JP7133658B2 - 光学ガラス - Google Patents

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Description

本発明は、光学ガラスに関するものである。特に本発明は、γ線、X線などの放射線の照射にさらされた場合でも、可視域の光線透過率の低下が少ない、耐放射線性を有する光学ガラスに関する。
近年、宇宙空間や原子力設備内などの、放射線の照射線量が高い空間におけるカメラ、センサーなどの使用の要求が高まっている。これらのカメラやセンサーには、光学ガラスが使用される。しかし、従来の光学ガラスは、放射線の照射に曝されると、可視域の光線透過率が低下し、着色してしまう。そのため、従来の光学ガラスを使用したカメラやセンサーは、放射線の照射線量が高い空間では、短時間しかその機能を果たすことができない。
特許文献1には、放射線照射による滅菌をした場合でも、着色が抑制される医療容器用ガラスが開示されているが、そもそも放射線照射前であっても、光学ガラスとして求められる可視域の光線透過率を有さない。
特開2014-55092号公報
本発明が解決しようとする課題は、光学ガラスとして求められる可視域の光線透過率を有し、かつ、放射線の照射を受けた場合でも、可視域の光線透過率の低下が少ない光学ガラスを得ることである。
本発明者は、鋭意試験研究を重ねた結果、特定の組成を有し、特定の物性を指標とすることで、上記課題を解決するガラスが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(構成1)
酸化物基準の質量%で、
SiO成分を30~75%、
CeO成分を0%を超え5%以下、
Al成分を0~8%、
成分を0~18%、
O成分を0~20%(但し、RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上。)、
MO成分を0~50%(但し、MはMg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる1種以上。)含有し、
厚さ10mmの試料の光線透過率が80%となる波長[λ80]が390nm以上であり、吸収線量が0.5MGyとなるようにコバルト60ガンマ線の照射を受けたとき、その照射前後の、厚さ10mmの試料の光線透過率が5%となる波長[λ]の変化[Δλ]が20nm以下である光学ガラス。
(構成2)
酸化物基準の質量%で、
SiO成分を30~45%、
CeO成分を0.5~3%、
Al成分を1~8%、
成分を3~18%、
O成分を0~10%(但し、RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上。)、
MO成分を35~50%(但し、MはMg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる1種以上。)含有する構成1に記載の光学ガラス。
(構成3)
酸化物基準の質量%で、
SiO成分を65~75%、
CeO成分を0.5~3%、
成分を7~15%、
O成分を10~20%(但し、RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上。)、
MO成分を0~5%(但し、MはMg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる1種以上。)含有する構成1に記載の光学ガラス。
(構成4)
酸化物基準の質量%で、
SiO成分を40~58%、
CeO成分を0.5~3%、
成分を0~3%、
O成分を5~15%(但し、RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上。)、
PbO成分を30~50%含有する構成1に記載の光学ガラス。
(構成5)
厚さ10mmの試料の光線透過率が80%となる波長[[λ80]]が490nm以下である構成1から4のいずれかに記載の光学ガラス。
(構成6)
屈折率[nd]が1.50以上、1.65以下であり、アッベ数[νd]が35以上、65以下である、構成1から5のいずれかに記載の光学ガラス。
本発明によれば、光学ガラスとして求められる可視域の光線透過率を有し、かつ、放射線の照射を受けた場合でも、放射線の照射に曝される前と比較して、可視域の光線透過率の低下が少ない光学ガラスを得ることができる。
コバルト60ガンマ線の照射前後の実施例1-2に係る光学ガラスの分光透過率曲線である。サンプルの厚さは10mmである。実線が照射前の分光透過率を示し、破線が照射後の分光透過率を示している。 コバルト60ガンマ線の照射前後の実施例1-3に係る光学ガラスの分光透過率曲線である。サンプルの厚さは10mmである。実線が照射前の分光透過率を示し、破線が照射後の分光透過率を示している。 コバルト60ガンマ線の照射前後の実施例2-2に係る光学ガラスの分光透過率曲線である。サンプルの厚さは10mmである。実線が照射前の分光透過率を示し、破線が照射後の分光透過率を示している。 コバルト60ガンマ線の照射前後の実施例3-2に係る光学ガラスの分光透過率曲線である。サンプルの厚さは10mmである。実線が照射前の分光透過率を示し、破線が照射後の分光透過率を示している。 コバルト60ガンマ線の照射前後の実施例3-3に係る光学ガラスの分光透過率曲線である。サンプルの厚さは10mmである。実線が照射前の分光透過率を示し、破線が照射後の分光透過率を示している。 コバルト60ガンマ線の照射前後の比較例1に係る光学ガラスの分光透過率曲線である。サンプルの厚さは10mmである。実線が照射前の分光透過率を示し、破線が照射後の分光透過率を示している。 コバルト60ガンマ線の照射前後の比較例2に係る光学ガラスの分光透過率曲線である。サンプルの厚さは10mmである。実線が照射前の分光透過率を示し、破線が照射後の分光透過率を示している。
