JP7149713B2 - スリップ制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両のタイヤスリップを抑制するスリップ制御装置に関し、特に各車輪を電動機で駆動する電気自動車のスリップ制御装置に関する。
従来より、車両の加速時もしくは減速時に車輪がスピンもしくはロックするのを防止するスリップ制御装置が知られている。
例えば、特許文献1では、加速時に駆動輪の角加速度の値が角加速度しきい値を超えた場合に、角加速度にフィードバックゲインを乗じた項を含むトルク指令補正値を用いて、トルク指令にフィードバック制御を行っている。
特開平8-182119号公報 特開2017-022870号公報
特許文献1では、加速時に駆動輪の角加速度の値が角加速度しきい値を超えた場合に、角加速度にフィードバックゲインを乗じた値を含むトルク指令補正値を用いて、トルク指令にフィードバック制御を行うことで、スリップ制御を行っている。このとき、車輪回転速度に応じて角加速度しきい値またはフィードバックゲインを設定変更している。
ここで、特許文献1ではモータの出力特性を考慮し、高回転域では大トルクが出せないためにフィードバックゲインを変更している。しかし低速走行時の車輪回転速度の測定値の変動を考慮していない。車輪回転速度は、単位時間あたりの入力パルス数の変化から測定している。低速走行時には単位時間あたりの入力パルス数自体が減少するため、測定精度が悪化する。車輪回転速度の測定精度が悪化するとフィードバック制御によって振動が発生するため、安定したフィードバック制御を行うことができない。
車輪回転速度ではなく、スリップ率を用いてフィードバック制御を行う場合も上記と同様で、車輪回転速度の測定値が変動すると安定したフィードバック制御を行うことができない。それは、スリップ率λは、車輪回転速度ωと車速Vとから次の計算式(式(1) )により計算され、この式(1)に車輪回転速度が含まれるためである。Rはタイヤの半径である。
Figure 0007149713000001
振動を抑制するために、一律にゲインを小さくする方法も考えられるが、ゲインを小さくするとスリップ制御の応答性が低下するため車輪のスピンもしくはロックを防止できない可能性がある。
また、車速Vが高いときに車輪がスピンまたはロックすると車両挙動が乱れて危険な場合がある。
この発明の目的は、低速時に車輪回転速度の測定精度が悪化しても安定したスリップ制御を行うことができ、車両挙動が乱れることを防止できるスリップ制御装置を提供することである。
この発明の第1のスリップ制御装置11は、電動機4の力行・回生によって加速と減速が可能な車両1に搭載され、車輪回転速度ωと許容回転速度ω′との偏差Δωを算出すると共に、比例補償を行う可変の比例ゲインKおよび微分補償を行う可変の微分ゲインKのうちの少なくとも一方のゲインと積分補償を行う可変の積分ゲインKとを用いて前記偏差Δωからフィードバック演算値KPIDを計算し、入力された制駆動指令値を前記フィードバック演算値KPIDに応じて制御して前記電動機4を駆動するスリップ制御装置11であって、
フィードバックゲイン変更部14を有し、
このフィードバックゲイン変更部14は、
車速Vがしきい値Vth(Vth_P、Vth_I、Vth_D)以下のときに、前記比例ゲインKおよび微分ゲインKのうち、前記フィードバック演算値KPIDの計算に用いるゲインが比例ゲインKおよび微分ゲインKの両方である場合は両方のゲインK,Kまたはいずれか一方のゲインを低下させ、前記フィードバック演算値KPIDの計算に用いるゲインが比例ゲインKおよび微分ゲインKのいずれか一方である場合はその用いるゲインを低下させ、前記積分ゲインKはそのまま維持させまたは低下させ、
前記各ゲインK,K,Kの低下前の大きさに対する低下後の大きさの割合である低下後割合α,α,α、ただし低下させないゲインについては維持させた場合の割合も低下後割合α,α,αと称す、について、
前記積分ゲインKの前記低下後割合αを最も大きくすることを特徴とする。
なお、前記「積分ゲインKの前記低下後割合αを最も大きくする」とは、他のいずれかのゲインK,Kの低下後割合α,αと積分ゲインKの低下後割合αとが同じである場合を含み、後述の「〔満たすべき関係〕」で述べる事項を満足していれば良い。
前記しきい値Vthおよび許容回転速度ω′は、設計により適宜定められる。
この構成につき説明すると、フィードバックゲイン変更部14は、車速Vがしきい値Vth以下のときに、フィードバックゲインを低下させるが、前記スリップ制御装置11が前記フィードバック演算値KPIDを計算して行うフィードバック制御は、PID制御、PI制御、およびID制御のいずれであってもよい。
ある車速閾値Vth以下の場合に、上記のようにゲインを低下させるが、低下前に対する低下後のゲインの大きさの割合の大小関係は、積分のゲインKの前記低下後割合αが最も大きくなっていれば、どんな条件でも良い。
PID制御の場合、比例ゲインKと微分ゲインKのどちらか一方のみを低下させてもよい。ただし、常に積分ゲインKの前記低下後割合αが最も大きくならなければならないため、この場合は必然的に積分ゲインKの値は低下させない。
つまり、各ゲインK,K,Kの低下後割合α,α,αは、以下の条件を満たす場合をすべて含む。
〔満たすべき関係〕
PID制御: α ≧ α かつ α ≧ α (αとαの大小関係は問わない)
PI制御: α ≧ α
ID制御: α ≧ α
ただし、
α=KP/ KB_P、 α=KI/ KB_I、 α=KD I / KB_D
KP、KI、KD:低下後(低下途中)の各ゲインの大きさ
KB_P、KB_I、KB_D:低下前の各ゲインの大きさ(基準値)
なお、この明細書において、各ゲインにつき、特に低下の前後を区別せずに示す場合は、低下後(低下途中)と同じ「 KP、KI、KD 」の標記をしている。
ここで、各ゲインを基準値から低下させる車速Vのしきい値をVth_P、Vth_I、Vth_Dとすると、必然的に、次式を満たす必要がある。
Vth_I ≦ Vth_P、Vth_D
このとき、Vth_PとVth_Dの大小関係は問わず、上記3つのしきい値は全て同じ(Vth_P=Vth_I=Vth_D=Vth)でも良い。
0 km/hでの各ゲインの低下後割合をα0_P、α0_I、α0_Dとしたとき、上記α=KP/ KB_P、α=KI/ KB_I、αD=KD/ KB_D の関係式を満たすならば、α0_P、α0_I、α0_Dをどのように設定しても良い。
