(1)概要
以下の実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。以下の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態の絞りユニット17は、図1に示すように、例えば、光源として複数個のLED(Light Emitting Diode)100を備える照明装置X1に用いられる。また、本実施形態の照明器具Y1は、図8A及び図8Bに示すように、例えば、縦横に並べられた複数(図示例では4つ)の照明装置X1と、複数の照明装置X1を支持する器具本体2と、を備える。本実施形態の照明器具Y1は、一例として、投光器である。
以下の説明では、特に断りのない限り、絞りユニット17及び照明装置X1の上下、左右、前後の方向を、図1に図示されている上下、左右、前後の矢印を用いて規定して説明する。これらの矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。また、上記の方向の規定は、本実施形態の絞りユニット17及び照明器具Y1の使用形態を限定する趣旨ではない。
絞りユニット17は、図1に示すように、絞り板171を備えている。絞り板171は、複数の絞り窓173を有している。絞り窓173は、LED100の光軸方向(図7の破線矢印で示された光N1を参照)に沿って貫通する。複数の絞り窓173は、複数の光源(LED100)に一対一に対応する。各絞り窓173は、対応するLED100から放射される光を絞るための窓を構成する(図4A参照)。以後、LED100(すなわち光源)から放射される光を光源光と記載する。
本実施形態では、絞り板171は、板状の部材であるが、特に板状の部材に限定されない。ただし、絞り窓173の形成の容易性を考慮すれば、少なくとも絞り窓173が形成される領域は、比較的薄い板状であることが望ましい。
本実施形態では、一例として、絞り窓173の開口面の形状は、図4Bに示すように、四角形状であるが、四角形状に限定されない。
また、本実施形態では、上述したように、絞りユニット17は、複数の光源(LED100)にそれぞれ一対一で対応するように複数の絞り窓173を有している。例えば、本実施形態では、照明装置X1には、例えば22個の光源(LED100)が備えられており、絞り窓173は、光源と同数の22個設けられている。以下、「複数の絞り窓173」とは、22個の絞り窓173を意味する。
なお、絞り窓173の数は22個に限定されない。例えば、光源の数が1つであれば、絞り窓173の数も1つであってもよいし、あるいは光源の数と絞り窓173の数とが不一致であってもよい。つまり、複数の絞り窓173は、複数の光源(LED100)に一対一に対応することに限定されない。例えば、1つの光源が2以上の絞り窓173に対応してもよい。また、1つの絞り窓173が2以上の光源に対応してもよい。要するに、複数の光源のうちの少なくとも1つが2以上の絞り窓173に対応してもよい。また、複数の絞り窓173のうちの少なくとも1つが2以上の光源に対応してもよい。
複数の絞り窓173は、図4Aに示すように、絞り板171において、互いに間隔を空けて縦横に配置されている。より詳細には、複数の絞り窓173は、一例として、千鳥配列となるように配置されている。なお、千鳥配列とは、複数の絞り窓173の縦横配列において、その偶数番目の行又は奇数番目の行が横方向に半ピッチずれた配列である。複数の絞り窓173の各々の裏側に、対応する光源が配置される。
なお、以下の説明で、絞り窓173の縦横配列の行及び列を数えるときは、図4Aに示すように、右端から左端に向かって1列目、2列目、…と数え、上端から下端に向かって1行目、2行目、…と数えるものとする。また、1列目、2列目、3列目、…の絞り窓173を、それぞれ、絞り窓173A、絞り窓173B、絞り窓173C、…とも記載する。
複数の絞り窓173は、図4A、4B及び図5A~図5Cに示すように、全て、四角形であるが、全て、同じ形状の四角形ではない。すなわち、複数の絞り窓173のうち、2以上の絞り窓173b(第1絞り窓)は、絞り窓173b以外の他の絞り窓173a(第2絞り窓)と比べて、上下方向の長さL0は同じであるが、左右方向の長さH0は異なっている。すなわち、各絞り窓173bは、他の絞り窓173aと比べて、右側の長さH2が同じで、左側の長さH1(所定側)が異なっている。換言すれば、各絞り窓173bとは、複数の絞り窓173のうち、絞り窓173b以外の他の絞り窓173aと比べて、左側の長さH1(所定側の長さ)だけが異なる絞り窓である。そして、他の絞り窓173aとは、複数の絞り窓173のうち、絞り窓173b以外の残りの絞り窓であって、互いに同形状で同寸法の絞り窓である。なお、絞り窓173bは、2つ以上に限定されず、少なくとも1つであればよい。
なお、絞り窓173bの長さが異なる側である左側(所定側)は、後述のように、光源から照射されて複数の絞り窓173を透過した光源光が形成する照射面の輪郭のうち、照度が徐々に変化する側の輪郭部分に対応する側である。
なお、図4Bに示すように、右側の長さH2は、絞り窓173の開口面において、基準位置P1から右側端部までの長さである。左側の長さH1は、絞り窓173の開口面において、基準位置P1から左側端部までの長さである。基準位置P1は、絞り窓173の開口面において、対応する光源(LED100)の光軸が通過する位置である。言い換えると、基準位置P1は、光軸方向において、対応する光源(LED100)の中心と重なる位置である。
なお、本実施形態では、一例として、複数の絞り窓173のうち、1列目の2個の絞り窓173Aが、上記の他の絞り窓173aである。また、複数の絞り窓173のうち、残りの絞り窓173(すなわち2列目以降の20個の絞り窓173B,173C,…)が、上記の2つ以上の絞り窓173bである。以下、本実施形態では、「2つ以上の絞り窓173b」とは、上記の20個の絞り窓173B,173C,…を意味し、「他の絞り窓173a」とは、上記の2個の絞り窓173Aを意味する。
なお、複数の絞り窓173のうち、どの絞り窓を、2つ以上の絞り窓173bとし、他の絞り窓173bとするかの決め方は、上記のような決め方に限定されない。また、本実施形態では、同じ列に含まれる絞り窓173の開口面の形状は、互いに同形状で同寸法であるが、このように限定されない。
絞り窓173の具体的な寸法については、一例として、全ての絞り窓173において、上下方向の長さL0は3.5[mm]であり、右側の長さH2は3.0[mm]である。絞り窓173の左側の長さH1については、1列目の絞り窓173A(173a)が3.0[mm]であり、2列目の絞り窓173B(173b)は3.1[mm]であり、3列目の絞り窓173C(173b)は3.2[mm]である。以下同様に、絞り窓173の左側の長さH1は、列が左側に1つずれる毎に、一定の長さ(例えば0.1[mm])ずつ増加している。
したがって、本実施形態では、2つ以上の絞り窓173bは、互いに左側の長さH1(所定側の長さ)が異なる絞り窓173を含んでいる。そして、2つ以上の絞り窓173bの各々の左側の長さH1は、左側の絞り窓173bほど、長くなっている。特に、本実施形態では、複数の絞り窓173(すなわち全ての絞り窓173)の各々の左側の長さH1は、左側の絞り窓173ほど、長くなっている。
