JP7138063B2 - 金属板接合構造、その方法及びそれによる熱交換器の製造方法 - Google Patents

金属板接合構造、その方法及びそれによる熱交換器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は金属板接合構造、その方法及びそれによる熱交換器の製造方法に関し、主に耐久性を向上させた金属板接合構造、その方法及びそれによる熱交換器の製造方法に関する。
従来、この種の構造物において、溶接材やロウ材(以下、単に「溶接材」という)を用いた溶接等(以下、単に「溶接」ともいう)による接合部、例えば、連続した直線状の溶接部(以下、「連続溶接部」ともいう)であれば、その幅方向に対し、接合部のロウ付け端部(以下、「接合端部」又は単に「端部」ともいう)のばらつきを減らすために、ロウ付け後、端部を整えるグラインダ処理を行う例が多い。また、接合端部の隙間に生じる錆等の腐食を防止する方法として、防食用塗料を塗布する例も多い。
特開平10-157829号公報
このような、グラインダ処理により端部のばらつきは抑えることができる一方で、グラインダ処理により傷を残す可能性があり、新たな接合不良の原因になり得る。また、グラインダ処理により生じた段差によって、端部は腐食につながる不純物が溜まり易い。
特許文献1ではこのような傷による不良や不純物による腐食を防止するために、端部を中心に防食用塗料を塗布する方法が用いられる。しかしながら、防食用塗料が塗布されている場合でも、腐食に関与する物質の濃度が高く、わずかな傷や塗装不良部から腐食が進展する。また、傷部分から液が入り、腐食により発生したガス成分の膨張によって、塗膜が剥離することもある。
さらに、溶接部分は細かい表面凹凸に形成されるケースが多く、塗装し難い部位である。そのため、金属が剥き出しで、隙間になり易い溶接部やロウ付け部の防食対策として、通常の塗装だけの方法では不十分であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、連続溶接部の幅に対するばらつきを低減し、良好な形状に仕上げるとともに、連続溶接部に対する防食機能を強化する金属板接合構造及びその方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、金属板の外形をなす一辺又は一面を、他の金属板の平面に対して連続的に一体化させる金属板接合構造であって、前記一辺又は一面に沿った連続溶接部の幅を規定するため該連続溶接部と並行に前記平面を刻設した側溝と、前記連続溶接部から露出部を無くすために密閉する樹脂被覆と、該樹脂被覆の表面を外部環境から防護するために形成された撥水コーティングと、を備え、前記樹脂被覆の裾部を前記側溝に嵌着させて剥離防止し、前記連続溶接部を前記樹脂被覆及び前記撥水コーティングにより二重に防護したものである。
このような金属板接合構造によれば、連続溶接部から露出部を無くすために密閉する樹脂被覆が、側溝に裾部を嵌着させて剥離防止されている。したがって、樹脂被覆の表面が露出することを抑制できる。さらに、その樹脂被覆の表面を外部環境から防護するために形成された撥水コーティングで二重に防護したので、連続溶接部を露出させるような隙間を無くして強く防護できる。その結果、連続溶接部の防食機能が強化される。
また、連続溶接部は、側溝により溶接材料が拡散防止され、連続溶接部の幅が均一に規定される。その結果、連続溶接部の幅に対するばらつきが低減され、良好な仕上がり形状が得られる。
また、その方法は、金属板の外形をなす一辺又は一面を、他の金属板の平面に対して連続的に一体化させる金属板接合方法であって、前記一辺又は一面に沿った連続溶接部の幅を規定するため該連続溶接部に並行な側溝を前記平面に刻設するステップと、溶接材料を前記側溝で規定された幅に溶着させて前記連続溶接部を形成するステップと、前記連続溶接部から露出部を無くすために樹脂被覆で密閉するとともに、該樹脂被覆の裾部を前記側溝に充填させて硬化させるステップと、該樹脂被覆の表面を外部環境から防護するための撥水コーティングを施すステップと、を有し、前記連続溶接部を前記樹脂被覆及び前記撥水コーティングにより二重に防護したものである。この金属板接合方法によれば、上記金属板接合構造と同等の作用効果が得られる。
