JP7121319B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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冷凍装置に関する。
近年、空気調和装置等の冷凍装置では、特許文献1(特開2015-007257号公報)に開示されるように、冷媒としてハイドロフルオロオレフィン(HFO)が用いられている。HFOは、例えば、1,1,2-トリフルオロエチレン(HFO-1123)、および、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)である。HFOは、大気中のOHラジカルによって分解されやすいため地球温暖化係数が小さい。
しかし、HFOの中には、熱安定性が低く、不均化反応が発生しやすいものがある。不均化反応とは、同一種類の分子2個以上が相互に反応すること等により、2種類以上の異なる種類の物質が生成される化学反応である。HFO-1123のように、冷媒が、炭素―炭素不飽和結合を1以上有する分子式で表される化合物である場合、高温および高圧下では不均化反応の一種である重合反応が進行しやすい。重合反応とは、複数のモノマーが重合することにより、分子量が大きい化合物(高分子化合物)が生成される反応である。重合反応により生成される化合物である重合体は、通常、10000以上の分子量を有する。
冷凍装置では、圧縮機の圧縮機構の内部において冷媒の重合反応が進行しやすい。冷媒の重合反応により生成された重合体が、冷凍装置の配管等に付着すると、冷媒流路が重合体で詰まるおそれがある。冷凍装置の配管等が重合体で詰まると、詰まった箇所の近傍が高温および高圧となり爆発する危険性がある。
本開示の目的は、冷媒の重合反応により生成された重合体の詰まりを抑制し、安全性の高い冷凍装置を提供することである。
本開示の第1観点に係る冷凍装置は、圧縮機と凝縮器と膨張機構と蒸発器とが環状に接続される冷凍サイクルを備える。この冷凍装置は、重合体キャッチャーを備える。重合体キャッチャーは、圧縮機の出口側と凝縮器の入口側とを接続する配管に取り付けられ、冷凍サイクルを循環する冷媒の重合体を捕捉する。冷媒は、炭素―炭素不飽和結合を1以上有する分子式で表される化合物を含む。
第1観点に係る冷凍装置は、冷凍サイクルを循環する冷媒分子の重合反応により生成された重合体を捕捉するための重合体キャッチャーを備える。冷凍装置の圧縮機では、高温および高圧により冷媒分子の重合反応が進行しやすい。そのため、冷凍サイクルの圧縮機と凝縮器との間に重合体キャッチャーを設けることで、生成された重合体が効率的に捕捉される。従って、第1観点に係る冷凍装置は、冷媒の重合反応により生成された重合体の詰まりを抑制し、安全性を向上させることができる。
本開示の第2観点に係る冷凍装置は、第1観点に係る冷凍装置であって、四方切替弁をさらに備える。四方切替弁は、配管に取り付けられる。重合体キャッチャーは、圧縮機の出口側と四方切替弁の入口側との間に取り付けられている。
第2観点に係る冷凍装置は、四方切替弁を備える。四方切替弁は、冷媒分子の重合反応により生成された重合体が詰まりやすい摺動部を有する。そのため、冷凍装置が四方切替弁を備える場合、圧縮機と四方切替弁との間に重合体キャッチャーを設けることで、重合体の詰まりが効果的に抑制される。従って、第2観点に係る冷凍装置は、冷媒の重合反応により生成された重合体の詰まりを抑制し、安全性を向上させることができる。
本開示の第3観点に係る冷凍装置は、第1観点または第2観点に係る冷凍装置であって、重合体キャッチャーは、重合体の通過を抑制するフィルターである。
第3観点に係る冷凍装置は、重合体を物理的に捕捉するための重合体キャッチャーであるフィルターを備える。
本開示の第4観点に係る冷凍装置は、第1乃至第3観点のいずれか1つに係る冷凍装置であって、重合体キャッチャーは、重合体を吸着する吸着剤を有するドライヤーである。
第4観点に係る冷凍装置は、重合体を化学的に捕捉するための重合体キャッチャーであるドライヤーを備える。
本開示の第5観点に係る冷凍装置は、第4観点に係る冷凍装置であって、ドライヤーは、安定剤および酸化防止剤をさらに有する。
