以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、図面の上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。さらに、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではなく、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
以下では、開示の処理装置において、被処理物Tを折り畳み等する処理装置1及びその変形例について説明する。
<処理装置1の全体構成>
処理装置1は、変形性薄物としての被処理物Tを保持、認識、折り畳み、及び、収納する装置であって、図1に示されるように、大略、フレーム100と、受入装置200と、保持装置300A,300Bと、載置装置400と、撮像装置500と、支持装置600と、収納装置700と、制御装置900(図11)とを備えている。
なお、被処理物Tは、例えば、衣類及びタオル類などの布地、フィルム、紙ならびにシートなどに代表される変形性薄物であって、その形状は、タオル類のように矩形であってもよいし、Tシャツやランニングシャツ、長袖シャツ、ズボンのような略矩形であってもよい。
<フレーム100>
フレーム100は、4本のフレーム枠と、当該フレーム枠の下部に設けられたフレーム台とで構成されている。また、前後方向(矢印Y方向)に隣り合うフレーム枠の上端同士は、横フレーム枠で連結されている。さらに、フレーム枠の間にはそれぞれ壁面が設けられている。これにより、処理装置1には閉じられた内部空間が形成されている。なお、以下の説明では、扉本体が取り付けられる壁面を正面(Y1方向)として、これに対向する壁面を背面(Y2方向)、右側の壁面を右側面(X2方向)、左側の壁面を左側面(X1方向)という。またフレーム及び壁面を含めて「筐体」ともいう。
<受入装置200>
受入装置200は、被処理物Tを外部から受け入れるための装置であり、図1に示されるように、受入装置200は、箱型形状を有している。受入装置200は、ユーザがアクセスし易い、処理装置1における正面(Y1方向)の底部に配設され、Y方向に出し入れ可能に配設される。例えば、受入装置200は、ガイドレールを用いてY1方向に引き出される。被処理物Tは、引き出された受入装置200に、Z方向の上部(Z1)から入れられる。受入装置200は、被処理物Tが入れられると、ガイドレールを用いてY2方向に戻され、処理装置1内に収められる。
受入装置200は、被処理物Tが、受入装置200のX方向の中央付近に集まるような構造が設けられてもよい。例えば、受入装置200について、X1方向の端部からX2方向に向かう底面が、Z2方向に傾斜するように形成されてもよい。また、X2方向の端部からX1方向に向かう底面が、Z2方向に傾斜するように形成されてもよい。これらの傾斜によって、被処理物Tは、受入装置200に入れられた後、X方向の中央付近に集められる。これにより、被処理物Tが受入装置200のX方向の中央付近に集まりやすく、保持装置300による被処理物Tの保持位置が特定されやすくなり、処理の短時間化に寄与することができるようになる。
また、受入装置200の内部の底面の一部又は全部に、1又は複数の凸が設けられてもよい。これにより、受入装置200内の被処理物Tが少なくなってきた場合に、底面の凸により被処理物TがZ1方向に盛り上がり、保持装置300Aが被処理部Tを掴みやすくなる。さらに、受け入れ装置200の内部の底面の一部又は全部に柔軟な素材を用いてもよく、この場合は後述する保持機構310A、310B,312B(第1~第3保持機構)の何れかで底面を凹ませながら被処理物Tを把持することで、被処理物Tが少なくなってきた場合でも被処理物Tを掴みやすくする事が出来る。
<保持装置300>
保持装置300は、受入装置200内に入れられた、又は収納された被処理物Tを保持して引き上げるとともに、載置装置400と協働して、被処理物Tの認識及び折り畳みを行う装置である。
処理装置1は、図1に示されるように、一対の保持装置300A,300Bを備えている。保持装置300Aは、保持機構310Aを有し、保持機構310Aを、幅方向(X方向)、奥行き方向(Y方向)、高さ方向(Z方向)に移動させる移動機構を有する。また、図1に示される例では、保持装置300Bは、保持機構310B及び保持機構312Bを有し、保持機構310B,312Bを、幅方向(X方向)、奥行き方向(Y)方向、高さ方向(Z方向)に移動させる移動機構を有する。以下の説明では、Y1方向の正面側に近い方を保持装置及びその構成要素に枝番「A」を付し、Y2方向の背面側の保持装置及びその構成要素に枝番「B」を付して区別する。図1に示す例では、処理装置1は、3つの移動機構を有するが、複数の移動機構を有すれば後述する、掴み上げ、展開、折り畳み、収納の処理が可能になる。また、保持装置300Bは、2つの移動機構を有するが、各移動機構は、それぞれの保持装置により設置されてもよい。
一対の保持装置300A,300Bは、載置装置400に対して、上下方向(Z方向)、左右方向(X方向)、前後方向(Y方向)にそれぞれ相対移動可能である。例えば、保持装置300A,300Bは、載置装置400の載置板402の縁部と同一線上(同一高さ)に並ぶように揃えることもできるし、一方の保持装置300Aを載置板402よりも前方とし、他方の保持装置300Bを載置板402よりも後方となるようにする等、その可動範囲内でそれぞれ自在に移動可能である。
以下、図2を用いて、保持装置300A、保持装置300B、載置装置400に用いられる移動機構について説明する。図2では、保持装置300Bの移動機構の構成を用いて説明するが、保持装置300Aの移動機構の構成は、保持装置300Bの構成と基本的に同じである。よって、保持装置300Aは、保持装置Bの符号中「B」を「A」に置き換えた符号を用いればよく、その説明を省略する。また、保持装置300A,300B,載置装置400は図面上のX1側、X2側で同様の構成であり、符号はX1側のみ付している。
移動機構320Bは、保持機構310B,312B(不図示)を移動させる。この保持装置300Bは、後述する制御装置900と有線又は無線により通信可能に接続されている。そして、この制御装置900により、保持機構310B,312B及び移動機構320Bの動作が制御される。
保持機構310Bとしては、被処理物Tを積極的に把持する把持機構と、被処理物Tを単に係止するだけの係止機構とが考えられる。本実施形態の処理装置1では、保持装置300Bに、保持機構310Bとして、把持機構が使用されているので、以下の説明では、保持機構が把持機構である場合について説明する。保持機構については、図3~7を用いて後述する。
移動機構320Bは、図2に示されるように、幅方向移動機構332Bと、一対の上下方向移動機構334Bと、前後方向移動機構336Bとを備えている。
幅方向移動機構332Bは、保持機構310Bを幅方向(X方向)に移動させる。上下方向移動機構334Bは、幅方向移動機構332Bとともに保持機構310Bを上下方向(Z方向)に移動させる。また、前後方向移動機構336Bは、上下方向移動機構334B、幅方向移動機構332B、及び保持機構310Bを前後方向(Y方向)に移動させる。
幅方向移動機構332Bは、上述のように、保持機構310Bを幅方向(矢印X方向)に移動させるために設けられている。この幅方向移動機構332Bは、駆動力源となる幅方向移動用モータ338B、及び、リニアガイド340Bを有している。
幅方向移動用モータ338Bには、リニアガイド340Bが挿入される。リニアガイド340Bは、その長手方向が幅方向(X方向)に沿うように配置されている。幅方向移動用モータ338Bは、通電により、リニアガイド340Bに沿ってスライド移動する。幅方向移動用モータ338Bがリニアガイド340Bに沿って幅方向(X方向)に移動すると、幅方向移動用モータ338Bに固定された保持機構310Bも幅方向(X方向)に移動する。
上下方向移動機構334Bは、上述した幅方向移動機構332Bを上下方向(Z方向)に移動させる、左右一対の機構である。上下方向移動機構334Bは、駆動力源となる上下方向駆動用モータ350Bを有している。上下方向駆動用モータ350Bは、正転及び逆転が可能なモータである。上下方向駆動用モータ350Bは、前後方向移動機構336Bの枠体に固定されている。上下方向駆動用モータ350Bが、駆動すると、幅方向移動機構332Bが上下方向(Z方向)に沿って移動する。
前後方向移動機構336Bは、上述の上下方向移動機構334Bを前後方向(Y方向)に移動させる、左右一対の機構である。前後方向移動機構336Bは、複数のスライドガイド356B、前後方向駆動用モータ358B、及び、リニアガイド360Bを有している。前後方向移動機構336Bの枠体には、上述した上下方向移動機構334Bが取り付けられている。
スライドガイド356Bは、前後方向移動機構336Bの前後移動をガイドする。1つの前後方向移動機構336Bに対して2セットのスライドガイド356Bが使用されている。
前後方向駆動用モータ358Bには、リニアガイド360Bが挿入される。1つの前後方向移動機構336Bに対して2セットの前後方向駆動用モータ358B及びリニアガイド360Bが使用されている。前後方向駆動用モータ358Bがリニアガイド360Bに沿って移動すると、枠体346Bも同じく移動する。枠体346Bが移動すると、幅方向移動機構332B及び保持機構310Bも同じく移動する。なお、リニアガイド360Bは、保持装置300Aの移動機構320Aにも使用されている。
次に、保持機構310Aの構成について説明する。保持機構310Aの構成は、保持機構310B及び保持機構312Bの構成と同様であるため、保持機構310B及び保持機構312Bの説明を省略する。
図3は、保持機構310Aの概略機構の一例を示す図である。図3に示す例では、保持機構310Aは、第1フィンガ372L、第2フィンガ372R、及び第3フィンガ374を有する。第1フィンガ372Lは、第3フィンガ374側に第1把持部材376Lを有し、第2フィンガ372Rは、第3フィンガ374側に第2把持部材376Rを有する。
また、保持機構310Aは、各フィンガを回転制御するための各モータ(不図示)を有する。これにより、第1フィンガ372L、第2フィンガ372Rは、Y方向における回転において独立して回転することが可能になる。また、第3フィンガ374は、X方向において独立して回転することが可能になる。
図3に示される3つのフィンガ(372L,372R,374)が用いられる場合、第3フィンガ374を被処理物の間に入れ込んで、第1フィンガ372L及び第2フィンガ372Rにより、被処理物を両側から挟み込むことが可能になる。さらに、後述するように、第3フィンガ374を用いることで、被処理物の皺を伸ばす処理であるスキ動作を行うことが可能になる。
また、保持機構310Aは、力覚センサ380をさらに有してもよい。力覚センサ380は、保持機構310Aにより保持されている被処理物の保持にかかる力・モーメントを検出し、保持機構310Aの制御のために制御装置900へフィードバックを行う。これにより、保持機構310Aに被処理物が保持されるとき、必要以上に被処理物に力を与えて被処理物を傷つけてしまうことを防止することができる。保持機構310Aは、力覚センサ380を有することにより、どれくらいの力をかけて被処理物Tを保持するかを制御装置900により制御されることができる。また、受入装置200内にある被処理物Tを、例えば保持機構310Aが掴み上げる際に、力覚センサ380のセンサ値に基づいて掴み上げることで、保持機構310Aによる被処理物Tを押し付ける力を一定に保つことができるようになる。例えば、被処理物Tを把持するために必要な押し付け力は10N(ニュートン)前後が適切であるため、保持機構310Aが被処理物Tを押し付ける力が10N前後になるように、制御装置900は、力覚センサ380のセンサ値を適宜取得しながら保持機構310Aの掴み上げを制御する。
図4は、保持機構310Aにおいて、YZ平面における2つのフィンガを用いる場合の概略機構の一例を示す図である。図4に示されるように、保持機構310Aは、第1フィンガ372Lと、第2フィンガ372Rとを用いて被処理物を保持することが可能である。2つのフィンガに適した場面としては、受入装置200から被処理物を拾い上げるときや、単純に被処理物を把持するときなどである。
図4に示す例では、第3フィンガ374は、この第3フィンガ374の回転を駆動するモータによりZ1方向に上がった状態で静止されている。これにより、2つのフィンガを用いる場合に、第3フィンガ374が、その使用を妨げることはない。図5は、XZ平面において、第3フィンガ374がZ1方向に上げられた状態で静止していることを示す図である。図5に示されるように、第3フィンガ374は、Z1方向に回転して、第1フィンガ372Lと第2フィンガ372Rとの回転を妨げない位置で静止される。また、図4に示されるように、第1フィンガ372Lと、第2フィンガ372Rとの末端には、ボールジョイント機構(382R,382L)を有し、このボールジョイント機構(382R,382L)が、第1把持部材376Lや、第2把持部材376Rを支持する。そして、第1フィンガ372Lと、第2フィンガ372Rとの軸に、バネ(383L、383R)を有する。これによって、第1フィンガ372Lおよび第2フィンガ372Rが開いたりして重力方向が変化しても、第1把持部材376Lおよび第2把持部材376Rの向きは一定に保たれる。把持部材は、例えば、エラストマーパッドなどであり、摩擦や弾性を有する部材である。
次に、保持機構310A、保持機構310B及び保持機構312Bの回転について説明する。図6は、実施形態における保持機構310B及び保持機構312Bの各方向における回動の一例を示す図である。図6(A)は、保持機構312BのYZ平面における回転を示す。保持機構310A、保持機構310B及び保持機構312Bの各方向における回転駆動の構成は共通するため、以下、保持機構312Bの構成を一例として説明し、保持機構310A及び保持機構310Bの構成の説明を省略する。
保持機構312Bは、ピッチ回転をする機構を有し、例えば約210度のピッチ角R30を有する。図6(A)に示すように、例えば水平方向に配置した回転軸を0度とすると、保持機構312Bは、例えば上方側に約+90度、下方側に約-130度まで回転する。また、保持機構312Bは、ロール回転をする機構を有し、例えば略360度のロール角R10を有する。
図6(B)は、保持機構310B及び保持機構312BのXZ平面における回転を示す。図6(B)に示す保持機構312Bは、ヨー回転をする機構を有し、例えば略180度のヨー角を有する。なお、保持機構312Bにおけるロール角R10、ヨー角R20、及びピッチ角R30の駆動可能な最大の各回転角度は、必要に応じて適宜設定されればよい。これにより、保持機構310Bは、展開及び/又は折り畳みにおいて、所定の角度をつけつつ被処理物を掴んだり、開放したりすることができ、展開や折り畳みをより適切に行うことが可能になる。特に、ピッチ角R30(又はヨー角R20)をフィンガが上向きに向くように回動可能であれば、被処理物を下方から容易に保持することが可能となる。上記した保持機構312Bの回転動作はロータリアクチュエータによって制御される。
図7は、保持機構の先端部分の概略構成を示す図である。図7(A)は、保持機構の端部の各構成を示す。図7(A)に示されるように、第1フィンガ372Lの端部に、ボールジョイント機構382Lが設けられる。第1把持部材376Lは、ボールジョイント機構382Lに接続されている。また、第1把持部材376Lは、ボールジョイント機構382Lにより、柔軟に回転移動することができる。なお、第1把持部材376Lの軸端は、ゴムなどの柔軟部材(384L,384R)により支持されている。これによって、第1フィンガ372Lが開いたりして重力方向が変化しても、第1把持部材376Lの向きは一定に保たれる。このような機構は、例えば、図4に示されるように、把持部材(376L,376R)の軸にバネ(383L、383R)を設けることでも可能であり、構成は特に限定されない。同様に第2把持部材372Rの端部にもボールジョイント機構382Rが設けられ、第2把持部材376Rはボールジョイント機構382Rに接続されている。また、第1把持部材376Lの鉛直上方向(Z1方向)で第1把持部材376R側の端部には、歯車構造が形成されており、第1把持部材376Rの鉛直上方向(Z1方向)で第1把持部材376L側の端部に形成されている歯車構造と噛合している。これにより、一方の第1把持部材を回転させることで、他方の第一把持部材も併せて回転させることができる。
図7(B)は、保持機構の端部が被処理物を掴み始める処理を示す図である。図7(B)に示される例では、第1フィンガ372Lの先端にある第1把持部材376Lについて、Y1方向の端部が被処理物又は受入装置200の底に接触し、Y2方向の端部は、受入装置200の底には接触していなくてもよい。また、第2フィンガ372Rの先端にある第2把持部材376Rについて、Y2方向の端部が被処理物又は受入装置200の底に接触し、Y1方向の端部は、受入装置200の底には接触していなくてもよい。これにより、第1把持部材376L及び第2把持部材376Rは、自身を被処理物Tに押し付けることで、第1フィンガ372Lと第2フィンガ372Rとの内側に被処理物Tを巻き上げることができる。
図7(C)は、保持機構の端部が被処理物を掴んだ状態を示す図である。図7(C)に示される例では、第1把持部材376Lと第2把持部材376Rとが、被処理物Tを掴んでいる。このとき、ボールジョイント機構により、第1把持部材376LはY2方向に傾き、第2把持部材376RはY1方向に傾く。これにより、ジョイント機構の傾きが寄与し、一対のフィンガの先端がくさび状態となって、被処理部Tは、Z2方向に抜けにくくなる。
<載置装置400>
載置装置400は、認識処理や折り畳み処理の際に被処理物Tを載置する載置板402(図8)を回転及び移動させる装置である。載置板402は、図2に示す移動機構に対し、Y方向の幅方向移動機構332Bの位置に、幅方向移動機構332Bの代わりに設けられる。なお、処理装置1における載置板402は、X方向の回転軸を基準に回転することが可能である。
図8は、実施形態における載置板402の一態様を示す図である。具体的には、図8(A1)及び図8(A2)は、載置板402の表面の一態様を説明するための図であり、図8(A1)が載置板402のYZ平面(断面)を示し、図8(A2)がXY平面(表面)を示す。図8(A1)及び図8(A2)に示されるように、載置板402の表面には、回転軸405を覆うカバー404が設けられ、このカバー404の表面にスリット408が設けられている。スリット408は滑り止め機能を有する。カバー404は、載置板402の長手方向(X方向)に延在し、載置板402の短手方向(Y方向)においてその両端から間隔をあけて中央付近に設けられている。スリット408は、載置板402の長手方向(X方向)の一方の端部付近(図8(A2)の例ではX2側の端部付近)に設けられている。スリット408の本数やその幅は要求されるグリップ力に応じて適宜設定される。これにより、被処理物Tを載置板402に沿わしながら移動させることにより、例えば長袖シャツの襟部分をスリット408にあてることで、襟部分を被処理物の外側に伸ばしたりすることが可能になる。また、スリット408は、回転軸405を収納する突起部分を利用して設けられるため、別途部材を設ける必要がなく、部品点数を少なくすることができる。図8(A2)の裏面側は、被処理物の滑りを促進する平坦面であってもよい。なお、変形例として、スリット408に加えて又はその代わりに、カバー404が滑り止め機能を有していてもよい。例えばカバー404が滑り止め機能を発揮するのに適した所定の摩擦力を有する部材(例えばラバーやシリコンゴムなど)を有していてもよい。さらに、滑り止め機能を高めるためにカバーの部材をエンボス加工してもよい。なお、カバー404の幅方向(Y方向)の寸法は、各フィンガが載置板402を長手方向から掴む際に各フィンガがカバー404に接触しないように決められており、これにより被処理物を載置板402からスムーズに引き抜くことが出来る。
また、載置板402は、長手方向の2つの縁部の少なくとも一方に、滑り止め機能を有している。滑り止め機能を有する縁部は、例えば縁部406である。滑り止めの種類は、被処理物を傷つけないものであれば、切り欠きや、ラバーやシリコンゴムなどの摩擦力を有する部材のいずれのものでもよい。滑り止め機能は、縁部406に直接形成されてもよいし、塗布されたり、貼付されたり、取り付けられてもよい。これにより、被処理物Tを傷つけずに、適切に被処理物Tを保持し、載置板402に置くことが可能になる。縁部406については、図9を用いて後述する。なお、後述するように、載置板402は長手方向の2つの縁部のうち、一方の縁部が滑り止め機能を有し、他方の縁部が被処理物の滑りを促進する機能を有していることが好ましい。これにより、被処理物の展開及び折り畳みの各処理に応じて、より適切な縁部を被処理物に当接して処理を行うことができる。
図8(B)は、載置板402の表面の他の態様を説明する図である。図8(B)に示す例では、載置板402の表面のX方向に滑り止め部材410が設けられている。滑り止め部材410は、載置板402の他の表面(幅方向のL1幅及びL2幅の部分)よりも、接触物に対して摩擦係数が大きい。滑り止め部材410は、例えば、エンボスグリップ加工されたゴム製品などである。滑り止め部材410は載置板402の表面に貼付することができる。滑り止め部材410の構成により、被処理物Tを載置板402に載置させた状態で、被処理物Tが滑り落ちないようになる。また、滑り止め部材410は、Y方向において、載置板402の中央付近に設けるとよい。これにより、各フィンガが載置板402を長手方向から掴む際に、各フィンガが部材410に接触しないようにし、被処理物を載置板402からスムーズに引き抜くことができる。また、各フィンガを載置板402から引き抜くときに、部材410が妨げとならないような位置に滑り止め部材410が設けられるとよい。すなわち、載置板402のY2側の縁から部材410の長さL1と、載置板402のY1側の縁から部材410までの長さL2が、各フィンガの長さよりも長ければよい。なお、図8(B)に示す例では、載置板402の裏面には例えば回転軸が設けられている。また、載置板402の縁部の構成は、図8(A2)を用いて説明した内容を適用することができる。
載置装置400は、保持装置300の動きと連動して動作する。載置装置400は、例えば、認識処理の際に、保持装置300に保持され下方向(Z2方向)に垂れ下がる被処理物Tを載置板402に載置する(載置板402の表面に置く又は縁部に引っ掛ける)ことで、被処理物Tの一部を水平方向に引っ張って変位させて被処理物Tを処理装置1の底面から離間させつつその上下方向(矢印Z方向)の長さを小さくする(低背化する)。これにより保持装置300にてより大きな被処理物Tを持ち上げて(すなわち被処理物Tの最下端を処理装置の底面から離して)保持することができる。又は、被処理物Tを保持装置300のみで上方向に持ち上げるだけの場合に比べ、処理装置全体の高さを小さくすることができる。また例えば、載置装置400は、折畳処理の際に、載置板402の縁部に被処理物Tを引っ掛けることで、被処理物Tに折り線をつける。
載置板402は、略矩形の板材である載置板本体403と、回転軸405とで構成されている。回転軸405は、載置板本体403の短手方向(Y方向)中央で載置板本体403に固定されている。これにより、載置板402の長手方向の2つの縁部が回転軸から略同じ距離に配置されることになるため、両方の縁部を用いての処理が容易となる。あるいは、載置板本体403が回転軸405に対して偏心して配置されてもよく、この場合は、回転軸405から載置板本体403の長辺までの距離が、それぞれの長辺ごとに異なる。これにより、被処理物Tを例えば、回転軸405からの距離が長い側の長辺に当接させることで、偏心していない場合に比べて、同じ傾斜角(例えば60度)であれば、より高く被処理物Tを持ち上げることができ、処理装置1内の限られたスペースをより有効に活用することができる。
また、回転軸405は、載置板本体403よりも長く形成されており、載置板本体403の両短辺からそれぞれ突出している。回転軸405は、図2に示す幅方向移動機構332Bに置き換えられて移動機構に接続されていればよい。回転軸405は、その中心軸が左右方向(X方向)となるように配置されている。
図9は、載置板402に設けられる滑り止め406の一例を示す図である。図9に示されるように、載置板402の長手方向の一方の縁部406に、例えば切り欠き加工がなされている。切り欠き加工は、例えば、平坦部412を有し、隣の平坦部412までの距離は例えば6mmであり、Y方向における切り欠きの深さは、例えば3mmである。これにより、滑り止め406により被処理物Tを傷つけることなく、滑り止め406により被処理物Tの滑り落ちを防止することができるようになる。また、載置板402の滑り止め406を有さない他方の縁は、滑らかな縁にする。これにより、載置板402の縁を用いて被処理物Tの皺を伸ばすなどの動作の時には、滑り止め406のない滑らかな縁を用い、被処理物Tを載置して滑り落ちを防止したいときには、滑り止め406のある縁を用いるようにすればよい。滑り止めの構成は、切り欠き形状に限定されず、被処理物の落下を防止することが出来るものであれば、載置板に載置された被処理物を保持装置で把持して持ち上げる事を阻害しない範囲で、作業板端面への表面処理、滑りにくい素材の貼り付けなど、種々の構成をとり得る。以下、滑り止め406のある縁部を縁部406と記載する。
<撮像装置500>
撮像装置500は、被処理物Tを受け入れた後の掴み処理、認識処理及び折り畳み処理する際に、当該被処理物Tの端点等を検出するための装置である。撮像装置500は、図1に示されるように、第1撮像部502と、第2撮像部506と、第3撮像部504とを備える。第1撮像部502、及び第2撮像部506は、例えばデジタルスチルカメラが使用され、端点検出や、被処理物の判別などに使用される。第3撮像部504は、例えば赤外線カメラが使用され、端点検出のための奥行き方向の距離や被処理物Tの幅を測定するために使用される。
なお、第1撮像部502、及び第2撮像部506のデジタルスチルカメラのレンズとして、広角レンズを使用してもよい。この場合、各撮像部502、506の視野が広がるので、一つの撮像部でより大きな被処理物Tを撮像できる。またレンズとして可変焦点レンズを用いて被処理物Tを高倍率で撮像するようにしてもよい。この場合広い視野を確保しつつ必要に応じて高倍率撮影が可能となり、撮像部502、506によって、被処理物Tの織り目から被処理物Tの材質を検知することができる。被処理物Tの材質を把握できればその材質に適した把持や折り畳み等も可能になる。
本実施形態においては、撮像装置500の撮像範囲は、図10を用いて説明される。図10は、各撮像装置の撮像範囲の一例を示す図である。第1撮像部502は、処理装置1の背面の内壁に設けられ、カメラの向きは、Y1方向及びZ2方向である。また、第1撮像部502は、A11からA12の範囲を撮像可能であり、この撮像範囲は、受入装置200に含まれる被処理物Tが撮像される範囲である。上述のとおり、第1撮像部502は、例えば受入装置200に入れられた被処理物Tを撮像する。この被処理物Tの画像データは、例えば、初めの衣類の掴み上げのための画像データを取得するために使われたり、また折り畳みの進捗をチェックするために用いられたりする。
第2撮像部506は、第1撮像部502同様、処理装置1の背面の内壁に設けられ、カメラの向きはY1方向であり、A31からA32の撮像範囲を有する。図10に示されるように、A31からA32までの撮像範囲は広く、例えば処理装置1の内壁の天井から底までの範囲にある被処理物Tを撮像することが可能である。第2撮像部506は、例えば、展開、折り畳み時の被処理物Tを撮像する。撮像された画像データは、被処理物Tの判別や、被処理物の照合の画像を撮像するために用いられる。
第3撮像部504は、上述した各撮像部と同様、処理装置1の背面の内壁に設けられ、カメラの向きは、Y1方向であり、A21からA22までの撮像範囲を有する。第3撮像部504は、例えば赤外線カメラであり、被処理物Tの奥行き方向の距離を測定するために用いられる。第3撮像部504により撮像された画像データは、折り畳み中の最下点や衣類幅等の測距データを取得するために用いられてもよい。第3撮像部504の撮像範囲A21~A22には、載置板402が含まれる。
なお、デジタルスチルカメラのイメージセンサとしては、例えば、モノクロ又はカラーのCCD又はCMOSを用いることができる。カラーのCCD又はCMOSを用いた場合は、被処理物Tの認識工程において、被処理物Tの「色」を認識の判断ための一要素として用いることができる。また、第3撮像部504は、デジタルスチルカメラを用いて距離データを取得してもよい。
また、第1撮像部502、第2撮像部506、及び第3撮像部504のいずれか又は複数のカメラのレンズを下方に向けたり、レンズ上部にカバーを設けたりしても良い。この場合、処理装置1の筐体内で舞うホコリ等がレンズに付着し、積層することを抑制できる。
<支持装置600>
支持装置600は、被処理物Tの折り畳みの際に、折り畳みラインを押さえておいたり、被処理物Tの皺を伸ばしたりなど、被処理物Tを支持するための装置である。例えば、支持装置600は、棒状部材610(図1及び図13に図示)を有する。例えば折り畳みの際に、この棒状部材610を被処理物Tの折り畳み線に沿うように配置する。これにより、被処理物Tは、棒状部材610を軸にして折り畳まれるため、折り畳み線で適切に折りたたむことが可能になる。
支持装置600は、例えば収納装置700と同じ移動機構によって移動可能となり、Z方向に上下移動することが可能な機構を有している。支持装置600は、XY平面で棒状部材610を展開及び折り畳み動作を行う作業空間に配置することが可能な機構を有する。例えば、支持装置600は、折り畳み線を支持する必要がない場合は、X軸に略平行になるように支持装置600に収納しておき、折り畳み線を支持する場合は、Y軸に略平行になるように回動制御する。また、棒状部材610は長手方向の軸周りに回転可能であってもよい。この軸周りの回転(自転)は、棒状部材610の移動に伴って回転するものであってもよいし、制御装置900によって制御可能であってもよい。この場合、棒状部材610の断面は円形状であることが好ましい。これにより棒状部材610を円滑に回転させることができる。
