1 実施の形態
本発明に係る一の実施の形態としての画像形成システム1について図面を参照しながら説明する。
1.1 画像形成システム1
画像形成システム1は、図1に示すように、画像形成装置10(画像処理装置)及び携帯端末30(通信端末)から構成されている。
画像形成装置10は、ネットワーク40に接続され、携帯端末30も、無線基地局20を介して、ネットワーク40に接続されている。ネットワーク40には、携帯電話網、並びに、インターネット及びLAN等の通信ネットワークが含まれる。
画像形成装置10は、操作パネル19を備えている。画像形成装置10に対して、直接、操作する本体利用者(第一利用者)は、操作パネル19により、画像形成装置10に対して、ジョブ(第一ジョブ)の実行を指示する。また、携帯端末30を有する携帯端末利用者(第二利用者)は、携帯端末30により、無線基地局20及びネットワーク40を介して、画像形成装置10に対して、ジョブ(第二ジョブ)の実行を指示する。
本体利用者及び携帯端末利用者による画像形成装置10に対する操作中に、画像形成装置10を再起動しなれば、解消できないエラーが発生する場合がある。画像形成装置10が実行するジョブには、このエラーが解消しなければ、実行できないジョブと、このエラーが解消しなくとも、実行できるジョブが存在する。
本体利用者及び携帯端末利用者が画像形成装置10に対してそれぞれ指示したジョブのうち、いずれか一方は、画像形成装置10において発生したエラーが解消しなければ、実行できないものである、とする。
例えば、本体利用者の第一ジョブが、発生したエラーが解消しなければ、実行できないものであり、携帯端末利用者の第二ジョブが、発生したエラーが解消しなくとも、実行できるものであるとする。
このとき、本体利用者の第一ジョブを携帯端末利用者の第二ジョブより優先するなら、画像形成装置10を再起動し、その後に、第一ジョブを実行し、その後、第二ジョブを実行すればよい。
一方、携帯端末利用者の第二ジョブを本体利用者の第一ジョブより優先するなら、画像形成装置10を再起動することなく、第二ジョブを実行し、第二ジョブが完了した後、画像形成装置10を再起動し、その後に、第一ジョブを実行すればよい。
このような状況において、一方の利用者のジョブを他方の利用者のジョブより優先するなら、他方の利用者は、一方的に不利益を被る。このため、画像形成装置10は、どのような手順で、各ジョブを実行し、画像形成装置10の再起動を実施するか、本体利用者と携帯端末利用者との間の調整を支援する。
1.2 画像形成装置10
画像形成装置10は、スキャナー、プリンター及びコピー機の機能を有するタンデム型のカラー複合機(MFP:MultiFunction Peripheral)である。
画像形成装置10は、図1に示すように、筐体下部に、シートを収容し、給送する給紙部13が設けられている。給紙部13の上方には、電子写真方式により画像を形成するプリントエンジン12(処理手段)が設けられている。プリントエンジン12のさらに上方に、原稿面を読み取って画像データを生成するスキャナー11(処理手段)及び操作画面を表示し、利用者から入力操作を受け付ける操作パネル19(処理手段)が設けられている。
スキャナー11は、自動原稿搬送装置を備えている。自動原稿搬送装置は、原稿トレイにセットされた原稿を1枚ずつ原稿ガラス板へ搬送する。スキャナー11は、自動原稿搬送装置によって原稿ガラス板の所定位置に搬送された原稿の画像をスキャナーの移動によってスキャンし(読み取り)、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の多値デジタル信号からなる画像データを得る。スキャナー11は、得られた画像データを画像メモリ104(後述する)に書き込む。
スキャナー11で得られた各色成分の画像データは、制御回路14において各種のデータ処理を受け、更にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各再現色の画像データに変換される。
プリントエンジン12は、中間転写ベルト、中間転写ベルトを張架する駆動ローラー、従動ローラー、バックアップローラー、中間転写ベルトに対向して中間転写ベルトの走行方向Xに沿って所定間隔で配置された複数の作像部、定着部等からなる。
各作像部は、像担持体である感光体ドラム、感光体ドラム表面を露光走査するためのLEDアレイ、帯電チャージャー、現像器、クリーナー及び1次転写ローラーなどからなる。
給紙部13は、サイズの異なるシートを収容する複数の給紙カセット及び各給紙カセットからシートを搬送路に繰り出すためのピックアップローラー、並びに、シートを載置するための手差しトレイ及び手差しトレイからシートを搬送路に繰り出すためのピックアップローラーから構成されている。
作像部のそれぞれにおいて、各感光体ドラムは、帯電チャージャーにより一様に帯電され、LEDアレイにより露光され、感光体ドラムの表面に静電潜像が形成される。各静電潜像は、それぞれ各色の現像器により現像され、各感光体ドラムの表面にY~K色のトナー像が形成され、トナー像は、中間転写ベルトの裏面側に配設された各1次転写ローラーの静電作用により、中間転写ベルトの表面上に順次転写される。
一方、給紙部13のいずれかの給紙カセット又は手差しトレイから、各作像部による作像動作に合わせて、シートが給送され、2次転写ローラーとバックアップローラーとが中間転写ベルトを挟んで対向する2次転写位置へと搬送路上を搬送され、2次転写位置で、2次転写ローラーの静電的作用により、中間転写ベルト上のY~K色のトナー像がシートへ2次転写される。Y~K色のトナー像が2次転写されたシートは、さらに定着部まで搬送される。
シートの表面のトナー像は、定着部の加熱ローラーとこれに圧接された加圧ローラーとの間に形成される定着ニップを通過する際に、加熱及び加圧により、シートの表面に融着して定着され、シートは、定着部を通過した後、排出トレイへ送出される。
操作パネル19には、液晶表示板などで構成される表示面18が設けられ、利用者によって設定された内容や各種のメッセージを表示する。
例えば、操作パネル19は、画像形成装置10の再起動を待てるか否かの確認を促すメッセージ及びジョブの実行又は画像形成装置10の再起動に要する所要時間を表示する。また、操作パネル19は、本体利用者のジョブ及び携帯端末利用者のジョブのいずれを優先して実行すべきか、本体利用者と携帯端末利用者との間で調整するように依頼するメッセージ及び携帯端末利用者を識別する利用者識別情報(例えば、利用者名、利用者の社員コード等)を表示する。こうして、表示された利用者識別情報により、本体利用者は、携帯端末利用者を知ることができ、利用者同士で対面して、話し合いをすることを可能としている。
また、操作パネル19は、利用者からの、コピー開始の指示、コピー枚数の設定、複写条件の設定、データの出力先の設定、ジョブの緊急性を示す緊急度の設定などのジョブの設定を受け付ける。また、操作パネル19は、確認を促すメッセージに対する応答(許容応答又は拒否応答)を本体利用者から受け付ける。さらに、操作パネル19は、本体利用者と携帯端末利用者との間で、いずれのジョブを優先して実行すべきかを示す調整結果を受け付ける。操作パネル19は、受け付けた内容を制御回路14に通知する。
1.3 制御回路14
制御回路14は、図2に示すように、主制御部100、画像メモリ104、記憶部105、画像処理部106、ネットワーク通信部107(処理手段)、エンジン制御部108(処理手段)、スキャナー制御部109(処理手段)、入出力部110(処理手段)、表示制御部111、再起動制御部112及びBox制御部117(処理手段)等から構成されている。
(1)主制御部100
主制御部100は、CPU101、ROM102及びRAM103等から構成されている。
RAM103は、半導体メモリから構成され、各種の制御変数などを一時記憶すると共に、CPU101によるプログラム実行時のワークエリアを提供する。
ROM102は、半導体メモリから構成され、予め、スキャンジョブ、コピージョブ又はプリントジョブ等の各種ジョブを実行させるための制御プログラムなどを記憶している。
