JP7136429B2 - 歯科用ハンドピース及び歯科用ハンドピースの製造方法 - Google Patents

歯科用ハンドピース及び歯科用ハンドピースの製造方法 Download PDF

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本発明は、センサを備えた歯科用ハンドピース及び歯科用ハンドピースの製造方法に関する。
従来、センサを備えた歯科用ハンドピースとしては、例えば、特許文献1に記載された治療用研削シュミレーション装置が知られている。特許文献1に記載された治療用研削シュミレーション装置のハンドピースには、切削具の回転数を検出する磁気回転センサと、振動を検出する加速度センサ等が取り付けられている。
このほか、歯科用ハンドピースにセンサを設けたものとしては、例えば、特許文献2に記載された歯肉診査用接触センサが知られている。特許文献2に記載の歯肉診査用接触センサは、ハンドピースヘッドに軸支された治療用工具(接触子)の軸線上に配置されている(例えば、特許文献2参照)。
特公昭62-15226号公報(第1図) 特許第4232876号公報(図1、図3及び図9)
しかし、特許文献1等に記載の一般の歯科用ハンドピースのハンドピースヘッド及び筐体は、ステンレス鋼等の金属で形成されているので、センサを配置するための収容部を形成するための加工が行い難いという問題があった。
また、特許文献2に記載の歯科用ハンドピースは、金属製のハンドピースヘッドにセンサを収容しているため、ハンドピースヘッドの内部が複雑化すると共に、ハンドピースヘッドが大型化して重くなるという問題があった。
そこで、本発明は、ハンドピースヘッド内の構造を複雑化して大型化することなく、センサを容易に設けることができる歯科用ハンドピース及び歯科用ハンドピースの製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、先端部に配設されたハンドピースヘッドと、後端部に配設された接続部と、前記ハンドピースヘッドから前記接続部に亘って設けられた複数の金属製パイプと、前記金属製パイプを覆うように装着された弾性樹脂部材と、を備えた歯科用ハンドピースであって、前記ハンドピースヘッド内には、治療用工具と一体に回転する回転軸と、前記回転軸を回転自在に支持する軸受と、前記軸受の外周に設けられたゴム製のシール材と、先端部側を前記シール材に接触させて配置した棒状の伝達部材と、が配置され、前記弾性樹脂部材の内部にセンサを備え、前記伝達部材は、先端部を前記シール材を介在して前記軸受の外周面に押し当てた状態に配置され、前記伝達部材の後端部側と、当該伝達部材の後端部に接触させて配置された前記センサとは、前記弾性樹脂部材の内部に密着して内在されていることを特徴とする。
また、本発明は、先端部に配設されたハンドピースヘッドと、後端部に配設された接続部と、前記ハンドピースヘッドから前記接続部に亘って設けられた複数の金属製パイプと、前記金属製パイプを覆うように装着された弾性樹脂部材と、を備えた歯科用ハンドピースであって、前記弾性樹脂部材の内部にセンサを備え、前記弾性樹脂部材は、先端から後端に亘って縦断面視してC字状に形成されて、軸心側に中空部を有する中空状の部材から成り、交換可能であることを特徴とする。
また、本発明は、先端部に配設されたハンドピースヘッドと、後端部に配設された接続部と、前記ハンドピースヘッドと前記接続部とを連通する金属製パイプと、を有し、前記ハンドピースヘッド内には、治療用工具と一体に回転する回転軸と、前記回転軸を回転自在に支持する軸受と、前記軸受の外周に設けられたシール材と、先端部側を前記シール材に接触させて配置した棒状の伝達部材と、が配置される歯科用ハンドピースの製造方法であって、前記伝達部材の後端部と、センサとを連結させて、前記伝達部材の先端部を前記ハンドピースヘッドの挿通穴に挿入して先端を前記シール材を介在して前記軸受の外周面に押し当てた状態に配置し、樹脂モールド成形によって、前記ハンドピースヘッドの後端部から前記接続部の先端部まで前記金属製パイプを覆うように弾性樹脂部材をモールドして、前記弾性樹脂部材の内部に埋設された状態で前記金属製パイプと、前記センサと、を内在させることを特徴とする
本発明は、ハンドピースヘッド内の構造を複雑化して大型化することなく、センサを容易に設けることができる歯科用ハンドピース及び歯科用ハンドピースの製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピースを示す側面図である。 本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピースを示す一部断面を有する側面図である。 図2のA-A拡大断面図である。 ハンドピースヘッドの要部拡大縦断面である。 伝達部材及びセンサの設置状態を示すハンドピースヘッドの拡大概略平面図である。 (a)、(b)、(c)は、本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピースの製造方法を示す工程図である。 歯科用ハンドピースの製造方法の金型成形工程を示す工程図である。 本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピースの第1変形例を示す一部断面を有する側面図である。 本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピースの第2変形例を示す一部断面を有する側面図である。 本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピースの第3変形例を示す図であり、(a)は一部断面を有する側面図、(b)は(a)のB-B断面図である。 本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピースの第4変形例を示す図であり、(a)は(b)のC-C拡大断面図、(b)はセンサの配置状態を示す縦断面図である。 本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピースの第6変形例を示す一部断面を有する側面図である。
