以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
(スマートキーレスエントリーシステム10のハードウェア構成)
図1は、一実施形態に係るスマートキーレスエントリーシステム10のハードウェア構成を示す図である。図1に示すスマートキーレスエントリーシステム10は、ユーザが車載機100の通信エリア内で携帯機110を所持しているだけで、車両に搭載されたドアロック制御システム21およびエンジン制御システム22の制御(以下、「キーレス制御」と示す)を行うことができるようにするためのシステムである。図1に示すように、スマートキーレスエントリーシステム10は、携帯機110および車載機100を備えている。
<車載機100>
車載機100は、車両に搭載される装置であって、携帯機110との無線通信を行うことにより、携帯機110の認証、および、車両に搭載されたドアロック制御システム21およびエンジン制御システム22のキーレス制御を行う装置である。
図1に示すように、車載機100は、ECU(Electronic Control Unit)101、LF(Low Frequency)送信機102、およびRF(Radio Frequency)受信機103を備えている。
ECU101は、車載機100の全体を制御し、車載機100において各種処理(例えば、携帯機110へのリクエスト信号の送信処理、携帯機110からのアンサー信号の受信処理、携帯機110の認証処理、ドアロック制御システム21およびエンジン制御システム22のキーレス制御等)を実行する。ECU101は、プログラムを実行するプロセッサ、プログラムや各種データを記憶するメモリ等を備えて構成されている。ECU101としては、例えば、マイコンが用いられる。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等が挙げられる。また、メモリとしては、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等が挙げられる。
LF送信機102は、複数のLFアンテナ102a(「複数の送信アンテナ」の一例)を有する。LF送信機102は、LFアンテナ102aを用いたLF帯通信により、リクエスト信号を、車載機100の周囲に存在する携帯機110に送信することができる。このとき、LF送信機102は、複数のLFアンテナ102aがリクエスト信号を異なるタイミングで順次送信可能なように、複数のLFアンテナ102aによるリクエスト信号の送信を制御する。LF帯通信とは、30KHz~300KHzを周波数帯域とする無線通信である。本実施形態では、LF帯通信の使用周波数を、比較的短距離(例えば、2m)での通信を行うことが可能な125KHzとしている。また、LF送信機102は、携帯機110に送信されるリクエスト信号に対し、増幅処理、符号化処理、D-A変換処理、変調処理、フィルタ処理等の各種信号処理を行う。
RF受信機103は、RFアンテナ103aを有する。RF受信機103は、RFアンテナ103aを用いたUHF帯通信により、携帯機110から送信されたアンサー信号を受信することができる。UHF帯通信とは、300MHz~3GHzを周波数帯域とする無線通信である。本実施形態では、UHF帯通信の使用周波数を、比較的短距離(例えば、20m)での通信を行うことが可能な315MHzとしている。また、RF受信機103は、携帯機110から受信したアンサー信号に対し、増幅処理、復号化処理、A-D変換処理、復調処理、フィルタ処理等の各種信号処理を行う。
<携帯機110>
携帯機110は、ユーザが所持する装置であって、車載機100との無線通信を行うことにより、車載機100によるドアロック制御システム21およびエンジン制御システム22のキーレス制御を可能にするための装置である。
図1に示すように、携帯機110は、ECU111、LF受信機112、およびRF送信機113を備えている。
ECU111は、携帯機110の全体を制御し、携帯機110において各種処理(例えば、車載機100からのリクエスト信号の受信処理、車載機100へのアンサー信号の送信処理等)を実行する。ECU111は、プログラムを実行するプロセッサ、プログラムや各種データを記憶するメモリ等を備えて構成されている。ECU111としては、例えば、マイコンが用いられる。プロセッサとしては、例えば、CPU、MPU等が挙げられる。また、メモリとしては、例えば、ROM、RAM等が挙げられる。
LF受信機112は、LFアンテナ112aを有する。LF受信機112は、LFアンテナ112aを用いたLF帯通信(125KHz)により、車載機100の複数のLFアンテナ102aから異なるタイミングで順次されてくるリクエスト信号を受信することができる。また、LF受信機112は、車載機100から受信したリクエスト信号に対し、増幅処理、復号化処理、A-D変換処理、復調処理、フィルタ処理等の各種信号処理を行う。本実施形態では、LFアンテナ112aとして、互いに直交するように配置された3軸(X軸,Y軸,Z軸)の各々のアンテナを備える3軸アンテナを用いている。LFアンテナ112aは、3軸(X軸,Y軸,Z軸)のアンテナの各々により、車載機100から送信されたリクエスト信号を受信可能である。
