JP7140781B2 - 化合物、組成物および方法 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、合衆国法典第35巻第119条(e)の元でその全体の内容を参照により本明細書に組み入れた、2017年5月17日出願の米国仮特許出願第62/507,682号に対する利益を主張する。
本開示は一般に、細胞死および/または炎症を予防または抑止するための化合物、方法および組成物に関する。
ネクロプトーシスとまた称されるプログラムされた壊死性細胞死は、様々な刺激、例えば、TNFα、ある特定のトール様受容体(TLR)アゴニストおよび虚血が細胞壊死を誘発し得る、細胞死の一形態である。ネクロプトーシスは細胞死の高度に炎症性の形態であり、複数の変性および炎症性疾患において病状に対する重要な原因であると考えられる。これらの疾患は、神経変性疾患、脳卒中、冠動脈心疾患および心筋梗塞、網膜変性疾患、炎症性腸疾患、腎臓疾患、肝疾患などを含む。
壊死は、細胞膜および細胞小器官の撹乱、細胞膨潤およびミトコンドリアの機能低下、それに続く細胞溶解によって特性決定される。また、細胞溶解は典型的には、炎症応答を伴う。このプロセスにおける根底にある生化学的事象のいくつかは今や理解されており、受容体共役タンパク質キナーゼ1の活性は、細胞がネクロプトーシスを起こすことにおいて重要であることが示されてきた。さらに、この活性はまた、炎症を誘発し、またさらなるネクロプトーシスを促進し得る、細胞からの炎症メディエーター、例えば、TNFアルファの放出を促進することが公知である。したがって、これを阻害することによってまたは他の機序によって壊死性細胞死および/または炎症を防止する低分子量分子を同定および製造することは、壊死性細胞死および/または炎症によって特性決定される疾患における治療的介入のために有用な化合物を提供することができる。
進歩がなされてきた一方、細胞死および/または炎症に関与している疾患を予防および処置するための改善された化合物が当技術分野で依然として必要とされている。本開示は、これおよび関連する利点を提供する。
本明細書において提供するのは、受容体共役タンパク質キナーゼ1の阻害剤として有用な化合物である。本開示はまた、医薬組成物を含めた組成物、化合物を含むキット、および化合物を使用(または投与)し、作製する方法を提供する。本開示はさらに、受容体共役タンパク質キナーゼ1によって媒介される疾患、障害、または状態を処置する方法における使用のための化合物またはその組成物を提供する。さらに、本開示は、受容体共役タンパク質キナーゼ1によって媒介される(または少なくとも部分的に媒介される)、疾患、障害または状態の処置のための医薬の生産における化合物またはその組成物の使用を提供する。
ある特定の態様では、式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供される。ある特定の態様では、表1に示されている化合物、または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供される。ある特定の態様では、表2に示されている化合物、または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供される。同様に、本明細書に記載されている化合物、または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグ、および添加剤を含む医薬組成物が本明細書において提供される。
本明細書において提供するのは、医薬において使用するための化合物および組成物である。ある特定の実施形態では、化合物および組成物は、受容体共役タンパク質キナーゼ1によって媒介される疾患または障害の処置における使用のためである。
本明細書において提供するのは、治療的有効量の本明細書において開示されている化合物または医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、受容体共役タンパク質キナーゼ1によって媒介される疾患または障害を処置する方法である。
ある特定の実施形態では、疾患または障害は、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、網膜剥離、網膜色素変性、黄斑変性、すい臓炎(例えば、急性すい臓炎)、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、脊椎関節炎、痛風、SoJIA、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性強皮症、抗リン脂質症候群、脈管炎、骨関節炎、非アルコール脂肪性肝炎、アルコール脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、自己免疫肝胆道系疾患、原発性硬化性胆管炎、腎炎、セリアック病、自己免疫ITP、移植拒絶、固形臓器の虚血再灌流損傷、敗血症、全身性炎症反応症候群、脳血管障害、心筋梗塞、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、アレルギー性疾患、喘息、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、I型糖尿病、ウェゲナー肉芽腫症、肺サルコイドーシス、ベーチェット病、インターロイキン-1変換酵素関連熱症候群、慢性閉塞性肺疾患、腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群、アテローム性動脈硬化、ギラン-バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、壊死性腸炎、結節性硬化症、タンジール病、ウォルマン病症候群、火傷、低酸素症、脳症、大うつ障害、双極性障害、せん妄、術後認知障害、自閉症、統合失調症、化膿性汗腺炎または歯周病である。ある特定の実施形態では、疾患または障害は、外傷、虚血、脳卒中、心筋梗塞、感染症、ゴーシェ病、クラッベ病、敗血症、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、HIV関連認知症、網膜変性疾患、緑内障、加齢黄斑変性症、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎または炎症性腸疾患である。ある特定の実施形態では、疾患または障害は、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS/ルーゲーリック病)、フリートライヒ運動失調症、ハンチントン病、レビー小体病、パーキンソン病、または脊髄性筋萎縮症である。ある特定の実施形態では、疾患または障害は、脳傷害、脊髄傷害、認知症、脳卒中、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS/ルーゲーリック病)、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症、糖尿病性ニューロパシー、ポリグルタミン(ポリQ)疾患、脳卒中、ファール病、メンケス病、ウィルソン病、脳虚血、またはプリオン障害である。
以下の説明は、本技術の例示的な実施形態を記載する。しかし、このような記載は、本開示の範囲に対する限定としては意図されず、代わりに、例示的な実施形態の説明として提供されることを認識すべきである。
1.定義
本明細書において使用するように、下記の語、語句および記号は一般に、これらが使用される文脈が別のことを示す限りを除いて、下記で記載するような意味を有することを意図する。
2つの文字または記号の間ではないダッシュ(「-」)は、置換基についての取り付けポイントを示すために使用される。例えば、-C(O)NHは、炭素原子を介して取り付けられている。化学基の前または後ろにおけるダッシュは、便宜上のものである;化学基は、それらの通常の意味を失うことなく、1つもしくはそれ以上のダッシュを伴ってまたは伴わずに示し得る。式における線を貫いて描かれている波線または破線は、基の特定の取り付けポイントを示す。化学的または構造的に必要とされない限り、方向性または立体化学配置は、化学基が記載または指名される順番によって示されないか、または示唆されない。
接頭辞「Cu~v」は、下記の基がu~v個の炭素原子を有することを示す。例えば、「C1~6アルキル」は、アルキル基が1~6個の炭素原子を有することを示す。
本明細書において「約」の値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーターそれ自体を対象とした実施形態を含み(かつ説明する)。ある特定の実施形態では、用語「約」は、示した量±10%を含む。ある特定の実施形態では、用語「約」は、示した量±5%を含む。ある特定の実施形態では、用語「約」は、示した量±1%を含む。また、用語「約X」は、「X」の記載を含む。また、単数形「a」および「the」は、文脈によって明らかにそれ以外のことの指示がない限り、複数の参照対象を含む。このように、例えば、「化合物」への言及は、複数のこのような化合物を含み、「アッセイ」への言及は、1つもしくはそれ以上のアッセイおよび当業者には公知のその同等物への言及を含む。
「アルキル」は、枝分かれしていないまたは分岐状の飽和炭化水素鎖を指す。本明細書において使用する場合、アルキルは、1~20個の炭素原子(すなわち、C1~20アルキル)、1~12個の炭素原子(すなわち、C1~12アルキル)、1~8個の炭素原子(すなわち、C1~8アルキル)、1~6個の炭素原子(すなわち、C1~6アルキル)または1~4個の炭素原子(すなわち、C1~4アルキル)を有する。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、2-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシルおよび3-メチルペンチルを含む。特定の数の炭素を有するアルキル残基が化学名によって名前を付けられるか、または分子式によって同定されるとき、その数の炭素を有する全ての位置異性体を包含し得る;このように、例えば、「ブチル」は、n-ブチル(すなわち、-(CHCH)、sec-ブチル(すなわち、-CH(CH)CHCH)、イソブチル(すなわち、-CHCH(CH)およびtert-ブチル(すなわち、-C(CH)を含み;「プロピル」は、n-プロピル(すなわち、-(CHCH)およびイソプロピル(すなわち、-CH(CH)を含む。
ある特定の一般に使用される代替の化学名を使用し得る。例えば、二価基、例えば、二価「アルキル」基、二価「アリール」基などはまた、それぞれ、「アルキレン」基または「アルキレニル」基、「アリーレン」基または「アリーレニル(arylenyl)」基と言及し得る。また、明示的に他に示さない限り、基の組合せが本明細書において1つの部分、例えば、アリールアルキルまたはアラルキルとして言及される場合、最後に記述した基は、それによって部分が分子の残部に取り付けられている原子を含有する。
「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含有し、かつ2~20個の炭素原子(すなわち、C2~20アルケニル)、2~8個の炭素原子(すなわち、C2~8アルケニル)、2~6個の炭素原子(すなわち、C2~6アルケニル)または2~4個の炭素原子(すなわち、C2~4アルケニル)を有するアルキル基を指す。アルケニル基の例は、エテニル、プロペニル、ブタジエニル(1,2-ブタジエニルおよび1,3-ブタジエニルを含めた)を含む。
「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を含有し、かつ2~20個の炭素原子(すなわち、C2~20アルキニル)、2~8個の炭素原子(すなわち、C2~8アルキニル)、2~6個の炭素原子(すなわち、C2~6アルキニル)または2~4個の炭素原子(すなわち、C2~4アルキニル)を有するアルキル基を指す。用語「アルキニル」はまた、1個の三重結合および1個の二重結合を有するそれらの基を含む。
「アルコキシ」は、基「アルキル-O-」を指す。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシおよび1,2-ジメチルブトキシを含む。
「アルコキシアルキル」は、基「アルキル-O-アルキル」を指す。
「アルキルチオ」は、基「アルキル-S-」を指す。
「アシル」は、基-C(O)Rを指し、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり;これらのそれぞれは、本明細書に定義されているように場合により置換し得る。アシルの例は、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチル-カルボニルおよびベンゾイルを含む。
「アミド」は、「C-アミド」基(基-C(O)NRを指す)および「N-アミド」基(基-NRC(O)Rを指す)の両方を指し、式中、RおよびRは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり;これらのそれぞれは、本明細書に定義されているように場合により置換し得る。
「アミノ」は、基-NRを指し、式中、RおよびRは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり;これらのそれぞれは、本明細書に定義されているように場合により置換し得る。
「アミジノ」は、-C(NR)(NR)を指し、式中、各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり;これらのそれぞれは、本明細書に定義されているように場合により置換し得る。
「アリール」は、単一の環(例えば、単環式)または縮合系を含めた複数の環(例えば、二環式もしくは三環式)を有する芳香族炭素環式基を指す。本明細書において使用する場合、アリールは、6~20個の環炭素原子(すなわち、C6~20アリール)、6~18個の炭素環原子(すなわち、C6~18アリール)、6~12個の炭素環原子(すなわち、C6~12アリール)または6~10個の炭素環原子(すなわち、C6~10アリール)を有する。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、フルオレニルおよびアントリルを含む。しかし、アリールは、下記で定義するヘテロアリールを決して包含しないか、これと重ならない。1個もしくはそれ以上のアリール基がヘテロアリールと縮合している場合、このように得られた環系は、ヘテロアリールである。1個もしくはそれ以上のアリール基がヘテロシクリルと縮合している場合、このように得られた環系は、ヘテロシクリルである。
「アリールアルキル」または「アラルキル」は、基「アリール-アルキル-」を指す。
「カルバモイル」は、「O-カルバモイル」基(基-O-C(O)NRを指す)および「N-カルバモイル」基(基-NRC(O)ORを指す)の両方を指し、式中、RおよびRは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり;これらのそれぞれは、本明細書に定義されているように場合により置換し得る。
「カルボキシルエステル」または「エステル」は、-OC(O)Rおよび-C(O)ORの両方を指し、式中、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり;これらのそれぞれは、本明細書に定義されているように場合により置換し得る。
「シクロアルキル」は、単一の環、または縮合、架橋およびスピロ環系を含めた複数の環を有する飽和または部分不飽和の環状アルキル基を指す。用語「シクロアルキル」は、シクロアルケニル基(すなわち、少なくとも1個の二重結合を有する環式基)を含む。本明細書において使用する場合、シクロアルキルは、3~20個の環炭素原子(すなわち、C3~20シクロアルキル)、3~15個の環炭素原子(すなわち、C3~15シクロアルキル)、3~12個の環炭素原子(すなわち、C3~12シクロアルキル)、3~10個の環炭素原子(すなわち、C3~10シクロアルキル)、3~8個の環炭素原子(すなわち、C3~8シクロアルキル)または3~6個の環炭素原子(すなわち、C3~6シクロアルキル)を有する。シクロアルキルはまた、同じ炭素原子上の置換のために2つの位置が存在するとき、「スピロシクロアルキル」を含む。単環式ラジカルは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを含む。多環式ラジカルは、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどを含む。さらに、シクロアルキルという用語は、分子の残部への取り付けに関わらず、アリール環へと縮合し得る任意の非芳香族環を包含することを意図する。
「シクロアルキルアルキル」は、基「シクロアルキル-アルキル-」を指す。
「グアニジノ」は、-NRC(NR)(NR)を指す。式中、各Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり;これらのそれぞれは、本明細書に定義されているように場合により置換し得る。
「イミノ」は、基-C(NR)Rを指し、式中、各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり;これらのそれぞれは、本明細書に定義されているように場合により置換し得る。
「イミド」は、基-C(O)NRC(O)Rを指し、式中、各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり;これらのそれぞれは、本明細書に定義されているように場合により置換し得る。
「ハロゲン」または「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含む。
「ハロアルキル」は、上記に定義されているような枝分かれしていないまたは分岐状のアルキル基を指し、ここで、1個もしくはそれ以上の水素原子は、ハロゲンで置き換えられている。例えば、残基が複数個のハロゲンで置換されている場合、これは取り付けられているハロゲン部分の数に対応する接頭辞を使用することによって言及し得る。ジハロアルキルおよびトリハロアルキルは、必ずしもそうではないが、同じハロゲンであり得る2個(「ジ」)または3個(「トリ」)のハロ基で置換されているアルキルを指す。ハロアルキルの例は、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,2-ジフルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1,2-ジブロモエチルなどを含む。
「ハロアルコキシ」は、上記に定義されているようなアルコキシ基を指し、ここで、1個もしくはそれ以上の水素原子は、ハロゲンで置き換えられている。
「ヒドロキシアルキル」は、上記に定義されているようなアルキル基を指し、ここで、1個もしくはそれ以上の水素原子は、ヒドロキシ基で置き換えられている。
「ヘテロアルキル」は、炭素原子(および任意の結合した水素原子)の1つもしくはそれ以上が、同じまたは異なるヘテロ原子団でそれぞれ独立に置き換えられているアルキル基を指し、ただし、分子の残部への取り付けポイントは、炭素原子を通してである。用語「ヘテロアルキル」は、炭素およびヘテロ原子を有する枝分かれしていないまたは分岐状の飽和鎖を含む。例として、1個、2個もしくは3個の炭素原子は、同じまたは異なるヘテロ原子団で独立に置き換えられている。ヘテロ原子団には、これらに限定されないが、-NR-、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)-などが含まれ、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり;これらのそれぞれは、本明細書に定義されているように、場合により置換し得る。ヘテロアルキル基の例は、-CHOCH、-CHSCH、および-CHNRCHを含み、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり;これらのそれぞれは、本明細書に定義されているように場合により置換し得る。本明細書において使用する場合、ヘテロアルキルは、1~10個の炭素原子、1~8個の炭素原子、または1~4個の炭素原子;および1~3個のヘテロ原子、1~2個のヘテロ原子、または1個のヘテロ原子を含む。
「ヘテロアリール」は、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される1個もしくはそれ以上の環ヘテロ原子を伴う、単一の環、複数の環または複数の縮合環を有する芳香族基(例えば、5~14員環系)を指す。本明細書において使用する場合、ヘテロアリールは、1~20個の環炭素原子(すなわち、C1~20ヘテロアリール)、1~13個の環炭素原子(すなわち、C3~12ヘテロアリール)、3~12個の環炭素原子(すなわち、C3~12ヘテロアリール)または3~8個の炭素環原子(すなわち、C3~8ヘテロアリール);および窒素、酸素および硫黄から独立に選択される、1~6個のヘテロ原子、1~5個のヘテロ原子、1~4個のヘテロ原子、1~3個の環ヘテロ原子、1~2個の環ヘテロ原子または1個の環ヘテロ原子を含む。ヘテロアリール基の例は、アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアソリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1-オキシドピリジニル、1-オキシドピリミジニル、1-オキシドピラジニル、1-オキシドピリダジニル、1-フェニル-1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニルおよびチオフェニル(すなわち、チエニル)を含む。縮合ヘテロアリール環の例には、これらに限定されないが、ベンゾ[d]チアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾ[b]チオフェニル、インダゾリル、ベンゾ[d]イミダゾリル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニルおよびイミダゾ[1,5-a]ピリジニルが含まれ、ここで、ヘテロアリールは、縮合系のいずれかの環を介して結合することができる。少なくとも1個のヘテロ原子を含有する単一または複数の縮合環を有する任意の芳香族環は、(すなわち、縮合環のいずれか1つを通した)分子の残部への取り付けに関わらず、ヘテロアリールと考えられる。ヘテロアリールは、上記に定義されているようなアリールを包含しないか、これと重ならない。
「ヘテロアリールアルキル」は、基「ヘテロアリール-アルキル-」を指す。
「ヘテロシクリル」は、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される1個もしくはそれ以上の環ヘテロ原子を有する、飽和または不飽和の環状アルキル基を指す。用語「ヘテロシクリル」は、ヘテロシクロアルケニル基(すなわち、少なくとも1個の二重結合を有するヘテロシクリル基)、架橋ヘテロシクリル基、縮合ヘテロシクリル基およびスピロヘテロシクリル基を含む。ヘテロシクリルは、単一の環または複数の環であり得、ここで、複数の環は、縮合、架橋またはスピロであり得、かつ1個もしくはそれ以上のオキソ(C=O)またはN-オキシド(N-O-)部分を含み得る。少なくとも1個のヘテロ原子を含有する任意の非芳香族環は、取り付け(すなわち、炭素原子またはヘテロ原子を介して結合することができる)に関わらず、ヘテロシクリルと考えられる。さらに、ヘテロシクリルという用語は、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する任意の非芳香族環を包含することを意図し、この環は、分子の残部への取り付けに関わらず、アリールまたはヘテロアリール環に縮合し得る。本明細書において使用する場合、ヘテロシクリルは、窒素、硫黄または酸素から独立に選択される、1~5個の環ヘテロ原子、1~4個の環ヘテロ原子、1~3個の環ヘテロ原子、1~2個の環ヘテロ原子または1個の環ヘテロ原子を有する、2~20個の環炭素原子(すなわち、C2~20ヘテロシクリル)、2~12個の環炭素原子(すなわち、C2~12ヘテロシクリル)、2~10個の環炭素原子(すなわち、C2~10ヘテロシクリル)、2~8個の環炭素原子(すなわち、C2~8ヘテロシクリル)、3~12個の環炭素原子(すなわち、C3~12ヘテロシクリル)、3~8個の環炭素原子(すなわち、C3~8ヘテロシクリル)または3~6個の環炭素原子(すなわち、C3~6ヘテロシクリル)を有する。ヘテロシクリル基の例は、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニルおよび1,1-ジオキソ-チオモルホリニルを含む。スピロヘテロシクリル環の例は、二環式および三環式環系、例えば、2-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノナニル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.4]オクタニルおよび6-オキサ-1-アザスピロ[3.3]ヘプタニルを含む。縮合ヘテロシクリル環の例には、これらに限定されないが、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[2,3-c]ピリジニル、インドリニルおよびイソインドリニルが含まれ、ここで、ヘテロシクリルは、縮合系のいずれかの環を介して結合することができる。
「ヘテロシクリルアルキル」は、基「ヘテロシクリル-アルキル-」を指す。
「オキシム」は、基-CR(=NOH)を指し、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり;これらのそれぞれは、本明細書に定義されているように場合により置換し得る。
「スルホニル」は、基-S(O)Rを指し、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり;これらのそれぞれは、本明細書に定義されているように場合により置換し得る。スルホニルの例は、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニルおよびトルエンスルホニルである。
「スルフィニル」は、基-S(O)Rを指し、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり;これらのそれぞれは、本明細書に定義されているように場合により置換し得る。スルフィニルの例は、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニルおよびトルエンスルフィニルである。
「スルホンアミド」は、基-SONRRおよび-NRSORを指し、式中、各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり;これらのそれぞれは、本明細書に定義されているように場合により置換し得る。
「アルキルスルホニル」は、基-S(O)Rを指し、式中、Rは、アルキルである。
「アルキルスルフィニル」は、基-S(O)Rを指し、式中、Rは、アルキルである。
用語「場合による」または「場合により」は、それに続いて記載する事象または状況が起こり得るか、または起こり得ず、かつ記載が前記事象または状況が起こる場合、および起こらない場合を含むことを意味する。また、用語「場合により置換されている」は、指定された原子または基上の任意の1個もしくはそれ以上の水素原子が、水素以外の部分で置き換えられているか、または置き換えられていないことを指す。
本明細書において使用される用語「置換されている」は、上記の基(すなわち、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、および/またはヘテロアルキル)のいずれかを意味し、ここで、少なくとも1個の水素原子は、これらに限定されないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アシル、アミド、アミノ、アミジノ、アリール、アラルキル、アジド、カルバモイル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、グアナジノ(guanadino)、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヒドラジン、ヒドラゾン、イミノ、イミド、ヒドロキシ、オキソ、オキシム、ニトロ、スルホニル、スルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオシアネート、スルフィン酸、スルホン酸、スルホンアミド、チオール、チオキソ、N-オキシド、または-Si(R100(式中、各R100は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルである)などの非水素原子への結合で置き換えられている。
本明細書において使用される用語「置換されている」は、上記の基(すなわち、アルキル、アルキレン、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリール、シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヒドロキシルアルキルおよび/またはアルコキシアルキル)のいずれかを意味し、ここで、少なくとも1個の水素原子は、これらに限定されないが、アルキル基、ハロアルキル基、ハロゲン原子、例えば、F、Cl、Br、およびI;アルケニル、ハロアルケニル基、アルキニル基、ハロアルキニル基、環式基、例えば、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクリル基、基、例えば、ヒドロキシル基、アルコキシ基、およびエステル基中の酸素原子;基、例えば、チオール基、チオアルキル基、チオハロアルキル基、スルホン基、スルホニル基、およびスルホキシド基中の硫黄原子;基、例えば、アミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N-オキシド、イミド、およびエナミン中の窒素原子;基、例えば、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、およびトリアリールシリル基中のケイ素原子;ならびに様々な他の基中の他のヘテロ原子などの非水素原子への結合で置き換えられている。「置換されている」はまた、1個もしくはそれ以上の水素原子が、ヘテロ原子、例えば、オキソ、カルボニル、ホルミル、カルボキシル、カーボネート、およびエステル基中の酸素;ならびに基、例えば、イミン、オキシム、ヒドラゾン、およびニトリル中の窒素への高次結合(例えば、二重結合または三重結合)によって置き換えられている、上記の基のいずれかを意味する。
