JP7130132B2 - 回転電機の回転子及びその改修方法 - Google Patents

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Description

この発明は、回転子コアのスロット内に回転子巻線、絶縁物、ダンパーバー、及び楔部材が挿入されている回転電機の回転子、及びその回転子の改修方法に関するものである。
従来の回転電機の回転子では、界磁巻線は、回転子コアに設けられたスロットに挿入されている。スロットには、界磁巻線以外にも、ダンパーバー、絶縁物、及び楔部材が挿入されている。
ダンパーバーには、電機子巻線からの磁束により誘起された渦電流が流れる。絶縁物は、ダンパーバーと界磁巻線との間を電気的に絶縁する。楔部材は、スロット内容物の飛散を防止する(例えば、特許文献1参照)。
特開2001-86685号公報
上記のような従来の回転子では、界磁巻線に対して回転子コアの半径方向外側に絶縁物、ダンパーバー、及び楔部材が配置されているため、界磁巻線と、電機子に設けられた電機子巻線との間の距離が大きくなる。これにより、界磁巻線で発生した磁束の一部が電機子巻線に鎖交しなくなり、回転子コアでの磁束の損失が大きくなる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、回転子コアでの磁束の損失を低減することができる回転電機の回転子、及びその回転子の改修方法を得ることを目的とする。
この発明に係る回転電機の回転子は、スロットが設けられている回転子コア、スロットに挿入されている回転子巻線、回転子巻線に対して回転子コアの半径方向外側でスロットに挿入されており、導電性を有しているダンパーバー、回転子巻線とダンパーバーとの間に配置されており、回転子巻線とダンパーバーとの間を電気的に絶縁する絶縁物、及びダンパーバーに対して回転子コアの半径方向外側でスロットに挿入されており、回転子巻線、絶縁物、及びダンパーバーをスロット内に保持する楔部材を備え、回転子コアの軸線に直交する断面を見たとき、スロットは、回転子巻線が挿入されている巻線挿入部と、楔部材のダンパーバー側の端部が配置されている拡幅部とを有しており、拡幅部の幅寸法は、巻線挿入部の幅寸法よりも大きくなっており、巻線挿入部の拡幅部側の端部の両側には、一対の段部が形成されており、楔部材は、一対の段部に間隔をおいて対向しており、絶縁物は、回転子巻線とダンパーバーとの間に配置されている絶縁物本体と、楔部材と一対の段部との間の空間の少なくとも一部に配置されており、回転子コアの周方向へのダンパーバーの移動を抑制する拡張部とを有しており、段部と楔部材との間の距離をL1、回転子コアの半径方向の拡張部の厚さ寸法をt1としたとき、L1>t1であり、回転子コアの半径方向のダンパーバーの厚さ寸法をt4、拡張部の、絶縁物本体よりも回転子コアの半径方向外側に位置する部分の厚さ寸法をt2としたとき、t4>t2であり、(L1-t1)<t4である
この発明に係る回転電機の回転子の改修方法は、スロットが設けられている回転子コア、スロットに挿入されている回転子巻線、回転子巻線に対して回転子コアの半径方向外側でスロットに挿入されており、導電性を有しているダンパーバー、回転子巻線とダンパーバーとの間に配置されており、回転子巻線とダンパーバーとの間を電気的に絶縁する既設の絶縁物、及びダンパーバーに対して回転子コアの半径方向外側でスロットに挿入されており、回転子巻線、既設の絶縁物、及びダンパーバーをスロット内に保持する既設の楔部材を備えている回転電機の回転子の改修方法であって、既設の楔部材を薄型の楔部材と交換し、既設の絶縁物を新たな絶縁物に交換し、スロットにおける回転子巻線の総断面積を増大させる工程を含み、新たな絶縁物は、回転子巻線とダンパーバーとの間に配置されている絶縁物本体と、既設の楔部材を薄型の楔部材と交換することによりスロット内に生じる空間に配置され、回転子コアの周方向へのダンパーバーの移動を抑制する拡張部とを有している。
この発明によれば、回転子コアでの磁束の損失を低減することができる。
この発明の実施の形態1による回転電機の縦断面図である。 図1の回転子の要部を示す斜視図である。 図1の回転子の要部を図2とは異なる方向から見た分解斜視図である。 実施の形態1による回転子の改修前のスロット内の構造の第1例を示す縦断面図である。 図4のV-V線に沿う横断面図である。 実施の形態1による回転子の改修前のスロット内の構造の第2例を示す縦断面図である。 図6のVII-VII線に沿う横断面図である。 図5の第3楔部材を薄型の第3楔部材に交換した状態を示す横断面図である。 実施の形態1による回転子の改修後のスロット内の構造を示す横断面図である。 図9の要部を拡大して示す横断面図である。 図10の絶縁物を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2による回転電機の回転子の要部を示す横断面図である。 図12の絶縁物を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3による回転電機の回転子の要部を示す横断面図である。 図14の絶縁物を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4による絶縁物を示す斜視図である。 この発明の実施の形態5による絶縁物を示す斜視図である。 この発明の実施の形態6による絶縁物を示す斜視図である。 