なお、支持装置600は、回動制御する棒状部材610の代わりに、Y軸方向に延伸可能な棒状部材を備えてもよい。この場合、支持装置600は、折り畳み線を支持する場合は、この棒状部材を、Y2方向に延伸させて折り畳み線を支持し、折り畳み線を支持する必要がない場合は、この棒状部材を、Y1方向に収縮させる。
<収納装置700>
収納装置700は、処理後の被処理物Tを保持装置300から受け取って収納する。収納装置700は、上記受入装置200から支持装置600までのうち、少なくとも1つの装置で構成される被処理物処理装置の上側に配設されており、被処理物処理装置と収納装置700とを合わせて、被処理物処理システムが構成される。この収納装置700は、図1に示されるように、大略、収納部710、712、714と、収納部上下移動機構とを備えている。なお、収納部上下移動機構は、支持装置600の上下移動機構と共通の機構が用いられてもよい。
収納装置700は、第1収納部710と、第2収納部712と、第3収納部714とを有する。第1収納部710、第2収納部712、及び第3収納部714は、処理装置1内を上下方向(Z方向)に移動可能なように収納部上下移動機構に設置される。第1収納部710、第2収納部712、及び第3収納部714は、それぞれ独立して上下移動可能である。例えば、制御装置900は、折り畳み後の被処理物を第1収納部710に収納するため、第1収納部710、第2収納部712、及び第3収納部714全てをZ2方向に移動させ、保持装置300に保持されている被処理物を第1収納部710に収納させる。また、制御装置900は、折り畳み後の被処理物を第2収納部712に収納するため、第2収納部712、及び第3収納部714をZ2方向に移動させ、保持装置300に保持されている被処理物を第2収納部712に収納させる。また、制御装置900は、折り畳み後の被処理物を第3収納部714に収納するため、第3収納部714をZ2方向に移動させ、保持装置300に保持されている被処理物を第3収納部714に収納させる。
<制御装置900>
制御装置900は、処理装置1における各部の制御を統括する。制御装置900は、主として、ROM、RAM、演算装置及び、入出力インターフェイスから構成されている。ROMには、オペレーティングシステム、処理装置1の各部を制御するための制御プログラム、及び、制御プログラムの実行に必要なデータが格納されている。また、演算装置は、ROMに格納されている制御プログラムをRAMにロードしたり、ROMから直接実行したりするために設けられている。つまり、演算装置が、制御プログラムを実行することにより、処理装置1の制御を行うことが可能となる。そして、演算装置が処理したデータは、入出力インターフェイスを介して、処理装置1の各部(保持装置300A,300B、載置装置400等)へと送信され、演算装置の処理に必要なデータは、処理装置1の各部(撮像装置500等)から入出力インターフェイスを介して受信される。
図11は、制御装置900の機能の一例を説明するためのブロック図である。この制御装置900は、図11の機能ブロック図に示されるように、大略、保持装置制御部904、載置装置制御部906、撮像装置制御部908、支持装置制御部910、収納装置制御部912、種類認識部914、長さ検出部915、ずれ補正部918、第1点検出部920、端点検出部922、第2点検出部924を備えている。
<保持装置制御部904>
保持装置制御部904は、保持装置300A,300Bにおける保持機構310A,310B,312B、及びそれぞれの移動機構の動作を制御する。
保持装置制御部904が、保持機構310A,310B,312Bにおける各種モータを制御することにより、3つのフィンガ部材(例えば第1フィンガ372L,第2フィンガ372R及び第3フィンガ374)を互いに近接又は離間させ、各フィンガ部材に取り付けられた把持部材で被処理物Tの把持又はその開放を行う。例えば、被処理物Tを掴む処理であれば、3つのフィンガのうちのいずれか2つ又は3つ全てを用いて被処理物Tを掴む処理を制御する。
また、保持装置制御部904が移動機構320A,320Bにおける幅方向移動機構332A,332Bの動作を制御することにより、保持機構310A,310B,312Bが幅方向(X方向)に移動する。
また、保持装置制御部904が移動機構320A,320Bにおける上下方向移動機構334A,334Bの動作を制御することにより、保持機構310A,310B,312Bが上下方向(Z方向)に移動する。
また、保持装置制御部904が移動機構320A,320Bにおける前後方向移動機構336A,336Bの動作を制御することにより、保持機構310A,310B,312Bが前後方向(Y方向)に移動する。
<載置装置制御部906>
載置装置制御部906は、載置装置400における回転機構、上下方向移動機構及び前後方向移動機構の動作を制御する。
載置装置制御部906は、回転機構の動作を制御することにより、載置板402が回転するとともに所定の角度を保持する。
載置装置制御部906は、前後方向移動機構の動作を制御することにより、載置板402が前後方向(Y方向)に移動する。
載置装置制御部906は、上下方向移動機構の動作を制御することにより、載置板402が上下方向(Z方向)に移動する。
<撮像装置制御部908>
撮像装置制御部908は、撮像装置500における第1撮像部502、第2撮像部506、及び第3撮像部504の動作を制御する。第1撮像部502、第2撮像部506、及び第3撮像部504を制御することにより、所望のタイミングでデジタル画像を取得できる。取得された画像データは、RAM等に記憶される。
<支持装置制御部910>
支持装置制御部910は、支持装置600における支持装置上下駆動用モータの動作を制御する。支持装置制御部910が支持装置駆動用モータを制御することにより、支持装置600がZ方向の所望の高さへ移動する。また、支持装置制御部910は、棒状部材610のXY平面における回動を駆動する回動用モータの動作を制御する。支持装置制御部910は、棒状部材610を回動させることで、被処理物の折り畳み線を支持したり、支持装置600内に収納したりする。
<収納装置制御部912>
収納装置制御部912は、収納装置700における上下移動機構の動作を制御する。収納装置制御部912が、収納装置700の上下移動機構を制御することにより、各収納部の上下方向(矢印Z方向)の移動を制御する。
<種類認識部914>
種類認識部914は、撮像装置500における第1撮像部502、第2撮像部506、及び第3撮像部504で得られた画像データに基づいて被処理物Tの種類等を認識する。この種類識別について説明すると、種類認識部914は、予め、Tシャツ、ランニングシャツ、スカート、タオル、ハンカチ、フィルム、紙、あるいは、シートといった多種多様な被処理物Tの画像データ(学習用画像データ)から抽出された特徴量に基づき、例えばRandmaiz forest識別器を用いて学習する。Randmaiz forestとは、複数の決定木を用いて森を構成して識別等を行う機械学習アルゴリズムである。また、ここでいう「特徴量」とは、被処理物Tの外形状(例えば、「襟部」の有無)にとどまらず、被処理物Tにおける外観上の全ての要素が対象となる。例えば、被処理物TがTシャツである場合、そのTシャツにプリントされたキャラクターの図柄も「特徴量」を算出するための要素となる。なお、学習用画像データは、カメラ機能を備えるタブレットPCやデータ送信機能を有するデジタルカメラ等を介して、ユーザが追加していくこともできる。
学習用画像データから特徴量を算出する手法としては、「画素値」を利用するもの、「HoG(Histogram oriented Gradients)特徴量」を利用するもの、あるいは、「Haar-like特徴量」といった、人の顔を認識するために用いられている既存技術を応用することが考えられる。
種類認識部914は、第2撮像部506及び第3撮像部504で得られた画像データに写された、現在処理中の被処理物Tの特徴量を上述した手法を用いて算出する。そして、種類認識部914は、算出した特徴量毎にRandmaiz forest識別器を用いて当該被処理物Tがある種類(例えば、Tシャツ、ランニングシャツ、長袖シャツ、ズボン、タオル等)に該当する確率を種類毎にパーセンテージで計算する。然る後、最も確率の高い(すなわち、パーセンテージの高い)ものを当該被処理物Tの種類として認識する。
また、種類認識部914では、被処理物Tの種類毎に折り畳み方が予め決められており、各種類の折り畳み方が「折り畳み情報」として蓄積されている。この「折り畳み情報」には、ある種類の被処理物Tを折り畳む際に、どの位置で折り畳むのかについての情報が記載されている。例えば、被処理物Tが長袖シャツであり、この長袖シャツを、一例として着丈方向で2つ折りし、幅方向で3つ折りにする場合、図12に示されるように、長袖シャツの「折り畳み情報」には、着丈方向で2つ折りするために必要な「横折り線B1の位置情報」、及び、幅方向で3つ折りするために必要な「第1折り線B2の位置情報」と「第2折り線B3の位置情報」とが含まれる。なお、「横折り線B1」については、具体的な「位置情報」ではなく、「着丈全体の長さの半分の位置」といったように、着丈全体の長さに対する割合で決定するようにしてもよい。また、長袖シャツにおける、第1折り線B2よりも端側を第1端部分D1といい、反対に、第2折り線B3よりも端側を第2端部分D3といい、第1端部分D1と第2端部分D3とで挟まれた中央部を中央部分D2という。本実施形態における長袖シャツの折り方については、後ほど詳しく説明する。
<長さ検出部915>
長さ検出部915は、撮像装置500における第3撮像部504で得られた画像データに基づいて、被処理物Tの縦方向の長さ(被処理物TがTシャツであれば、当該Tシャツの着丈寸法)及び横方向の長さ(被処理物TがTシャツであれば、当該Tシャツの幅寸法)を得る。
<ずれ補正部918>
ずれ補正部918は、被処理物Tが載置板402に掛けられている状態で、被処理物Tのずれを補正する。例えば、被処理物Tが載置板402に掛けられている状態で、載置板402の長手方向(X方向)の縁と、被処理物TのX方向の縁とが略平行でない場合は、ずれが生じている。このとき、ずれ補正部918は、載置板402の長手方向(X方向)の縁と、被処理物TのX方向の縁とが略平行になるようにずれ補正を行う。ずれ補正の一例については、図22(Q)-(R)などを用いて後述する。
<第1点検出部920>
第1点検出部920は、受入装置200における底面に載置された被処理物Tの任意の点、を検出する。例えば、第1点検出部920は、被処理物Tの最も高い位置にある第1点P1を検出する。具体的には、第1点検出部920は、例えば第1撮像部502からの画像データに基づき、受入装置200内の被処理物Tの一部を第1点P1として検出する(例、図20(B)参照)。
<端点検出部922>
端点検出部922は、保持機構310A、310B、及び/又は312Bが保持する被処理物Tに対し、Z2方向における最下点(端点)を検出する。具体的には、端点検出部922は、XZ平面において、第3撮像部504により撮像された画像を用いて、Z2方向の最下点を検出する(例、図20(D))。これにより、端点検出部922は、XZ平面における最下点の座標を取得することができる。
また、端点検出部922は、保持機構310A、310B、及び/又は312Bが保持する被処理物Tに対し、最下点のY方向(奥行き方向)の位置を測定することができる。これにより、端点検出部922は、Y方向の最下点の座標を取得することができる。
また、端点検出部922は、載置板402に載置されている状態の被処理物Tに対し、Z2方向における最下点(端点)を検出する。端点検出部922は、上述したとおり、第3撮像部504により撮像された画像を用いて、Z方向における最下点の座標を取得する。
<第2点検出部924>
第2点検出部924は、保持機構310A、310B、及び/又は312Bが保持する被処理物Tに対し、端点以外の任意の点を特定する。第2点検出部924は、例えば、被処理物Tの2つの長袖部分を特定した場合、長袖部分の中間位置を任意の点としてもよい。保持装置300が、第2点検出部924により特定された点を保持することにより、被処理物Tの特徴が検出しやすくなる。例えば、保持装置300が被処理物Tの2つの端点を保持している状態で画像認識をした場合に、長袖シャツと長ズボンとを区別することは難しい。そのため、被処理物Tの端点を保持装置300が保持した状態での種類認識以外にも、被処理物Tの端点以外の点を保持装置300が保持した状態で種類認識することが可能になる。これにより、画像認識による認識率を高めることが可能になる。
<各装置の位置、及び移動領域>
上述した処理装置1内の各装置の移動領域について図13を用いて説明する。図13は、処理装置1の各装置の位置関係、及び移動領域の一例を示す図である。図13に示す例では、右側(Y1側)が処理装置1の前面になり、左側(Y2側)が処理装置1の背面を表す。以下、処理装置1の前面側から設置される各装置の移動機構について説明する。
処理装置1内部の最前面に、収納装置700(第1収納部710、第2収納部712、及び第3収納部714)、及び支持装置600の共通の移動機構が設けられる。図13に示す例では、収納装置700と支持装置600とは同じ移動機構により移動制御されるが、別々の移動機構により制御されてもよい。収納装置700及び支持装置600は、移動機構により、Z方向の上下に移動することが可能である。
保持装置300Aの移動機構は、収納装置700及び支持装置600の移動機構と撮像装置500との間に設けられる。図13に示す例では、保持装置300Aには、保持機構310Aが設けられており、保持機構310Aは、XZ平面におけるヨー回転、XY平面におけるロール回転、YZ平面におけるピッチ回転が可能である。保持装置300Aの移動機構により、保持装置300Aの保持機構310Aは、X方向、Y方向、及びZ方向それぞれの方向に移動可能である。
載置装置400の移動機構は、収納装置700及び支持装置600の移動機構と撮像装置500との間に設けられる。図13に示す例では、載置装置400の移動機構により、載置装置400は、Y方向、及びZ方向それぞれの方向に移動可能である。また、載置装置400の載置板402は、移動機構のY方向に設けられた回転軸を中心に回転することが可能である。
保持装置300Bの移動機構は、収納装置700及び支持装置600の移動機構と撮像装置500との間に設けられる。図13に示す例では、保持装置300Bには、保持機構310B、及び保持機構312Bが設けられており、保持機構310B、及び保持機構312Bは、XZ平面におけるヨー回転、XY平面におけるロール回転、YZ平面におけるピッチ回転が可能である。保持装置300Bの移動機構により、保持装置300Bの保持機構310B、及び保持機構312Bは、X方向、Y方向、及びZ方向それぞれの方向に移動可能である。
上記より、保持機構310A,310B,及び312Bの移動範囲は略同一である。
撮像装置500は、図13に示す例では、処理装置1内部の最背面に設けられる。図13に示す例では、撮像装置500は、座標系を安定させるため移動可能ではないが、これに限られるものではない。例えば、撮像部は保持機構に設けられ、適宜、位置および角度を変えて、被処理物Tを撮像できるようにしてもよい。これにより、制御装置900は、必要に応じて撮像部の位置を変えて必要とする画像データを取得し、被処理物Tについて、より詳細に認識することができる。
<処理装置1における制御>
次に、処理装置1の各装置における処理について説明する。図14は、実施形態における処理装置1の処理の一例を示すフローチャートである。図14に示すステップS102で、受入装置200は、ユーザにより処理装置1の前面から引き出されて、1又は複数の被処理物Tを入れられ、処理装置1内に押し戻される。制御装置900は、第1撮像部502やセンサ(不図示)により、受入装置200が押し戻されたことを検知する、又はユーザにより明示的に開始ボタンが押下されたことを検知する。
受入装置200は、ボタン操作により自動で引き出され、自動で押し戻されるような構成にしてもよい。これにより、ユーザは、下端部にある受入装置200を引き出したり、押し戻したりするために、かがむ動作をする必要がなくなる。
ステップS104で、保持装置300及び載置装置400は、制御装置900の制御により、協働して展開処理を実行する。例えば、保持装置300は、画像認識により被処理物Tの端点検出等を用いて展開処理を実行する。
ステップS106で、保持装置300及び載置装置400は、制御装置900の制御により、協働して折り畳み処理を実行する。例えば、保持装置300、及び載置装置400は、画像識別された被処理物の種類に応じた折り畳み方を用いて、被処理物Tの畳み処理を実行する。
ステップS108で、収納装置700は、制御装置900の移動制御により、保持装置300が受け渡し可能な位置まで移動し、保持装置300は、制御装置900の制御により、収納装置700の上部で被処理物Tを開放する処理を実行する。1つの被処理物に対して展開、折り畳み、収納が終わると、ステップS102に戻り、他の被処理物の掴み動作に戻る。
<<受入処理>>
図15Aは、実施形態における受入処理の一例を示すフローチャートである。図15Aに示すステップS202で、制御装置900は、展開処理の開始指示を検出する。制御装置900は、開始指示の検出について、ユーザによりボタン押下を開始指示だと判断してもよいし、受入装置200を閉めることで開始指示だと判断してもよい。
ステップS204で、第1点検出部920は、第1撮像部502により撮像された画像から、保持装置300が保持しやすい任意の点(第1点)P1を検出する。任意の点P1は、例えば、Z1方向における被処理物Tの最高点である。
ステップS206で、保持装置300Aの保持機構310Aは、制御装置900の保持装置制御部904の制御により、第1点検出部920により検出された第1点P1を保持し、Z1方向に持ち上げる(掴み上げる)。
ここで、保持装置300Aの保持機構310Aは、第1点P1の把持に失敗する場合がある。この時、制御装置900の指示によりリトライしたとしても、第1点検出部920により検出される第1点P1は同じであり、再び把持に失敗する可能性がある。そこで、リトライ時に第1点P1を変更するため、第1撮像部502により撮像される画像を複数の領域(分割領域)に分割し、第1点検出部920は、分割領域ごとに、Z1方向における被処理物Tの最高点を検出する。
図15Bは、実施形態における受入装置200内の各領域の最高点を示す図である。図15B(A)に示す例は、受入装置200の左奥領域AR10内における被処理物Tの最高点PP10を示す。図15B(B)に示す例は、受入装置200の右奥領域AR12内における被処理物Tの最高点PP12を示す。図15B(C)に示す例は、受入装置200の左手前領域AR14内における被処理物Tの最高点PP14を示す。図15B(D)に示す例は、受入装置200の右手前領域AR16内における被処理物Tの最高点PP16を示す。
例えば、第1点検出部920は、最初に最高点を検出する場合、全領域における被処理物Tの最高点を検出する。保持装置300Aの保持機構310Aがこの最高点の保持に失敗した場合、第1点検出部920は、所定の順番で選択された分割領域における最高点を検出する。例えば、所定の順番は、左奥、右奥、左手前、右手前などの順番である。保持装置300Aの保持機構310Aが第1点の把持を失敗するごとに、第1点検出部920は、分割領域を変更して、把持対象の第1点の位置を変更する。これにより、保持装置300Aの保持機構310Aは、把持を失敗するごとに、異なる第1点を把持しようとするため、被処理物Tを把持する可能性を高めることができる。図15Bに示す例では、受入装置200を4つの領域に分ける例を説明したが、分割される数はいずれの数であってもよい。
<<第1展開処理>>
図16は、第1展開処理の一例を示すフローチャートである。保持装置制御部904及び載置装置制御部906は、受入装置200内の被処理物Tを吊り上げた後、当該被処理物Tを識別し、さらに、被処理物Tを折り畳むために、以下に説明する制御を行う。
ステップS302で、被処理物Tの第1点P1が吊り上げられた後、一方の保持機構310Aが第1点P1を保持したままの状態で、端点検出部922は、吊り上げられた被処理物Tの最下点(第1端点)P2を検出する。
ステップS304で、保持装置制御部904は、被処理物Tの第1端点P2を保持するよう保持装置300Bを制御する。
ステップS306で、保持装置制御部904は、他方の保持機構310Bが第1端点P2を第1点P1と略同じ高さまで吊り上げるように保持装置300Bを制御する。
ステップS308で、被処理物Tの第1端点P2が吊り上げられた後、保持装置制御部904は、被処理物Tの第1端点P2を保持する他方の保持機構310Bを、一方の保持機構310Aに持ち替えるため、保持機構310Aが被処理物Tの第1点P1を解放するように保持装置300Aを制御する。
ステップS310で、保持装置制御部904は、被処理物Tの第1端点P2近傍を一方の保持装置310Aが保持した後、他方の保持機構310Bが第1端点P2を解放するように保持装置300A、Bを制御する。これにより、第1端点P2は、保持装置310Bから保持機構310Aに持ち替えられる。
ステップS312で、被処理物Tの第1端点P2が吊り上げられた後、一方の保持機構310Aが第1端点P2を保持したままの状態で、端点検出部922は、吊り上げられた被処理物Tの最下点(第2端点)P3を検出する。
ステップS314で、保持装置制御部904は、被処理物Tの第2端点P3を保持するよう保持装置300Bの保持機構310Bを制御する。
ステップS316で、保持装置制御部904は、他方の保持機構310Bが第2端点P3を第1端点P2と略同じ高さまで吊り上げるように保持装置300Bを制御する。これにより、保持装置300A及び保持装置300Bは、被処理物Tの端点を保持することになる。
<<第2展開処理>>
図17は、第2展開処理の一例を示すフローチャートである。図17に示すステップS402で、種類認識部914は、第一段階の種別向き認識処理を行う。例えば、種類認識部914は、ステップS314の処理後、第2撮像部506により撮像された画像を用いて種別向き認識処理を実行する。
ステップS404で、種類認識部914は、被処理物Tに対し、向きを変えない処理を実行する第1被処理物を含む第1群、向きを変える第2被処理物Tを含む第2群、いずれにも仕分けることが難しい第3被処理物Tを含む第3群に分類する。
第1群は、例えば長袖シャツや長ズボンを含み、これらの被処理物は、2つの端点を持った状態では識別が困難なものが含まれる。また、長袖シャツや長ズボンは、少なくとも2つの袖などの長手部分を有する。また、第2群は、例えば半そでシャツ、タオル、四角、三角などである。また、第3群は、認識不能な被処理物を含み、認識不能な被処理物とは、ねじれたり、袖が乗っていたり、片方の保持機構で保持されていたり、不適切な形状をしていたりする被処理物Tである。
ステップS406で、保持装置制御部904は、手繰り寄せの処理を実行する。例えば、第2点検出部924が、被処理物Tの端部以外の任意の点P4を検出する。任意の点P4は、例えば長袖の場合、袖部分の中間付近の点を任意の点としてもよい。
ステップS408で、種類認識部914は、被処理物Tがズボンなのか、長袖なのかを判別する。
ステップS410で、保持装置制御部904は、向き持ち替え処理を実行する。例えば、保持機構310Bで保持している被処理物Tを、保持装置制御部904は、向き持ち替え処理を実行する。向き持ち替え処理とは、現時点では保持装置300は、袖部分を保持しているが、裾の両端部を保持するように被処理物Tの向きを変える処理のことをいう。
ステップS412で、種類認識部914は、被処理物Tの種類を認識する。ここでは、種類認識部914は、裾部分が保持された被処理物Tの形状等から、種類が判別される。判別される種類は、例えば、半袖、袖なし、短パン、タオル、正方形、三角、折り畳まない被処理物T(靴下など)である。
ステップS414で、保持装置制御部904は、被処理物Tの裾持ち替え処理を実行する。
ステップS416で、種類認識部914は、被処理物Tにフードネックがあるか否か、又は袖の長さを認識する。
ステップS418で、種類認識部914は、被処理物Tの種類を決定する。
ステップS420で、被処理物Tが認識不能だと、種類認識部914に認識された場合、保持装置制御部904は、ねじれや、袖乗り、片手保持などを解消するために、一方の保持機構310Aが保持する端点を開放し、ステップS308に戻る。ねじれとは、例えば保持装置300が被処理物Tの対角線上にある端点を保持すること等により、被処理物にねじれが生じている状態のことをいう。袖乗りとは、例えば、被処理物Tの展開等において、被処理物Tの袖部分が、他の部分に乗ってしまい、袖部分が垂れ下がらない状態のことをいう。片手保持とは、例えば、一方の保持装置300から被処理物Tが滑り落ちたりして、他方の保持装置300のみで被処理物Tを保持している状態のことをいう。
<<折り畳み処理>>
図18は、実施形態における折り畳み処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す例では、被処理物Tの種類が認識された後に、被処理物Tの長さ及び幅を計測し、計測した長さ及び幅に応じて折り畳み処理を行う。
ステップS502で、長さ検出部915は、保持装置300に吊り上げられた状態の被処理物TのZ方向の長さを計測する。
ステップS504で、保持装置制御部904、及び載置装置制御部906は、計測された長さに応じて、被処理物Tのどの位置を載置板402の縁に載置するかを判断して、被処理物Tを載置板402に載置するように制御する。
ステップS506で、長さ検出部915は、載置板402に載置されている被処理物TのX方向の幅を計測する。例えば、幅について、載置板402の縁部分に載置されている被処理物Tの幅が計測される。これにより、載置板402の縁の略直線部分を用いて被処理物Tの幅を計測するため、より適切な幅を計測することができる。
ステップS508で、保持装置制御部904、及び載置装置制御部906は、計測された長さ及び幅に応じて折り畳み処理を実行する。各種類の被処理物Tの折り畳み方の具体例については後述する。
なお、上述した折り畳み処理において、ステップS502とステップS504や、ステップS504とステップS506との間に、所定の折り畳み工程が含まれてもよい。例えば、ある程度折り畳まれた状態の被処理物Tの長さや幅が計測されてもよい。また、被処理物Tの長さや幅の計測は複数回行われてもよい。
<<収納処理>>
図19は、実施形態における収納処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す収納処理は、認識された被処理物Tに応じて、収納する位置を変える。
ステップS602で、収納装置制御部912は、認識された被処理物Tの種類に応じて、第1収納部710、第2収納部712、第3収納部714のどの収納部に収納するかを選択する。次に、収納装置制御部912は、選択した収納部がZ方向の下方に位置するように、収納装置700の移動機構を制御する。収納部が移動制御される位置については、保持装置300が届く位置に決定されていればよい。また、収納装置制御部912は、被処理物Tの種類と、収納部の位置とを対応付けた収納情報を保持しておくとよい。
ステップS604で、保持装置制御部904は、折り畳まれた被処理物Tを保持した保持装置300が、移動制御された収納部周辺に移動するように制御する。例えば、保持装置300が、収納部の上方(Z2方向)から、折り畳まれた被処理物Tを収納できるように、保持装置制御部904は、収納部から所定の高さの位置に保持装置300を移動させる。
ステップS606で、保持装置制御部904は、収納部の上方で、被処理物Tを開放するように保持装置300を制御する。このとき、保持装置制御部904は、保持機構のピッチ回転を用いて、収納部の奥(Y1方向)から被処理物Tを寝かせるようにして保持機構の開放を制御する。これにより、折り畳まれた被処理物Tの仕上がりを崩すことなく、適切に収納部に収納することが可能になる。
<処理装置1による長袖シャツの受入動作及び展開動作>
次に、図20~図23に示す処理動作を参照して、処理装置1による被処理物Tの一例である長袖シャツLTの受入動作及び展開動作について説明する。なお、図20以降の図面において座標軸の表記がない図面については、前の処理と同じ座標軸が適用される。また、XZ軸で示される図面については、紙面手前を背面(Y2)及び紙面奥を正面(Y1)とする。
<<受入工程(図20(A)~(C))>>
まず、受入装置200は、ユーザにより引き出され、1又は複数の被処理物Tが入れられ、処理装置1内に押し戻される。図20(A)は、受入装置200が、処理装置1内に押し戻された状態を示す。このとき、第1撮像部502は、受入装置200内を撮像しており、制御装置900が、第1撮像部502により撮像された画像データを用いて受入装置200の開閉を検知してもよい。また、受入装置200に設けたセンサ(不図示)により、受入装置200の開閉を検知してもよい。このとき、受入装置200が閉められたときに、制御装置900は、処理開始を判断してもよい。また、ユーザにより、処理装置1の前面等に設けられる開始ボタンが押下されたときに、制御装置900は、処理開始を判断してもよい。
図20(B)は、保持機構310Aが長袖シャツLTの第1点P1を保持(把持)することを示す。図20(B)に示されるように、一方の保持機構310Aは、第1点検出部920により検出された第1点P1を保持する。具体的に説明すると、一方の保持機構310Aに設けられたリニアアクチュエータが動くことにより、一対のフィンガ部材(372L、372R)が互いに近接する。一対のフィンガ部材が互いに近接すると、両フィンガ部材の先端部に取り付けられた把持部材(376L、376R)同士が近接し、長袖シャツLTの第1点P1を保持(把持)する。
図20(C)は、保持機構310Aが第1点P1を保持した状態で吊り上げる例を示す図である。図20(C)に示されるように、一方の保持機構310Aが第1点P1を保持した後、当該保持機構310Aは、載置板402よりも高い位置に第1点P1が到達するまで長袖シャツLTを吊り上げる。このとき、載置板402は、長袖シャツLTの吊り上げに干渉しない位置に配置される。また、端点検出部922は、長袖シャツLTの最下点P2を計測する。
