JP7144829B2 - 安全性と抗炎症作用を高めた間葉系幹細胞 - Google Patents

安全性と抗炎症作用を高めた間葉系幹細胞 Download PDF

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本発明は間葉系幹細胞の利用・応用に関する。詳しくは、遺伝子組換え技術によって安全性と抗炎症作用を高めた間葉系幹細胞及びその用途に関する。
間葉系幹細胞(MSC: mesenchymal stem/stromal cell)は骨芽細胞、脂肪細胞、軟骨細胞など、間葉系に属する細胞へ分化能を有する体幹細胞の一つである。MSCは免疫抑制作用や抗炎症作用を有するため、再生医療以外にも、難治性炎症性疾患に対する細胞療法剤等としても有望視されている(例えば、非特許文献1を参照)。
しかしながら、MSCを全身投与すると肺、心臓、脳などに血栓症が生じ重篤な状態を引き起こすという報告がなされている。近年、その分子生物学的機序も明らかになってきた。血栓形成はそれ自体臓器障害を引き起こすのみならず、炎症を惹起することも知られている。
テムセル(登録商標)HS注の添付文書
以上の背景の下、本発明は、MSCの臨床応用を更に前進させるべく、生体に投与した際のMSCの安全性を高めること(第1の課題)、及びMSCが発揮する治療効果を高めること(第2の課題)を課題とする。また、安全性及び/又は治療効果を高めたMSCの用途を提供することも課題とする。
上記課題に鑑み研究を進める中で本発明者らは、抗血栓性と抗炎症作用を合わせ持つトロンボモジュリン(TM: thrombomodulin)を安定発現するMSCを作製することを着想した。作製にあたり、TMの遺伝子組換え体であるリコモジュリン(登録商標)(TMD123)に着目した(リコモジュリンは播種性血管内凝固症候群(DIC)治療薬としてすでに保険適応となっており、ヒトでの有効性、安全性が確認されている)。MSCの遺伝子導入効率が良くないことを考慮し、レンチウイルスベクターを利用することにした。鋭意検討の末、由来(ソース)が異なる二種類のTM安定発現MSCの作製に成功した。TM安定発現MSCの特性を調べた結果、TMを高発現し、抗血栓作用を示すことが確認された。また、TM安定発現MSCの増殖能や分化能は、非組み換えMSCと同等であり、MSC本来の特性ないし性質を維持していることが示唆された。更には、生体に投与したところ(in vitro実験)、生体内でのTMの発現が認められ、所望の治療効果を期待できることが確認された。その上、投与されたTM安定発現MSCは一定期間経過後に速やかに淘汰され、治療薬(細胞製剤)として望ましい特性を示した。更なる検討の結果、全長型TMを安定発現するMSCが特に強い抗血栓作用を示し、治療効果に優れることが判明した。以下に示す本願発明は、主として上記の成果及び考察に基づく。
[1]外来のトロンボモジュリンがゲノムに安定して組み込まれ、発現する、間葉系幹細胞であって、前記間葉系幹細胞がヒト間葉系幹細胞であり、前記トロンボモジュリンが全長型ヒトトロンボモジュリンである、間葉系幹細胞。
[2]前記全長型ヒトトロンボモジュリンが配列番号2のアミノ酸配列を含む、[1]に記載の間葉系幹細胞。
[3]前記間葉系幹細胞が骨髄由来又は脂肪組織由来である、[1]または[2]に記載の間葉系幹細胞。
[4]トロンビン生成阻害作用及び/又はトロンビン阻害作用を示す、[1]~[]のいずれか一項に記載の間葉系幹細胞。
[5][1]~[]のいずれか一項に記載の間葉系幹細胞を有効成分として含有する細胞製剤。
[6]移植片対宿主病、敗血症、急性肺障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)、膠原病、腎炎、肝炎及び脳障害からなる群より選択される疾患の治療又は予防用である、[]に記載の細胞製剤。
EGFP発現量の比較。intact-mBMSCとTMD123-mBMSCを継代培養し、2継代(P2)、4継代(P4)及び10継代(P10)のEGFP発現量を比較した。 培養上清中のTMD123発現量の比較。intact-mBMSCとTMD123-mBMSCの培養上清中のTMD123発現量を経時的に検出し、比較した。 細胞増殖能の比較。cont-mBMSCとTMD123-mBMSCの細胞増殖能をWST-1アッセイで比較した。 分化能の比較。intact-mBMSC、cont-mBMSC、TMD123-mBMSCを脂肪細胞と骨細胞へ分化誘導し、分化能を比較した。 凝固時間の比較。cont-mBMSCとTMD123-mBMSCの細胞浮遊液の凝固時間を比較した。