CPU101は、フェッチ部、解読部、実行部、レジスタファイル、命令カウンタなどから構成されている。フェッチ部は、ROM102に記憶されている制御プログラムから、制御プログラムに含まれる各命令コードを1個ずつ読み出す。解読部は、読み出した命令コードを解読する。実行部は、解読結果に従って動作する。このように、CPU101は、ROM102に記憶されている制御プログラムに従って動作する。
上記の通り、CPU101、ROM102及びRAM103等から構成されているので、主制御部100は、スキャンジョブ、コピージョブ又はプリントジョブ等に従って、画像メモリ104、記憶部105、画像処理部106、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110、表示制御部111、再起動制御部112及びBox制御部117等を統一的に制御する。
例えば、主制御部100は、制御プログラムに従って動作することにより、ネットワーク通信部107によりプリントジョブを受信すると、エンジン制御部108に指示して、そのプリントジョブに基づき、プリントエンジン12に、画像形成動作を実行させる。
また、本体利用者が画像形成装置10の使用を開始する時に、主制御部100は、操作パネル19により、本体利用者に対して、本体利用者を識別する利用者識別情報の入力を要求する。また、携帯端末利用者が、携帯端末30を介する画像形成装置10の使用を開始する時に、主制御部100は、携帯端末30に対して、携帯利用者を識別する利用者識別情報の入力及び送信を要求し、携帯端末30から利用者識別情報を受信する。これにより、主制御部100は、画像形成装置10を使用する利用者を認識する。
また、主制御部100は、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等の各モジュールから、エラーの発生の有無の通知を受ける。
主制御部100(判断手段)は、どのモジュールにもエラーが発生していないか、発生したエラーが本体利用者から受け付けたジョブ及び携帯端末利用者から受け付けたジョブの両方に影響するか、又は、発生したエラーが本体利用者から受け付けたジョブ及び携帯端末利用者から受け付けたジョブのいずれか一方にのみに影響するかを判断する。
エラーが発生していない場合、主制御部100は、受け付けたジョブ設定に従って、ジョブを実行するように、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等のうち、ジョブの実行に関連するモジュールに対して、ジョブを実行するように制御する。
発生したエラーが本体利用者から受け付けたジョブ及び携帯端末利用者から受け付けたジョブの両方に影響し、両方のジョブの実行が停止すると判断する場合、主制御部100(制御手段)は、画像形成装置10を再起動させ、画像形成装置10が再起動したのち、主制御部100は、受け付けたジョブ設定に従って、各ジョブを実行するように、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117のうち、ジョブの実行に関連するモジュールを制御する。
発生したエラーが本体利用者から受け付けたジョブ及び携帯端末利用者から受け付けたジョブのいずれか一方にのみに影響すると判断される場合、主制御部100は、比較部113に対して、本体利用者から受け取った緊急度と、携帯端末利用者から受け取った緊急度とを比較させる。
(2)画像メモリ104及び記憶部105
画像メモリ104は、半導体メモリから構成され、プリントジョブ等の画像データを一時的に記憶する。
記憶部105は、不揮発性の半導体メモリから構成されている。もちろん、記憶部105は、ハードディスクドライブから構成されていてもよい。
記憶部105は、例えば、Box機能を提供する。Box機能は、記憶部105に設けられているBox118(処理手段)に、画像データ等を記憶する機能である。Box機能は、利用者毎に「Box」などと呼ばれる記憶領域を与えておき、各利用者が自分の記憶領域に、画像データ等を保存し管理するための機能である。グループ毎にボックスを設けておき、グループのメンバで共用することもできる。
また、記憶部105は、予め、画像形成装置10を使用する予定の利用者を識別する利用者識別情報を記憶している。この利用者には、本体利用者及び携帯端末利用者が含まれる。
(3)画像処理部106
画像処理部106は、例えば、外部の端末装置から受信したプリントジョブに含まれ、又は、スキャナー11によるスキャンにより生成した、R、G、Bの多値デジタル信号からなる画像データに対して、各種のデータ処理を実行して、Y、M、C、Kの各再現色の画像データに変換する。
(4)ネットワーク通信部107、エンジン制御部108及びスキャナー制御部109
ネットワーク通信部107は、ネットワーク40を介して、外部の端末装置からプリントジョブを受信する。また、ネットワーク通信部107は、必要に応じて、外部の端末装置に対して、メッセージ等を出力する。
また、ネットワーク通信部107は、ネットワーク通信部107内で発生するエラー、又は、ネットワーク40との接続等において発生するエラーを検出する。エラーを検出した場合、そのエラーを主制御部100に対して、通知する。発生するエラーには、画像形成装置10を再起動することにより、解消するものと、そうでないものとが存在する。ネットワーク通信部107内で発生するエラーについては、画像形成装置10を再起動することにより、解消する可能性が高い。一方、ネットワーク40との接続におけるエラーについては、画像形成装置10を再起動することによっても、解消する可能性が低い。
また、ネットワーク通信部107は、ネットワーク40を介して、携帯端末30から、画像形成装置10におけるジョブの実行指示及び実行条件を受け取り、受け取った実行指示及び実行条件を、エンジン制御部108、Box制御部117等に対して、出力する。これにより、画像形成装置10は、携帯端末30から受け取ったジョブを実行する。
エンジン制御部108は、給紙部13からの給送動作やプリントエンジン12の再現色毎の作像部の作像動作などを統一的に制御し、画像形成動作を実行させる。
また、エンジン制御部108は、エンジン制御部108内、又は、プリントエンジン12で発生するエラーを検出する。エラーを検出した場合、そのエラーを主制御部100に対して、通知する。発生するエラーには、画像形成装置10を再起動することにより、解消するものと、そうでないものとが存在する。エンジン制御部108内で発生したエラーについては、画像形成装置10を再起動することにより、解消する可能性が高い。一方、プリントエンジン12で発生するエラーについては、画像形成装置10を再起動することによっても、解消する可能性が低い。
スキャナー制御部109は、スキャナー11による原稿面のスキャンを制御する。例えば、スキャナー制御部109は、スキャナー11による原稿面のスキャンの際に、解像度を指定する。スキャナー制御部109は、スキャナー11から受け取った画像データを、画像メモリ104に書き込む。
また、スキャナー制御部109は、スキャナー制御部109内、又は、スキャナー11で発生するエラーを検出する。エラーを検出した場合、そのエラーを主制御部100に対して、通知する。発生するエラーには、画像形成装置10を再起動することにより、解消するものと、そうでないものとが存在する。スキャナー制御部109内で発生するエラーについては、画像形成装置10を再起動することにより、解消する可能性が高い。一方、スキャナー11で発生するエラーについては、画像形成装置10を再起動することによっても、解消する可能性が低い。
(5)入出力部110及び表示制御部111
入出力部110は、表示制御部111等と操作パネル19との間で、データを中継する。
例えば、入出力部110は、表示制御部111等から、メニュー画面、画像、メッセージ等を受け取り、受け取ったメニュー画面、画像、メッセージ等を操作パネル19に対して出力する。