なお、上記の「複数の絞り窓173の各々の左側の長さH1は、左側の絞り窓173ほど、長くなっている。」とは、左側の絞り窓173ほど、必ず、長くなるという意味ではなく、全体的な傾向として、左側の絞り窓173ほど、長くなっているという意味である。したがって、絞り窓173の左側の長さH1が左側の絞り窓173ほど単調に長くなるだけでなく、絞り窓173の左側の長さH1が左側の絞り窓173ほど長くなる場合に、その途中で左側の長さH1が同じ長さである絞り窓173が介在してもよい。又は、その途中で左側の長さH1が短くなる絞り窓173が介在してもよい。全体的な傾向として左側の絞り窓173ほど左側の長さH1が長くなればよい。上記の「2つ以上の絞り窓173bの各々の左側の長さH1は、左側の絞り窓173bほど、長くなっている。」の意味も同様である。
このような絞りユニット17を備えた照明装置X1では、複数の絞り窓173の各々を透過した光源光による個別の照射面が、照明対象物において、それら個別の照射面における基準位置P1に対応する位置を略一致させた状態で重なり合うことで、照明対象物が照らされる。したがって、光源光による照明対象物での照射面は、上記の個別の照射面の重ね合わせによって形成される。なお、本実施形態では、1つの絞り窓173による照射面を「個別の照射面」と記載し、複数の絞り窓173の全部による照射面を単に「照射面」と記載する。この場合、「照射面」は、「個別の照射面」の重ね合わせによって形成される。なお、後述するように、照射装置X1の光学系によって、光源光による像は、上下左右反転する。この反転を考慮すると、個別の照射面の形状は、対応する絞り窓173の開口面の形状に対して上下左右反転した形状となる。
そして、上述の通り、絞りユニット17では、複数の絞り窓173のうち、2つ以上の絞り窓173bは、他の絞り窓173aと比べて、左側の長さH1が異なる(本実施形態では、長い)。このため、照明対象物での照射面の右側の端部(すなわち、絞り窓173の左側に対応する側の端部)では、2つ以上の絞り窓173bによる個別の照射面と、他の絞り窓173aによる個別の照射面とが互いにずれて重なり合わない。これにより、照明対象物の照射面の右側では、照射面の右側の端部に近づくにつれて照度が低下していく。したがって、照明対象物での照射面のうち、右側の端部では、それ以外の他の部分と比べて照度が低下する。この結果、照明対象物での照射面の輪郭のうち、右側の輪郭部分は、他の輪郭部分と比べてぼかされる。すなわち、照明対象物での照射面の輪郭のうち、右側の輪郭部分をぼかして、他の輪郭部分はシャープにすることができる。
また、絞り窓173bは、2つ以上あり、2つ以上の絞り窓173bは、互いに左側の長さH1(所定側の長さ)が異なる絞り窓173bを含んでいる。特に、本実施形態では、絞り窓173bでは、左側の絞り窓173bほど、左側の長さH1が長い。このため、照明対象物での照射面の右側の端部において、絞り窓173bの各々による個別の照射面の間でも、重なりにずれが生じる。この結果、照明対象物での照射面の右側の輪郭部分に形成された上記のぼかしに、右側ほど徐々に暗くなるグラデーションを付けることができる。
なお、本実施形態では、複数の絞り窓173(すなわち全ての絞り窓173)において、左側の絞り窓173ほど、左側の長さH1が長い。このため、照明対象物での照射面の右側の端部において、複数の絞り窓173(すなわち全ての絞り窓173)の各々による個別の照射面の間で、重なりにずれを生じさせることができる。この結果、上記のグラデーションを、一層滑らかに変化させることができる。
なお、上記の説明では、絞り窓173bの左側の長さH1を長くする場合で説明したが、短くしてもよい。この場合も、照明対象物の右側の端部では、他の絞り窓173aによる個別の照射面と、2つ以上の絞り窓173bによる個別の照射面とが互いにずれて重なり合わないため、上記と同様の効果を奏する。
また、上記の説明では、絞り窓173bの左側の長さH1を長くしたが、絞り窓173bの左側の長さH1、上側の長さL1、又は下側の長さL2を長くしてもよい。これらの場合、それぞれ、照射面の輪郭のうち、右側の輪郭部分、下側の輪郭部分、又は上側の輪郭部分がぼかされ、それ以外の輪郭部分は、シャープになる。
なお、図4Bに示すように、絞り窓173の上側の長さL1は、絞り窓173の開口面において、基準位置P1から上側の端部までの長さであり、下側の長さL2は、絞り窓173の開口面において、基準位置P1から下側の端部までの長さである。
また、上記の説明では、絞り窓173bにおいて、長さを異ならせる側は、左側だけであったが、絞り窓173bの右側、左側、上側及び下側のうち、2つ以上の側の長さを異ならしてもよい。なお、上記の説明では、絞り窓173は、略四角形であったが、多角形や円形などでもよい。この場合、絞り窓173において、長さを異ならせる側は、斜め上側などの斜め方向の側でもよい。
なお、本実施形態における「同形状」とは、幾何学上の「同形状」よりも広い意味で有り、視覚的に同じ形とみなせることが可能であればよい。同様に、「同寸法」とは、幾何学上の「同寸法」よりも広い意味で有り、視覚的に同じ寸法とみなせることが可能であればよい。
(2)詳細
(2.1)照明装置の全体構成
以下、本実施形態の絞りユニット17を備えた照明装置X1について、図1~図11を参照して詳しく説明する。照明装置X1は、図1に示すように、絞りユニット17以外に、例えば、LEDモジュール10、第1レンズ部材11、光制御部材12、第2レンズ部材13、及び支持部材14を備える。
(2.2)LEDモジュール
LEDモジュール10は、図1に示すように、矩形板状のプリント配線板101と、複数個(図示例では22個)のLED100とを有している。ただし、LED100の個数は22個に限定されない。プリント配線板101の四隅に、それぞれ円形の貫通孔1010が形成されている。ただし、左上隅の貫通孔1010の周縁の一部が切り欠かれて、プリント配線板101の縁部で開放している。
LED100は、例えば、青色光を放射するLEDチップと、LEDチップを収容する表面実装型のパッケージと、パッケージの一面から突出する樹脂部1000とを有している(図7参照)。樹脂部1000は、シリコーン樹脂のような透光性を有する合成樹脂によって半球状に形成されている。また、樹脂部1000は、青色光を黄色光に変換する蛍光体が混入されている。したがって、LEDチップから放射される青色光の一部が蛍光体によって黄色光に変換される。つまり、LED100は、青色光と黄色光を混色させることによって、白色光を放射するように構成されている。
これら22個のLED100は、プリント配線板101の前面に形成されているパッドにはんだ接合されることによって、プリント配線板101の前面(以下、実装面という)に実装されている。また、プリント配線板101の実装面には、2つのレセプタクルコネクタ102が実装される。これら2つのレセプタクルコネクタ102の各々は、プリント配線板101の実装面に形成されているプリント配線(導体)を介して、11個ずつのLED100の直列回路と電気的に接続されている。
(2.3)第1レンズ部材
第1レンズ部材11は、図1及び図7に示すように、LED100と同数(22個)の第1レンズ110と、第1支持部113とを有している。第1支持部113は、複数の第1レンズ110を支持している。各第1レンズ110は、図7に示すように、集光部111と反射部112を有している。集光部111は、コリメートレンズである。反射部112は、集光部111の入射面の周囲を囲むように筒状に形成されている。反射部112は、入射した光を内部全反射(internal total reflection)するように構成されている。複数の第1レンズ110と第1支持部113は、アクリル樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって一体に形成されている。