第5観点に係る冷凍装置は、安定剤および酸化防止剤を有するドライヤーを備える。安定剤は、脱酸素剤等である。安定剤および酸化防止剤によって、酸素による重合反応の促進が抑制される。従って、第5観点に係る冷凍装置は、冷媒の重合反応により生成された重合体の詰まりを抑制し、安全性を向上させることができる。
本開示の第6観点に係る冷凍装置は、第1乃至第5観点のいずれか1つに係る冷凍装置であって、凝縮器は、冷媒が流れる扁平多穴管を有する。
第6観点に係る冷凍装置は、冷媒の重合反応により生成された重合体が扁平多穴管に詰まることを抑制し、安全性を向上させることができる。
本開示の実施形態に係る空気調和装置の冷媒回路図である。 捕捉機構の断面図である。 変形例Aに係る空気調和装置の冷媒回路図である。 変形例Bに係る捕捉機構の断面図である。
(1)空気調和装置の構成
本開示の実施形態に係る冷凍装置としての空気調和装置1について説明する。図1は、空気調和装置1の冷媒回路図である。空気調和装置1は、圧縮機2と、捕捉機構7と、室外熱交換器4と、膨張機構5と、室内熱交換器6とが環状に接続された冷凍サイクルを備える。空気調和装置1は、冷房運転のみを行うことができる冷房専用機器である。図1において、実線の矢印は、空気調和装置1の運転時において、冷凍サイクルを循環する冷媒の流れ方向を表す。
冷房運転を行う空気調和装置1の冷凍サイクルについて説明する。最初に、圧縮機2は、低圧のガス冷媒を圧縮して、高圧のガス冷媒を吐出する。圧縮機2から吐出された圧縮冷媒は、捕捉機構7を通過する。捕捉機構7では、圧縮冷媒に混ざっている重合体が捕捉される。重合体の詳細に関しては後述する。捕捉機構7を通過した圧縮冷媒は、室外熱交換器4に供給される。室外熱交換器4は、高圧のガス冷媒を凝縮して、高圧の液冷媒を吐出する。室外熱交換器4は、例えば、扁平多穴管を有する熱交換器である。室外熱交換器4から吐出された冷媒は、膨張機構5を通過して低圧の気液混合状態の冷媒となる。膨張機構5は、例えば、キャピラリーチューブである。膨張機構5を通過した冷媒は、室内熱交換器6に供給される。室内熱交換器6は、低圧の気液混合状態の冷媒を蒸発させて、低圧のガス冷媒を吐出する。室内熱交換器6から吐出された冷媒は、圧縮機2に供給される。
空気調和装置1は、冷房専用機器であり、室外熱交換器4は凝縮器として機能し、室内熱交換器6は蒸発器として機能する。そのため、室内熱交換器6において発生する冷媒の蒸発潜熱によって、室内が冷却される。
空気調和装置1の冷凍サイクルには、冷凍機油が封入されている。冷凍機油は、主として、圧縮機2の摺動部における摩耗および焼き付きの防止のために用いられる潤滑油である。圧縮機2の摺動部は、例えば、圧縮機2がスクロール圧縮機の場合、2つのスクロール間のスラスト摺動面、および、クランク軸と軸受との間の摺動面等である。
空気調和装置1の冷媒回路を循環する冷媒は、炭素―炭素不飽和結合を1以上有する分子式で表される化合物を含む。例えば、冷媒としては、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)が用いられている。HFOは、例えば、1,1,2-トリフルオロエチレン(HFO-1123)、および、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yfおよびHFO-1234ze(E)等)である。HFOは、大気中のOHラジカルによって分解されやすいため地球温暖化係数が小さい。
また、空気調和装置1で使用される冷媒は、混合冷媒であってもよい。その場合、混合冷媒は、炭素―炭素不飽和結合を1以上有する分子式で表される化合物を含む。例えば、空気調和装置1で使用される冷媒は、HFCとHFOとを含む混合冷媒であってもよい。具体的には、混合冷媒は、分子式CHで表されるR32をHFCとして含み、HFO-1234yfおよびHFO-1234ze(E)等をHFOとして含んでもよい。HFCは、塩素を含まないので、クロロフルオロカーボンおよびハイドロクロロフルオロカーボンと比べてオゾン層を破壊する効果が小さい。
(2)捕捉機構の構成
空気調和装置1において、圧縮機2の吐出口(出口側)と、室外熱交換器4の流入口(入口側)との間の配管には、捕捉機構7が取り付けられている。捕捉機構7は、圧縮機2によって圧縮された冷媒が内部を通過する構成を有する。捕捉機構7は、空気調和装置1の配管への取り付け、および、空気調和装置1の配管からの取り外しが容易に行える構造を有することが好ましい。この場合、捕捉機構7の交換を容易に実施することができる。