この発明の実施の形態7による絶縁物を示す斜視図である。 この発明の実施の形態8による絶縁物を示す斜視図である。 この発明の実施の形態9による回転電機の回転子の要部を示す横断面図である。 図21の絶縁物を示す斜視図である。 この発明の実施の形態10による回転電機の回転子の要部を示す横断面図である。 図23の絶縁物を示す斜視図である。 この発明の実施の形態11による回転電機の回転子の要部を示す横断面図である。 図25の絶縁物を示す斜視図である。 図25のダンパーバーを示す斜視図である。 この発明の実施の形態12による回転電機の回転子の要部を示す横断面図である。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による回転電機の縦断面図であり、回転軸の軸心に沿う断面を示している。図において、回転電機は、フレーム1、回転軸2、回転子3、固定子である電機子4、及びガスクーラー5を有している。
回転軸2は、フレーム1に回転可能に支持されている。また、回転軸2は、図示しない原動機に接続されている。原動機は、回転軸2に回転力を付与する。回転子3は、回転軸2に固定されており、回転軸2を中心として回転軸2と一体に回転する。
電機子4は、フレーム1に保持されている。また、電機子4は、電機子コア6と、固定子巻線としての電機子巻線7とを有している。電機子コア6は、回転子3との間に隙間を介して、回転子3を取り囲んでいる。図1では、隙間を省略している。また、電機子コア6は、回転子3と同軸に配置されている。
電機子巻線7は、電機子コア6に保持されている。回転子3が回転することにより、電機子巻線7に回転磁界が与えられる。これにより、電機子巻線7に起電力が発生する。即ち、電機子巻線7は、回転子3からの磁束が鎖交することにより、出力電流を発生する。実施の形態1の回転電機は、発電機として動作する。
フレーム1内には、回転子3及び電機子4の発熱を抑えるための冷媒が入れられている。冷媒としては、空気又は水素が用いられている。ガスクーラー5は、フレーム1内に設けられており、フレーム1内の冷媒を冷却する。
図2は、図1の回転子3の要部を示す斜視図である。また、図3は、図1の回転子3の要部を図2とは異なる方向から見た分解斜視図である。回転子3は、円筒状の回転子コア11、回転子巻線としての複数の界磁巻線12、複数の絶縁物13、複数のダンパーバー14、複数の第1楔部材15、複数の第2楔部材16、複数の第3楔部材17、及び一対の保持環18を有している。
回転子コア11は、回転軸2に固定されている。回転軸2は、回転子コア11を貫通している。回転子コア11の外周部には、複数の直線状のスロット11aが設けられている。複数のスロット11aは、回転子コア11の周方向に互いに間隔をおいて配置されている。回転子コア11の周方向は、回転子コア11の回転方向である。
また、各スロット11aは、回転子コア11の軸方向に沿って、回転子コア11の全長に渡って連続して設けられている。回転子コア11の軸方向は、回転軸2の軸心に平行な方向である。また、各スロット11aは、回転子コア11の外周面で開口している。
複数の界磁巻線12、複数の絶縁物13、複数のダンパーバー14、複数の第1楔部材15、複数の第2楔部材16、及び複数の第3楔部材17は、それぞれ対応するスロット11aに挿入されている。
複数の第1楔部材15は、それぞれ回転子コア11の軸方向の中央に配置されている。複数の第2楔部材16は、回転子コア11の軸方向両端部に配置されている。第1楔部材15と第2楔部材16との間には、それぞれ複数の第3楔部材17が配置されている。
複数の第1楔部材15、複数の第2楔部材16、及び複数の第3楔部材17は、それぞれ対応するスロット11aに挿入されている内容物の遠心力による飛び出しを阻止している。即ち、楔部材15,16,17は、界磁巻線12、絶縁物13、及びダンパーバー14をスロット11a内に保持する。
回転子コア11の軸方向両端部には、図示しない結合構造がそれぞれ設けられている。各結合構造は、複数の界磁巻線12を結合する。一対の保持環18は、回転子コア11の軸方向両端部に設けられている。各保持環18は、対応する結合構造の遠心力による変形を抑制する。また、各保持環18は、導電性を有する材料により構成されている。
図4は、実施の形態1による回転子3の改修前のスロット11a内の構造の第1例を示す縦断面図であり、図4の左端は、回転子3の軸方向の中央である。図5は、図4のV-V線に沿う横断面図であり、回転軸2の軸心に直交する断面を示している。
回転子コア11の軸線に直交する断面を見たとき、スロット11aは、巻線挿入部11bと、拡幅部11cと、開口部11dとを有している。巻線挿入部11b、拡幅部11c、及び開口部11dは、回転子コア11の半径方向内側から外側へ向けて連続して配置されている。回転子コア11の半径方向は、回転子コア11の軸線に直交する方向である。
拡幅部11cの幅寸法は、巻線挿入部11bの幅寸法及び開口部11dの幅寸法よりも大きくなっている。これにより、巻線挿入部11bの拡幅部11c側の端部の両側には、一対の段部11eが形成されている。
巻線挿入部11bには、対応する界磁巻線12、対応する複数の絶縁物13、及び対応する複数のダンパーバー14が挿入されている。
拡幅部11c及び開口部11dには、対応する第1楔部材15、対応する一対の第2楔部材16、及び対応する複数の第3楔部材17が挿入されている。拡幅部11cには、各楔部材15,16,17のダンパーバー14側の端部が配置されている。開口部11dには、各楔部材15,16,17のダンパーバー14とは反対側の端部が配置されている。