本発明によれば、連続溶接部の幅に対するばらつきを低減し、良好な形状に仕上げるとともに、連続溶接部に対する防食機能を強化する金属板接合構造及びその方法を提供できる。
本発明の実施例1に係る金属板接合構造(以下、「本構造」ともいう)の断面図であり、要部の部分拡大図も添付している。 本発明の実施例2に係る金属板接合方法(以下、「本方法」ともいう)による形成プロセスの説明図である。 本発明の前提技術となる金属板接合構造(以下、「前提構造」ともいう)の説明図であり、図3(a)は断面図、図3(b)は平面図、をそれぞれ示している。 本発明の実施例2に係る金属板接合構造(これも「本構造」という)の説明図であり、図4(a)は断面図、図4(b)は平面図、をそれぞれ示している。 本発明の実施例3に係る金属板接合構造(これも「本構造」という)の要部拡大断面図である。 本発明の実施例4に係る金属板接合構造(これも「本構造」という)の要部拡大断面図である。 本方法の手順を示すフローチャートであり、図7(a)は、図2で説明した実施例2の方法、図7(b)は、図1で説明した実施例1の方法、をそれぞれ示している。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、実施例を説明するための各図にわたって、同一の構成要素には同一の名称、符号を付して、説明の重複を避ける。なお、本構造及び本方法、及びそれらを適用した放熱器は、連続溶接部の幅に対するばらつきを低減し、良好な形状に仕上げるとともに、連続溶接部に対する防食機能を強化できて寿命を延ばせるようにしたものである。なお、腐食の原因は、連続溶接部の露出部や被覆等の隙間から浸入する水しぶきや洗剤等であり、これらに対する防護機能を高める機能について開示している。
図1は、本発明の実施例1に係る金属板接合構造(本構造)の断面図であり、要部を破線で丸く囲んで取り出した部分拡大図も添付している。図1に示す本構造1は、放熱装置(以下、符号を兼用して「本装置」ともいう)1に適用された一例を示したものである。本装置1により、放熱フィン(本発明でいう「金属板」)5と、母材(これも本発明でいう「金属板」)3との接合構造を特定できるように説明する。
本装置1は、不図示の発熱体を効率良く放熱して冷却するため、その発熱体に対し、熱抵抗を少なくするため直接に密着して取付ける母材3に、多数の放熱フィン5が植設されたものである。このように本装置1は、表面積を大きくして熱交換効率を高めるために、複数の金属部材を風通し良い形状に溶接して一体化した構造物である。
図1に示す本構造1は、溶接材を用いた溶接による接合部、例えば、連続した直線状の溶接部(連続溶接部)4において接合端部4’になる部位の母材3に側溝2を設けて、接合部4を樹脂(例えば、エポキシ樹脂)等により、塗布層6を形成し、塗布層は端部4’と側溝2に続いて形成され、側溝2に充填することができる。
樹脂被覆6は、連続溶接部4から露出部を無くすために、連続溶接部4の外側を密閉するものである。撥水コーティング7は、樹脂被覆6の表面に防水用として形成されている。そのような防護がなされていなければ、連続溶接部4は、経年劣化や風雪、雨水又は腐食性の有る洗浄液等による化学的作用、あるいは電食により徐々に劣化する。
この劣化を抑制して延命するために、樹脂被覆6により、連続溶接部4の外側を密閉して防護する。しかし、同様の原因により、樹脂被覆6も経年劣化し、ひび割れや変形するので、裾部から剥離する傾向がある。樹脂被覆6が剥離すれば、上述した化学的ストレスにより、連続溶接部4対する防護機能が喪失されていく。
