JP7144929B2 - 害虫忌避剤 - Google Patents
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Description
これらの吸血性害虫からの被害を防ぐために、人体用の害虫忌避成分に関して多数の提案がなされている。中でも、ディート(N,N-ジエチル-m-トルアミド)は汎用される害虫忌避成分の1つであるが、ディートは不快なにおいがあり、また皮膚浸透力が高いことから持続時間が短く、十分でないという問題がある。また、近年消費者の安全性に対する意識が高まっていることから、天然成分を有効成分とする薬剤が種々検討されており、例えば、シトロネラ油、オレンジ油、カシア油などから選ばれた天然精油を有効成分とする害虫忌避剤や、ユーカリの葉に僅かに含まれ、蚊などに対する忌避効果が認められている1-(2-ヒドロキシ-4-メチルシクロヘキシル)-1-メチルエタノールなどが提案されているものの、これらは揮散性が高いため持続時間が短いという問題がある。
しかしながら、特許文献1の害虫忌避組成物においては、保管中に配合した無水ケイ酸粒子が容器底部に沈降し、使用時に都度撹拌する必要があるほか、この害虫忌避組成物を撹拌せずに使用すると、墳口や塗布具の目詰まりや、噴射面または処理面に無水ケイ酸粒子が固まる等の問題が生じる。さらに、布帛に噴霧した場合には、無水ケイ酸が布帛上に残存するため、濃色の布帛には使用しにくいという問題もあった。
また、特許文献2の衛生害虫忌避剤においては、衣類の繊維への影響がないことのみを検証しており、害虫忌避効果の持続性は十分なものとはいえない。
本発明は、この組み合わせにより害虫忌避効果の持続性が向上するという新たな効果が得られることを見出し、上記課題を解決するに至ったものである。
1.(A)害虫忌避成分、(B)セラック及びアクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド共重合体から選択される1種以上を含有することを特徴とする害虫忌避剤。
2.セラック及びアクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド共重合体から選択される1種以上を含有することを特徴とする、害虫忌避効果持続性向上剤。
3.(B)セラック及びアクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド共重合体から選択される1種以上を、(A)害虫忌避成分と共に使用することにより、害虫忌避効果の持続性を向上させる方法。
ここで、本発明における害虫は特に限定されず、例えば、アカイエカ、ネッタイイエカ、チカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ類、トラフカクイカ等のカクイカ類、ヒトスジシマカ、ネッタイシマカ、トウゴウヤブカ、キンイロヤブカ、セスジヤブカ、オオクロヤブカ等のヤブカ類、アシマダラヌマカ等のヌマカ類、キンパラナガハシカ等のナガハシカ類、シナハマダラカ、コガタハマダラカ等のハマダラカ類、アシマダラブユ、キアシオオブユ等のブユ類、ウシアブ、イヨシロオビアブ等のアブ類、イエダニ、ヒョウヒダニ、コナダニ、ツメダニ等のダニ類、サシチョウバエ類、ヌカカ類、ツェツェバエ類、ノミ類、シラミ類、トコジラミ類、サシガメ類、マダニ類、ツツガムシ類、ヤマビル類等の吸血性や刺咬性害虫、セスジユスリカ、オオユスリカ、アカムシユスリカ、シマユスリカ、オオヤマチビユスリカ等のユスリカ類、チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、ヤマトゴキブリ、トビイロゴキブリなどのゴキブリ類、ハエ類、オオズアリ、クロヤマアリ、トビイロシワアリ、アミメアリ等のアリ類、シロアリ類、ハチ類、ゲジ類、ムカデ類、コクゾウムシ、コクヌストモドキ、タバコシバンムシ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシなどの貯穀害虫類等が挙げられる。特に吸血性や刺咬性害虫が好適である。
<成分(A)について>
本発明における(A)害虫忌避成分は、吸血性や刺咬性の害虫に対して忌避作用、吸血や刺咬阻害作用を有する公知の害虫忌避成分であれば、何れのものでも制限無く使用できる。具体的には、例えば、ディート(N,N-ジエチル-m-トルアミド)、3-(N-n-ブチル-N-アセチル)アミノプロピオン酸エチルエステル(以下、「IR3535」と称する。)、2-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペリジンカルボン酸1-メチルプロピルエステル(以下、「イカリジン」と称する。)、p-メンタン-3,8-ジオール、フェノトリン、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、3,4-ジヒドロ-2,2-ジメチル-4-オキソ-2H-ピラン-6-カルボン酸ブチル、n-ヘキシルトリエチレングリコールモノエーテル、6-n-ペンチル-シクロヘキセン-1-カルボン酸メチル、ジメチルフタレート、ユーカリプトール、メントール、酢酸メンチル、α-ピネン、ゲラニオール、シトロネラール、シトロネロール、シトラール、ターピネオール、カンファー、リナロール、テルペノール、カルボン、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、ナフタレンなどが挙げられる。