また、入出力部110は、操作パネル19から、画像形成装置10におけるジョブの実行指示及び実行条件を受け取り、受け取った実行指示及び実行条件を、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109及びBox制御部117等に対して、出力する。これにより、画像形成装置10は、操作パネル19により受け付けたジョブを実行する。
また、入出力部110は、入出力部110内、又は、操作パネル19で発生するエラーを検出する。エラーを検出した場合、そのエラーを主制御部100に対して、通知する。発生するエラーには、画像形成装置10を再起動することにより、解消するものと、そうでないものとが存在する。入出力部110内で発生するエラーについては、画像形成装置10を再起動することにより、解消する可能性が高い。一方、操作パネル19で発生するエラーについては、画像形成装置10を再起動することによっても、解消する可能性が低い。
表示制御部111は、操作パネル19の表示面18に表示されるべき画面の遷移を制御する。
(5)Box制御部117
Box制御部117は、Box118に対する画像データ等の書き込み及びBox118に記憶されている画像データ等の読み出しを制御する。
また、Box制御部117は、Box制御部117内、又は、Box118で発生するエラーを検出する。エラーを検出した場合、そのエラーを主制御部100に対して、通知する。発生するエラーには、画像形成装置10を再起動することにより、解消するものと、そうでないものとが存在する。Box制御部117内で発生するエラーについては、画像形成装置10を再起動することにより、解消する可能性が高い。一方、Box118で発生するエラーについては、画像形成装置10を再起動することによっても、解消する可能性が低い。
1.4 ジョブの事例
本体利用者及び携帯端末利用者が画像形成装置10に対してそれぞれ指示したジョブの事例について、図3に示すジョブの事例201を用いて、説明する。
ここで、この図に示すように、画像形成装置10の構成要素のうち、本体利用者及び携帯端末利用者による画像形成装置10に対する操作中に、画像形成装置10を再起動しなれば、解消できないエラーは、スキャナー11及びスキャナー制御部109において、発生したものとする。従って、スキャナー11を用いるジョブを実行するためには、画像形成装置10の再起動が必要である。
また、本体利用者による第一ジョブは、例えば、「スキャンtoNW」である。「スキャンtoNW」は、操作パネル19により、ジョブ設定を受け付け、受け付けたジョブ設定に従って、スキャナー11により原稿面から読み取った画像データを、ネットワーク通信部107を介して、ネットワーク40に接続された外部の端末装置に対して送信するジョブである。ここで、ジョブ設定には、ジョブの指定及びジョブの実行条件の指定が含まれる。第一ジョブの緊急度は、「大」である。緊急度「大」は、本体利用者から見て、第一ジョブの実行が極めて、急がれていることを示す。第一ジョブの実行状況は、「スキャン入力」である。ここで、「スキャン入力」は、例えば、本体利用者により、原稿がスキャナー11の原稿トレイにセットされた状態である。
本体利用者による第一ジョブは、スキャナー11を用いるジョブであるので、第一ジョブを実行するため、画像形成装置10の再起動が必要である。
次に、携帯端末利用者による第二ジョブは、例えば、「Boxプリント」である。「Boxプリント」は、操作パネル19により、ジョブ設定を受け付け、受け付けたジョブ設定に従って、Box118に記憶されている画像データ等を、プリントエンジン12により、印刷させるジョブである。第二ジョブの緊急度は、「大」である。緊急度「大」は、携帯端末利用者から見て、第二ジョブの実行が極めて、急がれていることを示す。第二ジョブの実行状況は、「エンジン出力」である。ここで、「エンジン出力」は、例えば、プリントエンジン12により、印刷が開始され、又は、印刷実行中の状態である。
携帯端末利用者による第二ジョブは、スキャナー11を用いないので、画像形成装置10を再起動しなくとも、第二ジョブの実行が可能である。
1.5 再起動制御部112
再起動制御部112は、図2に示すように、比較部113、解析算出部114、応答処理部115及び調整結果処理部116から構成されている。
(1)比較部113
比較部113(比較手段)は、図4に示す緊急度比較表211を用いて、本体利用者の第一ジョブに設定された緊急度(以下、第一緊急度)と、携帯端末利用者の第二ジョブに設定された緊急度(以下、第二緊急度)とを比較する。
比較部113は、図4に示すように、第一緊急度が「大」であり、第二緊急度が「大」である場合、第一緊急度が「小」であり、第二緊急度が「大」である場合、第一緊急度が「大」であり、第二緊急度が「小」である場合、及び、第一緊急度が「小」であり、第二緊急度が「小」である場合、を判別する。つまり、比較部113は、第一緊急度と第二緊急度とが同一であるか、第一緊急度と第二緊急度とが異なるかを判別する。
比較部113は、判別結果を、解析算出部114に対して、出力する。
(2)解析算出部114
解析算出部114は、比較部113から、判別結果を受け取る。
(再起動までに実行できる処理の解析)
受け取った判別結果が、第一緊急度と第二緊急度とが異なることを示す場合、解析算出部114は、図5に示す再起動までに実行できる処理表221に従って、一つのジョブについて、画像形成装置10の構成要素(モジュール)にエラーが発生した場合に、画像形成装置10の再起動の前までに実行できる処理を解析し、その処理を確定する。
なお、解析算出部114は、以下に示すように、画像形成装置10のモジュールにエラーが発生した場合に、画像形成装置10の再起動の前までに実行できる処理を解析するので、解析結果を用いれば、エラーが発生したモジュールとの関係で、各ジョブについて、画像形成装置10を再起動することなく、実行可能であるか否かも判別することができる。
再起動までに実行できる処理表221においては、最左列に、ジョブを示し、最上段に、画像形成装置10の再起動を必要とするエラーが発生した構成要素(NGモジュール)を示す。
最左列に示されるジョブは、最左列の上から、順に、「コピー」、「スキャンtoNW」、「スキャンtoBox」、「Boxプリント」及び「ジョブ設定」である。
ここで、「コピー」は、操作パネル19により、ジョブ設定を受け付け、受け付けたジョブ設定に従って、スキャナー11により原稿面から読み取った画像データを、プリントエンジン12により、印刷させるジョブである。
「スキャンtoNW」については、上記の通りである。
「スキャンtoBox」は、操作パネル19により、ジョブ設定を受け付け、受け付けたジョブ設定に従って、スキャナー11により原稿面から読み取った画像データを、Box118に記憶させるジョブである。
「Boxプリント」については、上記の通りである。
「ジョブ設定」は、携帯端末30において、なされるものであり、ジョブの指定及びジョブの実行条件の指定が含まれる。
次に、最上段に示すエラーが発生したNGモジュールは、左から、順に、「スキャナー」、「エンジン」、「操作パネル」、「Box」及び「ネットワーク」である。
「スキャナー」、「エンジン」、「操作パネル」、「Box」及び「ネットワーク」は、それぞれ、画像形成装置10のスキャナー11及びスキャナー制御部109、プリントエンジン12及びエンジン制御部108、操作パネル19及び入出力部110、Box118及びBox制御部117、並びに、ネットワーク通信部107を示す。スキャナー11及びスキャナー制御部109、プリントエンジン12及びエンジン制御部108、操作パネル19及び入出力部110、Box118及びBox制御部117、並びに、ネットワーク通信部107において、発生した一部のエラーは、画像形成装置10の再起動により、解消される。
なお、以下においては、エラーの発生したモジュールを、例えば、スキャナー11及びスキャナー制御部109等ではなく、単に、スキャナー等と呼ぶ。
さらに、最左列のうち一のジョブが示された行と、最上段のうちの一つのNGモジュールが示された列とが交差する欄には、当該NGモジュールにエラーが発生した場合、当該ジョブについて、画像形成装置10の再起動の前に実行できる処理を示している。