ダンパーバー14は、界磁巻線12に対して、回転子コア11の半径方向外側でスロット11aに挿入されている。絶縁物13は、界磁巻線12とダンパーバー14との間に配置されている。また、絶縁物13は、界磁巻線12とダンパーバー14との間を電気的に絶縁する。
楔部材15,16,17は、ダンパーバー14に対して、回転子コア11の半径方向外側でスロット11aに挿入されている。
各ダンパーバー14は、導電性を有する材料により構成されている。ダンパーバー14は、回転子コア11の軸方向中央部には、配置されていない。
第1楔部材15は、回転子コア11の軸方向に分離して配置されている一対のダンパーバー14に接し、一対のダンパーバー14間を電気的に短絡している。第2楔部材16は、ダンパーバー14と保持環18とに接し、ダンパーバー14と保持環18とを電気的に短絡している。
これにより、電機子巻線7からの磁束により誘起されて、軸方向他側に配置されているダンパーバー14を流れる渦電流が、図4の矢印で示すように、第1楔部材15を通って、軸方向一側に配置されているダンパーバー14に流れる。さらに、ダンパーバー14を流れる渦電流が、第2楔部材16を通って保持環18に流れる。
保持環18に流れた渦電流は、保持環18から他のスロット11a内に配置されている第2楔部材16を通ってダンパーバー14に流れる。これにより、回転子コア11内に保持環18を介した渦電流の経路が形成され、第1楔部材15及び第2楔部材16を含めた回転子3の渦電流による発熱が抑制される。
このように、第1楔部材15及び第2楔部材16には、高い導電性が求められる。このため、第1楔部材15及び第2楔部材16は、導電性の高い金属、例えばBeCu合金で作製されている。
第1楔部材15及び第2楔部材16に必要な導電率は、導電率の基準IACS(International Annealed Copper Stanraed)によれば、20%IACSである。
一方、第3楔部材17には、導電性が求められていない。このため、第3楔部材17は、高強度の非磁性材、例えばステンレス鋼で作製される。
第3楔部材17に必要な材料強度は、0.2%耐力により規定され、196MPa以上である。これにより、第3楔部材17は、電機子巻線7からの磁束により発熱することが抑制されている。
界磁巻線12内には、複数の軸方向通風路19が回転子コア11の軸方向に沿って設けられている。また、複数の軸方向通風路19は、回転子コア11の半径方向に互いに間隔をおいて配置されている。
スロット11a内には、複数の半径方向通風路21が回転子コア11の半径方向に沿って設けられている。複数の半径方向通風路21は、回転子コア11の軸方向に互いに間隔をおいて配置されている。また、各半径方向通風路21は、対応する第1楔部材15、対応する絶縁物13、及び対応する複数の界磁巻線12を貫通しており、複数の軸方向通風路19と回転子3の外部とを繋いでいる。
第1例の回転子3の通風形式は、半径方向通風路21の数よりも軸方向通風路19の数が多い軸方向通風形式である。
図6は、実施の形態1による回転子3の改修前のスロット11a内の構造の第2例を示す縦断面図である。また、図7は、図6のVII-VII線に沿う横断面図である。第2例では、軸方向通風路19がスロット11aの底部のみに設けられている。軸方向通風路19は、断面U字形のチャネル部材22により形成されている。
半径方向通風路21は、回転子コア11の軸方向における第2楔部材16の位置及び第3楔部材17の位置にも配置されている。他の構成は、第1例と同様である。
第2例の回転子3の通風形式は、軸方向通風路19の数よりも半径方向通風路21の数が多い半径方向通風形式である。
実施の形態1による回転子3は、半径方向通風形式、軸方向通風形式のどちらにも適用できるが、以下では、軸方向通風形式に適用する場合について説明する。なお、他の実施の形態による回転子3も、半径方向通風形式、軸方向通風形式のどちらにも適用できる。
図8は、図5の第3楔部材17を、薄型の第3楔部材31に交換した状態を示す横断面図である。図8では、薄型の第3楔部材31を用いることにより、ダンパーバー14が拡幅部11cに配置されている。また、一対の段部11eと第3楔部材31との間に、一対の空間30が形成されている。
このような構成では、ダンパーバー14の両側に空間30が存在するため、回転電機の起動時及び停止時に、回転子コア11の周方向へダンパーバー14が移動する恐れがある。ダンパーバー14が移動した場合、界磁巻線12の遠心力がダンパーバー14を介して第3楔部材31に不均一に伝わる。
このため、ダンパーバー14と第3楔部材31との間で、局所加熱及び放電が生じる恐れがある。また、ダンパーバー14が繰り返し変形することで、ダンパーバー14が破断する恐れがある
図9は、実施の形態1による回転子3の改修後のスロット11a内の構造を示す横断面図である。図10は、図9の要部を拡大して示す横断面図である。
実施の形態1では、図5の第3楔部材17が薄型の第3楔部材31に交換されている。図示はしないが、第1及び第2楔部材15,16は、それぞれ薄型の第1及び第2楔部材に交換されている。薄型の第1及び第2楔部材の断面形状は、第3楔部材31と同様である。
また、図5の絶縁物13は、絶縁物32に交換されている。また、巻線挿入部11bにおける界磁巻線12の総断面積が、増大されている。
