JP7128051B2 - インク収納容器及びインクカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、インク収納容器及びインクカートリッジに関する。
印刷装置は、例えば、インクを供給するためのインクカートリッジが装着され、インクカートリッジからインクが印刷機構へと供給され、記録媒体に印刷を行う。インクカートリッジにおいて、インクは容器に収納され、容器に設けられる導出口からインクが印刷機構へと排出される。
インクを収納する容器には、例えば、可撓性容器が用いられる。可撓性容器は、内部のインクの残量にあわせて変形可能であるため、容器からインクを排出した後に容器中のインク残量を減らすことができる。この可撓性容器は、段ボール製等の外装材に内包されて、インクカートリッジとして提供される。
可撓性容器の一例には、可撓性フィルムを用いたものがある。
特許文献1には、一対の可撓性フィルムの外周縁どうしを熱溶着した可撓性袋体と、一対の可撓性フィルムの外周縁間に配置され、可撓性袋体の内部と外部を連通する導出口が貫設された筒状の導出部材とを有する液体収納容器が開示されている。特許文献1では、導出部材が配置される周囲の一対の可撓性フィルムを直接溶着する補強溶着部を形成することで、可撓性袋体に外力が加わっても可撓性袋体に損傷や座屈を生じにくくすることが提案されている。
特開2015-16899号公報
可撓性容器は、インクと直接接触するため、インクを変質させる可能性がある。また、可撓性を有する材料は、インク成分と構造が似ているものが多く、インクを変質させやすい問題がある。
可撓性容器に収納されるインク全体に対して可撓性容器の内壁が接触する影響は少ない。しかし、可撓性容器が折り畳まれる等して可撓性容器の内壁間の距離が短くなって、少量のインクが可撓性容器の内壁によって挟まれる部分では、局所的にインクが可撓性容器によって変質することが問題になる。
インクが変質することで、インクに凝集物が発生すること、インクの粘度が変化すること等が問題になる。さらに、インクに発生した凝集物は、印刷機構において印刷不良の原因になる。
本発明の一目的としては、可撓性のインク収納容器内でインクの変質を防止することである。
本発明の一実施形態としては、油性インクと、前記油性インクを収納する可撓性容器とを備え、前記油性インクは、シリコーンオイル、及び少なくとも1つの側鎖を有し、1分子中の側鎖の炭素数の合計が4以上である脂肪酸エステル系溶剤のうち少なくとも一方と、色材とを含み、前記シリコーンオイル、及び前記少なくとも1つの側鎖を有し、1分子中の側鎖の炭素数の合計が4以上である脂肪酸エステル系溶剤の合計量がインク全量に対して10質量%以上である、インク収納容器である。
本発明の他の実施形態としては、上記インク収納容器を備える、インクカートリッジである。
本発明の一実施形態によれば、可撓性のインク収納容器内でインクの変質を防止することができる。
図1は、印刷装置の一実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。 図2は、インク収納容器の一実施形態の斜視図である。 図3は、インク収納容器の一実施形態の平面図である。
以下、本発明を一実施形態を用いて説明する。以下の実施形態における例示が本発明を限定することはない。
一実施形態によるインク収納容器としては、油性インクと、油性インクを収納する可撓性容器とを備え、油性インクは、シリコーンオイル、及び少なくとも1つの側鎖を有し、1分子中の側鎖の炭素数の合計が4以上である脂肪酸エステル系溶剤のうち少なくとも一方と、色材とを含み、シリコーンオイル、及び少なくとも1つの側鎖を有し、1分子中の側鎖の炭素数の合計が4以上である脂肪酸エステル系溶剤の合計量がインク全量に対して10質量%以上である、ことを特徴とする。
以下、少なくとも1つの側鎖を有し、1分子中の側鎖の炭素数の合計が4以上である脂肪酸エステル系溶剤を脂肪酸エステル系溶剤Eとも記す。
これによれば、可撓性のインク収納容器内でインクの変質を防止することができる。
可撓性容器にインクを収納する場合に、可撓性容器の材料とインクの溶剤とが分子構造上似ていると、可撓性容器に溶剤がより吸収されやすくなる。可撓性容器の材料としては、適度な可撓性を備えるため、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の樹脂を好ましく用いることができる。しかし、これらの樹脂は、インクの溶剤と親和性が比較的に高いため、これらの樹脂製の容器は特にインクの溶剤を吸収しやすい性質がある。
可撓性容器がインクの溶剤を吸収すると、相対的にインクの顔料等の固形物の濃度が高くなる。この濃度変化は、インク収納容器内全体では大きな問題にならない。可撓性容器の隅が折り込まれること、又は可撓性容器内のインク残量が少なくなること等で、可撓性容器の内壁間の距離が短くなる箇所がある。この可撓性容器で少量のインクが挟み込まれた箇所では、可撓性容器の表面積に対してインク量が少なく、可撓性容器に吸収される溶剤の量が相対的に多くなって、インク中の固形物の濃度が高くなり、固形物が凝集物として析出することがある。この凝集物がインクに含まれると、インクの搬送経路、インクジェットノズル等のインク吐出口等において目詰まりの原因となる。
一実施形態では、シリコーンオイル及び脂肪酸エステル系溶剤Eのうち少なくとも一方がインク全量に対して10質量%以上でインクに含まれることで、可撓性容器への溶剤の吸収を抑制するように作用して、上記の問題を解決することができる。
シリコーンオイルは、比較的に低表面張力であるため、可撓性容器の表面をコーティングする性質を備える一方で、可撓性容器の材料とは構造が異なるため、可撓性容器に吸収されにくい性質を備える。そのため、シリコーンオイルを配合することで、シリコーンオイル自体とともに、その他のインク成分が可撓性容器に吸収されないように作用すると考えられる。
脂肪酸エステル系溶剤Eは、分子構造上嵩高くなっているため、可撓性容器に吸収されにくい性質を備える。このため、その他のインク成分が容器に吸収されたとしても、脂肪酸エステル系溶剤Eは吸収されないで残るため、顔料等の固形物が一定以上の濃度になることを防ぎ、異物の発生を抑えることができる。
(油性インク)
インクは、色材を含むことができる。色材としては、顔料、染料、又はこれらの組み合わせを用いることができる。
顔料は、インク収納容器内で顔料濃度が高くなると、凝集物となることがある。染料は、インク収納容器内で染料濃度が高くなると、インク全体の粘性が高くなり、さらには粘稠体となることがある。このような問題に対して、シリコーンオイル及び/又は脂肪酸エステル系溶剤Eをインクに好ましく配合することができる。
顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料、染付レーキ顔料等の有機顔料;及び、カーボンブラック、金属酸化物等の無機顔料を用いることができる。アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、銅フタロシアニン顔料等の金属フタロシアニン顔料、及び無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの顔料は単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
インク中における顔料粒子の平均粒子径は、吐出安定性と保存安定性の観点から、動的光散乱法により測定した粒度分布における体積基準の平均値として、300nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以下であり、さらに好ましくは150nm以下である。
顔料は、インク全量に対し、通常0.01~20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から、1~15質量%であることが好ましく、4~10質量%であることが一層好ましい。
インク中で顔料を安定して分散させるために、顔料とともに顔料分散剤を用いることができる。
顔料分散剤としては、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、ビニルピロリドンと長鎖アルケンとの共重合体、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリエステルポリアミン等が好ましく用いられる。
顔料分散剤の市販品例としては、例えば、アイ・エス・ピー・ジャパン株式会社製「アンタロンV216(ビニルピロリドン・ヘキサデセン共重合体)、V220(ビニルピロリドン・エイコセン共重合体)」(いずれも商品名);日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース13940(ポリエステルアミン系)、16000、17000、18000(脂肪酸アミン系)、11200、24000、28000」(いずれも商品名);BASFジャパン株式会社製「エフカ400、401、402、403、450、451、453(変性ポリアクリレート)、46、47、48、49、4010、4055(変性ポリウレタン)」(いずれも商品名);楠本化成株式会社製「ディスパロンKS-860、KS-873N4(ポリエステルのアミン塩)」(いずれも商品名);第一工業製薬株式会社製「ディスコール202、206、OA-202、OA-600(多鎖型高分子非イオン系)」(いずれも商品名);ビックケミー・ジャパン株式会社製「DISPERBYK2155、9077」(いずれも商品名);クローダジャパン株式会社製「HypermerKD2、KD3、KD11、KD12」(いずれも商品名)等が挙げられる。
顔料分散剤は、顔料を十分にインク中に分散可能な量であれば足り、適宜設定できる。例えば、質量比で、顔料1に対し顔料分散剤を0.1~5で配合することができ、好ましくは0.1~1である。また、顔料分散剤は、インク全量に対し、0.01~10質量%で配合することができ、好ましくは0.01~6質量%であり、より好ましくは0.1~6質量%である。
染料としては、当該技術分野で一般に用いられているものを任意に使用することができる。油性インクでは、染料は、インクの非水系溶剤に親和性を示すことで、貯蔵安定性がより良好となるため、油溶性染料を用いることが好ましい。
油溶性染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料等を挙げることができる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用してもよい。
染料は、インク全量に対し、通常0.01~20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から、1~15質量%であることが好ましく、4~10質量%であることが一層好ましい。
シリコーンオイルには、1分子内にケイ素原子及び炭素原子を有し、23℃において液体状の化合物を用いることができる。
シリコーンオイルとしては、シリル基を有する化合物、シリルオキシ基を有する化合物、シロキサン結合を有する化合物等を用いることができ、特にポリシロキサン化合物を好ましく用いることができる。
シリコーンオイルとしては、例えば、鎖状シリコーンオイル、環状シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等を用いることができる。
鎖状シリコーンオイルは、ケイ素数が2~30の鎖状ポリシロキサンであることが好ましくい。鎖状シリコーンオイルのケイ素数は、より好ましくは2~20であり、さらに好ましくは3~10である。
鎖状シリコーンオイルとしては、例えば、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、ドコサメチルデカシロキサン等の直鎖ジメチルシリコーンオイル、メチルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、テトラキス(トリメチルシロキシ)シラン等の分岐ジメチルシリコーンオイル等が挙げられる。
環状シリコーンオイルとしては、ケイ素数が5~9の環状ポリシロキサンであることが好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルシクロオクタシロキサン、オクタデカメチルシクロノナシロキサン等の環状ジメチルシリコーンオイルを好ましく用いることができる。
変性シリコーンオイルとしては、鎖状又は環状のジメチルシリコーンオイルの一部のケイ素原子に各種有機基を導入したシリコーンオイルを用いることができる。変性シリコーンオイルとしては、全てのケイ素原子が炭素原子またはシロキサン結合の酸素原子のいずれかとのみ結合していることが好ましい。変性シリコーンオイルとしては、非反応性シリコーンオイルであることが好ましい。変性シリコーンオイルとしては、その構成原子がケイ素原子、炭素原子、酸素原子、水素原子のみからなることが好ましい。
変性シリコーンオイルとしては、例えば、アルキル変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイルやアラルキル変性シリコーンオイル等のアリール変性シリコーンオイル、カルボン酸エステル変性シリコーンオイル、アルキレン変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル等が挙げられる。好ましくは、アルキル変性シリコーンオイル、カルボン酸エステル変性シリコーンオイルであり、より好ましくはアルキル変性シリコーンオイルである。
変性シリコーンオイルとしては、ケイ素数が2~20であることが好ましく、2~10がより好ましく、2~6がさらに好ましく、2~6が一層好ましい。
