JP7138868B2 - 測温センサピン及びそれを備える測温センサ - Google Patents

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本発明は、例えばダイカスト金型、鋳造金型、プラスチック金型等の空洞内に充填される被測温体に対して、高温時から凝固するまでの凝固過程における温度変化をレスポンスよく連続的に測定ができるようにする測温センサピン及びそれを備える測温センサに関する。
例えば、アルミニウム、亜鉛又はマグネシウム等の非鉄金属とその合金で高寸法精度の製品を短時間に大量生産するダイカスト法をはじめとする鋳造においては、溶湯金属の凝固過程における温度変化をレスポンスよく連続的に把握することが鋳造製品の品質にとって重要である。
溶湯金属の凝固過程における温度測定手段として一般的に熱電対がある。熱電対の場合、測温接点を直接溶湯金属に浸漬させることで生じる金属導体の固有の熱起電力から温度変換する。
また、応答速度の速い温度計として、光ファイバーを用いた放射温度計がある。光ファイバー放射温度計の光ファイバー先端を溶湯金属に浸漬させ、光ファイバー先端から取り込んだ放射光を温度に変換し温度表示する。放射光を取り込むため応答速度は熱電対に比較し速い。
また、特許文献1には、ボルト端が圧力容器壁の内壁面と、同一面をなすように圧力容器壁内の孔に嵌着可能な中空ボルトと、一つの面が前記ボルト端に隣接するように前記中空ボルトの前記ボルト端に固定された赤外線通過ウインドと、前記中空ボルトの他端内に固定された光ファイバー束と、前記ウインド及び前記光ファイバー束と共働し赤外輻射線を前記ウインドから前記光ファイバー束へ通過するよう前記中空ボルト内に配されたガラスロッドとから成る赤外線温度プローブが開示されている。
特許文献2には、円筒状の中空軸部と、前記中空軸部に内接して固着される管状スペーサと、前記管状スペーサの内壁面に第1の耐熱性接着材層で固着される円柱状の導光体を有し、前記管状スペーサの内壁面とそれに対面する前記導光体の表面には前記導光体の先端から所定長の非接着部を設けた導光体付ピンが開示されている。
特許文献3には、連続鋳造機の鋳型側壁に螺旋状に複数個の透孔を設け、各透孔にそれぞれ耐熱性、集光性に富む温度検知素子をそれ等の端面が前記鋳型内周面より後退した位置にあるように挿入し、これ等の温度検知素子の出力をそれぞれ光ファイバーによって熱線温度計に導いた鋳型内温度の監視測定装置が開示されている。
特開昭58-137721号公報 特許第4874444号公報 特許第3121672号公報
前記熱電対を使用した場合は、熱電対は測温接点が昇温するまでに時間を要するため、数十msで充填されるダイカスト法の金型内の溶湯金属の凝固過程の温度を遅延なく測定できないという問題があった。また、ダイカスト法では、金型内部で溶湯金属が凝固していくため、熱電対の測温接点を金型内の溶湯金属に浸漬させると溶湯金属が凝固した時に測温接点が埋め込まれ、鋳造製品取出し等のときに測温接点が破損し、連続使用ができないという問題があった。
前記光ファイバーを使用した場合は、一般的に単色の波長の放射光を用いて非接触で測温するために被測温対象物の放射率を正確に把握して調整しなければ正確な温度を把握できないという問題があった。また、光ファイバーの測温接点を溶湯金属に浸漬すると正確な測温ができるが、浸漬した光ファイバーの測温接点が凝固により破損するという問題があった。破損するので連続使用ができないという問題があった。
特許文献1の発明は、ウインドを切頭円錐形状にしてテーパー面を最初の圧力が加えられるウインド外面よりも大きな支持面とし、中空ボルトのテーパー面によってウインドのテーパー面をその略全長にわたって支持させる構造であり、係止リングの一端側をウインド外面に当接させながら係止リングの雌螺子を中空ボルトの雄螺子に螺入させていって中空ボルトのテーパー面にウインドのテーパー面を押し付ける構造で、かつ、螺入した係止リングの他端面を中空ボルトの段付きに当接させてその当接した位置が軸芯になるように両部品に亘ってタップを立てて固定ボルトを螺入する構造である。このため、中空ボルトのテーパー面にウインドのテーパー面を押し付けるより前のタイミングで係止リングの他端面が中空ボルトの段付きに当接すると、中空ボルトのテーパー面とウインドのテーパー面との間に隙間が生ずるので、これを防ぐためにウインドのテーパー面寸法精度、中空ボルトのテーパー面及び段付きの位置寸法精度、並びに係止リングの他端面及び環状フランジのウインド当接面の位置寸法精度の誤差を極めて極小にした加工をしなければならず、そのような加工自体の難しさ及び加工コストの増大化という問題があった。
特許文献1の発明は、赤外線温度計を使用しているが2波長により温度測定するとの記載が見当たらないので、被測温対象物の放射率を正確に把握して調整しなければ正確な温度を把握できないという問題があった。また、特許文献1の図5に示すように環状フランジの孔が光ファイバー束の外径より小さい。一般的に光ファイバーの集光角度は測定距離が長くなるほど測定径が大きくなるように製作されていることから、測定径の範囲に、ウインドに接する中空ボルトの側面及び環状フランジも入るという視野欠けの状態となり、集光部である光ファイバー束はウインドに接する中空ボルトの側面からの赤外線、環状フランジからの赤外線及び被測温対象物からの赤外線をとらえて温度測定することとなり、被測温対象物の正確な温度測定ができないという問題があった。
