JP7137563B2 - がん治療用の抗Siglec-7抗体 - Google Patents

がん治療用の抗Siglec-7抗体 Download PDF

Info

Publication number
JP7137563B2
JP7137563B2 JP2019527783A JP2019527783A JP7137563B2 JP 7137563 B2 JP7137563 B2 JP 7137563B2 JP 2019527783 A JP2019527783 A JP 2019527783A JP 2019527783 A JP2019527783 A JP 2019527783A JP 7137563 B2 JP7137563 B2 JP 7137563B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
sequence
antibody
siglec
variable region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019527783A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019526622A (ja
JP2019526622A5 (ja
Inventor
ベビントン クリストファー
コーバー ウター
トマセビク ネナド
エル バデル スージー
ラーセン ケネス
Original Assignee
アラコス,インコーポレイティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アラコス,インコーポレイティド filed Critical アラコス,インコーポレイティド
Publication of JP2019526622A publication Critical patent/JP2019526622A/ja
Publication of JP2019526622A5 publication Critical patent/JP2019526622A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7137563B2 publication Critical patent/JP7137563B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/2803Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against the immunoglobulin superfamily
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/20Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin
    • C07K2317/24Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin containing regions, domains or residues from different species, e.g. chimeric, humanized or veneered
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/70Immunoglobulins specific features characterized by effect upon binding to a cell or to an antigen
    • C07K2317/77Internalization into the cell
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/90Immunoglobulins specific features characterized by (pharmaco)kinetic aspects or by stability of the immunoglobulin
    • C07K2317/92Affinity (KD), association rate (Ka), dissociation rate (Kd) or EC50 value