0< V0 < Vth(=Vth_P、Vth_Dのどちらか大きい方)となるようにV0を設定し、V0までα0_P、α0_I、α0_Dのいずれかもしくは複数を維持してもよい。
この発明の第2のスリップ制御装置11は、スリップ率λを用いる構成であり、電動機4の力行・回生によって加速と減速が可能な車両1に搭載され、車輪回転速度ωと車速Vとを用いて算出されるスリップ率λとスリップ率許容値λ′との偏差Δλを算出すると共に、比例補償を行う可変の比例ゲインKおよび微分補償を行う可変の微分ゲインKのうちの少なくとも一方のゲインと積分補償を行う可変の積分ゲインKとを用いて前記偏差Δλからフィードバック演算値KPIDを計算し、入力された制駆動指令値を前記フィードバック演算値KPIDに応じて制御して前記電動機4を駆動するスリップ制御装置11であって、
フィードバックゲイン変更部14Aを有し、
このフィードバックゲイン変更部14Aは、
車速Vがしきい値Vth(Vth_P、Vth_I、Vth_D)以下のときに、前記比例ゲインKおよび微分ゲインKのうち、前記フィードバック演算値KPIDの計算に用いるゲインが比例ゲインKおよび微分ゲインKの両方である場合は両方のゲインK,Kまたはいずれか一方のゲインを低下させ、前記フィードバック演算値KPIDの計算に用いるゲインが比例ゲインKおよび微分ゲインKのいずれか一方である場合はその用いるゲインを低下させ、前記積分ゲインKはそのまま維持させまたは低下させ、
前記各ゲインK,K,Kの低下前の大きさに対する低下後の大きさの割合である低下後割合α,α,α、ただし低下させないゲインについては維持させた場合の割合も低下後割合α,α,αと称す、について、
前記積分ゲインKの前記低下後割合αを最も大きくすることを特徴とする。
なお、ゲインを低下させる条件および方法は、第1のスリップ制御装置11と同じである。例えば、第1のスリップ制御装置11と同じく、フィードバック制御は、PID制御、PI制御、およびID制御のいずれであってもよい。前記ゲインを低下させるときに、PID制御の場合、比例ゲインKと微分ゲインKの両方を低下させてもよく、またどちらか一方のみを低下させてもよい。
前記しきい値Vthおよびスリップ率許容値λ′は、設計により任意に定められる値である。
これら第1と第2のスリップ制御装置11の作用につき説明する。
低速走行時は、車輪回転速度ωの検出出力がパルスである場合に、単位時間当たりの入力パルス数が減少することなどから、車輪回転速度ωの測定精度が悪化する。そのため、車輪回転速度偏差Δω(例えば、車輪回転速度ωに所定の定数を乗じた許容回転速度ω′と車輪回転速度ωとの偏差Δωや、スリップ率偏差Δλ(スリップ率許容値λ′(上限値(>0)または下限値(≦0)とスリップ率λの偏差)の変動が大きくなる。
ここで、フィードバック制御には比例補償、積分補償、微分補償がある。
微分補償、比例補償は、車輪回転速度偏差Δωやスリップ率偏差Δλの変動によって振動的になりやすい。微分補償は車輪回転速度偏差Δωまたはスリップ率偏差Δλを微分するため振動を増幅させてしまう。比例補償も車輪回転速度偏差Δωやスリップ率偏差Δλの変動をそのまま補償値に反映させてしまう。一方積分補償は、車輪回転速度偏差Δωやスリップ率偏差Δλが変動しても振動的になり難い。積分補償は、車輪回転速度偏差Δωまたはスリップ率偏差Δλを積分するため、車輪回転速度偏差Δωやスリップ率偏差Δλの変動の影響が小さくなる。
そこで、低速走行時は振動を発生させやすい比例補償、微分補償のゲイン(それぞれ比例ゲインK、微分ゲインK)を低下させ、または零にして比例補償、微分補償を弱めるかもしくは無効化する。これにより、低速時に車輪回転速度ωの測定精度が悪化しても安定したスリップ制御を行うことができ、車両挙動が乱れることを防止できる。
この発明において、前記フィードバックゲイン変更部14は、車両が加速しているか減速しているかを判断し、加速時と減速時とで、前記比例ゲインK、積分ゲインK、および微分ゲインKのいずれか一つまたは複数について、前記車速Vがしきい値Vth以下のときに低下させるゲインの低下の方法を変えてもよい。すなわち、加速時と減速時とで、ゲインを低下させる補償の種類を変えてもよく、また低下の程度を変えてもよく、低下の程度の変化を変えてもよい。
減速時と加速時とでは、安定したスリップ制御に対する各ゲインK,K,Kの影響が異なるため、減速時と加速時とで前記ゲインの低下の方法を変えることが好ましい。
前記第1のスリップ制御装置11は、具体的には、例えば定められた規則によりスリップに影響する車両の因子の状態量の検出値から前記許容車輪回転速度ω′を計算する許容回転速度計算部12と、前記車輪回転速度ωと前記許容車輪回転速度ω′との偏差Δωを算出する車輪回転速度偏差計算部13と、前記比例補償、積分補償、および微分補償を行う可変の各ゲインK,K,Kを用いて前記偏差Δωからフィードバック演算値KPIDを計算する制御器15と、入力された制駆動指令値を前記フィードバック演算値KPIDに応じて変更し前記電動機4のコントローラ10へ出力する制駆動指令値計算部16とを備え、前記フィードバックゲイン変更部14は、車両が減速しているときには、同じ車速における加速時よりも、比例ゲインKもしくは微分ゲインKの前記変化後割合αP’、αI’、αD’を積分ゲインKの前記低下後割合αI’で除した値を小さくする構成としてもよい。
すなわち、減速時の各ゲインK,K,Kの前記変化後割合(変化前の大きさに対する変化後の割合)をそれぞれαP’、αI’、αD’ 、加速時の各ゲインK,K,Kの前記変化後割合(変化前の大きさに対する変化後の割合)をそれぞれαP、αI、αDとしたとき、以下の関係を満たすようにゲインK,K,Kを変更する。
PID制御: αPI ≧ αP’/αI’ かつ αDI ≧ αD’/αI
PI制御:αPI ≧ αP’/αI
ID制御:αDI ≧ αD’/αI
減速時は積分補償が支配的となるようにゲインK,K,Kを変化させることで、より安定したフィードバック制御が可能となる。
この場合に、加速時と減速時で積分ゲインKの前記割合αIを比較した場合は、加速時の方を小さくする方がより効果的である。
また、加速時と減速時で比例補償、微分補償のゲインK,Kの前記割合αP’、αD’を比較した場合には、減速時の方を小さくする方が効果的である。
