JP7133423B2 - 乗員保護装置 - Google Patents
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Description
そして、前突時に膝部と内装部材との衝突による障害の低減や、上体の回転軸となる腰の位置のズレを防止し、上半身の挙動も安定させる膝部前面で展開するニーエアバッグが提案されている。
さらに、前記第1ニーエアバッグ袋体は、上方から下方に向かって展開する、ようにしてもよい。
さらに、前記ニーエアバッグ袋体は、下部の一部がテザーにより規制され、乗員の膝部上方に展開され、前記テザーが切断されると、下部に膨張し、乗員の膝部前方に展開されるものであり、前記展開制御装置は、前記脚部検知装置により乗員の脚部の状態に基づいて、前記テザーを切断する、ようにしてもよい。
図1は、本発明の実施の形態における乗員保護装置を備えた車両の一部の概略を示す断面図である。また、図2、図3は、本実施の形態の乗員保護装置が作動し、エアバッグ袋体が展開した際の側面図である。なお、図2は、乗員の膝部上方にニーエアバッグが展開した際の側面図であり、図3は、乗員の膝部前方にニーエアバッグが展開した際の側面図である。
図1に示すように、車両1の乗員室は、下部にアンダーフロア3、上部にルーフ4が設けられている。また、アンダーフロア3には、座席シート10が配備されている。
また、車両1には、乗員保護装置31が備えられている。
乗員保護装置31は、車載カメラ40と、上体エアバッグ装置50と、ニーエアバッグ装置101と、車両制御装置(以下、ECUという)201と、を備えている。なお、上体エアバッグ装置50、および、ニーエアバッグ装置101は、ダッシュボード20の内部に設けられている。また、ECU201は、衝突検知装置、および、展開制御装置たるエアバッグ展開制御ユニット(以下、ACUという)の機能も備えている。なお、衝突検知装置およびACUは、ECU201と別体で設けるようにしてもよい。
車載カメラ40は、座席シート10に着座した乗員Pの脚部の状態を検知するものである。すなわち、車載カメラ40は、脚部検知装置として機能する。ここで、乗員Pの脚部の状態とは、乗員Pが脚を伸ばした状態、脚を組んだ状態、脚を曲げ足首が膝よりも後となった状態、脚を開いた状態、脚を閉じた状態等である。また、車載カメラ40は、乗員Pを含む乗員室内の撮影のみを行うものであって、撮影した画像データをECU201に出力し、乗員Pの脚部の状態は、ECU201が判定するものであってもよい。
なお、車載カメラ40は、車両1の周辺状況や車両1の車室内を撮影し、車両1に衝撃が加わったとき等にその映像を利用するドライブレコーダ等のカメラと兼用するものであってもよい。
上体エアバッグ装置50は、ECU201(ACU)に制御され、乗員Pの頭部および胸部等を主に保護するものである。また、上体エアバッグ装置50は、図示しない上体インフレータと、上体エアバッグ袋体51と、を有している。
上体インフレータは、ECU201(衝突検知装置)による車両1の衝突検知または衝突予測に基づく作動信号により、火薬に点火し、燃焼による化学反応でガスを発生させるものである。また、上体インフレータに発生されたガスは、上体エアバッグ袋体51に圧入される。
ニーエアバッグ装置101は、ECU201(ACU)に制御され、乗員Pの脚部の保護、または、踏ん張りを補助するものである。また、ニーエアバッグ装置101は、第1ニーインフレータ121aと、第2ニーインフレータ121bと、第1ニーエアバッグ袋体131aと、第2ニーエアバッグ袋体131bと、展開切り替え装置191と、を有している。
第1ニーインフレータ121aは、展開切り替え装置191による作動信号により、火薬に点火し、燃焼による化学反応でガスを発生させるものである。また、第1ニーインフレータ121aに発生されたガスは、第1ニーエアバッグ袋体131aに圧入される。