以下、本発明の光学ガラスについて詳細に説明する。なお、本明細書において、各成分の含有量は、酸化物基準の質量%で表記する。これは、本発明の光学ガラスの原料である酸化物、硝酸塩等が溶融時にすべて分解され、酸化物へ変化すると仮定して、光学ガラス中に含有される各成分の組成を表記する方法である。この方法では、変化して生成すると仮定した光学ガラス中の酸化物の質量の総和を100質量%として、光学ガラス中に含有される各成分の量を表記する。
本発明の光学ガラスは、酸化物基準の質量%で、SiO成分を30~75%、CeO成分を0%を超え5%以下、Al成分を0~8%、B成分を0~18%、RO成分を0~20%(但し、RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上。)、MO成分を0~50%(但し、MはMg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる1種以上。)含有し、厚さ10mmの試料の光線透過率が80%となる波長[λ80]が390nm以上である。上記組成と光学的指標を充足することにより、光学ガラスとして求められる可視域の光線透過率を有し、かつ、放射線の照射を受けた場合でも、放射線の照射に曝される前と比較して、可視域の光線透過率の低下が少ない光学ガラスを得ることができる。
SiO2成分は、ガラス形成酸化物として欠かすことができない必須成分であり、この成分の含有により、ガラスの着色が低減する。しかし、その含有量が多すぎると、逆に耐失透性、溶融性が悪くなりやすい。従って、SiO成分の含有量の下限は、好ましくは30%、より好ましくは32%、最も好ましくは34%であり、SiO成分の含有量の上限は、好ましくは75%、より好ましくは73%、最も好ましくは72.5%である。
CeO成分は、放射線の照射を受けたことに起因する、光学ガラスの可視域の光線透過率の低下を抑制し、着色を防止する効果を有する。しかし、その含有量が多すぎると、逆に光学ガラスが黄色に着色してしまう。従って、CeO成分の含有量の下限は、好ましくは0%超、より好ましくは0.5%、最も好ましくは0.6%であり、CeO成分の含有量の上限は、好ましくは5%、より好ましくは2%、最も好ましくは1.9%である。
本発明のガラスにおいて、酸化物基準の質量%で表されたCeO成分の含有量に対するSiO成分の含有量の比SiO/CeOの値を30以上とすると、放射線の照射を受けたことに起因する、光学ガラスの可視域の光線透過率の低下を抑制しつつも、高い可視域の光線透過率を得やすくなるため好ましい。SiO/CeOの値の下限は31がより好ましく、32が最も好ましい。
他方、SiO/CeOの値が60を超えると、放射線の照射を受けた場合、光学ガラスの可視域の光線透過率が低下しやすくなる。従って、SiO/CeOの値の上限は60が好ましく、59がより好ましく、58が最も好ましい。
Al成分は、光学ガラスの化学的耐久性や機械的強度を高める効果を有する任意成分である。しかし、Al成分の含有量が多すぎると、放射線の照射を受けたことに起因する、光学ガラスの可視域の光線透過率の低下が生じやすくなる。従って、Al成分の含有量の上限は、好ましくは8%、より好ましくは7%、最も好ましくは6%である。
成分は、ガラス形成酸化物として含有できる任意成分である。しかし、B成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性や耐失透性が低下しやすくなる。従って、B成分の上限は、好ましくは18%、より好ましくは16%、最も好ましくは15%である。
O成分(但し、RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上。)はガラス原料の溶融を促進する効果がある任意成分である。しかし、RO成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性が低下しやすくなる。従って、RO成分の上限は、好ましくは20%、より好ましくは18%、最も好ましくは17%である。
LiO成分はガラス原料の溶融を促進する効果がある任意成分である。しかし、LiO成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性が低下しやすくなる。従って、RO成分の上限は、好ましくは8%、より好ましくは6%、最も好ましくは5%である。
NaO成分はガラス原料の溶融を促進する効果がある任意成分である。しかし、NaO成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性が低下しやすくなる。従って、NaO成分の上限は、好ましくは12%未満、より好ましくは11%、最も好ましくは10%である。
O成分はガラス原料の溶融を促進する効果がある任意成分である。しかし、KO成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性が低下しやすくなる。従って、RO成分の上限は、好ましくは13%、より好ましくは11%、最も好ましくは10%である。
MO成分(但し、MはMg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる1種以上。)はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、MO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、MO成分の上限は、好ましくは50%、より好ましくは46%、最も好ましくは43%である。