実施の形態1の絶縁物32は、絶縁物本体32aと、一対の拡張部32bとを有している。絶縁物本体32aは、界磁巻線12とダンパーバー14との間に配置されている。また、絶縁物本体32aは、界磁巻線12とダンパーバー14とに接している。また、絶縁物本体32aは、巻線挿入部11bと拡幅部11cとに跨って配置されている。
一対の拡張部32bは、図8における一対の空間30にそれぞれ配置されている。即ち、一対の拡張部32bは、第3楔部材31と一対の段部11eとの間にそれぞれ配置されている。
また、一対の拡張部32bは、ダンパーバー14の幅方向の両側に配置されており、回転子コア11の周方向へのダンパーバー14の移動を抑制する。ダンパーバー14の幅方向は、図9の左右方向である。
図11は、図10の絶縁物32を示す斜視図である。絶縁物本体32aと、一対の拡張部32bとは、一体物、即ち1部品として構成されている。一対の拡張部32bの間には、回転子コア11の軸方向に沿ってバー収容溝32cが設けられている。バー収容溝32cには、ダンパーバー14が収容される。このため、バー収容溝32cの幅寸法は、ダンパーバー14の幅寸法よりも僅かに大きい。
絶縁物32の材料としては、電気絶縁性を有し、かつ剛性及び強度の高い複合材、例えば、ガラス繊維強化プラスチック、紙フェノールプラスチック、又はアラミド繊維強化プラスチックが用いられる。
絶縁物32の材料として、カーボン繊維強化プラスチックを使用する場合、導電性の高いカーボンが磨耗粉に含まれるため、絶縁物32の外周を被覆体で覆うことが好ましい。被覆体の材料としては、プラスチック、磨耗しても導電性の物質が発生しないガラス繊維強化プラスチック等を用いることができる。
回転子コア11の半径方向についての絶縁物32の各部の寸法は、以下の条件1~4を満たす必要がある。
条件1:図8に示す段部11eと第3楔部材31との間の距離L1>図11に示す拡張部32bの厚さ寸法t1
条件2:図10に示すダンパーバー14の厚さ寸法t4>図11に示す厚さ寸法t2
厚さ寸法t2は、拡張部32bの、絶縁物本体32aよりも回転子コア11の半径方向外側に位置する部分の厚さ寸法であり、バー収容溝32cの深さと同じである。
条件3:(図8に示す距離L1-図11に示す拡張部32bの厚さ寸法t1)<図10に示すダンパーバー14の厚さ寸法t4
条件4:図10に示す距離L2<図11に示す厚さ寸法t3
距離L2は、巻線挿入部11bと拡幅部11cとの境界から、界磁巻線12までの距離である。また、厚さ寸法t3は、絶縁物本体32aの、拡張部32bよりも回転子コア11の半径方向内側に位置する部分の厚さ寸法である。
条件1は、絶縁物32が第3楔部材31に直接接触しないための条件である。また、条件2は、ダンパーバー14が絶縁物32よりも先に第3楔部材31に接触するための条件である。
これらの条件1、2によって、第3楔部材31を回転子コア11に組み付けた際に生じる押し付け力は、ダンパーバー14及び絶縁物本体32aを介して界磁巻線12に伝えられる。
条件3は、ダンパーバー14が絶縁物32により回転子コア11の周方向へ移動されないために必要な条件である。また、条件3は、第3楔部材31と拡張部32bとの間の隙間が、ダンパーバー14の厚さ寸法よりも小さいことを示している。
条件4は、第3楔部材31による押し付け力をダンパーバー14が受けた際に、絶縁物32と段部11eとで荷重分担をせずに、全ての荷重を界磁巻線12に伝えるための条件である。
上記の条件1~4を満足することで、第3楔部材31を回転子コア11に組み付ける際に管理していた力の管理を、変更することなく、第3楔部材31により界磁巻線12を保持することができる。
上記のように、実施の形態1の回転子3の改修方法では、複数の既設の第1楔部材15、複数の既設の第2楔部材16、及び複数の既設の第3楔部材17が、それぞれ複数の薄型の第1楔部材、複数の薄型の第2楔部材、及び複数の薄型の第3楔部材31に交換される。
また、実施の形態1の回転子3の改修方法では、複数の既設の絶縁物13が、それぞれ新たな絶縁物32に交換される。新たな絶縁物32の一対の拡張部32bは、楔部材交換によりスロット11a内に生じる一対の空間30にそれぞれ配置される。
また、実施の形態1の回転子3の改修方法では、スロット11aにおける界磁巻線12の総断面積が増大される。
このような回転電機の回転子3及び回転子3の改修方法では、薄型の第1楔部材、薄型の第2楔部材、及び薄型の第3楔部材31が用いられている。これにより、界磁巻線12から電機子巻線7までの距離を短くすることができ、回転子コア11での磁束の損失を低減することができる。
また、回転子コア11の周方向へのダンパーバー14の移動が、一対の拡張部32bにより抑制される。このため、第1楔部材、第2楔部材、及び第3楔部材31とダンパーバー14との間に、局所的な加熱及び放電が生じることが抑制される。また、ダンパーバー14の破損を抑制することができる。これにより、回転電機の信頼性を向上させることができる。
また、絶縁物32に使用される材料は、ダンパーバー14、第1楔部材、第2楔部材、及び第3楔部材31に使用される材料よりも軽量である。このため、絶縁物本体32aに一対の拡張部32bを追加しても、第1楔部材、第2楔部材、及び第3楔部材31に加わる遠心力の増加が少ない。
また、絶縁物32を使用することで、既に稼働している発電機に対して、楔部材を薄型化する改修工事を、発電所で実施することもできる。
実施の形態2.