(2.4)第2レンズ部材
第2レンズ部材13は、図1に示すように、LED100と同数(22個)の第2レンズ130と、第2支持部131とを有している。第2支持部131は、複数の第2レンズ130を支持している。各第2レンズ130は、図7に示すように、例えば平凸レンズである。複数の第2レンズ130と第2支持部131は、アクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材料によって一体に形成されている。
(2.5)光制御部材
光制御部材12は、図1、図2及び図7に示すように、第1光制御部材120と第2光制御部材121とを含む。第1光制御部材120は、第1遮光部1200と、第1レンズ110と同数(22個)の第1透過部1201とを有している。第1光制御部材120は、第1透過部1201と同数(22個)の第1筒部1202を、更に有している。第1遮光部1200は、LED100から放射される光を透過しない材料(例えば、透光性を有しない合成樹脂)によって、平板状に形成されている。複数の第1透過部1201の各々は、第1遮光部1200を厚み方向に貫通する円形の孔である(図1及び図7参照)。また、複数の第1筒部1202は、複数の第1透過部1201に一対一に対応し、複数の第1筒部1202の各々は、第1遮光部1200の前面において、対応する第1透過部1201の縁から前方へ突出している。さらに、複数の第1筒部1202の各々は、円管状であって、かつ、前方に向かうに連れて徐々に外径及び内径の両方の管径を小さくした形状に形成されている(図7参照)。
第1光制御部材120は、3つの第1ボス1203を更に有している(図1では2つのみ図示)。3つの第1ボス1203は、円筒形状であって、第1遮光部1200の前面から前方へ突出ている。第1遮光部1200、複数の第1筒部1202及び3つの第1ボス1203は、合成樹脂によって一体に形成されている。また、複数の第1透過部1201及び複数の第1筒部1202の内周面は、シボ(微細な凹凸:surface texture)等が形成されて光を拡散するように構成されている。
第2光制御部材121は、図1及び図7に示すように、第2遮光部1210と、第1透過部1201と同数(22個)の第2透過部1211とを有している。第2光制御部材121は、第2透過部1211と同数(22個)の第2筒部1212を、更に有している。第2遮光部1210は、LED100から放射される光を透過しない材料(例えば、透光性を有しない合成樹脂)によって、平板状に形成されていることが好ましい。複数の第2透過部1211の各々は、第2遮光部1210を厚み方向に貫通する円形の孔である(図1及び図7参照)。また、複数の第2筒部1212は、複数の第2透過部1211に一対一に対応し、複数の第2筒部1212の各々は、第2遮光部1210の後面において、対応する第2透過部1211の縁から後方へ突出している(図7参照)。さらに、複数の第2筒部1212の各々は、円管状であって、かつ、後方に向かうに連れて外径及び内径の両方の管径を小さくした形状に形成されている(図7参照)。
第2光制御部材121は、3つの第2ボス1213を更に有している(図1参照)。3つの第2ボス1213は、半円筒形状であって、第2遮光部1210の後面から後方へ突出ている。第2遮光部1210、複数の第2筒部1212及び3つの第2ボス1213は、合成樹脂によって一体に形成されている。また、複数の第2透過部1211及び複数の第2筒部1212の内周面は、シボ(微細な凹凸:surface texture)等が形成されて光を拡散するように構成されている。
本実施形態では、図1に示すように、絞りユニット17は、前後方向における第1光制御部材120と第2光制御部材121との間に配置されている。
(2.6)支持部材
支持部材14は、図1に示すように、ベース部140と、複数(図示例では5つ)の支柱141とを有している。ベース部140と5つの支柱141は、例えば、アルミダイカストによって一体に形成されている。ベース部140は、矩形の板状に形成されている。ベース部140は、図1に示すように、第1レンズ110と同数(22個)の円形の貫通孔142を有している。また、ベース部140は、4つの段部143を有している(図1参照)。4つの段部143は、それぞれ、ベース部140の四隅に設けられており、ベース部140の前面から後面側に1段後退するように、ベース部140と一体に形成されている。さらに、ベース部140は、2つのボスを有している。一方のボスは、ベース部140の右上隅における後面から後方へ突出している。他方のボスは、矩形板状の突片145の後面から後方へ突出している。突片145は、ベース部140の下端における左右方向のほぼ中央から下向きに突出している。これら2つのボスは、前後方向に貫通するボルト挿通孔144を有している。5つの支柱141は、ベース部140の四隅及びベース部140のほぼ中央から前方へ突出している。5つの支柱141の各々の先端(前端)には、雌ねじ(ねじ孔)1410が形成されている(図1参照)。
(2.7)絞りユニット
絞りユニット17は、上の「(1)概要」の欄で説明したように、絞り板171を備えている(図1参照)。絞り板171は、LED100から放射される光を透過しない材料(例えば金属、より詳細にはステンレス)によって形成されている。
絞り板171は、図4Aに示すように、1つの部材によって、略矩形の板状に形成されている。絞り板171は、複数の絞り窓173を有している。複数の絞り窓173は、複数のLED100に一対一に対応する。各絞り窓173は、対応するLED100の光軸方向(図7の破線矢印で示された光N1を参照)、すなわち前後方向に沿って貫通する。各絞り窓173は、例えば板金レーザー加工によって形成される。
本実施形態では、絞り窓173は、LED100と同数(22個)設けられている。22個の絞り窓173は、全て、前後方向に沿って見たときに、左右方向に長尺の略四角形に形成された輪郭を有している。当該四角形の4つの内角は、全て90度である。したがって、複数の絞り窓173の製造時又は製造工程において、複数の絞り窓173は、比較的容易に形成可能であると言える。
各絞り窓173は、図7に示すように、対応するLED100の光軸が当該絞り窓173を通過するように位置関係が規定されている。
絞り板171は、支持部材14の四隅にある4つの支柱141を逃がすための凹所1711(図4A参照)を四隅にそれぞれ有している。絞り板171は、支持部材14の略中央にある支柱141を逃がすための丸孔178を、絞り板171の略中央に有している。
さらに、絞り板171は、図4Aに示すように、左縁、右縁及び下縁近くにそれぞれねじ挿通孔179を有している。ただし、左右2つのねじ挿通孔179は、周縁の一部が切り欠かれて、絞り板171の縁部で開放している。
また、絞り板171は、5つの丸い露出孔177を有している。露出孔177を通じて、第1光制御部材120と支持部材14とをねじ締結するためにドライバー等を挿入することができる。
ところで、本実施形態では、絞り窓173の開口面の形状は、後の「(4)絞りユニットによる照射面」の欄で説明するように、一例として、LED100の光軸方向から見たときの城の石垣の側面の外郭の形と相似する略四角形としている。ただし、絞り窓173の開口面の形は、照明対象物の外郭の形と相似する形であれば、特に限定されない。
(2.8)取付構造と位置関係
以下、上述したLEDモジュール10、第1レンズ部材11、光制御部材12、第2レンズ部材13、支持部材14、及び絞りユニット17の取付構造と位置関係とについて、主に図1~図3、図6及び図7を参照しながら説明する。
