始させるときに個人がエリア／部屋内に居る必要がないように、上記装置を遠隔操作で始動させるための構成を含む。

本明細書中で検討される移動式消毒装置に含めてよいエリア／部屋消毒装置の別の特徴は、その１つ以上の殺菌源から１メートル超、又は２若しくは３メートル超でさえある表面上の細菌汚染の少なくとも２ｌｏｇの低減を達成できるように、有効量の殺菌剤を分散させるための構成を含む点である。このような効果を生成するために使用される構成は一般に、１つ以上の殺菌源の構成、特に１つ以上の殺菌源のサイズ、殺菌剤を分散する強度及び／若しくは頻度、並びに／又は上記装置内での１つ以上の殺菌源の配向に左右される。一般に、本明細書中で検討される殺菌源は、いずれの形状、サイズ、配向、及び構成のものであってよく、また、装置から１メートル超、又は２若しくは３メートル超でさえある表面上の細菌汚染において所望の低減を達成するためのパラメータで動作させてよい。このような効果の達成を支援できる１つ以上の殺菌源の配向の例は、エリア／部屋内において殺菌剤を比較的長距離にわたって分散させるのを支援するために、１つ以上の殺菌源を垂直に配設する（例えば１つ以上の殺菌源を、その長さが装置の水平平面に対して略直交するように配設する）ものである。更に、エリア／部屋消毒装置が１つ以上の殺菌光源を含むケースでは、１つ以上の殺菌光源から１メートル超であるエリア／部屋内の表面上の細菌汚染の少なくとも２ｌｏｇの低減を達成するために、少なくとも１．０Ｗ／ｍ^２の電力フラックスを使用してよい。

更に、本明細書に記載の移動式消毒装置の一部が含み得る、エリア／部屋消毒装置に共通の別の特徴としては、エリア／部屋内での殺菌剤の分散を支援するために、その１つ以上の殺菌源を装置の他の部品（例えば装置のベース、又は１つ以上の殺菌源及び／若しくはアクチュエータを支持する支持構造物）に対して移動させるための、１つ以上のアクチュエータが挙げられる。このようなケースでは、殺菌源を、１つ以上のアクチュエータによって、垂直、水平、及び／又は対角線方向に移動させることができる。エリア／部屋消毒装置の、その殺菌源のうちの１つ以上を移動させるための構成は、以下で説明されるように、上記装置の周りの３６０°の殺菌剤の分散を誘発するための構成を含んでよいが、本明細書で開示される装置は必ずしもこのように限定されないことに留意されたい。特に、本明細書で開示されるエリア／部屋消毒装置は、装置の周りの３６０°未満の分散を誘発するものを含む、殺菌剤のいずれの分散を誘発するための構成を含んでよい。一部のケースにおいては、本明細書で開示されるエリア／部屋消毒装置は、殺菌源が殺菌剤を放出している間に、及びパルス型殺菌源を使用する場合は殺菌剤の発射と発射の間にも、殺菌源を装置の他の部品に対して移動させるために、１つ以上のアクチュエータのうちの１つ以上を起動するための、プロセッサが実行可能なプログラム命令を含んでよい。

本明細書中で検討される移動式消毒装置に含まれていてよいエリア／部屋消毒装置の別の特徴は、殺菌剤を装置の周りで３６０°分散させるための構成である。例えば一部のケースにおいては、移動式消毒装置内の１つ以上の殺菌源の配置は、上記１つ以上の殺菌源から放出される殺菌剤が上記装置の周りのおよそ３６０°に発射されるようなものであってよい。例えば、図２の殺菌源３２によって示されているように、一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、殺菌剤を上記装置の周りのおよそ３６０°に分散させるように配設された、単一の殺菌源を含んでよい。他のケースにおいては、移動式消毒装置は、殺菌剤を全体として上記装置の周りのおよそ３６０°に分散させるように配設された、複数の殺菌源を含んでよい。いずれの場合においても、移動式消毒装置は、その１つ以上の殺菌源の周りのおよそ３６０°に、殺菌剤を妨害する部品を含まないものとすることができ、これにより、１つ以上の殺菌源から放出された殺菌剤は上記装置を実質的に包囲する。

更に、又はあるいは、本明細書中で検討される移動式消毒装置は、殺菌剤を上記装置の周りのおよそ３６０°に分散させるために、その１つ以上の殺菌源のうちの１つ以上、及び／又は他の部品のうちの１つ以上を移動させるよう構成されていてよい。例えば一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、殺菌剤を上記装置の周りの３６０°に分散させるために移動するよう構成された、（限定するものではないが、噴霧器又はレーザ等の）１つ以上の可動式殺菌源を含んでよい。他のケースにおいては、移動式消毒装置は、その１つ以上の殺菌源のうちの１つ以上の周りに可動式ハウジングを含んでよく、上記ハウジングは、殺菌剤を上記１つ以上の殺菌源から上記装置の外側へと送るための、１つ以上の開口又は１つ以上の透明窓を有する。このような場合、上記ハウジングと、場合によっては上記１つ以上の殺菌源とを、ハウジングの開口及び／又は孔を通した装置の周りでの殺菌剤の３６０°の分散を達成するように、移動させることができる。特に移動式消毒装置が１つの殺菌光源を含むシナリオにおける、更に他のケースにおいては、移動式消毒装置は、殺菌光を上記装置の周りの３６０°に分散させるのに役立つリフレクタを含んでよい。このような場合、上記リフレクタは静止していてもよく、又は殺菌光の３６０°の分散を達成するために移動するよう構成されていてよい。

本明細書に記載の消毒装置に関して検討できる、エリア／部屋消毒装置と併用されることが多い別の部品は、移動検出センサ及び／又はエリア／部屋占有センサ、例えば運動センサ、熱センサ、ドップラーセンサ、又は光認識センサである。特に、エリア／部屋の消毒中の、殺菌剤に対する個人の有害な曝露を防止するために、本明細書において検討される消毒装置は、装置が配設されている領域／部屋内での移動及び／又は占有を検出した場合に、殺菌源への給電回路の起動を阻止又は終了する、プログラム命令を含んでよい。１つ以上の移動検出器センサ及び／又は１つ以上の占有センサは、エリア／部屋消毒装置に統合されていてよく、及び／又はエリア／部屋消毒装置から離れていてもよく、後者の場合は、有線又は無線接続を介したエリア／部屋消毒装置との電気通信であってよい。移動センサ又は占有センサがエリア／部屋消毒装置から離れていることの利点は、これを、移動及び／又は占有の監視に関するいずれの関心対象エリアの付近、例えばエリア／部屋の入口付近に、位置決めできる点である。移動センサ又は占有センサをエリア／部屋消毒装置に統合することの利点は、誤配置が発生し得ないことであるが、このような利点は、リモートセンサにおいて、これをエリア／部屋消毒装置に係留することによって提供できる。いずれにせよ、消毒装置と併用される移動センサ又は占有センサは、一部のケースにおいては、そのカバー範囲を関心対象の特定のエリアに向けるために、再位置決めできる。

エリア／部屋消毒装置と併用するために特に有益となり得る移動センサの一例は、ドア移動センサである。特にドア移動センサは、エリア／部屋消毒装置が消毒プロセスのために配設されている部屋に対するドアの移動を監視するために使用できる。ドア移動センサは、エリア／部屋消毒装置に統合されていてよく、及び／又はエリア／部屋消毒装置から離れていてもよい。このような実施形態のうちの後者においては、ドア移動センサは、エリア／部屋消毒装置が配設されている部屋の内側又は外側で使用できる。また、リモート式ドア移動センサは、ドアの移動を検出するためにドアに接触して配置されるよう構成されたものであってよく、又はドアの移動を検出するためにドアから離れていてもよいものであってもよい。ドア移動センサがエリア／部屋消毒装置に統合されているか、エリア／部屋消毒装置から離れているかにかかわらず、ドア移動センサは、部屋の中での移動／占有を検出するための、エリア／部屋消毒装置の唯一のセンサとして使用されても、あるいはエリア／部屋消毒装置に統合されていてもエリア／部屋消毒装置から離れていてもよい１つ以上の他の移動センサ及び／又は占有センサに追加して使用されてもよい。一例として図２は、リモート式ドア移動センサ３９と電気通信する移動式装置３０を示しているが、本明細書で開示される消毒装置はこのような構成に限定されないことに留意されたい。

部屋／エリアの消毒を具体的に実行するために、本明細書に記載の移動式装置に含まれていてよい更に別の特徴は、移動式消毒装置を動作させることになるエリア／部屋の特徴に関するデータを受信するための、プロセッサが実行可能なプログラム命令である。全体として本明細書中で使用される場合、句「エリア／部屋の特徴（ｃｈａｒａｃｔｅｒｉｓｔｉｃｓｏｆａｎａｒｅａ／ｒｏｏｍ）」は、エリア／部屋の物理的属性及び非物理的属性を指す。エリア／部屋の非物理的属性としては、エリア／部屋を参照するために使用される識別子（例えば部屋番号及び／又は部屋の名称）、並びにエリア／部屋に関する占有情報（例えば、過去にその空間を占有していた患者又はその空間を占有する予定の患者の感染情報）が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。エリア／部屋の物理的属性としては、エリア／部屋のサイズ及び／若しくは寸法、並びに／又はエリア／部屋内の表面、対象物、及び／若しくはアイテムの、個数、サイズ、距離、場所、反射率、及び／若しくは識別要素が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。一部のケースにおいては、エリア／部屋の物理的属性は、１つ以上の病原性生物の識別要素、場合によっては更に、エリア／部屋内、エリア／部屋のある特定の領域内、又はエリア／部屋内のある特定の表面上の、１つ以上の上述のような生物の数若しくは濃度であってよい。

いずれにせよ、移動式消毒装置を動作させることになるエリア／部屋の特徴に関して受信されたデータは、記録若しくは報告の目的、又は装置の１つ以上の動作パラメータの設定を含むがこれらに限定されない、様々な様式で利用できる。一部のケースにおいては、本明細書に記載の移動式装置は、エリア／部屋の物理的特性の検出及び／又はマッピングのための１つ以上のセンサを含んでよく、このような情報は、記録のために、及び／又は上記装置の動作に影響を及ぼすために、使用できる。更に、又はあるいは、本明細書に記載の移動式装置は、上記装置に通信可能に結合されたデータベースから、エリア／部屋の物理的特性にアクセスするようにプログラムされていてよい。例えば、事前に割り当てられた部屋の識別子（例えば「１０３」又は「手術室（ＯｐｅｒａｔｉｎｇＲｏｏｍ）」）を、（ユーザインタフェースのキー入力、バーコードのスキャン、又はエリア／部屋に入ったときの無線信号の受信によって）装置に入力してよく、このような相関情報の概要を示すデータベースから、エリア／部屋の１つ以上の物理的特性と、場合によってはマップ又はモデルとにアクセスしてよい。上述のように、本明細書に記載の装置は、一部のケースにおいては、上記装置を自動的に移動させるための手段を含んでよい。このようないくつかのケースでは、上記装置は、エリア／部屋の特性に応じて上記装置を移動させるためのプログラム命令を含んでよい。上述のようなプログラム命令のいくつかを備えたエリア／部屋消毒装置の例は、２０１２年１２月６日出願の米国特許出願第１３／７０６，９２６号に開示されており、上記特許出願は、本明細書中にその全体が記載されているかのように、参照により援用される。

上述のように、本明細書で提示される装置を動作させるためのプログラム命令１６の複数の例が、図３～１２を参照して説明される。より具体的には、図３～１２は、視覚的マーカー検出システムを有する移動式装置を利用するための方法のフローチャートを示す。図３～１２を参照して以下で説明される方法及び装置は、エリア／部屋を消毒するための消毒方法及び装置を対象としているが、図３～１２を参照して説明される方法及び装置は必ずしも消毒装置に限定されず、上記方法を参照して説明されるプロセスは必ずしも、エリア／部屋の消毒に限定されない。反対に、図３～１２を参照して開示されるプロセス及び装置の特徴を、本明細書で言及される移動式装置に関して上述されている項目のうちのいずれの１つ以上によって構成されるいずれの移動式装置に適用できることが企図されている。従って、図３～１２において参照される移動式装置は、図１、２を参照して説明されている移動式装置１０及び／又は３０のいずれの構成を含んでよい。更に、図３～１２において参照される、指定視覚的マーカーは、上述のいずれのタイプ及び構成の視覚的マーカーを含んでよい。更に、図３～１２を参照して説明されるプロセスは、これらの図に図示されているプログラム命令のフローと相互に排他的なものではないことに留意されたい。更に、図３～１２を参照して説明されるプログラム命令のうちのいずれを、互いに組み合わせて使用できる。

図３に移ると、ブロック５０を含むフローチャートが示されており、このブロック５０は、エリア／部屋内に配置された、指定視覚的マーカーが、移動式消毒装置の撮像デバイスの視野内となるように、上記移動式装置を上記エリア／部屋内に位置決めするステップを示す。移動式消毒装置の位置決めは手動であっても自動であってもよく、後者は、（例えば上記装置における、若しくは遠隔制御を介した）ユーザ入力制御によって、又は移動式装置の自律移動によって、達成できる。移動式消毒装置の位置決めが自律的である実施形態では、この位置決めステップは、プログラムされた経路をたどることによって、又は移動式消毒装置のナビゲーション制御によって移動することによって、達成できる。上述のように、図３のフローチャートで概説されているステップのブロックは、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の移動式装置が含むことができるプログラム命令を表す場合がある。従って、図３のブロック５０は、移動式消毒装置を自動的に位置決めするためのプログラム命令を指すことができる。しかしながら他のケースにおいては、図３のフローチャートで概説されているステップのブロックは、移動式消毒装置のユーザが実施するプロセスを表す場合がある。このような場合、図３のブロック５０は、移動式装置のユーザが、手動で、又は（例えば上記装置における、若しくは遠隔制御を介した）ユーザ入力制御によって、消毒装置を位置決めすることを指すことができる。

いずれにせよ、上述のように、図３のブロック５０において参照されている視覚的マーカーは、指定視覚的マーカーである。本明細書中で使用される場合、「指定視覚的マーカー（ｄｅｓｉｇｎａｔｅｄｖｉｓｕａｌｍａｒｋｅｒ）」は、事前に選択された、及び／又は特定の移動式装置に関連付けられた、視覚的マーカーを指す。従ってブロック５０に示されているプロセスは、一部のケースにおいては、エリア／部屋内の事前に選択された視覚的マーカーが、消毒装置の撮像デバイスの視野内となるように、上記移動式消毒装置を上記エリア／部屋内に位置決めするステップを対象としていてよい。このようなケースの一部においては、上記プロセスは、ユーザがエリア／部屋内の視覚的マーカーを選択した後、上記視覚的マーカーが消毒装置の撮像デバイスの視野内となるように上記移動式消毒装置を位置決めするステップを含んでよい。このような場合、上記消毒装置の位置決めは、手動で、又は（例えば上記装置における、若しくは遠隔制御を介した）ユーザ入力制御によって、実施できる。更に他のケースにおいては、移動式消毒装置のユーザは、上記装置のユーザインタフェースを介して視覚的マーカーを選択してよく、上記装置は、事前に選択された上記視覚的マーカーに関連付けられたプログラム命令に従って、それ自体を移動させてよい。あるいは、移動式消毒装置がそれに対して位置決めされることになる視覚的マーカーは、異なる（即ち、限定するものではないが、異なる人物、移動式消毒装置上のコンピュータプログラム、又は移動式消毒装置とは独立したコンピュータプログラムといった、上記装置のユーザとは異なる）エンティティによって、事前に選択されてもよい。このような場合、事前に選択された上記視覚的マーカーは、上記移動式装置のユーザインタフェースを介してユーザへと通信されてよく、又は事前に選択された上記視覚的マーカーに関連付けられたプログラム命令を実行して装置を移動させるために、上記移動式装置へと通信されてもよい。

いずれにせよ、上述の事前選択は自由選択によるものであってもよく、又はエリア／部屋で実施されることになる消毒プロセスに関する必要若しくは希望に関連する１つ以上の因子（限定するものではないが、部屋／エリアが最後に消毒されてからの時間量、部屋／エリアの消毒スケジュール、エリア／部屋の患者の退院状況、及び／若しくは過去の占有者の病原体の診断等）によって決定されてもよい。移動式装置をそれに対して位置決めするために、視覚的マーカーを選択するステップは、ユーザがエリア／部屋を走査して視覚的マーカー選択するステップ、あるいはエリア／部屋、床、又は建造物のための視覚的マーカーのリスト又はマップから１つの視覚的マーカーを選択するステップを含む。更に他のケースにおいては、視覚的マーカーの選択は、特に移動式消毒装置のユーザインタフェース上で若しくは移動式消毒装置に通信可能に結合されたコンピュータデータベースで、部屋識別情報を入力若しくは選択することによって、又は移動式消毒デバイスがエリア／部屋に入ったことを検出することによって、消毒プロセスを実施する部屋を選択するステップを含んでよい。このような場合、移動式消毒装置は、上記装置を、上記部屋識別情報に関連付けられた特定の視覚的マーカーに対して、具体的には視覚的マーカーが上記移動式装置の撮像デバイスの視野内となるように位置決めするための、プログラム命令を含んでよい。

更に、又はあるいは、ブロック５０に示されているプロセスは、移動式消毒装置に関連付けられた視覚的マーカーが上記消毒装置の撮像デバイスの視野内となるように、上記移動式消毒装置をエリア／部屋内に位置決めするステップを対象としていてよい。本明細書中で使用される場合、句「移動式装置に関連付けられた（ａｓｓｏｃｉａｔｅｄｗｉｔｈａｍｏｂｉｌｅａｐｐａｒａｔｕｓ）」は、移動式装置と注目される要素との間の連携を表し、上記注目される要素は、上記移動式装置を検出するための手段を有し、及び／又は上記移動式装置は、上記注目される要素を検出若しくは特定するための手段、若しくは上記注目される要素が属する分類を検出若しくは特定するための手段を有し、これによって、上記注目される要素が、上記移動式装置にリンクされた１つ以上の要素の選択されたグループの中の１つであるかどうかが判断される。従って、「移動式装置に関連付けられた視覚的マーカー」は、視覚的マーカーであって、上記視覚的マーカー又はその分類を検出又は特定するための手段を有する移動式装置にリンクされた、視覚的マーカーを指すことができる。更に、又はあるいは、「移動式装置に関連付けられた視覚的マーカー」は、視覚的マーカーであって、上記視覚的マーカーにリンクされた移動式装置を検出するための手段を有する、視覚的マーカーを指すことができる。