この他にも、例えば、シトロネラ、ミント、ペパーミント、シダーウッド、ラベンダー、ティートゥリー、カモミール、桂皮、レモングラス、クローバ、タチジャコウソウ、ゼラニウム、ベルガモット、月桂樹、松、アカモモ、ペニーロイヤル、ユーカリ、インドセダン、イランイランノキ、ブラッククミンシード、オレンジ、ローズマリーなどから抽出される精油やエキスなどを用いることができる。
これらの化合物には、光学異性体、立体異性体等が存在する場合があるが、本発明は、これら異性体の単独または2以上の異性体を任意の割合で含む混合物をも含むものである。
これらの害虫忌避成分は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の害虫忌避剤における、(A)害虫忌避成分の含有量は特に制限がなく適宜決定すればよいが、害虫忌避剤全量に対して、0.01~70w/v%含有することが好ましく、0.01~50w/v%含有することがより好ましい。0.01w/v%以上とすることにより、優れた害虫忌避効果が得られるために好ましく、50w/v%以下とすることにより、ベタツキが少なくなるためにより好ましい。
<成分(B)について>
セラックとは、ビルマネム、カッチなどのマメ科植物や、アコウ、インドボダイジュなどのクワ科植物などに寄生するラックカイガラムシ及びその近縁の数種のカイガラムシが分泌する虫体被覆物を、漂白、精製して得られる樹脂状物質である。その化学構造は、オキシカルボン酸が化学的にラクトンとして互いに結合して生じた天然縮合生成物と考えられているが、完全な構造は明らかにされていない。セラックは、アルコール以外の有機溶媒では溶解せず、耐油性に優れており、無毒、無味、無臭で安全性が認められ、FDA(米国食品医薬局)においてGRAS物質(一般に安全と認められる物質)として認められている。
セラックの市販品の具体例を挙げると、セラックNSC、セラックCS、セラックB.D.S.(以上、日本シェラック工業(株)製)、セラックGBN-D、セラックPEARL-N811、セラックGBN-DF(以上、(株)岐阜セラツク製造所製)等が挙げられる。
アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド共重合体は、ヘアセット剤等の化粧品原料として汎用されるアニオン性高分子である。
アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド共重合体の市販品の具体例を挙げると、プラスサイズL-9480B、プラスサイズL-9540B、プラスサイズL-9600、プラスサイズL-53P、プラスサイズL-9909B等(以上、互応化学工業(株)製)等が挙げられる。
本発明の害虫忌避剤における、(B)セラック及びアクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド共重合体から選択される1種以上の含有量は特に制限がなく適宜決定すればよいが、害虫忌避剤全量に対して、0.0001~50w/v%含有することが好ましく、0.001~30w/v%含有することがより好ましい。0.001w/v%以上とすることにより、害虫忌避の持続性が向上するためにより好ましく、30w/v%以下とすることにより、ベタツキが少なくなるためにより好ましい。
本発明における(A)害虫忌避成分と(B)セラック及びアクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド共重合体から選択される1種以上は、(A)害虫忌避成分100重量部に対して、成分(B)を0.01~1000重量部含有することが好ましく、0.1~100重量部含有することがより好ましい。上記比率で配合することにより、害虫忌避効果の持続がより向上する。
また、例えば皮膚浸透力が高いディートを害虫忌避成分として採用した場合には、本発明の上記(B)成分は、ディートの皮膚内部への浸透・吸収を抑えることができ、皮膚刺激性を極めて良好に低減することができる。したがって、本発明の上記(B)成分は、ディートの皮膚刺激低減作用も発揮する。
さらに、同様に本発明の上記(B)成分は、衣類やカーテン、ソファー等の布帛内部への浸透・吸収抑制剤としても機能すると推測される。これにより、本発明の上記成分(B)は、成分(A)の害虫忌避成分と併用することにより、害虫忌避成分の布帛内部への浸透・吸収抑制機能を発揮し、成分(A)の害虫忌避成分を布帛表面上に滞留させて、本発明の害虫忌避剤を布帛に処理した場合においても、長時間にわたり安定した害虫忌避の持続性が向上すると推測されるものである。
すなわち、本発明は、(A)害虫忌避成分と(B)セラック及びアクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド共重合体から選択される1種以上とを併用することにより、哺乳動物の皮膚または衣類やカーテン、ソファー等の布帛それぞれの内部への浸透・吸収を抑制する方法を提供するものであり、これにより、害虫忌避効果の持続性を向上する方法も併せ提供するものである。
本発明の害虫忌避剤が奏するこれらの効果、特に本発明の成分(B)が発揮する機能や作用は、本発明者が多くの実験を行い初めて見出した格別顕著な効果を奏するものである。