RF送信機113は、RFアンテナ113aを有する。RF送信機113は、RFアンテナ113aを用いたUHF帯通信(315MHz)により、アンサー信号を車載機100に送信可能である。また、RF送信機113は、車載機100に送信されるアンサー信号に対し、増幅処理、符号化処理、D-A変換処理、変調処理、フィルタ処理等の各種信号処理を行う。
このように構成されたスマートキーレスエントリーシステム10では、ユーザが車載機100の通信エリア内で携帯機110を所持しているだけで、携帯機110と車載機100との間の無線通信(LF帯通信(125KHz)およびUHF帯通信(315MHz))が行われることにより、ドアロック制御システム21およびエンジン制御システム22のキーレス制御を行うことが可能である。具体的には、車載機100は、定期的に、LF帯通信(125KHz)により、複数のLFアンテナ102aから異なるタイミングで順次、リクエスト信号を車載機100の周囲に送信する。車載機100の周囲(リクエスト信号の通信エリア内)に進入した携帯機110は、このリクエスト信号を受信すると、UHF帯通信(315MHz)により、車載機100へ、自身の認証IDを含むアンサー信号を送信する。車載機100は、このアンサー信号を受信すると、このアンサー信号に含まれている認証IDによる携帯機110の認証を行う。そして、車載機100は、携帯機110の認証に成功すると、必要に応じてユーザが所定の操作を行うことにより、ドアロック制御システム21およびエンジン制御システム22のキーレス制御を行うことができる。
(スマートキーレスエントリーシステム10の機能構成)
図2は、一実施形態に係る車載機100および携帯機110の機能構成を示す図である。
<車載機100>
図2に示すように、車載機100は、記憶部200、要求信号送信部201、応答信号受信部202、距離算出部203、ベクトル算出部204、第1角度差算出部205、第2角度差算出部206、リレーアタック判定部207、認証部208、および車載装置制御部209を備えている。
記憶部200は、各種情報(例えば、車載機100の車載機ID、携帯機110の携帯機ID等)を記憶する。
要求信号送信部201は、LF送信機102によるLF帯通信により、一定の時間間隔で、車載機100の周囲に向けてリクエスト信号を送信する。例えば、要求信号送信部201は、複数のLFアンテナ102aから、互いに異なるタイミングで、順次リクエスト信号が送信されるようにする。要求信号送信部201によって送信されるリクエスト信号は、図3に示すように、制御信号および強度測定用信号を含んでいる。また、要求信号送信部201によって送信されるリクエスト信号は、記憶部200から読み出された車載機100の車載機IDを含んでいる。
応答信号受信部202は、RF受信機103によるUHF帯通信により、携帯機110から送信されたアンサー信号を受信する。応答信号受信部202によって受信されるアンサー信号には、制御信号、携帯機110の携帯機ID、3軸の各々のS値、および3軸の各々のN値が含まれている。
ここで、携帯機110は、ある一のLFアンテナ102aから送信されたリクエスト信号を受信すると、それに応じてアンサー信号を送信するものであるから、このときに、車載機100の応答信号受信部202によって受信されるアンサー信号は、その一のLFアンテナ102aに関するアンサー信号であるといえる。
特に、携帯機110は、複数のLFアンテナ102aから異なるタイミングで順次送信されてくるリクエスト信号を受信して、その都度アンサー信号を送信するものであるから、車載機100の応答信号受信部202によって連続的に受信される複数のアンサー信号は、複数のLFアンテナ102aに関するアンサー信号であるといえる。
例えば、車載機100が5本のLFアンテナ102aから異なるタイミングで順次リクエスト信号を送信した場合、車載機100の応答信号受信部202によって連続的に受信される5つのアンサー信号は、5本のLFアンテナ102aに関するアンサー信号であるといえる。
なお、リクエスト信号およびアンサー信号は、リクエスト信号の送信元のLFアンテナ102aの識別情報が、制御情報に含まれていてもよい。これにより、携帯機110および車載機100は、どのLFアンテナ102aに関するリクエスト信号およびアンサー信号であるかを、容易に把握することが可能となる。
距離算出部203は、応答信号受信部202によって受信されたアンサー信号に含まれている3軸の各々のS値に基づいて、そのアンサー信号に対応するリクエスト信号の発信元(通常は、車載機100)から、携帯機110までの距離Lを算出する。例えば、距離算出部203は、所定の算出式、変換テーブル等を用いて、アンサー信号に含まれている3軸のS値に基づいて、距離Lを算出する。
ベクトル算出部204は、応答信号受信部202によって受信されたアンサー信号に含まれている3軸のS値(信号レベル)の合成ベクトルS1と、そのアンサー信号に含まれている3軸のN値(ノイズレベル)の合成ベクトルN1との各々を算出する。
具体的には、ベクトル算出部204は、下記数式(1)により、3軸の各々のS値Sx,Sy,Szの合成ベクトルS1を算出する。
S1=√(Sx2+Sy2+Sz2)・・・(1)
また、ベクトル算出部204は、下記数式(2)により、3軸の各々のN値Nx,Ny,Nzの合成ベクトルN1を算出する。