MgO成分はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、MgO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、MgO成分の上限は、好ましくは10%、より好ましくは5%、最も好ましくは3%である。
CaO成分はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、CaO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、CaO成分の上限は、好ましくは22%、より好ましくは20%、最も好ましくは18%である。
SrO成分はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、SrO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、CaO成分の上限は、好ましくは10%、より好ましくは5%、最も好ましくは3%である。
BaO成分はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、SrO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、CaO成分の上限は、好ましくは50%、より好ましくは46%、最も好ましくは43%である。
本発明のガラスにおいて、酸化物基準の質量%で表されたCeO成分の含有量に対するSiO成分の含有量の比SiO/CeOの値を30以上とすると、放射線の照射を受けたことに起因する、光学ガラスの可視域の光線透過率の低下を抑制しつつも、高い可視域の光線透過率を得やすくなるため好ましい。SiO/CeOの値の下限は31がより好ましく、32が最も好ましい。
他方、SiO/CeOの値が60を超えると、放射線の照射を受けた場合、光学ガラスの可視域の光線透過率が低下しやすくなる。従って、SiO/CeOの値の上限は60が好ましく、59がより好ましく、58が最も好ましい。
TiO成分は、CeO成分に起因する着色を増長させ、可視域の光線透過率の低下を生じさせるため、その含有量は1%未満が好ましく、0.3%以下がより好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。
V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、及びMoの遷移金属成分は、少量加えた場合でも、可視域の特定の波長に吸収を持つ為、着色してしまう。したがって、光学ガラスとして求められる光線透過率を得るためには、これらの成分は実質的に含有するべきでは無い。
Sb成分は、ガラス熔融工程における脱泡効果を有するが、放射線の照射を受けた場合に可視域の光線透過率の低下が大きくなる。また、本発明の光学ガラスにおいては、CeO成分を含有することによって脱泡効果が得られる。よって、Sb成分の含有量は、1%未満であることが好ましく、0.3%以下がより好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。
As成分は、ガラス熔融工程における脱泡効果を有するが、人体や環境に対して有害である。本発明の光学ガラスにおいては、CeO成分を含有することによって脱泡効果が得られる。よって、As成分の含有量は、1%未満であることが好ましく、0.3%以下がより好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。
本発明の光学ガラスは、厚さ10mmの平行平板試料における反射損失を含む光線透過率が80%となる波長[λ80]が390nm以上であると、放射線の照射を受けた場合でも、放射線の照射に曝される前と比較して、可視域の光線透過率の低下が少ないため好ましい。より好ましくは、[λ80]が395nm以上であり、最も好ましくは[λ80]が400nm以上である。
他方、本発明の光学ガラスは、光学ガラスとして求められる可視域の光線透過率を確保するため、[λ80]が490nm以下あると好ましく、485nm以下であるとより好ましく、480nm以下であると最も好ましい。
本発明の光学ガラスは、厚さ10mmの平行平板試料における、反射損失を含む光線透過率が5%となる波長[λ]が425nm以下、350nm以上である。より好ましい態様ではλが420nm以下であり、最も好ましい態様ではλが415nm以下である。
本発明の光学ガラスは、放射線の照射を受けた場合でも、可視域の光線透過率の低下が少ない。よって、コバルト60ガンマ線の照射による吸収線量が0.5MGyのとき、ガンマ線の照射に曝される前のλに対するガンマ線の照射を受けた後のλの変化[Δλ]が、20nm以下である。より好ましい態様ではΔλが18nm以下であり、最も好ましい態様ではΔλが16nm以下である。
本発明の光学ガラスは、放射線の照射を受けた場合でも、可視域の光線透過率の低下が少ない。よって、コバルト60ガンマ線の照射による吸収線量が0.5MGyのとき、ガンマ線の照射に曝される前の[λ80]に対するガンマ線の照射を受けた後の[λ80]の変化[Δλ80]が、230nm以下である。より好ましい態様では[Δλ80]が60nm以下であり、最も好ましい態様では[Δλ80]が20nm以下である。
本発明の光学ガラスの屈折率[nd]の下限は1.50であり、上限は1.65である。本発明の光学ガラスのアッベ数[νd]の下限は35であり、上限は65である。
本発明の光学ガラスは、より具体的には、3つの実施形態をとりうる。
以下、3つの実施形態について説明する。
[第1実施形態]
