以下、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の一実施形態について説明する。
本明細書において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、機体を島設備に固定するための外枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、を備える。搭載枠11bには、後述する遊技盤YBが組み付けられる。
パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備える。スピーカSPは、所定の音声を出力する演出(以下、音声演出という)を実行可能である。所定の音声は、楽曲、及び効果音等である。パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、内蔵された発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出という)を実行可能である。パチンコ遊技機10は、遊技球を発射するときに操作される発射ハンドルHDを備える。パチンコ遊技機10は、遊技者が操作可能な操作部の一例である演出ボタンBTを備える。演出ボタンBTは、遊技球を貯留する球皿の近傍など、遊技者が遊技を行いながら操作できる箇所に設けられている。
図2に示すように、遊技盤YBの前面には、正面視で略円形状の遊技領域YBaが画成されている。遊技領域YBaの略中央には、表示窓口YBbが形成されている。遊技領域YBaの左方には、発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球を遊技領域YBaへ案内する発射通路YBcが形成されている。
遊技盤YBは、第1特別図柄表示装置19aを備える。第1特別図柄表示装置19aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームという)を実行可能である。遊技盤YBは、第2特別図柄表示装置19bを備える。第2特別図柄表示装置19bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームという)を実行可能である。特別図柄は、内部抽選(特別図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。以下、第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームを纏めて「特別ゲーム」という。特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄と、が少なくともある。パチンコ遊技機10では、当り抽選にて大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が停止表示され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。大当り遊技については後述する。
遊技盤YBは、第1保留表示装置19cを備える。第1保留表示装置19cは、保留条件が成立したが、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1保留数という)を特定可能な情報を表示する。遊技盤YBは、第2保留表示装置19dを備える。第2保留表示装置19dは、保留条件が成立したが、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2保留数という)を特定可能な情報を表示する。保留表示装置19c,19dは、特別ゲームの実行の保留を示す保留情報を表示する保留表示部の一例である。
遊技盤YBは、普通図柄表示装置19eを備える。普通図柄表示装置19eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を停止表示させる普通ゲームを実行可能である。普通図柄は、内部抽選(普通図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、が少なくともある。本実施形態では、普通図柄の当り抽選に当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が停止表示され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。遊技盤YBは、普通保留表示部を備えてもよい。普通保留表示部は、保留条件が成立したが、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。また、遊技盤YBは、所謂「右打ち」を指示する情報を表示する右打ち表示部や、後述するラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部を備えていてもよい。
パチンコ遊技機10は、画像を表示可能な画像表示部を有する演出表示装置EHを備える。演出表示装置EHは、表示窓口YBbを介して、画像表示部の画像表示領域Rを視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。例えば、演出表示装置EHは、液晶装置である。演出表示装置EHは、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出という)を実行可能である。例えば、演出表示装置EHにおける表示演出には、複数列の演出図柄(飾り図柄)を用いた演出図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームという)がある。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が停止表示される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。例えば、本実施形態の演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで停止表示される特別図柄に応じた図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにおいて、大当り図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにおいて、はずれ図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが停止表示される。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームに対応して実行される演出ゲームと、を纏めて「変動ゲーム」と示す場合がある。演出ゲームは、リーチ演出を含むときがある。リーチ演出は、リーチを形成するとともに、最終的に所定の図柄組合せを停止表示させる演出である。例えば、リーチは、左右の図柄列において、同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、中図柄列において、演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。リーチ演出には、ノーマルリーチ演出と、ノーマルリーチ演出に比して大当り期待度が高いスーパーリーチ演出と、が含まれる。
遊技領域YBaには、遊技球が入球可能な複数の入賞口(入球口)が形成されている。入賞口には、第1始動口12と、第2始動口13と、大入賞口14と、が少なくともある。第1始動口12は、第1特別ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。第1始動口12は、演出表示装置EHの下方にあり、常時、遊技球を入球させることができるように開口している。遊技盤YBは、第1始動口12へ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1を備える(図7参照)。第2始動口13は、第2特別ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。第2始動口13は、第1始動口12の右方にある。第2始動口13は、扉状であることを一例とする開閉片を備えており、普通当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖されている。第2始動口13は、普通当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤YBは、第2始動口13を開放させる手段として、普通ソレノイドSL1を備える(図7参照)。また、遊技盤YBは、第2始動口13へ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2を備える(図7参照)。第2始動口13は、所謂「普通電動役物」である。
大入賞口14は、賞球の払出条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。大入賞口14は、演出表示装置EHの右下方にある。大入賞口14は、扉状であることを一例とする開閉片を備えており、大当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができないように閉鎖されている。大入賞口14は、大当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤YBは、大入賞口14を開放させる手段として、特別ソレノイドSL2を備える(図7参照)。また、遊技盤YBは、大入賞口14へ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3を備える(図7参照)。
遊技領域YBaには、ゲート17が配設されている。ゲート17は、遊技領域YBaの右方領域であって、第2始動口13、及び大入賞口14の上方にある。ゲート17には、常時、遊技球を入球させることができるように開放されたゲート口17aを有する。ゲート口17aには、入球し、通過する遊技球を検知するゲートセンサSE4が配設されている(図7参照)。ゲート17は、普通ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入球口である。ゲート17は、遊技球が入球しても賞球の払出条件が成立しない。遊技領域YBaの最下方には、第1始動口12、第2始動口13、及び大入賞口14の何れにも入球しなかった遊技球を機外に排出するためのアウト口18が形成されている。
パチンコ遊技機10において、遊技者は、発射ハンドルHDの操作により、遊技球の発射強度を調整し、表示窓口YBbより左方にある左方領域、及び表示窓口YBbより右方にある右方領域に遊技球を打ち分ける。例えば、発射強度を強めに調整して遊技球を発射した場合(以下、右打ちという)、遊技球は、右方領域に流下案内され易く、第2始動口13、大入賞口14、又はゲート17へ入球する可能性がある。右打ちは、遊技球を右方領域へ到達させるために勢いよく発射させる必要があることから、発射強度を最大強度又は最大強度よりも若干弱い強度に調整して行う。一方、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合(以下、左打ちという)、遊技球は、左方領域に流下案内され易く、第1始動口12へ入球する可能性がある。左打ちは、右打ちのときほど遊技球を勢いよく発射させる必要がないため、発射させた遊技球が右方領域へ到達しない程度の強度に調整して行う。本実施形態では、右打ちした場合、第1始動口12へ遊技球が入球し得ないよう、遊技釘などの遊技部品によって遊技球の流路が形成されている。遊技部品は、右打ちしたときに第1始動口12への入球を規制するように配置されていてもよいし、左打ちしたときに比して、第1始動口12へ入球し難いように配置されていてもよい。