<<展開工程(長袖シャツ:図20(D)~図23(U))>>
図20(D)は、保持機構310Bが、長袖シャツLTの最下点を示す第1端点を保持する一例を示す図である。図20(D)に示されるように、保持機構310Bは、第1端点を保持するため、ロータリアクチュエータにより、鉛直上向きにされている。これにより、鉛直下方から、第1端点を容易に保持することができるようになる。また、このとき、長袖シャツLTやズボンZTなどの長物部分を有する被処理物の場合、載置板402を用いてたくし上げが行われる。たくし上げとは、長物部分である袖や裾などを持ち上げることをいう。例えば、載置板402を正面(Y1)から背面(Y2)方向に載置板402を移動させ、長袖シャツLTのZ方向の略中間あたりで載置板402を当て、さらに載置板402の回転角度を変更したり、鉛直上向き(Z1)方向に移動させたりして、長袖シャツLTの最下点を引き上げる。たくし上げを行うことにより、長物の被処理物であっても、最下点を計測することが可能になる。
なお、たくし上げを行う際に、載置板402の切り欠き406を有する縁部(以下、単に「縁部406」とも称する。)に長袖シャツLTを載置することで、たくし上げの際などに長袖シャツLTが載置板402から滑り落ちることを防止することができる。また、切り欠き406は、鋭角ではないため、長袖シャツLTを傷つけにくい。
図20(E)は、保持機構310Bが第1端点を保持した状態で吊り上げる一例を示す図である。図20(E)に示すように、保持機構310Aは、第1点を開放する。また、長袖シャツLTを吊り上げる途中で、保持機構310Bは、ロータリアクチュエータにより、鉛直下向きにされる。これにより、保持機構310Bは、長袖シャツLTを吊り下げやすくなる。
図20(F)は、保持機構の受け渡しの一例を示す図である。図20(F)に示されるように、保持機構310Bが保持していた長袖シャツLTの第1端点を、保持機構310Aが保持するようにする。
図21(G)は、端点検出部922が、長袖シャツLTの最下点P3を示す第2端点を計測する一例を示す図である。図21(G)に示されるように、保持機構310Aにより第1端点が保持されている。このとき、上述した載置板402を用いてのたくし上げが行われる。これにより、長物の被処理物であっても、最下点を計測することが可能になる。
図21(H)は、保持機構310Bが、長袖シャツLTの最下点を示す第2端点を保持する一例を示す図である。図21(H)に示されるように、保持機構310Bは、第2端点を保持するため、ロータリアクチュエータにより、鉛直上向きにされている。これにより、鉛直下向きの方向から、第2端点を容易に保持することができるようになる。
図21(I)は、保持機構310Aが第1端点を保持した状態で、保持機構310Bが第2端点を吊り上げる一例を示す図である。図21(I)に示されるように、各保持機構は、長袖シャツLTの各袖を保持する。次に、袖乗りを振り落とす動作を図21(J)と(K)とを用いて説明する。
図21(J)は、袖乗りを解消する第1動作を示す図である。図21(J)に示されるように、載置板402は、載置装置制御部906の制御により、Y1からY2の方向に移動する。さらに、長袖シャツLTが載置板402に当たっている状態で、載置装置制御部906は、載置板402をX1から見て反時計回りに回転させる。また、第1端点を保持する保持機構310Aは、鉛直下方向(Z2方向)に移動し、第2端点を保持する保持機構310Bは、鉛直上方向(Z1方向)に移動する。これにより袖乗りを落とすことが可能になる。
図21(K)は、袖乗りを解消する第2動作を示す図である。図21(K)に示されるように、載置板402は、載置装置制御部906の制御により、Y2からY1の方向に移動する。さらに、長袖シャツLTが載置板402に当たっている状態で、載置装置制御部906は、載置板402をX1から見て時計回りに回転させる。また、第1端点を保持する保持機構310Aは、鉛直上方向(Z1方向)に移動し、第2端点を保持する保持機構310Bは、鉛直下方向(Z2方向)に移動する。これにより袖乗りを落とすことが可能になる。図示しないその他の方法として、長袖シャツLTが載置板402に当たっていない状態で保持機構301A,310Bを交互にZ方向に上下に移動させる方法、保持機構301A,310Bを上下に移動させず載置板402を長袖シャツLTに当てて回転させる方法、等が考えられる。
図21(L)は、被処理物の種別判定を行うための一例を示す図である。図21(L)に示されるように、長袖シャツLTは、第2撮像部506により撮像された画像データを用いて、種類判定が行われる(図17に示すステップS402の処理)。このとき、種類認識部914は、図21(L)に示される長袖シャツLTの画像データから、長袖シャツLTは、第1群に含まれる被処理物であると判定する。
図22(M)は、保持機構312Bが一方の袖の中間付近を保持する一例を示す図である。図22(M)に示されるように、まずは、保持機構310Aが鉛直上方向(Z1方向)に移動する。次に、保持機構312Bが、鉛直上方向に引き上げられた第1端点を有する袖部分の中間付近を保持する。この後、保持機構310Aは、第1端点を開放する。
図22(N)は、保持機構310Aが他方の袖の中間付近を保持するための一例を示す図である。図22(N)に示されるように、まずは、保持機構310Bが鉛直上方向(Z1方向)に移動する。このとき、保持機構312Bは、保持機構310Bと同じ移動機構に配設されているため、保持機構312Bも鉛直上方向に同様に移動する。次に、保持機構310Aが、鉛直上方向に引き上げられた第2端点を有する袖部分の中間付近を保持する。この後、保持機構310Bは、第2端点を開放する(図17のステップS406の処理)。
図22(O)は、長袖シャツLTの衣類長を計測するための一例を示す図である。図22(O)に示されるように、長さ検出部915は、第3撮像部504により撮像された画像データ等を用いて、長袖シャツLTの襟部から裾部までの長さH10を計測する(図17に示すステップS408の処理)。
図22(P)は、長袖シャツLTを半分に折る一例を示す図である。図22(P)に示されるように、長袖シャツLTは、計測された長さH10の約半分の位置で、載置板402の縁部406に載置され、X軸と略平行の線で半分に折られる。
図22(Q)は、左右のずれを計測する一例を示す図である。図22(Q)に示されるように、ずれ補正部918は、載置板402に載置された長袖シャツLTの幅P10からP12の幅W10を計測する。また、ずれ補正部918は、P10から鉛直下方向の裾部分の端部であるP11までの長さH12、及びP12から鉛直下方向の裾部分の端部であるP13までの長さH14を計測する。このとき、例えば、ずれ補正部918は、P11とP13とのZ座標、もしくは長さH12と長さH14が略同一ではない場合に、左右のずれが生じていると判定する。例えば、ずれ補正部918は、P11とP13とのZ座標の差異が所定値未満であれば、左右のずれはないと判定し、この差異が所定値以上であれば、左右のずれがあると判定する。なお、ずれ補正部918は、載置板402から垂れ下げる被処理物Tの形状を認識することで、ずれの発生を検知してもよい。例えば、ずれ補正部918は、載置板402から垂れ下がる被処理物Tの形状が略長方形又は略正方形であれば、ずれなしと判定し、載置板402から垂れ下がる被処理物Tの形状が略台形又は略平行四辺形であれば、ずれありと判定する。また、ずれ補正部918は、載置板402のX方向の縁と、載置板402から垂れ下がる被処理物Tの下辺とが略平行であるか否かでずれ判定をしてもよい。
図22(R)は、左右のずれを補正する動作の一例を示す図である。図22(R)に示す例では、まず、保持機構310Aは、長袖シャツLTに対し、左側(X2方向)の端部付近を保持し、保持機構310Bは、右側(X1方向)の端部付近を保持する。次に、ずれ補正部918は、2点の裾の端部に対し、鉛直上方向において、より高い位置にある端部を特定する。図22(R)に示される例では、ずれ補正部918は、P11を特定する。次に、ずれ補正部918の指示により、保持装置制御部904は、端部P11側の端部P10近傍を保持する保持機構310Aを、Y2方向にずらしたり、鉛直上方向にずらしたりした後に、保持機構310Aが保持する部分を開放する。これにより、裾部分の左右の端部の位置がそろうようになる。なお、一回のずれ補正でずれ補正ができなかった場合は、ずれ補正部918は、同様の処理を繰り返せばよい。また、ずれ補正は、最終的に左右のずれが補正されればよいため、ずれ補正のための処理としては様々な処理が考えられる。例えば、保持機構310A及び保持機構310Bの両方を鉛直上方向に吊り上げ、その状態で鉛直下方向の長袖シャツLTの端部のZ座標がそろうように、保持機構310A及び310Bの少なくとも一方のZ方向の位置が調整される。また、その他の例として、ずれ補正部918は、端部P12を保持し、鉛直上方向に吊り上げ、Y1方向にずらしたりして端部P12を開放する指示を出してもよい。また、ずれ補正部918は、端部P11を保持するようにし、鉛直下方向に引っ張って端部P11を開放する指示を出してもい。
図23(S)は、ずれ補正後の長袖シャツLTの一例を示す図である。図23(S)に示す例では、ずれ補正後、載置板402に載置された長袖シャツLTの裾の両端の位置がそろう。ずれ補正部918は、端点P15及びP16を検出して、ずれ補正が適切に行われたことを判定してもよい。
図23(T)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、長袖シャツLTの裾部を保持する例を示す図である。図23(T)に示される例では、保持機構310Bは、長袖シャツLTの右側の端部付近を保持し、保持機構312Bは、長袖シャツLTの左側の端部付近を保持する。
図23(U)は、被処理物の種類判定をするための例を示す図である。図23(U)に示す例では、保持機構310B、及び保持機構312Bを鉛直上方向に移動させ、長袖シャツLTの裾部分を上にして吊り上げる。これにより、長袖シャツLTの長さH16を適切に計測することが可能になる。また、種類認識部914は、図23(U)に示す長袖シャツLTの画像データから、被処理物の種類を認識する(図17に示すステップS418の処理)。
なお、種類認識部914は、画像データから長袖シャツLTの前後判定が可能である。種類認識部914は、向き判定後に、前向き、又は後ろ向きのどちら一方に統一するように、保持装置制御部904を制御してもよい。例えば、図23(U)に示す例では、長袖シャツLTは、後ろ向きであるが、空いている保持機構を用いて長袖シャツLTが前向きになるように制御されてもよい。これにより、後述する折り畳み処理を開始する際に、常に同じ向きから折り畳むことが可能になる。
<処理装置1による長袖シャツの折り畳み動作及び収納動作>
次に、図24~図28に示す処理動作を参照して、処理装置1による被処理物Tの一例である長袖シャツLTの折り畳み動作及び収納動作について説明する。
<<折り畳み工程(図24(A)~図28(Y))>>
図24(A)は、長袖シャツLTが、裾から約3分の1の位置で載置板402の縁部406に載置されている状態を示す。例えば、保持装置制御部904は、図23(U)で計測された長さH16の約1/3の位置を長さ検出部915から取得する。保持装置制御部904は、裾から約1/3の位置の水平方向の折れ線で長袖シャツLTが折られるように、保持機構310B及び保持機構312Bを制御する。例えば、保持装置制御部904は、載置板402の縁部406と折れ線とが合うように、長袖シャツLTを載置する。次に、長さ検出部915は、撮像装置500により撮像された画像データを用いて、載置板402に載置された長袖シャツLTの幅(P21からP22まで)を計測する。
このとき、載置装置制御部906は、載置板402を、水平な状態から、背面側(Y2)の縁を傾斜させる(例えば約40度~50度)よう制御する。傾斜角度は、好ましくは45度である。発明者らの実験によれば、傾斜角度を40度以下、又は50度以上にすると、載置板402に被処理物が引っ掛かりにくく、また、折り位置がズレたりすることが分かっている。これにより、載置板402の縁部406には滑り止めが設けられていることから、さらに角度をつけることで、長袖シャツLTを滑り落ちにくくすることが可能である。なお、載置板402の回転制御の態様は上記に限定されるものではなく、滑り落ち防止の観点等から適宜設定することができる。このことは、以下に説明する他の衣類や他の処理動作においても同様に当てはまる。
図24(B)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、載置板402を用いて折り畳まれている部分を保持している状態を示す。例えば、保持装置制御部904は、長さ検出部915により計測された幅内の所定の2点を、保持装置300Bが保持するように制御する。
図24(C)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、長袖シャツLTの折り畳まれた部分を保持したまま吊り上げた状態を示す。例えば、保持装置制御部904は、保持装置300Bを鉛直上方向に移動させる。このとき、保持機構310B及び保持機構312Bは、長袖シャツLTを保持したままであり、長さ検出部915は、長さH20を計測する。
図24(D)は、長袖シャツLTが裾から約3分の2の位置で載置板402の縁部406に載置されている状態を示す。例えば、保持装置制御部904は、図24(C)で計測された長さH20の約1/2の位置を長さ検出部915から取得する。保持装置制御部904は、取得した約1/2の位置の水平方向の折れ線で折られるように、保持機構310B及び保持機構312Bを制御する。例えば、保持装置制御部904は、載置板402の縁部406と折れ線とが合うように、長袖シャツLTを載置する。次に、長さ検出部915は、撮像装置500により撮像された画像データを用いて、載置板902に載置された長袖シャツLTの幅(P23からP24まで)を計測する。
このとき、載置装置制御部906は、載置板402を、水平な状態から、背面側(Y2)の縁を約40度上げるよう制御する。これにより、載置板402の縁部406には滑り止めが設けられていることから、さらに角度をつけることで、長袖シャツLTを滑り落ちにくくすることが可能である。なお、図24(D)における処理で、図24(B)における載置板902の回転角度がそのまま変更されていなければ、図24(D)における処理で、載置板402の角度制御が行われなくてもよい。
図24(E)は、保持機構310A及び保持機構310Bが、載置板402の縁を用いて折り畳まれている部分を保持しようとしている状態を示す。例えば、保持装置制御部904は、長さ検出部915により計測された幅内の所定の2点を、保持装置310A、310Bが保持するように制御する。
このとき、保持装置制御部904は、長袖シャツLTを把持する際の保持機構のピッチ角の角度を調節する。具体的には、保持装置制御部904は、載置板402の板と略平行になるように、保持機構のピッチ角を制御する。これにより、載置板402に角度をつけて滑り落ちにくくした状態で、載置板402と略平行な方向から長袖シャツLTを載置板ごと保持する。このとき、保持機構310Aと保持機構310Bとが、長袖シャツLTの保持に用いられる。
図24(F)は、保持機構310A及び保持機構310Bが、長袖シャツLTの折り畳まれた部分を保持したまま吊り上げた状態を示す。例えば、保持装置制御部904は、保持機構310A及び保持機構310Bを鉛直上方向に移動させる。このとき、保持機構310A及び保持機構310Bは、長袖シャツLTを保持したままであり、長さ検出部915は、長さH21を計測する。
このとき、載置装置制御部906は、載置板402を、水平な状態(XY平面に平行な状態)に戻すように制御する。
さらに、図24(F)に示す例では、保持装置制御部904は、保持機構310A及び保持機構310Bを、それぞれの高さ及び幅を保ったまま、X1方向から見て時計回りに略90度回転させる。
図25(G)は、載置板402の両側から、長袖シャツLTの両袖を垂れ下ろした状態を示す。図25(G)は、保持装置制御部904は、撮像装置500により送信される連絡した画像データを取得し、これらの画像データを用いて、載置板402の短手方向の幅が、長袖シャツLTの両袖の間にくるように、保持機構310A及び保持機構310Bの移動を制御する。
図25(H)は、長袖シャツLTを首部から載置板402に沿わして、載置板402に掛ける例を示す。図25(H)に示す例では、長袖シャツLTは、X2からX1方向に沿わしながら掛けられる。このとき、載置板402の上面には、図8を用いて説明したスリット408又は滑り止め部材410が設けられていると良い。これにより、長袖シャツに襟部がある場合は、襟部がX2方向に残り、X2方向に出やすくなる。
図25(I)は、長袖シャツLTの長さ及び最下点の計測の例を示す。図25(I)に示す例では、長さ検出部915は、撮像装置500から取得した画像データを用いて、載置板402に載置された状態の長袖シャツLTの幅(P25からP26)を計測する。また、端点検出部922は、撮像装置500から取得した画像データを用いて、最下点P27を検出する。
図25(J)は、載置板を垂直にする例を示す。垂直とは、鉛直方向(Z方向)と略平行な方向をいう。例えば、載置装置制御部906は、載置板402を垂直にするように回転制御する。このとき、載置装置制御部906は、載置板402の縁部406が上側にくるように制御する。これにより、長袖シャツLTの滑り落ちを防止することができる。
図25(K)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、載置板402を用いて折り畳まれている部分を保持し、長袖シャツLTを吊り上げている状態を示す。例えば、保持装置制御部904は、載置板402に載置された長袖シャツLTの幅内の所定の2点を、保持装置300Bが保持するように制御する。
図25(L)は、正面側(Y1方向)の袖の最下点を計測する例を示す。図25(L)に示す例では、載置装置制御部906は、載置板402を回転制御、又はY2方向への移動制御を行う。これにより、Y2方向側の袖を引き上げることが可能になり、奥側の袖を撮像装置500により撮像することが可能にある。また、端点検出部922は、画像データを用いて、最下点P28を検出する。
図26(M)は、保持機構310Aを用いて最下点P28を保持する例を示す。図26(M)に示す例では、保持装置制御部904は、保持機構310Aが最下点P28を保持するように制御する。
図26(N)は、載置板402をX1方向から見て時計周りに回転させて、長袖シャツLTの袖部をY1方向に移動させる例を示す。図26(N)に示す例では、載置装置制御部906は、載置板402を時計回りに回転制御する。これにより、載置板402が、長袖シャツLTの袖部よりも撮像装置500側(Y2方向)にくる。
図26(O)は、載置板402を正面側(Y1方向)に移動させる例を示す。図26(O)に示す例では、載置板402の縁部406は、鉛直方向下側にあり、滑り止めのないなめらかな縁部は、鉛直方向上側にある。これにより、載置板402のなめらかな縁部を使って、長袖シャツLTの袖を沿わすことができる。なお、保持装置300Bを背面側(Y2方向)に移動させてもよい。このとき、相対的に、載置板402は、保持装置300よりもY1方向に位置するとよい。
図26(P)は、載置板402をX1方向から見て反時計回りに略90度回転させて、袖部分のX方向の幅を計測する例を示す。図26(P)に示す例では、載置板402が水平になっているが、載置板402から垂れ下がっている袖部分のX方向の幅W20を、長さ検出部915が計測する。長さ検出部915は、撮像装置500からの画像データを用いて、幅W20を計測する。袖部分のX方向の幅を測定することで、袖のどの部分が載置板402にかかっているか確認することも出来る。
図26(Q)は、載置板402をさらにX1方向から見て反時計回りに垂直になるまで回転させる例を示す。図26(Q)に示す例では、載置板402の縁部406が鉛直上方向にくることで、袖部を滑り落とさずに適切に保持させることができる。
図26(R)は、載置板402を鉛直上方向に移動させる例を示す。図26(R)に示す例では、Y2方向の袖部(一方の袖部)が、載置板402を挟む状態で、載置板402に載置されている。
図27(S)は、他方の袖部を一方の袖部に合わせる例を示す。図27(S)に示す例では、保持機構310Aが保持している他方の袖の幅が、図26(P)の動作で計測したX軸の幅W20に合わせるように、保持機構310Aが移動する。具体的には、保持装置制御部904は、長さ検出部915から取得した幅W20のX座標の例えば中心に、保持機構310Aを移動させる。次に、保持装置制御部904は、保持機構310Aが保持する部分を開放する。これにより、両袖部が重ね合わされる。
図27(T)は、保持装置300Bを移動させ、袖部が中心に来るようにする例を示す。図27(T)に示す例では、保持装置制御部904は、幅W20の中心座標を求め、保持機構310Bと保持機構312Bとが保持している長袖シャツLTの幅の中心が、幅W20の中心にくるように、保持機構310B及び保持機構312Bを移動制御する。なお、長袖シャツLTの幅は、保持機構310B及び保持機構312Bで保持している長袖シャツの水平方向(X方向)の幅内に位置するようにすればよい。また、袖部が、保持機構310B及び保持機構312Bで保持している長袖シャツの水平方向(X方向)の一方の端部に位置するようにすれば、保持機構310B又は保持機構312Bが、長袖シャツLT内部に折り畳まれた状態で袖部を保持することが可能になる。
図27(U)は、載置板402を鉛直下方向に移動させる例を示す。図27(U)に示す例では、載置装置制御部906は、載置板402をZ2方向へ移動するように制御する。
図27(V)は、保持機構310B及び保持機構312Bを鉛直下側に移動させ、長袖シャツLTを折り畳む例を示す。図27(V)に示す例では、載置板402は、縁部406が上方に位置し、さらに略45度に回転制御される。これにより、長袖シャツLTの滑り落ちを防止することができる。この状態で長袖シャツLTは載置板402に載置される。
図27(W)は、載置板402に載置掛けられている長袖シャツLTの幅を計測する例を示す。図27(W)に示す例では、載置板402は、垂直に制御され、縁部406が鉛直上方向にきている。これにより、長袖シャツLTは、載置板402から滑り落ちにくくなる。このとき、長さ検出部915は、撮像装置500により撮像された画像データを用いて、載置板402に載置された長袖シャツLTの幅(P29からP30まで)を計測する。
図27(X)は、保持装置300が、折り畳まれた長袖シャツLTを保持する例を示す。図27(X)に示す例では、保持機構312Bが長袖シャツLTの左端部、保持機構310Bが長袖シャツLTの中央部、保持機構310Aが長袖シャツLTの右端部を保持する。これにより、保持機構310Bは、折り畳まれた長袖シャツLTの中央部を保持することで、この中央部に折り畳まれた両袖を保持することができ、折り畳み後の吊り上げ時などに袖が落ちてくること(以下、「袖落ち」とも称す。)を防止することができる。
図28(Y)は、保持装置300が、折り畳まれた長袖シャツLTを保持し、吊り上げている例を示す。上述したとおり、保持機構310Bが中央部に折り畳まれた両袖を保持しているため、袖落ちを防止することができる。
図28(Z)は、仕上がり判定を示す図である。図28(Z)に示す仕上がり判定において、制御装置900は、適切に折りたためているかを画像認識により判定することができる。制御装置900は、被処理物の種類ごとに、適切な仕上がり状態の画像を保持して起き、この正解画像とのパターンマッチングなどで、仕上がり判定をしてもよい。
<<収納工程>>
図28(AA)は、収納動作を示す。保持装置制御部904は、一例として収納部710の上方で、折り畳まれた長袖シャツLTを開放するように保持装置300を制御する。このとき、保持装置制御部904は、保持機構のピッチ回転を用いて、略45度正面側(Y1方向)に回転させ、長袖シャツLTが収納部710の収納側の内壁に沿うようにする。次に、保持装置制御部904は、ピッチ方向の回転を元に戻しつつ、保持機構が鉛直下方向(Y2方向)に移動するように制御する。これにより、折り畳まれた長袖シャツLTは、収納部の垂直の内壁から底面に沿うように収納される。この収納の方法によれば、長袖シャツLTの前面かつ中央部分が鉛直上方向を向いて収納されるので、ユーザが収納された長袖シャツLTを取り出すときに、仕上がりに統一感を持たせることができる。
以上、処理装置1について、図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これに限定されるものではない。以下に例示するような各変形例及びこれらの組み合わせも可能である。なお、以下の変形例においては、説明に必要な構成を中心に説明及び図示し、その余の構成については省略する。
<変形例>
まず、展開動作の変形例について説明する。実施形態では、長袖シャツLTの場合の展開工程について説明したが、以下では、Tシャツ、ズボン、タオルを被処理物Tとした場合の展開工程について説明する。なお、以下では、上記実施形態と異なる点を主に説明するものとし、上記実施形態の展開動作と同一又は類似の状態については既に説明した内容を適用することができる。
<展開工程(Tシャツ:図29~図33)>
Tシャツ(半袖シャツ)の展開工程において、受入装置200内の被処理物の任意の点を掴んで吊り上げるまでは、その他の被処理物の工程と同じであるため、その説明を省略する。図29(A)は、保持機構310Aが第1点を保持した状態で吊り上げる例を示す図である。図29(A)に示されるように、一方の保持機構310Aが第1点を保持した後、当該保持機構310Aは、載置板402よりも高い位置に第1点が到達するまでTシャツSTを吊り上げる。このとき、載置板402は、TシャツSTの吊り上げに干渉しない位置に配置される。また、端点検出部922は、TシャツSTの最下点を計測する。
このとき、載置板402を用いるたくし上げの動作が行われてもよい。たくし上げは、上述したとおり、載置板402にTシャツSTを掛けた状態で、載置板402を回転させたり、鉛直上方向に移動させたりすることで、TシャツSTの最下点を引き上げる。これにより、TシャツSTの最下点が計測しやすくなる。
図29(B)は、保持機構310Bが、TシャツSTの最下点を示す第1端点を保持する一例を示す図である。図29(B)に示されるように、保持機構310Bは、第1端点を保持するため、ロータリアクチュエータにより、鉛直上向きにされている。これにより、第1端点の下方から、第1端点を容易に保持することができるようになる。
図29(C)は、保持機構310Bが第1端点を保持した状態で吊り上げる一例を示す図である。図29(C)に示すように、保持機構310Aは、第1点を開放する。また、TシャツSTを吊り上げる途中で、保持機構310Bは、ロータリアクチュエータにより、鉛直下向きにされる。これにより、保持機構310Bは、TシャツSTを吊り下げやすくなる。
図29(D)は、保持機構310Bが第1端点を保持した状態で吊り上げている一例を示す図である。このとき、保持機構310Aは、この後の受け渡しのために、保持機構310B近辺に移動する。
図29(E)は、保持機構の受け渡しの一例を示す図である。図29(F)に示されるように、保持機構310Bが保持していたTシャツSTの第1端点を、保持機構310Aが保持するようにする。
図29(F)は、保持機構310Aが第1端点を保持した状態で吊り上げている一例を示す図である。
図30(G)は、TシャツSTの最下点を示す第2端点を計測する一例を示す図である。図30(G)に示されるように、保持機構310Aにより第1端点が保持されている。このとき、上述した載置板402を用いてのたくし上げが行われてもよい。これにより、端点検出部922は、最下点の計測を容易に行うことができる。
図30(H)は、保持機構310Bが、TシャツSTの最下点を示す第2端点を保持する一例を示す図である。図31(H)に示されるように、保持機構310Bは、第2端点を保持するため、ロータリアクチュエータにより、鉛直上向きにされている。これにより、第2端点の下方から、第2端点を容易に保持することができるようになる。
図30(I)は、保持機構310Aが第1端点を保持した状態で、保持機構310Bが第2端点を吊り上げる一例を示す図である。図30(I)に示されるように、各保持機構は、TシャツSTの対角にある端点を保持する。次に、袖乗りを振り落とす動作を図30(J)と(K)とを用いて説明する。
図30(J)は、袖乗りを解消する第1動作を示す図である。図30(J)に示されるように、載置板402は、載置装置制御部906の制御により、Y2からY1の方向に移動する。さらに、TシャツSTが載置板402に当たっている状態で、載置装置制御部906は、載置板402をX1方向から見て反時計回りに回転させる。また、第1端点を保持する保持機構310Aは、鉛直下方向(Z2方向)に移動し、第2端点を保持する保持機構310Bは、鉛直上方向(Z1方向)に移動する。これにより袖乗りを落とすことが可能になる。
図30(K)は、袖乗りを解消する第2動作を示す図である。図30(K)に示されるように、載置板402は、載置装置制御部906の制御により、Y1からY2の方向に移動する。さらに、TシャツSTが載置板402に当たっている状態で、載置装置制御部906は、載置板402をX1方向からみて時計回りに回転させる。また、第1端点を保持する保持機構310Aは、鉛直上方向(Z1方向)に移動し、第2端点を保持する保持機構310Bは、鉛直下方向(Z2方向)に移動する。これにより袖乗りを落とすことが可能になる。
図30(L)は、被処理物の種別判定を行うための一例を示す図である。図30(L)に示されるように、TシャツSTは、第2撮像部506により撮像された画像データを用いて、種類判定が行われる(図17に示すステップS402の処理)。このとき、種類認識部914は、図30(L)に示されるTシャツSTの画像データから、TシャツSTは、第2群に含まれる被処理物であると判定する。
