JP7148438B2 - 酸化膜の膜厚測定方法 - Google Patents
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Description
図1に示す本実施形態の酸化膜の膜厚測定方法は、還元処理により鋼板の表面で鉄層に還元される酸化膜の膜厚測定方法である。当該酸化膜の膜厚測定方法は、水蒸気量算出工程S1と、酸化物質量算出工程S2と、酸化膜厚算出工程S3とを備える。当該酸化膜の膜厚測定方法は、例えば図2に示す還元炉を用いて行うことができる。
上記還元炉は、還元帯1と、一対の露点計2を主に備える。
還元帯1は、ロール11を有し、還元帯1の入口1aから送入される帯状の鋼板Mをロール11により送給し、還元帯1の出口1bより送出する。鋼板Mの表面には酸化膜が形成されており、この酸化膜は、この還元帯1での還元処理により鋼板Mの表面で鉄層に還元される。
一対の露点計2は、還元帯1の入口1a側に配設される入口側露点計21と、還元帯1の出口1b側に配設される出口側露点計22とを有する。
水蒸気量算出工程S1では、還元処理を行う還元帯1の雰囲気ガス量並びに還元帯1の入口1a側及び出口1b側での雰囲気ガスの露点差を用いて還元帯1で発生する水蒸気量を算出する。以下、水蒸気量を算出する原理及び手順について説明する。
酸化物質量算出工程S2では、水蒸気量算出工程S1で算出した水蒸気量から酸化物質量を算出する。以下、酸化物質量を算出する原理及び手順について説明する。
酸化膜厚算出工程S3では、酸化物質量算出工程S2で算出した酸化物質量から酸化膜厚を算出する。以下、酸化膜厚を算出する原理及び手順について説明する。
当該酸化膜の膜厚測定方法は、還元帯1の入口側及び出口側の雰囲気ガスの露点差を用いて、鋼板M表面で鉄層に還元される酸化物質量Wを算出する。通常、鋼板Mの還元処理では、酸化膜MOの全てを還元するので、還元された酸化物質量Wから酸化膜厚Tを算出することが可能である。従って、当該酸化膜の膜厚測定方法を用いることで、リファレンスとの比較等を行うことなく、直接的に還元処理される鋼板Mの酸化膜厚Tを測定することができる。このため、当該酸化膜の膜厚測定方法では、測定される酸化膜厚Tの誤差が小さい。
本実施形態の酸化膜の膜厚測定方法は、還元処理により鋼板の表面で鉄層に還元される酸化膜の膜厚測定方法である。本実施形態の酸化膜の膜厚測定方法は、上述した第1実施形態と同様に、水蒸気量算出工程と、酸化物質量算出工程と、酸化膜厚算出工程とを備える。一方、本実施形態の酸化膜の膜厚測定方法は、水蒸気量算出工程で、上述した第1実施形態と同様の雰囲気ガス量及び雰囲気ガスの露点差に加え、さらに一酸化炭素濃度差を用いて水蒸気量(酸化物質量算出工程で用いる水蒸気量)を算出する点以外は、上記第1実施形態と同じ構成を備える。従って、以下、本実施形態の説明では、上述した第1実施形態と異なる構成のみを説明し、同じ構成については説明を省略する。
図4の還元炉は、還元帯1と、一対の露点計2とに加えて、さらに一酸化炭素濃度計(以下、単に「濃度計」という場合がある。)3を主に備える。この還元炉について、上述した第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。また、濃度計3を備える点以外の還元炉の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
濃度計3は、還元帯1の入口1a側に配設される。還元帯1内で発生した水蒸気が酸化膜中の炭素と反応すると一酸化炭素が生成する。ここで、上述した通り、炭素と反応する水蒸気は、還元帯1の出口1bから入口1aに向かって流れる雰囲気ガスによって発生し、発生した水蒸気は入口1aに向かって積算されていく。このため、還元帯1の出口1b側では、通常、雰囲気ガスの一酸化炭素濃度は0%であり、発生した一酸化炭素は、水蒸気の発生状況に対応して入口1aに向かって積算されていく。よって、濃度計3を還元帯1の入口1a側に配設することで、この濃度計3で測定された一酸化炭素濃度を、還元帯1の入口1a側及び出口1b側の一酸化炭素濃度の差(一酸化炭素濃度差)としてそのまま算出することができる。
上述した第1実施形態では、酸化物質量算出工程に用いるべく、水蒸気量算出工程で、雰囲気ガス量及び雰囲気ガスの露点差を用いて還元帯1で発生する水蒸気量を算出する。これに対し、本実施形態では、酸化物質量算出工程に用いるべく、水蒸気量算出工程で、上述した第1実施形態に示す雰囲気ガス量及び雰囲気ガスの露点差に加えて、さらに還元帯1の入口1a側及び出口1b側での一酸化炭素(CO)の濃度差を用いて還元帯1で発生する水蒸気量を算出する。