次に、エラーが発生したNGモジュール毎に、各ジョブについて、画像形成装置10の再起動の前に実行できる処理について説明する。
(ア)スキャナーにエラーが発生した場合
スキャナーにエラーが発生した場合、ジョブが「コピー」、「スキャンtoNW」及び「スキャンtoBox」であるとき、それぞれ、画像形成装置10の再起動の前に、「ジョブ設定」まで、実行可能である。ジョブ「コピー」、「スキャンtoNW」及び「スキャンtoBox」は、スキャナー11を用いるので、ジョブ設定の後の処理については、実行できない。
スキャナーにエラーが発生した場合、ジョブが「Boxプリント」であるとき、画像形成装置10の再起動の前に、エンジン出力まで実行可能、つまり、「Boxプリント」の実行が可能である。「Boxプリント」では、スキャナー11を用いないからである。
スキャナーにエラーが発生した場合、ジョブが携帯端末30における「ジョブ設定」であるとき、画像形成装置10の再起動の前に、「ジョブ設定」が実行可能である。
(イ)エンジンにエラーが発生した場合
エンジンにエラーが発生した場合、ジョブが「コピー」であるとき、画像形成装置10の再起動の前に、「スキャン入力」まで、実行可能である。ジョブ「コピー」は、プリントエンジン12を用いるので、「エンジン出力」の処理については、実行できない。
エンジンにエラーが発生した場合、ジョブが「スキャンtoNW」又は「スキャンtoBox」であるとき、画像形成装置10の再起動の前に、それぞれ、「NWへデータ転送」又は「Boxへデータ転送」まで、実行可能、つまり、「スキャンtoNW」又は「スキャンtoBox」の実行が可能である。それぞれのジョブにおいて、プリントエンジン12を用いないからである。
エンジンにエラーが発生した場合、ジョブが「Boxプリント」であるとき、画像形成装置10の再起動の前に、それぞれ、「ジョブ設定」まで実行可能である。ジョブ「Boxプリント」は、プリントエンジン12を用いるので、「エンジン出力」の処理については、実行できない。
エンジンにエラーが発生した場合、ジョブが携帯端末30における「ジョブ設定」であるとき、画像形成装置10の再起動の前に、「ジョブ設定」が実行可能である。
(ウ)操作パネルにエラーが発生した場合
操作パネルにエラーが発生した場合、ジョブが「コピー」、「スキャンtoNW」、「スキャンtoBox」及び「Boxプリント」であるとき、画像形成装置10の再起動の前に、「ジョブ設定」が実行できない。これらのジョブにおいては、いずれも、最初に「ジョブ設定」が用いられるからである。
(エ)Boxにエラーが発生した場合
Boxにエラーが発生した場合、ジョブが「コピー」又は「スキャンtoNW」であるとき、画像形成装置10の再起動の前に、「エンジン出力」又は「NWへデータ転送」まで、実行可能である。これらのジョブにおいて、Boxを用いないからである。
Boxにエラーが発生した場合、ジョブが「スキャンtoBox」であるとき、画像形成装置10の再起動の前に、「スキャン入力」まで、実行可能である。このジョブにおいて、Boxを用いるからである。
Boxにエラーが発生した場合、ジョブが「Boxプリント」であるとき、画像形成装置10の再起動の前に、「ジョブ設定」まで実行可能である。「Boxプリント」では、Boxを用いるからである。
Boxにエラーが発生した場合、ジョブが携帯端末30における「ジョブ設定」であるとき、画像形成装置10の再起動の前に、「ジョブ設定」の実行が可能である。
(オ)ネットワークにエラーが発生した場合
ネットワークにエラーが発生した場合、ジョブが「コピー」であるとき、画像形成装置10の再起動の前に、「エンジン出力」まで、実行可能である。このジョブにおいて、ネットワークを用いないからである。
ネットワークにエラーが発生した場合、ジョブが「スキャンtoNW」であるとき、画像形成装置10の再起動の前に、「スキャン入力」まで、実行可能である。このジョブにおいて、ネットワークを用いるからである。
ネットワークにエラーが発生した場合、ジョブが「スキャンtoBox」又は「Boxプリント」であるとき、画像形成装置10の再起動の前に、「Boxへデータ転送」又は「エンジン出力」まで、実行可能である。これらのジョブにおいて、ネットワークを用いないからである。
ネットワークにエラーが発生した場合、ジョブが携帯端末30における「ジョブ設定」であるとき、画像形成装置10の再起動の前に、「ジョブ設定」の実行はできない。ネットワークにエラーが発生しており、携帯端末30と画像形成装置10との間の通信ができないからである。
(再起動までにジョブを実行する場合のジョブの所要時間の算出)
解析算出部114は、図6に示す所要時間の算出方法231に従って、上記のようにして、解析して得られた、画像形成装置10の再起動の前までに実行できる処理について、その所要時間を算出する。
画像形成装置10の再起動の前までに実行できる処理がスキャン入力、エンジン出力、NWへのデータ転送及びBoxへのデータ転送である場合、それぞれ、解析算出部114は、図6に示すように、
1枚当たりのスキャン時間(仕様値)にスキャン枚数を乗じ、
1枚当たりのプリント時間(仕様値)にプリント枚数を乗じ、
1枚当たりの転送時間(仕様値)に転送枚数を乗じ、及び、
1枚当たりの転送時間(仕様値)に転送枚数を乗じることにより、所要時間を算出する。
また、画像形成装置10の再起動の前までに実行できる処理がジョブ設定である場合、解析算出部114は、図6に示すように、過去に複数回、ジョブ設定をした場合のそれぞれの実測値を求めておき、その平均値を算出することにより、所要時間を算出する。
また、画像形成装置10の再起動については、解析算出部114は、図6に示すように、過去に複数回、画像形成装置10の再起動をした場合のそれぞれの実測値を求めておき、その平均値を算出することにより、所要時間を算出する。再起動に要する所要時間は、画像形成装置10が正常に動作しており、利用者がいないときに、実測及び算出される。
解析算出部114は、上記のようにして算出した所要時間(待ち時間)を、表示制御部111及び入出力部110を介して、操作パネル19に対して、出力して、操作パネル19に表示させる。また、算出した所要時間を、ネットワーク通信部107及びネットワーク40を介して、携帯端末30に送信して、携帯端末30に表示させる。所要時間を表示することにより、本体利用者と携帯端末利用者との間の調整を支援する。
(3)応答処理部115
応答処理部115は、上記のように、操作パネル19及び携帯端末30にそれぞれ所要時間が表示された場合、操作パネル19から、入出力部110を介して、本体利用者の応答(許容応答、又は、拒否応答)を受け取り、また、携帯端末30から、ネットワーク40及びネットワーク通信部107を介して、携帯端末利用者の応答(許容応答、又は、拒否応答)を受け取る。
ここで、それぞれの利用者からの応答は、それぞれ表示された所要時間だけ、待つことを許容する許容応答、及び、待つことを許容せず拒否することを示す拒否応答の何れかである。
応答処理部115は、利用者から受け取った応答に従って、図7に示す対応方法に従って、対応(処理)の内容を決定する。
本体利用者の応答が許容応答であり、携帯端末利用者の応答が許容応答である場合、応答処理部115は、(i)画像形成装置10の再起動の前に実行可能なジョブを実行させ、(ii)画像形成装置10に再起動させ、(iii)再起動の後に、残りのジョブを実行させる。
また、本体利用者の応答が拒否応答であり、携帯端末利用者の応答が許容応答である場合、又は、本体利用者の応答が許容応答であり、携帯端末利用者の応答が拒否応答である場合、応答処理部115は、(i)画像形成装置10の再起動の前に、拒否応答側のジョブを実行させ、このとき、必要であれば、画像形成装置10を再起動させ、再起動の後に、拒否応答側のジョブを実行させ、次に、(ii)許容応答側のジョブを実行させる。
また、本体利用者の応答が、拒否応答であり、携帯端末利用者の応答も拒否応答である場合、応答処理部115は、本体利用者と携帯端末利用者との間で、話し合いをするように、操作パネル19及び携帯端末30にその旨を表示して、利用者に通知する。