本実施形態における「左方領域」は、遊技盤YBを正面視したときに遊技領域YBaを左右に二等分する中心線Cよりも左側に位置する領域である。本実施形態における「右方領域」は、遊技盤YBを正面視したときに中心線Cよりも右側に位置する領域である。発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球は、遊技領域YBaの左側にある発射通路YBcに案内され、遊技領域YBaに到達する。このため、左方領域は、発射通路YBc寄りの領域でもあり、右方領域は、発射通路YBcから離れた領域でもある。左方領域を流下案内される遊技球は、正面視において遊技領域YBaの中央に位置する演出表示装置EHの左側を通り、遊技領域YBaの最下方に位置するアウト口18へ向かう。一方、右方領域を流下案内される遊技球は、正面視において遊技領域YBaの中央に位置する演出表示装置EHの右側を通り、アウト口18へ向かう。
図2~図5に示すように、パチンコ遊技機10は、演出用の可動体Kを備える。可動体Kには、演出表示装置EHの画像表示領域Rの少なくとも一部を覆うように動作可能に構成された可動体として、第1可動体K1、第2可動体K2、第3可動体K3、及び第4可動体K4がある。各可動体K1~K4は、退避状態と、展開状態と、の間でそれぞれ独立して変形可能、又は変位可能に構成されている。各可動体K1~K4の退避状態は、それぞれの展開状態に比して、画像表示領域Rのうち、正面視において遮蔽する部分の面積(以下、遮蔽面積と示す)が小さくなる。つまり、各可動体K1~K4の展開状態は、それぞれの退避状態に比して、遮蔽面積が大きくなる。本実施形態において、遮蔽面積は、画像表示領域Rのうち展開状態となった可動体によって視認不能、又は視認困難となる面積である。各可動体K1~K4は、その空間的な動作範囲が互いに重複しない。したがって、各可動体K1~K4は、同時期に並行して動作可能である。
本実施形態において、各可動体K1~K4は、ロールシャッターを模した可動体である。各可動体K1~K4は、巻き取られて退避状態となる一方、送り出されるように展開されて展開状態となる。各可動体EK1~EK4は、光を透過しない、又は透過し難い材料製であり、画像表示領域Rのうち可動体によって遮蔽された部分では、表示されている画像を視認不能(又は極めて視認困難)である。各可動体K1~K4は、画像表示領域Rを複数に区分(分割)して形成される領域を各別に遮蔽する。本実施形態において、画像表示領域Rには、上下方向及び左右方向にそれぞれ2つに区分したうちの左上部分である第1領域R1、右上部分である第2領域R2、左下部分である第3領域R3、及び右下部分である第4領域R4の4つが設定されている。
図3(a)→(b)の流れで示すように、第1可動体K1は、退避状態であるとき、表示窓口YBbの左上縁部にある第1収容部に収容される一方、展開状態に変形するとき、第1収容部から下方へ向かって延びるように展開される。第1可動体K1は、展開状態に変形すると、退避状態であるときに比して、第1領域R1の遮蔽面積が大きくなる。例えば、第1可動体K1が展開状態となると、第1領域R1の全体が第1可動体K1によって遮蔽され、遊技者から視認不能になる。領域R2~R4は、可動体K2~K4が退避状態に維持されることで遮蔽されておらず、遊技者から視認可能である。
図3(a)→図4(a)の流れで示すように、第2可動体K2は、退避状態であるとき、表示窓口YBbの右上縁部にある第2収容部に収容される一方、展開状態に変形するとき、第2収容部から下方へ向かって延びるように展開される。第2可動体K2は、展開状態に変形すると、退避状態であるときに比して、第2領域R2の遮蔽面積が大きくなる。例えば、第2可動体K2が展開状態となると、第2領域R2の全体が第2可動体K2によって遮蔽され、遊技者から視認不能になる。領域R1,R3,R4は、可動体K1,K3,K4が退避状態に維持されることで遮蔽されておらず、遊技者から視認可能である。
図3(a)→(c)の流れで示すように、第3可動体K3は、退避状態であるとき、表示窓口YBbの右下縁部にある第3収容部に収容される一方、展開状態に変形するとき、第3収容部から上方へ向かって延びるように展開される。第3可動体K3は、展開状態に変形すると、退避状態であるときに比して、第3領域R3の遮蔽面積が大きくなる。例えば、第3可動体K3が展開状態となると、第3領域R3の全体が第3可動体K3によって遮蔽され、遊技者から視認不能になる。領域R1,R2,R4は、可動体K1,K2,K4が退避状態に維持されることで遮蔽されておらず、遊技者から視認可能である。
図3(a)→図4(b)の流れで示すように、第4可動体K4は、退避状態であるとき、表示窓口YBbの右下縁部にある第4収容部に収容される一方、展開状態に変形するとき、第4収容部から上方へ向かって延びるように展開される。第4可動体K4は、展開状態に変形すると、退避状態であるときに比して、第4領域R4の遮蔽面積が大きくなる。例えば、第4可動体K4が展開状態となると、第4領域R4の全体が第4可動体K4によって遮蔽され、遊技者から視認不能になる。領域R1~R3は、可動体K1~K3が退避状態に維持されることで遮蔽されておらず、遊技者から視認可能である。
各可動体K1~K4は、それぞれが単独で動作するだけでなく、任意に選択できる2つが同時に動作することも可能である。例えば、図3(a)→図4(c)の流れで示すように、可動体K1,K3が何れも展開状態に変形され得る。これにより、領域R1,R3は、何れも遮蔽され、遊技者から視認不能になる。一方、領域R2,R4は、可動体K2,K4が退避状態に維持されることで遮蔽されておらず、遊技者から視認可能である。また、例えば、図3(a)→図5(a)の流れで示すように、可動体K2,K4が何れも展開状態に変形され得る。これにより、領域R2,R4は、何れも遮蔽され、遊技者から視認不能になる。一方、領域R1,R3は、可動体K1,K3が退避状態に維持されることで遮蔽されておらず、遊技者から視認可能である。
各可動体K1~K4は、任意に選択できる3つが同時に動作することも可能である。例えば、図3(a)→図5(b)の流れで示すように、可動体K1,K2,K4が何れも展開状態に変形され得る。これにより、領域R1,R2,R4は、何れも遮蔽され、遊技者から視認不能になる。一方、第3領域R3は、第3可動体K3が退避状態に維持されることで遮蔽されておらず、視認可能である。各可動体K1~K4は、4つ(全部)が同時に動作することも可能である。例えば、図3(a)→図5(c)の流れで示すように、各可動体K1~K4が何れも展開状態に変形され得る。これにより、領域R1~R4は、何れも遮蔽され、遊技者から視認不能になる。つまり、画像表示領域Rの全部が遮蔽される。
図2、図3、及び図6に示すように、可動体Kには、演出表示装置EHの画像表示領域Rを覆うように動作可能に構成された可動体として、各可動体K1~K4とは異なる第5可動体K5がある。第5可動体K5は、退避状態と、展開状態と、の間において、各可動体K1~K4とは独立して変形可能、又は変位可能に構成されている。第5可動体K5の退避状態は、展開状態に比して遮蔽面積が小さくなる。つまり、第5可動体K5の展開状態は、退避状態に比して遮蔽面積が大きくなる。
本実施形態において、第5可動体K5は、上下に分かれて開閉するシャッターを模した可動体である。第5可動体K5は、各可動体K1~K4よりも後側(演出表示装置EH側)に配設された上シャッター部材K5a、及び下シャッター部材K5bを有する。第5可動体K5は、シャッター部材K5a,K5bが上下方向に沿って互いに離間するように変位されて退避状態となる一方、上下方向に沿って互いに近接するように変位されて展開状態となる。第5可動体K5は、画像表示領域Rの一部又は全部を遮蔽する。第5可動体K5の動作範囲は、各可動体K1~K4の動作範囲と空間的に重複しない。したがって、第5可動体K5は、各可動体K1~K4と同時期に並行して動作可能である。第5可動体K5は、光を透過しない、又は透過し難い材質から形成されている。画像表示領域Rのうち、第5可動体K5によって遮蔽された部分では、表示されている画像を視認不能(又は極めて視認困難)である。
図3(a)に示すように、第5可動体K5は、上シャッター部材K5aが表示窓口YBbの上縁部に沿って配置され、下シャッター部材K5bが表示窓口YBbの下縁部に沿って配置されることにより、退避状態となる。図3(a)→図6(a)の流れで示すように、第5可動体K5は、シャッター部材K5a,K5bが上下方向に沿って互いに近接するように変位し、画像表示領域Rの一部(本実施形態では半分)を遮蔽する第1展開状態となる。つまり、第5可動体K5による遮蔽面積は、第1展開状態であるとき、退避状態であるときに比して増加する。これにより、画像表示領域R(領域R1~R4)の一部が遮蔽され、当該遮蔽された部分が遊技者から視認不能になる。一方、画像表示領域Rのうち、第5可動体K5に遮蔽されていない部分は、遊技者から視認可能である。さらに、図3(a)→図6(a)→図6(b)の流れで示すように、第5可動体K5は、シャッター部材K5a,K5bが上下方向に沿って互いに接するように変位し、画像表示領域Rの全部を遮蔽する第2展開状態となり得る。つまり、第5可動体K5による遮蔽面積は、第2展開状態であるとき、退避状態又は第1遮蔽状態であるときに比して増加する。これにより、画像表示領域R(領域R1~R4)の全部が遮蔽され、遊技者から視認不能になる。
本実施形態において、可動体K1~K5は、遮蔽部の一例であり、第1可動体K1は、第1遮蔽部の一例であり、第2可動体K2は、第2遮蔽部の一例である。また、可動体K1~K5に含まれる第5可動体K5は、第1可動体K1及び第2可動体K2とは異なる特殊遮蔽部の一例となる。本実施形態において、演出表示装置EH、スピーカSP、装飾ランプLA、及び可動体K1~K5は、それぞれが演出を実行可能な演出装置であり、これらは複数の演出装置からなる演出装置群を形成する。
次に、大当り遊技について説明する。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口14を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2条件の成立により終了される。ラウンド遊技において、大入賞口14は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
次に、パチンコ遊技機10に搭載された各種の機能について説明する。
パチンコ遊技機10は、確率変動機能(以下、確変機能という)を搭載している。
確率変動機能は、大当り抽選にて大当りに当選する確率(以下、大当り確率という)を変動させるための機能である。即ち、パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なり得る状態として、確変機能が作動しない低確率状態と、確変機能が作動する高確率状態と、を備える。高確率状態は、低確率状態に比して大当り確率が高い。高確率状態では、大当り確率が低確率状態に比して高まることから、遊技者にとって極めて有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
パチンコ遊技機10は、入球補助機能を搭載している。