LEDモジュール10は、図1及び図2に示すように、後方から支持部材14のベース部140に支持されている。すなわち、ベース部140の2つのボルト挿通孔144に、2本のボルト146(図3参照)がそれぞれ前方から通っている。2本のボルト146は、プリント配線板101に設けられている2つの孔1011にそれぞれ挿通され、プリント配線板101の後面(非実装面)側でナットとはめ合わされ、かつ、締め付けられている。つまり、LEDモジュール10のプリント配線板101は、2組のボルト146とナットによって、ベース部140にねじ止め(ねじ締結)されている。LEDモジュール10の各LED100は、前方から見て、ベース部140における対応する貫通孔142のほぼ中心に位置している。
第1レンズ部材11は、図1及び図2に示すように、前方から支持部材14のベース部140に支持されている。ただし、第1レンズ部材11の複数の第1レンズ110が、ベース部140の複数の貫通孔142に1つずつ挿通されている(図7参照)。第1レンズ部材11の第1支持部113に設けられている3つの孔1130(図1参照)に、3本のねじがそれぞれ挿通されている。これら3本のねじは、ベース部140に設けられている3つの雌ねじ部1400(図1参照)とそれぞれはめ合わされ、かつ、締め付けられている。つまり、第1レンズ部材11は、3本のねじによって、ベース部140にねじ止め(ねじ締結)されている。各第1レンズ110の中心は、前方から見て、対応するLED100の樹脂部1000(図7参照)の中心とほぼ重なっている。
光制御部材12の第1光制御部材120は、図1及び図2に示すように、第1レンズ部材11の前方から支持部材14のベース部140に支持されている。第1光制御部材120の第1遮光部1200に設けられている4つの孔に、4本のねじがそれぞれ挿通されている。これら4本のねじは、第1レンズ部材11の第1支持部113に設けられている4つの孔1131にそれぞれ挿通されている。さらに、これら4本のねじは、ベース部140に設けられている4つの雌ねじ部1401(図1参照)とそれぞれはめ合わされ、かつ、締め付けられている。つまり、第1光制御部材120は、4本のねじによって、第1レンズ部材11を介して、ベース部140にねじ止め(ねじ締結)されている。各第1透過部1201の中心は、前方から見て、対応する第1レンズ110の中心とほぼ重なっている。
絞りユニット17は、図1及び図2に示すように、前方から第1光制御部材120に支持されている。絞りユニット17において、3本のねじ174(図6参照)の各々が、絞り板171の対応するねじ挿通孔174に挿通されている。そして、3本のねじ174が第1光制御部材120の3つの第1ボス1203(図1参照)の先端にあるねじ孔にそれぞれ締結される。この結果、絞り板171が第1光制御部材120に取り付けられる。絞りユニット17の各絞り窓173の中心は、前方から見て、第1光制御部材120の対応する第1透過部1201の中心とほぼ重なっている。第1光制御部材120に対する絞りユニット17の安定性を考慮すれば、絞り板171の後面は、図7に示すように、複数の第1筒部1202の前端と接触していることが好ましい。
光制御部材12の第2光制御部材121は、図1及び図2に示すように、絞りユニット17の前方から、絞りユニット17、第1光制御部材120及び第1レンズ部材11を介して、支持部材14の5つの支柱141に支持されている。具体的には、5本のねじ1215(図3参照)が、第2光制御部材121の第2遮光部1210に設けられている5つの孔1214にそれぞれ挿通されている。さらに、これら5本のねじ1215は、5つの支柱141の先端の雌ねじ1410とそれぞれはめ合わされ、かつ、締め付けられている。ベース部140の中央の支柱141は、第1レンズ部材11の孔1132、第1光制御部材120の孔1204、絞り板171の丸孔178に挿通されている。各第2透過部1211の中心は、前方から見て、絞りユニット17の対応する絞り窓173の中心とほぼ重なっている。第2光制御部材121の各第2ボス1213は、図2に示すように、前後方向に貫通しており、前方から見ると、絞りユニット17を第1光制御部材120に締結するためのねじ174の頭部が第2ボス1213から露出している。本実施形態では、複数の第2筒部1212の後端は、図7に示すように、絞り板171の前面に対して、接触することなく所定の距離を空けて配置されている。これは、照明装置X1が例えば屋外で使用される場合、前方から入射した太陽光が集光して内部の温度が上昇してしまう可能性を低減するためである。ただし、照明装置X1が屋内で使用される場合には、第2筒部1212の後端と絞り板171の前面とは、接触していてもよい。
第2レンズ部材13は、第2光制御部材121の前方から、支持部材14の5つの支柱141に支持されている。第2レンズ部材13の第2支持部131の四隅及び中央にそれぞれ設けられている5つの孔132(図1参照)に、5本のねじ1215がそれぞれ挿通されている(図3参照)。つまり、第2レンズ部材13は、第2光制御部材121とともに、5本のねじ1215によって、5つの支柱141にねじ止め(ねじ締結)されている。各第2レンズ130の中心は、前方から見て、対応する第1レンズ110の中心とほぼ重なっている。
以下、上述の取付構造及び位置関係を有した照明装置X1における各LED100から放射される光(光源光)について、図7を参照しながら説明する。
各LED100から放射される光源光N1,N2,N3のうち、第1レンズ110の集光部111に入射した(光軸に一致する)光源光N1は、集光部111で集光されて第1レンズ110から出射する。LED100から放射される光源光N1,N2,N3のうち、集光部111で集光されない光源光N2,N3は、反射部112で反射(内部全反射)されて第1レンズ110から出射する。これらの光源光(反射光)N2,N3は、集光部111で集光されて第1レンズ110から出射した光(集光光)N1と、第1透過部1201内で交差する。ただし、反射部112で反射されて第1レンズ110から出射する反射光のうち一部の反射光は、第1透過部1201、絞り窓173、及び第2透過部1211を透過(通過)しない。つまり、一部の反射光は、第1遮光部1200、第1筒部1202、絞りユニット17、第2遮光部1210又は第2筒部1212に遮光される。第1透過部1201、絞り窓173、及び第2透過部1211を透過(通過)した光(集光光及び反射光)は、第2レンズ130に入射する。そして、第2レンズ130に入射した光(集光光及び反射光)は、第2レンズ130から出射する際に屈折する。つまり、第2レンズ130から出射する光は、光制御部材12及び絞りユニット17によって不要な光(周辺の光)がカット(遮光)されている。さらに、第2レンズ130から出射する光は、第2レンズ130によって配光が制御されている。
なお、図7に示すように、光路のクロスポイント(放射光N1~N3の交点)は、絞り窓173よりも第2レンズ部材13側(つまり、絞り窓173と第2レンズ部材13との間)にある。そのため、照明装置X1が実際に使用される時には、絞りユニット17の絞り窓173の形状は、上下左右反転した形状の照射面を形成することになる。
(3)照明器具