図2は、捕捉機構7の一例の断面図である。捕捉機構7は、主として、本体部11と、フィルター部12とを有する。本体部11は、空気調和装置1の配管(捕捉機構7の前後の配管)よりも径が大きい部分を有する管状部材である。フィルター部12は、本体部11の内周面に固定されている多孔質部材である。フィルター部12は、冷媒の分子の重合反応によって生成された重合体を捕捉する部材である。捕捉機構7の内部を通過する冷媒は、フィルター部12を通過する。その際、冷媒に混ざっている重合体は、フィルター部12に捕捉される。
フィルター部12は、例えば、SUS等によって形成された金属製のメッシュ13から構成される。メッシュ13は、捕捉機構7の内部を冷媒と共に通過する重合体が物理的に付着する網状部材である。メッシュ13の線径および網目は、任意である。メッシュ13の線径は、メッシュ13を構成する線の太さである。メッシュ13の網目は、メッシュ13の孔の内寸である。メッシュ13が平織り(線が格子状に織られた構成)の場合、網目は、メッシュ13の正方形の孔の一辺の長さに等しい。メッシュ13の網目は、数mm程度で十分である。ただし、メッシュ13の網目が1mm以下の場合、網目が重合体で塞がりやすくなる。メッシュ13の網目が重合体で塞がると、捕捉機構7が重合体で詰まり、冷媒が捕捉機構7をスムーズに通過できなくなるおそれがあり、空気調和装置1の運転効率および安全性が低下する。また、メッシュ13の網目が大きすぎると、重合体がメッシュ13に接触しにくくなり、重合体の捕捉性能が低下する。そのため、メッシュ13の網目は、重合体で容易に塞がりにくい程度に大きく、かつ、重合体が適度に捕捉される程度に小さいことが好ましい。
なお、捕捉機構7において、フィルター部12のメッシュ13の数は、任意である。例えば、図2に示されるように、本体部11の内部には、複数のメッシュ13が所定の間隔を開けて取り付けられてもよい。また、フィルター部12が複数のメッシュ13を有する場合、各メッシュ13は、互いに異なる線径および網目を有してもよい。例えば、メッシュ13の網目は、捕捉機構7の上流側から下流側に向かって徐々に小さくなってもよい。
(3)冷凍機油の組成
次に、冷凍サイクルに封入されている冷凍機油の組成について説明する。冷凍機油は、主として、基油、酸捕捉剤、極圧剤および酸化防止剤からなる。
基油は、鉱油または合成油が用いられる。基油は、空気調和装置1に使用される冷媒との相溶性が良いものが、適宜に選択される。鉱油は、例えば、ナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油である。合成油は、例えば、エステル化合物、エーテル化合物、ポリα‐オレフィン、アルキルベンゼンである。合成油の具体例としては、ポリビニルエーテル、ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール等が挙げられる。なお、基油として、上記の鉱油または合成油を2種以上組み合わせた混合物が用いられてもよい。
酸捕捉剤は、冷媒の分解によって発生したフッ酸等の酸と反応することにより、酸による冷凍機油の劣化を抑制するために用いられる添加剤である。酸捕捉剤は、例えば、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、テンペン系化合物である。酸捕捉剤の具体例としては、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エポキシ化シクロヘキシルカルビノール、ジ(アルキルフェニル)カルボジイミド、β-ピネン等が挙げられる。冷媒の分解によって発生したフッ酸等の酸は、冷凍機油に含まれる酸捕捉剤によって捕捉される。これにより、冷媒の分解によって発生した酸に起因する冷凍機油の劣化、および、空気調和装置1の金属部品の腐食が抑制される。