また、切頭円錐形状のウインドを交換する場合に、前記ウインドを押さえつけている係止リングを回して外さなければならないが、圧力容器の壁部に嵌設した状態ではできないので、圧力容器から赤外線温度測定器を外して、その後に係止リングを回して外し、そしてウインドを交換し再び係止リングを螺入させてから赤外線温度測定器を圧力容器の壁部に嵌設しなければならないという煩わしさがあるという問題があった。
特許文献2の発明は、樹脂の成形時の温度測定に関する発明であるが、特許文献2の段落[0032]に「成形時に樹脂と接するエジェクタピンの先端面は中空軸部と管状スペーサと光ファイバーの端面で構成され」との記載があり、特許文献2の発明をダイカスト法に使用すると金型内部で溶湯金属が凝固していくため、光ファイバーの先端面が、溶湯金属が凝固した時に埋め込まれ、鋳造製品取出し等のときに光ファイバーの先端面が破損するという問題があった。破損するので連続使用ができないという問題があった。
特許文献3の発明は、貫通孔に嵌入された、透明石英からなる棒状の温度検知器は、溶湯に接する側の面が垂直面であり、その垂直面が周縁も含めて全面が溶湯に接する構造になっているので、溶湯が凝固する過程で収縮するときの影響により前記垂直面の周縁から前記透明石英からなる温度検知器にひび割れなどの破損が生ずるという問題があった。破損するので連続使用ができないという問題があった。
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、測温接点の破損を生じさせず連続使用ができ、視野欠けを生じさせず、被測温体の温度変化をレスポンスよく連続的に測定ができ、放射線を透過させる光透過体を容易に交換できる測温センサピン及びそれを備える測温センサを提供することを課題とする。
本発明において、内方向又は外方向とは、空洞を形成する壁部の厚み方向の中央部からみた内外方向を意味し、例えば内方向とは金型のキャビティや湯道等の空洞を形成する壁部の厚み方向の中央部からみて内壁面側方向を意味し、外方向とは前記壁部の厚み方向の中央部からみて外壁面側方向を意味する。
請求項1に記載の測温センサピンは、溶解された被測温体を流動又は充填可能な空洞の壁部に穿設された貫通孔に嵌設する測温センサピンであって、前記測温センサピンは、筒状の一方の先端縁から径方向内側に延在する環状フランジを有する環状フランジ付き円筒体と、前記環状フランジの前記壁部の外方向側のフランジ面に面接触状態で押し当てられて前記環状フランジの穴部と凹部を形成し、かつ前記環状フランジ付き円筒体の筒状の部位の内径未満の外形幅を有し光を透過可能な柱形状の光透過体と、前記光透過体の前記外方向側の面を前記環状フランジ方向に向けて押し付ける押え体と、を備え、前記押え体の軸心部に長尺状の光ファイバーが挿入され、前記光ファイバーの先端部を前記光透過体の前記外方向側の面に当接させ、前記環状フランジの内径を、前記押え体の軸心部に挿入された長尺状の光ファイバーの予め設定された集光角度を基にした光路内に、前記光透過体及び前記被測温体のみが存する大きさにすることを特徴とする。
請求項2に記載の測温センサピンは、請求項1において、前記光透過体の前記壁部の内方向側及び外方向側の両端面が平行な平面を有することを特徴とする。
請求項3に記載の測温センサピンは、請求項において、前記押え体の前記内方向側の外周面に螺刻した雄螺子と前記環状フランジ付き円筒体の内周面に螺刻した雌螺子とを螺合させて、前記押え体を螺入させることにより、前記光透過体を前記環状フランジの前記外方向側のフランジ面に押し当てることを特徴とする。
請求項4に記載の測温センサピンは、請求項2又は3において、前記測温センサピンは、先端側を前記内方向に向け他端側を前記外方向に向けて、キャビティを形成する金型の壁部に、湯道を形成する管の壁部に、又は、押出手段を有する湯溜りを形成するスリーブの壁部に穿設された貫通孔部に嵌設可能で、先端部を前記内方向に向けた前記環状フランジ付き円筒体と、柱形状の前記光透過体と、軸心部に長尺状の光ファイバーを挿入可能なかつ前記光ファイバーの外径と略同じ大きさの内径の貫通孔を有し、前記環状フランジ付き円筒体の内径と略同じ外径を有する略円柱状の押え体と、を備え、前記環状フランジの前記内方向側の先端面が前記壁部の内壁面に面一となるように嵌設可能で、前記光ファイバーの先端部を前記光透過体の前記外方向側の面に当接可能であることを特徴とする。
請求項5に記載の測温センサピンは、前記環状フランジの内径を式(1)で求めることを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載の測温センサピン。
d≧2(L+T)tan(θ/2)+D・・・・(1)
環状フランジの内径:d
環状フランジの厚み:L
光透過体の厚み:T
導光体の集光角度:θ
導光体の外径:D
請求項6に記載の測温センサピンは、請求項2~5のいずれかにおいて、前記環状フランジ付き円筒体の前記内方向側の先端面に、前記環状フランジ付き円筒体の螺入出用工具の突起嵌入用の孔を少なくとも2か所以上設けることを特徴とする。