変性シリコーンオイルの一例には、1分子中のケイ素数が2~6であり、ケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基を有するシリコーンオイルが含まれる。以下、このシリコーンオイルを変性シリコーンオイルSとも記す。
変性シリコーンオイルSは、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基として、下記の(A)~(D)からなる群から選択される1種以上を有することができる。
(A)炭素数4以上のアルキル基。
(B)炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基。
(C)炭素数6以上の芳香環含有基。
(D)炭素数4以上のアルキレン基。
変性シリコーンオイルSは、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる炭素数及び酸素数の合計が4~20が好ましく、4~16がより好ましく、6~12がさらに好ましい。
変性シリコーンオイルSの1分子中に炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基が2個以上含まれる場合は、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基の炭素数及び酸素数の合計は、2個以上の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基の炭素数及び酸素数の合計である。
変性シリコーンオイルSには、炭素数4以上のアルキル基が含まれることが好ましい。変性シリコーンオイルSにおいて、炭素数4以上のアルキル基は、直鎖または分岐鎖を有してもよく、鎖状または脂環式であってもよい。このアルキル基の炭素数は、4以上が好ましく、より好ましくは6以上、さらに好ましくは8以上である。このアルキル基の炭素数は、20以下が好ましく、より好ましくは16以下、さらに好ましくは12以下である。
炭素数4以上のアルキル基は、例えば、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、エイコシル基等を挙げることができる。
好ましくは、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基である。
変性シリコーンオイルSの一例には、下記一般式(X)で表される化合物であるシリコーンオイルが含まれる。
Figure 0007128051000001
一般式(X)において、Rは、酸素原子、又はケイ素原子に炭素結合が直接結合する2価の有機基であり、Rは、それぞれ独立的に、ケイ素原子に炭素結合が直接結合する1価の有機基であり、m及びnは、それぞれ独立的に、0~4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0~2の整数であり、1分子中のケイ素数が2~6であり、R及びRのうち少なくとも1個は、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基であり、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる酸素数及び炭素数の合計が4~20である。
一般式(X)において、Rは、酸素原子、又は炭素数及び酸素数の合計が4以上である2価の有機基であり、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、又は炭素数及び酸素数の合計が4以上である1価の有機基であることが好ましい。
好ましくは、一般式(X)において、Rは、酸素原子、又は炭素数4以上のアルキレン基であり、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、炭素数4以上のアルキル基、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基、又は炭素数6以上の芳香環含有基であり、R及びRのうち少なくとも1個は、炭素数4以上のアルキレン基、炭素数4以上のアルキル基、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基、及び炭素数6以上の芳香環含有基からなる群から選択され、1分子中の炭素数4以上のアルキレン基、炭素数4以上のアルキル基、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基、及び炭素数6以上の芳香環含有基に含まれる酸素数及び炭素数の合計が4~20である。
より好ましくは、一般式(X)において、Rが酸素原子であり、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、又は炭素数4以上のアルキル基であり、Rのうち少なくとも1個は、炭素数4以上のアルキル基であり、1分子中の炭素数4以上のアルキル基に含まれる酸素数及び炭素数の合計が4~20である。
上記した変性シリコーンオイルSは、これに限定されないが、以下の方法によって製造することができる。
例えば、シロキサン原料と、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基とともに反応性基を有する反応性化合物とを、有機溶媒中で反応させることで、変性シリコーンオイルSを得ることができる。シロキサン原料と反応性化合物とは、シロキサン原料の反応性基と反応性化合物の反応性基とがモル比で1:1~1:1.5で反応させることが好ましい。また、反応に際し、0価白金のオレフィン錯体、0価白金のビニルシロキサン錯体、2価白金のオレフィン錯体ハロゲン化物、塩化白金酸等の白金触媒等の触媒を好ましく用いることができる。
シロキサン原料としては、例えば、1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,3,5,7,7,7-ノナメチルテトラシロキサン、1,1,1,3,3,5,7,7,9,9,9-ウンデカメチルペンタシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9-デカメチルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-(トリメチルシリルオキシ)トリシロキサン、1,1,1,5,5,5-ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,5,5-ペンタメチル-3-(ジメチルシリルオキシ)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11-ドデカメチルヘキサシロキサン、1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-(トリメチルシリルオキシ)トリシロキサン等を用いることができる。
反応性化合物は反応性基として炭素二重結合を有することが好ましい。