まず、図1~図7を参照して、本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピース1及び歯科用ハンドピース1の製造方法について説明する。
なお、本実施形態では、図1に示す歯科用ハンドピース1において、ハンドピースヘッド2側を前方向、接続部3側を後方向として説明する。また、各部品においても同様とする。
≪歯科用ハンドピース≫
図1に示す歯科用ハンドピース1は、歯科の治療に用いられる医療機器である。歯科用ハンドピース1は、ハンドピースヘッド2と、接続部3と、金属製パイプ4,5と、弾性樹脂部材6と、伝達部材7と、センサ9と、を備えている。歯科用ハンドピース1は、先端部に配設されたハンドピースヘッド2と、後端部に配設された接続部3との間に設けられた弾性樹脂部材6の内部にセンサ9を備えている。その歯科用ハンドピース1は、接続部3に取り付けられる不図示のホース等を歯科用ユニットに接続して、所望の治療用工具21をハンドピースヘッド2に取り付けて使用される。
なお、歯科用ハンドピース1は、ハンドピースヘッド2と、接続部3と、複数の金属製パイプ4,5と、弾性樹脂部材6と、センサ9と、を備えていれば、機能、構造、種類等は特に限定されない。つまり、歯科用ハンドピース1は、種々のタイプのものがあり、内部にバッテリまたは外部電源からの電力で駆動する電動モータ(図示省略)等が内蔵されているものであっても、内蔵されていないものでもよい。また、歯科用ハンドピース1は、ハンドピースヘッド2に歯科用チップを設けて、電力によって超音波振動させる歯科用スケーラーでもよい。また、歯科用ハンドピース1は、電力以外で駆動するものでもよい。以下、ハンドピースヘッド2にロータ22(図4参照)を内蔵している歯科用ハンドピース1を例に挙げて説明する。
図1及び図2に示すように、歯科用ハンドピース1は、ハンドピースヘッド2内のロータ22(図4参照)を圧縮空気によって高速回転させて、回転軸23(図4参照)に装着された治療用工具21を高速回転させることで、歯牙を切削するようになっている。
<ハンドピースヘッド>
ハンドピースヘッド2は、治療用工具21が着脱可能に取り付けられる部位である。ハンドピースヘッド2(ハウジング2a)は、歯科用ハンドピース1のグリップ部1aの先端部に配設された略円筒状の部材である。ハンドピースヘッド2及び接続部3は、ステンレス鋼等の金属によって形成されている。
図4に示すように、ハンドピースヘッド2には、ロータ22と、回転軸23と、軸受24,25と、シール材O1,O2と、伝達部材7と、軸受保持部材26と、環状部材27と、プッシュキャップ28と、バネ部材SPと、が配置されている。
ハウジング2aは、ハンドピースヘッド2の筐体を形成する金属製の略円筒状部材から成る。ハウジング2aの後部側の側面には、グリップ部1aを連結するための首部2bが突出形成されている。
図2に示すように、首部2bは、ハンドピースヘッド2のグリップ部1a側に形成された突起である。首部2bの後端側の外周部には、弾性樹脂部材6で覆った状態に樹脂が成形されている。首部2bの後端面2cには、金属製パイプ4,5がろう付けされている。
<ロータ>
図4に示すように、ロータ22は、回転軸23の外周部に固定されて回転軸23及び治療用工具21を回転駆動させるための回転体である。ロータ22は、例えば、金属製パイプ4を経て供給される圧縮空気を吹き付けることによって高速回転される羽根車から成る。
<回転軸>
回転軸23は、下部側に工具着脱用の開口穴を有する筒状の軸部材から成る。このため、回転軸23に装着された治療用工具21は、この回転軸23と一体に回転するように設置されている。
<軸受>
軸受24,25は、その回転軸23の下部及び上部を回転自在に支持する軸受部材である。軸受24,25は、回転軸23の外周に設けられた内輪24a,25aと、内輪24a,25aの外周に設けられたリテーナ24b,25bと、リテーナ24b,25bの外周に設けられた外輪24c,25cと、内輪24a,25aと外輪24c,25cとの間に介在された転動体24d,25d(ボール)と、を備えたベアリングから成る。
<シール材>
シール材O1,O2は、軸受24,25の外周面中央に外嵌されたゴム製のOリング、または、ゴム製の環状パッキンから成る。
図5に示すように、下側のシール材O1の後側中央部には、後端をセンサ9に連結した伝達部材7が当接した状態に配置されている。
図4に示すように、上側のシール材O2は、軸受保持部材26の内壁に形成した環状溝26aに収納された状態で、シール材O2の軸心側が軸受25の外輪25cに当接した状態に配置されている。
<伝達部材>
図4または図5に示すように、伝達部材7は、治療用工具21で切削加工等を行っている加工時に軸受24にかかる圧等をシール材O1を介在してセンサ9に伝達するための部材である。伝達部材7は、前端をシール材O1の後端部に当接させて配置し、後端をセンサ9の前端面に当接した状態に設置された細長い部材から成る。伝達部材7は、シール材O1の後端部に配置された前端から後端のセンサ9まで、歯科用ハンドピース1の軸線に沿って平行に延設されている。伝達部材7は、金属製棒状部材、または、硬質の樹脂製棒状部材から成る。