次に、図12は、この発明の実施の形態2による回転電機の回転子の要部を示す横断面図である。また、図13は、図12の絶縁物32を示す斜視図である。
絶縁物本体32aの第3楔部材31に対向する面には、一対の逃がし溝32dが設けられている。一対の逃がし溝32dは、それぞれ絶縁物本体32aと一対の拡張部32bとの境界部分に設けられている。これにより、実施の形態1に比べて、絶縁物32とダンパーバー14との接触面積が小さくなっている。
一対の逃がし溝32dは、回転子コア11の軸方向に沿って、絶縁物32の全長に渡って連続して設けられている。他の構成及び改修方法は、実施の形態1と同様である。
第1楔部材、第2楔部材、又は第3楔部材31を回転子コア11に組み付ける際の力を調整するために、回転子コア11の半径方向の絶縁物本体32aの厚さを調整することがある。絶縁物本体32aの厚さを調整する場合、絶縁物本体32aのダンパーバー14に接触する面、即ちバー収容溝32cの底面が切削される。
実施の形態2では、絶縁物本体32aを切削する際、一対の逃がし溝32dに工具を逃がすことができ、ダンパーバー14に接触する面全体を均一に切削することができる。このため、絶縁物本体32aの厚さ調整を容易に行うことができる。
実施の形態3.
次に、図14は、この発明の実施の形態3による回転電機の回転子の要部を示す横断面図である。また、図15は、図14の絶縁物32を示す斜視図である。
一対の拡張部32bの絶縁物本体32aとの境界部分には、一対の逃がし溝32eが設けられている。実施の形態3の各逃がし溝32eは、拡張部32bに入り込んでいる。また、各逃がし溝32eの底面が拡張部32bに位置している。そして、各逃がし溝32eの底面と、絶縁物本体32aのダンパーバー14に接触する面との間に傾斜面が形成されている。
各逃がし溝32eの拡張部32bに入り込んでいる部分の底面に対向する面は、絶縁物本体32aのダンパーバー14に接触する面よりも、回転子コア11の半径方向外側に位置している。
一対の逃がし溝32eは、回転子コア11の軸方向に沿って、絶縁物32の全長に渡って連続して設けられている。他の構成及び改修方法は、実施の形態2と同様である。
このような絶縁物32では、絶縁物本体32aの切削作業をさらに容易に行うことができ、絶縁物本体32aの厚さ調整をさらに容易に行うことができる。
実施の形態4.
次に、図16は、この発明の実施の形態4による絶縁物32を示す斜視図である。実施の形態1では、一対の拡張部32bが、回転子コア11の軸方向に沿って絶縁物32の全体に渡って設けられている。これに対して、実施の形態4では、一対の拡張部32bは、回転子コア11の軸方向の絶縁物32の一部のみに設けられている。
このため、回転子コア11の軸方向の絶縁物32の両端部に、拡張部32bのない部分が存在している。拡張部32bが設けられていない部分には、それぞれ平板状のフランジ部32fが設けられている。各フランジ部32fは、回転子コア11の周方向の絶縁物本体32aの両端部から突出している。
各フランジ部32fは、段部11eと、第1楔部材、第2楔部材、又は第3楔部材31との間に配置されている。フランジ部32fの第1楔部材、第2楔部材、又は第3楔部材31に対向する面は、絶縁物本体32aのダンパーバー14と接触する面と面一である。他の構成及び改修方法は、実施の形態1と同様である。
このような絶縁物32では、絶縁物本体32aの厚さを調整する場合、加工始め及び加工終わりに、拡張部32bが設けられていない部分に工具を逃がすことができる。これにより、絶縁物本体32aの切削作業を容易に行うことができ、絶縁物本体32aの厚さ調整を容易に行うことができる。
実施の形態5.
次に、図17は、この発明の実施の形態5による絶縁物32を示す斜視図である。実施の形態5は、実施の形態4と実施の形態2とを組み合わせたものである。即ち、実施の形態5では、実施の形態4で示した絶縁物32に、実施の形態2で示した逃がし溝32dが設けられている。他の構成及び改修方法は、実施の形態4と同様である。
このような絶縁物32では、絶縁物本体32aの切削作業をさらに容易に行うことができ、絶縁物本体32aの厚さ調整をさらに容易に行うことができる。
実施の形態6.
次に、図18は、この発明の実施の形態6による絶縁物32を示す斜視図である。実施の形態6は、実施の形態4と実施の形態3とを組み合わせたものである。即ち、実施の形態6では、実施の形態4で示した絶縁物32に、実施の形態3で示した逃がし溝32eが設けられている。他の構成及び改修方法は、実施の形態4と同様である。
このような絶縁物32では、絶縁物本体32aの切削作業をさらに容易に行うことができ、絶縁物本体32aの厚さ調整をさらに容易に行うことができる。
実施の形態7.