N1=√(Nx2+Ny2+Nz2)・・・(2)
なお、後述する第2角度差αを算出することができるように、ベクトル算出部204は、少なくとも各LFアンテナ102aの合成ベクトルS1を、記憶部200に記憶させておく。
第1角度差算出部205は、ベクトル算出部204によって算出された合成ベクトルS1と、ベクトル算出部204によって算出された合成ベクトルN1との角度差である、第1角度差θを算出する。ここで、ベクトル算出部204は、任意の算出方法により、合成ベクトルS1と合成ベクトルN1との第1角度差θを算出する。例えば、ベクトル算出部204は、合成ベクトルS1を(Sx,Sy,Sz)とし、合成ベクトルN1を(Nx,Ny,Nz)とした場合、下記数式(3)により、第1角度差θを算出する。
θ=ARCCOSINE[(Sx・Nx+Sy・Ny+Sz・Nz)/
√(Sx2+Sy2+Sz2)・√(Nx2+Ny2+Nz2)]・・・(3)
但し、0°≦θ≦180°
第2角度差算出部206は、一のLFアンテナ102aに関してベクトル算出部204によって算出された合成ベクトルS1と、他のLFアンテナ102aに関してベクトル算出部204によって算出された合成ベクトルS1との角度差である、第2角度差αを算出する。
ここで、「一のLFアンテナ102a」とは、今回の処理において応答信号受信部202によって受信されたアンサー信号に対応する、リクエスト信号の送信元のLFアンテナ102aを意味する。
また、「他のLFアンテナ102a」とは、以前の処理において応答信号受信部202によって受信されたアンサー信号に対応する、リクエスト信号の送信元のLFアンテナ102aを意味する。
第2角度差算出部206は、任意の算出方法により、一のLFアンテナ102aに関する合成ベクトルS1と、他のLFアンテナ102aに関する合成ベクトルS1との第2角度差αを算出する。
例えば、第2角度差算出部206は、一のLFアンテナ102aに関する合成ベクトルS1を(Sxa,Sya,Sza)とし、他のLFアンテナ102aに関する合成ベクトルS1を(Sxb,Syb,Szb)とした場合、下記数式(4)により、第2角度差αを算出する。
α=ARCCOSINE[(Sxa・Sxb+Sya・Syb+Sza・Szb)/
√(Sxa
2+Sya
2+Sza
2)・√(Sxb
2+Syb
2+Szb
2)]・・・(4)
但し、0°≦α≦180°
リレーアタック判定部207は、所定のリレーアタック判定処理を行うことにより、リレーアタックが行われたか否かを判定する。具体的には、リレーアタック判定部207は、下記条件1および条件2を満たし、且つ、条件3または条件4を満たす場合、「リレーアタックが行われた」と判定する。
条件1:距離算出部203によって算出された距離Lが、所定の距離閾値(本実施形態では、2m)未満である。
条件2:第2角度差算出部206によって算出された第2角度差αが、所定の第2角度差閾値(本実施形態では、30°)未満である。
条件3:アンサー信号に含まれているN値が、所定のノイズ閾値以下である。
条件4:第1角度差算出部205によって算出された第1角度差θが、所定の第1角度差閾値(本実施形態では、30°)以下である。
上記条件1は、所定の距離を半径とする距離範囲内に存在する携帯機110のみ、キーレス制御を許可するためのものである。
上記条件2は、携帯機110が連続して受信したリクエスト信号の電波の到来方向によって、リクエスト信号の送信元が車載機100であるかリレーアタック機器であるかを判別するためのものである。リレーアタックが行われたときには、リレーアタック機器が備える一の送信アンテナから携帯機110へリクエスト信号が送信されるため、連続して送信されてくる複数のリクエスト信号において、3軸(X軸,Y軸,Z軸)のS値の合成ベクトルS1の方向が常に一定であり、よって、第2角度差αが比較的小さくなる(例えば、0°程度)。一方、リレーアタックが行われていないときには、車載機100が備える複数のLFアンテナ102aから異なるタイミングで順次携帯機110へリクエスト信号が送信されるため、連続して送信されてくる複数のリクエスト信号において、3軸(X軸,Y軸,Z軸)のS値の合成ベクトルS1の方向が一定とはならない。複数のLFアンテナ102aは、車両の異なる位置で、且つ軸(X、Y、Z)方向に重ならない様に配置されており、携帯機110から見て様々な角度となる位置に配置されているからである。よって、第2角度差αが比較的大きくなる(例えば、60°程度)、という事実に基づくものである。上記条件2は、このような事実に基づいて、リクエスト信号の送信元が車載機100であるかリレーアタック機器であるかを判別するためのものである。
なお、上記条件2に関し、第2角度差算出部206は、複数の他のLFアンテナ102aの各々について、一のLFアンテナ102aとの第2角度差αを算出してもよい。例えば、車載機100が5本のLFアンテナ102aを備える場合、第2角度差算出部206は、4本の他のLFアンテナ102aの各々について、一のLFアンテナ102aとの第2角度差αを算出してもよい。この場合、リレーアタック判定部207は、算出された複数の第2角度差αの全てが所定の第2角度差閾値未満である場合、「リレーアタックが行われた」と判定してもよく、算出された複数の第2角度差αの少なくともいずれか一つが所定の第2角度差閾値未満である場合、「リレーアタックが行われた」と判定してもよい。