<軸受保持部材>
図4に示すように、軸受保持部材26は、上側の軸受25の外周面及び上面と、シール材O2と、を覆うように配置されて、それらを保持する略円筒状の部材である。軸受保持部材26には、前記した環状溝26aと、上側の開口部周縁に凹設されたバネ受部26bと、が形成されている。
<環状部材>
環状部材27は、ハウジング2aの上側開口部2dに装着された金属製のリング部材から成る。環状部材27は、軸受保持部材26及びプッシュキャップ28の外周に配置されて、それらを支持する部材である。
<プッシュキャップ>
プッシュキャップ28は、バネ部材SPのバネ力に抗してこのプッシュキャップ28を押圧操作することによって回転軸23を押し込むことにより、治療用工具21を回転軸23から離脱させるための操作部材である。プッシュキャップ28は、環状部材27の開口縁に上下動可能に内嵌された略円板形状の部材から成る。
<バネ部材>
バネ部材SPは、上側の軸受25とプッシュキャップ28との間に介在されて、プッシュキャップ28を上方向に付勢するための付勢部材である。バネ部材SPは、例えば、圧縮円錐コイルバネから成る。
<治療用工具>
治療用工具21は、例えば、回転軸23の下側開口穴内に取り付けられる柄部と、その下側開口穴から下側に突出した状態に設けられる先細状の針部と、を有する周知の構造の切削工具から成る。
<接続部>
図1に示すように、接続部3は、金属製パイプ4,5の後端部と、歯科用ユニット(図示省略)に接続されたチューブ(図示省略)の先端部と、を接続する部位であり、その形状、構造等は、特に限定されない。接続部3は、その一例を挙げると、図2に示すように、弾性樹脂部材6の後端部に一体に取り付けられる略筒状の金属製部材から成る。接続部3は、軸方向に貫通して形成された連通孔3aと、前端部寄りの位置に環状に形成された凹部3bと、本体被覆部後端面6dに隣接された段差部3cと、金属製パイプ4,5が挿入されるパイプ挿設孔3d,3eと、を有している。
<金属製パイプ>
金属製パイプ4,5は、ハンドピースヘッド2と接続部3とを連通させるための管状部材である。金属製パイプ4,5は、ハンドピースヘッド2から接続部3に亘って弾性樹脂部材6内に配置された複数の金属管から成る。金属製パイプ4,5は、従来の配管と同様に、ロータ用等の圧縮空気を供給・排気したり、水や空気を供給したりするための流路を形成している。金属製パイプ4,5は、例えば、図3に示すように、4本から成るが、その数は特に限定されない。
金属製パイプ4は、例えば、図2に示すように、ロータ22(図4参照)を回転させるための圧縮空気供給用のパイプと、圧縮空気排気用のパイプとの2本から成る(図7参照)。この2本の金属製パイプ4は、接続部3及び弾性樹脂部材6において、縦断面視して略中央部分の左右に配置されている。
また、金属製パイプ5は、水を供給するための水供給用のパイプと、その水と共にエアを供給してミスト(霧)を生成するためのチップ用エアを供給するパイプとの2本から成る(図7参照)。つまり、2本の金属製パイプ5は、治療用工具21を冷却して作業効率をよくしたり、また、治療中に血液等で汚れた患部を視認し易くしたりする目的で、異物等を吹き飛ばすために使用される。
図2に示すように、グリップ部1aにおいて、金属製パイプ4,5の外周部、センサ9、及び、伝達部材7は、弾性樹脂部材6の内部に密着して埋設された状態で内在されている。このため、金属製パイプ4,5は、グリップ部1aにおける骨部材の役目を果している。図6(a)、(b)に示すように、金属製パイプ4,5の前端部は、首部2bの後端面2cからハンドピースヘッド2内に挿入されている。金属製パイプ4,5の前端部は、ハンドピースヘッド2の後端面2cに、ろう付け等によって接合されている。金属製パイプ4,5の後端部は、接続部3を貫通した状態で接続部3の後端部からはみ出すように突出して配設されている。金属製パイプ4,5の後端部は、接続部3の前端面3fにろう付け等によって接合されている。
<弾性樹脂部材>
図2に示すように、弾性樹脂部材6は、金属製パイプ4,5、センサ9及び伝達部材7を覆う表皮部材である。弾性樹脂部材6は、ハンドピースヘッド2の後端部から接続部3の先端部までを、金属製パイプ4,5を覆うようにして装着されている。弾性樹脂部材6は、本体被覆部6aと、把持部6bと、連通部6cと、本体被覆部後端面6dと、係止部6eと、ヘッド後端部被覆部6fと、シール部6gと、を備えている。
弾性樹脂部材6は、例えば、金属よりも軽く、可撓性及び弾力性を有する熱硬化性樹脂から成る。弾性樹脂部材6は、具体的には無色のシリコーン樹脂を所望の色に着色した有色の合成樹脂から成る。弾性樹脂部材6は、例えば、図7に示すように、ハンドピースヘッド2の首部2b内にセンサ9の先端側に設けた伝達部材7を挿入させた状態で、伝達部材7及びセンサ9の周囲の金属製パイプ4,5を介在させて、巻き付けたテープ形状(シート形状)の巻付樹脂部材61を高温に加熱された金型8内に配置されることで、溶けてグリップ部1aにモールド成形される。
図1及び図2に示すように、弾性樹脂部材6によって形成されたグリップ部1aは、使用者が手で握って操作するための部位である。グリップ部1aは、金属製パイプ4,5及びセンサ9を内蔵した本体被覆部6aによって断面視して略円形状に形成されている。
本体被覆部6aは、ハンドピースヘッド2の後端部から接続部3の先端部までを金属製パイプ4,5を覆うように装着されている。本体被覆部6aは、側面視して略円弧状に曲がって形成されている。
把持部6bは、弾性樹脂部材6において、術者が指によって把持する箇所である。図2に示すシール部6gは、接続部3を歯科用ユニット(図示省略)に接続したときに、接続部3と、接続部3に接続される歯科用ユニット(図示省略)と、の間に介在されるパッキンの役目を果す部位である。シール部6gは、接続部3の後端面全体を覆うようにして装着されている。