図31(M)は、吊り上げられたTシャツSTを向き持ち替えのため載置板402に掛ける一例を示す図である。図31(M)に示される例では、撮像装置500により撮像された画像データを用いて、載置装置制御部906は、載置板402の縁部406を、TシャツSTのどの位置に当てるかを判定する。例えば、載置装置制御部906は、吊り上げられたTシャツSTの長さの鉛直方向の半分以下の位置から、縁部406をTシャツSTに当て、鉛直上方向に載置板402を移動させるとよい。載置板402の縁部406にTシャツSTが掛けられた状態で、保持機構310Bは、第2端点を開放する。このとき、端点検出部922は、撮像装置500により撮像された画像データを用いて、TシャツSTの最下点P31を計測する。
図31(N)は、保持機構310Bが、TシャツSTの最下点P31を示す第3端点を保持する一例を示す図である。
図31(O)は、TシャツSTの向きが変更されて、着丈の長さが計測される一例を示す図である。図31(O)に示す例では、長さ検出部915は、第3撮像部504により撮像された画像データ等を用いて、TシャツSTの襟部から裾部までの長さH30を計測する(図17に示すステップS412の処理)。また、第2撮像部506により撮像された画像データ等より2回目の衣類認識を行い、この段階で被処理物はほぼTシャツとして認識される。
図31(P)は、、TシャツSTを半分に折る一例を示す図である。図31(P)に示されるように、TシャツSTは、計測された長さH30の約半分の位置で、載置板402の縁部406に載置され、X軸と略平行の線で半分に折られる。
図31(Q)は、左右のずれを計測する一例を示す図である。図31(Q)に示されるように、ずれ補正部918は、載置板402に載置されたTシャツSTの幅P32からP33の幅W31を計測する。また、ずれ補正部918は、P32から鉛直下方向の裾部分の端部P34までの長さH31、及びP33から鉛直下方向の裾部分の端部P35までの長さH32を計測する。このとき、例えば、ずれ補正部918は、P34とP35とのZ座標、または長さH31とH32が略同一ではない場合に、左右のずれが生じていると判定する。例えば、ずれ補正部918は、P34とP35とのZ座標の差異が所定値未満であれば、左右のずれはないと判定し、この差異が所定値以上であれば、左右のずれがあると判定する。
図31(R)は、左右のずれを補正する動作の一例を示す図である。図31(R)に示す例では、まず、保持機構310Aは、TシャツSTに対し、左側(X2方向)の端部付近を保持し、保持機構310Bは、右側(X1方向)の端部付近を保持する。次に、ずれ補正部918は、2点の裾の端部P34とP35に対し、鉛直上方向において、より高い位置にある端部を特定する。図31(R)に示される例では、ずれ補正部918は、端部P35の鉛直上方向にあるP33を特定する。次に、ずれ補正部918の指示により、保持装置制御部904は、端部P33側の近傍を保持する保持機構310Bを、Y1方向にずらしたり、鉛直上方向にずらしたりした後に、保持機構310Bが保持する部分を開放する。これにより、裾部分の左右の端部の位置がそろうようになる。なお、一回のずれ補正でずれ補正ができなかった場合は、ずれ補正部918は、同様の処理を繰り返せばよい。
図32(S)は、ずれ補正後のTシャツSTの一例を示す図である。図32(S)に示す例では、ずれ補正後、載置板402に載置されたTシャツSTの裾の両端の位置がそろう。例えば、P36及びP37のZ座標の位置がそろう。
図32(T)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、TシャツSTの裾部を保持する例を示す図である。図32(T)に示される例では、保持機構310Bは、TシャツSTの右側の端部P37付近を保持し、保持機構312Bは、TシャツSTの左側の端部P36付近を保持する。
図32(U)は、被処理物の種類判定をするための例を示す図である。図32(U)に示す例では、保持機構310B、及び保持機構312Bを鉛直上方向に移動させ、TシャツSTの裾部分を上にして吊り上げる。これにより、TシャツSTの長さを適切に計測することが可能になる。また、種類認識部914は、図32(U)に示すTシャツSTの画像データから、被処理物の種類を認識する(図17に示すステップS418の処理)。
<<ほぐし動作>>
ここで、図30(I)に示す例において、TシャツSTの対角の2点が保持されて吊り上げられた場合に、袖乗りが生じることがある。袖乗りとは、一方の袖部分がTシャツに乗っており、垂れ下がっていないことをいう。袖乗りについて、撮像装置500により撮像された画像データを用いて、片袖が垂れ下がっていないことが検知されるため、袖乗りを解消するためにほぐし動作が行われる。なお、袖乗りは、Tシャツ以外にも起こりうる。以下に説明するほぐし動作は、保持機構310B、312Bを用いるが、保持機構310A、310Bなどを用いてもよい。
(ほぐし動作A)
図33(A)は、ほぐし動作Aの一例を示す図である。図33(A)に示す例では、保持機構310B,312Bは、TシャツSTを保持したまま、同じピッチ角の方向への回動を所定回数行う。回動は、略同期して行われるとよい。例えば、2つの保持機構は、略同期してY1方向に回動し、次に、Y2方向に回動し、この回動を所定回数繰り返す。このほぐし動作Aにより、袖乗りの解消を図ることができる。
(ほぐし動作B)
図33(B)は、ほぐし動作Bの一例を示す図である。図33(B)に示す例では、保持機構310B,312Bは、被処理物を保持したまま、異なるピッチ角の方向への回動を所定回数行う。回動は、略同期して行われるとよい。例えば、一方の保持機構が、Y1方向へ回動するとき、他方の保持機構は、Y2方向に回動する。また、一方の保持機構が、Y2方向へ回動するとき、他方の保持機構は、Y1方向に回動する。この交互の動作が所定回数繰り返される。このほぐし動作により、袖乗りの解消を図ることができる。
(ほぐし動作C)
図33(C)は、ほぐし動作Cの一例を示す図である。図33(C)に示す動作は、図30(J)及び(K)で示す動作と同様である。例えば、2つの保持機構は、鉛直方向において交互に上下し、載置板402は、保持機構の上下に合わせて回転する。このほぐし動作により、袖乗りの解消を図ることができる。
<展開工程(ズボン:図34~図36)>
ズボンの展開工程において、受入装置200内の被処理物の任意の点を掴んで吊り上げるまでは、その他の被処理物の工程と同じであるため、その説明を省略する。図34(A)は、保持機構310Aが第1点を保持した状態で吊り上げる例を示す図である。図34(A)に示されるように、一方の保持機構310Aが第1点を保持した後、当該保持機構310Aは、載置板402よりも高い位置に第1点が到達するまでズボンZTを吊り上げる。このとき、載置板402は、たくし上げのために用いられる。また、端点検出部922は、ズボンZTの最下点を計測する。
図34(B)は、保持機構310Bが、ズボンZTの最下点を示す第1端点を保持する一例を示す図である。図34(B)に示されるように、保持機構310Bは、第1端点P40を保持するため、ロータリアクチュエータにより、鉛直上向きにされている。これにより、第1端点より下方から、第1端点を容易に保持することができるようになる。
図34(C)は、保持機構310Bが第1端点を保持した状態で吊り上げる一例を示す図である。図34(C)に示すように、保持機構310Aは、第1点を開放する。また、ズボンZTを吊り上げる途中で、保持機構310Bは、ロータリアクチュエータにより、鉛直下向きにされる。これにより、保持機構310Bは、ズボンZTを吊り下げやすくなる。
図34(D)は、保持機構の受け渡しの一例を示す図である。図34(D)に示されるように、保持機構310Bが保持していたズボンZTの第1端点を、保持機構310Aが保持するようにする。
図34(E)は、たくし上げの一例を示す図である。図34(E)に示す例では、載置板402を用いてたくし上げが行われる。このたくし上げの処理では、載置板402を鉛直上方向に移動させ、ズボンZTの最下点を引き上げる。また、載置板の縁部406を鉛直上方向に向けてたくし上げ処理を行う。これによりズボンZTの滑り落ちを防止するとともに最下点を引き上げて、長物のズボンZTの最下点を計測することが可能になる。
図34(F)は、端点検出部922が、ズボンZTの最下点を示す第2端点を計測する一例を示す図である。図34(F)に示されるように、保持機構310Aにより第1端点が保持されている。
図35(G)は、保持機構310Bが、ズボンZTの最下点を示す第2端点を保持する一例を示す図である。図35(G)に示されるように、保持機構310Bは、第2端点P41を保持するため、ロータリアクチュエータにより、鉛直上向きにされている。これにより、第2端点の下方から、第2端点を容易に保持することができるようになる。
図35(H)は、保持機構310Aが第1端点を保持した状態で、保持機構310Bが第2端点を吊り上げる一例を示す図である。図35(H)に示されるように、各保持機構は、ズボンZTの各裾を保持する。次に、袖乗りを振り落とす動作を図35(I)と(J)とを用いて説明する。
図35(I)は、袖乗りを解消する第1動作を示す図である。図35(I)に示されるように、載置板402は、載置装置制御部906の制御により、Y1からY2の方向に移動する。さらに、ズボンZTが載置板402に当たっている状態で、載置装置制御部906は、載置板402をX1方向から見て反時計回りに回転させる。また、第1端点を保持する保持機構310Aは、鉛直下方向(Z2方向)に移動し、第2端点を保持する保持機構310Bは、鉛直上方向(Z1方向)に移動する。これにより袖乗りを落とすことが可能になる。
図35(J)は、袖乗りを解消する第2動作を示す図である。図35(J)に示されるように、載置板402は、載置装置制御部906の制御により、Y2からY1の方向に移動する。さらに、ズボンZTが載置板402に当たっている状態で、載置装置制御部906は、載置板402をX1方向から見て時計回りに回転させる。また、第1端点を保持する保持機構310Aは、鉛直上方向(Z1方向)に移動し、第2端点を保持する保持機構310Bは、鉛直下方向(Z2方向)に移動する。これにより袖乗りを落とすことが可能になる。
図35(K)は、被処理物の種別判定を行うための一例を示す図である。図35(K)に示されるように、ズボンZTは、第2撮像部506により撮像された画像データを用いて、種類判定が行われる(図17に示すステップS402の処理)。このとき、種類認識部914は、図35(K)に示されるズボンZTの画像データから、ズボンZTは、第1群に含まれる被処理物であると判定する。また、長さ検出部915は、撮像装置500により撮像された画像データを用いて、ズボンZTの長さH40を計測する。
図35(L)は、保持機構310A及び保持機構310Bが、ズボンZTの長さの約半分の位置で載置板402の縁部406に掛けるように、保持している部分を開放する。
図36(M)は、左右のずれを計測する一例を示す図である。図35(M)に示されるように、ずれ補正部918は、載置板402に載置されたズボンZTの幅P42からP44の幅を計測する。また、ずれ補正部918は、左上端部P42から鉛直下方向の腰部分の端部であるP43までの長さH41、及び右上端部P44から鉛直下方向の腰部分の端部であるP45までの長さH42を計測する。このとき、例えば、ずれ補正部918は、左下端部P43と右下端部P45とのZ座標、又は長さH41とH42が略同一ではない場合に、左右のずれが生じていると判定する。例えば、ずれ補正部918は、P43とP45とのZ座標の差異が所定値未満であれば、左右のずれはないと判定し、この差異が所定値以上であれば、左右のずれがあると判定する。
図36(N)は、左右のずれを補正する動作の一例を示す図である。図36(N)に示す例では、まず、保持機構310Aは、ズボンZTに対し、図面上の左側(X2方向)の端部付近を保持し、保持機構310Bは、図面上の右側(X1方向)の端部付近を保持する。次に、ずれ補正部918は、2点の端部に対し、鉛直上方向において、より高い位置にある端部を特定する。図36(N)に示される例では、ずれ補正部918は、端部P45を特定する。次に、ずれ補正部918の指示により、保持装置制御部904は、端部P45側の上方にあるP44の近傍を保持する保持機構310Bを、Y1方向にずらしたり、鉛直上方向にずらしたりした後に、保持機構310Bが保持している部分を開放する。これにより、腰部分の左右の端部の位置がそろうようになる。なお、一回のずれ補正でずれ補正ができなかった場合は、ずれ補正部918は、同様の処理を繰り返せばよい。
図36(O)は、ずれ補正後のズボンZTの一例を示す図である。図36(O)に示す例では、ずれ補正後、載置板402に載置されたズボンZTの腰の両端の位置がそろう。
図36(P)は、載置板402にズボンZTが掛けられた状態で、端点検出部922は、撮像装置500により撮像された画像データを用いて、左右の最下点P46,P47を検出する。この時点で2回目の衣類認識を行ってもよい。
図36(Q)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、ズボンZTの左右の最下点近傍を保持する例を示す図である。図36(Q)に示される例では、保持機構310Bは、ズボンZTの右側の端部P47付近を保持し、保持機構312Bは、ズボンZTの左側の端部P46付近を保持する。
図36(S)は、被処理物の種類判定をするための例を示す図である。図36(S)に示す例では、保持機構310B、及び保持機構312Bを鉛直上方向に移動させ、ズボンZTの腰部分を上にして吊り上げる。種類認識部914は、図36(S)に示すズボンZTの画像データを用いて、被処理物の種類を認識する(図17に示すステップS418の処理)。例えば、種類認識部914は、ポケットの位置や、ベルト通しなどによりズボンを識別することが可能である。
<展開工程(タオル:図37~図41)>
タオルの展開工程において、受入装置200内の被処理物の任意の点を掴んで吊り上げるまでは、その他の被処理物の工程と同じであるため、その説明を省略する。図37(A)は、保持機構310Aが第1点を保持した状態で吊り上げる例を示す図である。図37(A)に示されるように、一方の保持機構310Aが第1点を保持した後、当該保持機構310Aは、載置板402よりも高い位置に第1点が到達するまでタオルTTを吊り上げる。このとき、載置板402は、タオルTTの吊り上げに干渉しない位置に配置される。また、端点検出部922は、タオルTTの最下点P50を計測する。
図37(B)は、保持機構310Bが、タオルTTの最下点を示す第1端点P50を保持する一例を示す図である。図37(B)に示されるように、保持機構310Bは、第1端点P50を保持するため、ロータリアクチュエータにより、鉛直上向きにされている。これにより、第1端点の下方から、第1端点を容易に保持することができるようになる。
図37(C)は、保持機構310Bが第1端点を保持した状態で吊り上げる一例を示す図である。図37(C)に示すように、保持機構310Aは、第1点を開放する。また、タオルTTを吊り上げる途中で、保持機構310Bは、ロータリアクチュエータにより、鉛直下向きにされる。これにより、保持機構310Bは、タオルTTを吊り下げやすくなる。
図37(D)は、保持機構の受け渡しの一例を示す図である。図37(D)に示されるように、保持機構310Bが保持していたタオルTTの第1端点を、保持機構310Aが保持するようにする。
図37(E)は、タオルTTに対するたくし上げの一例を示す図である。図37(E)に示す例では、載置板402は、載置装置制御部906の制御により、鉛直上方向に移動する。このとき、タオルTTは、載置板402に掛けられた状態で鉛直上方向に移動する。
図37(F)は、タオルTTの最下点を示す第2端点を計測する一例を示す図である。図37(F)に示されるように、保持機構310Aにより第1端点が保持されている。端点検出部922は、撮像装置500により撮像された画像データを用いて、最下点P51の計測を行う。
図38(G)は、保持機構310Bが、タオルTTの最下点を示す第2端点P51を保持する一例を示す図である。図38(G)に示されるように、保持機構310Bは、第2端点P51を保持するため、ロータリアクチュエータにより、鉛直上向きにされている。これにより、第2端点の下方から、第2端点を容易に保持することができるようになる。
図38(H)は、保持機構310Aが第1端点を保持した状態で、保持機構310Bが第2端点を吊り上げる一例を示す図である。図38(H)に示されるように、各保持機構は、タオルTTの対角にある端点を保持する。次に、袖乗りを振り落とす動作を図38(I)と(J)とを用いて説明する。
図38(I)は、袖乗りを解消する第1動作を示す図である。図38(I)に示されるように、載置板402は、載置装置制御部906の制御により、Y1からY2の方向に移動する。さらに、タオルTTが載置板402に当たっている状態で、載置装置制御部906は、載置板402をX1の方向から見て反時計回りに回転させる。また、第1端点を保持する保持機構310Aは、鉛直下方向(Z2方向)に移動し、第2端点を保持する保持機構310Bは、鉛直上方向(Z1方向)に移動する。これにより袖乗りを落とすことが可能になる。
図38(J)は、袖乗りを解消する第2動作を示す図である。図38(J)に示されるように、載置板402は、載置装置制御部906の制御により、Y2からY1の方向に移動する。さらに、タオルTTが載置板402に当たっている状態で、載置装置制御部906は、載置板402をX1の方向から見て時計回りに回転させる。また、第1端点を保持する保持機構310Aは、鉛直上方向(Z1方向)に移動し、第2端点を保持する保持機構310Bは、鉛直下方向(Z2方向)に移動する。これにより袖乗りを落とすことが可能になる。
図38(K)は、被処理物の種別判定を行うための一例を示す図である。図38(K)に示されるように、タオルTTは、撮像装置500により撮像された画像データを用いて、種類判定が行われる(図17に示すステップS402の処理)。このとき、種類認識部914は、図38(K)に示されるタオルTTの画像データから、タオルTTは、第2群に含まれる被処理物であると判定する。
図38(L)は、吊り上げられたタオルTTを載置板402に掛ける一例を示す図である。図38(L)に示される例では、撮像装置500により撮像された画像データを用いて、載置装置制御部906は、載置板402の縁部406を、タオルTTのどの位置に当てるかを判定する。例えば、載置装置制御部906は、保持機構310A及び保持機構310Bの略中間位置の鉛直下方向から、載置板402を鉛直上方向に移動させ、タオルTTを縁部406に掛ける。
図39(M)は、保持機構310Aが保持している点を開放する例を示す図である。図39(M)は、タオルTTの向きを変えるための処理である。
図39(N)は、保持機構の受け渡しの一例を示す図である。図39(N)に示されるように、保持機構310Bが保持していたタオルTTの第2端点を、保持機構310Aが保持するようにする。
図39(O)は、端点検出部922が、タオルTTの最下点を示す第3端点P52を計測する一例を示す図である。図39(O)に示されるように、保持機構310Aにより第2端点が保持されている。
図39(P)は、保持機構310Bが、タオルTTの最下点を示す第3端点P52を保持する一例を示す図である。図39(P)に示されるように、保持機構310Bは、第3端点P52を保持するため、ロータリアクチュエータにより、鉛直上向きにされている。これにより、第3端点の下方から、第3端点を容易に保持することができるようになる。
図39(Q)は、タオルTTの向きが変更されて、タオルTTの長さが計測される一例を示す図である。図39(Q)に示す例では、長さ検出部915は、撮像装置500により撮像された画像データ等を用いて、タオルTTの上方端部から下方端部までの長さH50を計測する(図17に示すステップS412の処理)。
この際に、併せて種類判定を行ってもよい。形状の区別がつきやすくほぼタオルTTと判定できる
図39(R)は、タオルTTを半分に折る一例を示す図である。図39(R)に示されるように、タオルTTは、計測された長さH50の約半分の位置で、載置板402の縁部406に載置され、半分に折られる。このとき、長さ検出部915は、載置板402に掛けられたタオルTTの水平方向の幅(P53からP54まで)を計測する。次に、左右の皺伸ばしの動作について説明する。
図40(S)は、皺伸ばしにおける第1動作の一例を示す図である。図40(S)に示す例では、保持機構310Bは、タオルTTの鉛直上方向から降りてきて、タオルTTの中央付近を保持する。また、保持機構310Aは、タオルTTの鉛直上方向から降りてきて、タオルTTの右端(X1側の端部)付近を保持する。このとき、保持装置制御部904は、保持機構310Bの保持動作を変えずに、保持機構310Aを水平方向のX1方向にずらす。このとき、保持機構310Aを鉛直上方向に所定距離だけ上げてから水平方向のX1方向にずらしてもよい。これにより、タオルTTの右側(保持機構を移動させる側)の皺を伸ばすことができる。
図40(T)は、皺伸ばしにおける第2動作の一例を示す図である。図40(T)に示す例では、保持機構310Aは、タオルTTの鉛直上方向から降りてきて、タオルTTの中央付近を保持する。また、保持機構310Bは、タオルTTの鉛直上方向から降りてきて、タオルTTの左端(X2側の端部)付近を保持する。このとき、保持装置制御部904は、保持機構310Aの保持動作を変えずに、保持機構310Bを水平方向のX2方向にずらす。このとき、保持機構310Bを鉛直上方向に所定距離だけ上げてから水平方向のX2方向にずらしてもよい。これにより、タオルTTの左側(保持機構を移動させる側)の皺を伸ばすことができる。なお、皺伸ばし動作については、一の保持機構により、タオルTTの任意の点を保持し、他の保持機構により、タオルTTの他の点を保持し、一の保持機構とは逆側の端部方向に他の保持機構をずらすことで、皺伸ばしを行ってもよい。また、一の保持機構についても、他の保持機構とは逆側の端部方向にずらしてもよい。
図40(U)は、左右のずれを計測する一例を示す図である。図40(U)に示されるように、ずれ補正部918は、載置板402に載置されたタオルTTの左上端部P55から右上端部P57の幅W50を計測する。また、ずれ補正部918は、左上端部P55から鉛直下方向の端部P56までの長さH51、及び右上端部P57から鉛直下方向の端部P58までの長さH52を計測する。このとき、例えば、ずれ補正部918は、P56とP58とのZ座標、又は長さH51とH52が略同一ではない場合に、左右のずれが生じていると判定する。例えば、ずれ補正部918は、P56とP58とのZ座標の差異、又は長さH51とH52との差異が所定値未満であれば、左右のずれはないと判定し、この差異が所定値以上であれば、左右のずれがあると判定する。
図40(V)は、左右のずれを補正する動作の一例を示す図である。図40(V)に示す例では、まず、保持機構310Aは、タオルTTに対し、左側(X2方向)の端部付近を保持し、保持機構310Bは、右側(X1方向)の端部付近を保持する。次に、ずれ補正部918は、2点の端部に対し、鉛直上方向において、より高い位置にある端部を特定する。図40(V)に示される例では、ずれ補正部918は、端部P56を特定する。次に、ずれ補正部918の指示により、保持装置制御部904は、端部P56の上方にある端部P55の近傍を保持する保持機構310Aを、Y1方向にずらしたり、鉛直上方向にずらしたりした後に、保持機構310Bが保持している点を開放する。これにより、裾部分の左右の端部の位置がそろうようになる。なお、一回のずれ補正でずれ補正ができなかった場合は、ずれ補正部918は、同様の処理を繰り返せばよい。
図40(W)は、ずれ補正後のタオルTTの一例を示す図である。図40(W)に示す例では、ずれ補正後、載置板402に載置されたタオルTTの両下端の位置がそろう。例えば、P59及びP60のZ座標の位置がそろう。
図40(X)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、タオルTTの両下端部を保持する例を示す図である。図40(X)に示される例では、保持機構310Bは、タオルTTの右側の端部付近を保持し、保持機構312Bは、タオルTTの左側の端部付近を保持する。
図41(Y)は、被処理物の種類判定をするための例を示す図である。図41(Y)に示す例では、保持機構310B、及び保持機構312Bを鉛直上方向に移動させ、タオルTTを吊り上げる。これにより、タオルTTの長さを適切に計測することが可能になる。また、種類認識部914は、図41(Y)に示すタオルTTの画像データから、被処理物の種類を認識する(図17に示すステップS418の処理)。
次に、折り畳み動作の変形例について説明する。実施形態では、長袖シャツLTの場合の折り畳み工程について説明したが、以下では、長袖シャツの変形例、Tシャツ、ズボン、タオルを被処理物Tとした場合の折り畳み工程について説明する。なお、以下では、上記実施形態と異なる点を主に説明するものとし、上記実施形態の折り畳み動作と同一又は類似の状態については既に説明した内容を適用することができる。
<折り畳み工程(長袖その2:図42~図45)>
図42(A)は、長袖シャツLTが、裾から約3分の1の位置で載置板402の縁部406に載置されている状態を示す。例えば、保持装置制御部904は、図23(U)で計測された長さH16の約1/3の位置を長さ検出部915から取得する。保持装置制御部904は、裾から約1/3の位置の水平方向の折れ線で長袖シャツLTが折られるように、保持機構310B及び保持機構312Bを制御する。例えば、保持装置制御部904は、載置板402の縁部406と折れ線とが合うように、長袖シャツLTを載置する。
このとき、載置装置制御部906は、載置板402を、水平な状態から、背面側(Y2)の縁部を傾斜させる(例えば約40度~50度)よう制御する。これにより、載置板402の縁部406には滑り止めが設置されており、さらに角度をつけることで、長袖シャツLTを滑り落ちにくくすることが可能である。
図42(B)は、保持機構310A及び保持機構310Bが、長袖シャツLTの折り畳まれた部分を保持したまま吊り上げた状態を示す。例えば、保持機構310A及び保持機構310Bが、載置板402を用いて折り畳まれている部分のうち、長さ検出部915により計測された長袖シャツLTの幅内の所定の2点を保持する。その後、保持機構310A及び保持機構310Bが鉛直上方向(Z1方向)に移動する。
図42(C)は、載置板402の両側から、長袖シャツLTの両袖を垂れ下ろした状態を示す。保持装置制御部904は、撮像装置500により送信される連絡した撮像画像を取得し、これらの撮像画像を用いて、載置板402の短手方向の幅が、長袖シャツLTの両袖の間にくるように、保持機構310A及び保持機構310Bの移動を制御する。このとき、載置板402の表面は鉛直上方向(Z1方向)を向いている。また、保持機構310A及び保持機構310Bの移動によって、長袖シャツLTはその幅方向がX方向からY方向に90度回転して配置される。
図42(D)は、長袖シャツLTを首部から載置板402に沿わして、載置板402に掛けている状態を示す。図42(D)に示す例では、長袖シャツLTは、X2からX1方向に沿わしながら掛けられる。図8において説明したとおり、載置板402の表面には滑り止め機能(例えば図8(A2)のスリット408又は図8(B)の滑り止め部材410)が設けられているため、長袖シャツLTの首部を正確かつ簡単に広げることができる。
図42(E)は、保持機構310Bが長袖シャツLTの一方の袖の最下点を保持している状態を示す。図42(D)の後、端点検出部922は、撮像装置500から取得した画像データを用いて、載置板402の短手方向の一方側に垂れ落ちた長袖シャツLTの袖の最下点を検出する。その後、例えば保持機構310Bが、端点検出部922によって検出された袖の最下点を保持する。
図42(F)は、保持機構310Bが長袖シャツLTの一方の袖を、載置板402の表面上に載せている状態を示す。保持機構310Bは、長袖シャツLTの一方の袖を、長袖シャツLTの胴体部分に重ねるように載置板402上に移動させる。その後、保持機構310Bは長袖シャツLTの袖を開放する。
図43(G)は、保持機構310Aが長袖シャツLTの他方の袖の最下点を保持している状態を示す。図42(E)と同様に、端点検出部922は、撮像装置500から取得した画像データを用いて、載置板402の短手方向の他方側に垂れ落ちた長袖シャツLTの袖の最下点を検出し、保持機構310Aが、端点検出部922によって検出された袖の最下点を保持する。
図43(H)は、保持機構310Aが長袖シャツLTの他方の袖を、載置板402の表面上に載せている状態を示す。保持機構310Aは、長袖シャツLTの他方の袖を、長袖シャツLTの胴体部分にさらに重ねるように載置板402上に移動する。このように両袖を内側に折り畳むことにより、以降の処理において袖落ちを回避することができる。
図43(I)は、載置板402を垂直に立てた状態で、保持機構310A及び保持機構310Bが、長袖シャツLTを保持してX1からX2方向へ沿わしながら移動している状態を示す。例えば、保持機構310A及び保持機構310Bが、長さ検出部915により計測された長袖シャツLTの幅内の所定の2点を保持する。その後、保持機構310A及び保持機構310Bが載置板402の長手方向におけるX1からX2方向へ移動し、これにより長袖シャツLTを載置板402に対して位置合わせする。この場合、長袖シャツLTを載置板402の長手方向(X方向)の中央付近に位置付けるように、保持機構310A及び保持機構310Bを移動させる。これにより狭い空間を有効に活用して被処理物の皺を伸ばすことができる。また、この沿わし動作においては載置板402の切り欠きを有していない滑らかな縁部において保持機構310A及び保持機構310Bを掴むことが好ましい。これにより被処理物の皺を容易に伸ばすことができる。
図43(J)は、載置板402を水平に戻した状態で、長袖シャツLTの裾部を保持機構310A及び保持機構310Bで保持した状態を示す。図43(J)では、保持機構310A及び保持機構310Bは、載置板402を挟んで対向し、かつ載置板402の下方で長袖シャツLTの裾部を保持している。
図43(K)は、載置板402上の長袖シャツLTに棒状部材610を押し当てながら、保持機構310A及び保持機構310Bが長袖シャツLTの裾部を保持した状態で移動している状態を示す。図43(J)の後、棒状部材610が載置板402の短手方向に延在する向きに配置され、棒状部材610が載置板402上でX2からX1方向に沿わしながら移動する。このとき、棒状部材610はその移動に伴って軸周りに回転する。これにより、載置板402上の長袖シャツLT上において棒状部材610が滑らかに移動することが可能となる。また、このとき、保持機構310A及び保持機構310Bは、長袖シャツLTの裾部を鉛直上方向に持ち上げていきながらX2からX1方向へ移動する。
