以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1等に本発明に係る本第1実施形態の熱風加熱炉10の構成を示す。本実施形態の熱風加熱炉10は、車両空調装置用の熱交換器のワーク1をろう付けするための高温炉である。
本実施形態のワーク1は、熱交換器のうち複数本のチューブと熱交換フィンとを備える熱交換コアにおいてろう付け工程前の半完成品である。
具体的には、熱風加熱炉10は、図1に示すように、加熱室20、および熱風ダクト30を備える。加熱室20は、ベルトコンベア21によって順次運ばれるワーク1を熱風ダクト30から吹き出される熱風によってろう付けする。
熱風ダクト30は、図2、図3に示すように、入口ダクト部31、中間ダクト部32、出口ダクト部33、整流板34、および電気ヒータ35を備える。
入口ダクト部31は、送風機によって吹き出される空気流を中間ダクト部32に導く空気流路31aを構成する。整流板34は、入口ダクト部31内に配置されて、入口ダクト部31内の空気流の向きを変えて中間ダクト部32に導く整流板である。
電気ヒータ35は、入口ダクト部31内に配置されて、空気流を加熱して熱風を発生させる。このことにより、電気ヒータ35によって加熱された空気流が熱風として入口ダクト部31から中間ダクト部32に吹き出される。
中間ダクト部32は、入口ダクト部31から吹き出される熱風を出口ダクト部33に導く空気流路32aを構成する。本実施形態の空気流路32aは、熱風の主流方向に直交する断面において正方形に形成されている。なお、中間ダクト部32の構成は、後述する。出口ダクト部33は、中間ダクト部32から吹き出される熱風を加熱室20に導く空気流路33aを構成する。
次に、本実施形態の中間ダクト部32の構造について図4、図5、図6を参照して説明する。
中間ダクト部32は、図4、図5および図6に示すように、ダクト分割部材40、41、42、43、および支持部材44、45を備える。
ダクト分割部材40、41、42、43は、それぞれ、主流方向に直交する幅方向に亘って主流方向に延びる長板状に形成されている。ダクト分割部材40、41、42、43は、図5に示すように、熱風の主流方向に直交する断面において空気流路32aを囲むように並べられて空気流路32aを形成する。
ダクト分割部材40、41、42、43の厚み寸法(すなわち、板厚寸法)がそれぞれ同一になっている。
ダクト分割部材40、43は、それぞれ、熱風の主流方向に直交するX方向に拡がるように形成されている。ダクト分割部材40、43のそれぞれのX方向寸法が同一になっている。
ダクト分割部材41、42は、それぞれ、熱風の主流方向に直交するY方向に拡がるように形成されている。Y方向は、X方向に直交する方向である。ダクト分割部材41、42のそれぞれのY方向寸法が同一になっている。
ダクト分割部材40は、空気流路32aに対してY方向他方側に配置されている。ダクト分割部材41は、空気流路32aに対してX方向一方側に配置されている。ダクト分割部材42は、空気流路32aに対してX方向他方側に配置されている。ダクト分割部材43は、空気流路32aに対してY方向一方側に配置されている。
ダクト分割部材40のうちX方向一方側には、端面40aが形成されている。ダクト分割部材40のうちX方向他方側には、端面40bが形成されている。
ダクト分割部材41のうちY方向一方側には、端面41aが形成されている。ダクト分割部材41のうちY方向他方側には、端面41bが形成されている。
ダクト分割部材42のうちY方向一方側には、端面42aが形成されている。ダクト分割部材42のうちY方向他方側には、端面42bが形成されている。ダクト分割部材43のうちX方向一方側には、端面43aが形成されている。ダクト分割部材43のうちX方向他方側には、端面43bが形成されている。
ダクト分割部材40~43が低温時にて、ダクト分割部材40、42の端面(すなわち、端部)40b、42bの間に間隔32eが形成され、ダクト分割部材40、41の端面(すなわち、端部)40a、41bとの間に間隔32bが形成される。
さらに、ダクト分割部材40~43が低温時にて、ダクト分割部材43、41の端面(すなわち、端部)43a、41aの間に間隔32cが形成され、ダクト分割部材43、42の端面(すなわち、端部)43b、42aとの間に間隔32dが形成される。
端面40b、42bは、互いに平行になるように形成されている。具体的には、端面40b、42bは、X方向に対して反時計回りに45°の角度を成すように形成されている。
端面40a、41bは、互いに平行になるように形成されている。具体的には、端面40a、41bは、X方向に対して時計回りに45°の角度を成すように形成されている。
端面41a、43aは、互いに平行になるように形成されている。具体的には、端面41a、43aは、Y方向に対して時計回りに45°の角度を成すように形成されている。
端面42a、43bは、互いに平行になるように形成されている。具体的には、端面42a、43bは、Y方向に対して反時計回りに45°の角度を成すように形成されている。
本実施形態のダクト分割部材40、41、42、43は、それぞれの同一の金属材料によって形成されている。
支持部材44、45は、それぞれ、ダクト分割部材40、41、42、43を囲むように配置されている。具体的には、支持部材44、45は、それぞれ、ダクト分割部材40、41、42、43の外壁に沿うように矩形状に形成されている。
支持部材44、45は、それぞれ、ダクト分割部材40、41、42、43を支持する。支持部材44、45は、それぞれ、ダクト分割部材40、41、42、43に対して溶接接合、ボルト等によって固定されている。
支持部材44は、空気流路32aの入口32f側に配置されている。支持部材45は、空気流路32aの出口32g側に配置されている。
本実施形態の支持部材44、45は、ダクト分割部材40、41、42、43に比べて、熱膨張し難くなっている。例えば、支持部材44、45は、ダクト分割部材40、41、42、43に比べて、線膨張係数が小さくなっている。
次に、本実施形態のダクト分割部材40~43の詳細について説明する。
まず、ダクト分割部材40、41、42、43の線膨張係数をαとする。ダクト分割部材40、41、42、43の許容応力を許容応力σsとする。許容応力σsとは、ダクト分割部材40、41、42、43が弾性変形する場合における当該応力の範囲のうち最大値(すなわち、上限値)である。