照明装置X1は、図8A及び図8Bに示すように、例えば、照明器具(投光器)Y1に用いられる。照明器具Y1は、例えば、器具本体2、アーム3、及び電源ユニット4等を備えている。器具本体2は、複数(図示例では4台)の照明装置X1(すなわち絞りユニット17及び光源100)と、複数の照明装置X1を支持する筐体25と、カバー26とを有している。筐体25は、ステンレス鋼板等の金属板により、前面が開放された箱状に形成されている。カバー26は、枠体27と、パネル28とを有している。枠体27は、ステンレス鋼板等の金属板により、矩形の枠状に形成されている。パネル28は、透光性を有する合成樹脂(アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂)又はガラスにより、矩形の平板状に形成されている。パネル28は、枠体27に支持されている。カバー26は、筐体25の前面を覆うように筐体25に取り付けられている。アーム3は、ステンレス鋼板などの金属板によってU字状に形成されている。アーム3の両端は、筐体25の側壁にそれぞれねじ止めされている。つまり、筐体25(器具本体2)は、アーム3によって回転可能に支持されている。電源ユニット4は、金属製のケース41と、ケース41内に収容されている電源装置とを有している。電源装置は、例えば、交流の電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換する。ケース41は、筐体25の後面に取り付けられている(図8B参照)。
筐体25は、照明ユニット1を収容している。照明ユニット1は、図9に示すように、複数の照明装置X1(図示例では4台)と、取付板15と、複数の電源ケーブル16とを備えている。なお、取付板15は、アルミ板又は亜鉛鋼板等の金属板によって、矩形の平板状に形成されている。4台の照明装置X1は、上下左右に隣り合うように並べて、取付板15の前面に取り付けられている。各照明装置X1は、支持部材14の4つの段部143(図1参照)が取付板15にねじ止め(ねじ締結)されている。したがって、照明装置X1は、取付板15を介して筐体25(図8A参照)に支持されている。電源ケーブル16は、複数本(図示例では4本)の電線と、これら4本の電線の先端に設けられているプラグコネクタとを有している。電源ケーブル16は、LEDモジュール10のレセプタクルコネクタ102と接続されている。そして、4台の照明装置X1には、電源ケーブル16を介して電源ユニット4から直流電力が給電されている。
(4)絞りユニットによる照射面
以下、上述した絞り窓173を有する絞りユニット17による照射面の形状について、図10A~図10Cを参照しながら説明する。ここで言う照射面の形状とは、光源(LED100)からの光源光によって照明される範囲(照明範囲)と光源光によって照明されない範囲(非照明範囲)との境界が作り出す輪郭である。以下では、照明器具(投光器)Y1を用いた投光照明を例に挙げて説明する。
図10Aは、絞りユニット17を備えた照明器具Y1(図8A及び図8B参照)からの光源光による照射面20を図示している。図10Aに示すように、照射面20は、横長の略四角形に形成されている。照射面20の輪郭のうち、右側(すなわち絞り窓173の左側に対応する側)の輪郭部分20aは、ぼかされており、右側ほど徐々に暗くなっている。また、右側の輪郭部分には、ぼかしのグラデーションが形成されている。照射面20のうち、他の側(左側、上側及び下側)の輪郭部分は、シャープな線になっている。
すなわち、上記の「(1)概要」で説明したように、絞りユニット17では、複数の絞り窓173は、横長の略四角形に形成されている。そして、複数の絞り窓173のうち、2つ以上の絞り窓173bの左側の長さH1が、他の絞り窓173aの左側の長さH1よりも長い。また、2つ以上の絞り窓173bの左側の長さH1は、絞り窓173の縦横配列において、左側に配置された絞り窓173bほど長い。
そして、照射面20は、各絞り窓173を透過した光源光による個別の照射面が、それら個別の照射面における基準位置P1に対応する位置を略一致させた状態で重なり合うことで、形成される。個別の照射面の形状は、対応する絞り窓173の開口面の形状と上下左右反転を考慮した形に相似である。すなわち、絞り窓173bによる個別の照射面は、絞り窓173aによる個別の照射面と比べて、右側の長さが長い。また、絞り窓173bによる個別の照射面では、対応する絞り窓173が、絞り窓173の縦横配列の左側に配置するほど、左側の長さが長い。
この結果、図10Aのように、照射面20の右側の輪郭部分では、個別の照射面の重なり合う枚数が低下し、ぼかされている。その際、上記のように、絞り窓173bによる個別の照射面では、対応する絞り窓173が、絞り窓173の縦横配列の左側に配置するほど、左側の長さが長いため、ぼかしにグラデーションが形成されている。また、照射面20の他の側(左側、上側及び下側)の輪郭部分は、個別の照射面の重なり合う枚数が減らないため、シャープになっている。
図10Bは、比較例としての絞りユニットを備えた照明器具からの光源光による照射面21を図示している。比較例としての絞りユニットは、絞りユニット17において、複数の絞り窓173を全て同形状(例えば矩形)で同寸法に形成した絞りユニットである。比較例としての絞りユニットを備えた上記の照明器具は、照明器具Y1において、絞りユニット17が比較例としての絞りユニットに置き換えられた照明器具である。図10Bに示すように、照射面21の輪郭は、どの側(上側、下側、右側及び下側)の輪郭部分も、シャープになっている。
図10Cは、照射面20の照度を照射面20の横幅方向(すなわち図10Aの二点鎖線D1)に沿って測定したグラフAと、照射面21の照度を照射面21の横幅方向(すなわち図10Bの二点鎖線D2)に沿って測定したグラフBとを比較した図である。なお、同図の縦軸は照度[Lx(ルクス)]であり、横軸は照射面20,21の横方向の長さ[m(メートル)]である。
図10Cに示すように、照射面20の右側の輪郭部分(すなわち横軸の4.5[m]~7.0[m]の範囲)では、照度が緩やかに低下しており、ぼかしのグラデーションが形成されていることが分かる(図10Cの特性A参照)。他方、照射面21の右側の輪郭部分(すなわち横軸の4.5[m]~5.0[m]の範囲)では、照度がほぼ垂直に低下しており、シャープな線が形成されていることが分かる(図10Cの特性B参照)。なお、照射面20及び照射面21の各々の左側の輪郭部分(すなわち横軸の-4.5[m]~-5.0[m]の範囲)では、ともに、照度がほぼ垂直に低下して、シャープな線を形成していることが分かる。
よって、図10A~図10Cから、上記の「(1)概要」で説明したように、2以上の絞り窓173bにおいて、絞り窓173b以外の他の絞り窓173aと比べて左側の長さH1を異ならせることで、照射面20の輪郭のうち、右側の輪郭部分をぼかすことができる。そして、他の側(すなわち左側、上側及び下側)の輪郭部分をシャープにすることができる。
(5)照明器具Y1の使用例
照明器具Y1が投光照明する照明対象物は、図11に示すように、一例として、建築物(例えば城の石垣)である。このような建築物の投光照明では、昼間には見られない立体感のある演出を実施することができる。
図11に示すように、照明器具Y1は、石垣の側面30の左端30a側を照らしている。石垣の側面30は、略四角形である。より詳細には、石垣の側面30の左端30aは、緩やかに下側ほど左側に傾斜している。照明器具Y1から照射された照射面22の形状は、石垣の側面30の形状(略四角形)とほぼ同形状で同寸法である。照射面22の左側の輪郭部分22a及び上側の輪郭部分22bは、シャープな線になっている。照射面22の右側の輪郭部分22cは、ぼかされており、右側ほど徐々に暗くなるグラデーションが形成されている。照射面の下側の輪郭部分22dも、ぼかされており、下側ほど徐々に暗くなるグラデーションが形成されている。
