JP7146937B2 - サブナノメートルの金展着剤およびそれによるエンドトキシン誘発性敗血症予防方法 - Google Patents
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Description
本明細書中に使用される用語は概して、本発明の文脈において、また各々の用語が使用される特定の文脈において、当該技術分野におけるそれらの通常の意味を有するものである。本発明を記載するために使用される特定の用語は、以下、または、本明細書中の他の部分で論じられ、本発明の記載に関わる実務者に付加的な手引きを提供するものである。便宜上、幾つかの用語を強調することもあり、例えば、イタリックおよび/または引用符を使用することもある。強調を使用しても用語の範囲および意味に影響を与えることはなく、それが強調されるにせよされないにせよ、同様の文脈において用語の範囲および意味は同じである。同じ事項を、2つ以上の方法で述べることがあることを理解されたい。したがって、ここで論じられる用語のいずれか1つまたは複数に、代替的な用語および同義語を使用してもよく、また、用語がここで補足説明されるかまたは述べられるかにせよされないにせよ、それに特殊な意義が課されることもない。幾つかの用語に対して同義語を提示している。1つまたは複数の同義語の詳説は、他の同義語の使用を排除するものではない。ここに述べられるあらゆる用語の用例を含む本明細書全体での用例の使用は、例示を目的とするにすぎず、本発明または例を挙げた全ての用語の範囲および意味を限定するものではない。同様に、本発明は本明細書中に与えられる様々な実施形態に限定されるものでもない。
デンドリマーは典型的に、コアを取り囲むように対称であり、多くの場合、球状の三次元形態をとる。デンドリマーはまた、世代によって分類され、これは、その合成中に繰り返された分枝サイクルの数を指す。例えば、収束的合成によってデンドリマーを生成し、分枝反応がコア分子上で3回行われた場合、結果として生じるデンドリマーは、第3世代デンドリマーとみなされる。デンドリマーは、世代番号(Gn)によって識別され、それぞれの完全合成反応の結果、新たなデンドリマー世代が生ずる。後続の各世代は、前の世代の約2倍の分子量のデンドリマーとなる。第1世代デンドリマー、第2世代デンドリマー、および、第3世代デンドリマーは、それぞれ、世代1(G-1)、世代2(G-2)、および、世代3(G-3)デンドリマーと表される。デンドリマー捕捉金ナノ粒子は、技術的に周知である。例えば、本発明は、G4デンドリマーを提供する。
ヒト等価用量(HED)=動物の投与量(mg/kg)×(動物の体重(kg)/ヒトの体重(kg))0.33
HEDは、投与の経路などの他の因子に応じて変化し得る。
略記号:CR:カルバペネム耐性;AB:アシネトバクター・バウマニ;EC:大腸菌;KP:肺炎桿菌;PA:緑膿菌。
G4NH2デンドリマー、G4OHデンドリマー、HAuCl4、および、LPS(大腸菌O111:B4)を、シグマ(米国、カリフォルニア州サンディエゴ)から購入した。MWCOメンブレンフィルターを、ミリポアから購入した(PESメンブレン)。WST-1を、同仁化学研究所(日本、熊本県)から入手した。陰イオン交換樹脂を、Merckから購入した(フラクトゲル(登録商標)EMD TMAE Hicap)。
展着剤Aおよび展着剤Hを含むサブナノメートルの金ナノクラスタ(SAuNC)を、既に公開されている方法にしたがって合成した。まず、HAuCl4、および、HAuBr4(シグマアルドリッチ、200μL、30μmol、150mM)を、G4NH2(アルドリッチ、20重量%のメタノール溶液中に94.9μL、5μmol)、および、G4OH(アルドリッチ、10重量%のメタノール溶液中に75.4μL、0.5μmol)を含有する20mLの脱イオン水にそれぞれ添加した。マイクロ波を照射(CEM、Discover LabMate System、300W/120℃で30分間)する前に、G4NH2およびHAuCl4混合溶液を4℃で一晩インキュベートした。還元後、沈殿およびSAuNCを3KDaMWCOPESメンブレンフィルター(ミリポア、アミコンウルトラ)でろ過し、AuCl4 -またはAuBr4 -である余分な陰イオンを陰イオン交換クロマトグラフィーによって除去することによって、G4NH2およびG4OHの被包から精製された展着剤Aおよび展着剤Hをそれぞれ得た。その後、デンドリマーに内包されたSAuNC(すなわち展着剤A、63.6mg、4μmol)の内部の第三級アミン基、および、表面のアミン基を、ジクロロメタン/N,N-ジメチルホルムアミド/H2O(1mL/1mL/0.1mL)中で、ヨウ化メチルおよびヨウ化エチルと、室温または37℃で一晩それぞれ反応させた。それぞれの反応混合物をジクロロメタンによって3回抽出して凍結乾燥させることにより、2つの黄色いゲル状化合物(すなわち、展着剤Mおよび展着剤E)を得た。この修飾の確認として、展着剤Aと比較した場合、1H NMRスペクトルは、メチル基およびエチル基から2,5ppm~4ppmでメインピークを示した。測定に際し、すべての試料を溶媒としてのD2Oに溶解した。