例えば、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合う2つのダクト分割部材が熱膨張して干渉することにより前記隣り合う2つのダクト分割部材の間に許容応力よりも大きな応力が生じると、2つのダクト分割部材が塑性変形することになる。
一方、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合う2つのダクト分割部材が熱膨張して干渉することにより前記隣り合う2つのダクト分割部材の間に許容応力以下の応力が生じると、2つのダクト分割部材が弾性変形することになる。
ダクト分割部材40、41、42、43のヤング率をEとする。ダクト分割部材40、41、42、43の低温時(冷間時)と高温時(熱間時)との温度差をΔTとする。
高温時とは、中間ダクト部32に熱風が流通したときのことである。低温時とは、中間ダクト部32に熱風が流通することが停止されたときのことである。
ダクト分割部材40、41、42、43の厚み方向の寸法(すなわち、板厚寸法)をltとする。ダクト分割部材40、43の厚み方向は、ダクト分割部材40、43のY方向の寸法であり、ダクト分割部材41、42の厚み方向は、ダクト分割部材41、42のY方向の寸法である。
ダクト分割部材40、43の内壁40c、43cのX方向の幅寸法をLwxとし、ダクト分割部材41、42の内壁41c、42cのY方向の幅寸法をLwyとする。
ダクト分割部材40、41の端面40a、41bを結ぶ方向をδb方向とする。ダクト分割部材40、41の端面40a、41bの間隔32bのδb方向の寸法を寸法Lδbとする。
低温時の間隔32bのδb方向の寸法Lδbを寸法LδbAとする。
この場合、ダクト分割部材40、41は、数1の式を満たす。
数1の式の右辺は、「熱膨張によって生じるダクト分割部材40のδb方向の伸び量」と、「熱膨張によって生じるダクト分割部材41のδb方向の伸び量」とを加算した値である。
低温時の間隔32bのδb方向の寸法LδbAは、零よりも大きい(LδbA>0)。一方、高温時には、ダクト分割部材40、41が熱膨張して間隔32bが閉塞するため、間隔32bのδb方向の寸法Lδbが零になる(Lδb=0)。
以上により、低温時の間隔32bの寸法LδbAは、「熱膨張によって生じるダクト分割部材40、41のδb方向の伸び量の加算値」よりも小さいことになる。
次に、ダクト分割部材41、43の端面41a、43aを結ぶ方向をδc方向とする。ダクト分割部材41、43の端面41a、43aの間隔32cのδc方向の寸法を寸法Lδcとする。低温時の間隔32cのδc方向の寸法Lδcを寸法LδcAとする。
この場合、ダクト分割部材41、43は、数2の式を満たす。
数2の式の右辺は、「熱膨張によって生じるダクト分割部材41のδc方向の伸び量」と、「熱膨張によって生じるダクト分割部材43のδc方向の伸び量」とを加算した値である。
低温時の間隔32cのδc方向の寸法LδcAは、零よりも大きい(LδcA>0)。一方、高温時には、ダクト分割部材41、43が熱膨張して間隔32cが閉塞するため、間隔32cのδc方向の寸法Lδcが零になる(Lδb=0)。
以上により、低温時の間隔32cの寸法LδcAは、「熱膨張によって生じるダクト分割部材41、43のδc方向の伸び量の加算値」よりも小さいことになる。
次に、ダクト分割部材43、42の端面43b、42aを結ぶ方向をδd方向とする。ダクト分割部材43、42の端面43b、42aの間隔32dのδd方向の寸法を寸法Lδdとする。低温時の間隔32dのδd方向の寸法Lδdを寸法LδdAとする。
この場合、ダクト分割部材43、42は、数3の式を満たす。
数3の式の右辺は、「熱膨張によって生じるダクト分割部材43のδd方向の伸び量」と、「熱膨張によって生じるダクト分割部材42のδd方向の伸び量」とを加算した値である。
低温時の間隔32dのδd方向の寸法LδdAは、零よりも大きい(LδdA>0)。一方、高温時には、ダクト分割部材43、42が熱膨張して間隔32dが閉塞するため、間隔32dのδd方向の寸法Lδdが零になる(Lδd=0)。
以上により、低温時の間隔32dの寸法LδdAは、「熱膨張によって生じるダクト分割部材43、42のδd方向の伸び量の加算値」よりも小さいことになる。
次に、ダクト分割部材42、40の端面42b、40bを結ぶ方向をδe方向とする。ダクト分割部材42、40の端面42b、40bの間隔32eのδe方向の寸法を寸法Lδeとする。低温時の間隔32eのδe方向の寸法Lδeを寸法LδeAとする。
この場合、ダクト分割部材42、40は、数4の式を満たす。
数4の式の右辺は、「熱膨張によって生じるダクト分割部材42のδe方向の伸び量」と、「熱膨張によって生じるダクト分割部材40のδe方向の伸び量」とを加算した値である。
低温時の間隔32eのδe方向の寸法LδeAは、零よりも大きい(LδeA>0)。一方、高温時には、ダクト分割部材42、40が熱膨張して間隔32eが閉塞するため、間隔32eのδe方向の寸法Lδeが零になる(Lδe=0)。
以上により、低温時の間隔32eの寸法LδeAは、「熱膨張によって生じるダクト分割部材42、40のδe方向の伸び量の加算値」よりも小さいことになる。
このように、低温時には、間隔32b、32c、32d、32eがそれぞれ形成される。
高温時において、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合う2つのダクト分割部材が膨張して干渉する際に、ダクト分割部材40、41、42、43は、次の数5の式を満たす。
具体的には、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合うダクト分割部材40、41が膨張して干渉する際にダクト分割部材40、41の間に生じる応力(=αEΔT)が許容応力σs以下になる。
ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合うダクト分割部材41、43が膨張して干渉する際にダクト分割部材41、43の間に生じる応力(=αEΔT)が許容応力σs以下になる。
ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合うダクト分割部材42、43が膨張して干渉する際にダクト分割部材42、43の間に生じる応力(=αEΔT)が許容応力σs以下になる。
ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合うダクト分割部材42、40が膨張して干渉する際にダクト分割部材42、40の間に生じる応力(=αEΔT)が許容応力σs以下になる。