本発明の光学ガラスの第1実施形態について説明する。
SiO成分は、ガラス形成酸化物として欠かすことができない必須成分であり、この成分の含有により、ガラスの着色が低減する。しかし、その含有量が多すぎると、逆に耐失透性、溶融性が悪くなりやすい。従って、SiO成分の含有量の下限は、好ましくは30%、より好ましくは32%、最も好ましくは34%であり、SiO成分の含有量の上限は、好ましくは45%、より好ましくは43%、最も好ましくは42%である。
CeO成分は、放射線の照射を受けたことに起因する、光学ガラスの可視域の光線透過率の低下を抑制し、着色を防止する効果を有する。しかし、その含有量が多すぎると、逆に光学ガラスが黄色に着色してしまう。従って、CeO成分の含有量の下限は、好ましくは0.4%、より好ましくは0.5%、最も好ましくは0.6%であり、CeO成分の含有量の上限は、好ましくは3%、より好ましくは2%、最も好ましくは1.5%である。
Al成分は、光学ガラスの化学的耐久性や機械的強度を高める効果を有する。しかし、Al成分の含有量が多すぎると、放射線の照射を受けたことに起因する、光学ガラスの可視域の光線透過率の低下が生じやすくなる。従って、Al成分の含有量の下限は、好ましくは1%、より好ましくは2%、最も好ましくは3%であり、Al成分の含有量の上限は、好ましくは8%、より好ましくは7%、最も好ましくは6%である。
成分は、ガラス形成酸化物として含有する成分である。しかし、B成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性や耐失透性が低下しやすくなる。従って、B成分の下限は、好ましくは3%、より好ましくは3.5%、最も好ましくは4%であり、B成分の上限は、好ましくは18%、より好ましくは16%、最も好ましくは15%である
O成分(但し、RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上。)はガラス原料の溶融を促進する効果がある任意成分である。しかし、RO成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性が低下しやすくなる。従って、RO成分の上限は、好ましくは10%、より好ましくは9%、最も好ましくは8%である。
LiO成分はガラス原料の溶融を促進する効果がある任意成分である。しかし、LiO成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性が低下しやすくなる。従って、RO成分の上限は、好ましくは5%、より好ましくは4%、最も好ましくは3%である。
NaO成分はガラス原料の溶融を促進する効果がある任意成分である。しかし、NaO成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性が低下しやすくなる。従って、NaO成分の上限は、好ましくは10%、より好ましくは6%、最も好ましくは4%である。
O成分はガラス原料の溶融を促進する効果がある任意成分である。しかし、KO成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性が低下しやすくなる。従って、KO成分の上限は、好ましくは10%、より好ましくは6%、最も好ましくは4%である。
MO成分(但し、MはMg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる1種以上。)はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある成分である。しかし、MO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、MO成分の下限は、好ましくは34%、より好ましくは35%、最も好ましくは36%であり、MO成分の上限は、好ましくは50%、より好ましくは46%、最も好ましくは43%である。
MgO成分はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、MgO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、MgO成分の上限は、好ましくは10%、より好ましくは5%、最も好ましくは3%である。
CaO成分はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、CaO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、CaO成分の上限は、好ましくは22%、より好ましくは20%、最も好ましくは18%である。
SrO成分はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、SrO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、CaO成分の上限は、好ましくは10%、より好ましくは5%、最も好ましくは3%である。
BaO成分はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。この効果を得るため、BaO成分は、15.5%以上、より好ましくは20%以上、最も好ましくは23%以上含有させることができる。しかし、BaO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、BaO成分の上限は、好ましくは50%、より好ましくは46%、最も好ましくは43%である。
ZnO成分は、ガラスの粘度を低下させるとともに、耐失透性を向上する効果がある任意成分である。しかし、ZnO成分の含有量が多すぎると、かえって耐失透性が悪化しやすくなる。従って、ZnO成分の上限は、好ましくは10%、より好ましくは5%、最も好ましくは3%である。