各試料をレイシーカーボンフィルムに載置した。300kVでの透過型電子顕微鏡測定(JEOL JEM-3000F、日本)の前に、グリッドを乾燥させた。
LPS溶液のためのSAXSデータを、国立放射光研究センター(NSRRC、台湾)の23A SWAXSワークステーションにて得た。すべてのSAXS測定は、15.0keV(波長λ=0.8267Å)のビームを用い、試料-検出器間の距離を3060mmとしてなされた。SAXSデータを、169×179mm2の有効面積、および、172μmの検出器ピクセル分解能を有するピクセル検出器であるDectirs-Pilatus 1Mで収集した。散乱θおよびλによって定義される散乱波長q=4πλ-1 sinθを、ベヘン酸銀の標準試料によって較正した。放射線障害を最低限にすべく、試料溶液の長時間のスポット露光(ビーム直径約0.5mm)を防ぐために、細い(12μm)カプトン窓(直径4mm)付きの2.5mmの試料溶液のそれぞれを、1.5×1.5mm2の領域内で静かにゆさぶり、室温で測定した。SAXSデータから、LPS試料溶液に用いられるのと同一環境下で測定された緩衝液散乱を減算した。その後、データを、前のレポートで詳しく述べたように、入射フラックス、試料厚さ、および、検出器の電子雑音について修正した。各SAXS測定のためのLPS-SAuNC比は、50(w/w)に維持されたことに留意されたい。GIWAXS測定も、BL23Aエンドステーションで実現された。シリコンウエハにドロップキャスティングすることにより、GIWAXS測定のためのフィルム試料を調製した。15keVのビーム(波長λ=0.8267Å)、132mmの試料-検出器距離、および、0.2度の入射角により、CMOSフラットパネルX線検出器C9728DK(52.8mm角)を用いてGIWAXSデータを収集した。ギニエ解析により、前方散乱強度(すなわち、I(0))、および、回転半径(Rg)を得た:I(q)=I(0)exp(-Rg 2 q2/3)3。これは、測定された散乱強度の二乗(すなわち、q2)の関数としてのln(I)の線形プロットに当てはめることができる(図6Aの中央の行を参照)。Rgは、散乱長密度で重み付けした分子の密度の中心までの平均二乗平均平方根距離であり、前方散乱強度I(0)は、LPSミセルまたはベシクルの分子量および濃度に比例する。同様のRg値は、LPS集合体のサイズが濃度の低下に伴い変化しなかったことを示した。
96ウェル高結合型イムノアッセイプレート(Costar3991、コーニング)を、0.02MのEDTAを含有する0.1MのNa2CO3緩衝液において30μg/mlの固定濃度のLPSでコーティングし、37℃で200分間加熱した。その後、コーティングプレートを脱イオン水で洗浄し、16時間乾燥させた。そして、プレートを、1%のBSAを含むPBSで、37℃で30分間ブロッキングし、0.1%のBSAを含むPBSで洗浄した。2種類の金展着剤のLPSへの結合を検出するために、濃度が増大している展着剤Mまたは展着剤EをLPSでコーティングしたプレートに添加した。金展着剤の存在下において、LPSへのTLR4の結合の阻止を検出するために、プレートをまずLPSでコーティングし、次に、固定濃度の展着剤Mまたは展着剤Eでコーティングした。そして、濃度が増大しているTLR4結合PE(Biolegend)を、LPSおよび展着剤でコーティングしたプレートに添加して、594nmの発光波長で読み取った。再び、金展着剤とTLR4との間の相互作用を、市販のマウスToll様受容体4 ELISAキットプレート(カタログ番号:MBS765112、MyBioSource)。により決定した。濃度が増大しているFITC標識LPS(大腸菌O111:B4、シグマ)、および、2種類の金展着剤を、市販のTLR4でコーティングされたプレートに添加した。較正曲線によってY軸を決定し、LPS-FITCおよび展着剤を計量した。金展着剤、TLR4-PE、および、LPS-FITCをインキュベート後のコーティングされたウェルのそれぞれに添加し、37℃で60分間インキュベートした。その後、プレートを0.1%のBSAを含むPBSで3回洗浄した。最後に、各コーティングされたウェルに100μlの脱イオン水を添加し、ELISAリーダー(SpectraMax M2、モレキュラーデバイス)を用いて蛍光を出力した(金展着剤:Ex390nm/Em460nm、PE:Ex496nm/Em594nm、FITC:496nm/540nm)。
