JP7126142B2 - 情報端末装置 - Google Patents

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Description

本開示は、情報端末装置に関し、より詳しくはスピーカを備え、壁面に設置可能な情報端末装置に関する。
従来、スピーカを備え、壁面に設置可能な情報端末装置が知られている。また、種々の設備、機器等を効率良く動作させて快適さを維持しながら節電を図るためのシステムが幾つか提案されている(例えば、特許文献1参照)。情報端末装置は、例えば当該システムのコントローラ、表示装置などに使用される。
特開2015-130768号公報
ところで、壁面に設置される情報端末装置では、筐体の前面、側面、または上面に、スピーカの音を出すためのスピーカ孔が形成される。しかし、情報端末装置のデザイン、サイズなどの制約から、筐体の前面等にスピーカ孔を形成できない場合がある。スピーカを備えた情報端末装置において、装置のデザインに影響を与えることなく、十分な音量の出力を可能にすることは重要な課題である。
本開示の一態様である情報端末装置は、壁面に設置可能な情報端末装置であって、筐体と、前記筐体に収容されたスピーカとを備え、前記筐体の前記壁面側を向く背面部には、所定の隙間を隔てて前記壁面と対向する領域のうち、前記スピーカと対向する領域に、少なくとも1つのスピーカ孔が形成されていることを特徴とする。
本開示の一態様によれば、スピーカを備えた情報端末装置において、装置のデザインに影響を与えることなく、十分な音量の出力が可能である。
実施形態の一例である情報端末装置を前面側から見た斜視図である。 実施形態の一例である情報端末装置の背面図である。 実施形態の一例であるスピーカの構造を示す図である。 スピーカ孔の変形例を示す図である。 スピーカ構造の変形例を示す図である。 情報端末装置から出力される音の周波数と音圧レベルの関係を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の情報端末装置の実施形態について詳細に説明する。但し、本開示の情報端末装置は、以下で説明する実施形態に限定されない。また、以下で説明する複数の構成要素を選択的に組み合わせることは当初から想定されている。本明細書において、「数値(A)~数値(B)」との記載は特に断らない限り、数値(A)以上数値(B)以下を意味する。
図1は実施形態の一例である情報端末装置10を前方から見た斜視図、図2は情報端末装置10の背面図である。情報端末装置10は、例えばエネルギー管理システムのコントローラに使用される。エネルギー管理システムは、種々の設備、機器等を効率良く動作させて快適さを維持しながら節電を図るシステムであって、住宅、オフィス、店舗などで使用される。情報端末装置10を用いて、システムの各種設定、監視などを行うことができる。なお、本開示の構成は、エネルギー管理システムのコントローラに限らず、空調装置、給湯機等の特定機器の専用端末、インターホンなど、種々の端末装置に適用できる。
図1および図2に例示するように、情報端末装置10は、壁面50に設置可能な装置であって、筐体20と、筐体20に収容されたスピーカ30とを備える。情報端末装置10は、スピーカ30によって、音声、アラーム音など所望の音を出力することができる。詳しくは後述するが、筐体20の壁面50側を向く背面部20bには、所定の隙間を隔てて壁面50と対向する領域のうち、スピーカ30と対向する領域に、少なくとも1つのスピーカ孔23が形成されている。
本明細書では、説明の便宜上、図1の矢印αで示す方向を情報端末装置10の上下方向、矢印βで示す方向を情報端末装置10の横方向とする。また、情報端末装置10が平坦な壁面50に設置された状態において、壁面50側に向いた面を情報端末装置10の背面、壁面50と反対側に向いた面を情報端末装置10の前面とする。
情報端末装置10は、タッチパネル機能を有するモニター画面11、モニター画面11を点灯させる開始ボタン12、およびモニター画面11を消灯させる終了ボタン13を備える。情報端末装置10は、正面視長方形状を呈する扁平なパネル状の装置である。モニター画面11は、情報端末装置10の前面中央に配置され、その大きさは前面の大部分を占める大きさである。開始ボタン12および終了ボタン13は、情報端末装置10の横方向一端部とモニター画面11の間に配置されている。