第2ニーインフレータ121bは、第1ニーインフレータ121aと同様に、展開切り替え装置191による作動信号により、火薬に点火し、燃焼による化学反応でガスを発生させるものである。また、第2ニーインフレータ121bに発生されたガスは、第2ニーエアバッグ袋体131bに圧入される。
第1ニーエアバッグ袋体131aは、第1ニーインフレータ121aによってガスが圧入される袋体であって、非作動時は小さく折り畳まれている。また、第1ニーエアバッグ袋体131aは、第1ニーインフレータ121aからガスが圧入されると、ダッシュボード20から座席シート10方向に膨張展開するとともに、乗員Pの膝や大腿部の上方(膝部上部)に展開するものである。
第2ニーエアバッグ袋体131bは、第2ニーインフレータ121bによってガスが圧入される袋体であって、非作動時は小さく折り畳まれている。また、第2ニーエアバッグ袋体131bは、第2ニーインフレータ121bからガスが圧入されると、ダッシュボード20から下方に膨張展開するとともに、乗員Pの膝の前面(膝部前面)に展開するものである。
したがって、第1ニーエアバッグ袋体131aおよび第2ニーエアバッグ袋体131bは、乗員Pの膝部周辺で展開するニーエアバッグ袋体である。
展開切り替え装置191は、ECU201に制御され、第1ニーインフレータ121aまたは第2ニーインフレータ121bに作動信号を出力するものである。展開切り替え装置191により作動信号の出力先が切り替えられることにより、第1ニーエアバッグ袋体131aまたは第2ニーエアバッグ袋体131bの展開が切り替えられることとなる。なお、展開切り替え装置191を用いずに、ECU201が直接、第1ニーインフレータ121aまたは第2ニーインフレータ121bに作動信号を出力するようにしてもよい。
ECU201は、車両1全体を制御するためものである。また、ECU100は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUにより実行される制御プログラム、データテーブル、各コマンドやデータ等の記憶を行うROM(Read Only Memory)、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、書き換え可能な不揮発性のメモリからなるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)および入出力インターフェース回路を備え、車両1の制御を統括するようになっている。
また、ECU201は、車載カメラ40から車両1の外部の情報を入力し、外部状況を把握、判定するものである。具体的には、ECU201は、車載カメラ40から入力した画像データに基づいて、車両1に対する衝突予測および衝突判定を行う。なお、ECU201は、車載カメラ40から入力した情報にかかわらず、加速度センサ(Gセンサ)や、衝撃センサ(圧力センサ)等による情報から衝突予測および衝突判定を行うものであってもよい。
なお、以下の処理では、ECU201は、衝突予測ができずに、あるいは、衝突予測を行わずに、衝突検知を行った場合には、衝突予測を検知した場合と同様の処理を行う。そこで、以下では、衝突予測の場合についてのみ説明し、衝突検知の場合の説明は省略する。
なお、ここで、乗員Pの脚部の状態が通常状態とは、乗員Pが脚を踏ん張って身体を座席シート10に押し付ける方向に力をかけることに適した状態のこととする。例えば、乗員Pが脚を組んでいたりすると、脚を踏ん張ることに適さないので、非通常状態と判定する。以下では、乗員Pが脚を踏ん張れる通常状態を、「踏ん張り推奨状態」とし、脚組みなどで脚を踏ん張ることに適さない状態を、「踏ん張り不適状態」とする。また、膝を深く折って着座している(例えば、膝が90°以上曲がっている、すなわち、脛部が内側に折り曲げられている)などで足首が膝よりも後方にあるような着座姿勢の場合、一般的には通常状態といえるが、本実施の形態では、「踏ん張り不適状態」とする。
