JP7131653B1 - 自動車の衝突解析における車体変形量測定方法及び車体変形量測定プログラム - Google Patents

自動車の衝突解析における車体変形量測定方法及び車体変形量測定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】衝突による衝突解析モデルの平行移動や回転移動を除去して車体変形量を測定する自動車の衝突解析における車体変形量測定方法及び車体変形量測定プログラムを提供する。【解決手段】本発明に係る自動車の衝突解析における車体変形量測定方法は、自動車の衝突解析モデル1を取得し(S1)、衝突解析モデル1の衝突解析を行い(S3)、車体変形量の測定点と、車体の変形がない、又はわずかな部位に車体変形量を測定するための3つの基準点と、を設定し(S5)、衝突開始時の測定点及び3つの基準点の座標を取得し(S7)、衝突後の測定点の座標と3つの基準点の座標を取得し(S9)、衝突開始時の3つの基準点と測定点との間の衝突開始時距離を算出し(S11)、衝突開始時距離を用いて、衝突後の衝突解析モデル1における車体変形前の測定点の座標を取得し(S13)、車体変形前と衝突後の測定点の座標とを用いて車体変形量を測定する(S15)。【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車の衝突解析における車体変形量測定方法及び車体変形量測定プログラムに関する。
近年、特に自動車産業においては環境問題に起因した車体の軽量化が進められており、車体の設計にCAE解析は欠かせない技術となっている。このCAE解析では剛性解析、衝突解析、振動解析等が実施され車体性能の向上に大きく寄与している。
CAE解析により衝突性能の向上を図るために、例えば非特許文献1には、ピックアップトラックの前面衝突時におけるラダーフレームの塑性変形特性を衝突シミュレーションにより求める技術が開示されている。
有田他3名、"フレーム車のODB前突解析の精度向上"、自動車技術開論文集、Vol.46、No.6、November 2015.
しかしながら、非特許文献1に開示されている技術は、自動車の車体部品であるラダーフレームのみを解析対象とした衝突解析であり、自動車全体を対象としたものではないため、自動車の衝突時における車体変形を完全に再現することは難しい。
また、図10に示すように自動車全体を解析対象とした衝突解析モデル1を用いて衝突体11との側面衝突解析を行ったとしても、車体3の変形に加えて衝突解析モデル1全体が平行移動と回転移動をするため、図10(c)に示すように、衝突による車体3の車体変形量に加えて衝突解析モデル1全体の平行移動や回転移動に伴う変位が生じる場合がある。そのため、自動車全体をモデル化した衝突解析モデル1の衝突解析による車体変形量を評価するには、衝突解析モデル1の平行移動や回転移動による移動量を除去する技術が望まれていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、自動車の衝突解析モデルを用いた衝突解析において、衝突解析モデルの衝突による平行移動や回転移動による移動量を除去した車体変形量を測定することができる自動車の衝突解析における車体変形量測定方法及び車体変形量測定プログラムを提供することを目的とする。
発明者は、上記のような課題に対し鋭意検討した結果、「衝突によって変形しない又は変形が極めて少ない部位が存在する」ことに着目した。そして、当該部位を利用して、衝突による自動車の平行移動量や回転移動量を除去して車体変形量を測定することを想起するに至った。
本発明は、上記検討に基づいてなされたものであり、具体的には、以下の構成からなるものである。
(1)本発明に係る自動車の衝突解析における車体変形量測定方法は、自動車の衝突解析において衝突により変形した前記自動車の車体変形量を測定するために、コンピュータが以下の各ステップを行うものであって、
前記自動車の衝突解析モデルを取得する衝突解析モデル取得ステップと、
前記衝突解析モデルの衝突解析を行う衝突解析ステップと、
前記衝突解析モデルにおける車体変形量を測定する測定点と、前記衝突解析モデルにおける車体の変形がない、又はわずかな部位に3つの基準点と、を設定する車体変形量測定点及び基準点設定ステップと、
衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標を取得する衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
前記衝突解析の結果に基づいて、衝突開始から所定時間経過した衝突後の前記衝突解析モデルについて、衝突後の前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標を取得する衝突後測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標と前記3つの基準点の座標とを用いて、前記3つの基準点のそれぞれについて前記測定点との間の衝突開始時距離を算出する衝突開始時基準点-測定点間距離算出ステップと、
衝突後の前記衝突解析モデルにおける前記3つの基準点それぞれからの前記衝突開始時距離と同じ距離関係を満たす位置の座標を、衝突後の前記衝突解析モデルにおける車体変形前の前記測定点の座標として取得する車体変形前測定点座標取得ステップと、
衝突後の前記衝突解析モデルについて取得した前記車体変形前の前記測定点の座標と前記衝突後の前記測定点の座標とを用いて、前記測定点における前記車体変形量を測定する車体変形量測定ステップと、を含むことを特徴とするものである。
(2)本発明に係る自動車の衝突解析における車体変形量測定方法は、自動車の衝突解析において衝突により変形した前記自動車の車体変形量を測定するために、コンピュータが以下の各ステップを行うものであって、