ある特定の実施形態では、「置換されている」は、1個もしくはそれ以上の水素原子が、重水素、ハロ、シアノ、ニトロ、アジド、オキソ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)OR、-NRS(=O)1~2、-C(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-OC(=O)R、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-OR、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-OS(=O)1~2、-S(=O)1~2OR、-NRS(=O)1~2NR、=NSO、=NOR、-S(=O)1~2NR、-SF、-SCFまたは-OCFで独立に置き換えられている、上記のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール基のいずれかを含む。「置換されている」はまた、1個もしくはそれ以上の水素原子が、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、-CHSO、-CHSONRで置き換えられている、上記の基のいずれかを意味する。「置換されている」はさらに、1個もしくはそれ以上の水素原子が、-NRS(O)1~2NR、-CHS(O)R、-CHS(O)NR、-OC(=O)OR、-SF、-SCFまたは-OCFで置き換えられている、上記の基のいずれかを意味する。「置換されている」はさらに、1個もしくはそれ以上の水素原子が、アミノ、シアノ、ヒドロキシル、イミノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N-ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、および/もしくはヘテロアリールアルキル基への結合で置き換えられている、上記の基のいずれかを意味する。上記において、RおよびRおよびRは、同じまたは異なり、独立に、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、および/もしくはヘテロアリールアルキルであるか、またはRおよびRおよびRの2つは、それらが取り付けられている原子と一緒になって、オキソ、ハロ、アミノ、ヒドロキシルまたはアルコキシで場合により置換されている、オキソ、ハロまたはアルキルで場合により置換されている、ヘテロシクリル環を形成する。一実施形態では、前記水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、および/もしくはヘテロアリールアルキルのそれぞれは、独立に、場合により、1個もしくはそれ以上のオキソ、アルキル、ハロ、アミノ、ヒドロキシルまたはアルコキシで置換されている。さらに、上記の置換基のそれぞれはまた、上記の置換基の1個もしくはそれ以上で場合により置換し得る。一部の実施形態では、「置換されている」は、表示した原子または基上の任意の1個またはそれ以上の水素原子が、水素以外の1個またはそれ以上の置換基で置き換えられているが、ただし、これらの表示原子または基の正常な価数を超過しないことを条件とすることを意味する。
無限に付加されるさらなる置換基を有する置換基(例えば、それ自体が置換アリール基(これは置換ヘテロアルキル基などでさらに置換されている)で置換されている、置換アルキルを有する置換アリール)を定義することによって到達するポリマーまたは同様の不明確な構造は、本明細書において含まれることを意図しない。他に断らない限り、本明細書に記載されている化合物中の連続的置換の最大数は3である。例えば、2個の他の置換アリール基を有する置換アリール基の連続的置換は、((置換アリール)置換アリール)置換アリールに限定される。同様に、上記の定義は、許容されない置換パターン(例えば、5個のフッ素で置換されているメチル、または2個の隣接する酸素環原子を有するヘテロアリール基)を含むことを意図しない。このような許容されない置換パターンは、当業者には周知である。化学基を修飾するために使用されるとき、用語「置換されている」は、本明細書において定義する他の化学基を説明し得る。他に特定しない限り、基が場合により置換されていると記載されている場合、基の任意の置換基はそれら自体が非置換である。例えば、ある特定の実施形態では、用語「置換アルキル」は、ヒドロキシ、ハロ、アルコキシ、アシル、オキソ、アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールを含めた、1個もしくはそれ以上の置換基を有するアルキル基を指す。ある特定の実施形態では、1個もしくはそれ以上の置換基は、これらのそれぞれが置換されている、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールでさらに置換し得る。ある特定の実施形態では、置換基は、これらのそれぞれが非置換である、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールでさらに置換し得る。
本明細書において示す任意の化合物または式はまた、化合物の標識されていない形態および同位体的に標識された形態を表すことを意図する。同位体標識化合物は、1個もしくはそれ以上の原子が選択された原子質量または質量数を有する原子で置き換えられていることを除いて、本明細書において示す式によって示される構造を有する。開示された化合物中に組み込むことができる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素およびヨウ素の同位体、例えば、それぞれ、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125Iを含む。本開示の様々な同位体標識化合物、例えば、それに放射性同位体、例えば、H、13Cおよび14Cが組み込まれているもの。このような同位体標識された化合物は、薬物もしくは基質組織分布アッセイを含めた、代謝研究、反応速度研究、検出もしくはイメージング技術、例えば、ポジトロン放出断層撮影(PET)もしくは単光子放射型コンピューター断層撮影法(SPECT)において、または患者の放射性処置において有用である。
本開示はまた、炭素原子に取り付けられている1~n個の水素が、重水素で置き換えられている、本明細書に記載されている化合物の「重水素化類似体」を含み、ここで、nは分子中の水素の数である。このような化合物は、代謝に対する抵抗性の増加を示し、したがって、哺乳動物、特に、ヒトに投与したとき、任意の化合物の半減期を増加させるのに有用である。例えば、Foster、「Deuterium Isotope Effects in Studies of Drug Metabolism」、Trends Pharmacol.Sci.5(12):524~527頁(1984年)を参照されたい。このような化合物は、当技術分野で周知の手段によって、例えば、1個もしくはそれ以上の水素が重水素で置き換えられている出発材料を用いることによって合成される。
本開示の重水素標識されたまたは重水素置換された治療化合物は、分布、代謝および排泄(ADME)に関して改善されたDMPK(薬物代謝および薬物動態)特性を有し得る。より重い同位体、例えば、重水素による置換は、より大きな代謝安定性、例えば、in vivoでの半減期の増加、投与必要量の低減および/または治療指数の改善からもたらされるある特定の治療上の利点を提供し得る。18F、H、11C標識化合物は、PETまたはSPECTまたは他のイメージング研究のために有用であり得る。本開示の同位体標識化合物およびそのプロドラッグは一般に、非同位体的標識試薬を容易に利用可能な同位体標識試薬で置換することによって、スキームまたは下記の実施例および製造において開示されている手順を行うことによって製造することができる。重水素は、この文脈において、本明細書に記載されている化合物における置換基とみなされると理解される。
このようなより重い同位体、特に、重水素の濃度は、同位体濃縮係数によって定義し得る。本開示の化合物において、特定の同位体として特に指定されない任意の原子は、その原子の任意の安定な同位体を表すことを意味する。他に記述しない限り、ある位置が「H」または「水素」と特に指定されているとき、その位置は、その天然存在度同位体組成において水素を有すると理解される。したがって、本開示の化合物において、重水素(D)として特に指定されている任意の原子は、重水素を表すことを意味する。
多くの場合において、本開示の化合物は、アミノおよび/もしくはカルボキシル基またはそれと同様の基の存在に基づいて、酸性塩および/または塩基性塩を形成することができる。
本明細書に記載されている化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、互変異性形態、立体異性体およびプロドラッグをまた提供する。「薬学的に許容される」または「生理学的に許容される」は、獣医学またはヒトの製薬学的用途に適した医薬組成物の製造において有用である化合物、塩、組成物、剤形および他の材料を指す。
所与の化合物の「薬学的に許容される塩」という用語は、所与の化合物の生物学的有効性および特性を保持し、かつ生物学的にまたは他の点で望ましくないものではない塩を指す。「薬学的に許容される塩」または「生理学的に許容される塩」は、例えば、無機酸を有する塩および有機酸を有する塩を含む。さらに、本明細書に記載されている化合物が酸付加塩として得られる場合、遊離塩基は、酸性塩の溶液を塩基性化することによって得ることができる。逆に、生成物が遊離塩基である場合、付加塩、特に、薬学的に許容される付加塩は、塩基化合物から酸付加塩を製造するための通常の手順によって、遊離塩基を適切な有機溶媒に溶解し、溶液を酸で処理するによって生成し得る。当業者は、無毒性の薬学的に許容される付加塩を製造するために使用し得る様々な合成法論を理解するであろう。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸から製造し得る。無機酸に由来する塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。有機酸に由来する塩は、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエン-スルホン酸、サリチル酸などを含む。同様に、薬学的に許容される塩基付加塩は、無機および有機の塩基から製造することができる。無機塩基に由来する塩は、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウムおよびマグネシウム塩を含む。有機塩基に由来する塩には、これらに限定されないが、第一級、第二級および第三級アミンの塩、例えば、アルキルアミン(すなわち、NH(アルキル))、ジアルキルアミン(すなわち、HN(アルキル))、トリアルキルアミン(すなわち、N(アルキル))、置換アルキルアミン(すなわち、NH(置換アルキル))、ジ(置換アルキル)アミン(すなわち、HN(置換アルキル))、トリ(置換アルキル)アミン(すなわち、N(置換アルキル))、アルケニルアミン(すなわち、NH(アルケニル))、ジアルケニルアミン(すなわち、HN(アルケニル))、トリアルケニルアミン(すなわち、N(アルケニル))、置換アルケニルアミン(すなわち、NH(置換アルケニル))、ジ(置換アルケニル)アミン(すなわち、HN(置換アルケニル))、トリ(置換アルケニル)アミン(すなわち、N(置換アルケニル))、モノ-、ジ-もしくはトリ-シクロアルキルアミン(すなわち、NH(シクロアルキル)、HN(シクロアルキル)、N(シクロアルキル))、モノ-、ジ-もしくはトリ-アリールアミン(すなわち、NH(アリール)、HN(アリール)、N(アリール))または混合アミンなどが含まれる。適切なアミンの具体例は、ほんの一例として、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエルチアミン、トリ(イソ-プロピル)アミン、トリ(n-プロピル)アミン、エタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N-エチルピペリジンなどを含む。
用語「水和物」は、本明細書に記載されている化合物および水を合わせることによって形成される複合体を指す。
「溶媒和物」は、1個もしくはそれ以上の溶媒分子および本開示の化合物の会合体または複合体を指す。溶媒和物を形成する溶媒の例には、これらに限定されないが、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、酢酸およびエタノールアミンが含まれる。
化合物のいくつかは、互変異性体として存在する。互変異性体は、互いに平衡状態である。例えば、アミド含有化合物は、イミド酸互変異性体と平衡状態で存在し得る。どのような互変異性体が示されているかに関わらず、および互変異性体の間の平衡状態の性質に関わらず、化合物は、アミドおよびイミド酸互変異性体の両方を含むと当業者は理解する。このように、アミド含有化合物は、それらのイミド酸互変異性体を含むと理解される。同様に、イミド酸含有化合物は、それらのアミド互変異性体を含むと理解される。
本明細書において開示されている化合物、または薬学的に許容されるその塩は不斉中心を含み、したがって、絶対立体化学配置に関して、アミノ酸について、(R)-もしくは(S)-、または、(D)-もしくは(L)-と定義し得る、エナンチオマー、ジアステレオマー、および他の立体異性体の形態を生じさせ得る。本開示は、全てのこのような可能な異性体、ならびにそれらのラセミ形態および光学的に純粋な形態を含むことを意味する。光学活性な(+)および(-)、(R)-および(S)-、もしくは(D)-および(L)-異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して製造し得るか、または従来の技術、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶を使用して分離し得る。個々のエナンチオマーの製造/単離のための従来の技術は、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または、例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用したラセミ化合物(または塩もしくは誘導体のラセミ化合物)の分離を含む。本明細書に記載されている化合物が、オレフィン二重結合、または幾何学的な非対称性の他の中心を含有するとき、および他に特定しない限り、化合物は、EおよびZ幾何異性体の両方を含むことが意図される。同様に、全ての互変異性形態がまた含まれることが意図される。
「立体異性体」は、同じ結合によって結合されている同じ原子で構成されているが、互換的でない異なる三次元構造を有する化合物を指す。本開示は、様々な立体異性体およびこれらの混合物を意図し、その分子が互いの重ね合わせることができない鏡像である2つの立体異性体を指す「エナンチオマー」を含む。
「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2個の不斉原子を有するが、互いの鏡像でない立体異性体である。
「プロドラッグ」は、このようなプロドラッグが哺乳動物対象に投与されたとき、in vivoで本明細書に記載されている式による活性親薬物を放出する任意の化合物を意味する。本明細書に記載されている化合物のプロドラッグは、修飾がin vivoで切断され、親化合物を放出し得るような方法で、本明細書に記載されている化合物中に存在する官能基を修飾することによって製造される。プロドラッグは、修飾が通例の操作でまたはin vivoで親化合物へと切断されるような方法で、化合物中に存在する官能基を修飾することによって製造し得る。プロドラッグは、本明細書に記載されている化合物を含み、ここで、本明細書に記載されている化合物中のヒドロキシ、アミノ、カルボキシルまたはスルフヒドリル基は、in vivoで切断されて、それぞれ、遊離ヒドロキシ基、遊離アミノ基または遊離スルフヒドリル基を再び生じさせ得る任意の基に結合している。プロドラッグの例には、これらに限定されないが、本明細書に記載されている化合物中のヒドロキシ官能基のエステル(例えば、酢酸エステル、ギ酸エステルおよび安息香酸エステル誘導体)、アミド、グアニジン、カルバメート(例えば、N,N-ジメチルアミノカルボニル)などが含まれる。プロドラッグの製造、選択および使用は、これらのそれぞれが参照によってその全体が本明細書に組み入れられている、T. HiguchiおよびV.Stella、「Pro-drugs as Novel Delivery Systems」、Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series;「Design of Prodrugs」、編H.Bundgaard,Elsevier、1985年;およびBioreversible Carriers in Drug Design、編Edward B.Roche、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987年において考察されている。
本明細書において使用する場合、「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される添加剤」または「添加剤」は、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。医薬活性物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は、当技術分野で周知である。任意の通常の媒体または薬剤が活性成分と不適合性である場合を除いて、治療組成物におけるその使用が意図される。補助的な活性成分をまた組成物中に組み込むことができる。
用語「壊死細胞疾患」は、細胞壊死と関連するか、または細胞壊死によってもたらされる疾患を指す。例示的な壊死細胞疾患には、これらに限定されないが、急性疾患、例えば、外傷、虚血、脳卒中、心筋梗塞、炭疽致死毒素により誘発される敗血症性ショック、敗血症、LPSにより誘発される細胞死、および免疫不全をもたらすHIVにより誘発されるT細胞死が含まれる。用語「壊死細胞疾患」にはまた、これらに限定されないが、慢性神経変性疾患、例えば、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、感染性脳症、認知症、例えば、HIV関連認知症が含まれる。用語「壊死細胞疾患」にはまた、これらに限定されないが、疾患、例えば、炎症性腸疾患、ならびに炎症および細胞死によって特性決定される急性および慢性の腎臓疾患が含まれる。
本明細書において使用される化学名は、MarvinSketchバージョン6.1.6(ChemAxon)またはChemDraw Ultraバージョン13.0ソフトウェアネーミングプログラムを使用して生成する。
2.化合物
式Iの化合物:
Figure 0007140781000001
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、
Xは、NまたはCRであり、Rは、Hまたは場合により置換されているアルキルであり;
Cyは、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであり;
、YおよびYは、独立に、CR、S、SO、SO、OまたはNRであり;
は、シアノ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;
またはRおよびYは、一緒になって、場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、シアノ、水素、ハロ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、一緒になって、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
はそれぞれ、独立に、ハロ、シアノまたは場合により置換されているアルキルであるか;または2つのRは一緒になって、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
およびRは、独立に、シアノ、ハロ、水素、ヒドロキシル、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SH、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、これらの両方が結合している炭素原子と一緒になって、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリルまたはオキソを形成するか;または隣接炭素原子に一緒になって結合している任意の2つのR基は、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、水素または場合により置換されているアルキルであり;
は、場合により置換されているアルキルであり;
nは、0、1、2、3、4または5である。
ある特定の実施形態では、Cyは、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールである。
ある特定の実施形態では、Cyは、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているピリジル、場合により置換されているピリミジンまたは場合により置換されているピラジンである。ある特定の実施形態では、Cyは、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているピリジルまたは場合により置換されているピラジンである。
ある特定の実施形態では、Cyは、1つまたはそれ以上のR10により独立に場合により置換されており、
10は、独立に、シアノ、ハロ、ニトロ、オキソ、-OR11、-SR11、-SF、-NR1112、-C(=O)R13、-C(=O)OR11、-OC(=O)OR11、-OC(=O)R13、-C(=O)NR1112、-OC(=O)NR1112、-NR11C(=O)NR1112、-S(=O)1~213、-S(=O)1~2NR1112、-NR11S(=O)1~213、-NR11S(=O)1~2NR1112、-NR11C(=O)R13、-NR11C(=O)OR12、-C=NOR11、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;C1~12アルキル、C2~12アルケニルおよびC2~12アルキニルは、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されており;C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、シアノ、ハロ、ニトロ、オキソ、-OR14、-SR14、-SF、-NR1415、-S(=O)1~216、-S(=O)1~2NR1415、-NR14S(=O)1~216またはR16のうちの1つまたはそれ以上により独立に、場合により置換されており;
11、R12、R14およびR15は、独立に、H、または1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルであるか、またはR11およびR12の2つ、もしくはR14およびR15の2つは、それらが結合している原子と一緒になって、1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されているヘテロシクリルまたは1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルを形成し;
13およびR16は、独立に、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルである。
ある特定の実施形態では、Cyは、5-シアノ-ピリド-3-イル、5-フルオロ-ピリド-3-イル、3-フルオロフェニル、3-シアノフェニル、3-シアノ-5-フルオロフェニル、5-メチルピラジン-2-イル、3,4-ジフルオロフェニルまたは3,5-ジフルオロフェニルである。
ある特定の実施形態では、式I-1の化合物:
Figure 0007140781000002
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、Cy、n、X、Y、Y、Y、RおよびRは、本明細書で定義されている通りである。
ある特定の実施形態では、式Iaの化合物:
Figure 0007140781000003
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、
Xは、NまたはCRであり、Rは、Hまたは場合により置換されているアルキルであり;
、YおよびYは、独立に、CR、S、SO、SO、OまたはNRであり;
は、シアノ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;
は、シアノ、水素、ハロ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、一緒になって、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、独立に、ハロ、シアノまたは場合により置換されているアルキルであり;
およびRは、独立に、シアノ、ハロ、水素、ヒドロキシル、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SH、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、これらの両方が結合している炭素原子と一緒になって、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリルまたはオキソを形成するか;または隣接炭素原子に一緒に結合しているRおよびRは、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、水素または場合により置換されているアルキルであり;
は、場合により置換されているアルキルであり;
10は、独立に、シアノ、ハロ、ニトロ、-OR11、-SR11、-SF、-NR1112、-C(=O)R13、-C(=O)OR11、-OC(=O)OR11、-OC(=O)R13、-C(=O)NR1112、-OC(=O)NR1112、-NR11C(=O)NR1112、-S(=O)1~213、-S(=O)1~2NR1112、-NR11S(=O)1~213、-NR11S(=O)1~2NR1112、-NR11C(=O)R13、-NR11C(=O)OR12、-C=NOR11、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;C1~12アルキル、C2~12アルケニルおよびC2~12アルキニルは、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されており;C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、シアノ、ハロ、ニトロ、オキソ、-OR14、-SR14、-SF、-NR1415、-S(=O)1~216、-S(=O)1~2NR1415、-NR14S(=O)1~216またはR16のうちの1つまたはそれ以上により独立に、場合により置換されており;
11、R12、R14およびR15は、独立に、H、または1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルであるか、またはR11およびR12の2つ、もしくはR14およびR15の2つは、それらが結合している原子と一緒になって、1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されてヘテロシクリルまたは1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されてC1~12アルキルを形成し;
13およびR16独立に、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルであり;
mは、0、1、2、3、4または5である。
ある特定の実施形態では、式Ia-1の化合物:
Figure 0007140781000004
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、R10、m、X、Y、Y、Y、RおよびRは、本明細書で定義されている通りである。
ある特定の実施形態では、式Ibの化合物:
Figure 0007140781000005
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、
Xは、NまたはCRであり、Rは、Hまたは場合により置換されているアルキルであり;
、YおよびYは、独立に、CR、S、SO、SO、OまたはNRであり;
は、シアノ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;
は、シアノ、水素、ハロ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、一緒になって、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、独立に、ハロ、シアノまたは場合により置換されているアルキルであり;
およびRは、独立に、シアノ、ハロ、水素、ヒドロキシル、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SH、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、これらの両方が結合している炭素原子と一緒になって、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリルまたはオキソを形成するか;または隣接炭素原子と一緒に結合しているRおよびRは、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、水素または場合により置換されているアルキルであり;
は、場合により置換されているアルキルであり;