このような乗員保護装置31において、ECU201(衝突検知装置)が車両1の衝突予測を行うと、上体エアバッグ装置50およびニーエアバッグ装置101を作動させる。
具体的には、ECU201は、衝突予測を行うと、上体インフレータに作動信号を出力する。上体インフレータは、作動信号が入力されると、ガスを発生させ、上体エアバッグ袋体51にガスを供給する。これにより、上体エアバッグ袋体51が膨張し、乗員Pの前面に展開される。
なお、第1ニーエアバッグ袋体131aは、上部がダッシュボード20に押さえ込まれるとともに、上方に展開された上体エアバッグ袋体51によって下方に圧力がかかる。したがって、乗員Pの膝が上方から押され、乗員Pの脚が略直線状となり、乗員Pが踏ん張り易くなる。
次に、ニーエアバッグを共用し、1つのニーエアバッグで乗員を保護する乗員保護装置について、説明する。
図5は、ニーエアバッグを共用する乗員保護装置を備えた車両の一部の概略を示す断面図である。また、図6、図7は、エアバッグ袋体が展開した際の側面図である。なお、図6は、乗員の膝部上方にニーエアバッグが展開した際の側面図であり、図7は、乗員の膝部前方にニーエアバッグが展開した際の側面図である。
図5に示すように、乗員保護装置32は、車載カメラ40と、上体エアバッグ装置50と、ニーエアバッグ装置102と、ECU202と、を備えている。
車載カメラ40、および、上体エアバッグ装置50は、上記実施の形態の車載カメラ40、および、上体エアバッグ装置50と同様のものであるので、説明を省略する。
ニーエアバッグ装置102は、ECU202に制御され、乗員Pの脚部の保護、または、踏ん張りを補助するものである。また、ニーエアバッグ装置102は、ニーインフレータ122と、ニーエアバッグ袋体132と、図示しない展開方向切り替え装置と、を有している。
ニーインフレータ122は、ECU202による作動信号により、火薬に点火し、燃焼による化学反応でガスを発生させるものである。また、ニーインフレータ122に発生されたガスは、ニーエアバッグ袋体132に圧入される。
ニーエアバッグ袋体132は、ニーインフレータ122によってガスが圧入される袋体であって、非作動時は小さく折り畳まれている。また、ニーエアバッグ袋体132は、ニーインフレータ122からガスが圧入されると、ダッシュボード20から座席シート10方向、または、ダッシュボード20から下方に膨張展開するものである。
なお、ニーエアバッグ袋体132は、初期位置として、座席シート10方向に膨張展開する位置に設けられている。また、初期位置として、ニーエアバッグ袋体132を、下方に膨張展開する位置に設けてもよい。この場合、展開方向切り替え装置が動作しなかった場合に、乗員Pに脚を踏ん張らせることなく、膝および下肢部を保護することができる。
展開方向切り替え装置は、ECU202に制御され、ニーエアバッグ袋体132の展開方向を、座席シート10方向、または、下方に切り替えるものである。具体的には、展開方向切り替え装置は、ニーインフレータ122およびニーエアバッグ袋体132の配置位置を切り替えて、ニーインフレータ122から出力されるガスの出力方向を切り替えるものである。
なお、本実施の形態では、展開方向切り替え装置は、ニーインフレータ122およびニーエアバッグ袋体132の配置位置を切り替えるものとしたが、これに限らず、例えば、ニーインフレータ122のガス吹き出し口を複数設け、実際にガスが噴き出される吹き出し口を切り替えるようにしてもよい。
ECU202は、車載カメラ40から乗員Pの脚部の状態情報を入力する。また、ECU202は、衝突予測を検知すると、上体エアバッグ装置50およびニーエアバッグ装置102に対して、作動信号を出力するものである。
したがって、ECU202は、ニーエアバッグ装置102に対して、ニーインフレータ122に作動信号を出力するとともに、展開方向切り替え装置に切り替え信号を出力する。