このため、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合う2つのダクト分割部材が膨張する際に干渉して弾性変形した状態で間隔32b、32c、32d、32eが閉塞される。
次に、本実施形態の熱風加熱炉10の作動について説明する。
入口ダクト部31には、送風機によって吹き出される空気流が流入される。この入口ダクト部31に流入される空気流は、電気ヒータ35によって加熱されて熱風として中間ダクト部32の空気流路31aに流れる。この空気流路31aに流れる熱風は、出口ダクト部33の空気流路33aを通して加熱室20に流入される。
加熱室20内には、複数のワーク1がベルトコンベア21によって順次搬送される。この順次搬送される複数のワーク1は、熱風ダクト30から吹き出される熱風によってろう付けされる。
ここで、熱風が中間ダクト部32を流通する前には、ダクト分割部材40、41、42、43が低温になる。この際に、間隔32b、32c、32d、32eがそれぞれ形成される。
熱風が中間ダクト部32を流通すると、ダクト分割部材40、41、42、43が高温になる。この際に、ダクト分割部材40、41、42、43が熱膨張するため、上述の如く、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合う2つのダクト分割部材が干渉する。
このため、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合う2つのダクト分割部材が弾性変形した状態で間隔32b、32c、32d、32eが閉塞される。
その後、送風機が入口ダクト部31に空気流を送風させることを停止すると、熱風が中間ダクト部32を流通することが停止される。これに伴って、中間ダクト部32が低温になる。
すると、ダクト分割部材40、41、42、43が熱収縮することにより、ダクト分割部材40、41、42、43の弾性変形が解除される。このため、ダクト分割部材40、41、42、43を元の形状(すなわち、熱膨張する前の形状)に戻すことができる。
以上により、間隔32b、32c、32d、32eが形成されることになる。
以上説明した本実施形態によれば、熱風ダクト30は、熱風を流通させる空気流路32aを形成する中間ダクト部32を備える。中間ダクト部32は、熱風の主流方向に直交する断面において空気流路32aを囲むように並べられて空気流路32aを形成するダクト分割部材40、41、42、43を備える。
中間ダクト部32は、熱風の主流方向に直交する断面においてダクト分割部材40、41、42、43を囲むように配置されてダクト分割部材40、41、42、43を支える支持部材44、45を備える。
熱風ダクト30に熱風が流通することが停止されたとき、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向にて隣り合うダクト分割部材40、41の間には、隙間32bが形成されている。
熱風ダクト30に熱風が流通することが停止されたとき、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向にて隣り合うダクト分割部材41、42の間には、隙間32cが形成されている。
熱風ダクト30に熱風が流通することが停止されたとき、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向にて隣り合うダクト分割部材42、43の間には、隙間32dが形成されている。
熱風ダクト30に熱風が流通することが停止されたとき、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向にて隣り合うダクト分割部材40、43の間には、隙間32eが形成されている。
熱風ダクト30に熱風が流通するときに、ダクト分割部材40、41、42、43が熱膨張して隣り合う2つのダクト分割部材の間の隙間32b、32c、32d、32eが閉塞される。
ここで、図8に示すように、熱風ダクト30に熱風が流通することが停止されたとき、隙間32b、32c、32d、32eが閉塞されている対比例である中間ダクト部32Aの場合には、次のような問題が生じる。
中間ダクト部32Aでは、ダクト分割部材40、41、42、43のうち隣り合う2つのダクト分割部材の間に発生する応力によって隣り合う2つのダクト分割部材が破損する恐れがある。
これに対して、本実施形態の熱風ダクト30では、上述の如く、熱風ダクト30に熱風が流通することが停止されたとき、隙間32b、32c、32d、32eが形成されている。このため、熱風ダクト30に熱風が流通するとき、熱膨張によってダクト分割部材40、41、42、43のうち隣り合う2つのダクト分割部材の間に発生する応力が小さくなる。
つまり、本実施形態によれば、図8に示す中間ダクト部32Aに比べて、熱膨張によって前記隣り合う2つのダクト分割部材のうち一方のダクト分割部材から他方のダクト分割部材に加わる応力を小さくすることができる。このため、前記隣り合う2つのダクト分割部材の間で発生する応力に起因してダクト分割部材40、41、42、43が破損することを抑制することができる。
本実施形態では、熱風ダクト30に熱風が流通するとき、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合う2つのダクト分割部材が熱膨張して干渉した際に弾性変形した状態で間隔32b、32c、32d、32eを閉塞する。
このため、熱風ダクト30に熱風が流通することが停止されたときダクト分割部材40、41、42、43が熱収縮することにより、ダクト分割部材40、41、42、43の弾性変形が解除される。このため、ダクト分割部材40、41、42、43を元の形状(すなわち、熱膨張する前の形状)に戻すことができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、熱風ダクト30において、ダクト分割部材40~43のうち隣り合う2つのダクト分割部材の端面の間に間隔32b、32c、32d、32eを形成した例について説明した。
しかし、これに代えて、ダクト分割部材40~43において隣り合う2つのダクト分割部材のうち一方のダクト分割部材の端面と他方のダクト分割部材の内壁との間に間隔を形成する本第2実施形態について図9、図10を参照して説明する。
本実施形態の熱風ダクト30と上記第1実施形態の熱風ダクト30とは、中間ダクト部32の構成が相違するだけで、その他の構成は同一である。図9、図10において、図5、図6、図7と同一符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
