JP7148100B1 - 腐食試験方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
Description
他方、さび等の腐食がいつ発生し始めたのか知りたい、腐食がどう進んでいくのか(y=x型なのか、y=x2なのか)を知りたい、との要望がある。
しかし、上述の現象の変化の確認は、雰囲気の変化を避けるために、試料片を試験槽に載置したままで行うことが望ましいが、試料片を試験槽に載置したままで撮影することは困難であった。
特開平7-77501号の発明は、表面に赤錆のある鋼板2の表面をカラーテレビカメラで撮影し、画像を白と黒の2値化画像信号として白となった部分の画素数に基づいてさびの面積を計算するものである。この発明において、試料片を試験槽内に載置した状態で撮影することは開示されていない。
特開平9-178646号の発明は、反射光測定器により面状錆の発生面積を、分光測色方式の色彩計によって樹脂膜の色彩変化を、また、TVカメラと平行光照射器を備えた撮像装置によって点錆と皮膜膨れを検知し、各々の発生している面積を判定装置によって求めるものである。この発明においても撮影は、試料片を試験槽の外に取り出して行うものである。
透明な壁面を有する密閉された試験槽に試料片を載置し、前記試験槽中で試料片を腐食促進液に曝す。前記試料片の表面のカラー画像の撮影時にのみ、試験槽内部の水滴及び曇りを除去するための水を供給して、試料片を水没させ、前記透明な壁面を通して外部から経時的に、同じレンズ条件でカラー画像を撮影する。次いで、前記画像を色分解し、任意の時間ステップに撮影した画像と、その前段階で撮影した画像とで差分を計算し、差分に基づいてさび等の腐食を評価する。
前記透明な壁面は、試験槽内の試料片を外部からカメラで撮影するためのものである。また、前記密閉とは、外部雰囲気と隔てられていることであり、高い気密性を要求するものではない。
しかるに、試験槽内に水を張り試料片を浸漬水没させることにより、水滴や曇りが除去され、クリアな状態で試料片の表面を撮影することができ、精度の高い画像の色情報を得ることができる。
前記「水」は、水滴や曇りを除去するためのものであるから、「水」は、水(純水)に限定されることはなく、腐食促進に用いるものと同じ(同濃度の)塩水等も含まれる。
試料片の撮影は、全て同一のレンズ条件で行う。すなわち、試料片とカメラの距離、カメラレンズの焦点距離を一定とする。撮影条件を一定にするために、試験槽内又は試験槽外に光源を設置して撮影時における試料片表面の光量、色温度を一定にすることが望ましい。また、試験槽内の光を可及的に減らしてストロボ又はフラッシュで撮影することによっても光量、色温度を一定にすることができる。
そして、予め設定しておくさび等の腐食の定義に当てはめることで、ピクセル単位で腐食の有無、進行の度合いなどを評価することができる。
例えば、赤茶色に塗装された試料片の場合、所定のさびの定義に当てはめると、初期時点から全面が赤錆と評価されてしまう。しかるに、試料片を腐食促進液に曝す前に撮影し、その画像の色情報(色分解したもの)を取得することにより、初期の色情報との差分を試料片表面の変化として把握することが可能になる。
したがって、赤茶色に塗装された試料片であっても、さびの進行を的確に評価することができる。
前記水の供給部は、試料片の撮影時に試料片を水没させるための水を試験槽内に供給するものである。水の供給は手動で行うものでもよいが、所定時間に水が供給されるようにプログラムしておくことが好ましい。
所定時間に水が供給されるとは、一定時間ごとに水が供給されることの他、例えば、最初は30分後、その時点で腐食が発生していた場合にはまた30分後、発生していなかった場合は2時間後と、腐食の具合を認識して、そこから予測して次の観察タイミングを決めることも含まれる。
そして、試験槽には水の深さを測定する水位センサーを備え、水位センサーの信号を試料片撮影用カメラの記録システムに連動させるようにすると、試料片の浸漬に十分な水深となったときに自動的に撮影をすることができる。
タイプAとして、水位センサーとカメラとを直接接続し、水位センサーが水位の上昇を検知すると、その信号をトリガーとしてカメラに画像が記録される構成がある。この構成によれば、水位センサー以外の機器が不要であるから、撮影画像に他の機器(例えばセンサーライト)が映り込むことがない。
タイプBとして、水位の上昇によるセンサーの感知に合わせ発光するセンサーライトを設け、センサーライトの発光をトリガーとしてカメラに画像が記録される構成がある。この構成においてはカメラの種類に制約がないが、ライトの光を含めた画像を撮影するので画像の解析が複雑になるなどの欠点がある。