連通部6cは、接続部3の連通孔3a内に充填された樹脂材料である。連通部6cは、本体被覆部6aとシール部6gとを連通させて繋いだ状態に形成されている。
本体被覆部後端面6dは、段差部3cとで凹溝を形成するように配置されて、樹脂成形時に、本体被覆部後端面6dに形成されたバリを、取り除き易い形状に形成されている。
係止部6eは、環状の凹部3b内に充填して形成された樹脂材料である。係止部6e及び連通部6cは、弾性樹脂部材6が接続部3から剥離するのを防止する機能がある。
ヘッド後端部被覆部6fは、首部2bの後端面2cと、後端面2cの周縁部分と、を覆う部位である。このように構成されたヘッド後端部被覆部6fは、首部2bの後端面2cに密着した状態に形成されることによって、弾性樹脂部材6がハンドピースヘッド2側に移動するのを抑制する役目を果す。
図7に示すように、巻付樹脂部材61は、金型8でモールド形成された弾性樹脂部材6(図1参照)のグリップ部1aを金型形成する前の樹脂材料である。巻付樹脂部材61は、所望の厚さに形成されたテープ形状(帯形状)のものから成る。その巻付樹脂部材61は、グリップ部1aに形成された弾性樹脂部材6と略同じ体積の分だけ、ハンドピースヘッド2と接続部3との間の金属製パイプ4,5の外周に巻かれる。巻付樹脂部材61は、伝達部材7及びセンサ9の周辺にある金属製パイプ4,5を、ハンドピースヘッド2から接続部3に亘って覆って固定するようにして巻き付けられる。
≪センサ≫
図4に示すセンサ9は、振動センサ、圧力センサ、歪ゲージ、傾斜センサのうちのいずれかである。そのセンサ9は、軸受24にシール材O1及び伝達部材7を介在して配置されている。図1及び図2に示すように、センサ9は、首部2bと把持部6bとの間に設置されている。センサ9のリード線(図示省略)は、金属製パイプ5または金属製パイプ4の表面あるいはパイプ内を後端側に配線されて、不図示の制御装置を介して電源に電気的に接続されている。
なお、センサ9は、不図示の歯科用ユニットの制御装置等に対して検出データを無線通信可能なものであってもよい。
センサ9が振動センサの場合は、回転軸23、治療用工具21の振動を検出する。センサ9が圧力センサの場合は、回転軸23が軸受24を押圧する圧力を検出する。センサ9が歪ゲージの場合は、回転軸23が軸受24を押圧する押圧力によって歪んだ歪みを検出する。センサ9が傾斜センサの場合は、回転軸23の周囲に設けた軸受24の傾き変化、金属製パイプ4,5の傾斜変化を読み取る。
≪作用≫
次に、図1~図7を参照しながら製造工程に沿って本実施形態に係る歯科用ハンドピース1及び歯科用ハンドピース1の製造方法の作用を説明する。
まず、図6(a)に示すように、前記したハンドピースヘッド2と、接続部3と、4本の金属製パイプ4,5と、伝達部材7と、センサ9と、をそれぞれ準備する(準備工程)。
次に、伝達部材7の後端部と、センサ9の前端部とを連結させる(伝達部材センサ連結工程)。続いて、伝達部材7の前端部をハンドピースヘッド2の挿通穴(図示省略)に挿入して、図4に示すように、先端をシール材O1を介在して軸受24の外周面に押し当てた状態に配置する(センサ・伝達部材設置工程)。
次に、図6(a)に示すように、金属製パイプ4,5の前端部を、ハンドピースヘッド2の挿入穴(図示省略)に挿入する。そして、金属製パイプ4,5の後端部を、接続部3のそれぞれのパイプ挿設孔3d,3eに挿通する(金属製パイプ挿入工程)。
続いて、図6(b)に示すように、金属製パイプ4,5の前側接合部4a,5aを、ハンドピースヘッド2の後端面2cにろう付けして接合する。そして、金属製パイプ4,5の後側接合部4b,4c,5b,5cを、接続部3の前端面3f及び後端面3gにろう付けして接合する(パイプろう付け工程)。これにより、各金属製パイプ4,5をハンドピースヘッド2及び接続部3に固定することができる。
次に、図6(c)に示すように、ハンドピースヘッド2の後端部から接続部3の先端部に亘って巻付樹脂部材61を巻き付けて覆う(巻付樹脂部材巻付工程)。
この後、図7に示す金型8で歯科用ハンドピース1をモールド成形する前に、上型81と下型82とで巻付樹脂部材61を溶かしてグリップ部1aをモールド成形するのに適した適温まで金型8を加熱する(加熱工程)。
続いて、巻付樹脂部材61を巻き付けた未完成の歯科用ハンドピース1を、下型82の金型溝に押し込んでセットする(金型セット工程)。
次に、下型82の位置決め突起82bに上型81の位置決め穴(図示省略)に嵌合させて、下型82と上型81とので未完成の歯科用ハンドピース1を押圧する。未完成の歯科用ハンドピース1の巻付樹脂部材61は、高温に加熱された下型82と上型81とで押圧されることで、溶融してモールド成形され、図1~図3に示すように、センサ9を内設した弾性樹脂部材6から成るグリップ部1aが形成される(モールド成形工程)。
これにより、センサ9を有する歯科用ハンドピース1が完成される。
このようにして形成された歯科用ハンドピース1は、ハンドピースヘッド2に治療用工具21を取り付けて、エアを供給してロータ22(図4参照)が回転駆動されることで、治療用工具21が回転して患者の歯牙を治療することが可能となる。
図4に示すセンサ9が、回転軸23あるいは治療用工具21の振動を検出する振動センサの場合は、センサ9によって、治療中の回転軸23、あるいは、治療用工具21の振動を検出可能になる。そして、その振動から治療用工具21の先端にかかる負荷の程度を把握するによって、ロータ22を回転駆動させる圧縮空気を適宜な気圧を調整することが可能となる。また、センサ9(振動センサ)は、治療用工具21へのトルク抜けを、検出した振動によって検出することが可能となる。