以下で更に詳細に記述されるように、視覚的マーカー又は視覚的マーカーが属する分類を検出又は特定するための手段は、一部のケースにおいては、移動式装置の撮像デバイスが撮影した上記視覚的マーカーの画像を分析するためのプログラム命令を含んでよい。他のケースにおいては、視覚的マーカー又は視覚的マーカーが属する分類を検出又は特定するための手段は、その視界を監視して、色、サイズ、又は深さの知覚の変動を検出することにより、視覚的マーカーを、それが設置されているエリア／部屋の一部に対して検出するための、移動式装置の撮像デバイスの構成であってよい。更に他のケースにおいては、移動式装置は、対応する無線信号トランスミッタを有する視覚的マーカーを検出及び／又は特定するために、赤外線レシーバ又は無線周波数レシーバといった無線信号レシーバを含んでよい。反対に、視覚的マーカーが、上記視覚的マーカーの付近を通過する移動式装置から伝送される信号を検出するために、無線信号レシーバ又は無線トランシーバを含んでよい。更に他のケースにおいては、視覚的マーカーは、無線トランスミッタ、無線レシーバ、又は無線トランシーバを含まなくてよい。

一部のケースにおいては、視覚的マーカー及び／又は移動式装置の無線トランスミッタ、レシーバ、又はトランシーバは、上記移動式装置と上記視覚的マーカーとの間の関連付けに特有の波長の信号を送信及び／又は受信するよう構成されていてよい。これにより、上記移動式装置と上記視覚的マーカーとの間の上記信号の検出を、これらの間の関連付けの指標とすることができる。更に他のケースにおいては、移動式装置又は視覚的マーカーの視覚的マーカー及び／又は無線トランスミッタ、レシーバ、又はトランシーバは、これらの間の関連付けを特に示す信号を送受信するように構成されていない場合がある。このような場合、信号送信は単に、移動式装置が視覚的マーカーの付近に位置決めされたときを決定するために使用でき、移動式装置は、視覚的マーカーが移動式装置に関連付けられているかどうかを判断するために、視覚的マーカーの画像を分析するためのプログラム命令を含んでよい。上述のいずれのシナリオにおいても、視覚的マーカーは、一部のケースにおいては、移動式装置からの信号の検出時に起動できる１つ以上の視覚又は聴覚的インジケータを含んでよい。あるいは移動式装置は、一部のケースにおいては、視覚的マーカーからの信号の検出時に起動できる１つ以上の視覚又は聴覚的インジケータを含んでよい。一般に、視覚又は聴覚的インジケータとしては、当該技術分野において公知のいずれの変更可能なインジケータが挙げられ、例えば限定するものではないが、点灯した電球、可聴アラーム、及び／又は視覚的ディスプレイであり、最後のものは、グラフィカルユーザインタフェース上のテキストを含む場合があるもののこれに限定されない。

一部のケースにおいては、視覚的マーカー及び／又は移動式装置の１つ以上の視覚又は聴覚的インジケータは、移動式装置が視覚的マーカーの付近に位置決めされたときを示すのに役立つことができ、また特定のケースにおいては、視覚的マーカーが消毒装置の撮像デバイスの視野内となるように、移動式装置が位置決めされたときを示すのに役立つことができる。例えば、（手動で、又は（例えば上記装置における、若しくは遠隔制御を介した）ユーザ入力制御によって）移動式装置を位置決めするユーザは、１つ以上の視覚又は聴覚的インジケータを利用して、移動式装置が視覚的マーカーの付近に位置決めされたときを把握でき、また特定のケースにおいては、視覚的マーカーが消毒装置の撮像デバイスの視野内となるように、移動式装置が位置決めされたときを把握できる。更に、又はあるいは、移動式装置は、視覚又は聴覚的インジケータが視覚的マーカー上で起動されたときを検出することによって、移動式装置が視覚的マーカーの付近に位置決めされたときを把握し、また特定のケースにおいては、視覚的マーカーが消毒装置の撮像デバイスの視野内となるように、移動式装置が位置決めされたときを把握するように、プログラムされていてよい。更に他のケースにおいては、視覚的マーカーは視覚又は聴覚的インジケータを含まなくてもよい。

上述のように、視覚的マーカー又は視覚的マーカーが属する分類を検出又は特定するための手段は、異なる複数の移動式消毒装置の間で様々であってよく、移動式装置の撮像デバイスが撮影した視覚的マーカーの画像を分析するためのプログラム命令を含むがこれに限定されない。いずれにせよ、視覚的マーカーが移動式装置に関連付けられているかどうかを判断するために、移動式装置を用いて視覚的マーカーの画像を分析するかどうかにかかわらず、図６～１１を参照して以下で更に詳細に説明されるように、視覚的マーカーの画像を他の目的のために分析してもよい。特に、移動式装置は、移動式装置が視覚的マーカーに対して適切に位置決めされているかどうかを判断するため、視覚的マーカーが過去の画像の視覚的マーカーと異なっているかどうかを判断するため、消毒サイクルのための移動式消毒装置の動作パラメータを設定するため、及び／又は場所固有情報を通信するために、視覚的マーカーの画像を分析するよう構成されていてよい。

上述のように、図３のブロック５０に示されているプロセスは、指定視覚的マーカーが装置の撮像デバイスの視野内となるように、移動式消毒装置を位置決めするステップを対象とする。一部のケースにおいては、このプロセスは、視覚的マーカーが撮像デバイスの視野内にあるときを決定するために、撮像デバイスの視界内にあるものをリアルタイムで監視するステップを含んでよい。このようなケースの一部において、上述の監視は、（例えば手動で、又は（例えば上記装置における、若しくは遠隔制御を介した）ユーザ入力制御によって）移動式消毒装置を移動させ、特に装置の統合型又は分離型ユーザインタフェース上のディスプレイを介して撮像デバイスの視界を監視する、人物が行うことができる。他のケースにおいては、移動式消毒装置又はその撮像デバイスは、消毒装置が（例えば装置のユーザによって又は自動移動によって）移動されている間に、撮像デバイスの視界内にあるものをリアルタイムで監視するための、プログラム命令を含んでよい。

あるいは、移動式装置が無線トランスミッタ、レシーバ、又はトランシーバを含む場合、無線デバイスは、撮像デバイスの視野に関連する領域のみにおいて信号を送受信するよう構成されていてよく、従ってこのような信号のうちのいずれかの検出は、指定視覚的マーカーが撮像デバイスの視野内にあることの指標となる。更に他のケースにおいては、移動式装置は、撮像デバイスの視野の外側の領域、又は上記視野より大きな領域において信号を送受信するよう構成された、無線トランスミッタ、レシーバ、又はトランシーバを含んでよい。その結果、このような信号のいずれかの検出は単に、移動式消毒装置が指定視覚的マーカーの付近にあることの指標となり、必ずしも、撮像デバイスの視野内に視覚的マーカーがあることの指標にはならない。このような場合、移動式消毒装置が視覚的マーカーの付近にあることが検出された後、視覚的マーカーが撮像デバイスの視野内にあるかどうか、又はこのような結果を実現するために移動式消毒装置を移動させる必要があるかどうかを判断するために、撮像デバイスの視界をリアルタイムに監視してよい。このような監視は、移動式消毒装置のユーザが実施することもでき、又は移動式消毒装置のプログラム命令によって行うこともできる。

上述のように、図３のブロック５０に示されている、移動式消毒装置を位置決めするプロセスは、移動式消毒装置を、事前に選択された、及び／又はある特定の移動式装置に関連付けられた視覚的マーカーに対して、位置決めするステップを含んでよい。強調するべきこととして、視覚的マーカーは場合によっては、事前に選択されるものの移動式消毒装置に関連付けられていなくてよく、またその逆も同様である。特に、移動式消毒装置は、それに関連する視覚的マーカーを検出又は特定するためのプログラム命令を有しなくてもよく、また視覚的マーカーは、移動式装置を検出するための手段を有しなくてもよい。このような場合、移動式装置のユーザ又は別のエンティティは、視覚的マーカーを事前に選択してよく、その後、その付近に移動式装置を位置決めしてよい。あるいは、視覚的マーカーは、ブロック５０に示されている位置決めステップのために事前に選択されなくてもよい。特に、移動式装置は、一部のケースにおいては、移動式装置が視覚的マーカーの付近に移動されている間又は移動された後のような、視覚的マーカーの付近にあるときに、視覚的マーカーを検出するか、又は視覚的マーカーによって検出されてよい。図３のブロック５０に示されている位置決めプロセスに関するこのようなケースのうちの後者の例は、ある特定の視覚的マーカーに対する意図的な位置決めなしに自律移動するように構成された、移動式消毒装置であってよく、ここでは上記移動式消毒装置は、指定視覚的マーカーの付近のエリアを通過する、又は上記エリアへと移動するときに、指定視覚的マーカーを検出又は特定する。更に他の実施形態では、視覚的マーカーは、事前に選択され、かつ移動式消毒装置に関連付けられていてもよい。

一部のケースにおいては、図３のブロック５０に示されている、移動式消毒装置を位置決めするプロセスは、エリア／部屋の入口（例えばドア）から少なくともおよそ１フィート、より具体的には少なくともおよそ３フィートに配置された視覚的マーカーが、移動式消毒装置の撮像デバイスの視野内となるように、移動式消毒装置をエリア／部屋内に位置決めするステップを含んでよい。上述のように、エリア／部屋の入口から少なくともおよそ１フィート、より具体的には少なくともおよそ３フィートの視覚的マーカーに対する、移動式消毒装置の配置は、移動式装置全体が確実にエリア／部屋内に配置されるようにするために、有利となり得る。更に、エリア／部屋の入口から少なくともおよそ１フィート、より具体的には少なくともおよそ３フィートの視覚的マーカーに対する、移動式消毒装置の配置は、入口付近のエリア／部屋内の空間の過剰曝露を回避して、十分に消毒できるエリア／部屋の範囲を潜在的に最適化するために（即ちエリア／部屋の範囲内において表面上の細菌汚染の少なくとも２ｌｏｇの低減を達成するために）、有利となり得る。

いずれにせよ、図３に示されているフローチャートは更に、指定視覚的マーカーが移動式消毒装置の撮像デバイスの視野内にあることの通知を受信するステップを示す、ブロック５２を含む。一部のケースにおいては、ブロック５２に関連して受信される通知は、移動式消毒装置のユーザを対象とするものであってよく、従って上記通知は、移動式消毒装置の情報伝達デバイスからのものであってよい。このような実施形態では、通知は、移動式消毒装置上の視覚又は聴覚的インジケータのうちの１つ以上を介したものであってよく、上記視覚又は聴覚的インジケータは、例えば限定するものではないが、点灯した電球、可聴アラーム、及び／又は視覚的ディスプレイであり、最後のものは、グラフィカルユーザインタフェース上のテキストを含む場合があるもののこれに限定されない。他のケースにおいては、上述のように、通知は、視覚的マーカー上の１つ以上の視覚又は聴覚的インジケータを介して行われてよい。更に他のケースにおいては、特にブロック５２の文脈が、本明細書に記載の移動式装置が含み得るプログラム命令を表すという観点から解釈される場合、ブロック５２に関連して受信される通知は上記に加えて、又は上記の代わりに、指定視覚的マーカーを分析する及び／又は装置の動作を開始させる若しくは実行するためのプログラム命令を、プロセッサが実行するために、移動式消毒装置のプロセッサに送信される、信号であってよい。

いずれにせよ、視覚的マーカーが、移動式消毒装置の撮像デバイスの視野内となるように、移動式消毒装置が位置決めされていることの記録を、ブロック５２に関連する通知の受信時に作成してよい。上記記録は、移動式消毒装置のユーザによって作成されてよく、及び／又は移動式消毒装置がこれを行うようにプログラムされていてもよい。いずれの場合においても、上記記録は多様な方法で表現されていてよく、限定するものではないが、視覚的マーカーに対して、エリア／部屋内のある特定の領域若しくは点に対して、又はエリア／部屋内のデバイス、対象物、若しくは構造物に対して表現された、移動式消毒装置の位置が含まれる。一般に、このようなイベントを記録することは、消毒プロセスのために、指定視覚的マーカーに対して、エリア／部屋内のある特定の位置に移動式消毒装置を配置したこと文書化するために有益となり得る。更に、移動式消毒装置がこれを行うのを自動化すると、視覚的マーカーが装置の撮像デバイスの視野内となるように装置が実際に位置決めされたことの疑義又はヒューマンエラーが排除されるという更なる利益が追加される。

上述のように、また以下で更に詳細に説明されるように、本明細書に記載の方法は、視覚的マーカー検出システムを利用して、多様な情報を決定、確認、実行、及び／又は伝達できる。上記方法は一般に、視覚的マーカーの画像を撮影するステップ、及び場合によっては上記画像を分析して所望の情報を提示するステップを含む。図３で概説されている方法に関して、視覚的マーカーの画像は、ブロック５２に関連する通知の受信の前、又は後に撮影してよい。ブロック５２に関連する通知の受信の前に画像を撮影する実施形態では、画像の分析は、ブロック５２に関連する通知の受信の前、又は後に実行してよい。視覚的マーカーの分析が、ブロック５２に関連する通知の前に実施されるケースにおいて、上記通知はいくつかの実施形態では、上記分析の１つ以上の結果（限定するものではないが、移動式消毒装置が、指定視覚的マーカーに対して位置決めされているかどうか、及び／又は視覚的マーカーに対して好適に位置決めされているかどうか等）を示すことを対象としたものであってよい。他のケースでは、上記分析の１つ以上の結果は、ブロック５２に関連する通知とは別個に通信されてよく、又は全く通信されなくてもよい。

図３のフローチャートで概説されるブロックは、移動式消毒装置のユーザが実施するプロセスを表すことができるため、視覚的マーカーの画像を撮影するステップ、及び上記画像を分析するステップは、図３に示されていないことに留意されたい。これとは反対に、視覚的マーカーの画像を撮影する上記ステップは、移動式消毒装置の撮像デバイスによって実施され、上記画像を分析する上記ステップは、移動式消毒装置の撮像デバイス及び／又はプログラム命令によって実施される。上述のように、図３のフローチャートで概説されるブロックは、移動式装置（その撮像デバイスを含む）のプログラム命令を表す場合もあり、従ってこのような文脈では、視覚的マーカーの画像を撮影する上記ステップ、及び上記画像を分析する上記ステップは、図３の一部として推定される場合がある。視覚的マーカーの画像を撮影して任意に分析できる、本明細書で開示される方法が特に対象とする可能なシナリオの例としては、以下で図６～１１を参照して説明されるものが挙げられる。

いずれにせよ、移動式装置の撮像デバイスを様々な事象に応答して起動して、視覚的マーカーの画像を撮影してよい。例えば、撮像デバイスはいくつかの実施形態では、移動式装置が視覚的マーカーを検出したときに自動的に起動されて、画像を撮影してよい。他のケースでは、撮像デバイスは、移動式装置が視覚的マーカーに対して好適に位置決めされたことを移動式装置が検出した、及び／又はそのような信号を移動式装置が受信したときに（そのプロセスは図７を参照して以下で更に詳細に説明される）、自動的に起動されて、画像を撮影してよい。あるいは撮像デバイスは、移動式消毒装置のユーザによって、特にユーザが移動式消毒装置上の入力制御を起動することによって、起動されてもよい。上記入力制御としては、移動式消毒装置上のボタン、移動式消毒装置上のタッチスクリーンでの選択、又はエリア／部屋内で移動式消毒装置の位置をロックするための機構が挙げられるが、これらに限定されない。このような選択肢のうちの最後のものに関して、移動式消毒装置は、上記機構の起動時に撮像デバイスが起動されて画像を撮影するように、上記機構と撮像デバイスとの間に結合された、回路構成を含んでよい。

更に他の実施形態では、撮像デバイスは、移動式消毒装置の停止を検出した後で画像を撮影するために、自動的に起動されてよい。特に移動式消毒装置は、いくつかの実施形態では、限定するものではないが加速度計及び／又はジャイロスコープといった、それ自体の運動を検出するためのセンサを含んでよく、また更に、上記装置の停止を検出した後で撮像デバイスの起動を実行して画像を撮影するためのプログラム命令を含んでよい。このような機能性は、ユーザが視覚的マーカーに対する移動式消毒装置の位置を操作している場合、又は移動式消毒装置が、視覚的マーカーを有するエリア／部屋内の特定の場所へと移動するような命令を受信したときに、有利となり得る。このプログラム命令のフローチャートが図４に示されている。特に図４のフローチャートは、移動式消毒装置の運動を監視するためのブロック７０、上記移動式装置が停止するときを検出するためのブロック７２、及び画像を取得するために、信号を上記装置の撮像デバイスに送信するためのブロック７４を含む。ブロック７４に示されているプロセスは、装置の停止の検出の直後、又は上記検出から所定の持続時間の後を含む、装置の停止の検出後のいずれの時点で実行できるものの、いずれの場合においても、撮像デバイスは移動式装置の停止中に起動されることに留意されたい。上述のように、図４に示されているプロセス、及び図３、５～１２に示されているプロセスは、移動式消毒装置だけでなく、いずれのタイプの移動式装置のために使用できる。