変性シリコーンオイルSにアルキル基を導入するためには、反応性化合物として、1-ブテン、2-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、2-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセン、1-ヘキサデセン、1-エイコセン等の炭素数が4以上であるアルケン等を用いることができる。
また、アルケンの他にも、ビニルシクロヘキサン等のエチレン性不飽和2重結合を有する脂環式炭化水素基を用いることができる。
変性シリコーンオイルSにエステル結合含有基を導入するためには、反応性化合物として、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソブタン酸ビニル、ペンタン酸ビニル、ピバル酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘプタン酸ビニル、2-エチルヘキサン酸ビニル、オクタン酸ビニル、イソオクタン酸ビニル、ノナン酸ビニル、デカン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、エイコ酸ビニル、ヘキサン酸アリル等の炭素数及び酸素数の合計が6以上である脂肪酸ビニル又は脂肪酸アリル化合物等を用いることができる。
変性シリコーンオイルSに芳香環含有基を導入するためには、反応性化合物として、スチレン、4-メチルスチレン、2-メチルスチレン、4-tert-ブチルスチレン、アリルベンゼン、1-アリルナフタレン、4-フェニル-1-ブテン、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン、1-ビニルナフタレン、α-メチルスチレン、2-メチル-1-フェニルプロペン、1,1-ジフェニルエチレン、トリフェニルエチレン、2,4,6-トリメチルスチレン、シス-β-メチルスチレン、トランス-β-メチルスチレン、3-フェニル-1-プロペン等のビニル結合と炭素数6以上の芳香環とを有するアリール化合物等を用いることができる。
変性シリコーンオイルSにアルキレン基を導入するためには、反応性化合物として、1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,6-ヘプタジエン、1,7-オクタジエン、1,8-ノナジエン、1,9-デカジエン、1,11-ドデカジエン、1,10-ウンデカジエン、1,13-テトラデカジエン、ヘキサデカジエン、エイコサジエン等の炭素数が4以上であるジエン化合物等を用いることができる。
シリコーンオイルとしては、例えば、信越化学工業株式会社製「KF-96L-5CS」、「KF-96A-6CS」、「KF-96-10CS」、「KF-56A」;東レ・ダウコーニング株式会社製「DC246Fluid」、「FZ-3196」;東京化成工業株式会社製「1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-フェニル-3-(トリメチルシリルオキシ)トリシロキサン」、「ヘキサメチルシクロトリシロキサン」、「オクタメチルシクロテトラシロキサン」、「デカメチルシクロペンタシロキサン」、「ドデカメチルシクロヘキサシロキサン」等の市販品を用いてもよい。
インクは、少なくとも1つの側鎖を有し、1分子中の側鎖の炭素数の合計が4以上である脂肪酸エステル系溶剤(脂肪酸エステル系溶剤E)を含むことができる。
脂肪酸エステル系溶剤Eの一例には、下記一般式(1)で表される化合物が含まれる。
-COO-R 一般式(1)
一般式(1)において、R及びRはそれぞれ独立的にアルキル基であり、R及びRのうち少なくとも一方のアルキル基は少なくとも1つの側鎖を有する分岐アルキル基であり、1分子中の側鎖の炭素数の合計が4以上である。
及びRのうち一方が直鎖アルキル基であり、R及びRのうち他方が分岐アルキル基であってもよい。また、R及びRの両方が分岐アルキル基であってもよい。
ここで、R及びRの主鎖は、それぞれエステル結合部「-COO-」に結合する炭素原子から数えて最も炭素数が多くなる炭素鎖である。このR及びRの主鎖から分岐する炭素鎖を側鎖とする。R及び/又はRが側鎖を有する場合、それぞれの側鎖は直鎖状でも分岐状でもよい。また、R及びRにおいて、それぞれエステル結合部に結合する炭素原子から数えて最も炭素数が多くなる炭素鎖が複数存在する場合、側鎖の炭素数が最も多くなるものを主鎖とする。
また、R及びRにおいて、それぞれエステル結合部に結合する炭素原子から数えて最も炭素数が多くなる炭素鎖が複数存在し、複数の炭素鎖に含まれる側鎖の炭素数が同じである場合、側鎖の数が最も少なくなるものを主鎖とする。
脂肪酸エステル系溶剤Eにおいて、1分子中の側鎖の炭素数の合計は4以上が好ましく、4~12がより好ましく、4~10がさらに好ましく、4~8が一層好ましい。
1分子中には、側鎖が1つ又は2つ以上含まれてもよい。1分子中に2つ以上の側鎖が含まれる場合は、1分子中の側鎖の炭素数の合計は、2つ以上の側鎖の炭素数の合計になる。
1つの側鎖は、炭素数1以上であってもよく、炭素数2以上が好ましく、炭素数3以上がより好ましく、炭素数4以上がさらに好ましい。これによって、脂肪酸エステル系溶剤Eの立体障害によって可撓性容器への溶剤の吸収を抑制することができる。
また、1つの側鎖は、特に制限されず、炭素数12以下であってよく、炭素数10以下が好ましく、炭素数8以下がより好ましい。
1つの側鎖は、さらに分岐し側鎖を有していてもよい。
脂肪酸エステル系溶剤Eの側鎖としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等を挙げることができる。
好ましくは、n-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基であり、より好ましくはn-ブチル基、ヘキシル基である。
及びRのうち少なくとも一方が分岐アルキル基である場合、分岐アルキル基の主鎖の炭素数は、それぞれ独立的に、6以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。
分岐アルキル基の主鎖の炭素数は、それぞれ独立的に、13以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましい。
分岐アルキル基の全体の炭素数は、4~30が好ましく、6~20がより好ましく、8~18がさらに好ましい。
及びRのうち一方が直鎖アルキル基である場合、直鎖アルキル基の全体の炭素数は、1~30が好ましく、6~20がより好ましく、8~18がさらに好ましい。
及びRの側鎖の炭素数及び主鎖の炭素数は、互いの主鎖の長さ、側鎖の炭素数、脂肪酸エステル系溶剤全体の炭素数に応じて調節されるものである。