また、情報端末装置10は、インジケータ14、およびお知らせランプ15を備える。インジケータ14は、例えば電力使用量に応じて点灯する複数のランプで構成される。インジケータ14は、情報端末装置10の前面上端部に設けられている。お知らせランプ15は、例えば異常発生時に点滅するランプである。お知らせランプ15は、情報端末装置10の前面横方向他端部に設けられている。
なお、情報端末装置10に設けられるモニター、操作ボタン、およびランプの形状、サイズ、配置、個数などは特に限定されない。情報端末装置10は、例えばモニター画面11、開始ボタン12等を備えていなくてもよく、或いは追加の操作ボタン、追加のランプ、メモリカード挿入部等を更に備えていてもよい。
筐体20は、モニター画面11、操作ボタン、ランプ、スピーカ30、および制御基板(図示せず)などを収容する扁平なパネル状のケースである。筐体20は、一般的に樹脂で構成される。情報端末装置10の形状(外形)およびサイズは、筐体20によって決定される。筐体20の前面部20aには、モニター画面11、操作パネル、およびランプが嵌め込まれる開口が形成されている。筐体20の厚みは、特に限定されないが、一例としては最も分厚い部分で10mm~50mmである。
筐体20は、壁面50に設置可能な構造を有し、例えば図示しないブラケットを用いて壁面50に固定される。ブラケットは、筐体20の背面部20bに取り付けられる。筐体20は、背面部20bの一部と壁面50との間に所定の隙間Sが存在する状態で壁面50に設置される。本実施形態では、筐体20の背面部20bに、壁面50に固定される設置部21と、設置部21と背面部20bの端部の間に位置する斜壁部22とが形成されている。
筐体20の背面部20bと壁面50の隙間Sは、設置部21を壁面50に固定した状態で、斜壁部22と壁面50との間に形成される。斜壁部22は、設置部21から離れるほど隙間Sが大きくなるように設置部21に対して傾斜している。本実施形態では、斜壁部22にスピーカ孔23が形成されている。
設置部21には、例えばブラケットが取り付けられるブラケット固定部(図示せず)が設けられている。また、設置部21には、電源コネクタの挿入口、LANコネクタの挿入口などが設けられていてもよい。図1に示す例では、設置部21が壁面50と略当接した状態で、壁面50に固定されている。情報端末装置10が設置される壁面50は、特に限定されないが、一般的には室内の平坦な壁面である。情報端末装置10は、壁面50に設置可能であればよく、卓上に置いて使用可能であってもよい。
斜壁部22は、設置部21の横方向両側に形成されている。即ち、情報端末装置10を壁面50に取り付けた状態で、背面部20bの横方向両側に隙間Sが形成される。壁面50に対して垂直な方向(前後方向)に沿った隙間Sの長さ、即ち斜壁部22と壁面50の間隔は、例えば最大となる部分で、50mm未満であり、好ましくは5mm~30mm程度である。情報端末装置10は、隙間Sが筐体20の厚みよりも小さくなるように壁面50に設置されることが好ましい。隙間Sの前後方向の長さが筐体20の厚み未満であれば、例えばスピーカ孔23から出た音が壁面50で効率良く反射されて情報端末装置10の前方に大きな音が出力され易くなる。
以下、図2~図5を参照しながら、筐体20に形成されたスピーカ孔23、スピーカ30の構造、およびその変形例の構成について詳説する。図3は、スピーカ30の構造を示す図である。図4はスピーカ孔23の変形例(スピーカ孔23x)を、図5はスピーカ30の変形例(スピーカ30x)をそれぞれ示す図である。
図2および図3に例示するように、スピーカ30は、電気信号を音波に変換するユニット31と、ユニット31を格納するエンクロージャー32とで構成されている。ユニット31には、コーン、ボイスコイル、マグネット、およびフレーム等を有する従来公知の装置を適用できる。ユニット31は、例えばコーン型のスピーカユニットであるが、ドーム型であってもよい。エンクロージャー32は、ダイポール型、シールド型、バスレフ型のいずれであってもよいが、好ましくはシールド型またはバスレフ型である。なお、スピーカ30の内部構造について更に後述する。