図３に戻ると、この図に示されているフローチャートは更に、エリア／部屋内の消毒プロセスを開始及び実行するために、位置決めされた移動式消毒装置を起動するステップを指すブロック５４を含む。一部のケースにおいては、ブロック５４に示されている、位置決めされた移動式消毒装置の起動は、移動式消毒装置のユーザによって、特に移動式消毒装置と電気通信するユーザインタフェースを介して（例えば図２を参照して説明された統合型ユーザインタフェース２０又は分離型ユーザインタフェース２２を介して）実施できる。更に他のケースにおいては、消毒プロセスを開始及び実行するための、位置決めされた移動式消毒装置の起動は、移動式消毒装置のコントローラによって、具体的には、これを実施するために上記コントローラが受信する１つ以上の信号に応答して、プログラム命令によって実行できる。このような目的のためのプログラム命令の例としては、限定するものではないが、図５～９、１１、１２を参照して以下で更に詳細に説明されるものが挙げられる。

いずれにせよ、消毒プロセスを開始及び実行するための移動式消毒装置の起動は、上記装置の殺菌源がこれと同時に又はこの直後に自動的に起動されることを必ずしも意味しておらず、一部のケースにおいては、消毒プロセスのために装置の殺菌源を起動するには、更なる通知が必要である場合がある。例えば一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、消毒プロセスの開始及び実行のために移動式消毒装置が起動されたことの通知の受信から所定の時間だけ後に、上記装置の殺菌源を起動して殺菌剤を生成及び発射するための、プログラム命令を含んでよい。あるいは移動式消毒装置は、一部のケースにおいては、１つ以上のプロセスステップ及び／又は準備の完了の通知を受信した後に、上記装置の殺菌源を起動して殺菌剤を生成及び発射するための、プログラム命令を含んでよい。より具体的には、移動式消毒装置は一部のケースにおいては、消毒プロセスの開始及び実行のために装置が起動されたことの通知の受信後、かつこれに続く、１つ以上のプロセスステップ及び／又は準備の完了の通知の受信後に、その殺菌源を起動するための、プログラム命令を含んでよい。これにより、殺菌源を起動して殺菌剤を生成及び発射する前に、１つ以上のプロセスステップ及び／又は準備が実行されることを保証できる。他のケースにおいては、位置決めされた移動式消毒装置を起動して消毒プロセスを開始及び実行する前に、１つ以上のプロセスステップ及び／又は準備を実行してよい。

実際には、消毒プロセスのための殺菌源の起動前に実施されるべきプロセスステップ及び／又は準備を実行するタイミングは、ブロック５０で言及されている移動式消毒装置を位置決めするプロセスの前、間、及び／又は後のいずれの時点であってよい。図３は、このような多様な選択肢を、点線６０、６２、６３で示す。特に、点線６０は、ブロック６４、６６、６８を参照して説明されたプロセスを含むがこれらに限定されないいずれのプロセスステップ及び／又は準備を、ブロック５０を参照して説明された位置決めプロセスの前に実行できることを示す。更に点線６２、６３は、ブロック６４、６６、６８を参照して説明されたプロセスを含むがこれらに限定されないいずれのプロセスステップ及び／又は準備を、ブロック５４を参照して説明された、位置決めされた移動式消毒装置を起動して消毒プロセスを開始及び実行するプロセスの、それぞれ前又は後に実行できることを示す。点線６２、６３は双方向矢印線であり、これは、限定するものではないがブロック６４、６６、６８を参照して説明されたプロセス等のプロセスステップ及び／又は準備を、ブロック５４を参照して説明されたプロセスの前又は後に実施した後、フローチャート内のこのポイントに戻ることができることを示していることに留意されたい。更に、これらのプロセスステップ及び／又は準備を全て同時に、又は全てブロック５０若しくは５４の前若しくは後に、実施する必要はないことに留意されたい。特に、プロセスステップ及び／又は準備のうちいずれの個数を、点線６０、６２、６３で示されているタイミングのうちのいずれにおいて実施してよい。一般に、図３の点線は、プロセスステップの順序、又はプロセスステップをフローチャートに組み込むポイントの、可能なバリエーションを示す。

いずれにせよ、消毒プロセスのための殺菌源の起動前に実施できるプロセスステップ及び／又は準備は、移動式消毒装置及び／又は消毒プロセスが実行されるエリア／部屋の構成に応じて、多様なアクションを含むことができる。例えば一部のケースにおいては、上記プロセスステップ及び／又は準備は、移動式消毒装置及び／又は上記装置が配設されるエリア／部屋を、消毒プロセスを確実なものとするために準備するための、タスクのチェックリストを含んでよい。更に、又はあるいは、上記プロセスステップ及び／又は準備は、例えば移動式消毒装置の動作にとって必要な場合に、移動式消毒装置の動作が個人に害を及ぼさないことを保証するための、１つ以上の安全対策を含んでよい。特に移動式消毒装置は、一部のケースにおいては、人間の健康に有害な殺菌剤をその雰囲気へと発射するよう構成されている場合があるため、消毒プロセス中に個人が上記殺菌剤に曝露されないことを保証するために、安全対策を取る必要がある場合がある。例えば上記プロセスステップ及び／又は準備は、一部のケースにおいては、移動式消毒装置が配設されたエリア／部屋が、その殺菌源の起動前には占有されていないことを保証するための、１つ以上の安全対策を含んでよい。他のケースにおいては、１つ以上の安全対策は、エリア／部屋の占有物を有害な殺菌剤への曝露から保護するために、シールドが設置されていることを保証することを含んでよい。このような場合、上記シールドは移動式消毒装置に取り付けられていてよく、及び／又は上記装置とは別個のものであってよい。いずれにせよ、人間の健康にとって有害であると考えられる殺菌剤の例としては、限定するものではないが、紫外光、及び液体、ガス、又はミストの形態の腐食性化学物質が挙げられる。

消毒プロセスが実行される前にエリア／部屋が占有されていないことを保証するための安全対策の一例としては、限定するものではないが、個人が上記エリア／部屋から退出できるようにするための、消毒プロセスを開始及び実行するために移動式消毒装置を起動した後の所定の遅延が挙げられる。更に、又はあるいは、移動式消毒装置の１つ以上の占有センサを、その殺菌源の起動前に起動することにより、エリア／部屋が占有されているかどうかを判断できる。このような対策、並びに消毒プロセスのために移動式消毒装置の殺菌源を起動する前に実施してよい他のタスク及び／又は安全対策に関する更なる詳細を、図３のブロック６４、６６、６８、及び図５のブロック７６を参照して説明する。しかしながら、消毒プロセスのために、及び／又は消毒プロセスのためにエリア／部屋が占有されていないことを保証するために、移動式消毒装置及び／又はエリア／部屋を準備するための、追加の及び／又は別のタスクを実施してもよいことに留意されたい。

いずれにせよ、移動式消毒装置の殺菌源の起動前に実行されるプロセスステップ及び／又は準備は、一部のケースにおいては、上記装置のユーザによって実施されてよい。更に、又はあるいは、移動式消毒装置は、上記プロセスステップ及び／又は準備を実施するように構成されていてよい（即ち移動式消毒装置は、上記プロセスステップ及び／又は準備を実行するための手段を備えるように構成されていてよく、また上記手段を起動するためのプログラム命令を更に含んでよい）。いずれにせよ、上記プロセスステップ及び／又は準備は、同時に、又は互いに連続して実行されなくてもよい。更に、上記プロセスステップ及び／又は準備が完了したことの通知は、移動式消毒装置のユーザが起動してもよく、及び／又は移動式消毒装置がこのような通知を起動するためのプログラム命令を含んでいてもよい。

図３のブロック６４に示されているように、エリア／部屋内で消毒プロセスを実施する準備をするために、移動式消毒装置の電源プラグをエリア／部屋の電源ソケットに挿し込んでよい。しかしながら一部の構成では、移動式消毒装置は消毒プロセスのための電源としてバッテリを含んでよく、従って一部のケースにおいては、ブロック６４は図３で概説されている方法から省略できる。図３のブロック６６に示されているように、一部のケースにおいては、消毒プロセス中のエリア／部屋へのアクセスが抑止されるように、エリア／部屋への１つ以上の入口は、中で消毒プロセスを実施する前に閉鎖されていてよい。このようなプロセスは、人間がエリア／部屋に入るのを抑止するよう、１つ以上の入口の外側又はその付近に警告標識を配置するステップを含んでよいが、これに限定されない。更に、又はあるいは、上記プロセスは、１つ以上の入口を遮断又はロックするステップを含んでよい。一部のケースにおいては、エリア／部屋内で消毒プロセスを実施する準備をするために、ドア移動センサを入口に、入口の付近に、及び／又は（例えば入口の内側若しくは外側において）入口に並べて配置してよい。このような場合、上記ドア移動センサは、上記入口への閉鎖されたドアが消毒プロセス中に動いたときに信号を送信するために、移動式消毒装置に通信可能に結合されていてよい。更に移動式消毒装置は、上記ドア移動センサから上記信号を受信したときにその殺菌源を停止状態にするためのプログラム命令を含んでよい。他のケースでは、エリア／部屋の１つ以上の入口は、中で消毒プロセスを実施する前に閉鎖されなくてもよく、従っていくつかの実施形態では、ブロック６６は図３で概説されている方法から省略できる。

一部のケースにおいては、図３のブロック６８に示されているように、中で消毒プロセスを実施する前にエリア／部屋から全ての人間及び動物を退出させてよい。一部のケースにおいては、ブロック６８で言及されているプロセスは、人間によって、特に人間が、部屋から自身が退出する前に部屋を走査することによって、実施できる。一部のケースにおいては、人間は、部屋から自身が退出する前に、上記エリア／部屋の内部にある部屋（例えば病室のトイレ）をチェックして、その後の消毒プロセスの間に上記エリア／部屋に入る可能性がある人間及び動物がいないことを確認してよい。更に、又はあるいは、人間がエリア／部屋内の占有センサを起動してから部屋を退出してもよい。更に他のケースにおいては、図５を参照して以下で更に詳細に説明されるように、移動式消毒装置は、占有センサを自動的に起動するようにプログラムされていてよい。このようなケースのいずれにおいても、移動式消毒装置は占有センサに結合されており、また占有センサが占有を検出したときに殺菌源の起動を阻止又は終了するためのプログラム命令を含む。しかしながら一部のケースにおいては、移動式消毒装置が消毒プロセスを実施するためにエリア／部屋が空である必要はなく、従ってそれ以前にエリア／部屋から退出する必要はない場合もある。従っていくつかの実施形態では、ブロック６８は図３で図示及び説明されている方法から省略できる。このようないくつかのケースにおいて、後で移動式消毒装置が動作している間に、エリア／部屋の占有者を有害な殺菌剤への曝露から保護するために、エリア／部屋内にシールドを位置決めしてよい。更に他のケースにおいては、個人を消毒装置の動作から保護する必要はない場合があり、従ってこのようなシールドを位置決めするプロセスは省略される場合がある。

占有センサの起動に関して移動式消毒装置が含むことができる例示的なプログラム命令のセット、及び移動式消毒装置の殺菌源の動作に対するその効果が、図５に示されている。特に図５に示されているフローチャートは、移動式消毒装置の占有センサを起動するためのブロック７６を含む。一部のケースにおいては、占有センサの起動は、占有センサ自体における、起動された入力制御に応答したものとすることができる。あるいは、占有センサの起動は、占有センサの起動のために特に指定された消毒装置のユーザインタフェースにおける、起動された入力制御に応答したものとすることができる。更に他のケースにおいては、占有センサの起動は、消毒装置を起動して消毒プロセスを開始及び実行するために指定された消毒装置のユーザインタフェースにおける、起動された入力制御に応答したものとすることができる。他のケースにおいては、占有センサは、限定するものではないが撮像デバイスといった、移動式装置の他の部品のアクティビティに応答して起動できる。いずれにせよ、移動式装置の占有センサ及び／又はコントローラは、そのための信号を受信した直後、又は所定の持続時間だけ後を含む、上記受信後のいずれの時点で、占有センサを起動するよう構成されていてよい。

図５においてブロック７８によって更に示されているように、移動式消毒装置は、移動式消毒装置が配設されるエリア／部屋内で、占有センサが所定の時間量にわたって占有を検出しない場合に、消毒装置の殺菌源を起動するための、プログラム命令を含んでよい。上記所定の時間量は、異なる用途に対して変動し得る。占有を検出しないことに関する所定の時間量の例示的な範囲は、およそ３０秒～およそ３分であってよいが、これより短い又は長いタイムフレームも考えることができる。いずれにせよ、図５のブロック７９によって示されているように、移動式消毒装置は、占有センサが占有を検出したときに殺菌源の起動を阻止又は終了するためのプログラム命令を含んでよい。より具体的には、移動式消毒装置は、ブロック７８における殺菌源の起動の前に占有センサが占有を検出したときに、殺菌源の起動を阻止するためのプログラム命令を含んでよい。更に移動式消毒装置は、ブロック７８の殺菌源の起動の後で占有センサが占有を検出したときに、殺菌源の起動を終了するためのプログラム命令を含んでよい。いずれの場合についても、移動式消毒装置は、殺菌源の起動を阻止又は終了したことを伝達するために、消毒装置の分離型ユーザインタフェースに通知を送信するための、プログラム命令を含んでよい。一部のケースにおいては、移動式消毒装置の殺菌源は、ブロック７９で殺菌源の起動を阻止又は終了した後、所定の時間量にわたって占有センサが占有を検出しなかった場合に、再起動できる。

移動式消毒装置を占有センサと併用するかどうかにかかわらず、移動式消毒装置は、上記装置のユーザインタフェースからの信号の受信時、及び／又は消毒プロセスの完了時に、その殺菌源を終了するためのプログラム命令を含んでよい。特に移動式消毒装置は、（上記装置に統合された、及び／又は上記装置から分離された）ユーザインタフェースから、その入力制御が、殺菌源の動作を終了するために起動されたことを示す信号を受信したときに、その殺菌源の動作を終了するためのプログラム命令を含んでよい。更に、又はあるいは、移動式消毒装置は、消毒プロセスが完了したことを示す信号の受信時に、その殺菌源を終了するためのプログラム命令を含んでよい。

消毒プロセスが完了したことを示す信号は、装置内のタイマー、装置内のナビゲーションセンサ、又は装置に通信可能に結合された殺菌剤適用量センサからのものであってよい。特に一部のケースにおいては、消毒プロセスは事前に設定された持続時間にわたって実行されてよく、従って一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、上記装置の殺菌源が起動されたときに始動するタイマーを含んでよい。移動式消毒装置は更に、事前に設定された上記持続時間の終点において、殺菌源の動作を終了するための信号を送信するよう構成される。更に、又はあるいは、移動式消毒装置が消毒プロセス中に所定の経路をたどるようにプログラムされているシナリオでは、上記移動式装置のナビゲーションセンサが、上記経路の終点において、消毒プロセスの完了を示す信号を送信してよい。更に他のケースにおいては、殺菌剤適用量センサが移動式消毒装置に通信可能に結合されていてよく、この適用量センサは、所定のレベルの殺菌剤が投与されたと判断されたときに、上記装置の殺菌源の動作を終了するための信号を送信してよい。このような場合、殺菌剤適用量センサは移動式消毒装置に統合されていてもよく、又は上記装置が配設されているエリア／部屋内に、上記装置から分離されて配置されていてもよい。

タイマーから信号を受信したときに殺菌源の動作を終了するためのプログラム命令を有する移動式装置は、上記移動式装置に通信可能に結合された殺菌剤適用量センサから信号を受信したときに殺菌源の動作を終了するためのプログラム命令を有する移動式装置と、互いに排他的ではないことに留意されたい。特に移動式消毒装置は、これら両方のためのプログラム命令を含んでよく、従って、タイマー又は殺菌剤適用量センサから信号を受信したときに、その殺菌源の動作を終了するよう構成されていてよい。より具体的には、移動式消毒装置は、所定の持続時間より前に所定のレベルの殺菌剤が検出されない場合に、上記所定の持続時間後にその殺菌源の動作を終了するための、プログラム命令を含んでよい。

図３に戻ると、ブロック５６に示されているように、図３で概説されている方法は、一部のケースにおいては、移動式消毒装置を、別の指定視覚的マーカーが上記移動式消毒装置の撮像デバイスの視野内となるように、再位置決めするステップを含んでよい。一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、上記装置の殺菌源の動作が終了した後に、及び／又はブロック５４で言及されている消毒プロセスが完了したという信号を上記装置が受信した後に、再位置決めしてよい。これにより、移動式消毒装置を、殺菌源が停止状態となっている間に再位置決めでき、これは手動で、ユーザ入力制御によって、又は自動で、行うことができる。このようなシナリオにおいて、ブロック５４に関連して実行される消毒プロセスは、固定された場所（即ち、ブロック５０に関連して検出された指定視覚的マーカーに関連付けられた場所）で実行されてよく、又は上記プロセス中に移動して、上記消毒プロセスが開始される場所と同一の若しくは異なるスポットに行き着く、上記装置を含むことができることに留意されたい。

更に他のケースにおいては、図３のブロック５６に関連する、移動式消毒装置を再位置決めする方法は、上記装置の殺菌源が殺菌剤を生成及び放出している間に実行されてもよい。このようなケースでは、移動式消毒装置を、消毒プロセス中の概ねいかなる時点において再位置決めしてよいが、一部のケースにおいては、移動式消毒装置を特に、上記消毒プロセスの特定の動作設定点が満たされた後で、再位置決めしてよい。例えば一部のケースにおいては、移動式消毒装置を特に、所定の時間量の経過後に、及び／又はある特定の場所である累積殺菌剤適用量が測定された後で、再位置決めしてよい。特にいくつかの消毒プロセスに関して、移動式消毒装置を、１つのエリア／部屋の中の又は複数のエリア／部屋にわたる複数の場所で（即ち殺菌源が殺菌剤を生成及び放出するために動作している間に）、移動及び停止させることにより、消毒プロセスを上記複数の場所それぞれに集中させることができる。このようなケースの一部では、移動式消毒装置は、各場所においてある特定の時間量（例えば同一の時間量、又は場所ごとに異なる時間量）にわたって消毒プロセスを実行するように、プログラムされていてよく、従って一部のケースにおいては、移動式消毒装置を特に所定の時間量の経過後に再位置決めしてよい。更に、又はあるいは、移動式消毒プロセスは、各場所においてある特定の量の殺菌剤適用量が測定されるまで、消毒プロセスを実行するようにプログラムされていてよく、従って一部のケースにおいては、移動式消毒装置を特に、ある累積殺菌剤適用量が測定された後に再位置決めしてよい。