センサ9で検出した振動が大きい場合には、歯科用ユニット(図示省略)によって警報音等で報知する。また、センサ9で検出した振動が所定の数値よりも小さい場合には、ロータ22の回転数を上げる等の調整を行う。
また、この場合、歯科用ハンドピース1のグリップ部1a(図2参照)が弾性樹脂部材6で形成されていることで、金属製グリップと比較して、振動を増幅させる効果があるから、振動を拾い易くするという効果を奏する。
また、センサ9が回転軸23の軸受24を押圧する圧力を検出する圧力センサである場合は、センサ9によって治療中の回転軸23にかかる圧力を検出することで、その圧力の程度により、ロータ22を回転駆動させる圧縮空気を適宜な気圧に調整することが可能となる。また、その場合、センサ9(圧力センサ)は、治療用工具にかかる力(圧力)を間接的に測定することができるため、その測定結果からロータ22を回転駆動させる圧縮空気を、適宜な気圧に調整することが可能となる。
また、センサ9が回転軸23の軸受24を押圧する押圧力を検出する歪ゲージである場合は、センサ9によって治療中の回転軸23に係る押圧力を検出することで、その押圧力の程度で、ロータ22を回転駆動させる圧縮空気を適宜な気圧を調整することが可能となる。また、その場合、センサ9(歪ゲージ)は、治療用工具21にかかる力(押圧力)を間接的に測定することができるため、その測定結果からロータ22を回転駆動させる圧縮空気を、適宜な気圧に調整することが可能となる。
また、センサ9が回転軸23の周囲に設けた軸受24の傾き検出する傾斜センサである場合は、センサ9によって治療中の回転軸23、または、ハンドピースヘッド2の傾きを検出することで、その傾きの程度を把握する。支台歯形成を行う際には、支台歯の角度も重要となる。その場合は、センサ9(傾斜センサ)を用いることによって、歯科用ハンドピース1で削る際の傾きの程度を知ることができるため、効率よく歯科治療を行うことができる。
このように、本発明に係る歯科用ハンドピース1は、図1及び図2に示すように、先端部に配設されたハンドピースヘッド2と、後端部に配設された接続部3と、ハンドピースヘッド2から接続部3に亘って設けられた複数の金属製パイプ4,5と、金属製パイプ4,5を覆うように装着された弾性樹脂部材6と、を備えた歯科用ハンドピース1であって、弾性樹脂部材6の内部にセンサ9を備えている。
これにより、歯科用ハンドピース1は、センサ9を、弾性樹脂部材6の内部に埋設された状態に内在させて、薬剤、菌、塵内等の異物が接触しないように配置することができる。
また、歯科用ハンドピース1は、グリップ部1aの弾性樹脂部材6を樹脂成形する際に、センサ9を弾性樹脂部材6内に設けることができるので、金属製のものと比較して、加工性がよいため、センサ9を容易に配置し易くすることができる。また、グリップ部1aが弾性樹脂部材6で形成したことで、金属製のものと比較して、センサ9による振動、圧力、押圧力、あるいは、歪みの検出をし易くすることができる。さらに、歯科用ハンドピース1は、ハンドピースヘッド2内の構造を複雑化して大型化することなく、センサ9を設けることができる。
また、図4に示すように、ハンドピースヘッド2内には、治療用工具21と一体に回転する回転軸23と、回転軸23を回転自在に支持する軸受24と、軸受24の外周に設けられたシール材O1,O2と、シール材O1に接触させて配置した伝達部材7と、が配置され、センサ9は、伝達部材7に接触させて配置されていることが好ましい。
これにより、センサ9は、ロータ22が回転駆動している際に、伝達部材7及びシール材O1を介在して、ロータ22から軸受24にかかる振動、圧力、押圧力、あるいは、ロータ22の傾きを検出することができる。そして、センサ9で検出した圧力等の程度によって、ロータ22に供給する圧縮空気を調整して、ロータ22の回転を適切な回転数に調整することが可能となる。
また、図1及び図2に示すように、ハンドピースヘッド2には、グリップ部1a側に首部2bが設けられ、弾性樹脂部材6には、指によって把持される把持部6bが形成され、センサ9は、首部2bと把持部6bとの間に設置されていることが好ましい。
これにより、センサ9は、首部2bと把持部6bとの間に設置されていることで、把持部6bの前端側にあるハンドピースヘッド2の近傍に配置されることになる。このため、センサ9は、図4に示すように、振動等の発生源であるロータ22の近傍に配置されて、ロータ22による振動等を正確に検出して、センサ9の検出データからロータ22の回転を適宜に調整することが可能となる。また、センサ9は、術者が指を力点に治療を行う場合、ハンドピースヘッド2の近傍にたわみが発生し易くなるため、ロータの近傍にセンサ9を配置することが望ましい。
また、センサ9は、振動センサ、圧力センサ、歪ゲージ、及び、傾斜センサのうちのいずれかであることが好ましい。
これにより、センサ9は、振動センサである場合、振動源であるロータ22からの振動を間接的に検出することによって、ロータ22の回転状況を把握することができる。
例えば、センサ9は、圧力センサである場合、動力源であるロータ22によって受ける軸受24の圧力を検出することで、ロータ22の回転状況を把握することができる。
センサ9は、歪ゲージである場合、駆動原であるロータ22によって受ける軸受24の歪を検出することで、ロータ22の回転状況を把握することができる。
センサ9は、傾斜センサである場合、グリップ部1aの傾きを検出することで、治療用工具21の軸線の傾きを読み取ることができる。