雄の8~12週齢のC57BL/6Narlマウスを台湾国家実験動物センター(台湾、台北)から購入した。すべてのマウスは、国家衛生研究院(NHRI)の実験動物センターにおいて適度な湿度および温度による特定の無菌状態で飼育された。すべての動物実験手順は、NHRIの施設内動物実験委員会によって承認された公開ガイドラインに従った。
SAuNCとLPSとのインビボでの相互作用を明らかにすべく、0.1μg(2μg/mlの50μL、4mg/kg(体重))のLPS(大腸菌O111:B4、シグマ、米国ミズーリ州セントルイス)の単回投与、または、7.5μgのSAuNCを含む50μLのPBSの単回投与を、C57BL/6Narlマウスの後肢の足蹠から皮下注射にて行った。コンタミネーションを最小限にすべく、SAuNC溶液およびLPS溶液のどちらをも、細孔径が0.22μmの親水性ポリエーテルスルホン(PES)メンブレンを有するシリンジフィルターを介して殺菌した。保護群のマウスには、SAuNCの単回投与の注射から20分後にLPSを単回投与で注射した。処置群のマウスには、まずLPSを注射し、その20分後に、SAuNCを単回投与で注射した。指示された2回目の注射の2時間後に、イソフルランの過剰吸入により安楽死させてから、心臓穿刺により血液試料を収集した。TNF-αアッセイのために、最初の注射から1時間後に血液試料を採取した。LPS誘発性敗血症の実験モデルでは、雄のC57BL/6Narlマウス(平均体重24.9±1.3g)に、致死量である25mg/kgのLPSを注射する前後に、100μLのPBSに溶解した2種類のSAuNC(75mg/kg(体重))を30分間隔で、29ゲージ針を用いて腹腔内注射した(n=10/群)。マウスを異なる間隔で一週間まで観察した。
初期免疫応答の研究のために、ルミネックスバイオプレックス200システムによるバイオプレックスプロマウス23プレックスアッセイ(バイオラッド)によって、メーカーの指示に従い、血漿マルチプレックスサイトカインアッセイを行った。マウスTNF-αイムノアッセイキット(Biolegend)を用いて、メーカーの指示に従い、血漿中のTNF-αを測定した。
雄のC57BL/6Jマウスの大腿骨および脛骨から骨髄細胞を単離し、赤血球を溶解した。6ウェルプレート中に10%の加熱不活性化したFBS、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、100μMの2‐メルカプトエタノール、および、10ng/mlのマクロファージコロニー刺激因子(M-CSF、Peprotech)を含むRPMI-1640完全培地で骨髄前駆細胞(5×106/ウェル)を7日間維持した。
処置前に、培地を取り除くことによって、非接着細胞を除去した。
マウスRAW264.7マクロファージ細胞を6cmのペトリ皿に1×106の細胞密度で播種し、48時間成長させて90%密生させ、10%の加熱不活性化したFBS、100U/mlのペニシリン、および100μg/mlのストレプトマイシンを追加したRPMI-1640完全培地で維持した。RAW264.7細胞を表示時間に収穫し、Haltプロテアーゼ/ホスファターゼ混合型阻害剤(Thermo Scientific)を含むRIPA緩衝液(シグマ)によって溶解した。全細胞ライセートを8%のSDS-PAGEゲルを用いて電気泳動により分離し、PVDFメンブレン(ミリポア)に移し、5%のBSAを含むTBSTで1時間ブロッキングし、phospho-Ser536 NF-κB p65(Cell Signaling)、および、ローディングコントロールとしてのβアクチンを含む一次抗体によって4℃で一晩イムノブロットした。メンブレンをHRP基質(ミリポア)に露出させ、アマシャムイメージャ600(GEヘルスケアライフサイエンス)において特定のタンパク質を視覚化した。
雄のC57BL/6Narlマウスに、SAuNC(100μLの滅菌PBS中に75mg/kg(体重))を60分間隔で2回、29ゲージ針を用いて腹腔内注射した。最初にSAuNCを注射してから0分(ベースライン)、15分、30分、60分、75分、90分、105分、120分、3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、12時間、24時間、48時間後に血液試料を採取した。EDTAを血液凝固阻止剤として含有する紫キャップの採血管に血液試料全体を収集し、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)によって金原子含有量を測定した。エクセルソフトウェアを用いて薬物動態パラメータを計算し、半減期(t1/2)、最大血漿濃度時(Tmax)、最大血漿濃度(Cmax)、および、濃度時間曲線下面積(AUCall)を含めた。