一部のケースにおいては、ブロック５６で言及されている上記別の指定視覚的マーカーは、ブロック５０で言及されている所定のエリア／部屋とは異なる所定のエリア／部屋内に配置されていてよい。換言すれば、ブロック５６で言及されているプロセスは、移動式消毒装置を異なるエリア／部屋に移動させるステップを指すことができる。更に他のケースにおいては、ブロック５６で言及されている上記別の指定視覚的マーカーは、ブロック５０で言及されている所定のエリア／部屋と同一の所定のエリア／部屋に配置されていてよい。換言すれば、ブロック５６で言及されているプロセスは、移動式消毒装置を、それが配設されているエリア／部屋内の異なる場所へと、該エリア／部屋内の別の指定視覚的マーカーが上記移動式消毒装置の撮像デバイスの視野内となるように、移動させるステップを指すことができる。

上述のシナリオのうちの後者は、およそ１００ｆｔ^２を超えるフットプリントを有するエリア／部屋といった比較的大きなエリア／部屋に特に好適となり得る。特に、（例えば、移動式消毒装置が有効量の殺菌剤を分散させるよう構成されている距離に応じて）ある特定の殺菌の効能をエリア／部屋全体で得ることができるように、比較的大きなエリア／部屋内の複数の位置で移動式消毒装置を動作させることが望ましい場合がある。更に、又はあるいは、エリア／部屋のサイズにかかわらず、エリア／部屋内の対象物の異なる複数の側面を消毒するために、移動式消毒装置をエリア／部屋内の複数の位置で動作させると有利となり得る。例えば、移動式消毒装置を、患者のベッドの対向する側面、又は製薬研究室の（限定するものではないが、検査台、バット、充填ステーション等といった）機械若しくは設備の対向する側面において動作させることが望ましい場合がある。同様の利点を、移動式装置の動作が、上記移動式装置が配設されている雰囲気に影響を及ぼす、又は上記雰囲気によって影響されるものであれば、他のタイプの移動式装置（即ち消毒装置ではない移動式装置）についても実現できることに留意されたい。従って上述のように、図３に記載されている方法は、移動式消毒装置以外の移動式装置に適用可能とすることができる。

一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、上記装置のユーザに、上記装置を異なる場所に（例えば、ブロック５０で言及されているように、異なるエリア／部屋内のある場所に、又は同一のエリア／部屋内の異なる場所に）移動させることを通知するためのプログラム命令を含んでよい。この通知は、（その分離型ユーザインタフェースを含む）移動式消毒装置上の、視覚又は聴覚的インジケータのうちのいずれの１つ以上を介して送信できる。一部のケースにおいては、送信される通知は、ユーザが装置を移動させるための具体的な場所及び／又は具体的な視覚的マーカーを、通信できる。あるいは上記通知は、後続の消毒プロセスのために上記装置を移動させることを単に明示することもできる。このようなシナリオのうちの後者では、ユーザは、装置を移動させるべき適切な場所及び／又は視覚的マーカーを把握するために訓練されていてよいが、本明細書に記載の方法は必ずしもそのように限定されない。更に他のケースにおいては、移動式消毒装置は、それ自体をある特定の場所に自動的に移動させるよう、構成及びプログラムされていてよい。いずれにせよ、移動式消毒装置の移動は、ある別の視覚的マーカーが上記装置の撮像デバイスの視野内となり、このような移動を誘発するためのユーザ又は上記移動式消毒装置の１つ以上のアクションとしては、一般に、図３のブロック５０に関して上述されているものが挙げられる。

一部のケースにおいては、ブロック５６とブロック５２との間の、図３の点線５８によって示されているように、上記別の指定視覚的マーカーが、移動式消毒装置の撮像デバイスの視野内であることの通知を受信できる。更に他のケースにおいては、このような通知は受信されなくてもよく、従ってブロック５６から延びる上記点線は省略される場合がある。あるいは、ある消毒プロセスの完了後に移動式消毒装置を移動させる場合、上記移動式消毒装置は、別の消毒プロセスの開始及び実行のために再起動できるため、ブロック５６から延びる上記点線は、代わりにブロック５４へとルーティングされてもよい。いずれにせよ、それぞれブロック５０、５２、５４を参照して上述されている位置決めプロセス、通知プロセス、及び起動プロセスに関するプロトコル及びオプションは、ブロック５６を参照して説明された移動式消毒装置の再位置決め、並びに移動式消毒装置の再位置決め後に実行される場合がある通知及び再起動プロセスに、二重に適用できる。更に、ある消毒プロセスの完了後に移動式消毒装置を移動させる場合、１つ以上の他のプロセスステップ及び／又は準備（例えば限定するものではないが、図３のブロック６４、６６、及び６８、又は図５のブロック７６を参照して説明された、タスク及び／又は安全対策）を、上記移動式消毒装置の再位置決めの後、かつエリア／部屋内で別の消毒プロセスを開始及び実行するための上記移動式消毒装置の再起動の前に、実行してよい。

一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、上記装置が再位置決めされる場所が、上記装置が過去に配設されていた場所と異なるかどうかを判断するための、プログラム命令を含んでよい。より具体的には、移動式消毒装置は、上記移動式消毒装置の撮像デバイスの視野内の視覚的マーカーが、移動式消毒装置の位置の決定又は確認に過去に使用された視覚的マーカーと異なるかどうかを判断するための、プログラム命令を含んでよい。このような判断のための一連のプログラム命令の例を、図６を参照して以下で更に詳細に記載する。特に、図６のブロック８０に示されているように、移動式消毒装置は、上記装置の撮像デバイスによって取得された画像を分析するためのプログラム命令を含んでよい。上述のように、このようなプロセスは：上記画像を画像のデータベースと比較するステップ；上記画像を、撮像デバイスが撮影した１つ以上の過去の画像と比較するステップ；上記画像内の視覚的に識別可能なマークのサイズ、形状、輪郭、明瞭度、及び／若しくは配置を分析するステップ；並びに／又は上記画像をデコードするステップを含むがこれらに限定されない、多数の形態を取ることができる。

いずれにせよ、第１の視覚的マーカーの場所（例えば上記装置によって消毒サイクルが過去に実行された場所）から別の視覚的マーカーへと、ユーザが移動式消毒装置を移動させる、又は移動式消毒装置がそれ自体を移動させるシナリオの文脈において、ブロック８０のプロセスは、撮像デバイスによって取得された別の画像を分析するステップを指すことができる。このようなケースに関して、図６のブロック８２によって示されているように、移動式消毒装置は、上記画像の視覚的マーカーが、上記装置の撮像デバイスによって過去に取得された画像の視覚的マーカーと異なるかどうかを判断するための、プログラム命令を含んでよい。一部のケースにおいては、ブロック８２に示されているプロセスは、上記視覚的マーカーが、上記装置の撮像デバイスによって取得された最新の画像の視覚的マーカーと異なるかどうか（即ち、上記最新の画像が、ブロック８０に関連して分析されている新たに取得された画像に対して最も過去のものである、撮像デバイスによって取得された画像であること）を判断するステップを対象としていてよい。いずれにせよ、当業者であれば、ブロック８２に示されているプロセスを変更して、これらの画像が同一であるかどうかを判断でき、その結果として、それに基づく特定のアクションの実行を、図６の描写から元に戻すことができることを理解するであろうことに留意されたい。

いずれにせよ、図６のブロック８２に示されているプロセスは、上記２つの視覚的マーカーの１つ以上の特徴を比較するステップ、上記２つの視覚的マーカーに割り当てられた指定を比較するステップ、及び／又は上記２つの視覚的マーカーからデコードされた情報を比較するステップを含んでよい。特に、移動式消毒装置の撮像デバイスによって取得された画像、及び／又は上記画像内の視覚的マーカーに関する情報は、一部のケースにおいては、上記装置のメモリに、又は上記装置がアクセスできるデータベースに、保存できる。従って移動式消毒装置は、新たに取得された画像内の視覚的マーカーの１つ以上の特徴（又は上記視覚的マーカーの全体）を、過去の画像の視覚的マーカーのものと比較することにより、これらの画像内のこれらの視覚的マーカーが同一であるか異なっているかを判断するための、プログラム命令を含んでよい。更に、又はあるいは、移動式消毒装置の撮像デバイスによって取得された画像に、これらの画像が内包する視覚的マーカーに固有の記述子を割り当てることができ、これらの記述子を、上記装置のメモリに、又は上記装置がアクセスできるデータベースに、保存できる。これにより、異なる画像の記述子を比較することで、これらの画像内の視覚的マーカーが同一であるか異なっているかを判断できる。更に他のケースにおいては、移動式消毒装置の撮像デバイスによって取得された画像内の視覚的マーカーをデコードしてよく、これらから得られた情報を、上記装置のメモリ又は上記装置がアクセスできるデータベースに保存されている過去の画像の視覚的マーカーからデコードされた情報と比較できる。これにより、上記視覚的マーカーのデコードされた情報を比較することで、これらが同一であるか異なっているかを判断できる。

いずれにせよ、移動式消毒デバイスは、その撮像デバイスが取得した画像に関するいずれの情報（例えば画像自体、視覚的マーカーの記述子、及び／又はデコードされた情報）を、保存するようプログラムされていてよい。一部のケースにおいては、移動式消毒デバイスは、設定された時間量の後、移動式消毒デバイスが設定された回数の消毒サイクルを実施した後、及び／又は撮像デバイスが設定された数の画像を取得した後のように、何らかの閾値が満たされたときに、最も古い情報を自動的に削除するようプログラムされていてよい。これにより、画像に関して保存される情報の量を制御できる。保存される情報の量、又はブロック８２での判断が行われる様式にかかわらず、移動式消毒装置は、最新の画像内の視覚的マーカーが、これと比較される視覚的マーカーと同一であるか異なっているかに基づいて、特定のアクションを実行するためのプログラム命令を含んでよい。特に、図６のブロック８４に示されているように、移動式消毒装置は、最新の画像内の視覚的マーカーが、ブロック８２でこれと比較される視覚的マーカーと同一である場合に、消毒プロセスを実行するためのその殺菌源及び場合によっては上記装置の他の部品の動作を阻止又は終了するための、プログラム命令を含んでよい。更に、又はあるいは、移動式装置は、最新の画像内の視覚的マーカーが、ブロック８２に関連してこれと比較される視覚的マーカーと同一である場合に、上記装置が適切に位置決めされたことを示す通知を上記装置の情報伝達デバイスに送信するための、プログラム命令を含んでよい。

同様に、図６のブロック８６に示されているように、移動式消毒装置は一部のケースにおいて、最新の画像内の視覚的マーカーが、ブロック８２に関連してこれと比較される視覚的マーカーと異なる場合に、消毒プロセスを実行又は継続できることを示す通知を上記装置の情報伝達デバイスに送信するための、プログラム命令を含んでよい。しかしながら一部のケースにおいては、このような通知が送信されない場合もあり、従ってブロック８６は図６から省略してもよい。図３のブロック５６を参照して上述されているように、移動式消毒装置は、別の指定視覚的マーカーが上記装置の撮像デバイスの視野内となるように再位置決めされた後に、上記装置を自動的に起動して消毒プロセスを開始及び実行するための、プログラム命令を含んでよい。従って図６を参照すると、移動式消毒装置は一部のケースにおいて、上記最新の画像内の視覚的マーカーが、ブロック８２でこれと比較される視覚的マーカーと異なると判断されたときに、上記装置を自動的に起動して新たな消毒プロセスを開始及び実行するための、プログラム命令を含んでよい。一部のケースにおいては、限定するものではないが図３のブロック６４～６８又は図５のブロック７６に関して上述されているプロセスといった、１つ以上のプロセスステップ及び／又は準備は、（それが存在する場合は）ブロック８６で言及されている通知の送信の後、かつ移動式消毒装置を起動して上記新たな消毒プロセスを開始及び実行する前に、ユーザ又は移動式消毒装置によって実行され得る。いずれにせよ、移動式消毒装置は一部のケースにおいて、上記最新の画像内の視覚的マーカーが、ブロック８２でこれと比較される視覚的マーカーと異なると判断されたときに、別の視覚的マーカーが上記装置の撮像デバイスの視野内となるように上記装置が位置決めされたことを記録するための、プログラム命令を含んでよい。

上述のように、本明細書で提供される移動式装置及び方法は、視覚的マーカー検出システムを利用して、移動式装置が、エリア／部屋内の事前設定された場所、又はエリア／部屋内の構造物から事前設定された距離にある場所に、好適に位置決めされていることを決定及び／又は確認するよう、構成されていてよい。このような目的のための一連のプログラム命令の例が、図７に記載されている。一般に、図７で概説されているプロセスを、本明細書に記載のプロセスのいずれと共に使用する、又は本明細書に記載のプロセスに組み込むことができ、その例としては、限定するものではないが：図３のブロック５２、５４を参照して説明されているプロセスの間；図６のブロック８２を参照して説明されているように、視覚的マーカーが、移動式装置の画像検出デバイスによって取得された過去の画像の視覚的マーカーと異なることを確認した後；図８のブロック１０６（又はブロック１２２）とブロック１０８とを参照して説明されるプロセスの間；図９のブロック１３０と図１０のブロック１５０とを参照して説明されるプロセスの前；図１１のブロック１６０とブロック１６２とを参照して説明されるプロセスの間；並びに図１２のブロック１７０とブロック１７２とを参照して説明されるプロセスの間が挙げられる。

図７は、取得された画像内の視覚的マーカーの実際の配置と、上記画像における上記視覚的マーカーの目標配置との間の寸法的ばらつきの量が決定されるブロック９０を含む、フローチャートを示す。このようなプロセスは、撮像デバイスが上記視覚的マーカーを検出したときに自動的に実行されてよく、又は上記装置に通信可能に結合されたユーザインタフェース上での入力制御から信号を受信したときに実行されてもよい。より具体的には、このようなケースのうちの後者では、上記装置に通信可能に結合されたユーザインタフェースは、ブロック９０のプロセスを実行するべき時、又はブロック９０のプロセスを実行するかどうかを、上記装置のユーザが選択できるようにする、入力制御を含んでよい。一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、ブロック９０のプロセスが実行されない場合に、及び一部のケースにおいては、決定された上記寸法的ばらつきが所定の閾値以下となるまで（このプロセスについては図７のブロック９２を参照して以下で更に詳細に説明される）、その殺菌源の起動を阻止するよう、プログラムされていてよい。しかしながら他のケースでは、ブロック９０のプロセスは、移動式消毒装置が消毒プロセスを実施する前に必ずしも必要とされない。従って、ユーザインタフェース上での入力制御によってこのようなプロセスを誘発する選択は、任意のものであってよい。

いずれにせよ、画像内の視覚的マーカーの目標配置は、視覚的マーカー検出システムの仕様、及び／又は上記視覚的マーカーに関連付けられたエリア／部屋内の場所において実施されることになる消毒プロセスの仕様に応じて異なり得る。一部のケースにおいては、画像内の視覚的マーカーの目標配置は、上記画像の中心位置であってよいが、視覚的マーカーの目標配置を画像内の中心とすることに対する変化も考えることができる。例えば視覚的マーカーが、上記視覚的マーカーと中心が位置合わせされる移動式装置が配置されることになる位置にあり、これが消毒プロセスのためのエリア／部屋内の構造物にあまりに近接している場合、上記視覚的マーカーの目標配置を画像の中心から外すことが有利となり得る。

図７のブロック９２に示されているように、移動式消毒装置は、ブロック９０で決定されたばらつきが所定の閾値に等しい又はそれより小さいかどうかを判断するためのプログラム命令を含んでよい。より具体的には、移動式消毒装置は、ブロック９０で決定されたばらつきを所定の閾値と比較してから、上記ばらつきが上記所定の閾値より小さいか、上記所定の閾値と等しいか、又は上記所定の閾値より大きいかに応じて特定のアクションを実行するための、プログラム命令を含んでよい。一般に、上記所定の閾値は、特に装置がエリア／部屋内の特定の場所に好適に位置決めされていることを確認するために必要な精度に応じて、用途ごとに異なっていてよい。移動式消毒装置に関する所定の閾値の例示的な範囲は、およそ１インチ～およそ２４インチであってよいが、これより小さな又は大きな閾値も考えられる。いずれにせよ、ブロック９２に示されている、上記寸法的ばらつきが所定の閾値に等しい又はそれより小さいかどうかを判断するプロセスは、上記寸法的ばらつきが所定の閾値に等しい又はそれより大きいかどうかを判断するように変更でき、これに基づく特定のアクションの実行を、図７に示されているものから逆にすることができることが、当業者には理解されることに留意されたい。更に、いずれのシナリオにおいても、「…に等しい（ｅｑｕａｌｔｏ）」を含めないようにすることもできることが、当業者には理解されることに留意されたい。

図７のブロック９４に示されているように、移動式消毒装置は一部のケースにおいて、寸法的ばらつきの量が所定の閾値以下であると判断された後で、上記消毒装置が視覚的マーカーに対して適切に位置決めされていることを示すための通知を、上記装置に通信可能に結合された情報伝達デバイスに送信するための、プログラム命令を含んでよい。更に、又はあるいは、移動式装置は、寸法的ばらつきの量が所定の閾値以下であると判断されたときに、上記装置を自動的に起動して消毒プロセスを開始及び実行するための、プログラム命令を含んでよい。更に上記移動式消毒装置は一部のケースにおいて、寸法的ばらつきの量が所定の閾値以下であると判断されたときに、上記消毒装置が視覚的マーカーに対して適切に位置決めされていることを記録するための、プログラム命令を含んでよい。