入球補助機能は、普通電動役物である第2始動口13への入賞を補助することにより、ベース(遊技球の発射個数に対する賞球個数の割合)を変動させるための機能である。即ち、パチンコ遊技機10は、ベースが異なり得る状態として、入球補助機能が作動しない低ベース状態と、入球補助機能が作動する高ベース状態と、を備える。本実施形態における高ベース状態は、低ベース状態に比して、遊技球が第2始動口13へ入球する確率が高い。高ベース状態では、遊技球が第2始動口13へ入球する確率が高まり、第2始動口13への遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な状態(入球容易状態)となる。高ベース状態は、所謂「電サポ状態」であり、低ベース状態は、所謂「非電サポ状態」である。
例えば、高ベース状態は、次に説明する3つの制御のうち任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことによって実現できる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を、低ベース状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低ベース状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。3つめの制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口13の合計開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。開放時間延長制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口13の開放回数を低ベース状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第2始動口13の1回の開放時間を低ベース状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方であるとよい。高ベース状態は、次に説明する制御を組み合わせて実現してもよい。4つめの制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低ベース状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高ベース状態は、特別図柄の変動時間短縮状態(時短状態)となり、低ベース状態は、特別図柄の非変動時間短縮状態(非時短状態)となる。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変機能の作動の有無と、入球補助機能の作動の有無と、の組み合わせによって遊技状態が規定される。以下の説明では、低確率状態、且つ低ベース状態である遊技状態を「低確低ベース状態」と示し、高確率状態、且つ低ベース状態である遊技状態を「高確低ベース状態」と示す。また、低確率状態、且つ高ベース状態である遊技状態を「低確高ベース状態」と示し、高確率状態、且つ高ベース状態である遊技状態を「高確高ベース状態」と示す。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図7に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、主基板40と、副基板50と、を備える。主基板40と、副基板50とは、主基板40から副基板50へと一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。主基板40は、所定の処理を実行し、副基板50へ制御信号を出力する。副基板50は、主基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
主基板40について詳しく説明する。
主基板40は、主制御CPU41と、主制御ROM42と、主制御RWM43と、乱数生成回路44と、を備える。主制御CPU41は、主制御プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を実行する。主制御ROM42は、主制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。主制御ROM42は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの変動内容(演出内容)を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組み合わせが停止表示される変動内容となる。はずれ変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て、又はリーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組み合わせが停止表示される変動内容となる。主制御RWM43は、主制御CPU41の処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RWM43が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。乱数生成回路44は、ハードウェア乱数を生成する。主基板40は、主制御CPU41による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されていてもよい。
主基板40は、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、及びゲートセンサSE4と接続されている。主制御CPU41は、各センサSE1~SE4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能である。主基板40は、複数の表示装置19a~19eと接続されている。主制御CPU41は、複数の表示装置19a~19eの表示内容を制御可能である。主基板40は、ソレノイドSL1,SL2と接続されている。主制御CPU41は、第2始動口13、及び大入賞口14の開放態様を制御可能である。
次に、副基板50について説明する。
副基板50は、副制御CPU51と、副制御ROM52と、副制御RWM53と、を備える。副制御CPU51は、副制御プログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。副制御ROM52は、副制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM52は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び可動演出に用いる可動演出データなどを記憶している。副制御RWM53は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RWM53が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。副基板50は、副制御CPU51による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。副基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
副基板50は、演出表示装置EHと接続されている。副制御CPU51は、演出表示装置EHの表示内容を制御可能である。副基板50は、スピーカSPと接続されている。副制御CPU51は、スピーカSPの出力内容を制御可能である。副基板50は、装飾ランプLAと接続されている。副制御CPU51は、装飾ランプLAの発光態様を制御可能である。副基板50は、可動体K1~K5のアクチュエータ(不図示)と接続されている。副制御CPU51は、各可動体EK1~EK5の動作(変形又は変位)を各別に制御可能である。副基板50は、演出ボタンBTと接続されている。副制御CPU51は、演出ボタンBTが操作されると出力する操作信号を入力可能である。
次に、主制御CPU41が行う各種の処理について説明する。
主制御CPU41は、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。
特別図柄入力処理について説明する。
主制御CPU41は、第1始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口12へ入球したか否かを判定する。遊技球が第1始動口12へ入球した場合、主制御CPU41は、主制御RWM43に記憶されている第1保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41は、第1保留数を1加算して更新する。続けて、主制御CPU41は、更新後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示装置19cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動センサSE1によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU41は、乱数生成回路44が生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM43に記憶させる。例えば、乱数は、特別図柄の当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。主制御CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。パチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM43に記憶させておくことで、当該第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
主制御CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM43に記憶させた場合、第1始動口12へ遊技球が入球していない場合、及び、第1保留数が上限数未満ではない場合、第2始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口13へ入球したか否かを判定する。遊技球が第2始動口13へ入球している場合、主制御CPU41は、主制御RWM43に記憶されている第2保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41は、第2保留数を1加算して更新する。主制御CPU41は、更新後の第2保留数を特定可能な情報を表示するように、第2保留表示装置19dを制御する。このように、第2特別ゲームの保留条件は、第2保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動センサSE2によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU41は、主基板40内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM43に記憶させる。主制御CPU41は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。パチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM43に記憶させておくことで、当該第2特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM43に記憶させた場合、第2始動口13へ遊技球が入球していない場合、及び、第2保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU41は、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御CPU41は、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU41は、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU41は、第2保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2保留数が零である場合、主制御CPU41は、第1保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1保留数が零である場合、主制御CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。