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Description

関連する出願の参照
本願は、2016年8月5日に提出した米国出願第62/371,680号の優先権を主張するものであり、その内容を参照により本明細書に組み込む。
Siglec-7(p75またはAIRMとしても知られている)は、免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーのシアル酸結合レクチン(Siglec)の一員である。Siglec受容体はシアル酸を含む糖鎖に結合するが、これらの受容体は結合位置化学での認識とシアル酸残基の空間分布が異なっている。ファミリーの構成員も異なる発現パターンを持つ。Siglec-7がナチュラルキラー(NK)細胞表面で高濃度に発現することが観察されている。また、(T細胞の)サブセットであるCD8+T細胞表面にも発現することが観察されている。Siglec-7はまた、NK細胞媒介腫瘍クリアランスに対して阻害する役割を持つことが観察されている(Jandus, et al., J. Clin. Invest. 124: 1810-20, 2014); Hudak et al., Nat.Chem. Biol. 10:69-77, 2014)。
広範囲にわたるヒト悪性腫瘍は、Siglec-7リガンドであるシアログリカン(Siglec-7のリガンドであるシアログリカンを含む)を過剰発現する。Siglec-7はまた、NK細胞媒介腫瘍クリアランスに対して阻害する役割を持つことが観察されている(Jandus, et al., J. Clin. Invest. 124: 1810-20, 2014)。
本開示は、一部には、高濃度の腫瘍浸潤性CD8+T細胞はSiglec-7を発現するという発見に基づいている。さらには、Siglec-7とリガンドの結合の相互作用を阻害し、かつ/またはCD8+細胞表面に発現するSiglec-7の濃度を低下させる抗体が腫瘍細胞死を増加させるという発見に基づいている。従って、本開示は腫瘍の成長を阻害する抗体およびそのような抗体の使用を提供する。
一態様では、本開示は、腫瘍細胞の増殖を阻害する方法を提供する。この方法は、癌を持つ患者に治療有効量の抗Siglec-7抗体を投与することを含み、前記患者はSiglec-7を発現している浸潤性CD8+T細胞を高濃度で含む一次腫瘍または転移性病変を持ち、さらに前記腫瘍または転移性病変はシアルSiglec-7リガンドを発現する癌細胞を含む。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体はK(平衡解離定数)が50pM以下である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、約4000pM未満のIC50(50%阻害濃度)でリガンドの結合を阻害する、あるいは約3500pM未満のIC50でリガンドの結合を阻害し、場合によってはKが50pM以下であってもよい。態様によっては、上記実施形態と組み合わせてよく、前記抗Siglec-7抗体は約70pM未満あるいは約25pM未満の内部移行(internalization)活性を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は約70pM未満または約25pM未満の内部移行活性を持ち、リガンドの結合を阻害しない。
態様によっては、前記方法で用いられる抗Siglec-7抗体は、リガンドのSiglec-7への結合を阻害し、Siglec-7への結合について登録番号ICLC PD99003で預託されているハイブリドーマから生成された抗体QA79と競合するが、Siglec-7への結合について抗体Z176または抗体S7.7と競合しない。態様によっては、前記抗体は、Siglec-7への結合について図1および図2に2G12として表されるVおよびVを含む抗体と競合する。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号2の重鎖可変領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号2の重鎖可変領域配列のCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号2の重鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号16の軽鎖可変領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号16の軽鎖可変領域配列のCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号16の軽鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗体は、図1および図2のように表される抗体2G12の6つのCDRを持つ。
態様によっては、前記方法で用いられる抗Siglec-7抗体は内部移行活性を持つが、Siglec-7へのリガンドの結合を阻害せず、かつSiglec-7への結合に関して抗体S7.7と競合するが抗体QA79または抗体Z176とは競合しない。態様によっては、前記抗体は、Siglec-7への結合に関して図1および図2に8A2として表記されたVおよびVを含む抗体と競合する。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号4の重鎖可変領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号4の重鎖可変領域配列のCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号4の重鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号18の軽鎖可変領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号18の軽鎖可変領域配列のCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号18の軽鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は図1および図2に8A2と表記された抗体の6つのCDRを持つ。
態様によっては、前記方法に用いられる抗Siglec-7抗体は内部移行活性を持ち、リガンドのSiglec-7への結合を阻害せず、かつSiglec-7への結合に関して抗体Z176と競合するがQA79またはS7.7と競合しない。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、Siglec-7への結合に関して5D1と表記された抗体のVおよびVを含む抗体と競合する。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号3の重鎖可変領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号3の重鎖可変領域配列のCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号3の重鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号17の軽鎖可変領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号17の軽鎖可変領域配列のCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号17の軽鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗体は、図1および図2に5D1と表記された抗体の6つのCDRを持つ。
態様によっては、前記方法に用いられる抗Siglec-7抗体は内部移行活性を持ち、リガンドのSiglec-7への結合を阻害せず、かつSiglec-7への結合に関して抗体Z176、QA79、またはS7.7と競合しない。態様によっては、前記抗体は、Siglec-7への結合に関して図1および図2に4B12と表記された抗体のVおよびVを含む抗体と競合する。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号11の重鎖可変領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号11の重鎖可変領域配列のCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号11の重鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号25の軽鎖可変領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号25の軽鎖可変領域配列のCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号25の軽鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は図1および図2に4B12と表記された抗体の6つのCDRを持つ。
上記実施形態のいずれかにおいて、抗体は1価の形態であってもよく、あるいはFv、Fab、Fab’、scFv、二重特異性抗体、またはF(ab’)断片であってもよい。態様によっては、そのような抗体はPEG化されている。
態様によっては、前記抗体を投与される患者は、固形腫瘍(例えば、メラノーマ、肺癌、または結腸直腸癌)に罹っている。
さらなる態様では、本開示は、リガンドのSiglec-7への結合を阻害し、Siglec-7への結合に関して登録番号ICLC PD99003で預託されているハイブリドーマから生成された抗体QA79と競合するが、Siglec-7への結合に関して抗体Z176または抗体S7.7と競合しない抗Siglec-7抗体を提供する。態様によっては、前記抗体は、Siglec-7への結合に関して図1および図2に表記された2G12のVおよびVを含む抗体と競合する。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号2の重鎖可変領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号2の重鎖可変領域配列のCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号2の重鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号16の軽鎖可変領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号16の軽鎖可変領域配列のCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号16の軽鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗体は図1および図2に2G12と表記された抗体の6つのCDRを持つ。
他の態様では、本開示は内部移行活性を持ち、リガンドのSiglec-7への結合を阻害せず、かつSiglec-7への結合に関して抗体S7.7と競合するが抗体QA79または抗体Z176とは競合しない抗Siglec-7抗体を提供する。態様によっては、前記抗体は、Siglec-7への結合に関して図1および図2として8A2として表記されたVおよびVを含む抗体と競合する。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号4、配列番号104、または配列番号106の重鎖可変領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号4、配列番号104、または配列番号106の重鎖可変領域配列のCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号4、配列番号104、または配列番号106の重鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号18、配列番号105、または配列番号107の軽鎖可変領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号18、配列番号105、または配列番号107の軽鎖可変領域配列のCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号18、配列番号105、または配列番号107の軽鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は図1および図2に8A2として表記された抗体の6つのCDRを持つ。
さらに他の態様では、本開示は、内部移行活性を持ち、リガンドのSiglec-7への結合を阻害せず、かつSiglec-7への結合に関して抗体Z176と競合するがQA79またはS7.7とは競合しない抗Siglec-7抗体を提供する。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、Siglec-7への結合に関して5D1と表記された抗体のVおよびVを含む抗体と競合する。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号3の重鎖可変領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号3の重鎖可変領域配列のCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号3の重鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号17の軽鎖可変領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号17の軽鎖可変領域配列のCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号17の軽鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗体は、図1および図2で5D1と表記された抗体の6つのCDRを持つ。
さらなる態様では、本開示は、内部移行活性を持ち、リガンドのSiglec-7への結合を阻害せず、かつSiglec-7への結合に関して抗体Z176、QA79、またはS7.7と競合しない抗Siglec-7抗体を提供する。態様によっては、前記抗体は、Siglec-7への結合に関して図1および図2に4B12として表記された抗体のVおよびVを含む抗体と競合する。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号11の重鎖可変領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は配列番号11の重鎖可変領域配列のCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号11の重鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号25の軽鎖可変領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号25の軽鎖可変領域配列のCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号25の軽鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は図1および図2の4B12に表される抗体の6つのCDRを持つ。
本開示はまた、図1に示すV領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ抗Siglec-7抗体、あるいは図1に示す重鎖可変領域配列のうちの1つのCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ抗Siglec-7抗体を提供する。
本開示はさらに、図2に示すV領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を持つ抗Siglec-7抗体、あるいは図2に示す軽鎖可変領域配列のうちの1つのCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を持つ抗Siglec-7抗体を提供する。
態様によっては、本発明は、図1に示すV領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域、および図2に示すV領域配列の少なくとも1つのCDRまたは少なくとも2つのCDRを含むV領域を含み、図2のV配列は図1のV配列と同じ抗体表示を持つ抗Siglec-7抗体を提供する。
実施形態によっては、本開示の 抗Siglec-7抗体は、図1に示す重鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域、および図2に示す軽鎖可変領域配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含むV領域を含み、図2のV配列は図1のV配列と同じ抗体表示を持つ。
他の態様では、Siglec-7への結合に関して配列番号1の可変重鎖配列と配列番号15の可変軽鎖配列を持つ抗体と競合する抗Siglec-7抗体が本明細書で提供される。態様によっては、前記抗体は、1、2、または3個アミノ酸が置換されている配列番号29~31、33、および35~61のいずれか1つに記載の配列を持つCDR3を含む重鎖可変領域、または配列番号29~31、33、および35~61のいずれか1つに記載のCDR3を含む重鎖可変領域を含む。態様によっては、前記重鎖可変領域は、1、2、または3個のアミノ酸が置換されている配列番号29~31、33、および35~61のいずれか1つに記載の配列を持つCDR1、および/または1、2、または3個アミノ酸が置換されている配列番号29~31、33、および35~61のいずれか1つに記載の配列を持つCDR2を含む。態様によっては、前記重鎖可変領域は、配列番号29~31、33、および35~61のいずれか1つに記載の配列を持つCDR1、および配列番号29~31、33、および35~61のいずれか1つに記載の配列を持つCDR2を含む。態様によっては、本段落の上記の実施形態のいずれかと組み合わせてもよく、前記抗Siglec-7抗体は、1、2、または3個アミノ酸が置換されている配列番号62および64~78のいずれか1つに記載の配列を持つCDR3を含む軽鎖可変領域、または配列番号62および64~78のいずれか1つに記載のCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。態様によっては、前記軽鎖可変領域は、1、2、または3個アミノ酸が置換されている配列番号62および64~78のいずれか1つに記載の配列を持つCDR1、および/または1、2、または3個アミノ酸が置換されている配列番号62および64~78のいずれか1つに記載の配列を持つCDR2を含む。態様によっては、前記軽鎖可変領域は、配列番号62および64~78のいずれか1つに記載の配列を持つCDR1、および配列番号62および64~78のいずれか1つに記載の配列を持つCDR2を含む。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、リガンド阻害活性を持ち、かつ/または1価のFabとして測定した場合にKが約100pM未満であり、かつ/または内部移行活性が約100pM未満である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、1価のFabとして測定した場合にKが約75pM未満である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は内部移行活性が約70pM以下である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は内部移行活性が約25pM未満である。
他の態様では、配列番号29~31、33、および35~61のいずれか1つの重鎖可変領域のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも80%、または少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である重鎖可変領域、および/または配列番号62および64~78のいずれか1つの軽鎖可変領域のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも80%、または少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である軽鎖可変領域を含む抗Siglec-7抗体が本明細書で提供される。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、配列番号41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、59、60、または61のいずれかの重鎖可変領域のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である重鎖可変領域、および配列番号69、70、71、72、73、74、75、76、77、または78の軽鎖可変領域のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である軽鎖可変領域を含む。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、リガンド阻害活性を持ち、かつ/または1価のFabとして測定した場合にKが約100pM未満であり、かつ/または内部移行活性が約100pM未満である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、1価のFabとして測定した場合にKが約75pM未満である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は内部移行活性が約70pM以下である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は内部移行活性が約25pM未満である。
さらなる態様では、配列番号43、45、46、47、48、49、50、51、54、55、57、および58から選択される重鎖可変領域配列に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域を含む抗Siglec-7抗体が本明細書で提供される。また、配列番号53、54、51、55、58、および59から選択される重鎖可変領域配列に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域を含む抗Siglec-7抗体が本明細書で提供される。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、リガンド阻害活性を持ち、かつ/または1価のFabとして測定した場合にKが約100pM未満であり、かつ/または内部移行活性が約100pM未満である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、1価のFabとして測定した場合にKが約75pM未満である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は内部移行活性が約70pM以下である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は内部移行活性が約25pM未満である。
さらなる一態様では、本明細書で以下の可変領域(a)~(l)のいずれかを含む抗Siglec-7抗体が提供される。
(a)配列番号43に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(b)配列番号45に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(c)配列番号46に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(d)配列番号47に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(e)配列番号48に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(f)配列番号49に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(g)配列番号50に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(h)配列番号51に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(i)配列番号54に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域配列、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(j)配列番号55に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(k)配列番号57に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、または
(l)配列番号58に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体はリガンド阻害活性を持ち、かつ/または1価のFabとして測定した場合にKが約100pM未満であり、かつ/または内部移行活性が約100pM未満である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は、1価のFabとして測定した場合にKが約75pM未満である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は内部移行活性が約70pM以下である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は内部移行活性が約25pM未満である。
さらなる一態様では、本明細書で以下の可変領域(a)~(f)のいずれかを含む抗Siglec-7抗体が提供される。
(a)配列番号53に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(b)配列番号54に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(c)配列番号51に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(d)配列番号55に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(e)配列番号58に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、または
(f)配列番号59に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体はリガンド阻害活性を持ち、かつ/または1価のFabとして測定した場合にKが約100pM未満であり、かつ/または内部移行活性が約100pM未満である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は1価のFabとして測定した場合にKが約75pM未満である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は内部移行活性が約70pM以下である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は内部移行活性が約25pM未満である。
さらなる一態様では、本明細書で以下の可変領域(a)~(l)のいずれかを含む抗Siglec-7抗体が提供される。
(a)配列番号43のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(b)配列番号45のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(c)配列番号46のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(d)配列番号47のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(e)配列番号48のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(f)配列番号49のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(g)配列番号50のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(h)配列番号51のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(i)配列番号54のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(j)配列番号55のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(k)配列番号57のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または
(l)配列番号58のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体はリガンド阻害活性を持ち、かつ/または1価のFabとして測定した場合にKが約100pM未満であり、かつ/または内部移行活性が約100pM未満である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は1価のFabとして測定した場合にKが約75pMである。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は内部移行活性が約70pM以下である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は内部移行活性が約25pM未満である。
さらなる一態様では、本明細書で以下の可変領域(a)~(f)のいずれかを含む抗Siglec-7抗体が提供される。
(a)配列番号53のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(b)配列番号54のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(c)配列番号51のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(d)配列番号55のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(e)配列番号58のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または
(f)配列番号59のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体はリガンド阻害活性を持ち、かつ/または1価のFabとして測定した場合にKが約100pM未満であり、かつ/または内部移行活性が約100pM未満である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は1価のFabとして測定した場合にKが約75pM未満である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は内部移行活性が約70pM以下である。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は内部移行活性が約25pM未満である。
態様によっては、上記段落で記載した本開示の抗Siglec-7抗体は、1価の形態またはFv、Fab、Fab’、scFv、二重特異性抗体、またはF(ab’)断片である。
態様によっては、上記段落で記載した本開示の抗Siglec-7抗体は多価または2価の形態である。態様によっては、前記抗体はIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4などのIgGである。
さらなる一態様では、本発明は上記実施形態のいずれか1つを含む二重特異性または多特異性抗体を提供する。
さらなる一態様では、本発明は、腫瘍細胞の増殖を阻害する方法を提供する。この方法は、シアルSiglec-7リガンドを発現する腫瘍を持つ患者に上記段落に記載された抗体の何れか1つの抗体またはそのような抗体を含む二重特異性または多重特異性抗体を治療有効量で投与することを含む。態様によっては、前記腫瘍は、対応する細胞種の正常細胞で検出されるよりも多い量のシアル化Siglec-7リガンドを発現している。態様によっては、前記腫瘍は、Siglec-7を発現しているCD8+浸潤性T細胞を高濃度で含む。
さらなる一態様では、本発明は、抗Siglec-7抗体で治療する候補である患者を確認する方法を提供する。この方法は、細胞表面に検出可能なSiglec-7を発現している腫瘍または転移性病変に浸潤したCD8+T細胞の割合を決定することを含む。態様によっては、抗Siglec-7抗体で治療する候補である腫瘍を患っている患者は、細胞表面に検出可能なSiglec-7を発現している腫瘍または転移性病変中に少なくとも10%、少なくとも20%、またはそれ以上の腫瘍浸潤性CD8+T細胞を持つ。態様によっては、抗Siglec-7抗体を用いてSiglec-7の発現濃度を決定する。態様によっては、フローサイトメトリーまたは免疫組織化学法により発現濃度を決定する。
本開示はまた、抗Siglec-7抗体で治療する候補である腫瘍を患っている患者を確認する方法を提供する。この方法は、検出可能なSiglec-7を発現している腫瘍または転移性病変中のCD8+浸潤性T細胞の割合を決定することを含み、少なくとも10%、または少なくとも20%の浸潤性CD8+TがSiglec-7を発現している腫瘍または転移性病変を患っている患者が抗Siglec-7抗体での治療の候補である。態様によっては、抗Siglec-7抗体を用いてSiglec-7の発現濃度を決定する。態様によっては、フローサイトメトリーまたは免疫組織化学法により発現濃度を決定する。
さらなる一態様では、本開示は腫瘍細胞の増殖を阻害する方法を提供する。この方法は、癌を患っている患者に治療有効量の抗Siglec-7抗体を投与することを含み、前記患者はSiglec-7を発現している浸潤性CD8+T細胞を高濃度で含む一次腫瘍または転移性病変を患っており、さらに、前記腫瘍または転移性病変はシアル化Siglec-7リガンド、例えば、正常組織よりも高濃度でシアル化Siglec-7リガンドを発現している癌細胞を含む。態様によっては、前記抗Siglec-7抗体は1価のFabとして測定した場合にKが70pM以下である。
さらなる一態様では、本開示はさらに、本明細書で記載する癌を治療する方法として本明細書で記載する抗Siglec-7抗体の使用を提供する。
図1は、本発明の抗Siglec-7抗体の重鎖可変領域配列の例を示す。Kabatにより規定されたCDRには下線が施してある。
図2は、本発明の抗Siglec-7抗体の重鎖可変領域配列の例を示す。Chothiaにより規定されたCDRには下線が施してある。
図3は、本発明の抗Siglec-7抗体の軽鎖可変領域配列の例を示す。KabatおよびChothiaの両方で規定されたCDRには下線が施してある。
図4は、新しい一次腫瘍の腫瘍浸潤性CD8+細胞でSiglec-7が高い百分率で検出されたことを示すデータの例を示している。
図5は、腫瘍の亜集合から単離したCD8+T細胞が高濃度のSiglec-7を含むことを示すデータを示している。
図6は亜集合の腫瘍表面にSiglec-7リガンドが発現していることを示すデータを示している。
図7は、本開示の抗Siglec-7抗体は、抗体Z176、S7.7、またはQA79と比べてK値が向上していることを示すデータを示している。
図8は、本開示の抗Siglec-7抗体が抗体Z176、S7.7、またはQA79と比べてリガンド阻害活性が向上していることを示すデータを示している。
図9は、本開示の抗Siglec-7抗体が抗体Z176、S7.7、またはQA79と比べて内部移行活性が向上していることを示すデータを示すものである。
図10は、本開示の抗体を用いてヒトNK細胞のSiglec-7が濃度に依存した抗体誘導によって急速に内部移行することを示すデータを示している。
図11は、リガンドを阻害しない本開示の抗体の内部移行活性を示すデータを示している。
用語
本明細書に用いられる単数形「a」、「an」、および「the」は特に断りがなければ複数を含む。従って、例えば、「1つの抗体」という場合、そのような分子の2つ以上組み合わせたものを含む場合がある。
本明細書に用いられる用語「約」は、当技術分野の当業者には自明であるが、それぞれの値の通常誤差の範囲を指す。例えば、±20%、±10%、または±5%は引用した値の意図した意味の範囲内である。
Siglec-7(p75またはAIRMとしても知られている)は、免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーのシアル酸結合レクチン(Siglec)の一員である。これらのSiglec受容体はシアル酸を含む糖鎖に結合するが、特異的な炭水化物構造の認識において異なっている。登録番号NP_055200.1で入手可能なヒトSiglec-7タンパク質配列は以下の通りである。
1 mllllllpll wgrervegqk snrkdysltm qssvtvqegm cvhvrcsfsy pvdsqtdsdp
61 vhgywfragn diswkapvat nnpawavqee trdrfhllgd pqtknctlsi rdarmsdagr
121 yffrmekgni kwnykydqls vnvtalthrp nilipgtles gcfqnltcsv pwaceqgtpp
181 miswmgtsvs plhpsttrss vltlipqpqh hgtsltcqvt lpgagvttnr tiqlnvsypp
241 qnltvtvfqg egtastalgn ssslsvlegq slrlvcavds npparlswtw rsltlypsqp
301 snplvlelqv hlgdegeftc raqnslgsqh vslnlslqqe ytgkmrpvsg vllgavggag
361 atalvflsfc vifivvrscr kksarpaadv gdigmkdant irgsasqgnl teswaddnpr
421 hhglaahssg eereiqyapl sfhkgepqdl sgqeatnney seikipk(配列番号108)
用語「抗体」は本明細書では最も広義で用いられ、所望の抗原結合活性を示す限り様々な抗体構造を包含する。例えば、これらに限定されないが、モノクローナル抗体、ポリクロナール抗体、多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、および抗体断片が挙げられる。
本明細書に用いられる用語「モノクローナル抗体」は、実質的に均一な抗体の集団から得られた抗体を指す。すなわち、一般に少量存在する、例えば、自然発生の変異を含む、あるいはモノクローナル抗体調製の製造中に生じる変異など起こりうる多様体抗体を除いて、この集団を含む個々の抗体は同一であり、かつ/または同じエピトープに結合する。典型的には異なる決定基(エピトープ)に対して異なる抗体を含むポリクロナール抗体の調製に対して、モノクローナル抗体調製の各モノクローナル抗体は1種の抗原の単一の決定基に向けられている。従って、修飾語「モノクローナル」は、実質的に均一の抗体集団から得られた抗体の性質を示し、任意の特定の方法による抗体の作製に必要であると解釈すべきではない。例えば、本発明に用いられるモノクローナル抗体は、様々な技術により作製されてもよい。そのような技術としては、これらに限定されないが、ハイブリドーマ法、組み換えDNA法、ファージ提示法、およびヒト免疫グロブリン座位の全部または一部を含む遺伝子導入動物を用いる方法などが挙げられる。
「抗体断片」は、完全な抗体の一部を含み、完全な抗体が結合する抗原に結合する完全な抗体以外の分子を指す。抗体断片の例としては、これらに限定されないが、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)、二重特異性抗体;線状抗体;一本鎖抗体分子(例えば、scFv分子);および抗体断片から形成された多特異性抗体が挙げられる。
基準抗体としての「同じエピトープに結合する抗体」は、競合アッセイにおいて基準抗体のその抗原への結合を50%以上阻害する抗体を指す。また、その反対に、基準抗体は、競合アッセイにおいて抗体のその抗原への結合を50%以上阻害する。例示的な競合アッセイは本明細書で提供される。
本明細書で用いられる「V領域」は、フレームワーク1、CDR1、フレームワーク2、CDR2、およびフレームワーク3、CDR3およびフレームワーク4という断片を含む抗体可変領域ドメインを指す。これらの断片は、B細胞の分化時に重鎖および軽鎖V領域遺伝子が再構成された結果としてV断片に付加されている。
本明細書で用いられる「相補性決定領域(CDR)」は、各鎖の3つの超可変領域(HVR)を指す。これらの超可変領域は、軽鎖および重鎖可変領域に確立された4つの「フレームワーク」領域の間に入っている。これらのCDRは、抗原のエピトープへの結合に貢献する主要な部分である。各鎖のCDRをN末端から順番にCDR1、CDR2、およびCDR3と言う。また、CDRは特定のCDRが配置されている鎖により同定される。従って、VのCDR3はこれを含む抗体の重鎖の可変領域に位置しており、VのCDR1はこれを含む抗体の軽鎖の可変領域にあるCDR1である。本明細書に用いられる用語「CDR」は「HVR」と互いに言い換え可能である。
当該分野でよく知られている様々な定義を用いてCDRおよびフレームワーク領域のアミノ酸配列を決定してもよい。定義の例は、Kabat, Chothia, international ImMunoGeneTics database (IMGT)、およびAbM (例えば、以下を参照のこと。Johnson et al., supra; Chothia & Lesk, 1987, Canonical structures for the hypervariable regions of immunoglobulins. J.Mol. Biol. 196, 901-917; Chothia C. et al., 1989, Conformations of immunoglobulin hypervariable regions. Nature 342, 877-883; Chothia C. et al., 1992, structural repertoire of the human VH segments J.Mol. Biol. 227, 799-817; Al-Lazikani et al., J.Mol.Biol 1997, 273(4))などである。また、以下の文献に抗原結合部位の定義が記載されている:Ruiz et al., IMGT, the international ImMunoGeneTics database. Nucleic Acids Res., 28, 219-221 (2000); and Lefranc,M.-P. IMGT, the international ImMunoGeneTics database. Nucleic Acids Res. Jan 1;29(1):207-9 (2001);MacCallum et al, Antibody-antigen interactions: Contact analysis and binding site topography, J.Mol. Biol., 262 (5), 732-745 (1996); andMartin et al, Proc. Natl Acad. Sci. USA, 86, 9268-9272 (1989);Martin, et al,Methods Enzymol., 203, 121-153, (1991); Pedersen et al, Immunomethods, 1, 126, (1992); and Rees et al, In SternbergM.J.E. (ed.), Protein Structure Prediction. Oxford University Press, Oxford, 141-172 (1996)。Kabat番号で決定されるCDRに対する基準は、例えば、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institute of Health, Bethesda,MD (1991)に基づいている。ChothiaによるCDRはChothia(例えば、Chothia and Lesk J.Mol. Biol. 196:901-917 (1987)を参照のこと)に定義されているように決定される。
「エピトープ」すなわち「抗原決定基」は抗体が結合する抗原の部位を指す。エピトープは、連続するアミノ酸から形成されていてもよく、あるいはタンパク質の三次構造への折り畳みの結果並置された不連続のアミノ酸から形成されていてもよい。連続するアミノ酸から形成されたエピトープは典型的には変性溶媒に曝されても保持されるが、三次構造への折り畳みにより形成されたエピトープは典型的には変性溶媒で処理すると失われる。エピトープは典型的には、固有の立体構造で少なくとも3個、より一般的には少なくとも5個または8~10個のアミノ酸を含む。エピトープの立体構造を決定する方法としては、例えば、X線結晶構造解析および2次元核磁気共鳴が挙げられる。例えば、EpitopeMapping Protocols in Methods in Molecular Biology, Vol. 66, Glenn E.Morris, Ed (1996)を参照のこと。
本明細書で用いられる「キメラ抗体」は、(a)異なる、すなわち変更したクラス、エフェクター機能および/または種の定常領域あるいはキメラ抗体に新しい特性を与える全く異なる分子(例えば、酵素、毒素、ホルモン、成長因子、薬物など)に抗原結合部位(可変領域)が結合するように定常領域またはその一部が変更、置換、あるいは交換されているか、(b)可変領域またはその一部が、異なるすなわち変化した抗原特異性を持つ可変領域またはその一部、あるいは他の種または他の抗体クラスあるいはサブクラスに由来する対応する配列で変更、置換、または交換されている免疫グロブリン分子を指す。
「Fc領域」は、第一の定常領域免疫グロブリンドメインを除く抗体の定常領域を指す。従って、Fcは、IgA、IgD、およびIgGの最後の2つの定常領域免疫グロブリンドメイン、IgEおよびIgMの最後の3つの定常領域免疫グロブリンドメイン、およびこれらドメインの柔軟性のあるヒンジN末端を指す。IgAとIgMの場合、FcはJ鎖を含んでいてもよい。IgGの場合、Fcは、免疫グロブリンドメインCγ2およびCγ3と、Cγ1とCγとのヒンジを含む。しかしながら、当該分野では自明であるが、Fc領域の境界は異なっていてもよく、Kabat et al. (1991, NIH Publication 91-3242, National Technical Information Service,ヴァージニア州スプリングフィールド)など、EU指標による番号を用いてヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、そのカルボキシル末端に残基C226またはP230を含むと規定されている。本明細書に用いられる用語「Fc領域」は、単離でのこの領域、あるいは抗体または抗体断片の文脈でのこの領域を指す場合がある。「Fc領域」は、自然発生のアレル多様体、およびエフェクター機能を調節する修飾を含む。Fc領域はまた、生物学的機能の変化に繋がらないような多様体を含む。例えば、実質的に生物学的機能を失うことなく、免疫グロブリンのFc領域のN末端またはC末端から1つ以上のアミノ酸を削除することができる。当該分野で知られている一般規則に従って、活性に及ぼす効果を最少にするようにそのような多様体を選択してもよい(例えば、Bowie, et al., Science 247:306-1310, 1990を参照のこと)。例えば、IgG4抗体では、単一のアミノ酸の置換(Kabat番号によるS228P、IgG4Proと表記される)を導入して組み換えIgG4抗体に見られる不均一性をなくしてもよい(例えば、Angal, et al., Mol Immunol 30:105-108, 1993を参照のこと)。
本明細書に用いられる用語「平衡解離定数(略してK)」は、結合速度定数(ka、時間-1-1)で除した解離速度定数(kd、時間-1)を指す。任意の方法を用いて平衡解離定数を測定してもよい。従って、実施形態によっては、本開示の抗体は、バイオセンサーシステム(例えば、Biacore(登録商標)システム)を用いて37℃で行った表面プラズモン共鳴分析によって求められたKが約50nM未満、典型的には約25nM未満、あるいは10nM未満であり、例えば、約5nM未満、または約1nM未満、しばしば約10nM未満である。態様によっては、本開示の抗体はKが5×10-5M未満、10-5M未満、5×10-6M未満、10-6M未満、5×10-7M未満、10-7M未満、5×10-8M未満、10-8M未満、5×10-9M未満、10-9M未満、5×10-10M未満、10-10M未満、5×10-11M未満、10-11M未満、5×10-12M未満、10-12M未満、5×10-13M未満、10-13M未満、5×10-14M未満、10-14M未満、5×10-15M未満、10-15M未満、または2価の抗体として測定した場合よりも小さい。本発明の文脈で「向上した」Kは小さいKを指す。態様によっては、本開示の抗体は、Kが5×10-5M未満、10-5M未満、5×10-6M未満、10-6M未満、5×10-7M未満、10-7M未満、5×10-8M未満、10-8M未満、5×10-9M未満、10-9M未満、5×10-10M未満、10-10M未満、5×10-11M未満、10-11M未満、5×10-12M未満、10-12M未満、5×10-13M未満、10-13M未満、5×10-14M未満、10-14M未満、5×10-15未満、10-15M未満、あるいは1価の抗体、典型的には1価のFabとして測定した場合よりも小さい。態様によっては、本開示の抗Siglec-7抗体は、バイオセンサーシステム(例えば、Biacore(登録商標)システム)を用いて37℃で行った表面プラズモン共鳴分析により1価のFabとして測定した場合にKが100pM未満、例えば、75pM未満、例えば、1~100pMの範囲である。態様によっては、本開示の抗Siglec-7抗体は、バイオセンサーシステム(例えば、Biacore(登録商標)システム)を用いて37℃で行った表面プラズモン共鳴分析により1価のFabとして測定した場合にKが500pM未満、例えば、1~500pM、1~200、または1~250pMの範囲である。本発明の文脈で「向上した」Kは小さいKを指す。
本明細書に用いられる用語「1価の分子」は1つの抗原結合部位、例えば、Fabを持つ分子を指す。
本明細書に用いられる用語「2価の分子」は2つの抗原結合部位を持つ分子を指す。態様によっては、本発明の2価の分子は2価の抗体またはその2価の断片である。態様によっては、本発明の2価の分子は2価の抗体である。態様によっては、本発明の2価の分子はIgGである。一般に、モノクローナル抗体は2価の塩基性構造を持つ。IgGとIgEは1つの2価の単位を持つが、IgAとIgMは複数の2価の単位(それぞれ、2および5個)からなり、従って価数が大きい。価数が2であることにより、抗体の抗原との親和性が高まる。
本明細書に用いられる用語「1価の結合」または「1価で結合している」は1つの抗原結合部位がその抗原に結合していることを指す。
本明細書に用いられる用語「2価の結合」または「2価で結合している」は2価の分子の両方の抗原結合部位がその抗原に結合していることを指す。2価の分子の両方の抗原結合部位は同じ抗原特異性を共有していることが好ましい。
本明細書に用いられる用語「価数」は、抗体の抗原に対する異なる結合部位の数を指す。1価の抗体は抗原に対して1つの結合部位を含む。2価の抗体は、同じ抗原に対して2つの結合部位を含む。
本明細書で抗体の抗原への結合という文脈で用いられる用語「親和性」は、抗体の複数の結合部位の合わせた結合強度を指す。従って、「2価の親和性」は2つの結合部位の合わせた強度を指す。
タンパク質またはペプチドに言及する場合、抗原または標的に「特異的に(または選択的に)結合する」あるいは「特異的に(または選択的に)免疫反応性である」という表現は、抗体が目的の抗原または標的に結合する結合反応を指す。本発明の文脈では、抗体は、他の抗原に対する親和性に比べて少なくとも100倍大きいKでSIGLEC-7に結合する。
本明細書で2つ以上のポリペプチド配列の文脈で用いられる用語「同一である」またはパーセント「同一性」は、比較窓または表示された領域の最大一致について比較および配列した場合に、2つ以上の同一配列または同一亜配列、あるいは指定された領域に対する同一性が同じ(例えば、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)アミノ酸残基の指定された百分率を持つ2つ以上の配列または亜配列を指す。アミノ酸配列の百分率同一性を決定する目的での配列は、様々な方法で行ってもよく、例えば、公に利用可能なコンピュータソフトウェア(例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMegalign (DNASTAR)ソフトウェアなど)が挙げられる。配列の百分率同一性および配列類似性を決定するのに好適なBLAST 2.0としては、例えば、Altschul et al., Nuc.Acids Res. 25:3389-3402 (1977)およびAltschul et al., J. Mol. Biol. 215:403-410 (1990)に記載されているBLAST 2.0アルゴリズムが挙げられる。従って、BLAST 2.0は、配列の百分率を決定するのに記載されているパラメータの初期値と併せて用いることができる。
本明細書で用いられる「保存的」置換は、側鎖基の鎖の電荷、疎水性、および/または寸法を維持するようなアミノ酸の置換を指す。互いに置換してもよいアミノ酸の例示的な集合としては、(i)正に帯電したアミノ酸Lys、Arg、およびHis;(ii)負に帯電したアミノ酸GluおよびAsp;(iii)芳香族アミノ酸Phe、Tyr、およびTrp;(iv)窒素環アミノ酸HisおよびTrp;(v)大型脂肪族非極性アミノ酸Val、Leu、およびIle;(vi)微極性アミノ酸MetおよびCys;(vii)小さい側鎖を持つアミノ酸Ser、Thr、Asp、Asn、Gly、Ala、Glu、Gln、およびPro;(viii)脂肪族アミノ酸Val、Leu、Ile、Met、およびCys;および(ix)ヒドロキシル基を持つ小さいアミノ酸SerおよびThrが挙げられる。この段落のアミノ酸の電荷への言及は、生理学的pHでの電荷を指す。