ZrO成分は、ガラスの屈折率を高め、化学的耐久性を高める効果を有する任意成分である。しかし、ZrO成分の含有量が多すぎると、ガラスの安定性が低下し易くなる。従って、ZrO成分の含有量の上限は10%が好ましく、8%がより好ましく、6%が最も好ましい。
PbO成分は、光学ガラスの屈折率を高める効果を有するが、人体や環境に対して有害であるため、その含有量は5%未満とすることが好ましい。本発明の第1実施形態の光学ガラスにおいては、PbO成分を含有させなくとも、所望の屈折率が得られる。従って、本発明の第1実施形態のガラスにおいては、実質的にPbO成分を含有しなくとも良い。
第1実施形態の光学ガラスにおいて、厚さ10mmの平行平板試料における反射損失を含む光線透過率が80%となる波長[λ80]が440nm以上であると、放射線の照射を受けた場合でも、放射線の照射に曝される前と比較して、可視域の光線透過率の低下が少ないため好ましい。より好ましくは、[λ80]が445nm以上であり、最も好ましくは[λ80]が446nm以上である。
他方、本発明の光学ガラスは、光学ガラスとして求められる可視域の光線透過率を確保するため、[λ80]が490nm以下であると好ましく、485nm以下であるとより好ましく、480nm以下であると最も好ましい。
第1実施形態の光学ガラスは、厚さ10mmの平行平板試料における、反射損失を含む光線透過率が5%となる波長[λ]が425nm以下、370nm以上である。より好ましい態様ではλが420nm以下であり、最も好ましい態様ではλが415nm以下である。
第1実施形態の光学ガラスは、放射線の照射を受けた場合でも、可視域の光線透過率の低下が少ない。よって、コバルト60ガンマ線の照射による吸収線量が0.5MGyのとき、ガンマ線の照射に曝される前のλに対するガンマ線の照射を受けた後のλの変化[Δλ]が、20nm以下である。より好ましい態様ではΔλが18nm以下であり、最も好ましい態様ではΔλが16nm以下である。
第1実施形態の光学ガラスは、放射線の照射を受けた場合でも、可視域の光線透過率の低下が少ない。よって、コバルト60ガンマ線の照射による吸収線量が0.5MGyのとき、ガンマ線の照射に曝される前の[λ80]に対するガンマ線の照射を受けた後の[λ80]の変化[Δλ80]が、230nm以下である。より好ましい態様では[Δλ80]が60nm以下である。
第1実施形態の光学ガラスの屈折率[nd]の下限は1.55であり、上限は1.65である。本発明の光学ガラスのアッベ数[νd]の下限は48であり、上限は65である。
[第2実施形態]
本発明の光学ガラスの第2実施形態について説明する。
SiO成分は、ガラス形成酸化物として欠かすことができない必須成分であり、この成分の含有により、ガラスの着色が低減する。しかし、その含有量が多すぎると、逆に耐失透性、溶融性が悪くなりやすい。従って、SiO成分の含有量の下限は、好ましくは55%、より好ましくは60%、最も好ましくは65%であり、SiO成分の含有量の上限は、好ましくは78%、より好ましくは75%、最も好ましくは73%である。
CeO成分は、放射線の照射を受けたことに起因する、光学ガラスの可視域の光線透過率の低下を抑制し、着色を防止する効果を有する。しかし、その含有量が多すぎると、逆に光学ガラスが黄色に着色してしまう。従って、CeO成分の含有量の下限は、好ましくは0.5%、より好ましくは0.6%、最も好ましくは0.7%であり、CeO成分の含有量の上限は、好ましくは3%、より好ましくは2%、最も好ましくは1.8%である。
Al成分は、光学ガラスの化学的耐久性や機械的強度を高める効果を有する任意成分である。しかし、Al成分の含有量が多すぎると、放射線の照射を受けたことに起因する、光学ガラスの可視域の光線透過率の低下が生じやすくなる。Al成分の含有量の上限は、好ましくは5%、より好ましくは4%、最も好ましくは3.5%である。
成分は、ガラス形成酸化物として含有する成分である。しかし、B成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性や耐失透性が低下しやすくなる。従って、B成分の下限は、好ましくは3%、より好ましくは3.5%、最も好ましくは4%であり、B成分の上限は、好ましくは15%、より好ましくは14%、最も好ましくは13%である
O成分(但し、RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上。)はガラス原料の溶融を促進する効果がある任意成分である。しかし、RO成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性が低下しやすくなる。従って、RO成分の上限は、好ましくは23%、より好ましくは20%、最も好ましくは18%である。
LiO成分はガラス原料の溶融を促進する効果がある任意成分である。しかし、LiO成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性が低下しやすくなる。従って、LiO成分の上限は、好ましくは5%、より好ましくは4%、最も好ましくは3%である。
NaO成分はガラス原料の溶融を促進する効果がある任意成分である。しかし、NaO成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性が低下しやすくなる。従って、NaO成分の上限は、好ましくは12%未満、より好ましくは11%、最も好ましくは10%である。