この場合、照明器具Y1の絞りユニット17では、複数の絞り窓173の開口面の形状は、石垣の側面30の形状に相似する形に形成されている。複数の絞り窓173のうち、2つ以上の絞り窓173bは、他の絞り窓173aと比べて、上側(すなわち照射面22の下側に対応する側)の長さL1及び左側(すなわち照射面22の右側に対応する側)の長さH1が長い。2つ以上の絞り窓173bの左側の長さH1は、絞り窓173の縦横配列において左側に配置された絞り窓ほど、長い。2つ以上の絞り窓173bの上側の長さL1も、絞り窓173の縦横配列において上側に配置された絞り窓ほど、長い。
(6)変形例
以下、上記の実施形態の絞りユニット17の変形例について説明する。
(変形例1)
上記の実施形態では、照明対象物が、石垣の側面30であったため、絞り窓173の開口面の形状は、石垣の側面40の形状(略四角形)に相似する略四角形に形成されている。しかし、絞り窓173の開口面の形状は、略四角形に限定されない。また、上記の実施形態のように建築物への照明だけではなく、例えば劇場、演芸場等内の壁面への照明であってもよい。
(変形例2)
上記の実施形態では、2つ以上の絞り窓173bは、左側(すなわち照射面の右側の輪郭部分に対応する側)の絞り窓173bほど、左側の長さH1が長くなるように、配置されている。これに対し、本変形例では、例えば図12に示すように、2以上の絞り窓173bは、複数の絞り窓173の縦横配列においてランダムに配置されている。したがって、本変形例では、複数の絞り窓173の縦横配列のうち、2以上の絞り窓173bがランダムに配置され、残りの位置に他の絞り窓173aが配置される。その際、絞り窓173bの数は、任意に設定可能である。図12では、一例として、絞り窓173bは9個で、他の絞り窓173aは13個である。
この構成によれば、照明対象物での照射面の右側の輪郭部分に、不規則に徐々に暗くなるぼかしを形成することができる。
より詳細には、複数の絞り窓173は、絞り板171において、互いに重ならないようにずれて配置されている。この結果、個別の照射面は、左側の絞り窓173による個別の照射面ほど、照明対象物において、右側にずれている。その際、上記の構成のように、2つ以上の絞り窓173bは、複数の絞り窓173の縦横配列においてランダムに配置される。このため、このランダムな配置の効果により、2以上の絞り窓173bの各々による個別の照射面では、上記のように右側にずれる際のずれ量がランダムになる。この結果、照明対象物での照射面の右側の輪郭部分に、不規則に徐々に暗くなるぼかしを形成することができる。
なお、この効果は、絞りユニット17と照明対象物との間隔が十分に短い場合(すなわち、絞り窓173の間のずれが、個別の照射面の間のずれに十分大きく寄与する場合)に、特に有効である。
(変形例3)
上記の実施形態では、2以上の絞り窓173bは、左側(すなわち照射面の右側の輪郭部分に対応する側)の絞り窓173bほど、左側の長さH1が長くなるように、配置されている。これに対し、本変形例では、例えば図13に示すように、2以上の絞り窓173bは、絞り板171における絞り窓173の縦横配置において左側の場所HT1に偏在するように配置される。したがって、本変形例では、絞り窓173の縦横配列のうち、左側の場所HT1に2以上の絞り窓173bが配置され、残りの場所に2以上の絞り窓173aが配置されている。
左側の場所HT1とは、例えば、絞り窓173の縦横配列の左縁部分(例えば左側の3列)である。図13では、一例として、2つ以上の絞り窓173bは8個で、他の絞り窓173aは14個である。
なお、左側の場所HT1を、上記のように左縁部分に限定するものではなく、例えば、絞り窓173の縦横配列の横幅全体のうち左端から1/4~1/3までの範囲としてもよく、又は、絞り窓173の縦横配列の左側半分としてもよい。
なお、本変形例において、2つ以上の絞り窓173bは、上記の実施形態の場合と同様に、互いに左側の長さH1が異なる絞り窓を含んでもよい。この場合、2以上の絞り窓173bは、左側の絞り窓173bほど左側の長さH1が長くなるように配置されてもよく、又は、2以上の絞り窓173bの配置においてランダムに配置されてもよい。
本変形例によれば、照明対象物での照射面の右側の輪郭部分だけを効果的にぼかすことができる。
より詳細には、複数の絞り窓173は、絞り板171において、互いに重ならないように縦横にずれて配置されている。この結果、個別の照射面は、左側の絞り窓173による個別の照射面ほど、照明対象物において、右側にずれている。その際、上記の構成のように、2以上の絞り窓173bは、絞り窓173の縦横配列において左側の配置HT1に偏在するように配置されている。このため、個別の照射面のうち、2以上の絞り窓173bによる個別の照射面が、照明対象物での照射面の右側の端部に効果的に寄与する。この結果、照明対象物での照射面の右側の輪郭部分を効果的にぼかすことができる。
なお、この効果は、絞りユニット17と照明対象物との間隔が十分に短い場合(すなわち、絞り窓173の間のずれが、個別の照射面の間のずれに十分大きく寄与する場合)に、特に有効である。
(変形例4)
上記の実施形態では、絞り板171は1つの部材で形成されている。これに対し、本変形例では、図14A及び図14Bに示すように、絞り板171は、第1絞り板175(第1部材)及び第2絞り板176(第2部材)が互いに重ね合わされて構成される。
より詳細には、図14Aに示すように、本変形例の絞りユニット17は、第1絞り板175と第2絞り板176とを備えている。第1絞り板175と第2絞り板176とは、いずれも略矩形の板状部材であり、互いに同形状で同寸法の板材から形成されている。したがって、第1絞り板175と第2絞り板176とを互いに重ね合わせることで、あたかも1枚の板状の部材となるような一体感を出すことができる(図14B参照)。
第1絞り板175は、複数の第1貫通孔1750を有している。複数の第1貫通孔1750は、複数のLED100に一対一に対応し、対応するLED100の光軸方向(すなわち前後方向)に沿って貫通する。つまり、第1貫通孔1750は、複数(LED100と同数)設けられている。複数の第1貫通孔1750は、第1絞り板175において、互いに間隔を空けて縦横に(例えば千鳥配列となるように)配置されている。第2絞り板176は、複数の第2貫通孔1760を有している。複数の第2貫通孔1760は、複数のLED100に一対一に対応し、対応するLED100の光軸方向に沿って貫通する。つまり、第2貫通孔1760は、複数(例えばLED100と同数)が設けられている。複数の第2貫通孔1760は、第2絞り板176において、互いに間隔を空けて縦横に(例えば千鳥配列となるように)配置されている。
そして、同じLED100に対応する第1貫通孔1750の一部と第2貫通孔1760の一部とが光軸方向に沿って重なった部分が、絞り窓173を構成する。本変形例では、絞り窓173は、多角形(例えば二等辺三角形又は四角形)に形成されている。複数の絞り窓173は、絞り窓173の縦横配列において、左側(すなわち照射面の右側の輪郭部分に対応する側)の絞り窓173ほど左側の長さV1(図15B~図15D参照)が短くなっている。
以下、第1貫通孔1750、第2貫通孔1760、及び絞り窓173について詳しく説明する。
図14Aに示すように、複数の第1貫通孔1750は、全て、前後方向に沿って見たときに、左右方向に長尺の五角形に形成された輪郭を有している。複数の第1貫通孔1750は、全て、同形状で同寸法の五角形である。