前記許容回転速度計算部12は、前記定められた規則による計算として、例えばマップ等で車速Vおよびハンドル角δの検出値と許容回転速度ω′との関係を定めておき、この定められた関係を用いて許容回転速度ω′を計算するようにしてもよく、さらにヨーレートrを加味して車許容回転速度ω′を計算するようにしてもよい。この他に、前記許容回転速度計算部12は、車輪回転速度ωの検出値に所定の定数を乗じた値を許容回転速度ω′とする構成であってもよい。
前記第2のスリップ制御装置11は、例えば、車輪回転速度ωと車速Vを用いてスリップ率λを計算するスリップ率計算部21と、スリップ率λとスリップ率許容値λ′との偏差Δλを計算するスリップ率偏差計算部22と、前記比例補償、積分補償、および微分補償を行う可変の各ゲインK,K.Kを用いて前記偏差Δλからフィードバック演算値KPIDを計算する制御器15Aと、入力された制駆動指令値を前記フィードバック演算値KPIDに応じて変更し前記電動機4のコントローラへ出力する制駆動指令値計算部16Aとを備え、前記フィードバックゲイン変更部14Aは、車両が減速しているときには、同じ車速における加速時よりも、比例ゲインKもしくは微分ゲインKの前記変化後割合αP’、αI’、αD’を積分ゲインKの前記低下後割合αI’で除した値を小さく する構成としてもよい。
第1の発明と同様に、以下の関係を満たすようにゲインK,K,Kを変更する。
PID制御: αPI ≧ αP’/αI’ かつ αDI ≧ αD’/αI
PI制御:αPI ≧ αP’/αI
ID制御:αDI ≧ αD’/αI
このように、減速時は積分補償が支配的となるようにゲインK,K,Kを変化させることで、より安定したフィードバック制御が可能となる。
この発明のスリップ制御装置11において、前記フィードバックゲイン変更部14は、車速Vが前記しきい値Vth以下のときに、比例ゲインKおよび微分ゲインKのいずれか一方または両方を、零または零に近い値に変更する構成としてもよい。
このように比例ゲインKおよび微分ゲインKのいずれか一方または両方を、零または零に近い値に変更することで、前記低下後割合α(α0_P)もしくはα(α0_D)あるいはその両方を零もしくは零に近い値としてもよい。
前記「零に近い値」は、制御上で零と見做せる値であり、設計により任意に定める。
この発明のスリップ制御装置11において、前記電動機4は、駆動輪2を独立に制御できる車両1における前記駆動輪2を駆動する電動機4であってもよい。
駆動輪2を独立に制御できる車両1における前記電動機4は、インホイールモータ型であっても、オンボード型であってもよい。
駆動輪2を独立に制御できる車両1の場合、個々の駆動輪2のスリップ制御を独立に行えるため、スリップ制御の効果がより効果的となる。
この発明の第1のスリップ制御装置は、電動機の力行・回生によって加速と減速が可能な車両に搭載され、車輪回転速度と許容車輪回転速度との偏差を算出すると共に、比例補償を行う可変の比例ゲインおよび微分補償を行う可変の微分ゲインのうちの少なくとも一方のゲインと積分補償を行う可変の積分ゲインとを用いて前記偏差からフィードバック演算値を計算し、入力された制駆動指令値を前記フィードバック演算値に応じて制御して前記電動機を駆動するスリップ制御装置であって、フィードバックゲイン変更部を有し、このフィードバックゲイン変更部は、車速がしきい値以下のときに、前記比例ゲインおよび微分ゲインのうち、前記フィードバック演算値の計算に用いるゲインが比例ゲインおよび微分ゲインの両方である場合は両方のゲインまたはいずれか一方のゲインを低下させ、前記フィードバック演算値の計算に用いるゲインが比例ゲインおよび微分ゲインのいずれか一方である場合はその用いるゲインを低下させ、前記積分ゲインはそのまま維持させまたは低下させ、前記各ゲインの低下前の大きさに対する低下後の大きさの割合である低下後割合、ただし低下させないゲインについては維持させた場合の割合も低下後割合と称す、について、前記積分ゲインの前記低下後割合を最も大きくするため、低速時に車輪回転速度の測定精度が悪化しても安定したスリップ制御を行うことができ、車両挙動が乱れることを防止できる。
この発明の第2のスリップ制御装置は、電動機の力行・回生によって加速と減速が可能な車両に搭載され、車輪回転速度と車速を用いて算出されるスリップ率とスリップ率許容値との偏差を算出すると共に、比例補償を行う可変の比例ゲインおよび微分補償を行う可変の微分ゲインのうちの少なくとも一方のゲインと積分補償を行う可変の積分ゲインとを用いて前記偏差からフィードバック演算値を計算し、入力された制駆動指令値を前記フィードバック演算値に応じて制御して前記電動機を駆動するスリップ制御装置であって、フィードバックゲイン変更部を有し、このフィードバックゲイン変更部は、車速がしきい値以下のときに、前記比例ゲインおよび微分ゲインのうち、前記フィードバック演算値の計算に用いるゲインが比例ゲインおよび微分ゲインの両方である場合は両方のゲインまたはいずれか一方のゲインを低下させ、前記フィードバック演算値の計算に用いるゲインが比例ゲインおよび微分ゲインのいずれか一方である場合はその用いるゲインを低下させ、前記積分ゲインはそのまま維持させまたは低下させ、前記各ゲインの低下前の大きさに対する低下後の大きさの割合である低下後割合、ただし低下させないゲインについては維持させた場合の割合も低下後割合と称す、について、前記積分ゲインの前記低下後割合を最も大きくするため、低速時に車輪回転速度の測定精度が悪化しても安定したスリップ制御を行うことができ、車両挙動が乱れることを防止できる。
この発明の第1の実施形態に係るスリップ制御装置を搭載した車両の一例の概念構成を示す説明図である。 同スリップ制御装置の概念構成を示す機能ブロック図である。 第2の実施形態に係るスリップ制御装置の概念構成を示す機能ブロック図である。 同スリップ制御装置によるフィードバックゲインの変更例を示すグラフである。 同スリップ制御装置によるフィードバックゲインの他の変更例を示すグラフである。 同スリップ制御装置によるフィードバックゲインのさらに他の変更例を示すグラフである。 同スリップ制御装置によるフィードバックゲインのさらに他の変更例を示すグラフである。 各補償値、車速、および車輪速の時間変化例を示すグラフである。 同スリップ制御装置によるフィードバックゲインのさらに他の変更例を示すグラフである。 同スリップ制御装置によるフィードバックゲインのさらに他の変更例を示すグラフである。 同スリップ制御装置によるフィードバックゲインのさらに他の変更例を示すグラフである。 各補償値、車速、および車輪速の他の時間変化例を示すグラフである。 インホイールモータ駆動装置の一例を示す断面図である。