本実施形態の熱風ダクト30の中間ダクト部32は、ダクト分割部材40、41、42、43、および支持部材44、45を備える。
ダクト分割部材40、41、42、43は、それぞれ、上記第1実施形態と同様に、主流方向に延びる長板状に形成されている。ダクト分割部材40、41、42、43は、熱風の主流方向に直交する断面において空気流路32aを囲むように並べられて空気流路32aを形成する。
ダクト分割部材40、41、42、43の厚み寸法(すなわち、板厚寸法)がそれぞれ同一になっている。ダクト分割部材40、43のそれぞれのX方向寸法が同一になっている。ダクト分割部材41、42のそれぞれのY方向寸法が同一になっている。
ダクト分割部材40は、空気流路32aに対してY方向他方側に配置されている。ダクト分割部材41は、空気流路32aに対してX方向一方側に配置されている。ダクト分割部材42は、空気流路32aに対してX方向他方側に配置されている。ダクト分割部材43は、空気流路32aに対してY方向一方側に配置されている。
ダクト分割部材40は、ダクト分割部材42の内壁42cのうちY方向他方側に対してX方向一方側に配置されている。ダクト分割部材41は、ダクト分割部材40の内壁40cのうちY方向一方側に対してX方向一方側に配置されている。
ダクト分割部材43は、ダクト分割部材41の内壁41cのうちY方向一方側に対してX方向他方側に配置されている。ダクト分割部材42は、ダクト分割部材43の内壁43cのうちX方向他方側に対してY方向他方側に配置されている。
ダクト分割部材40~43が低温時にて、ダクト分割部材40~43のうち並び方向にて隣り合う2つのダクト分割部材の間には、間隔32b、32c、32d、32eが形成される。
具体的には、間隔32bは、ダクト分割部材40の内壁40cのうちX方向一方側とダクト分割部材42のY方向他方側の端面42bとの間に形成されている。ダクト分割部材40の内壁40cとダクト分割部材42の端面42bとはそれぞれX方向に平行に形成されている。
間隔32cは、ダクト分割部材41の内壁41cのうちY方向一方側とダクト分割部材43のX方向一方側の端面43aとの間に形成されている。ダクト分割部材41の内壁41cとダクト分割部材43の端面43aとは、それぞれY方向に平行に形成されている。
間隔32dは、ダクト分割部材43の内壁43cのうちX方向他方側とダクト分割部材42のY方向一方側の端面42aとの間に形成されている。ダクト分割部材43の内壁43cとダクト分割部材42の端面42aとは、それぞれX方向に平行に形成されている。
間隔32eは、ダクト分割部材42の内壁42cのうちY方向他方側とダクト分割部材40のX方向他方側の端面40bとの間に形成されている。ダクト分割部材42の内壁42cとダクト分割部材40の端面40bとは、それぞれY方向に平行に形成されている。
次に、本実施形態のダクト分割部材40~43の詳細について説明する。
まず、ダクト分割部材40、41、42、43に関する定義を再掲する。ダクト分割部材40、41、42、43の線膨張係数をαとする。ダクト分割部材40、41、42、43の許容応力を許容応力σsとする。ダクト分割部材40、41、42、43のヤング率をEとする。
ダクト分割部材40、41、42、43の低温時(冷間時)と高温時(熱間時)との温度差をΔTとする。ダクト分割部材40、41、42、43の厚み方向の寸法(すなわち、板厚寸法)をltとする。ダクト分割部材40、43のX方向の幅寸法をLwxとし、ダクト分割部材41、42のY方向の幅寸法をLwyとする。
ダクト分割部材40、41の間の間隔32bの寸法を寸法Lδbとする。低温時の間隔32bのδb方向の寸法Lδbを寸法LδbAとする。
この場合、ダクト分割部材40、41は、数6の式を満たす。
数6の式の右辺は、「熱膨張によって生じるダクト分割部材40のY方向一方側の伸び量」と、「熱膨張によって生じるダクト分割部材41のY方向他方側の伸び量」とを加算した値である。
低温時の間隔32bの寸法LδbAは、零よりも大きい(LδbA>0)。一方、高温時には、ダクト分割部材40、41が熱膨張して間隔32bが閉塞するため、間隔32bのY方向の寸法Lδbが零になる(Lδb=0)。
以上により、低温時の間隔32eの寸法LδbAは、「熱膨張によって生じるダクト分割部材40、41のY方向の伸び量の加算値」よりも小さいことになる。
次に、ダクト分割部材41、43の間の間隔32cの寸法を寸法Lδcとする。低温時の間隔32cのδc方向の寸法Lδcを寸法LδcAとする。
この場合、ダクト分割部材41、43は、数7の式を満たす。
数7の式の右辺は、「熱膨張によって生じるダクト分割部材41のX方向他方側の伸び量」と、「熱膨張によって生じるダクト分割部材43のx方向一方側の伸び量」とを加算した値である。
低温時の間隔32cの寸法LδcAは、零よりも大きい(LδcA>0)。一方、高温時には、ダクト分割部材41、43が熱膨張して間隔32cが閉塞するため、間隔32cのX方向の寸法Lδcが零になる(Lδb=0)。
以上により、低温時の間隔32cの寸法LδcAは、「熱膨張によって生じるダクト分割部材41、43のX方向の伸び量の加算値」よりも小さいことになる。
次に、ダクト分割部材43、42の間の間隔32dのY方向の寸法を寸法Lδdとする。低温時の間隔32dのY方向の寸法Lδdを寸法LδdAとする。
この場合、ダクト分割部材43、42は、数8の式を満たす。
数8の式の右辺は、「熱膨張によって生じるダクト分割部材43のY方向他方側の伸び量」と、「熱膨張によって生じるダクト分割部材42のY方向一方側の伸び量」とを加算した値である。
低温時の間隔32dのY方向の寸法LδdAは、零よりも大きい(LδdA>0)。
一方、高温時には、ダクト分割部材43、42が熱膨張して間隔32dが閉塞するため、間隔32dのY方向の寸法Lδdが零になる(Lδd=0)。
以上により、低温時の間隔32cの寸法LδdAは、「熱膨張によって生じるダクト分割部材43、42のY方向の伸び量の加算値」よりも小さいことになる。
次に、ダクト分割部材42、40の間の間隔32eのX方向の寸法を寸法Lδeとする。低温時の間隔32eのX方向の寸法Lδeを寸法LδeAとする。
この場合、ダクト分割部材42、40は、数9の式を満たす。
数9の式の右辺は、「熱膨張によって生じるダクト分割部材42のX方向の伸び量」と、「熱膨張によって生じるダクト分割部材40のX方向の伸び量」とを加算した値である。