抗Siglec-7抗体
本発明の抗Siglec-7抗体は、既知の抗Siglec7抗体に比べて結合特性、例えば内部移行活性および/またはリガンド阻害活性が向上している。態様によっては、本発明の抗体は内部移行活性を持つが、リガンドの結合を阻害しない。
既知の抗Siglec7モノクローナル抗体(例えば、Z176、QA79、およびS7.7)に比べて、本発明の抗体は典型的にKが低くなっている。態様によっては、本発明の抗体はKが約100pM未満、約75pM未満、約50pM未満、約40pM未満、または約35pM未満である。態様によっては、本発明の抗体はKが約1pM以下である。態様によっては、本発明の抗体は、図1または図2で16H11、3F1、SL9、8A2、5D1、または5G10として表記された抗体のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。態様によっては、Kが向上した本発明の抗体は、図3で16H11、3F1、SL9、8A2、5D1、または5G10として表記された抗体のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。複数の実施形態では、図1~図3の16H11、3F1、SL9、8A2、5D1、または5G10として表記された抗体の6つのCDRを持つ。
態様によっては、上記の抗Siglec7モノクローナル抗体と比べてリガンド結合阻害能が高まっている。本発明の文脈でリガンド結合阻害能は、Siglec-7の50%がリガンドに結合しないようなモノクローナル抗体の濃度を指す。態様によっては、本発明の抗体のリガンド阻害活性はより能力が高く、すなわち、リガンドを阻害する抗体のIC50は既知の抗体(例えば、Z176、QA79、およびS7)よりも低い。既知のアッセイを用いてリガンド阻害活性を評価してもよい。例えば、ヒトメラノーマ細胞株A375など、細胞表面にSiglec-7に対するリガンドを高濃度で発現している細胞株を用いてリガンド阻害活性を求めてもよい。例えば、実施例で説明するようにして阻害に関するIC50値を求めてもよい。態様によっては、リガンド阻害活性が向上した本発明の抗体は、実施例で記載するアッセイ条件でアッセイした場合のIC50が4000pM未満、約3500pM未満、約3000pM未満、約2000pM未満、約1500pM未満、約1000pM未満、または約500pM以下である。実施形態によっては、向上したリガンド阻害活性を示す本発明の抗体は、図1または図2に9D4、SL13、または5G10として表記された抗体のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。態様によっては、本発明の抗体は図3に9D4、SL13、または5G10として表記された抗体のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。複数の実施形態では、図1~図3の9D4、SL13、または5G10として表記された抗体の6つのCDRを持つ。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、上記の抗Siglec-7モノクローナル抗体に比べて向上した内部移行を示す。本開示では、内部移行活性はSiglec-7の50%が健康な提供者のナチュラルキラー(NK)細胞表面で24時間以内に内部移行する抗体の濃度を言う。本発明の文脈で「高められた」または「向上した」内部移行活性は、例えば、Z176、QA79、およびS7などの既知の抗体よりも内部移行に関するIC50が低くなっていることを意味する。既知のアッセイを用いて内部移行を評価してもよい。例えば、健康な提供者から得た末梢血単核細胞(PBMC)を用いて抗Siglec-7抗体の内部移行活性を求めてもよい。例えば、実施例で記載するようにして内部移行に関するIC50値を求めてもよい。態様によっては、本発明の抗体は内部移行IC50が、約70pM未満であり、態様によっては、実施例で記載するアッセイ条件でアッセイした場合の抗体の内部移行IC50は約60pM未満、約50pM未満、約40pM未満、約30pM未満、約25pM未満、約20未満、または約10pM未満である。態様によっては、内部移行活性が向上した本発明の抗体は、図1または図2で3F1、SL9、16H11、8A2、SL2、5D1、または10E11として表記された抗体のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。態様によっては、本発明の抗体は図3の3F1、SL9、16H11、8A2、SL2、5D1、または10E11として表記された抗体のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。複数の実施形態では、図1~図3で3F1、SL9、16H11、8A2、SL2、5D1、または10E11として表記された抗体の6つのCDRを持つ。態様によっては、内部移行活性が向上した本発明の抗体は図1または図2の3F1または16H11として表記された抗体V配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。態様によっては、本発明の抗体は、図3で3F1または16H11として表記された抗体V配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。複数の実施形態では、図1~図3の9D4、SL13、または5G10として表記された抗体の6つのCDRを持つ。
態様によっては、本発明の抗Siglec7抗体はSiglec-7を内部移行するが、Siglec-7リガンドのSiglec-7との結合を阻害しない。本発明の文脈でリガンドのSiglec-7との結合を阻害しない抗体は、実施例で説明する条件でアッセイした場合にリガンド結合が25%超低下するような抗体を指す。態様によっては、Siglec-7リガンドを内部移行するがリガンドのSiglec-7との結合を阻害しない本発明の抗体は、図1または図2で4B12または8A2として表記された抗体のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。態様によっては、本発明の抗体は図3で4B12または8A2として表記された抗体のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。複数の実施形態では、図1~図3で4B12または8A2として表記された抗体の6つのCDRを持つ。
態様によっては、本発明の抗Siglec7抗体は、上述したZ176、QA79、およびS7などの抗Siglec-7抗体に対して異なるエピトープと結合する。Z176およびS7.7は市販の抗Siglec-7抗体である。QA79はeBiosciencesから市販されている。QA79を産生するハイブリドーマは、ICLC登録番号PD99003としても入手可能である。Z176はBeckman Coulterから、S7.7はBioLegendからそれぞれ入手可能である。
態様によっては、本発明の抗体はSiglec-7リガンドへの結合についてZ176、QA79、およびS7のいずれとも競合しない。態様によっては、本発明の抗体は、Siglec-7への結合に関して図1~図3で4B12として表記された抗体と競合しない。態様によっては、本発明の抗体は、図1または図2で4B12として表記された抗体のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。態様によっては、本発明の抗体は、図3で4B12として表記された抗体のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。複数の実施形態では、図1~図3で4B12として表記された抗体の6つのCDRを持つ。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、W132A変異が結合活性を損なうようにW132を含むエピトープに結合する。態様によっては、そのような抗体は、Siglec-7への結合に関して図1~図3で2G12として表記された抗体と競合する。態様によっては、そのような抗体は、Siglec-7リガンドへの結合について図1~図3で2G12として表記された抗体と競合する。態様によっては、本発明の抗体は、図1または図2で2G121として表記された抗体のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。態様によっては、本発明の抗体は、図3で2G12として表記された抗体のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。複数の実施形態では、図1~図3で2G12として表記された抗体の6つのCDRを持つ。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、Siglec-7への結合に関して図1~図3で5D1として表記された抗体と競合する。態様によっては、そのような抗体は、Siglec-7リガンドへの結合について図1~図3で2G12として表記された抗体と競合する。態様によっては、本発明の抗体は図1または図2で5D1として表記された抗体のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。態様によっては、本発明の抗体は、図3の5D1として表記された抗体V配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。複数の実施形態では、図1~図3で5D1として表記された抗体の6つのCDRを持つ。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、Siglec-7への結合に関して図1~図3で8A2として表記された抗体と競合する。態様によっては、本発明の抗体は、図1または図2で8A2として表記された抗体のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。態様によっては、本発明の抗体は、図3で8A2として表記された抗体のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。複数の実施形態では、図1~図3で8A2として表記された抗体の6つのCDRを持つ。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、図1または図2に示された重鎖可変アミノ酸配列から選択される少なくとも1つ、2つ、または3つのCDRを含む。態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、図3に示された軽鎖可変領域から選択される1つ、2つ、または3つのCDRを含む。態様によっては、抗Siglec-7抗体は、図1に示されたHCDR3配列から選択されるHCDR3と図3に示されたLCDR3配列から選択されるLCDR3を含む。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、Siglec-7への結合に関して図1~図3の16H11として表記された抗体と競合する。態様によっては、本発明の抗体は、図1または図2で8A2として表記された抗体のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。態様によっては、本発明の抗体は、図3の8A2として表記された抗体のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。複数の実施形態では、図1~図3の8A2として表記された抗体の6つのCDRを持つ。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、図1の重鎖可変領域のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である重鎖可変領域を含む。特定の態様では、図1または図2の重鎖可変領域のアミノ酸配列に対する同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%であるV配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含むが、そのような配列を含む抗Siglec-7抗体はSiglec-7に結合する能力を保持する。特定の態様では、図1の重鎖可変領域のアミノ酸配列では合計1~20個のアミノ酸が置換、挿入、および/または削除されている。特定の態様では、置換、挿入、または欠失はフレームワーク領域で生じる。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、図3の軽鎖可変領域のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である軽鎖可変領域を含む。特定の態様では、図3の軽鎖可変領域のアミノ酸配列に対する同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%であるV配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含むが、そのような配列を含む抗Siglec-7抗体はSiglec-7に結合する能力を保持する。特定の態様では、図3の軽鎖可変領域のアミノ酸配列では合計1~20個のアミノ酸が置換、挿入、および/または削除されている。特定の態様では、置換、挿入、または欠失はフレームワーク領域で生じる。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、図1または図2の重鎖可変領域のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である重鎖可変領域と図3の対応する抗体の軽鎖可変領域を含み、この軽鎖可変領域は図3の軽鎖可変領域のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。態様によっては、この抗Siglec-7抗体は、上の2つの段落で記載したような重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域に対する修飾を持つ。
態様によっては、抗Siglec-7抗体では、1、2、または3個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている、図1に記載のCDR3を含む重鎖可変領域を含む。態様によっては、重鎖可変領域は、図1に記載の可変領域配列の3つのCDRを含み、CDR1では1、2、または3個のアミノ酸が置換され、かつ/またはCDR2では少なくとも1、2、3、4、5、6、7、または8個のアミノ酸が置換されている。態様によっては、重鎖可変領域は、図2に記載の可変領域配列の3つのCDRを含み、CDR1では1、2、3、または4個のアミノ酸が置換され、および/またはCDR2では少なくとも1、2、または3個のアミノ酸が置換されている。
態様によっては、抗Siglec-7抗体は、1、2、または3個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている、図2に記載のCDR3を含む重鎖可変領域を含む。態様によっては、このような重鎖可変領域は、図2に記載の可変領域配列の3つのCDRを含み、CDR1では1、2、または3個のアミノ酸が置換され、かつ/またはCDR2では少なくとも1、2、3、4、5、6、7、または8個のアミノ酸が置換されている。あるいは、図2に記載の可変領域配列の3つのCDRを含み、CDR1では1、2、3、または4個のアミノ酸が置換され、かつ/またはCDR2では少なくとも1、2、または3個のアミノ酸が置換されている。
態様によっては、抗Siglec-7抗体では、1、2、または3個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている、図3に記載のCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。態様によっては、軽鎖可変領域は、図3に記載の可変領域配列の3つのCDRを含み、CDR1および/またはCDR2では少なくとも1、2、3、または4個のアミノ酸が置換されている。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、Siglec-7を内部移行し、Siglec-7への結合に関して図1~図3の16H11として表記された抗体と競合する。態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、Siglec-7を内部移行し、Siglec-7リガンドへの結合について図1~図3に16H11として表記された抗体と競合する。態様によっては、本発明の抗体は、配列番号29~31、33、および35~61のいずれか1つに記載のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。態様によっては、本発明の抗体は、配列番号62および64~78のいずれか1つに記載のV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。態様によっては、抗Siglec-7抗体は、配列番号29~31、33、および35~61のいずれか1つに記載のHCDR3配列から選択されるHCDR3と、配列番号62および64~78のいずれか1つに記載のLCDR3配列から選択されるLCDR3を含む。複数の実施形態では、表1に記載のV領域とV領域の対のいずれか1つに記載の6つのCDRを持つ。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、配列番号29~31、33、および35~61のいずれか1つの重鎖可変領域のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である重鎖可変領域を含む。特定の態様では、配列番号29~31、33、および35~61のいずれか1つの重鎖可変領域のアミノ酸配列に対する同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%であるV配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含むが、そのような配列を含む抗Siglec-7抗体はSiglec-7に結合する能力を保持する。特定の態様では、配列番号29~31、33、および35~61のいずれか1つの重鎖可変領域のアミノ酸配列では合計1~20個のアミノ酸が置換、挿入、および/または削除されている。特定の態様では、すべての置換、挿入、または欠失はフレームワーク領域で生じる。特定の態様では、CDR領域で1、2、または3個の置換が生じる。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、配列番号62および64~78のいずれか1つの軽鎖可変領域のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である軽鎖可変領域を含む。特定の態様では、配列番号62および64~78のいずれか1つの軽鎖可変領域のアミノ酸配列に対する同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%であるV配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含むが、そのような配列を含む抗Siglec-7抗体はSiglec-7に結合する能力を保持する。特定の態様では、配列番号62および64~78のいずれか1つの軽鎖可変領域のアミノ酸配列では合計1~20個のアミノ酸が置換、挿入、および/または削除されている。特定の態様では、すべての置換、挿入、または欠失はフレームワーク領域で生じる。特定の態様では、CDR領域で1、2、または3個の置換が生じる。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、配列番号41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、59、60、または61のいずれかの重鎖可変領域のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である重鎖可変領域と、配列番号69、70、71、72、73、74、75、76、77、または78の軽鎖可変領域のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である軽鎖可変領域を含む。態様によっては、抗Siglec-7抗体は、上の2つの段落で記載したような重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域に対する修飾を持つ。
態様によっては、抗Siglec-7抗体では、1、2、または3個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されているか、1または2個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている配列番号29~31、33、および35~61のいずれか1つに記載のCDR3を含む重鎖可変領域を含む。態様によっては、重鎖可変領域は、1個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている配列番号29~31、33、および35~61のいずれか1つに記載のCDR3を含む。態様によっては、重鎖可変領域は、配列番号29~31、33、および35~61のいずれか1つに記載の可変領域配列の3つのCDRを含み、CDR1では1、2、または3個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されており、かつ/またはCDR2は1、2、または3個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている。態様によっては、重鎖可変領域は、配列番号29~31、33、および35~61のいずれか1つに記載の可変領域配列の3つのCDRを含み、CDR1では1または2個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されており、および/またはCDR2は1または2個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている。態様によっては、重鎖可変領域は、配列番号29~31、33、および35~61のいずれか1つに記載の可変領域配列の3つのCDRを含み、CDR1および/またはCDR2では1個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、重鎖CDR1配列G(G/Y)(K/T)FS(W/S/Y)(F/Y)、重鎖CDR2配列YP(G/I)(D/F)GE、および重鎖CDR3配列DYLRAMD(Y/I/V)を含む。態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、重鎖CDR3(HCDR3)配列 DDYLRAMDY(配列番号81)、DDYLRAMDV(配列番号91)、またはDDYLRAMDI(配列番号92);重鎖CDR1(HCDR1)配列GYDFSNF(配列番号79)、GYTFSNF(配列番号82)、GGDFSNF(配列番号83)、GYDFSSY(配列番号87)、GYDFSSF(配列番号88)、または GYDFSNY(配列番号89);および重鎖CDR2(HCDR2)配列YPGDGE(配列番号80)、YPIDGE(配列番号85)、またはYPGFGE(配列番号90)を含む重鎖可変領域を含む。結合を無効にする変異を持つ例示的なCDR2配列は、IPGDGE(配列番号84)およびYPGDGT(配列番号86)である。
態様によっては、抗Siglec-7抗体では、1、2、または3個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されているか、1または2個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている配列番号62および64~78のいずれか1つに記載のCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。態様によっては、軽鎖可変領域は、1個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている配列番号62および64~78のいずれか1つに記載のCDR3を含む。態様によっては、軽鎖可変領域は、配列番号62および64~78のいずれか1つに記載の可変領域配列の3つのCDRを含み、CDR1では1、2、3、または4個のアミノ酸が置換されているか、1、2、または3個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されており、かつ/またはCDR2では1、2、3、または4個のアミノ酸が置換されているか、1、2、または3個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている。態様によっては、軽鎖可変領域は、配列番号62および64~78のいずれか1つに記載の可変領域配列の3つのCDRを含み、CDR1および/またはCDR2では1または2個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている。態様によっては、軽鎖可変領域は、配列番号62および64~78のいずれか1つに記載の可変領域配列の3つのCDRを含み、CDR1および/またはCDR2では1個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、軽鎖CDR1配列RAS(G/Q)(N/G)I(H/S)NYLA、重鎖CDR2配列 (S/A)A(K/S)RL(E/A)(S/D)、および重鎖CDR3配列QHFWSSPYTを含む。態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、軽鎖CDR3(LCDR3)配列QHFWSSPYT(配列番号95);軽鎖CDR1(LCDR1)配列RASGNIHNYLA(配列番号93)、RASGGIHNYLA(配列番号99)、RASQNIHNYLA(配列番号100)、またはRASGNISNYLA(配列番号101);および軽鎖CDR2(LCDR2)配列SAKRLES(配列番号94)、AASRLES(配列番号97)、SASRLES(配列番号98)、SAKRLAS(配列番号102)、またはSAKRLED(配列番号103)を含む軽鎖可変領域を含む。結合を無効にする例示的なCDR1変異は、RASGNIHNSLA(配列番号96)である。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域は重鎖CDR3(HCDR3)配列DDYLRAMDY(配列番号81)、DDYLRAMDV(配列番号91)、またはDDYLRAMDI(配列番号92);重鎖CDR1(HCDR1)配列GYDFSNF(配列番号79)、GYTFSNF(配列番号82)、GGDFSNF(配列番号83)、GYDFSSY(配列番号87)、GYDFSSF(配列番号88)、またはGYDFSNY(配列番号89);および重鎖CDR2(HCDR2)配列YPGDGE(配列番号80)、YPIDGE(配列番号85)、またはYPGFGE(配列番号90)を含み、前記軽鎖可変領域は軽鎖CDR3(LCDR3)配列QHFWSSPYT(配列番号95);軽鎖CDR1(LCDR1)配列RASGNIHNYLA(配列番号93)、RASGGIHNYLA(配列番号99)、RASQNIHNYLA(配列番号100)、またはRASGNISNYLA(配列番号101);および軽鎖CDR2(LCDR2)配列SAKRLES(配列番号94)、AASRLES(配列番号97)、SASRLES(配列番号98)、SAKRLAS(配列番号102)、またはSAKRLED(配列番号103)を含む。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、配列番号43、45、46、47、48、49、50、51、54、55、57、および58から選択される重鎖可変領域配列に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域と、配列番号69のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域を含む。態様によっては、前記重鎖可変領域は、配列番号53、54、51、55、58、および59から選択される重鎖可変領域配列に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列と、配列番号78のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域を含む。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7は、以下の可変領域(a)~(l)を含む:
(a)配列番号43に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(b)配列番号45に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(c)配列番号46に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(d)配列番号47に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(e)配列番号48に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(f)配列番号49に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(g)配列番号50に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(h)配列番号51に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(i)配列番号54に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域配列、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(j)配列番号55に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(k)配列番号57に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、または
(l)配列番号58に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号69に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7は以下の可変領域(a)~(f)のいずれかを含む。
(a)配列番号53に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(b)配列番号54に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(c)配列番号51に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(d)配列番号55に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、
(e)配列番号58に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、または
(f)配列番号59に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、および配列番号78に記載のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、Siglec-7を内部移行し、Siglec-7への結合に関して図1~図3に8A2として表記された抗体と競合する。態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、配列番号104または106のいずれか1つに示されたV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、配列番号105または107に示されたV配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つのCDRを持つ。態様によっては、抗Siglec-7抗体は配列番号104または106に示されたHCDR3配列と、配列番号105または107に示されたLCDR3配列を含む。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、配列番号104または106の重鎖可変領域のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である重鎖可変領域を含む。特定の態様では、配列番号104または106の重鎖可変領域のアミノ酸配列に対する同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%であるV配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含むが、そのような配列を含む抗Siglec-7抗体はSiglec-7に結合する能力を保持し、内部移行活性を持つ。特定の態様では、配列番号104または106の重鎖可変領域のアミノ酸配列では合計1~20個のアミノ酸が置換、挿入、および/または削除されている。特定の態様では、すべての置換、挿入、または欠失はフレームワーク領域で生じる。特定の態様では、CDR領域では1、2、または3個の置換が生じる。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、配列番号105または107の軽鎖可変領域のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である軽鎖可変領域を含む。特定の態様では、配列番号105または107の軽鎖可変領域のアミノ酸配列に対する同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%であるV配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含むが、そのような配列を含む抗Siglec-7抗体はSiglec-7に結合する能力を保持する。特定の態様では、配列番号105または107の軽鎖可変領域のアミノ酸配列では合計1~20個のアミノ酸が置換、挿入、および/または削除されている。特定の態様では、すべての置換、挿入、または欠失はフレームワーク領域で生じる。特定の態様では、CDR領域では1、2、または3個の置換が生じる。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、配列番号104または106の重鎖可変領域のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である重鎖可変領域と、配列番号105または107の軽鎖可変領域のアミノ酸配列に対する配列同一性が少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である軽鎖可変領域を含む。態様によっては、抗Siglec-7抗体は上の2つの段落で記載した重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域に対する修飾を持つ。
態様によっては、抗Siglec-7抗体は、1、2、または3個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されているか、1または2個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている配列番号104または106に記載のCDR3を含む重鎖可変領域を含む。態様によっては、重鎖可変領域は、1個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている配列番号104または106に記載のCDR3を含む。態様によっては、重鎖可変領域は、CDR1では1、2、または3個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)され、かつ/またはCDR2では1または2個、あるいは1個だけアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている配列番号104または106に記載の可変領域配列の3つのCDRを含む。
態様によっては、抗Siglec-7抗体は、1、2、または3個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されているか、1または2個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている配列番号105または107に記載のCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。態様によっては、軽鎖可変領域は、1個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている配列番号105または107に記載のCDR3を含む。態様によっては、軽鎖可変領域は、CDR1で1、2、または3個のアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)され、かつ/またはCDR2で1または2個、あるいは1個だけアミノ酸が置換(例えば、保存的置換)されている配列番号105または107に記載の可変領域配列の3つのCDRを含む。
本発明のさらなる一態様では、上記実施形態のいずれかによる抗Siglec-7抗体はモノクローナル抗体(キメラ抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体を含む)である。一態様では、抗Siglec-7抗体は、例えば、Fv、Fab、Fab’、scFv、二重特異性抗体、またはF(ab’)断片などの抗体断片である。他の態様では、抗体は、実質的に完全な長さの抗体(例えば、IgG抗体、または本明細書で規定した他の抗体クラスすなわちアイソタイプ)である。特定の抗体断片の概説については、Hudson et al. Nat. Med. 9: 129-134 (2003)を参照のこと。抗体断片は様々な技術により作製することができる。例えば、これらに限定されないが、完全な抗体のタンパク質分解による消化、本明細書で記載する組み換え宿主細胞(例えば、大腸菌またはファージ)の作製などが挙げられる。
態様によっては、本開示による抗Siglec-7抗体は、リガンドを阻害する1価の形態の抗体である。態様によっては、この抗Siglec-7抗体は、断片形態(例えば、Fv、Fab、Fab’、scFv、二重特異性抗体、またはF(ab’)断片)である。態様によっては、1価または断片の形態の抗体は、例えば、PEG化により修飾されて半減期が長くなっている。
態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体は、二重特異性または多特異性形態で用いられる。例えば、実施形態によっては、抗体は、さらに以下で記載する治療抗体を含む二重特異性または多特異性抗体に組み込まれていてもよい。