10は、独立に、シアノ、ハロ、ニトロ、-OR11、-SR11、-SF、-NR1112、-C(=O)R13、-C(=O)OR11、-OC(=O)OR11、-OC(=O)R13、-C(=O)NR1112、-OC(=O)NR1112、-NR11C(=O)NR1112、-S(=O)1~213、-S(=O)1~2NR1112、-NR11S(=O)1~213、-NR11S(=O)1~2NR1112、-NR11C(=O)R13、-NR11C(=O)OR12、-C=NOR11、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;C1~12アルキル、C2~12アルケニルおよびC2~12アルキニルは、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されており;C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、シアノ、ハロ、ニトロ、オキソ、-OR14、-SR14、-SF、-NR1415、-S(=O)1~216、-S(=O)1~2NR1415、-NR14S(=O)1~216またはR16のうちの1つまたはそれ以上により独立に、場合により置換されており;
11、R12、R14およびR15は、独立に、H、または1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルであるか、またはR11およびR12の2つ、もしくはR14およびR15の2つは、それらが結合している原子と一緒になって、1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されてヘテロシクリルまたは1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されてC1~12アルキルを形成し;
13およびR16は、独立に、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルであり;
mは、0、1、2、3、4または5である。
ある特定の実施形態では、式Ib-1の化合物:
Figure 0007140781000006
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、R10、m、X、Y、Y、Y、RおよびRは、本明細書で定義されている通りである。
ある特定の実施形態では、式Icの化合物:
Figure 0007140781000007
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、
Xは、NまたはCRであり、Rは、Hまたは場合により置換されているアルキルであり;
、YおよびYは、独立に、CR、S、SO、SO、OまたはNRであり;
は、シアノ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;
は、シアノ、水素、ハロ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、一緒になって、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、独立に、ハロ、シアノまたは場合により置換されているアルキルであり;
およびRは、独立に、シアノ、ハロ、水素、ヒドロキシル、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SH、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、これらの両方が結合している炭素原子と一緒になって、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリルまたはオキソを形成するか;または隣接炭素原子と一緒になって結合しているRおよびRは、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、水素または場合により置換されているアルキルであり;
は、場合により置換されているアルキルであり;
10は、独立に、シアノ、ハロ、ニトロ、-OR11、-SR11、-SF、-NR1112、-C(=O)R13、-C(=O)OR11、-OC(=O)OR11、-OC(=O)R13、-C(=O)NR1112、-OC(=O)NR1112、-NR11C(=O)NR1112、-S(=O)1~213、-S(=O)1~2NR1112、-NR11S(=O)1~213、-NR11S(=O)1~2NR1112、-NR11C(=O)R13、-NR11C(=O)OR12、-C=NOR11、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;C1~12アルキル、C2~12アルケニルおよびC2~12アルキニルは、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されており;C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、シアノ、ハロ、ニトロ、オキソ、-OR14、-SR14、-SF、-NR1415、-S(=O)1~216、-S(=O)1~2NR1415、-NR14S(=O)1~216またはR16のうちの1つまたはそれ以上により独立に、場合により置換されており;
11、R12、R14およびR15は、独立に、H、または1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルであるか、またはR11およびR12の2つ、もしくはR14およびR15の2つは、それらが結合している原子と一緒になって、1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されてヘテロシクリルまたは1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されてC1~12アルキルを形成し;
13およびR16は、独立に、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルであり;
mは、0、1、2、3、4または5である。
ある特定の実施形態では、式Ic-1の化合物:
Figure 0007140781000008
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、R10、m、X、Y、Y、Y、RおよびRは、本明細書で定義されている通りである。
ある特定の実施形態では、式Idの化合物:
Figure 0007140781000009
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、
Xは、NまたはCRであり、Rは、Hまたは場合により置換されているアルキルであり;
、YおよびYは、独立に、CR、S、SO、SO、OまたはNRであり;
は、シアノ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;
は、シアノ、水素、ハロ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、一緒になって、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、独立に、ハロ、シアノまたは場合により置換されているアルキルであり;
およびRは、独立に、シアノ、ハロ、水素、ヒドロキシル、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SH、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、これらの両方が結合している炭素原子と一緒になって、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリルまたはオキソを形成するか;または隣接炭素原子に結合している RおよびRは、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、水素または場合により置換されているアルキルであり;
は、場合により置換されているアルキルであり;
10は、独立に、シアノ、ハロ、ニトロ、-OR11、-SR11、-SF、-NR1112、-C(=O)R13、-C(=O)OR11、-OC(=O)OR11、-OC(=O)R13、-C(=O)NR1112、-OC(=O)NR1112、-NR11C(=O)NR1112、-S(=O)1~213、-S(=O)1~2NR1112、-NR11S(=O)1~213、-NR11S(=O)1~2NR1112、-NR11C(=O)R13、-NR11C(=O)OR12、-C=NOR11、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;C1~12アルキル、C2~12アルケニルおよびC2~12アルキニルは、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されており;C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、シアノ、ハロ、ニトロ、オキソ、-OR14、-SR14、-SF、-NR1415、-S(=O)1~216、-S(=O)1~2NR1415、-NR14S(=O)1~216またはR16のうちの1つまたはそれ以上により独立に、場合により置換されており;
11、R12、R14およびR15は、独立に、H、または1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルであるか、またはR11およびR12の2つ、もしくはR14およびR15の2つは、それらが結合している原子と一緒になって、1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されてヘテロシクリルまたは1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されてC1~12アルキルを形成し;
13およびR16は、独立に、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルであり;
mは、0、1、2、3、4または5である。
ある特定の実施形態では、式Id-1の化合物:
Figure 0007140781000010
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、R10、m、X、Y、Y、Y、RおよびRは、本明細書で定義されている通りである。
ある特定の実施形態では、式Ieの化合物:
Figure 0007140781000011
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、
Xは、NまたはCRであり、Rは、Hまたは場合により置換されているアルキルであり;
、YおよびYは、独立に、CR、S、SO、SO、OまたはNRであり;
は、シアノ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;
は、シアノ、水素、ハロ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、一緒になって、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、独立に、ハロ、シアノまたは場合により置換されているアルキルであり;
およびRは、独立に、シアノ、ハロ、水素、ヒドロキシル、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SH、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、これらの両方が結合している炭素原子と一緒になって、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリルまたはオキソを形成するか;または隣接炭素原子に一緒になって結合しているRおよびRは、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、水素または場合により置換されているアルキルであり;
は、場合により置換されているアルキルであり;
10は、独立に、シアノ、ハロ、ニトロ、-OR11、-SR11、-SF、-NR1112、-C(=O)R13、-C(=O)OR11、-OC(=O)OR11、-OC(=O)R13、-C(=O)NR1112、-OC(=O)NR1112、-NR11C(=O)NR1112、-S(=O)1~213、-S(=O)1~2NR1112、-NR11S(=O)1~213、-NR11S(=O)1~2NR1112、-NR11C(=O)R13、-NR11C(=O)OR12、-C=NOR11、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;C1~12アルキル、C2~12アルケニルおよびC2~12アルキニルは、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されており;C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、シアノ、ハロ、ニトロ、オキソ、-OR14、-SR14、-SF、-NR1415、-S(=O)1~216、-S(=O)1~2NR1415、-NR14S(=O)1~216またはR16のうちの1つまたはそれ以上により独立に、場合により置換されており;
11、R12、R14およびR15は、独立に、H、または1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルであるか、またはR11およびR12の2つ、もしくはR14およびR15の2つは、それらが結合している原子と一緒になって、1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されてヘテロシクリルまたは1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されてC1~12アルキルを形成し;
13およびR16は、独立に、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルであり;
mは、0、1、2、3、4または5である。
ある特定の実施形態では、式Ie-1の化合物:
Figure 0007140781000012
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、R10、m、X、Y、Y、Y、RおよびRは、本明細書で定義されている通りである。
ある特定の実施形態では、式Ifの化合物:
Figure 0007140781000013
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、
Xは、NまたはCRであり、Rは、Hまたは場合により置換されているアルキルであり;
、YおよびYは、独立に、CR、S、SO、SO、OまたはNRであり;
は、シアノ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;
は、シアノ、水素、ハロ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、一緒になって、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、独立に、ハロ、シアノまたは場合により置換されているアルキルであり;
およびRは、独立に、シアノ、ハロ、水素、ヒドロキシル、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SH、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、これらの両方が結合している炭素原子と一緒になって、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリルまたはオキソを形成するか;または隣接炭素原子に結合しているRおよびRは、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、水素または場合により置換されているアルキルであり;
は、場合により置換されているアルキルであり;
10は、独立に、シアノ、ハロ、ニトロ、-OR11、-SR11、-SF、-NR1112、-C(=O)R13、-C(=O)OR11、-OC(=O)OR11、-OC(=O)R13、-C(=O)NR1112、-OC(=O)NR1112、-NR11C(=O)NR1112、-S(=O)1~213、-S(=O)1~2NR1112、-NR11S(=O)1~213、-NR11S(=O)1~2NR1112、-NR11C(=O)R13、-NR11C(=O)OR12、-C=NOR11、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;C1~12アルキル、C2~12アルケニルおよびC2~12アルキニルは、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されており;C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、シアノ、ハロ、ニトロ、オキソ、-OR14、-SR14、-SF、-NR1415、-S(=O)1~216、-S(=O)1~2NR1415、-NR14S(=O)1~216またはR16のうちの1つまたはそれ以上により独立に、場合により置換されており;
11、R12、R14およびR15は、独立に、H、または1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルであるか、またはR11およびR12の2つ、もしくはR14およびR15の2つは、それらが結合している原子と一緒になって、1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されてヘテロシクリルまたは1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されてC1~12アルキルを形成し;
13およびR16は、独立に、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルであり;
mは、0、1、2、3、4または5である。
ある特定の実施形態では、式If-1の化合物:
Figure 0007140781000014
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、R10、m、X、Y、Y、Y、RおよびRは、本明細書で定義されている通りである。
ある特定の実施形態では、式Igの化合物:
Figure 0007140781000015
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、
Xは、NまたはCRであり、Rは、Hまたは場合により置換されているアルキルであり;
、YおよびYは、独立に、CR、S、SO、SO、OまたはNRであり;
は、シアノ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;
は、シアノ、水素、ハロ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、一緒になって、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、独立に、ハロ、シアノまたは場合により置換されているアルキルであり;
およびRは、独立に、シアノ、ハロ、水素、ヒドロキシル、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SH、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、これらの両方が結合している炭素原子と一緒になって、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリルまたはオキソを形成するか;または隣接炭素原子に一緒になって結合しているRおよびRは、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、水素または場合により置換されているアルキルであり;
は、場合により置換されているアルキルであり;
10は、独立に、シアノ、ハロ、ニトロ、-OR11、-SR11、-SF、-NR1112、-C(=O)R13、-C(=O)OR11、-OC(=O)OR11、-OC(=O)R13、-C(=O)NR1112、-OC(=O)NR1112、-NR11C(=O)NR1112、-S(=O)1~213、-S(=O)1~2NR1112、-NR11S(=O)1~213、-NR11S(=O)1~2NR1112、-NR11C(=O)R13、-NR11C(=O)OR12、-C=NOR11、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;C1~12アルキル、C2~12アルケニルおよびC2~12アルキニルは、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されており;C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、シアノ、ハロ、ニトロ、オキソ、-OR14、-SR14、-SF、-NR1415、-S(=O)1~216、-S(=O)1~2NR1415、-NR14S(=O)1~216またはR16のうちの1つまたはそれ以上により独立に、場合により置換されており;
11、R12、R14およびR15は、独立に、H、または1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルであるか、またはR11およびR12の2つ、もしくはR14およびR15の2つは、それらが結合している原子と一緒になって、1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されてヘテロシクリルまたは1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されてC1~12アルキルを形成し;
13およびR16は、独立に、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルであり;
mは、0、1、2、3、4または5である。
ある特定の実施形態では、式Ig-1の化合物:
Figure 0007140781000016
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、R10、m、X、Y、Y、Y、RおよびRは、本明細書で定義されている通りである。
ある特定の実施形態では、式Ihの化合物:
Figure 0007140781000017
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、
Xは、NまたはCRであり、Rは、Hまたは場合により置換されているアルキルであり;
、YおよびYは、独立に、CR、S、SO、SO、OまたはNRであり;
は、シアノ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;
は、シアノ、水素、ハロ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、一緒になって、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、独立に、ハロ、シアノまたは場合により置換されているアルキルであり;
およびRは、独立に、シアノ、ハロ、水素、ヒドロキシル、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SH、-SR、-SOR、-SO、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはRおよびRは、これらの両方が結合している炭素原子と一緒になって、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリルまたはオキソを形成するか;または隣接炭素原子に一緒に結合しているRおよびRは、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換されているヘテロシクリルを形成し;
は、水素または場合により置換されているアルキルであり;
は、場合により置換されているアルキルであり;
10は、独立に、シアノ、ハロ、ニトロ、-OR11、-SR11、-SF、-NR1112、-C(=O)R13、-C(=O)OR11、-OC(=O)OR11、-OC(=O)R13、-C(=O)NR1112、-OC(=O)NR1112、-NR11C(=O)NR1112、-S(=O)1~213、-S(=O)1~2NR1112、-NR11S(=O)1~213、-NR11S(=O)1~2NR1112、-NR11C(=O)R13、-NR11C(=O)OR12、-C=NOR11、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;C1~12アルキル、C2~12アルケニルおよびC2~12アルキニルは、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されており;C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、シアノ、ハロ、ニトロ、オキソ、-OR14、-SR14、-SF、-NR1415、-S(=O)1~216、-S(=O)1~2NR1415、-NR14S(=O)1~216またはR16のうちの1つまたはそれ以上により独立に、場合により置換されており;
11、R12、R14およびR15は、独立に、H、または1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルであるか、またはR11およびR12の2つ、もしくはR14およびR15の2つは、それらが結合している原子と一緒になって、1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されてヘテロシクリルまたは1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されてC1~12アルキルを形成し;
13およびR16は、独立に、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されているC1~12アルキルであり;
mは、0、1、2、3、4または5である。
ある特定の実施形態では、式Ih-1の化合物:
Figure 0007140781000018
または薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体もしくはプロドラッグが提供され、R10、m、X、Y、Y、Y、RおよびRは、本明細書で定義されている通りである。
ある特定の実施形態では、XはNである。
ある特定の実施形態では、XはCRである。ある特定の実施形態では、XはCHである。
ある特定の実施形態では、YはOであり、YおよびYはCRである。
ある特定の実施形態では、YはOであり、YおよびYはCRである。
ある特定の実施形態では、Y、YおよびYは、CRである。
ある特定の実施形態では、YはCFである。
ある特定の実施形態では、Y、YおよびYは、CHである。
ある特定の実施形態では、XがCRである場合、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つはCH以外である。
ある特定の実施形態では、XはNであり;Y、YおよびYはCHである。
ある特定の実施形態では、XはCRであり;YはOであり;YおよびYはCRである。ある特定の実施形態では、XはCRであり;YおよびYはCRであり;YはOである。ある特定の実施形態では、XはCRであり;YはOであり;YおよびYはCRである。
ある特定の実施形態では、XはCHであり;YはOであり;YおよびYはCHである。ある特定の実施形態では、XはCHであり;YおよびYはCHであり;YはOである。ある特定の実施形態では、XはCHであり;YはOであり;YおよびYはCHである。
ある特定の実施形態では、nは1である。ある特定の実施形態では、nは0である。
ある特定の実施形態では、RおよびRは、場合により置換されているアルキルである。
ある特定の実施形態では、RおよびRは、一緒になって、シクロプロピル環を形成する。
ある特定の実施形態では、Rは、ハロアルキル、シアノメチル、メチルまたはエチルである。
ある特定の実施形態では、Rは、ジフルオロメチル、シアノメチル、メチルまたはエチルである。
ある特定の実施形態では、Rはメチルである。
ある特定の実施形態では、R10は、独立に、シアノ、ハロ、C1~12アルキル、C2~12アルケニルまたはC2~12アルキニルであり;C1~12アルキル、C2~12アルケニルおよびC2~12アルキニルは、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されている。ある特定の実施形態では、R10は、独立に、シアノ、ハロまたはC1~12アルキルであり;C1~12アルキルは、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されている。ある特定の実施形態では、R10は、独立に、シアノ、ハロ、メチル、エチルまたはジフルオロメチルである。
ある特定の実施形態では、mは2である。ある特定の実施形態では、mは1である。ある特定の実施形態では、mは0である。
ある特定の実施形態では、本化合物は、表1から選択される化合物である。同様に、薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体および/またはプロドラッグが本開示に含まれる。
Figure 0007140781000019
ある特定の実施形態では、本化合物は、表2から選択される化合物である。同様に、薬学的に許容されるその塩、重水素化類似体、互変異性体、および/またはプロドラッグが本開示に含まれる。
Figure 0007140781000020
Figure 0007140781000021
ある特定の実施形態では、本明細書において提供する任意の式の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で提供する。この目的のための例示的な塩は、本明細書に記載されている。
ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書において提供する任意の式の化合物へとin vivoで変換するプロドラッグを提供する。この目的のための例示的なプロドラッグは、当技術分野において公知であり、本明細書に記載されている。