また、本発明に係る歯科用ハンドピース1の製造方法は、図6及び図7に示すように、先端部に配設されたハンドピースヘッド2と、後端部に配設された接続部3と、ハンドピースヘッド2と接続部3とを連通する金属製パイプ4,5と、を有する歯科用ハンドピース1の製造方法であって、樹脂モールド成形によって、ハンドピースヘッド2の後端部から接続部3の先端部まで金属製パイプ4,5を覆うように弾性樹脂部材6をモールドして、弾性樹脂部材6の内部に埋設された状態で金属製パイプ4,5と、センサ9と、を内在させていることが好ましい。
これにより、歯科用ハンドピース1の製造方法は、ハンドピースヘッド2の後端部から接続部3の先端部まで金属製パイプ4,5を覆うように弾性樹脂部材6をモールドして、金属製パイプ4,5と、センサ9と、弾性樹脂部材6内に内在させている。このため、歯科用ハンドピース1のグリップ部1aを樹脂成形する際に、金属製パイプ4,5、及び、センサ9を弾性樹脂部材6内に内在させた状態に設置することができる。
また、本発明に係る歯科用ハンドピース1は、図2及び図3に示すように、先端部に配設されたハンドピースヘッド2と、後端部に配設された接続部3と、ハンドピースヘッド2と接続部3とを連通する複数の金属製パイプ4,5と、ハンドピースヘッド2の後端部から接続部3の先端部まで複数の金属製パイプ4,5を覆うように装着された弾性樹脂部材6と、を有し、接続部3を歯科用ユニット(図示省略)に接続して使用する歯科用ハンドピース1であって、複数の金属製パイプ4,5の外周部が弾性樹脂部材6の内部に密着して埋設された状態で内在すると共に、弾性樹脂部材6は、ハンドピースヘッド2、接続部3、及び、各金属製パイプ4,5のそれぞれの間に隙間なく密着した状態に形成されていることが好ましい。
これにより、歯科用ハンドピース1の金属製パイプ4,5の外周部は、弾性樹脂部材6の内部に密着して埋設された状態で内在されていることで、金属製パイプ4,5の外周部を弾性樹脂部材6で隙間が無く覆って、気密性を高めることができる。特に、弾性樹脂部材6は、接続部3の後端部を覆うことで、薬剤や、菌や、塵内等が部材内に侵入するのを防止することができる。
また、弾性樹脂部材6は、ハンドピースヘッド2、接続部3、及び、各金属製パイプ4,5を隙間なく密着した状態に形成されていることで、それらの部材をガタツキなく覆って保持することができる。弾性樹脂部材6は、金属製のものと比較して、軽量化することができると共に、熱伝導性が低いので、滅菌処理後に直ぐに使用することができる。
[第1変形例]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。なお、既に説明した構成は、同じ符号を付してその説明を省略する。
図8は、本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピースの第1変形例を示す一部断面を有する側面図である。
図8に示すように、歯科用ハンドピース1Aのセンサ9は、金属製パイプ4,5の外周面に固定手段41によって固定してもよい。つまり、センサ9は、金属製パイプ4の上側外周部に、接着剤等の固定手段41によって、金属製パイプ4に固定してもよい。
この場合、固定手段41は、センサ9を金属製パイプ4,5のいずれかに固定することが可能なものであればよく、接着剤で貼り付けることに限定されるものではない。固定手段41は、例えば、基端側を金属製パイプ4,5に固定し、先端側をセンサ9に固定した固定具であってもよい。
このようにして、センサ9は、金属製パイプ4,5の適宜な位置に固定してもよい。また、センサ9は、金属製パイプ4にそのまま歪センサ等を貼り付けることによって、金属製パイプ4,5にかかる負荷を読み取ることができる。この場合、歯科用ハンドピース1Aは、グリップ部1aが金属製のものと比較して、弾性樹脂部材6で形成されているため、金属製パイプ4,5が撓んで歪や、ねじれが発生するのを正確に検出することができる。
[第2変形例]
図9は、本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピースの第2変形例を示す一部断面を有する側面図である。
また、図9に示すように、センサ9は、金属製パイプ4Bに穿孔されたセンサ設置孔4Bcに設置してもよい。
この場合、金属製パイプ4Bの適宜な位置の外周部上面等には、センサ9Bの下面に突設したセンサ固定凸部9Baが内嵌するセンサ設置孔4Bcを形成して、センサ固定凸部9Baをセンサ設置孔4Bcに内嵌させることで、センサ9Bを金属製パイプ4Bに固定する。
このようにして、センサ9Bは、金属製パイプ4Bに取り付けてもよい。この場合は、金属製パイプ4Bで供給・排気する圧縮空気の振動や、圧縮空気の空気圧を検出し易くすることができる。
[第3変形例]
図10は、本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピースの第3変形例を示す図であり、(a)は一部断面を有する側面図、(b)は(a)のB-B断面図である。
また、図10(a)、(b)に示すように、弾性樹脂部材6Cは、歯科用ハンドピース1に着脱可能に設けられ、弾性樹脂部材6C以外の部材を残し、弾性樹脂部材6Cのみを交換可能にしてもよい。
その場合、弾性樹脂部材6Cは、前端から後端に亘って縦断面視してC字状に形成されて、軸心側に中空部6Ccを有する中空状の部材(略チューブ状のカバー部材、あるいは、略筒状のケース体)から成る。このため、弾性樹脂部材6Cは、歯科用ハンドピース1Cに交換可能に設けられている。弾性樹脂部材6Cは、前端部6Cbが、ハンドピースヘッド2の首部2bの外周に係合されて、後端部6Caが、接続部3の前端面3fの外周部(鍔部)に係合されている。弾性樹脂部材6Cの内部の中空部6Ccには、金属製パイプ4B,5と、金属製パイプ4Bに穿設されたセンサ設置孔4Bcにセンサ固定凸部9Baを内嵌させたセンサ9Bと、が収容されている。