統計分析を実施するために、GraphPad Prismプログラム(v7.02)を用いた。バイオアッセイ用データを、平均値±標準偏差(SD)で表し、テューキーの多重比較検定を伴う一元配置ANOVA(分散分析)を用いてP値を計算し、P値が0.05未満を統計的に有意な試験結果とみなした。LPS誘発性敗血症の実験モデルでは、カプラン・マイアー曲線を用いて生存率データをプロットし、SAuNC群とLPSのみの群とを比較するために、ログランク(マンテルコックス)検定によって分析した。
本研究では、リピドA(LPSのエンドトキシン毒性の活性部位)のd間隔を圧縮することによって、エンドトキシン活性を阻害する超微小金展着剤の構築を目指した。分子内充填密度を操作することによって、リピドAドメインのコンホメーションをより低密度からより高密度に変換することができ、それによって、先天性免疫認識に劇的に影響を及ぼすことができる。充填密度をより低くするかまたは高くするd間隔の差は、数オングストロームの違いでしかない。このような微妙な変化を微調整するために、抗エンドトキシン展着剤は、柔らかい材料からなる接着剤のようなモチーフと、フレーク状の超微小でありながらも硬い基体とによって構成されることが必要であろう。この展着剤のような構造は、LPSの非層状集合を阻害するための臨界ミセル濃度(CMC)を高めるだけでなく、リピドAのd間隔にも影響を及ぼすことが期待されよう。しかしながら、ほとんどのナノメートルスケールの硬い材料、すなわち、無機ナノ粒子は、異なる曲率を有する立体形状を有するため、フレーク状の展着剤の基体に用いられるには不適切である。幸いにも、ナノ粒子のサイズをサブナノメートルのレンジまで縮小すると、このような粒子の形状をフレーク状に変えることができる。例えば、フレーク状のサブナノメートルの金ナノクラスタ(SAuNC)は、理論上はすでに確立されている。我々は、SAuNCのこのような平坦面は、リピドAの分子内のd間隔を圧縮することによって、付着した接着剤状モチーフがLPSのリピドAドメインと容易に結合することを可能にし(図1)、それによって、エンドトキシン誘発性敗血症を発症させるTLR4-MD2複合体の認識を低下させ得るだろうと仮定した。
比較のため、他の親水性SAuNC(展着剤A)および疎水性SAuNC(展着剤H)も調製した。これらは、LPS集合体をもたらすことが検証済みであるアルキルモチーフの修飾を含まない。すなわち、LPSのCMCは、これらには影響され得ないということである。図5A(上段)は、小角X線散乱(SAXS)による、様々な展着剤の存在下および非存在下における、LPSの集合体形成を決定した約0.1A-1の強い信号を示す。ギニエ解析に従い、前方散乱強度I(0)は、測定された散乱強度の二乗(q2)の関数としてのln(I)の線形プロットを当てはめることにより得られた(図5A、中段)。I(0)は、低い溶液濃度に対して良好な直線性を示すので(図5Aの下段)、各条件でのLPSのCMC値を、直線外挿によって計算することができた。
予想通り、図5A(4番目および5番目の列)は、展着剤Mまたは展着剤Eの存在下では、LPSのCMC値が、LPSのみ(1番目の列)よりも著しく(10倍)上昇したことを示している。これらの効果は、SAuNCにおけるメチルおよびエチルモチーフとリピドAとの相互作用に起因するのかも知れず、LPSの自己組織化プロセスを阻止するという結果となり得た。微小角入射広角X線散乱(GIWAXS)を用いたリピドAのd間隔の測定を図5B(左側)に示す。結果は、展着剤Mおよび展着剤Eのいずれも散乱ベクトル(q)の目立った変化をもたらし、展着剤Mは14.96nm-1から16.32nm-1に変化し、展着剤Eは14.96nm-1から17.72nm-1に変化したことがわかった。各条件でのリピドAのd間隔(2π/q)の値を計算し、図5Bに示した(右側)。d間隔の値は、4.19Åから3.54Åまでにほぼ分布している。LPSのみで確認されたリピドAのd間隔と比べて、展着剤H、M、およびEは、リピドAのd間隔を圧縮したということに注目されたい。つまり、展着剤Aは圧縮しなかった。これらの結果は、疎水性部分を有する展着剤、特に、メチルおよびエチルモチーフだけを有する展着剤は、CMCを高めるだけでなく、個別のLPS分子それぞれの分子内のd間隔を縮小することで充填密度をより高め(図5C)、敗血症を予防することができることを示した。