以下、乗員保護装置32の動作について、説明する。
まず、乗員Pの脚部の状態が「踏ん張り推奨状態」である場合について、説明する。図6は、「踏ん張り推奨状態」において、エアバッグ袋体が展開した際の側面図である。
具体的には、ECU202は、衝突予測を行うと、上体インフレータに作動信号を出力する。上記実施の形態と同様に、上体インフレータは、作動信号が入力されると、ガスを発生させ、上体エアバッグ袋体51にガスを供給するので、上体エアバッグ袋体51が膨張し、乗員Pの前面に展開される。
ニーインフレータ122は、作動信号が入力されると、ガスを発生させ、ニーエアバッグ袋体132にガスを供給する。
このとき、ニーエアバッグ袋体132は、上部が内装部品であるダッシュボード20に押さえ込まれる(ダッシュボード20に沿って展開される)とともに、上方に展開された上体エアバッグ袋体51によって下方に圧力がかかる。したがって、乗員Pの膝が上方から押され、乗員Pの脚が略直線状となり、乗員Pが踏ん張り易くなる。
ニーインフレータ122は、作動信号が入力されると、ガスを発生させ、ニーエアバッグ袋体132にガスを供給する。
次に、展開方向切り替え装置を用いずに、テザーにより展開方向の切り替えを行う乗員保護装置について、説明する。
図8は、テザーにより展開方向切り替えを行う乗員保護装置を備えた車両の一部の概略を示す断面図である。また、図9は、エアバッグ袋体が展開した際の側面図である。なお、図9(a)は、乗員の膝部前方にニーエアバッグが展開した際の側面図であり、図9(b)は、乗員の膝部上方にニーエアバッグが展開した際の側面図である。
図8に示すように、乗員保護装置33は、車載カメラ40と、上体エアバッグ装置50と、ニーエアバッグ装置103と、ECU203と、を備えている。
車載カメラ40、および、上体エアバッグ装置50は、上記実施の形態の車載カメラ40、および、上体エアバッグ装置50と同様のものであるので、説明を省略する。
ニーエアバッグ装置103は、ECU203に制御され、乗員Pの脚部の保護、または、踏ん張りを補助するものである。また、ニーエアバッグ装置103は、ニーインフレータ123と、ニーエアバッグ袋体133と、を有している。
ニーインフレータ123は、ECU203による作動信号により、火薬に点火し、燃焼による化学反応でガスを発生させるものである。また、ニーインフレータ123に発生されたガスは、ニーエアバッグ袋体133に圧入される。
また、ニーインフレータ123は、ECU203による切断信号により、ニーエアバッグ袋体133に設けられた後述するテザー133aを切断するものである。
ニーエアバッグ袋体133は、ニーインフレータ123によってガスが圧入される袋体であって、非作動時は小さく折り畳まれている。また、ニーエアバッグ袋体133は、上部にテザー133aが設けられており、上方への膨張が規制されるようになっている。
なお、ニーエアバッグ袋体133は、ダッシュボード20からの飛び出し角度が、テザー133aによる規制時には下方に、規制が解除された際には略水平方向に展開されるように、配置されている。
ECU203は、車載カメラ40から乗員Pの脚部の状態情報を入力する。また、ECU203は、衝突予測を検知すると、上体エアバッグ装置50およびニーエアバッグ装置103に対して、作動信号を出力するものである。
なお、本実施の形態では、ECU203は、乗員Pの脚部の状態に応じてテザー133aの切断信号を出力するか否かを判断するようにしたが、これに限らず、テザー133aを切断するかしないかの信号を出力、すなわち、「踏ん張り不適状態」であるときに、テザー133aを切断しないことを指示する信号を出力するようにしてもよい。
以下、乗員保護装置33の動作について、説明する。
まず、乗員Pの脚部の状態が「踏ん張り不適状態」である場合について、説明する。図9(a)は、「踏ん張り不適状態」において、エアバッグ袋体が展開した際の側面図である。