第1保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU41は、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主制御CPU41は、第1保留数を1減算して更新する。主制御CPU41は、更新後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示装置19cを制御する。次に、主制御CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM43から取得する。続けて、主制御CPU41は、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用いて、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。主制御CPU41は、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
大当りに当選した場合、主制御CPU41は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU41は、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて停止表示させる大当り図柄を決定する。主制御CPU41は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。
大当りに当選しなかった場合、主制御CPU41は、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主制御CPU41は、第1特別ゲームにて停止表示させるはずれ図柄を決定する。主制御CPU41は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、リーチあり、又はリーチ無しのはずれ変動パターンを決定する。その後、主制御CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。
第2保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU41は、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1保留数」を「第2保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主制御CPU41は、第2保留数の減算、大当り抽選、及び、大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
主制御CPU41は、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを副基板50へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理にて決定した変動パターンと、変動ゲームの開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU41は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU41は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示装置19aを制御する。主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第1特別図柄表示装置19aを制御する。また、主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を副基板50に出力する。
一方、主制御CPU41は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示装置19bを制御する。主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第2特別図柄表示装置19bを制御する。また、主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを副基板50に出力する。以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、主制御CPU41が特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を実行することによって、始動口への遊技球の入球を契機に当り抽選を行うように構成されている。
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU41は、特別ゲームにおいて大当り図柄を停止表示させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。主制御CPU41は、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主制御CPU41は、特定した種類の大当り遊技を付与する。
最初に、主制御CPU41は、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を副基板50に出力する。主制御CPU41は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU41は、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口14を開状態とする。主制御CPU41は、カウントセンサSE3による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は、上述の上限時間が経過すると、大入賞口14を閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU41は、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主制御CPU41は、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を副基板50に出力する。主制御CPU41は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を副基板50に出力する。主制御CPU41は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。主制御CPU41は、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を副基板50に出力する構成であってもよい。
次に、確率状態を移行させる確率移行処理について説明する。
主制御CPU41は、大当り図柄のうち第1大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM43に高確フラグをセットする。即ち、主制御CPU41は、高確率状態に制御する。なお、主制御CPU41は、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、確変フラグを消去しない。一方、主制御CPU41は、第1大当り図柄とは異なる第2大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM43に高確フラグをセットしない。即ち、主制御CPU41は、低確率状態に制御する。主制御CPU41は、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、当該高確フラグを消去する。即ち、主制御CPU41は、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
次に、入球率状態を移行させる処理について説明する。
主制御CPU41は、第1大当り図柄、又は第2大当り図柄に基づく大当り遊技が終了すると、主制御RWM43に作動フラグをセットする。即ち、主制御CPU41は、高ベース状態に制御する。主制御CPU41は、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、主制御RWM43に記憶されている実行カウンタの値を更新することによって、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。主制御CPU41は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、主制御RWM43に記憶されている作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU41は、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低ベース状態に制御する。なお、主制御CPU41は、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、作動フラグを消去しない。主制御CPU41は、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグがセットされているとき、当該作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU41は、大当り遊技中、低ベース状態に制御する。
次に、副制御CPU51が実行する各種の処理について説明する。
最初に、大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。副制御CPU51は、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように演出装置群を制御する。副制御CPU51は、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように演出装置群を制御する。副制御CPU51は、エンディング開始コマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように演出装置群を制御する。副制御CPU51は、エンディング終了コマンドを入力すると、エンディング演出を終了するように演出装置群を制御する。
次に、演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。副制御CPU51は、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを入力すると、演出ゲームを実行するように演出表示装置EHを含む演出装置群を制御する。具体的に、副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、当該制御コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、副制御CPU51は、特別図柄コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。