O成分はガラス原料の溶融を促進する効果がある任意成分である。しかし、KO成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性が低下しやすくなる。従って、RO成分の上限は、好ましくは18%、より好ましくは16%、最も好ましくは15%である。
MO成分(但し、MはMg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる1種以上。)はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、MO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、MO分の上限は、好ましくは10%、より好ましくは8%、最も好ましくは6%である。
MgO成分はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、MgO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、MgO成分の上限は、好ましくは5%未満、より好ましくは3%、最も好ましくは1%である。
CaO成分はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、CaO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、CaO成分の上限は、好ましくは5%未満、より好ましくは3%、最も好ましくは1%である。
SrO成分はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、SrO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、CaO成分の上限は、好ましくは5%未満、より好ましくは3%、最も好ましくは1%である。
BaO成分はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、BaO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、BaO成分の上限は、好ましくは5%未満、より好ましくは4%、最も好ましくは3%である。
ZnO成分は、ガラスの粘度を低下させるとともに、耐失透性を向上する効果がある任意成分である。しかし、ZnO成分の含有量が多すぎると、かえって耐失透性が悪化しやすくなる。従って、ZnO成分の上限は、好ましくは5%未満、より好ましくは3%、最も好ましくは1%である。
ZrO成分は、ガラスの屈折率を高め、化学的耐久性を高める効果を有する任意成分である。しかし、ZrO成分の含有量が多すぎると、ガラスの安定性が低下し易くなる。従って、ZrO成分の含有量の上限は5%が好ましく、3%がより好ましく、1%が最も好ましい。
PbO成分は、光学ガラスの屈折率を高める効果を有するが、人体や環境に対して有害であるため、その含有量は5%未満とすることが好ましい。本発明の第2実施形態の光学ガラスにおいては、PbO成分を含有させなくとも、所望の屈折率が得られる。従って、本発明の第2実施形態のガラスにおいては、実質的にPbO成分を含有しなくとも良い。
第2実施形態の光学ガラスにおいて、厚さ10mmの平行平板試料における反射損失を含む光線透過率が80%となる波長[λ80]が390nm以上であると、放射線の照射を受けた場合でも、放射線の照射に曝される前と比較して、可視域の光線透過率の低下が少ないため好ましい。より好ましくは、[λ80]が395nm以上であり、最も好ましくは[λ80]が400nm以上である。
他方、本発明の光学ガラスは、光学ガラスとして求められる可視域の光線透過率を確保するため、[λ80]が470nm以下あると好ましく、460nm以下であるとより好ましく、455nm以下であると最も好ましい。
第2実施形態の光学ガラスは、厚さ10mmの平行平板試料における、反射損失を含む光線透過率が5%となる波長[λ]が400nm以下、355nm以上である。より好ましい態様では[λ]が395nm以下であり、最も好ましい態様では[λ]が390nm以下である。
第2実施形態の光学ガラスは、放射線の照射を受けた場合でも、可視域の光線透過率の低下が少ない。よって、コバルト60ガンマ線の照射による吸収線量が0.5MGyのとき、ガンマ線の照射に曝される前の[λ]に対するガンマ線の照射を受けた後の[λ]の変化[Δλ]が、20nm以下である。より好ましい態様では[Δλ]が18nm以下であり、最も好ましい態様では[Δλ]が15nm以下である。
第2実施形態の光学ガラスは、放射線の照射を受けた場合でも、可視域の光線透過率の低下が少ない。よって、コバルト60ガンマ線の照射による吸収線量が0.5MGyのとき、ガンマ線の照射に曝される前の[λ80]に対するガンマ線の照射を受けた後の[λ80]の変化[Δλ80]が、70nm以下である。より好ましい態様では[Δλ80]が60nm以下である。
第2実施形態の光学ガラスの屈折率[nd]の下限は1.50であり、上限は1.60である。本発明の光学ガラスのアッベ数[νd]の下限は50であり、上限は65である。
[第3実施形態]
本発明の光学ガラスの第3実施形態について説明する。
SiO成分は、ガラス形成酸化物として欠かすことができない必須成分であり、この成分の含有により、ガラスの着色が低減する。しかし、その含有量が多すぎると、逆に耐失透性、溶融性が悪くなりやすい。従って、SiO成分の含有量の下限は、好ましくは35%、より好ましくは37%、最も好ましくは40%であり、SiO成分の含有量の上限は、好ましくは56%、より好ましくは54%、最も好ましくは52%である。