請求項7に記載の測温センサは、請求項1~のいずれかに記載の前記測温センサピンを備えていることを特徴とする。
請求項1~4に記載の測温センサピンは、例えば溶湯等の高温で溶解された後に冷却により凝固する被測温体とは非接触であるので前記測温センサピンの先端部の測温接点の破損を生じさせず、環状フランジ付き円筒体と光透過体とをしっかりと面接触状態で密着させているので、溶湯等の高温の溶解した被測温体が光透過体の周縁に接する状況にはならないことから前記光透過体に被測温体の凝固過程における収縮によるひび割れを生じさせない。これにより、前記測温センサピンで温度変化をレスポンスよく連続的に測定させることができ、連続使用させることができる。
前記光透過体の、溶湯等の溶解した被測温体と接する面は、測温センサピンの先端面より前記環状フランジの厚み分だけ前記外方向側に窪ませているので、わずかに窪ませた凹部に流入してきた溶湯等の溶解した被測温体の流動は沈静化しているので、測温の確実性を高めることができる。
また、前記光透過体を接着剤で固定することなく、螺入による押し付けのみによる固定であるので、前記光透過体を交換するときに容易に煩わしさがなく交換することができる。
請求項2に記載の測温センサは、前記光透過体の前記壁部の内方向側及び外方向側の両端面を平行な平面にしているので、溶湯等の高温の溶解した被測温体が冷却により収縮するときに前記光透過体の表面に収縮力なる圧力を加えることはないので、前記光透過体の表面に収縮によるひび割れを生じさせない。これにより、前記測温センサピンを、温度変化をレスポンスよく連続的に測定させることができ、連続使用させることができる。
請求項1又は5に記載の測温センサピンは、光ファイバーで定められた集光角度に基づく光路内に被測温体以外の赤外線は集光されないし、かつ前記光路内には遮蔽物もないので視野欠けがなく、被測温体の正確な温度測定がリアルタイムでできるという効果を奏する。
請求項に記載の測温センサピンは、測温センサピンを例えば金型の壁面に穿設した貫通孔に嵌設した状態で、前記環状フランジ付き円筒体を例えば金型のキャビティ側に外すことができるので、極めて容易に光透過体を交換することができる。
請求項に記載の測温センサは、請求項1~6のいずれかに記載された発明と同じ効果を奏する。
本発明の測温センサをダイカスト金型に組み込んだ状態における測温センサの軸心における平面視断面説明図である。 本発明の測温センサの軸心における平面視断面説明図である。 導光体を挿入していない状態でキャップネジ式の測温センサピンの軸心における側面視断面説明図である。 導光体を挿入している状態でキャップネジ式の測温センサピンの説明図で、(a)は軸心における側面視断面説明図で、(b)は軸心における平面視断面説明図である。 図4(b)のB部の拡大図である。 測温センサピンのA矢視の説明図で、(a)は環状フランジ付き円筒体の環状フランジの内方向側の面にネジ回し工具用孔を設けた形態の説明図で、(b)は環状フランジ付き円筒体の環状フランジの内方向側の面にネジ回し工具用孔を設けない形態の説明図である。 導光体を挿入していない状態で内部ネジ式の測温センサピンの軸心における側面視断面説明図である。 導光体を挿入している状態で内部ネジ式の測温センサピンの説明図で、(a)は軸心における平面視断面説明図で、(b)は軸心における側面視断面説明図である。 図8(b)のC部の拡大図である。 測温センサピンの先端部の軸心における断面説明図である。 図10の測温センサピンの先端部の軸心における断面で、斜線を消去して前記先端部の寸法構成を説明する説明図である。 図10の測温センサピンの先端部の寸法関係の説明図である。 熱電対によるダイキャスト金型内部温度測定結果を示す図で、(a)は1回目の温度測定結果の説明図で、(b)は2回目の温度測定結果の説明図で、(c)は3回目の温度測定結果の説明図である。 浸漬型光ファイバー温度計によるダイキャスト金型内部温度測定結果を示す図で、(a)は1回目の温度測定結果の説明図で、(b)は2回目の温度測定結果の説明図で、(c)は3回目の温度測定結果の説明図である。 本発明の測温センサによるダイキャスト金型内部温度測定結果を示す図で、(a)は1回目の温度測定結果の説明図で、(b)は2回目の温度測定結果の説明図で、(c)は3回目の温度測定結果の説明図である。 本発明の測温センサによるダイキャスト金型内部温度測定結果を示す図で、(a)は98回目の温度測定結果の説明図で、(b)は99回目の温度測定結果の説明図で、(c)は100回目の温度測定結果の説明図である。 光透過体の形状及び固定方法の説明図で、(a)は光透過体の比較例で、端面が平面状の光透過体を接着剤で固定した説明図で、(b)は光透過体の比較例で、集光角度を小さくするための光透過体を凸形状にし環状フランジ及び押付手段で固定した説明図で、(c)は本発明に使用する光透過体で、端面が平面状の光透過体を環状フランジ及び押付手段で固定した説明図である。 本発明の測温センサを、金型のキャビティの壁部に、及び、押出手段を有する湯溜りを形成する筒状部の壁部に穿設した貫通孔に嵌入した形態の説明図である。