液体担体としては、例えば、芳香族または脂肪族炭化水素類(キシレン、トルエン、アルキルナフタレン、フェニルキシリルエタン、ケロシン、軽油、ヘキサン、シクロヘキサン、流動パラフィン等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール等)、エーテル類(ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸エチル、安息香酸エチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、ヘテロ環系溶剤(スルホラン、γ-ブチロラクトン、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N-オクチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン)、酸アミド類(N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-ピロリドン、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等)、炭酸アルキリデン類(炭酸プロピレン等)、植物油(大豆油、綿実油等)、及び水が挙げられる。特に、本発明の害虫忌避剤は、成分(B)としてセラックを使用する場合には、セラックの溶解性を考慮して液体担体としてアルコールを含有することが好ましい。本発明の成分(A)と成分(B)をアルコール溶液とし、これに分離しない程度の水を添加して水性液剤として使用してもよい。
また、ガス状担体としては、例えば、ブタンガス、フロンガス、(HFO、HFC等の)代替フロン、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル、窒素ガス及び炭酸ガスが挙げられ、固体担体としては、例えば、粘土類(カオリン、珪藻土、ベントナイト、クレー、酸性白土等)、合成含水酸化珪素、タルク、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、多孔質体等が挙げられる。
本発明では、さらに必要に応じて防錆剤、防腐剤、pH調整剤、香料等の成分を適宜添加し得る。これらの成分としては、この分野で慣用されているものを使用することができ、具体的には、防錆剤としてはカーレン(商標)No.955、No.906、No.954、No.958、No.970(三洋化成工業株式会社)等を、防腐剤としてはパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、イソチアゾリノン、サリチル酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム等を、pH調整剤としては酢酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、サリチル酸、安息香酸等の有機酸類やリン酸等の無機酸類、その塩類をそれぞれ例示できる。
上述のとおり、本発明の上記(B)成分は、衣類やカーテン、ソファー等の布帛内部への浸透・吸収抑制剤としても機能するので、本発明の害虫忌避剤を布帛に処理することにより、成分(A)の害虫忌避成分を布帛表面上に滞留させて、長時間にわたり安定した害虫忌避効果が持続する。
なお、実施例において、特に明記しない限り、部は重量部を意味する。
表1、2に示す試験検体(実施例1~16、比較例1~4)を、綿製の黒い布帛(5cm×5cm)に約10cmの距離から0.3mL噴霧処理し、それをゴム手袋の甲の中央部分に貼り付けた。図1に示すように、ヒトスジシマカ(♀、50頭)を放った金属ケージ(25cm×25cm×25cm)内に、上記ゴム手袋を装着した手を入れ、上記黒い布帛の部分へのランディング数を経時的に3分間カウントし、「処理区ランディング数」とした。試験検体を噴霧処理しない無処理の布帛についても、同様にランディング数をカウントし、「無処理区ランディング数」とした。
下記計算式により忌避率(%)を算出し、各試験検体の蚊の忌避効果の指標とし、下記評価基準に従い5段階で評価した。
[計算式]
忌避率(%)=(無処理区ランディング数-処理区ランディング数)/無処理区ランディング数×100
[評価基準]
「◎」 :3時間経過後の忌避率が80%以上
「〇」 :3時間経過後の忌避率が70%以上80%未満
「△」 :3時間経過後の忌避率が50%以上70%未満
「×」 :3時間経過後の忌避率が10%以上50%未満
「××」:3時間経過後の忌避率が0%以上10%未満
3時間経過後の忌避率(%)が70%以上、すなわち評価基準が「◎」~「〇」を、実用的な害虫忌避効果を有するものと判断した。
上記試験検体の組成、忌避効果(%)及び忌避効果の評価結果を、まとめ表1~2に示した。
本発明の成分(B)として、以下のものを使用した。
B-1:セラック樹脂:乾燥透明白ラック(日本シェラック工業株式会社製)
B-2:アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド共重合体:プラスサイズL-9600(互応化学工業(株)製)
(試験検体)