**p<0.01 生体投与実験の結果。C57BL/6NにTMD123-mBMSCを腹腔内投与し、血液中のTMD123発現量をELISAで測定した。 生体投与実験の結果(MSC投与後の生存率)。C57BL/6Nにcont-mBMSC又はTMD123-mBMSCを静脈投与し、生存率を比較した。独立した2回の実験を行った。expは実験(experiment)を表す。 ベクターマップ(pBGJR-EGFP-TMD123)。 ヒトトロンボモジュリン(TM)の構造。全長(上段)と可溶性/分泌型(下段)の構造を比較して示す。 全長型TM-mBMSCと可溶性TM-mBMSC(TMD123-mBMSC)の抗血栓作用の比較。 全長型TM-mBMSCと可溶性TM-mBMSC(TMD123-mBMSC)の治療効果(細胞投与後の生存率)の比較。
本発明はトロンボモジュリン(TM)を安定発現する間葉系幹細胞(MSC)及びその用途に関する。本発明が提供する細胞は、MSCに対してTM遺伝子を導入することによって得られるものであり、TMを安定発現するという特徴を備える。安定発現では、一過性発現と対照的に、導入遺伝子(即ちTM遺伝子)が宿主細胞のゲノムに組み込まれた状態で発現する。安定発現の場合、持続的な発現が認められ、導入遺伝子が細胞分裂に伴って子孫の細胞に引き継がれていく。
TMは抗血栓性と抗炎症作用を合わせ持つタンパク質である。ヒトTMは膜結合型であり、そのアミノ末端が細胞膜の外側に露出し、カルボキシル末端が細胞内に存在する。肺(例えばEMBO J. 1987 Jul; 6(7): 1891-1897を参照)や尿(特開昭63-146898号公報、特開平3-86900号公報、特開平3-218399号公報等を参照)等に由来するTMが報告されている。
本発明の一態様では、分泌型且つ可溶性のTMが用いられる。分泌型とは、発現後に細胞から分泌される形態であり、発現後に細胞内に留まったり、或いは細胞膜に局在したりする形態と対照をなす。細胞培養後の培養液中にTMが検出されることは、細胞が分泌型TMを発現していることの指標となる。一方、可溶性とは、界面活性剤等による処理を施さなくとも、水性媒体に可溶(即ち凝集体や沈殿が形成されない)であることを意味する。
遺伝子工学的手法によって細胞膜貫通領域及び細胞質内領域を除去し、分泌型とした可溶性TMが報告されている(特開平1-6219号公報、特開平2-255699号公報、特開平3-133380号公報、特開平3-259084号公報、特開平4-210700号公報、特表平3-503757号公報、特表平4-505554号公報、EP474273号公報、WO91/04276号公報、WO91/05803号公報、WO91/15514号公報、WO92/00325号公報、WO92/03149号公報、WO93/15755号公報等)。一方、天然型のヒト尿由来可溶性TM(特開昭63-30423号公報、特開昭63-146898号公報、特開平3-86900号公報、特開平3-218399号公報等)も報告されている、
分泌型且つ可溶性のTMの具体例として、配列番号1のアミノ酸配列を有するTMを挙げることができる。当該TMは、膜貫通領域及び細胞質内領域が除去された構造を備える。分泌型でなはなく、膜結合型のTMを採用することもできる。この態様のTM安定発現MSCは、細胞表面(即ち細胞膜上)にTMを安定発現することになる。膜結合型のTMの具体例として、配列番号2のアミノ酸配列を有するTMを挙げることができる。当該TMは、全長ヒトTMである。TMの具体例として二つのアミノ酸配列を示したが、TMの活性を完全に失わない限度において、上記アミノ酸配列(配列番号1、配列番号2)の一部が改変ないし変異したTMを用いることもできる。ここでの改変ないし変異は、アミノ酸残基の欠失、置換、挿入、付加などによって生じる。
本発明の細胞を得るために、TM遺伝子を遺伝子導入する宿主細胞、即ちMSCの由来は特に限定されない。例えば、ヒト又は非ヒト動物(例えばマウス、ラット)の骨髄、歯髄、脂肪組織、子宮内膜、臍帯、臍帯血、骨格筋、末梢血等から調製したMSCを用いることができる。好ましいソース(由来)として骨髄と脂肪組織を例示することができる。即ち、本発明の好ましい態様では、骨髄由来MSC又は脂肪組織由来MSCに対して遺伝子導入し、TMを安定発現するMSCを得る。