<<車両全体構成>>
この発明の第1の実施形態を図1、図2、および図13と共に説明する。図1に示すように、この実施形態は、4輪の駆動輪2に、インホイールモータ駆動装置3を構成する回転型の電動機4を備えた車両1に適用した例である。車両1は、電動機4の力行・回生によって加速と減速が可能であり、また4輪を独立して制御可能である。
インホイールモータ駆動装置3は、例えば図13に示すように、車輪用軸受5と、前記電動機4と、この電動機4の回転出力を車輪用軸受5の回転輪となるハブ輪5aに減速して伝達する減速機6とを備え、前記ハブ輪5aに駆動輪1(図1)のホイールが取付けられる。電動機4は、例えば同期モータ等の交流モータであり、ステータ4aとロータ4bとを有する。インホイールモータ駆動装置3は、車輪回転速度センサ7(図1)を備えている。車輪回転速度センサ7は、例えば磁気エンコーダと磁気センサとで構成され、車輪回転速度ωに比例したパルス間隔のパルス列を出力する。また車輪回転速度センサ7の代わりに図13のレゾルバ23の値を用いてもよい。レゾルバ23は、電動機4のロータの回転速度を検出するセンサであり、車輪回転速度に比例した値を出力する。
図1において、車両1の統括制御を行うVCU等の上位ECU8に、各種センサ9からアクセルペダルおよびブレーキペダルの踏み込み量等が入力され、上位ECU8は各駆動輪1の電動機4を制御するモータコントローラ10に制駆動指令を分配する。前記各種センサ9は、アクセルペダルセンサ、ブレーキペダルセンサ、および他の種々のセンサを一つで代表して示している。前記上位ECU8とモータコントローラ10との間に、スリップ制御装置11が介在する。
モータコントローラ10は、バッテリ(図示せず)の直流電力を電動機3に応じて交流電力に変換するインバータと、入力された制駆動指令に従って前記インバータの出力を制御すると共に電動機3の回転位相等に応じた効率化等の制御を行う制御手段とで構成される。モータコントローラ10は、個々の電動機4毎に設けられているが、前輪側および後輪側の二つずつがそれぞれ一つの筐体に纏められており、図1ではその纏められたものを、一つのモータコントローラ10のブロックとして示している。
スリップ制御装置11は、個々の電動機4に対して設けられているが、図1では一つのブロックで代表して示している。スリップ制御装置11には、車速検出手段17から車速Vが入力され、かつ各電動機4の車輪回転速度センサ7で検出された車輪回転速度ωが、モータコントローラ10を介して入力される。
<<第1の実施形態、スリップ制御装置>>
図2は、スリップ制御装置11の概念構成例を示す。スリップ制御装置11は、許容回転速度計算部12と、車輪回転速度偏差計算部13と、フィードバックゲイン変更部14と、制御器15と、制駆動指令値計算部16とを備える。
許容回転速度計算部12は、定められた規則により、スリップに影響する車両の因子の状態量の検出値から前記許容車輪回転速度ω′を計算する手段である。
前記許容回転速度計算部12は、前記定められた規則による計算として、例えばマップ(図示せず)等で車速V、ハンドル角δ、およびヨーレートrの検出値と許容回転速度ω′との関係を定めておき、この関係を用いて許容回転速度ω′を計算する。なお、ヨーレートrは必ずしも上記計算に用いなくてもよい。
前記許容回転速度計算部12は、この他に、車輪回転速度ωに所定の定数を乗じて許容車輪回転数ω′とする構成であってもよい。
車速Vは、車速検出手段17により検出される。ハンドル角δは、ステアリングハンドル(図示せず)の中立位置からの操舵角度であり、ハンドル角測定手段18で測定される。ヨーレートrは、車両1に設置されたヨーレート測定手段19で測定される。車輪回転速度ωは、前記車輪回転速度センサ7(図1参照)により検出されて前記モータコントローラ10から転送される。
車輪回転速度偏差計算部13は、車輪回転速度ωと前記許容回転速度ω′との偏差である車輪回転速度偏差Δωを算出する手段である。
制御器15は、比例補償、積分補償、および微分補償を行う可変の各ゲインK、K,Kを用いて前記車輪回転速度偏差Δωからフィードバック演算値KPIDを計算する手段である。このフィードバック演算値KPIDは、上位ECU8からスリップ制御装置11に与えられる制駆動指令と同じ単位の値であり、この例ではトルク値である。
制駆動指令値計算部16は、上位ECU8から入力された制駆動指令値を、前記フィードバック演算値KPIDに応じて変更しモータコントローラ10へ出力する手段である。この例では、上位ECU8が指令する制駆動指令値はトルク指令値であり、フィードバック演算値KPIDもトルク値である。したがってこの例では、制駆動指令値計算部16は、トルク指令値計算部である。
フィードバックゲイン変更部14は、前記制御器15が用いる前記比例補償、積分補償、および微分補償の前記各ゲインK、K,Kを変更する手段であり、車速Vがしきい値Vth以下のときに、前記比例ゲインKおよび微分ゲインKのうち、前記フィードバック演算値KPIDの計算に用いるゲインが比例ゲインKおよび微分ゲインKの両方である場合は両方のゲインK,Kまたはいずれか一方のゲインを低下させ、前記フィードバック演算値KPIDの計算に用いるゲインが比例ゲインKおよび微分ゲインKのいずれか一方である場合はその用いるゲインを低下させ、前記積分ゲインKはそのまま維持させまたは低下させ、
前記各ゲインK,K,Kの低下前の大きさに対する低下後の大きさの割合である低下後割合α,α,α、ただし低下させないゲインについては維持させた場合の割合も低下後割合α,α,αと称す、について、
前記積分ゲインKの前記低下後割合αを最も大きくする。
ここで、「前記積分ゲインKの前記低下後割合αを最も大きくする。」とは、次の関係を満たすことである。
〔満たすべき関係〕
PID制御: α ≧ α かつ α ≧ α (αとαの大小関係は問わない。
PI制御: α ≧ α
ID制御: α ≧ α
ただし、