図43(L)は、保持機構310A及び保持機構310Bが、長袖シャツLTを折り畳んだ状態を示す。図43(K)において棒状部材610が長袖シャツLTを押し込んだ後、棒状部材610がX1からX2方向へ移動するとともに、保持機構310A及び保持機構310Bが、長袖シャツLTの裾を長袖シャツLTの首部に重ねるように移動する。このとき、棒状部材610は軸周りに回転しながら移動することによって、載置板402上の長袖シャツLT上において棒状部材610が滑らかに移動することが可能となる。その後、棒状部材610は支持装置600に収納され、保持機構310A及び保持機構310Bは、折り畳まれた長袖シャツLTの裾を開放する。
図44(M)は、載置板402を水平から垂直に回転させた状態を示す。長袖シャツLTは、折り畳まれた状態で載置板402から垂れ下がっている。このとき、長さ検出部915は、長袖シャツLTの鉛直方向(Z方向)の長さH60及び水平方向(X方向)の幅W60をそれぞれ計測する。
図44(N)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、載置板402の上方で長袖シャツLTを保持している状態を示す。このとき載置板402は長袖シャツLTの背面側に配置されている。まず、図44(M)の後、保持機構310B及び保持機構312Bが、長さ検出部915により計測された長袖シャツLTの幅内の所定の2点を保持する。そして、保持機構310B及び保持機構312Bが、長袖シャツLTを保持した状態で鉛直上方向(Z1方向)へ移動する。その後、載置板402を鉛直下方向(Z2方向)に移動させ、長袖シャツLTから離れた状態で載置板402を縁部406が上側になるように傾斜させ、再び鉛直上方向(Z1方向)に移動させる。
図44(O)は、保持機構310B及び保持機構312Bが載置板402の上方で長袖シャツLTを保持している状態を示す。このとき、載置板402は鉛直上方向側の縁部406が長袖シャツLTに近づく向きに傾斜して、長袖シャツLTの正面側に配置されている。この状態で、載置板402と、保持機構310B及び保持機構312Bとが互いの距離が小さくなるように相対的に移動し、長袖シャツLTを載置板402の鉛直上方向側の縁部406に引っ掛ける。
図44(P)は、長袖シャツLTが載置板402に掛けられた状態を示す。こうして、長袖シャツLTは、その襟が折られた状態で載置板402に掛けられる。
図44(Q)は、保持機構310B及び保持機構312Bが長袖シャツLTを保持している状態を示す。例えば、保持機構310B及び保持機構312Bが、長さ検出部915により計測された長袖シャツLTの幅内の所定の2点を保持し、鉛直上方向(Z1方向)へ移動する。その後、図44(Q)に示すように、載置板402を水平に回転させる。
図44(R)は、長袖シャツLTを載置板402の表面に載せた状態を示す。図44(Q)の後、保持機構310B及び保持機構312Bが長袖シャツLTを載置板402の表面に載せる位置に移動する。
図45(S)は、図44(Q)とは反対側(紙面の手前側)から長袖シャツLTを保持している状態を示す。図44(R)の後、例えば、保持機構310B及び保持機構312Bが、長さ検出部915により計測された長袖シャツLTの幅内の所定の2点を保持する。
図45(T)は、長袖シャツLTの折り畳み後の仕上がり判定を行う状態を示す。保持機構310B及び保持機構312Bが、長袖シャツLTを保持する。こうして長袖シャツLTは、襟が折られた側とは反対側で保持機構310B及び保持機構312Bによって持ち上げられ、この状態で制御装置900による仕上がり判定が行われる。
<折り畳み工程(長袖その3:図46~図47)>
本変形例は、図42(A)から図43(H)までは既に説明した「長袖その2」の態様と同様である。それ以降の工程を説明する。
図46(A)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、載置板402の表面上に載せられた長袖シャツLTを保持している状態を示す。載置板402は水平な状態である。長袖シャツLTの両袖は載置板402の表面上に重ね合わせられている。
図46(B)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、長袖シャツLTを保持して鉛直上方向に持ち上げた状態を示す。このとき載置板402は、長袖シャツLTの下方において、水平な状態から、背面側の切り欠きを有する縁部406が上側になるよう制御される。また、長さ検出部915は、長袖シャツLTの鉛直方向の長さH61を計測する。
図46(C)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、長袖シャツLTを載置板402の縁に当てている状態を示す。保持装置制御部904は、図46(B)の状態における長袖シャツLTの鉛直方向の長さH61を長さ検出部915から取得し、約1/3の位置の水平方向の折れ線で長袖シャツLTが折られるように、保持機構310B及び保持機構312Bを制御する。
図46(D)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、長袖シャツLTを載置板402の縁部406を起点として折った状態をX方向から示す。保持機構310B及び保持機構312Bは、載置板402を超えてY1からY2方向へ移動する。
図46(E)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、載置板402を用いて長袖シャツLTを保持している状態を示す。保持機構310B及び保持機構312Bは、約1/3の位置の水平方向の折れ線で長袖シャツLTを掴む。このとき、保持機構310B及び保持機構312Bは、傾斜した載置板402の縁部に相対するようにロータリアクチュエータを用いて斜め上方から長袖シャツLTを掴む。その後、保持機構310B及び保持機構312Bは、傾斜した載置板402上で、長袖シャツLTをさらに折り畳む。
図46(F)は、長袖シャツLTがさらに折り畳まれた状態を示す。保持機構310B及び保持機構312Bは、長袖シャツLTを載置板402の縁部406に引っ掛けた状態で、載置板402の表面上においてさらに折り畳む。
図47(G)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、載置板402を用いて長袖シャツLTを掴む状態をX方向から示す。このとき、保持機構310B及び保持機構312Bは、傾斜した載置板402の縁部に相対するようにロータリアクチュエータを用いて斜め上方から長袖シャツLTを掴む。
図47(H)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、長袖シャツLTを保持して鉛直上方向(Z1方向)に持ち上げた状態を示す。長袖シャツLTは、保持機構310B及び保持機構312Bによって載置板402から引き抜かれる。
図47(I)は、長袖シャツLTの折り畳み後の仕上がり判定を行う状態を示す。保持機構310B及び保持機構312Bは、襟が折られていない状態で折り畳まれた長袖シャツLTを保持する。この状態で制御装置900による仕上がり判定が行われる。
<折り畳み工程(長袖その4:図48~図50)>
本変形例は、図24(A)から図25(I)までは既に説明した「長袖シャツ」の態様と同様である。それ以降の工程を説明する。
図48(A)は、載置板402を垂直にした状態で、長袖シャツLTを載置板に引っ掛けた状態を示す。このとき、載置装置制御部906は、載置板402の縁部406が上側を向くように制御する。これにより、長袖シャツLTの滑り落ちを防止することができる。
図48(B)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、載置板402を用いて折り畳まれている部分を保持して吊り上げている状態を示す。例えば、保持装置制御部904は、載置板402に載置された長袖シャツLTの幅の所定の2点を、保持機構310B及び保持機構312Bが保持するように制御する。その後、載置板402を垂直から水平の状態に回転させ、長袖シャツLTの前側袖をたくし上げる。
図48(C)は、長袖シャツLTの前側袖をたくし上げて載置板402の表面に載せた状態を示す。載置板402は水平な状態に配置されており、載置板402の表面に長袖シャツの前側袖を載せる。他方、端点検出部922は、撮像装置500により撮像された画像データを用いて奥側袖の最下点P59を検出する。
図48(D)は、保持機構310Aを用いて長袖シャツLTの奥側袖の最下点P59を保持している状態を示す。保持機構310Aは、水平な状態の載置板402の下方において奥側袖の最下点P59を保持し、その後、奥側袖の最下点を保持した状態で鉛直上方向に移動する。
図48(E)は、保持機構310B及び保持機構312Bが長袖シャツLTを保持し、保持機構310Aが奥側袖の最下点を持ち上げた状態で、前側袖が下方に落ちている状態を示す。このとき、載置板402を水平から垂直な状態に回転させて、長袖シャツLTの前側袖を下方に落とす。
図48(F)~図49(I)は、保持機構310B及び保持機構312Bが長袖シャツLTを保持し、保持機構310Aが奥側袖の最下点を持ち上げた状態で、載置板402を移動させた状態を示す。載置板402を、長袖シャツLTから離れるように下方に移動させ(図48(F))、前側袖を振り払うように載置板402をY方向に移動させ(図49(G))、載置板402に前側袖を掛ける(図49(H))。その後、載置板402を鉛直上方向に移動させる(図49(I))。
図49(J)は、保持機構310Aが、長袖シャツLTの奥側袖を載置板402に引っ掛けている状態を示す。このとき、保持機構310B及び保持機構312Bは、長袖シャツLTを吊るした状態で保持している。載置板402は縁部406が上側になるようにされ、保持機構310Aは、載置板402の縁部406に引っ掛けられた前側袖に重なるように奥側袖を載置板402に引っ掛ける。その後、保持機構310Aは奥側袖を開放する。
図49(K)は、保持機構310B及び保持機構312Bが長袖シャツLTを保持し、かつ前側袖及び奥側袖が載置板402に引っ掛けられた状態を示す。このとき、載置板402の縁部406が前側袖及び奥側袖に当たっている。また、載置板402は縁部406が上側になるように傾斜して配置されている。
図49(L)は、載置板402の縁部406で折り畳まれた状態を示す。保持機構310B及び保持機構312が、長袖シャツLTを保持した状態で、傾斜した載置板402を越えるようにY方向に移動する。その後、長袖シャツLTが引っ掛けられた状態で載置板402を垂直な状態になるように回転させる。
図50(M)は、保持機構310A、保持機構310B及び保持機構312Bが長袖シャツLTを保持して鉛直上方向(Z1方向)に持ち上げた状態を示す。保持機構310A、保持機構310B及び保持機構312Bは、長さ検出部915によって計測された長袖シャツLTの幅内の所定の3点を掴み、長袖シャツLTを載置板402から引き抜く。その後、制御装置900による仕上がり判定が行われる。また、上述した長袖シャツLTの折り畳み工程のうち、いくつかの工程を適宜組み合わせて新たな折り畳み工程が生成されてもよい。また、計測された長袖シャツLTの幅及び/又は長さに応じて、適切な折数が決定され、決定された折数に基づいて折り畳み工程が行われてもよい。また、上述した例では、撮像装置側(Y2方向)に向かって前向きの場合の折り畳みについて説明したが、長袖シャツLTが後ろ向きの場合であっても、前向きと同様の工程を実施して折り畳むことが可能である。
<折り畳み工程(ズボンその1:図51~図54)>
図51(A)は、保持機構310B及び保持機構312BがズボンZTを保持したまま吊り上げた状態を示す。この状態で、長さ検出部915がズボンZTのZ方向の長さを検出する。保持装置制御部904は、長さ検出部915によって検出された長さに応じた所定の折り畳み処理を行う。なお、ズボンZTの長さが所定の範囲外である場合など、被処理物がズボンZTの折り畳み動作を行うのに適していないと判断された場合、保持機構310B及び保持機構312Bは、ズボンZTを受入装置200の所定位置に戻す。
図51(B)~図52(J)は、ズボンZTの長さを計測する一例を示す。制御装置900がズボンZTの折り畳みを行うと判断した場合、まず、図51(B)に示されるように、保持機構312BがズボンZTを保持した状態でロール回転して、別の保持機構310Aが正面からズボンZTを掴める状態にし、図51(C)に示されるように、保持装置制御部904がズボンZTを掴むよう保持装置310Aを制御する。このとき、保持装置310Aは、第1フィンガ372L及び第3フィンガ374で、保持装置312Bが保持する側におけるズボンZTの端部を掴む。そして、図51(D)に示されるように、保持装置312BがズボンZTを開放し、図51(E)に示されるように、保持装置312BがズボンZTの幅方向の略中央に向かってスライドし、ズボンZTの股上部分を掴む。
次に、図51(F)に示されるように、ズボンZTの幅方向の略中央を起点として、ズボンZTを重ね合わせるように、保持機構310Aが保持機構310Bに近づくように移動し、図52(G)に示されるようにズボンZTがその幅方向において重ね合わせられた状態となる。その後、図52(H)に示されるように、保持機構310Aが、ズボンZTの折り込みとは反対側の端部を保持する保持機構310Bに向かって、遠目から合わせていくように移動し、図52(I)に示されるように保持機構310Aが保持機構310Bに近づくようにスライドする。こうして、ズボンZTは幅方向の両端部が略一致した状態で重ね合わせられる。このとき、保持機構310Aは、ズボンZTの両端部の間に配置した第3フィンガ374を介して第1フィンガ372L及び第2フィンガ372RがズボンZTを保持するように、3本のフィンガで保持している。この状態(図52(J))で、長さ検出部915がズボンZTの長さH70を計測する。
図52(K)及び図52(L)は、ズボンZTの皺を伸ばすスキ動作を説明するための図である。図52(K)に示されるように、3本のフィンガで把持している状態で、保持機構310Aが鉛直下方向(Z2方向)へ移動する。このとき、図52(L)に示されるように、保持機構310AはズボンZTの裾の手前まで移動させてもよい。このように、第3フィンガ374をズボンZTの両端の間に入れ込ませ、第1フィンガ372L及び第2フィンガ372RによってズボンZTを両側から挟み込ませた状態で、保持機構310AをズボンZTの長さ方向に移動させることにより、ズボンZTの形状を整えつつその皺を伸ばすことができる。
図53(M)~図53(O)は、ズボンZTを載置板402に掛けた状態でその長さ及び幅を計測する一例を説明する図である。図53(M)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312BがズボンZTを吊り上げ、かつ、保持機構310AがズボンZTの裾の手前で保持した状態で、図中の矢印に示されるように、載置板402を背面側に移動させる。このとき、載置板402は切り欠きを有する縁部406が上向きになるように配置されている。また、ズボンZTを載置板402に掛けるのに適用するように、載置板402は例えば約40度に傾斜していてもよい。載置板402をその縁部406がズボンZTの股下の上部分に当たるように移動させる。次に、図53(N)に示されるように、保持機構310A、保持機構310B及び保持機構312Bが下方に移動し、ズボンZTが載置板402に掛けられる。その後、図53(O)に示されるように、載置板402を垂直に立てて、長さ検出部915が載置板402に載せられたズボンZTの長さH71及び幅W70を検出する。
図53(P)~図54(W)は、ズボンZTの仕上がり判定までの処理を説明する図である。図53(P)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが、幅W70に基づいて所定の2点を保持してズボンZTを鉛直上方向(Z1方向)に持ち上げ、図53(Q)に示されるように、長さH71に基づいてズボンZTを約1/2の位置の水平方向の折れ線で折られるように載置板402に掛けなおす。次に、図53(R)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが、載置板402を用いて約1/2の位置で折られたズボンZTを掴み、図54(S)に示されるように、ズボンZTを載置板402の上方に保持し、この状態で長さ検出部915がズボンZTの長さH72を計測する。その後、長さH72に基づいて、必要に応じて、図54(T)及び図54(U)に示されるようにズボンZTをさらに半分に折る。この状態で、長さ検出部915が載置板402に引っ掛けられたズボンZTの幅W71を計測する。そして、図54(V)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが幅W71内の所定の2点を掴み、図54(W)に示されるように、ズボンZTを載置板402の上方に持ち上げる。その後、制御装置900による仕上がり判定が行われる。
なお、本工程ではズボンZTを約1/4のサイズに折り畳む例を説明したが、折り畳むサイズは限定されるものではない。例えば、図51(A)で計測されたズボンZTの長さが短い場合などは、例えば、約1/2のサイズに折り畳んだ状態で仕上がり判定に移行してもよい。この場合、例えば図53(O)から図54(T)の各処理を省略することができる。
<折り畳み工程(ズボンその2:図55~図58)>
図55(A)は、保持機構310B及び保持機構312BがズボンZTを保持したまま吊り上げた状態を示す。図55(A)の例では、保持機構310BがX1側に配置され、保持機構312BがX2側に配置されている。保持機構310Bは、ズボンZTのX1側の端部から間隔をあけて配置されている。図55(A)では、例えば、保持機構310B及び保持機構312Bはいずれも、第3フィンガ374と、第1フィンガ372L又は第2フィンガ372Rとを用いてズボンZTを保持している。なお、図55(A)において、保持装置制御部904が長さ検出部915によって検出された長さに応じた所定の折り畳み処理等を行う点は、図51(A)の説明と同様である。
図55(B)~図56(G)は、ズボンZTの長さを計測する一例を示す。制御装置900がズボンZTの折り畳みを行うと判断した場合、まず、図55(B)に示されるように、保持機構310Aが、ズボンZTのX1側の端部を保持する。次に、図55(C)に示されるように、保持機構312B及び保持機構310Aが、ズボンZTの幅方向の両端部を保持した状態で、保持機構310Bが、保持機構312Bに近づくようにX1からX2方向に移動する。
次に、図55(D)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312BがいずれもX2方向に移動し、ズボンZTは、保持機構312Bから開放され、保持機構310B及び保持機構310Aによって吊り上げられた状態となる。その後、棒状部材(不図示)をズボンZTの幅方向の略中心に押し当て、それを軸として、保持機構310A及び保持機構310Bが互いに近づくように相対的に移動し、図55(E)及び図55(F)に示されるように、ズボンZTがその幅方向において重ね合わせられた状態となる。図55(F)において、保持機構310A及び保持機構310Bはいずれも3本のフィンガでズボンZTを保持している。そして、図56(G)に示されるように、保持機構310A及び保持機構310Bがロール回転し、ズボンZTの幅方向がX方向に一致する向きに配置される。また、図56(G)に示されるように、保持機構312BがズボンZTのX2側の端部を保持する。保持機構312Bのフィンガは、後工程におけるスキ動作を行うための保持機構310Aと対向するように斜め下方を向いている。この状態で、長さ検出部915がズボンZTの長さH73を計測する。なお、棒状部材は、保持機構を用いて代用してもよい。
図56(H)~図57(M)は、ズボンZTの皺を伸ばすスキ動作を説明するための図である。図56(H)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312BがズボンZTを保持して吊り上げている状態で、保持機構310Aが、ズボンZTの側部においてズボンZTの長さ方向(Z2方向)に移動する。このとき、保持機構310Aは、ズボンZTからフィンガが抜けない程度に保持力を弱めた状態にする。また、保持機構310Aのフィンガは、保持機構312Bと対向するように斜め上方を向いている。
次に、図56(I)に示されるように、保持機構310BがX2からX1方向へ移動する。これによりズボンZTは幅方向の両端部において保持機構310B及び保持機構312Bによって吊り上げられた状態となる。そして、図56(J)に示されるように、保持機構310AがZ2からZ1方向へ戻り、図56(J)及び図56(K)に示されるように、載置板402を回転させながら、ズボンZTに押し当てて奥側及び前側に往復移動させる。その後、3本のフィンガで把持している状態で、保持機構310Aが鉛直下方向(Z2方向)へ移動する。このとき、図56(L)に示されるように、保持機構310AはズボンZTの股付近まで移動させる。その後、図57(M)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが、それらのフィンガがズボンZTを下から掴むようにピッチ回転し、ズボンZTの端部を持ち上げ、この状態で、長さ検出部915がズボンZTの長さH74を検出する。また、図57(M)に示されるように、保持機構310Aはさらに下方に移動し、ズボンZTの残りの部分のスキ動作を行う。保持機構310Aは例えばズボンZTの裾付近まで移動してもよい。第3フィンガ374をズボンZTの両端の間に入れ込ませ、第1フィンガ372L及び第2フィンガ372RによってズボンZTを両側から挟み込ませた状態で、保持機構310AがズボンZTの長さ方向に移動することにより、ズボンZTの形状を整えつつその皺を伸ばすことができる。
図57(N)~図57(Q)は、ズボンZTを載置板402に掛けた状態でその長さ及び幅を計測する一例を説明する図である。図57(N)に示されるように、載置板402の表面を水平な状態にして、載置板402の縁をズボンZTに押し当てる。そして、図57(O)及び図57(P)に示されるように、ズボンZTを載置板402の表面に掛けるように保持機構310A、保持機構310B及び保持機構312Bが移動する。このとき、ズボンZTは、載置板402の幅方向の両端側に垂れ落ちた状態となっている。次に、図57(Q)に示されるように、載置板402を斜めに立てて、長さ検出部915が載置板402に載せられたズボンZTの長さH75及び幅W72を検出する。
図57(R)~図58(X)は、ズボンZTの仕上がり判定までの処理を説明する図である。図57(R)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが、図57(Q)において検出した幅W72に基づいて所定の2点を保持してズボンZTを鉛直上方向(Z1方向)に持ち上げ、図58(S)~図58(U)に示されるように、ズボンZTを長さ方向においてさらに半分に折り畳んだ状態で持ち上げる。その後、図58(V)に示されるように、水平な状態にした載置板402の表面にズボンZTを載せるように、ズボンZTを保持した状態で、保持機構310B及び保持機構312Bが移動する。その後、図58(W)及び図58(X)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが、長さ検出部915により計測されたズボンZTの幅内の所定の2点を保持し、この状態で制御装置900による仕上がり判定が行われる。
<折り畳み工程(ズボンその3:図59~図64)>
図59(A)は、保持機構310B及び保持機構312BがズボンZTを保持したまま吊り上げた状態を示す。保持装置制御部904が長さ検出部915によって検出された長さに応じた所定の折り畳み処理等を行う点は、図51(A)の説明と同様である。
図59(B)~図59(F)は、ズボンZTの長さを計測する一例を示す。制御装置900がズボンZTの折り畳みを行うと判断した場合、まず、図59(B)に示されるように、保持機構310BがズボンZTを保持した状態でX1からX2方向に移動し、保持機構310AがX1側からズボンZTの側部を掴む。次に、図59(C)に示されるように、保持機構310BがズボンZTを開放し、保持機構310Aが保持機構312Bから離れる方向に開く。こうしてズボンZTの幅方向のたるみが解消された状態で、長さ検出部915がズボンZTの幅W73を計測する。その後、図59(D)に示されるように、保持機構310Aを上方向に引き上げ、保持機構310BがズボンZTの幅方向の中心付近を掴む。次に、図59(E)に示されるように、ズボンZTの幅方向の略中央を掴む保持機構310Bを起点として、ズボンZTを重ね合わせるように、保持機構310Aが保持機構312Bに近づくように移動する。こうして、図59(F)に示されるように、ズボンZTがその幅方向において重ね合わせられた状態となる。この状態で、長さ検出部915がズボンZTの長さH76を計測する。
図60(G)~図64(W)は、ズボンZTの裾部分が内側に隠れるように折り畳む一例を説明する図である。図60(G)に示されるように、保持機構310A、保持機構310B及び保持機構312BがズボンZTを吊り上げた状態で、載置板402の表面を水平な状態にして、載置板402の縁をズボンZTに押し当てる。そして、図60(H)及び図60(I)に示されるように、ズボンZTを載置板402の表面に掛けるように保持機構310A、保持機構310B及び保持機構312Bが移動する。このとき、ズボンZTは、裾部が縁部406側になるように載置板402の幅方向の両端側に垂れ落ちた状態となっている。この状態で、長さ検出部915が、ズボンZTの幅W74と、載置板402の幅方向の両端側に垂れ落ちたズボンZTのそれぞれの長さH77、H78とを検出する。
次に、図61(J1)及び図61(J2)に示されるように、載置板402を縁部406が上側になるように傾斜させ、図61(K1)及び図61(K2)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが、図60(I)で計測したズボンZTの幅内の所定の2点を保持する。保持機構310B及び保持機構312Bは、傾斜した載置板402の縁に相対するよう斜め上方からズボンZTを掴む。そして、図61(L)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312BがズボンZTを保持して吊り上げる。このとき、ズボンZTが水平方向から僅かに傾いて位置ずれしているので、図62(M)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bがピッチ回転してズボンZTの位置ずれを補正する。その後、図62(N)及び図62(O)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが移動して、縁部406が上側になるように傾斜された載置板402にズボンZTを掛ける。ズボンZTは、滑り止め機能を有する載置板402の表面に載せられる。なお、図62(O)は、図62(N)の状態をX方向から示す図である。
図62(P)に示されるように、長さ検出部915が載置板402に引っ掛けられたズボンZTの幅W75を計測する。次に、保持機構310B及び保持機構312Bが、図62(P)で計測したズボンZTの幅内の所定の2点を保持する。保持機構310B及び保持機構312Bは、傾斜した載置板402の縁に相対するよう斜め上方からズボンZTを掴む。こうして、図62(Q)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312BがズボンZTを保持して吊り上げる。この状態で、長さ検出部915がズボンZTの長さH79を検出する。
次に、図63(R1)及び図63(R2)に示されるように、載置板402を90度回転させ、ズボンZTの折り畳まれた部分が載置板402の表面に接触するように、ズボンZTをさらに折るように保持機構310B及び保持機構312Bが移動する。また、保持機構310B及び保持機構312BはズボンZTを開放する。この状態で、長さ検出部915がズボンZTの幅を計測する。次に、図63(S1)及び図63(S2)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが、載置板402を用いてズボンZTの幅内の所定の2点を保持する。このとき、保持機構310B及び保持機構312Bは、傾斜した載置板402の縁に相対するよう斜め上方からズボンZTを掴む。次に、図63(T1)及び図63(T2)に示されるように、ズボンZTの折り畳まれた部分が載置板402の表面に接触するように、ズボンZTをさらに折るように保持機構310B及び保持機構312Bが移動する。また、保持機構310B及び保持機構312BはズボンZTを開放する。この状態で、長さ検出部915がズボンZTの幅を計測する。次に、図64(U1)及び図64(U2)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが、載置板402を用いてズボンZTの幅内の所定の2点を保持する。このとき、保持機構310B及び保持機構312Bは、傾斜した載置板402の縁に相対するよう斜め上方からズボンZTを掴む。そして、図64(V1)及び図64(V2)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが、載置板402の上方でズボンZTを保持して吊り上げる。こうして、図64(W)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bによって吊り上げられた状態で、制御装置900による仕上がり判定が行われる。
なお、ズボンZTの裾部分が内側に隠れるように折り畳むための折り畳み回数は、ズボンZTの長さに応じて適宜設定することができる。また、ズボンZTの長さ計測は、既に説明したタイミングで行われるものに限らず、折り畳む処理を行うために必要なタイミングで適宜行うことができる。