本発明において「骨髄由来間葉系幹細胞(BM-MSC)」とは、骨髄中に認められる体性幹細胞のことをいうが、多能性を維持している限りにおいて、当該体性幹細胞の培養(継代培養を含む)により得られる細胞も「骨髄由来間葉系幹細胞(BM-MSC)」に該当するものとする。「脂肪組織由来間葉系幹細胞(ADSC)」についても同様である。通常、これらのMSCは、生体から分離された骨髄(BM-MSCの場合)又は脂肪組織(ADSCの場合)を出発材料とし、細胞集団(MSC以外の細胞を含み得る)を構成する細胞として「単離された状態」に調製される。ここでの「単離された状態」とは、その本来の環境(即ち生体の一部を構成した状態)から取り出された状態、即ち人為的操作によって本来の存在状態と異なる状態で存在していることを意味する。尚、脂肪組織由来MSCはADSC(Adipose-derived mesenchymal stem cells/Adipose tissue derived stem cell)、ASC(adipose-derived stem/stromal cell)、ADRC(Adipose-derived regeneration cells)、AT-MSC(Adipose-derived mesenchymal stem cells)、AD-MSC(Adipose-derived mesenchymal stem cells)等とも呼ばれる。
MSCは各種用途に広く用いられており、当業者であれば文献や成書を参考にして容易に調製することができる。公的な細胞バンクから分譲された細胞や市販の細胞などを用いることにしてもよい。本発明の細胞(TM安定発現MSC)の作製に用いられるMSCの調製法の例として、脂肪組織由来MSC(ADSC)の調製法(一例)を以下に示す。
<ADSCの調製法>
ADSCは、脂肪基質からの幹細胞の分離、洗浄、濃縮、培養等の工程を経て調製される。例えば公知の方法(Fraser JK et al. (2006), Fat tissue: an underappreciated source of stem cells for biotechnology. Trends in Biotechnology; Apr;24(4):150-4. Epub 2006 Feb 20. Review.; Zuk PA et al. (2002), Human adipose tissue is a source of multipotent stem cells. Molecular Biology of the Cell; Dec;13(12):4279-95.; Zuk PA et al. (2001), Multilineage cells from human adipose tissue: implications for cell-based therapies. Tissue Engineering; Apr;7(2):211-28.等が参考になる)に従ってADSCを調製することができる。また、脂肪組織からADSCを調製するための装置(例えば、Celution(登録商標)装置(サイトリ・セラピューティクス社、米国、サンディエゴ))も市販されており、当該装置を利用してADSCを調製することにしてもよい。当該装置を利用すると、脂肪組織より、ADSCを含む細胞集団を分離できる(K. Lin. et al. Cytotherapy(2008) Vol. 10, No. 4, 417-426)。以下、ADSCの調製法の具体例を示す。
(1)脂肪組織からの細胞集団の調製
脂肪組織は動物から切除、吸引などの手段で採取される。ここでの用語「動物」はヒト、及びヒト以外の哺乳動物(ペット動物、家畜、実験動物を含む。具体的には例えばマウス、ラット、モルモット、ハムスター、サル、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ等)を含む。免疫拒絶の問題を回避するため、本発明の細胞を適用する対象(患者)と同一の個体から脂肪組織(自己脂肪組織)を採取することが好ましい。但し、同種の動物の脂肪組織(他家)又は異種動物の脂肪組織の使用を妨げるものではない。
脂肪組織として皮下脂肪、内臓脂肪、筋肉内脂肪、筋肉間脂肪を例示できる。この中でも皮下脂肪は局所麻酔下で非常に簡単に採取できるため、採取の際のドナーへの負担が少なく、好ましい細胞源といえる。通常は一種類の脂肪組織を用いるが、二種類以上の脂肪組織を併用することも可能である。また、複数回に分けて採取した脂肪組織(同種の脂肪組織でなくてもよい)を混合し、以降の操作に使用してもよい。脂肪組織の採取量は、ドナーの種類や組織の種類、或いは必要とされるADSCの量を考慮して定めることができ、例えば0.5~500g程度である。ヒトをドナーとする場合にはドナーへの負担を考慮して一度に採取する量を約10~20g以下にすることが好ましい。採取した脂肪組織は、必要に応じてそれに付着した血液成分の除去及び細片化を経た後、以下の酵素処理に供される。尚、脂肪組織を適当な緩衝液や培養液中で洗浄することによって血液成分を除去することができる。