低温時の間隔32eのX方向の寸法LδeAは、零よりも大きい(LδeA>0)。一方、高温時には、ダクト分割部材42、40が熱膨張して間隔32eが閉塞するため、間隔32eのδe方向の寸法Lδeが零になる(Lδe=0)。
以上により、低温時の間隔32eの寸法LδeAは、「熱膨張によって生じるダクト分割部材42、40のX方向の伸び量の加算値」よりも小さいことになる。
以上により、低温時には、間隔32b、32c、32d、32eがそれぞれ形成される。
高温時において、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合う2つのダクト分割部材が膨張して干渉する際に、ダクト分割部材40、41、42、43は、次の数10の式を満たす。
数10の式は、上記第1実施形態の数5の式と同一である。このため、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合うダクト分割部材40、41の間に生じる応力(=αEΔT)が許容応力σs以下になる。ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合うダクト分割部材41、43の間に生じる応力(=αEΔT)が許容応力σs以下になる。
ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合うダクト分割部材42、43の間に生じる応力(=αEΔT)が許容応力σs以下になる。ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合うダクト分割部材42、40の間に生じる応力(=αEΔT)が許容応力σs以下になる。
このため、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合う2つのダクト分割部材が膨張して弾性変形した状態で間隔32b、32c、32d、32eが閉塞される。
次に、本実施形態の熱風加熱炉10の作動について説明する。
まず、入口ダクト部31内の電気ヒータ35を通過した熱風が中間ダクト部32を流通すると、ダクト分割部材40、41、42、43が高温になる。
この際に、ダクト分割部材40、41、42、43が熱膨張するため、上述の如く、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合う2つのダクト分割部材が干渉する。
このため、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合う2つのダクト分割部材が弾性変形した状態で間隔32b、32c、32d、32eが閉塞される。
その後、送風機が入口ダクト部31に空気流を送風させることを停止すると、熱風が中間ダクト部32を流通することが停止される。これに伴って、中間ダクト部32が低温になる。
すると、ダクト分割部材40、41、42、43が熱収縮することにより、ダクト分割部材40、41、42、43の弾性変形が解除される。このため、ダクト分割部材40、41、42、43を元の形状(すなわち、熱膨張する前の形状)に戻すことができる。
以上により、間隔32b、32c、32d、32eが形成されることになる。
以上説明した本実施形態によれば、熱風ダクト30では、ダクト分割部材40~43が低温時にて、ダクト分割部材40~43のうち並び方向にて隣り合う2つのダクト分割部材の間には、間隔32b、32c、32d、32eが形成される。
間隔32bは、ダクト分割部材40の内壁40cのうちX方向一方側とダクト分割部材42のY方向他方側の端面42bとの間に形成されている。間隔32cは、ダクト分割部材41の内壁41cのうちY方向一方側とダクト分割部材43のX方向一方側の端面43aとの間に形成されている。
間隔32dは、ダクト分割部材43の内壁43cのうちY方向一方側とダクト分割部材42のY方向一方側の端面42aとの間に形成されている。間隔32eは、ダクト分割部材42の内壁42cのうちX方向他方側とダクト分割部材40のX方向他方側の端面40bとの間に形成されている。
熱風ダクト30に熱風が流通するときに、ダクト分割部材40、41、42、43が熱膨張して隣り合う2つのダクト分割部材の間の隙間32b、32c、32d、32eが閉塞される。
これにより、本実施形態によれば、図8に示す中間ダクト部32Aに比べて、熱膨張によって前記隣り合う2つのダクト分割部材のうち一方のダクト分割部材から他方のダクト分割部材に加わる応力を小さくすることができる。このため、前記隣り合う2つのダクト分割部材の間で発生する応力に起因してダクト分割部材40、41、42、43が破損することを抑制することができる。
本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、熱風ダクト30に熱風が流通するとき、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合う2つのダクト分割部材が熱膨張して干渉することにより、間隔32b、32c、32d、32eを閉塞する。
このため、上記第1実施形態と同様に、熱風ダクト30に熱風が流通することが停止されたときダクト分割部材40、41、42、43が熱収縮することにより、ダクト分割部材40、41、42、43の弾性変形が解除される。このため、ダクト分割部材40、41、42、43を元の形状(すなわち、熱膨張する前の形状)に戻すことができる。
(第3実施形態)
上記第1、第2実施形態では、ダクト分割部材40、41、42、43を囲むように配置した支持部材44、45を用いる例について説明した。しかし、これに代えて、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向の隣り合う2つのダクト分割部材を連結する弾性部材50、51、52、53を用いる本第3実施形態について図11、図12を参照して説明する。
本実施形態の熱風ダクト30と上記第1実施形態の熱風ダクト30とは、中間ダクト部32の構図が相違するだけで、その他の構成は同一である。図11、図12において、図5、図6、図7と同一符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
本実施形態の熱風ダクト30の中間ダクト部32は、ダクト分割部材40、41、42、43、および弾性部材50、51、52、53を備える。
ダクト分割部材40、41、42、43は、それぞれ、上記第1実施形態と同様に、主流方向に延びる長板状に形成されている。