弾性樹脂部材6Cは、正中線に沿って前端から後端に亘って下側中央に形成された切欠溝6Cdを有する略筒状の被覆部材から成る。このため、切欠溝6Cdは、拡開する外周方向(矢印b,c方向)に力を加えることで、切欠溝6Cdを抉じ開けて、歯科用ハンドピース1Cに着脱することができる。その結果、弾性樹脂部材6Cは、術者の好みの色の部材に交換したり、劣化時に新品のものに交換したり、消毒したもの等に交換したりすることが可能で、交換自在になっている。
このように、弾性樹脂部材6Cは、交換可能であればよく、安価な材料で形成した使い捨てのものでもよい。この他に、弾性樹脂部材6Cは、着脱可能な樹脂製あるいは金属製のテープ状部材や、熱収縮性のテープ状部材等であってもよい。
また、センサ9Bは、弾性樹脂部材6Cが劣化した場合に、弾性樹脂部材6Cと共に、新品の物に交換してもよい。センサ9Bは、圧縮空気を供給、または、排気する側の金属製パイプ4Bの両方、あるいは、片方に着脱可能に内嵌させて取り付ける。
このようにすることで、センサ9Bは、金属製パイプ4B内の供給用の圧縮空気、または、排気用の圧縮空気の圧力を検出するのに適した配置にすることができる。また、センサ9Bは、金属製パイプ4Bの振動を検出する振動センサや、金属製パイプ4Bの歪を検出する歪センサの配置としても適している。
なお、センサ9Bで検出した圧力、振動等が常時高い場合には、弾性樹脂部材6Cの樹脂材料の硬度を軟質なものに交換するなどして、圧力、振動、振幅の減衰させて調整してもよい。
[第4変形例]
図11は、本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピースの第4変形例を示す図であり、(a)は(b)のC-C拡大断面図、(b)はセンサの配置状態を示す縦断面図である。
また、前記第3変形例の交換可能な弾性樹脂部材6Cは、図10に示すような中空部6Ccを有する中空状のものに限定されるものではない。例えば、図11に示すように、弾性樹脂部材6Dは、金属製パイプ4,5や、センサ9を埋設して状態に樹脂成形した場合であっても、弾性樹脂部材6Dを剥がして交換することが可能である。
例えば、弾性樹脂部材6Dが劣化した場合には、弾性樹脂部材6Dをカッタナイフ等で切り裂いて剥離すればよい。その場合、弾性樹脂部材6Dには、ナイフ等を挿入して切り裂くための切欠溝6Ddを形成しておくと、金属製パイプ4,5が埋設されてあっても、弾性樹脂部材6Dを切り裂いて剥離し易い。
[第5変形例]
また、前記実施形態、第1変形例及び第4変形例の弾性樹脂部材6,6D(図2、図8及び図11参照)は、センサ9の取付位置の硬度と、指によって把持される把持部6bの硬度と、を変えて形成してもよい。
歯科用ハンドピース1は、弾性樹脂部材6,6Dをこのように形成することで、センサ9の周辺及び取付位置において、振幅の増幅や減衰を考慮した弾性樹脂部材6,6Dの硬度とすることができる。このため、センサ9は、振動等の情報を容易に取得することができるようになり、検出能力を向上させることができる。
また、弾性樹脂部材6,6Dは、把持部6bについて、グリップ力を重視した硬度にしたり、ソフトな感触で把持することができる硬度にしたり、患者の歯牙に接触したときの衝撃や、落下したときの衝撃を緩衝することができる硬度にしたりすることが可能となる。
[第6変形例]
図12は、本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピースの第6変形例を示す一部断面を有する側面図である。
また、本発明に係る歯科用ハンドピース1Eの製造方法は、図12に示すように、先端部に配設されたハンドピースヘッド2と、後端部に配設された接続部3と、ハンドピースヘッド2と接続部3とを連通する金属製パイプ4,5と、を有する歯科用ハンドピース1Eの製造方法であって、樹脂モールド成形によって、ハンドピースヘッド2の後端部から接続部3の先端部まで金属製パイプ4,5を覆うように弾性樹脂部材6Eを樹脂モールド成形する第1モールド成形工程と、第1モールド成形工程で樹脂モールド成形した後に、センサ9を弾性樹脂部材6Eに置き、再度樹脂モールド成形する第2モールド成形工程と、を有するようにしてもよい。
この場合、歯科用ハンドピース1Eの製造方法では、まず、第1モールド成形工程で図12に示す凹部6Eaを有する弾性樹脂部材6Eを成形する。次に、その凹部6Eaの内底の金属製パイプ4上にセンサ9を配置して、前記した第1変形例のセンサ9を固定するための接着剤等の固定手段41(図8参照)に換えて、第2モールド成形工程によって、弾性樹脂部材6Eと同じ樹脂材料61E等で、凹部6Ea内を樹脂モールド成形する。これにより、内底にセンサ9を配置した凹部6Eaに樹脂材料61Eを充填して閉塞することで、センサ9を金属製パイプ4に当接した状態に埋設することができる。
このように、樹脂材料61Eで2度樹脂モールド成形して、センサ9を内底に収容した凹部6Eaをいわゆる二色成形で閉塞して固定してもよい。
[第7変形例]
また、本発明に係る歯科用ハンドピース1A,1B,1D,1Eの製造方法は、図8、図9、図11及び図12に示すように、先端部に配設されたハンドピースヘッド2と、後端部に配設された接続部3と、ハンドピースヘッド2と接続部3とを連通する金属製パイプ4,4B,5と、を有する歯科用ハンドピース1A,1B,1Dの製造方法であって、樹脂モールド成形によって、ハンドピースヘッド2の後端部から接続部3の先端部まで金属製パイプ4,4B,5及び金属製パイプ4,4B,5に固定されたセンサ9,9Bを覆うように弾性樹脂部材6,6D,6Eを樹脂モールド成形して、弾性樹脂部材6,6D,6Eの内部に埋設された状態で金属製パイプ4,4B,5と、センサ9,9Bと、を内在させるようにしてもよい。