スピーカ30は、筐体20の内部において、斜壁部22と対向する位置に設けられている。図2に示す例では、ユニット31の音出力面33が斜壁部22と対向するように、筐体20の横方向端部にスピーカ30が配置されている。スピーカ30は、筐体20の下部に配置されているが、筐体20の上部に配置されていてもよい。ここで、音出力面33とは、ユニット31の正面視したときに振動部材であるコーンの輪郭線に囲まれる範囲であって、コーンの軸方向に直交する平面を意味する。音出力面33は、一般的に真円形状であり、直径の一例は10mm~50mmである。音出力面33の面積は、コーンの径から求められる。
スピーカ30は、例えばユニット31の音出力面33が斜壁部22と略平行となるように配置される。音出力面33の全体が斜壁部22と対向していてもよく、音出力面33の一部が設置部21と対向していてもよい。好ましくは、音出力面33の面積の50%以上が斜壁部22と対向するようにスピーカ30が配置される。情報端末装置10に搭載されるスピーカ30の数は特に限定されないが、一般的には1つである。
筐体20の斜壁部22には、上述の通り、スピーカ30と対向する領域にスピーカ孔23が形成されている。スピーカ孔23は、ユニット31の音出力面33から出力される音波を筐体20の外に出すための貫通孔(音響孔)である。スピーカ孔23から出た音波は、例えば壁面50に当たって情報端末装置10の前方に反射される。斜壁部22は壁面50に対して傾斜しているので、壁面50に当たった音波は情報端末装置10によって遮られ難く、その音は装置の前方で良く聞こえる。
スピーカ孔23は、1つであってもよいが、音質、音圧等の観点から、好ましくは複数形成される。スピーカ孔23は、斜壁部22の音出力面33と対向する領域に形成される。図2に示す例では、音出力面33と対向する領域のみに、複数のスピーカ孔23が形成されている。スピーカ孔23の開口面積は、音出力面33の面積よりも小さいことが好ましい。ここで、スピーカ孔23の開口面積とは、スピーカ孔23が複数存在する場合はその総開口面積を意味する。
スピーカ孔23の開口面積は、音出力面33の面積の25%~75%が好ましく、25%~50%がより好ましい。この場合、情報端末装置10から出力される音の質(周波数)、および音圧レベルを良好な範囲に維持することが容易になる。また、複数のスピーカ孔23が形成される場合に、個々のスピーカ孔23のサイズも、音質および音圧レベルに大きく影響する。
複数のスピーカ孔23の各々の開口面積は、音出力面33の面積の10%以下であり、かつ総開口面積が音出力面33の面積の25%~75%であることが好ましい。即ち、斜壁部22には、大きなスピーカ孔23が1つまたは少数形成されるのではなく、小さなスピーカ孔23が多数形成されることが好ましい。各スピーカ孔23の開口面積は、音出力面33の面積の1%~10%が好ましく、2%~7%がより好ましい。スピーカ孔23の開口面積は、音出力面33の面積に対して、例えば個々の孔の開口面積が2%~7%、総開口面積が25%~50%である。
スピーカ孔23の形状は、特に限定されないが、好適な形状の一例は円形状である。図2に例示するスピーカ孔23は、真円形状を有する。複数のスピーカ孔23は、いずれも同じ形状、同じサイズで形成されている。また、複数のスピーカ孔23は、上下方向および横方向に並んで形成されている。スピーカ孔23の直径は、例えば0.5mm~3mm程度である。なお、複数のスピーカ孔23は、形状およびサイズが互いに異なっていてもよく、規則的に配列されていなくてもよい。
図4に例示するスピーカ孔23xは、スリット状に形成されている。図4に示す例では、斜壁部22の音出力面33と対向する領域に、スリット状のスピーカ孔23xが複数形成されている。スピーカ孔23xの各々は、円弧状の長孔であって、音出力面33の真ん中を円心とする複数の同心円状にそれぞれ形成されている。この場合も、スピーカ孔23xの各々の開口面積が音出力面33の面積の10%以下であり、かつ総開口面積が音出力面33の面積の25%~75%であることが好ましい。なお、スリットの形状は特に限定されず、直線状のスリットが上下方向または横方向に沿って斜壁部22に形成されていてもよい。