酵素処理は、脂肪組織をコラゲナーゼ、トリプシン、ディスパーゼ等の酵素によって消化することにより行う。このような酵素処理は当業者に既知の手法及び条件により実施すればよい(例えば、R.I. Freshney, Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique, 4th Edition, A John Wiley & Sones Inc., Publication参照)。以上の酵素処理によって得られた細胞集団は、多能性幹細胞、内皮細胞、間質細胞、血球系細胞、及び/又はこれらの前駆細胞等を含む。細胞集団を構成する細胞の種類や比率などは、使用した脂肪組織の由来や種類に依存する。
(2)沈降細胞集団(SVF画分:stromal vascular fractions)の取得
細胞集団は続いて遠心処理に供される。遠心処理による沈渣を沈降細胞集団(本明細書では「SVF画分」ともいう)として回収する。遠心処理の条件は、細胞の種類や量によって異なるが、例えば1~10分間、800~1500rpmである。尚、遠心処理に先立ち、酵素処理後の細胞集団をろ過等に供し、その中に含まれる酵素未消化組織等を除去しておくことが好ましい。
ここで得られた「SVF画分」はADSCを含む。尚、SVF画分を構成する細胞の種類や比率などは、使用した脂肪組織の由来や種類、酵素処理の条件などに依存する。また、国際公開第2006/006692A1号パンフレットにはSVF画分の特徴が示されている。
(3)接着性細胞(ADSC)の選択培養及び細胞の回収
SVF画分にはADSCの他、他の細胞成分(内皮細胞、間質細胞、血球系細胞、これらの前駆細胞等)が含まれる。そこで本発明の一態様では以下の選択培養を行い、SVF画分から不要な細胞成分を除去する。そして、その結果得られた細胞をADSCとして本発明に用いる。
まず、SVF画分を適当な培地に懸濁した後、培養皿に播種し、一晩培養する。培地交換によって浮遊細胞(非接着性細胞)を除去する。その後、適宜培地交換(例えば2~4日に一度)をしながら培養を継続する。必要に応じて継代培養を行う。継代数は特に限定されないが、多能性と増殖能力の維持の観点からは過度に継代を繰り返すことは好ましくない(5継代程度までに留めておくことが好ましい)。尚、培養用の培地には、通常の動物細胞培養用の培地を使用することができる。例えば、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)(日水製薬株式会社等)、α-MEM(大日本製薬株式会社等)、DMEM:Ham's F12混合培地(1:1)(大日本製薬株式会社等)、Ham's F12 medium(大日本製薬株式会社等)、MCDB201培地(機能性ペプチド研究所)等を使用することができる。血清(ウシ胎仔血清、ヒト血清、羊血清など)又は血清代替物(Knockout serum replacement(KSR)など)を添加した培地を使用することにしてもよい。血清又は血清代替物の添加量は例えば5%(v/v)~30%(v/v)の範囲内で設定可能である。
以上の操作によって接着性細胞が選択的に生存・増殖する。続いて、増殖した細胞を回収する。回収操作は常法に従えばよく、例えば酵素処理(トリプシンやディスパーゼ処理)後の細胞をセルスクレイパーやピペットなどで剥離することによって容易に回収することができる。また、市販の温度感受性培養皿などを用いてシート培養した場合は、酵素処理をせずにそのままシート状に細胞を回収することも可能である。以上のような回収操作を行うことにより、ADSCを高純度で含有する細胞集団を得ることができる。
(4)低血清培養(低血清培地での選択的培養)及び細胞の回収
本発明の一態様では、上記(3)の操作の代わりに又は上記(3)の操作の後に以下の低血清培養を行う。そして、その結果得られた細胞をADSCとして本発明に用いる。
低血清培養では、SVF画分((3)の後にこの工程を実施する場合には(3)で回収した細胞を用いる)を低血清条件下で培養し、目的の多能性幹細胞(即ちADSC)を選択的に増殖させる。低血清培養法では用いる血清が少量で済むことから、本発明の細胞が投与される対象(患者)自身の血清を使用することが可能となる。即ち、自己血清を用いた培養が可能となる。自己血清を使用することによって、製造工程中から異種動物材料を排斥し、安全性が高く且つ高い治療効果を期待できる細胞又はそれを有効成分とした細胞製剤が提供される。ここでの「低血清条件下」とは5%以下の血清を培地中に含む条件である。好ましくは2%(V/V)以下の血清を含む培養液中で細胞培養する。更に好ましくは、2%(V/V)以下の血清と1~100ng/mlの線維芽細胞増殖因子-2(bFGF)を含有する培養液中で細胞培養する。