次に、図19は、この発明の実施の形態7による絶縁物32を示す斜視図である。一対の拡張部32bには、それぞれ逃がし溝32gが設けられている。各逃がし溝32gは、絶縁物本体32aのダンパーバー14と接触する面上に開口している。
また、各逃がし溝32gは、回転子コア11の軸方向の拡張部32bの全体に渡って連続して設けられている。他の構成及び改修方法は、実施の形態4と同様である。
このような絶縁物32によっても、絶縁物本体32aの切削作業を容易に行うことができ、絶縁物本体32aの厚さ調整を容易に行うことができる。
なお、逃がし溝32gは、実施の形態1の拡張部32bに設けることもできる。
実施の形態8.
次に、図20は、この発明の実施の形態8による絶縁物32を示す斜視図である。実施の形態8では、回転子コア11の軸方向の絶縁物32の中間部にも、拡張部32bが設けられていない部分が存在している。即ち、拡張部32bは、回転子コア11の軸方向に断続的に設けられている。
これにより、回転子コア11の周方向の絶縁物32の一側で、2つの拡張部32bは、回転子コア11の軸方向に互いに間隔をおいて配置されている。同様に、回転子コア11の周方向の絶縁物32の他側で、2つの拡張部32bは、回転子コア11の軸方向に互いに間隔をおいて配置されている。他の構成及び改修方法は、実施の形態4と同様である。
このような絶縁物32によっても、絶縁物本体32aの切削作業を容易に行うことができ、絶縁物本体32aの厚さ調整を容易に行うことができる。また、実施の形態4と比べて、絶縁物32の重量が削減されることから、第1楔部材、第2楔部材、又は第3楔部材31に加わる遠心力を低減することができる。
なお、実施の形態2~7の絶縁物32について、実施の形態8と同様に、拡張部32bを回転子コア11の軸方向に断続的に設けてもよい。
実施の形態9.
次に、図21は、この発明の実施の形態9による回転電機の回転子の要部を示す横断面図である。また、図22は、図21の絶縁物を示す斜視図である。実施の形態9の絶縁物33は、絶縁物本体34と、一対の拡張部35とを有している。
絶縁物本体34と、一対の拡張部35とは、別部品で構成されている。即ち、実施の形態9の絶縁物33は、3分割構造となっている。また、絶縁物本体34と、一対の拡張部35とは、例えば接着により一体化されている。一対の拡張部35の間には、回転子コア11の軸方向に沿ってバー収容溝33aが設けられている。他の構成及び改修方法は、実施の形態1と同様である。
このような絶縁物33では、絶縁物本体34に切削加工を施して絶縁物本体34の厚さを調整した後、絶縁物本体34と一対の拡張部35とを一体化することができる。これにより、絶縁物本体34の切削作業を容易に行うことができ、絶縁物本体34の厚さ調整を容易に行うことができる。
なお、実施の形態2~8の絶縁物本体32aと一対の拡張部32bとを、別部品で構成し、一体化してもよい。
実施の形態10.
次に、図23は、この発明の実施の形態10による回転電機の回転子の要部を示す横断面図である。また、図24は、図23の絶縁物を示す斜視図である。実施の形態10の絶縁物36は、絶縁物本体37と、第1拡張部38と、第2拡張部39とを有している。
第1拡張部38は、一対の段部11eのうちの一方と、第1楔部材、第2楔部材、又は第3楔部材31との間に配置されている。第2拡張部39は、一対の段部11eのうちの他方と、第1楔部材、第2楔部材、又は第3楔部材31との間に配置されている。
絶縁物本体37と第1拡張部38とは、1部品として構成されている。第2拡張部39は、絶縁物本体37とは別部品で構成されている。即ち、実施の形態10の絶縁物36は、2分割構造となっている。また、絶縁物本体37と第2拡張部39とは、例えば接着により一体化されている。第1拡張部38と第2拡張部39との間には、回転子コア11の軸方向に沿ってバー収容溝36aが設けられている。他の構成及び改修方法は、実施の形態9と同様である。
このような絶縁物36では、絶縁物本体37に切削加工を施して絶縁物本体37の厚さを調整した後、絶縁物本体37と第2拡張部39とを一体化することができる。これにより、絶縁物本体37の切削作業を容易に行うことができ、絶縁物本体37の厚さ調整を容易に行うことができる。
また、部品点数が実施の形態9よりも少ないため、組み立て作業が容易になる。
なお、実施の形態2~8の絶縁物本体32aと一方の拡張部32bとを、別部品で構成し、一体化してもよい。
実施の形態11.