前記自動車の衝突解析モデルを取得する衝突解析モデル取得ステップと、
前記衝突解析モデルの衝突解析を行う衝突解析ステップと、
前記衝突解析モデルにおける車体変形量を測定する測定点と、前記衝突解析モデルにおける車体の変形がない、又はわずかな部位に3つの基準点と、を設定する車体変形量測定点及び基準点設定ステップと、
衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標を取得する衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
前記衝突解析の結果に基づいて、衝突開始から所定時間経過した衝突後の前記衝突解析モデルについて、衝突後の前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標をそれぞれ取得する衝突後測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
衝突後の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標と前記3つの基準点の座標とを用いて、前記3つの基準点のそれぞれについて前記測定点との間の衝突後距離を算出する衝突後基準点-測定点間距離算出ステップと、
衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記3つの基準点それぞれからの前記衝突後距離と同じ距離関係を満たす位置の座標を、衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記衝突による車体変形後の前記測定点の座標として取得する車体変形後測定点座標取得ステップと、
衝突開始時の前記衝突解析モデルについて取得した前記車体変形後の前記測定点の座標と衝突開始時の前記測定点の座標とを用いて、前記測定点における前記車体変形量を測定する車体変形量測定ステップと、を含むことを特徴とするものである。
(3)本発明に係る自動車の衝突解析における車体変形量測定プログラムは、自動車の衝突解析において衝突により変形した前記自動車の車体変形量を測定するものであって、
コンピュータに、
前記自動車の衝突解析モデルを取得する衝突解析モデル取得ステップと、
前記衝突解析モデルの衝突解析を行う衝突解析ステップと、
前記衝突解析モデルにおける車体変形量を測定する測定点と、前記衝突解析モデルにおける車体の変形がない、又はわずかな部位に3つの基準点と、を設定する車体変形量測定点及び基準点設定ステップと、
衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標を取得する衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
前記衝突解析の結果に基づいて、衝突開始から所定時間経過した衝突後の前記衝突解析モデルについて、衝突後の前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標を取得する衝突後測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標と前記3つの基準点の座標とを用いて、前記3つの基準点のそれぞれについて前記測定点との間の衝突開始時距離を算出する衝突開始時基準点-測定点間距離算出ステップと、
衝突後の前記衝突解析モデルにおける前記3つの基準点それぞれからの前記衝突開始時距離と同じ距離関係を満たす位置の座標を、衝突後の前記衝突解析モデルにおける車体変形前の前記測定点の座標として取得する車体変形前測定点座標取得ステップと、
衝突後の前記衝突解析モデルについて取得した前記車体変形前の前記測定点の座標と前記衝突後の前記測定点の座標とを用いて、前記測定点における前記車体変形量を測定する車体変形量測定ステップと、を実行させる機能を有することを特徴とするものである。
(4)本発明に係る自動車の衝突解析における車体変形量測定プログラムは、自動車の衝突解析において衝突により変形した前記自動車の車体変形量を測定するものであって、
コンピュータに、
前記自動車の衝突解析モデルを取得する衝突解析モデル取得ステップと、
前記衝突解析モデルの衝突解析を行う衝突解析ステップと、
前記衝突解析モデルにおける車体変形量を測定する測定点と、前記衝突解析モデルにおける車体の変形がない、又はわずかな部位に3つの基準点と、を設定する車体変形量測定点及び基準点設定ステップと、
衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標を取得する衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
前記衝突解析の結果に基づいて、衝突開始から所定時間経過した衝突後の前記衝突解析モデルについて、衝突後の前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標をそれぞれ取得する衝突後測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
衝突後の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標と前記3つの基準点の座標とを用いて、前記3つの基準点のそれぞれについて前記測定点との間の衝突後距離を算出する衝突後基準点-測定点間距離算出ステップと、
衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記3つの基準点それぞれからの前記衝突後距離と同じ距離関係を満たす位置の座標を、衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記衝突による車体変形後の前記測定点の座標として取得する車体変形後測定点座標取得ステップと、