α=KP/ KB_P、 α=KI/ KB_I、 α=KD I/ KB_D
KP、KI、KD:低下後(低下途中)の各ゲインの大きさ
KB_P、KB_I、KB_D:低下前の各ゲインの大きさ(基準値)
なお、次のように、αがαおよびαよりも大きく、同じ値となる場合を除いても良い。
PID制御: α > α かつ α > α (αとαの大小関係は問わない。
PI制御: α > α
ID制御: α > α
フィードバックゲイン変更部14は、より具体的には、車速Vが前記しきい値Vthとしてゲイン毎に定められたしきい値Vth_P、Vth_I、Vth_D以下のときに、前記比例補償、積分補償、および微分補償の前記各ゲインK,K,Kを低下させ、積分補償のゲインKの低下前の大きさに対する低下後の大きさの割合を、比例補償および微分補償のゲインK,Kの低下前の大きさに対する低下後の大きさの割合よりも大きくする。低下前の各ゲインの大きさをそれぞれKB_P,KB_I,KB_Dとし、低下後の大きさの割合である低下後割合をαとすると、各ゲインのαは式(2)~(4) となる。
α=K/ KB_P (2)
α=K/ KB_I (3)
α=K/ KB_D (4)
フィードバックゲイン変更部14は、比例ゲインKおよび微分ゲインKの低下後割合α、αの値を積分ゲインKの低下後割合αよりも小さくする。例えば、フィードバックゲイン変更部14は、比例補償および微分補償のゲインK、Kを零に変更する。比例補償および微分補償のゲインK、Kは、必ずしも零まで低下させなくてもよく、零に近い値としてもよい。比例ゲインKおよび微分ゲインKの低下後割合α、αは、別々の値であっても、互いに同じ値であってもよい。
一例を挙げると、前記フィードバックゲイン変更部14は、
・比例ゲインK: 1000 → 0 、変化後の大きさの割合 α:0%
・積分ゲインK: 10 → 2 、変化後の大きさの割合 α:20%
・微分ゲインK: 100 → 0 、変化後の大きさの割合 α:0%、
とする。この例ではαとαの両方を零にしたが、αとαの値がαよりも小さければよく、αとαが異なる値となるようにK、Kを変更しても良い。
なお、前記ゲイン毎に定められた速度のしきい値Vth_P、Vth_I、Vth_Dは、別々の値であってもよく、また互いに同じ値であってもよい。ただし、大小関係は、必然的に次のようになる(図4、図5参照)。
PID制御: Vth_I ≦ Vth_P かつ Vth_I ≦ Vth_D
(Vth_PとVth_Dの大小関係は問わない)
PI制御: Vth_I ≦ Vth_P
ID制御: Vth_I ≦ Vth_D
フィードバックゲイン変更部14は、積分補償のゲイン(積分ゲインK)については、車両が加速しているか減速しているかを判断して変更する。具体的には、加速しているときは積分補償のゲインKを基準値よりも小さくする。減速するときは、同じ車速Vにおける加速時よりも積分ゲインを大きくする。前記「基準値」は、設計により任意に、かつ独立に定められる値である。
フィードバックゲイン変更部14は、車両1が加速しているか減速しているかを判断する加速/減速判断部14aを有する。加速/減速判断部14aは、例えば加速度センサ(図示せず)の前後加速度信号の正負によって判断する。
<作用、効果>
低速走行時は、スリップ制御装置11に車輪回転速度ωとして入力される車輪回転速度センサ7の単位時間当たりのパルス数が減少することなどから、車輪回転速度ωの測定精度が悪化する。そのため、車輪回転速度偏差Δωの変動が大きくなる。
ここで、フィードバック制御における微分補償、および比例補償は、車輪回転速度偏差Δωの変動によって振動的になりやすい。微分補償は、車輪回転速度偏差Δωを微分するため振動を増幅させてしまう。比例補償も車輪回転速度偏差Δωの変動をそのまま補償値に反映させてしまう。一方積分補償は、車輪回転速度偏差Δωが変動しても振動的になり難い。積分補償は、車輪回転速度偏差Δωを積分するため、車輪回転速度偏差Δωの変動の影響が小さくなる。
そこで、低速走行時は、振動を発生させやすい比例補償ゲインK,微分補償ゲインKを低下させ、または零にして比例補償、微分補償を無効化する。これにより、低速時に車輪回転速度ωの測定精度が悪化しても安定したスリップ制御を行うことができ、車両挙動が乱れることを防止できる。
積分補償のゲインKの影響については、車両1が加速しているか減速しているかによって異なる。そこで、フィードバックゲイン変更部14は、車両1が加速しているか減速しているかを判断し、加速しているときは積分補償ゲインKを基準値よりも小さくする。 加速している時は、積分補償ゲインKを基準値よりも小さくすることで、振動を抑制しつつスリップ制御を行うことができる。これにより、スリップ制御の応答性が低下するが、低速走行時には応答性が下がっても車両挙動が乱れにくいため問題とならない。
減速している時は、フィードバックゲイン変更部14は、同じ車速Vにおける加速時よりも積分ゲインKを大きくする。
減速時は、低速まで車両が減速するまでの間に車輪回転速度偏差Δωの積分値が大きくなっている。そのため、低速走行時に車輪回転速度ωの測定値が変動しても、積分補償の値に与える影響は微小となる。したがって、加速時よりも積分ゲインKを大きくしても、振動が発生しにくい。加速時よりも積分ゲインKを大きくすることで、より応答性良くフィードバック制御を行うことができる。応答性良くフィードバック制御ができると、車輪のロックを防ぎ車両挙動が乱れることを防止できる。
なお、加速時と減速時のゲインの変更方法の変更は、いずれかひとつのゲインについてでもよく、変更しないゲインが合っても良い(図11参照)。
上記のように、車速Vに応じてフィードバック制御における各ゲインK,K.Kを変化させ、更に車両1が加速しているか減速しているかを判断し、加速時と減速時でゲインKの低下方法を変更することで、低速時に車輪回転速度ωの測定精度が悪化しても安定したスリップ制御を行うことができ、車両挙動が乱れることを防止できる。
また、この実施形態は、4輪の各駆動輪2を独立に制御できる車両1に適用しており、個々の駆動輪2のスリップ制御を独立に行えるため、スリップ制御の効果がより効果的となる。
なお、作用の詳細については低下後と同様であり、第2の実施形態において説明する。
<<第2の実施形態、スリップ制御装置>>
この発明の第2の実施形態につき、図3ないし図と共に説明する。この実施形態において、特に説明する事項の他は、第1の実施形態と同様である。