本発明の測温センサピン1及びそれを備える測温センサ2は、図1又は図18に示すように、被測温体70の温度を非接触で高温から低温まで測定可能な赤外線放射温度計であり、例えばダイカスト金型、鋳造金型、プラスチック金型等のキャビティや湯溜り等の空洞33内に流動又は充填される被測温体70に対して、高温時から凝固するまでの凝固過程における温度変化をレスポンスよく連続的に測定ができる。
本発明の実施例1を図2、図7~図9に示し、実施例2を図3~図6に示し、実施例1と実施例2に共通する構成部分を図1、図6(b)、図10~図12、図18に示している。
本発明の測温センサ2は、図2に示すように、赤外線なる光を集光する測温センサピン1、集光した赤外線なる光を電気信号に変換し、変換された電気信号を温度の単位で表示する計測本体部3を備えている。そして、例えば固定金型31と可動金型32を備えるダイカスト金型30に設置する場合は、図1又は図18に示すように、固定金型31の壁部に測温センサピン1を嵌設し、湯溜り33bに貯留された被測温体70である溶湯金属が、例えばピストン71で高圧で押し出されて湯道33cを流動してキャビティ33aの空洞33内に流入し充満し凝固する過程の温度を出力する。
また、前記測温センサピン1は可動金型32に嵌設することもできるが、ダイカスト金型30の場合、可動金型32の開閉、射出シリンダーの移動などにより、衝撃や振動が発生するので、これらの衝撃や振動が測温センサピン1に伝わることで生じる測定への影響を抑制するために、測温センサピン1は固定金型31に設置するのが好ましい。
また、前記測温センサピン1は、例えばダイカスト金型30に設置する場合は、図18に示すように固定金型31の壁部、湯道33cを形成する管の壁部、及び/又は、押出手段を有する湯溜り33bを形成する筒状部(スリーブ72)の壁部に穿設した貫通孔に嵌設する形態もある。
本発明の測温センサピン1は、図1~図3、図10、図11に示すように、溶解された被測温体70を流動又は充填可能な空洞33の壁部に穿設された貫通孔に嵌設する測温センサピン1であって、前記測温センサピン1は、筒状の一方の先端縁から径方向内側に延在する環状フランジ4aを有する環状フランジ付き円筒体4と、前記環状フランジ4aの前記壁部の外方向側のフランジ面に面接触状態で押し当てられて前記環状フランジ4aの穴部と凹部10を形成し、かつ前記環状フランジ付き円筒体4の筒状の部位の内径未満の外形幅を有し光を透過可能な柱形状の光透過体5と、前記光透過体5の前記外方向側の面を前記環状フランジ4a方向に向けて押し付ける押え体6と、光ファイバーである導光体7を備える。
前記被測温体70としては、ダイカスト用金型の場合は例えばアルミ合金や亜鉛合金が該当し、プラスチック用金型の場合は例えばポリエチレン等の熱可塑性樹脂やフェノール等の熱硬化性樹脂が該当し、鋳造用金型の場合は例えばアルミ合金が該当する。
前記空洞33としては、図1又は図18に示すように、キャビティ33a、湯溜り33b、湯道33c等が該当し、被測温体70の溶湯が流動又は充填される部位をいう。
前記壁部としては、空洞33がキャビティ33aの場合は金型の固定型31又は可動型32、空洞33が湯道33cの場合は管を形成する周壁(固定金型31又は可動金型32の場合もある。)、または、空洞33が湯溜り33bの場合は金型の押出手段を有する湯溜り33bを形成する筒状部であるスリーブ72の周壁が該当する。
よって、測温センサピン1は、図1や図18に示すように、例えば金型の固定型31に穿設された貫通孔に、湯道33cの管を形成する周壁(固定型31)に穿設された貫通孔に、または、スリーブ72の周壁に穿設された貫通孔に嵌設される。
前記環状フランジ付き円筒体4は、図5、図6、図9又は図10に示すように、円筒状の一方の先端縁から径方向内側に延在する環状フランジ4aを有する略円筒状の形態をしている。前記測温センサピン1をキャビティ33a、湯溜り33b又は湯道33cの空洞33の壁部に設置するときは、前記環状フランジ4aの空洞33側である内方向側の先端面4bが、図1又は図18に示すように例えば固定金型31の内壁面35と同一面、すなわち空洞33であるキャビティ33a、湯溜り33b又は湯道33cを形成する内壁面と同一面になるように嵌設する。
前記環状フランジ付き円筒体4の前記環状フランジ4aのフランジ部の形態は、図6(a)及び(b)に示すように空洞33側からのA矢視で円状の中央部に貫通孔を設け、前記貫通孔を通して光透過体5が見える形態である。前記貫通孔と光透過体5で凹部10が形成される。また、図6(a)に示すように、前記環状フランジ付き円筒体4の前記内方向側の先端面に、前記環状フランジ付き円筒体4の螺入出用工具の突起嵌入用の孔11を少なくとも2か所以上設け、この場合は専用工具の突起を前記孔11に嵌入させて前記環状フランジ付き円筒体4を回転させることにより容易に螺入出ができる。よって、前記壁部に前記測温センサピン1を嵌設した状態で前記環状フランジ付き円筒体4を螺入出でき前記光透過体5を容易に取り換えることができる。
また、前記環状フランジ付き円筒体4の内周面には雌螺子4dが螺刻されている。前記雌螺子4dは押え体6の雄螺子6aと螺合される。
前記光透過体5は、図5、図9又は図10に示すように、前記環状フランジ4aの前記壁部の外方向側のフランジ面に面接触状態で押し当てられて前記環状フランジ4aの穴部と凹部10を形成し、かつ前記環状フランジ付き円筒体4A、4Bの筒状の部位の内径未満の外形幅を有し光を透過可能な柱形状である。前記柱形状の形態としては、前記内方向と前記外方向とを結ぶ方向の断面形状が四角形の円柱体又は角柱体、あるいは前記内方向と前記外方向とを結ぶ方向の断面形状が台形状の切頭円錐体又は四角錐体などがある。