<折り畳み工程(ズボンその4:図65~図66)>
本変形例は、図59(A)から図59(F)までは既に説明した「ズボンその4」の態様と同様である。それ以降の工程を説明する。
図65(A)~図66(M)は、ズボンZTの折り畳み方の他の一例を説明する図である。図65(A)及び図65(B)に示されるように、保持機構310A、保持機構310B及び保持機構312BがズボンZTを吊り上げた状態で、載置板402を用いてたくし上げながらズボンZTをほぐす。例えば、載置板402とズボンZTとの位置が前及び奥に交互に入れ替わるように、保持機構310A、保持機構310B及び保持機構312B、又は、載置板402が移動する。このとき、載置板402は水平な状態であり、載置板402の縁をズボンZTの股付近に当てる。
次に、図65(C)に示されるように、前側に配置された載置板402を斜め又は垂直に立てる。そして、図65(D)に示されるように、載置板402を用いてたくし上げながらズボンZTをさらにほぐす。その後、図65(E)に示されるように、ズボンZTの股の付近に接触するように載置板402の縁部406を上方から斜めに当て、ズボンZTの約1/2の長さである破線部に縁部406が接するように保持機構301A,301Bを移動させる。こうして、図65(F)に示されるように、載置板402をズボンZTの長さ約1/2の水平な折れ線に沿って折る。
図66(G)に示されるように、ズボンZTを約1/2の長さで折った後、保持機構310A、保持機構310B及び保持機構312BがズボンZTを開放する。次に、図66(H)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが、約1/2に折られた状態で載置板402に引っ掛けられたズボンZTを、載置板402を用いて掴み、鉛直上方向に持ち上げる。次に、図66(I)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312BがズボンZTを保持して吊り上げた状態で、ズボンZTの長さを計測し、ズボンZTの約1/2の長さである破線部において、ズボンZTをさらに折るよう保持機構310B及び保持機構312Bを制御する。こうして、図66(J)に示されるように、ズボンZTを約1/4の長さになるよう折り、図66(K)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが、載置板402に引っ掛けられたズボンZTを、載置板402を用いて掴み、鉛直上方向に持ち上げる。このようにして、長さ方向に約1/4に折り畳まれたズボンZTが載置板402から引き抜かれ、その後、図66(L)で制御装置900による仕上がり判定が行われる。
なお、本変形例においてズボンZTの幅及び長さは適宜のタイミングで計測することができる。また、折り畳まれたズボンZTの裾同士が位置ずれしている場合などは、保持機構をピッチ回転させるなどしてズボンZTの位置ずれを補正すればよい。また、上述したズボンZTの折り畳み工程のうち、いくつかの工程を適宜組み合わせて新たな折り畳み工程が生成されてもよい。また、計測されたズボンZTの幅及び/又は長さに応じて、適切な折数が決定され、決定された折数に基づいて折り畳み工程が行われてもよい。
<折り畳み工程(タオルその1:図67~図70)>
図67(A)は、保持機構310B及び保持機構312BがタオルTTを保持したまま吊り上げた状態を示す。図67(A)の例では、保持機構310BがX1側に配置され、保持機構312BがX2側に配置されている。保持機構310Bは、タオルTTのX1側の端部から間隔をあけて配置されている。なお、図67(A)において、保持装置制御部904が長さ検出部915によって検出された長さに応じた所定の折り畳み処理等を行う点は、図51(A)の説明と同様である。
図67(B)~図67(G)は、タオルTTの長さを計測する一例を示す。制御装置900がタオルTTの折り畳みを行うと判断した場合、まず、図67(B)に示されるように、保持機構310Aが、タオルTTのX1側の端部を保持する。次に、図67(C)に示されるように、保持機構312B及び保持機構310Aが、タオルTTの幅方向の両端部を保持した状態で、保持機構310Bが、保持機構312Bに近づくようにX1からX2方向に移動する。
次に、図67(D)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312BがいずれもX2方向に移動し、ズボンZTは、保持機構312Bから開放され、保持機構310B及び保持機構310Aによって吊り上げられた状態となる。その後、棒状部材(不図示)をタオルTTの幅方向の略中心に押し当て、それを軸として、保持機構310A及び保持機構310Bが互いに近づくように相対的に移動し、図67(E)及び図67(F)に示されるように、タオルTTがその幅方向において重ね合わせられた状態となる。図67(F)において、保持機構310A及び保持機構310Bはいずれも3本のフィンガでタオルTTを保持している。そして、図68(G)に示されるように、保持機構310A及び保持機構310Bがロール回転し、タオルTTの幅方向がX方向に一致する向きに配置される。また、図68(G)に示されるように、保持機構312BがタオルTTのX2側の端部を保持する。この状態で、長さ検出部915がタオルTTの長さを計測する。
図68(H)は、タオルTTの皺を伸ばすスキ動作を示す。保持機構310B及び保持機構312BがタオルTTを保持して吊り上げている状態で、保持機構310Aが、タオルTTの側部においてタオルTTの長さ方向(Z2方向)に移動する。このとき、保持機構310Aは、タオルTTからフィンガが抜けない程度に保持力を弱めた状態にする。第3フィンガ374をタオルTTの両端の間に入れ込ませ、第1フィンガ372L及び第2フィンガ372RによってタオルTTを両側から挟み込ませた状態で、保持機構310AがタオルTTの長さ方向に移動することにより、タオルTTの形状を整えつつその皺を伸ばすことができる。
図68(I)~図68(L)は、タオルTTを載置板402に掛けた状態でその長さ及び幅を計測する一例を説明する図である。図68(I)に示されるように、載置板402の表面を水平な状態にして、載置板402の縁をタオルTTに押し当てる。そして、図68(J)及び図68(K)に示されるように、タオルTTを載置板402の表面に掛けるように保持機構310A、保持機構310B及び保持機構312Bが移動する。このとき、タオルTTは、載置板402の幅方向の両端側に垂れ落ちた状態となっている。次に、図68(L)に示されるように、載置板402を斜めに立てて、長さ検出部915が載置板402に載せられたタオルTTの長さH80及び幅W80を検出する。
図69(M)~図70(V)は、タオルTTの仕上がり判定までの処理を説明する図である。図69(M)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが、図68(L)において検出した幅W80に基づいて所定の2点を保持してタオルTTを載置板402を用いて掴む。そして、図69(N)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが、タオルTTを鉛直上方向(Z1方向)に持ち上げ、図69(O)~図69(R)に示されるように、タオルTTを長さ方向においてさらに半分に折り畳んだ状態で持ち上げる。その後、図70(S)及び図70(T)に示されるように、水平な状態にした載置板402の表面にタオルTTを載せるように、保持機構310B及び保持機構312Bが移動する。その後、図70(U)及び図70(V)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが、長さ検出部915により計測されたズボンZTの幅内の所定の2点を保持し、この状態で制御装置900による仕上がり判定が行われる。
<折り畳み工程(タオルその2:図71~図74)>
図71(A)は、保持機構310B及び保持機構312BがタオルTTを保持したまま吊り上げた状態を示す。保持装置制御部904が長さ検出部915によって検出された長さに応じた所定の折り畳み処理等を行う点は、図51(A)の説明と同様である。
図71(B)~図72(I)は、タオルTTの長さを計測する一例を示す。制御装置900がタオルTTの折り畳みを行うと判断した場合、まず、図71(B)に示されるように、保持機構310BがタオルTTを保持した状態でX1からX2方向に移動し、図71(C)に示されるように、保持機構310AがX1側からタオルTTの側部を掴む。次に、図71(D)に示されるように、保持機構310BがタオルTTを開放し、図71(E)に示されるように、保持機構310Aが保持機構312Bから離れる方向に開く。こうしてタオルTTの幅方向のたるみが解消された状態で、長さ検出部915がタオルTTの幅方向を計測する。その後、図71(F)に示されるように、保持機構310Aを上方向に引き上げ、図72(G)に示されるように、保持機構310BがタオルTTの幅方向の中心付近を掴む。次に、図72(H)に示されるように、タオルTTの幅方向の略中央を掴む保持機構310Bを起点として、タオルTTを重ね合わせるように、保持機構310Aが保持機構312Bに近づくように移動する。こうして、図72(I)に示されるように、タオルTTがその幅方向において重ね合わせられた状態となる。この状態で、長さ検出部915がタオルTTの長さを計測する。
図72(J)~図72(L)は、タオルTTを載置板402に掛けた状態でその長さ及び幅を計測する一例を説明する図である。図72(J)に示されるように、載置板402の表面を水平な状態にして、載置板402の縁をタオルTTに押し当てる。そして、図72(K)に示されるように、タオルTTを載置板402の表面に掛けるように保持機構310A、保持機構310B及び保持機構312Bが移動する。このとき、タオルTTは、載置板402の幅方向の両端側に垂れ落ちた状態となっている。そして、図72(L)に示されるように、長さ検出部915が載置板402に載せられたタオルTTの長さ及び幅を検出する。また、端点検出部922が、タオルTTの前側の最下点P71及びP72を検出する。
図73(M)~図74(W)は、タオルTTの仕上がり判定までの処理を説明する図である。図73(M)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが最下点P71及びP72を掴む。このとき、保持機構310B及び保持機構312Bは、ロータリアクチュエータにより鉛直上向きにされており、これによりタオルTTの端点を下方から容易に保持することができる。
次に、図73(N)に示されるように、鉛直上向きにされた保持機構310B及び保持機構312Bが、タオルTTを保持した状態で鉛直上方向(Z1方向)に移動する。そして、図73(O)に示されるように、水平な状態にした載置板402の表面にタオルTTを載せるように、タオルTTを保持した状態で、保持機構310B及び保持機構312Bが移動する。その後、図73(P)に示されるように、長さ検出部915がタオルTTの幅を検出し、保持機構310B及び保持機構312Bが、所定の2点を保持してタオルTTを、載置板402を用いて掴み、図73(Q)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが、タオルTTを鉛直上方向(Z1方向)に持ち上げる。その後、図73(R)~図74(U)に示されるように、タオルTTを長さ方向においてさらに半分に折り畳んだ状態で持ち上げる。その後、図74(V)に示されるように、水平な状態にした載置板402の表面にタオルTTを載せるように、保持機構310B及び保持機構312Bが移動する。その後、保持機構310B及び保持機構312Bが、長さ検出部915により計測されたタオルTTの幅内の所定の2点を保持し、この状態で制御装置900による仕上がり判定が行われる。
<折り畳み工程(タオルその3:図75~図77)>
図75(A)は、保持機構310B及び保持機構312BがタオルTTを保持したまま吊り上げた状態を示す。この状態で、長さ検出部915がタオルTTのZ方向の長さを検出する。保持装置制御部904は、長さ検出部915によって検出された長さに応じた所定の折り畳み処理を行う。なお、タオルTTの長さが所定の範囲外である場合など、被処理物がタオルTTの折り畳み動作を行うのに適していないと判断された場合、保持機構310B及び保持機構312Bは、タオルTTを受入装置200の所定位置に戻す。
図75(B)は、載置板402の縁をタオルTTの長さ約1/2に当てている状態を示す。このとき、載置板402の表面は水平な状態となっている。図75(A)において検出されたタオルTTの長さに基づいて、タオルTTの長さ方向(Z方向)の約1/2の水平な折れ線に載置板402の縁を当てるように保持機構310B及び保持機構312Bが制御される。
図75(C)は、タオルTTが載置板402の表面に掛けられた状態を示す。タオルTTは、載置板402の幅方向の両端側に垂れ落ちた状態となっている。この状態において、長さ検出部915がタオルTTの長さ及び幅を検出する。また、端点検出部922が、タオルTTの前側における両端の最下点と、タオルTTの奥側における両端の最下点をそれぞれ検出する。こうして検出された4つの最下点に基づいて、ずれ補正部918は、タオルTTの前後及び左右のずれの有無を判定する。そして、ずれ補正部918がずれが生じていると判定した場合、保持装置制御部904は、タオルTTのずれを解消するよう保持機構310B及び保持機構312Bを制御する。なお、ずれ補正部918による判定内容及びずれ補正の具体的処理は、上記展開工程において説明した内容を適用することができる。
図76(D)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、載置板402に引っ掛けられたタオルTTを掴む状態を示す。図75(C)のずれ補正後、載置板402を水平から垂直に回転させ、垂直に立てた載置板402に引っ掛けられた状態のタオルTTの長さ及び幅を検出する。そして、図76(D)に示されるように、保持機構310B及び保持機構312Bが、載置板402を用いてタオルTTの幅内の所定の2点を保持する。
図76(E)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、タオルTTを保持したまま吊り上げた状態を示す。このとき、タオルTTは約1/2の長さに折り畳まれている。その後、保持機構310B及び保持機構312Bが、タオルTTを保持したまま鉛直上方向(Z1方向)に移動する。
図76(F)は、タオルTTの長さをさらに約1/2に折った状態を示す。この場合も、図75(C)と同様に、タオルTTの長さ及び幅を検出するとともに、タオルTTの前側及び奥側の各最下点を検出し、必要に応じてずれ補正を行う。
図77(G)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、タオルTTを保持したまま吊り上げた状態を示す。このとき、タオルTTは約1/4の長さに折り畳まれている。その後、保持機構310B及び保持機構312Bが、タオルTTを保持したまま鉛直上方向(Z1方向)に移動する。
図77(H)は、タオルTTをX方向からY方向に90度回転した状態を示す。長さが約1/4に折り畳まれたタオルTTを、さらにその幅方向において約1/2に折り畳むために、保持機構310B及び保持機構312BがタオルTTの向きを90度回転させる。このとき載置板402は垂直に立てられている。
図77(I)は、タオルTTの幅方向の約1/2の折れ線に載置板402の縁を当てる状態を示す。タオルTTを載置板402の縁に沿わせて、タオルTTを幅方向に半分に折る。
図77(J)は、タオルTTの幅を約1/2に折った状態を示す。この場合も、図75(C)と同様に、タオルTTの長さ及び幅を検出するとともに、タオルTTの前側及び奥側の各最下点を検出し、必要に応じてずれ補正を行う。
図77(K)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、タオルTTを保持したまま吊り上げた状態を示す。このとき、タオルTTは約1/4の長さに折り畳まれ、さらにその幅が約1/2に折り畳まれた状態となっている。この状態で制御部900による仕上がり判定が行われる。また、上述したタオルTTの折り畳み工程のうち、いくつかの工程を適宜組み合わせて新たな折り畳み工程が生成されてもよい。また、計測されたタオルTTの幅及び/又は長さに応じて、適切な折数が決定され、決定された折数に基づいて折り畳み工程が行われてもよい。
<折り畳み工程(半袖シャツその1:図78~図81)>
図78乃至図81で説明する半袖シャツの折り畳みは、両袖を載置板402に掛けて、両袖をまとめて折る畳み方である。なお、半袖シャツは、襟の有無は問わない。図78(A)は、展開終了後の半袖シャツSTの一例を示す図である。図78(A)は、図32(U)と同じ状態であり、半袖シャツSTの裾から襟付近までの略着丈の長さH90が、長さ検出部915により検出される。
図78(B1)は、半袖シャツSTが、裾から約3分の1の位置で載置板402の縁部406に載置されている状態を示す。例えば、保持装置制御部904は、図78(A)で計測された長さH90の約1/3の位置を長さ検出部915から取得する。保持装置制御部904は、裾から約1/3の位置の水平方向の折れ線で半袖シャツSTが折られるように、保持機構310B及び保持機構312Bを制御する。例えば、保持装置制御部904は、載置板402の縁部406と折れ線とが合うように、半袖シャツSTを載置する。次に、長さ検出部915は、撮像装置500により撮像された画像データを用いて、載置板402に載置された半袖シャツSTの幅W90(P90からP91まで)を計測する。
図78(B2)は、YZ平面における半袖シャツSTの状態を示す図である。図78(B2)に示す例では、載置装置制御部906は、載置板402を、水平な状態から、背面側(Y2)の縁を約40度上げるよう制御する。半袖シャツSTは、保持機構が保持する裾部から略1/3の位置で載置板402の縁部406に掛けられ、袖部を有する残りの部分が、縁部406から鉛直下方向に垂れ下がっている。これにより、載置板402の縁部406には滑り止めが設置されており、さらに角度をつけることで、半袖シャツSTを滑り落ちにくくすることが可能である。
図78(C)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、載置板402を用いて折り畳まれている部分を保持しようとしている状態を示す。例えば、保持装置制御部904は、長さ検出部915により計測された幅W90内の所定の2点を、保持機構310B、312Bが保持するように制御する。
図79(D)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、半袖シャツSTの折り畳まれた部分を保持したまま吊り上げた状態を示す。例えば、保持装置制御部904は、保持装置300Bを鉛直上方向に移動させる。このとき、保持機構310B、312Bは、半袖シャツSTを保持したままであり、長さ検出部915は、半袖シャツSTの長さH91を計測する。
図79(E1)は、半袖シャツSTが裾から約3分の2の位置で載置板402の縁部406に載置されている状態を示す。例えば、保持装置制御部904は、図79(D)で計測された長さH91の約1/2の位置を長さ検出部915から取得する。保持装置制御部904は、取得した約1/2の位置の水平方向の折れ線で折られるように、保持機構310B及び保持機構312Bを制御する。例えば、保持装置制御部904は、載置板402の縁部406と折れ線とが合うように、半袖シャツSTを載置する。次に、長さ検出部915は、撮像装置500により撮像された画像データを用いて、載置板402に載置された半袖シャツSTの幅W91(P92からP93まで)を計測する。
図79(E2)は、YZ平面における半袖シャツSTの状態を示す図である。図79(E2)に示す例では、載置装置制御部906は、載置板402を、水平な状態から、背面側(Y2)の縁を約40度上げるよう制御する。半袖シャツSTは、保持機構が保持する部分から略1/2(全体の略2/3)の位置で載置板402の縁部406に掛けられ、袖部を有する残りの部分が、縁部406から鉛直下方向に垂れ下がっている。これにより、載置板402の縁部406には滑り止めが設置されており、さらに角度をつけることで、半袖シャツSTを滑り落ちにくくすることが可能である。
図79(F)は、保持機構310A及び保持機構310Bが、載置板402の縁を用いて折り畳まれている部分を保持しようとしている状態を示す。例えば、保持装置制御部904は、長さ検出部915により計測された幅W91内の所定の2点を、保持機構310A、310Bが保持するように制御する。
このとき、保持装置制御部904は、半袖シャツSTを把持する際の保持機構のピッチ角の角度を調節する。具体的には、保持装置制御部904は、載置板402の板と略平行になるように、保持機構のピッチ角を制御する。これにより、載置板402に角度をつけて滑り落ちにくくした状態で、載置板402と略平行な方向から半袖シャツSTを載置板ごと保持する。
図80(G)は、保持機構310A及び保持機構310Bが、半袖シャツSTの折り畳まれた部分を保持したまま吊り上げた状態を示す。例えば、保持装置制御部904は、保持機構310A及び保持機構310Bを鉛直上方向に移動させる。このとき、保持機構310A及び保持機構310Bは、半袖シャツSTを保持したままであり、長さ検出部915は、長さH92を計測する。
このとき、載置装置制御部906は、載置板402を、水平な状態(XY平面に平行な状態)に戻すように制御する。
図80(H)は、半袖シャツSTを回転させる例を示す図である。図80(H)に示す例では、保持装置制御部904は、保持機構310A及び保持機構310Bを、それぞれの高さ及び幅を保ったまま、X1方向から見て時計回りに略90度回転させる。
図80(I)は、載置板402の両側から、半袖シャツSTの両袖を垂れ下ろした状態を示す。図80(I)に示す例では、保持装置制御部904は、撮像装置500により送信される連続した画像データを取得し、これらの画像データを用いて、載置板402の短手方向の幅が、半袖シャツSTの両袖の間にくるように、保持機構310A及び保持機構310Bの移動を制御する。また、保持装置制御部904は、半袖シャツSTの首部から載置板402に沿わしながら半袖シャツSTを載置板402に載置する。このとき、載置板402の表面には摩擦を有する部材410があるため、首部が摩擦抵抗により滑りにくくなっていることにより、首部がX2方向に残り、襟などが出やすくなっている。
図80(J)は、半袖シャツSTの長さ及び最下点の計測の例を示す。図80(J)に示す例では、長さ検出部915は、撮像装置500から取得した画像データを用いて、載置板402に載置された状態の半袖シャツSTの幅W92(P94からP96)を計測する。また、端点検出部922は、撮像装置500から取得した画像データを用いて、最下点P95を検出する。また、長さ検出部915は、長さH93(P94からP95)を計測する。このとき、載置板402は、載置装置制御部906により、垂直にされる。
図80(K)は、保持機構310B及び保持機構312Bが、載置板402を用いて折り畳まれている部分を保持し、半袖シャツSTを吊り上げている状態を示す。例えば、保持装置制御部904は、載置板402に載置された半袖シャツSTの幅W92内の所定の2点を、保持装置310B,312Bが保持するように制御する。
図81(L1)は、保持機構310B及び保持機構312Bを鉛直下側に移動させ、半袖シャツSTを折り畳む例を示す。図81(L1)に示す例では、保持装置制御部904は、計測された長さH93を用いて、折り畳み線を決定し、折り畳み線と載置板402の縁部406とを合わせるようにして、半袖シャツSTを載置板402に掛ける。なお、載置板402は、縁部406が上方に位置し、さらに略45度に回転制御される。これにより、半袖シャツSTの滑り落ちを防止することができる。
図81(L2)は、YZ平面における半袖シャツSTの状態を示す図である。図81(L2)に示す例では、載置装置制御部906は、載置板402を、水平な状態から、背面側(Y2)の縁を傾斜させるよう制御する。半袖シャツSTは、長さH93の略1/2(全体の略2/3)の位置で載置板402の縁部406に掛けられ、袖部を有する残りの部分が、縁部406から鉛直下方向に垂れ下がっている。また、図80(K)に示す状態で、保持機構310B,312Bが保持する半袖シャツSTの裏側にある折り畳まれた袖部を、載置板の表面(図81(L2)に示す載置板402の鉛直上方向)に引っ掛けるように載置板402に掛ける。すなわち、図81(L2)において、載置板402の表面(上面)に直接載置されるのは半袖シャツの袖部である。これにより、載置板402の縁部406には滑り止めが設置されており、載置板402に角度をつけ、さらに、載置板402の表面の摩擦を有する部材410に半袖シャツSTを載置することで、半袖シャツSTを滑り落ちにくくすることが可能である。
図81(M1)は、保持装置300が、折り畳まれた半袖シャツSTを保持しようとする例を示す。図81(M1)に示す例では、保持機構312Bが半袖シャツSTの左端部、保持機構310Bが半袖シャツSTの中央部、保持機構310Aが半袖シャツSTの右端部を保持する。これにより、保持装置300は、折り畳まれた半袖シャツSTを安定的に保持することができる。
図81(M2)は、YZ平面における保持装置300の角度を示す図である。図81(M2)に示す例では、保持装置制御部904は、半袖シャツSTを把持する際の保持機構のピッチ角の角度を調節する。具体的には、保持装置制御部904は、載置板402の板と略平行になるように、保持機構のピッチ角を制御する。これにより、載置板402に角度をつけて滑り落ちにくくした状態で、載置板402と略平行な方向から半袖シャツSTを載置板ごと保持する。このとき、保持装置300は、中に折り畳まれた袖部を掴むように半袖シャツSTを保持する。
図81(N)は、保持装置300が、折り畳まれた半袖シャツSTを保持し、吊り上げている例を示す。上述したとおり、保持装置300が折り畳まれた袖部を保持しているため、袖落ちを防止することができる。
このとき、制御装置900は、適切に折りたためているかを画像認識により判定することができる。制御装置900は、被処理物の種類ごとに、適切な仕上がり状態の画像を保持して起き、この正解画像とのパターンマッチングなどで、仕上がり判定をしてもよい。この後、収納工程に移るが、図28(AA)で説明した収納工程と同様であるため、その説明を省略する。
<折り畳み工程(半袖シャツその2:図82~図86)>
図82乃至図86で説明する半袖シャツの折り畳み方は、両袖を載置板402に掛けて、片袖ずつ個別に折り畳む方法である。半袖シャツその2の折り畳み方は、半袖シャツその1の図80(G)までは同じ動作を行うため、その説明を省略する。すなわち、以下では、半袖シャツSTが略1/3折られた状態から説明する。
図82(A)は、保持機構310A及び保持機構310Bが、半袖シャツSTの折り畳まれた部分を保持したまま吊り上げた状態を示す。このとき、載置装置制御部906は、載置板402が水平になるように制御する。
図82(B)は、半袖シャツSTを回転させる例を示す図である。図82(B)に示す例では、保持装置制御部904は、保持機構310A及び保持機構310Bを、それぞれの高さ及び幅を保ったまま、X1方向から見て反時計回りに略90度回転させる。
図82(C)は、載置板402の両側から、半袖シャツSTの両袖を垂れ下ろした状態を示す。図82(C)に示す例では、保持装置制御部904は、載置板402の短手方向の幅が、半袖シャツSTの両袖の間にくるように、保持機構310A及び保持機構310Bの移動を制御する。また、保持装置制御部904は、半袖シャツSTの首部から載置板402に沿わしながら半袖シャツSTを載置板402に載置する。このとき、載置板402の表面には摩擦を有する滑り止め部材410があるため、首部が摩擦抵抗により滑りにくくなっていることにより、首部がX2方向に残り、襟などが出やすくなっている。
図82(D)は、半袖シャツSTの撮像装置500側(Y2方向)の袖の幅を計測する例を示す図である。図82(D)に示す例では、長さ検出部915は、撮像装置500により撮像された画像データを用いて、載置板402から垂れ下がっている左右の下端部(P100、P101)を検出し、その幅W100を計測する。このとき、保持機構310A及び保持機構310Bは、半袖シャツSTを開放している。
図82(E)は、保持機構310Bが、半袖シャツSTの片袖の任意の点を保持する例を示す図である。図82(E)に示す例では、保持装置制御部904が、計測された幅W100内の任意の点を保持機構310Bが保持するように制御する。
図82(F)は、半袖シャツSTの袖部を折り畳む例を示す図である。図82(F)に示す例では、保持装置制御部904は、保持機構310Bを移動制御し、保持されている袖部が載置板402に掛けられるようにする。
図83(G)は、撮像装置500側において、載置板402から垂れ下がっている半袖シャツSTの幅を計測する例を示す図である。図83(G)に示す例では、長さ検出部915は、撮像装置500により撮像された画像データを用いて、載置板402から垂れ下がっている左右の下端部P103,104を検出し、その幅W101を計測する。
図83(H)は、保持機構310B及び312Bが、載置板402から垂れ下がる半袖シャツSTの幅内の所定の2点を保持する例を示す図である。図83(F)に示す例では、保持装置制御部904が、計測された幅W101内の所定の2点を保持機構310B及び312Bが保持するように制御する。所定の2点は、好ましくは、X2方向の袖側の1点、及びX1方向の裾部の1点である。
図83(I)は、保持機構310B,312Bが保持する部分を折り畳む例を示す図である。図83(I)に示す例では、保持装置制御部904は、保持機構310B、312Bを移動制御し、保持されている部分が載置板402に掛けられるようにする。
図83(J)は、半袖シャツSTの正面側(Y1方向)の袖(以下、「逆袖」ともいう)の幅を計測する例を示す図である。図83(J)に示す例では、長さ検出部915は、撮像装置500により撮像された画像データを用いて、載置板402から垂れ下がっている左右の下端部(P105、P106)を検出し、その幅W102を計測する。このとき、保持機構310B及び保持機構312Bは、半袖シャツSTを開放している。