CeO成分は、放射線の照射を受けたことに起因する、光学ガラスの可視域の光線透過率の低下を抑制し、着色を防止する効果を有する。しかし、その含有量が多すぎると、逆に光学ガラスが黄色に着色してしまう。従って、CeO成分の含有量の下限は、好ましくは0.4%、より好ましくは0.5%、最も好ましくは0.6%であり、CeO成分の含有量の上限は、好ましくは3%、より好ましくは2%、最も好ましくは1.5%である。
Al成分は、光学ガラスの化学的耐久性や機械的強度を高める効果を有する任意成分である。しかし、Al成分の含有量が多すぎると、放射線の照射を受けたことに起因する、光学ガラスの可視域の光線透過率の低下が生じやすくなる。従って、Al成分の含有量の上限は、好ましくは5%、より好ましくは4%、最も好ましくは3%である。
成分は、ガラス形成酸化物として含有可能な任意成分である。しかし、B成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性や耐失透性が低下しやすくなる。従って、B成分の上限は、好ましくは5%、より好ましくは4%、最も好ましくは3%である
O成分(但し、RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上。)はガラス原料の溶融を促進する効果がある任意成分である。しかし、RO成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性が低下しやすくなる。従って、RO成分の上限は、好ましくは16%、より好ましくは15%、最も好ましくは13%である。
LiO成分はガラス原料の溶融を促進する効果がある任意成分である。しかし、LiO成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性が低下しやすくなる。従って、RO成分の上限は、好ましくは5%、より好ましくは4%、最も好ましくは3%である。
NaO成分はガラス原料の溶融を促進する効果がある任意成分である。しかし、NaO成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性が低下しやすくなる。従って、NaO成分の上限は、好ましくは11%、より好ましくは9%、最も好ましくは7%である。
O成分はガラス原料の溶融を促進する効果がある任意成分である。しかし、KO成分の含有量が多すぎると、光学ガラスの化学的耐久性が低下しやすくなる。従って、KO成分の上限は、好ましくは11%、より好ましくは9%、最も好ましくは7%である。
MO成分(但し、MはMg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる1種以上。)はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、MO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、MO成分の上限は、好ましくは5%未満、より好ましくは4%、最も好ましくは3%である。
MgO成分はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、MgO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、MgO成分の上限は、好ましくは5%未満、より好ましくは4%、最も好ましくは3%である。
CaO成分はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、CaO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、CaO成分の上限は、好ましくは5%未満、より好ましくは4%、最も好ましくは3%である。
SrO成分はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、SrO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、SrO成分の上限は、好ましくは5%未満、より好ましくは4%、最も好ましくは3%である。
BaO成分はガラスの液相温度を低下させ、光学恒数を所望の値に調整する効果がある任意成分である。しかし、BaO成分の含有量が多すぎると、かえって光学ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。従って、BaO成分の上限は、好ましくは5%未満、より好ましくは4%、最も好ましくは3%である。
ZnO成分は、ガラスの粘度を低下させるとともに、耐失透性を向上する効果がある任意成分である。しかし、ZnO成分の含有量が多すぎると、かえって耐失透性が悪化しやすくなる。従って、ZnO成分の上限は、好ましくは5%未満、より好ましくは4%、最も好ましくは3%である。
ZrO成分は、ガラスの屈折率を高め、化学的耐久性を高める効果を有する任意成分である。しかし、ZrO成分の含有量が多すぎると、ガラスの安定性が低下し易くなる。従って、ZrO成分の含有量の上限は5%未満が好ましく、4%がより好ましく、3%が最も好ましい。
PbO成分は、光学ガラスの屈折率を高め、可視域の光線透過率を高める効果を有する成分である。しかし、PbO成分の含有量が多すぎると、短波長域の光線透過率を低下させる。従って、PbO成分の下限は30%が好ましく、32%がより好ましく、35%が最も好ましく、PbO成分の上限は、52%が好ましく、49%がより好ましく、47%が最も好ましい。
第3実施形態の光学ガラスにおいて、厚さ10mmの平行平板試料における反射損失を含む光線透過率が80%となる波長[λ80]が410nm以上であると、放射線の照射を受けた場合でも、放射線の照射に曝される前と比較して、可視域の光線透過率の低下が少ないため好ましい。より好ましくは、[λ80]が415nm以上であり、最も好ましくは[λ80]が420nm以上である。