この実施形態は、図1と共に前述した車両1において、スリップ制御装置11を図3に示す構成としている。
図3において、スリップ制御装置11は、スリップ率計算部21、スリップ率偏差計算部22と、フィードバックゲイン変更部14Aと、制御器15Aと、制駆動指令値計算部16Aとを備える。
スリップ率計算部21は、スリップ率λを、車輪回転速度ω、車速V 、ヨーレートrとハンドル角δ から式(5)~(10) により算出する。

Figure 0007149713000002
ここで、Rはタイヤ半径、βは車両重心点での横滑り角、dは前輪トレッド、dは後輪トレッド、lは重心位置から前輪車輪位置までの距離である。また、V 、δ、ωの添字は車輪を示しており、FL:左前輪、FR:右前輪、RL:左後輪、RR:右後輪である。スリップ率λは駆動輪2の滑り度合いを表しており、グリップ状態ではλ=0、ロック時はλ>0、ホイルスピン時はλ<0とする。
車速Vは、車速検出手段17により検出される。ハンドル角δは、ステアリングハンドル(図示せず)の中立位置からの操舵角度であり、ハンドル角測定手段18で測定される。ヨーレートrは、ヨーレート測定手段19で測定される。車輪回転速度ωは、前記車輪回転速度センサ7(図1参照)により検出されて前記モータコントローラ10から転送される。
スリップ率偏差計算部22は、スリップ率許容値λ′(上限値(>0)または下限値(<0))とスリップ率λの偏差Δλを計算する。スリップ率許容値λ′ は、シミュレーション等に基づく設計により任意に定められる。
制御器15Aは、各駆動輪2のスリップ率λを監視し、スリップ率λがスリップ率許容値λ′ (上限値(>0)または下限値(<0))を超えた場合に、スリップ率偏差Δλに基づくPID演算を行い、フィードバック演算値KPIDを得る。
Figure 0007149713000003
ここで、K,K,Kは、それぞれ比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインである。本実施例では、比例補償、積分補償、微分補償のすべてを行うフィードバック制御を例に示すが、比例補償と積分補償を行うフィードバック制御、あるいは積分補償と微分補償を行うフィードバック制御に適用してもよい。
加速/減速判断部14aは、車両1が加速しているか減速しているかを判断する。例えば、加速度センサ(図示せず)の前後加速度信号の正負によって判断する。加速/減速判断部14aは、フィードバックゲイン変更部14Aの一部として設けられている。
フィードバックゲイン変更部14Aは、前述した比例ゲインK、積分ゲインK、微分ゲインKを、車速Vの変数として計算する。
フィードバックゲイン変更部14Aは、前記制御器15Aが用いる前記比例補償、積分補償、および微分補償の前記各ゲインK、K,Kを変更する手段であり、車速Vがゲイン毎に定められたしきい値Vth_P、Vth_I、Vth_D以下のときに、前記比例補償、積分補償、および微分補償の前記各ゲインK,K,Kを低下させ、積分補償のゲインKの低下前の大きさに対する低下後の大きさの割合を、比例補償および微分補償のゲインK,Kの低下前の大きさに対する低下後の大きさの割合よりも大きくする。低下前の各ゲインの大きさをそれぞれKB_P,KB_I,KB_Dとし、低下後の大きさの割合をαとすると、各ゲインのαは式(12)~(14)となる。
α=K/ KB_P (12)
α=K/ KB_I (13)
α=K/ KB_D (14)
フィードバックゲイン変更部14Aは、αとαの値をαよりも小さくする。例えば、フィードバックゲイン変更部14Aは、比例補償および微分補償のゲインK、Kを零に変更する。比例補償および微分補償のゲインK、Kは、必ずしも零まで低下させなくてもよく、零に近い値としてもよい。
一例を挙げると、前記フィードバックゲイン変更部14Aは、
・比例ゲインK: 1000 → 0 、変化後の大きさの割合 α:0%
・積分ゲインK: 10 → 2 、変化後の大きさの割合 α:20%
・微分ゲインK: 100 → 0 、変化後の大きさの割合 α:0%、
とする。この例ではαとαの両方を零にしたが、αとαの値がαよりも小さければよく、αとαが異なる値となるようにK、Kを変更しても良い。
フィードバックゲイン変更部14は、積分補償のゲイン(積分ゲインK)については、車両1が加速しているか減速しているかを判断して変更する。具体的には、加速しているときは積分補償のゲインKを基準値よりも小さくする。減速するときは、同じ車速Vにおける加速時よりも積分ゲインを大きくする。また減速時は積分ゲインの値を必ずしも低下させる必要はなく、基準値のままとしても良い。前記「基準値」は、設計により任意に定められる値である。
制駆動指令値計算部16Aは、上位ECU8が指令した制駆動指令値に制御器15Aが算出したフィードバック演算値KPIDを足すことで、出力する制駆動指令値を計算する。この例では、上位ECU8が指令する制駆動指令値はトルク指令値であり、フィードバック演算値KPIDもトルク値である。したがってこの例では、制駆動指令値計算部16Aは、トルク指令値計算部である。
トルク指令値が負の場合、すなわち回生ブレーキをかけている場合は回生ブレーキを緩め、トルク指令値が正の場合は駆動トルクを緩める。これにより、スリップ率λがスリップ率許容値λ′以下になるように前記駆動輪2のトルク指令値が制御され、駆動輪2のロックまたはスピンを抑制できる。
<作用、効果>
前述したように、制御器15Aは、積分補償と、比例補償もしくは微分補償、あるいはその両方を備える。
ここで、低速走行時は車輪回転速度ωの測定精度が悪化するため、スリップ率λの変動が大きくなる。スリップ率λの変動によってスリップ率偏差Δλにも変動が生じる。変動が生じたスリップ率偏差Δλが制御器15Aに入力されると、微分補償が最も振動の原因となりやすく、次に比例補償が振動の原因となる。一方積分補償は振動の原因となりにくい。微分補償はスリップ率偏差を微分するため振動を増幅させてしまう。比例補償はスリップ率偏差Δλの変動をそのまま補償値に反映させてしまう。一方、積分補償はスリップ率偏差を積分するため、測定値の変動の影響が小さくなる。