(4)調整結果処理部116
本体利用者の応答が、拒否応答であり、携帯端末利用者の応答も拒否応答であると判断される場合、調整結果処理部116(出力手段)は、記憶部105から、携帯端末利用者(つまり、相手利用者)を識別する利用者識別情報を読み出す。次に、調整結果処理部116は、本体利用者のジョブ及び携帯端末利用者のジョブのいずれを優先して実行すべきか、本体利用者と携帯端末利用者との間で調整するように依頼するメッセージとともに、読み出した利用者識別情報を、入出力部110を介して、操作パネル19に対して、出力する。
また、本体利用者の応答が、拒否応答であり、携帯端末利用者の応答も拒否応答であると判断される場合、調整結果処理部116は、記憶部105から、本体利用者(つまり、相手利用者)を識別する利用者識別情報を読み出す。次に、調整結果処理部116は、本体利用者のジョブ及び携帯端末利用者のジョブのいずれを優先して実行すべきか、本体利用者と携帯端末利用者との間で調整するように依頼するメッセージとともに、読み出した利用者識別情報を、ネットワーク通信部107、ネットワーク40、第一無線通信部316、主制御部301及び入出力制御部309(以下、この経路及び逆方向の経路を通信経路と呼ぶ。)を介して、リモートパネル310に対して、出力する。
本体利用者と携帯端末利用者との間で、いずれのジョブを優先して実行すべきか、調整がされると、調整結果処理部116は、操作パネル19から、入出力部110を介して、調整結果を受け取る。
調整結果処理部116は、優先して実行する側のジョブが、画像形成装置10を再起動することなく、実行可能なジョブであるか否かを判断する。
実行可能なジョブであると判断する場合、調整結果処理部116は、優先して実行する側のジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、継続して、実行させる。次に、調整結果処理部116は、主制御部100に対して、画像形成装置10を再起動させる。画像形成装置10の再起動が終了した後、調整結果処理部116は、残りのジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、実行させる。
一方、優先して実行する側のジョブが、画像形成装置10の再起動が必要であると判断する場合、調整結果処理部116は、主制御部100に対して、画像形成装置10を再起動させる。次に、画像形成装置10の再起動が終了した後、調整結果処理部116は、優先する側のジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、実行させる。次に、調整結果処理部116は、優先しない側のジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、実行させる。
1.6 携帯端末30
携帯端末30は、一例として、図9に示すように、主制御部301、記憶部302、音声処理部306、スピーカー307、マイクロホン308、入出力制御部309、リモートパネル310、第二無線通信部315、第一無線通信部316、カメラ入力部317及びカメラ318から構成されている。第二無線通信部315は、アンテナ312、第二通信回路313及び第二通信制御部314を備えている。第一無線通信部316は、アンテナ304、第一通信回路303及び第一通信制御部305を備えている。リモートパネル310は、タッチパネル310a及び入力部310bを備えている。
携帯端末30は、具体的には、マイクロプロセッサー、信号処理プロセッサー、ROM、RAMなどから構成されるコンピューターシステムである。RAMには、コンピュータープログラムが記憶されている。マイクロプロセッサー及び信号処理プロセッサーは、コンピュータープログラムに従って動作する。これにより、主制御部301、音声処理部306、入出力制御部309、第二通信制御部314、第一通信制御部305及びカメラ入力部317は、その機能を達成する。
携帯端末30は、一例として、スマートフォンである。なお、携帯端末30は、タブレット、携帯電話機、携帯型のパーソナルコンピューター等であるとしてもよい。
(1)記憶部302
記憶部302は、一例として、不揮発性の半導体メモリから構成されている。
(2)第一無線通信部316
第一無線通信部316を構成するアンテナ304、第一通信回路303及び第一通信制御部305は、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)2000、LTE(Long Term Evolution)等の規格に基づいて、移動体通信を実現する。
アンテナ304は、無線基地局との間で無線回線を介して無線信号を送受信する。第一通信回路303は、アンテナ304により送受信される無線信号の周波数選択や周波数変換等を行う。第一通信制御部305は、第一通信回路303から受け取った信号を復調し、主制御部301又は音声処理部306に対して出力する。また、第一通信制御部305は、主制御部301又は音声処理部306から受け取った信号を変調して、第一通信回路303に対して出力する。
(3)第二無線通信部315
第二無線通信部315を構成するアンテナ312、第二通信回路313及び第二通信制御部314は、IEEE802.11a、b、n、ac等の無線LANの規格に基づいて、近距離無線による通信を行う。
アンテナ312は、近距離無線による通信機能を備える装置との間で、無線により、無線信号を送受信する。第二通信回路313は、アンテナ312により送受信される無線信号の周波数選択や周波数変換等を行う。第二通信制御部314は、第二通信回路313から受け取った信号を復調し、主制御部301又は音声処理部306に対して出力する。また、第二通信制御部314は、主制御部301又は音声処理部306から受け取った信号を変調して、第二通信回路313に対して出力する。
(4)音声処理部306、マイクロホン308及びスピーカー307
マイクロホン308は、音波を受けて振動する振動板に伴って、磁界内でコイルが振動することにより、アナログ電気信号としての音声信号を生成する。マイクロホン308が受け取る音波は、一例として、利用者の音声である。次に、生成した音声信号を音声処理部306に対して出力する。
スピーカー307は、音声処理部306からアナログ電気信号としての音声信号を受け取り、受け取った音声信号に従って振動板を振動させて、音波を出力する。
音声処理部306は、音声情報が符号化された符号化音声情報を復号し、さらにアナログ電気信号に変換して、音声信号を生成する。次に、音声処理部306は、生成した音声信号をスピーカー307に対して出力する。また、音声処理部306は、マイクロホン308から受け取った音声信号をデジタル電気信号に変換し、さらに、符号化して符号化音声情報を生成する。次に、音声処理部306は、生成した符号化音声情報を、第一通信制御部305又は第二通信制御部314に対して出力する。
(5)カメラ入力部317及びカメラ318
カメラ318は、その光軸が、携帯端末30の操作面の裏面に対して垂直方向、前方に向くように、操作面の裏面上に設置されており、その撮影方向は、固定されている。
カメラ318は、被写体からの光を集め、撮像素子に像を結ぶレンズと、レンズを通じて、照射された光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子と、生成された電気信号をデジタルの画像データに変換する画像処理エンジンとから構成されている。カメラ318は、画像処理エンジンにより生成した静止画又は動画の映像データを、カメラ入力部317に対して出力する。
カメラ入力部317は、カメラ318から、静止画又は動画の映像データを受け取り、受け取った静止画又は動画の映像データを記憶部302に、書き込む。
(6)リモートパネル310及び入出力制御部309
リモートパネル310を構成するタッチパネル310aは、矩形の表示面を有する表示パネル部及び表示面に取り付けられたタッチパッド部から構成されている。表示パネル部は、一例として、液晶ディスプレイである。タッチパッド部は、タッチパネル310aの操作面に対する利用者の指等の操作体の接触を検出する。