Fcの設計
態様によっては、本開示の抗体はFc領域を含む。Fc領域は、抗体の1つ以上の機能特性(例えば、血清半減期、補体結合、Fc受容体結合、および/または抗原依存性細胞毒性)を変えるように操作されたFc領域であってもよい。さらに、本開示の抗体は、化学的に修飾されていてもよく(例えば、1つ以上の化学部位を抗体に結合させてもよい)、あるいはここでも抗体の1つ以上の機能特性を変えるようにそのグリコシル化を変えるように修飾されていてもよい。
一態様では、CH1のヒンジ領域は、ヒンジ領域のシステイン残基数を変更する、例えば、増やすあるいは減らすように修飾されている。この方法は、さらにBodmerらの米国特許第5,677,425号で記載されている。CH1のヒンジ領域のシステイン残基数は、例えば、軽鎖および重鎖の組立を容易にする、あるいは抗体の安定性を高めるまたは低下させるように変更されている。
一態様では、本発明の抗体は、S228P置換を含むヒトIgG4のFc領域修飾を持っていてもよい。ここで、アミノ酸残基はKabatなどのEU指標により番号付けされている。
他の実施形態では、Fc領域は、抗体のエフェクター機能を変更するように少なくとも1つのアミノ酸残基を異なるアミノ酸残基で置換することで変更されている。例えば、抗体がエフェクターリガンドに対する結合については変化しているが、その親抗体の抗原結合能を保持するように1個以上のアミノ酸を異なるアミノ酸残基で置換してもよい。結合が変化しているエフェクターリガンドは、例えば、Fc受容体または補体のC1成分であってもよい。この方法は、米国特許第5,624,821号および5,648,260号(いずれもWinterら)でさらに詳しく記載されている。
他の態様では、抗体のC1q結合が変更され、かつ/または補体依存性細胞毒性(CDC)が無効になるように、アミノ酸残基から選択される1個以上のアミノ酸を異なるアミノ酸残基で置換してもよい。この方法は米国特許第6,194,551号でさらに詳しく記載されている。
他の態様では、1個以上のアミノ酸残基を変えて、これにより抗体の補体を固定する能力を変える。この方法は、BodmerらのPCT公報W01994/29351でさらに記載されている。
さらに他の実施形態では、Fc領域は、抗体依存性細胞毒性(ADCC)を調節する抗体の能力、および/または1個以上のアミノ酸を修飾することで抗体のFc受容体に対する親和性を高める抗体の能力を高めるように修飾されている。この方法は、PrestaによるPCT公報WO2000/42072でさらに記載されている。また、FcγRI、FcγRII、FcγRIII、およびFcRに対するヒトIgG1の結合部位はマッピングされており、向上した結合を持つ多様体が記載されている(Shields et al., (2001 ) J. Biol. Chem. 276:6591 -6604を参照のこと)。
さらに他の実施形態では抗体のグリコシル化が修飾されている。例えば、非グリコシル化抗体または変更したグリコシル化パターンを持つ抗体を作製してもよい。例えば、抗体の抗原に対する親和性を高める、あるいはFc領域での場合はエフェクター機能に影響を及ぼすようにグリコシル化を変えてもよい。そのような炭水化物の修飾は、例えば、抗体配列内の1つ以上のグリコシル化部位を変更することで達成されてもよい。例えば、1つ以上の可変領域フレームワークのグリコシル化部位を脱離させるように1個以上のアミノ酸を置換し、これによりその部位のグリコシル化を脱離させてもよい。そのようなグリコシル化により、抗体の抗原に対する親和性を高めてもよい。そのような方法は、Coらの米国特許第5,714,350号および6,350,861号でさらに詳しく記載されている。
これに加えて、あるいはこれに代えて、グリコシル化の種類を変えた抗体を作製してもよい。そのような抗体としては、例えば、フコシル残基の量を減らした低フコシル化抗体の調製や二分岐化(bisecting)GlcNac構造を多く持つ抗体が挙げられる。このような変更されたグリコシル化パターンは、抗体のADCC能を高めることが示されている。このような炭水化物修飾は、例えば、変更されたグリコシル化機構を持つ宿主細胞内で抗体を発現させることで達成することができる。変更されたグリコシル化機構を持つ細胞については当該分野で記載されており、宿主細胞として用いてもよい。このような宿主細胞内で本開示の組み換え抗体を発現させて、これにより変更されたグリコシル化を持つ抗体を作製する。例えば、HangらによるEP1,176,195には、対象の細胞株内で発現した抗体が低フコシル化を示すように機能的に阻害されたFUT8遺伝子(フコシルトランスフェラーゼをコードする)を持つ細胞株が記載されている。PrestaによるPCT公報WO2003/035835には、フコースをAsn(297)結合炭水化物に結合させる能力が低下した多様体CHO細胞株Lecl3細胞が記載されている。またその宿主細胞内で発現した抗体は低フコシル化を示している(また、Shields et al., (2002) J. Biol. Chem. 277:26733-26740を参照のこと)。UmanaらによるPCT公報W01999/54342には、操作された細胞株内で発現した抗体が示す二分岐化GlcNac構造が増加し、その結果、抗体のADCC活性が増加するように糖タンパク質修飾グリコシルトランスフェラーゼ(例えば、β-(1,4)-NアセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTIII))を発現するように操作された細胞株が記載されている(また、Umana et al., (1999) Nat. Biotech. 17:176-180を参照のこと)。
他の態様では、抗体はその生物学的半減期が長くなるように修飾されている。様々な方法が可能である。例えば、Wardに付与された米国特許第6,277,375号に記載されているように、以下の変異T252L、T254S、およびT256Fのうち1つ以上を導入してもよい。あるいは、Prestaらによる米国特許第5,869,046号および6,121,022号で記載されているように、生物学的半減期を長くするため、抗体をCH1またはCL領域内で変化させて、IgGのFc領域のCH2領域の2つのループから取られた、エピトープに結合するサルベージ受容体を含めてもよい。