ダクト分割部材40、41、42、43は、上記第1実施形態と同様に、厚み寸法(すなわち、板厚寸法)がそれぞれ同一になっている。ダクト分割部材40、43は、上記第1実施形態と同様に、それぞれのX方向寸法が同一になっている。ダクト分割部材41、42は、上記第1実施形態と同様に、それぞれのY方向寸法が同一になっている。
ダクト分割部材40、41、42、43は、熱風の主流方向に直交する断面において空気流路32aを囲むように並べられて空気流路32aを形成する。
ダクト分割部材40は、空気流路32aに対してY方向他方側に配置されている。ダクト分割部材41は、空気流路32aに対してX方向一方側に配置されている。ダクト分割部材42は、空気流路32aに対してX方向他方側に配置されている。ダクト分割部材43は、空気流路32aに対してY方向一方側に配置されている。
本実施形態のダクト分割部材41は、ダクト分割部材40のX方向一方側端面40aに対してX方向他方側に配置されている。ダクト分割部材41は、ダクト分割部材43のX方向一方側端面43aに対してX方向他方側に配置されている。
ダクト分割部材42は、ダクト分割部材40のX方向他方側端面40bに対してX方向一方側に配置されている。ダクト分割部材42は、ダクト分割部材43のX方向他方側端面43bに対してX方向一方側に配置されている。
ダクト分割部材41は、ダクト分割部材40の内壁40cおよびダクト分割部材43の内壁43cの間に配置されている。ダクト分割部材42は、ダクト分割部材40の内壁40cおよびダクト分割部材43の内壁43cの間に配置されている。
ダクト分割部材40~43が低温時にて、ダクト分割部材40~43のうち並び方向にて隣り合う2つのダクト分割部材の間には、間隔32b、32c、32d、32eが形成される。
具体的には、間隔32bは、ダクト分割部材40の内壁40cとダクト分割部材41のY方向他方側の端面41bとの間に形成されている。ダクト分割部材40の内壁40cとダクト分割部材41の端面41bとはそれぞれX方向に平行に形成されている。
間隔32cは、ダクト分割部材41の端面41aとダクト分割部材43の内壁43cとの間に形成されている。ダクト分割部材41の端面41aとダクト分割部材43の内壁43cとは、それぞれY方向に平行に形成されている。
間隔32dは、ダクト分割部材43の内壁43cとダクト分割部材42の端面42aとの間に形成されている。ダクト分割部材43の内壁43cとダクト分割部材42の端面42aとは、それぞれX方向に平行に形成されている。
間隔32eは、ダクト分割部材42の端面42bとダクト分割部材40の内壁40cとの間に形成されている。ダクト分割部材42の端面42bとダクト分割部材40の内壁40cとは、それぞれY方向に平行に形成されている。
ここで、ダクト分割部材40、43の厚み方向の寸法をltとする。ダクト分割部材41、42の内壁41c、42cのY方向の幅寸法をLwyとする。
ダクト分割部材40、41の間の間隔32bの寸法を寸法Lδbとする。低温時の間隔32bのδb方向の寸法Lδbを寸法LδbAとする。この場合、ダクト分割部材40、41は、数11の式を満たす。
数11の式の右辺は、「熱膨張によって生じるダクト分割部材40のY方向一方側の伸び量」と、「熱膨張によって生じるダクト分割部材41のY方向他方側の伸び量」とを加算した値である。
低温時の間隔32bの寸法LδbAは、零よりも大きい(LδbA>0)。一方、高温時には、ダクト分割部材40、41が熱膨張して間隔32bが閉塞するため、間隔32bのY方向の寸法Lδbが零になる(Lδb=0)。
以上により、低温時の間隔32bの寸法LδbAは、「熱膨張によって生じるダクト分割部材40の厚み方向の伸び量」と「熱膨張によって生じるダクト分割部材41のY方向の伸び量」との加算値よりも小さいことになる。
次に、ダクト分割部材41、43の間の間隔32cの寸法を寸法Lδcとする。低温時の間隔32cのδc方向の寸法Lδcを寸法LδcAとする。
この場合、ダクト分割部材41、43は、数12の式を満たす。
数12の式の右辺は、「熱膨張によって生じるダクト分割部材41のY方向一方側の伸び量」と、「熱膨張によって生じるダクト分割部材43のY方向他方側の伸び量」とを加算した値である。
低温時の間隔32cの寸法LδcAは、零よりも大きい(LδcA>0)。一方、高温時には、ダクト分割部材41、43が熱膨張して間隔32cが閉塞するため、間隔32cのX方向の寸法Lδcが零になる(Lδb=0)。
以上により、低温時の間隔32cの寸法LδcAは、「熱膨張によって生じるダクト分割部材43の厚み方向の伸び量」と「熱膨張によって生じるダクト分割部材41のY方向の伸び量」との加算値よりも小さいことになる。
次に、ダクト分割部材43、42の間の間隔32dのY方向の寸法を寸法Lδdとする。低温時の間隔32dのY方向の寸法Lδdを寸法LδdAとする。
さらに、ダクト分割部材43、42の間の間隔32dのY方向の寸法を寸法Lδdとする。低温時の間隔32dのY方向の寸法Lδdを寸法LδdAとする。
この場合、ダクト分割部材43、42は、数13の式を満たす。
数13の式の右辺は、「熱膨張によって生じるダクト分割部材43のY方向他方側の伸び量」と、「熱膨張によって生じるダクト分割部材42のY方向一方側の伸び量」とを加算した値である。
低温時の間隔32dのY方向の寸法LδdAは、零よりも大きい(LδdA>0)。一方、高温時には、ダクト分割部材43、42が熱膨張して間隔32dが閉塞するため、間隔32dのY方向の寸法Lδdが零になる(Lδd=0)。
以上により、低温時の間隔32dの寸法LδdAは、「熱膨張によって生じるダクト分割部材43の厚み方向の伸び量」と「熱膨張によって生じるダクト分割部材42のY方向の伸び量」との加算値よりも小さいことになる。
次に、ダクト分割部材42、40の間の間隔32eのY方向の寸法を寸法Lδeとする。低温時の間隔32eのY方向の寸法Lδeを寸法LδeAとする。
この場合、ダクト分割部材42、40は、数14の式を満たす。
数14の式の右辺は、「熱膨張によって生じるダクト分割部材42のY方向他方側の伸び量」と、「熱膨張によって生じるダクト分割部材40のY方向一方側の伸び量」とを加算した値である。
低温時の間隔32eのY方向の寸法LδeAは、零よりも大きい(LδeA>0)。一方、高温時には、ダクト分割部材42、40が熱膨張して間隔32eが閉塞するため、間隔32eのY方向の寸法Lδeが零になる(Lδe=0)。