そこで、連続溶接部4の表面を防護する樹脂被覆6は、側溝2に裾部を嵌着させて剥離防止されている。したがって、樹脂被覆6の表面が露出することを抑制できる。さらに、その表面を撥水コーティング7で二重に防護したので、連続溶接部4を露出させるような隙間を無くして強く防護できる。その結果、連続溶接部4の防食機能が強化される。
また、連続溶接部4は、側溝2により溶接材料の拡散が防止されるので幅4a,4bを規定される。その結果、連続溶接部4の幅4a,4bに対するばらつきが低減され、良好な仕上がり形状が得られる。
図2は、本発明の実施例2に係る金属板接合方法(本方法)による形成プロセスの説明図である。図2(a)に示すように、本構造1は、発熱体を効率良く放熱するために用いる、例えば、発熱体(図示せず)に取り付ける母材3と連続接合部4を形成する放熱フィン5で形成する本装置である。母材3と放熱フィン5を接合する位置を決めて、溶接時に溶接材が放熱フィン5の端部から拡散し溶接の端部4’になる部位を設定する。
設定した溶接端部から一定の幅と深さを持つ側溝2を形成する。図2(b)に示す側溝2に接合材拡散防止治具(以下、「溶接幅設定治具」又は単に「治具」ともいう)2’を設置し、溶接材を用いて溶接を実施して、連続接合部4を形成する。溶接後は図2(c)に示すとおり、接合材拡散防止治具2’を側溝2から取り外す。その後は、図2(d)に示すとおり、接合部4を樹脂被覆6により、塗布層6を形成し、塗布層は接合端部部位4’と側溝2に続いて形成され、母材側溝に充填する。さらに、樹脂による塗布層6を形成した後、水等の撥水機能持つコーティング層7を形成する。
なお、図2(a)~図2(e)は、図7を用いて後述するステップS1~S4に対応している。図2(a)はステップS1、図2(b)はステップS1a及びステップS2、図2(c)はステップS2a、図2(d)はステップS3、図2(e)はステップS4、にそれぞれ対応している。
ここで、本方法のステップS1~S4について簡略に示しておく。すなわち、本方法は、平面上に側溝を刻設し(S1)、溶接幅設定治具を嵌着し(S1a)、溶接材料を側溝で規定された幅に溶着させて連続溶接部を形成し(S2)、溶接幅設定治具を側溝から撤去し(S2a)、連続溶接部の外側を樹脂被覆で密閉し、その裾部を側溝に充填させて硬化させ(S3)、硬化後の樹脂被覆の表面に防水用の撥水コーティングを施す(S4)、といった手順で実行する。
本発明によれば、連続溶接部の幅に対するばらつきを低減し、良好な形状に仕上げるとともに、連続溶接部に対する防食機能を強化する金属板接合構造及びその方法を提供できる。より詳しくは、溶接部のばらつきによる接合不良を防止する構造及びその方法を提供できる。つまり、外気腐食環境で雨水や水滴あるいは水しぶき等に曝される場合であっても、部材どうし溶接部の腐食発生を防止する構造を提供できる。
[前提技術]
図3は、本発明の前提技術となる金属板接合構造(前提構造)の説明図であり、図3(a)は断面図、図3(b)は平面図、をそれぞれ示している。図3に示す前提構造は、金属板でなる放熱フィン5の外形をなす一辺又は一面を、他の金属板でなる母材3の平面に直交させ、連続溶接部を形成し、連続的に一体化させるように溶接されている。
図3の前提構造において、連続溶接部の幅4a,4bは、工業製品として、均一であることが望ましい。すなわち、工業製品に求められる、接合強度、耐久性、溶接材料の節約、及び見栄え等の観点から、連続溶接部4の幅4a,4bは、均一に直線状であることが理想である。
しかし、連続溶接部4の幅4a,4bについて、図3(b)のように平面視した場合、均一でなく、見栄えが悪いほどに、うねるようなばらつきがあれば、上述の工業製品に求められる要件を満足できない。ここでいう幅4a,4bについて、図3(a)のように断面視して、左側の幅4aの方が、右側の幅4bよりも、広く分厚く肉盛り溶接(overlay welding; built-up welding)されている。