図83(K)は、保持機構310Aが、半袖シャツSTの逆袖の任意の点を保持する例を示す図である。図83(K)に示す例では、保持装置制御部904が、計測された幅W102内の任意の点を保持機構310Aが保持するように制御する。このとき、Y1方向に設置されている保持機構310Aが、半袖シャツSTの保持に用いられる。
図83(L)は、保持機構310Aが、半袖シャツSTの逆袖の任意の点を保持し、吊り上げる例を示す図である。図83(L)に示す例では、保持装置制御部904は、保持機構310Aを移動制御し、載置板402よりも上方の位置に逆袖を吊り上げる。
図83(M)は、半袖シャツSTの袖部を折り畳む例を示す図である。図83(M)に示す例では、保持装置制御部904は、保持機構310Aを移動制御し、保持されている袖部が載置板402に掛けられるようにする。
図84(N)は、載置板402から垂れ下がってる半袖シャツSTの下端部を保持する例を示す図である。図84(M)に示す例では、保持機構310Aが左下端部を保持する例を示す。なお、左下端部は、端点検出部922や長さ検出部915により検出可能である。
図84(O)は、左下端部の受け渡しの一例を示す図である。図84(O)に示す例では、保持機構310Aが左下端部を吊り上げた後に、保持機構312Bが、この左下端部を保持するように、保持装置制御部904が制御する。受け渡しが完了すると、保持機構310Aにより保持されている点が開放される。
図84(P)は、載置板402から垂れ下がってる半袖シャツSTの下端部を保持する例を示す図である。図84(P)に示す例では、保持機構310Aが右下端部を保持する例を示す。なお、右下端部は、端点検出部922や長さ検出部915により検出可能である。
図84(Q)は、右下端部の受け渡しの一例を示す図である。図84(Q)に示す例では、保持機構310Aが右下端部を吊り上げた後に、保持機構310Bが、この右下端部を保持するように、保持装置制御部904が制御する。受け渡しが完了すると、保持機構310Aにより保持されている点が開放される。
図84(R)は、保持機構310B,312Bが保持する部分を折り畳む例を示す図である。図84(R)に示す例では、保持装置制御部904は、保持機構310B、312Bを移動制御し、保持されている部分が載置板402に掛けられるようにする。
図85(S)は、載置板402に載置された半袖シャツSTの幅を計測する例を示す図である。図85(S)に示す例では、長さ検出部915は、撮像装置500により撮像された画像データを用いて、載置板402に載置されている左右の端部(P107、P108)を検出し、その幅W103を計測する。このとき、保持機構310B及び保持機構312Bは、半袖シャツSTを開放している。
図85(T)は、棒状部材610でTシャツSTを抑え、Tシャツの裾部(X1方向の端部)を保持装置300が保持する例を示す図である。図85(T)に示す例では、支持装置制御部910は、計測された幅W103の中間位置のY方向に棒状部材610が位置するように、棒状部材610を回動させる。また、保持装置制御部904は、保持機構310Aが、裾部におけるY1方向の端部を保持し、保持機構310Bが、裾部におけるY2方向の端部を保持するように制御する。
図85(U)は、保持機構310A、及び保持機構310Bを棒状部材610の折位置まで持ち上げている例を示す図である。図85(U)に示す例では、保持装置制御部904は、保持機構310A、310Bが棒状部材610の鉛直上方向に位置するように制御する。
図85(V)は、棒状部材610が回動されて収納されている例を示す図である。図85(V)に示す例では、支持装置制御部910は、棒状部材610を回動させて、X方向に収納する。なお、棒状部材610の外側は、棒状部材610の中心軸に対して回転自在に形成される。これにより、棒状部材610を回動させる際に、外側が回動方向に回転することにより、TシャツSTとの間で摩擦を生じさせにくく、棒状部材610の回動に合わせてTシャツSTを引っ張りにくくなる。
図85(W)は、保持機構310A、及び保持機構310BをTシャツの左端部P107の位置まで折り畳む例を示す図である。図85(W)に示す例では、保持装置制御部904は、保持機構310A、310Bが、計測された左端部P107の位置まで移動するように制御する。
図85(X)は、保持機構310A、及び保持機構310Bが首部及び裾部を保持する例を示す図である。図85(X)に示す例では、保持装置制御部904は、保持機構310A,310Bの第1フィンガ及び第2フィンガを互いに離れる方向に回動させ、再度第1フィンガ及び第2フィンガを互いに近づく方向に回動させる。このとき、保持機構310A,310Bは、ピッチ角の回動を用いて、鉛直方向から(例えば略40度)TシャツST側に傾いている。これにより、TシャツSTの首部及び裾部を保持しやすくなる。なお、Tシャツの首部は、載置板402側にあり、裾部は、鉛直上方向にある。
図86(Y)は、保持機構310A及び保持機構310Bが、半袖シャツSTの折り畳まれた部分を保持したまま吊り上げた状態を示す。
図86(Z)は、半袖シャツSTを回転させる例を示す図である。図86(Z)に示す例では、保持装置制御部904は、保持機構310A及び保持機構310Bを、それぞれの高さ及び幅を保ったまま、時計回りに略90度回転させる。これにより、TシャツSTの袖部が中に折り込まれているため、袖部が外に出てきにくくなる。よって、TシャツSTの折り畳みの仕上がりを向上させることができる。
このとき、制御装置900は、適切に折りたためているかを画像認識により判定することができる。制御装置900は、被処理物の種類ごとに、適切な仕上がり状態の画像を保持して起き、この正解画像とのパターンマッチングなどで、仕上がり判定をしてもよい。この後、収納工程に移るが、図28(AA)で説明した収納工程と同様であるため、その説明を省略する。また、上述したTシャツSTの折り畳み工程のうち、いくつかの工程を適宜組み合わせて新たな折り畳み工程が生成されてもよい。また、計測されたTシャツSTの着丈及び/又は身幅等に応じて、適切な折数が決定され、決定された折数に基づいて折り畳み工程が行われてもよい。例えば、計測された身幅及び袖丈などにより、TシャツSTがノースリーブシャツであると判定された場合、袖折りは不要であるため、TシャツSTは、身幅に応じて単純に1/2、又は1/3に折り畳まれればよい。
<タオル、半袖の認識>
実施形態では、図17を用いて段階的な被処理物の種類認識を説明しているが、以下では、さらに細分化した種類認識について説明する。
図87は、タオルと半袖との種類認識を説明するための図である。図87に示す例では、被処理物の最下点の検出、及び保持を2回繰り返した後の状態を示す。このとき、種類認識部914は、図17に示すステップS402の認識処理の段階で、被処理物の形状、面積などを用いて第2群の中でもタオルと半袖シャツとの区別を行う。
例えば、種類認識部914は、形状を用いて、タオルと半袖シャツとの種類認識を行う。図87に示すように、タオルは、リボン型、及び左右対称であるという形状の特徴がある。また、半袖シャツは、三角形に近い、及び左右非対称であるという形状の特徴ある。よって、これらの特徴を事前に学習させておくことで、種類認識部914は、第1段階の種類認識で、タオル又は半袖シャツについても認識することが可能になる。展開の早い段階で種類判別が可能になると、例えばその後の展開処理で不要な処理(図17に示すステップS412の画像マッチング処理など)を省くことが可能になり、折り畳み処理を迅速に実行することが可能になる。
<収納装置700部分の分割設置>
処理装置1は、被処理物の受入空間と、展開及び折り畳み空間と、収納空間とが必要になるため、縦方向にある程度の高さ(例えば220cm)を有する装置になる。そのため、処理装置1を通常の家などに搬入しようとすると、天井を傷つけたり、そもそも搬入ができなかったりする可能性がある。そのため、本変形例では、収納装置700は、本体とは別で運搬可能であり、後で組み立て可能とする。
図88は、収納装置700の組み立てを説明するための図である。図88に示す例では、収納装置部分のフレーム100Aと、受入、展開及び折り畳み部分のフレーム100Bとが分割して設置可能である。例えば、フレーム100Bの高さを、好ましくは180cm以下にすることで、搬入を容易にすることができる。なお、搬入時には、各収納部は、下部のフレーム100B内に設けられてもよい。また、設置時には、フレーム100Aを前方からスライドさせてフレームBに組み合わせることが可能である。スライド設置後は、側面からのねじ止めをすることで、フレーム100Aとフレーム100Bとを固定させてもよい。また、制御部900は、フレーム100Bの上方に設けられることで、フレームBの各種配線の接続を容易にすることができる。例えば、上部のフレーム100Aには、収納部2つ分(第1収納部710及び第2収納部712)の空間が設けられてもよい。
<その他の変形例>
上述した処理装置1では、撮像装置500の撮像部502,506としてデジタルスチルカメラを使用する例について説明したが、本発明はこれに限らず、被処理物T及び/又はその輪郭(エッジ)を検出するに際し、例えば、このデジタルスチルカメラに替えて又は加えて、被処理物に不可視光(赤外線又は紫外線)を照射する光源及び不可視光フィルタ(赤外線フィルタ又は紫外線フィルタ)等を使用してもよいし、また例えば、撮像装置500として、デジタルスチルカメラに替えて又は加えて、光センサ、レーザ、距離センサ、マトリクス配置した位置センサ等を用いてもよい。
またさらに、被処理物T及び/又はその輪郭(エッジ)を検出するに際して、被処理物Tそのものに加えて又は替えて、被処理物Tの影を検出するようにしてもよい。例えば、複数の光源を設け、これら光源を個別にオン・オフした際の位置の変化を検出することで、被処理物Tを3次元的に把握可能である。影を検出することで被処理物Tの色の影響を受けずに検出が可能になる。
デジタルスチルカメラのみを使用する場合、例えば、表面に黒色部分を有する被処理物T(ボーダー柄のトレーナーで、ボーダー部分が黒色のもの)を制御装置900の種類認識部914で認識しようとすると、黒色部分が背景と同化してしまい、一体の被処理物Tであるにもかかわらず、あたかも黒色部分で分断されているかのように認識してしまうおそれがあった。この点、デジタルスチルカメラを赤外線フィルタと組み合わせて使用することにより、表面における黒色部分を含めた被処理物T全体が白っぽく写された画像データを得ることができる。なお、背景は黒色のままである。これにより、被処理物Tの黒色部分と背景とが同化することがなくなり、表面に黒色部分を有する被処理物Tであっても、正しく認識できる。なお、同様の効果を得るために、撮像装置500として、赤外線に感度をもつ専用の赤外線カメラを用いてもよい。
また、処理装置1の筐体形状や設置箇所によって、外部光が処理装置1の筐体内部に届かない場合もある。そこで、処理装置1は、撮像装置500による画像認識を補助するための照明装置(例えばLED、特に広角照射ができるLEDが好ましい)を備えても良い。照明装置は、制御装置900からの指示により点灯が制御され、例えば、撮像装置500の撮像の直前や、撮像装置500による画像が光量不十分であると認識された場合等に、撮像装置500の撮像範囲内に照射光を当てるべく点灯される。
ここで、撮像装置500による画像認識を補助する観点から、処理装置1の筐体内側表面を黒色とする(例えば、黒色の材料で形成する又は黒色に塗装する)ようにしてもよい。被処理物Tは、背景(筐体内側表面)よりも照明装置に近いので、照射光を当てた場合は背景よりも明度が高くなる。そのため、被処理物Tが黒色であったとしても、同じく黒色の背景(筐体内側表面)よりは明度が高くなるので、撮像装置500によって背景と峻別して認識することが可能となる。
処理装置1の筐体内側表面が黒でない場合(例えば青)、より濃い色の被処理物T(例えば濃い青)が配置されると、照射光により被処理物Tの明度がより高くなることで、被処理物Tの見かけの色(濃い青が青に近く見える)と背景の見かけの色(青)とがほぼ同じ色となり、被処理物Tが背景(筐体内側表面)に溶け込んでしまうことが生じ得る。このような理由から処理装置1の筐体内側表面の色としては、そのような事態が生じ得ない黒が好ましい。なお、処理装置1の筐体表面を、つや消しして、照明装置からの光を拡散反射する比率をより高めることで、撮像装置500による被処理物Tの認識性を高めるようにしてもよい。
また、筐体内部表面の特定箇所の色を撮像装置500のホワイトバランスの基準点としてもよい。これにより処理装置1の外部光による影響を抑制できる。さらには、処理装置1は筐体の隙間をなくして外部光を遮断し、光源として処理装置1の筐体内部の照明装置のみを利用してもよい。これにより、外部光の影響をさらに抑制できる。
なお、撮像装置500は、処理装置1内部で可動自在に配設してもよい。例えば、撮像装置500を、保持装置300に直接搭載し、保持装置300の移動と同時にリアルタイムで被処理物Tの撮像を行ってもよい。
また撮像装置500は、上記説明した被処理物Tの認識工程や折り畳み工程以外に用いても良い。例えば、撮像装置500により処理装置1内部に投入された被処理物Tの枚数や量をモニタリングして、折り畳み工程の完了までの予測時間を算出して表示したり、被処理物Tの未処理物がないこと(折り畳み完了)を認識し表示したりしてもよい。
先の実施形態に係る処理装置1では、各移動機構をボールネジ機構やリニアモータ機構で実現する例について説明したが、本発明はこれに限らず、各移動機構をエアシリンダ機構、モータシリンダ機構、ベルトスライダ機構、電動スライダ機構、ラックピニオン機構、キャプスタン機構などの機構で実現してもよい。
なお、移動機構を含め処理装置1内部の駆動部分を例えばフッ素コーティング等することによりグリスレスとしてもよい。これにより、被処理物Tへの汚れの付着や、駆動部分にホコリがたまることによる摺動性の低下を抑制できる。
また、制御装置900は、各駆動機構の駆動電流を検知し、過負荷となっていないか否かをモニタリングすることで、被処理物Tが駆動機構(例えば、載置板402)に過度の負荷を与えていないか(例えば絡まっていないか、重すぎないか等)を検知するようにしてもよい。
また、先に実施形態に係る処理装置1では、3つの撮像部502,504,506によって端点等を検出したり、被処理物Tの認識をしたりする例について説明したが、本発明はこれに限らず、1つ若しくは3つ以上の撮像部を設けてもよい。例えば、追加の撮像部500を、保持機構310A、310Bに設けて、被処理物Tの保持状態を撮像するようにしても良い。
また、撮像装置500から得られる画像データにおける最小単位はピクセルであるが、画像データの濃淡を利用して当該ピクセル内に位置を算出することで、検出精度を向上させることができる。
さらに、保持機構310A,310B、312Bの原点位置を保持装置制御部904内に設定しておいてもよい。これにより、どの段階の制御/ステップからでも、必要に応じて、保持機構310A,310B、312Bを原点に復帰させることができる。また、保持装置制御部904は、特定のステップの間、保持機構310Aのフィンガ部材と保持機構310Bのフィンガ部材との間の最大距離を設定し、その距離以上にフィンガ部材同士の距離が広がらないように、保持機構310A、310Bの移動を制御してもよい。例えば、認識工程において保持機構310Aが第1点P1を保持し、保持機構310Bが第1端点P2を保持する際、第1点P1と第1端点P2との距離を算出し、この距離を最大距離として保持装置制御部904内に設定する。そして次の第2端点Pの保持までの動作中(保持機構310Aが第1点P1を保持し、保持機構310Bで保持した状態で保持機構310A、310Bが移動している間)は、この最大距離を超えて、保持機構310A、310Bが移動しないように制御する。これにより、被処理物Tがその長さ(自重により伸びる長さ)以上にフィンガ部材同士により引っ張られてしまうことを防止できる。そのため、被処理物Tが伸びてしまったり傷んでしまったりすることを抑制できる。
なお、保持機構310A、310Bによる被処理物Tの伸びや傷みを抑制するために、例えば、保持機構310A及び/又は310Bの一部(例えば、リニアアクチュエータ324と連結部材330との間等)に、バネ等の緩衝部材を設けても良い。これにより、被処理物Tを保持した状態で保持機構310Aと310Bとが互いに離間する方向に移動する場合、保持機構310A、310Bに設けた緩衝部材によって、被処理物Tにかかる引張力が小さくなるので、被処理物Tの伸びや傷みを抑制することができる。また例えば、保持機構310A及び/又は310Bに張力センサを設け、保持機構310A、310Bにかかる力を監視して、被処理物Tに必要以上の力がかからないように保持機構310Aと310Bの距離を制御してもよい。
また、保持装置300A及び300Bのフィンガ部材に替えて、保持装置300A、300Bの一方又は双方を固定フックとしてもよい。この際、固定フックによる被処理物Tの伸びや傷みを抑制するために、保持機構310A及び/又は310Bの一部に、バネ等の緩衝部材を設けても良い。
また例えば、保持装置300A及び/又は300Bは、針状端部を有し、被処理物Tをこの針状端部で刺して保持する機能を有してもよいし、掃除機のように吸引部を有し、被処理物Tを吸引して保持する機能を有してもよいし、マジックテープ(登録商標)等の接着部や粘着部を有し、被処理物Tを接着等により保持する機能を有してもよいし、一対のタイヤ(ローラ)を端部に有し、このタイヤの間に被処理物Tを巻き込んで保持する機能等を有してもよい。
また例えば、保持装置300A及び/又は保持装置300Bに湿度センサや温度センサを設けて、把持した被処理物Tの乾燥状態を検知し、被処理物Tが十分に乾燥し、折り畳みに適した状態であるのかを検知するようにしてもよい。湿度センサや温度センサ替えて又は加えて、保持装置300A及び/又は保持装置300Bに重量センサを設け、被処理物Tの重さを検出することで被処理物が水分を多く含み乾燥していないことを検知するようにしてもよい。
また例えば、保持装置300A及び/又は保持装置300Bの保持力(把持力)を、被処理物Tの厚みや材質等に応じて適宜調整するようにしてもよい。被処理物Tの厚みや材質は、撮像装置500から得られる被処理物Tの画像データに基づいて検知してもよいし、保持装置300A及び/又は保持装置300Bのリニアアクチュエータの駆動モータへの負荷電流で検知してもよいし、保持装置300A及び/又は保持装置300Bに圧力センサを設けて検知してもよい。
なお、保持装置300A及び/又は保持装置300Bを、被処理物Tの保持以外の動作に用いても良い。例えば、保持装置300A及び/又は保持装置300Bを処理装置1のエラー発生時の自己修復(撮像装置500のカメラのホコリやくもりの除去、駆動機構のベルトの補修等)のために用いても良い。
先の実施形態に係る処理装置1では、載置板402として、略矩形状の板材である載置板本体410と回転軸412とで構成されたものを示したが、これに限られるものではない。
例えば、載置板402を複数の板材を互いに摺動可能に連結し、長辺及び短片の大きささが変更できるようにしてもよい。そして、例えば、認識工程においては、載置板402の幅を例えば半分や1/3程度まで縮めて、その後の、折りたたみ工程においては、元の大きさまで戻すようにしてもよい。また例えば、被処理物Tが小さいと認識された場合、折り畳み工程において、載置板402の長辺又は短辺の大きさを例えば半分や1/3程度まで縮めて折り畳み工程を行ってもよい。また例えば、被処理物Tが大きいと認識された場合、折り畳み工程において、載置板402の長辺又は短辺の大きさを例えば1.5倍から3程度まで広げて折り畳み工程を行ってもよい。
載置板402の材質としては、例えば、金属が挙げられる。金属は剛性が高く載置板402を薄くできるとともに、誘電率が低いため被処理物Tが衣服である場合等に発生する静電気を抑制することができる。これにより、被処理物Tの糸屑等が載置板402に付着してしまうこと等を防止できる。
また例えば、載置板402として樹脂を用いてもよい。樹脂を用いることにより、被処理物Tが濡れていたり、処理装置1内部が高湿度下に置かれていたりするとき等のために載置板402に水分が付着したとしても、載置板402に錆が生じるような事態を防止できる。
また例えば、載置板402の一部を樹脂よりも誘電率が低い材料(例えば金属)で構成し、一部を樹脂で構成してもよい。
なお、載置板402の帯電を防止する観点から、処理装置1内にイオン噴出装置を設け、このイオン噴出装置から載置板402に対してイオンを含む空気を適宜(例えば、被処理物Tの折り畳みが終了し、次の被処理物Tの認識動作に入るまでの間等)照射するようにしてもよい。
図8に示されるように、載置板本体410は、回転軸方向(矢印X方向)に沿って横長の形状となっている。
載置板402の厚みは、適宜設定可能であるが、特に載置板402の縁部については、当該縁部に引っ掛けられた状態の被処理物Tを保持機構310A、310B、312Bで把持することを考慮すると、3mm以下、より好ましくは2mm以下であることが好ましい。又は、載置板402の縁部をテーパ加工して先端にいくにつれて厚みが薄くなるようにしてもよい。これにより、保持機構310A、310B、312Bが、載置板402の端部に引っ掛けられた被処理物Tを把持した状態から載置板402を引き抜く際、保持機構310A、301B、312Bが被処理物Tを把持したまま、載置板402を引き抜きやすくする。
載置板402は、保持機構310A、310B、312Bによる把持により変形しない程度の剛性を有すること、言い換えれば、保持機構310A、310B、312Bで把持する際にその厚みが変化しない材料であることがより好ましい。さらに言い換えると、保持機構310A、310B、312Bで被処理物Tを把持した時の被処理物Tの厚みの変化量が、載置板402の変化量よりも大きくなっていることが好ましい。
また例えば、載置板402の縁部とりわけ角部に、被処理物Tを傷めないようにR加工を施しても良い。このようなR加工は、認識工程の初期段階で被処理物Tが十分に展開されていない場合や、被処理物Tがそもそも大きい場合等には、載置板402の角部に引っかかりやすいので重要である。一方で、被処理物Tの引っ掛けやすさをより重視して載置板402の縁部や角部へのR加工を施さなくてもよい。又は、被処理物Tが引っ掛かりやすい載置板402の縁部の角部のみにR加工を施し、当該角部以外の部分にはR加工を施さないようにしてもよい。
また例えば、載置板402の表面、裏面、側面とで、異なる材質の板状部材を用いてもよい。例えば、載置板402の表面、一方の側面を摩擦係数の大きい材料を用いて又はコーティングして形成し、他方の側面、裏面を摩擦係数の小さい材料を用いて又はコーティングして形成することで、載置板402に被処理物Tを載置した場合の「滑りやすさ」を、載置板402の接触面(表面、側面、裏面)を選択することで自在に変更できるようにしてもよい。これにより例えば、被処理物Tをしっかり保持しておきたい動作の場合(例えば、2つの保持機構310A、310B、312Bで被処理物Tを保持している状態において、被処理物Tを載置板402に引っ掛けて保持機構310A、310B、312Bの保持を解除する場合等)は、載置板402の摩擦係数の大きい面が被処理物Tに当接するようにしてもよい。
また例えば、載置板402を表面から裏面に向かって貫通する一つ又は複数の貫通孔を設けてもよい。これにより、例えば、非処理物Tの折り畳みの際に載置板402の表面上に被処理物Tを載置して広げた場合、当該表面と被処理物Tとの間の余分な空気を、貫通孔を介して載置板402の裏面から抜き出すことができるので、被処理物Tの皺を抑制することができる。
また例えば、載置板402に非処理物Tの吸着、放出手段を設けてもよい。具体的には、載置板402に一又は複数の給気孔及び排気孔を設け、載置装置400内に設けた給気パイプ及び排気パイプにそれぞれ連通させるとともに、この給気パイプ及び排気パイプを処理装置1内部に設けた給排ポンプに接続させる。この給排ポンプを駆動することで、載置板402の給気孔及び排気孔から空気を吐出又は吸引させる。これにより、例えば、載置板402に載置された被処理物Tを取り出す際には、給気孔から空気を吐出して、被処理物Tを載置板402から取り出しやすくできる。また例えば、載置板402に載置された被処理物Tを載置板402上に保持する場合は、排気孔から空気を吸引して、被処理物Tを載置板402に吸引させるようにしてもよい。
先の実施形態に係る処理装置1では、折り畳み工程に入った後は、認識工程で認識された被処理物Tの種類は正しいという前提で、当該認識された被処理物Tの種類に応じた折り畳み動作を継続する。しかしながら、認識工程で被処理物Tが誤認識され、この誤った認識のもとで折り畳み動作が行われてしまうこともあり得る(例えば、被処理物Tが本当はズボンであるところ、誤って、Tシャツであると認識し、ズボンにTシャツのたたみ方を適用してしまう等)。そこで、折り畳み工程中又は折り畳み工程後に撮像装置500において被処理物Tの画像データを取得し、当該画像データに基づいて、被処理物Tがその種類の規定の折り畳み形状から乖離しているか否かを検出してもよい。乖離していると検出された場合は、被処理物Tの種類に誤認識があったと判別し、折り畳み動作を中断して、保持機構310A、310B、312Bにより被処理物Tを保持しなおして認識工程をやり直すようにしてもよいし、又は、被処理物Tは「折りたたみ不能」と判別し、折り畳み工程を中断して保持機構310A、310B、312Bにより被処理物Tを、処理装置1内の所定の場所、例えば、専用の収容箱に収容するようにしてもよい。
また例えば、認識工程で認識された被処理物Tの種類が正しくとも、被処理物Tのサイズが大きかったり形状がイレギュラーであった場合等は折畳工程での折り畳みが不十分になってしまったり、また折り畳みの最中に載置板402から被処理物Tの一部がずれ落ちてしまったりすることも考えられる。そこで、折り畳み工程中又は工程後に撮像装置500において被処理物Tの画像データを取得し、当該画像データに基づいて、制御装置900により被処理物Tが規定の折り畳み形状のとおり折り畳まれているか否かを検出してもよい。例えば、制御装置900は、折り畳み完了時における被処理物Tが取るべき所望の輪郭形状(例えば矩形)と、被処理物Tの実際の輪郭形状(例えば当該矩形からはみ出している部分(例えば袖部)がある)とを比べ、折り畳みが完了しているか否かを検知する。折畳みが完了していないと判断された場合には、追加の折り畳み動作(例えば、はみ出した袖部を載置板402の縁部に引っ掛ける等)を行っても良いし、折り畳み工程を最初からやり直すようにしてもよい。
先の実施形態においては、処理装置1は、内部に投入された被処理物Tを展開して種類を認識し、認識した種類に応じて折り畳みを行うが、被処理物Tによっては、種類の認識ができない、折りたたみが行えないことも想定される。このような場合は、制御装置900は、これらの被処理物Tを「認識不能」「折り畳み不能」と判別して、認識工程、折り畳み工程を中断して保持機構310A、310B、312Bにより被処理物Tを、処理装置1内の所定の場所、例えば、専用の収容箱(収納装置700内の一部)に収容して、他の被処理物Tと分別するようにしてもよい。
例えば、制御装置900は、認識工程において、被処理物Tの最下点の持ち替えが所定の閾値を超えても依然として被処理物Tの認識ができない場合は、被処理物Tを「認識不能」と判別してもよい。例えば、制御装置900に被処理物Tの種類として、「長袖シャツ」、「Tシャツ」、「ズボン」、「タオル」、「スカート」などのパターンのみが記憶されている場合に、被処理物Tとして「靴下」が投入された場合は、認識工程において複数回の最下点の展開動作を繰り返しても、予め記憶されている「長袖シャツ」、「Tシャツ」、「ズボン」、「タオル」、「スカート」の特徴に合致しないので、所定の閾値を超えても被処理物Tの認識がされない。このような場合は、当該被処理物T(靴下)は、「認識不能」なものとして、専用の収容箱に収容される。
また被処理物Tの種類が認識できるかできないかにかかわらず、処理装置1において折り畳めないことが明らかなものであれば(例えば、予め定められた被処理物Tの折り畳み可能範囲(長さ、重さ、形状、材質等で規定)を超えていると認識された場合等、より具体的には、大きなシーツや洗濯ネットが投入された場合等)次の折り畳み工程に移る前に「認識不能」として、専用の収容箱に収容される。
また例えば、制御装置900は、折り畳み工程において、折りたたみに必要な被処理物Tの端点が認識できない場合や、被処理物Tが載置板402上に安定して保持できないと判定した場合(例えば、被処理物Tのサイズが当該種類における所定の折り畳み許容サイズを超えて大きい等)は、被処理物Tを「折り畳み不能」と判別し、専用の収容箱に収容してもよい。
処理装置1の各部材の配置、可動範囲等についても、特に限定はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の配置、構造が可能である。
処理装置1における被処理物Tの折り畳み方法も上記折り畳み工程において述べた方法に限定されるものではない。
例えば、先の実施形態においては、認識工程にて制御装置900が、被処理物がTシャツであると識別した場合、折り畳み工程にてその種類(Tシャツ)に対応する一つの折り方を適用する例を示したが、これに限られない。例えば、制御装置900は、一つの種類の被処理物T(例えばTシャツ)に対して複数の折り方を記憶し、予め指定された又は都度指定されるユーザの好みに応じて、同じ種類の被処理物Tであっても折り方を替えるようにしてもよい。
例えば、折り畳み工程では被処理物Tの種類(例えばTシャツ)に対応する折り方を被処理物Tに適用するが、折り畳み工程の開始の段階で、被処理物Tが当該折り方を適用するのに適した状態で保持機構310A、310Bに保持又は載置板402に載置されているかを検知するようにしてもよい。