上記条件3は、少なくとも、S値およびN値に基づく第1角度差θを算出して、上記条件4の判定処理を行うことができるように、リクエスト信号に最低限のノイズレベルが含まれているか否かを判定するためのものである。したがって、所定のノイズ閾値には、極めて小さい値が設定される。なお、上記条件3は、「3軸(X軸,Y軸,Z軸)の各々のN値の合成ベクトルN1が、所定のノイズ閾値よりも小さい」としてもよく、「3軸(X軸,Y軸,Z軸)の各々のN値のうちの少なくともいずれか一つが、所定のノイズ閾値よりも小さい」としてもよく、「3軸(X軸,Y軸,Z軸)の各々のN値の全てが、所定のノイズ閾値よりも小さい」としてもよい。
上記条件4は、携帯機110が連続したリクエスト信号を受信したときの、信号レベルの合成ベクトルS1と、ノイズレベルの合成ベクトルN1との角度差である第1角度差θによって、リクエスト信号の送信元が車載機100であるかリレーアタック機器であるかを判別するためのものである。リレーアタックが行われたときには、ノイズ源でもあるリレーアタック機器からリクエスト信号が送信されるため、リクエスト信号において、信号成分の到来方向(すなわち、合成ベクトルS1)とノイズ成分の到来方向(すなわち、合成ベクトルN1)とが略一致する。よって、第1角度差θが比較的小さくなる(例えば、0°程度)。一方、リレーアタックが行われていないときには、ノイズ源とは異なる車載機100からリクエスト信号が送信されるため、リクエスト信号において、信号成分の到来方向(すなわち、合成ベクトルS1)とノイズ成分の到来方向(すなわち、合成ベクトルN1)とが一致しない。よって、第1角度差θが比較的大きくなる(例えば、60°程度)。上記条件4は、このような事実に基づいて、リクエスト信号の送信元が車載機100であるかリレーアタック機器であるかを判別するためのものである。
なお、第1角度差閾値、第2角度差閾値、およびノイズ閾値は、シミュレーション結果等に基づいて、好適な値が用いられることが好ましい。
認証部208は、応答信号受信部202によって受信されたアンサー信号に含まれている携帯機IDの認証を行う。例えば、認証部208は、応答信号受信部202によって受信されたアンサー信号に含まれている携帯機IDが、記憶部200に記憶されている携帯機IDと一致する場合、携帯機IDの認証を「成功」とする。反対に、認証部208は、応答信号受信部202によって受信されたアンサー信号に含まれている携帯機IDが、記憶部200に記憶されている携帯機IDと一致しない場合、携帯機IDの認証を「失敗」とする。
車載装置制御部209は、リレーアタック判定部207によってリレーアタックが行われていないと判定され、且つ、認証部208による携帯機IDの認証が成功した場合、各種車載装置を制御するための制御信号を、各種車載装置を制御する各種制御装置へ送信する。例えば、車載装置制御部209は、ドアロック制御システム21へ、ドアロックを解錠または施錠するための制御信号を送信する。また、例えば、車載装置制御部209は、エンジン制御システム22へ、エンジンを始動するための制御信号を送信する。
なお、車載機100の各機能部は、例えば、車載機100が備えるECU101(「コンピュータ」の一例)において、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することによって実現される。このプログラムは、予め車載機100に導入された状態で、車載機100とともに提供されてもよく、車載機100とは別に外部から提供されて、車載機100に導入されるようにしてもよい。後者の場合、これらのプログラムは、外部記憶媒体(例えば、USBメモリ、メモリカード、CD-ROM等)によって提供されてもよく、ネットワーク(例えば、インターネット等)上のサーバからダウンロードすることによって提供されるようにしてもよい。
<携帯機110>
図2に示すように、携帯機110は、記憶部210、要求信号受信部211、信号レベル算出部212、認証部214、および応答信号送信部215を備えている。
記憶部210は、各種情報(例えば、車載機100の車載機ID、携帯機110の携帯機ID等)を記憶する。
要求信号受信部211は、LF受信機112によるLF帯通信(125KHz)を介して、車載機100から送信されたリクエスト信号を受信する。具体的には、要求信号受信部211は、LFアンテナ112aが有する3軸(X軸,Y軸,Z軸)のアンテナの各々により、リクエスト信号に含まれる制御信号および強度測定用信号の各々を受信する。制御信号には、車載機100の車載機IDが含まれている。なお、要求信号受信部211は、車載機100が備える複数のLFアンテナ102aから異なるタイミングで順次送信されてくる、複数リクエスト信号の各々を順次受信することができる。
信号レベル算出部212は、要求信号受信部211によってリクエスト信号が受信される毎に、そのリクエスト信号が受信されたときの、3軸(X軸,Y軸,Z軸)の各々のS値(「信号レベル」の一例)およびN値(「ノイズレベル」の一例)を算出する。具体的には、信号レベル算出部212は、3軸(X軸,Y軸,Z軸)の各々について、要求信号受信部211によってリクエスト信号における強度測定用信号を受信したときの受信信号強度(すなわち、RSSI値)をS値として算出する。また、信号レベル算出部212は、要求信号受信部211によってリクエスト信号の無信号区間における受信信号強度(すなわち、RSSI値)をN値として算出する。なお、本実施形態では、3軸(X軸,Y軸,Z軸)の各々のS値を、Sx,Sy,Szとし、3軸(X軸,Y軸,Z軸)の各々のN値を、Nx,Ny,Nzとする。