本明細書において開示されている化合物の鏡像異性的に濃縮された組成物をまた提供する。ある特定の実施形態では、組成物の鏡像異性体比は、50:50超である。ある特定の実施形態では、鏡像異性体比は、分子上に存在し得る他の立体中心を考慮せずに、単一の立体中心(例えば、場合により置換されているCy部分)のみに関して計算する。ある特定の実施形態では、組成物は、化合物の単一のエナンチオマーを含み、他のエナンチオマー(またはジアステレオマー)を実質的に非含有である(すなわち、約40%もしくはこれ未満、約30%もしくはこれ未満、約25%もしくはこれ未満、約20%もしくはこれ未満、約15%もしくはこれ未満、約10%もしくはこれ未満、約5%もしくはこれ未満、約1%もしくはこれ未満、約0.05%もしくはこれ未満、または約0.01%もしくはこれ未満を有する)。
3.一般的な合成
ある特定の実施形態では、式Iの化合物をもたらす条件下で、式1-Gの化合物:
Figure 0007140781000022
を、環化させる工程を含む、XがNである式Iの化合物を製造する方法が提供され、Cy、n、Y、Y、Y、R、RおよびRは、本明細書で定義されている通りであり、LGは脱離基である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物をもたらす条件下で、式2-Cの化合物:
Figure 0007140781000023
を、環化させる工程を含む、式Iの化合物を製造する方法が提供され、X、Cy、n、Y、Y、Y、R、RおよびRは、本明細書で定義されている通りであり、LGは脱離基である。
以下の一般的な反応スキーム1および2は、式Iの化合物を作製する方法をさらに例示する。式Iの化合物および関連中間体を製造する他の方法が、実施例において提示されている、および/または当分野で公知である。当業者は、同様の方法によって、または当業者に公知の他の方法を合わせることによって、これらの化合物を作製し得ることが理解される。一般に、出発構成要素および試薬は、ソース、例えば、Sigma Aldrich、Lancaster Synthesis,Inc.、Maybridge、Matrix Scientific、TCIおよびFluorochem USAなどから得るか、または当業者には公知のソースによって合成するか(例えば、Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms and Structure、第5版、(Wiley、2000年12月)を参照されたい)、または本開示において記載するように製造し得る。
Figure 0007140781000024
スキーム1を参照すると、Cy、n、Y、Y、Y、R、RおよびRが、本明細書で定義されている通りであり、XがNであり、LGが脱離基(例えば、ハロ)である式Iの化合物は、化合物1-Dを好適なヒドリド試薬(例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリエチルホウ素リチウムなど)により還元することによって製造される。化合物1-Dは、場合によりマイクロ波用反応器中、好適な反応条件下で、化合物1-Cをヨウ化ナトリウムのようなもので環化することにより製造することができる。化合物1-Cは、好適な溶媒中、標準アミド結合成形反応条件下で、化合物1-Aに化合物1-Bを接触させることにより製造することができる。代替的に、好適な溶媒中、標準アミド結合形成反応条件下で化合物1-Eに化合物1-Fを接触させる工程により、化合物1-Gが得られ、この化合物は、好適な環化反応条件下で環化して、式Iの化合物をもたらすことができる。代替的に、化合物1-Cを水素化し、次いで、環化すると、式Iの化合物をもたらすことができる。
適正な化合物1-A、1-B、1-Eおよび1-Fは、下記の実施例において記載されるより特定の方法によって、または当業者に公知の方法によって製造することができる。
Figure 0007140781000025
スキーム2を参照すると、Cy、n、Y、Y、Y、R、RおよびRが、本明細書で定義されている通りであり、XがNであり、LGが脱離基(例えば、ハロ)である式Iの化合物は、場合によりマイクロ波用反応器中、化合物2-Cを、好適な反応条件下で、例えばヨウ化ナトリウムで環化することにより製造することができる。化合物2-Cは、好適な溶媒中、標準アミド結合成形反応条件下で、化合物2-Aに化合物2-Bを接触させることにより製造することができる。
適正な化合物DまたはEは、下記の実施例において記載されるより特定の方法によって、または当業者には公知の方法によって製造することができる。
鏡像異性的に純粋または濃縮された化合物が望ましいとき、キラルクロマトグラフィーおよび/または鏡像異性的に純粋なもしくは濃縮された出発材料(例えば、化合物AまたはD)を実施例において記載された通りに使用し得る。本明細書に記載されているプロセスにおいて、中間化合物の官能基は、適切な保護基によって保護する必要があり得ることを当業者はまた認識する。このような官能基は、ヒドロキシ、アミノ、メルカプトおよびカルボン酸を含む。ヒドロキシのための適切な保護基は、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジルなどを含む。アミノ、アミジノおよびグアニジノのための適切な保護基は、t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどを含む。メルカプトのための適切な保護基は、-C(O)-R’’(式中、R’’は、アルキル、アリールまたはアリールアルキルである)、p-メトキシベンジル、トリチルなどを含む。カルボン酸のための適切な保護基は、アルキル、アリールまたはアリールアルキルエステルを含む。保護基は、当業者には公知の標準的な技術によって、および本明細書に記載のように、加えるかまたは除去し得る。保護基の使用は、Green,T.W.およびP.G.M.Wutz、Protective Groups in Organic Synthesis(1999年)、第3版、Wileyにおいて詳細に記載されている。当業者が認識するように、保護基はまた、ポリマー樹脂、例えば、ワング樹脂、リンク樹脂または2-クロロトリチル-クロリド樹脂であり得る。
本開示の化合物のこのような保護された誘導体は、それ自体として薬理活性を有し得ないが、これらは哺乳動物に投与され、その後、体内で代謝され、薬理学的に活性である本開示の化合物を形成し得ることをまた当業者は認識する。したがって、このような誘導体は、「プロドラッグ」として記載し得る。本開示の化合物の全てのプロドラッグは、本開示の範囲内に含まれる。さらに、上記の一般スキームは、本明細書に記載のような任意の他の式または化合物に適応することができる。
さらに、遊離塩基または酸の形態で存在する、式Iもしくは任意の他の式の全ての化合物、または本明細書に記載のような化合物は、当業者に公知の方法による適正な無機または有機の塩基または酸による処置によって薬学的に許容されるその塩に変換することができる。本開示の化合物の塩は、それらの遊離塩基または酸の形態へと標準的な技術によって変換することができる。
4.処置の方法
「処置」または「処置する」は、臨床結果を含めた有益または所望の結果を得るためのアプローチである。有益または所望の臨床結果は、下記の1つもしくはそれ以上を含み得る:a)疾患もしくは状態を阻害すること(例えば、疾患もしくは状態からもたらされる1つもしくはそれ以上の症状を減少させること、および/または疾患もしくは状態の程度を縮小させること);b)疾患もしくは状態と関連する1つもしくはそれ以上の臨床症状の発生を遅延または抑止すること(例えば、疾患もしくは状態を安定化すること、疾患もしくは状態の悪化もしくは進行を予防または遅延させること、および/または疾患もしくは状態の拡散(例えば、転移)を予防もしくは遅延させること);ならびに/またはc)疾患を軽減すること、すなわち、臨床症状の退行をもたらすこと(例えば、病態を回復させること、疾患もしくは状態の部分的もしくは完全寛解を実現すること、別の医薬品の効果を増進すること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を増加させること、および/または生存を延長すること)。
「予防」または「予防すること」は、疾患もしくは状態の臨床症状が発生しないことをもたらす、疾患もしくは状態の任意の処置を意味する。化合物は、ある特定の実施形態では、疾患もしくは状態の危険性があるか、または疾患もしくは状態の家族歴を有する対象(ヒトを含めた)に投与し得る。
「対象」は、処置、観察または実験の目的であったか、またはこれからそうなる、動物、例えば、哺乳動物(ヒトを含めた)を指す。本明細書に記載の方法は、ヒトの治療および/または獣医学用途において有用であり得る。ある特定の実施形態では、対象は、哺乳動物である。ある特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
本明細書に記載されている化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、立体異性体もしくは立体異性体の混合物の、用語「治療的有効量」または「有効量」は、対象に投与したときに処置を成し遂げ、治療上の利点、例えば、症状の回復または疾患の進行の遅延を実現するのに十分な量を意味する。例えば、治療的有効量は、本明細書に記載のような疾患もしくは状態の症状を減少させるのに十分な量であり得る。治療的有効量は、対象、ならびに処置される疾患もしくは状態、対象の体重および年齢、疾患もしくは状態の重症度、ならびに投与の様式によって変化し得、これを当業者は容易に決定することができる。
用語「外傷」は、本明細書において使用する場合、暴力、事故、骨折などによってもたらされる体への任意の身体的損傷を指す。用語「虚血」は、組織における低酸素をもたらす動脈血供給の閉塞または不適切な血流量が通常原因である、低酸素状態によって特性決定される心血管障害を指す。用語「脳卒中」は、血管を遮断する血餅からのように、脳内の血液の流れにおける中断によって最も一般にもたらされる脳内の血餅または出血によってもたらされる心血管障害を指し、本開示のある特定の実施形態では、脳卒中という用語は、虚血性脳卒中または出血性脳卒中を指す。用語「心筋梗塞」は、血液供給の閉塞に起因する限局性壊死によって特性決定される心血管障害を指す。
本明細書に記載の方法は、in vivoまたはex vivoで細胞集団に適用し得る。「In vivo」は、動物またはヒト内のような、生きている個体内を意味する。この文脈において、本明細書に記載の方法は、個体において治療的に使用し得る。「Ex vivo」は、生きている個体の外を意味する。ex vivoでの細胞集団の例は、個体から得た液体または組織サンプルを含めた、in vitroでの細胞培養物および生体サンプルを含む。このようなサンプルは、当技術分野で周知の方法によって得られる。例示的な体液サンプルは、血液、脳脊髄液、尿および唾液を含む。この文脈において、本明細書に記載されている化合物および組成物は、治療および実験目的を含めた種々の目的のために使用し得る。例えば、本明細書に記載されている化合物および組成物は、ex vivoで使用して、所与の適応症、細胞型、個体および他のパラメーターのための本開示の化合物の投与の最適なスケジュールおよび/または投薬を決定し得る。このような使用から収集した情報を実験目的のためにまたはクリニックにおいて使用して、in vivoでの処置のためのプロトコルを設定し得る。本明細書に記載されている化合物および組成物が適している他のex vivoでの使用は、下記で記載するか、または当業者には明らかである。選択した化合物は、ヒトまたはヒトではない対象における安全性または耐量を調査するために、さらに特性決定し得る。このような特性は、当業者には一般に公知の方法を使用して調査し得る。
ノックアウト動物モデルおよびネクロスタチン1、受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤による実験は、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎およびクローン病)、乾癬、網膜剥離により誘発される光受容体壊死、網膜色素変性症、セルレインにより誘発される急性膵炎および敗血症/全身性炎症反応症候群(SIRS)から組織を保護し、かつ虚血性脳傷害、網膜虚血/再灌流傷害、ハンチントン病、腎臓虚血再灌流傷害、シスプラチン誘発腎臓傷害、外傷性脳傷害、血液系および実質臓器の悪性腫瘍、細菌感染およびウイルス感染症(例えば、結核およびインフルエンザ)ならびにリソソーム蓄積症を軽減することにおいて、受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害の有効性を示してきた。
したがって、本開示の受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤は、これらに限定されないが、炎症性疾患または障害、壊死細胞疾患、神経変性疾患、中枢神経系(CNS)疾患、眼疾患、感染症および悪性腫瘍を含めた、受容体共役タンパク質キナーゼ1によって媒介される疾患および状態を処置するのに有用である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤は、処方された疾患もしくは状態のいずれかを患っている患者において、炎症を阻害し、組織または細胞を損傷または望まれない細胞死(例えば、壊死もしくはアポトーシス)から保護し、症状を回復させ、免疫応答を改善させることができる。さらに、化合物は、これらに限定されないが、アレルギー性疾患、自己免疫疾患などの免疫介在性疾患の処置、および移植による拒絶の予防に適し得る。
壊死細胞疾患
本明細書に記載されている化合物は、細胞壊死で引き起こされるか、またはその他の点で関連する疾患/障害の処置のために使用し得る。特に、本開示は、前記哺乳動物に治療的有効量の本明細書に記載されている化合物または組成物を投与するステップを含む、哺乳動物における細胞壊死と関連する障害を予防または処置する方法を提供する。用語「壊死細胞疾患」は、細胞壊死と関連するか、または細胞壊死に起因する疾患、例えば、外傷、虚血、脳卒中、心筋梗塞、感染症、ゴーシェ病、クラッベ病、敗血症、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、HIV関連認知症、網膜変性疾患、緑内障、加齢黄斑変性症、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎または炎症性腸疾患を指す。
壊死細胞疾患は、急性疾患、例えば、外傷、虚血、脳卒中、心筋梗塞、炭疽致死毒素により誘発される敗血症性ショック、敗血症、LPSにより誘発される細胞死、および免疫不全をもたらすHIVにより誘発されるT細胞死であり得る。ある特定の実施形態では、障害は、これらに限定されないが、脳、心臓、腎臓および肝臓を含めた臓器の虚血性疾患である。
壊死細胞疾患はまた、慢性神経変性疾患、例えば、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、感染性脳症、認知症、例えば、HIV関連認知症を含む。
いくつかの異なる実施形態では、障害は、目の障害、例えば、網膜変性疾患、緑内障または加齢黄斑変性症である。いくつかの異なる実施形態では、障害は、中枢神経系(CNS)障害である。
炎症性疾患または障害
本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤を使用して、炎症性疾患および障害を処置し得る。炎症性疾患および障害は典型的には、結合組織における高レベルの炎症またはこれらの組織の変性を示す。
炎症性疾患および障害の非限定的例には、アルツハイマー病、強直性脊椎炎、骨関節炎を含めた関節炎、関節リウマチ(RA)、乾癬、喘息、アテローム性動脈硬化症、クローン病、大腸炎、皮膚炎、憩室炎、線維筋痛症、肝炎、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、全身性エリテマトーデス(SLE)、腎炎、パーキンソン病および潰瘍性大腸炎が含まれる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物および組成物は、自己免疫障害、例えば、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、脳炎、同種異系移植片拒絶、自己免疫性甲状腺疾患(例えば、グレーブス病および橋本甲状腺炎)、自己免疫性網膜ブドウ膜炎、巨細胞性動脈炎、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎、限局性腸炎、肉芽腫性腸炎、遠位回腸炎、限局性回腸炎、および末端回腸炎を含めた)、インスリン依存性真性糖尿病、多発性硬化症、悪性貧血、サルコイドーシス、強皮症、ならびに全身性エリテマトーデスを処置するために有用である。一実施形態では、本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤は、自己免疫性脳炎を処置するのに有用である。
ある特定の実施形態では、化合物および組成物は、関節リウマチ(RA)の処置のために有用である。ある特定の実施形態では、化合物および組成物は、潰瘍性大腸炎の処置のために有用である。ある特定の実施形態では、化合物および組成物は、乾癬の処置のために有用である。
ある特定の実施形態では、障害は、腸の炎症性疾患、例えば、クローン病または潰瘍性大腸炎である(両方とも一般に、一緒に炎症性腸疾患として公知である)。ある特定の実施形態では、哺乳動物は、霊長類、イヌまたはネコ対象である。ある特定の実施形態では、哺乳動物は、ヒト対象である。理論に束縛されるものではないが、現在開示されている化合物による受容体共役タンパク質キナーゼ1の阻害は、少なくとも部分的に、それらの抗炎症活性に関与していると考えられる。したがって、本開示の実施形態はまた、in vitroでまたはそれを必要とする対象において、受容体共役タンパク質キナーゼ1を阻害する方法を含み、方法は、受容体共役タンパク質キナーゼ1と本明細書において開示されている化合物とを接触させることを含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、受容体共役タンパク質キナーゼ1を阻害することは、炎症メディエーター、例えば、TNFおよび/またはIL6の放出を(部分的にまたは完全に)ブロックするのに有効である。
目の状態
本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤をまた使用して、目の状態を処置し、例えば、光受容体および/または網膜色素上皮細胞生存度の喪失を低減または予防することができる。
一態様において、本開示は、目の状態を有する対象の目の視覚機能を保存する方法を提供し、目の状態の症状は、状態を有する目の網膜における光受容体細胞生存度の喪失である。方法は、対象の目に有効量の本明細書に記載されている化合物または組成物を投与し、それによって、目の網膜内に配置されている光受容体細胞の生存度を保存することを含む。投与後に、目の視覚機能(例えば、視力)は、投与前の目の視覚機能に対して保存または改善し得る。
目の状態は、加齢黄斑変性症(AMD)、網膜色素変性症(RP)、黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィー、ベスト病、成人卵黄様疾患、パターンジストロフィー、近視性変性症、中心性漿液性網膜症、シュタルガルト病、錐体杆体ジストロフィー、ノースカロライナジストロフィー、感染性網膜炎、炎症性網膜炎、ブドウ膜炎、中毒性網膜炎および光誘発性毒性からなる群から選択される状態であり得る。AMDは、AMDの血管新生形態または乾燥形態であり得る。網膜剥離は、裂孔原性、漿液性または牽引性網膜剥離であり得る。
別の態様において、本開示は、目の状態を有する対象の網膜内の網膜色素上皮(RPE)細胞の生存度を保存する方法を提供し、目の状態の症状は、状態を有する目の網膜における網膜色素上皮細胞の喪失である。この方法は、対象の目に有効量の本明細書に記載されている化合物または組成物を投与し、それによって、網膜色素上皮細胞の生存度を保存することを含む。目の状態は、AMD、ベスト病、近視性変性症、シュタルガルト病、ブドウ膜炎、成人中心窩黄斑ジストロフィー、黄色斑眼底、多発性一過性白点症候群、蛇行性脈絡膜症、急性多発性後部斑状網膜色素上皮症(AMPPE)および他のブドウ膜炎障害からなる群から選択し得る。
目の状態は、加齢黄斑変性症(AMD)、網膜色素変性症(RP)、黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィー、ベスト病、成人卵黄様疾患、パターンジストロフィー、近視性変性症、中心性漿液性網膜症、シュタルガルト病、錐体杆体ジストロフィー、ノースカロライナジストロフィー、感染性網膜炎、炎症性網膜炎、ブドウ膜炎、中毒性網膜炎および光誘発性毒性からなる群から選択される状態であり得る。したがって、ある特定の実施形態では、方法は、目に、有効量の本明細書に記載されている化合物または組成物を投与し、それによって、状態を有する対象の網膜内に配置されている光受容体細胞の生存度を保存することを含む。
別の態様において、本開示は、網膜剥離の後に、哺乳動物の目の網膜内に配置されている光受容体細胞の生存度を保存する方法を提供する。この方法は、本明細書に記載されている化合物または組成物を、網膜の領域が剥離している目に、剥離した網膜の領域内に配置されている光受容体細胞の生存度を保存するのに十分な量で投与することを含む。
ある特定の実施形態では、網膜剥離は、裂孔原性網膜剥離、牽引性網膜剥離または漿液性網膜剥離であり得る。ある特定の実施形態では、網膜剥離は、網膜裂孔、網膜芽細胞腫、黒色腫または他のがん、糖尿病性網膜症、ブドウ膜炎、脈絡膜血管新生、網膜虚血、病的近視または外傷の結果として起こり得る。
別の態様において、本開示は、AMD、RP、黄斑浮腫、中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィー、網膜剥離、糖尿病性網膜症、ベスト病、成人卵黄様疾患、パターンジストロフィー、近視性変性症、中心性漿液性網膜症、シュタルガルト病、錐体杆体ジストロフィー、ノースカロライナジストロフィー、感染性網膜炎、炎症性網膜炎、ブドウ膜炎、中毒性網膜炎および光誘発性毒性からなる群から選択される目の状態を有する対象の目の視覚機能を保存する方法を提供し、目の状態の症状は、目の網膜における光受容体細胞生存度の喪失であり、この方法は、対象への本明細書に記載されている化合物または組成物で対象を処置することを含む。
別の態様において、本開示は、目の状態を有する対象の目の視覚機能を保存する方法を提供し、目の状態の症状は、目の網膜における光受容体細胞生存度および/またはRPE生存度の喪失であり、この方法は、対象への本明細書に記載されている化合物または組成物で対象を処置することを含む。
ある特定の実施形態では、目の状態を有する対象の目の視覚機能を保存する方法を提供し、ここで、目の状態の症状は、状態を有する目の網膜における網膜神経節細胞生存度の喪失である。この方法は、対象の目に有効量の化合物または組成物を投与し、それによって、目の網膜内に配置されている網膜神経節細胞の生存度を保存することを含む。化合物または組成物の投与の後で、目の視覚機能は、投与の前の目の視覚機能に対して、保存または改善し得る。さらに、投与の後で、保存された網膜神経節細胞は、軸索再生を支えることができる。
上記の方法のそれぞれにおいて、状態の症状が目の網膜における網膜神経節細胞生存度の喪失である目の状態には、これらに限定されないが、緑内障、視神経傷害、視神経炎、視神経症、糖尿病性網膜症、網膜中心動脈閉塞症および網膜中心静脈閉塞症が含まれる。前述の方法は、視神経症、例えば、虚血性視神経症(例えば、動脈炎性または非動脈炎性の前部虚血性ニューロパシーおよび後部虚血性視神経症)、圧迫性視神経症、浸潤性視神経症、外傷性視神経症、ミトコンドリア視神経症(例えば、レーバー視神経症)、栄養性視神経症、中毒性視神経症および遺伝性視神経症(例えば、レーバー視神経症、優性視神経萎縮症、ベール症候群)の処置のために使用し得ることが意図されている。
また開示されているのは、緑内障、視神経傷害、視神経症、糖尿病性網膜症、網膜中心動脈閉塞症および網膜中心静脈閉塞症からなる群から選択される目の状態を有する対象の目の視覚機能を保存する方法である。この方法は、対象の目に有効量の本明細書に記載されている化合物または組成物を投与し、それによって、目の網膜内に配置されている網膜神経節細胞の生存度および目の視覚機能を保存することを含む。
別の態様において、本明細書において開示されているのは、例えば、緑内障、視神経傷害、視神経炎、視神経症、糖尿病性網膜症、網膜中心動脈閉塞症および網膜中心静脈閉塞症によって影響を受けている、哺乳動物の目の網膜内に配置されている網膜神経節細胞の生存度を保存する方法である。この方法は、本明細書に記載されている化合物または組成物を、影響を受けている網膜の領域内に配置されている網膜神経節細胞の生存度を保存するのに十分な量で、網膜の領域が影響を受けている目に投与することを含む。保存された網膜神経節細胞は、軸索再生を支えることができる。
また開示されているのは、目の状態を有する対象の目において軸索再生を促進する方法であり、ここで、目の状態の症状は、状態を有する目の網膜における網膜神経節細胞生存度の喪失である。この方法は、対象の目に有効量の本明細書に記載されている化合物または組成物を投与し、それによって、目の網膜内の網膜神経節細胞の軸索再生を促進することを含む。
上記の実施形態のそれぞれにおいて、本明細書に記載されている方法および組成物を使用して、これらに限定されないが、緑内障、視神経傷害、視神経炎、視神経症、糖尿病性網膜症、網膜中心動脈閉塞症および網膜中心静脈閉塞症を含めた根底にある状態の処置の間に、網膜神経節細胞の生存度を保存し、かつ/または軸索再生を促進することができることが理解される。
神経変性のおよびCNS疾患
本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤をまた使用して、神経変性疾患を処置し得る。神経変性疾患は、体の活動、例えば、バランス、動作、会話、呼吸および心臓機能の多くに影響を与えることができる。神経変性疾患は、遺伝的であるか、または医学的状態、例えば、アルコール依存、腫瘍、脳卒中、毒素、化学物質およびウイルスによってもたらし得る。
神経変性疾患およびCNS疾患の非限定的例は、ニーマンピック病C1型(NPC1)、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、フリートライヒ運動失調症、ハンチントン病、レビー小体病、パーキンソン病および脊髄性筋萎縮症を含む。
一実施形態では、本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤を使用して、ニューロンの喪失をもたらすネクロプトーシスを阻害することによってNPC1を処置し得る。ある特定の実施形態では、本開示の化合物および組成物は、アルツハイマー病を処置するのに有用である。ある特定の実施形態では、本開示の化合物および組成物は、パーキンソン病を処置するのに有用である。ある特定の実施形態では、本開示の化合物および組成物は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を処置するのに有用である。
より一般に、本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤を使用して、ニューロン生存度を保存し、中枢神経系(CNS)内の軸索成長および神経機能を促進することができる。したがって、化合物を使用して、ニューロン生存度を保存し、かつ/または軸索再生および/もしくは神経機能を促進することによって、CNS疾患または障害と関連する認知機能、運動機能および感覚機能の喪失を低減させるか、またはそれどころか反転し得る。
本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤は、CNSニューロン、例えば、CNS感覚ニューロン、運動ニューロン、皮質ニューロン、小脳ニューロン、海馬ニューロンおよび中脳ニューロンにおける軸索再生を促進する方法において使用することができる。CNSニューロンへの傷害に続いて、本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤は、神経機能を促進するか、または生存度を保存する方法において使用することができる。ある特定の実施形態では、これらの化合物を使用して、CNS疾患または障害において変性しているCNSニューロンにおける軸索の再生を促進することができる。受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤は、任意の通常の手段によって、例えば、局所的にニューロンへと投与されるか、またはex vivoで再埋込の前に適用し得る。
したがって、一態様において、本開示は、それを必要とする対象においてCNS障害を処置する方法を提供し、CNS障害の症状は、CNSニューロン内の軸索の変性または傷害である。この方法は、対象に有効量の本明細書において開示されている化合物または組成物を投与し、それによって、CNS障害によって影響を受けるCNSニューロンにおける軸索の再生を促進することを含む。投与に続いて、神経機能を、例えば、軸索再生の表れとして測定し得る。化合物または組成物の投与に続いて、CNSニューロンのニューロン機能は、投与の前のニューロン機能に対して保存または改善されることがまた意図される。
CNS障害には、これらに限定されないが、脳傷害、脊髄傷害、認知症、脳卒中、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS/ルーゲーリック病)、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症、糖尿病性ニューロパシー、ポリグルタミン(ポリQ)疾患、脳卒中、ファール病、メンケス病、ウィルソン病、脳虚血およびプリオン障害が含まれる。例示的な実施形態では、CNS障害は、脳傷害または脊髄傷害である。
本明細書においてまた提供するのは、CNSにおけるニューロン生存および軸索再生を促進する方法である。損なわれたもしくは衰えつつある軸索成長または軸索変性によって特性決定されるCNS障害は、CNSニューロン傷害(例えば、外傷、手術、神経圧迫、神経挫傷、神経切断、神経毒性、または脳もしくは脊髄への他の身体的傷害)、または神経変性CNS疾患から生じ得、障害の症状は、軸索変性(例えば、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS/ルーゲーリック病)、パーキンソン病、多発性硬化症、糖尿病性ニューロパシー、ポリグルタミン(ポリQ)疾患、脳卒中、ファール病、メンケス病、ウィルソン病、脳虚血、プリオン障害(例えば、クロイツフェルトヤコブ病)である。ある特定の実施形態では、CNS障害は、脳傷害(例えば、外傷性脳傷害)または脊髄傷害(例えば、慢性、急性もしくは外傷性脊髄傷害)である。ある特定の実施形態では、CNS障害、例えば、脳幹への傷害または脳幹における動脈瘤は、対象の基本的な極めて重要な生命機能、例えば、呼吸、心拍動および血圧に影響を与える。