衝突開始時の前記衝突解析モデルについて取得した前記車体変形後の前記測定点の座標と衝突開始時の前記測定点の座標とを用いて、前記測定点における前記車体変形量を測定する車体変形量測定ステップと、を実行させる機能を有することを特徴とするものである。
本発明においては、自動車の衝突解析モデルを用いた衝突解析において車体の変形がない、又はわずかな部位に3つの基準点を設け、当該3つの基準点と車体変形量を測定する測定点との距離関係を用いて、衝突後の衝突解析モデルにおける車体変形前の測定点の座標、又は、衝突開始時の衝突解析モデルにおける車体変形後の測定点の座標、を算出することで、衝突による車体全体の平行移動量と回転移動量とを除去し、前記測定点における車体変形量を測定することができる。これにより、衝突による車体変形量を精度よく求めることができるため、衝突による車体変形現象を理解することができ、自動車の衝突性能の向上や軽量化が可能になる。
本発明の実施の形態1に係る自動車の衝突解析における車体変形量測定方法における流れを示すフロー図である。 本発明の実施の形態1及び実施の形態2と実施例で対象とした衝突解析モデルの衝突解析を説明する図である。 本実施の形態1及び2と実施例において、衝突解析モデルのフロアパネルに設定した測定点を示す図である。 本実施の形態1及び実施の形態2と実施例において、衝突解析モデルに設定した基準点を説明する図である。 本実施の形態1において、車体変形量を求める手順を説明する図である。 本実施の形態1において、衝突後の衝突解析モデルにおける衝突開始時の測定点と3つの基準点との衝突開始時距離と同じ距離関係を満たす位置を求める一例を説明する図である((a)3つの基準点を中心とする3つの球面、(b)3つの球面の交点)。 本実施の形態2に係る自動車の衝突解析における車体変形量測定方法における処理の流れを示す図である。 本実施の形態2において、車体変形量を求める手順を説明する図である。 本実施の形態2において、衝突開始時の衝突解析モデルにおける衝突後の測定点と3つの基準点との衝突後距離と同じ距離関係を満たす位置を求める一例を説明する図である((a)3つの基準点を中心とする3つの球面、(b)3つの球面の交点)。 衝突解析モデルを用いた衝突解析における課題点を説明する図である。
本発明の実施の形態1及び実施の形態2に係る自動車の衝突解析における車体変形量測定方法及び車体変形量測定プログラムを説明するに先立ち、本実施の形態1及び実施の形態2での衝突解析において解析対象とする衝突解析モデルについて説明する。
<衝突解析モデル>
本実施の形態1及び実施の形態2で対象とする衝突解析モデル1は、図2に一例として示すように、要素(シェル要素及び/又はソリッド要素)と節点でモデル化された車体3を含んでなるものである。そして、車体3は、要素と節点でモデル化されたフロアパネル5(図3)等といった複数の車体部品等から構成されたものである。
[実施の形態1]
次に、本発明の実施の形態1に係る自動車の衝突解析における車体変形量測定方法及び車体変形量測定プログラムについて、以下に説明する。
<車体変形量測定方法>
本実施の形態1に係る自動車の衝突解析における車体変形量測定方法(以下、「車体変形量測定方法」という)は、自動車の衝突解析において衝突により変形した前記自動車の車体変形量を測定するものであって、図1に示すように、衝突解析モデル取得ステップS1と、衝突解析ステップS3と、車体変形量測定点及び基準点設定ステップS5と、衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップS7と、衝突後測定点座標及び基準点座標取得ステップS9と、衝突開始時基準点-測定点間距離算出ステップS11と、車体変形前測定点座標取得ステップS13と、車体変形量測定ステップS15と、を含むものであり、コンピュータがこれらの各ステップを行うものである。
以下、上記の各ステップについて説明する。
≪衝突解析モデル取得ステップ≫
衝突解析モデル取得ステップS1は、自動車の衝突解析モデルを取得するステップである。
本実施の形態1では、前述したように、図2(a)に一例として示す衝突解析モデル1を取得する。
≪衝突解析ステップ≫
衝突解析ステップS3は、衝突解析モデル取得ステップS1において取得した衝突解析モデルの衝突解析を行うものである。
本実施の形態1において、衝突解析ステップS3は、図2に一例を示すように、衝突解析モデル1の左側面に衝突体11が車体幅方向に側面衝突する衝突解析を行う。そのため、当該衝突解析においては、衝突体11が衝突する位置、方向及び衝突速度等の衝突解析条件を適宜設定する。
≪車体変形量測定点及び基準点設定ステップ≫
車体変形量測定点及び基準点設定ステップS5は、衝突解析モデルにおける車体変形量を測定する測定点と、車体の変形が少ない部位に3つの基準点と、を設定するものである。
本実施の形態1において、車体変形量測定点及び基準点設定ステップS5は、図3に示すように、衝突解析モデル1の車体3の一部を構成するフロアパネル5に測定点P1~P8を設定する。
さらに、車体変形量測定点及び基準点設定ステップS5は、図4(c)に示すように、衝突解析モデル1の右側面部3aに3つの基準点Q1~Q3を設定する。
衝突解析モデルにおいて3つの基準点を設定する車体の変形がない、又はわずかな部位は、例えば、衝突解析ステップS3における衝突解析の結果に基づいて、衝突解析モデルにおいてひずみがない、又はわずかな部位とするとよい。
本実施の形態1では、前述した図2に示すように、衝突解析モデル1の左側面に衝突体11を側面衝突させる衝突解析を対象としているため、図4(a)及び(b)に示すように、衝突解析モデル1の車体変形のひずみが十分に小さい右側面部3aに3つの基準点Q1~Q3を設定する。
なお、基準点を設定する際のひずみの値の目安としては、ひずみ1%以下とするとよい。