極圧剤は、圧縮機2の摺動部における摩耗および焼き付きを防止するために用いられる添加剤である。冷凍機油は、摺動部において互いに摺動する部材表面の間に油膜を形成することで、摺動部材同士の接触を防止する。しかし、ポリビニルエーテルのような低粘度の冷凍機油を使用する場合、および、摺動部材にかかる圧力が高い場合には、摺動部材同士が接触しやすくなる。極圧剤は、摺動部において互いに摺動する部材表面と反応して被膜を形成することで、摩耗および焼き付きの発生を抑制する。極圧剤は、例えば、リン酸エステル、亜リン酸エステル、チオリン酸塩、硫化エステル、スルフィド、チオビスフェノール等である。極圧剤の具体例としては、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリフェニルフォスフェート(TPP)、トリフェニルホスホロチオエート(TPPT)、アミン、C11-14側鎖アルキル、モノヘキシルおよびジヘキシルフォスフェートが挙げられる。TCPは、摺動部材の表面に吸着し、分解することで、リン酸塩の被膜を形成する。
酸化防止剤は、冷凍機油の酸化を防止するために用いられる添加剤である。酸化防止剤の具体例としては、ジチオリン酸亜鉛、有機硫黄化合物、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)等のフェノール系、フェニル-α-ナフチルアミン、N,N’-ジ-フェニル-p-フェニレンジアミン等のアミン系の酸化防止剤、N,N’‐ジサリシリデン‐1,2‐ジアミノプロパン等が挙げられる。
(4)特徴
空気調和装置1は、冷媒分子の重合反応により生成された重合体を捕捉するための捕捉機構7を備える。空気調和装置1の圧縮機2は、内部が高温および高圧になるため、冷媒分子の重合反応が進行しやすい構成要素である。冷媒分子の重合反応によって生成された重合体は、固体であり、冷凍サイクルの配管等に付着すると、冷媒流路が重合体で詰まるおそれがある。空気調和装置1の冷媒流路が重合体で詰まると、冷凍サイクルの冷媒の流れが阻害され、重合体で詰まった部分の上流側において冷媒が圧縮されるおそれがある。その結果、冷凍サイクルの一部が高温および高圧となり爆発する危険性がある。また、冷媒の重合反応により生成された重合体が、空気調和装置1の摺動部(圧縮機2の圧縮機構等)に噛み込まれると、その摺動部が破損して、空気調和装置1の安全性および性能が低下するおそれがある。そのため、空気調和装置1を長期間運転させると、冷媒分子の重合反応により生成された重合体によって、空気調和装置1の運転効率および安全性が低下するおそれがある。特に、HFO-1123のように、冷媒が、炭素―炭素不飽和結合を1以上有する分子式で表される化合物である場合熱による重合反応が進行しやすいので、冷媒の重合反応により生成された重合体に起因する問題が発生しやすい。
空気調和装置1は、冷凍サイクルの圧縮機2と室外熱交換器4との間の配管に捕捉機構7が取り付けられている。捕捉機構7は、内部を通過する冷媒に混ざっている重合体を捕捉するフィルター部12を備える。フィルター部12は、複数のメッシュ13から構成される。捕捉機構7を通過する重合体は、メッシュ13に物理的に付着する。これにより、捕捉機構7内を冷媒が通過することで、冷媒の重合反応により生成された重合体が捕捉機構7によって捕捉されて取り除かれる。これにより、空気調和装置1の冷媒流路が重合体で詰まること、および、空気調和装置1の摺動部に摺動部が噛み込まれることが抑制される。また、メッシュ13は、冷媒の流れをほとんど阻害しない網状部材であるので、室外熱交換器4に流入する冷媒の量が捕捉機構7によって大きく低減することはない。そのため、捕捉機構7によって、空気調和装置1の運転効率は大きく低下することはない。
従って、空気調和装置1は、運転効率を低下させることなく、冷媒の重合反応により生成された重合体の詰まりを抑制して、安全性を向上させることができる。
また、捕捉機構7は、圧縮機2と室外熱交換器4との間の配管に取り付けられる。そのため、捕捉機構7は、空気調和装置1の配管への取り付け、および、空気調和装置1の配管からの取り外しが容易に行える構造を有することができる。この場合、捕捉機構7の交換を容易に実施することができるので、空気調和装置1の点検および修理等の保守作業を効率的に行うことができる。
なお、室外熱交換器4が扁平多穴管を有する熱交換器である場合、扁平多穴管は、冷媒が流れる流路の径が小さいので、重合体が詰まりやすい。そのため、扁平多穴管が重合体で詰まることを防止するためには、重合体が混ざっている冷媒の流れが室外熱交換器4の扁平多穴管に流入する前に、重合体を捕捉することが重要である。空気調和装置1は、圧縮機2と室外熱交換器4との間に取り付けられる捕捉機構7によって、重合体が扁平多穴管に詰まることを抑制し、安全性を向上させることができる。