上記の理由から、振動の原因となりやすい比例補償もしくは微分補償、あるいはその両方を低速走行時に弱めるかもしくは無効化する。例えば、車速0km/hで比例ゲインKと微分ゲインKをα0_P、α0_Dとなるようにそれぞれ設定する。このとき、α0_Pもしくはα0_Dを零とすれば、比例補償もしくは微分補償を無効化できる。これら2つのゲインK、Kは、図4のように車速0~Vth_P、Vth_Dkm/h にて値を連続的に変化させる。Vth_P、Vth_Dはそれぞれ車速に対するゲインのしきい値であり、10~15 km/h 、例えばVth_P=12 km/h、Vth_D=15 km/h に設定される。この例ではVth_P≠Vth_Dとしたが、Vth_PとVth_Dを同じ値としてもよい。図4では積分補償も同様に車速0~Vth_Ikm/h にて値を連続的に変化させる。このとき、必ずα≧α、かつα≧αとなるように値を変化させる。Vth_Iは、Vth_I≦Vth_P、かつVth_I≦Vth_Dとなるように設定する必要があるため、例えば10km/h とする。この例では、Vth_IをVth_P、Vth_Dと異なる値としたが、Vth_I=Vth_P、またはVth_I=Vth_Dとなるように設定しても良い。例えば、Vth_I=Vth_P≦Vth_Dのように微分補償のみ車速のしきい値を大きくしても良い。
このとき、図5のように、α0_P、α0_Dの大小関係は車速によって入れ替わっても良い。積分ゲインKは、図4と同様に常にα≧α、かつα≧αとなるように値を変化させる。図4と図5の実施例では各ゲインを線形に変化させているが、この限りではなく、α≧α、かつα≧αの関係が満たされるならば非線形に変化させても良い。また、図6のように、0< thを設定し、 th km/hにて値を連続的に変化させ、0~ km/hまでは km/hで設定されるαの値を維持しても良い。α0_P、α0_Dは、図7のようにα=0を維持してもよい。αは、零に限らず、零に近い値であってもよい。
また、加速/減速判断部の判断から、加速時と減速時でゲインの変化方法を切り替える。
加速時には、積分補償のゲイン(積分ゲインK)は、例えば、図9のように車速Vkm/hで基準値(例えば15 km/h 以上のゲイン)の1/4 とし、車速Vが上昇するにつれて連続的にゲインKを変化させる。
このとき、比例ゲインKや微分ゲインKと同じように、車速Vkm/hで積分ゲインKを0としてはならない。積分ゲインも0にしてしまうと、スリップ制御が作動しなくなる。
図8に加速時の車速V、車輪速、スリップ制御とスリップ率偏差(=比例補償値)、積分補償値、微分補償値を示す。上記のように低速走行中、加速時のゲインを設定することで、振動を抑制しつつスリップ制御を行うことができる。またスリップ制御の応答性が低下するが、例えば15 km/h 以下のような低速走行時にはスリップ制御の応答性が低下しても車両挙動が乱れにくいため問題とならない。
減速時には、以下の式(14)を満たすようにいずれかもしくは複数のゲインを変更する。
αPI ≧ αP’/αI’ かつ αDI ≧ αD’/αI’ (14)
ここで、減速時の、各ゲインの低下後割合(低下前の大きさに対する低下後の割合)をそれぞれαP’、 αI’、 αD’とする。
すなわち、加速時と減速時で積分補償のゲインの前記割合を比較した場合には、減速時の方が加速時よりもゲインの前記割合を大きくする。例えば、図9のように、加速時の車速閾値Vth_Iよりも小さい値となる車速閾値Vth_I’を設定し、0~Vth_I km/hにて値を変化させる。加速時と減速時で積分補償のゲインの前記低下後割合αI、αI’を比較した場合は、同図のように加速時の方を小さくする方がより効果的である。
一方、比例補償もしくは微分補償のゲインの前記割合を比較した場合には、減速時の方が加速時よりもゲインの前記割合を小さくする。例えば図10のように、加速時の車速のしきい値 thと異なる減速時の車速のしきい値 ’、 th’を、 ’< th th’となるように設定し、 ’~ th’km/hにて値を連続的に変化させても良い。
加速時と減速時で比例補償、微分補償のゲインの前記低下後割合αP、αP’、αD、αD’、αI’を比較した場合には、同図のように減速時の方が小さくする方が効果的である。
ここで、図10の例では比例ゲインと微分ゲインを同時に変化させたが、別々に変化させても良い。また、図11に示すように加速時と減速時で、例えば微分ゲインのみゲインの変更方法を変えなくても良い。
上記のように加速時と減速時でゲインの変化方法を変更することで、より安定したフィードバック制御が可能となる。
図11に減速時の車速V、車輪速、スリップ制御とスリップ率偏差(=比例補償値)、積分補償値、微分補償値を示す。上記のように低速走行時、減速時のゲインを設定することで、振動を抑制しつつスリップ制御を行うことができる。更に、加速時よりも積分ゲインを大きく設定できるためスリップ制御の応答性も確保することができ、車両挙動が乱れにくい。
このように、この実施形態のスリップ制御装置11によれば、車速Vに応じてフィードバック制御における各ゲインK、K,Kを変化させ、更に車両が加速しているか減速しているかを判断し、加速時と減速時でゲインKの変化方法を変更することで、低速時に車輪回転速度ωの測定精度が悪化しても安定したスリップ制御を行うことができ、車両挙動が乱れることを防止することができる。
なお、第2の実施形態につき説明した各事項は、偏差につき、第2の実施形態では車輪回転速度ωと車速Vとを用いて算出されるスリップ率λとスリップ率許容値λ′との偏差Δλを用いているのに対して、第1の実施形態では車輪回転速度ωと許容回転速度ω′との偏差Δωを用いていることを除き、第1の実施形態にそのまま適用することができる。 また、前記偏差につき異なる他は、第1の実施形態につき説明した事項は、第2の実施形態にそのまま適用することができる。
なお、前記各実施形態は、4輪にインホイールモータ駆動装置3を用いた車両1に適用した場合につき説明したが、この発明は、オンボード型の4輪独立駆動車や、左右輪独立駆動型の2輪駆動車、1モータ型等の車両に適用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2…駆動輪
3…インホイールモータ駆動装置
4…電動機
7…車輪回転速度センサ
8…上位ECU
9…各種センサ
10…モータコントローラ
11…スリップ制御装置
12…許容回転速度計算部
13…車輪回転速度偏差計算部