また、副制御CPU51は、リーチ演出の実行条件が成立しているか否かを判定する。例えば、リーチ条件は、リーチありの変動パターンが決定されることによって成立する。リーチ条件には、リーチありの変動パターンが決定されたことに加えて、所定のリーチ演出抽選を行い、当該リーチ演出抽選に当選したことを定めてもよい。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能であるとき、リーチを含む大当りの図柄組合せを構成する演出図柄をリーチの演出図柄として決定する。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しておらず、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含まないはずれの図柄組合せを決定する。
そして、副制御CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列の演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示装置EHを制御する。即ち、副制御CPU51は、演出ゲームを開始させる。副制御CPU51は、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを仮で停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定で停止表示させる。なお、副制御CPU51は、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定で停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
パチンコ遊技機10は、変動ゲームの実行に関連して、各種の演出(遊技演出)を実行可能に構成されている。この各種の演出には、選択肢を認識可能な複数の選択肢画像を表示し、何れかの選択肢画像の選択を行う演出(以下、選択演出という)がある。本実施形態において、選択肢画像に示される選択肢は、その後の演出の展開を示唆する内容である。つまり、選択演出は、複数の選択肢を提示し、何れかの選択肢の選択を行う演出ともいえる。パチンコ遊技機10では、選択演出によって選択された選択肢画像に対応する選択肢の内容に応じて演出(本実施形態の一例では演出ゲーム)が展開される。
選択演出の概要(流れ)について説明する。
図3(a)に示すように、演出表示装置EHでは、画像表示領域Rの各領域R1~R4に、複数種類の選択肢画像Gsのうち何れかの選択肢画像Gsがそれぞれ1つずつ表示される。複数種類の選択肢画像Gsには、今回の演出ゲームにおける大当り期待度を示唆する選択肢として、「残念」の文字列を示す選択肢画像Gs1、「チャンス」の文字列を示す選択肢画像Gs2、及び「激熱」の文字列を示す選択肢画像Gs3がある。本実施形態では、選択演出において選択された選択肢画像Gsが選択肢画像Gs1(残念)<Gs2(チャンス)<Gs3(激熱)である順に、大当り期待度が高くなる。
複数種類の選択肢画像Gsには、今回の演出ゲームの演出内容(変動内容)を示唆する選択肢として、リーチ演出が実行されることを示唆する「リーチ」の文字列を示す選択肢画像Gs4がある。なお、選択肢画像Gs3に示される「残念」の選択肢は、リーチ演出が実行されないことを示唆する選択肢でもある。大当り期待度に関する選択肢を示す選択肢画像Gs1~Gs3と、演出ゲームの演出内容に関する選択肢を示す選択肢画像Gs4とでは、選択肢の種類(系統)が異なるともいえる。
図3~図5に示すように、選択演出では、仮の選択肢(以下、仮選択肢と示す)を示す選択肢画像Gsを表示してから、各可動体K1~K4のうち1つ又は複数の可動体が動作するときと、何れの可動体も動作しないときと、がある。選択演出では、各可動体K1~K4のうち1つ又は複数の可動体が動作することに伴って、各領域R1~R4に表示されている選択肢画像Gsのうち1つ又は複数について、異なる選択肢画像Gsへの差替えが発生するときと、差替えが発生しないときと、がある。選択肢画像Gsの差替えが発生しないときには、仮選択肢が最終の選択肢(以下、最終選択肢と示す)となる。一方、選択肢画像Gsの差替えが発生するときには、差替え後の選択肢が最終選択肢となる。
選択演出では、最終選択肢を示す選択肢画像Gsが表示された状態にて、演出ボタンBTの操作有効期間が設定される。操作有効期間中、演出表示装置EHでは、選択肢の選択操作が可能であることを認識可能とする表示(以下、選択可能表示という)が行われる。選択可能表示は、演出表示装置EHにおいて、演出ボタンBTを模したボタン画像Gbを表示したり、選択肢画像Gsを囲う枠画像を各領域R1~R4において順に表示したりすることによって行われる(図3(a)参照)。選択演出では、操作有効期間中に演出ボタンBTが操作されたことを契機として、複数の選択肢の中から選択された選択肢を認識可能とする表示(以下、選択表示という)が演出表示装置EHにて行われる。選択表示は、選択された選択肢を示す1の選択肢画像Gsを指し示す指示画像Gwを表示することによって行われる。例えば、指示画像Gwは、選択肢画像Gsを囲う枠画像であってもよく、各領域R1~R4において、選択肢画像Gsを表示していない部分について色調を変更して表示する背景画像であってもよい。このように、選択演出では、複数の選択肢の中から何れかの選択肢が遊技者に対して最終的に提示される。
次に、選択演出を実行させるための制御について説明する。
副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、所定の乱数を用いた選択演出抽選により、選択演出を実行させるか否かを決定する。副制御CPU51は、選択演出抽選に当選しない場合、選択演出の非実行を決定し、選択演出を実行させないように演出装置群を制御する。一方、副制御CPU51は、選択演出抽選に当選すると、選択演出の実行を決定する。この場合、副制御CPU51は、前述の選択表示によって、遊技者に対し選択されたことを認識させる選択肢(以下、提示選択肢と示す)を決定する。
副制御CPU51は、大当り変動パターン、又はリーチありのはずれ変動パターンが決定されているときにのみ、提示選択肢としてリーチ(選択肢画像Gs4)を決定可能である。その他の選択肢は、何れの変動パターンが決定されているときでも決定可能である。副制御CPU51は、残念(選択肢画像Gs1)<チャンス(選択肢画像Gs2)<激熱(選択肢画像Gs3)の順に大当り期待度が高くなるように、提示選択肢を決定する。ここで、特定の選択肢の大当り期待度を高くするためには、変動開始コマンドから大当り変動パターンを特定可能であるときの決定割合と、はずれ変動パターンを特定可能であるときの決定割合と、を合算した全体に占める、大当り変動パターンを特定可能であるときの占める割合を高くすればよい。そして、副制御CPU51は、選択演出の演出内容を特定可能な複数の演出パターンPsの中から演出パターンを決定する。具体的に、副制御CPU51は、決定済みの提示選択肢を最終選択肢として含む演出パターンPsの中から何れかを抽選により決定することとなる。
図8及び図9には、選択演出の演出パターンPsが示されている。図中において「仮選択肢」の欄には、仮選択肢の組合せが示されており、「可動体の動作」の欄には、各可動体K1~K5の可動の有無について、可動することを示す「○」、及び可動しないことを示す「×」が示されており、「最終選択肢」の欄には、最終選択肢の組合せが示されている。
副制御CPU51は、演出ゲームの実行中、選択演出の開始タイミングが到来すると、変動開始コマンドの入力時に決定した演出パターンPsに基づいて演出装置群を制御し、選択演出を実行させる。本実施形態において、選択演出の開始タイミングは、変動ゲームの開始時に定められている。選択演出は、変動ゲームが開始してから、リーチが形成され得るタイミングまでを実行期間として実行される。「リーチが形成され得るタイミング」とは、リーチ無しの変動パターン、及びリーチありの変動パターンを問わず、リーチを形成可能な図柄列の演出図柄が全て停止表示されるタイミングである。
副制御CPU51は、決定済みの演出パターンPsから特定可能な仮選択肢を示す選択肢画像Gsを各領域R1~R4のそれぞれに表示するように、演出表示装置EHを制御する。次に、副制御CPU51は、選択演出の実行期間において、可動演出の開始タイミングが到来すると、決定済みの演出パターンPsに基づいて各可動体K1~K4を各別に制御し、可動演出を実行させる、又は実行させない。具体的に、副制御CPU51は、決定済みの演出パターンPsにおいて、可動させることが定められた可動体については、退避状態から展開状態に変形し、再び退避状態に変形するように制御する。一方、副制御CPU51は、決定済みの演出パターンPsにおいて、可動させないことが定められた可動体については、退避状態を維持するように制御する。
副制御CPU51は、ある可動体が展開状態となっている間に、当該ある可動体によって遮蔽されている領域に表示する選択肢画像Gsについて、選択肢が仮選択肢と最終選択肢とで異なる場合、最終選択肢を示す選択肢画像Gsに差し替えて表示するように演出表示装置EHを制御する。ある可動体が展開状態であるとき、当該ある可動体によって遮蔽されている領域は、遊技者から視認不能である。このため、選択肢画像Gsの差替えが発生しても、その時点では、遊技者は差替えの発生を認識不能、又は認識し難い。副制御CPU51は、このような選択肢画像Gsの差替え制御を、領域R1~R4のうち可動体によって遮蔽した領域のそれぞれについて行う。
そして、副制御CPU51は、可動演出の終了タイミングが到来すると、演出ボタンBTの操作有効期間を開始する。副制御CPU51は、操作有効期間中、上述した選択可能表示を行うように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、操作有効期間中、演出ボタンBTから操作信号を入力すると、決定済みである提示選択肢を示す選択肢画像Gsを対象として選択表示を行うように、演出表示装置EHを制御する。このとき、副制御CPU51は、操作有効期間を終了する。このように、画像表示領域Rでは、演出ボタンBTの操作に基づいて、複数の選択肢画像Gsの中から何れかの選択肢画像Gsを選択する表示が行われる。一方、副制御CPU51は、操作有効期間中、演出ボタンBTからの操作信号を入力しなかった場合、操作有効期間が満了(経過)すると、決定済みである提示選択肢を示す選択肢画像Gsを対象として選択表示を行うように、演出表示装置EHを制御する。その後、副制御CPU51は、変動開始コマンドから特定可能な変動パターンに応じて演出ゲームが展開されるように、演出表示装置EHを制御する。
このように、副制御CPU51は、複数の選択肢画像Gsを表示させる制御を行う選択肢制御手段として機能する。また、副制御CPU51は、複数の選択肢画像Gsが表示される画像表示領域Rの少なくとも一部を遮蔽する制御を行う遮蔽制御手段としても機能する。そして、副制御CPU51は、可動体Kのうち第1可動体K1によって第1領域R1を遮蔽する制御、及び可動体Kのうち第1可動体K1とは別の第2可動体K2によって第2領域R2を遮蔽する制御を可能であるといえる。なお、副制御CPU51は、可動体K1,K2とは異なる可動体についても動作を制御可能であり、それぞれ対応する領域を遮蔽する制御が可能である。