より具体的には、折り畳み工程を実施するためには、保持機構310A、310B、312Bのうち少なくとも2つが、被処理物Tの中心線(短手方向の中心線でも長手方向の中心線でもよい)を境にして被処理物Tの両側を把持しているようにすることが好ましく、より好ましくは、保持機構310A、310B、312Bのうち少なくとも2つが被処理物Tを中心線に対して被処理物Tを左右対称に把持しているのが望ましい。そこで、例えば、折り畳み工程開始の段階で、撮像装置500によって被処理物Tを撮像し、衣服の下端や側端の傾きから被処理物Tが保持機構310A、310B、312Bのうち少なくとも2つに左右対称位置で水平方向に傾くことなく保持されているか否かを検知する。そして、被処理物Tが左右対称に保持されておらず水平方向に傾いていると認識された場合は、保持機構310A、310B、312Bのうち、一方又は他方を移動させたり把持しなおしたりすることで、被処理物Tを適切な保持状態に補正する。これにより、被処理物Tが傾いて折り畳まれたりするようなことを抑制でき、折り畳みの精度を向上させることができる。同様に被処理物Tが前後逆に保持されていないか等検知して、折り畳み開始時に補正するようにしてもよい。
また例えば、保持機構310A、310B、312B等の駆動スピードを変更可能なものとすることで、折り畳みのスピードを、被処理物Tに応じて(被処理物Tの種類、材質、ユーザの指定)、運転の時間帯に応じて(騒音を避けるべき夜間か、騒音が許容される昼間か等)、又は、仕上がりレベルに応じて(お急ぎコースか標準コースか丁寧コースか等)適宜変更できるようにしてもよい。
なお、「被処理物」は、典型的には、乾燥等の対象となるものを含み、その素材、形状、大きさ等に特に限定はない。例えば、衣類及びタオル類などの布地に代表される変形性薄物や、これらを収容するためのネット(例えば洗濯ネット)等を含む。
また、「保持装置」は、保持機構を有し、被処理物を保持可能な構成であればよい。例えば、保持機構は、少なくとも一対のフィンガ部材を有し、これら一対のフィンガ部材が互いに近接あるいは離間するように構成される。例えば、保持機構は、少なくとも2つのフィンガ部材を有していればよく、必ずしも3つのフィンガが必要なわけではない。また、保持機構の別の例として、被処理物が掛けられるフック等が考えられる。
なお、保持機構を移動可能にするための移動機構としては、上記のほか、ベルトスライダ機構、ボールネジ機構、エアシリンダ機構、モータシリンダ機構、電動スライダ機構、リニアスライダ機構、及び、ラックピニオン機構などの機構が挙げられる。なお、これらの機構は、主に、駆動力源、送り部材及びガイド部材から構成されている。ベルトスライダ機構は、モータを駆動力源とし、ベルト又はワイヤを送り部材とし、LMガイド材等をガイド部材とするスライド移動機構であって、モータの回転をベルト又はワイヤに伝達して移動対象物をLMガイド材等のガイド部材に沿ってスライド移動させる機構である。また、ボールネジ機構は、モータを駆動力源とし、ボールネジ又は台形ネジを送り部材とし、LMガイド材等をガイド部材とするスライド移動機構であって、モータの回転をボールネジ又は台形ネジに伝達して移動対象物をLMガイド等のガイド部材に沿ってスライド移動させる機構である。また、エアシリンダ機構は、エアコンプレッサを駆動力源とし、ピストンロッドを送り部材兼ガイド部材とするスライド移動機構であって、ピストンロッドの直動を利用してピストンロッドに取り付けられた移動対象物をスライド移動させる機構である。また、モータシリンダ機構は、モータを駆動力源とし、ピストンロッドを送り部材兼ガイド部材とするスライド移動機構であって、モータの回転をボールネジに伝達してピストンロッドに取り付けられた移動対象物をスライドさせる機構である。また、電動スライダ機構は、モータを駆動力源とし、ボールネジ等を送り部材とし、LMガイド材等をガイド部材とするスライド移動機構であって、モータの回転をボールネジに伝達して移動対象物をLMガイド材等のガイド部材に沿ってスライド移動させる機構である。また、リニアスライダ機構は、磁石を駆動力源とし、送り部材を同じく磁石とし、LMガイド材等をガイド部材とするスライド移動機構であって、リニアモータの原理を利用して移動対象物をスライド移動させる機構である。また、ラックピニオン機構は、モータを駆動力源とし、ラック及びピニオンを送り部材とし、LMガイド材等をガイド部材とするスライド移動機構であって、モータの回転によりピニオンを回転させ、ラックに取り付けられた移動対象物をLMガイド材等のガイド部材に沿ってスライド移動させる機構である。
なお、「折り畳み装置」は、折り畳み等の一つ又は複数の処理を行いさえすればよく、例えば、被処理物の展開のみを行う装置を含む。
好ましくは、前記折り畳み装置は、前記取り出された被処理物を保持する、前記保持装置又は他の保持装置と、前記被処理物を載置可能な載置装置と、を備えるようにしてもよい。
上記構成によれば、保持装置又は他の保持装置と、載置板とを用いて、被処理物を折り畳み等することができる。
好ましくは、前記保持装置若しくは前記他の保持装置、又は、前記載置装置には、蒸気を噴出する複数の通気口が設けられているようにしてもよい。
上記構成によれば、折り畳み等の間又はその前後に、通気口から蒸気を噴出することによって被処理物に蒸気をあてることができる。すなわち、保持装置や他の保持装置、又は載置装置に、いわばアイロンのスチーム機能を持たせることができる。これにより、被処理物の皺を減少させ、また、被処理物に綺麗な折り目をつけることができる。
好ましくは、前記保持装置若しくは前記他の保持装置、又は前記載置装置の内部には、熱伝達体が設けられているようにしてもよい。
上記構成によれば、保持装置若しくは他の保持装置、又は載置装置の表面温度を熱伝達体により上昇させることで、これらにアイロン機能をもたせることができる。これにより、被処理物の皺を減少させ、また、被処理物に綺麗な折り目をつけることができる。
なお、「熱伝達体」は、載置装置等に熱を伝えるものであればよく、例えば、自身が発熱する電熱線でもよいし、内部を温度調整された流体が流れる管等で構成してもよい。
好ましくは、前記折り畳み装置は、前記被処理物を収容し、前記筐体内を上下に移動可能な収納部を備えるようにしてもよい。
上記構成によれば、収納部は、筐体内を上下に移動可能であるので、収納部を処理に応じて最適な位置に移動可能である。例えば、折り畳み等の間は、収納部を筐体の最上部又は最下部に移動させ、保持装置や載置板等の移動の邪魔にならないようにし、一方、被処理物の取り出し時には、収納部を例えばユーザの上半身や腰の高さまで移動させ、被処理物を取り出しやすくする等が可能である。
また、非処理物の展開時に、たくし上げが実行されると、長い被処理物の最下点は、第2撮像装置506の画角内まで上がりきれなかったり、逆に上がりすぎてしまったり、次に保持機構310Aが掴む場所を適切に検出することが難しい。また、制御装置900は、掴み上げた被処理物の長さが分からないため、たくし上げ量を事前に算出することはできない。
そこで、効果的なたくし上げについて図89を用いて説明する。図89Aは、実施形態における段階的なたくし上げを説明する図である。図89A(A)に示す例では、第2撮像装置506の最下点が、第2撮像装置506の画角AG内に含まれていない場合を示す。図89A(B)は、(A)よりも段階的に引き上げられた様子を示す。図89A(C)は、(B)よりも段階的に引き上げられた様子を示す。図89A(D)は、第2撮像装置506の画角AG内に最下点P150を含む例を示す。
図89Aに示すように、例えば、保持装置制御部904は、保持装置の位置を制御することで、所定値(例えば25cm)ずつ被処理物Tを引き上げるようにする。第2撮像装置506の画角AGに被処理物Tの最下点が現れるまで、被処理物Tを保持する保持機構310Aが段階的に上昇する。
次に、載置板402を用いてたくし上げる動作例について説明する。図89Bは、実施形態における載置板402を用いたたくし上げを説明するための図である。図89B(A)は、保持機構310Aにより被処理物Tを把持しているが、第2撮像装置506の画角AG内に被処理物Tの最下点が含まれていない例を示す。
図89B(B)は、保持機構310B、312Bを用いて被処理物Tを押さえつつ、載置板402に被処理物Tを垂れ下げて、載置板402をZ1方向に移動させることで、被処理物Tの最下点P152をZ1方向に引き上げる例を示す。これにより、最下点P152が画角AGに含まれるようになる。
図89B(B1)は、図89B(B)を横(Y方向)から見て説明するための図である。図89B(B1)に示すように、保持機構310B,312BはY1方向に移動して、被処理物Tを押さえつつ、載置板402はZ1方向に回転し、被処理物Tが載置板402の縁部に引っ掛かる。そして、図89B(B2)に示すように、載置板402はZ1方向に回転することで、被処理物Tの最下点がZ1方向に上昇する。
図89Cは、図89(B)に示す状態から、さらに載置板402をZ1方向に上昇させて、第2撮像装置506の画角AGに被処理物Tの最下点P154を含める例を示す。図89C(A1)は、載置板402がZ1方向に回転することで被処理物Tをたくし上げても、画角AGに被処理物Tの最下点が含まれない場合を示す。図89C(B1)は、載置板402がZ1方向に移動することで、被処理物Tの最下点P154がZ1方向に上昇し、画角AGに含まれるようになる。図89C(A2)及び(B2)は、図89C(A1)及び(B2)をY方向において説明する図である。載置板402がZ1方向に移動することで、被処理物Tの最下点P154がZ1方向に引き上げられる。
図89Dは、載置板402を用いて再度被処理物Tをたくし上げる例を示す。図89D(A)は、例えば図89C(B1)に示す状態である。図89D(B)に示すように、保持機構310B,312Bは、Y1方向に被処理物Tを押さえつつ、載置板402が一度開放される(Z2方向に載置板402を回転させつつ、Z2方向に移動させる)。図89D(C)に示すように、保持機構310B,312BはY1方向に被処理物Tを押さえた状態で、被処理物TをZ2方向の下の方から載置板402がZ1方向に回転することで、被処理物Tをたくし上げる。次に、図89D(D)に示すように、載置板402に被処理物Tが垂れ下がった状態で、載置板402がZ1方向に移動する。これにより、被処理物Tに対するたくし上げ量が増え、最下点が画角AGに含まれるようになる。
次に、被処理物Tの膨らみを押さえる動作について説明する。例えば、被処理物Tが載置板402に垂れ下がるとき、被処理物Tが膨らんだりすると、第3撮像装置504により、測距できない状態となってしまう。これは、膨らんだ被処理物Tの位置が、第3撮像装置504の測距範囲を超えてしまうことがあるため、この場合には第3撮像装置504は、被処理物Tまでの距離を適切に測距することができない。
図90は、被処理物Tの膨らみを押さえるための例を説明する図である。図90(A1)は、保持機構310Aが被処理物Tの端部を把持し、載置板402に被処理物Tが垂れ下がっている例を示す。図90(A2)は、図90(A1)をY方向で見た時の例を示す。被処理物Tは、載置板402に掛かっているが、膨らみW150が生じている。図90(B1)は、保持機構310B,312Bが、被処理物Tの膨らみを押さえつける例を示す。図90(B2)は、保持機構310B,312BがY1方向に移動することで被処理物Tの膨らみを押さえる例を示す。図90(B2)に示すように、保持機構310B,312Bの押さえつけにより、被処理物Tの膨らみがW150からW152に小さくなっている。これにより、第3撮像装置504は、載置板402に垂れ下がる被処理物Tを適切に測距することができるようになる。
次に、保持機構310Bが最下点を把持したか否かを判定するための動作について説明する。被処理物Tに対して検出された最下点を保持機構310Bが把持する際に、最下点の把持に失敗する場合がある。例えば、保持機構310Bは、最下点を把持しているが、最下点を保持していないと判定される場合がある。これは、被処理物Tが重なっている場合に、手前(Y2方向)の被処理物Tを掴み移動させても、後ろ(Y1方向)の被処理物Tが残っており、誤判定する場合がある。
したがって、最下点を保持したとされる保持機構310Bを所定位置に移動させることで、制御装置900は、保持機構310Bの各フィンガの先に被処理物Tが存在するかを画像処理により判定する。
図91は、最下点把持判定の一例を示す図である。図91Aは、最下点把持判定の動作を示す図である。図91A(A)は、保持機構310Bが最下点を把持しに行く様子を示す。図91A(B)は、保持機構310Bが被処理物Tの最下点を把持する。図91A(C)は、保持機構310Bは、所定の位置に移動し、フィンガの周辺を示す少なくとも2つの領域である第1領域AR50及び第2領域AR52に被処理物Tが存在するか否かが判定される。第1領域AR50及び第2領域AT52に対する判定は、第2撮像装置506又は第3撮像装置504のいずれの撮像画像を用いてもよい。
図91A(C)に示すように、保持機構310Bが最下点を保持していれば、第1領域AR50及び第2領域AR52のうち、少なくとも1つの領域において被処理物Tが検出されるはずである。各領域は、例えば30mm×30mmの領域であり、フィンガから各領域の中心までの距離が50mmや30mmなどである。第1領域AR50及び第2領域AR52のうち、少なくとも1つの領域において被処理物Tが検出されれば、制御装置900は、保持機構310Bが最下点を把持していると判定する。
図91Bは、奥行き方向(Y方向)における領域抽出が制限される例を示す。図91Bに示すように、第3撮像装置504による被処理物Tの把持判定に用いる測距範囲として、Y方向の範囲Y50及びZ方向の範囲Z50が用いられる。すなわち、保持機構310Bを含むY50の範囲で被処理物Tの存在が判定される。これは、まれに奥側(Y1方向)に被処理物Tが垂れ下がっていることがあり、最下点が把持されていない状態でも、被処理物Tが抽出されることがあるからである。この誤判定を避けるため、奥行き方向の領域抽出が制限される。さらに、鉛直方向(Z方向)においても保持機構310BからZ2方向にZ50の範囲内で、被処理物Tが存在するか否かの判定が行われる。
また、保持機構のフィンガを上向きにして、保持機構が下側から最下点を把持しようとすると、被処理物Tの下に保持機構の本体の長さ分のスペースが必要となり、保持機構の本体の長さだけ被処理物Tを高くたくし上げた状態で最下点を把持させることが必要となる。したがって、被処理物Tをより低い位置で、最下点を把持させるため、最下点の斜め下、または横方向から保持機構が移動し、最下点を把持するようにする。
また、被処理物Tが垂れ下がった状態において、最下点の斜め下、横方向から保持機構が移動して最下点を把持しようとしても把持できない場合がある。例えば、被処理物Tがねじれていたり、X方向に対して角度がついていたりする場合に、最下点の把持を失敗することがある。このとき、保持機構は、最下点把持のリトライ時に、被処理物Tに対するフィンガの角度を変更して最下点を把持するようにする。これにより、最下点把持の可能性を高めることができる。
次に、被処理物Tを少しだけ把持している状態を開放する動作例について説明する。被処理物Tを把持する動作の後、被処理物Tを少しだけ把持している状態になると、被処理物Tを移動させたときに、フィンガから被処理物Tが外れてしまう場合がある。このとき、展開動作中であれば、展開動作を最初からやり直すことになってしまう。そこで、被処理物Tを把持した後に、フィンガを回転させて、外れやすい状態になっている被処理物Tを開放する。
図92は、被処理物Tを少しだけ把持している状態を開放する動作例を説明するための図である。図92(A1)は、X方向における被処理物Tの把持を示す。このとき、保持機構310Bを回転させる。図92(A2)は、Y方向における被処理物Tを把持した保持機構310Bの回転を示す。図92(B)は、保持機構310Bが回転した例を示す。例えば、保持機構310Bに被処理物Tの少ししか保持されていなければ、この回転により被処理物Tが開放され、保持機構310Bは、被処理物Tの最下点を適切に把持しようとリトライすることができる。
次に、ほぐし動作の変形例について説明する。上述したほぐし動作について、小さなサイズの被処理物T(例えば100cmの子供用シャツ等)のほぐし動作では、載置板402が被処理物Tに当たらず、ほぐし動作を実行することができない場合がある。
そこで、載置板402を、被処理物Tの方向に移動させ、載置板402で被処理物Tを持ち上げ、被処理物Tを落とす動作により裾、袖乗りを解消することを図る。図93は、ほぐし動作の変形例を説明するための図である。図93(A)は、ほぐし動作を実行することができない例を示す。被処理物Tが小さいため、載置板402のデフォルトの位置で回転させても被処理物Tには当たらない。
図93(B)は、載置板402をZ1方向で、Y2方向に移動し、被処理物Tが載置板402に当たるようになることを示す図である。なお、制御装置900は、被処理物Tに載置板402が当たるか否かは画像処理において判定することができる。
図93(C)は、被処理物Tの裾付近を載置板402で持ち上げて乗せた例を示す。図93(D)は、載置板402を回転させて被処理物Tを落とす例を示す。これにより、被処理物Tは、載置板402に乗ることで被処理物Tが寄り、張りが無くなり、ほどけやすくなる。載置板402を用いるほぐし動作は、載置装置制御部906が被処理物Tの画像認識結果に基づいて制御することで実行可能である。
次に、保持機構による被処理物Tの持ち替え動作の変形例について説明する。持ち替え時に、保持機構が把持している側の被処理物Tの袖や裾の形状がX方向に略平行になっていたり、湾曲したりしている場合、Y方向から保持機構が被処理物Tを把持しようとしても、上手く把持することができない場合がある。例えば、保持機構のフィンガに対して、被処理物Tが対角になっている場合、フィンガを閉じても被処理物Tを押すだけになってしまう。
そこで、保持機構による被処理物Tの持ち替え動作時に、被処理物Tをたぐり寄せながら被処理物Tと保持機構との距離を近づけていくことで、被処理物Tをフィンガの中に収めることができ、被処理物Tを適切に把持することができるようになる。
図94は、保持機構のたぐり寄せ動作の一例を説明するための図である。図94(A)は、被処理物Tが湾曲しているため、被処理物Tの端部から、X2Y2方向の斜めに被処理物Tに近づく例を示す。図94(A)に示す例では、通常通りY方向から近づくと被処理物Tを把持することは困難であるが、斜め方向から保持機構310Bが被処理物Tにアプローチすることで、把持しやすくする。
図94(B)は、片側のフィンガ372Rだけを閉じる例を示す。これにより、被処理物Tの端部をフィンガ内に巻き込みやすくなる。図94(C)は、他方のフィンガ372Lを閉じる例を示す。これにより、両フィンガ372R,372Lによって被処理物Tが挟み込まれやすくなる。図94(D)は、両フィンガ372R,372Lが閉じた状態を示す。図94に示すように、保持機構のたぐり寄せ動作により、被処理物Tの持ち替え動作時に、被処理物Tを適切に把持することができる。また、保持機構のたぐり寄せ動作は、例えば保持装置制御部904が被処理物Tの画像認識結果に基づいて制御することで実行可能である。
次に、少なくとも2つの長手部分を有する被処理物Tに対する持ち替え動作について説明する。例えば、長袖シャツの場合、片袖を別の保持機構に持ち替える際に把持を失敗することがある。これは、持ち替える元の保持機構の真下に被処理物Tが存在せず、持ち替え先の保持機構のフィンガの間に被処理物Tが入り込んでしまい、フィンガの先で被処理物Tを把持していないことが原因と考えられる。
そこで、持ち替え元の保持機構を中央に寄せ、この保持機構の真下に被処理物Tを垂らし、持ち替え先の保持機構のフィンガが被処理物Tを把持しやすい状態にする。これにより、持ち替え先の保持機構のフィンガの先が、被処理物Tを適切に把持することができるようになる。
図95は、少なくとも2つの長手部分を有する被処理物Tに対する持ち替え動作を説明するための図である。図95Aは、少なくとも2つの長手部分を有する被処理物Tに対する持ち替え動作の失敗例を示す。図95Aに示すように、保持機構312Bが持ち替え先の保持機構である場合、保持機構312Bのフィンガの間に被処理物Tの袖部分が入ってしまい、保持機構312Bは持ち替え動作時に把持し損ねてしまう。これは、中央から持ち替えるためには、持ち替え先の保持機構が移動するスペースが必要になり、把持している保持機構間の間隔をあけておく必要がある。その結果、保持機構間の間隔をあけると、把持されている袖が斜めになってしまい、持ち替え先の保持機構のフィンガの先で適切に把持することが困難になる。
図95Bは、少なくとも2つの長手部分を有する被処理物Tに対する持ち替え動作の成功例を示す。図95B(A)は、持ち替え元の保持機構310Aが、X1方向(中央方向)に移動する例を示す。これにより、保持機構310Aが把持している袖が、鉛直方向(Z方向)に略平行になる。図95B(B)は、持ち替え先の保持機構312Bが、持ち替え元の保持機構310Aが把持している被処理物Tの袖を把持しようとする例を示す。図95B(B)に示すように、持ち替え元の保持機構310AのZ方向の真下方向に被処理物Tの袖が存在するため、持ち替え先の保持機構312Bのフィンガの先で把持しやすくなる。すなわち、被処理物Tを把持している保持機構310Aが中央に寄り、持ち替え先の保持機構312Bが装置の端部側からアプローチすることで、保持機構312Bは、被処理物Tを適切に把持することができるようになる。
次に、少なくとも2つの長手部分を有する被処理物Tの持ち替え時に保持機構を回転させる動作について説明する。例えば、持ち替える際に、持ち替え元の保持機構310Aが把持する部分の被処理物TがY方向と略平行になるように回転してしまい、X方向から移動してくる保持機構312Bが保持することが困難になる。これは、保持機構310B,312Bが同軸上にあり、持ち替えるために保持機構312Bの軸を下げると、保持機構310Bも下がってしまい、その結果、保持機構310Aで把持している袖部が、衣類の形状を保とうとして90度回転してしまう。
そこで、被処理物Tが回転しまうことは避けられないため、保持機構による持ち替えを行いやすいように、保持機構310Aを90度回転させる。これにより、被処理物Tの袖部が、把持しやすくなる方向に回転する。
図96は、少なくとも2つの長手部分を有する被処理物Tの持ち替え時に保持機構を回転させる動作を説明するための図である。図96Aは、少なくとも2つの長手部分を有する被処理物Tが持ち替え動作の際に回転する例を示す。図96Aに示すように、保持機構310Aが把持する袖部が、保持機構310BがZ2方向に下がることで、回転してしまう。保持機構310Bが下がらなければ、X方向に略平行に袖部が位置していたが、保持機構310Bが下がることで、Y方向に略平行に袖部が位置するようになる。この結果、X方向から移動する保持機構312Bは、被処理物Tを把持しにくい。
図96Bは、少なくとも2つの長手部分を有する被処理物Tの持ち替え動作の際に、保持機構を回転させる例を示す。図96B(A)は、保持機構310Aを、Z軸を中心軸として右回りに90度回転させる例を示す。図96B(B)は、保持装置310Aが把持する袖部の形状が、保持機構312BがX1方向へ移動して把持しやすい形状になっていることを示す。これにより、図95及び図96に示す動作を適用することで、保持機構を中央に寄せることで被処理物Tを真下方向に垂らす事ができ、さらに、非処理物Tの袖部を把持しやすい形状に回転させることができ、持ち替え動作を適切時に実行することができるようになる。なお、保持機構の持ち替え動作及び回転動作は、例えば保持装置制御部904が被処理物Tの画像認識結果に基づいて制御することで実行可能である。
次に、被処理物Tの一例であるズボンZTを縦折りする変形例を説明する。通常、ズボンZTを縦折りすると、ズボンZTの形状が崩れたりして綺麗に折ることは難しい。また、おしりの部分が内側に入っている場合には、そのまま谷折りされてしまい、綺麗に折ることは困難である。例えば、ズボンZTの中央部には折りしわがついているが、これが内側に折り込まれると、綺麗に畳むことは困難になる。
そこで、把持機構310Aを用いて、ズボンZTの股部分を押して、折しわを生成し、綺麗に折りたためるようにする。
図97は、ズボンZTの縦折の変形例を説明するための図である。図97Aに示す例では、ズボンZTのおしりの部分が内側に入っている例を示す。図97Aに示すように、そのままズボンZTを縦折りすると、おしり部分が谷折りの中に入ってしまう。
図97Bは、保持機構310Aを用いてズボンZTの股部分を押し、きれいに縦折りする場合を示す。図97B(A)に示すように、保持機構310AがY2方向に移動し、ズボンZTの股部分を押してY2方向に出す。図97B(B)に示すように、保持機構310B,312Bを用いてズボンZTを縦折りする。図97(C)に示すように、ズボンZTのおしり部分が外側に出ており、綺麗に畳むことが可能になる。なお、保持機構の押し動作は、例えば保持装置制御部904が被処理物Tの画像認識結果に基づいて制御することで実行可能である。
次に、収納動作における変形例を説明する。収納部には、折り畳まれた被処理物Tが収納されていくが、収納部内のどの位置で保持機構が把持を開放するかによって、収納のきれいさが変わってくる。例えば、収納部内の所定の高さで保持機構が被処理物Tを開放すると、先に収納されている被処理物が少ない場合に、先に収納されている被処理物(又はスタッキングの底)に当たる前に、被処理物が解放されてしまう。
そこで、収納部においてどの位置まで被処理物が収納されているかを検知する高さセンサを装置内に設け、収納されている状態に合わせて、被処理物を収納部に置くようにする。これにより、収納部内のどの位置で被処理物を開放すればよいかを特定することができる。
図98は、収納部内において、被処理物を開放する位置を変動する例を示す図である。図98(A)は、高さセンサSE10及びSE12を、各収納部が通過する位置に設ける例を示す。図98(A)では、第3収容部714が高さセンサSE10及びSE12を通過する例を示す。高さセンサSE10及びSE12は、例えば一方が発光センサで、他方が受光センサであり、受光センサが発光センサにより発光された光を受光することで、モノが存在するか否かを検知できる。また、第3収納部714内には、Z方向に複数の孔が空いており、高さセンサの発光センサが発行する光を通すようになっている。被処理物が収納部に収納されていれば、高さセンサにより発光された光が、どの孔のときに受光部で受光されないかによって、どの高さまで被処理物が収納されているかを特定することができる。また、第1収納部710、第2収納部712についても同様である。
高さセンサSE10及びSE12は、筐体内で、各収納部がZ方向に移動する位置に設けられればよい。例えば、高さセンサSE10及びSE12は、X方向の筐体内部の両端であり、かつ、Z方向における各収納部の移動可能位置に設けられる。この高さセンサの受光センサによる信号は、保持装置制御部904や収納装置制御部912に出力され、この信号を用いて、保持装置制御部904は、収納部内のどの位置まで被処理物が収納されているかを認識する。保持装置制御部904は、認識した収納部内の位置を用いて、保持機構の開放タイミングを決定する。
次に、載置板402の変形例について説明する。図99は、変形例における載置板402の一例を示す図である。図99に示す載置板402は、両端にフランジG10、G12を備え、滑り止め410、及び切り欠き406を備える。このフランジG10及びG12は、載置板402に置かれた被処理物Tが載置板402の回転の際に、回転軸に巻き込まれないようにするために設けられる。
また、滑り止め410は、上述したように摩擦抵抗を有する部材が用いられ、載置板402の表面に対して凸となるように設けられる。凸形状は、例えば、かまぼこのような形状でもよい。また、切り欠き406は、被処理物が滑り落ちないようにするために設けられる。
次に、図100を用いて展開、折り畳み動作における載置板402の動作の変形例を説明する。載置板402に被処理物Tを垂れ掛けた状態で、展開、折り畳み動作において載置板402を回転等させると、載置板402と被処理物とが接触する縁部が移動してしまう。
図100Aは、展開、折り畳み時の載置板402と被処理物とが接触する縁部の移動を説明する図である。図100A(A)は、保持機構310Aが被処理物Tを把持しており、載置板402に被処理物Tが垂れ下がっている例を示す。このとき、縁部P160において、載置板402の縁と、被処理物Tとが接触している。
図100A(B)は、縁部P160が折り畳み線を示し、この縁部P160で被処理物Tを折り畳もうとする例を示す。このとき、載置板402は、Z2方向に回転し、また、保持機構310AがY1方向に移動することで、被処理物Tを縁部P160で折り畳もうとしても、被処理物Tが滑り落ちてしまい、縁部P160で、折り畳むことができない場合がある。
そこで、展開、折り畳み時に、載置板402と被処理物Tとが接触する縁部を移動させないように、Z軸方向の移動と、回転動作とを組み合わせて載置板402の動作を制御し、被処理物Tを載置板402に折り畳みながら載置させる。これにより、被処理物Tが縁部上で滑らないようにすることができ、予め設定された折り畳み線を用いて折り畳むことが可能になる。
図100Bは、縁部P160で被処理物Tを折り畳む例を示す。図100B(A)は、図100A(A)と同じ状態を示す。図100B(B)は、縁部P160で被処理物Tを折り畳むように載置板402が移動する例を示す。具体的には、載置板402は、縁部P160の位置が変わらないように、全体がZ1方向に上昇するとともに、載置板402の回転軸に対してZ2方向に回転し、最終的に縁部P160の高さ位置で、Y方向に略平行になるように移動する。これにより、予め設定されたラインを用いて折り畳むことが可能になる。なお、載置装置制御部906は、上述したように、載置板402と被処理物とが接触する縁部の位置が変わらないように、載置板402の移動を制御する。
次に、保持機構のフィンガの内側に設けられる摩擦係数を有する部材について説明する。例えば、図95B(B)図や95B(B)に示す例で、保持機構312Bが被処理物Tの袖部を把持する際、被処理物Tの種類によっては、被処理物Tの自重によりフィンガから被処理物Tが抜け落ちることがある。
そこで、被処理物Tの掴みしろを増やすため、保持機構のフィンガの内側に、摩擦係数を有する部材(例えばゴムパッド)を設け、被処理物Tがフィンガから抜け落ちることを防止する。
図101は、保持機構310Aのフィンガの内側にゴムパッドを設ける例を示す図である。図101に示すように、フィンガの内側に、一対のゴムパッドGM10及びGM12を設ける。これにより、被処理物Tは、フィンガの先端部分以外にも、ゴムパッドGM10及びGM12に挟み込まれ、被処理物Tを把持する面積を増やすことができ、被処理物Tの抜け落ちを防止することができる。