血清はウシ胎仔血清に限られるものではなく、ヒト血清や羊血清等を用いることができる。好ましくはヒト血清、更に好ましくは本発明の細胞が投与される対象の血清(即ち自己血清)を用いる。
培地は、使用の際に含有する血清量が低いことを条件として、通常の動物細胞培養用の培地を使用することができる。例えば、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)(日水製薬株式会社等)、α-MEM(大日本製薬株式会社等)、DMEM:Ham's F12混合培地(1:1)(大日本製薬株式会社等)、Ham's F12 medium(大日本製薬株式会社等)、MCDB201培地(機能性ペプチド研究所)等を使用することができる。
以上の方法で培養することによって、多能性幹細胞(ADSC)を選択的に増殖させることができる。また、上記の培養条件で増殖する多能性幹細胞(ADSC)は高い増殖活性を持つので、継代培養によって、本発明に必要とされる数の細胞を容易に調製することができる。尚、国際公開第2006/006692A1号パンフレットには、SVF画分を低血清培養することによって選択的に増殖する細胞の特徴が示されている。
続いて、上記の低血清培養によって選択的に増殖した細胞を回収する。回収操作は上記(3)の場合と同様に行えばよい。
以上の方法では、SVF画分を低血清培養して増殖した細胞がADSCとして用いられるが、脂肪組織から得た細胞集団を直接(SVF画分を得るための遠心処理を介することなく)低血清培養することによって増殖した細胞をADSCとして用いることにしてもよい。即ち本発明の一態様では、脂肪組織から得た細胞集団を低血清培養したときに増殖した細胞をADSCとして用いる。
以上の方法等によって用意したMSCに対して、それが安定発現するようにTM遺伝子を導入することにより、本発明の細胞を得ることができる。TM遺伝子としては、例えば、上記の分泌型且つ可溶性のTM(配列番号1のアミノ酸配列を有する)をコードする遺伝子や全長ヒトTM(配列番号2のアミノ酸配列を有する)をコードする遺伝子を用いることができる。前者の核酸配列の具体例を配列番号3に、後者の核酸配列の具体例を配列番号4にそれぞれ示す。
MSCへのTM遺伝子の導入は常法で行えばよい。好ましくは、導入遺伝子の安定発現が可能であり、かつ高い遺伝子導入効率が得られる方法を採用するとよい。ウイルスベクターを用いた方法はウイルスが細胞へと感染する現象を巧みに利用するものであり、好ましい遺伝子導入法の一つである。各種ウイルスベクターが開発されているが、例えば、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクターを利用することができる。これらのベクターを用いれば、ベクターに組み込んだ外来遺伝子が宿主染色体へと組み込まれ、安定かつ長期的な発現が期待できる。各ウイルスベクターは既報の方法に従い又は市販される専用のキットを用いて作製することができる。例えば、レトロウイルスベクターは以下の手順で作製することができる。まず、ウイルスゲノムの両端に存在するLTR(Long Terminal Repeat)の間のパッケージングシグナル配列以外のウイルスゲノム(gag、pol、env遺伝子)を取り除き、そこへ目的の遺伝子を挿入する。このようにして構築したウイルスDNAを、gag、pol、env遺伝子を構成的に発現するパッケージング細胞に導入する。これによって、パッケージングシグナル配列をもつベクターRNAのみがウイルス粒子に組み込まれ、レトロウイルスベクターが産生される。また、レンチウイルスベクターは、ウイルス粒子をつくるための遺伝子をもたず、LTRのエンハンサー・プロモーター部分も削除してありself inactivatingベクターである。したがって安全性が高い。尚、レンチウイルスベクターを用いた遺伝子導入操作の具体例は後述の実施例に示される。
本発明のMSC、即ち、TMを安定発現するMSCを生理食塩水や適当な緩衝液(例えばリン酸系緩衝液)等に懸濁することによって細胞製剤を得ることができる。本明細書において「細胞製剤」とは、細胞を有効成分として含む剤を意味する。本発明の細胞製剤では、TMを安定発現するMSCが有効成分となる。治療上有効量の細胞が投与されるように、一回投与分の量として例えば1×106個~1×109個の細胞を含有させるとよい。細胞の含有量は、使用目的、対象疾患、適用対象(レシピエント)の性別、年齢、体重、患部の状態、細胞の状態などを考慮して適宜調整することができる。