超微小展着剤は、フレーク状の基体として機能する金ナノクラスタと、グラム陰性菌の危険な組織片であるLPSと結合するための接着剤としての役割を果たす短いアルキルモチーフのコーティングとからなり、リピドAを標的化し、その分子内の炭化水素鎖間の距離(d間隔)を圧縮する。生物学的関連性では、LPS投与マウスの血漿中の腫瘍壊死因子α(TNF-α)、IL-6、IL-1β、および、ケモカインを含む重要な炎症誘発性のNF-κB依存性サイトカインの誘導は、顕著な減少を示した。そればかりでなく、抗エンドトキシン展着剤の処置は、LPS誘発性敗血症マウスの生存時間を著しく延ばすことができた。抗エンドトキシン展着剤の注射は、グラム陰性菌感染症によって引き起こされる敗血症の早期予防の潜在的な治療戦略となる可能性があり、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症性ショック、および、敗血症による致死から患者を効果的に保護するだろう。
Claims (15)
- ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーに内包されたサブナノメートルの金ナノクラスタを含み、
前記ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーは、アルキル基で修飾され、
前記サブナノメートルの金ナノクラスタの形状は、略フレーク状構造を有する、
サブナノメートルの含金構造。 - 前記ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーは、G n NH 2 デンドリマー、または、G n OHデンドリマーであり、nは、0~4である、請求項1に記載のサブナノメートルの含金構造。
- 前記ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーは、第4世代(G4)デンドリマーである、請求項2に記載のサブナノメートルの含金構造。
- 前記ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーは、G 4 NH 2 デンドリマー、または、G 4 OHデンドリマーである、請求項3に記載のサブナノメートルの含金構造。
- 前記アルキル基は、メチル基、または、エチル基を含む、請求項1に記載のサブナノメートルの含金構造。
- 前記サブナノメートルの含金構造は、リポ多糖(LPS)のリピドAの分子内の炭化水素鎖間の距離(d間隔)を圧縮するための有効量が使用され、投与を必要とする哺乳類中のエンドトキシン活性を阻害するために使用される請求項1~5のいずれか一項に記載のサブナノメートルの含金構造。
- リピドAの前記d間隔の値を、4.19Åから3.54Åまで減少させる、請求項6に記載のサブナノメートルの含金構造。
- リピドAの前記d間隔の値を、4.19Åから3.85Åまで減少させる、請求項7に記載のサブナノメートルの含金構造。
- LPS感染哺乳類中の炎症誘発性サイトカインを抑制するために使用される請求項1~5のいずれか一項に記載のサブナノメートルの含金構造。
- 前記サブナノメートルの含金構造の有効量は、前記サブナノメートルの含金構造と前記LPSとのモル比に依存する、請求項9に記載のサブナノメートルの含金構造。
- 前記サブナノメートルの含金構造と前記LPSとの前記モル比は、1:2である、請求項10に記載のサブナノメートルの含金構造。
- 前記サブナノメートルの含金構造の有効量は、約50~100mg/kg(体重)である、請求項9に記載のサブナノメートルの含金構造。
- 前記炎症誘発性サイトカインは、NF-κB、TNF-α、IL-6、IL-1β、CXCケモカインプロフィール、IL-12p40、GM-CSF、または、GRPα(KC)を含む、請求項9に記載のサブナノメートルの含金構造。
- 前記サブナノメートルの含金構造は、LPSの非層状集合を阻害するための臨界ミセル濃度を高めるための有効量が使用され、投与を必要とする哺乳類中のエンドトキシン誘発性敗血症を予防するために使用される請求項1~5のいずれか一項に記載のサブナノメートルの含金構造。
- 前記ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーは、第4世代(G4)デンドリマーであり、
前記アルキル基は、メチル基、または、エチル基である、請求項1に記載のサブナノメートルの含金構造。
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Non-Patent Citations (2)
Title |
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Chemistry of Materials,2004年,16(1),pp.167-172 |
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