脂肪酸エステル系溶剤Eの1分子中の炭素数は、6以上であることが好ましく、8以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、16以上が一層好ましい。これによって、適当な長さの側鎖を備えることができ、可撓性容器へのインク成分の吸収をより抑制することができる。
また、脂肪酸エステル系溶剤の1分子中の炭素数は、40以下であることが好ましく、30以下がより好ましく、25以下がさらに好ましく、23以下が一層好ましい。高炭素数になると高粘度となることがあるため、脂肪酸エステル系溶剤の炭素数がこの範囲であることで、インクを低粘度化して、吐出性能をより改善することができる。
脂肪酸エステル系溶剤Eの具体例としては、例えば、酢酸1-ブチルヘキシル、ヘプタン酸2-ヘキシルデシル、オクタン酸2-ブチルオクチル、オクタン酸1-ヘキシルオクチル、オクタン酸2-ヘキシルデシル、2-エチルヘキサン酸2-エチルヘキシル、2-エチルヘキサン酸2-ヘキシルデシル、ノナン酸2-ブチルオクチル、ノナン酸1-ヘキシルオクチル、デカン酸1-ブチルヘキシル、デカン酸2-ブチルオクチル、デカン酸2-オクチルドデシル、2-ブチルオクタン酸ヘキシル、2-ブチルオクタン酸オクチル、2-ブチルオクタン酸2-エチルヘキシル、2-ブチルオクタン酸ノニル、2-ブチルオクタン酸デシル、2-ブチルオクタン酸1-ブチルヘキシル、2-ヘキシルデカン酸ヘキシル等を挙げることができる。
これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪酸エステル系溶剤Eは、これに限定されないが、以下の方法によって製造することができる。
脂肪酸エステル系溶剤Eは、脂肪酸とアルコールとを反応させて得ることができる。原料の脂肪酸及びアルコールのうち少なくとも一方に側鎖を有するものを用いる。また、脂肪酸エステル系溶剤Eのアルコール部分に側鎖を導入するために、炭素数3以上の2級アルコールを用いることができる。
反応温度は、脂肪酸及びアルコールの種類に応じて80~230℃の範囲で調節することができる。反応時間は、脂肪酸及びアルコールの種類や、原料の使用量に応じて1~48時間の範囲で調節することができる。エステル化反応に際して生成する水分を除去することが好ましい。
脂肪酸とアルコールとは、モル比で1:1で反応させることが好ましい。
反応に際して、濃硫酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒を適量で用いてもよい。
原料となる側鎖を有する脂肪酸としては、例えば、2-エチルヘキサン酸、2-ブチルオクタン酸、2-ヘキシルデカン酸、2-オクチルドデカン酸等を挙げることができる。
原料となる直鎖脂肪酸としては、例えば、酢酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸等を挙げることができる。
原料となる側鎖を有するアルコールとしては、例えば、2-エチルヘキサノール、2-ブチル-1-オクタノール、2-ヘキシル-1-デカノール、2-オクチル-1-ドデカノール等を挙げることができる。
原料となる2級アルコールとしては、例えば、5-デカノール、7-テトラデカノール等を挙げることができる。
原料となる直鎖アルコールとしては、例えば、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール、1-ウンデカノール、1-ドデカノール等を挙げることができる。
シリコーンオイル及び脂肪酸エステル系溶剤Eの合計量は、インク全量に対して、10質量%以上が好ましく、より好ましくは20質量%以上である。これらの溶剤が10質量%以上で含まれることで、可撓性容器へのインク成分の吸収を抑制することができる。
さらに、シリコーンオイル及び脂肪酸エステル系溶剤Eの合計量は、インク全量に対して、50質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよい。これらの溶剤は高価であるためその配合量を制限してもよいが、多量に含まれる場合でも上記の効果を得ることができる。
シリコーンオイル及び脂肪酸エステル系溶剤Eの合計量は、特に制限されないが、その他の成分との配合割合から、インク全量に対して、98質量%以下であってもよく、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。
非水系溶剤全量に対し、シリコーンオイル及び脂肪酸エステル系溶剤Eの合計量は、10~100質量%で含まれてよく、20~90質量%で含まれてもよい。
シリコーンオイルと脂肪酸エステル系溶剤Eとは、質量比で、0:100~100:0であってもよく、30:70~70:30であってもよく、40:60~60:40であってもよい。
シリコーンオイルは、インク全量に対して、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。また、脂肪酸エステル系溶剤Eは、インク全量に対して、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。
シリコーンオイル及び脂肪酸エステル系溶剤Eを併用する場合は、シリコーンオイル及び脂肪酸エステル系溶剤Eの合計量がインク全量に対して10質量%以上となる範囲で、シリコーンオイル及び脂肪酸エステル系溶剤Eのうち少なくとも一方は、インク全量に対して1質量%以上であってよく、3質量%以上であってもよく、好ましくは5質量%以上である。
インクには、その他の非水系溶剤が含まれてもよい。
その他の非水系溶剤としては、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤のいずれも使用できる。なお、一実施形態において、非水系溶剤には、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合しない非水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
非極性有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の石油系炭化水素溶剤を好ましく挙げることができる。
脂肪族炭化水素溶剤及び脂環式炭化水素溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の非水系溶剤を挙げることができる。市販品としては、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、カクタスノルマルパラフィンN-10、カクタスノルマルパラフィンN-11、カクタスノルマルパラフィンN-12、カクタスノルマルパラフィンN-13、カクタスノルマルパラフィンN-14、カクタスノルマルパラフィンN-15H、カクタスノルマルパラフィンYHNP、カクタスノルマルパラフィンSHNP、アイソゾール300、アイソゾール400、テクリーンN-16、テクリーンN-20、テクリーンN-22、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(いずれもJXTGエネルギー株式会社製);アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(いずれもエクソンモービル社製);モレスコホワイトP-40、モレスコホワイトP-60、モレスコホワイトP-70、モレスコホワイトP-80、モレスコホワイトP-100、モレスコホワイトP-120、モレスコホワイトP-150、モレスコホワイトP-200、モレスコホワイトP-260、モレスコホワイトP-350P(いずれも株式会社MORESCO製)等を好ましく挙げることができる。
芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJXTGエネルギー株式会社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれもエクソンモービル社製)等を好ましく挙げることができる。
石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることが一層好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
極性有機溶剤としては、脂肪酸エステル系溶剤E以外のその他の脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等を好ましく挙げることができる。
その他の脂肪酸エステル系溶剤としては、例えば、全体の炭素数が12以上、好ましくは16~30であって、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ヘキシル、パルミチン酸ヘキシル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、大豆油メチル、トール油メチル等の直鎖アルキル基を有する溶剤;イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、ラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、オレイン酸イソプロピル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸イソオクチル、大豆油イソブチル、トール油イソブチル、パルミチン酸イソステアリル(炭素数34)等の1分子中の側鎖の炭素数が3以下である溶剤等が挙げられる。
高級アルコール系溶剤としては、例えば、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール等の1分子中の炭素数が6以上、好ましくは12~20の高級アルコール系溶剤が挙げられる。
高級脂肪酸系溶剤としては、例えば、ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の1分子中の炭素数が12以上、好ましくは14~20の高級脂肪酸系溶剤等が挙げられる。
脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。なお、沸点が250℃以上の非水系溶剤には、沸点を示さない非水系溶剤も含まれる。
これらの非水系溶剤は、単独で使用してもよく、単一の相を形成する限り2種以上を組み合わせて用いることができる。
シリコーンオイル及び脂肪酸エステル系溶剤Eの他に、その他の非水系溶剤を用いる場合は、その他の非水系溶剤はインク全量に対して80質量%以下で配合することが好ましく、より好ましくは70質量%以下である。
上記各成分に加えて、油性インクには、本発明の効果を損なわない限り、各種添加剤が含まれていてよい。添加剤としては、ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤等を適宜添加することができる。これらの種類は、特に限定されることはなく、当該分野で使用されているものを用いることができる。
インクは、色材及び非水系溶剤を含む各成分を混合することで作製することができる。好ましくは、各成分を一括ないし分割して混合及び撹拌してインクを作製することができる。具体的には、ビーズミル等の分散機に全成分を一括又は分割して投入して分散させ、所望により、メンブレンフィルター等のろ過機を通すことにより調製できる。
一実施形態によるインクは、インクジェット印刷、オフセット印刷、孔版印刷、グラビア印刷、電子写真方式等の印刷インク全般として用いることができる。特に、可塑性容器内で凝集物の発生を防止し、吐出性能及び分散安定性が良好であるため、油性インクジェットインクとして好ましく用いることができる。
油性インクジェットインクを用いた印刷方法としては、特に限定されず、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドからインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにすることが好ましい。
油性インクジェットインクとしての粘度は、インクジェット記録システムの吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5~30mPa・sであることが好ましく、5~15mPa・sであることがより好ましく、8~13mPa・sが一層好ましい。
一実施形態において、記録媒体は、特に限定されるものではなく、普通紙、コート紙、特殊紙等の印刷用紙、布、無機質シート、フィルム、OHPシート等、これらを基材として裏面に粘着層を設けた粘着シート等を用いることができる。これらの中でも、インクの浸透性の観点から、普通紙、コート紙等の印刷用紙を好ましく用いることができる。
ここで、普通紙とは、通常の紙の上にインクの受容層やフィルム層等が形成されていない紙である。普通紙の一例としては、上質紙、中質紙、PPC用紙、更紙、再生紙等を挙げることができる。普通紙は、数μm~数十μmの太さの紙繊維が数十から数百μmの空隙を形成しているため、インクが浸透しやすい紙となっている。
また、コート紙としては、マット紙、光沢紙、半光沢紙等のインクジェット用コート紙や、いわゆる塗工印刷用紙を好ましく用いることができる。ここで、塗工印刷用紙とは、従来から凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等で使用されている印刷用紙であって、上質紙や中質紙の表面にクレーや炭酸カルシウム等の無機顔料と、澱粉等のバインダーを含む塗料により塗工層を設けた印刷用紙である。塗工印刷用紙は、塗料の塗工量や塗工方法により、微塗工紙、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙、上質コート紙、中質コート紙、アート紙、キャストコート紙等に分類される。
(インク収納容器)
一実施形態によるインク収納容器は、油性インクと、油性インクを収納する可撓性容器を備える。可撓性容器には、インクを充填又は排出するための導出口を設けることができる。