図3に例示するように、スピーカ30のユニット31は、音出力面33がスピーカ孔23の方向を向いた状態で配置されている。ユニット31は、エンクロージャー32の内部にユニット31の大部分が挿入された状態で、エンクロージャー32の開口部に固定されている。図3に例示する形態は、エンクロージャー32に対するユニット31の一般的な取り付け方である。この場合、ユニット31の製品スペック通りの特性が得られるため、音質、音圧の設計、品質管理等が容易である。
他方、図5に例示するスピーカ30xでは、音出力面33がスピーカ孔23と反対方向を向いた状態でユニット31が配置されている。ユニット31は、エンクロージャー32の外側にユニット31の大部分がとび出した状態で、エンクロージャー32の開口部に固定されている。言い換えると、音出力面33がエンクロージャー32の内側を向き、ユニット31のコーンよりもマグネットがスピーカ孔23と近接するように配置されている。ユニット31は、エンクロージャー32の内側に略挿入されず、略全体がエンクロージャー32の外側に存在する。
図5に示す構造では、図3に示す構造で出力される音波と逆位相の音波が出力される。また、この場合、図3に示す構造と比較してエンクロージャー32の容量を大きくとることができる。このため、例えば情報端末装置10から出力される音の周波数帯域が広がり、所望の音量を確保することが容易になる。
以上のように、上記構成を備えた情報端末装置10では、筐体20の背面部20bにスピーカ孔23,23xが形成されているので、スピーカ孔23,23xに起因して装置前面のデザインが制約されない。このため、情報端末装置10のデザイン性が向上し、例えば装置前面の略全体をモニター画面とすることも可能になる。また、スピーカ孔23,23xから出た音は壁面50によって反射されるので、情報端末装置10の前方に十分な音量を出力できる。
図6は、情報端末装置10から出力される音の周波数と音圧レベルの関係を示す図である。図6に例示するように、情報端末装置10によれば、広い周波数帯域の音を装置前方に出すことができ、スピーカ孔が装置前面に形成される構成と同等以上の音量を確保できる。特に、音出力面33がスピーカ孔23と反対方向を向くようにユニット31を配置した図5に示す構造を採用した場合、低音が出力され易くなり、より広い周波数帯域の音を出すことができる。
10 情報端末装置、11 モニター画面、12 開始ボタン、13 終了ボタン、14 インジケータ、15 お知らせボタン、20 筐体、20a 前面部、20b 背面部、21 設置部、22 斜壁部、23 スピーカ孔、30 スピーカ、31 ユニット、32 エンクロージャー、33 音出力面

Claims (7)

  1. 壁面に設置可能な情報端末装置であって、
    筐体と、
    前記筐体に収容されたスピーカと、
    を備え、
    前記筐体の前記壁面側を向く背面部には、所定の隙間を隔てて前記壁面と対向する領域のうち、前記スピーカと対向する領域に、少なくとも1つのスピーカ孔が形成され、
    前記スピーカのユニットは、その音出力面が前記スピーカ孔と反対方向を向いた状態で配置されている、情報端末装置。
  2. 前記所定の隙間が前記筐体の厚みよりも小さくなるように前記壁面に設置される、請求項1に記載の情報端末装置。
  3. 前記スピーカ孔の開口面積は、前記スピーカの前記音出力面の面積よりも小さい、請求項1または2に記載の情報端末装置。
  4. 前記スピーカ孔の開口面積は、前記スピーカの前記音出力面の面積の25%~75%である、請求項3に記載の情報端末装置。
  5. 前記スピーカ孔は、前記筐体の前記背面部に複数形成され、
    前記スピーカ孔の各々の開口面積は、前記スピーカの前記音出力面の面積の10%以下であり、総開口面積は、当該音出力面の面積の25%~75%である、請求項3に記載の情報端末装置。
  6. 前記筐体の前記背面部には、前記壁面に固定される設置部と、前記設置部と前記背面部の端部の間に位置し、前記設置部から離れるほど前記所定の隙間が大きくなるように前記設置部に対して傾斜した斜壁部とが形成され、
    前記スピーカ孔は、前記斜壁部に形成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の情報端末装置。
  7. 前記スピーカ孔は、円形状またはスリット状に形成されている、請求項1~のいずれか1項に記載の情報端末装置。
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