また、前記光透過体5の前記壁部の内方向側の端面及び外方向側の端面の両端面が平行な平面を有している。
前記光透過体5の材質は、数十回程度の金型使用での温度測定では石英ガラスでもよいが、1日当たり数百回の金型使用の場合は耐熱性が石英ガラスより優れたサファイヤガラスや窒化性珪素透明セラミックス等が好ましい。
前記凹部10は、前記空洞33を形成する壁部の内壁面35と同一面とする前記環状フランジ4aの内方向側の先端面4bより、わずかに窪ませている部分であり、前記環状フランジ4aの穴の周壁と前記光透過体5の表面とで形成されている。この凹部10に被測温体70の溶湯金属をわずかに貯めて逃がさないことにより、高速で乱流しながら通過する溶湯の温度測定精度を安定化させることができる。
前記押え体6は、前記光透過体5の前記外方向側の面を前記環状フランジ4a方向に向けて押し付ける。そして、軸心部に長尺状の導光体7を挿入可能なかつ前記導光体7の外径と略同じ大きさの内径の貫通孔12を有し、前記環状フランジ付き円筒体4の内径と略同じ外径を有する略円柱状の形状をしており、前記内方向側の外周面に雄螺子6aが螺刻されている。前記雄螺子6aは前記環状フランジ付き円筒体4の内周面に螺刻された雌螺子4dと螺合される。そして、挿入させた前記導光体7の先端部を前記光透過体5の前記外方向側の面に当接可能としている。
そして、前記押え体6の外周面に螺刻した雄螺子6aと前記環状フランジ付き円筒体4の内周面に螺刻した雌螺子4dとを螺合させて、前記押え体6を螺入させることにより、前記光透過体5を前記環状フランジ4aの前記外方向側のフランジ面に押し当てる。これにより、前記光透過体5を前記環状フランジ4aと前記押え体6とで挟んで固定化させることができ、前記測温センサピン1の主要な構成要素である前記環状フランジ付き円筒体4、前記光透過体5及び前記押え体6を一体化することができる。
ここで、光透過体5の形状及び固定化方法について比較する。比較例1として図17(a)に示すように円柱状の光透過体5Aを接着剤50で円筒体51の凹部に嵌入させた場合、比較例2として図17(b)に示すように凸レンズの光透過体5Bを環状フランジ付き円筒体52に押え体61で押し付けた場合、本発明として図17(c)に示すように円柱状の光透過体5Cを環状フランジ付き円筒体53に押え体62で押し付けた場合について使用して比較し表1にまとめた。
Figure 0007138868000001
表1から、100ショット以上の連続使用ができるのは本発明のみであった。よって、100ショット以上の連続使用を可能とするには、光透明体5は、前記内方向の端面及び前記外方向の端面がともに平面であり両端面が平行であることが必要で、かつ、円柱状の光透過体5Cを環状フランジ付き円筒体53に面接触状態で押し当てることが必要である。
また、前記環状フランジ4aに前記光透過体5を前記押え体6の螺入によって螺子の締付力で固定化することができたので、耐熱の接着剤を使用する必要がなくなり、前記光透過体5と前記環状フランジ付き円筒体4との間への溶湯金属の差し込みを防止できた。そして、図5又は図9に示すように、前記光透過体5の周縁部5aを前記環状フランジ4aで覆うことができるので、被測温体70の溶湯金属による層間剥離を防止できた。
また、前記導光体7を図3や図7に示すように前記貫通孔12に挿入し、図4や図8に示すように前記導光体7の先端部を前記光透過体5の前記外方向側の面に当接させる。前記導光体7が光ファイバーの場合には予め集光角度が決められているので、前記環状フランジ4aの内径を、前記押え体5の軸心部に挿入された長尺状の導光体7の予め設定された集光角度を基にした光路内に、前記光透過体5及び前記被測温体70のみが存する大きさにする。
また、前記測温センサピン1は、先端側を前記内方向に向け他端側を前記外方向に向けて、キャビティ33aを形成する金型の壁部に、湯道33cを形成する管の壁部に、又は、押出手段を有する湯溜り33bを形成するスリーブ72の壁部に穿設された貫通孔部に嵌設可能で、先端部4bを前記内方向に向けた前記環状フランジ付き円筒体4と、柱形状の前記光透過体5と、軸心部に長尺状の導光体7を挿入可能なかつ前記導光体7の外径と略同じ大きさの内径の貫通孔を有し、前記環状フランジ付き円筒体4の内径と略同じ外径を有する略円柱状の押え体6と、を備え、前記環状フランジ4aの前記内方向側の先端面4bが前記壁部の内壁面に面一となるように嵌設可能で、前記導光体7の先端部を前記光透過体5の前記外方向側の面に当接可能である。
前記測温センサピン1は、非接触で種々の被測温体70の温度を測定可能であるが、特に高温の溶湯の空洞33内を流動時の、又は冷却が始まって凝固過程に入って空洞33内に充填状態の被測温体70の温度変化をレスポンスよく連続的に測定可能にすることができる。