表示パネル部は、操作用の複数のアイコンを表示する。
また、表示パネル部は、画像形成装置10から送信された、ジョブの実行又は画像形成装置10の再起動に要する所要時間及び画像形成装置10の再起動を待てるかどうかの確認を促すメッセージを表示する。さらに、表示パネル部は、本体利用者のジョブ及び携帯端末利用者のジョブのいずれを優先して実行すべきか、本体利用者と携帯端末利用者との間で調整するように依頼するメッセージ及び本体利用者を識別する利用者識別情報を表示する。こうして、表示された利用者識別情報により、携帯端末利用者は、本体利用者を知ることができ、利用者同士で対面して、話し合いをすることを可能としている。
タッチパッド部は、携帯端末利用者から、ジョブの種類、ジョブの実行条件、緊急度等の設定を含むジョブの設定を受け付ける。また、タッチパッド部は、携帯端末利用者から、確認を促すメッセージに対する応答を受け付ける。
入力部310bは、複数のボタンを備える。各ボタンは、利用者により押下されることにより、操作される。
入出力制御部309は、入力信号として、入力部310bから操作信号を受け取る。また、入力信号として、タッチパネル310aから位置情報を受け取る。入出力制御部309は、受け取った入力信号を主制御部301に対して出力する。また、入出力制御部309は、主制御部301から、文字や画像を受け取り、受け取った文字や画像をタッチパネル310aに出力して表示するように制御する。
(7)主制御部301
主制御部301は、記憶部302、第一通信制御部305、音声処理部306、入出力制御部309、第二通信制御部314及びカメラ入力部317を制御する。
1.6 画像形成システム1の動作
画像形成システム1の動作について、図10~図12に示すフローチャートを用いて説明する。
操作パネル19は、本体利用者から、ジョブの種類、ジョブの実行条件、緊急度等の設定を含むジョブの設定を受け付ける(ステップS101)。操作パネル19は、本体利用者から受け付けたジョブの設定を、主制御部100に対して、出力する(ステップS102)。
一方、リモートパネル310も、携帯端末利用者から、ジョブの種類、ジョブの実行条件、緊急度等の設定を含むジョブの設定を受け付ける(ステップS103)。リモートパネル310は、携帯端末利用者から受け付けたジョブの設定を、入出力制御部309、主制御部301、第一無線通信部316、ネットワーク40、ネットワーク通信部107を介して、主制御部100に対して、送信する(ステップS104)。
ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117は、それぞれ、エラーが発生しているか否かを主制御部100に通知する。主制御部100は、各モジュールからエラーの発生の有無の通知を受ける。主制御部100は、どのモジュールにもエラーが発生していないか、発生したエラーが本体利用者から受け付けたジョブ及び携帯端末利用者から受け付けたジョブの両方に影響するか、又は、発生したエラーが本体利用者から受け付けたジョブ及び携帯端末利用者から受け付けたジョブのいずれか一方にのみに影響するかを判断する(ステップS105)。エラーが発生していない場合(ステップS105で「NO」)、主制御部100は、受け付けたジョブ設定に従って、ジョブを実行するように、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117のうち、ジョブの実行に関連するモジュールに対して、ジョブを実行するように制御する(ステップS106)。これにより、処理は、終了する。
発生したエラーが本体利用者から受け付けたジョブ及び携帯端末利用者から受け付けたジョブの両方に影響すると判断する場合(ステップS105で「両方」)、主制御部100は、画像形成装置10を再起動させ(ステップS121)、画像形成装置10が再起動したのち、主制御部100は、受け付けたジョブ設定に従って、各ジョブを実行するように、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117のうち、ジョブの実行に関連するモジュールに対して、ジョブを実行するように制御する(ステップS122)。これにより、処理は、終了する。
発生したエラーが本体利用者から受け付けたジョブ及び携帯端末利用者から受け付けたジョブのいずれか一方にのみに影響すると判断される場合(ステップS105で「一方」)、比較部113は、本体利用者から受け取った緊急度と、携帯端末利用者から受け取った緊急度とを比較する(ステップS107)。
本体利用者から受け取った緊急度と、携帯端末利用者から受け取った緊急度とが異なる場合(ステップS107で「異なる」)、主制御部100は、ステップS181に制御を移す。
本体利用者から受け取った緊急度と、携帯端末利用者から受け取った緊急度とが同一の場合(ステップS107で「同一」)、解析算出部114は、図5に示す処理表221に従って、本体利用者の設定によるジョブ及び携帯端末利用者の設定によるジョブのそれぞれについて、エラーの発生源であるモジュールに応じて、画像形成装置10の再起動の前に実行可能な処理を解析して確定する(ステップS108)。
次に、解析算出部114は、本体利用者の設定によるジョブ及び携帯端末利用者の設定によるジョブのうち、発生したエラーに影響されない側のジョブについて、上記により解析して確定させた処理について、図6に示す所要時間の算出方法231に従って、その処理の実行に必要な所要時間を算出する。また、解析算出部114は、算出方法231に従って、画像形成装置10の再起動のために必要な所要時間を算出する(ステップS109)。
解析算出部114は、本体利用者の設定によるジョブが発生したエラーに影響される場合、携帯端末利用者(相手側)の設定によるジョブについて算出した所要時間を、表示制御部111及び入出力部110を介して、操作パネル19に対して、出力する。この場合、表示制御部111は、携帯端末利用者(相手側)の設定によるジョブについて確定した処理の実行を待てるかどうかの確認を促すメッセージも、入出力部110を介して、操作パネル19に対して、出力する。一方、本体利用者の設定によるジョブが発生したエラーに影響されない場合、画像形成装置10の再起動のために必要な所要時間を、表示制御部111及び入出力部110を介して、操作パネル19に対して、出力する。この場合、表示制御部111は、画像形成装置10の再起動を待てるか否かの確認を促すメッセージも、入出力部110を介して、操作パネル19に対して、出力する(ステップS110)。操作パネル19は、受け取った所要時間及びメッセージを表示する(ステップS111)。
操作パネル19は、確認を促すメッセージに対する応答(許容応答又は拒否応答)を本体利用者から受け付ける(ステップS114)。操作パネル19は、受け付けた応答を、入出力部110を介して、応答処理部115に対して出力する。応答処理部115は、操作パネル19から、応答を受け取る(ステップS115)。
また、解析算出部114は、携帯端末利用者の設定によるジョブが発生したエラーに影響される場合、本体利用者(相手側)の設定によるジョブについて算出した所要時間を、通信経路を介して、リモートパネル310に対して、出力する。この場合、表示制御部111は、本体利用者(相手側)の設定によるジョブについて確定した処理の実行を待てるか否かの確認を促すメッセージも、通信経路を介して、リモートパネル310に対して、出力する。一方、携帯端末利用者の設定によるジョブが発生したエラーに影響されない場合、画像形成装置10の再起動のために必要な所要時間を、通信経路を介して、リモートパネル310に対して、出力する。この場合、表示制御部111は、画像形成装置10の再起動を待てるかどうかの確認を促すメッセージも、通信経路を介して、リモートパネル310に対して、出力する(ステップS112)。リモートパネル310は、受け取った所要時間及びメッセージを表示する(ステップS113)。