同様に、図７のブロック９６に示されているように、移動式消毒装置は一部のケースにおいて、寸法的ばらつきの量が所定の閾値より大きいと判断した後で、上記消毒装置が視覚的マーカーに対して適切に位置決めされていないことを示すための通知を、上記装置に通信可能に結合された情報伝達デバイスに送信するための、プログラム命令を含んでよい。更に、又はあるいは、上記移動式装置は、寸法的ばらつきの量が所定の閾値より大きい場合に、消毒プロセスを実行するためのその殺菌源及び場合によっては上記装置の他の部品の動作を阻止又は終了するための、プログラム命令を含んでよい。更に移動式消毒装置は一部のケースにおいては、寸法的ばらつきの量が所定の閾値より大きいと判断したときに、上記装置が視覚的マーカーに対して適切に位置決めされていないことを記録するための、プログラム命令を含んでよい。

一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、図７のブロック９８に示されているように、寸法的ばらつきの量が所定の閾値より大きい場合に、上記消毒装置を移動させるための補正アクションを決定するための、プログラム命令を含んでよい。例えば移動式消毒装置は、上記装置を移動させる必要がある１つ以上の方向、及び上記装置を望ましい場所により好適に位置決めするための各方向における距離を決定するための、プログラム命令を含んでよい。一部のケースにおいては、上記補正アクションは、上記装置を望ましい場所に移動させるために十分な方向を含んでよい。しかしながら他のケースにおいては、このような正確さは必要ない場合があるため、上記補正アクションは、その後で撮像デバイスによって取得される第２の画像内の視覚的マーカーの配置と、上記第２の画像における上記視覚的マーカーの目標配置との間の寸法的ばらつきの量が所定の閾値以下となるように、上記装置を移動させるために十分な方向を含んでよい。

一部のケースにおいては、ブロック９８に関連して決定される補正アクションは、ブロック９６に関連して送信される通知に含まれていてよい。他のケースにおいては、補正アクションは、別の通知で又は別の様式で、上記装置の情報伝達デバイスに送信されてよい。このようなケースのいずれにおいても、情報伝達デバイスに送信される補正アクションにより、ユーザは指示された様式で上記移動式消毒装置を（手動で又はユーザ入力制御によって）移動させることができ、上記補正アクションは視覚的なもの、又は音声によるものであってよい。例えば一部のケースにおいては、補正アクションは、上記装置を移動させる方向及び距離を示す、移動式消毒装置の（例えばそのメインユニット上及び／又は分離型ユーザインタフェース上の）グラフィカルユーザインタフェース上のテキスト及び／又は記号であってよい。更に、又はあるいは、移動式消毒装置は、撮像デバイスが現在視認しているもの（例えば、視界のビデオディスプレイ、又は視界のコンピュータ生成表現）を表示するための視覚的ディスプレイを含んでよく、上記補正アクションは、上記装置をより望ましい場所に移動させるための、上記視覚的ディスプレイ上の印を含んでよい。例えば上記視覚的ディスプレイは、上記移動式消毒装置の外周を表現するための１つ以上の線と、上記移動式消毒装置のための望ましい場所を表現するための１つ以上の他の線とを含んでよい。このような場合、視覚的ディスプレイは、上記移動式消毒装置を表現する上記線と、上記望ましい場所を表現する上記線とを重ね合わせる命令を含んでよく、又は上記装置のユーザは、視覚的ディスプレイ上に命令がなくてもこれを実施するように訓練されていてよい。更に、又はあるいは、線を重ね合わせる上記命令は、音声によるものであってよい。移動式消毒装置をより望ましい場所に移動させる際にユーザを支援するために、他の（即ち線以外の）印を視覚的ディスプレイ上で使用してもよいことに留意されたい。

更に他の実施形態では、移動式消毒装置は、ブロック９８で決定された補正アクションに従って、それ自体を１つ以上の方向に、１つ以上の規定された距離だけ自動的に移動させるよう、構成されていてよい。特に移動式消毒装置は、ホイール、上記ホイールの移動を自動化するためのモータ、及び補正アクションの命令に従って上記モータを作動させるためのプログラム命令を含んでよい。ブロック９８で決定された補正アクションが実装される様式にかかわらず、移動式消毒装置は一部のケースにおいて、上記補正アクションが実装されたことを記録するプログラム命令を含んでよい。一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、図７においてブロック９８とブロック９４との間の点線９７によって示されているように、上記補正アクションの実装後に、上記消毒装置が視覚的マーカーに対して適切に位置決めされていることを示すための通知を、上記装置の情報伝達デバイスに送信するための、プログラム命令を含んでよい。あるいは、移動式消毒装置は一部のケースにおいて、図７においてブロック９８とブロック９０との間の点線９９によって示されているように、視覚的マーカーの新たな画像を取得した後、新たに取得された上記画像内の視覚的マーカーの配置と、新たに取得された上記画像内の視覚的マーカーの目標配置との間の寸法的ばらつきの量を決定するための、プログラム命令を含んでよい。更に他のケースにおいては、上記移動式消毒装置は、上述のようなプログラム命令のうちのいずれかを含まなくてもよい。一般に、図７に示されている点線は、ブロック９８を参照して説明されたプロセスに続いて実施され得る一連のアクションの可能なバリエーションを示す。

上述のように、本明細書で提供される移動式装置及び方法は、視覚的マーカー検出システムを利用して、視覚的マーカーが移動式消毒装置に関連付けられているかどうかを判断するよう、構成されていてよい。特に、１つのエリア／部屋、又は複数のエリア／部屋、又は施設全体が、複数の視覚的マーカーを含む場合があり、一部のケースにおいては、このような視覚的マーカーの全てではない一部が、上記エリア／部屋内での装置の配置及び／又は動作のために、移動式消毒装置に関連付けられる場合があることが企図される。従って、移動式消毒装置を、上記移動式消毒装置に関連付けられた視覚的マーカーに対して完璧に位置決めすることが有利となり得る。更に、本明細書で提供される移動式装置及び方法は、視覚的マーカー検出システムを利用して、移動式装置の動作に影響を及ぼすよう、特に上記移動式装置を動作させることができるとき及び／又は様式を制御するよう、構成されていてよい。このような目的のための一連のプログラム命令の例が、図８に記載されている。図８で概説されているプロセスステップのうちの１つ以上（全て、及び全てではない一部を含む）を採用してよく、また本明細書に記載の他のプロセスのうちのいずれと統合してよく、その例としては、限定するものではないが：図３のブロック５４を参照して説明されたプロセスの前；図６のブロック８６を参照して説明されたプロセスの後；図７のブロック９０及び図９のブロック１３０を参照して説明されたプロセスの前；図１０のブロック１５０を参照して説明されるプロセスの前又は後；並びに図１１のブロック１６２及び図１２のブロック１７２を参照して説明されるプロセスの前が挙げられる。

図８は、移動式消毒装置の撮像デバイスによって取得された画像を分析するためのプログラム命令を示すブロック１００を含むフローチャートを示す。このようなプロセスは上述のように：上記画像を画像のデータベースと比較するステップ；上記画像を、撮像デバイスが撮影した１つ以上の過去の画像と比較するステップ；上記画像内の視覚的に識別可能なマークのサイズ、形状、輪郭、明瞭度、及び／若しくは配置を分析するステップ；並びに／又は上記画像をデコードするステップを含むがこれらに限定されない、多数の形態を取ることができる。図８のブロック１０２に示されているように、ブロック１００に示されている分析プロセスは、上記画像が、移動式消毒装置に関連付けられた複数の視覚的マーカーのセットのうちの１つを含むかどうかの判断に役立つことができる。上述のように、本明細書中で使用される場合、「移動式装置に関連付けられた視覚的マーカー」は、視覚的マーカーであって、上記視覚的マーカー又はその分類を検出又は特定するための手段を有する移動式装置にリンクされた、視覚的マーカーを指す。更に、又はあるいは、「移動式装置に関連付けられた視覚的マーカー」は、視覚的マーカーであって、上記視覚的マーカーにリンクされた移動式装置を検出するための手段を有する、視覚的マーカーを指すことができる。

更に上述されているように、視覚的マーカー又は移動式装置の、互いを検出する、及び特に互いに関連付けられているかどうかを判断するための手段は、多数の形態を取ることができる。上記手段の例としては、限定するものではないが、視覚的マーカーの画像を分析するためのプログラム命令、移動式装置の撮像デバイス、並びに／又は視覚的マーカーと移動式装置とがそれぞれ無線信号レシーバ及びトランシーバ若しくはその逆を有すること、が挙げられる。従って、図８のブロック１００、１０２を参照して説明されているプログラム命令は、視覚的マーカーの画像の分析を対象としたものであるが、検出された視覚的マーカーが移動式消毒装置に関連付けられているかどうかを判断する他の様式を、図８に記載されている他のプロセスと併用してもよいことに留意されたい。

一部のケースにおいては、移動式装置に関連付けられた視覚的マーカーは、１つ以上の視覚的に識別可能なマークを含んでよい。上記１つ以上の視覚的に識別可能なマークとしては、限定するものではないが、文字（数字、アルファベット、及び／又は英数字）、幾何学形状、記号、絵画的画像、並びに直線バーコード及びマトリックスバーコード（例えばＱＲコード）が挙げられる。１つの移動式装置に関連付けられた視覚的マーカーが複数存在するケースでは、視覚的に識別可能なマークは、全ての視覚的マーカーで同一であってよく、又は上記視覚的マーカーのうちのいくつか若しくは全てで異なっていてもよい。いずれにせよ、図８のブロック１００に示されている、撮像デバイスによって取得された画像の分析は、一部のケースにおいては、上記画像内の１つ以上の視覚的に識別可能なマークのサイズ、形状、輪郭、明瞭度、及び／又は配置を分析するステップを含んでよく、図８のブロック１０２に示されているプロセスは、分析された１つ以上の上記マークが、移動式消毒装置に関連付けられた１つ以上の視覚的な印と一致するかどうかを判断するステップを含んでよい。

移動式消毒装置に関連付けられた１つ以上の視覚的マーカーそれぞれが、データが埋め込まれたマークを含む、更に他のケースでは、各上記視覚的マーカーは、それに埋め込まれた識別コードを含んでよい。このような場合、図８のブロック１００に示されている、撮像デバイスによって取得された画像の分析は、上記画像を、その識別コードを含むようにデコードするステップを含んでよく、図８のブロック１０２に示されているプロセスは、得られた上記識別コードが、移動式消毒装置に関連付けられた識別コードであるかどうかを判断するステップを含んでよい。１つの移動式装置に関連付けられた視覚的マーカーが複数存在するケースでは、識別コードは一部のケースにおいて、全ての視覚的マーカーで同一であってよい。他のケースでは、上記視覚的マーカーのうちのいくつか又は全てで識別コードが異なっていてもよい。特に、１つ以上の視覚的マーカーが個別化された識別コードを有し、これにより、図９、１０を参照して以下で更に詳細に説明されるように、上記コードを、各視覚的マーカーの場所に、又は各視覚的マーカーにおいて移動式消毒装置を動作させる各動作パラメータに、関連付けることができると有利となり得る。

図８のブロック１０４に示されているように、移動式消毒装置は一部のケースにおいては、ブロック１０２の判断が否定であった場合に、視覚的マーカーが移動式消毒装置に関連付けられていないことを示す通知を、上記装置に通信可能に結合された情報伝達デバイスに送信するための、プログラム命令を含んでよい。反対に図８のブロック１０６に示されているように、移動式消毒装置は一部のケースにおいては、ブロック１０２の判断が肯定であった場合に、視覚的マーカーが移動式消毒装置に関連付けられていることを示す通知を、上記装置に通信可能に結合された情報伝達デバイスに送信するための、プログラム命令を含んでよい。一般にこれらの通知は、移動式消毒装置に関連付けられたいずれの１つ以上の視覚又は聴覚的インジケータを介して送信できる。一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、視覚的マーカーが上記装置に関連付けられていることを示す通知を送信するためのプログラム命令を含まなくてよく、従って一部のケースにおいては、ブロック１０６は図８で概説されている方法から省略できる。このような場合、画像が上記装置に関連付けられた視覚的マーカーを含むと判断されたときに、限定するものではないが、図８のブロック１０８を参照して以下で更に詳細に説明されるような、上記装置の動作ロックを解除するステップ等の、移動式消毒装置の他のプログラム命令を起動してよい。

このような点に関して、本明細書で開示される移動式消毒装置及び方法は一部のケースにおいて、移動式消毒装置に動作ロックを施すためのプログラム命令を含んでよい。一部のケースにおいては、この動作ロックは、限定するものではないが、消毒プロセスを開始及び実行するための動作、並びに／又は上記装置の殺菌源を起動する動作といった、移動式消毒装置の特定の動作に対して選択的に適用できる。従って上記装置の動作全体が不可能とはならない場合がある。例えば、移動式消毒装置の自動的な移動、及び／又は上記装置の撮像システムの動作を、上記装置による消毒サイクルの起動を阻止しながら可能とすることが、有利となる場合がある。いくつかの実施形態では、上記動作ロックを、上記装置のユーザインタフェースの１つ以上の入力制御に対して施してよい。従って、上記１つ以上の入力制御の選択が、それに関連付けられた動作を誘発しなくなる。他のケースにおいては、上記動作ロックを、上記装置による１つ以上の特定のアクションに対して施してよい。更に他のケースにおいては、上記動作ロックを、上記装置による１つ以上の特定のアクションを誘発するためのプログラム命令の起動を阻止するために、中央演算処理装置に対して施してよい。

いずれにせよ、移動式消毒装置に動作ロックを施すためのプログラム命令は、上記消毒装置の用途に応じて、多様なシナリオに応答して起動させることができる。例えば移動式消毒装置に動作ロックを施すためのプログラム命令は、上記装置のユーザインタフェース上の入力制御から信号を受信したときに起動されてよい（即ち上記装置のユーザが、移動式消毒装置のロックを発生させてよい）。他のケースでは、移動式消毒装置に動作ロックを施すためのプログラム命令は、上記装置が実行する各消毒プロセスの完了後、例えば上記装置の殺菌源の終了後に、自動的に起動されてよい。更に他のケースにおいては、移動式消毒装置に動作ロックを施すためのプログラム命令は、上記装置が、限定するものではないが手術室、病室、集中治療室、熱傷治療室、クリーンルーム、病原体の発生に関連するエリア／部屋、又は感染症に罹患した人間が現在占有する若しくは過去に占有していたエリア／部屋といった、ある特定のエリア／部屋に入ったことを検出したときに、自動的に起動されてよい。特に、移動式消毒装置を、ある建造物のいくつかのエリア／部屋内で、その中で上記装置を起動して消毒プロセスを開始及び実行する前に、他のエリア／部屋と比較して確認する、及び／又は正確に位置決めすることが、比較的重要である場合があるため、一部のケースにおいては、移動式消毒装置が、特定のエリア／部屋に入ったときに上記装置を選択的にロックするためのプログラム命令を有することが有利となる場合がある。

いずれにせよ、移動式消毒装置が上記装置に動作ロックを施すためのプログラム命令を含む場合、上記装置は上記動作ロックを解除するためのプログラム命令を含む。一部のケースにおいては、動作ロックを解除するためのプログラム命令は、上記装置のユーザインタフェース上の入力制御から信号を受信したときに起動されてよい（即ち上記装置のユーザが、動作ロックの解除を発生させてよい）。他のケースでは、移動式消毒装置に対する動作ロックを解除するためのプログラム命令は、上記装置の別の部品から、上記装置に関するある特定の事態又は規定又は条件が満たされたことを示す信号を受信したときに、自動的に起動されてよい。例えば移動式消毒装置は、上記装置の撮像デバイスから、又は上記装置の中央演算処理装置から、上記装置の撮像デバイスが撮影した画像を分析した（即ち上記画像に関する情報を処理した）後で、１つ以上の信号を受信したときに、移動式消毒装置に対する動作ロックを解除するための、プログラム命令を含んでよい。

図８のブロック１０８に示されているように、移動式消毒装置に対する動作ロックは、上記装置が、上記装置が関連付けられている視覚的マーカーに対して位置決めされていることが判断された後、又はそのような通知を受信した後で、解除されてよい。このような規定は、上記装置が消毒プロセスの実行のためにエリア／部屋内の正しい場所に位置決めされていることを保証するために、有利となり得る。ただし、図８は移動式消毒装置に対する動作ロックの解除を含むような一連の例示的なプログラム命令を提供しているものの、このプロセスは、図８で概説されているプロセスと併用することに限定されない。例えば上記の代わりに、移動式消毒装置に対する動作ロックは、視覚的マーカーが撮像デバイスの視野内にあると決定された後、又はそのような通知を受信した後、例えば図３のブロック５０、５２を参照して説明されたプロセスのいずれかに応答して、解除されてもよい。他のケースでは、移動式消毒装置に対する動作ロックは、ある画像内の視覚的マーカーが、上記装置によって取得された過去の画像からの視覚的マーカーとは異なると決定された後、又はそのような通知を受信した後、例えば図６のブロック８２、８６のいずれかに応答して、又は図８のブロック１２２とブロック１０８とを接続する線によって示されているように、解除されてよい。更に他のケースにおいては、移動式消毒装置に対する動作ロックは、画像内の視覚的マーカーの、目標配置に対するばらつきの量が、所定の閾値に等しいか若しくは所定の閾値より小さい、若しくは図７のブロック９２、９４、９８を参照して説明されたように、このような変動量に影響を及ぼすために補正アクションが起動されていると決定された後、又はそのような通知を受信した後で、解除されてよい。このような規定は、上記装置が起動されて消毒プロセスを開始及び実行する前に、上記装置が視覚的マーカーに対して好適な位置に配置されていることを保証するために、有利となり得る。