ある特定の実施形態では、CNS障害、例えば、大脳皮質への脳傷害、または神経変性CNS障害、例えば、アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、レビー小体を伴う認知症、皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺およびプリオン障害は、対象の認識能力に影響を与える。
ある特定の実施形態では、CNS障害、例えば、脳もしくは脊髄への傷害、または神経変性CNS障害、例えば、パーキンソン病、前頭側頭型認知症、レビー小体を伴う認知症、皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺、ハンチントン病、多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症および遺伝性痙性不全麻痺は、対象の動作および/または強度に影響を与える。
ある特定の実施形態では、CNS障害、例えば、小脳への脳傷害または神経変性CNS障害、例えば、脊髄小脳萎縮症、フリートライヒ運動失調症およびプリオン障害は、対象の協調に影響を与える。
上記の方法のそれぞれにおいて、CNS障害には、これらに限定されないが、脳傷害、脊髄傷害、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS/ルーゲーリック病)、パーキンソン病、多発性硬化症、糖尿病性ニューロパシー、ポリグルタミン(ポリQ)疾患、脳卒中、ファール病、メンケス病、ウィルソン病、脳虚血、プリオン障害(例えば、クロイツフェルトヤコブ病)、認知症(例えば、前頭側頭型認知症、レビー小体を伴う認知症)、皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、遺伝性痙性不全対麻痺および脊髄小脳萎縮症が含まれる。
組織の傷害もしくは損傷
炎症および細胞死を阻害する本明細書に記載されている化合物の能力によって、これらは組織の傷害もしくは損傷を回復させるのに適したものとなる。組織の傷害もしくは損傷は、上記の疾患もしくは状態のいずれかの結果であり得る。例えば、化合物は、虚血性脳傷害もしくは外傷性脳傷害に続く脳組織の傷害もしくは損傷の回復、または心筋梗塞に続く心臓組織の傷害もしくは損傷の回復、またはハンチントン病、アルツハイマー病もしくはパーキンソン病と関連する脳組織の傷害もしくは損傷の回復、または非アルコール性脂肪性肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性肝胆道疾患もしくは原発性硬化性胆管炎と関連する肝臓組織の傷害もしくは損傷の回復、またはアセトアミノフェンの過量服用と関連する肝臓組織の傷害もしくは損傷の回復、または腎移植もしくは腎毒性薬もしくは物質の投与に続く腎臓組織の傷害もしくは損傷の回復のために使用し得る。
脳傷害もしくは損傷の非限定的例には、脳卒中(例えば、出血性および非出血性)、外傷性脳傷害(TBI)、脳出血、くも膜下出血、大脳動脈奇形に続発する頭蓋内出血、脳梗塞、周産期脳傷害、非外傷性脳傷害、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、脳出血、脳の感染症、脳腫瘍、無症状性脳傷害、脊髄傷害、低酸素性虚血性脳傷害、局所脳虚血、全脳虚血、および低酸素性低酸素症が含まれる。
一実施形態では、本開示の化合物および組成物を使用して、腹膜組織傷害を処置し得る。腹膜組織傷害の非限定的例は、腹膜の劣化、腹膜硬化症、および腹膜がんを含む。例えば、本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤を使用して、腹膜透析液(PDF)およびPDに関連する副作用によってもたらされる腹膜損傷を処置し得る。
肝臓の傷害および疾患
一実施形態では、本開示の化合物および組成物を使用して、肝臓の傷害および疾患を処置し得る。肝臓の傷害もしくは損傷の非限定的例は、ある特定の要因によってもたらされる傷害に起因する肝実質細胞の変性または壊死だけでなく、単独でまたは組み合わせて起こる、傷害に対する生体反応、例えば、クッパー細胞、白血球などの動員、浸潤、活性化、肝臓組織の線維症などによってもたらされる望ましくない現象もまた含む。一実施形態では、本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤を使用して、肝細胞の受容体共役タンパク質キナーゼ1活性依存性アポトーシス、および肝臓癌形成を阻害することによって、脂肪性肝炎および肝細胞癌を処置し得る。一実施形態では、本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤を使用して、急性胆汁鬱滞および肝臓傷害を処置し得る。
腎臓の傷害および疾患
一実施形態では、本開示の化合物および組成物を使用して、腎臓の傷害および疾患を処置し得る。腎臓疾患の非限定的例は、慢性腎臓疾患(CKD)(例えば、糸球体疾患、尿細管間質性疾患、閉塞、多発性嚢胞腎疾患)、急性腎臓傷害(AKI)、糖尿病性ネフロパシー、糸球体腎炎、巣状糸球体硬化症、免疫複合体ネフロパシーまたはループス腎炎を含む。腎臓疾患は、薬物によって誘発される腎傷害または腎移植片拒絶によってもたらし得る。腎臓疾患は、ネフローゼ症候群または腎機能不全として特性決定し得る。一実施形態では、本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤を使用して、腎臓疾患における細胞死経路を阻害することによって、腎臓疾患(例えば、AKI)を処置し得る。一実施形態では、本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤を使用して、腎臓結石を有する患者を処置し、かつ受容体共役タンパク質キナーゼ3-MLKLによって媒介されるネクロプトーシスを阻害することによって、結晶誘発性細胞毒性および急性腎臓傷害を予防し得る。
悪性腫瘍
一実施形態では、本開示の化合物および組成物は、悪性腫瘍/がん、例えば、癌腫、肉腫、黒色腫、リンパ腫または白血病を処置するのに有用である。本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤によって適切に処置される悪性腫瘍の非限定的例は、肺がん(例えば、非小細胞肺がん、小細胞肺がん)、肝細胞がん、黒色腫、膵臓がん、泌尿器がん、膀胱がん、結腸直腸がん、結腸がん、乳がん、前立腺がん、腎臓がん、甲状腺がん、胆嚢がん、腹膜がん、卵巣がん、子宮頸がん、胃がん、子宮内膜がん、食道がん、頭頸部がん、神経内分泌がん、CNSがん、脳腫瘍(例えば、神経膠腫、退形成乏突起膠腫、成人多形神経膠芽腫、および成人未分化星状細胞腫)、骨がん、軟部組織肉腫、網膜芽細胞腫、神経芽細胞腫、腹膜滲出液、悪性胸水、中皮腫、ウィルムス腫瘍、絨毛性新生物、血管外皮細胞腫、カポジ肉腫、粘液様癌、円形細胞癌、扁平上皮細胞癌、食道扁平上皮細胞癌、口腔癌、外陰がん、副腎皮質のがん、ACTH産生腫瘍、リンパ腫、および白血病を含む。
感染症
一実施形態では、本開示の化合物および組成物は、病原性ウイルス、病原菌、真菌、原虫、多細胞寄生虫、およびプリオンとして公知の異常なタンパク質を含めた病原体の存在からもたらされる感染症の処置に有用である。本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤によって適切に処置される感染症の非限定的例は、ウイルス感染症および細菌感染症を含む。ウイルス感染症は特に限定されず、例えば、呼吸器感染性ウイルスによる感染症(例えば、呼吸器感染性ウイルス、例えば、インフルエンザウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、レオウイルスなどによる感染症)、ヘルペスウイルスに起因する帯状疱疹、ロタウイルスに起因する下痢症、ウイルス性肝炎、AIDSなどを含む。細菌感染症は、特に限定されず、例えば、バチルス・セレウス、腸炎ビブリオ、腸管出血性大腸菌、スタフィロコッカス・アウレウス、MRSA、サルモネラ、ボツリヌス、カンジダなどに起因する感染症を含む。
骨疾患
一実施形態では、本開示の化合物および組成物は、それによって骨形成および骨吸収の間のバランスがシフトする、骨リモデリング障害からもたらされる骨疾患を処置するのに有用である。骨リモデリング障害の非限定的例は、骨粗鬆症、パジェット病、骨関節炎、関節リウマチ、軟骨無形成、骨軟骨炎、副甲状腺機能亢進、骨形成不全症、先天性低ホスファターゼ症、線維腫性病変、線維性骨異形成、多発性骨髄腫、異常な骨代謝、溶骨性骨疾患および歯周疾患を含む。本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤によって適切に処置される骨疾患のさらなる例は、骨折、骨外傷、または外傷後骨手術、補綴後の関節手術、整形後の骨手術、ポスト歯科手術、骨化学療法処置もしくは骨放射線療法処置と関連する骨欠損状態を含む。本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤によって適切に処置される骨または関節に影響を与える疾患のさらなる例は、転移性骨がん、リウマチ性疾患、例えば、関節リウマチ、骨関節炎および他の炎症性関節症を含む。一実施形態では、本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤を使用して、骨細胞ネクロプトーシスおよび骨梁劣化を阻害することによって、閉経後骨粗鬆症を処置し得る。
心血管疾患
一実施形態では、本開示の化合物および組成物は、脆弱性プラーク障害、閉塞性障害および狭窄症の心血管障害と関連し得る心血管疾患を処置するのに有用である。非限定的な心血管疾患は、他の中でも、アテローム性動脈硬化、動脈閉塞、動脈瘤形成、血栓形成、外傷後の動脈瘤形成、再狭窄、および手術後移植片閉塞を含めた冠動脈障害および末梢動脈障害を含む。アテローム性動脈硬化症は、マクロファージによって主に促進される非適応性炎症からもたらされると考えられる。このように、本開示の化合物および組成物を使用して、マクロファージネクロプトーシスを阻害することを介して、アテローム性動脈硬化症を処置し得る。
移植術
一実施形態では、本開示の化合物および組成物は、臓器移植患者を処置するのに有用である。本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤によって適切に処置される臓器移植患者の非限定的例は、実質臓器および非実質臓器および組織の移植術および移植体、例えば、肝臓、心臓、腎臓、ならびに異種および自家骨髄の移植術/移植体を有する患者を含む。典型的には、免疫抑制治療を使用して、実質臓器移植体のレシピエントにおける移植片拒絶を回避する。骨髄移植のレシピエントは通常、移植術の前に広範な照射および化学療法に供される。死にかけている細胞における受容体共役タンパク質キナーゼ1およびNF-κBシグナル伝達は、CD8T細胞の交差提示を決定すると考えられる。このように、本明細書に記載されている受容体共役タンパク質キナーゼ1阻害剤を使用して、臓器移植患者を処置し、CD8T細胞の交差提示をモジュレートすることによって移植片拒絶を回避し得る。
他の疾患および状態
本明細書に記載されている受容体相互作用タンパク質キナーゼ1阻害剤により好適に処置される疾患および障害の追加例には、ゴーシェ病、臓器不全、すい臓炎(例えば、急性すい臓炎)、アトピー性皮膚炎、脊椎関節炎、痛風、全身性発症若年性特発性関節炎(SoJIA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、全身性強皮症、抗リン脂質症候群(APS)、脈管炎、原発性硬化性胆管炎(PSC)、アセトアミノフェン中毒、腎臓損傷(damage)/損傷(injury)(腎炎、腎移植、手術、腎毒性薬、例えばシスプラチンの投与、急性腎臓損傷(AKI))、セリアック病、自己免疫特発性血小板減少性紫斑病(自己免疫ITP)、脳血管障害(CVA、脳卒中)、心筋梗塞(MI)、アレルギー性疾患(喘息を含む)、糖尿病、ウェゲナー肉芽腫症、肺サルコイドーシス、ベーチェット病、インターロイキン-1変換酵素(ICE/カスパーゼ-1)関連熱症候群、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群(TRAPS)、歯周病、NEMO欠乏症候群(F-カッパ-B必須モジュレーター遺伝子(IKKガンマまたはIKKGとしても知られている)欠乏症候群)、HOIL-1欠乏症((RBCKlとしても知られている)ヘム酸化IRP2ユビキチンリガーゼ-1欠損)、直鎖状ユビキチン鎖形成複合体(LUBAC)欠乏症候群、血液学的および固形器官の悪性腫瘍、細菌感染(例えば、ブドウ球菌(staphylococcus)感染およびマイコバクテリウム(mycobacterium)感染)およびウイルス感染(例えば、結核およびインフルエンザ)およびリソソーム蓄積症が含まれる。
リソソーム蓄積症の非限定的例は、ゴーシェ病、GM2ガングリオシドーシス、アルファ-マンノシドーシス、アスパルチルグルコサミン尿症、コレステリルエステル蓄積症、慢性ヘキソサミニダーゼA欠乏症、シスチン症、ダノン病、ファブリー病、ファーバー病、フコシドーシス、ガラクトシアリドーシス、GM1ガングリオシドーシス、ムコリピドーシス、乳児性遊離シアル酸蓄積症、若年性ヘキソサミニダーゼA欠乏症、クラッベ病、リソソーム酸リパーゼ欠乏症、異染性脳白質変性症、ムコ多糖症障害、多種スルファターゼ欠乏症、ニーマンピック病、神経セロイドリポフスチン症、ポンペ病、濃化異骨症、サンドホフ病、シンドラー病、シアル酸蓄積症、テイ・サックス病およびウォルマン病を含む。
ある特定の実施形態では、医薬において使用するための化合物および組成物を提供する。ある特定の実施形態では、化合物および組成物は、受容体共役タンパク質キナーゼ1によって媒介される疾患または障害の処理における使用のためである。また提供するのは、治療的有効量の本明細書において開示されている化合物または医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、受容体共役タンパク質キナーゼ1によって媒介される疾患または障害を処置する方法である。
5.組成物
投与の目的のために、本開示の化合物は、未加工化学物質として投与し得るか、または医薬組成物として製剤化し得る。本開示の医薬組成物は、式Iの化合物、および薬学的に許容される担体、賦形剤または添加剤を含む。したがって、異なる実施形態は、上記の式Iの化合物の任意の1つもしくはそれ以上、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、立体異性体もしくは立体異性体の混合物、および薬学的に許容される担体、賦形剤または添加剤を含む医薬組成物を対象とする。
本開示の医薬組成物は、下記のために適合させたものを含めた固体または液体形態での投与のために特に製剤化し得る:経口投与、例えば、水薬(水溶液もしくは非水溶液もしくは懸濁液)、錠剤、例えば、口腔内頬側、舌下および全身的吸収を標的とするもの、ボーラス、散剤、顆粒剤、舌への適用のためのペースト剤;非経口投与、例えば、皮下、筋内、静脈内もしくは硬膜外の注射、例えば、無菌溶液剤もしくは懸濁剤もしくは持続放出製剤による;局所適用、例えば、皮膚に塗布されるクリーム剤、軟膏剤もしくは制御放出パッチもしくはスプレー剤;腟内もしくは直腸内、例えば、ペッサリー、クリーム剤もしくはフォーム剤として;舌下;目;経皮的;または経鼻、肺および他の粘膜表面へ。
語句「薬学的に許容される」は、本明細書において、正しい医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激作用、アレルギー応答または他の問題もしくは合併症を伴わずに、人間および動物の組織と接触させる使用に適した、合理的な利益/リスク比に見合った、それらの化合物、材料、組成物および/または剤形を指すために用いられる。
語句「薬学的に許容される担体」は、本明細書において使用する場合、1つの器官または体の部分から別の器官または体の部分へと対象化合物を運ぶか、または輸送することに関与する、薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクル、例えば、液体もしくは固体の充填剤、賦形剤、添加剤または溶媒カプセル化材料を意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性であり、かつ患者には傷害性ではないという意味で、「許容され」なくてはならない。薬学的に許容される担体としての役割を果たすことができる材料のいくつかの例は:糖、例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース;デンプン、例えば、トウモロコシデンプンおよびバレイショデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;界面活性剤、例えば、ポリソルベート80(すなわち、Tween80);トラガカント粉末;モルト;ゼラチン;タルク;添加剤、例えば、カカオバターおよび坐剤ワックス;油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油;グリコール、例えば、プロピレングリコール;ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;pH緩衝溶液;ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ酸無水物;ならびに医薬製剤中で用いられる他の無毒性の適合性物質を含む。このような製剤の例には、これらに限定されないが、DMSO、10mMのDMSO、PBS中の8%ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン、プロピレングリコールなどが含まれる。例えば、ある特定の実施形態では、本開示の化合物は、非経口投与のためのPBS中の8%ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン中の4mM溶液として使用することができる。別のある特定の実施形態では、本開示の化合物は、0.1%Tween80を含有する、0.5%CMC水溶液中の懸濁剤として使用することができる。
本明細書に示したように、本化合物のある特定の実施形態は、塩基性官能基、例えば、アミノまたはメチルアミノ(NCH)を含有し得、このように、薬学的に許容される酸と共に薬学的に許容される塩を形成することができる。用語「薬学的に許容される塩」は、この点において、本開示の化合物の相対的に無毒性の無機および有機の酸付加塩を指す。これらの塩は、in situで投与ビヒクルにおいて、または剤形生産工程において、またはその遊離塩基の形態の本開示の精製された化合物と適切な有機酸または無機酸とを別々に反応させ、それに続く精製の間にこのように形成された塩を単離することによって製造することができる。代表的な塩は、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナプチレート(napthylate)、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩およびラウリルスルホン酸塩などを含む。
対象化合物の薬学的に許容される塩は、例えば、無毒性の有機酸または無機酸からの、化合物の通常の無毒性の塩または第四級アンモニウム塩を含む。例えば、このような通常の無毒性の塩は、無機酸、例えば、塩酸塩、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などに由来するもの;および有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などから製造される塩を含む。
他の場合では、本開示の化合物は、1個もしくはそれ以上の酸性官能基を含有し得、このように、薬学的に許容される塩基と共に薬学的に許容される塩を形成することができる。用語「薬学的に許容される塩」は、これらの場合において、本開示の化合物の相対的に無毒性の無機および有機の塩基付加塩を指す。これらの塩は、同様にin situで投与ビヒクルにおいて、または剤形生産工程において、またはその遊離酸の形態の精製した化合物と、適切な塩基、例えば、薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩もしくは炭酸水素塩、アンモニア、または薬学的に許容される有機第一級、第二級もしくは第三級アミンとを別々に反応させることによって製造することができる。代表的なアルカリ塩またはアルカリ土類塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩およびアルミニウム塩などを含む。塩基付加塩の形成のために有用な代表的な有機アミンは、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどを含む。
湿潤剤、乳化剤および滑沢剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および香料、保存剤および抗酸化剤はまた、組成物中に存在することができる。
薬学的に許容される抗酸化剤の例は:水溶性抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、塩酸システイン、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど;油溶性抗酸化剤、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロールなど;および金属キレート剤、例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などを含む。
本開示の製剤は、経口、経鼻、局所(口腔内頬側および舌下を含めた)、直腸、膣ならびに/または非経口投与に適したものを含む。製剤は、好都合に単位剤形で提示し得、製剤分野で周知の任意の方法によって製造し得る。単一の剤形を生成するために担体材料と合わせることができる活性成分の量は、処置される宿主、投与の特定のモードによって変化する。単一の剤形を生成するために担体材料と合わせることができる活性成分の量は一般に、治療効果を生じさせる化合物のその量である。一般に、この量は、活性成分の約1%~約99%、好ましくは、約5%~約70%、最も好ましくは、約10%~約30%の範囲である。
ある特定の実施形態では、本開示の製剤は、シクロデキストリン、リポソーム、ミセル形成剤、例えば、胆汁酸、ならびにポリマー担体、例えば、ポリエステルおよびポリ酸無水物からなる群から選択される添加剤;ならびに本開示の化合物を含む。ある特定の実施形態では、上記の製剤は、本開示の化合物を経口的に生体利用可能なものとする。
これらの製剤または組成物を製造する方法は、本開示の化合物と、担体、および場合により、1つもしくはそれ以上の補助成分とを混合するステップを含む。一般に、製剤は、本開示の化合物と、液体担体または微粉化した固体担体または両方とを均一および密接に混合し、次いで、必要に応じて、生成物を形作ることによって製造される。
経口投与に適した本開示の製剤は、それぞれが活性成分として所定の量の本開示の化合物を含有する、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤(香味付けしたベース、通常、スクロースおよびアカシアもしくはトラガントを使用した)、散剤、顆粒剤の形態、または水性もしくは非水性液体中の溶液剤もしくは懸濁剤として、または水中油型もしくは油中水型液体エマルジョンとして、またはエリキシル剤もしくはシロップ剤として、または香錠(不活性なベース、例えば、ゼラチンおよびグリセリンもしくはスクロースおよびアカシアを使用した)として、ならびに/または口内洗浄剤などであり得る。本開示の化合物はまた、ボーラス、舐剤またはペースト剤として投与し得る。
経口投与のための本開示の固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤など)において、活性成分を、1つもしくはそれ以上の薬学的に許容される担体、例えば、クエン酸ナトリウムもしくは第二リン酸カルシウムおよび/または下記のいずれか:充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸;結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシア;保湿剤、例えば、グリセリン;崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のシリケートおよび炭酸ナトリウム;溶解遅延剤、例えば、パラフィン;吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム化合物;湿潤剤、例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリンおよび非イオン性界面活性剤;吸収剤、例えば、カオリンおよびベントナイトクレイ;滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびこれらの混合物;ならびに着色剤と混合する。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、医薬組成物はまた、緩衝剤を含み得る。同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖などの添加剤、および高分子量ポリエチレングリコールなどを使用して、軟殻および硬殻ゼラチンカプセル中の充填剤として用い得る。
錠剤は、場合により、1つもしくはそれ以上の補助成分を伴って、圧縮または成形によって作製し得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性な賦形剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムもしくは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散化剤を使用して製造し得る。成形錠剤は、その中で粉末状化合物の混合物が不活性な液体賦形剤で湿らされる適切な機械において作製し得る。
本開示の医薬組成物の錠剤および他の固体剤形、例えば、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤は、場合により、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶性コーティングおよび医薬製剤化の技術分野において周知の他のコーティングで、刻み目をつけるか、または製造し得る。これらはまた、例えば、所望の放出プロファイルを実現する変動する割合のヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはミクロスフィアを使用して、その中の活性成分の持続放出または制御放出を実現するために製剤化し得る。これらは、急速な放出のために製剤化し、例えば、凍結乾燥し得る。これらは、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過によって、または使用の直前に、滅菌水もしくはいくつかの他の無菌の注射可能な媒体に溶解することができる無菌の固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによって無菌化し得る。これらの組成物はまた、場合により、乳白剤を含有し得、活性成分(複数可)のみをもしくは優先的に、胃腸管の特定の部分において、場合により、遅延した様式で放出する組成のものであり得る。使用することができる包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを含む。活性成分はまた、適正な場合、上記の添加剤の1つもしくはそれ以上を伴うマイクロカプセル化形態であり得る。
本開示の化合物の経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容される乳剤、マイクロエマルジョン、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。活性成分に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般に使用される不活性な賦形剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセリン、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含有し得る。
不活性な賦形剤に加えて、経口組成物はまた、アジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤および保存剤を含むことができる。
懸濁剤は、活性化合物に加えて、懸濁化剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガント、ならびにこれらの混合物を含有し得る。
直腸または膣投与のための本開示の医薬組成物の製剤は、1つもしくはそれ以上の本開示の化合物と、例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスまたはサリチレートを含み、かつ室温にて固体であるが、体温にて液体であり、したがって、直腸または膣腔において融解し、活性化合物を放出する1つもしくはそれ以上の適切な非刺激性の添加剤または担体とを混合することによって製造し得る坐剤として提示し得る。
膣投与に適した本開示の製剤はまた、適正であるとして当技術分野において公知の担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤またはスプレー剤製剤を含む。
本開示の化合物の局所または経皮的投与のための剤形は、散剤、スプレー剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、溶液剤、パッチおよび吸入剤を含む。活性化合物は、無菌状態下にて、薬学的に許容される担体と、および必要とし得る任意の保存剤、緩衝液または噴射剤と混合し得る。
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤およびゲル剤は、本開示の活性化合物に加えて、添加剤、例えば、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛またはこれらの混合物を含有し得る。