このインク収納容器は、段ボール製や樹脂製等の外装部材に内包されて、インクカートリッジとして提供することができる。インクカートリッジは、印刷装置に着脱可能に装着されて、インク収納容器から印刷装置のインク搬送経路へとインクを導出することができる。
ここで、可撓性容器は、可撓性容器の材料を、ASTM D638にしたがって弾性率を測定し、弾性率が2×10kg/cm以下となる容器を意味する。
インク収納容器の可撓性容器の一例としては、2枚の可撓性フィルムを重ねてその外周部を密閉して貼り合わせて作製することができる。密閉には、熱溶着を好ましく用いることができる。可撓性容器は、部分的に異なる材料によって形成してもよい。例えば、可撓性容器は、互いに異なる2枚の可撓性フィルムを用いて形成することができる。また、可撓性容器は、少なくとも一辺にマチが付いている形状であってもよい。
可撓性容器の材料は、SP値が7.0~9.0cal/cmが好ましい。
これによって、可撓性容器がインク成分、特に溶剤を吸収することを抑制して、可撓性容器内で顔料成分等の固形物が凝集しないようにし、固形物の発生を防止することができる。この現象は、可撓性容器の隅で可撓性容器が変形して可撓性容器の内壁の距離が短くなった箇所にインクが溜まることでより発生しやくなり、問題になる。インク収納容器内で発生した固形物は、インクカートリッジからインクジェットノズルまでの搬送経路や、インクジェットノズル部分で目詰まりし、問題になる。
ここで、SP値は、溶解度パラメーターとも称され、Fedorsの推算法により計算される値を意味する。すなわち、物質の各官能基の凝集エネルギー密度の合計ΣEcohとモル分子容の合計ΣVより、次式(1)のように定義することができる。
δ(SP値)=(ΣEcoh/ΣV)1/2・・・(1)
(「溶解性パラメーター適用事例集」(メカニズムと溶解性の評価・計算例等を踏まえて)、97~100頁、(株)情報機構、2007年3月15日発行参照)
可撓性容器は、樹脂製容器であることが好ましい。可撓性容器の材料には、ポチエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、これらの共重合体等を好ましく用いることができる。これらの樹脂は、適度な可撓性を備え、可撓性容器に圧力を付与してインクを導出口から押し出すことができ、また、可撓性容器によってインクを挟み込み押し出すことでインクを導出することができ、インク残量を少なくすることができる。
以下、一実施形態によるインク収納容器を備える印刷装置について図面を用いて説明する。
図1は、印刷装置の一例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
図1において、印刷装置100は、インクジェット方式のラインカラープリンタである。印刷装置100は、不図示であるが、装置本体1内に多数のノズルが形成されたインクヘッドを複数備え、それぞれのインクヘッドから黒又はカラーインクを吐出してライン単位で印刷を行い、搬送ベルト上の印刷用紙上に画像を形成することができる。
図1において、印刷装置100の装置本体1の上面には、カートリッジ取付機構30に、4個のインクカートリッジ200が装着される。4個のインクカートリッジ200は、着脱操作方向D2に着脱可能である。
カートリッジ取付機構30の上方を覆うように上面装置350が配設される。インクカートリッジ200の装着は、この上面装置350の下面と装置本体1の上面との間に水平方向に挿入することにより行われる。この上面装置350には、例えば、シートフィーダー(不図示)や操作パネル340などが配設される。
印刷装置100の内部には、演算処理装置330が備えられている。この演算処理装置330によって、上述したインクヘッドによる印刷処理や、搬送機構の駆動制御の他、インクカートリッジからのインク供給に関する制御が行われる。
インクカートリッジ200は、インク収納容器と、このインク収納容器を収容する直方体の外装箱とを備える。外装箱は、段ボール製や樹脂製であってよい。
図2は、図1に示すインクカートリッジ200に用いられるインク収納容器220の斜視図である。図3は、図2の平面図である。
図2において、インク収納容器220は、帯状の可撓性容器221と、可撓性容器の長手方向一方端側に取り付けられた導出部材230とを有する。
可撓性容器221は、2枚の可撓性フィルム220a、220bの外周縁が密閉された袋体である。2枚の可撓性フィルム220a、220bの外周縁は、熱溶着によって密封することができる。
導出部材230は、可撓性容器221の内部と外部を連通する導出口231を貫設した筒状の樹脂成型品である。導出部材230は、インク残量に応じた可撓性容器221の膨らみ具合に関係なく導出口231の形状が確保される剛性を備えることが好ましい。導出部材230は、導出口231を外部に出した状態で2枚の可撓性フィルム220a,220bによって挟み込まれ、導出部材230の外周面と2枚の可撓性フィルム220a,220bとは図3に示す幅Waの部分で熱溶着によって密閉されている。
導出部材230の一方端は、可撓性容器221の外側に突出している。インク収納容器220を不図示の外装箱に収容した状態では、導出部材230の一方端は外装箱の外側に露出される。そして、この導出部材230を図1に示すカートリッジ取付機構30に取り付け、インク収納容器220から印刷装置内へとインクを供給することができる。
可撓性容器220には、導出部材230の取付部分側に補強溶着部220g、220hを設けることができる。この補強溶着部220g、220hは、可撓性容器220のインクの導出方向に、可撓性容器220の胴体部から導出部材230の取付部分に向けて先細るように傾斜を付けて、2枚の可撓性フィルムを熱溶着した部分である。
インク収納容器220内のインク残量が減っていくと、導出部材230の取付部分に可撓性容器221が押し付けられるようになることで、剛性のある導出部材230によって可撓性容器221が破損する可能性があり、また、可撓性容器221が折り込まれてインクが折り込み部分に残留する可能性がある。補強溶着部220g、220hを設けることで、導出部材230の取付部分への可撓性容器220の押し付けの応力を分散することができ、上記の問題を解決することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。
「脂肪酸エステルの合成」
合成した脂肪酸エステルの処方を表1に示す。
表1に示す処方にしたがって、脂肪酸とアルコールを四つ口フラスコに入れて混合撹拌し均一な溶液を得た。四つ口フラスコにディーンスターク装置を装着し、仕込んだ原材料が反応して水が発生したら取り除けるようにした。均一な溶液が入っている四つ口フラスコにさらに触媒として硫酸を適量加え、系全体を加熱した。加熱温度は脂肪酸及びアルコールの種類に応じて80℃~230℃に設定した。加熱反応時間は1~48時間に設定した。反応後、未反応の原材料や不純物を取り除くため、得られた溶液を減圧蒸留し、脂肪酸エステルを得た。