また、衝突解析ステップS3における衝突解析では衝突解析モデルの節点の座標を算出するため、車体変形量測定点及び基準点設定ステップS5は、衝突解析モデルにおける節点の位置に測定点及び3つの基準点を設定するとよい。
さらに、車体変形量測定点及び基準点設定ステップS5は、衝突解析ステップS3の前に実行してもよい。
≪衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップ≫
衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップS7は、衝突開始時の衝突解析モデルにおける測定点の座標及び3つの基準点の座標を取得するものである。
本実施の形態1では、衝突解析モデル1のフロアパネル5に設定された各測定点P1~P8(図3)の衝突開始時における座標と、衝突解析モデル1の右側面部3aに設定された各基準点Q1~Q3(図4(c))の衝突開始時における座標と、を取得する。
なお、車体変形量測定点及び基準点設定ステップS5において測定点及び3つの基準点として衝突解析モデルの節点を設定した場合、当該設定した各節点の座標を取得すればよい。
また、衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップS7は、衝突解析ステップS3の前に実行してもよい。
≪衝突後測定点座標及び基準点座標取得ステップ≫
衝突後測定点座標及び基準点座標取得ステップS9は、衝突解析ステップS3における衝突解析の結果に基づいて、衝突開始から所定時間経過した衝突後の衝突解析モデルについて、衝突後の測定点の座標及び3つの基準点の座標を取得するものである。
本実施の形態1では、衝突体11と衝突後の衝突解析モデル1における各測定点P1~P8の座標及び各基準点Q1~Q3の座標を取得する。
≪衝突開始時基準点-測定点間距離算出ステップ≫
衝突開始時基準点-測定点間距離算出ステップS11は、衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップS7において取得した衝突開始時の測定点の座標及び3つの基準点の座標を用いて、3つの基準点のそれぞれについて測定点との間の衝突開始時距離を算出するものである。
本実施の形態1では、図5(a)に示すように、衝突開始時の衝突解析モデル1における測定点Pの座標と3つの基準点Q1、Q2及びQ3との座標を用いて、各基準点Q1、Q2及びQ3と測定点Pとの間の衝突開始時距離L1、L2及びL3を算出する。
また、本実施の形態1では前述したように、フロアパネル5に8つの測定点P1~P8が設定されているため、各測定点P1~P8それぞれについて基準点Q1~Q3との間の衝突開始時距離L1、L2及びL3を算出する。
≪車体変形前測定点座標取得ステップ≫
車体変形前測定点座標取得ステップS13は、衝突後の衝突解析モデルにおける3つの基準点それぞれからの衝突開始時距離と同じ距離関係を満たす位置の座標を、衝突後の衝突解析モデルにおける車体変形前の測定点の座標として取得するものである。
本実施の形態1では、図5に示すように、衝突開始時の測定点Pと基準点Q1、Q2及びQ3との間の衝突開始時距離L1、L2及びL3に基づいて、衝突後の衝突解析モデル1における車体変形前の測定点Rの座標を取得するものとする。
さらに、車体変形前の測定点Rの座標は、一例として図6に示すように、以下の手順により取得するとよい。
まず、図6(a)に示すように、衝突後の位置にある基準点Q1を中心とし衝突開始時距離L1を半径とする球面S1と、衝突後の位置にある基準点Q2を中心とし衝突開始時距離L2を半径とする球面S2、との交線T12を求める。
続いて、図6(a)に示すように、衝突後の位置にある基準点Q3を中心とし衝突開始時距離L3を半径とする球面S3と交線T12との交点Cの座標を車体変形前の測定点Rの座標として求める。
このように求めた車体変形前の測定点Rの座標は、衝突によって車体が変形せずに平行移動や回転移動した衝突解析モデル1における測定点Pの座標に相当する。
なお、図6(b)に示すように、球面S3と交線T12とには2つの交点C1及びC2が存在する場合がある。この場合、2つの交点C1及び交点C2のうち、明らかに衝突解析モデル1上に存在しない一方の交点(例えば、交点C2)を除外し、他方の交点(例えば交点C1)の座標を車体変形前の測定点Rの座標として取得する。
また、本実施の形態1では、図3に示すように測定点P1~P8を設定しているため、車体変形前測定点座標取得ステップS13は、測定点P1~P8のそれぞれについて、車体変形前の測定点R1~R8の座標を取得する。
≪車体変形量測定ステップ≫
車体変形量測定ステップS15は、衝突後の衝突解析モデルについて取得した車体変形前の測定点の座標と車体変形後の測定点の座標とを用いて、測定点における車体変形量を測定するものである。
本実施の形態1では、図5(b)に示すように、測定点P(P1~P8)について、車体変形前測定点座標取得ステップS13において取得した衝突後の衝突解析モデル1における車体変形前の測定点R(R1~R8)の座標と、衝突後測定点座標及び基準点座標取得ステップS9において取得した衝突後の衝突解析モデル1(図2(b))における車体変形後の測定点P(P1~P8)の座標と、を用いて、各測定点P1~P8における車体変形量を測定する。
以上、本実施の形態1に係る車体変形量測定方法によれば、自動車の衝突解析モデルを用いた衝突解析において、車体変形が少ない部位に3つの基準点を設け、衝突開始時における当該3つの基準点と車体変形量を測定する測定点との距離関係を用いて、衝突後の衝突解析モデルにおける車体変形前の測定点の座標を求めることで、衝突による衝突解析モデル全体の平行移動量と回転移動量とを除去し、測定点における車体変形量を測定することができる。これにより、衝突による車体変形量を精度よく求めることができるため、衝突による車体変形現象を理解することができ、車体の衝突性能の向上や軽量化が可能になる。