散剤およびスプレー剤は、本開示の化合物に加えて、添加剤、例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含有することができる。スプレー剤は、通例の噴射剤、例えば、クロロフルオロ炭化水素および揮発性非置換炭化水素、例えば、ブタンおよびプロパンをさらに含有することができる。
経皮パッチは、体への本開示の化合物の制御された送達を実現する付加された利点を有する。適当な媒体に化合物を溶解または分散させることによって、このような剤形を作製することができる。吸収増強剤をまた使用して、皮膚を通る化合物の流れを増加させることができる。律速膜を提供するか、またはポリマーマトリックスもしくはゲルに化合物を分散することによって、このような流れの速度を制御することができる。
眼科用製剤、眼軟膏剤、散剤、溶液剤などはまた、本開示の範囲内であると意図される。
非経口投与に適した本開示の医薬組成物は、使用の直前に無菌の注射可能な溶液剤もしくは分散物へと再構成し得、糖、アルコール、抗酸化剤、緩衝液、制菌剤、製剤を意図するレシピエントの血液と等張とする溶質、または懸濁化剤または増粘剤を含有し得る、1つもしくはそれ以上の薬学的に許容される無菌で等張の水溶液もしくは非水溶液、分散物、懸濁剤もしくは乳剤もしくは無菌の散剤と組み合わせた、1つもしくはそれ以上の本開示の化合物を含む。
本開示の医薬組成物中に用い得る適切な水性および非水性担体の例は、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)および適切なこれらの混合物、植物性油、例えば、オリーブ油、ならびに注射可能な有機エステル、例えば、オレイン酸エチルを含む。適当な流動性は、例えば、コーティング材料、例えば、レシチンの使用によって、分散物の場合は必要とされる粒径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって、維持することができる。
これらの組成物はまた、アジュバント、例えば、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散化剤を含有し得る。対象化合物による微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェニル、ソルビン酸などを含むことによって確実にし得る。等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウムなどを組成物中に含むことがまた望ましい。さらに、注射可能な医薬形態の持続性吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含むことによってもたらし得る。
場合によって、薬物の効果を延長するために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅くすることが望ましい。これは、乏しい水溶解度を有する結晶性またはアモルファス材料の液体懸濁液の使用によって達成し得る。薬物の吸収の速度は、その溶解速度によって決まり、溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形態によって決まり得る。代わりに、非経口的に投与される薬物形態の遅延吸収は、薬物を油ビヒクルに溶解または懸濁させることによって達成される。
注射可能なデポー形態は、生分解性ポリマー、例えば、ポリラクチド-ポリグリコリド中で対象化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成させることによって作製される。薬物とポリマーの比および用いられる特定のポリマーの性質によって、薬物放出の速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)を含む。デポー注射用製剤はまた、身体組織と適合性であるリポソームまたはマイクロエマルジョン中に薬物を捕捉することによって製造される。
6.投薬
語句「非経口投与」および「非経口的に投与すること」は、本明細書において使用する場合、通常、注射による、経腸および局所投与以外の投与方法を意味し、これらに限定されないが、静脈内、筋内、動脈内、くも膜下腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内および胸骨内の注射および注入を含む。
語句「全身投与」、「全身的に投与された」、「末梢投与」および「末梢的に投与された」は、本明細書において使用する場合、化合物、薬物または他の材料が患者の系に入り、このように、代謝および他の同様のプロセスに供されるような、中枢神経系へ直接以外の、化合物、薬物または他の材料の投与、例えば、皮下投与を意味する。
これらの化合物は、経口的、経鼻、例えば、スプレーによる、直腸、腟内、非経口的、大槽内、ならびに口腔内頬側および舌下を含めて、局所的、例えば、散剤、軟膏剤またはドロップ剤によるものを含めた任意の適切な投与経路によって、治療のためにヒトおよび他の動物に投与し得る。
選択した投与経路に関わらず、適切な水和形態および/または本開示の医薬組成物中で使用し得る本開示の化合物は、当業者には公知の従来の方法によって薬学的に許容される剤形に製剤化される。
本開示の医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、患者に対して毒性であることを伴わずに、特定の患者、組成および投与のモードについて、所望の治療応答を達成するのに有効な活性成分の量を得るために変化し得る。
選択した投与量レベルは、用いられる本開示の特定の化合物、またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与の時間、用いられる特定の化合物の排泄率または代謝、処置の期間、他の薬物、用いられる特定の化合物と組み合わせて使用される化合物および/または材料、処置される患者の年齢、性別、体重、状態、身体全体の健康および前病歴、ならびに医術において周知の同様の要因を含めた種々の要因によって決まる。毎日、毎週もしくは毎月の投与量(または他の時間間隔)を使用することができる。
当技術分野で通常の技量を有する医師または獣医師は、必要とされる医薬組成物の有効量を容易に決定および処方することができる。例えば、医師または獣医師は、医薬組成物中に用いられる本開示の化合物の用量を、所望の治療効果を達成するのに必要とされるものより低いレベルで開始し、次いで、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることができる。
一般に、本開示の化合物の適切な1日用量は、治療効果(例えば、壊死の阻害)を生じさせるのに有効である最も低い用量である化合物のその量である。このような有効用量は一般に、上記の要因によって決まる。一般に、患者のための本開示の化合物の用量は、示された効果のために使用されるとき、1日当たり体重1kg当たり約0.0001~約100mgの範囲である。好ましくは、1日投与量は、体重1kg当たり0.001~50mgの化合物、さらにより好ましくは、体重1kg当たり0.01~10mgの化合物の範囲である。
必要に応じて、活性化合物の有効な1日用量は、場合により、単位剤形で、1日を通して適正な間隔で別々に投与される、2つ、3つ、4つ、5つ、6つもしくはそれ超の部分用量として投与し得る。
ある特定の実施形態では、本開示は、細胞死を阻害するための化合物に関し、化合物は、構造(I)によって表される。ある特定の実施形態では、本開示の化合物は、細胞死の阻害剤である。いずれにしても、本開示の化合物は好ましくは、約50マイクロモル未満の濃度で、より好ましくは、約10マイクロモル未満の濃度で、最も好ましくは、1マイクロモル未満の濃度で、細胞死を阻害することに対してこれらの効果を発揮する。
本開示の化合物は、脳卒中の標準的な動物モデルおよび標準的なプロトコル、例えば、Hara,H.ら、Proc Natl Acad Sci U S A、1997年、94(5):2007~12頁によって記載されているものにおいて試験することができる。
本開示の化合物が医薬としてヒトおよび動物に投与されるとき、これらはそれ自体として、または薬学的に許容される担体と組み合わせて、例えば、0.1%~99.5%(より好ましくは、0.5%~90%)の活性成分を含有する医薬組成物として与えることができる。
本出願の化合物またはその組成物は、上記の任意の適切なモードを使用して、毎日1回、2回、3回または4回投与し得る。また、化合物による投与または処置は、数日間続き得る;例えば、一般に、処置は、1サイクルの処置について少なくとも7日間、14日間または28日間続く。処置サイクルは周知であり、サイクルの間の約1~28日、一般に、約7日または約14日の休止期間と頻繁に交代する。処置サイクルはまた、ある特定の実施形態では、連続的であり得る。
経口的に投与されるとき、ヒト対象のための1日総投与量は、1mg~1,000mg、約1,000~2,000mg/日、約10~500mg/日、約50~300mg/日、約75~200mg/日または約100~150mg/日であり得る。
1日投与量はまた、用量毎または1日毎で投与される、本明細書に記載されている化合物の総量として記載し得る。化合物の1日投与量は、約1mg~4,000mg、約2,000~4,000mg/日、約1~2,000mg/日、約1~1,000mg/日、約10~500mg/日、約20~500mg/日、約50~300mg/日、約75~200mg/日または約15~150mg/日であり得る。
ある特定の実施形態では、方法は、対象に約1~800mgの本明細書に記載されている化合物の最初の1日用量を投与し、臨床的効能が達成されるまで用量を一定量ずつ増やすことを含む。約5mg、10mg、25mg、50mgまたは100mgの増加を使用して、用量を増加させることができる。投与量は、毎日、1日おき、週2回または週1回増加させることができる。
ある特定の実施形態では、化合物または医薬製造物は、経口的に投与される。ある特定の実施形態では、化合物または医薬製造物は、静脈内に投与される。代替の投与経路は、舌下、筋内および経皮的投与を含む。
本開示の製造物は、経口的、非経口的、局所的または直腸に与え得る。これらは当然ながら、それぞれの投与経路に適した形態で与えられる。例えば、これらは、錠剤またはカプセル剤形態、注射、吸入による、目薬、軟膏剤、坐剤など、注射、注入または吸入による投与;ローション剤もしくは軟膏剤によって局所;および坐剤によって直腸に投与される。ある特定の実施形態では、投与は、経口である。
7.組合せ
本開示の別の態様において、化合物は、(これらに限定されないが)アポトーシス阻害剤;PARPポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ阻害剤;Src阻害剤;心血管障害の処置のための薬剤;抗炎症剤、抗血栓剤;線維素溶解剤;抗血小板剤、脂質低下剤、直接トロンビン阻害剤;糖タンパク質IIb/IIIa受容体阻害剤;カルシウムチャネル遮断薬;ベータ-アドレナリン作動性受容体遮断剤;シクロオキシゲナーゼ(例えば、COX-1およびCOX-2)阻害剤;アンジオテンシン系阻害剤(例えば、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤);レニン阻害剤;ならびに/または細胞接着分子に結合し、白血球がこのような分子に付着する能力を阻害する薬剤(例えば、ポリペプチド、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体)である化合物を含めた、他の薬剤と組み合わせて投与することができる。
本開示の実施形態はまた、細胞壊死を阻害する2つもしくはそれ以上の化合物の組合せ(例えば、本明細書に開示されているような化合物、および壊死を阻害するためのさらなる薬剤)を提供する。本開示はまた、1つもしくはそれ以上のさらなる薬剤または化合物(例えば、疾患、状態または感染症を処置するための他の治療化合物、例えば、アポトーシス阻害剤)と合わせた、細胞壊死を阻害する1つもしくはそれ以上の化合物の組合せを提供する。
8.キット
本明細書において提供するのはまた、本開示の化合物、組合せ、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、立体異性体もしくは立体異性体の混合物、および適切なパッケージを含むキットである。ある特定の実施形態では、キットはさらに、使用のための説明書を含む。一態様において、キットは、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、立体異性体もしくは立体異性体の混合物、ならびに本明細書に記載されている疾患もしくは状態を含めた適応症の処置における化合物の使用のためのラベルおよび/または説明書を含む。
本明細書において提供するのはまた、適切な容器中に、本明細書に記載されている化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、立体異性体もしくは立体異性体の混合物を含む生産品である。容器は、バイアル、ジャー、アンプル、事前充填されたシリンジおよび静脈内バッグであり得る。
キットはまた、本開示によって化合物を使用するための説明書を含有することができる。キットはコンパートメント化して、容器を厳重に閉じ込めて受けることができる。本明細書において使用する場合、キット、例えば、コンパートメント化されたキットは、化合物または薬剤が別々の容器中に含有される任意のキットを含む。このような容器の説明的な例には、これらに限定されないが、小さなガラス製容器、プラスチック製容器、またはプラスチックもしくは紙のストリップが含まれる。特に好ましいタイプの容器は、当業者が試薬を1つのコンパートメントから別のコンパートメントへと効率的に移すことを可能とし、サンプルおよび試薬は相互汚染されておらず、それぞれの容器の薬剤または溶液を1つのコンパートメントから別のコンパートメントへと定量的な様式で加えることができる。このような容器には、これらに限定されないが、本開示の化合物または化合物の組合せおよび/または他の薬剤を受け入れる容器が含まれる。1つもしくはそれ以上の化合物または薬剤は、粉末(例えば、凍結乾燥した粉末)または沈殿物として提供することができる。このような化合物(複数可)は、投与の前に、キットの部分として提供し得るか、または別々に利用可能であり得る、溶液に再懸濁することができる。キットは、本明細書に記載のように、他の形態、例えば、液体、ゲル、固体の化合物または薬剤を含有することができる。異なる化合物および/または薬剤は、単一のキットにおいて異なる形態で提供し得る。
下記で提供する実施例および製造はさらに、本開示の化合物、およびこのような化合物を試験するための方法を例示および例証する。本開示の範囲は、下記の実施例の範囲によって決して限定されないことを理解すべきである。下記の実施例において、ならびに明細書および特許請求の範囲を通して、キラル中心を有する分子は、他に断らない限り、立体異性体の混合物として存在する。単一のエナンチオマーは、当業者には公知であり、本明細書に記載されている方法によって得られる。化合物は、ChemBioDraw Ultra13.0またはChemAxonを使用することによって命名した。
一般手順
使用した全ての溶媒は市販されており、それ以上精製することなく使用した。反応は典型的には、窒素の不活性雰囲気下で無水溶媒を使用して実行した。
分析方法
H核磁気共鳴(NMR)分光法は、以下の機器の1つ:プローブDUAL400MHz S1を装備したBruker Avance 400機器、プローブ6S1 400MHz 5mm H-13C IDを装備したBruker Avance400機器、プローブブロードバンドBBFO 5mmダイレクトを装備したナノベイを備えるBruker Avance III400機器、Bruker 400BBOプローブを装備したBruker Mercury Plus400 NMR分光計を使用して行い、全て、400MHzで操作した。重水素化溶媒は全て、0.03%~0.05%のv/vテトラメチルシランを通常、含有し、これは、参照シグナルとして使用した(Hおよび13Cの両方に対して、δ0.00に設定した)。ある特定の場合、特に明記しない限り、H核磁気共鳴(NMR)分光法は、室温付近で記述した溶媒を使用する400MHzで操作したBruker Advance400機器を使用して行った。全ての場合において、NMRデータは、提案した構造と一致した。特徴的な化学シフト(δ)は、主要なピークの指定についての通常の略語を使用した百万分率で示す:例えば、s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;dd、二重線の二重線;dt、三重線の二重線;br、幅広い。
薄層クロマトグラフィー(TLC)が使用されている場合、これは、シリカゲルF254(Merck)プレートを使用したシリカゲルTLCを指し、Rfは、化合物が移動した距離を、TLCプレート上の溶媒が移動した距離で除算したものである。カラムクロマトグラフィーは、シリカゲルカートリッジ上の自動フラッシュクロマトグラフィーシステムを使用するか、または逆相クロマトグラフィーの場合は、C18カートリッジ上で行った。代替的に、Mancherey-Nagel製のAlugram(登録商標)(シリカゲル60 F254)上で薄層クロマトグラフィー(TLC)を行い、UVを通常、使用してスポットを可視化した。さらなる可視化方法もまた、ある場合に使用した。これらの場合、TLCプレートをヨウ素(シリカゲル10gに対して、Iを約1g加えて、完全に混合することにより生成)、ニンヒドリン(Aldrichから商業的に入手可能である)、またはマジックステイン(Magic Stain)(水450mLおよび濃HSO 50mL中で、(NHMo24.4HO 25g、(NHCe(IV)(NO 5gを完全に混合することにより生成)で発色させて、化合物を可視化した。
液体クロマトグラフィー質量分析法A:総イオン電流(TIC)およびDAD UVクロマトグラフィートレースは、ピークと関連するMSおよびUVスペクトルと一緒に、PDA検出器を備えており、かつ交互のポジティブおよびネガティブエレクトロスプレーイオン化モードで作動するWatersシングル四重極型質量分析計にカップリングしている、UPLC/MS Acquity(商標)システム上で取得した。LC/MS-ES(+/-):下記を使用して分析を行った。Acquity UPLC(商標)CSH、C18カラム(50×2.1mm、1.7μmの粒径)、カラム温度40℃、移動相:A-水+0.1%HCOOH/B-CHCN+0.1%HCOOH、流量:1.0mL/分、実行時間=2.0分、勾配:t=0分、3%B、t=1.5分、99.9%B、t=1.9分、99.9%B、t=2.0分、3%B、停止時間2.0分。ポジティブES100~1000、ネガティブES100~1000、UV検出DAD210~350nm。
液体クロマトグラフィー質量分析法B:総イオン電流(TIC)およびDAD UVクロマトグラフィートレースは、ピークと関連するMSおよびUVスペクトルと一緒に、PDA検出器を備えており、かつ交互のポジティブおよびネガティブエレクトロスプレーイオン化モードで作動するWatersシングル四重極型質量分析計にカップリングしている、UPLC/MS Acquity(商標)システム上で取得した。使用したカラムは、Cortecs UPLC C18、1.6μm、2.1×50mmであった。2.5分の総実行時間を伴う、2.0分に亘り95%A(A:水中の0.1%ギ酸)で開始し、95%B(B:MeCN中の0.1%ギ酸)で終了する、直線勾配を適用した。カラム温度は、0.8mL/分の流量を伴って40℃であった。
液体クロマトグラフィー質量分析法C:総イオン電流(TIC)およびDAD UVクロマトグラフィートレースは、ピークと関連するMSおよびUVスペクトルと一緒に、PDA検出器を備えており、かつ交互のポジティブおよびネガティブエレクトロスプレーイオン化モードで作動するWatersシングル四重極型質量分析計にカップリングしている、UPLC/MS Acquity(商標)システム上で取得した。LC/MS-ES(+/-):下記を使用して分析を行った。Acquity UPLC(商標)BEH、C18カラム(50×2.1mm、1.7μmの粒径)、カラム温度40℃、移動相:A-0.1v/v%アンモニア水溶液、pH10/B-CH3CN、流量:1.0mL/分、実行時間=2.0分、勾配:t=0分、3%B、t=1.5分、99.9%B、t=1.9分、99.9%B、t=2.0分、3%B、停止時間2.0分。ポジティブES100~1000、ネガティブES100~1000、UV検出DAD210~350nm。
分取HPLC法D:分取液体クロマトグラフィーは、WATERS AUTOPREP HPLCで行った。ダイオードアレイ検出器は、190~400nmから走査した。質量分析計は、ポジティブモードまたはネガティブモードで操作したエレクトロスプレーイオン源(ESI)を装備した。質量分析計は、0.5~1.0秒の走査時間で、m/z90~900の間で走査した。使用したカラムは、Luna C18、5μm、100×3000mmであった。カラムを95% A(A:水中0.1% NHHCO)および5% B(B:MeCN中0.1% NHHCO)で1分間、溶出した。次に、A 70%で開始し、15分間かけてB70%で終了する直線勾配を適用した。カラム温度は、流速25mL/分で、室温とした。
液体クロマトグラフィー質量分析法E:使用したクロマトグラフィー用カラムは、Xtimate C18 2.1×30mm、(3μmの粒子)であった。検出方法は、ダイオードアレイ(DAD)である。MSモードは、ポジティブエレクトロスプレーイオン化とした。MS範囲は、100~1000とした。移動相Aは、水中の0.037%トリフルオロ酢酸であり、移動相Bは、HPLCグレードのアセトニトリル中の0.018%トリフルオロ酢酸とした。勾配は、5~95%B(0.00~1.00分)、95~100%B(1.00~1.80分)、100~5%B(1.80~1.81分)とし、B5%を0.19分間、保持した。流速は、1.0mL/分とした。
中間体1
塩化5-クロロ-2,2-ジメチル-ペンタノイル
Figure 0007140781000026
3,3-ジメチルテトラヒドロピラン-2-オン(2.0g、15.6mmol)を塩化チオニル(30g、252mmol)に溶解した。この反応混合物を18時間、加熱して還流し、室温まで冷却して、真空で濃縮して、表題化合物を得た。粗生成物は、精製することなく次の工程に使用した。LCMS(方法B):m/z=183.1、185.1[M+H]
中間体2
O1-tert-ブチルO3-メチル2-(3-クロロプロピル)-2-メチル-プロパンジオエート
Figure 0007140781000027
DMF(100mL)中の水素化ナトリウム(3.2g、60%、80.1mmol)の懸濁液に、O1-tert-ブチルO3-メチル2-メチルプロパンジオエート(11.6g、61.6mmol)を0℃で加えた。この反応混合物を室温で30分間、攪拌した後、1-ブロモ-3-クロロ-プロパン(12.5g、79.1mmol)を1回で加えた。この混合物を室温で一晩、攪拌した。この反応混合物を水(200mL)および酢酸エチル(200mL)により希釈した。有機層を分離し、水(100のmL×2)およびブライン(150mL)により洗浄した後、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~20%の酢酸エチル)によって精製して、表題化合物を得た。LCMS(方法B):m/z=265.2、267.3[M+H]
以下の中間体は、上記の1つと同様の方法を使用して製造した。
Figure 0007140781000028
中間体3
tert-ブチル5-クロロ-2-ホルミル-2-メチル-ペンタノエート
Figure 0007140781000029
DIBAL(93.1mL、1.0M、93.1mmol)を追加の漏斗より、アルゴン下、-78℃でO1-tert-ブチルO3-メチル2-(3-クロロプロピル)-2-メチル-プロパンジオエート(11.2g、42.3mmol)のDCM(100mL)溶液に加えた。この反応混合物を-78℃で1時間、攪拌し、次に、-78℃で飽和NHCl溶液(50mL)を添加することによりクエンチした。この混合物を室温まで温めて、次に、酢酸エチル(100mL×2)により抽出した。次に、有機層を採集し、水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄した後、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を無色の油(6.1g、61%)として得た。LCMS(方法B):m/z=235.2、237.3[M+H]
以下の中間体は、上記の1つと同様の方法を使用して製造した。
Figure 0007140781000030
中間体4
tert-ブチル5-クロロ-2-(ジフルオロメチル)-2-メチル-ペンタノエート
Figure 0007140781000031
tert-ブチル5-クロロ-2-ホルミル-2-メチル-ペンタノエート(0.80g、3.41mmol)のDCE(5mL)溶液にビス(2-メトキシエチル)アミノ硫黄トリフロリド(2.52mL、2.7M、6.82mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間、攪拌した。この反応混合物を酢酸エチル(30mL)により希釈し、次に、飽和NaHCO溶液(20mL)、水(20mL)およびブライン(30mL)で洗浄した後、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~25%酢酸エチル)により精製して、表題化合物を無色の油として得た(0.51g、58%)。LCMS(方法B):m/z=257.2、259.3[M+H]
以下の中間体は、上記の1つと同様の方法を使用して製造した。
Figure 0007140781000032
中間体5
5-クロロ-2-(ジフルオロメチル)-2-メチル-ペンタン酸
Figure 0007140781000033
tert-ブチル5-クロロ-2-(ジフルオロメチル)-2-メチル-ペンタノエート(233mg、0.91mmol)のDCM(2mL)溶液にTFA(2mL)を加えた。この混合物を室温で1時間、攪拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、表題化合物を得た。LCMS(方法B):m/z=201.2、203.2[M+H]
以下の中間体は、上記の1つと同様の方法を使用して製造した。
Figure 0007140781000034
中間体6
塩化5-クロロ-2-(ジフルオロメチル)-2-メチル-ペンタノイル
Figure 0007140781000035
5-クロロ-2-(ジフルオロメチル)-2-メチル-ペンタン酸(150mg)を塩化チオニル(10ml)に溶解した。この混合物を68℃で2時間、攪拌した。この反応混合物を濃縮して、表題化合物を得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 6.11 (t, J = 55.6 Hz, 1H), 3.60-3.56 (m, 2H), 2.07 (m, 1H), 1.94-1.82 (m, 3H), 1.43 (t, J = 1.1 Hz, 3H).
以下の中間体は、上記の1つと同様の方法を使用して製造した。
Figure 0007140781000036
中間体7
tert-ブチル1-(3-クロロプロピル)シクロプロパンカルボキシレート
Figure 0007140781000037
tert-ブチルシクロプロパンカルボキシレート(5g、35.16mmol)の乾燥THF(30mL)溶液に、N下、-70℃でLDA(2M、21.10mL)を滴下して加えた。この反応混合物を-35℃で2時間、攪拌した後、1-ブロモ-3-クロロ-プロパン(8.30g、52.74mmol、5.19mL)のTHF(10mL)溶液を添加した。得られた混合物を25℃で12時間、攪拌した。この反応物を25℃において飽和NHCl溶液(50mL)でクエンチし、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(40mL)により洗浄し、NaSOで脱水し、濾過して減圧下で濃縮して、表題化合物を得た。
中間体8
塩化1-(3-クロロプロピル)シクロプロパンカルボニル
Figure 0007140781000038
tert-ブチル1-(3-クロロプロピル)シクロプロパンカルボキシレート(5g、22.86mmol)のDCM(40mL)溶液に、N下、0℃でTFA(15.40g、135.06mmol、10mL)を加えた。この反応溶液を25℃で12時間、攪拌した後、25℃で飽和NaHCO溶液(30mL)でクエンチした。この混合物をDCM(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(50mL)により洗浄して、NaSOで脱水し、濾過して減圧下で濃縮して、カルボン酸(2.4g、65%)を褐色の油として得た。酸(300mg、1.84mmol)およびDMF(26.97mg、0.37mmol)のDCM(6mL)溶液に、N下、10分間の期間をかけて、0℃で(COCl)(280.99mg、2.21mmol)を加えた。反応混合物を20分間の期間をかけて、25℃まで温め、25℃で1時間、攪拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、表題化合物を得た。
製造1
(E)-3-(5-フルオロ-3-ピリジル)プロパ-2-エナール
Figure 0007140781000039
5-フルオロピリジン-3-カルバルデヒド(10g、79.94mmol)および(トリフェニルホスホラニリデン)アセトアルデヒド(24.33g、79.94mmol)のDCM(200mL)溶液を、室温にて一晩攪拌した。反応混合物をシリカで処理し、減圧下で蒸発させ、ヘキサン中の酢酸エチル(0~100%)の勾配で溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物を得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.78 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 8.64 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 8.56 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.62 (dddd, J = 8.9, 2.7, 1.8, 0.5 Hz, 1H), 7.54-7.49 (m, 1H), 6.79 (dd, J = 16.1, 7.4 Hz, 1H).