具体的には、ECU203は、衝突予測を行うと、上体インフレータに作動信号を出力する。上記実施の形態と同様に、上体インフレータは、作動信号が入力されると、ガスを発生させ、上体エアバッグ袋体51にガスを供給するので、上体エアバッグ袋体51が膨張し、乗員Pの前面に展開される。
ニーインフレータ123は、作動信号が入力されると、ガスを発生させ、ニーエアバッグ袋体133にガスを供給する。
したがって、乗員Pが踏ん張りし難い姿勢である場合には、無理に踏ん張らせることなく、乗員Pの膝および下肢部を保護することができる。
ニーインフレータ123は、作動信号と切断信号が入力されると、ガスを発生させ、ニーエアバッグ袋体133にガスを供給するとともに、ニーエアバッグ袋体133のテザー133aを切断する。
このとき、ニーエアバッグ袋体133は、上部がダッシュボード20に押さえ込まれるとともに、上方に展開された上体エアバッグ袋体51によって下方に圧力がかかる。したがって、乗員Pの膝が上方から押され、乗員Pの脚が略直線状とされ易く、乗員Pによる脚の踏ん張りを補佐することができる。
次に、ニーエアバッグ袋体の下部にテザーを設けることにより、展開方向の切り替えを行う乗員保護装置について、説明する。
図10は、ニーエアバッグ袋体の下部にテザーを設けた乗員保護装置を備えた車両の一部の概略を示す断面図である。なお、図10(a)は、乗員の膝部上方にニーエアバッグが展開した際の側面図であり、図10(b)は、乗員の膝部前方にニーエアバッグが展開した際の側面図である。
図10に示すように、乗員保護装置34は、車載カメラ40(図10では不図示)と、上体エアバッグ装置50と、ニーエアバッグ装置104と、ECU204と、を備えている。
車載カメラ40、および、上体エアバッグ装置50は、上記実施の形態の車載カメラ40、および、上体エアバッグ装置50と同様のものであるので、説明を省略する。
ニーエアバッグ装置104は、ECU204に制御され、乗員Pの脚部の保護、または、踏ん張りを補助するものである。また、ニーエアバッグ装置104は、ニーインフレータ124と、ニーエアバッグ袋体134と、を有している。
ニーインフレータ124は、ECU204による作動信号により、火薬に点火し、燃焼による化学反応でガスを発生させるものである。また、ニーインフレータ124に発生されたガスは、ニーエアバッグ袋体134に圧入される。
また、ニーインフレータ124は、ECU204による切断信号により、ニーエアバッグ袋体134に設けられた後述するテザー134aを切断するものである。
ニーエアバッグ袋体134は、ニーインフレータ124によってガスが圧入される袋体であって、非作動時は小さく折り畳まれている。また、ニーエアバッグ袋体134は、下部にテザー134aが設けられており、下方への膨張が規制されるようになっている。
なお、ニーエアバッグ袋体134は、ダッシュボード20からの飛び出し角度が、テザー134aによる規制時には略水平方向に、規制が解除された際には下方に展開されるように、配置されている。
ECU204は、車載カメラ40から乗員Pの脚部の状態情報を入力する。また、ECU204は、衝突予測を検知すると、上体エアバッグ装置50およびニーエアバッグ装置104に対して、作動信号を出力するものである。
なお、本実施の形態では、ECU204は、乗員Pの脚部の状態に応じてテザー134aの切断信号を出力するか否かを判断するようにしたが、これに限らず、テザー134aを切断するかしないかの信号を出力、すなわち、「踏ん張り推奨状態」であるときに、テザー134aを切断しないことを指示する信号を出力するようにしてもよい。
以下、乗員保護装置34の動作について、説明する。
まず、乗員Pの脚部の状態が「踏ん張り推奨状態」である場合について、説明する。図10(a)は、「踏ん張り推奨状態」において、エアバッグ袋体が展開した際の側面図である。