<車体変形量測定プログラム>
なお、本実施の形態1の車体変形量測定方法は、自動車の衝突解析において衝突により変形した前記自動車の車体変形量を測定する自動車の衝突解析における車体変形量測定プログラム(以下、「車体変形量測定プログラム」)として構成することができる。
本実施の形態1に係る車体変形量測定プログラムは、自動車の衝突解析において衝突により変形した前記自動車の車体変形量を測定するものであって、
コンピュータに、
前記自動車の衝突解析モデルを取得する衝突解析モデル取得ステップと、
前記衝突解析モデルの衝突解析を行う衝突解析ステップと、
前記衝突解析モデルにおける車体変形量を測定する測定点と、前記衝突解析モデルにおける車体の変形がない、又はわずかな部位に3つの基準点と、を設定する車体変形量測定点及び基準点設定ステップと、
衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標を取得する衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
前記衝突解析の結果に基づいて、衝突開始から所定時間経過した衝突後の前記衝突解析モデルについて、衝突後の前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標を取得する衝突後測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標と前記3つの基準点の座標とを用いて、前記3つの基準点のそれぞれについて前記測定点との間の衝突開始時距離を算出する衝突開始時基準点-測定点間距離算出ステップと、
衝突後の前記衝突解析モデルにおける前記3つの基準点それぞれからの前記衝突開始時距離と同じ距離関係を満たす位置の座標を、衝突後の前記衝突解析モデルにおける車体変形前の前記測定点の座標として取得する車体変形前測定点座標取得ステップと、
衝突後の前記衝突解析モデルについて取得した前記車体変形前の前記測定点の座標と前記衝突後の前記測定点の座標とを用いて、前記測定点における前記車体変形量を測定する車体変形量測定ステップと、を実行させる機能を有することを特徴とするものである。
そして、本実施の形態1に係る車体変形量測定プログラムは、図1に示すように、コンピュータによりステップS1~ステップS15を実行させることで、上記で説明した本実施の形態1に係る車体変形量測定方法と同様の作用効果を得ることができる。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2に係る自動車の衝突解析における車体変形量測定方法は、自動車の衝突解析において衝突により変形した前記自動車の車体変形量を測定するものであって、図7に示すように、衝突解析モデル取得ステップS1と、衝突解析ステップS3と、車体変形量測定点及び基準点設定ステップS5と、衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップS7と、衝突後測定点座標及び基準点座標取得ステップS9と、衝突後基準点-測定点間距離算出ステップS21と、車体変形後測定点座標取得ステップS23と、車体変形量測定ステップS25と、を含むものであり、コンピュータがこれらの各ステップを行うものである。
ここで、衝突解析モデル取得ステップS1と、衝突解析ステップS3と、車体変形量測定点及び基準点設定ステップS5と、衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップS7と、衝突後測定点座標及び基準点座標取得ステップS9と、については、前述の本実施の形態1と同様であるため、以下、衝突後基準点-測定点間距離算出ステップS21と、車体変形後測定点座標取得ステップS23と、車体変形量測定ステップS25と、について説明する。
≪衝突後基準点-測定点間距離算出ステップ≫
衝突後基準点-測定点間距離算出ステップS21は、衝突後測定点座標及び基準点座標取得ステップS9において取得した衝突後の衝突解析モデルにおける測定点の座標と3つの基準点の座標とを用いて、3つの基準点のそれぞれについて測定点との間の衝突後距離を算出するものである。
本実施の形態2では、図8(a)に示すように、衝突開始から所定時間経過した衝突後の衝突解析モデル1における測定点Pの座標と3つの基準点Q1、Q2及びQ3との座標を用いて、各基準点Q1、Q2及びQ3と測定点Pとの間の衝突後距離L1、L2及びL3を算出する。
また、本実施の形態2では、前述した実施の形態1と同様に、フロアパネル5に8つの測定点P1~P8が設定されているため(図3参照)、各測定点P1~P8について基準点Q1~Q3との間の衝突後距離L1、L2及びL3を算出する。
≪車体変形後測定点座標取得ステップ≫
車体変形後測定点座標取得ステップS23は、衝突開始時の衝突解析モデルにおける3つの基準点それぞれからの衝突後距離と同じ距離関係を満たす位置の座標を、衝突開始時の衝突解析モデルにおける衝突による車体変形後の測定点の座標として取得するものである。
本実施の形態2では、図8に示すように、衝突後の測定点Pと基準点Q1、Q2及び3との間の衝突後距離L1、L2及びL3に基づいて、衝突開始時の衝突解析モデル1における車体変形後の測定点Rの座標を取得するものとする。
さらに、車体変形後の測定点Rの座標は、一例として図9に示すように、以下の手順により取得するとよい。
まず、図9(a)に示すように、衝突開始時の位置にある基準点Q1を中心とし衝突後距離L1を半径とする球面S1と、衝突開始時の位置にある基準点Q2を中心とし衝突後距離L2を半径とする球面S2、との交線T12を求める。
続いて、図9(b)に示すように、衝突開始時の位置にある基準点Q3を中心とし衝突後距離L3を半径とする球面S3と交線T12との交点Cの座標を車体変形前の測定点Rの座標として求める。