下記の中間体は、上記のものと類似の方法を使用して製造した。
Figure 0007140781000040
製造2
2-(4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-5-イル)-5-メチル-ピラジン
Figure 0007140781000041
100mLの丸底フラスコ中で、ジエチルエーテル25mLにヒドラジン水和物(1.94mL、39.62mmol)を加えた。激しく攪拌した懸濁液(1200rpmの速度で攪拌)に、室温で30分間かけて、(E)-3-(5-メチルピラジン-2-イル)プロパ-2-エナール(0.59g、3.96mmol)のジエチルエーテル(25mL)溶液を加えた。添加の完了し、次いで5%炭酸水素ナトリウム水溶液200mLを加えた後、この反応混合物をさらに10分間、室温で攪拌した。この混合物を酢酸エチル(3×150mL)により抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)により洗浄し、MgSOで脱水し、次に、濃縮して表題化合物を得て、これを精製することなく次の工程に使用した。LCMS(方法B):m/z=163.04[M+H]
上記の1つと同様の方法を使用して、以下の中間体を製造した。
Figure 0007140781000042
製造3
ジ-tert-ブチル3-(5-フルオロ-3-ピリジル)-5-ヒドロキシ-ピラゾリジン-1,2-ジカルボキシレート
Figure 0007140781000043
(E)-3-(5-フルオロ-3-ピリジル)プロパ-2-エナール(5.9g、39.04mmol)のトルエン(50mL)溶液に、(S)-(-)-α,α-ジフェニル-2-ピロリジンメタノールトリメチルシリルエーテル(2.92g、8.98mmol)、それに続いてtert-ブチルN-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)カルバメート(13.6g、58.56mmol)を加えた。トルエン(23mL)を使用して、反応物を反応フラスコの壁から洗い流し、反応混合物に加えた。反応槽を密封し、室温にて一晩攪拌した。反応混合物をシリカゲル上へと直接充填し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~100%酢酸エチル)によって精製し、表題化合物を得た。LCMS(方法B):m/z=384.3[M+H]
下記の中間体は、上記のものと類似の方法を使用して製造した。
Figure 0007140781000044
製造4
3-(4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-5-イル)-5-フルオロ-ピリジン
Figure 0007140781000045
ジ-tert-ブチル3-(5-フルオロ-3-ピリジル)-5-ヒドロキシ-ピラゾリジン-1,2-ジカルボキシレート(2.0g、5.22mmol)のDCM(20mL)溶液に、2,2,2-トリフルオロ酢酸(20mL)を加えた。反応混合物を室温にて1時間攪拌し、次いで、減圧下で濃縮した。このように得られた残留物を酢酸エチル(50mL)に溶解し、5%NaHCO(20mL)、水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層を集め、MgSO上で乾燥させ、その後、減圧下で濃縮し、表題化合物を得て、これを次のステップにおいて精製をせずに使用した。LCMS(方法B):m/z=166.1[M+H]
下記の中間体は、上記のものと類似の方法を使用して製造した。
Figure 0007140781000046
製造5
5-クロロ-2,2-ジメチル-1-[3-(5-メチルピラジン-2-イル)-3,4-ジヒドロピラゾール-2-イル]ペンタン-1-オン
Figure 0007140781000047
2-(4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-5-イル)-5-メチル-ピラジン(0.22g、1.33mmol)およびトリエチルアミン(0.55mL、3.98mmol)に、塩化5-クロロ-2,2-ジメチル-ペンタノイル(364mg、1.99mmol)のTHF(10mL)溶液を加えた。反応混合物を室温で16時間、攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)およびEtOAc(30mL)で希釈した。有機相を、水および飽和ブライン溶液(30mL)で洗浄した。有機物を乾燥(MgSO)した後、濃縮乾固した。次に、ヘキサン中のEtOAc(0%~100%)の勾配で溶出したフラッシュカラムクロマトグラフィーによって粗製物を精製して、表題化合物を得た。LCMS(方法B):m/z=309.15、311.04[M+H]
上記の1つと同様の方法を使用して、以下の中間体を製造した。
Figure 0007140781000048
製造6
3-(5-フルオロ-3-ピリジル)-6,6-ジメチル-3,7,8,9-テトラヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン
Figure 0007140781000049
ヨウ化ナトリウム(67.8mg、0.45mmol)および炭酸カリウム(93.0mg、0.67mmol)を充填したマイクロ波用バイアルに、5-クロロ-1-[3-(5-フルオロ-3-ピリジル)-3,4-ジヒドロピラゾール-2-イル]-2,2-ジメチル-ペンタン-1-オン(70mg、0.22mmol)のMeCN(10mL)溶液を加えた。このバイアルを密封して、マイクロ波用反応器中、120℃で20分間、加熱した。出発原料は、対応するヨウ素中間体(LCMS(方法B):m/z=404.59[M+H])に転換されたことを示す。次に、この反応混合物をマイクロ波用反応器中、150℃で110分間、加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル50mLで希釈し、水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機相をMgSOで脱水して濃縮して、表題化合物を得て、これを精製することなく次の工程に使用した。LCMS(方法B):m/z=276.53[M+H]
上記の1つと同様の方法を使用して、以下の中間体を製造した。
Figure 0007140781000050
製造7
5-クロロ-1-[5-(3,5-ジフルオロフェニル)ピラゾリジン-1-イル]-2,2-ジメチル-ペンタン-1-オン
Figure 0007140781000051
5-クロロ-1-[3-(3,5-ジフルオロフェニル)-3,4-ジヒドロピラゾール-2-イル]-2,2-ジメチル-ペンタン-1-オン(100mg、0.30mmol)の2,2,2-トリフルオロ酢酸(5.0mL、30.4mmol)溶液に、トリエチルシラン(0.24mL、1.52mmol)を加え、得られた反応混合物を室温で一晩、攪拌した。反応混合物を濃縮乾固し、得られた残留物をEtOAc(30mL)に溶解して、5% NaOH溶液(20mL)、水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層を無水MgSOで脱水し、濾過して減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0~10%MeOH/DCM)によって精製して、表題化合物を得た。
上記の1つと同様の方法を使用して、以下の中間体を製造した。
Figure 0007140781000052
製造8
1-(5-(5-ブロモ-3-ピリジル)ピラゾリジン-1-イル-5-クロロ-2,2-ジメチル-ペンタン-1-オン
Figure 0007140781000053
1-(3-(5-ブロモ-3-ピリジル)-3,4-ジヒドロピラゾール-2-イル-5-クロロ-2,2-ジメチル-ペンタン-1-オン(150mg、0.40mmol)のTHF(5.0mL)溶液に、水素化トリエチルホウ素リチウム(0.50mL、1.7M、0.85mmol)を加え、得られた反応混合物を-78℃で5分間、攪拌した。-78℃で飽和炭酸水素ナトリウム溶液(5mL)を添加することによりこの反応混合物をクエンチし、この混合物を濃縮乾固した。得られた残留物をEtOAc(30mL)に溶解して、5% NaOH溶液(20mL)、水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層を無水MgSOで脱水し、濾過して減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0~10% MeOH/DCM)によって精製して、表題化合物を得た。
以下の中間体は、上記の1つと同様の方法を使用して製造した。
Figure 0007140781000054
製造9
tert-ブチル(3S)-3-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシピラゾリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007140781000055
工程1:4-フルオロシンナムアルデヒド(5g、0.03mol、1当量)のトルエン(35mL、7体積分)溶液に、0℃でtert-ブチル2-((4-フルオロフェニル)スルホニル)ヒドラジン-1-カルボキシレート(12.6g、0.039mol、1.2当量)および(S)-(-)α,α-ジフェニル-2-ピロリジンメタノールトリメチルシリルエーテル(2.16g、0.006mol、0.2当量)を加えた。この反応混合物を室温で5日間、攪拌した。反応進行は、TLCによってモニタリングした。反応の完了後、トルエンを真空下で除去した。石油エーテル中の15~18%EtOAcで溶出したカラムクロマトグラフィー(230~400サイズのメッシュ)によって粗生成物を精製して、tert-ブチル(3S)-3-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-2-((4-ニトロフェニル)スルホニル)ピラゾリジン-1-カルボキシレートを得た。
工程2:tert-ブチル-(3S)-3-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-2-((4-ニトロフェニル)スルホニル)ピラゾリジン-1-カルボキシレート(4.5g、0.009mol、1当量)のメタノール(135mL、30体積分)溶液に、不活性雰囲気下、0℃でKCO(6.62g、0.039mol、5当量)およびチオグリコール酸(1.67mL、0.02mol、2.5当量)を加えた。反応混合物を室温で20時間の期間、攪拌した。反応進行の進行は、TLCによってモニタリングした。反応の完了後、メタノールを真空下で除去した。残留物を水(100mL)に懸濁し、次に、EtOAc(3×70mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン溶液で洗浄し、NaSOで脱水した。溶媒を真空下で濃縮した。石油エーテル中の16~20% EtOAcで溶出したカラムクロマトグラフィー(230~400サイズのメッシュ)により粗生成物を精製して、tert-ブチル5-(4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-1-カルボキシレートを得た。注:この化合物は、ノシル脱保護中にエピメリ化した。1H NMR (DMSO, 400 MHz: 7.18 (m, 4H), 7.06 (s, 1H), 5.14 (dd, J 12, 5.6 Hz, 1H), 3.44 (dd, J 18.8, 12.0 Hz, 1H), 2.68 (m, 1H), 1.25 (s, 9H).
〔実施例1〕
手順A
3-(5-フルオロ-3-ピリジル)-6,6-ジメチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン
Figure 0007140781000056
3-(5-フルオロ-3-ピリジル)-6,6-ジメチル-3,7,8,9-テトラヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン(50mg、0.18mmol)を室温でメタノール(4mL)に溶解した。次に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(114mg、1.82mmol)および酢酸(0.1mL、1.82mmol)を加えた。この反応混合物を50℃で一晩、攪拌した。溶媒を蒸発させて、この反応混合物をDCMにより希釈した。有機相を飽和NaHCO水溶液で洗浄した。有機相を分離して、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して減圧下で蒸発させた。分取HPLCによって粗製物質を精製して、表題化合物を鏡像異性体の混合物として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.40-8.37 (m, 2H), 7.34-7.32 (m, 1H), 5.27-5.24 (m, 1H), 3.31-3.25 (m, 2H), 2.96-2.92 (m, 2H), 2.61-2.56 (m, 1H), 2.02-1.97 (m, 1H), 1.97-1.79 (m, 2H), 1.67-1.63 (m, 2H), 1.37-1.25 (m, 6H). LCMS (方法B): m/z = 278.38 [M+H]+.
〔実施例2〕
6,6-ジメチル-3-(5-メチルピラジン-2-イル)-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン
Figure 0007140781000057
表題化合物は、手順Aに従い製造し、分取HPLCによって精製して、所望の生成物を、オフホワイトの粘着性固体として単離された鏡像異性体の混合物として得た。以下の条件:カラム:Chiralpak AD-H、250×30mm、内径5μm;移動相A:CO2、移動相B:MeOH(0.1% NHO);勾配:B%=25%;流速:60g/分;波長:220nm;カラム温度:40℃;システム背圧:100barを用いるSFCによってさらなる精製を行い、表題化合物を2番目に溶出した鏡像異性体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.49 (br s, 1H), 8.35 (s, 1H), 5.21 (br t, J=6.8 Hz, 1H), 3.38-3.02 (m, 3H), 2.90-2.79 (m, 1H), 2.53 (s, 3H), 2.49-2.21 (m, 2H), 1.98-1.83 (m, 1H), 1.74-1.63 (m, 1H), 1.60-1.53 (m, 2H), 1.40-1.14 (m, 6H). LCMS (方法E): m/z = 275.4 [M+H]+, 1.419分.
〔実施例3〕
手順B
3-(3,5-ジフルオロフェニル)-6,6-ジメチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン
Figure 0007140781000058
5-クロロ-1-[5-(3,5-ジフルオロフェニル)ピラゾリジン-1-イル]-2,2-ジメチル-ペンタン-1-オン(50.8mg、0.15mmol)をMeCN(5.0mL)に溶解し、NaI(46.3mg、0.31mmol)およびKCO(63.5mg、0.46mmol)を加え、この混合物を密封し、マイクロ波中、100℃で2時間、加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc50mLで希釈し、水(3×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄してMgSOで脱水し、真空で濃縮した。粗製反応混合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(0~80%EtOAc/ヘキサン)を使用して精製して、ラセミ体を濁りのない油として得た。Chiralpak IA(25×2.0cm)上のキラルHPLC(n-ヘキサン/エタノール90/10% v/vの移動相、および流速17mL/分を使用する5μmカラム)によって鏡像異性体を分割して、表題化合物を2番目に溶出した鏡像異性体として得た。1H NMR (400 MHz, アセトン-d6) δ 6.95-6.79 (m, 3H), 5.18 (dd, J = 8.0, 5.0 Hz, 1H), 3.38-3.18 (m, 2H), 2.98 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 2.66-2.51 (m, 1H), 2.07-1.80 (m, 3H), 1.71-1.56 (m, 2H), 1.34-1.21 (m, 6H). LCMS (方法A): m/z = 295.5 [M+H]+.n-ヘキサン/エタノール90/10%v/v、流速:1.0mL/分、保持時間:7.5分を使用する5μmカラムのChiralpak IA(25×0.46cm)で決定したところ、e.e.=98.6%であった。
〔実施例4〕
3-(3,4-ジフルオロフェニル)-6,6-ジメチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン
Figure 0007140781000059
表題化合物は手順Bに従い製造し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~80%酢酸エチル)により精製して、ラセミ3-(3,4-ジフルオロフェニル)-6,6-ジメチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オンを得た。n-ヘキサン/エタノール90/10% v/vおよび流速17mL/分の移動相を使用する5μmカラムのChiralpak IA(25×2.0cm)上でのキラルHPLCによってラセミ体を分割して、表題化合物を2番目に溶出した鏡像異性体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.19-6.92 (m, 3H), 5.18 (dd, J = 8.2, 4.4 Hz, 1H), 3.23 (br. S., 2H), 3.01-2.84 (m, 2H), 2.57-2.41 (m, 1H), 2.10-1.80 (m, 3H), 1.71-1.59 (m, 2H), 1.41-1.27 (m, 6H). LCMS (方法C): m/z = 295.2 [M+H]+.n-ヘキサン/エタノール 90/10% v/v、流速:1.0mL/分、保持時間:8.6分を使用する5μmカラムのChiralpak IA(25×0.46cm)で決定したところ、e.e.=99.6%であった。
〔実施例5〕
3-(3-フルオロフェニル)-6,6-ジメチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン
Figure 0007140781000060
表題化合物は手順Bに従い製造し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~80%酢酸エチル)によって精製するとラセミ体を得た。n-ヘキサン/2-プロパノール90/10% v/vおよび流速17mL/分の移動相を使用する5μmカラムのChiralpak AD-H(25×2.0cm)でのキラルHPLCによってラセミ混合物を分割して、表題化合物を2番目に溶出した鏡像異性体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.34-7.23 (m, 1H), 7.04 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.98-6.85 (m, 2H), 5.24 (dd, J = 8.2, 4.4 Hz, 1H), 3.23 (br. s., 2H), 2.93 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 2.58-2.42 (m, 1H), 2.05-1.80 (m, 3H), 1.74-1.59 (m, 2H), 1.46-1.25 (m, 6H). LCMS (方法A): m/z = 277.3 [M+H]+.n-ヘキサン/2-プロパノール90/10% v/v、流速:1.0mL/分、保持時間:8.4分を使用する5μmカラムのChiralpak IA(25×0.46cm)で決定したところ、e.e.>99%であった。
〔実施例6〕
3-(6,6-ジメチル-5-オキソ-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-3-イル)-5-フルオロ-ベンゾニトリル
Figure 0007140781000061
表題化合物は手順Bに従い製造し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~80%酢酸エチル)によって精製して、表題化合物を得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.40-7.30 (m, 1H), 7.16-7.10 (m, 2H), 5.30-5.20 (m, 1H), 3.35-3.20 (m, 2H), 3.00-2.90 (m, 2H), 2.62-2.50 (m, 1H), 2.00-1.85 (m, 3H), 1.70-1.64 (m, 2H), 1.40-1.28 (m, 6H). LCMS (方法B): m/z = 302.1 [M+H]+.
〔実施例7〕
4-(6,6-ジメチル-5-オキソ-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-3-イル)ベンゾニトリル
Figure 0007140781000062
表題化合物は手順Bに従い製造し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~80%酢酸エチル)によって精製して、表題化合物を得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.67-7.60 (m, 2H), 7.35 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 5.30-5.20 (m, 1H), 3.35-3.20 (m, 2H), 3.00-2.90 (m, 2H), 2.62-2.50 (m, 1H), 2.00-1.85 (m, 3H), 1.70-1.64 (m, 2H), 1.40-1.28 (m, 6H). LCMS (方法B): m/z = 284.1 [M+H]+.
〔実施例8〕
(7S,9aR)-4-エチル-7-(3-フルオロフェニル)-4-メチル-1,3,7,8,9,9a-ヘキサヒドロピロロ[2,1-c][1,4]オキサゼピン-5-オン
Figure 0007140781000063
メチル2-(クロロメチル)-2-メチルブタノエートは、Zhang-Jie Shiら(Org.Lett.、2016、18(9)、2040~2043頁)によって記載されている条件に従い製造した。ジイソプロピルアミン(1.68mL、12mmol)のTHF(15mL)攪拌溶液に、-78℃でn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M溶液、4.8mL、12mmol)を滴下して加えた。混合物を0℃にて30分間攪拌し、次いで、再び-78℃に冷却した。メチル2-メチルブチレート(1.32mL、10mmol)のTHF(5mL)溶液を-78℃にて滴下で添加し、混合物をこの温度で1時間攪拌した。クロロヨードメタン(0.73mL、10mmol)のTHF(10mL)溶液を-78℃にて滴下で添加した。このように得られた混合物を一晩攪拌し、温度を室温に達しさせた。混合物を水で0℃にてクエンチし、EtO(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で脱水し、減圧下で蒸発させ、表題化合物を得た。この材料を、下記のステップにおいてそれ以上精製することなく使用した。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 3.78-3.73 (m, 4H), 3.57 (d, J=10.8 Hz, 1H), 1.82-1.55 (m, 3H), 1.29 (s, 3H), 0.88 (t, J=7.5 Hz, 3H).
2-(クロロメチル)-2-メチルブタン酸は、Zhang-Jie Shiら(Org.Lett.、2016、18(9)、2040~2043頁)によって記載されている条件に従い製造した。メチル2-(クロロメチル)-2-メチルブタノエート(1.15g、7.0mmol)に濃HCl(15mL)を0℃で注意深く加えた。得られた混合物を80℃で7時間、攪拌し、次に室温で一晩、静置した。この時点で、水でクエンチし、CHClで抽出した反応物の一定分量のNMRにより、有意な量の出発原料が残留していることが示された。次に、この混合物を100℃に加熱した。5時間後にNMRによって確認したところ、表題化合物にほとんど完全に変換されたことが示された。熱混合物に水を加え、これをCHClで2回、抽出した。合わせた有機相を水で2回洗浄し、NaSOで脱水して濾過し、減圧下で蒸発させて、約1.75:1の混合物の表題化合物およびメチル2-(クロロメチル)-2-メチルブタノエートを得た。この混合物は、さらに精製することなく以下の工程に使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) 標題の化合物のシグナルだけが報告されている δ 3.76 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.60 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 1.86-1.57 (m, 2H), 1.32 (s, 3H), 0.95 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LCMS (方法A): m/z = 149.0 [M-H]-, 0.81分.
(2R,5S)-5-(3-フルオロフェニル)ピロリジン-2-イル]メタノール:エチル(2R,5S)-5-(3-フルオロフェニル)ピロリジン-2-カルボキシレート(1.36g、5.72mmol)のTHF(25mL)溶液を、0℃で、THF中の水素化アルミニウムリチウム(260.35mg、6.86mmol)の懸濁液に滴下して加えた。この反応混合物を0℃で1時間、攪拌し、静置して室温まで2時間、温めた。この反応混合物を0℃で1M NaOH水溶液で注意深くクエンチした。反応混合物を酢酸エチル(50mL)により希釈し、有機相を分離して、乾燥(MgSO)した後、濃縮乾固して、表題化合物を得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.31-7.26 (m, 1H), 7.18-7.13 (m, 2H), 6.96-6.91 (m, 1H), 4.31 (dd, J = 9.1, 6.7 Hz, 1H), 3.66 (dd, J = 10.3, 3.8 Hz, 1H), 3.56-3.50 (m, 1H), 3.45 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 2.24-2.10 (m, 1H), 2.03-1.93 (m, 1H), 1.81-1.73 (m, 1H), 1.66 (dq, J = 12.1, 9.0 Hz, 1H).
2-(クロロメチル)-1-[(2S,5R)-2-(3-フルオロフェニル)-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-イル]-2-メチル-ブタン-1-オン:[(2R,5S)-5-(3-フルオロフェニル)ピロリジン-2-イル]メタノール(171.59mg、0.88mmol)およびトリエチルアミン(0.31mL、2.2mmol)のDCM(5mL)溶液に、0℃で塩化2-(クロロメチル)-2-メチル-ブタノイル(123.82mg、0.73mmol)を加えた。反応混合物を静置して、室温まで一晩、温めた。次に、この反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で処理し、DCMで希釈した。有機相を分離して、MgSOで脱水し、濾過して減圧下で蒸発させて、表題化合物を得た。LCMS(方法B):m/z=328.14、329.99[M+H]
(7S,9aR)-4-エチル-7-(3-フルオロフェニル)-4-メチル-1,3,7,8,9,9a-ヘキサヒドロピロロ[2,1-c][1,4]オキサゼピン-5-オン:水素化ナトリウム(128.11mg、3.2mmol)に、0℃で2-(クロロメチル)-1-[(2S,5R)-2-(3-フルオロフェニル)-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-イル]-2-メチル-ブタン-1-オン(210mg、0.64mmol)のDMF(5mL)溶液を加えた。この反応混合物を室温まで一晩、温めた。次に、この反応混合物を水(10mL)で処理し、EtOAc(10mL)で希釈した。有機物を分離して、乾燥(MgSO)した後、濃縮乾固した。方法Dを使用する分取HPLCによって粗製物質を精製して、表題化合物を2番目に溶出する異性体(保持時間11.24分)として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.31-7.25 (m, 1H), 7.02-6.99 (m, 1H), 6.94-6.89 (m, 2H), 5.41 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.21-4.14 (m, 2H), 3.81-3.73 (m, 2H), 3.48 (dd, J = 12.8, 10.1 Hz, 1H), 2.24 (dddd, J = 13.3, 12.6, 8.9, 6.5 Hz, 1H), 2.01-1.91 (m, 2H), 1.88-1.83 (m, 1H), 1.67-1.57 (m, 1H), 1.40 (dq, J = 14.1, 7.2 Hz, 1H), 1.32-1.25 (m, 3H), 0.87-0.80 (m, 3H). LCMS (方法B): m/z = 292.29 [M+H]+.