認証部214は、要求信号受信部211によってリクエスト信号が受信される毎に、要求信号受信部211によって受信されたリクエスト信号に含まれている車載機IDの認証を行う。例えば、認証部214は、要求信号受信部211によって受信されたリクエスト信号に含まれている車載機IDが、記憶部210に記憶されている車載機IDと一致する場合、車載機IDの認証を「成功」とする。反対に、認証部214は、要求信号受信部211によって受信されたリクエスト信号に含まれている車載機IDが、記憶部210に記憶されている車載機IDと一致しない場合、車載機IDの認証を「失敗」とする。
応答信号送信部215は、認証部214による車載機IDの認証に成功した場合、RF送信機113によるUHF帯通信を介して、車載機100へアンサー信号を送信する。ここで、応答信号送信部215によって送信されるアンサー信号には、制御信号、記憶部210から読み出された携帯機ID、信号レベル算出部212によって算出された3軸の各々のS値およびN値が含まれている。
なお、携帯機110の各機能部は、例えば、携帯機110が備えるECU111(「コンピュータ」の他の一例)において、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することによって実現される。このプログラムは、予め携帯機110に導入された状態で、携帯機110とともに提供されてもよく、携帯機110とは別に外部から提供されて、携帯機110に導入されるようにしてもよい。後者の場合、これらのプログラムは、外部記憶媒体(例えば、USBメモリ、メモリカード、CD-ROM等)によって提供されてもよく、ネットワーク(例えば、インターネット等)上のサーバからダウンロードすることによって提供されるようにしてもよい。
(リクエスト信号の構成)
図3は、一実施形態に係るスマートキーレスエントリーシステム10に用いられるリクエスト信号の構成を示す図である。図3に示すリクエスト信号は、車載機100から一定の時間間隔で送信される信号である。図3に示すように、リクエスト信号は、制御信号および強度測定用信号を含んでいる。
制御信号は、各種制御情報(例えば、ウェークアップ信号、コマンド信号、車載機ID等)を含む信号である。強度測定用信号は、制御信号に続いて送信される信号である。強度測定用信号は、携帯機110によって信号レベル(S値)の測定に用いられる。なお、図3に示すように、リクエスト信号は、無信号区間を有している。無信号区間は、携帯機110によってノイズレベル(N値)の測定に用いられる。
なお、リクエスト信号は、強度測定用信号を含んでいなくともよい。この場合、携帯機110は、制御信号を用いて、信号レベル(S値)の測定を行うようにしてもよい。また、ノイズレベル(N値)の測定は、制御信号と強度測定用信号との間の無信号区間で行われてもよい。
(携帯機110による処理手順)
図4は、一実施形態に係る携帯機110による処理手順を示すフローチャートである。
まず、要求信号受信部211が、LF帯通信(125KHz)を介して、車載機100から送信されたリクエスト信号を受信する(ステップS401)。具体的には、要求信号受信部211は、LFアンテナ112aが有する3軸(X軸,Y軸,Z軸)のアンテナの各々により、リクエスト信号に含まれる制御信号および強度測定用信号の各々を受信する。制御信号には、車載機100の車載機IDが含まれている。
次に、信号レベル算出部212が、3軸(X軸,Y軸,Z軸)の各々のS値およびN値を算出する(ステップS402)。具体的には、信号レベル算出部212は、3軸(X軸,Y軸,Z軸)の各々について、リクエスト信号における強度測定用信号を受信したときの受信レベルをS値として算出し、リクエスト信号の無信号区間における受信レベルをN値として算出する。
次に、認証部214が、ステップS401で受信されたリクエスト信号に含まれている車載機IDの認証を行う(ステップS403)。例えば、認証部214は、ステップS401で受信されたリクエスト信号に含まれている車載機IDが、記憶部210に記憶されている車載機IDと一致する場合、車載機IDの認証を「成功」とする。反対に、認証部214は、ステップS401で受信されたリクエスト信号に含まれている車載機IDが、記憶部210に記憶されている車載機IDと一致しない場合、車載機IDの認証を「失敗」とする。
ステップS403において、車載機IDの認証に成功した場合(ステップS403:Yes)、応答信号送信部215が、UHF帯通信を介して、車載機100へアンサー信号を送信する(ステップS404)。ここで、応答信号送信部215によって送信されるアンサー信号には、制御信号、記憶部210から読み出された携帯機ID、ステップS402で算出された3軸の各々のS値およびN値が含まれている。その後、携帯機110は、図4に示す一連の処理を終了する。