癌の治療
本発明の抗Siglec-7抗体は、任意の数の癌を治療するのに用いられてもよい。本開示の態様によっては、抗体を用いて、高濃度のSiglec-7の発現を伴うCD8+T細胞などの免疫細胞の浸潤を示す癌を治療する。態様によっては、本発明の抗Siglec-7抗体を用いて、Siglec-7を発現しているNK細胞または単球の浸潤を示す癌を治療してもよい。
従って、態様によっては、本開示は、抗Siglec-7抗体で治療する候補である対象を確認する方法を提供する。従って、一態様では、本発明は、患者から得られた腫瘍試料中のSiglec-7を発現しているCD8+T細胞の浸潤の量を確認する方法を提供する。態様によっては、この腫瘍試料は一次腫瘍に由来する。別の実施形態では、この腫瘍試料は転移性病変である。例えば、T細胞などの細胞表面でのSiglec-7の発現濃度を、免疫組織化学検査またはフローサイトメトリーなど任意のアッセイを用いて測定してもよい。腫瘍浸潤性T細胞表面でのSiglec-7の発現濃度の決定という文脈でSiglec-7の「過剰発現」は、分析している細胞(例えば、CD8+T細胞)の少なくとも10%、少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、またはそれ以上が細胞表面で検出可能なSiglec-7を発現しているものと見なされる。従って、この文脈での「過剰発現」は検出可能なSiglec-7を発現しているT細胞の百分率を指す。この文脈での「過剰発現」は、検出可能なSiglec-7を発現しているT細胞の百分率を指す場合に検出可能なSiglec-7を発現しているT細胞の「数の増加」または「濃度の上昇」という用語と同義である。
腫瘍が発現しているSiglec-7リガンドの濃度はまた、典型的に高くなっている。腫瘍は、Siglec-7の検出可能な結合が腫瘍細胞表面で観察される場合、Siglec-7リガンドを発現していると見なされる。態様によっては、評価される試料中、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも50%、またはそれ以上の腫瘍細胞表面でSiglec-7リガンドが発現していれば、これを抗Siglec-7抗体で治療する患者を決定するための選択基準として用いてもよい。
本明細書で記載するように、抗Siglec-7抗体で任意の癌を治療してもよい。態様によっては、この癌は上皮性悪性腫瘍または肉腫である。態様によっては、この癌は血液癌である。態様によっては、この癌は乳癌、前立腺癌、精巣癌、腎細胞癌、膀胱癌、卵巣癌、頸部癌、子宮内膜癌、肺癌、結腸直腸癌、肛門癌、脾臓癌、胃癌、食道癌、肝細胞癌、頭部および頸部癌、膠芽細胞腫、中皮腫、メラノーマ、または骨あるいは軟組織肉腫である。態様によっては、この癌は、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄白血病、副腎皮質上皮性悪性腫瘍、肛門癌、虫垂癌、星状細胞腫、基底細胞上皮性悪性腫瘍、胆管癌、膀胱癌、骨腫瘍、脳幹グリオーマ、脳癌、小脳星状細胞腫、脳星状細胞腫、上衣腫、髄芽腫、テント上未分化神経外胚葉性腫瘍、視覚伝導路および視床下部膠腫、乳癌、気管支腺腫、バーキットリンパ腫、中枢神経系リンパ腫、小脳星状細胞腫、頸部癌、軟骨肉腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、大腸癌、皮膚T細胞性リンパ腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、子宮内膜癌、上衣腫、類上皮血管内皮腫(EHE)、食道癌、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼癌、眼球内メラノーマ、網膜芽、胆嚢癌、胃癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST),胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、胃カルチノイド、有毛細胞白血病、頭部および頸部癌、心臓癌、肝細胞癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、視床下部および視覚伝導路神経膠腫、小児、眼球内メラノーマ、島細胞上皮性悪性腫瘍、カポジ肉腫、腎臓癌、喉頭癌、白血病、口唇および口腔癌、脂肪肉腫、肝臓癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌,リンパ腫、マクログロブリン血症、男性乳癌、悪性骨線維性組織球腫、髄芽腫、メラノーマ,メルケル細胞癌、中皮腫、転移性扁平上皮頸部癌、口癌、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病、骨髄白血病、成人急性、骨髄増殖性障害、慢性、粘液腫、鼻腔および副鼻腔癌、鼻咽頭上皮性悪性腫瘍、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、乏突起膠腫、口腔癌、口腔咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、脾臓癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、松果体星状細胞腫、松果体胚細胞腫、松果体芽細胞腫、テント上未分化神経外胚葉性腫瘍、下垂体腺腫、血漿細胞新生物、胸膜肺芽腫、一次中枢神経系リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、腎臓細胞上皮性悪性腫瘍、網膜芽、横紋筋肉腫、唾液腺癌、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、軟組織肉腫、子宮肉腫、セザリー症候群、非メラノーマ皮膚癌、メラノーマメルケル細胞皮膚上皮性悪性腫瘍、小腸癌、扁平上皮細胞上皮性悪性腫瘍、扁平上皮頸部癌、胃癌、皮膚T細胞リンパ腫、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫、甲状腺癌、腎盂および尿管の移行細胞癌、妊娠性絨毛性腫瘍、尿道癌、子宮癌、膣癌、外陰癌、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、またはウィルムス腫瘍である。
一態様では、本開示の方法は、前記癌の治療に好適な投与計画を用いて医薬組成物として治療有効量の抗Siglec-7抗体を癌患者に投与することを含む。この組成物は、様々な薬物送達システムで用いられるために処方されてもよい。また、適切な製剤のため、この組成物は1種以上の生理学的に容認可能な賦形剤または担体を含んでいてもよい。本発明で用いる適切な製剤は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, Philadelphia, PA. Lippincott Williams & Wilkins, 2005に見られる。
上記の抗Siglec-7抗体は、注射用の殺菌等張水溶液など、患者に投与するのに好適な溶液で提供される。この抗体は、容認可能な担体中に好適な濃度で溶解または懸濁している。態様によっては、この担体は例えば、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水などの水性である。この組成物は、生理学的条件に近づけるのに必要な補助的な医薬品物質(例えば、pH調製および緩衝剤、等張調整剤など)を含んでいてもよい。
病気またはその病気の症状およびその合併症を治癒する、あるいは少なくとも部分的に抑えるのに十分な量でこの医薬組成物を患者に投与する。これを達成するのに適切な量は、「治療有効投与量」として定義される。治療有効投与量は、患者の治療に対する応答を監視することで決定される。治療有効投与量を示す典型的な基準は、患者の病気の症状の改善を含む。この使用に有効な量は、病気の重症度および患者の一般的な健康状態(年齢、重量、性別、投与経路などの他の因子を含む)に依存する。患者が必要または許容する投与量と頻度により、抗体を単回または複数回投与してもよい。いずれにしても、上記方法は、効果的に患者を治療するのに十分な量の抗Siglec-7抗体を提供する。
任意の好適な手段(例えば、非経口投与、肺内投与、経鼻投与の他、腫瘍内投与などの局所投与を含む)で抗Siglec-7抗体を投与してもよい。非経口注入は、筋肉内投与、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、または皮下投与を含む。態様によっては、抗体を吹き入れて投与してもよい。例示的な一実施形態では、抗体を4℃の注射用殺菌等張水性生理食塩水溶液中に10mg/mlの濃度で保存しておいてもよく、患者に投与する前に注射ように100mlまたは200mlの0.9%塩化ナトリウムで希釈する。態様によっては、0.01~25mg/kgの投与量で1時間かけて静脈注入により抗体を投与する。他の実施形態では、15分~2時間かけて静脈注入により抗体を投与する。さらに他の実施形態では、投与手順は皮下急速静注注射によるものである。
抗体の投与量は、患者に有効な治療を提供するために選択され、0.01mg/kg(体重)~約25mg/kg(体重)未満の範囲あるいは患者あたり1mg~2gの範囲である。投与量は0.1~10mg/kgまたは約50mg~1000mg/患者の範囲であることが好ましい。この投与量を適切な頻度で繰り返してもよく、その頻度は、抗体の薬物動態(例えば、循環血中の抗体の半減期)および薬力学的応答(例えば、抗体の治療効果の継続)に応じて1日1回から3ヶ月あるいは6ヶ月に1回の範囲であってもよい。態様によっては、生体内での半減期が約7~約25日として、抗体の投与を1週間に1回から3ヶ月または6ヶ月に1回の頻度で繰り返す。他の実施形態では、1ヶ月に約1回抗体を投与する。
抗Siglec-7抗体を1種以上の追加の治療薬(例えば、化学療法薬および/または追加の免疫療法)と共に投与してもよい。
態様によっては、抗Siglec-7抗体を他のチェックポイント阻害剤と併用して投与してもよい。一態様では、チェックポイント阻害剤は生物学的治療または小分子である。他の態様では、チェックポイント阻害剤はモノクローナル抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、融合タンパク質、またはこれらの組み合わせである。特定の態様では、チェックポイント阻害剤はチェックポイントタンパク質を阻害し、このチェックポイントタンパク質はCTLA-4、PDLl、ICOS、PDL2、IDO1、IDO2、PDl、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、GITR、HAVCR2、LAG3、KIR、LAIR1、LIGHT,MARCO、OX-40、SLAM、2B4、CD2、CD27、CD28、CD30、CD40、CD70、CD80、CD86、CD137、CD160、CD39、VISTA、TIGIT、CGEN-15049、2B4、CHK1、CHK2、A2aR、B7ファミリーリガンド、またはこれらの組み合わせであってもよい。態様によっては、上記免疫チェックポイント阻害剤はPD-Llの阻害剤である。態様によっては、上記免疫チェックポイント阻害剤はPD-1の阻害剤である。態様によっては、上記免疫チェックポイント阻害剤はCTLA-4の阻害剤である。態様によっては、上記免疫チェックポイント阻害剤はLAG3の阻害剤である。態様によっては、上記免疫チェックポイント阻害剤はTIM3の阻害剤である。態様によっては、上記免疫チェックポイント阻害剤はICOSである。
態様によっては、抗Siglec-7抗体を、腫瘍細胞抗原を標的する抗体など、治療抗体と併用して投与してもよい。治療抗体の例としては、リツキシマブ、トラスツズマブ、トシツモマブ、イブリツモマブ、アレムツズマブ、エプラツズマブ、ベバシズマブ、エロツズマブ、ネシツムマブ、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブベドチン、セツキシマブ、ダラツムマブ、デノスマブ、ジヌツキシマブ、ゲムツズマブ、イブリツモマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、アドトラスツズマブ、パニツムマブ、ペムブロリズマブ、ペルツズマブ、ラムシルマブ、およびラニビズマブが挙げられる。
態様によっては、抗Siglec-7抗体を化学療法薬と共に投与する。癌化学療法薬の例としては、アルキル化剤(例えば、チオテパおよびシクロホスファミド(CYTOXAN));スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン、インプロスルファン、およびピポスルファン);アジリジン(例えば、ベンゾドパ、カルボコン、メツレドパ、およびウレドパ);エチレンイミンおよびメチルメラミン(アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、およびトリメチローロメラミンを含む);窒素マスタード(例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、酸化メクロレタミン塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、レドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード);ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン;抗生物質(例えば、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カラビシン、カミノマイシン、カルチノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルチェロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン); 代謝拮抗物質(例えば、メトトレキサートおよび5-フルオロウラシル(5-FU));葉酸類縁体(例えば、デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリトリメトレキサート);プリン類縁体(例えば、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン);ピリミジン類縁体(例えば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、5-FU);男性ホルモン(例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン);抗副腎薬(例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン);葉酸補充薬(例えば、フォリン酸); アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキサート;デフォファミン;デメコルシン;ジアジコン;エルフォルミチン;酢酸エリプチニウム;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモル;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2”-トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド;シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド(例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル);クロラムブシル;ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金類縁体(例えば、シスプラチンおよびカルボプラチン);ビンブラスチン;ドセタキセル、白金;エトポシド(VP-16));イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;CPT-1 1;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオミチン(DMFO);レチノイン酸誘導体(例えば、ベキサロテン、アリトレチノイン);デニロイキン・ディフティトックス;エスペラミシン;カペシタビン;およびこれらのいずれかの医薬的に許容可能な塩、酸、または誘導体が挙げられる。またこの定義には、腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するように作用する抗ホルモン剤が含まれる。例えば、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、ミフェプリストン、アロマターゼ阻害4(5)-イミダゾール、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY 1 17018、オナプリストン、およびトレミフェン(フェアストン)を含む);および抗アンドロゲン(例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロレリン、およびゴセレリン;およびこれらのいずれかの医薬的に許容可能な塩、酸、または誘導体などが挙げられる。さらに癌治療薬は、ソラフェニブおよび他のタンパク質キナーゼ阻害剤(例えば、アファチニブ、アキシチニブ、クリゾチニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、フォスタマチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、レンバチニブ、ムブリチニブ、ニロチニブ、パゾパニブ、ペガプタニブ、ルキソリチニブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、およびスニチニブ);シロリムス(ラパマイシン)、エベロリムス、およびその他のmTOR阻害剤を含む。追加の化学療法薬としては、例えば、トポイソメラーゼI阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン、カンプトテシン、およびこれらの類縁体または代謝物質、およびドキソルビシン);トポイソメラーゼII阻害剤(例えば、エトポシド、テニポシド、およびダウノルビシン);アルキル化剤(例えば、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、チオテパ、イホスファミド、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、メトトレキサート、マイトマイシンC、およびシクロホスファミド);DNA干渉物質(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、およびカルボプラチン);DNA干渉物質および遊離ラジカル発生剤(例えば、ブレオマイシン;およびヌクレオシド模倣物(例えば、5-フルオロウラシル、カペシチビン、ゲムシタビン、フルダラビン、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン、およびヒドロキシ尿素)が挙げられる。また、例示的な化学療法薬としては、パクリタキセル、ドセタキセル、および関連類縁体;ビンクリスチン、ビンブラスチン、および関連類縁体;サリドマイド、レナリドミド、および関連類縁体(例えば、CC-5013およびCC-4047);タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、メシル酸イマチニブおよびゲフィチニブ);プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ);NF-κΒ阻害剤(ΙκΒキナーゼの阻害剤および癌で上方調節、過剰発現、または活性化されることが知られており、その阻害は細胞複製を下方調節するその他のタンパク質または酵素の阻害剤を含む)が挙げられる。追加の薬剤としては、アスパラギナーゼおよびカルメット・ゲラン桿菌の調製剤が挙げられる。
また、細胞系治療(例えば、NK細胞治療または癌ワクチンなど)と併用して抗Siglec-7抗体を癌患者に投与してもよい。場合によっては、癌ワクチンはペプチド系ワクチン、核酸系ワクチン、細胞系ワクチン、ウイルス系またはウイルス断片系ワクチン、あるいは抗原提示細胞(APC)系ワクチン(例えば、樹状細胞系ワクチン)である。癌ワクチンは、Gardasil(登録商標)、Cervarix(登録商標)、シプリューセル-T(Provenge登録商標)、NeuVax(登録商標)、HER-2 ICDペプチド系ワクチン、HER-2/neuペプチドワクチン、AdHER2/neu樹状細胞ワクチン、HER-2刺激(pulsed)DC1ワクチン、Ad-sig-hMUC-l/ecdCD40L融合タンパク質ワクチン、MVX-ONCO-1、hTERT/サルビビン/CMV多ペプチドワクチン、E39、J65、PlOs-PADRE、rV-CEA-Tricom、GVAX(登録商標)、Lucanix(登録商標)、HER2 VRP、AVX901、ONT-10、ISAlOl、ADXSl 1-001、VGX-3100、INO-9012、GSK1437173A、BPX-501、AGS-003、IDC-G305、HyperAcute(登録商標)-Renal (HAR)免疫治療法、Prevenarl3,MAGER-3.A1、NA17.A2、DCVax-Direct、潜伏膜タンパク質-2(LMP2)-充填樹状細胞ワクチン(NCT02115126)、HS410-101 (NCT02010203, Heat Biologies)、EAU RF 2010-01 (NCT01435356, GSK)、140036 (NCT02015104, Rutgers Cancer Institute of New Jersey)、130016 (NCTO 1730118, National Cancer Institute)、MVX-201101 (NCT02193503,Maxivax SA)、ITL-007-ATCR-MBC(NCT01741038, Immunovative Therapies, Limited)、CDR0000644921 (NCT00923143, Abramson cancer center of the University of Pennsylvania)、SuMo-Sec-01 (NCT00108875, JuliusMaximilians Universitaet Hospital)、またはMCC-15651 (NCT01176474,Medarex, Inc, BMS)を含む。
本発明の文脈で本発明の抗Siglec-7抗体と共に投与される治療薬は、抗Siglec-7抗体の投与の前あるいは後に投与されてもよい。態様によっては、抗Siglec-7抗体は、追加の治療薬と同時に投与されてもよい。
以下の実施例は例示目的で提供されており、本発明を限定する意図ではない。当業者には自明だが、本質的に同じ結果を得るために様々な重要でないパラメータを変更または修正してもよい。
実施例1 腫瘍浸潤性T細胞表面でのSiglec-7の検出
Mylteni GentleMACSを用いて、製造者の指示に従ってヒト一次腫瘍試料に由来する細胞を含む試料を準備した。細胞を蛍光活性化細胞選別により分析して、生存率マーカーとしてCD3、CD8、CD16、CD45、および7-AADを含む免疫細胞表面マーカーを決定した。CD8+T細胞を7-AAD- CD45+ CD3+ CD8+として同定し、ゲートを設定した。抗Siglec-7-PE(クローンS7.7、Biolegend)を用いてSiglec-7濃度を検出した。その結果から、Siglec-7の発現の百分率(図4)と濃度(図5)が腫瘍のサブセットのCD8+腫瘍浸潤性T細胞表面で高くなっていることが判明した。
実施例2 腫瘍細胞表面でのSiglec-7リガンドの検出
腫瘍細胞表面のリガンド濃度を評価した。組み換えSiglec-7-Fc融合タンパク質の特異的結合を用いて、新しい一次腫瘍から単離した細胞表面でのSiglec-7リガンドの濃度を評価した。特異性の対照として、0.1U/mLのシアリダーゼ/ノイラミニダーゼ(Roche)で細胞を処理して、細胞表面からシアル酸を取り除いた。その結果から、Siglec-7リガンドが腫瘍の様々なサブセットに由来する腫瘍細胞の表面で検出されたことが判明した(図6)。細胞のシアリダーゼ処理(すなわち、細胞膜からのシアログリカンの「剥ぎ取り」)により、結合が取り除かれた。
実施例3 K が向上した抗体
Siglec-7への結合に関して抗体群を評価した。その結果から、市販の抗Siglec-7抗体に比べてK値が向上した抗Siglec-7抗体が確認された(図7)。
実施例4 Siglec-7リガンド阻害活性を持つ抗体
濃度を高めた抗Siglec-7抗体の存在下、組換えSiglec-7-FcをA375細胞に加えて、細胞表面での複合体の結合を検出した。その結果から、抗Siglec-7抗体は、Siglec-7と様々な能力を持つA375ヒトメラノーマ細胞の表面に存在するリガンドとの相互作用を阻害することが判明した(図8)。また、この抗体は市販の抗Siglec-7抗体に対してリガンド阻害活性が向上していることが判明した。
実施例5 Siglec-7内部移行活性を持つ抗体
抗Siglec-7抗体の濃度を高めて、一次ヒト末梢血単核球(PBMC)を24時間インキュベートし、競合しない抗Siglec-7抗体を用いてNK細胞の細胞表面に残留したSiglec-7を検出した。その結果から、抗Siglec-7抗体が様々な能力を持つ一次ヒトNK細胞表面のSiglec-7を内部移行させた(図9)ことが判明した。またこの抗体は、市販あるいは上記の抗Siglec-7抗体に比べて内部移行活性が向上していたことが判明した。モノクローナル抗体3F1を用いてヒトNK細胞表面のSiglec-7の素早い濃度依存性の抗体誘導内部移行を評価した。3F1は、市販のS7.7抗体に比べてより能力の高い内部移行活性を示した(図10)。
モノクローナル抗体8A2の評価(図11)から、この抗体はSiglec-7/リガンド相互作用を阻害しない(左パネル)が、一次ヒト免疫細胞表面のSiglec-7の内部移行を生じさせる(右パネル)ことが判明した。
実施例6 ヒト化配列
モノクローナル抗体16H11および8A2を用いてヒト化抗体を生成し、ヒト化内部移行抗Siglec7抗体を生成した。
Siglec7に対する結合について16H11由来のヒト化抗体を評価した。抗体結合の結果(1価のFabの形態で測定)を表1に示す。以下の重鎖および軽鎖可変領域を持つ抗体はK値(1価のFab)が約75nM以下であった:VH438-4およびVL418-2;VH440-2およびVL418-2;VH441-2およびVL418-2;VH443-1およびVL418-2;VH444-2およびVL418-2、VH445-3およびVL418-2;VH449-4およびVL448-3;VH449-6およびVL418-2;VH387-11およびVL418-2;VH446-7およびVL418-2;VH446-7およびVL448-3;VH463-2およびVL418-2;Vh463-2およびVL448-3;FH465-17およびVL418-2;VH484-6およびVL418-2;VH484-6およびVL448-3;およびVH484-7およびVL448-3。選択した抗体AK410-1/AK418-2、AK446-7/AK418-2、およびAK446-7/AK448-3(表1のV/V対で示される)の分析によって示されるように、16H11抗Siglec-7抗体のリガンド阻害活性は保存されている。
Figure 0007137563000001
方法
の測定