細胞の保護を目的としてジメチルスルフォキシド(DMSO)や血清アルブミン等を、細菌の混入を阻止することを目的として抗生物質等を、細胞の活性化、増殖又は分化誘導などを目的として各種の成分(ビタミン類、サイトカイン、成長因子、ステロイド等)を本発明の細胞製剤に含有させてもよい。サイトカインの例はインターロイキン(IL)、インターフェロン(IFN)、コロニー刺激因子(CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)及びエリスロポエチン(EPO)、アクチビン、オンコスタチンM(OSM)である。尚、CSF、G-CSF、EPO等は成長因子でもある。一方、成長因子の例は肝細胞増殖因子(HGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF、FGF2)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、インスリン様成長因子(IGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF)、神経成長因子(NGF)及び脳由来神経栄養因子(BDNF)である。さらに、製剤上許容される他の成分(例えば、担体、賦形剤、崩壊剤、緩衝剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、安定剤、保存剤、防腐剤、生理食塩水など)を本発明の細胞製剤に含有させてもよい。
本発明の細胞製剤は、免疫調節作用又は抗炎症作用が有効な各種疾患や障害などに適用可能である。本発明の細胞製剤による予防又は治療の対象となりうる疾患等を例示すると、移植時の合併症である移植片対宿主病(GVHD)、敗血症、急性肺障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)、膠原病(強皮症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、混合性結合織病等)、腎炎、肝炎及び脳障害である。尚、その効果を確認・検証することなどの実験ないし研究目的で本発明の細胞製剤を使用することもできる。
本発明の細胞製剤が投与される対象は典型的にはヒトである。但し、ヒト以外の哺乳動物(ペット動物、家畜、実験動物を含む。具体的には例えばマウス、ラット、モルモット、ハムスター、サル、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ等)用に細胞製剤を構成することも可能である。
本発明の細胞製剤の投与経路は特に限定されない。例えば、静脈内注射、動脈内注射、門脈内注射、皮内注射、皮下注射、筋肉内注射、又は腹腔内注射によって本発明の細胞製剤を投与する。全身投与によらず、局所投与することにしてもよい。局所投与として、目的の組織・臓器・器官への直接注入を例示することができる。投与スケジュールは、対象(患者)の性別、年齢、体重、病態などを考慮して作成すればよい。単回投与の他、連続的又は定期的に複数回投与することにしてもよい。複数回投与する際の投与間隔は特に限定されず、例えば1日~3月である。また、投与回数も特に限定されない。投与回数の例は2回~10回である。
本発明の細胞製剤の投与量については、投与経路(移植部位)、レシピエント(患者)の症状の程度等を考慮して設定することができる。例えば、1回の治療(体重50kgのレシピエントを基準とする)で1.0×107個~1.0×109個の細胞を投与することにする。細胞製剤中の細胞の量は、目的の投与量を実現できるように設定すればよい。
以上の記述から自明な通り本出願は、移植片対宿主病(GVHD)、敗血症、急性肺障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)、膠原病(強皮症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、混合性結合織病等)、腎炎、肝炎及び脳障害等の患者に対して、本発明の細胞又はそれを含有する細胞製剤を治療上有効量投与することを特徴とする、治療法又は予防法も提供する。
1.リコモジュリン(TMD123)安定発現株の作製
293T細胞に下記ベクターを形質導入し、ウイルス粒子を作製した。尚、ベクターマップ(pBGJR-EGFP-TMD123)を図8に示す。
(i)pBGJR-EGFP-TMD123 ベクターまたはpBGJR-EGFPベクター
(ii)pCMV-dR8.91(パッケージングベクター)