なお、肉盛り溶接とは、基材表面に目的に応じた所要の組成の金属を溶接によって必要な寸法(幅や厚さ)に溶着することをいう。その目的は主に耐食性もしくは耐摩耗性等の性能向上、腐食や摩耗によって欠損した部分の補修のため等である。このよう観点から、広く分厚く肉盛り溶接された図3(a)における左側の幅4aの方が、狭く薄く肉盛り溶接された右側の幅4bよりも、接合強度、及び耐久性の点で有利である。
また、溶接材料の節約、及び見栄え等の観点から当然のことながら、左右の幅4a,4bは、均一に直線状であることが理想である。このような肉盛り溶接を、自動溶接でなく、特に、人の手作業で良好な品質に保持することは至難の業である。そこで、図1の本構造1のほか、図2を用いて上述した本方法が採用されることにより、人の手作業で良好な品質に保持することが可能となる。
このように、本構造1は、樹脂被覆6を接合部位に塗布し、母材側溝の部位まで続いて塗布・充填することにより、外気腐食環境で雨水や水滴あるいは水しぶき等に曝される場合であっても、部材どうし溶接部の腐食発生を防止できる。
また、本構造1は、樹脂被覆6を傷等により溶接材が剥き出しにならない厚みまで樹脂被覆6を厚く設けても、樹脂被覆6の裾部が側溝2に充填することにより、接合部位間の接着性能が向上でき、樹脂被覆6の剥離を抑制することができる。その結果、ロウ付けや溶接等の連続溶接部における幅のばらつきによる接合不良と外気腐食環境に曝される場合でも、接合部の隙間腐食の防止ができる。
図4は、本発明の実施例2に係る金属板接合構造(これも「本構造」という)の説明図であり、図4(a)は断面図、図4(b)は平面図、をそれぞれ示している。図4(b)で示すように、母材3に刻設された側溝2に、溶接幅設定治具2’が嵌着される。この治具2’は、側溝2に一部嵌着可能な細板又は角形棒状部材であり、嵌めたままで溶接されず、連続溶接部4が形成された後で容易に外せる。
説明を容易にするため、治具2’が細板であるとすれば、その幅方向の1/3位を側溝2に嵌着し、残る2/3位を略垂直に立設させる。このように、母材3の側溝2に、植設された治具2’は、これで溶融状態の溶接材が無制限に拡散することを側溝2の手前で阻止する。その結果、連続溶接部4の幅4a,4bは、均一かつ直線状に形成される。
つまり、側溝2に嵌着され、仮に植設された治具2’によって、連続溶接部4の幅4a,4bは、放熱フィン5の基部から拡散しようとする溶接材が、同じ位置で留まって溶着し、均一に同じ幅4a,4bで肉盛り溶接される。連続溶接部4が形成された後、治具2’は容易に外される。
また、前提装置の断面図である図3(a)と、本装置の断面図である図4(a)と、において、両者での連続溶接部4の幅4a,4bを比較する。これらの比較において、図4(a)の方が、図3(a)に比べ、連続溶接部4の幅4a,4bは、均等に形成できることが期待できる。また、連続溶接部4の幅4a,4bは均等に形成されることにより、想定する負荷における応力集中を防ぐことができる。その結果、連続溶接端部4の不良を低減することができる。さらに、側溝2は想定する負荷に対して、側溝2を設けない場合よりも母材3側の変形量を低減させる効果がある。これにより、応力低減効果も期待できる。
また、本発明の実施例2による効果は、図2(d)に示すとおり、樹脂被覆6により連続接合部4を塗布し、側溝2の部位まで続いて塗布・充填することにより、外気腐食環境で雨水や水滴あるいは水しぶき等に曝される場合であっても、部材どうし溶接部や連続溶接部4の腐食発生を防止できる。
また、樹脂被覆6を傷等により連続溶接が剥き出しにならない厚みまで樹脂被覆6を厚く設けても、樹脂被覆6の端部が側溝2に充填することにより、接合部位間の接着性能が向上でき、樹脂被覆6の剥離を抑制することができる。さらに、撥水機能を持つコーティング層7を形成することにより、腐食発生を防止できると期待できる。
図2及び図4の本方法では、樹脂被覆6の剥離防止のため、剥離する可能性の高い樹脂被覆6の裾部を側溝2に嵌着させて剥離防止している。これにより、連続溶接部4の外側に対する密閉効果は相当に上がる。さらに樹脂被覆6には、それ自体への延命策もあり、撥水コーティング7を施している。これにより、連続溶接部4は、樹脂被覆6及び撥水コーティング7により二重に防護されている。その結果、本方法によれば、連続溶接部4の延命効果を格段に高められる。