タイプCとして、水位の上昇によるセンサーの感知に合わせ発光するセンサーライトを設け、センサーライトの発光を補助カメラで検知し、補助カメラから試料片撮影用カメラに画像記録を指示する構成がある。この構成においては、センサーライトの光の映り込みはなく、カメラの種類の制約もない。
そのために、試験槽は、撮影用壁面以外は外光を遮断すべく不透明な素材で覆い、試験槽の内部に撮影用の光源を設置する構成が考えられる(請求項7)。光源としては、屋内の蛍光灯やLED照明の他、従来の目視評価で用いていた「D65光源」、さらには白色光源以外の色を使うことで、さびや皮膜の変化をとらえやすくなる。
この載置台4は、試験槽内における腐食促進液の噴霧や水の供給によって試料片Sの位置が変化しないように、試料片Sをしっかりと固定できるようにしてある。その手法としては、載置台4に試料片Sを固定するクリップを取り付けたり、載置台4に試料片Sをはめ込むゴム枠を取り付けてゴム枠に試料片Sをはめ込むことなどが考えられる。
また、載置台4は試料片Sの表面がJISの各種噴霧法で指定されている傾斜に対応させて傾斜させてある。そして、試験槽2における載置台4の対向部は撮影用透明壁5としてある。撮影用透明壁5の位置、大きさは試料片Sを撮影するカメラCによって、試料片Sを撮影できるように選定する。
そして、試験槽2内に水位センサー(図示しない)が設置してある。この水位センサーは、試験槽2内の水位が所定水位に達したときにランプを点灯させるようにしてあり、ランプの点灯を補助カメラが検知してその信号を試料片撮影用カメラに送り、画像を撮影してデータを保存するようにプログラムしてある。
なお、光源は透明壁の外側に設置することもできる。
この実施例においては、実施例1に示す光源8を試験槽の外部に設置して、透明な三角屋根7から光を試料片に照射している。光源8を試験槽内部に設置するためには光源が腐食促進液の影響を回避する必要があり、光源のコストが増大するが、外部に設置する場合は通常の光源を使用することができる。その際に外部の光の影響を確実に排除するために、暗幕内での撮影が有効である。
△H、△S、△Vは前回撮影時との差分であり、差分を検証することによりピクセル単位でさびの進行を知ることができる。
2 試験槽
3 噴霧ノズル
4 載置台
5 撮影用透明壁
6 水の供給口
7 三角屋根
8 光源
9 暗幕
S 試料片
C カメラ
O 光軸
Claims (7)
- 透明な壁面を有する密閉された試験槽に試料片を載置し、
前記試験槽中で試料片を腐食促進液に曝し、
前記試料片の表面のカラー画像の撮影時にのみ、試験槽内部の水滴及び曇りを除去するための水を供給して、試料片を水没させ、
前記透明な壁面及び水を通して外部から経時的に同じレンズ条件で試料片を撮影し、
前記画像を色分解し、
任意の時間ステップに撮影した画像と、その前段階で撮影した画像とで差分を計算し、
差分に基づいて腐食の進行を評価する、
腐食評価方法。 - 画像の色分解は、HSV色分解とし、
HSV色空間における色相(H)、彩度(S)、明度(V)に基づいて腐食の有無を判定し、
任意の時間ステップに撮影した画像と、その前段階で撮影した画像とで、色相(H)、彩度(S)、明度(V)それぞれの差分を計算し、
差分に基づいて腐食の進行を評価する、
請求項1に記載の腐食評価方法。 - 試料片を腐食促進液に曝す前に、試料片のカラー画像を、経時的な撮影と同じ条件で撮影する、
請求項1又は2に記載の腐食評価方法。 - 透明な撮影用壁面を有する密閉された試験槽内に、試料片の載置部と腐食促進液の供給装置が配設され、
前記試料片の載置部は、前記透明な壁面を通して外部から試料片を撮影できるように試料片が載置されるものとし、
前記試験槽には試料片を水没させるための、前記腐食促進液の供給装置とは別途、水の供給部が設けられた、
腐食試験装置 - 試験槽は水の深さを測定する水位センサーを備え、水位センサーの信号を試料片撮影用カメラの記録システムに連動させるようにした、
請求項4に記載の腐食試験装置 - 透明な撮影用壁面は、試料片の撮影及び撮影時における試料片のライティングの用に資するものとした、
請求項4又は5に記載の腐食試験装置 - 試験槽は、撮影用壁面以外は外光を遮断すべく不透明な素材で覆われ、試験槽の内部に撮影用の光源が設置された、請求項4又は5に記載の腐食試験装置
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JPS4962090U (ja) * | 1972-09-11 | 1974-05-31 | ||
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