次に、図25は、この発明の実施の形態11による回転電機の回転子の要部を示す横断面図である。また、図26は、図25の絶縁物を示す斜視図である。また、図27は、図25のダンパーバーを示す斜視図である。
実施の形態11の絶縁物41は、絶縁物本体42と、拡張部43とを有している。拡張部43は、一対の段部11eのうちの一方と、第1楔部材、第2楔部材、又は第3楔部材31との間に配置されている。拡張部43は、回転子コア11の周方向の絶縁物本体42の一側のみに設けられている。絶縁物本体42と拡張部43とは、1部品として構成されている。
実施の形態11のダンパーバー44は、ダンパーバー本体44aと、厚肉部44bとを有している。ダンパーバー本体44aは、絶縁物本体42と、第1楔部材、第2楔部材、又は第3楔部材31との間に配置されている。
厚肉部44bは、一対の段部11eのうちの他方と、第1楔部材、第2楔部材、又は第3楔部材31との間に配置されている。回転子コア11の半径方向の厚肉部44bの厚さ寸法t5は、回転子コア11の半径方向のダンパーバー本体44aの厚さ寸法t4よりも大きい。
ダンパーバー44全体の断面積は、実施の形態1のダンパーバー14の断面積と同等である。ダンパーバー本体44aの厚さ寸法は、実施の形態1のダンパーバー14の厚さ寸法よりも小さい。他の構成及び改修方法は、実施の形態1と同様である。
このような構成では、拡張部43が絶縁物本体42の片側のみに設けられているので、絶縁物本体37の切削作業を容易に行うことができ、絶縁物本体37の厚さ調整を容易に行うことができる。
また、ダンパーバー44について、一定の断面積を確保しようとした場合、厚肉部44bの分だけ、ダンパーバー本体44aの厚さ寸法を小さくすることができる。これにより、界磁巻線12の総断面積をさらに増大させ、損失をさらに低減することができる。
なお、実施の形態11の絶縁物41に、実施の形態2、3又は7に示したような逃がし溝を設けてもよい。
また、実施の形態11の絶縁物41に、実施の形態4又は8に示したような拡張部のない部分を存在させてもよい。
また、実施の形態11の絶縁物本体42と拡張部43とを、別部品で構成し、一体化させてもよい。
実施の形態12.
次に、図28は、この発明の実施の形態12による回転電機の回転子の要部を示す横断面図である。実施の形態12の絶縁物46は、絶縁物本体46aと、一対の拡張部46bとを有している。絶縁物本体46aの界磁巻線12とは反対側の面には、断面円弧状の凸部46cが形成されている。
一対の拡張部46bは、回転子コア11の周方向の絶縁物本体46aの両端部から、第1楔部材、第2楔部材、又は第3楔部材31に近付く方向へ斜めに突出している。また、一対の拡張部46bは、回転子コア11の周方向のダンパーバー45の両端部に接している。
ダンパーバー45には、断面円弧状の凹部45aが形成されている。組み付け初期は、一対の拡張部46bがダンパーバー45と接触する。その後、運転中の遠心力が絶縁物46に加わると、凸部46cが凹部45aに接触する。
回転子コア11の周方向のダンパーバー45の寸法は、同方向の絶縁物本体46aの寸法よりも大きくなっている。他の構成及び改修方法は、実施の形態1と同様である。
このような構成では、一対の拡張部46bが絶縁物本体46aから斜めに突出している。このため、回転子コア11の周方向のダンパーバー45の寸法を、同方向の絶縁物本体46aの寸法よりも大きくすることができる。
これにより、ダンパーバー45について、一定の断面積を確保しようとした場合、ダンパーバー45の厚さ寸法を小さくすることができる。これにより、界磁巻線12の総断面積をさらに増大させ、損失をさらに低減することができる。
なお、実施の形態12について、ダンパーバーに凸部を形成し、絶縁物本体に凹部を形成してもよい。
また、実施の形態1~12で示したような絶縁物は、必ずしも全ての薄型の楔部材の下に配置しなくてもよい。例えば、実施の形態1~12で示したような絶縁物と、図8に示したような絶縁物13とを、混合して用いてもよい。
また、上記実施の形態1~12では、発電機について説明したが、この発明は、発電機に限定されず、電動機、発電電動機等の回転電機に適用できる。
3 回転子、11 回転子コア、11a スロット、11b 巻線挿入部、11c 拡幅部、11e 段部、12 界磁巻線(回転子巻線)、13 既設の絶縁物、14,44,45 ダンパーバー、15 既設の第1楔部材、16 既設の第2楔部材、17 既設の第3楔部材、30 空間、31 薄型の第3楔部材、32,33,36,41,46 絶縁物、32a,34,37,42,46a 絶縁物本体、32b,35,43,46b 拡張部、32d,32e,32g 逃がし溝、38 第1拡張部、39 第2拡張部、44a ダンパーバー本体、44b 厚肉部、45a 凹部、46c 凸部。

Claims (12)

  1. スロットが設けられている回転子コア、
    前記スロットに挿入されている回転子巻線、
    前記回転子巻線に対して前記回転子コアの半径方向外側で前記スロットに挿入されており、導電性を有しているダンパーバー、
    前記回転子巻線と前記ダンパーバーとの間に配置されており、前記回転子巻線と前記ダンパーバーとの間を電気的に絶縁する絶縁物、及び
    前記ダンパーバーに対して前記回転子コアの半径方向外側で前記スロットに挿入されており、前記回転子巻線、前記絶縁物、及び前記ダンパーバーを前記スロット内に保持する楔部材
    を備え、
    前記回転子コアの軸線に直交する断面を見たとき、
    前記スロットは、前記回転子巻線が挿入されている巻線挿入部と、前記楔部材の前記ダンパーバー側の端部が配置されている拡幅部とを有しており、