図5は、本発明の実施例3に係る金属板接合構造(これも「本構造」という)の要部拡大断面図である。図5に示すように、本構造は、不図示の発熱体から効率良く放熱して、その発熱体を冷却するために用いる本装置、例えば放熱フィン5を発熱体と取り付けるための母材3との接合部における構造である。
図5に示す溶接や連続溶接等の接合部4において接合端部4’になる部位の母材3に側溝2aを設けて、接合部4を樹脂被覆6により、塗布層6を形成し、塗布層は接合端部部位4’と側溝2aに続いて形成され、母材側溝に充填することができる構造を特徴とする。さらに、図5の側溝2aの幅は深さ方向の上部よりも、深さ方向の下部の方の溝幅を広く形成する。これにより、溝の幅が上部と下部で同じ場合よりもアンカー効果が得られ、接合部位間の接着性能の向上よる樹脂被覆6の剥離防止が期待できる。
図6は、本発明の実施例4に係る金属板接合構造(これも「本構造」という)の要部拡大断面図である。図6に示すように、本構造は、発熱体を効率良く放熱するために用いる本装置、例えば放熱フィン5を発熱体(図示せず)と取り付けるための母材3との接合部における構造である。
図6に示す連続溶接部4において接合端部4’になる部位の母材3に側溝2bを設けて、接合部4を樹脂被覆6により、塗布層6を形成し、塗布層は接合端部部位4’と側溝2bに続いて形成され、母材側溝に充填することができる構造を特徴とする。さらに、図6の母材側溝の幅は深さ方向の上部よりも、深さ方向の下部の方の溝幅を広く形成し、溝底に一段と深くV字断面の深溝8を形成する。これにより、溝の幅が上部と下部で同じ場合よりもアンカー効果が得られ、接合部位間の接着性能の向上よる樹脂被覆6の剥離防止が期待できる。
図7は本方法の手順を示すフローチャートであり、図7(a)は、図2で説明した実施例2の方法、図7(b)は、図1で説明した実施例1の方法、をそれぞれ示している。図7に示すように、本方法は、ステップS1~ステップS4の順に実行される。
特に、図7(a)に示す本方法は、平面上に側溝を刻設するステップS1と、溶接幅設定治具を嵌着するステップS1aと、溶接材料を側溝で規定された幅に溶着させて連続溶接部を形成するステップS2と、溶接幅設定治具を側溝から撤去するステップS2aと、連続溶接部の外側を樹脂被覆で密閉し、その裾部を側溝に充填させて硬化させるステップS3と、硬化後の樹脂被覆の表面に防水用の撥水コーティングを施すステップS4と、を有する。
図7(a)のステップS1~S4は、図2(a)~図2(e)に対応している。すなわち、ステップS1は図2(a)、ステップS1a及びステップS2は図2(b)、ステップS2aは図2(c)、ステップS3は図2(d)、ステップS4は図2(e)、にそれぞれ対応している。また、図7(b)に示すように、図1で説明した実施例1の本方法は、図7のステップS1~ステップS4の手順から、ステップS1a及びステップS2aを取り除いた手順で完結する。
以下、特許請求の範囲に沿って、本発明の要点を説明する。
[1]本構造1は、実施例1の図1で示すように、金属板5の外形をなす一辺又は一面を、他の金属板3の平面に対して連続的に一体化させる金属板接合構造1である。本構造1は、側溝2と、樹脂被覆6と、撥水コーティング7と、を備えて構成されている。側溝2は、平面上に形成される連続溶接部4の幅4a,4bを規定するため、その連続溶接部4に沿って並行に刻設されている。
連続溶接部4から露出部を無くすために密閉する樹脂被覆6は、側溝2に裾部を嵌着させて剥離防止されている。したがって、樹脂被覆6の表面が露出することを抑制できる。さらに、その樹脂被覆6の表面を外部環境から防護するために形成された撥水コーティング7で二重に防護したので、連続溶接部4を露出させるような隙間を無くして強く防護できる。その結果、連続溶接部4の防食機能が強化される。