以上により、低温時の間隔32eの寸法LδeAは、「熱膨張によって生じるダクト分割部材40の厚み方向の伸び量」と「熱膨張によって生じるダクト分割部材42のY方向の伸び量」との加算値よりも小さいことになる。
このように、低温時には、間隔32b、32c、32d、32eがそれぞれ形成される。
一方、高温時において、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合う2つのダクト分割部材が膨張して干渉する際に、ダクト分割部材40、41、42、43は、次の数15の式を満たす。
数15の式は、上記第1実施形態の数5の式と同一である。このため、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合うダクト分割部材40、41の間に生じる応力(=αEΔT)が許容応力σs以下になる。
ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合うダクト分割部材41、43の間に生じる応力(=αEΔT)が許容応力σs以下になる。
ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合うダクト分割部材42、43の間に生じる応力(=αEΔT)が許容応力σs以下になる。 ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合うダクト分割部材42、40の間に生じる応力(=αEΔT)が許容応力σs以下になる。
このため、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合う2つのダクト分割部材が膨張して弾性変形した状態で間隔32b、32c、32d、32eが閉塞される。
本実施形態の弾性部材50は、ダクト分割部材40の内壁40cのうちX方向一方側とダクト分割部材41の外壁40dのうちY方向他方側とを連結する。弾性部材51は、ダクト分割部材43の内壁43cのうちX方向一方側とダクト分割部材41の外壁40dのうちY方向一方側とを連結する。
弾性部材52は、ダクト分割部材43の内壁43cのうちX方向他方側とダクト分割部材42の外壁42dのうちY方向一方側とを連結する。弾性部材53は、ダクト分割部材40の内壁40cのうちX方向他方側とダクト分割部材42の外壁42dのうちY方向一方側とを連結する。
弾性部材50、51、52、53は、金属製の板バネであって、クロム、鉄、炭素などの成分を含み、耐熱性の高い合金によって形成されている。弾性部材50、51、52、53を構成する合金としては、インコネル(登録商標)製のものが好ましい。
次に、本実施形態の熱風加熱炉10の作動について説明する。
まず、熱風ダクト30から加熱室20に熱風が流入する前には、中間ダクト部32のダクト分割部材40、41、42、43が低温になる。この場合、ダクト分割部材40~43のうち並び方向にて隣り合う2つのダクト分割部材の間には、間隔32b、32c、32d、32eが形成される。
このとき、弾性部材50は、ダクト分割部材40、41から引っ張られて弾性変形により膨張した状態になる。この際に、ダクト分割部材40、41が弾性部材50を介して互いに支持する。
弾性部材51は、ダクト分割部材43、41から引っ張られて弾性変形により膨張した状態になる。この際に、ダクト分割部材43、41は、弾性部材51を介して互いに支持する。
弾性部材52は、ダクト分割部材43、42から引っ張られて弾性変形により膨張した状態になる。この際に、ダクト分割部材43、42は、弾性部材52を介して互いに支持する。
弾性部材53は、ダクト分割部材42、40から引っ張られて弾性変形により膨張した状態になる。この際に、ダクト分割部材42、40は、弾性部材53を介して互いに支持する。
次に、送風機によって吹き出される空気流を入口ダクト部31に流入する。すると、入口ダクト部31内の空気流が電気ヒータ35によって加熱されて熱風として中間ダクト部32に流入されると、ダクト分割部材40、41、42、43が高温になる。
この際に、上述の如く、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合う2つのダクト分割部材が熱膨張し干渉して弾性変形した状態で間隔32b、32c、32d、32eが閉塞される。
この高温時には、弾性部材50、51、52、53は、次のように作動する。
すなわち、弾性部材50は、ダクト分割部材40、41から加わる力によって弾性変形により収縮した状態になる。これにより、弾性部材50は、ダクト分割部材40、41に沿ってL字状に形成される。
弾性部材51は、ダクト分割部材41、43から加わる力によって弾性変形により収縮した状態になる。これにより、弾性部材51は、ダクト分割部材41、43に沿ってL字状に形成される。
弾性部材52は、ダクト分割部材42、43から加わる力によって弾性変形により収縮した状態になる。これにより、弾性部材52は、ダクト分割部材42、43に沿ってL字状に形成される。
弾性部材53は、ダクト分割部材42、40から加わる力によって弾性変形により収縮した状態になる。これにより、弾性部材53は、ダクト分割部材42、40に沿ってL字状に形成される。
その後、送風機が入口ダクト部31に空気流を送風させることを停止すると、熱風が中間ダクト部32を流通することが停止される。これに伴って、中間ダクト部32が低温になる。
すると、ダクト分割部材40、41、42、43が熱収縮することにより、ダクト分割部材40、41、42、43の弾性変形が解除される。このため、ダクト分割部材40、41、42、43を元の形状(すなわち、熱膨張する前の形状)に戻すことができる。このことにより、間隔32b、32c、32d、32eがそれぞれ形成される。
これに伴って、弾性部材50は、ダクト分割部材40、41から引っ張られて弾性変形により膨張した状態になる。弾性部材51は、ダクト分割部材43、41から引っ張られて弾性変形により膨張した状態になる。
弾性部材52は、ダクト分割部材43、42から引っ張られて弾性変形により膨張した状態になる。弾性部材53は、ダクト分割部材42、40から引っ張られて弾性変形により膨張した状態になる。
これにより、弾性部材50、51、52、53は弾性変形により膨張した状態でダクト分割部材40、41、42、43を支持することになる。
このように本実施形態では、熱風ダクト30に熱風の流通したときに、弾性部材50、51、52、53は、ダクト分割部材40、41、42、43から加わる力によって弾性変形により収縮した状態で、ダクト分割部材40、41、42、43を支える。