前記測温センサピン1は、図1に示すように、先端側を例えばダイカスト金型30の固定金型31の空洞33側となる内方向に向け、他端側を前記外方向に向けて、前記壁部に穿設した貫通穴部に嵌設する。前記嵌設形態は、例えば前記貫通穴部に螺刻した雌螺子に、前記測温センサピン1の外周面に螺刻した雄螺子を螺入して嵌設する形態(図示なし)、又は、図1又は図18に示すように前記貫通穴部に形成した段付部と前記測温センサピン1の外周面に形成した段付部13a、13b、13cと同士を当接させるまで嵌入する形態があるが、前記壁部に前記測温センサピン1が嵌設可能な形態であればいずれでもよい。
測温センサ2は前記測温センサピン1と前記計測本体部3を備えている。そして、図1又は図2に示すように、前記測温センサピン1と、集光した赤外線なる光を電気信号に変換し、変換された電気信号を温度の単位で表示する計測本体部3とは、前記導光体7である光ファイバーによりつながっている。
次に、測温センサピン1の実施例1を説明する。実施例1は図7~図9に示す。実施例1の測温センサピン1は、環状フランジ付き円筒体4B、光透過体5、押え体6B、導光体7、押え板41、固定ネジ(図示なし)を備える。前記押え板41には固定ネジ螺入用雌ネジ42bが螺刻してある。
まず、光透過体5を環状フランジ付き円筒体4B内に挿入し、さらに押え体6Bを螺入させて締結することにより、光透過体5を環状フランジ付き円筒体4Bの環状フランジ4aに対して押し付け固定する。その後、導光体7である光ファイバーを押え体6Bの軸心に設けた貫通孔12に挿入し光透過体5に当接させる。この状態で、光ファイバーを環状フランジ付き円筒体4Bに固定するため、押え板41の2枚で光ファイバーを挟む形で環状フランジ付き円筒体4B内に挿入し、押え板41を固定ネジ計4本で環状フランジ付き円筒体4Bに固定する。
図8(a)、(b)に示す測温センサピン1を、図1に示すように先端面4bが金型などの内壁面35に一致するように設置する。そして、金型内等の空洞33内に注入された被測温体70の溶湯金属からの赤外線を光透過体5から導光体7の光ファイバーに導き、計測本体部3で温度に変換する。
次に、測温センサピン1の実施例2を説明する。実施例2は図3~図5に示す。実施例2の測温センサピン1は、環状フランジ付き円筒体4A、光透過体5、押え体6A、導光体7、固定ネジ(図示なし)を備える。前記押え体6Aには固定ネジ螺入用雌ネジ42aが螺刻してある。
環状フランジ付き円筒体4Aは外方向側の内周面に雌螺子4dを螺刻しており、キャップ型の形態をしている。環状フランジ付き円筒体4Aの環状フランジ4aの内方向側の面には専用工具の突起を嵌入可能な穴11が2つ以上設けてある。この穴11に専用工具の突起を嵌入し回転させるとキャップ型の環状フランジ付き円筒体4Aは容易に押え体6Aから分離させることができるので、容易に光透過体5を交換することができる。金型を製造ラインから一旦降して移動させることなく製造ラインに設置した状態で交換できるので、大幅な交換時間短縮ができ、段取り時間というロス時間の削減を実現できる。
押え体6Aは、内方向側の端面を光透過体5に当接させ、外方向側の端面を壁部の外面と略同じ位置までの長さを有し、軸心部に導光体7の外径と略同じ長さの内径の貫通孔12を形成し、内方向側の環状フランジ付き円筒体4Aと螺合する範囲には雄螺子6aが螺刻されている。そして、押え体6Aの外方向側の外周面には段付部13aを形成し内方向側の外周寸法より大きい外周寸法の段付き状の拡張部分を形成している。この段付き部分で壁部にも段付き穴(図示なし)を形成させて、段付部の面同士を当接させて、前記壁部の内壁面35と前記環状フランジ付き円筒体4Aの先端面4bを同一面となるように設計する。また、前記段付き状の拡張部分には、2つの固定ネジ螺入用雌ネジ42aが螺刻してあり、この固定ネジ螺入用雌ネジ42aに固定ネジを螺入して導光体7を固定させる。なお、押え体6Aの長さは、内方向側の端面を光透過体5に当接させた状態で、外方向側の端面を壁部の外面と略同じ位置までの長さに限定しなくてもよい。
組立方法は、まず、光透過体5を環状フランジ付き円筒体4A内に挿入し、さらに押え体6Aを螺入させて締結することにより、光透過体5を環状フランジ付き円筒体4Aの環状フランジ4aに対して押し付け固定する。その後、導光体7である光ファイバーを押え体6Aの軸心に設けた貫通孔12に挿入し光透過体5に当接させる。この状態で、導光体7の光ファイバーを押え体6Aに固定するため、固定ネジ螺入用雌ネジ42aに固定ネジを螺入して導光体7を固定させる。
次に、測温センサ2は、前記測温センサピン1を備えて、前記導光体7を光ファイバーとしかつ計測本体部3によって予め定めた2つの赤外線の波長から被測温体の温度を測定することができる2色対比温度計であることが好ましい。前記2色対比温度計を使用して補正が不要であることを確認した。これにより、単色温度計の場合は被測温体の放射率による修正を実施しなければならない煩わしさを解消し、正確な温度を得ることができる。
次に、正確な溶湯温度を測定するためには、成形を繰り返すことにより温度上昇した測温センサピン1の先端の環状フランジ付き円筒体4の温度を検知させないことが必要である。環状フランジ付き円筒体4の温度を検知させないための方法について説明する。