一方、ステップS403において、車載機IDの認証に失敗した場合(ステップS403:No)、携帯機110は、図4に示す一連の処理を終了する。
なお、携帯機110は、図4に示す一連の処理を繰り返し実行することにより、車載機100が備える複数のLFアンテナ102aから異なるタイミングで順次送信されてくる、複数リクエスト信号の各々を順次受信して、その都度、アンサー信号を送信することができる。
(車載機100による処理手順)
図5は、一実施形態に係る車載機100による処理手順を示すフローチャートである。
まず、要求信号送信部201が、LF送信機102によるLF帯通信を介して、一定の時間間隔で、複数のLFアンテナ102aから異なるタイミングで順次、車載機100の周囲に向けてリクエスト信号を送信する(ステップS501)。要求信号送信部201によって送信されるリクエスト信号は、図3に示すように、制御信号および強度測定用信号を含んでおり、制御信号は、記憶部200から読み出された車載機100の車載機IDを含んでいる。
次に、応答信号受信部202が、RF受信機103によるUHF帯通信を介して、携帯機110から送信されたアンサー信号を受信したか否かを判断する(ステップS502)。ステップS502において、アンサー信号を受信していないと判断された場合(ステップS502:No)、応答信号受信部202が、ステップS502の判断処理を再度実行する。
一方、ステップS502において、アンサー信号を受信したと判断された場合(ステップS502:Yes)、距離算出部203が、ステップS502で受信されたアンサー信号に含まれているRSSI値に基づいて、当該アンサー信号に対応するリクエスト信号の発信元(通常は、車載機100)から、携帯機110までの距離Lを算出する(ステップS503)。
そして、車載機100が、ステップS503で算出された距離Lが所定の距離閾値未満であるか否かを判断する(ステップS504)。所定の距離閾値とは、キーレス制御を許可する距離範囲の半径を示すものである。本実施形態では、所定の距離閾値を2mとしているが、これに限らない。
ステップS504において、距離Lが所定の距離閾値以上であると判断された場合(ステップS504:No)、車載機100は、ステップS501へ処理を戻す。
一方、ステップS504において、距離Lが所定の距離閾値未満であると判断された場合(ステップS504:Yes)、ベクトル算出部204が、上記数式(1)により、ステップS502で受信されたアンサー信号に含まれている3軸のS値(信号レベル)の合成ベクトルS1を算出する(ステップS505)。ここで、ベクトル算出部204は、算出された合成ベクトルS1を、記憶部200に記憶させる。このとき、ベクトル算出部204は、LFアンテナ102aの識別情報と対応付けて、合成ベクトルS1を記憶部200に記憶させるようにしてもよい。
また、第2角度差算出部206が、今回の処理(ステップS505)で算出された、一のLFアンテナ102aに関する合成ベクトルS1と、過去の処理によって記憶部200に記憶されている、他のLFアンテナ102aに関する合成ベクトルS1との角度差である、第2角度差αを算出する(ステップS506)。ここで、第2角度差算出部206は、算出された第2角度差αを、記憶部200に記憶させる。このとき、第2角度差算出部206は、LFアンテナ102aの識別情報と対応付けて、第2角度差αを記憶部200に記憶させるようにしてもよい。
そして、車載機100が、所定のリレーアタック判定処理を行うことにより、リレーアタックが行われたか否かを判定する(ステップS507)。なお、リレーアタック判定処理の手順の詳細については、図6を用いて後述する。
ステップS507のリレーアタック判定処理により、「リレーアタックが行われた」と判定された場合(ステップS508:Yes)、車載機100は、図5に示す一連の処理を終了する。
一方、ステップS507のリレーアタック判定処理により、「リレーアタックが行われていない」と判定された場合(ステップS508:No)、認証部208が、ステップS502で受信されたアンサー信号に含まれている携帯機IDの認証を行う(ステップS509)。例えば、認証部208は、ステップS502で受信されたアンサー信号に含まれている携帯機IDが、記憶部200に記憶されている携帯機IDと一致する場合、携帯機IDの認証を「成功」とする。反対に、認証部208は、ステップS502で受信されたアンサー信号に含まれている携帯機IDが、記憶部200に記憶されている携帯機IDと一致しない場合、携帯機IDの認証を「失敗」とする。
ステップS509において、携帯機IDの認証に成功した場合(ステップS509:Yes)、車載装置制御部209が、ドアロックの解錠信号を、ドアロック制御システム21へ送信する(ステップS510)。そして、車載機100は、図5に示す一連の処理を終了する。
一方、ステップS509において、携帯機IDの認証に失敗した場合(ステップS509:No)、車載機100は、図5に示す一連の処理を終了する。
(車載機100によるリレーアタック判定処理の手順)
図6は、一実施形態に係る車載機100によるリレーアタック判定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、リレーアタック判定部207が、図5のステップS506で算出された第2角度差αが、所定の第2角度差閾値(本実施形態では、30°)未満であるか否かを判断する(ステップS601)。