図15Aに示すように、第1貫通孔1750の上記の五角形は、例えば、上側に凸となる扁平なホームベース形の五角形である。上記の五角形の下半部分は、扁平な四角形を構成しており、上記の五角形の上半部分は、扁平な二等辺三角形を構成している。第1貫通孔1750の上半部分(二等辺三角形部分)の中心が、対応するLED100の光軸が通過する基準位置P1である。上記の五角形の5つの内角α1~α5は、全て90度以上であって鋭角ではない。したがって、第1絞り板175の製造時又は製造工程において、第1貫通孔1750は、比較的容易に形成可能である。
図14Aに示すように、複数の第2貫通孔1760は、全て、左右方向に長尺の矩形に形成された輪郭を有している。複数の第2貫通孔1760は、光軸方向に沿って見て、複数の第1貫通孔1750に対して、それぞれ一対一に、互いの一部同士が重なるように対向している。上記の左右方向に長尺の矩形の4つの内角β1~β4は、全て90度であって鋭角ではない。したがって、第2絞り板176の製造時又は製造工程において、第2貫通孔1760は、比較的容易に形成可能であると言える。
複数の第2貫通孔1760の各々は、左右方向に長尺の矩形である。図15B~図15Dに示すように、複数の第2貫通孔1760の各々の上下方向の長さU0は、互いに同じ長さであり、第1貫通孔1750の上半部分(二等辺三角形部分)の上下方向の長さS0(図15A参照)と同じ長さである。複数の第2貫通孔1760の各々の右側の長さV2(図15B~図15D参照)は、互いに同じ長さであり、第1貫通孔1750の右側の長さと同じ長さである。なお、第1貫通孔1750の右側の長さは、第1貫通孔1750の開口面おいて、基準位置P1から右側端部までの長さである。複数の第2貫通孔1760の各々の左側の長さV1は、第2貫通孔1760の縦横配列において、左側の第2貫通孔1760ほど短くなっている(図15B~図15D参照)。
例えば、図15Bに示すように、第2貫通孔1760の縦横配列において、最右端列である1列目の第2貫通孔1760Aの左側の長さV1は、第2貫通孔1760Aの右側の長さV2と同じである。なお、これら左側の長さV1と右側の長さV2とを合わせた長さは、第1貫通孔1750の横方向の長さT0と同じ長さである。図15Cに示すように、2列目の第2貫通孔1760Bの左側の長さV1は、1列目の第2貫通孔1760Aの左側の長さV1よりも短くなっている(例えば少し短い)。図15Dに示すように、3列目の第2貫通孔1760Cの左側の長さV1は、2列目の第2貫通孔1760Bの左側の長さV1よりも短くなっている(例えば少し短い)。同様に、N列目の第2貫通孔1760の左側の長さV1は、(N-1)列目の第2貫通孔1760の左側の長さV1よりも短くなっている。なお、Nは、4から5までの自然数である。なお、同じ列の第2貫通孔1760の形状は、互いに同じである。
図14A及び図14Bに示すように、第2絞り板176は、各第1貫通孔1750と第1貫通孔1750に対応する第2貫通孔1760との互いの一部同士が重なるように、第1絞り板175と対向して配置される。そして、当該一部同士が、LED100から放射される光を絞るための絞り窓173を構成する。言い換えれば、第1絞り板175と第2絞り板176とを、光軸方向に沿って見てそれらの外周縁が一致するように重ね合わせることで、複数の絞り窓173が構成されるように、第1貫通孔1750及び第2貫通孔1760の位置関係が規定されている。
図14Bに示すように、複数の絞り窓173の各々は、光軸方向に沿って見たときに、少なくとも一部の内角が鋭角である幾何学形状を有している。本変形例では、複数の絞り窓173の各々は、二等辺三角形状又は四角形状を有している。
より詳細には、図16A~図16Cに示すように、第1絞り板175と第2絞り板176とが重ね合わされて絞り板171が構成された状態では、対応する第1貫通孔1750と第2貫通孔1760とが、互いの基準位置P1を略一致させて重なり合う。この状態で、第1貫通孔1750の四角形部分(下半部分)は第2絞り板176で塞がれ、かつ、第1貫通孔1750の二等辺三角形部分(上半部分)は第2貫通孔1760と連通して開放される。この開放された部分によって、絞り窓173が構成される。
その際、図16Aに示すように、絞り窓173の縦横配列において、最右端列である1列目の絞り窓173Aでは、第1貫通孔1750Aの二等辺三角形部分の全体が第2貫通孔1760Aによって開放される。この結果、1列目の絞り窓173Aの開口面の形状は、二等辺三角形になる。
また、図16B及び図16Cに示すように、2列目以降の絞り窓173B,173Cでは、後続列の絞り窓173ほど(すなわち左側の絞り窓173ほど)、第2貫通孔1760の左側の長さV1が短くなる。このため、2列目以降の絞り窓173B,173Cの第1貫通孔1750B,1750Cの二等辺三角形は、後続列の絞り窓173ほど、第2貫通孔1760B,1760Cによって、第1貫通孔1750B,1750Cの左端から右端に向かって徐々に塞がれる。この結果、2列目以降の絞り窓173B,173Cは、後続列の絞り窓173ほど、左側の長さW1が短くなった四角形となる。なお、左側の長さW1は、絞り窓173において基準位置P1から左側端部までの長さである。なお、このように形成された絞り窓173の開口面の形状は、開口面の内角の一部に鋭角を含む形状(すなわち複雑な幾何学形状)になっている。
図17に示すように、上述した絞り板171を備えた照明器具Y1による照射面24は、上述した複数の絞り窓173の各々による個別の照射面の重ね合わせによって、形成される。より詳細には、照射面24は、1列目の絞り窓173Aの開口面の形状(二等編三角形)が上下左右反転した形状に相似な形状に形成される。そして、照射面24の輪郭のうちの右側の輪郭部分24aには、ぼかしが形成され、かつ、そのぼかしには、右側ほど徐々に暗くなるグラデーションが形成される。
本変形例によれば、絞り窓173は、第1貫通孔1750の一部と第2貫通孔1760の一部とが光軸方向に沿って重なった部分により構成される。このため、絞り窓173の開口面の形状を、製造が容易でありながら、複雑な幾何学形状(例えば開口面の内角の一部に鋭角を含む形状)に形成することができる。
(変形例5)
また、本発明は、上記の実施形態及び変形例だけでなく、上記の実施形態及び変形例の組み合わせも含む。
(7)注釈事項
上記の実施形態及び変形例では、2つ以上の絞り窓173bにおいて、他の絞り窓173aと比べて所定側(例えば左側)の長さを異ならせると、照射面の輪郭において絞り窓173の上記の所定側と反対側の輪郭部分がぼかされる。これは、照明装置X1のレンズ系(第1レンズ部材11及び第2レンズ部材13)によって、光源光による像の上下左右が反転するからである。なお、照明装置X1のレンズ系によって、光源光による像の上下左右が反転しない場合は、照射面の輪郭では、上記の所定側と同側(例えば左側)の輪郭部分がぼかされる。
(8)利点
以上説明したように、第1の態様に係る絞りユニット(17)は、絞り板(171)を備える。絞り板(171)は、光源(100)の光軸方向に沿って貫通した複数の絞り窓(173)を有する。複数の絞り窓(173)の各々の開口面において、光源(100)の光軸が通過する基準位置(P1)から所定側の端部までの長さを所定側の長さ(H1)とする。複数の絞り窓(173)のうち、少なくとも1つの第1絞り窓(173b)と他の第2絞り窓(173a)とでは、前記所定側の長さ(H1)が異なる。