リモートパネル310は、確認を促すメッセージに対する応答(許容応答又は拒否応答)を携帯端末利用者から受け付ける(ステップS116)。リモートパネル310は、受け付けた応答を、通信経路を介して、応答処理部115に対して出力する。応答処理部115は、リモートパネル310から、応答を受け取る(ステップS117)。
応答処理部115は、操作パネル19及びリモートパネル310から受け取った応答の組合せが、許容応答/許容応答であるか、許容応答/拒否応答であるか、拒否応答/許容応答であるか、又は、拒否応答/拒否応答であるかを判断する(ステップS118)。
操作パネル19及びリモートパネル310から受け取った応答の組合せが、許容応答/許容応答であると判断する場合(ステップS118で「許容/許容」)、応答処理部115は、ステップS131に制御を移して、処理を続行する。
操作パネル19及びリモートパネル310から受け取った応答の組合せが、許容応答/拒否応答、又は、拒否応答/許容応答であると判断する場合(ステップS118で「許容/拒否、拒否/許容」)、応答処理部115は、ステップS141に制御を移して、処理を続行する。
操作パネル19及びリモートパネル310から受け取った応答の組合せが、拒否応答/拒否応答であると判断する場合(ステップS118で「拒否/拒否)、応答処理部115は、ステップS151に制御を移して、処理を続行する。
ステップS118において、応答の組合せが、許容応答/許容応答であると判断される場合、応答処理部115は、画像形成装置10を再起動することなく、実行可能なジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、継続して、実行させる(ステップS131)。次に、応答処理部115は、主制御部100に対して、画像形成装置10を再起動させる(ステップS132)。画像形成装置10の再起動が終了した後、応答処理部115は、残りのジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、実行させる。以上により、画像形成システム1における動作を終了する。
ステップS118において、応答の組合せが、許容応答/拒否応答、又は、拒否応答/許容応答であると判断される場合、応答処理部115は、拒否応答を返した側のジョブが、画像形成装置10の再起動なく、実行可能か否かを判断する(ステップS141)。
拒否応答を返した側のジョブが実行可能であると判断する場合(ステップS141で「YES」)、拒否側のジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、継続して、実行させる(ステップS142)。次に、応答処理部115は、主制御部100に対して、画像形成装置10を再起動させる(ステップS143)。画像形成装置10の再起動が終了した後、応答処理部115は、残りのジョブ、つまり、許容側のジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、実行させる(ステップS144)。このように、拒否側のジョブが完了し、画像形成装置10の再起動が完了するまで、各モジュールは、許容側のジョブを待機させる。以上により、画像形成システム1における動作を終了する。
一方、拒否応答を返した側のジョブが実行可能でないと判断する場合(ステップS141で「NO」)、応答処理部115は、主制御部100に対して、画像形成装置10を再起動させる(ステップS145)。次に、画像形成装置10の再起動が終了した後、応答処理部115は、拒否側のジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、実行させる(ステップS146)。次に、応答処理部115は、許容側のジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、実行させる(ステップS147)。このように、画像形成装置10の再起動が完了し、拒否側のジョブが完了するまで、各モジュールは、許容側のジョブを待機させる。以上により、画像形成システム1における動作を終了する。
ステップS118において、応答の組合せが、拒否応答/拒否応答であると判断される場合、調整結果処理部116は、本体利用者のジョブ及び携帯端末利用者のジョブのいずれを優先して実行すべきか、本体利用者と携帯端末利用者との間で調整するように依頼するメッセージとともに、携帯端末利用者(つまり、相手利用者)の利用者名を、入出力部110を介して、操作パネル19に対して、出力する(ステップS151)。次に、操作パネル19は、受け取ったメッセージ及び利用者名を表示する(ステップS152)。
また、調整結果処理部116は、本体利用者のジョブ及び携帯端末利用者のジョブのいずれを優先して実行すべきか、本体利用者と携帯端末利用者との間で調整するように依頼するメッセージとともに、本体利用者(つまり、相手利用者)の利用者名を、通信経路を介して、リモートパネル310に対して、出力する(ステップS153)。次に、リモートパネル310は、受け取ったメッセージ及び利用者名を表示する(ステップS154)。
次に、本体利用者と携帯端末利用者との間で、いずれのジョブを優先して実行すべきか、調整がされる(ステップS155)。
操作パネル19は、本体利用者の操作により、又は、画像形成装置10の前に移動してきた携帯端末利用者の操作により、調整結果の操作を受け付ける。調整結果は、いずれのジョブを優先して実行すべきかを示す(ステップS156)。
操作パネル19は、調整結果を、入出力部110を介して、調整結果処理部116に対して、出力する(ステップS157)。
調整結果処理部116は、優先して実行する側のジョブが、画像形成装置10を再起動することなく、実行可能なジョブであるか否かを判断する(ステップS158)。
実行可能なジョブであると判断する場合(ステップS158で「YES」)、調整結果処理部116は、優先して実行する側のジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、継続して、実行させる(ステップS159)。次に、調整結果処理部116は、主制御部100に対して、画像形成装置10を再起動させる(ステップS160)。画像形成装置10の再起動が終了した後、調整結果処理部116は、残りのジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、実行させる(ステップS161)。以上により、画像形成システム1における動作を終了する。
一方、優先して実行する側のジョブが、画像形成装置10の再起動が必要であると判断する場合(ステップS158で「NO」)、調整結果処理部116は、主制御部100に対して、画像形成装置10を再起動させる(ステップS162)。次に、画像形成装置10の再起動が終了した後、調整結果処理部116は、優先する側のジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、実行させる(ステップS163)。次に、調整結果処理部116は、優先しない側のジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、実行させる(ステップS164)。以上により、画像形成システム1における動作を終了する。
ステップS107において、主制御部100により、本体利用者から受け取った緊急度と、携帯端末利用者から受け取った緊急度とが異なると判断される場合、応答処理部115は、最初に緊急度が「大」側の処理を実行し(ステップS181)、続いて、緊急度が「小」側の処理を実行する(ステップS182)。
ステップS181において、応答処理部115は、緊急度が「大」側のジョブが、画像形成装置10の再起動なく、実行可能か否かを判断する(ステップS191)。
実行可能であると判断する場合(ステップS191で「YES」)、緊急度が「大」側のジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、継続して、実行させる(ステップS192)。