他方、本発明の光学ガラスは、光学ガラスとして求められる可視域の光線透過率を確保するため、[λ80]が460nm以下であると好ましく、455nm以下であるとより好ましく、450nm以下であると最も好ましい。
第3実施形態の光学ガラスは、厚さ10mmの平行平板試料における、反射損失を含む光線透過率が5%となる波長[λ]が400nm以下、350nm以上である。より好ましい態様では[λ]が395nm以下であり、最も好ましい態様では[λ]が390nm以下である。
第3実施形態の光学ガラスは、放射線の照射を受けた場合でも、可視域の光線透過率の低下が少ない。よって、コバルト60ガンマ線の照射による吸収線量が0.5MGyのとき、ガンマ線の照射に曝される前のλに対するガンマ線の照射を受けた後のλの変化[Δλ]が、18nm以下である。より好ましい態様では[Δλ]が17nm以下であり、最も好ましい態様では[Δλ]が16nm以下である。
第3実施形態の光学ガラスは、放射線の照射を受けた場合でも、可視域の光線透過率の低下が少ない。よって、コバルト60ガンマ線の照射による吸収線量が0.5MGyのとき、ガンマ線の照射に曝される前の[λ80]に対するガンマ線の照射を受けた後の[λ80]の変化[Δλ80]が、60nm以下である。より好ましい態様では[Δλ80]が55nm以下である。
第3実施形態の光学ガラスの屈折率[nd]の下限は1.55であり、上限は1.65である。本発明の光学ガラスのアッベ数[νd]の下限は32であり、上限は45である。
以下、本発明に係る光学ガラスの実施例を示す。本発明の実施例の光学ガラスは、次のように作製した。まず、表1から表3に示した各実施例の組成となるように、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の通常の光学ガラス用原料を調合した。次に、調合した原料を白金るつぼに投入し、組成による溶融性に応じて、1100~1350℃で2~5時間溶融し、その後、清澄、攪拌して溶融ガラスを均質化した。最後に、溶融ガラスをステンレス製の金型に鋳込んで成形し、その後、徐冷した。
比較例についても同様に作製した。
作製した実施例および比較例の光学ガラスについて、屈折率[nd]、アッベ数[νd]、放射線の照射に曝される前の分光透過率、放射線の照射を受けた後の分光透過率を測定した。
屈折率及びアッベ数は、日本光学硝子工業会規格JOGIS01―2003に基づいて測定した。ここで、屈折率及びアッベ数は、徐冷速度を-25℃/hrで徐冷して得られたガラスについて測定を行うことで求めた。
また、分光透過率は、日本光学硝子工業会規格JOGIS02-2003に準じて測定した。具体的には、厚さ10±0.1mmの対面平行研磨品をJISZ8722に準じ、200~800nmの波長の光線について透過率を測定することにより分光透過率を得た。得られた分光透過率から、光線透過率が80%となる波長[λ80]および光線透過率が5%となる波長[λ]を求めた。
作製した光学ガラスへの放射線の照射は、日本原子力研究開発機構のコバルト60のガンマ線照射設備でおこなった。具体的には、吸収線量が0.5MGyとなるように光学ガラスへ向けてコバルト60ガンマ線を照射した。
ガンマ線の照射を受けた後の[λ80]および[λ]とガンマ線の照射に曝される前の[λ80]およびλの差をそれぞれ求め、[Δλ80]、[Δλ]とした。
測定した[nd]、[νd]、[λ80]、[λ]、[Δλ80]および[Δλ]を表に示す。
Figure 0007133658000001
Figure 0007133658000002
Figure 0007133658000003
Figure 0007133658000004
以上の実施例から、本発明の光学ガラスは、光学ガラスとして求められる可視域の光線透過率を有し、かつ、放射線の照射を受けた場合でも、放射線の照射に曝される前と比較して、可視域の光線透過率の低下が少ないことがわかる。
他方、比較例のガラスは、放射線の照射を受けたことにより、黒色に着色し、光線透過率が大幅に低下した。

Claims (3)

  1. 酸化物基準の質量%で、
    SiO成分を65~75%、
    CeO成分を0.5~3%、
    Al成分を0~8%、
    成分を7~15%、
    O成分を10~16.41%(但し、RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上。)、
    NaO成分を0~10%、
    MO成分を0~3%(但し、MはMg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる1種以上。)含有し、
    TiO成分およびV成分を実質的に含有せず、
    酸化物基準の質量%で表されたCeO成分の含有量に対するSiO成分の含有量の比SiO/CeOが32以上58以下であり、
    厚さ10mmの試料の光線透過率が80%となる波長[λ80]が390nm以上であり、吸収線量が0.5MGyとなるようにコバルト60ガンマ線の照射を受けたとき、その照射前後の、厚さ10mmの試料の光線透過率が5%となる波長[λ]の変化[Δλ]が20nm以下である、光学ガラス。
  2. 厚さ10mmの試料の光線透過率が80%となる波長[λ80]が490nm以下である、請求項1に記載の光学ガラス。
  3. 屈折率[nd]が1.50以上1.60以下であり、アッベ数[νd]が50以上65以下である、請求項1または2に記載の光学ガラス。
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