ステップS601において、第2角度差αが第2角度差閾値以上であると判断された場合(ステップS601:No)、リレーアタック判定部207が、「リレーアタックが行われていない」と判定する(ステップS607)。そして、車載機100は、図6に示す一連の処理を終了する。
一方、ステップS601において、第2角度差αが第2角度差閾値未満であると判断された場合(ステップS601:Yes)、ベクトル算出部204が、上記数式(2)により、図5のステップS502で受信されたアンサー信号に含まれている3軸のN値(ノイズレベル)の合成ベクトルN1を算出する(ステップS602)。ここで、ベクトル算出部204は、算出された合成ベクトルN1を、記憶部200に記憶させる。このとき、ベクトル算出部204は、LFアンテナ102aの識別情報と対応付けて、合成ベクトルN1を記憶部200に記憶させるようにしてもよい。
次に、リレーアタック判定部207が、図5のステップS502で受信されたアンサー信号に含まれているN値が、所定のノイズ閾値より大きいか否かを判断する(ステップS603)。
ステップS603において、「N値が所定のノイズ閾値以下である」と判断された場合(ステップS603:No)、リレーアタック判定部207が、「リレーアタックが行われた」と判定する(ステップS606)。そして、車載機100は、図6に示す一連の処理を終了する。
一方、ステップS603において、「N値が所定のノイズ閾値より大きい」と判断された場合(ステップS603:Yes)、第1角度差算出部205が、図5のステップS505で算出された合成ベクトルS1と、ステップS602で算出された合成ベクトルN1との角度差である、第1角度差θを算出する(ステップS604)。なお、図6に示す例では、合成ベクトルN1の算出処理を、ステップS603の前(ステップS602)で行うようにしているが、これに限らず、合成ベクトルN1の算出処理を、ステップS603で「Yes」の場合に行うようにしてもよい。
そして、リレーアタック判定部207が、ステップS604で算出された第1角度差θが、所定の第1角度差閾値(本実施形態では、30°)より大きいか否かを判断する(ステップS605)。
ステップS605において、「第1角度差θが所定の第1角度差閾値以下である」と判断された場合(ステップS605:No)、リレーアタック判定部207が、「リレーアタックが行われた」と判定する(ステップS606)。そして、車載機100は、図6に示す一連の処理を終了する。
一方、ステップS605において、「第1角度差θが所定の第1角度差閾値より大きい」と判断された場合(ステップS605:Yes)、リレーアタック判定部207が、「リレーアタックが行われていない」と判定する(ステップS607)。そして、車載機100は、図6に示す一連の処理を終了する。
(第1角度差θの一例)
図7は、一実施形態に係る第1角度差算出部205によって算出される第1角度差θの一例を示す図である。
図7において、実線矢印が示す合成ベクトルS1は、携帯機110があるLFアンテナ102aから送信されたリクエスト信号を受信したときの、3軸のS値Sx,Sy,Szの合成ベクトルであり、車載機100のベクトル算出部204によって算出されたものである。
また、図7において、点線矢印が示す合成ベクトルN1は、携帯機110があるLFアンテナ102aから送信されたリクエスト信号を受信したときの、3軸のN値Nx,Ny,Nzの合成ベクトルであり、車載機100のベクトル算出部204によって算出されたものである。
図7に示すように、車載機100の第1角度差算出部205は、合成ベクトルS1と合成ベクトルN1との第1角度差θを算出する。そして、リレーアタック判定部207は、第1角度差θが、所定の第1角度差閾値(本実施形態では、30°)以下であることを条件の一つとして、「リレーアタックが行われた」と判定することができる。
リレーアタック機器が備える一の送信アンテナから送信されるリクエスト信号では、実質的に信号(制御信号および強度測定用信号)の到来方向を示す合成ベクトルS1と、実質的にノイズの到来方向を示す合成ベクトルN1とが、略同じである。これは、リレーアタック機器から送信されるリクエスト信号においては、信号源とノイズ源とが同じだからである(すなわち、リレーアタック機器自身が、信号源およびノイズ源である)。よって、第1角度差算出部205によって算出される第1角度差θは、略0°となる。したがって、リレーアタック判定部207は、第1角度差θが所定の第1角度差閾値よりも小さい場合、リレーアタックが行われたと判定することができる。
一方、車載機100が備える複数のLFアンテナ102aから異なるタイミングで順次送信されるリクエスト信号では、実質的に信号(制御信号および強度測定用信号)の到来方向を示す合成ベクトルS1と、実質的にノイズの到来方向を示す合成ベクトルN1とが、大きく異なる。これは、車載機100から送信されるリクエスト信号においては、信号源とノイズ源とが異なるからである(すなわち、車載機100は、信号源であるが、ノイズ源ではない)。よって、第1角度差算出部205によって算出される第1角度差θは、比較的大きなものとなる。したがって、リレーアタック判定部207は、第1角度差θが所定の第1角度差閾値よりも大きい場合、リレーアタックが行われていないと判定することができる。