脂肪酸とアルコールとは、モル比で1:1となるように混合した。
脂肪酸及びアルコールは、東京化成工業株式会社及びSIGMA-ALDRICH社から入手することができる。
また、市販品として以下の脂肪酸エステルを用いた。
ラウリン酸ヘキシル:1分子のC数:18、側鎖の合計C数:0、高級アルコール工業「KAK HL」。
パルミチン酸イソオクチル:1分子のC数:24,側鎖の合計C数:2、高級アルコール工業株式会社製「IOP」。
Figure 0007128051000002
「インクの作製」
インクの処方を表2、表3に示す。脂肪酸エステルについて、1分子の炭素数(C数)、側鎖の合計の炭素数(C数)を各表にそれぞれ示す。
各表に示す配合量にしたがって、顔料、顔料分散剤、及び溶剤を混合し、ビーズミル「ダイノーミルKDL-A」(株式会社シンマルエンタープライゼス製)により滞留時間15分間の条件で、十分に顔料を分散した。続いて、メンブレンフィルターで粗大粒子を除去し、インクを得た。
その他の成分は、以下の通りである。
(顔料)
カーボンブラック「MA77」:三菱ケミカル株式会社製。
カーボンブラック「NEROX500」:エボニックジャパン株式会社製。
(顔料分散剤)
ソルスパース18000:日本ルーブリゾール株式会社製、有効成分100質量%。
ソルスパース13940:日本ルーブリゾール株式会社製、有効成分40質量%。
(シリコーンオイル)
ジメチルシリコーン「KF-96L-5CS」:信越化学工業株式会社製。
アルキル変性シリコーン「FZ-3196」:東レ・ダウコーニング株式会社製。
(炭化水素溶剤)
イソパラフィン系溶剤「アイソパーM」:エクソンモービル社製。
ナフテン系溶剤「エクソールD130」エクソンモービル社製。
(インク装填)
各表に示す組み合わせで、下記インク収納容器に各インク1000mLを充填した。
インク収納容器には、図2及び図3に示す袋体形状の容器を用いた。このインク収納容器は、2枚のフィルムの外周部を熱溶着し、長手方向一方端にインク導出口を設けて作製した。インク収納前のインク収納容器の内周部は370mm×110mmであり、最大容積は1150mLであった。
フィルムの素材は、以下の通りである。
PE:可撓性あり、ポリエチレン樹脂、SP値:8.5cal/cm
PP:可撓性あり、ポリプロピレン樹脂、SP値:8.0cal/cm
PET:可撓性なし、ポリエチレンテレフタレート樹脂、SP値:10.7cal/cm
各インク収納容器の樹脂材料について、ASTM D638にしたがって弾性率を測定し、この弾性率が2×10kg/cm以下である場合に可撓性ありと評価した。
インクを充填したインク収納容器をインクカートリッジに設置した。このインク収納容器及びインクカートリッジは、後述するインクジェットプリンターに適用できるものである。
「評価」
上記実施例及び比較例のインクについて、以下の方法により評価を行った。これらの評価結果を表2、表3に示す。
(吐出性能)
上記した各インクカートリッジをライン式インクジェットプリンター「オルフィスFW5230」(理想科学工業株式会社製)に装填し、普通紙「理想用紙薄口」(理想科学工業株式会社製)に、ベタ画像を1000枚連続して片面印刷して、印刷物を得た。
なお、「オルフィスFW5230」は、ライン型インクジェットヘッドを使用し、主走査方向(ノズルが並んでいる方向)に直交する副走査方向に用紙を搬送して印刷を行うシステムである。
印刷後に、1000枚の印刷物を目視で観察し、不吐出による画質不良が発生した用紙の枚数を数えた。不吐出によって、印刷物のベタ画像上にインクが吐出されていないスジ状部分が観察される。以下の基準で吐出性能を評価した。
A:不吐出による画質不良が0枚~2枚であった。
B:不吐出による画質不良が3枚以上であった。
(インク残量)
上記吐出性能と同様に印刷をして、インク残量が減少してインクが供給できなくなるまで印刷を繰り返した。インクが供給できなくなったときに、インクジェットプリンターからインク収納容器を取り出し、インク収納容器に残っていたインクの量を測定した。以下の基準でインク残量を評価した。
A:インク残量が20g未満であった。
C:インク残量が20g以上であった。
Figure 0007128051000003
Figure 0007128051000004
表中に示す通り、各実施例のインクでは、吐出性能が良好であり、インク収納容器内での凝集物の発生を防止できていることがわかる。また、各実施例のインクでは、インク残量が良好であり、インク収納容器に可撓性のPE製フィルム又はPP製フィルムを用いることで、インクの排出性を改善できることがわかる。特に詳述しないが、各実施例のインクを用いた印刷物の画質、インクの粘度も適正であった。
実施例1~5では、各種シリコーンオイル及び側鎖の合計炭素数が4以上である脂肪酸エステル系溶剤を用いており、結果が良好であった。
実施例6及び7では、その他の脂肪酸エステル系溶剤の種類を変更しており、結果が良好であった。
実施例8~13から、シリコーンオイル及び側鎖の合計炭素数が4以上である脂肪酸エステル系溶剤の合計量がインク全量に対し10質量%以上で良好な結果が得られることがわかる。また、その他の脂肪酸エステル、炭化水素溶剤を併用しても良好な結果が得られることがわかる。
実施例14から、各種顔料及び顔料分散剤において良好な結果が得られることがわかる。
実施例15~17では、PP製のインク収納容器を用いており、結果が良好であった。
比較例1では、シリコーンオイル及び側鎖の合計炭素数が4以上である脂肪酸エステル系溶剤のいずれも含まず、インク収納容器内でインクの凝集物が発生し、吐出性能が低下した。
比較例2及び3では、可撓性ではないPETを用いており、インク収納容器からのインクの排出性が低下した。
1 本体
30 カートリッジ取付機構
100 印刷装置
200 インクカートリッジ
220 インク収納容器
220a、b 可塑性フィルム
220g、h 補強溶着部
221 可塑性容器
230 導出部材
231 導出口
350 上面装置

Claims (2)

  1. 油性インクと、前記油性インクを収納する可撓性容器とを備え、
    前記油性インクは、シリコーンオイル、及び少なくとも1つの側鎖を有し、1分子中の側鎖の炭素数の合計が4以上である脂肪酸エステル系溶剤(E)のうち少なくとも一方と、色材とを含み、前記シリコーンオイル、及び前記脂肪酸エステル系溶剤(E)の合計量がインク全量に対して20質量%以上であり、
    インク全量に対して前記脂肪酸エステル系溶剤(E)を除く脂肪酸エステル系溶剤:40.00質量%以上、及び石油系炭化水素溶剤:30.00質量%以上のうち少なくとも一方を含む、インク収納容器。
  2. 請求項1に記載のインク収納容器を備える、インクカートリッジ。

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