また、連続溶接部4は、側溝2により溶接材料の拡散が防止されるので幅4a,4bを規定される。その結果、連続溶接部4の幅4a,4bに対するばらつきが低減され、良好な仕上がり形状が得られる。
[2]また、実施例3の図5で示すように、側溝2aの幅について、開口部より奥部を広く形成することが好ましい。これによれば、側溝2aに充填された樹脂被覆6は、側溝2aの内部形状に合わせるように、成形型に対する成形材の関係で硬化する。一般的な成形型と成形材の関係ならば、硬化後の成形物は容易に離型できるように、奥部より開口部を大きく設計される。それとは逆に、本構造1では、奥部を開口部よりも大きく形成されているので、樹脂被覆6は、硬化後に側溝2aから外れ難い。
このように、本構造1の樹脂被覆6には、塗布した相手から外れ難くするアンカー効果が作用するので、長期間にわたって剥離し難い。なお、アンカー効果とは、接着や塗装において、材料表面の微細な凹凸に接着剤が木の根のように入り込んで硬化することで接着力が高まる効果をいう。このアンカー効果は、投錨効果、又はファスナー効果とも呼ばれる。
[3]また、実施例4の図6に示すように、側溝2bの奥部の断面が放射方向に深さを増するようにアンカー溝8を形成すると、アンカー効果が高められるので好ましい。
[4]また、実施例4の図6に示すように、側溝2bの奥部の断面が星形の一部を描くようにアンカー溝8を形成すると、より一層、アンカー効果が高められるので好ましい。
[5]また、実施例1、実施例2、図1、図3及び図4で示すように、本発明は、上記[1]~[4]の何れか1項に記載の金属板接合構造1を備えた熱交換器1としても特定される。一般的に、熱交換器1は、表面積を大きくする目的のため、多数のフィンが等間隔で結合されて構成される。また、熱交換器1は、流体とフィンとの接触が、大量かつ長時間に及ぶ。また、腐食性の洗剤を用いて洗浄されることもある。
このように、腐食し易い用途の熱交換器1は、連続溶接部4の防水性を高めることが延命要件となる。したがって、連続溶接部4の耐食性が強化された本構造1は、熱交換器1の延命に寄与する。また、連続溶接部4の幅4a,4bに対するばらつきが低減され、良好な仕上がり形状が得られることも、本構造1を適用した熱交換器1の強度を始めとする品質を高め、延命にもつながる。
[6]実施例1の本構成を実現するための本方法を説明する。ここでは、本構成や本方法のほか、他の要件も含んでいる実施例2の図2を用いて説明する。本方法は、金属板5の外形をなす一辺又は一面を、他の金属板3の平面に対して連続的に一体化させる金属板接合方法である。
本方法は、ステップS1~ステップS4を有している。まず、ステップS1では、一辺又は一面に沿った連続溶接部4の幅4a,4bを規定するため、連続溶接部4と並行な側溝2を平面に刻設する。つぎに、ステップS2では、溶接材料を側溝2で規定された幅4a,4bに溶着させて連続溶接部4を形成する。つぎに、ステップS3では、連続溶接部4の外側を樹脂被覆6により密閉するとともに、樹脂被覆6の裾部を側溝2に充填させて硬化させる。つぎに、ステップS4では、硬化後の樹脂被覆6の表面に防水用の撥水コーティング7を施す。
本方法は、上記ステップS1~ステップS4により、連続溶接部4を樹脂被覆6及び撥水コーティング7により二重に防護した。これによって、[1]と同等の作用効果が得られる。
[7]また、実施例2の図2で示すように、本方法は、ステップS1a、及びステップS2aを追加することが好ましい。ステップS1aは、側溝2が刻設されたステップS1の後に、側溝2に溶接幅設定治具2’を嵌着する(S1a)。なお、この溶接幅設定治具2’は、側溝2に嵌め外し可能であるとともに、溶接されない材料で形成された細板又は角形棒状部材である。
つぎに、ステップS2で連続溶接部4が形成される。このとき、棒状部材の溶接幅設定治具2’によって、溶融した溶接材料が不必要かつ無秩序に延在し、側溝2まで埋めてしまうことを阻止される。その結果、連続溶接部4の幅4a,4bが側溝2の辺縁より手前の位置に制限される。