具体的には、ECU204は、衝突予測を行うと、上体インフレータに作動信号を出力する。上記実施の形態と同様に、上体インフレータは、作動信号が入力されると、ガスを発生させ、上体エアバッグ袋体51にガスを供給するので、上体エアバッグ袋体51が膨張し、乗員Pの前面に展開される。
ニーインフレータ124は、作動信号が入力されると、ガスを発生させ、ニーエアバッグ袋体134にガスを供給する。
このとき、ニーエアバッグ袋体134は、上部がダッシュボード20に押さえ込まれるとともに、上方に展開された上体エアバッグ袋体51によって下方に圧力がかかる。したがって、乗員Pの膝が上方から押され、乗員Pの脚が略直線状とされ易く、乗員Pによる脚の踏ん張りを補佐することができる。
ニーインフレータ124は、作動信号と切断信号が入力されると、ガスを発生させ、ニーエアバッグ袋体134にガスを供給するとともに、ニーエアバッグ袋体134のテザー134aを切断する。
したがって、乗員Pが踏ん張りし難い姿勢である場合には、無理に踏ん張らせることなく、乗員Pの膝および下肢部を保護することができる。
次に、ニーエアバッグ袋体の形状を変化させる乗員保護装置について、説明する。
図11は、ニーエアバッグ袋体の仮想展開時の斜視図である。また、図12は、ニーエアバッグ袋体を展開した際の概略図である。
また、本実施の形態のニーエアバッグ袋体は、上記実施の形態の乗員保護装置31~34のいずれにも適用することができる。
ニーエアバッグ袋体135は、図示しないニーインフレータによってガスが圧入される袋体であって、非作動時は小さく折り畳まれている。
また、図11に示すように、ニーエアバッグ袋体135は、第1気室135aと、第2気室135bと、第3気室135cと、第4気室135dと、第5気室135eと、に分かれている。そして、図示しないECUの制御により、第1気室135aから第5気室135eのそれぞれに対して、独立してニーインフレータのガスが供給できるようになっている。なお、第1気室135aから第5気室135eは、それぞれが独立したエアバッグ袋体であってもよい。
第2気室135bは、上記3つに分割した他方の側面で広範囲に広がる気室であって、乗員Pの脚部左側、左側面に展開する気室である。
これにより、乗員Pの膝および大腿部を上方から押圧することができるとともに、膝または下肢部をすっぽりと覆うことができる。
したがって、乗員Pの脚部の状態に応じて、ニーエアバッグ袋体135の展開形状を変化させるので、「踏ん張り推奨状態」および「踏ん張り不適状態」の双方の場合で、乗員Pの保護機能を向上させることができる。
なお、上記構成では、乗員Pの脚部の状態に応じて、第4気室135dまたは第5気室135eを完全に展開させないようにしているが、これに限らず、各気室に流入されるガスの流量を少なくするようにしてもよい。
次に、テザーによりニーエアバッグ袋体の形状を変化させる乗員保護装置について、説明する。
本実施の形態におけるニーエアバッグ袋体は、上記実施の形態のニーエアバッグ袋体135における第4気室135dと、第5気室135eと、に当たる位置が、テザーにより規制されるようになっている。
具体的には、上記実施の形態のニーエアバッグ袋体135における第4気室135dに当たる位置の展開を規制する第1テザーと、第5気室135eに当たる位置の展開を規制する第2テザーと、が設けられている。
したがって、「踏ん張り推奨状態」および「踏ん張り不適状態」の双方の場合で、乗員Pの保護機能を向上させることができる。
Claims (12)
- 車両の衝突または衝突予測を検知する衝突検知装置と、
座席シートに着座した乗員の膝部周辺で展開するニーエアバッグ袋体と、
前記ニーエアバッグ袋体にガスを圧入し、展開させるインフレータと、
乗員の脚部の状態を検知する脚部検知装置と、
前記衝突検知装置が衝突または衝突予測を検知した際に、前記脚部検知装置に検知された乗員の脚部の状態にしたがって、前記ニーエアバッグ袋体を、乗員の膝部前方または膝部上方に展開させる展開制御装置と、