(5)変形例
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示の具体的構成は、本開示の要旨を逸脱しない範囲内で変更可能である。以下、本開示の実施形態に適用可能な変形例について説明する。
(5-1)変形例A
実施形態では、空気調和装置1は、冷房専用機器である。しかし、空気調和装置1は、冷房機能および暖房機能の両方を備える機器でもよい。図3は、本変形例における空気調和装置1の冷媒回路図である。空気調和装置1は、主として、圧縮機2と、捕捉機構7と、四方切替弁3と、室外熱交換器4と、膨張機構5と、室内熱交換器6とから構成される。図3において、実線の矢印は、冷房運転時における冷媒の流れを表し、点線の矢印は、暖房運転時における冷媒の流れを表す。
冷房運転時では、室外熱交換器4は凝縮器として機能し、室内熱交換器6は蒸発器として機能する。言い換えると、室内熱交換器6で発生する冷媒の蒸発潜熱によって、室内が冷却される。一方、暖房運転時では、四方切替弁3を切り換えることで、室外熱交換器4は蒸発器として機能し、室内熱交換器6は凝縮器として機能する。言い換えると、室外熱交換器4で発生する冷媒の凝縮潜熱によって、室内が加熱される。
本変形例では、圧縮機2の吐出口(出口側)と、四方切替弁3の流入口(入口側)との間の配管には、捕捉機構7が取り付けられている。捕捉機構7は、実施形態のものと同じである。四方切替弁3は、冷媒分子の重合反応により生成された重合体が噛み込まれて詰まりやすい摺動部を有する。四方切替弁3において重合体が詰まると、四方切替弁3の切り替えが正常に行われないおそれがあり、また、四方切替弁3の摺動部が破損するおそれがある。そこで、空気調和装置1が四方切替弁3を備える場合、圧縮機2と四方切替弁3との間の配管に捕捉機構7を取り付けることで、四方切替弁3に重合体が侵入することが抑制される。これにより、四方切替弁3における重合体の詰まりが効果的に抑制される。従って、本変形例の空気調和装置1は、冷媒の重合反応により生成された重合体の詰まりを抑制し、安全性を向上させることができる。
(5-2)変形例B
実施形態では、捕捉機構7のフィルター部12は、メッシュ13から構成されている。しかし、フィルター部12は、メッシュ13以外の多孔質部材を含んでもよい。例えば、フィルター部12は、繊維状フィルターを含んでもよい。
図4は、本変形例に係る捕捉機構17の一例の断面図である。捕捉機構17は、主として、本体部21と、フィルター部22とを有する。フィルター部22は、図4に示されるように、一対のメッシュ23と、繊維状フィルター24とを有する。一対のメッシュ23は、本体部21に固定されている。繊維状フィルター24は、一対のメッシュ23によって両側から挟まれて支持されている。
繊維状フィルターの材質は任意である。例えば、繊維状フィルターの材質は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートおよびナイロン等の樹脂、銅等のメタルウール、および、グラスウールである。特に、グラスウールは、重合体の捕捉性能が高く、繊維状フィルターの材質として適している。
(5-3)変形例C
実施形態では、捕捉機構7のフィルター部12は、メッシュ13から構成されている。しかし、メッシュ13の代わりにパンチングメタルが用いられてもよい。パンチングメタルは、薄い金属板に多数の孔が形成された部材である。パンチングメタルの孔径は任意であるが、重合体で容易に塞がりにくい程度に大きく、かつ、重合体が適度に捕捉される程度に小さいことが好ましい。
(5-4)変形例D
実施形態では、捕捉機構7は、冷媒に含まれる重合体を物理的に捕捉するフィルター部12を備える。しかし、捕捉機構7は、冷媒に含まれる重合体を化学的に捕捉するドライヤーを備えてもよい。例えば、捕捉機構7は、吸着式のドライヤーであってもよい。この場合、捕捉機構7は、重合体を吸着する吸着剤を内部に有する。捕捉機構7を通過する冷媒に混ざっている重合体は、吸着剤に吸着されて捕捉される。
また、本変形例では、捕捉機構7が吸着式のドライヤーである場合、捕捉機構7は、吸着剤の他に、安定剤および酸化防止剤をさらに有してもよい。安定剤は、脱酸素剤等である。安定剤および酸化防止剤によって、冷媒分子の重合反応の促進が抑制される。従って、捕捉機構7は、冷媒の重合反応による重合体の生成を抑制することができるので、重合体の詰まりをより効果的に抑制することができる。
