JP7121601B2 - ワックスの製造方法、潤滑油基油の製造方法 - Google Patents
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Description
本実施形態のワックスの製造方法は、10%容量留出温度が300℃以上の炭化水素油に低温流動性向上剤を添加し、5~40℃の温度条件にて固形物を析出させる析出工程と、固形物を、固液分離方法により第一の非透過分として回収する第一の分離工程と、回収した固形物を加熱溶融又は溶剤に溶解してゼオライト膜を含む分離膜に供給し、膜分離により第二の透過分を回収する第二の分離工程と、第二の透過分を冷却する冷却工程と、を備える。
析出工程では、炭化水素油に低温流動性向上剤を添加して混合油を調製し、5~40℃の温度条件にて固形物を析出させる。炭化水素油の10%容量留出温度は300℃以上であるが、好ましくは320℃以上である。なお、炭化水素油の90容量%留出温度は、好ましくは480℃以下であり、より好ましく460℃以下である。炭化水素油の留出温度はJIS(日本工業規格)K2254(石油製品-蒸留試験方法)により求めることができる。炭化水素油は、例えば、重質軽油に由来するものであってよい。このような炭化水素油を用いることで、潤滑油基油工程で用いるワックスを安価に必要量確保することができる。なお、本実施形態において、析出工程は溶剤の不存在下で実施される。
析出工程により炭化水素油中に析出した固形物を、固液分離方法により第一の非透過分として回収する。固液分離方法としては、0℃超の温度条件にて孔径2μm以上の固液分離器を用いたろ過、又は遠心分離により実施する方法が挙げられる。前者の場合、ろ材として布、網、充填層、多孔性物質等を用いることができ、フィルタープレス、重力ろ過、加圧ろ過、真空ろ過、遠心ろ過等により固形物を分離することができる。布を構成する素材としては合成繊維、天然繊維、ガラス繊維等を用いることができ、具体的にはポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、綿布等が挙げられる。網としては金属網を用いることができ、構成素材としては、具体的には炭素鋼、ステンレス鋼、モネルメタル、ニッケル、アルミニウム等が挙げられる。充填層を構成する素材としては砂、白土、活性炭等を用いることができる。多孔性物質としては焼結金属、多孔性グラファイト、無機膜(無機材料から形成される膜)等を含む分離膜を用いることができ、具体的にはステンレス鋼焼結体、シリカ膜、アルミナ膜、ゼオライト膜等を含む分離膜やガラスフィルターなどが挙げられる。孔径は光学顕微鏡など物理的測定法によって求めても良いし、保持粒子径(JIS(日本工業規格)Z8901で規定された7種粉体分散水を自然濾過した時、90%以上を保持できる粒子径)を用いても良い。後者の場合、分離板型、円筒型、デカンター型等の分離機により固形物を分離することができる。
本実施形態のワックスの製造方法は、いわゆるボトムカット効果の観点から蒸留工程を備えていてもよい。本工程では、第一の分離工程により得られた固形物を、40~80℃程度に加熱して溶融し、又はノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、または両者を主成分とする軽質ナフサ等の溶剤に溶解して蒸発塔に供給する。これにより、固形物から重質留分をカットすることができる。具体的には、本工程により、塔頂側から炭素数23~27のノルマルパラフィン含有比率の高い軽質留分と、塔底側から炭素数23~27のノルマルパラフィンの含有比率の低い重質留分と、を得ることができる。蒸発塔の温度は、塔底側の重質留分中の炭素数23~27のノルマルパラフィンの含有比率を下げるため高い温度が好ましいが、第二の分離工程に用いる分離膜表面が高沸点成分で被覆されないよう、第二の分離工程における分離温度以下であることが好ましい。なお、加熱溶融に際して溶剤を併用してもよい。
第一の分離工程により得られた固形物を、40~80℃程度に加熱して溶融し、又はノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、または両者を主成分とする軽質ナフサ等の溶剤に溶解してゼオライト膜を含む分離膜に供給する。あるいは、蒸留工程を実施する場合は、蒸留工程により得られた(蒸発塔にて気化した)軽質留分をゼオライト膜を含む分離膜に供給する。軽質留分は液体として分離膜に供してよく、気体として分離膜に供してもよい。分離条件は特に限定されないが、分離温度は、例えば30℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましい。分離温度を高くすることで透過流束が増加する傾向がある。また、分離温度は、例えば450℃以下であることが好ましく、400℃以下であることがより好ましい。分離温度を低くすることで炭化水素油に含まれる成分の熱分解が抑制され、後の工程にて潤滑油基油をより高収率で得られ易くなる。分離圧力(分離膜の供給面側の圧力)は特に限定されないが、透過面側の圧力以上であることが好ましい。
本工程では、第二の透過分を40~80℃程度に冷却する。冷却により得られる固形物(ワックス)は、炭素数20以上のノルマルパラフィンを好ましくは80容量%以上、より好ましくは90容量%以上含むことができる。冷却は、例えば空冷式熱交換器、多管式熱交換器、プレート式熱交換器等の冷却機構や、常温で放置することにより行うことができる。