(複数のLFアンテナ102aの配置例)
図8は、一実施形態に係る車載機100が備える複数のLFアンテナ102aの配置例を示す図である。
図8に示すように、車両において、複数のLFアンテナ102aは互いに異なる位置に配置されている。車載機100は、複数のLFアンテナ102aから、異なるタイミングでリクエスト信号を順次送信する。
例えば、図8に示す例では、車両には、5本のLFアンテナ102a1,102a2,102a3,102a4,102a5が、互いに異なる位置に配置されている。この場合、例えば、車載機100は、LFアンテナ102a1,102a2,102a3,102a4,102a5の順番(但し、これに限らない)に、リクエスト信号を送信する。
この場合、携帯機110から見れば、異なる5つの方向から、順次リクエスト信号が送られてくることとなる。このため、携帯機110がリクエスト信号を2回連続して受信した場合、1回目に受信したリクエスト信号の送信元のLFアンテナ102aと、2回目に受信したリクエスト信号の送信元のLFアンテナ102aとは、携帯機110から見た方向が異なるものとなる。
よって、実施形態で説明したとおり、第2角度差算出部206によって算出される、1回目のリクエスト信号の受信に関する合成ベクトルS1と、2回目のリクエスト信号の受信に関する合成ベクトルS1との第2角度差αは、比較的大きくなり、このことから、リレーアタック判定部207は、リレーアタックが行われていないと判定することができる。
この判定精度を高めることができるように、図8に例示するように、複数のLFアンテナ102aは、車両に2本以上配置され、且つ、軸(X、Y、Z)方向に関してLFアンテナ102a同士が重ならないように設けられることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態のスマートキーレスエントリーシステム10は、携帯機110がリクエスト信号を受信したときの、3軸の各々の信号レベルの合成ベクトルS1と、3軸の各々のノイズレベルの合成ベクトルN1とを算出するベクトル算出部204と、ベクトル算出部204によって算出された3軸の各々の信号レベルの合成ベクトルS1と、ベクトル算出部204によって算出された3軸の各々のノイズレベルの合成ベクトルN1との角度差である第1角度差θを算出する第1角度差算出部205と、第1角度差算出部205によって算出された第1角度差θが所定の第1角度差閾値より小さい場合、リレーアタックが行われたと判定するリレーアタック判定部207とを備える。
これにより、本実施形態のスマートキーレスエントリーシステム10は、ノイズ源でもあるリレーアタック機器から送信されたリクエスト信号は、信号成分の到来方向とノイズ成分の到来方向とが略一致する、という事実に鑑み、リレーアタックが行われたか否の判定を高精度に行うことができる。したがって、本実施形態のスマートキーレスエントリーシステム10によれば、アナログ方式のリレーアタック機器が用いられた場合であっても、リレーアタックが行われたことを高精度に判定することができる。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
例えば、上記実施形態で説明した車載機100の一部の機能を、携帯機110に設けるようにしてもよい。例えば、上記実施形態では、ベクトル算出部204、第1角度差算出部205、第2角度差算出部206、およびリレーアタック判定部207が、車載機100に設けられているが、これらの機能部を、携帯機110に設けるようにしてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、上記条件1~上記条件4の全てを用いて、リレーアタックが行われているか否かを判定しているが、これに限らず、少なくとも上記条件4を用いて、リレーアタックが行われているか否かを判定すればよい。
また、上記実施形態の変形例として、リレーアタック判定部207は、上記条件4に代えて、下記条件5a~5cのいずれかを用いて、リレーアタックが行われているか否かを判定してもよい。
・(条件5a)3軸のうちのS値が最も大きい軸と、3軸のうちのN値が最も大きい軸とが一致する場合に、リレーアタックが行われていると判断する。
・(条件5b)3軸のうちのS値が最も小さい軸と、3軸のうちのN値が最も小さい軸とが一致する場合に、リレーアタックが行われていると判断する。
・(条件5c)3軸におけるS値の強度順と、3軸におけるN値の強度順とが一致する場合に、リレーアタックが行われていると判断する。
上記条件5a~5cのいずれも、リレーアタック機器から送信されるリクエスト信号は、信号源の方向(信号成分の到来方向)とノイズ源の方向(ノイズ成分の到来方向)とが略一致する、という事実に基づいて、リレーアタック機器を判別できるものである。
また、上記実施形態の変形例として、合成ベクトルS1,S2を算出するのに代えて、SxとNxとの比率と、SyとNyとの比率と、SzとNzとの比率とが、概ね1:1:1である場合を、実質的に合成ベクトルS1,S2の第1角度差θが略0°であることに相当するものとして、この場合に、リレーアタックが行われたと判定するようにしてもよい。