以上の説明にもかかわらず、本明細書で開示される移動式消毒装置は、動作ロックを有しなくてもよい。従って一部のケースにおいては、ブロック１０８を図８から省略してよい。このような場合、移動式消毒装置の他のプログラム命令は、画像が上記装置に関連付けられた視覚的マーカーを含むことを決定した後で起動されてよく、これは例えば、限定するものではないが、図８のブロック１１２を参照して以下で更に詳細に説明されるように、消毒プロセスを開始及び実行するために上記装置の殺菌源及び他の部品を起動するステップである。ブロック１１２に示されているプログラム命令は、図３のブロック５４に関して上述されているプロセスのうちのいずれを実行するために考案されていてよく、これらのプロセスはブロック１１２のために参照されるが、簡潔にするために繰り返されない。画像が装置に関連付けられた視覚的マーカーを含むことを決定した後に起動してよい追加の又は代替的なプログラム命令としては、限定するものではないが、図７のブロック９０を参照して説明されたように、上記画像内の視覚的マーカーの、目標配置に対するばらつきの量が、所定の閾値に等しい又は所定の閾値より小さいかどうかを判断するものが挙げられる。画像が装置に関連付けられた視覚的マーカーを含むことを決定した後に起動してよい更に他のプログラム命令としては、図９のブロック１３０を参照して説明されるような場所で消毒プロセスを実行するための、上記移動式消毒装置の１つ以上の動作パラメータを決定するために、又は図１０のブロック１５０、１５２を参照して以下で更に詳細に説明されるような場所固有情報を決定及び伝達するために、上記視覚的マーカーを分析するものが挙げられる。

いずれにせよ、移動式消毒装置が消毒プロセスを開始及び実行するための１つ以上の入力制御を含む場合、上記装置は、図８のブロック１１０に示されているように、上記消毒装置の殺菌源及び他の部品を起動して消毒プロセスを開始及び実行するために上記１つ以上の入力制御がトリガされたことを示す１つ以上の信号を受信するための、プログラム命令を含むことになる。しかしながら、移動式消毒装置は上記に加えて又は上記の代わりに、上記装置の他の部品から１つ以上の信号を受信したときに、消毒プロセスを開始及び実行するために、上記消毒装置の殺菌源及び他の部品を起動するためのプログラム命令を含んでよいことに留意されたい。例えば移動式消毒装置は、上記装置の撮像デバイスが撮影した画像を上記装置が分析した（即ち上記画像に関する情報を処理した）後で、上記装置の撮像デバイスから、又は上記装置の中央演算処理装置から、１つ以上の信号を受信したときに、消毒プロセスを開始及び実行するために、上記消毒装置の殺菌源及び他の部品を起動するためのプログラム命令を含んでよい。一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、限定するものではないが例えば図３のブロック５０、５２、図６のブロック８２、８６、図７のブロック９２、９４、９８、及び図８のブロック１０２、１０６、１２２を参照して上述されているプロセスのうちのいずれかに応答して、ある特定の事態が検出されたとき、又はある特定の規定若しくは条件が満たされたことが決定されたときに、消毒プロセスを開始及び実行するために、上記消毒装置の殺菌源及び他の部品を起動するためのプログラム命令を含んでよい。

いずれにせよ、移動式消毒装置は、図８のブロック１１４に示されているように、消毒プロセスの完了後に、その殺菌源の動作を終了するためのプログラム命令を含んでよい。このようなプロセスに関して、消毒プロセスが完了したことを示す信号の受信時に移動式消毒装置の殺菌源を終了するためのプログラム命令に関して上述されている説明、特に、上記信号が上記装置のタイマー、上記装置に通信可能に結合された殺菌剤適用量センサ、又は上記装置のユーザインタフェースからのものであってよいという説明を参照する。上述のように、また図８のブロック１１６に示されているように、移動式消毒装置は一部のケースにおいて、上記装置によって実行される消毒プロセスの完了後に、移動式消毒装置のユーザインタフェース上の１つ以上の入力制御をロックするための、プログラム命令を含んでよい。しかしながら他のケースにおいては、ユーザインタフェース上の１つ以上の入力制御に対して動作ロックは必ずしも施されなくてよく、従って場合によってはブロック１１６を図８から省略してよい。

更に図３のブロック５６を参照して上述されているように、移動式消毒装置は一部のケースにおいて、上記装置が消毒プロセスを完了した後で、別の視覚的マーカーが上記装置の撮像デバイスの視野内となるように、再位置決めされてよい。更に、図６のブロック８４を参照して説明されたように、また図８のブロック１１８に示されているように、移動式消毒装置は、特に上記装置を再位置決めした後で、撮像デバイスによって取得された別の画像を分析するためのプログラム命令を含んでよい。このようなプロセスは上述のように：上記画像を画像のデータベースと比較するステップ；上記画像を、撮像デバイスが撮影した１つ以上の過去の画像と比較するステップ；上記画像内の視覚的に識別可能なマークのサイズ、形状、輪郭、明瞭度、及び／若しくは配置を分析するステップ；並びに／又は上記画像をデコードするステップを含むがこれらに限定されない、多数の形態を取ることができる。この画像分析に続いて、移動式装置は図８のブロック１２０に示されているように、上記画像が、上記装置に関連付けられた複数の視覚的マーカーの組のうちの１つを含むかどうかを判断するためのプログラム命令を実行してよい。これらのプログラム命令は、図８のブロック１０２に関して上述されているプロセスのうちのいずれを実行するために考案されていてよく、これらのプロセスはブロック１２０のために参照されるが、簡潔にするために繰り返されない。

図８に示されているように、ブロック１２０において、画像が、上記装置に関連付けられた視覚的マーカーを含まないと判断された場合、上記移動式消毒装置は、ブロック１０４に示されているそのプログラム命令、即ち、上記視覚的マーカーが上記装置に関連付けられていないことを示す通知を、上記装置に通信可能に結合された情報伝達デバイスに送信するためのプログラム命令へと、進むことができる。反対に、ブロック１２０において、画像が、上記装置に関連付けられた視覚的マーカーを含むと判断された場合、上記移動式消毒装置は、上記画像内の上記視覚的マーカーが、１つ前の画像の視覚的マーカーと異なるかどうかを判断するための、ブロック１２２に示されているプログラム命令へと、進むことができる。特に、移動式消毒装置が次の消毒プロセスのためにエリア／部屋内で好適に移動されているかどうかを判断することが、有利となり得る。ブロック１２２に示されているプログラム命令は、図６のブロック８２に関して上述されているプロセスのうちのいずれを実行するために考案されていてよく、これらのプロセスはブロック１２２のために参照されるが、簡潔にするために繰り返されない。更に、ブロック１２０、１２２に関連してプロセスが実行される順序を逆にしてもよいことに留意されたい。

上述のようなケースのいずれにおいて、図８に示されているように、移動式消毒装置は、ブロック１２２において、画像が、１つ前に取得された画像の視覚的マーカーと同一の視覚的マーカーを含むと判断された場合に、上記装置が消毒プロセスを実行するのを阻止するための、ブロック１２４に示されているプログラム命令を実行してよい。装置が消毒プロセスを実行するのを阻止するためのプログラム命令としては、消毒プロセスを開始及び実行するための上記装置のユーザインタフェースの１つ以上の入力制御に対する動作ロックを維持するステップを含むがこれに限定されない、図６のブロック８４（これはブロック１２４のために参照されるが、簡潔にするために繰り返されない）に関して上述されているプロセスのうちのいずれが挙げられる。ブロック１２２に示されているプログラム命令の実行に加えて、又はその代わりに、移動式消毒装置は、ブロック１２０において、画像が、上記装置に関連付けられた視覚的マーカーを含むと判断された場合に、図８のブロック１０６及び／若しくは１０８、並びに／又は図７のブロック９０～９８に示されているプログラム命令を実行してよい。更に他の実施形態では、移動式消毒装置は、ブロック１２２において、画像が、１つ前に取得された画像の視覚的マーカーと同一の視覚的マーカーを含むと判断された場合に、図８のブロック１０６及び／若しくは１０８、並びに／又は図７のブロック９０～９８に示されているプログラム命令を実行してよい。従って図８は、ブロック１２２において、画像が、１つ前に取得された画像の視覚的マーカーと異なる視覚的マーカーを含むと判断された後で、図８のブロック１０８に示されているプログラム命令が実行されるステップを示しているが、本明細書で開示される方法及び移動式消毒装置は、移動式消毒装置によって実行されるプログラム命令のこのような順序に必ずしも限定されない。

上述のように、本明細書では、視覚的マーカー検出システムを利用して移動式装置の動作に影響を及ぼす、特に上記移動式装置を動作させることができるとき及び／又は様式を制御する、移動式装置及び方法が提供される。このような目的のための例示的なプログラム命令のセットが図９に記載されている。特に図９は、移動式消毒装置の撮像デバイスによって取得された画像内の視覚的マーカーを分析することによって、消毒プロセスを実行するための上記消毒装置の１つ以上の動作パラメータ、一部のケースにおいては特に殺菌剤を生成する及び／又は分散させるためのパラメータを決定するためのプログラム命令を示すブロック１３０を含む、フローチャートを示す。更に図９は、決定された上記１つ以上の動作パラメータに従って消毒プロセスを実行するために、上記消毒装置の殺菌源及び他の部品を起動するためのプログラム命令を示すブロック１３６を含む、フローチャートを示す。このようなプロセスを参照すると、図９で概説されている方法は、ブロック１３６で言及されているプロセスの前又は後に、図３を参照して説明された、消毒サイクルのために移動式消毒装置を準備するためのプロセスステップ及び／又は準備のうちのいずれを含んでよいことに留意されたい。

図９のブロック１３２に示されているように、ブロック１３０に関連して視覚的マーカーを分析するプロセスは、一部のケースにおいては、消毒プロセスを実行するための上記消毒装置の１つ以上の動作パラメータを決定するために、上記視覚的マーカーをデコードするステップを含んでよい。他のケースにおいては、図９のブロック１３４に示されているように、ブロック１３０に関連して視覚的マーカーを分析するプロセスは、図８のブロック１００を参照して上述されている様式のいずれかで上記視覚的マーカーを特定し、多様な視覚的マーカーに関連付けられた動作パラメータのデータベースにアクセスして、特定された上記視覚的マーカーに関連付けられた１つ以上の動作パラメータを上記データベースから区別するステップを含んでよい。

いずれにせよ、図９のブロック１３０、１３６で言及されている上記１つ以上の動作パラメータは、消毒プロセスを実行するために上記移動式消毒装置の動作に影響を及ぼす、いずれのパラメータを含んでよい。例示的な動作パラメータとしては、限定するものではないが、上記装置の殺菌源の実行時間、上記装置を構成する１つ以上の部品の配向（限定するものではないが、例えば上記装置内での殺菌源の位置、及び／若しくは殺菌剤がランプである場合の上記装置内での反射器の配向）、殺菌源に関する殺菌剤適用パラメータ、並びに／又は殺菌源に供給される電力が挙げられる。殺菌源が例えばフラッシュランプ等のパルス型殺菌源を含む場合、上記殺菌源に関する殺菌剤適用パラメータは、パルス持続時間及び／又はパルス周波数を含んでよい。更に、殺菌源がフラッシュランプである実施形態では、このフラッシュランプに供給される電力を「パルス強度（ｐｕｌｓｅｉｎｔｅｎｓｉｔｙ）」又は「ランプの強度（ｉｎｔｅｎｓｉｔｙｏｆｔｈｅｌａｍｐ）」と呼ぶことができる。移動式消毒装置が、上記消毒装置の可動性を実現するためのホイール、上記ホイールの移動を自動化するためのモータ、及び消毒プロセス中に上記モータを起動するためのプログラム命令を含む場合、図９のブロック１３０、１３６で言及されている動作パラメータは一部のケースにおいては、上記に加えて、又は上記の代わりに、消毒プロセス中に上記消毒装置が移動する経路、及び／又は消毒プロセス中に上記消毒装置を移動させるための１つ以上の速度を含んでよい。

一部のケースにおいては、図９のブロック１３０で決定される１つ以上の動作パラメータは、移動式消毒装置のユーザインタフェースを介して中継でき、これによって上記装置のユーザは、この情報を利用して、上記装置のための動作パラメータを発動させることができる。他のケースにおいては、移動式消毒装置は、視覚的マーカーから決定された動作パラメータを自動的に発動させるための上記装置内の１つ以上の手段にコマンドを送信するための、プログラム命令を含んでよい。例えば一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、その殺菌源を、限定するものではないが上記装置のベースといった上記装置の他の部品に対して移動させるためのアクチュエータを含んでよい。このようなケースの一部では、移動式消毒装置は、視覚的マーカーを分析して消毒プロセスのための殺菌源の位置を決定し、アクチュエータにコマンドを送信して、決定された上記位置に殺菌源を自動的に移動させるための、プログラム命令を含んでよい。消毒プロセスの動作パラメータを自動的に発動させるためのプログラム命令を有する移動式消毒装置の別の例は、再位置決め可能な反射器と、上記反射器を、限定するものではないが上記装置のベースといった上記装置の他の部品に対して移動させるためのアクチュエータとを有する、移動式消毒装置である。このようなケースの一部では、移動式消毒装置は、視覚的マーカーを分析して消毒プロセスのための反射器の位置を決定し、アクチュエータにコマンドを送信して、決定された上記位置に反射器を自動的に移動させるための、プログラム命令を含んでよい。

一部のケースにおいては、図９のブロック１３０で決定される１つ以上の動作パラメータは、移動式消毒装置のための動作パラメータのスケジュールを含んでよい。このような文脈において、用語「スケジュール（ｓｃｈｅｄｕｌｅ）」は、連続して実施される一連の動作パラメータ名を指す。一部のケースにおいては、視覚的マーカーから決定される動作パラメータは、同一のタイプの動作パラメータのスケジュールを含んでよい。他のケースにおいては、視覚的マーカーから決定される１つ以上の動作パラメータは、異なるタイプのタイプの動作パラメータのスケジュールを含んでよい。いずれにせよ、動作パラメータのスケジュールは、一部のケースにおいては、移動式消毒装置によって実行される単一の消毒プロセスに関するものであってよい。例えば、移動式消毒装置が、その殺菌源を上記消毒装置のベースに対して移動させるためのアクチュエータを有し、更に消毒プロセス中に上記アクチュエータを起動するためのプログラム命令を有する場合、視覚的マーカーから決定される動作パラメータは、上記消毒プロセス中に殺菌源を移動させるための位置のスケジュールを含んでよい。しかしながら他のケースでは、動作パラメータのスケジュールは、移動式消毒装置によって実行される複数の消毒プロセスに関するものであってよい。いずれのシナリオにおいても、視覚的マーカーから決定され得る動作パラメータのスケジュールの他の例は：殺菌源に関する殺菌剤適用パラメータのスケジュール；上記装置の可動部品の配向のスケジュール；殺菌源に供給される電力のスケジュール；上記消毒装置を移動させるための速度のスケジュール；殺菌源のパルス持続時間のスケジュール；及び／又は殺菌源のパルス周波数のスケジュールであってよい。

視覚的マーカーから決定され得る動作パラメータのスケジュールの別の例は、移動式消毒装置を位置決めするための、建造物の１つのエリア／部屋の中の又は複数のエリア／部屋にわたる複数の場所のスケジュールであってよい。異なる複数の場所への移動式消毒装置の移動は手動であってよく、ユーザ入力制御によるものであってよく、又は上記装置のナビゲーション制御によるものであってよい。一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、異なる複数の場所で別個の消毒プロセスをそれぞれ実行するように構成されていてよい。このようなシナリオでは、視覚的マーカーから決定される動作パラメータは一部のケースにおいては、上記に加えて、上記複数の場所のスケジュール及び／又は上述の１つ以上の他の動作パラメータの１つ以上のスケジュールと一致する、実行時間のスケジュールを含んでよい。場所のスケジュールと一致する１つ以上の動作パラメータを有することは、上記場所のうちの１つ以上が、これらの１つ以上の場所を十分に消毒するために、それ以外の場所とは異なるパラメータを用いて、消毒プロセスを実行する（限定するものではないが例えば、消毒プロセスがそれ以外の場所より長い、又は短い）必要がある場合に有利となり得る。他のケースにおいては、移動式消毒装置は、上記複数の場所のスケジュール間で単一の連続的な消毒プロセスを実行するよう構成されていてよい（即ち殺菌源の動作は、異なる複数の場所の間で中断されない）。このようなケースの一部では、視覚的マーカーから決定される動作パラメータは、上記複数の場所のスケジュールのそれぞれ、及び／又は上述のいずれの１つ以上の他のパラメータの１つ以上のスケジュールのそれぞれにおいて、移動式消毒装置を一時停止するための時間のスケジュールも含んでよい。

一部のケースにおいては、図９のブロック１３０を参照して示されているプロセスは、消毒プロセスを実行するための上記装置の１つ以上の動作パラメータを決定するステップに加えて、視覚的マーカーの画像を分析することによってエリア／部屋内での移動式消毒装置の場所を決定するステップを含んでよい。他のケースにおいては、移動式消毒装置は、視覚的マーカーとは独立して、エリア／部屋内でのその場所を決定するよう構成されていてよい。例えば移動式消毒装置は、エリア／部屋の境界である壁、又は介在する対象物からの、上記装置の距離を決定するための、１つ以上の距離センサを含んでよい。あるいは移動式消毒装置は、エリア／部屋内での上記装置の場所を決定するために、全地球測位システム、ＲＦＩＤスキャナ、又はいずれの無線リーダ（例えば無線周波数、赤外線、ｗｉ‐ｆｉ、ブルートゥース（登録商標）、衛星等）を含んでよい。更に他のケースにおいては、移動式消毒装置は、エリア／部屋内での上記装置の場所を決定又は確認するように構成されていなくてもよい。