一方、熱風ダクト30に熱風が流通することが停止されたときに、弾性部材50、51、52、53は、ダクト分割部材40、41、42、43から引っ張られる力によって弾性変形により膨張した状態で、ダクト分割部材40、41、42、43を支える。
このため、熱風ダクト30への熱風の流通と熱風の流通の停止を交互に実施した際には、ダクト分割部材40、41、42、43の熱膨張、熱収縮に伴って、弾性部材50、51、52、53が弾性変形による膨張と収縮を繰り返すことになる。
以上により、弾性部材50、51、52、53は、ダクト分割部材40、41、42、43のそれぞれの寸法の変化を規制することになる。
以上説明した本実施形態によれば、熱風ダクト30では、中間ダクト部32を備える。中間ダクト部32は、熱風の主流方向に直交する断面において空気流路32aを囲むように並べられて空気流路32aを形成するダクト分割部材40、41、42、43を備える。
ダクト分割部材40、41、42、43が並ぶ方向を並び方向とする。熱風ダクト30は、熱風の主流方向に直交する断面においてダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向にて隣り合う2つのダクト分割部材を連結する弾性部材50、51、52、53を備える。
熱風の流通の停止時に、弾性部材50、51、52、53が延びた状態で、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向にて隣り合う2つのダクト分割部材の間には、隙間32b、32c、32d、32eが形成されている。
熱風の流通時に、弾性部材50、51、52、53が縮んだ状態で、熱風によってダクト分割部材40、41、42、43が熱膨張して隙間32b、32c、32d、32eが閉塞される。
これにより、本実施形態によれば、図8に示す中間ダクト部32Aに比べて、熱膨張によって前記隣り合う2つのダクト分割部材のうち一方のダクト分割部材から他方のダクト分割部材に加わる応力を小さくすることができる。このため、前記隣り合う2つのダクト分割部材の間で発生する応力に起因してダクト分割部材40、41、42、43が破損することを抑制することができる。
本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、熱風の流通時に、ダクト分割部材40、41、42、43のうち並び方向に隣り合う2つのダクト分割部材が熱膨張して干渉することにより、間隔32b、32c、32d、32eを閉塞する。
このため、上記第1実施形態と同様に、熱風ダクト30に熱風が流通することが停止されたときダクト分割部材40、41、42、43が熱収縮することにより、ダクト分割部材40、41、42、43の弾性変形が解除される。したがって、ダクト分割部材40、41、42、43を元の形状(すなわち、熱膨張する前の形状)に戻すことができる。
(他の実施形態)
(1)上記第1、第2、第3実施形態では、本発明に係るダクト(すなわち、中間ダクト部32)を熱風加熱炉10に適用した例について説明したが、これに限らず、本発明に係るダクトを熱風加熱炉10以外の機器に適用してもよい。
(2)上記第1、第2実施形態では、ダクト分割部材40、41、42、43の線膨張係数に比べて支持部材44、45の線膨張係数を小さくした例について説明した。このため、支持部材44、45は、ダクト分割部材40、41、42、43に比べて、熱膨張し難くなっている。
しかし、これに代えて、ダクト分割部材40、41、42、43に比べて支持部材44、45を冷却して、支持部材44、45を、ダクト分割部材40、41、42、43に比べて、熱膨張し難くしてもよい。
(3)なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記第1、第2、第3実施形態、および他の実施形態の一部または全部に記載された第1の観点によれば、ダクトは、熱風を流通させる空気流路を形成する。
ダクトは、熱風の主流方向に直交する断面において空気流路を囲むように並べられて空気流路を形成する複数のダクト分割部材を備える。ダクトは、熱風の主流方向に直交する断面において複数のダクト分割部材を囲むように配置されて複数の分割部材を支える支持部材を備える。
複数のダクト分割部材が並ぶ方向を並び方向としたとき、熱風の流通の停止時に、複数のダクト分割部材のうち並び方向にて隣り合う2つのダクト分割部材の間には、隙間が形成されている。熱風の流通時に、熱風によって複数のダクト分割部材が熱膨張して隣り合う2つのダクト分割部材の間の隙間が閉塞される。
第2の観点によれば、複数のダクト分割部材が熱膨張することにより隣り合う2つのダクト分割部材が干渉して弾性変形した状態で隙間が閉塞される。
したがって、熱風の流通の停止時には、複数のダクト分割部材が熱収縮すると、複数のダクト分割部材の弾性変形が解除されて元の形状に戻ることができる。
第3の観点によれば、複数のダクト分割部材は、それぞれ、主流方向に直交する幅方向に亘って主流方向に延びるように形成されている。熱風の流通の停止時に、隣り合う2つのダクト分割部材は、互いの幅方向の端部の間に、隙間が形成される。
第4の観点によれば、複数のダクト分割部材は、それぞれ、主流方向に直交する幅方向に亘って主流方向に延びるように形成されている内壁を有する。
隣り合う2つのダクト分割部材のうち一方のダクト分割部材の幅方向の端部と他方のダクト分割部材の内壁との間に、隙間が形成される。
第5の観点によれば、ダクトは、熱風を流通させる空気流路を形成する。
ダクトは、熱風の主流方向に直交する断面において空気流路を囲むように並べられて空気流路を形成する複数のダクト分割部材を備える。
ダクトは、複数のダクト分割部材が並ぶ方向を並び方向としたとき、熱風の主流方向に直交する断面において複数のダクト分割部材のうち並び方向にて隣り合う2つのダクト分割部材を連結する複数の弾性部材を備える。
ダクトは、熱風の流通の停止時に、複数の弾性部材が延びた状態で、複数のダクト分割部材のうち並び方向にて隣り合う2つのダクト分割部材の間には、隙間が形成されている。
熱風の流通時に、複数の弾性部材が縮んだ状態で、熱風によって複数のダクト分割部材が熱膨張して隣り合う2つのダクト分割部材の間の隙間が閉塞される。
第6の観点によれば、複数のダクト分割部材が熱膨張することにより隣り合う2つのダクト分割部材が干渉して弾性変形した状態で隙間が閉塞される。
したがって、熱風の流通の停止時には、複数のダクト分割部材が熱収縮すると、複数のダクト分割部材の弾性変形が解除されて元の形状に戻ることができる。