このように求めた車体変形後の測定点Rの座標は、衝突によって平行移動や回転移動せずに車体変形した衝突解析モデル1における測定点Pの座標に相当する。
なお、図9(b)に示すように、球面S1と交線T12とには2つの交点C1及びC2が存在する場合がある。この場合、2つの交点C1及び交点C2のうち、明らかに衝突解析モデル1上に存在しない一方の交点(例えば交点C2)を除外し、他方の交点C1の座標を車体変形後の測定点Rの座標として取得する。
また、本実施の形態2では、図3に示すように測定点P1~P8を設定しているため、車体変形前測定点座標取得ステップS13は、測定点P1~P8のそれぞれについて、車体変形前の測定点R1~R8の座標を取得する。
≪車体変形量測定ステップ≫
車体変形量測定ステップS25は、衝突開始時の衝突解析モデルについて取得した車体変形後の測定点の座標と衝突開始時の測定点の座標とを用いて、測定点における車体変形量を測定するものである。
本実施の形態2では、図8(b)に示すように、測定点P(P1~P8)について、車体変形後測定点座標取得ステップS23において取得した衝突開始時の衝突解析モデル1における車体変形後の測定点R(R1~R8)の座標と、衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップS7において取得した衝突開始時の衝突解析モデル1(図2(a))における車体変形前の測定点P(P1~P8)の座標と、を用いて、各測定点P1~P8における車体変形量を測定する。
以上、本実施の形態2に係る車体変形量測定方法によれば、前述した本実施の形態1に係る車体変形量測定方法と同様に、車体の変形量が少ない部位に3つの基準点を設け、当該3つの基準点と車体変形量を測定する測定点との距離関係を用いて、衝突による衝突解析モデル全体の平行移動量と回転移動量とを除去し、車体変形量を測定することができる。これにより、衝突による車体変形現象を理解することができ、車体の衝突性能の向上や軽量化が可能になる。
さらに、本実施の形態2に係る車体変形量測定方法においては、衝突により変形した後の測定点と3つの基準点との間の衝突後距離を算出するものであるが、当該衝突後距離は、前述した実施の形態1における衝突開始時距離よりも絶対値が小さいものである。
そのため、実施の形態2に係る車体変形量測定方法によれば衝突後距離と同じ距離関係を満たす車体変形後測定点の座標の誤差が小さいため、実施の形態1に比べて車体変形量を精度よく測定することが可能である。
<車体変形量測定プログラム>
なお、本実施の形態2の車体変形量測定方法は、自動車の衝突解析において衝突により変形した前記自動車の車体変形量を測定する自動車の衝突解析における車体変形量測定プログラムとして構成することができる。
本実施の形態2に係る車体変形量測定プログラムは、自動車の衝突解析において衝突により変形した前記自動車の車体変形量を測定するものであって、
コンピュータに、
前記自動車の衝突解析モデルを取得する衝突解析モデル取得ステップと、
前記衝突解析モデルの衝突解析を行う衝突解析ステップと、
前記衝突解析モデルにおける車体変形量を測定する測定点と、前記衝突解析モデルにおける車体の変形ない、又はわずかな部位に3つの基準点と、を設定する車体変形量測定点及び基準点設定ステップと、
衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標を取得する衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
前記衝突解析の結果に基づいて、衝突開始から所定時間経過した衝突後の前記衝突解析モデルについて、衝突後の前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標をそれぞれ取得する衝突後測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
衝突後の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標と前記3つの基準点の座標とを用いて、前記3つの基準点のそれぞれについて前記測定点との間の衝突後距離を算出する衝突後基準点-測定点間距離算出ステップと、
衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記3つの基準点それぞれからの前記衝突後距離と同じ距離関係を満たす位置の座標を、衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記衝突による車体変形後の前記測定点の座標として取得する車体変形後測定点座標取得ステップと、
衝突開始時の前記衝突解析モデルについて取得した前記車体変形後の前記測定点の座標と衝突開始時の前記測定点の座標とを用いて、前記測定点における前記車体変形量を測定する車体変形量測定ステップと、を実行させる機能を有することを特徴とするものである。
そして、本実施の形態2に係る車体変形量測定プログラムは、図7に示すように、ステップS1~ステップS25を実行することで、上記で説明した本実施の形態2に係る車体変形量測定方法と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の効果を確認する解析を行ったので、以下、これについて説明する。
本実施例では、図2に示すように、自動車の衝突解析モデル1の左側面に対して車体幅方向に衝突体11が衝突する側面衝突を対象とし、上記の実施の形態2で述べた手順に従って車体変形量を測定した。
車体変形量の測定に際し、まず、図3に示すように、衝突解析モデル1の車体3を構成するフロアパネル5に車体変形量を測定する測定点P1~P8を設定した。