移動式消毒装置が、視覚的マーカーの分析によって、エリア／部屋内での上記装置の場所を決定又は確認するように構成されるケースの一部では、移動式消毒装置は、上記装置の場所情報を利用して、場所固有情報を上記装置のユーザインタフェースに伝達するための、プログラム命令を含んでよい。このような目的のための例示的なプログラム命令のセットが図１０に記載されている。特に図１０は、移動式装置の撮像デバイスによって取得された視覚的マーカーの画像を分析することによって、限定するものではないが建造物、クルーズ船、潜水艦、又は飛行機といった構造物内での、上記装置の場所を決定するためのプログラム命令を示すブロック１５０を含む、フローチャートを示す。更に図１０は、決定された上記場所に関連付けられた場所固有情報を伝達するために、１つ以上の信号を上記装置の情報伝達デバイスに送信するためのプログラム命令を示すブロック１５２を有する、フローチャートを示す。言及されているプログラム命令は必ずしもそのように限定されないが、場合によっては場所固有情報は特に、限定するものではないが、決定された上記場所の隔離状態、又は決定された上記場所における病原体の発生の通知といった、感染制御情報を含んでよい。一部のケースにおいては、場所固有情報は、上記装置のユーザによる１つ以上のアクティビティを実行するための命令を含んでよい。例えば場所固有情報は、限定するものではないが手袋、フェイスマスク、マスク、ゴーグル、及び／又は他の感染制御衣類といった、１つ以上の感染制御アイテムを着用するという命令を含んでよい。

一部のケースにおいては、図１０に示されているプログラム命令に関して参照されている移動式装置は、移動式消毒装置であってよく、特定の場合にはロボット式消毒装置であってよい。しかしながら上述のように、図３～１２のフローチャートに記載されているプログラム命令は、必ずしも移動式消毒装置に限定されるものではなく、反対に、いずれの移動式装置に適用できる。図３～１２のフローチャートに記載されているプログラム命令のうちのいずれの１つ以上を含むことができる移動式装置の例としては、限定するものではないが、移動式手術用トレイスタンド、移動式人工呼吸器、車椅子、担架、移動式点滴スタンド、移動式医療ユーティリティカート、及び移動式バイタルサインモニタといった、移動式医療設備である。

図９に戻ると、本明細書で開示される移動式消毒装置は、一部のケースにおいて、上記装置によって実施される消毒プロセスが、上記装置がそれに対して位置決めされる視覚的マーカーの分析から上記装置に関して決定された１つ以上の動作パラメータに従って実行されているかどうかを判断するための、プログラム命令を含んでよい。特に図９は、消毒プロセス中の変数を測定するためのプログラム命令を示す、ブロック１３８を示し、この変数は上記消毒プロセス中に実施される消毒の程度の指標である。測定される変数の例としては、限定するものではないが、消毒プロセスの持続時間、上記装置に供給される電力、又は消毒プロセス中に移動式消毒装置から生成及び／又は発射される殺菌剤の適用量（例えば累積量若しくは分散率）が挙げられる。測定される変数の別の例は、移動式消毒装置がフラッシュランプ等のパルス型殺菌源を含む場合にはパルス数であってよいが、これに限定されない。測定される変数の更に別の例は、移動式消毒装置が殺菌ランプを含む場合には、限定するものではないが（上記装置に取り付けられる、又は上記装置から取り外される）１つ以上の反射器及び／又はレンズといった、上記装置と共に使用される部品の位置である。

図９のブロック１４０に更に示されているように、移動式消毒装置は、上記消毒装置が消毒プロセスを完了した後に、測定された上記変数を、上記変数の事前設定値又は上記変数の事前設定範囲と比較するための、プログラム命令を含んでよい。ブロック１４０に記載されているように、上記変数の事前設定値又は上記変数の事前設定範囲は、ブロック１３０に関連して決定される１つ以上の動作パラメータに関連付けられている。測定された上記変数を上記変数の事前設定範囲と比較するステップは、移動式消毒装置のパフォーマンスの、その予想に対するわずかな変動に対応するのに役立つものの、上記装置に関して決定された１つ以上の動作パラメータに従って消毒プロセスが実行されているかどうかを判断する際に正確さが要求される場合、この比較プロセスは、測定された上記変数を上記変数の単一の事前設定値と比較するステップを含んでよいことに留意されたい。

いずれにせよ、ブロック１３８に関連して測定される変数と、ブロック１３０に関連して決定される１つ以上の動作パラメータとは、一部のケースにおいては、消毒プロセスの同一の因子であってよい。例えば一部のケースにおいては、ブロック１３０に関連して決定される動作パラメータと、ブロック１３８に関連して測定される変数とは、移動式消毒装置の実行時間であってよい。他のケースでは、ブロック１３０に関連して決定される動作パラメータと、ブロック１３８に関連して測定される変数とは、移動式消毒装置から生成及び／又は発射される殺菌剤の適用量であってよい。更に他のケースにおいては、ブロック１３０に関連して決定される動作パラメータと、ブロック１３８に関連して測定される変数とは、移動式消毒装置のパルス型殺菌源のパルス数であってよい。

例えば、実行時間が、決定される動作パラメータ及び測定される変数である場合、ブロック１４０の比較プロセスは、上記消毒装置の測定された実行時間を、ブロック１３０に関連して決定される実行時間、又はブロック１３０に関連して決定される実行時間を構成する持続時間の範囲と比較するステップを含んでよい。例えば、移動式消毒装置によって実施されることになる消毒プロセスの実行時間が、ブロック１３０に関連して５分０秒であると決定され、ブロック１３８に関連して測定される実際の消毒プロセスの実行時間が５分７秒である場合、ブロック１４０に関連して実行される比較プロセスは、５分７秒という測定された実行時間を、５分０秒という決定された実行時間と比較するステップを含んでよい。あるいは、ブロック１４０に関連して実行される比較プロセスは、５分７秒という測定された実行時間を、５分０秒という決定された実行時間を包含する、４分４５秒～５分１５秒という実行時間の範囲と比較するステップを含んでよい。

あるいは、ブロック１３８に関連して測定される変数と、ブロック１３０に関連して決定される１つ以上の動作パラメータとは、消毒プロセスの異なる因子であってよい。例えば一部のケースにおいては、ブロック１３０に関連して決定される動作パラメータは、移動式消毒装置の実行時間であってよく、ブロック１３８に関連して測定される変数は、移動式消毒装置のパルス型殺菌源のパルス数であってよい。このような場合、ブロック１４０の比較プロセスは、測定されたパルス数を、ブロック１３０に関連して視覚的マーカーの画像の分析から決定された実行時間に関連する指定されたパルス数又はパルス数の範囲と、比較するステップを含んでよい。より具体的には、ブロック１４０の比較プロセスは、測定されたパルス数を、ブロック１３０に関連して視覚的マーカーの画像の分析から決定された実行時間と概ね同等であると予測されるパルス数、又はこのパルス数を包含する所定のパルス数の範囲と、比較するステップを含んでよい。例えば、消毒プロセスの実行時間が５分に設定され、移動式消毒装置の殺菌源が消毒プロセス中に１．５Ｈｚのパルスを有すると設定されている場合、上記実行時間の終了時に予測されるパルスの数は４５０パルスである。このような場合、ブロック１４０の比較プロセスは、測定されたパルス数を、４５０パルス、又は４２５パルス～４７５パルスのような所定のパルスの範囲と比較するステップを含んでよい。

消毒プロセスの複数の因子の他の（即ち上述の例以外の）組み合わせも同様に、又は上記の代わりに、ブロック１３０、１３８、１４０で決定、測定、及び比較できる。特に所与の消毒プロセスに関して、実行時間、殺菌剤の適用量、供給される電力、部品の位置、及び（該当する場合は）パルス数は相関している場合があり、従って、消毒プロセスのこのような値のいずれの組み合わせ間での、測定された値と割り当てられた値と比較を用いて、上記装置によって実施される消毒プロセスが、上記装置に関して事前に決定された１つ以上の動作パラメータに従って実行されているかどうかを判断できる。いずれにせよ、図９のブロック１４２に示されているように、移動式消毒装置は、測定された上記変数が、上記変数の事前設定値と一致しない、又は上記変数の事前設定範囲内にないと判断されたときに、通知を送信するためのプログラム命令を含んでよい。一部のケースにおいては、移動式消毒装置は更に、図９のブロック１４４に示されているように、測定された上記変数が、上記変数の事前設定値と一致する、又は上記変数の事前設定範囲内にあると判断されたときに、通知を送信するためのプログラム命令を含んでよい。あるいは移動式消毒装置は、ブロック１４４で言及されている通知のためのプログラム命令を含まなくてもよい。一部のケースにおいては、ブロック１４２、１４４で言及されている通知のうちの一方又は両方を、移動式消毒装置の情報伝達デバイスに送信してよい。更に、又はあるいは、ブロック１４２、１４４で言及されている通知のうちの一方又は両方を、結果の記録のために移動式消毒装置に通信可能に結合されたデータベース又はメモリに、送信してよい。

一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、消毒プロセスの前又は消毒プロセス中に上記装置が移動するかどうかを判断するためのプログラム命令を含んでよい。このような目的のための例示的なプログラム命令のセットが図１１に記載されている。特に図１１は、移動式消毒装置の撮像デバイスによって取得された視覚的マーカーを内包する画像を受信するためのプログラム命令を示すブロック１６０を含む、フローチャートを示す。一部のケースにおいては、このようなプログラム命令を有する移動式消毒装置は更に、図６のブロック８０、図８のブロック１００、図９のブロック１３０、及び図１０のブロック１５０を参照して上述されているような、上記画像を分析するためのプログラム命令を含んでよく、簡潔にするためにこれらは繰り返されないが、図１１のブロック１６０のためにその全体が考慮されているかのように参照される。しかしながら他のケースにおいては、特に移動式消毒装置が、図６～１０のいずれかで示されている一連のプロセスステップを実行するためのプログラム命令を含まない場合、移動式消毒装置は、ブロック１６０で言及されているプロセスのための画像分析プログラム命令を必ずしも含まない。特に移動式消毒装置は一部のケースにおいて、移動式消毒装置による消毒プロセスの実行中及び／又は後に取得される画像の比較のためだけに、図１１のブロック１６０に関連して視覚的マーカーの画像を受信してよく、従ってブロック１６６の前の画像の分析は必須でない場合がある。

いずれにせよ、図１１に示されているフローチャートは、ブロック１６０で言及されている画像の受信の後に、移動式消毒装置を起動して消毒プロセスを開始及び実行するためのプログラム命令を示す、ブロック１６２を含む。ブロック１６２に示されているプロセスは一般に、図３のブロック５４、図８のブロック１１２、及び図９のブロック１３６を参照して説明されたプロセスのいずれを含んでよく、簡潔にするためにこれらは繰り返されないが、図１１のブロック１６２のためにその全体が考慮されているかのように参照される。一部のケースにおいては、１つ以上のプロセスステップ及び／又は準備は、移動式消毒装置を起動して消毒プロセスを開始及び実行する前、又はその後に、実行してよい。殺菌源の起動前に実施されるタスクの例が、図３のブロック６４、６６、６８、及び図５のブロック７６に示されているが、消毒プロセスのためにエリア／部屋を準備するために、追加の及び／又は代替的なタスクを実施してもよいことに留意されたい。いずれにせよ、図１１のブロック１６４に示されているように、移動式消毒装置は、その撮像デバイスに、消毒プロセス中及び／又は消毒プロセスの後に１つ以上の画像を取得するよう、１つ以上の信号を送信するためのプログラム命令を含んでよい。より具体的には、移動式消毒装置は、その撮像デバイスに、その殺菌源を最初に起動させた後、並びに上記殺菌源の動作が終了する前及び／又は終了した後に１つ以上の画像を取得するよう、１つ以上の信号を送信するためのプログラム命令を含んでよい。画像を取得するタイミングは事前設定されていてよく、また一部のケースでは周期的であってよい。

一部のケースにおいては、ブロック１６４に示されているプロセスに関連付けられたプログラム命令は、殺菌源の動作が終了してから所定の時間量だけ後に１つ以上の信号を送信するステップを対象としていてよい。いくつかのこのようなケースにおいては、上記所定の時間量を比較的短い時間の増分とする、特に上記装置が別の場所に移動すると予想される時間より短い時間量とすると、有利となり得る。時間増分の例は、限定するものではないがおよそ３分未満、一部のケースにおいてはおよそ１分未満であってよい。特に、殺菌源の動作が終了してから比較的短い時間の増分だけ後に、１つ以上の画像を取得するように撮像デバイスに促すことは、これらの１つ以上の追加の画像が、上記装置が最後に実行した消毒プロセスの終了時の上記装置の位置を反映したものとなる可能性を高めるために有利となり得る。対照的に、殺菌源の動作が終了してから比較的長い時間量だけ後に、１つ以上の画像を取得するように撮像デバイスが促される場合、これらの１つ以上の追加の画像は、上記装置が実行した最新の消毒プロセスに関する上記装置の位置を反映したものとならない場合がある。例えば一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、第１の場所での消毒プロセスが完了してから、事前に設定された時間量だけ後に、別の消毒プロセスのための別の場所に移動するよう、プログラム又はスケジューリングされていてよい。このような場合、上記事前に設定された時間量だけ後に取得される１つ以上の画像は、最後に実行された上記消毒プロセスとは相関しないことになる。

図１１のブロック１６６に記載されているように、移動式消毒装置は、消毒プロセス中及び／又は後に取得された１つ以上の画像が、ブロック１６０に関連して受信された画像の視覚的マーカーを含むかどうかを判断するための、プログラム命令を含んでよい。一部のケースにおいては、このようなプロセスは、上記１つ以上の画像を、ブロック１６０に関連して受信された上記画像と比較するステップを含んでよい。他のケースにおいては、このようなプロセスは、上記１つ以上の画像を分析することによってこれらが視覚的マーカーを含むかどうかを判断し、含む場合は上記視覚的マーカーを特定して、ブロック１６０に関連して受信された上記画像から決定された上記視覚的マーカーの識別要素と比較するステップを含んでよい。このようなケースでは、移動式消毒装置は、ブロック１６０に関連して受信された画像を分析して、上記画像内の視覚的マーカーを特定するための、プログラムを含む。いずれにせよ、図１１のブロック１６７に示されているように、移動式消毒装置は、消毒プロセス中及び／又は後に取得された１つ以上の画像が、ブロック１６０に関連して受信された画像の視覚的マーカーを含むと判断されたときに、上記装置を、上記消毒プロセス中に略固定されていたものとして記録するための、プログラム命令を含んでよい。移動式消毒装置が、ブロック１６０に関連して受信された画像を分析することによって上記装置の場所を決定するためのプログラム命令を含む場合、図１１のブロック１６７に示されているプログラム命令は、上記装置を、上記消毒プロセス中に上記場所に略固定されていたものとして記録できる。

いずれにせよ、図１１のブロック１６８に示されているように、移動式消毒装置は、消毒プロセス中及び／又は後に取得された１つ以上の画像が、ブロック１６０に関連して受信された画像の視覚的マーカーを含まないと判断されたときに、上記装置が上記消毒プロセス中に移動されたことを記録するための、プログラム命令を含んでよい。更に、又はあるいは、図１１のブロック１６９に示されているように、移動式消毒装置は、消毒プロセス中及び／又は後に取得された１つ以上の画像が、ブロック１６０に関連して受信された画像の視覚的マーカーを含まないと判断されたときに、上記消毒プロセス中に上記装置が移動した経路を決定し、場合によっては記録するための、プログラム命令を含んでよい。このような場合、消毒プロセス中及び／又は後に取得された上記１つ以上の画像内の視覚的マーカーを、ブロック１６０に関連して受信された上記画像を共に用いて、上記消毒装置が移動した上記経路を決定できる。一部のケースにおいては、ブロック１６９を参照して示されているプロセスは、上記視覚的マーカーの識別要素及び／又は場所を、上記視覚的マーカーそれぞれが取得されたタイミングを参照した時系列順にリスト化するステップを含んでよい。他のケースにおいては、ブロック１６９を参照して示されているプロセスは、消毒プロセスが実施されたエリア／部屋の描画中の視覚的マーカーの場所をマッピングし、上記視覚的マーカーを、上記視覚的マーカーの各画像が得られた順に矢印線で結びつけるステップを含んでよい。

一部のケースにおいては、本明細書で開示される移動式消毒装置は、上記装置の撮像デバイスが視覚的マーカーの画像を取得するタイミングに対する、消毒プロセスを開始及び実行するために上記装置のユーザインタフェースから信号が受信されるタイミングに基づいて、上記装置の起動を実行して消毒プロセスを実行するための、プログラム命令を含んでよい。このようなプロセスは、ある特定の視覚的マーカーに関連付けられた１つの場所において１回の消毒サイクルを確実に実行するために、有益となり得る。このような目的のための例示的なプログラム命令のセットが図１２に記載されている。特に図１２は、移動式消毒装置の撮像デバイスが視覚的マーカーの画像を取得する第１のタイムスタンプに記録するためのプログラム命令を示すブロック１７０を含む、フローチャートを示す。更に、図１２に示されているフローチャートは、消毒プロセスを開始及び実行するために上記消毒装置のユーザインタフェースから信号を受信するためのプログラム命令と、上記ユーザインタフェースから上記信号を受信する第２のタイムスタンプに注意するためのプログラム命令とをそれぞれ示す、ブロック１７２、１７４を含む。

図１２のブロック１７６に示されているように、移動式消毒装置は、上記第１のタイムスタンプと上記第２のタイムスタンプとの間の差が所定の持続時間より大きいかどうかを判断するためのプログラム命令を含んでよい。これに加えて、図１２のブロック１７８に示されているように、移動式消毒装置は、上記第１のタイムスタンプと上記第２のタイムスタンプとの間の差が所定の持続時間より大きい場合に、消毒プロセスを実行するための上記消毒装置（例えば上記装置の殺菌源及び他の部品）の起動を阻止するための、プログラム命令を含む。一部のケースにおいては、図１２のブロック１７９に示されているように、移動式消毒装置は、上記第１のタイムスタンプと上記第２のタイムスタンプとの間の差が所定の持続時間より小さい場合に、上記装置の情報伝達デバイスに通知を送信するための、プログラム命令を含んでよい。しかしながら他のケースにおいては、移動式消毒装置はブロック１７９に示されているプログラム命令を含まなくてよい。いずれにせよ、ブロック１７６に示されている、上記差が所定の持続時間より大きいかどうかを判断するプロセスは、上記差が所定の持続時間より小さいかどうかを判断するように変更でき、これに基づく特定のアクションの実行を、図１２に示されているものから逆にすることができることが、当業者には理解されることに留意されたい。更に、ブロック１７６に関するいずれのシナリオにおいても、「…又はそれに等しい（ｏｒｅｑｕａｌｔｏ）」という条件を含めてもよいことが、当業者には理解されることに留意されたい。