バイオレイヤー干渉法(ForteBio)により抗体結合分析を行った。25℃、1倍のForteBio Kinetics緩衝超純水溶液(ForteBio18-132)中でこのアッセイを行った。0.5ug/mLで抗体を抗マウス動的(kinetic)センサーで捕捉した。Siglec-7-ECDを検体として用いて、2倍希釈した50nM~1.56nMのアッセイ緩衝液で希釈した。2分間の会合を行い、10分間解離させた。対照である空の基準AHCセンサーに対する結果を求めて、ForteBio分析ソフトウェアを用いて1:1のグローバル適合パラメータで分析した。
Fortebioを用いた抗体競合
飽和条件(1ug/mLで15分)でSiglec-7-ECD-huFcを0.5ug/mLにて抗ヒトIgG動的センサーで捕捉し、その後、結合に関して競合する抗体を試験した。他のすべての抗体に対して各抗Siglec-7抗体を2つの方法(すなわち、飽和抗体として、また競合する抗体として)で試験した。センサー表面の抗体が溶液中の抗体と競合する場合、抗原とのさらなる結合は観察されない。結合信号が観察される場合、2つの抗体が競合しないようなかたちで抗原と結合している。
リガンド阻害アッセイ
Siglec-7に対するリガンドを高濃度で発現しているヒトメラノーマ細胞株A375を用いて、細胞系アッセイでの抗Siglec-7抗体の阻害活性を決定した。抗Siglec-7抗体の2倍連続希釈液(40nM~40pM)を10nMのSiglec-7-ECD-FcのFACS緩衝液(PBS/2%のBSA)と混合し、30分間氷上でインキュベートした。1ウェルあたり2.5×10e4のA375細胞をFACS緩衝液中の丸底の96ウェル組織培養プレートに加えて、プレートを400gで2分間遠心分離し、上澄みを除去した。細胞を100ulの抗体-Siglec-7複合体に懸濁した。1時間、氷上でインキュベートした後、細胞を2回洗浄し、FACS緩衝液中1ug/mlでAF647(Jackson IR labs)に結合させたヤギ抗ヒトF(ab’)断片と共に30分間インキュベートした。2回以上洗浄した後、細胞をPBS/2%PFAで固定し、Novocyteフローサイトメーター(ACEA biosciences)で捕捉した。APCチャネルの平均蛍光強度のプロットとPrism Graphpadソフトウェアを用いたおよび分析に基づいて、阻害に関するIC50値を決定した。
内部移行アッセイ
健康な提供者の抹消血単核単球(PBMC)を用いて抗Siglec-7抗体の内部移行活性を決定した。上記の凍結保存したPBMCを解凍して、完全培地(10%ウシ胎児血清を補充したRPMI培地)中37℃で90分間インキュベートした。抗Siglec-7抗体の5倍連続希釈(100nM~0.01pM)を完全培地で調製した。96ウェル組織培養プレート内で細胞(1ウェルあたり5×10e4)および抗体希釈液を混合して、37℃で24時間インキュベートした。細胞をhuFc block (Becton Dickinson)のFACS緩衝液で再懸濁し、氷上で1時間、CD3-FITC、CD16-PE、および抗Siglec-7抗体4B12-AF647を含む抗体カクテルで染色した。2回の洗浄後、細胞をPBS/2%PFAで固定し、Novocyteフローサイトメーターで捕捉した。平均蛍光強度のNK細胞(CD3-CD16+としてゲートされている)表面でのAPCチャネルでの平均蛍光強度のプロットとPrism Graphpadソフトウェアを用いた分析に基づいて内部移行に関するIC50値を決定した。
一次腫瘍分析
Mylteni GentleMACS装置を用いて製造者の指示に従って一次ヒト腫瘍試料に由来する単一細胞を調製した。細胞をhuFc block (Becton Dickinson)のFACS緩衝液で再懸濁し、 免疫細胞表面マーカー(生存率マーカーとしてCD3、CD8、CD16、CD45、および7-AADを含む)に対する複合抗体を含むカクテルを用いて染色を行った。CD8+T細胞を7-AAD- CD45+ CD3+ CD8+として同定し、ゲートを設定した。抗Siglec-7-PE(クローンS7.7、Biolegend)を用いてSiglec-7の濃度を検出した。細胞をPBS/2%PFAで固定して、Novocyteサイトメーターで捕捉した。Flowjoソフトウェア(Tristar)を用いてゲート設定および分析を行った。
上記のリガンド阻害アッセイで記載したようにSiglec-7-ECD-Fcを用いて腫瘍細胞表面のリガンドの濃度を検出した。特異性の対照として、0.1U/mLのシアリダーゼ/ノイラミニダーゼ(Roche)で細胞を処理して、シアル酸を細胞表面から除去した。
自明であるが、本明細書で記載する実施例および実施形態は例示のためだけであり、その観点から当業者に様々な修正または変更が示唆され、本願の精神および範囲、ならびに添付の請求項の範囲に含まれる。本明細書で引用したすべての文献、特許、受入番号、および特許出願は、引用されている文脈での目的で参照により本明細書に組み込まれる。
例示的配列の表
Figure 0007137563000002
配列番号15 軽鎖可変領域配列(16H11);下線部はKabatおよびChothiaの両方に規定されたCDR
DIQMTQSPASLSASVGETVTITCRASGNIHNYLAWFQQKQGKSPHFLVYSAKALADGVPSRFSGSGSGTQYSLKINSLQPEDFGTYYCQHFWSSPYTFGGGTKLEIK
配列番号16 軽鎖可変領域配列(2G12);下線部はKabatおよびChothiaの両方に規定されたCDR
DIVLTQSHKFMSTSVGDRVTITCKASQDVSTAVAWYQQKPGQSPKLLIYWTSTRHTGVPDRFTGSGSGTDHTLT
配列番号18 軽鎖可変領域配列(8A2);下線部はKabatおよびChothiaの両方に規定されたCDR
QIVLTQSPAIMSASPGEKVTMTCSASSRVIFMYWYQQKPGSSPRLLIYDTSNLASGVPVRFSGGGSGTSYSLTISRMEAEDAATYYCQQWSSYPPTFGAGTKLELK
配列番号17 軽鎖可変領域配列(5D1);下線部はKabatおよびChothiaの両方に規定されたCDR
DIQMTQTTSSLSASLGDRVTIICRASQDISNFLNWYQQKPDGTVKLLMYDTSILQSGVPSRFSGRGSGADYSLTINNLEQEDLATYFCQQGKTLPYTFGGGTKLEIK
配列番号25 軽鎖可変領域配列(4B12);下線部はKabatおよびChothiaの両方に規定されたCDR
DIVMTQSQKFMSTSVGDRVSVTCKASQNVGTNVAWYQQKPGQSPKAVIYSASYRNSGVPDRFTGSGSGTDFTLTISNVQSEDLTEYFCQQYNNYPYTFGGGTKLEIK
配列番号29~78 16A11由来のヒト化可変領域配列:
配列番号29 ヒト化V領域386-1アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWISWVRQAPGQGLEWMGGIYPGDGEINYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号30 ヒト化V領域392-3アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFSNFWISWVRQAPGQGLEWMGGIYPGDGEINYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号31 ヒト化V領域392-4アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGDFSNFWISWVRQAPGQGLEWMGGIYPGDGEINYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号32 ヒト化V領域393-4アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWISWVRQAPGQGLEWMGGIIPGDGEINYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号33 ヒト化V領域393-8アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWISWVRQAPGQGLEWMGGIYPIDGEINYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号34 ヒト化V領域394-2アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWISWVRQAPGQGLEWMGGIYPGDGTINYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号35 ヒト化V領域394-4アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWISWVRQAPGQGLEWMGGIYPGDGEANYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号36 ヒト化V領域400-5アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSSYAISWVRQAPGQGLEWMGGIYPGDGEINYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号37 ヒト化V領域400-7アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSSFWISWVRQAPGQGLEWMGGIYPGDGEINYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号38 ヒト化V領域400-9アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSSYWISWVRQAPGQGLEWMGGIYPGDGEINYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号39 ヒト化V領域400-14アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNYAISWVRQAPGQGLEWMGGIYPGDGEINYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号40 ヒト化V領域401-1アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWISWVRQAPGQGLEWMGGIYPGFGEINYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号41 ヒト化V領域417-8アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWMNWVRQAPGQGLEWMGGIYPGDGEINYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDVWGQGTMVTVSS
配列番号42 ヒト化V領域417-17 アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWMNWVRQAPGQGLEWMGGIYPGDGEINYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDIWGQGTMVTVSS
配列番号43 ヒト化V領域387-11アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKGSGYDFSNFWMNWVRQAPGQGLEWMGQIYPGDGEIKYNQKFQGRVTLTADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYFCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号44 ヒト化V領域410-1アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWMNWVRQAPGQGLEWMGGIYPGDGEINYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号45 ヒト化V領域438-4アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWMNWVRQAPGQGLEWMGQIYPGDGEIKYNQKFQGRVTLTADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYFCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号46 ヒト化V領域440-2アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKGSGYDFSNFWMNWVRQAPGQGLEWMGQIYPGDGEIKYNQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYFCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号47 ヒト化V領域441-2アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKGSGYDFSNFWMNWVRQAPGQGLEWMGQIYPGDGEIKYNQKFQGRVTLTADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDIWGQGTMVTVSS
配列番号48 ヒト化V領域443-1アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKGSGYDFSNFWMNWVRQAPGQGLEWMGQIYPGDGEIKYNQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDIWGQGTMVTVSS
配列番号49 ヒト化V領域444-2アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWMNWVRQAPGQGLEWMGQIYPGDGEIKYNQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYFCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号50 ヒト化V領域445-3アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWMNWVRQAPGQGLEWMGQIYPGDGEIKYNQKFQGRVTLTADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDIWGQGTMVTVSS
配列番号51 ヒト化V領域446-7アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWMNWVRQAPGQGLEWMGQIYPGDGEIKYNQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDIWGQGTMVTVSS
配列番号52 ヒト化V領域447-2アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWMNWVRQAPGQGLEWMGQIYPGDGEINYNQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDIWGQGTMVTVSS
配列番号53 ヒト化V領域449-4アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWMNWVRQAPGQGLEWMGGIYPGDGEIKYNQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDIWGQGTMVTVSS
配列番号54 ヒト化V領域449-6アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKGSGYDFSNFWMNWVRQAPGQGLEWMGGIYPGDGEIKYNQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDIWGQGTMVTVSS
配列番号55 ヒト化V領域463-2アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWMNWVRQAPGQGLEWMGQIYPGDGEIKYNQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号56 ヒト化V領域465-2アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWMNWVRQAPGQGLEWMGQIYPGDGEINYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDIWGQGTMVTVSS
配列番号57 ヒト化V領域465-17アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFWMNWVRQAPGQGLEWMGQIYPGDGEIKYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDIWGQGTMVTVSS
配列番号58 ヒト化V領域484-6アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNYWMNWVRQAPGQGLEWMGQIYPGDGEIKYNQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDIWGQGTMVTVSS
配列番号59 ヒト化V領域484-7アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNYWMNWVRQAPGQGLEWMGQIYPGDGEIKYNQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号60 ヒト化V領域485-4アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFAMNWVRQAPGQGLEWMGQIYPGDGEIKYNQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDYWGQGTLVTVSS
配列番号61 ヒト化V領域485-5アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFSNFAMNWVRQAPGQGLEWMGQIYPGDGEIKYNQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDDYLRAMDIWGQGTMVTVSS
配列番号62 ヒト化V領域381-1アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASGNIHNYLAWYQQKPGKAPKLLLYSAKRLESGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQHFWSSPYTFGGGTKVEIK
配列番号63 ヒト化V領域390-8アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASGNIHNSLAWYQQKPGKAPKLLLYSAKRLESGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQHFWSSPYTFGGGTKVEIK
配列番号64 ヒト化V領域391-1アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASGNIHNYLAWYQQKPGKAPKLLLYAASRLESGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQHFWSSPYTFGGGTKVEIK
配列番号65 ヒト化V領域391-8アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASGNIHNYLAWYQQKPGKAPKLLLYSASRLESGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQHFWSSPYTFGGGTKVEIK
配列番号66 ヒト化V領域395-1アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASGGIHNYLAWYQQKPGKAPKLLLYSAKRLESGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQHFWSSPYTFGGGTKVEIK
配列番号67 ヒト化V領域395-4アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQNIHNYLAWYQQKPGKAPKLLLYSAKRLESGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQHFWSSPYTFGGGTKVEIK
配列番号68 ヒト化V領域396-2アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASGNISNYLAWYQQKPGKAPKLLLYSAKRLESGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQHFWSSPYTFGGGTKVEIK
配列番号69 ヒト化V領域418-2アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASGNIHNYLAWYQQKPGKAPKFLLYSAKRLESGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQHFWSSPYTFGGGTKVEIK
配列番号70 ヒト化V領域419-2アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQNIHNYLAWYQQKPGKAPKFLLYSAKRLESGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQHFWSSPYTFGGGTKVEIK
配列番号71 ヒト化V領域421-3アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASGNIHNYLAWYQQKPGKAPKFLLYSAKRLESGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQHFWSSPYTFGQGTKLEIK
配列番号72 ヒト化V領域424-1アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASGNIHNYLAWYQQKPGKAPKLLLYSAKRLASGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQHFWSSPYTFGGGTKVEIK
配列番号73 ヒト化V領域425-3アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASGNIHNYLAWYQQKPGKAPKLLLYSAKRLEDGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQHFWSSPYTFGGGTKVEIK
配列番号74 ヒト化V領域426-2アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQNIHNYLAWYQQKPGKAPKLLLYSAKRLASGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQHFWSSPYTFGGGTKVEIK
配列番号75 ヒト化V領域427-1アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQNIHNYLAWYQQKPGKAPKLLLYSAKRLEDGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQHFWSSPYTFGGGTKVEIK
配列番号76 ヒト化V領域435-7アミノ酸配列;下線部はChothiaに規定されたCDR
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQNIHNYLAWYQQKPGKAPKFLLYSAKRLEDGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQHFWSSPYTFGGGTKVEIK
配列番号77 ヒト化V領域439-5アミノ酸配列
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQNIHNYLAWYQQKPGKAPKFLLYSAKRLEDGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQHFWSSPYTFGQGTKLEIK
配列番号78 ヒト化V領域448-3アミノ酸配列
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQNIHNYLAWYQQKPGKAPKFLLYSAKRLESGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQHFWSSPYTFGQGTKLEIK
配列番号104~107 8A2由来のヒト化可変領域配列:
配列番号104 ヒト化重鎖可変領域配列RHA;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTTYGWSWIRQPPGKGLEWIGYIWGGGNTNYNPSLKSRVTISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCAKHKGTSHAMEYWGQGTMVTVSS
配列番号105:ヒト化軽鎖可変領域配列RKA;下線部はChothiaに規定されたCDR
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASSRVIFLAWYQQKPGQAPRLLIYDTSNKATGVPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQWSSYPPTFGGGTKVEIK
配列番号106 ヒト化重鎖可変領域配列RHB;下線部はChothiaに規定されたCDR
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTTYGVDWVRQPPGKGLEWIGVIWGGGNTNYNSSLKSRVTISKDTSKNQVFLKLSSVTAADTAVYYCAKHKGTSHAMEYWGQGTMVTVSS
配列番号107 ヒト化軽鎖可変領域配列RKB;下線部はChothiaに規定されたCDR
QIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASSRVIFMYWYQQKPGQSPRLLIYDTSNLATGVPARFSGGGSGTDYTLTISSLEPEDFAVYYCQQWSSYPPTFGGGTKVEIK