ここで、測定点P1~P3は、フロアパネル5におけるBピラー近傍、測定点P4~P7は、フロアパネル5におけるシート取付穴、P8はシート取付穴中央、の位置に設定した。
また、図4に示すように、衝突解析モデル1の側面衝突において車体の変形が少ない右側面部3aに基準点Q1~Q3を設定した。
次に、衝突解析モデル1に衝突体11を衝突させる位置、方向及び衝突速度(=29km/h)等の衝突解析条件を設定し、衝突解析を行った。
続いて、衝突解析の結果に基づいて、衝突開始時における測定点P1~P8の各座標及び基準点Q1~Q3の各座標と、衝突開始から0.05sec経過した衝突後の測定点P1~P8の各座標及び基準点Q1~Q3の各座標と、をそれぞれ取得した。
続いて、衝突後の衝突解析モデル1のフロアパネル5における各測定点P1~P8について、基準点Q1~Q3との間の衝突後距離を算出し、図8に示すように、衝突開始時の衝突解析モデル1における車体変形後の測定点Rの座標を求めた。
そして、車体変形後の測定点の座標と衝突開始時の測定点の座標とから、車体変形量を測定した。
本実施例では、車体変形量として、車体前後方向(X方向)、車体幅方向(Y方向)及び車体上下方向(Z方向)の車体変形量の総和と、車体幅方向(Y方向)の車体変形量と、をそれぞれ測定した。
表1に、衝突解析モデル1に設定した基準点Q1~Q3の衝突開始時及び衝突開始から0.05sec経過した衝突後の座標を示す。
Figure 0007131653000002
さらに、表2に、フロアパネル5に設定した各測定点P1~P8について、衝突開始時の座標及び衝突開始から0.05sec経過した衝突後の座標と、図9に示すような衝突後の3つの基準点Q1~Q3との間の衝突後距離L1~L3を半径とする3つの球面S1~S3の交点C1及び交点C2の座標と、各測定点P1~P8における車体変形量の結果を示す。
Figure 0007131653000003
表2の結果から、交点C1と交点C2のうち、交点C2はY座標が全てマイナス(-)で衝突開始時とほぼ同じであるから、衝突解析モデル1上には位置しない点であることが明らかである。そのため、交点C1が衝突開始時の衝突解析モデル1における車体変形後の測定点Rとして特定された。
さらに、表2に示すように、測定点P1~P8における車体変形量は、衝突による衝突解析モデル1の平行移動や回転移動が除去されており、XYZ方向の変形総和及び車体幅方向の変形のいずれにおいても、車体変形量は10mm以下のオーダーであることが明確となった。
1 衝突解析モデル
3 車体
3a 右側面部
5 フロアパネル
11 衝突体
C、C1、C2 交点
P、P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8 測定点
Q、Q1、Q2、Q3 基準点
S1、S2、S3 球面
T12 交線

Claims (4)

  1. 自動車の衝突解析において衝突により変形した前記自動車の車体変形量を測定するために、コンピュータが以下の各ステップを行う自動車の衝突解析における車体変形量測定方法であって、
    前記自動車の衝突解析モデルを取得する衝突解析モデル取得ステップと、
    前記衝突解析モデルの衝突解析を行う衝突解析ステップと、
    前記衝突解析モデルにおける車体変形量を測定する測定点と、前記衝突解析モデルにおける車体の変形がない、又はわずかな部位に3つの基準点と、を設定する車体変形量測定点及び基準点設定ステップと、
    衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標を取得する衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
    前記衝突解析の結果に基づいて、衝突開始から所定時間経過した衝突後の前記衝突解析モデルについて、衝突後の前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標を取得する衝突後測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
    衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標と前記3つの基準点の座標とを用いて、前記3つの基準点のそれぞれについて前記測定点との間の衝突開始時距離を算出する衝突開始時基準点-測定点間距離算出ステップと、
    衝突後の前記衝突解析モデルにおける前記3つの基準点それぞれからの前記衝突開始時距離と同じ距離関係を満たす位置の座標を、衝突後の前記衝突解析モデルにおける車体変形前の前記測定点の座標として取得する車体変形前測定点座標取得ステップと、
    衝突後の前記衝突解析モデルについて取得した前記車体変形前の前記測定点の座標と前記衝突後の前記測定点の座標とを用いて、前記測定点における前記車体変形量を測定する車体変形量測定ステップと、を含むことを特徴とする自動車の衝突解析における車体変形量測定方法。
  2. 自動車の衝突解析において衝突により変形した前記自動車の車体変形量を測定するために、コンピュータが以下の各ステップを行う自動車の衝突解析における車体変形量測定方法であって、
    前記自動車の衝突解析モデルを取得する衝突解析モデル取得ステップと、
    前記衝突解析モデルの衝突解析を行う衝突解析ステップと、
    前記衝突解析モデルにおける車体変形量を測定する測定点と、前記衝突解析モデルにおける車体の変形がない、又はわずかな部位に3つの基準点と、を設定する車体変形量測定点及び基準点設定ステップと、
    衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標を取得する衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