いずれにせよ、移動式消毒装置は、図３～１２を参照して上述された情報のうちのいずれを記録するためのプログラム命令を含んでよい。一般に、上記情報はいずれも、移動式消毒装置の配置及び相対的な動作に関する資料を提供するために有利となり得る。より具体的には、上記情報は、移動式消毒装置に通信可能に結合されたデータベース又はメモリに記録でき、これにより、上記情報を後で呼び出して、例えば記録保持目的のため、及び／又は１つ以上の消毒プロセスのために装置を動作させることになる、エリア／部屋内の１つ以上の場所を画定するプロトコルへの追従のために、文書化された資料を提供できる。例えば、一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、視覚的マーカーが上記装置の撮像デバイスの視野内にあるときの上記装置の場所、及び／又は上記装置が上記視覚的マーカーに対して好適に位置決めされているかどうか、及び／又は上記装置が上記装置に関連付けられた視覚的マーカーの付近に配置されているかどうかを記録するための、プログラム命令を含んでよい。更に、又はあるいは、移動式消毒装置は、上記装置によって実行される消毒プロセスの開始時刻及び停止時刻、並びに／又は消毒プロセスがその設定された実行時間より前に阻止若しくは終了されたかどうかを記録するための、プログラム命令を含んでよい。

更に移動式消毒装置は、上記に加えて又は上記の代わりに、特定のタスク及び／又は安全対策が消毒プロセスの開始前に実行されているかどうかを記録するためのプログラム命令を含んでよい。一部のケースにおいては、移動式消毒装置は、上記に加えて又は上記の代わりに、上記装置が、上記装置によって実行される消毒プロセス中、又は消毒プロセスと消毒プロセスとの間に、移動しているかどうかを記録するためのプログラム命令を含んでよい。更に、又はあるいは、移動式消毒装置は、上記装置によって実行される消毒プロセスの動作パラメータ、具体的には上記装置に関して設定された動作パラメータ及び／又は実際の動作パラメータを、記録するためのプログラム命令を含んでよい。更に移動式消毒装置は、限定するものではないが殺菌剤の適用量の測定値といった、消毒プロセス中に得られた測定値を記録するためのプログラム命令を含んでよい。更に移動式消毒装置は、上記に加えて又は上記の代わりに、どのような場所固有情報が上記装置の情報伝達デバイスに送信されたか、又は何らかの場所固有情報が上記装置の情報伝達デバイスに送信されたかどうかを記録するためのプログラム命令を含んでよい。

本開示の便益を享受する当業者には、本発明が、視覚的マーカー検出システムを有する移動式装置及びその使用方法を提供すると考えられることが理解されるだろう。本発明の様々な態様の更なる修正及び代替実施形態は、当業者には本明細書に鑑みて明らかであろう。例えば、本明細書で提供される方法及びプログラム命令の説明は、移動式消毒装置と共に使用することに重点を置いたものであるが、上記方法及び上記プログラム命令は、いずれの移動式装置、特にその動作が、該移動式装置が配設される雰囲気によって影響を受ける、及び／又はその動作の効能が、エリア／部屋内の該装置の位置によって影響を受ける、移動式装置に適用できる。従って、この説明は説明のみを目的としたものと解釈されるべきであり、本発明を実施する一般的な方法を当業者に教示する目的のものである。本明細書で図示及び説明されている本発明の形態は、現時点で好ましい実施形態として解釈されるべきものであると理解されたい。本明細書で図示及び説明されているものに対して、要素及び材料は置換してもよく、また部品及びプロセスは逆にしてもよく、本発明の特定の特徴を独立して利用してもよく、以上のことは全て、本発明の以上の説明の便益を享受した後であれば、当業者には明らかであろう。以下の特許請求の範囲に記載されている本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の要素に変更を加えてよい。本明細書において使用される場合、用語「およそ（ａｐｐｒｏｘｉｍａｔｅｌｙ）」は、言明されている数の最大±５％の変動を指す。

Claims

エリア／部屋内の表面を消毒するための方法であって：
エリア／部屋内に配置された指定視覚的マーカーが、移動式消毒装置の撮像デバイスの視野内となるように、前記移動式消毒装置を前記エリア／部屋内に位置決めするステップ；
前記指定視覚的マーカーが前記撮像デバイスの前記視野内にあることの通知を受信するステップ；並びに
前記通知を受信する前記ステップに続いて、前記エリア／部屋内で消毒プロセスを開始及び実行するために、位置決めされた前記移動式消毒装置を起動するステップであって、前記移動式消毒装置は、前記消毒プロセス中に消毒剤を前記移動式消毒装置の雰囲気に発射するよう構成される、ステップ
を含む、方法。
前記移動式消毒装置を位置決めする前記ステップは、前記移動式消毒装置を、およそ２５ｆｔ^２を超えるフットプリントを有するエリア／部屋内に位置決めするステップを含む、請求項１に記載の方法。
前記指定視覚的マーカーは、前記エリア／部屋の入口から少なくともおよそ３フィートに配置される、請求項１又は２に記載の方法。
前記指定視覚的マーカーは、前記エリア／部屋の天井、壁、又は床に配置される、請求項１～３のいずれか１項に記載の方法。
前記移動式消毒装置を前記エリア／部屋内に位置決めする前記ステップは、前記移動式消毒装置を前記エリア／部屋内に手動で位置決めするステップを含む、請求項１～４のいずれか１項に記載の方法。
位置決めされた前記移動式消毒装置を起動して消毒プロセスを開始及び実行した後、別の指定視覚的マーカーが前記移動式消毒装置の前記撮像デバイスの前記視野内となるように、前記移動式消毒装置を再位置決めするステップを更に含む、請求項１～５のいずれか１項に記載の方法。
前記通知を受信する前記ステップに続いて前記移動式消毒装置を起動する前記ステップの前に、前記エリア／部屋へのアクセスが抑止されるように、前記エリア／部屋への１つ以上の入口を閉鎖するステップ；並びに
前記移動式消毒装置が前記消毒プロセスを実行する前に、前記エリア／部屋から全ての人間及び動物を退出させるステップ
を更に含む、請求項１～６のいずれか１項に記載の方法。
受信する前記ステップに続いて前記消毒プロセスを実行するために前記移動式消毒装置を起動する前記ステップの前に、前記移動式消毒装置の電源プラグを前記エリア／部屋の電源ソケットに挿し込むステップを更に含む、請求項１～７のいずれか１項に記載の方法。
消毒装置であって：
殺菌源；
撮像デバイス；並びに
コントローラであって、
プロセッサと、
前記撮像デバイスによって取得された第１の画像を、前記第１の画像が、前記消毒装置に関連付けられた複数の指定視覚的マーカーのセットのうちの１つを含むかどうかを判断するために、分析するステップ；及び
前記第１の画像が、前記複数の指定視覚的マーカーのセットのうちの１つを含むと判断された後で、前記消毒装置の動作ロックを解除するステップ
のために、前記プロセッサが実行可能なプログラム命令と
を有する、コントローラ
を備える、消毒装置。
前記消毒装置のユーザに情報を伝達するためのデバイスを更に備え、
前記プログラム命令は更に：
前記第１の画像が前記複数の指定視覚的マーカーのセットのうちの１つを含むと判断された後で、前記第１の画像内の視覚的マーカーの配置と、前記第１の画像における前記視覚的マーカーの目標配置との間の、第１の寸法的ばらつきの量を決定するステップ；
前記第１の寸法的ばらつきの量を、ばらつきの所定の閾値と比較するステップ；
前記第１の寸法的ばらつきの量が前記所定の閾値に等しいか又はそれより小さいと判断された後で、前記消毒装置が前記視覚的マーカーに対して適切に位置決めされていることを示すために、第１の通知を前記情報伝達デバイスに送信するステップ；及び
前記第１の寸法的ばらつきの量が前記所定の閾値より大きいと判断された後で、前記消毒装置が前記視覚的マーカーに対して適切に位置決めされていないことを示すために、第２の通知を前記情報伝達デバイスに送信するステップ
のためのものである、請求項９に記載の消毒装置。
前記プログラム命令は更に、前記第１の寸法的ばらつきの量が前記所定の閾値より大きいと判断された後で、前記消毒装置を移動させるための補正アクションを決定するステップのためのものであり、ここで前記補正アクションは、前記補正アクションを決定する前記ステップに続いて前記撮像デバイスによって取得された第２の画像内の前記視覚的マーカーの配置と、前記第２の画像における前記視覚的マーカーの目標配置との間の、第２の寸法的ばらつきの量が、前記所定の閾値に等しいか又はそれより小さくなるように、前記消毒装置を移動させるための命令を含む、請求項１０に記載の消毒装置。
前記第２の通知は前記補正アクションを含む、請求項１１に記載の消毒装置。
ホイール、及び前記ホイールの移動を自動化するためのモータを更に備え、前記プログラム命令は更に、前記補正アクションの前記命令に従って前記モータを作動させるステップのためのものである、請求項１１に記載の消毒装置。
前記装置の前記動作ロックを解除するための前記プログラム命令は、前記第１の通知が前記情報伝達デバイスに送信された後で起動される、請求項１０～１３のいずれか１項に記載の消毒装置。
前記プログラム命令は更に：
前記動作ロックを解除した後で、消毒プロセスを開始及び実行するために、前記消毒装置の前記殺菌源及び他の部品を起動するステップ；
前記消毒プロセスの完了後に前記殺菌源の動作を終了するステップ；
前記殺菌源の前記動作を終了した後で、前記動作ロックを前記装置に対して起動するステップ；
前記殺菌源の前記動作を終了した後で前記撮像デバイスによって取得された第３の画像を分析するステップであって、前記第３の画像を分析する前記ステップは：
前記第３の画像が、前記消毒装置に関連付けられた前記複数の指定視覚的マーカーのセットのうちの１つを含むかどうかを判断すること；及び
前記第３の画像が前記複数の指定視覚的マーカーのセットのうちの１つを含むと判断された後で、前記第３の画像内の視覚的マーカーが前記第１の画像内の前記視覚的マーカーと異なるかどうかを判断すること
を含む、ステップ；並びに
前記第３の画像が前記複数の指定視覚的マーカーのセットのうちの１つを含み、かつ前記第１の視覚的マーカーとは異なると判断された後で、前記装置の前記動作ロックを解除するステップ
のためのものである、請求項９～１４のいずれか１項に記載の消毒装置。
消毒装置であって：
殺菌源；
撮像デバイス；並びに
コントローラであって、
プロセッサと、
前記撮像デバイスによって取得された視覚的マーカーの画像をデコードすることによって：
指定された空間内の前記消毒装置の位置；及び
前記指定された空間内で消毒プロセスを実行するための前記消毒装置の１つ以上の動作パラメータ
を決定するステップ；並びに
決定された前記１つ以上の動作パラメータに従って前記消毒プロセスを実行するために、前記消毒装置の前記殺菌源及び他の部品を起動するステップ
のために、前記プロセッサが実行可能なプログラム命令と
を有する、コントローラ
を備える、消毒装置。
前記プログラム命令は更に：
前記消毒プロセス中に実施される消毒の程度の指標である、前記消毒プロセス中の変数を測定するステップ；
前記消毒装置が前記消毒プロセスを完了した後で、前記測定された変数を、前記決定された１つ以上の動作パラメータのうちの１つに関連付けられた前記変数の所定の範囲と比較するステップ；及び
前記測定された変数が前記所定の範囲内にないと判断されたときに通知を発行するステップ
のためのものである、請求項１６に記載の消毒装置。
前記変数と、前記１つの決定された動作パラメータとは、前記消毒プロセスの異なる因子である、請求項１７に記載の消毒装置。
前記変数、及び前記１つの決定された動作パラメータは、持続時間、殺菌剤の適用量、及びパルス数からなる群から選択される、請求項１７又は１８に記載の消毒装置。
前記殺菌源を前記消毒装置のベースに対して移動させるためのアクチュエータを更に備え、前記プログラム命令は更に、前記消毒プロセス中に前記アクチュエータを起動するステップのためのものであり、前記決定された動作パラメータは、前記消毒プロセス中の前記殺菌源の位置のスケジュールを含む、請求項１６～１９のいずれか１項に記載の消毒装置。
前記消毒装置の可動性を実現するためのホイール、及び前記ホイールの移動を自動化するためのアクチュエータを更に備え、前記プログラム命令は更に、前記消毒プロセス中に前記アクチュエータを起動するステップのためのものであり、前記決定された動作パラメータは、前記消毒プロセス中に前記消毒装置が移動する経路、又は前記消毒プロセス中に前記消毒装置が移動する１つ以上の速度を含む、請求項１６～２０のいずれか１項に記載の消毒装置。
前記消毒装置のユーザに情報を伝達するためのデバイスを更に備え、前記プログラム命令は更に：
前記消毒プロセスの完了後に前記殺菌源の動作を終了するステップ；及び
前記動作を終了する前記ステップに続いて、前記指定された空間内に配置された別の視覚的マーカーが前記撮像デバイスの視野内となるように、ユーザに前記消毒装置を移動させるための通知を、前記情報伝達デバイスに送信するステップ
のためのものである、請求項１６～２１のいずれか１項に記載の消毒装置。
前記プログラム命令は更に：
前記撮像デバイスによって取得された別の画像を分析するステップであって、前記別の画像は、前記通知が前記情報伝達デバイスに送信された後に、前記撮像デバイスによって取得される、ステップ；並びに
前記別の画像が前記第１の視覚的マーカーを含む場合に、別の消毒プロセスを実行するための前記消毒装置の前記殺菌源及び他の部品の起動を阻止するステップ
のためのものである、請求項２２に記載の消毒装置。
消毒装置であって：
殺菌源；
撮像デバイス；並びに
コントローラであって、
プロセッサと、
前記撮像デバイスによって取得された視覚的マーカーの画像を受信するステップ；
前記画像を受信する前記ステップに続いて、消毒プロセスを開始及び実行するために、前記消毒装置の前記殺菌源及び他の部品を起動するステップ；
前記消毒プロセス中又は後に１つ以上の画像を取得するよう、前記撮像デバイスに信号を送信するステップ；並びに
前記１つ以上の他の取得された画像が前記視覚的マーカーを含むかどうかを判断するステップ
のために、前記プロセッサが実行可能なプログラム命令と
を有する、コントローラ
を備える、消毒装置。
前記プログラム命令は更に、前記１つ以上の他の取得された画像が前記視覚的マーカーを含まないと判断されたときのためのものである、請求項２４に記載の消毒装置。
前記１つ以上の他の取得された画像が前記視覚的マーカーを含むと判断されたときに、前記消毒装置が前記消毒プロセス中に略固定されていたことを記録するステップ；及び
前記１つ以上の他の取得された画像が前記視覚的マーカーを含まないと判断されたときに、前記消毒装置が前記消毒プロセス中に移動されたことを記録するステップ
のためのものである、請求項２４又は２５に記載の消毒装置。
前記消毒装置の前記殺菌源及び他の部品を起動するための前記プログラム命令は：
前記消毒装置の占有センサを起動するステップ；及び
前記占有センサを起動する前記ステップに続いて、前記占有センサが所定の時間量にわたって前記指定された空間の占有を検出しなかった場合に、前記消毒装置から消毒剤を分散させるステップ
のためのプログラム命令を含む、請求項１５～２６のいずれか１項に記載の消毒装置。
前記消毒装置の前記殺菌源及び他の部品を起動する前に、前記プログラム命令は更に：
前記撮像デバイスが前記視覚的マーカーの前記画像を取得する第１のタイムスタンプに注意するステップ；
前記消毒プロセスを開始するために前記消毒装置のユーザインタフェースから信号を受信するステップ；
前記ユーザインタフェースから前記信号を受信する第２のタイムスタンプに注意するステップ；並びに
前記第１のタイムスタンプと前記第２のタイムスタンプとの間の差が所定の持続時間より大きい場合に、前記消毒プロセスを実行するための前記消毒装置の前記殺菌源及び他の部品の起動を阻止するステップ
のためのものである、請求項１５～２７のいずれか１項に記載の消毒装置。
消毒装置であって：
撮像デバイス；
前記装置の可動性を実行するためのホイール；
前記装置のユーザに情報を伝達するためのデバイス；並びに
コントローラであって、
プロセッサと、
前記撮像デバイスによって取得された視覚的マーカーの画像を受信するステップ；
構造物内の前記装置の場所を決定するために前記画像を分析するステップ；及び
決定された前記場所に関連付けられた場所固有情報を伝達するために、前記情報伝達デバイスに１つ以上の信号を送信するステップ
のために、前記プロセッサが実行可能なプログラム命令と
を有する、コントローラ
を備える、消毒装置。
前記装置はロボット式消毒装置である、請求項２９に記載の装置。
前記装置は医療設備装置である、請求項２９に記載の装置。
前記場所固有情報は感染制御情報を含む、請求項２９～３１のいずれか１項に記載の装置。
前記感染制御情報は、前記決定された場所の隔離状態を含む、請求項３２に記載の装置。
前記感染制御情報は、前記決定された場所における病原体の発生の通知を含む、請求項３２に記載の装置。
前記場所固有情報は、前記装置のユーザによる１つ以上のアクティビティを実行するための命令を含む、請求項２９～３４のいずれか１項に記載の装置。
前記命令は、１つ以上の感染制御アイテムを着用するという命令を含む、請求項３５に記載の装置。
前記装置の移動を検出するためのセンサを更に備え、前記プログラム命令は更に：
前記装置の運動を監視するステップ；及び
前記装置が移動後に停止したことを検出した後、画像を取得するために、前記撮像デバイスに信号を送信するステップ
のためのものである、請求項９～３６のいずれか１項に記載の装置。