本実施形態のワックスの製造方法により、固形物としてワックスを得ることができる。得られたワックスには、原料として用いた炭化水素油に添加した低温流動性向上剤が含まれ得る。ワックスに含まれる低温流動性向上剤の含有量は、当初の添加量及び製造工程次第で変動するため特に制限されないが、5質量%未満とすることができる。当該含有量の下限は0.1質量%とすることができる。
本実施形態の潤滑油基油の製造方法は、上述したワックスの製造方法により製造されたワックスから、潤滑油基油を得る基油製造工程を備える。
基油製造工程では、例えば、スラックワックスを原料油とした潤滑油基油の製造方法と同様の方法で、ワックスから、潤滑油基油を製造することができる。
10容量%留出温度が324.9℃、90容量%留出温度が432.0℃、流動点22.5℃の炭化水素油600gを、1L硼珪酸ガラスビーカー(コーニング社製)に移した。一方、エチレン-酢酸ビニル共重合体系の軽油用低温流動性向上剤MD336K(三洋化成工業株式会社製)0.18gを、200mLスクリュー管(マルエム製)に入れ、これをウォーターバス(アズワン製)にて60℃で1時間加熱した。このように準備した軽油用低温流動性向上剤を炭化水素油に添加し、ガラス棒にて攪拌混合して混合油を得た。
装置:Rigaku Ultima IV
X線源:Cu-Kα
管電圧:40kV
管電流:40mA
スキャン速度:3°/min
実施例1と同様にして得られたワックスW120g及びゼオライト分離膜用いて、以下の方法で分離工程を実施した。具体的には、図3に概略を示す分離試験を行った。供給液タンク23内の得られたワックスW1を加熱溶融しポンプ27により大気圧に保持した分離セル25内に流量0.3g/minで供給した。分離セル25は、ゼオライト分離膜1を備えている。また、分離セル25は、図示しないオーブン内に設置されており、分離試験中390℃に加熱されていた。分離セル25は、炭化水素油が円筒型の分離膜の外側表面に供給され、内側表面から透過分を得る構造をとっている。透過側は真空ポンプ38により-100kPaGに保持されていた。また、ガスクロマトグラフ29にて透過分の分析を行なった。なお、図中、31は透過分出口、33は非透過分出口を示す。
10容量%留出温度が338.1℃、90容量%留出温度が465.5℃、流動点27.5℃の炭化水素油を用いて、実施例1の第一の分離工程において低温恒温水槽の設定温度と減圧濾過時のろ過温度を22℃とした以外は同様の操作を行いワックスW420gと、流動点15℃のろ液(炭化水素油)を得た。表4は、ワックスW4中における各炭素数ノルマルパラフィン濃度を示す。
Claims (9)
- 10%容量留出温度が300℃以上であり、炭素数20以上のノルマルパラフィンの含有比率が7容量%以上であり、ノルマルパラフィンの含有比率が5~20容量%である炭化水素油に、低温流動性向上剤を前記炭化水素油100重量部に対して0.01~0.06重量部添加し、5~40℃の温度条件にて固形物を析出させる析出工程と、
前記固形物を、固液分離方法により第一の非透過分として回収する第一の分離工程と、
回収した前記固形物を加熱溶融又は溶剤に溶解して、厚さが0.1~100μmのゼオライト膜を含む分離膜に供給し、200~450℃で膜分離を行い第二の透過分を回収する第二の分離工程と、
前記第二の透過分を冷却する冷却工程と、
を備えるワックスの製造方法。 - 回収した前記固形物を加熱溶融又は溶剤に溶解して蒸発塔に供給し、軽質留分を回収する蒸留工程をさらに備え、前記第二の分離工程において、前記軽質留分をゼオライト膜を含む分離膜に供給し、膜分離により第二の透過分を回収する、請求項1に記載の製造方法。
- 前記第一の分離工程により分離される第一の透過分の流動点が、前記炭化水素油の流動点より5℃以上低い、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 回収した前記固形物が、炭素数18以上のノルマルパラフィンを40容量%以上含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記低温流動性向上剤が、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリアルキルメタクリレート、アルケニルコハク酸イミド、ポリアルキレンオキシド脂肪酸エステル、ポリアルキルアクリレート、アルキルナフタレン及びデンドリマーからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記固液分離方法が、0℃超の温度条件にて孔径2μm以上のフィルターを用いたろ過又は遠心分離により実施される、請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記ゼオライト膜がシリカライト-1を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
- 炭素数20以上のノルマルパラフィンを80容量%以上含むワックスを得る、請求項1~7のいずれか一項に記載の製造方法。
- 請求項1~8のいずれか一項に記載の製造方法により製造されたワックスから、潤滑油基油を得る基油製造工程を備える、潤滑油基油の製造方法。
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