Claims (15)

  1. Siglec-7に結合する抗Siglec-7抗体であって、以下:
    以下:
    HCDR1配列GYDFSNF(配列番号79)又は変異HCDR1配列GYDFSNY(配列番号89);
    HCDR2配列YPGDGE(配列番号:80);
    HCDR3配列DDYLRAMDY(配列番号:81)又は変異HCDR3配列DDYLRAMDV(配列番号:91)若しくはDDYLRAMDI(配列番号:92);
    を含む重鎖可変領域、及び
    以下:
    LCDR1配列RASGNIHNYLA(配列番号:93)又は変異LCDR1配列RASQNIHNYLA(配列番号:100);
    LCDR2配列SAKALAD又は変異LCDR2配列SAKRLES(配列番号:94)、又はSAKRLED(配列番号:103);及び
    LCDR3配列QHFWSSPYT(配列番号:95)
    を含む軽鎖可変領域、
    を含む、抗Siglec-7抗体。
  2. 前記抗体が、以下:
    HCDR1配列GYDFSNF(配列番号:79)又はGYDFSNY(配列番号:89);
    HCDR2配列YPGDGE(配列番号:80);
    HCDR3配列DDYLRAMDY(配列番号:81)又はDDYLRAMDI(配列番号:92);
    LCDR1配列RASGNIHNYLA(配列番号:93)又はRASQNIHNYLA(配列番号:100);
    LCDR2配列SAKRLES(配列番号:94);及び
    LCDR3配列QHFWSSPYT(配列番号:95);
    を含む、請求項1に記載の抗Siglec-7抗体。
  3. 前記抗体が、以下:
    a)HCDR1配列GYDFSNF(配列番号:79),
    HCDR2配列YPGDGE(配列番号:80),及び
    HCDR3配列DDYLRAMDY(配列番号:81);
    を含む重鎖可変領域、及び以下:
    LCDR1配列RASGNIHNYLA(配列番号:93),
    LCDR2配列SAKRLES(配列番号:94),及び
    LCDR3配列QHFWSSPYT(配列番号:95);
    を含む軽鎖可変領域;
    b)HCDR1配列GYDFSNF(配列番号:79),
    HCDR2配列YPGDGE(配列番号:80),及び
    HCDR3配列DDYLRAMDI(配列番号:92);
    を含む重鎖可変領域、及び以下:
    LCDR1配列RASGNIHNYLA(配列番号:93),
    LCDR2配列SAKRLES(配列番号:94), 及び
    LCDR3配列QHFWSSPYT(配列番号:95) ;
    を含む軽鎖可変領域;
    c)HCDR1配列GYDFSNY(配列番号89),
    HCDR2配列YPGDGE(配列番号:80), 及び
    HCDR3配列DDYLRAMDI(配列番号:92);
    を含む重鎖可変領域、及び以下:
    LCDR1配列RASGNIHNYLA(配列番号:93),
    LCDR2配列SAKRLES(配列番号:94), 及び
    LCDR3配列QHFWSSPYT(配列番号:95);
    を含む軽鎖可変領域;又は
    (d)HCDR1配列GYDFSNY(配列番号:89),
    HCDR2配列YPGDGE(配列番号:80),及び
    HCDR3配列DDYLRAMDY(配列番号:81);
    を含む重鎖可変領域、及び以下:
    LCDR1配列RASGNIHNYLA(配列番号:93),
    LCDR2配列SAKRLES(配列番号:94), 及び
    LCDR3配列QHFWSSPYT(配列番号:95);
    を含む軽鎖可変領域;
    を含む、請求項2に記載の抗Siglec-7抗体。
  4. 前記抗体が、以下:
    a)HCDR1配列GYDFSNF(配列番号:79),
    HCDR2配列YPGDGE(配列番号:80),及び
    HCDR3配列DDYLRAMDI(配列番号:92) ;
    を含む重鎖可変領域、及び以下:
    LCDR1配列RASQNIHNYLA(配列番号:100),
    LCDR2配列SAKRLES(配列番号:94),及び
    LCDR3配列QHFWSSPYT(配列番号:95) ;
    を含む軽鎖可変領域;
    b)HCDR1配列GYDFSNY(配列番号:89),
    HCDR2配列YPGDGE(配列番号:80),及び
    HCDR3配列DDYLRAMDY(配列番号:81) ;
    を含む重鎖可変領域、及び以下:
    LCDR1配列RASQNIHNYLA(配列番号:100),
    LCDR2配列SAKRLES(配列番号:94),及び
    LCDR3配列QHFWSSPYT(配列番号:95) ;
    を含む軽鎖可変領域;
    (c)HCDR1配列GYDFSNY(配列番号:89),
    HCDR2配列YPGDGE(配列番号:80),及び
    HCDR3配列DDYLRAMDI(配列番号:92) ;
    を含む重鎖可変領域、及び以下:
    LCDR1配列RASQNIHNYLA(配列番号:100),
    LCDR2配列SAKRLES(配列番号:94),及び
    LCDR3配列QHFWSSPYT(配列番号:95) ;
    を含む軽鎖可変領域;又は
    (d)HCDR1配列GYDFSNF(配列番号:79),
    HCDR2配列YPGDGE(配列番号:80),及び
    HCDR3配列DDYLRAMDY(配列番号:81) ;
    を含む重鎖可変領域、及び以下:
    LCDR1配列RASQNIHNYLA(配列番号:100),
    LCDR2配列SAKRLES(配列番号:94),及び
    LCDR3配列QHFWSSPYT(配列番号:95) ;
    を含む軽鎖可変領域;
    を含む、請求項2に記載の抗Siglec-7抗体。
  5. Siglec-7に結合する抗Siglec-7抗体であって、当該抗体が、以下:
    配列番号41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 55, 57, 58,又は59のいずれか1つのアミノ酸配列と、CDRにおいて100%、それ以外の領域において90%以上の同一性を有する重鎖可変領域;及び
    配列番号69, 70, 71, 76, 77,又は78のいずれか1つのアミノ酸配列と、CDRにおいて100%、それ以外の領域において90%以上の同一性を有する軽鎖可変領域;
    を含む、抗Siglec-7抗体。
  6. 前記抗体が、以下:
    配列番号41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 55, 57, 58,又は59のいずれか1つのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び
    配列番号69, 70, 71, 76, 77,又は78のいずれか1つのアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
    を含む、請求項5に記載の抗Siglec-7抗体。
  7. 前記抗体が、以下:
    配列番号43, 45, 46, 47, 48, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 55, 57, 58,又は59のいずれか1つのアミノ酸配列と、CDRにおいて100%、それ以外の領域において90%以上の同一性を有する重鎖可変領域;及び
    配列番号69,又は78のいずれか1つのアミノ酸配列と、CDRにおいて100%、それ以外の領域において90%以上の同一性を有する軽鎖可変領域;
    を含む、請求項5に記載の抗Siglec-7抗体。
  8. 前記抗体が、以下:
    配列番号43, 45, 46, 47, 48, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 55, 57, 58,又は59のいずれか1つのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び
    配列番号69又は78のいずれか1つのアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
    を含む、請求項7に記載の抗Siglec-7抗体。
  9. 前記抗体が、以下:
    配列番号43, 45, 46, 47, 48, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 55, 57,又は58のいずれか1つのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び
    配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
    を含む、請求項8に記載の抗Siglec-7抗体。
  10. 前記抗体が、以下:
    配列番号51, 52, 54, 55, 57, 58,又は59のいずれか1つのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び
    配列番号78のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
    を含む、請求項8に記載の抗Siglec-7抗体。
  11. 前記抗体が、以下:
    (a)配列番号55のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
    (b)配列番号57のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
    (c)配列番号59のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号78のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
    を含む、請求項8に記載の抗Siglec-7抗体。
  12. 前記抗体が:
    (a)一価フォームである;
    (b)多価Fabフォームである;又は
    (c)IgGである;
    請求項1~11のいずれか1項に記載の抗Siglec-7抗体。
  13. 請求項1~11のいずれか1項に記載の抗Siglec-7抗体を含む、二重特異性又は多重特異性抗体。
  14. シアル化Siglec-7リガンドを発現する腫瘍の治療のための、請求項1~12のいずれか1項に記載の抗体、又は請求項13に記載の二重特異性又は多重特異性抗体を含有する医薬組成物。
  15. 前記腫瘍が、Siglec-7を発現するCD8+浸潤T細胞の数が増大したものである、請求項14に記載の医薬組成物。
JP2019527783A 2016-08-05 2017-08-04 がん治療用の抗Siglec-7抗体 Active JP7137563B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201662371680P 2016-08-05 2016-08-05
US62/371,680 2016-08-05
PCT/US2017/045641 WO2018027203A1 (en) 2016-08-05 2017-08-04 Anti-siglec-7 antibodies for the treatment of cancer