まず、測温センサピン1の環状フランジ付き円筒体4、光透過体5、押し体6の寸法構成を説明する説明図として、図10に示す図を用いるが断面を示す斜線のためわかりにくいので、図10における斜線を消去した図11で説明する。図11において、環状フランジの内径:d、環状フランジの厚み:L、光透過体の厚み:T、導光体の集光角度:θ、導光体の外径:Dとすると、下記式(1)が成り立つ。下記式(1)で視野欠けしない環状フランジ4aの孔径の寸法を得ることができる。
d≧2(L+T)tan(θ/2)+D・・・・(1)
次に、光ファイバー直径0.4mm、集光角度45°の場合、環状フランジの内径:d、環状フランジの厚み:L、光透過体の厚み:Tを変えて、測温精度を確認した。その結果を表2に示す。
Figure 0007138868000002
表2から、実験番号イは視野欠けなく、環状フランジ4aと光透過体5のガラス窓の破損は見られず、温度精度は良好であり、実験番号ロは環状フランジ内径dが小さいため環状フランジ4aの温度も測定したので正確な温度測定は無理であり、実験番号ハは視野欠けはないが環状フランジ4aの強度不足により溶湯金属が環状フランジ付き円筒体4と光透過体5の間に差し込むというトラブルが発生し、実験番号ニは視野欠けはないが光透過体5のガラスが薄いため耐久性が低いという問題があり、実験番号ホは視野欠けがなく温度精度及び耐久性とも良好であり、実験番号ヘは凹部10の鋳抜けが悪く、湯だまりとなって測定温度が不正確になるという問題があり、実験番号トは視野欠けがなく、温度精度及び耐久性ともに良好であり、実験番号チは環状フランジ内径dが大きく被測温体70の鋳物の冷却速度が遅く測定されるという問題があった。
表2の結果から、式(1)で得られる視野欠けしない要件以外にも、環状フランジ4aや光透過体5の耐久強度、被測温体70の溶湯金属との接触面積の大きさも測温精度に影響することから、前記実験番号ホを参考にして最大値を設定し、前記実験番号トを参考にして最小値を設定し、図12に示すように、測温センサピン1の構成要素の寸法の範囲を設定した。
例えば、導光体7の光ファイバー直径0.4mm、集光角度45°の場合、環状フランジ4aの厚さは領域N1の1.0mm以下では強度不足で領域N2の5mm以上では鋳抜けが悪い。光透過体5のガラスの厚みは領域N3の3mm以下ではガラスの強度不足で領域N4の10mm以上では式(1)で環状フランジ内径dが10mm以上になる範囲となり光透過体5のガラスとの接触面積が大きくなり鋳物の冷却が遅くなる。また、式(1)で光透過体5のガラス厚みTと環状フランジ4aの厚みLを参入して孔径dが10mm以上になる範囲を外す。
その結果から、図12に示すように、式(1)の制約と、ダイキャスト金型30の空洞33への充填性等を考え、実用上の測温センサピン1の各寸法を、導光体7の光ファイバー直径0.4mm、集光角度45°の場合、望ましい領域Mは、環状フランジ4aの内径dは4mm超~10mm未満、環状フランジ4aの厚みLは1mm超~5mm未満、光透過体5の厚みTは3mm超~10mm未満と設定した。なお、光ファイバー直径及び集光角度により望ましい領域Mは変わるので、種々の組み合わせでそれぞれ設定する。
次に、保持炉にて680℃に溶解したアルミニウム合金の溶湯をセラミック製のラドル75で掬い、スリーブ72に出湯後、約80MPaで押し出し、0.3mm/sから3.0mm/sの速度でダイカスト金型30内で成形し、そのときの凝固過程の温度を測定した。温度測定計として、熱電対の場合を図13に示し、浸漬型の光ファイバーの場合を図14に示し、本発明の測温センサピン1を装着した測温センサ2の場合を図15と図16に示す。
まず、熱電対を用いたダイカスト金型30のキャビティ33a内の温度測定結果である。熱電対の測温接点をダイカスト金型30内に設置した場合、図13(a)に示す1回目の測定では凝固曲線P1に示すように測温接点における溶湯金属の接触を感知している。約1秒後に溶湯が流入されて急こう配の傾斜で温度が400℃まで上昇し山なりの緩いカーブを描いて約1.8秒後から温度が徐々に低下し5秒後には約280℃を示しているのがわかる。しかし、熱電対の応答速度が遅いため、例えば図16に示すように同じ溶湯の場合に最高温度を約620℃まで検知したのにかかわらず、最高温度を400℃までしか検知できていない。さらに、1回目の成形で熱電対の測温接点が破損したため、2回目を示す図13(b)の凝固曲線P2及び3回目を示す図13(c)の凝固曲線P3に示すように、2回目以降は温度を検知できていない。
次に、温度測定範囲が300℃~800℃の浸漬型の光ファイバーを用いたダイカスト金型30内の温度測定結果である。浸漬型の光ファイバーの測温接点をダイカスト金型30内に設置した場合、光ファイバーの測温接点が直接に溶湯に接して、図14(a)に示す1回目の測定では凝固曲線P4に示すように約1秒後に略垂直に一気に530℃付近まで温度が上昇していることが確認でき、かつレスポンスよく測定ができている。この略垂直の立ち上がりは赤外線放射温度計の光ファイバーが熱電対よりレスポンスが優れていることを示している。最高温度に達してからすぐに温度が徐々に低下して5秒後には約300℃まで低下したのがわかる。しかし、1回目の成形で測温接点を破損したため、図14(b)に示す2回目以降は凝固曲線P5に示すように正しい測定ができておらず、図14(c)に示す3回目の成形では凝固曲線P6に示すように全く溶湯金属を検知していない。