その後に、ステップS2aでは、溶接幅設定治具2’を側溝2から撤去すると、溶接材料で埋められていない側溝2の内面が、刻設されたそのままの状態で露出される。つぎに、ステップS3では、連続溶接部4の外側を樹脂被覆6により密閉するとともに、樹脂被覆6の裾部を側溝2に充填させて硬化させる。上述のように、側溝2の内面は、刻設されたそのままの状態なので、その深奥部まで、樹脂被覆6が充填される。
このように、本方法は、ステップS1aと、ステップS2aと、をそれぞれ追加したことにより、連続溶接部4の幅4a,4bが側溝2の辺縁より手前の位置に制限される。したがって、連続溶接部4の幅4a,4bに対するばらつき低減の効果が高められる。その結果、より良好な仕上がり形状が得られる。
[8]実施例1、実施例2、図1及び図4で示したように、本発明は、上記[6]又は[7]に記載の金属板接合方法による熱交換器1の製造方法としても特定される。これも、上記[5]の熱交換器1と概ね同等の作用効果が得られる。
1 金属板接合構造(本構造)を適用した本装置(熱交換器)、2,2a 側溝、2’ 溶接幅設定治具(治具)、3 他の金属板(熱交換器1の母材)、4 連続溶接部(連続連続溶接部)、4a,4b (連続溶接部4の)幅、5 (熱交換器1の放熱フィン)金属板、6 樹脂被覆(塗布層・充填部位)、7 撥水コーティング、8 アンカー溝(V字断面の深溝)

Claims (8)

  1. 金属板の外形をなす一辺又は一面を、他の金属板の平面に対して連続的に一体化させる金属板接合構造であって、
    前記一辺又は一面に沿った連続溶接部の幅を規定するため該連続溶接部と並行に前記平面を刻設した側溝と、
    前記連続溶接部から露出部を無くすために密閉する樹脂被覆と、
    該樹脂被覆の表面を外部環境から防護するために形成された撥水コーティングと、
    を備え、
    前記樹脂被覆の裾部を前記側溝に嵌着させて剥離防止し、
    前記連続溶接部を前記樹脂被覆及び前記撥水コーティングにより二重に防護した、
    金属板接合構造。
  2. 前記側溝の幅は開口部より奥部を広く形成する、
    請求項1に記載の金属板接合構造。
  3. 前記側溝は、前記奥部の断面で放射方向に深さを増したアンカー溝を形成する、
    請求項2に記載の金属板接合構造。
  4. 前記アンカー溝は、前記側溝の前記奥部で断面が星形の一部を描くように形成された、
    請求項3に記載の金属板接合構造。
  5. 請求項1~4の何れか1項に記載の金属板接合構造を備えた熱交換器。
  6. 金属板の外形をなす一辺又は一面を、他の金属板の平面に対して連続的に一体化させる金属板接合方法であって、
    前記一辺又は一面に沿った連続溶接部の幅を規定するため該連続溶接部に並行な側溝を前記平面に刻設するステップと、
    溶接材料を前記側溝で規定された幅に溶着させて前記連続溶接部を形成するステップと、
    前記連続溶接部から露出部を無くすために樹脂被覆で密閉するとともに、該樹脂被覆の裾部を前記側溝に充填させて硬化させるステップと、
    該樹脂被覆の表面を外部環境から防護するための撥水コーティングを施すステップと、
    を有し、
    前記連続溶接部を前記樹脂被覆及び前記撥水コーティングにより二重に防護した、
    金属板接合方法。
  7. 前記側溝が刻設されたステップの後に、
    該側溝に溶接されず嵌め外し可能な細板又は角形棒状部材による溶接幅設定治具を嵌着するステップと、
    前記連続溶接部が形成されたステップの後に、
    前記溶接幅設定治具を前記側溝から撤去するステップと、
    を追加したことにより、前記連続溶接部の幅を前記側溝の辺縁より手前の位置に制限した、
    請求項6に記載の金属板接合方法。
  8. 請求項6又は7に記載の金属板接合方法による熱交換器の製造方法。
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