14、14A…フィードバックゲイン変更部
15,15A…制御器
16,16A…制駆動指令値計算部
17…車速検出手段
18…ハンドル角測定手段
19…ヨーレート測定手段
21…スリップ率計算部
22…スリップ率偏差計算部
23…レゾルバ
V…車速
r…ヨーレート
δ…ハンドル角
λ…スリップ率
λ′…スリップ率許容値
Δλ…スリップ率偏差
ω…車輪回転速度
ω′…許容回転速度
Δω…車輪回転速度偏差
PID…フィードバック演算値

Claims (8)

  1. 電動機の力行・回生によって加速と減速が可能な車両に搭載され、車輪回転速度と許容車輪回転速度との偏差を算出すると共に、比例補償を行う可変の比例ゲインおよび微分補償を行う可変の微分ゲインのうちの少なくとも一方のゲインと積分補償を行う可変の積分ゲインとを用いて前記偏差からフィードバック演算値を計算し、入力された制駆動指令値を前記フィードバック演算値に応じて制御して前記電動機を駆動するスリップ制御装置であって、
    フィードバックゲイン変更部を有し、
    このフィードバックゲイン変更部は、
    車速がしきい値以下のときに、
    前記積分ゲインはそのまま維持させまたは低下させ、
    前記比例ゲインおよび微分ゲインのうち、前記フィードバック演算値の計算に用いるゲインが比例ゲインおよび微分ゲインの両方である場合は両方のゲインまたはいずれか一方のゲインを低下させ、
    前記フィードバック演算値の計算に用いるゲインが比例ゲインおよび微分ゲインのいずれか一方のみである場合はその用いるゲインを低下させ、
    前記各ゲインの低下前の大きさに対する低下後の大きさの割合である低下後割合、ただし低下させないゲインについては維持させた場合の割合も低下後割合と称す、について、
    前記積分ゲインの前記低下後割合を最も大きくする、
    ことを特徴とするスリップ制御装置。
  2. 電動機の力行・回生によって加速と減速が可能な車両に搭載され、車輪回転速度と車速を用いて算出されるスリップ率とスリップ率許容値との偏差を算出すると共に、比例補償を行う可変の比例ゲインおよび微分補償を行う可変の微分ゲインのうちの少なくとも一方のゲインと積分補償を行う可変の積分ゲインとを用いて前記偏差からフィードバック演算値を計算し、入力された制駆動指令値を前記フィードバック演算値に応じて制御して前記電動機を駆動するスリップ制御装置であって、
    フィードバックゲイン変更部を有し、
    このフィードバックゲイン変更部は、
    車速がしきい値以下のときに、
    前記積分ゲインはそのまま維持させまたは低下させ、
    前記比例ゲインおよび微分ゲインのうち、前記フィードバック演算値の計算に用いるゲインが比例ゲインおよび微分ゲインの両方である場合は両方のゲインまたはいずれか一方のゲインを低下させ、
    前記フィードバック演算値の計算に用いるゲインが比例ゲインおよび微分ゲインのいずれか一方のみである場合はその用いるゲインを低下させ、
    前記各ゲインの低下前の大きさに対する低下後の大きさの割合である低下後割合、ただし低下させないゲインについては維持させた場合の割合も低下後割合と称す、について、前記積分ゲインの前記低下後割合を最も大きくする、
    ことを特徴とするスリップ制御装置。
  3. 請求項1に記載のスリップ制御装置において、前記フィードバックゲイン変更部は、車両が加速しているか減速しているかを判断し、加速時と減速時とで、前記比例ゲイン、積分ゲイン、および微分ゲインのいずれか一つまたは複数について、前記車速が前記しきい値以下のときに低下させる前記ゲインの低下の方法を変えるスリップ制御装置。
  4. 請求項2に記載のスリップ制御装置において、前記フィードバックゲイン変更部は、車両が加速しているか減速しているかを判断し、加速時と減速時とで、前記比例ゲイン、積分ゲイン、および微分ゲインのいずれかについて、前記車速が前記しきい値以下のときに低下させる前記ゲインの前記低下の方法を変えるスリップ制御装置。
  5. 請求項1または請求項3に記載のスリップ制御装置において、定められた規則によりスリップに影響する車両の因子の状態量の検出値から前記許容車輪回転速度を計算する許容回転速度計算部と、車輪回転速度と前記許容車輪回転速度との偏差を計算する車輪回転速度偏差計算部と、前記積分補償と、比例補償もしくは微分補償またはその両方を行う可変の各ゲインを用いて前記偏差から前記フィードバック演算値を計算する制御器と、入力された制駆動指令値を前記フィードバック演算値に応じて変更し前記電動機のコントローラへ出力する制駆動指令値計算部とを備え、
    前記フィードバックゲイン変更部は、車両が減速しているときには、同じ車速における加速時よりも、
    比例ゲインもしくは微分ゲインの前記低下後割合を積分ゲインの前記低下後割合で除した値を小さくするスリップ制御装置。
  6. 請求項2または請求項4に記載のスリップ制御装置において、車輪回転速度と車速を用いてスリップ率を計算するスリップ率計算部と、スリップ率とスリップ率許容値との偏差を計算するスリップ率偏差計算部と、前記積分補償と、比例補償もしくは微分補償またはその両方を行う可変の各ゲインを用いて前記偏差から前記フィードバック演算値を計算する制御器と、入力された制駆動指令値を前記フィードバック演算値に応じて変更し前記電動機のコントローラへ出力する制駆動指令値計算部とを備え、
    前記フィードバックゲイン変更部は、車両が減速しているときには、同じ車速における加速時よりも、
    比例ゲインもしくは微分ゲインの前記低下後割合を積分ゲインの前記低下後割合で除した値を小さくするスリップ制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のスリップ制御装置において、前記フィードバックゲイン変更部は、車速が前記しきい値以下のときに、比例ゲインおよび微分ゲインのいずれか一方または両方を、零または零に近い値に変更するスリップ制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のスリップ制御装置において、前記電動機は、駆動輪を独立に制御できる車両における前記駆動輪を駆動する電動機であるスリップ制御装置。
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