(iii)pLP/VSVG(エンベロープエンコーディングプラスミド)
ウイルス粒子を濃縮し、C57BL/6Nマウス骨髄由来のmBMSCに遺伝子導入した。尚、細胞名は以下の通り定義する。
野生株:intact-mBMSC
対照:cont-mBMSC(pBGJR-EGFPベクターを遺伝子導入)
TMD123安定発現株:TMD123-mBMSC(pBGJR-EGFP-TMD123ベクターを遺伝子導入)
フローサイトメトリーにて標識物質EGFPの発現を確認した。intact-mBMSCとTMD123-mBMSCのEGFP発現を比較した結果、TMD123-mBMSCの方がEGFP発現量が優位に増加している上、継代培養を重ねてもEGFPの発現量は減弱しなかった(図1)。
TMD123-mBMSCの細胞培養上清中のTMD123発現量の経時的変化をELISA法で測定した。ELISAキットは市販のものを使用した。また、標準物質はリコモジュリン(TMD123)(旭化成株式会社より供与)を用いた。cont-mBMSCとTMD123-mBMSCの培養上清中のTMD123発現量を比較した。対照群のcont-mBMSCはTMD123発現が0だったのに対しTMD123-mBMSCではTMD123が産生され、産生量は経時的に増加していた(図2)。
2.TMD123安定発現MSCの増殖能及び多能性の評価(in vitro実験)
intact-mBMSCとTMD123-mBMSCの増殖率をWST-1アッセイで比較・評価した。cont-mBMSCとTMD123-mBMSCの細胞増殖能をWST-1アッセイで比較した。対照群のcont-mBMSCとTMD123-mBMSCは増殖能に有意差を認めなかった(図3)。TMD123はMSCの細胞増殖に影響を及ぼさないと考えられる。
intact-mBMSC、cont-mBMSC、TMD123-mBMSCの脂肪細胞と骨細胞への分化能を比較した。分化誘導には市販のキットを用いて、添付文書通りに細胞を分化誘導した。脂肪細胞の証明にはズダンIII染色、骨細胞の証明にはフォンコッサ染色を用いた。三者の間に差を認めなかった(図4)。TMD123はMSCの細胞分化に影響を及ぼさないと考えられる。
3.TMD123安定発現MSCの抗血栓性及び抗炎症性の評価(in vitro実験及びin vivo実験)
intact-mBMSCとTMD123-mBMSCの細胞浮遊液の凝固時間を比較した。細胞浮遊液、CaCl2、健常人血漿をガラス試験管に入れて混和し、ストップウォッチを始動した。絶えず試験管を混和しながら37℃の恒温槽で加温した。フィブリンが析出し流動性がなくなった時にストップウォッチを停止し、凝固時間とした。培養液と比較すると対照群のcont-mBMSCでは凝固時間が有意に短縮した(図5)。これに比べてTMD123-mBMSCでは凝固時間が対照群よりも有意に延長し、培養液に比べても凝固時間の短縮を認めなかった。この結果から、TMD123はMSCの血栓傾向をリカバーする作用を持つと考えられる。
C57BL/6NにTMD123-mBMSCを腹腔内投与し血中のTMD123発現量の経時的変化をELISA法で測定した。0日目ではTMD123の発現量は0であり、投与後1日目でTMD123の発現量はピークに達した(図6)。その後、発現量は減少し、10日目で発現量は0に戻った。また、TMD123-mBMSCはマウス体内で増殖し続けることなく、一定期間を過ぎると淘汰されることが示唆された。
一方、C57BL/6Nにcont-mBMSCを静脈投与した場合と、C57BL/6NにTMD123-mBMSCを静脈投与した場合を比較した。cont-mBMSCを静脈投与すると血栓形成により致死的となるが、TMD123-mBMSC を静脈投与した場合には血栓形成が予防された(図7)。
4.全長型TMと可溶性TMの比較
(1)全長型TM-mBMSCの作製
ヒト全長TM遺伝子を保持する発現ベクターからクローニングしたヒト全長TM遺伝子をレンチウイルスベクターのクローニングサイトに挿入した。このレンチウイルスベクターを用い、TMD123安定発現株(TMD123-mBMSC)の作製と同様の方法(上記1.を参照)でヒト全長TM遺伝子が導入された全長型TM-mBMSCを得た。全長型TM-mBMSCと可溶性TM-mBMSC(TMD123-mBMSC)の抗血栓作用及び治療効果を比較、検討した。尚、ヒトTMの構造(全長及び可溶性/分泌型)を図9に示す。
(2)抗血栓作用(凝固時間)の比較