このように、金属製パイプ4,4B,5と、センサ9,9Bとは、弾性樹脂部材6,6Dの内部に埋設してもよい。
[その他の変形例]
また、図1及び図2に示すセンサ9は、金属製パイプ4,5の外周面に固定されて、弾性樹脂部材6内にインサート成形したものであってもよい。
これにより、センサ9は、弾性樹脂部材6内に金属製パイプ4,5をインサート成形する場合に、弾性樹脂部材6を樹脂で形成する際に、センサ9を弾性樹脂部材6内に設けることができる。その場合、センサ9は、弾性樹脂部材6を金型成形する際、適宜な支持具を使用してセンサ9を金属製パイプ4,5に保持させて、樹脂成形してもよい。
また、弾性樹脂部材6を形成する方法は、前記実施形態、第6変形例及び第7変形例の成形方法以外に、例えば、センサ9を固定させ、ゴム材料を流し込むインジェクション成形や、コンプレッション成形、トランスファー成形等の種々の成形方法を用いて製造してもよい。
また、図2に示す歯科用ハンドピース1は、ハンドピースヘッド2内に、ロータ22に替えて、電動モータを設置して、その電動モータに接続したリード線を金属製パイプ4,5内に挿通したり、リード線を弾性樹脂部材6内に直接挿通させたりしてもよい。
その場合、弾性樹脂部材6に内設された金属製パイプ4内には、電動モータ(図示省略)によって回転駆動される歯車機構を配置してもよい。
1,1A,1B,1C,1D,1E 歯科用ハンドピース
1a グリップ部
2 ハンドピースヘッド
2b 首部
3 接続部
4,4B,5 金属製パイプ
4Bc センサ設置孔
6,6C,6D,6E 弾性樹脂部材
6b 把持部
7 伝達部材
9,9B センサ
21 治療用工具
23 回転軸
24,25 軸受
41 固定手段
O1 シール材

Claims (7)

  1. 先端部に配設されたハンドピースヘッドと、
    後端部に配設された接続部と、
    前記ハンドピースヘッドから前記接続部に亘って設けられた複数の金属製パイプと、
    前記金属製パイプを覆うように装着された弾性樹脂部材と、を備えた歯科用ハンドピースであって、
    前記ハンドピースヘッド内には、治療用工具と一体に回転する回転軸と、
    前記回転軸を回転自在に支持する軸受と、
    前記軸受の外周に設けられたゴム製のシール材と、
    先端部側を前記シール材に接触させて配置した棒状の伝達部材と、が配置され、
    前記弾性樹脂部材の内部にセンサを備え、
    前記伝達部材は、先端部を前記シール材を介在して前記軸受の外周面に押し当てた状態に配置され、
    前記伝達部材の後端部側と、当該伝達部材の後端部に接触させて配置された前記センサとは、前記弾性樹脂部材の内部に密着して内在されていること、
    を特徴とする歯科用ハンドピース。
  2. 前記ハンドピースヘッドには、グリップ部側に首部が設けられ、
    前記弾性樹脂部材には、指によって把持される把持部が形成され、
    前記センサは、前記首部と前記把持部との間に設置されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の歯科用ハンドピース。
  3. 前記センサは、前記金属製パイプの外周面に固定手段によって固定されて、前記金属製パイプの歪を検出する歪ゲージであること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の歯科用ハンドピース。
  4. 前記センサは、前記金属製パイプに穿孔されたセンサ設置孔に設置されて、前記金属製パイプ内の圧縮空気の振動を検出する振動センサ、または、前記金属製パイプ内の圧縮空気の空気圧を検出する圧力センサであること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の歯科用ハンドピース。
  5. 前記センサは、振動センサ、圧力センサ、歪ゲージ、及び、傾斜センサのうちのいずれかであること、
    を特徴とする請求項1または請求項に記載の歯科用ハンドピース。
  6. 前記弾性樹脂部材は、前記センサの取付位置の硬度と、指によって把持される把持部の硬度と、を変えて形成されていること、
    を特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1項に記載の歯科用ハンドピース。
  7. 先端部に配設されたハンドピースヘッドと、後端部に配設された接続部と、前記ハンドピースヘッドと前記接続部とを連通する金属製パイプと、を有し、
    前記ハンドピースヘッド内には、治療用工具と一体に回転する回転軸と、
    前記回転軸を回転自在に支持する軸受と、
    前記軸受の外周に設けられたシール材と、
    先端部側を前記シール材に接触させて配置した棒状の伝達部材と、が配置される歯科用ハンドピースの製造方法であって、
    前記伝達部材の後端部と、センサとを連結させて、
    前記伝達部材の先端部を前記ハンドピースヘッドの挿通穴に挿入して先端を前記シール材を介在して前記軸受の外周面に押し当てた状態に配置し、
    樹脂モールド成形によって、前記ハンドピースヘッドの後端部から前記接続部の先端部まで前記金属製パイプを覆うように弾性樹脂部材をモールドして、前記弾性樹脂部材の内部に埋設された状態で前記金属製パイプと、前記センサと、を内在させること、
    を特徴とする歯科用ハンドピースの製造方法。
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