    前記衝突解析の結果に基づいて、衝突開始から所定時間経過した衝突後の前記衝突解析モデルについて、衝突後の前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標をそれぞれ取得する衝突後測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
    衝突後の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標と前記3つの基準点の座標とを用いて、前記3つの基準点のそれぞれについて前記測定点との間の衝突後距離を算出する衝突後基準点-測定点間距離算出ステップと、
    衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記3つの基準点それぞれからの前記衝突後距離と同じ距離関係を満たす位置の座標を、衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記衝突による車体変形後の前記測定点の座標として取得する車体変形後測定点座標取得ステップと、
    衝突開始時の前記衝突解析モデルについて取得した前記車体変形後の前記測定点の座標と衝突開始時の前記測定点の座標とを用いて、前記測定点における前記車体変形量を測定する車体変形量測定ステップと、を含むことを特徴とする自動車の衝突解析における車体変形量測定方法。
  3. 自動車の衝突解析において衝突により変形した前記自動車の車体変形量を測定する自動車の衝突解析における車体変形量測定プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記自動車の衝突解析モデルを取得する衝突解析モデル取得ステップと、
    前記衝突解析モデルの衝突解析を行う衝突解析ステップと、
    前記衝突解析モデルにおける車体変形量を測定する測定点と、前記衝突解析モデルにおける車体の変形がない、又はわずかな部位に3つの基準点と、を設定する車体変形量測定点及び基準点設定ステップと、
    衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標を取得する衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
    前記衝突解析の結果に基づいて、衝突開始から所定時間経過した衝突後の前記衝突解析モデルについて、衝突後の前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標を取得する衝突後測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
    衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標と前記3つの基準点の座標とを用いて、前記3つの基準点のそれぞれについて前記測定点との間の衝突開始時距離を算出する衝突開始時基準点-測定点間距離算出ステップと、
    衝突後の前記衝突解析モデルにおける前記3つの基準点それぞれからの前記衝突開始時距離と同じ距離関係を満たす位置の座標を、衝突後の前記衝突解析モデルにおける車体変形前の前記測定点の座標として取得する車体変形前測定点座標取得ステップと、
    衝突後の前記衝突解析モデルについて取得した前記車体変形前の前記測定点の座標と前記衝突後の前記測定点の座標とを用いて、前記測定点における前記車体変形量を測定する車体変形量測定ステップと、を実行させる機能を有することを特徴とする自動車の衝突解析における車体変形量測定プログラム。
  4. 自動車の衝突解析において衝突により変形した前記自動車の車体変形量を測定する自動車の衝突解析における車体変形量測定プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記自動車の衝突解析モデルを取得する衝突解析モデル取得ステップと、
    前記衝突解析モデルの衝突解析を行う衝突解析ステップと、
    前記衝突解析モデルにおける車体変形量を測定する測定点と、前記衝突解析モデルにおける車体の変形がない、又はわずかな部位に3つの基準点と、を設定する車体変形量測定点及び基準点設定ステップと、
    衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標を取得する衝突開始時測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
    前記衝突解析の結果に基づいて、衝突開始から所定時間経過した衝突後の前記衝突解析モデルについて、衝突後の前記測定点の座標及び前記3つの基準点の座標をそれぞれ取得する衝突後測定点座標及び基準点座標取得ステップと、
    衝突後の前記衝突解析モデルにおける前記測定点の座標と前記3つの基準点の座標とを用いて、前記3つの基準点のそれぞれについて前記測定点との間の衝突後距離を算出する衝突後基準点-測定点間距離算出ステップと、
    衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記3つの基準点それぞれからの前記衝突後距離と同じ距離関係を満たす位置の座標を、衝突開始時の前記衝突解析モデルにおける前記衝突による車体変形後の前記測定点の座標として取得する車体変形後測定点座標取得ステップと、
    衝突開始時の前記衝突解析モデルについて取得した前記車体変形後の前記測定点の座標と衝突開始時の前記測定点の座標とを用いて、前記測定点における前記車体変形量を測定する車体変形量測定ステップと、を実行させる機能を有することを特徴とする自動車の衝突解析における車体変形量測定プログラム。
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