補正前水蒸気濃度算出工程では、上述した第1実施形態と同様にして、水蒸気濃度(補正前水蒸気濃度)を算出する。概説すると、還元帯1の入口1a側及び出口1b側での雰囲気ガスの露点差、すなわち入口側露点計21と出口側露点計22との露点差を算出すると、この露点差は水蒸気濃度F(体積%)の増加を表す。ここで、上述の通り、補正前水蒸気濃度Fの値は水蒸気の蒸気圧曲線をもとに露点差から算出できる。この蒸気圧としては、例えば公知のテーテンスの実験式を用いることができる。
消失水蒸気濃度算出工程では、還元帯1の入口1a側及び出口1b側での雰囲気ガスの一酸化炭素濃度差を算出し、得られた一酸化炭素濃度差を消失水蒸気濃度とする。具体的には、上述した通り、還元帯1の出口1b側では一酸化炭素が発生していない、すなわち、一酸化炭素濃度が0体積%であるため、還元帯1の入口1a側に配設した濃度計3により測定された一酸化炭素濃度を、還元帯1の入口1a側及び出口1b側の一酸化炭素濃度差として算出する。
上記の通り、水蒸気が消失する代わりに一酸化炭素が発生する。よって、上記補正前水蒸気濃度算出工程で算出された水蒸気濃度Fの増加と、上記消失水蒸気濃度算出工程で得られた消失水蒸気濃度Faとを足し合わすと、その和が、酸化膜中で本来発生した水蒸気濃度(補正後水蒸気濃度)Gを表す。すなわち、G=F+Faとなる。雰囲気ガスの流量をV(Nm3/h)とすると、補正後水蒸気濃度と雰囲気ガスの流量との積(G×V)は、本来発生した総水蒸気の体積を表し、これに水蒸気密度q(kg/m3)を乗ずれば、還元帯1で酸化膜から本来発生する水蒸気量(補正後水蒸気量)I=G×V×q(kg/h)を算出することができる。ここで、上述した通り、水蒸気密度qは温度依存性を持ち、その値は公知である。従って、雰囲気ガスの流量Vが分かれば、雰囲気ガスの温度をもとに水蒸気量を算出することができる。
上述した第1実施形態と同様、当該酸化膜の膜厚測定方法を用いることで、酸化膜が形成された鋼板の酸化膜厚を、低コストで精度よく測定することができる。また、本実施形態では、雰囲気ガスの露点差及び雰囲気ガス量に加えて、さらに雰囲気ガスの一酸化炭素濃度差を用いて酸化物質量算出工程で用いる水蒸気量(補正後水蒸気量)を算出することで、鋼板の酸化膜厚をより精度よく測定することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
<還元処理における露点変化の確認>
溶融亜鉛めっきラインで用いる横型酸化還元炉を用意し、鋼板を酸化炉で酸化加熱後、還元炉で還元する酸化還元法により焼鈍し、溶融亜鉛めっき鋼板(ハイテンション鋼)を製造した。
酸化炉内の雰囲気温度を変化させて鋼板の温度を変化させることで、ハイテンション鋼の表面に形成される酸化膜厚を変化させ、上述した第1実施形態の酸化膜の膜厚測定方法により酸化膜厚を算出した。すなわち、雰囲気ガスの露点差を用いて水蒸気濃度(補正されていない水蒸気濃度)を算出し、算出した水蒸気濃度を用いて水蒸気量(補正されていない水蒸気量)を算出し、算出した水蒸気量を用いて酸化物質量を算出し、さらに酸化膜厚を算出した。
<一酸化炭素濃度差を用いた補正による酸化膜厚測定の精度検証>
鋼板として、Siの含有量が1.80質量%、Cの含有量が0.09質量%、Crの含有量が0.21質量%、平均厚さ1.4mm、平均幅1178mmの板状のものを用い、通板速度35m/分で還元帯を通板させた。
1a 入口
1b 出口
11 ロール
2 露点計
21 入口側露点計
22 出口側露点計
3 一酸化炭素濃度計
M 鋼板
MO 酸化膜
Claims (4)
- 還元処理により鋼板の表面で鉄層に還元される酸化膜の膜厚測定方法であって、
上記還元処理を行う還元帯の雰囲気ガス量並びに上記還元帯の入口側及び出口側での雰囲気ガスの露点差を用いて上記還元帯で発生する水蒸気量を算出する工程と、
上記水蒸気量算出工程で算出した水蒸気量から酸化物質量を算出する工程と、
上記酸化物質量算出工程で算出した酸化物質量から酸化膜厚を算出する工程と
を備える酸化膜の膜厚測定方法。 - 上記水蒸気量算出工程で、酸化処理されていない鋼板を上記還元帯に通板した場合の水蒸気増加量をさらに用いる請求項1に記載の酸化膜の膜厚測定方法。
- 上記酸化膜が酸化還元法の酸化帯で生成されたものである請求項1又は請求項2に記載の酸化膜の膜厚測定方法。
- 上記水蒸気量算出工程で、上記雰囲気ガス量及び上記雰囲気ガスの露点差に加え、さらに上記還元帯の入口側及び出口側での一酸化炭素の濃度差を用いて上記還元帯で発生する水蒸気量を算出する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の酸化膜の膜厚測定方法。
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