図8及び図9を参照し、選択演出の演出パターンPsについて詳しく説明する。
選択演出の演出パターンPsは、可動演出を行う可動体の観点から複数の系統に分類可能である。本実施形態の選択演出では、可動演出の実行を前提として選択肢画像Gsの差替えが発生する。つまり、この観点は、選択肢画像Gsの差替えの対象となり得る領域という観点でもある。
演出パターンPsには、可動体K1~K4の何れも可動演出を行わない、つまり選択肢画像Gsの差替えが発生し得ない演出内容を特定可能な演出パターンPs0として、演出パターンPs01~Ps05を含む複数の演出パターンがある。演出パターンPsには、可動体K1~K4のうち任意に選択される1つの可動体が可動演出を行う一方、他の3つの可動体が可動演出を行わない、つまり1つの選択肢画像Gsの差替えが発生し得る演出内容を特定可能な演出パターンPs1として、演出パターンPs10~Ps13を含む複数の演出パターンがある。図中には、第1可動体K1が可動演出を行う演出パターンのみが示されているが、この他にも、可動体K2~K4の何れかが可動演出を行う演出パターンがあってもよい。
演出パターンPsには、可動体K1~K4のうち任意に選択される2つの可動体が可動演出を行う一方、他の2つの可動体が可動演出を行わない、つまり2つの選択肢画像Gsの差替えが発生し得る演出内容を特定可能な演出パターンPs2として、演出パターンPs20~Ps23を含む複数の演出パターンがある。図中には、可動体K1,K2の組合せにて可動演出を行う演出パターンのみが示されているが、この他にも、可動体K1,K3、可動体K1,K4、可動体K2,K3、可動体K2,K4、及び可動体K3,K4の組合せにて可動演出を行う演出パターンがあってもよい。
演出パターンPsには、可動体K1~K4のうち任意に選択される3つの可動体が可動演出を行う一方、他の1つの可動体が可動演出を行わない、つまり3つの選択肢画像Gsの差替えが発生し得る演出内容を特定可能な演出パターンPs3として、演出パターンPs31~Ps33を含む複数の演出パターンがある。図中には、可動体K1~K3の組合せにて可動演出を行う演出パターンのみが示されているが、この他にも、可動体K1,K3,K4、可動体K1,K2,K4、及び可動体K2~K4の組合せにて可動演出を行う演出パターンがあってもよい。また、演出パターンPsには、可動体K1~K4の全部が可動演出を行う、つまり全ての選択肢画像Gsの差替えが発生し得る演出内容を特定可能な演出パターンPs4として、演出パターンPs41~Ps43を含む複数の演出パターンがある。
演出パターンPsは、選択肢画像Gsの差替え態様の観点から複数の系統に分類可能である。選択肢画像Gsの差替え態様には、可動演出を経てより有利な選択肢を示す選択肢画像Gsに差し替えられる態様(以下、昇格態様という)と、可動演出を経てより不利な選択肢を示す選択肢画像Gsに差し替えられる態様(以下、降格態様という)と、可動演出を経て選択肢画像Gsが差し替えられない態様(以下、維持態様という)と、がある。また、選択肢画像Gsの差替え態様には、種類(系統)が異なる選択肢画像Gsに差し替えられる態様(以下、変更態様という)がある。
例えば、昇格態様となる演出パターンPsには、演出パターンPs13,Ps23などがある。昇格態様となる演出パターンPsは、1つでもよく、複数であってもよい。選択肢画像Gsの昇格には、選択肢画像Gs1(残念)から、選択肢画像Gs2(チャンス)、又は選択肢画像Gs3(激熱)への差替えや、選択肢画像Gs2(チャンス)から選択肢画像Gs3(激熱)への差替えなどが該当する。
例えば、降格態様となる演出パターンPsには、演出パターンPs11などがある。降格態様となる演出パターンPsは、1つでもよく、複数であってもよい。選択肢画像Gsの降格には、選択肢画像Gs3(激熱)から、選択肢画像Gs1(残念)、又は選択肢画像Gs2(チャンス)への差替えや、選択肢画像Gs2(チャンス)から選択肢画像Gs1(残念)への差替えなどが該当する。
例えば、維持態様となる演出パターンPsには、演出パターンPs10,Ps20などがある。維持態様となる演出パターンPsは、1つでもよく、複数であってもよい。例えば、変更態様となる演出パターンPsには、演出パターンPs12などがある。変更態様となる演出パターンPsは、1つでもよく、複数であってもよい。選択肢画像Gsの系統の変更には、選択肢画像Gs1~Gs3の何れかから選択肢画像Gs4への差替えや、選択肢画像Gs4から選択肢画像Gs1~Gs3への差替えなどが該当する。演出パターンPsには、昇格態様及び降格態様を含む演出内容を特定する演出パターンがあってもよく、昇格態様及び維持態様を含む演出内容を特定する演出パターンがあってもよく、維持態様及び降格態様を含む演出内容を特定する演出パターンがあってもよく、全ての態様を含む演出内容を特定する演出パターンがあってもよい。また、これらの演出内容について、変更態様がさらに含まれる場合と、含まれない場合と、があってもよい。例えば、演出パターンPs43であれば、昇格態様、維持態様、及び変更態様の複合となる。
選択演出の演出パターンPsは、領域R1~R4のうち選択肢画像Gsの差替えを行う領域個数の観点から複数の系統に分類可能である。演出パターンPsには、選択肢画像Gsの差替え個数が1個の演出パターン、選択肢画像Gsの差替え個数が2個の演出パターン、選択肢画像Gsの差替え個数が3個の演出パターン、及び選択肢画像Gsの差替え個数が4個(つまり全部)の演出パターンがある。例えば、演出パターンPs11~Ps13,Ps22,Ps32,Ps42などは、選択肢画像Gsの差替え個数が1個である。つまり、展開状態となる可動体の個数と、実際に差替えが発生する領域個数とは、一致する場合と、一致しない場合と、がある。
次に、選択演出の具体的な実行態様の一例について説明する。
提示選択肢としてチャンス(選択肢画像Gs2)が選択され、演出パターンPs01が選択された場合について説明する。演出表示装置EHでは、第1領域R1に選択肢画像Gs2(チャンス)が表示され、各領域R2~R4に選択肢画像Gs1(残念)が表示される。各可動体K1~K4では、何れも退避位置に維持され、可動演出が行われない。その後、演出表示装置EHでは、仮選択肢を示す各選択肢画像Gsをそのまま最終選択肢を示す選択肢画像Gsとして選択可能表示が行われ、演出ボタンBTの操作、又は操作有効期間の満了を契機として、提示選択肢である「チャンス」を示す選択肢画像Gs2を対象として選択表示が行われる。
提示選択肢として激熱(選択肢画像Gs3)が選択され、演出パターンPs13が選択された場合について説明する。演出表示装置EHでは、第1領域R1に選択肢画像Gs2(チャンス)が表示され、各領域R2~R4に選択肢画像Gs1(残念)が表示される。各可動体K2~K4では、何れも退避状態に維持され、可動演出が行われない。一方、第1可動体K1では、退避状態から展開状態へと変形され、可動演出が行われる。第1可動体K1が展開状態となっている間に、第1領域R1では、選択肢画像Gs2(チャンス)→選択肢画像Gs3(激熱)のように昇格態様による差替えが発生し、その後に第1可動体K1が展開状態から退避状態へと変形され、第1領域R1の遮蔽が解除される。このように、昇格態様は、恰も可動体が有利な選択肢画像Gsに差し替えたかのような演出として表現される。その後、演出表示装置EHでは、最終選択肢を示す選択肢画像Gsを対象として選択可能表示が行われ、演出ボタンBTの操作、又は操作有効期間の満了を契機として、提示選択肢である「激熱」を示す選択肢画像Gs3を対象として選択表示が行われる。
提示選択肢として残念(選択肢画像Gs1)が選択され、演出パターンPs21が選択された場合について説明する。演出表示装置EHでは、第1領域R1に選択肢画像Gs2(チャンス)が表示され、各領域R2~R4に選択肢画像Gs1(残念)が表示される。各可動体K3,K4では、何れも退避状態に維持され、可動演出が行われない。一方、可動体K1,K2では、退避状態から展開状態へと変形され、可動演出が行われる。第1可動体K1が展開状態となっている間に、第1領域R1では、選択肢画像Gs2(チャンス)→選択肢画像Gs1(残念)のように降格態様による差替えが発生し、その後に第1可動体K1が展開状態から退避状態へと変形され、第1領域R1の遮蔽が解除される。一方、第2可動体K2が展開状態となっている間に、第2領域R2では、選択肢画像Gs1(残念)→選択肢画像Gs2(チャンス)のように昇格態様による差替えが発生し、その後に第2可動体K2が展開状態から退避状態へと変形され、第2領域R2の遮蔽が解除される。
このように、降格態様による選択演出は、恰も可動体Kが不利な選択肢画像Gsに差し替えたかのような演出として表現される。この具体例による演出の流れは、昇格態様と降格態様との複合でもある。その後、演出表示装置EHでは、最終選択肢を示す選択肢画像Gsを対象として選択可能表示が行われ、演出ボタンBTの操作、又は操作有効期間の満了を契機として、提示選択肢である「残念」を示す選択肢画像Gs1を対象として選択表示が行われる。
提示選択肢としてチャンス(選択肢画像Gs2)が選択され、演出パターンPs30が選択された場合について説明する。演出表示装置EHでは、第1領域R1に選択肢画像Gs2(チャンス)が表示され、各領域R2~R4に選択肢画像Gs1(残念)が表示される。第4可動体K4では、退避状態に維持され、可動演出が行われない。一方、可動体K1~K3では、退避状態から展開状態へと変形され、可動演出が行われる。
第1可動体K1が展開状態となっている間に、第1領域R1では、選択肢画像Gs2(チャンス)が維持され、その後に第1可動体K1が展開状態から退避状態へと変形され、第1領域R1の遮蔽が解除される。第2可動体K2が展開状態となっている間に、第2領域R2では、選択肢画像Gs1(残念)が維持され、その後に第2可動体K2が展開状態から退避状態へと変形され、第2領域R2の遮蔽が解除される。第3可動体K3が展開状態となっている間に、第3領域R3では、選択肢画像Gs1(残念)が維持され、その後に第3可動体K3が展開状態から退避状態へと変形され、第3領域R3の遮蔽が解除される。
このように、維持態様は、恰も可動体Kが選択肢画像Gsの差し替えに失敗したかのような演出として表現される。その後、演出表示装置EHでは、仮選択肢を示す各選択肢画像Gsをそのまま最終選択肢を示す選択肢画像Gsとして、選択可能表示が行われ、演出ボタンBTの操作、又は操作有効期間の満了を契機として、提示選択肢である「チャンス」を示す選択肢画像Gs2を対象として選択表示が行われる。
以上のように、第1可動体K1による第1領域R1の遮蔽が解除されることに伴って視認容易、又は視認可能となる選択肢画像Gsは、第1可動体K1による第1領域R1の遮蔽前に表示されていた選択肢画像Gsとは異なる選択肢画像Gsであるときと、同じ選択肢画像Gsであるときとがある。また、第2可動体K2による第2領域R2の遮蔽が解除されることに伴って視認容易、又は視認可能となる選択肢画像Gsは、第2可動体K2による第2領域R2の遮蔽前に表示されていた選択肢画像Gsとは異なる選択肢画像Gsであるときと、同じ選択肢画像Gsであるときとがある。そして、可動体による遮蔽が解除されることに伴って、可動体による遮蔽前に表示されていた選択肢画像Gsとは異なる選択肢画像Gsが視認容易、又は視認可能となるとき、当該視認可能となる選択肢画像Gsは、可動体による遮蔽前に表示されていた選択肢画像Gsに比して大当り期待度が高いときがある。