一方、実行可能でないと判断する場合(ステップS191で「NO」)、応答処理部115は、主制御部100に対して、画像形成装置10を再起動させる(ステップS193)。画像形成装置10の再起動が終了した後、応答処理部115は、緊急度が「大」側のジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、実行させる(ステップS194)。
次に、ステップS182において、応答処理部115は、緊急度が「小」側のジョブが、画像形成装置10の再起動なく、実行可能か否かを判断する(ステップS195)。
実行可能であると判断する場合(ステップS195で「YES」)、緊急度が「小」側のジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、継続して、実行させる(ステップS196)。
一方、実行可能でないと判断する場合(ステップS195で「NO」)、応答処理部115は、主制御部100に対して、画像形成装置10を再起動させる(ステップS197)。画像形成装置10の再起動が終了した後、応答処理部115は、緊急度が「小」側のジョブを、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及びBox制御部117等を制御して、実行させる(ステップS198)。
以上により、画像形成システム1における動作の説明を終了する。
1.7 まとめ
以上説明したように、実施の形態によると、本体利用者のジョブと携帯端末利用者のジョブの実行中に、復旧のために画像形成装置10の再起動を必要とするエラーが発生し、実行中のジョブに、発生したエラーの影響を受けないジョブと、発生したエラーの影響により実行が停止するジョブとが存在する場合、本体利用者と携帯端末利用者との間の調整により、画像形成装置10の再起動のタイミングを決定するよう依頼する旨のメッセージを、前記操作パネル及び前記通信端末に対して出力して、表示させる。
この結果、本体利用者と、携帯端末利用者との間で、エラーの発生を解消するための再起動を実施するタイミングを調整することができる、という優れた効果を奏する。
2 その他の変形例
本発明について、上記の実施の形態に基づいて説明しているが、上記の実施の形態に限定されない。以下に示すようにしてもよい。
(1)上記の実施の形態においては、本体利用者のジョブに設定された緊急度と、携帯端末利用者のジョブに設定された緊急度が、主制御部100に対して、出力され、比較部113により比較される。しかし、緊急度の用い方は、これには限定されない。
本体利用者のジョブに設定された緊急度を携帯端末30のリモートパネル310に出力して、表示させ、携帯端末利用者のジョブに設定された緊急度を操作パネル19に出力して、表示させてもよい。
このようにして、本体利用者及び携帯端末利用者の双方に、相手のジョブの緊急度を通知して、双方のジョブの緊急度により、本体利用者と携帯端末利用者との間で調整をさせ、画像形成装置10の再起動のタイミングを決定させてもよい。
(2)それぞれの緊急度が、主制御部100に対して、入力されるタイミングは、各ジョブの実行の開始直後、ジョブの完了予定時間が一定時間以上であると判明したとき、又は、エラーが発生したときであるとしてもよい。ここで、ジョブの完了予定時間は、図6に示す所要時間の算出方法に従って、算出される。
(3)上記の実施の形態においては、本体利用者と携帯端末利用者との間の調整を支援するため、調整結果処理部116は、本体利用者を識別する利用者識別情報を、携帯端末30に対して出力し、リモートパネル310は、受信した利用者識別情報を表示する。かつ、調整結果処理部116は、携帯端末利用者を識別する利用者識別情報を、操作パネル19に対して出力し、操作パネル19は、受信した利用者識別情報を表示する。しかし、これには限定されない。
調整結果処理部116は、操作パネル19及び携帯端末30の少なくとも一方に、相手側の利用者を識別する利用者識別情報を出力してもよい。操作パネル19及び携帯端末30のリモートパネル310の少なくとも一方は、受信した利用者識別情報を表示してもよい。この方法によっても、本体利用者及び携帯端末利用者の少なくとも一方が、相手の利用者を知ることができるので、相手の利用者との調整を支援して、画像形成装置10の再起動のタイミングを決定することができる。
(4)図11のステップS155に示すように、本体利用者と携帯端末利用者との間で、いずれのジョブを優先して実行すべきか、調整がされる場合、以下に示すように、画像形成装置10と携帯端末30との間の通信機能を用いて、本体利用者と携帯端末利用者とが情報の交換をしてもよい。
ネットワーク通信部107は、ネットワーク40及び第一無線通信部316を介して、主制御部301との間で、音声データ又はテキストデータを、送受信してもよい。
また、画像形成装置は、音声処理部、スピーカー及びマイクロホンを備えるとしてもよい。ここで、音声処理部、スピーカー及びマイクロホンは、携帯端末30が備える音声処理部306、スピーカー307及びマイクロホン308と同様の構成を有する。
本体利用者は、操作パネル19、スピーカー及びマイクロホンを用い、携帯端末利用者は、リモートパネル310、スピーカー307及びマイクロホン308を用い、音声又はテキストデータにより、自身の見解を相手に伝え、相手の見解を受け取る。これにより、画像形成装置10の再起動のタイミングを決定する調整を行う、としてもよい。
ネットワーク通信部107は、ネットワーク40及び第一無線通信部316を介して、主制御部301との間で、さらに、映像データを、送受信してもよい。この場合、画像形成装置10は、携帯端末30が備えるカメラ入力部317及びカメラ318と同様の構成のカメラ入力部及びカメラを備えるとしてもよい。各利用者は、映像及び音声により、自身の見解を相手に伝え、相手の見解を受け取る。これにより、画像形成装置10の再起動のタイミングを決定する調整を行う、としてもよい。
(5)上記の実施の形態においては、画像形成装置10と携帯端末30との間においては、携帯電話網を含むネットワーク40を介して、データの送受信を行っている。しかし、これには、限定されない。
画像形成装置10と携帯端末30との間において、近距離無線等を用いて、データの送受信を行うとしてもよい。この場合、画像形成装置10は、携帯端末30が備える第二無線通信部315と同様の構成の無線通信部を備える、としてもよい。
(6)上記の実施の形態においては、操作パネル19は、本体利用者の操作により、又は、画像形成装置10の前に移動してきた携帯端末利用者の操作により、調整結果の操作を受け付ける、としている(図11のステップS156)。しかし、これには限定されない。
リモートパネル310は、携帯端末利用者の操作により、調整結果の操作を受け付ける、としてもよい。携帯端末30は、受け付けた調整結果を、通信経路を介して、画像形成装置10に対して、送信する。
(7)上記の実施の形態において、画像形成装置10は、電子写真方式により画像形成を行うとしているが、本発明は、これには、限定されない。インクジェット方式により、印刷を行う印刷装置である、としてもよい。
(8)上述したように、画像形成装置及び携帯端末は、それぞれ、マイクロプロセッサーとメモリとを備えたコンピューターシステムである。メモリは、コンピュータープログラムを記憶しており、マイクロプロセッサーは、コンピュータープログラムに従って動作するとしてもよい。
ここで、コンピュータープログラムは、所定の機能を達成するために、コンピューターに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
また、コンピュータープログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、半導体メモリなどに記録されているとしてもよい。
また、コンピュータープログラムを、有線又は無線の電気通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送してもよい。
(9)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。