この構成によれば、複数の絞り窓(173)の各々による個別の照射面が、照明対象物において個別の照射面における基準位置に対応する位置を一致させた状態で重なり合うことで、照明対象物が照らされる。したがって、照明対象物での照射面(20,22)は、上記の個別の照射面の重ね合わせによって形成される。この発明では、複数の絞り窓(173)のうち、少なくとも1つの第1絞り窓(173b)では、他の第2絞り窓(173a)と比べて、基準位置と所定側の端部との間の長さである所定側の長さ(H1)が異なる。このため、照明対象物での照射面(20,21)において、絞り窓(173)の上記の所定側の端部に対応する側(以下「対応側」と記載する。)の端部では、少なく1つの第1絞り窓(173b)による個別の照射面と、他の第2絞り窓(173a)による個別の照射面とが互いにずれて、個別の照射面の重なり枚数が減少する。したがって、照明対象物での照射面(20,22)の輪郭のうち、対応側の輪郭部分では、他の側の輪郭部分と比べて、明るさが低下してぼかされる。すなわち、照明対象物での照射面(20,22)の輪郭のうち、所望側(すなわち対応側)の輪郭部分をぼかして、他の側の輪郭部分はシャープにすることができる。
なお、上記の「対応側」とは、本発明の絞りユニット(17)を備えた照明装置(X1)の光学系(11,13)が光源光の像の上下左右を反転しない場合は、絞り窓(173)の所定側と同側である。他方、上記の光学系(11,13)が光源光による像の上下左右を反転させる場合は、絞り窓(173)の所定側とは反対側である。
第2の態様の絞りユニット(17)では、上記の所定側とは、光源(100)から放射されて複数の絞り窓(173)を透過した光が形成する照射面の輪郭のうち、照度が徐々に変化する側の輪郭部分に対応する側である。
第3の態様の絞りユニット(17)では、第1又は第2の態様において、第1絞り窓(173b)は、2つ以上あり、2つ以上の第1絞り窓(173b)は、互いに所定側の長さ(H1)が異なる絞り窓を含む。
この構成によれば、照明対象物での照射面(20,22)の対応側の端部において、対応側に行くほど、個別の照射面の重なり枚数を徐々に減らすことができる。すなわち、照射面(20,21)の所望側(すなわち対応側)の輪郭部分に形成したぼかしに、グラデーションを付けることができる。
第4の態様の絞りユニット(17)では、第3の態様において、2つ以上の第1絞り窓(173b)の各々の所定側の長さ(H1)は、複数の絞り窓(173)の配置における所定側の絞り窓(173b)ほど長い。
この構成によれば、照明対象物での照射面の対応側(すなわち絞り窓(173)の所定側に対応する側)の輪郭部分のぼかしに付けたグラデーションを、緩やかに変化させることができる。
より詳細には、この発明では、前提として、複数の絞り窓(173)は、絞り板(171)において、互いに重ならないようにずれて配置される。この結果、個別の照射面は、所定側の絞り窓(173)による個別の照射面ほど、照明対象物において、対応側にずれている。このずれに加えて、更に、上記の構成のように、2つ以上の第1絞り窓(173b)の所定側の長さ(H1)が所定側の絞り窓(173b)ほど長く形成されている。これにより、2つ以上の第1絞り窓(173b)による個別の照射面は、所定側の第1絞り窓(173b)による個別の照射面ほど、照明対象物において、より一層、対応側にずれている。したがって、照明対象物での照射面(20,22)の対応側の端部では、対応側ほど、個別の照射面の間のずれが、より一層大きくなる。この結果、上記のグラデーションを、緩やかに変化させることができる。
なお、この効果は、絞りユニット(17)と照明対象物との間隔が十分に短い場合(すなわち、絞り窓(173)の間のずれが、個別の照射面の間のずれに十分大きく寄与する場合)に、特に有効である。
第5の態様の絞りユニット(17)では、第3の態様において、2つ以上の第1絞り窓(173b)は、絞り板における複数の絞り窓(173)の配置においてランダムに配置されている。
この構成によれば、照明対象物での照射面(20,22)の対応側(すなわち絞り窓(173)の所定側に対応する側)の輪郭部分に、不規則に徐々に暗くなるぼかしを形成することができる。
より詳細には、この発明では、前提として、複数の絞り窓(173)は、絞り板(171)において、互いに重ならないようにずれて配置される。この結果、個別の照射面は、所定側の絞り窓(173)による個別の照射面ほど、照明対象物において、対応側にずれている。その際、上記の構成のように、2つ以上の第1絞り窓(173b)は、複数の絞り窓(173)の配置においてランダムに配置されている。このため、このランダムな配置の効果により、2つ以上の第1絞り窓(173b)の各々による個別の照射面では、上記のように対応側にずれる際のずれ量がランダムになる。この結果、照明対象物での照射面(20,22)の対応側の輪郭部分に、不規則に徐々に暗くなるぼかしを形成することができる。
なお、この効果は、絞りユニット(17)と照明対象物との間隔が十分に短い場合(すなわち、絞り窓(173)の間のずれが、個別の照射面の間のずれに十分大きく寄与する場合)に、特に有効である。
第6の態様の絞りユニット(17)では、第1~第5のいずれか1つの態様において、少なくとも1つの第1絞り窓(173b)は、絞り板(171)における絞り窓(173)の配置において所定側の場所(HT1)に偏在するように配置されている。
この構成によれば、照明対象物での照射面の対応側の輪郭部分を効果的にぼかすことができる。
より詳細には、この発明では、前提として、複数の絞り窓(173)は、絞り板(171)において、互いに重ならないようにずれて配置される。この結果、個別の照射面は、所定側の絞り窓による個別の照射面ほど、照明対象物において、対応側にずれている。その際、上記の構成のように、少なくとも1つの第1絞り窓(173b)は、絞り板(171)における複数の絞り窓(173)の配置において所定側の場所(HT1)に偏在するように配置されている。このため、個別の照射面のうち、少なくとも1つの第1絞り窓(173b)による個別の照射面が、照明対象物での照射面(20,22)の対応側の端部に効果的に寄与する。この結果、照明対象物での照射面(20,22)の対応側の端部を効果的にぼかすことができる。
なお、この効果は、絞りユニット(17)と照明対象物との間隔が十分に短い場合(すなわち、絞り窓(173)の間のずれが、個別の照射面の間のずれに十分大きく寄与する場合)に、特に有効である。
第7の態様の絞りユニット(17)では、第1~第6の態様において、絞り板(171)は、1つの部材で構成されている。
この構成によれば、絞り板(171)の部品数を減らすことができる。この結果、コスト及び製造工程を削減することができる。
第8の態様の絞りユニット(17)では、第1~第6のいずれか1つの態様において、絞り板(171)は、第1部材(175)と第2部材(176)とを備える。第1部材(175)は、光源(100)の光軸方向に沿って貫通した第1貫通孔(1750)を有する。第2部材(176)は、光軸方向に沿って貫通した第2貫通孔(1760)を有し、第1貫通孔(1750)の一部と第2貫通孔(1760)の一部とが光軸方向に沿って重なるように、第1部材(175)と対向して配置される。絞り窓(173)は、第1貫通孔(1750)の一部と第2貫通孔(1760)の一部とが光軸方向に沿って重なった部分により構成される。
この構成によれば、絞り窓(173)は、第1貫通孔(1750)の一部と第2貫通孔(1760)の一部とが光軸方向に沿って重なった部分により構成される。このため、絞り窓(173)の開口面の形状を、製造が容易でありながら、複雑な幾何学形状(例えば開口面の内角の一部に鋭角を含む形状)に形成することができる。
第9の態様の照明器具(Y1)では、第1~第8のいずれか1つに記載の絞りユニット(17)と、光源(100)と、を備える。
この構成によれば、上記の絞りユニット(17)の効果を奏する照明器具(Y1)を提供することができる。