次に、温度測定範囲が300℃~1000℃の本発明の測温センサピン1を装着した測温センサ2を用いたダイカスト金型30内の温度測定結果である。この温度測定は、図7~図9に示す測温センサ2で実施した。本発明の測温センサピン1を装着した測温センサ2による温度測定では、図15(a)に示す1回目の凝固曲線P7をみると約1秒後に垂直的に一気に温度が急上昇し約630℃を測定し、すぐに緩やかな傾斜で温度が1.3秒後まで低下し、その後急な曲線を描いて温度が低下し、約3秒後に300℃まで低下したのがわかる。この垂直的に一気に温度が急上昇していることは赤外線放射温度計の光ファイバーが熱電対よりレスポンスが優れていることを示している。
そして、図15(b)に示す2回目の凝固曲線P8、図15(c)に示す3回目の凝固曲線P9、図16(a)に示す98回目の凝固曲線P10、図16(b)に示す99回目の凝固曲線P11及び図16(c)に示す100回目の凝固曲線P12は、図15(a)に示す1回目の凝固曲線P7といずれもほぼ同じ凝固曲線を示しており、各成形で安定して温度が測定できていることがわかる。なお、図示していないが、100回目以降も安定して温度測定が実施されたことも確認した。
1 測温センサピン
2 測温センサ
3 計測本体部
4 環状フランジ付き円筒体
4A 環状フランジ付き円筒体
4B 環状フランジ付き円筒体
4a 環状フランジ
4b 先端面
4d 雌螺子
5 光透過体
5a 周縁部
6 押え体
6A 押え体
6B 押え体
6a 雄螺子
7 導光体
10 凹部
11 孔
12 貫通孔
13 段付部
30 ダイカスト金型
31 固定金型
32 可動金型
33 空洞
33a キャビティ
33b 湯溜り
33c 湯道
35 内壁面
41 押え板
42 固定ネジ螺入用雌ネジ
50 接着剤
51 円筒体
52 環状フランジ付き円筒体
53 環状フランジ付き円筒体
61 押え体
62 押え体
70 被測温体
71 ピストン
72 スリーブ
75 ラドル
P 凝固曲線

Claims (7)

  1. 溶解された被測温体を流動又は充填可能な空洞の壁部に穿設された貫通孔に嵌設する測温センサピンであって、
    前記測温センサピンは、筒状の一方の先端縁から径方向内側に延在する環状フランジを有する環状フランジ付き円筒体と、
    前記環状フランジの前記壁部の外方向側のフランジ面に面接触状態で押し当てられて前記環状フランジの穴部と凹部を形成し、かつ前記環状フランジ付き円筒体の筒状の部位の内径未満の外形幅を有し光を透過可能な柱形状の光透過体と、
    前記光透過体の前記外方向側の面を前記環状フランジ方向に向けて押し付ける押え体と、を備え、
    前記押え体の軸心部に長尺状の光ファイバーが挿入され、前記光ファイバーの先端部を前記光透過体の前記外方向側の面に当接させ、
    前記環状フランジの内径を、前記押え体の軸心部に挿入された長尺状の光ファイバーの予め設定された集光角度を基にした光路内に、前記光透過体及び前記被測温体のみが存する大きさにする ことを特徴とする測温センサピン。
  2. 前記光透過体の前記壁部の内方向側及び外方向側の両端面が平行な平面を有することを特徴とする請求項1に記載の測温センサピン。
  3. 前記押え体の前記内方向側の外周面に螺刻した雄螺子と前記環状フランジ付き円筒体の内周面に螺刻した雌螺子とを螺合させて、前記押え体を螺入させることにより、前記光透過体を前記環状フランジの前記外方向側のフランジ面に押し当てることを特徴とする請求項に記載の測温センサピン。
  4. 前記測温センサピンは、先端側を前記内方向に向け他端側を前記外方向に向けて、キャビティを形成する金型の壁部に、湯道を形成する管の壁部に、又は、押出手段を有する湯溜りを形成するスリーブの壁部に穿設された貫通孔部に嵌設可能で、
    先端部を前記内方向に向けた前記環状フランジ付き円筒体と、柱形状の前記光透過体と、
    軸心部に長尺状の光ファイバーを挿入可能なかつ前記光ファイバーの外径と略同じ大きさの内径の貫通孔を有し、前記環状フランジ付き円筒体の内径と略同じ外径を有する略円柱状の押え体と、を備え、
    前記環状フランジの前記内方向側の先端面が前記壁部の内壁面に面一となるように嵌設可能で、前記光ファイバーの先端部を前記光透過体の前記外方向側の面に当接可能であることを特徴とする請求項2又は3に記載の測温センサピン。
  5. 前記環状フランジの内径を式(1)で求めることを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載の測温センサピン。
    d≧2(L+T)tan(θ/2)+D・・・・(1)
    環状フランジの内径:d
    環状フランジの厚み:L
    光透過体の厚み:T
    導光体の集光角度:θ
    導光体の外径:D
  6. 前記環状フランジ付き円筒体の前記内方向側の先端面に、前記環状フランジ付き円筒体の螺入出用工具の突起嵌入用の孔を少なくとも2か所以上設けることを特徴とする請求項2~5のいずれかに記載の測温センサピン。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の前記測温センサピンを備えていることを特徴とする測温センサ。
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