また、吸着剤は、高温の冷媒ガスに曝されると変質または分解して、重合体の吸着能力が低下するおそれがある。また、安定剤および酸化防止剤は、高温の冷媒ガスに曝されると変質または分解して、重合反応を抑制する効果が低下するおそれがある。しかし、捕捉機構7は、圧縮機2と室外熱交換器4との間の配管に取り付けられる。そのため、圧縮機2によって圧縮された直後の高温の冷媒ガスが、捕捉機構7を通過することはない。言い換えると、捕捉機構7には、圧縮機2から吐出されて配管を流れる間に冷却された冷媒ガスが通過する。従って、圧縮機2と室外熱交換器4との間の配管に捕捉機構7を取り付けることにより、重合体の詰まりを抑制する効果が高温の冷媒ガスに起因して低減する不具合の発生が防止される。
また、捕捉機構7の内部には、吸着剤より上流側(圧縮機2により近い側)に、安定剤および酸化防止剤が設けられていることが好ましい。言い換えると、冷媒ガスは、捕捉機構7の内部において、安定剤および酸化防止剤と最初に接触し、次に吸着剤と接触することが好ましい。安定剤および酸化防止剤は、重合体の生成を抑制する効果を有するので、上記の構成により、吸着剤と接触する重合体の量が低減する。従って、重合体を吸着することによる、吸着剤の吸着能力の低下が抑制されるので、捕捉機構7の寿命が延びる。
また、本変形例では、吸着剤のみを有しドライヤーとして機能する捕捉機構7とは別に、安定剤および酸化防止剤を内部に有する重合抑制機構が、圧縮機2と室外熱交換器4との間の配管に取り付けられてもよい。この場合、捕捉機構7および重合抑制機構は、互いに独立した部材である。そのため、空気調和装置1の保守作業時において、捕捉機構7のみを交換することができ、また、重合抑制機構のみを交換することができる。
(5-5)変形例E
変形例Aでは、空気調和装置1は、四方切替弁3を備える。しかし、空気調和装置1は、四方切替弁3の代わりにブリッジ回路を備えてもよい。四方切替弁3は、摺動部を有するので、摺動部における摩擦熱によって冷媒分子の重合反応が促進されるおそれがある。そのため、四方切替弁3の代わりに、摺動部を有さないブリッジ回路を空気調和装置1に採用することで、冷媒の重合反応による重合体の生成が抑制され、重合体の詰まりがより効果的に抑制される。
(5-6)変形例F
実施形態では、空気調和装置1の膨張機構5は、例えば、キャピラリーチューブである。しかし、膨張機構5は、キャピラリーチューブではなく電動弁であってもよい。キャピラリーチューブの内径は小さいため、重合体が詰まりやすいおそれがある。そのため、キャピラリーチューブの代わりに、冷媒流路面積がより大きい電動弁を採用することで、重合体の詰まりがより効果的に抑制される。
―むすび―
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
1 空気調和装置(冷凍装置)
2 圧縮機
4 室外熱交換器(凝縮器、蒸発器)
5 膨張機構
6 室内熱交換器(蒸発器、凝縮器)
7 捕捉機構(重合体キャッチャー)
特開2015-007257号公報

Claims (3)

  1. 圧縮機と凝縮器と膨張機構と蒸発器とが環状に接続される冷凍サイクルを備える冷凍装置であって、
    前記圧縮機の出口側と前記凝縮器の入口側とを接続する配管に取り付けられ、前記冷凍サイクルを循環する冷媒の重合体を化学的に捕捉するための重合体キャッチャーを備え、
    前記冷媒は、炭素―炭素不飽和結合を1以上有する分子式で表される化合物を含み、
    前記重合体キャッチャーは、前記重合体を吸着する吸着剤を有するドライヤーを備え
    前記凝縮器は、前記冷媒が流れる扁平多穴管を有する、
    冷凍装置。
  2. 前記配管に取り付けられる四方切替弁をさらに備え、
    前記重合体キャッチャーは、前記圧縮機の出口側と前記四方切替弁の入口側との間に取り付けられている、
    請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記ドライヤーは、安定剤および酸化防止剤をさらに有する、
    請求項1または2に記載の冷凍装置。
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