成分(A)害虫忌避成分としてディート及び成分(B)として下記に示すアクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド共重合体を含有する、表3に示す試験検体(実施例17、18、比較例5)を調製した。
本発明の成分(B)として、以下のものを使用した。
B-2:アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド共重合体:プラスサイズL-9600(互応化学工業(株)製)
B-3:アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド共重合体:プラスサイズL-9480B(互応化学工業(株)製)
試験装置として、図2に示す水平型拡散セル(ビードレックス社製、平板膜用水平型パームセル)を使用した。
(1)マウスの皮膚1(ラボスキン、(株)星野実験動物飼育所製)を水平型拡散セル10に、皮膚1の真皮側がレセプターセル2側に位置するように取り付けた。
(2)皮膚1の角層側(4.9cm2)に、上記試験検体(実施例17、18、比較例5)を約45μL処理し、アルミ箔8で覆い、締め付けノブ6で皮膚1を固定した。
(3)レセプターセル2には、害虫忌避成分であるディートを含まない生理食塩水9を50mL満たした。
(4)試験の間、レセプターセル2はスターラー3でセル内の生理食塩水を撹拌させ、レセプターセル2を覆っているウォータージャケット4は、ヒーター/サーキュレーター5により37℃の温水を循環させ、レセプターセル2内の温度を37℃に維持した。
(5)レセプターセル2内の温度が37℃になった直後及び1、2、3時間後に、レセプターセル2のサンプリング・ポート7より生理食塩水9を3mLサンプリングし、その後同量のディートを含まない生理食塩水を戻し、液量を一定にした。
(6)サンプリング液中のディートの量をHPLCによって測定した。
[皮膚上残存量の計算式]
皮膚上残存量(mg/cm2)={処理ディート量-(サンプリング液中のディート量/3×50+累積採取ディート量)}/4.9
なお、式中の「累積採取ディート量」は、各サンプリング時に採取したサンプリング液中のディート量の累計を意味する。
[皮膚上残存率の計算式]
皮膚上残存率(%)=各時間の皮膚上残存量/0時間の皮膚上残存量×100
皮膚上残存量(mg/cm2)は小数第三位を四捨五入した数値とし、皮膚上残存率(%)は小数第一位を四捨五入した数値とした。
皮膚上残存量(mg/cm2)及び皮膚上残存率(%)の結果を表3に示す。
この結果より、ディート等の害虫忌避成分を単独で忌避対象の皮膚に適用するよりも、本発明の成分(B)と組み合わせて害虫忌避剤として適用することにより、害虫忌避剤がより長い時間皮膚上に残存し、害虫忌避効果を発揮するものと考えられる。さらに、ディートの皮膚内部への浸透・吸収を抑えることもでき、皮膚刺激性を極めて良好に低減することができる。
表4に示す試験検体(実施例19、比較例6)を、手の甲に約1.34μL/cm2処理した後、手の甲の部分に5cm×5cmの穴を開けたゴム手袋を装着した。図1に示すように、ヒトスジシマカ(♀、50頭)を放った金属ケージ(25cm×25cm×25cm)内に、上記ゴム手袋を装着した手を入れ、手の甲が露出した部分へのランディング数を経時的に3分間カウントし、「処理区ランディング数」とした。試験検体を噴霧処理しない無処理の布帛についても、同様にランディング数をカウントし、「無処理区ランディング数」とした。
「試験例1」に記載した計算式により忌避率(%)を算出し、各試験検体の蚊の忌避効果の指標とし、上記「試験例1」と同じ評価基準に従い5段階で評価した。
3時間経過後の忌避率(%)が70%以上、すなわち評価基準が「◎」~「〇」を、実用的な害虫忌避効果を有するものと判断した。
上記試験検体の組成、忌避効果(%)及び忌避効果の評価結果を、まとめ表4に示した。
表4中の「B-2」は、以下のものを使用した。
B-2:アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド共重合体:プラスサイズL-9600(互応化学工業(株)製)
2.レセプターセル
3.スターラー
4.ウォータージャケット
5.ヒーター/サーキュレーター
6.締め付けノブ
7.サンプリング・ポート
8.アルミ箔
9.生理食塩水
10.水平型拡散セル
Claims (3)
- (A)害虫忌避成分(ただし、イソチオシアン酸アリルを除く。)、(B)セラックを含有することを特徴とする、布帛、人又はペット用害虫忌避剤。
- セラック及びアクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド共重合体から選択される1種以上を含有することを特徴とする、布帛、人又はペット用害虫忌避効果持続性向上剤(ただし、イソチオシアン酸アリル組成物を除く。)。
- (B)セラック及びアクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド共重合体から選択される1種以上を、(A)害虫忌避成分(ただし、イソチオシアン酸アリルを除く。)と共に使用することにより、布帛、人又はペットへの害虫忌避効果の持続性を向上させる方法(ただし、ニトロセルロースを含有するフィルム形成型殺虫忌避製剤及び、発泡性組成物を使用する方法は除く。)。
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