細胞(全長型TM-mBMSC、可溶性TM-mBMSC、cont-mBMSC)をトリプシンEDTAで処理し、10%FBS添加α-MEMでピペッティングにより剥がした。遠心処理して細胞を回収し、FBS(-)RPMIで一度細胞を洗浄した。この操作により、培養上清中に存在し得る可溶性TMが除去される。次に、細胞浮遊液を40μmのフィルターに通して夾雑物を取り除いた。フィルター処理後の細胞浮遊液と健常人のプール血漿をガラス試験管に入れ、37℃恒温槽で3分ほど予備加温した。塩化カルシウムを加えてストップウォッチをスタートした。37℃の恒温槽に試験管を入れた状態でよく混和しながら、2~3秒に一度試験管を傾けて混合液の流動性を確認した。フィブリンが析出し流動性が無くなったらストップウォッチを止め、凝固時間とした。
図10に示す通り、全長型TM-mBMSCではCont-mBMSC及び可溶性TM-mBMSCに比べ凝固時間が有意に延長し、血栓傾向が抑制された。また、mBMSCの細胞数依存的に凝固時間は短縮し、血栓傾向が強まることが示唆された。
(2)BMSC静脈投与による治療効果(生存率)の比較
細胞(全長型TM-mBMSC、可溶性TM-mBMSC、cont-mBMSC)をトリプシンEDTAで処理し、10%FBS添加α-MEMでピペッティングにより剥がした。遠心処理して細胞を回収し、FBS(-)RPMIで一度細胞を洗浄した。この操作により、培養上清中に存在し得る可溶性TMが除去される。次に、細胞浮遊液を40μmのフィルターに通して夾雑物を取り除いた。フィルター処理後の細胞浮遊液を尾静脈からマウスに投与し、24時間後の生存率を比較した。
図11に示す通り、全長型TM-mBMSCの生存率が最も高かった。全長型TM-mBMSCはCont-mBMSC及び可溶性TM-mBMSCに比べ強い抗血栓作用を有しているため、投与後の生存率を高めたと推察される。また、生存率はmBMSCの投与細胞数依存的に低下することが示唆された。尚、痙攣や活動性の低下といった、細胞の投与に伴う副反応についても、全長型TM-mBMSCはCont-mBMSC及び可溶性TM-mBMSCに比べ有意に少なかった(データ示さず)。
全長型TM-mBMSCはCont-mBMSC及び可溶性TM-mBMSCに比べ血液凝固を抑制する作用が有意に強かった。マウスへの投与実験において、全長型TM-mBMSCはCont-mBMSC及び可溶性TM-mBMSCに比べ投与後の生存率が高く、より安全に投与できると考えられた。mBMSCの向凝固傾向を可溶性TMの投与により抑制することも可能であるが、逆に出血傾向を来す可能性がある。血液凝固を抑制する作用が強い全長型TM-mBMSCは、可溶性TMの使用を不要にし(或いは使用量を低減させることができ)、このようなリスクを回避又は低減することができる。
本発明が提供するTM安定発現MSCは抗血栓作用を示す。従って、生体に投与した際の安全性が高く、臨床応用に適する。本発明のTM安定発現MSCは、例えば、免疫調節作用又は抗炎症作用が有効な各種疾患や障害(移植時の合併症である移植片対宿主病(GVHD)、敗血症、急性肺障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)、膠原病(強皮症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、混合性結合織病等)、腎炎、肝炎及び脳障害等)の治療や予防に利用され得る。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。

Claims (6)

  1. 外来のトロンボモジュリンがゲノムに安定して組み込まれ、発現する、間葉系幹細胞であって、前記間葉系幹細胞がヒト間葉系幹細胞であり、前記トロンボモジュリンが全長型ヒトトロンボモジュリンである、間葉系幹細胞。
  2. 前記全長型ヒトトロンボモジュリンが配列番号2のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の間葉系幹細胞。
  3. 前記間葉系幹細胞が骨髄由来又は脂肪組織由来である、請求項1または2に記載の間葉系幹細胞。
  4. トロンビン生成阻害作用及び/又はトロンビン阻害作用を示す、請求項1~のいずれか一項に記載の間葉系幹細胞。
  5. 請求項1~のいずれか一項に記載の間葉系幹細胞を有効成分として含有する細胞製剤。
  6. 移植片対宿主病、敗血症、急性肺障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)、膠原病、腎炎、肝炎及び脳障害からなる群より選択される疾患の治療又は予防用である、請求項に記載の細胞製剤。
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