を備えたことを特徴とする車両の乗員保護装置。 - 前記ニーエアバッグ袋体は、
乗員の膝部上部で展開する第1ニーエアバッグ袋体と、
乗員の膝部前面で展開する第2ニーエアバッグ袋体と、
を有し、
前記展開制御装置は、
前記脚部検知装置により乗員の脚部の状態が通常状態であると検知された場合には、前記第1ニーエアバッグ袋体を展開させ、乗員の脚部の状態が非通常状態であると検知された場合には、前記第2ニーエアバッグ袋体を展開させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の乗員保護装置。 - 乗員の上体の前面に展開する上体エアバッグ袋体と、
を備え、
前記第1ニーエアバッグ袋体は、
前記上体エアバッグ袋体によって、上方から下方に押圧される、
ことを特徴とする請求項2に記載の車両の乗員保護装置。 - 前記第1ニーエアバッグ袋体は、
上方から下方に向かって展開する、
ことを特徴とする請求項2に記載の車両の乗員保護装置。 - 前記展開制御装置は、
前記脚部検知装置により乗員の脛部が内側に折り曲げられていると検知された場合には、前記第2ニーエアバッグ袋体を展開させる、
ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の車両の乗員保護装置。 - 前記展開制御装置は、
前記脚部検知装置に検知された乗員の脚部の状態にしたがって、前記ニーエアバッグ袋体の展開方向を切り替えて展開させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の乗員保護装置。 - 前記ニーエアバッグ袋体は、
上部の一部がテザーにより規制され、乗員の膝部前方に展開され、前記テザーが切断されると、上方の内装に沿うとともに乗員の膝部上方に展開されるものであり、
前記展開制御装置は、
前記脚部検知装置により乗員の脚部の状態に基づいて、前記テザーを切断する、
ことを特徴とする請求項6に記載の車両の乗員保護装置。 - 前記ニーエアバッグ袋体は、
下部の一部がテザーにより規制され、乗員の膝部上方に展開され、前記テザーが切断されると、下部に膨張し、乗員の膝部前方に展開されるものであり、
前記展開制御装置は、
前記脚部検知装置により乗員の脚部の状態に基づいて、前記テザーを切断する、
ことを特徴とする請求項6に記載の車両の乗員保護装置。 - 前記展開制御装置は、
前記脚部検知装置により乗員の脛部が内側に折り曲げられていると検知された場合には、前記ニーエアバッグ袋体を、乗員の膝部前方に展開させる、
ことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の車両の乗員保護装置。 - 前記ニーエアバッグ袋体は、
第1の形状または第2の形状で展開し、
前記展開制御装置は、
前記脚部検知装置に検知された乗員の脚部の状態にしたがって、前記ニーエアバッグ袋体の展開形状を切り替える、
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の車両の乗員保護装置。 - 前記ニーエアバッグ袋体は、
乗員膝部上面部と、乗員下肢前面部と、が異なる気室からなり、
前記展開制御装置は、
前記脚部検知装置に検知された乗員の脚部の状態にしたがって、前記乗員膝部上面部の気室と、乗員下肢前面部の気室と、のガスの流量を切り替える、
ことを特徴とする請求項10に記載の車両の乗員保護装置。 - 前記ニーエアバッグ袋体は、
乗員膝部上面部への展開を規制する第1テザーと、乗員下肢前面部への展開を規制する第2テザーと、を有し、
前記展開制御装置は、
前記脚部検知装置に検知された乗員の脚部の状態にしたがって、前記第1テザーまたは前記第2テザーの規制を解除する、
ことを特徴とする請求項10に記載の車両の乗員保護装置。
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