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2019526622A JP2019526622A (ja) 2019-09-19
JP2019526622A5 JP2019526622A5 (ja) 2020-09-17
JP7137563B2 true JP7137563B2 (ja) 2022-09-14

Family

ID=61073084

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019527783A Active JP7137563B2 (ja) 2016-08-05 2017-08-04 がん治療用の抗Siglec-7抗体

Country Status (13)

Country Link
US (1) US11773162B2 (ja)
EP (1) EP3494142A4 (ja)
JP (1) JP7137563B2 (ja)
KR (1) KR20190035863A (ja)
CN (1) CN109790223A (ja)
AU (1) AU2017307616A1 (ja)
BR (1) BR112019002331A2 (ja)
CA (1) CA3032437A1 (ja)
EA (1) EA201990296A1 (ja)
IL (1) IL264674B2 (ja)
MX (1) MX2019001471A (ja)
SG (1) SG11201901020RA (ja)
WO (1) WO2018027203A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11623958B2 (en) 2016-05-20 2023-04-11 Harpoon Therapeutics, Inc. Single chain variable fragment CD3 binding proteins
CN109790223A (zh) 2016-08-05 2019-05-21 阿拉科斯有限责任公司 用于治疗癌症的抗siglec-7抗体
SG10202107880XA (en) 2017-05-12 2021-09-29 Harpoon Therapeutics Inc Mesothelin binding proteins
CN111465614A (zh) * 2017-07-10 2020-07-28 先天制药公司 使用人siglec-9抗体和人nkg2a抗体治疗癌症的组合疗法
US10927180B2 (en) 2017-10-13 2021-02-23 Harpoon Therapeutics, Inc. B cell maturation antigen binding proteins
EP3737410A4 (en) * 2018-01-11 2022-04-20 Allakos, Inc. ANTI-SIGLEC-7 ANTIBODIES WITH REDUCED EFFECTOR FUNCTION
KR20210086623A (ko) 2018-09-25 2021-07-08 하푼 테라퓨틱스, 인크. Ddl3 결합 단백질 및 사용 방법
WO2021024020A1 (en) 2019-08-06 2021-02-11 Astellas Pharma Inc. Combination therapy involving antibodies against claudin 18.2 and immune checkpoint inhibitors for treatment of cancer
IL298993A (en) 2020-07-07 2023-02-01 BioNTech SE Therapeutic RNA for HPV positive cancer
WO2022135666A1 (en) 2020-12-21 2022-06-30 BioNTech SE Treatment schedule for cytokine proteins
TW202245808A (zh) 2020-12-21 2022-12-01 德商拜恩迪克公司 用於治療癌症之治療性rna
WO2022135667A1 (en) 2020-12-21 2022-06-30 BioNTech SE Therapeutic rna for treating cancer
CA3225254A1 (en) 2021-07-13 2023-01-19 BioNTech SE Multispecific binding agents against cd40 and cd137 in combination therapy for cancer
TW202333802A (zh) 2021-10-11 2023-09-01 德商拜恩迪克公司 用於肺癌之治療性rna(二)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016038064A1 (en) 2014-09-10 2016-03-17 Innate Pharma Cross reactive siglec antibodies

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0307434B2 (en) 1987-03-18 1998-07-29 Scotgen Biopharmaceuticals, Inc. Altered antibodies
US5677425A (en) 1987-09-04 1997-10-14 Celltech Therapeutics Limited Recombinant antibody
US5714350A (en) 1992-03-09 1998-02-03 Protein Design Labs, Inc. Increasing antibody affinity by altering glycosylation in the immunoglobulin variable region
WO1994029351A2 (en) 1993-06-16 1994-12-22 Celltech Limited Antibodies
US5869046A (en) 1995-04-14 1999-02-09 Genentech, Inc. Altered polypeptides with increased half-life
US6121022A (en) 1995-04-14 2000-09-19 Genentech, Inc. Altered polypeptides with increased half-life
US6277375B1 (en) 1997-03-03 2001-08-21 Board Of Regents, The University Of Texas System Immunoglobulin-like domains with increased half-lives
US6194551B1 (en) 1998-04-02 2001-02-27 Genentech, Inc. Polypeptide variants
AU3657899A (en) 1998-04-20 1999-11-08 James E. Bailey Glycosylation engineering of antibodies for improving antibody-dependent cellular cytotoxicity
CN1237076C (zh) 1999-01-15 2006-01-18 杰南技术公司 具有改变的效应功能的多肽变体
EP2264166B1 (en) 1999-04-09 2016-03-23 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Method for controlling the activity of immunologically functional molecule
DE60232265D1 (de) 2001-10-25 2009-06-18 Genentech Inc Glycoprotein-zusammensetzungen
WO2007120815A2 (en) * 2006-04-12 2007-10-25 The Regents Of The University Of California Methods for treating lymphocyte-associated disorders by modulation of siglec activity
JP5938816B2 (ja) * 2007-07-04 2016-06-22 中外製薬株式会社 抗Muc17抗体
RS56443B1 (sr) 2012-02-24 2018-01-31 Abbvie Stemcentrx Llc Ddl3 modulatori i postupci primene
CA2896076C (en) * 2012-12-21 2022-12-06 Aveo Pharmaceuticals, Inc. Anti-gdf15 antibodies
EP2999717B1 (en) * 2013-05-21 2018-08-08 Yissum Research Development Company of the Hebrew University of Jerusalem Ltd. Treatment of mast cell related pathologies
KR102500401B1 (ko) 2014-08-07 2023-02-15 다이이찌 산쿄 가부시키가이샤 항 Orai1 항체
CN108137702B (zh) 2015-08-28 2023-01-06 艾利妥 抗siglec-7抗体及其使用方法
EP3402516A4 (en) * 2016-01-12 2020-01-08 Palleon Pharmaceuticals Inc. USE OF ANTIBODIES DIRECTED AGAINST SIGLEC-7 OR SIGLEC-9 IN THE TREATMENT OF CANCER
US11078274B2 (en) 2016-03-08 2021-08-03 Innate Pharma Siglec neutralizing antibodies
CN109790223A (zh) 2016-08-05 2019-05-21 阿拉科斯有限责任公司 用于治疗癌症的抗siglec-7抗体

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016038064A1 (en) 2014-09-10 2016-03-17 Innate Pharma Cross reactive siglec antibodies

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018027203A1 (en) 2018-02-08
IL264674B2 (en) 2023-09-01
KR20190035863A (ko) 2019-04-03
JP2019526622A (ja) 2019-09-19
AU2017307616A1 (en) 2019-02-28
EA201990296A1 (ru) 2019-08-30
EP3494142A1 (en) 2019-06-12
CA3032437A1 (en) 2018-02-08
US20190194323A1 (en) 2019-06-27
CN109790223A (zh) 2019-05-21
EP3494142A4 (en) 2020-04-01
BR112019002331A2 (pt) 2019-06-18
MX2019001471A (es) 2019-10-30
US11773162B2 (en) 2023-10-03
SG11201901020RA (en) 2019-03-28
IL264674A (ja) 2019-03-31
IL264674B1 (en) 2023-05-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7137563B2 (ja) がん治療用の抗Siglec-7抗体
US11525010B2 (en) Antibodies specific for GUCY2c and uses thereof
CA3054824A1 (en) Anti-icos agonist antibodies and uses thereof
JP7351845B2 (ja) Micaおよび/またはmicbに対する抗体ならびにそれらの使用
IL261200B2 (en) Antibodies specific for the human poliovirus receptor
US20180134771A1 (en) Novel immunomodulatory therapeutic strategies targeting tumors in cancer
JP7342005B2 (ja) エフェクター機能が減少した抗siglec-7抗体
WO2020214748A1 (en) Ipilimumab variants with enhanced specificity for binding at low ph
WO2021139682A1 (en) Anti-galectin-9 antibody and uses thereof
EP4182346A1 (en) Therapeutic antibodies and their uses
JP7505148B2 (ja) Lag3に結合する抗体およびその使用
WO2023091512A2 (en) Antibodies to anti-siglec-9 and multispecific antibodies targeting siglec-7 and siglec-9
KR20230107478A (ko) 치료 항체 및 그의 용도

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200804

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200804

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210810

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20211109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220531

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220712

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220810

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220902

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7137563

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150