また、パチンコ遊技機10にて実行可能な各種の演出には、変動ゲームが大当りとなるか否かを示唆する演出(以下、特殊演出という)がある。本実施形態の特殊演出は、選択演出を経由せずに実行される場合と、選択演出を経由して実行される場合と、がある。選択演出を経由する場合、可動体K1~K4が何れも展開状態に変形する可動演出を伴う。また、特殊演出には、第5可動体K5が第1展開状態となる第1特殊演出と、第5可動体K5が第2展開状態となる第2特殊演出と、がある。
最初に、特殊演出の概略について説明する。
図2→図6(a)の流れで示すように、選択演出を経由しない第1特殊演出では、シャッター部材K5a,K5bが変位し、第5可動体K5が第1展開状態となる。このとき、演出表示装置EHでは、第5可動体K5によって遮蔽されていない領域に第1特殊画像(例えば、キャラクタ、又は激熱の文字列)が表示される。その後、図2に示すように、演出表示装置EHでは、第1特殊画像が非表示とされ、第5可動体K5は、シャッター部材K5a,K5bが退避位置へ変位して退避状態となって第1特殊演出が終了する。
図2→図6(a)→図6(b)の流れで示すように、選択演出を経由しない第2特殊演出では、シャッター部材K5a,K5bが変位し、第5可動体K5が第2展開状態となる。このとき、演出表示装置EHの画像表示領域Rは、第5可動体K5によって全体が遮蔽される。そして、第5可動体K5が第2展開状態となった状態において、画像表示領域Rの全体を覆う大きさの第2特殊画像(例えば、大当りの文字列)が表示される。このとき、第2特殊画像は、第5可動体K5によって遮蔽されており、遊技者から視認不能である。その後、図2に示すように、第5可動体K5は、シャッター部材K5a,K5bが退避位置へ変位して退避状態となり、第2特殊画像が遊技者に視認可能となる。その後、演出表示装置EHでは、第2特殊画像が非表示とされて、第2特殊演出が終了する。
図2→図3(a)→図5(c)の流れで示すように、選択演出を経由する第1特殊演出では、演出パターンPs4による選択演出と同様に選択肢画像Gsの表示が行われるとともに、各可動体K1~K4が展開状態に変形する。続けて、各可動体EK1~EK4が全て展開状態となった状態のまま、第5可動体K5は、第1展開状態に動作し、演出表示装置EHでは、第1特殊画像が表示される。このとき、第5可動体K5、及び特殊画像は、各可動体K1~K4によって遮蔽されており、遊技者から視認不能である。次に、図6(a)に示すように、各可動体K1~K4がそれぞれ退避状態に変形することに伴って、第5可動体K5及び特殊画像の遮蔽が解除される。その後の演出の流れは、選択演出を経由しないときと同じである。
また、選択演出を経由する第2特殊演出では、各可動体EK1~EK4が全て展開状態となった状態のまま、第5可動体K5が第2展開状態に動作する。このとき、第5可動体K5は、各可動体K1~K4によって遮蔽されており、遊技者から視認不能である。つまり、第5可動体K5は、可動体K1~K4の後側において画像表示領域Rの少なくとも一部を遮蔽することによって、領域R1~R4のそれぞれに表示された選択肢画像Gsが視認困難、又は視認不能になるともいえる。
次に、図6(b)に示すように、各可動体K1~K4がそれぞれ退避状態に変形することに伴って、第2展開状態となった第5可動体K5が視認可能となる。ここで、演出表示装置EHでは、第5可動体K5が第2展開状態となった状態において、画像表示領域Rの全体を覆う大きさの第2特殊画像(例えば、「大当り」の文字列)が表示される。このとき、第2特殊画像は、第5可動体K5によって遮蔽されており、遊技者から視認不能である。
その後、図2に示すように、第5可動体K5は、シャッター部材K5a,K5bが退避位置へ変位して退避状態となり、第2特殊画像が遊技者に視認可能となる。その後、演出表示装置EHでは、第2特殊画像が非表示とされて、第2特殊演出が終了する。以上のように、選択演出を経由する第2特殊演出では、可動体K1~K4が全て展開状態となるまでの演出態様が選択演出と同一又は略同一となり、演出表示装置EHの表示内容や可動体K1~K4の動作を視認したとしても、何れに展開していくかを判別し難くなる。
次に、特殊演出を実行させるための制御的な構成について説明する。
副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、所定の乱数を用いた特殊演出抽選により、特殊演出を実行させるか否かを決定する。なお、副制御CPU51は、同じ演出ゲームにおいて、選択演出及び特殊演出の両方が実行されないように各演出抽選を行う。副制御CPU51は、特殊演出抽選に当選しない場合、特殊演出の非実行を決定し、特殊演出を実行させないように演出装置群を制御する。一方、副制御CPU51は、特殊演出抽選に当選すると、特殊演出の実行を決定する。この場合、副制御CPU51は、特殊演出の演出パターンPt9の中から何れかの演出パターンを抽選により決定する。
図9に示すように、特殊演出の演出パターンPt9には、演出内容として選択演出を経由する第1特殊演出を特定可能な演出パターンPt90、及び選択演出を経由しない第1特殊演出を特定可能な演出パターンPt91がある。また、特殊演出の演出パターンPt9には、選択演出を経由する第2特殊演出を特定可能な演出パターンPt92、及び選択演出を経由しない第2特殊演出を特定可能な演出パターンPt93がある。副制御CPU51は、演出パターンPt90,Pt91<Pt92,Pt93の順に大当り期待度が高くなるように演出パターンを決定する。つまり、第2特殊演出は、第1特殊演出に比して大当り期待度が高い。特に、本実施形態において、副制御CPU51は、変動開始コマンドから大当り変動パターンを特定可能であるときにのみ、演出パターンPt92,Pt93(第2特殊演出)を決定可能である。つまり、第2特殊演出は、出現した時点で大当りを確定的に認識できる大当り確定演出となる。
その後、副制御CPU51は、演出ゲームの実行中、特殊演出の実行タイミングが到来すると、決定済みである演出パターンPt9から特定可能な内容にて特殊演出を実行するように、演出表示装置EH及び可動体K1~K5を含む演出装置群を制御する。本実施形態において、特殊演出の実行タイミングは、選択演出の実行タイミングと同じである。このように、第5可動体K5は、第1可動体K1及び第2可動体K2の後側において画像表示領域Rの少なくとも一部を遮蔽することによって、第1領域R1及び第2領域R2に表示される画像が視認困難、又は視認不能になる。
以下、本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態によれば、選択肢を認識可能な複数の選択肢画像Gsを表示し、選択された選択肢画像Gsに応じて演出が展開されることから、選択肢が選択される演出上の過程に対して、遊技者の注目を集めることができる。そのうえで、第1可動体K1によって、画像表示領域Rの第1領域R1を遮蔽したり、第1可動体K1とは別の第2可動体K2によって、第2領域R2を遮蔽したりすることによって、遊技者の視線を遮り、これらの領域に表示される選択肢画像Gsを視認困難、又は視認不能にできる。これにより、選択肢が選択される演出上の過程に対して意外性を与え、遊技者の興趣を向上できる。
(2)本実施形態によれば、第1可動体K1及び第2可動体K2とは異なる第5可動体K5によって、第1領域R1及び第2領域R2に表示される選択肢画像Gsが視認困難、又は視認不能になることから、さらに演出上の過程において、遊技者に驚きを与え、その興趣をさらに向上できる。
(3)本実施形態によれば、遊技者の積極的な操作によって、選択肢が選択される演出上の過程が進行され得る。このため、選択肢が選択される演出上の過程に対して、遊技者の注目をさらに集めることができる。そのうえで、第1可動体K1及び第2可動体K2によって選択肢画像を遮蔽できることから、その演出効果を高め、遊技者の興趣をさらに向上できる。
(4)本実施形態によれば、第1可動体K1による遮蔽の解除がされたとき、選択肢画像Gsが差し変わっている状況と、差し変わっていない状況と、を作り出すことができる。これにより、選択肢が選択される演出上の過程に対して意外性を与え、遊技者の興趣を向上できる。
(5)本実施形態によれば、第2可動体K2による遮蔽の解除がされたとき、選択肢画像Gsが差し変わっている状況と、差し変わっていない状況と、を作り出すことができる。これにより、選択肢が選択される演出上の過程に対して意外性を与え、遊技者の興趣を向上できる。
(6)本実施形態によれば、可動体による選択肢画像Gsの遮蔽を経由して選択肢画像Gsが差し変わると、当該差し替え後の選択肢画像Gsは、差し替え前に比して大当り期待度が高いことがある。このため、可動体による選択肢画像Gsの遮蔽が発生することに対して、遊技者の期待感を高めることができる。
(7)本実施形態によれば、可動体K1,K2と同様に、第3可動体K3によって第3領域R3を遮蔽できる。また、本実施形態によれば、第4可動体K4によって第4領域R4を遮蔽できる。このため、可動体K3,K4によっても、領域R3,R4に表示する選択肢画像Gsを対象として、可動体K1,K2による上記(1)~(6)の効果を得ることができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態において、可動体K1~K4による画像表示領域Rの遮蔽によっては、選択可能な選択肢画像Gsの個数が変化しなかったが、これに限らず、選択演出は、可動体K1~K4によって遮蔽された選択肢画像Gsを選択対象から除外する態様にて実行してもよい。つまり、可動体K1~K4による画像表示領域Rの遮蔽によって選択可能な選択肢画像Gsが減少し、減少後の選択肢画像Gsに対応する選択肢の何れかが選択される構成であってもよい。具体的に、副制御CPU51は、提示選択肢を示す選択肢画像Gsを遮蔽せず、これとは異なる選択肢を示す選択肢画像Gsの一部又は全部を遮蔽するように、可動体K1~K4の動作を制御する。そして、可動体K1~K4によって遮蔽されていない選択肢画像Gsを対象として選択可能表示を行い、最終的に提示選択肢を対象として選択表示を行うように、演出表示装置EHを制御するとよい。本変更例によれば、可動体による選択肢画像Gsの遮蔽によって、選択可能な選択肢の絞り込みが行われることとなる。これにより、選択肢が選択される演出上の過程に対して意外性を与え、遊技者の興趣を向上できる。
・本実施形態において、選択演出では、全ての可動体K1~K4が退避状態となってから、最終選択肢を示す選択肢画像Gsを対象として選択可能表示を行ったが、これに限らず、一部又は全部の可動体K1~K4が展開状態である状態のまま選択中表示、及び選択表示を行う構成であってもよい。つまり、可動体によって画像表示領域Rが遮蔽されても選択可能な選択肢画像Gsが減少せず、遮蔽されている選択肢画像Gsに対応する選択肢も選択可能な構成であってもよい。
具体的に、副制御CPU51は、提示選択肢を示す選択肢画像Gsを含む1又は複数の選択肢画像Gsを遮蔽するように、可動体K1~K4の動作を制御する。次に、副制御CPU51は、遮蔽中である選択肢画像Gs、及び遮蔽中ではない選択肢画像Gsの全部を対象として選択可能表示を行うように、演出表示装置EHを制御する。そして、副制御CPU51は、提示選択肢を示す選択肢画像Gsが何れかの可動体によって遮蔽された状態のまま、提示選択肢を示す選択肢画像Gsを対象として選択表示を行うように、演出表示装置EHを制御する。このとき、選択肢画像Gsがある可動体に遮蔽された状態のままでも、当該選択肢画像Gsを対象に選択表示がされていることを特定可能となるように、例えば、ある可動体の部材間の隙間やある可動体の周囲から光が漏れ出るように明るい指示画像Gwを表示してもよい。また、遮蔽しているある可動体に内蔵した発光体を発光させる構成であってもよい。その後、副制御CPU51は、可動体K1~K4の全てが退避状態となるように、可動体K1~K4の動作を制御する。