(2R,5S)-5-(3-フルオロフェニル)ピロリジン-2-カルボキシレートのエピメリカによって製造することができる、(2S,5S)-5-(3-フルオロフェニル)ピロリジン-2-カルボキシレートを使用する同様の手順を使用して、(7S,9aS)-4-エチル-7-(3-フルオロフェニル)-4-メチル-1,3,7,8,9,9a-ヘキサヒドロピロロ[2,1-c][1,4]オキサゼピン-5-オンを製造することができた。
〔実施例9〕
5-(6,6-ジメチル-5-オキソ-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-3-イル)ピリジン-3-カルボニトリル
Figure 0007140781000064
3-(5-ブロモ-3-ピリジル)-6,6-ジメチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン:表題化合物は手順Bに従い製造し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~80%酢酸エチル)によって精製して、所望の生成物を得た。LCMS(方法B):m/z=338.3、340.3[M+H]
5-(6,6-ジメチル-5-オキソ-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-3-イル)ピリジン-3-カルボニトリル:3-(5-ブロモ-3-ピリジル)-6,6-ジメチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン(40mg、0.12mmol)のDMF(2.0mL)溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.41mg、0.036mmol)およびシアン化亜鉛(13.9mg、0.12mmol)を加えた。得られた反応混合物を100℃で2時間、攪拌した。-78℃で飽和炭酸水素ナトリウム溶液(5mL)を添加することによりこの反応混合物をクエンチした。この混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、5% NaOH溶液(20mL)、DI水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層を無水MgSOで脱水し、濾過して減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0~80% 酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、表題化合物を鏡像異性体の混合物として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.77 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.75 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.81-7.79 (m, 1H), 5.25-5.21 (m, 1H), 3.37-3.25 (m, 2H), 2.99-2.91 (m, 2H), 2.65-2.58 (m, 1H), 2.01-1.87 (m, 4H), 1.67-1.64 (m, 1H), 1.40-1.28 (m, 6H). LCMS (方法B): m/z = 285.3 [M+H]+.
〔実施例10および11〕
6-(ジフルオロメチル)-3-(5-フルオロ-3-ピリジル)-6-メチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン
Figure 0007140781000065
表題化合物を手順Bに従い製造し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~80%酢酸エチル)によって精製して、鏡像異性体のジアステレオマー混合物を得た。鏡像異性体の最初の溶出混合物として6-(ジフルオロメチル)-3-(5-フルオロ-3-ピリジル)-6-メチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン(実施例10)。LCMS(方法B):m/z=314.3[M+H]
鏡像異性体の2番目の溶出混合物として6-(ジフルオロメチル)-3-(5-フルオロ-3-ピリジル)-6-メチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン(実施例11)。LCMS(方法B):m/z=314.3[M+H]
〔実施例12および13〕
6-(ジフルオロメチル)-6-メチル-3-(5-メチルピラジン-2-イル)-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン
Figure 0007140781000066
表題化合物を手順Bに従い製造し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~80%酢酸エチル)によって精製すると鏡像異性体のジアステレオマー混合物を得た。鏡像異性体の最初の溶出混合物を以下の条件:カラム:Chiralpak AD-H、250×30mm、内径5μm;移動相A:CO、移動相B:MeOH(0.1% NHO);勾配:B%=28%;流速:60g/分;波長:220nm;カラム温度:40℃;システム背圧:100barを用いるSFCによりさらに精製し、表題化合物を2番目に溶出した鏡像異性体として得た(実施例12)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.59-8.44 (m, 1H), 8.36 (s, 1H), 6.98-6.34 (m, 1H), 5.17 (m, 1H), 3.55-3.17 (m, 3H), 2.84 (br s, 1H), 2.62-2.40 (m, 5H), 2.03-1.82 (m, 1H), 1.73-1.49 (m, 4H), 1.42-1.14 (m, 2H). LCMS (方法E): m/z = 311.4 [M+H]+, 1.483分.
2番目の溶出した鏡像異性体の混合物を、以下の条件:カラム:Chiralpak AD-H、250×30mm、内径5μm;移動相A:CO、移動相B:MeOH(0.1% NHO);勾配:B%=28%;流速:60g/分;波長:220nm;カラム温度:40℃;システム背圧:100barを用いるSFCによって精製し、表題化合物を2番目に溶出した鏡像異性体として得た(実施例13)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.50 (br s, 1H), 8.36 (s, 1H), 6.56-5.90 (m, 1H), 5.16 (br s, 1H), 3.45-3.08 (m, 3H), 2.88-2.67 (m, 1H), 2.54 (s, 3H), 2.47 (br s, 1H), 2.06-1.52 (m, 5H), 1.46-1.29 (m, 3H). LCMS (方法E): m/z =311.4 [M+H]+, 1.501分.
〔実施例14および15〕
5-[6-(ジフルオロメチル)-6-メチル-5-オキソ-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-3-イル]ピリジン-3-カルボニトリル
Figure 0007140781000067
3-(5-ブロモ-3-ピリジル)-6-(ジフルオロメチル)-6-メチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン:表題化合物は、手順Bに従い製造し、分取TLC(SiO、PE:EtOAc=1:1)によって精製して、鏡像異性体の最初の溶出混合物および鏡像異性体の第2の溶出混合物を得た。
5-(6-(ジフルオロメチル)-6-メチル-5-オキソ-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-3-イル)ピリジン-3-カルボニトリル(実施例14):DMF(3mL)中の3-(5-ブロモ-3-ピリジル)-6-(ジフルオロメチル)-6-メチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン(0.05g、0.13mmol)(鏡像異性体の最初に溶出した混合物)およびZn(CN)(16mg、0.13mmol)の混合物に、N下、25℃でPd(PPh(46mg、40.08μmol)を1回で加えた。反応混合物を110℃で16時間、加熱し、25℃まで冷却して、飽和NaHCO(20mL)水溶液に注ぎ入れた。水相をEtOAc(3×15mL)により抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)により洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過して減圧下で濃縮した。得られた残留物を以下の条件:カラム:Xtimate C18 150×25mm×5μm;移動相A:水(10mM NHHCO)、移動相B:ACN;B%:10.5分間かけて30%~45%を使用する分取HPLCにより精製し、鏡像異性体の混合物を無色の油として得た。以下の条件:カラム:AD(250mm×30mm、5μm);移動相:[0.1% NHO-MeOH];B%:10分間かけて30%~30%を用いるSFCによってさらに精製して、表題化合物を2番目に溶出した鏡像異性体として得た(実施例14)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.78 (d, J=1.88 Hz, 1H), 8.72 (s, 1H), 7.77 (br s, 1H), 6.32 (s, 1H), 5.20 (br s, 1H), 3.32 (br s, 2H), 2.85-3.05 (m, 2H), 2.69 (br s, 1H), 1.89-2.11 (m, 4H), 1.68 (br d, J=12.42 Hz, 1H), 1.40 (br s, 3H); LC-MS (方法E): m/z = 321.3 [M+H]+, 1.471分.
5-(6-(ジフルオロメチル)-6-メチル-5-オキソ-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-3-イル)ピリジン-3-カルボニトリル(実施例15):DMF(3mL)中の3-(5-ブロモ-3-ピリジル)-6-(ジフルオロメチル)-6-メチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン(0.2g、0.53mmol)(鏡像異性体の2番目に溶出した混合物)およびZn(CN)(63mg、0.53mmol)の混合物に、N下、25℃でPd(PPh(185mg、0.16mmol)を1回で加えた。この混合物を110℃で16時間、加熱し、25℃まで冷却して、飽和NaHCO水溶液(50mL)に注ぎ入れた。水相をEtOAc(3×15mL)により抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)により洗浄し、無水NaSOにより脱水し、濾過して減圧下で濃縮した。得られた残留物を以下の条件:カラム:Xtimate C18 150×25mm×5μm;移動相A:水(10mM NHHCO)移動相B:ACN;B%:10.5分間かけて30%~45%を使用する分取HPLCにより精製し、鏡像異性体の混合物を得た。以下の条件:カラム:AD(250mm×30mm、5μm);移動相:[0.1% NHO MeOH];B%:10分間かけて30%~30%を用いるSFCによってさらに分離して、表題化合物を2番目に溶出した鏡像異性体として得た(実施例15)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.77 (d, J=1.88 Hz, 1H), 8.72 (d, J=1.88 Hz, 1H), 7.76 (br s, 1H), 5.92-6.93 (m, 1H), 5.17 (br s, 1H), 3.11-3.45 (m, 2H), 2.88-3.04 (m, 2H), 2.65 (br s, 1H), 2.04-1.94 (m, 4H), 1.49-1.71 (m, 1H), 1.34 (br s, 3H). LC-MS (方法E): m/z = 321.3 [M+H]+, 1.469分.
〔実施例16〕
3-(5-フルオロ-3-ピリジル)スピロ[1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-6,1’-シクロプロパン]-5-オン
Figure 0007140781000068
表題化合物を手順Aに従い製造し、以下の条件(カラム:Luna C18 100×30mm 5μm;移動相A:水(0.1% TFA)、移動相B:ACN;B%:10分間かけて10%~35%)を使用する分取HPLCによって精製し、所望の生成物を鏡像異性体の混合物として得た。LCMS (方法E): m/z = 276.3 [M + H]+, 1.190分. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.57-8.26 (m, 2H), 7.30 (td, J=2.4, 9.2 Hz, 1H), 5.19 (t, J=7.2 Hz, 1H), 3.41 (ddd, J=6.4, 8.4, 11.2 Hz, 1H), 3.17 (td, J=6.0, 11.6 Hz, 1H), 3.11- 2.94 (m, 2H), 2.60-2.45 (m, 1H), 2.14 (qd, J=6.4, 14.4 Hz, 1H), 2.04-1.84 (m, 2H), 1.83-1.70 (m, 1H), 1.63 (dt, J=3.2, 7.2 Hz, 1H), 1.34 (ddd, J=4.0, 6.4, 10.0 Hz, 1H), 0.98 (ddd, J=4.4, 6.0, 10.0 Hz, 1H), 0.73 (ddd, J=4.4, 6.8, 9.2 Hz, 1H), 0.50 (ddd, J=4.0, 6.4, 9.2 Hz, 1H).
〔実施例17および18〕
6-(ジフルオロメチル)-6-エチル-3-(5-メチルピラジン-2-イル)-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン
Figure 0007140781000069
表題化合物は、手順Bに従い製造し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~80%EtOAc)によって精製して、鏡像異性体の最初の混合物を得て、これを以下の条件(カラム:IC-H(250×30mm、5μm);移動相:[0.1% NHO MeOH];B%:10分間かけて25%~25%)を用いるSFCによってさらに精製し、2番目に溶出した鏡像異性体を得た(実施例17)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.49 (br s, 1H), 8.34 (s, 1H), 6.63 - 5.99 (m, 1H), 5.22 (br d, J=8.8 Hz, 1H), 3.74 (br s, 1H), 3.15 (br s, 1H), 2.91 (br s, 1H), 2.64 (br s, 1H), 2.57-2.50 (m, 2H), 2.50-2.23 (m, 1H), 2.20-1.86 (m, 1H), 2.22-1.86 (m, 2H), 1.86-1.45 (m, 4H), 0.79 (t, J=7.6 Hz, 3H); LC-MS (方法E): m/z = 325.4 [M+H]+, 1.565分で、鏡像異性体の第2の溶出混合物(例18). LC-MS: m/z = 325.3 [M+H]+.
In Vitroでのアッセイ1
式Iの化合物による受容体共役タンパク質キナーゼ1の阻害
蛍光偏光結合(FP結合)アッセイ(Berger S.B.ら(2015年)Cell Death Discovery、1:15009頁;Maki J.L.ら(2012年)Anal Biochem.、427(2):164~174頁)は、10nMのGST-hRIPK1(8-327)酵素および5nMの蛍光標識リガンド(14-(2-{[3-({2-{[4-(シアノメチル)フェニル]アミノ}-6-[(5-シクロプロピル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ]-4-ピリミジニル}アミノ)プロピル]アミノ}-2-オキソエチル)-16,16,18,18-テトラメチル-6,7,7a,8a,9,10,16,18-オクタヒドロベンゾ[2’’,3’’]インドリジノ[8’’,7’’:5’,6’]ピラノ[3’,2’:3,4]ピリド[1,2-a]インドール-5-イウム-2-スルホネート)を使用して、ポリスチレン低容量384ウェルブラックプレートにおいて室温(RT)にて10.1μL/ウェルの最終容量で行った。
試験化合物は、アッセイ(1%DMSO最終)において100倍最終濃度でDMSOに段階希釈した。384ウェルプレートの各ウェルにおいて、0.1μLの化合物溶液(または対照のためにDMSO)、それに続いてアッセイ緩衝液(50mMのHEPES、pH7.5、10mMのNaCl、50mMのMgCl、0.02%CHAPS、0.5mMのDTTおよび0.01%Pluronic F127)において2倍最終濃度で5μLのGST-hRIPK1(8-327)を分注した。陰性対照について、酵素添加を、アッセイ緩衝液のみに置き換えた。
5μLの蛍光標識リガンドをアッセイ緩衝液において2倍最終濃度で添加した後、プレートを室温にて30分間インキュベートした。最後に、結合を、励起λ=531nm FPおよび発光λ=595nm FPのためのフィルターを使用して、Envision(PerkinElmer)プレートリーダーでFP値として測定した(S & P-pol)。
試験化合物阻害は、内部アッセイ対照の阻害パーセントとして表した。濃度応答曲線について、正規化データをフィットさせ、IC50はExcelのためのXL-フィット(IDBS)を使用して決定した。最低で2つの独立した実験について、IC50を平均化し、平均値を決定した。
例示的な化合物の受容体共役タンパク質キナーゼ1活性は、上記の一般手順によって決定した。結果を表3において要約する。
Figure 0007140781000070
本開示の様々な実施形態を本明細書において開示するが、当業者の一般知識に従って多くの適合および修正を本開示の範囲内で行い得る。このような修正は、実質的に同じ方法で同じ結果を達成するための、本開示の任意の態様についての公知の同等物の置換を含む。数値範囲は、範囲を定義する数を含む。単語「含むこと」は、語句「これらに限定されないが、下記を含めた」と実質的に同等である、本明細書における開放型用語として使用され、単語「含む」は、対応する意味を有する。本明細書において使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈によって明らかにそれ以外のことの指示がない限り、複数の参照対象を含む。このように、例えば、「ある物事」への言及は、複数のこのような物事を含む。参照の引用は、本明細書において、このような参照が本開示に対する従来技術であることを承認するものではない。本明細書において引用した、これらに限定されないが、特許および特許出願を含めた任意の優先権書類(複数可)および全ての公開資料は、それぞれの個々の公開資料が本明細書において参照によって組み入れられていることが特におよび個々に示されており、かつ全文を記載したかの如く、参照によって本明細書中に組み入れられている。本開示は、実質的に本明細書の上に記載したような、および実施例および図面に関して、全ての実施形態およびバリエーションを含む。

Claims (23)

  1. 式Iの化合物:
    Figure 0007140781000071
    または薬学的に許容されるその塩、立体異性体、立体異性体の混合物もしくは互変異性体(式中、
    Xは、NまたはCR4であり、R4は、Hまたは場合により置換されているアルキルであり;
    Cyは、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであり;
    1、Y2およびY3は、独立に、CR 5 6 であるか、またはY 1 、Y 2 およびY 3 の一つが、CR 5 6 、S、SO、SO 2 、OまたはNR 7 であり、他の二つが独立にCR 5 6 であり
    1は、シアノ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SR8、-SOR8、-SO28、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか
    2 は、シアノ、水素、ハロ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであるか;またはR1およびR2は、一緒になって、場合により置換されているシクロアルキルまたは場合により置換され
    ているヘテロシクリルを形成し;
    3はそれぞれ、独立に、ハロ、シアノまたは場合により置換されているアルキルであるか
    5 およびR6は、独立に、シアノ、ハロ、水素、ヒドロキシル、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、場合により置換されているアルコキシ、-SH、-SR8、-SOR8、-SO28、場合により置換されているシクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであり;
    7 は、水素または場合により置換されているアルキルであり;
    8は、場合により置換されているアルキルであり;
    nは、0、1、2、3、4または5であり、
    炭素原子に取り付けられている1つまたはそれ以上の水素は、重水素で置き換えられていてもよい)。
  2. Xは、Nである、請求項1に記載の化合物。
  3. Xは、CR4である、請求項1に記載の化合物。
  4. Xは、CHである、請求項3に記載の化合物。
  5. 2は、Oであり、Y1およびY3は、CR56である、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 3は、Oであり、Y1およびY2は、CR56である、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 1、Y2およびY3は、CR56である、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 3は、CF2である、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
  9. 1、Y2およびY3は、CH2である、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
  10. Cyは、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールある、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. Cyは、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているピリジルまたは場合により置換されているピラジンである、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物。
  12. Cyは、1つまたはそれ以上のR10により独立に場合により置換されており、
    10は、独立に、シアノ、ハロ、ニトロ、オキソ、-OR11、-SR11、-SF5、-NR1112、-C(=O)R13、-C(=O)OR11、-OC(=O)OR11、-OC(=O)R13、-C(=O)NR1112、-OC(=O)NR1112、-NR11C(=O)NR1112、-S(=O)1213、-S(=O)12NR1112、-NR11S(=O)1213、-NR11S(=O)12NR1112、-NR11C(=O)R13、-NR11C(=O)OR12、-C=NOR11、C112アルキル、C212アルケニル、C212アルキニル、C310シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;C112アルキル、C212アルケニルおよびC212アルキニルは、1個またはそれ以
    上のハロにより場合により置換されており;C310シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、シアノ、ハロ、ニトロ、オキソ、-OR14、-SR14、-SF5、-NR1415、-S(=O)1216、-S(=O)12NR1415、-NR14S(=O)1216またはR16のうちの1つまたはそれ以上により独立に、場合により置換されており;
    11、R12、R14およびR15は、独立に、H、または1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されているC112アルキルであるか、またはR11およびR12の2つまたはR14およびR15の2つは、それらが結合している原子と一緒になって、1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されているヘテロシクリルまたは1個もしくはそれ以上のハロにより場合により置換されているC112アルキルを形成し;
    13およびR16は、独立に、1個またはそれ以上のハロにより場合により置換されているC112アルキルである、
    請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物。
  13. Cyは、5-シアノ-ピリド-3-イル、5-フルオロ-ピリド-3-イル、3-フルオロフェニル、3-シアノフェニル、3-シアノ-5-フルオロフェニル、5-メチルピラジン-2-イル、3,4-ジフルオロフェニルまたは3,5-ジフルオロフェニルである、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物。
  14. nは、0である、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物。
  15. 1およびR2は、場合により置換されているアルキルである、請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物。
  16. 1およびR2は、一緒になって、シクロプロピル環を形成する、請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物。
  17. 1は、ジフルオロメチル、シアノメチル、メチルまたはエチルである、請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物。
  18. 2は、メチルである、請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物。
  19. (a)
    3-(5-フルオロ-3-ピリジル)-6,6-ジメチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン;
    4-エチル-7-(3-フルオロフェニル)-4-メチル-1,3,7,8,9,9a-ヘキサヒドロピロロ[2,1-c][1,4]オキサゼピン-5-オン;
    4-(6,6-ジメチル-5-オキソ-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-3-イル)ベンゾニトリル;
    3-(3-フルオロフェニル)-6,6-ジメチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン;
    3-(6,6-ジメチル-5-オキソ-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-3-イル)-5-フルオロ-ベンゾニトリル;
    6,6-ジメチル-3-(5-メチルピラジン-2-イル)-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン;
    3-(3,4-ジフルオロフェニル)-6,6-ジメチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン;
    3-(3,5-ジフルオロフェニル)-6,6-ジメチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン;
    5-(6,6-ジメチル-5-オキソ-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-3-イル)ピリジン-3-カルボニトリル;
    6-(ジフルオロメチル)-6-メチル-3-(5-メチルピラジン-2-イル)-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン;
    3-(5-フルオロ-3-ピリジル)スピロ[1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-6,1’-シクロプロパン]-5-オン;
    7-(5-フルオロ-3-ピリジル)-4,4-ジメチル-2,7,8,9-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[1,2-d][1,4,5]オキサジアセピン-5-オン;
    6-(ジフルオロメチル)-3-(5-フルオロ-3-ピリジル)-6-メチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン;
    2-[6-メチル-3-(5-メチルピラジン-2-イル)-5-オキソ-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-6-イル]アセトニトリル;
    2-[3-(5-フルオロ-3-ピリジル)-6-メチル-5-オキソ-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-6-イル]アセトニトリル;
    5-[6-(ジフルオロメチル)-6-メチル-5-オキソ-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-3-イル]ピリジン-3-カルボニトリル;
    7,7-ジフルオロ-3-(5-フルオロ-3-ピリジル)-6,6-ジメチル-2,3,8,9-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン;
    5-[6-(ジフルオロメチル)-6-メチル-5-オキソ-2,3,7,8,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]アセピン-3-イル]ピリジン-3-カルボニトリル;または
    6-(ジフルオロメチル)-6-エチル-3-(5-メチルピラジン-2-イル)-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロピラゾロ[1,2-a]ジアゼピン-5-オン
    である、化合物、または薬学的に許容されるその塩、立体異性体、立体異性体の混合物もしくは互変異性体(ここで、炭素原子に取り付けられている1つまたはそれ以上の水素は、重水素で置き換えられていてもよいものとする);
    (b)
    Figure 0007140781000072
    Figure 0007140781000073
    である、化合物、または薬学的に許容されるその塩、立体異性体、立体異性体の混合物もしくは互変異性体(ここで、炭素原子に取り付けられている1つまたはそれ以上の水素は、重水素で置き換えられていてもよいものとする);または
    (c)
    Figure 0007140781000074
    Figure 0007140781000075
    Figure 0007140781000076
    である、化合物、または薬学的に許容されるその塩、立体異性体、立体異性体の混合物もしくは互変異性体(ここで、炭素原子に取り付けられている1つまたはそれ以上の水素は、重水素で置き換えられていてもよいものとする)
  20. 請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、立体異性体もしくは立体異性体の混合物、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  21. 受容体相互作用タンパク質キナーゼ1媒介性疾患または障害を処置する方法で使用するための、請求子20に記載の医薬組成物であって、前記方法は、それを必要とする対象に、治療的有効量の前記医薬組成物を投与する工程を含む、前記医薬組成物。
  22. 疾患または障害は、神経変性疾患である、請求項21に記載の医薬組成物。
  23. 神経変性疾患は、アルツハイマー病、ALS、パーキンソン病または認知症である、請求項22に記載の医薬組成物。
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