    前記拡幅部の幅寸法は、前記巻線挿入部の幅寸法よりも大きくなっており、
    前記巻線挿入部の前記拡幅部側の端部の両側には、一対の段部が形成されており、
    前記楔部材は、前記一対の段部に間隔をおいて対向しており、
    前記絶縁物は、前記回転子巻線と前記ダンパーバーとの間に配置されている絶縁物本体と、前記楔部材と前記一対の段部との間の空間の少なくとも一部に配置されており、前記回転子コアの周方向への前記ダンパーバーの移動を抑制する拡張部とを有しており、
    前記段部と前記楔部材との間の距離をL1、前記回転子コアの半径方向の前記拡張部の厚さ寸法をt1としたとき、
    L1>t1であり、
    前記回転子コアの半径方向の前記ダンパーバーの厚さ寸法をt4、前記拡張部の、前記絶縁物本体よりも前記回転子コアの半径方向外側に位置する部分の厚さ寸法をt2としたとき、
    t4>t2であり、(L1-t1)<t4である回転電機の回転子。
  2. 記巻線挿入部と前記拡幅部との境界から前記回転子巻線までの距離をL2、前記絶縁物本体の、前記拡張部よりも前記回転子コアの半径方向内側に位置する部分の厚さ寸法をt3としたとき、L2<t3である請求項1記載の回転電機の回転子。
  3. 前記絶縁物本体の前記楔部材に対向する面の前記拡張部との境界部分には、前記回転子コアの軸方向に沿って逃がし溝が設けられている請求項1又は請求項2に記載の回転電機の回転子。
  4. 前記逃がし溝が前記拡張部に入り込んでおり、
    前記逃がし溝の底面と、前記絶縁物本体の前記ダンパーバーに接触する面との間には、傾斜面が形成されており、
    前記逃がし溝の前記拡張部に入り込んでいる部分の前記底面に対向する面は、前記絶縁物本体の前記ダンパーバーに接触する面よりも、前記回転子コアの半径方向外側に位置している請求項3記載の回転電機の回転子。
  5. 前記拡張部には、前記絶縁物本体の前記ダンパーバーと接触する面上に開口している逃がし溝が設けられている請求項1又は請求項2に記載の回転電機の回転子。
  6. 前記拡張部は、前記回転子コアの軸方向の前記絶縁物の一部のみに設けられている請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の回転電機の回転子。
  7. 前記拡張部は、前記回転子コアの軸方向に断続的に設けられている請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の回転電機の回転子。
  8. 前記絶縁物本体と前記拡張部とは、別部品で構成され、一体化されている請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の回転電機の回転子。
  9. 前記拡張部は、前記一対の段部のうちの一方と前記楔部材との間に配置されている第1拡張部と、前記一対の段部のうちの他方と前記楔部材との間に配置されている第2拡張部とを有しており、
    前記絶縁物本体と前記第1拡張部とは、1部品として構成されており、
    前記第2拡張部は、前記絶縁物本体とは別部品で構成され、前記絶縁物本体と一体化されている請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の回転電機の回転子。
  10. 前記拡張部は、前記一対の段部のうちの一方と前記楔部材との間に配置されており、
    前記ダンパーバーは、前記絶縁物本体と前記楔部材との間に配置されているダンパーバー本体と、前記一対の段部のうちの他方と前記楔部材との間に配置されている厚肉部とを有しており、
    前記回転子コアの半径方向の前記厚肉部の厚さ寸法は、前記回転子コアの半径方向の前記ダンパーバー本体の厚さ寸法よりも大きい請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の回転電機の回転子。
  11. 前記拡張部は、前記絶縁物本体から前記楔部材へ近付く方向へ斜めに突出し、前記回転子コアの周方向の前記ダンパーバーの両端部に接している一対の拡張部を有しており、
    前記絶縁物本体及び前記ダンパーバーのいずれか一方に、断面円弧状の凸部が形成されており、
    前記絶縁物本体及び前記ダンパーバーの他方に、前記凸部が接触する断面円弧状の凹部が形成されている請求項1記載の回転電機の回転子。
  12. スロットが設けられている回転子コア、
    前記スロットに挿入されている回転子巻線、
    前記回転子巻線に対して前記回転子コアの半径方向外側で前記スロットに挿入されており、導電性を有しているダンパーバー、
    前記回転子巻線と前記ダンパーバーとの間に配置されており、前記回転子巻線と前記ダンパーバーとの間を電気的に絶縁する既設の絶縁物、及び
    前記ダンパーバーに対して前記回転子コアの半径方向外側で前記スロットに挿入されており、前記回転子巻線、前記既設の絶縁物、及び前記ダンパーバーを前記スロット内に保持する既設の楔部材
    を備えている回転電機の回転子の改修方法であって、
    前記既設の楔部材を薄型の楔部材と交換し、前記既設の絶縁物を新たな絶縁物に交換し、前記スロットにおける前記回転子巻線の総断面積を増大させる工程を含み、
    前記新たな絶縁物は、前記回転子巻線と前記ダンパーバーとの間に配置されている絶縁物本体と、前記既設の楔部材を前記薄型の楔部材と交換することにより前記スロット内に生じる空間に配置され、前記回転子コアの周方向への前記ダンパーバーの移動を抑制する拡張部とを有している回転電機の回転子の改修方法。
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