つまり、本変更例では、可動体による遮蔽によって視認困難、又は視認不能となっている選択肢画像Gsが指示画像Gwによって指し示されている状態にて可動体による遮蔽が解除されるときがある。本変更例によれば、可動体による選択肢画像Gsの遮蔽中であっても、当該遮蔽中である選択肢画像Gsに示される選択肢を選択可能である。これにより、どのような選択肢が選択されるかを認識し難くし、選択肢が選択される演出上の過程に対して意外性を与え、遊技者の興趣を向上できる。
本変更例においても、可動体による遮蔽中に選択肢画像Gsの差替えが発生し得るようになっていてもよい。例えば、仮選択肢を示す選択肢画像Gs1(残念)を表示する領域が可動体によって遮蔽され、その領域が遮蔽された状態にて、当該領域の選択肢画像Gsを対象に選択表示が行われ、可動体が退避状態となって遮蔽が解除されたときに、選択肢画像Gsが昇格、降格、系統変更、又は維持されているようにするとよい。これにより、選択肢が選択される演出上の過程に対し、さらに面白みを創出することができる。
・本実施形態において、選択演出における操作有効期間中、どのようなタイミングで演出ボタンBTを操作しても、予め決定された提示選択肢を対象として選択表示が行われたが、これに限らない。例えば、副制御CPU51は、演出ボタンBTが操作されたタイミングにおいて、指示画像Gwにて指し示されている選択肢画像Gsに対応する選択肢を選択し、その選択肢の内容に応じて演出が展開するように、演出装置群を制御してもよい。この場合、選択可能とする複数の選択肢としては、何れも変動パターンに特定される変動時間内に完結可能な演出内容(例えば、リーチ演出や予告演出)であるとよい。
・本実施形態において、選択演出は、可動体K1~K4を用いて実行されたが、これに限らず、可動体K1~K4が退避状態に維持される一方、第5可動体K5が第2展開状態となることによって、領域R1~R4の全てを遮蔽する演出パターンPs5を備えてもよい。この場合、領域R1~R4に表示された全ての選択肢画像Gsについて昇格態様による差替えが発生する構成であってもよい。
・本実施形態において、第5可動体K5は、可動体K1~K4の後側に配設されていたが、これに限らず、可動体K1~K4の前側に配設されていてもよい。
・本実施形態において、選択演出では、画像表示領域Rを区分し、領域R1,R2を含む4つの領域を設けたが、これに限らず、3つ、又は5つ以上の領域を設けてもよい。つまり、画像表示領域Rには、少なくとも第1領域R1、及び第2領域R2があればよい。換言すれば、提示する選択肢の数(選択肢画像Gsの数)は2以上であれば、任意に変更してもよい。
・本実施形態において、選択肢画像Gsの差替え態様には、昇格態様、降格態様、変更態様、及び維持態様があったが、これに限らず、これらのうち任意に選択できる1又は複数を省略した構成であってもよい。例えば、可動体K1~K4が展開状態となるとき、必ず昇格態様となるようにしてもよく、必ず降格態様となるようにしてもよく、必ず変更態様となるようにしてもよい。
・本実施形態において、選択肢画像Gsにて示される選択肢を変更してもよい。例えば、今回の演出ゲームにおける大当り期待度を示唆する選択肢として、大当り確定となる「大当り」の文字列を示す選択肢画像Gsがあってもよいし、選択肢の種類も、1種類、2種類、又は4種類以上であってもよい。
例えば、今回の演出ゲームの演出内容を示唆する選択肢として、擬似連続演出が実行されることを示唆する「擬似」の文字列を示す選択肢画像Gsがあってもよいし、選択肢の種類も、2種類以上であってもよい。ここで、擬似連続演出とは、1回の変動ゲームの実行中、演出図柄の変動表示を伴う変動サイクル(単位変動)を複数回にわたって実行する演出である。副制御CPU51は、ある変動サイクルの実行中に選択演出を実行させ、「擬似」の選択肢を示す選択肢画像Gsに対して選択表示を行った後、次回の変動サイクルを開始させるとよい。
また、選択肢画像Gsには、今回の演出ゲームの演出内容を示唆する選択肢として、保留変化演出が実行されることを示唆する「変化」の文字列を示す選択肢画像Gsがあってもよい。保留変化演出は、演出表示装置EHに表示される画像であって、保留中である変動ゲームを示す画像(以下、保留アイコンという)の表示態様を変化させることによって、当該保留アイコンにて示される変動ゲームの大当り期待度を示唆する演出である。主制御CPU41は、特別図柄入力処理において各種の乱数を取得すると、当該乱数に基づいて、新たに保留された変動ゲームの変動内容(大当りか否か、及び変動パターンなど)を特定可能な制御コマンド(以下、先読みコマンドという)を副基板50へ出力する。副制御CPU51は、先読みコマンドから特定可能な変動内容に基づいて、変化先となる保留アイコンの表示態様を決定する。そして、副制御CPU51は、ある変動ゲームの実行中に選択演出を実行させ、「変化」の選択肢を示す選択肢画像Gsに対して選択表示を行った後、該当する保留アイコンの表示態様を決定済みの表示態様に変化させるとよい。
・本実施形態において、可動体K1~K4のうち、選択演出の実行中に展開状態となる可動体の個数と、大当り期待度と、の間には、所定の関係はなかったが、これに限らず、所定の関係があってもよい。例えば、副制御CPU51は、可動体K1~K4のうち、選択演出の実行中に展開状態となる個数が0個<1個<2個<3個<4個の順に増加するほど大当り期待度が高くなるように、演出パターンPs0~Ps4を決定してもよい。
・本実施形態において、可動体K1~K4のうち、選択演出の実行中に展開状態となる可動体の個数と、昇格態様による選択肢画像Gsの差替え発生率と、の間には、所定の関係はなかったが、これに限らず、所定の関係があってもよい。例えば、副制御CPU51は、可動体K1~K4のうち、選択演出の実行中に展開状態となる数が0個<1個<2個<3個<4個の順に増加するほど、昇格態様による選択肢画像Gsの差替え発生率が高くなるように、演出パターンPs0~Ps4を決定してもよい。本変更例は、降格態様による差替え発生率、又は変更態様による差替え発生率について適用することもできる。つまり、選択演出では、展開状態となる可動体の個数が多いほど、選択肢画像Gsの差替え発生率が高くなるとよい。また、本変更例では、展開状態となる可動体の個数が多いほど、選択肢画像Gsの差替え発生率が低くなるように変更することもできる。
・本実施形態において、選択演出及び特殊演出は、演出ゲームが開始されてから、リーチ演出が開始され得るタイミングまでの間に実行されたが、これに限らず、ノーマルリーチ演出の演出時間を利用して実行してもよく、ノーマルリーチ演出からスーパーリーチ演出へ発展するときに実行してもよい。また、選択演出を経由しない特殊演出は、選択演出や選択演出を経由する特殊演出とは異なるタイミングにて実行してもよい。
・本実施形態において、可動体K1~K5は、選択演出及び特殊演出とは異なる演出において動作してもよい。例えば、大当り遊技において、大当り遊技の終了後に高確率状態に制御されるか否かを報知する大当り演出の1つとして動作させてもよい。
・本実施形態において、演出ボタンBTを操作部としたが、これに限らず、操作部は、把持して操作するレバー、又はタッチセンサ型のスイッチであってもよく、複数の操作部を組み合わせた構成であってもよい。
・本実施形態において、各可動体EK1~EK5はシャッターを模した可動体であったが、これに限らず、その形状(モチーフ)、配設位置、動作範囲、及び動作態様(変位態様又は変形態様)は、これらのうち任意に選択できる一部又は全部について、適宜変更してもよい。例えば、各可動体EK1~EK4について、変形ではなく変位によって画像表示領域Rの少なくとも一部を遮蔽する構成であってもよい。また、本実施形態において、可動体K1~K5の一部又は全部について、実際に可動体を展開状態とすることに代えて、その可動体を模した画像を演出表示装置EHに表示し、恰も可動体が動作したかのような表示を行う演出を実行可能としてもよい。この場合、実際に可動体が動作した場合のほうが、可動体を模した画像にて選択演出が実行されるときに比して、大当り期待度や、選択肢画像Gsの差替え発生率が高い構成としてもよい。なお、本変更例を採用するにあたっては、可動体を模した画像は選択肢画像Gsを配置するレイヤーよりも優先度が高いレイヤーに配置することが好ましい。これにより、副制御CPU51によって、領域R1~R4を覆うような表示を容易に表現できる。
・本実施形態において、可動体EK1~EK5は、光を透過しない、又は透過し難い材料製であったが、これに限らず、可動体EK1~EK5のうち任意に選択できる1又は複数の可動体は、光を透過する材料製であってもよい。透光性を有する可動体であっても、例えば、その表面や内部において、所定の模様や絵柄を微細な凹凸等によって設けておくことで光を散乱させ、画像表示領域Rに表示された選択肢画像Gsなどを視認不能、又は視認困難にできる。
・本実施形態において、確変機能を搭載したパチンコ遊技機10として、次回の大当り遊技まで高確率状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。また、確変機能を搭載したパチンコ遊技機10として、遊技球が特定領域を通過することを条件に高確率状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
・本実施形態において、特別図柄の当り抽選として、大当り抽選の他、小当り抽選を行うように構成してもよい。当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技(当り遊技)が付与される。本実施形態において、通常の遊技状態(例えば、低確低ベース状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
・本実施形態において、パチンコ遊技機10として、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することによって大当り遊技が生起される。
・本実施形態において、主制御CPU41、主制御ROM42、主制御RWM43、及び乱数生成回路44は、ワンチップに構成されていてもよい。
・本実施形態において、遊技盤YBの具体的な構成は任意に変更してもよい。
・本実施形態において、副基板50をサブ統括制御基板とし、副基板50とは別に演出表示装置EHを専門に制御する表示制御基板、装飾ランプLAを専門に制御する発光制御基板、スピーカSPを専門に制御する音制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副基板としてもよい。また、実施形態において、単一の基板に主制御CPU41、及び副制御CPU51を搭載してもよい。また、表示制御基板、発光制御基板、及び音制御基板を任意に組み合わせて単数又は複数の基板としてもよい。
・本実施形態において、遊技機はスロットマシンであってもよい。スロットマシンは、スタートレバーの操作に基づいて役抽選を行い、役抽選にてボーナス役(大当り)に当選し、ストップボタンの操作に基づく図柄列の停止表示により、変動ゲームにてボーナス役の図柄組合せが停止表示されると、ボーナス遊技を付与する。
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(1)前記特殊遮蔽部は、前記第1遮蔽部及び前記第2遮蔽部の前側又は後側において前記画像表示領域の少なくとも一部を遮蔽することによって、前記第1領域及び前記第2領域に表示される画像が視認困難、又は視認不能になるとよい。
(2)前記画像表示部には、1の選択肢画像を指し示す指示画像が表示され、前記遮蔽部による遮蔽によって視認困難、又は視認不能となっている選択肢画像が前記指示画像によって指し示されている状態にて前記遮蔽部による遮蔽が解除されるときがあるとよい。