JP7120107B2 - 燃料電池用のセパレータ - Google Patents
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Description
図1は、燃料電池100の斜視図である。図1には、互いに直交するX方向、Y方向、及びZ方向を示している。燃料電池100は、例えば電気自動車の電力源として利用できる。図1のように、燃料電池100は、セル積層体11、ターミナルプレート12a及び12b、絶縁プレート13a及び13b、及びエンドプレート14a及び14bを含む。セル積層体11は、複数の単セル10がZ方向に積層されている。単セル10は、反応ガスとして燃料ガス(例えば水素)と酸化剤ガス(例えば空気)との供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池である。
図4は、外周ビード44g周辺を示したセパレータ37の部分拡大斜視図である。図5は、+Z方向側から見た外周ビード44g周辺を示したセパレータ37の部分拡大平面図である。図5は、外周ビード44gが突出した側からであって基部371の面に垂直な方向から見た平面図に相当する。図4及び図5では、縁372に沿って延びた外周ビード44gの一部分を示している。図6Aは、図5のA-A断面図である。図6Bは、図5のB-B断面図である。図6Cは、図5のC-C断面図である。
次に複数の比較例について説明する。尚、比較例について、本実施例と同一の構成については同一の符号を付することにより、重複する説明を省略する。図7は、第1比較例のセパレータ37xの説明図である。セパレータ37xの外周ビード44gxは、側部441x及び442xと頂部443とを含む。外周ビード44gxの側部441x及び442xは、頂部443と同様に直線状に延びている。即ち、基部371に対する側部441x及び442xの各傾斜角度はY方向の位置によらずに常に一定であり、断面視での側部441x及び442xの各長さもY方向の位置によらずに常に一定である。
本実施例の外周ビード44gを示した図5には、側部441に作用するベクトルP1及びP2と、側部442に作用するベクトルP3及びP4とを示している。ここで、ベクトルP1及びP2は、側部441の外側面の法線方向に作用する。図5に示したベクトルP1~P4の始点の位置は、図7に示したベクトルP1~P4の始点の位置と同じである。側部441は蛇行しているため、側部441の外側面上の法線方向はY方向の位置によって変化し、側部442についても同様である。図5に示した例では、ベクトルP1は-X方向と+Y方向の間の方向に作用し、ベクトルP2は、-X方向と-Y方向の間の方向に作用し、ベクトルP3は+X方向と+Y方向の間の方向に作用し、ベクトルP4は+X方向と-Y方向の間の方向に作用する。
図8は、第2比較例のセパレータ37yの説明図である。セパレータ37yの外周ビード44gyは、側部441y及び442yと、頂部443yとを含む。頂部443yは、側部441y及び442yと共に、+Y方向に蛇行しならが延びている。即ち、外周ビード44gyは、全体で+Y方向に蛇行しながら延びている。従って、稜線L1y、L2y、L3y、及びL4yは、平面視で振幅と波長とが略一定であり且つ位相が同一の波状に延びている。比較例の稜線L1y等は、本実施例の稜線L1等と振幅と波長とが同じである。基部371に対する側部441y及び442yの各傾斜角度はY方向の位置によらずに常に一定であり、断面視での側部441y及び442yの各長さもY方向の位置によらずに常に一定である。第2比較例の外周ビード44gyの側部441y及び442yは蛇行しているため、本実施例と同様に圧縮荷重に対する反力が確保されている。
本実施例の外周ビード44gを示した図5には、頂部443のシール長Tを示している。シール長Tは、頂部443yのシール長Tyと同様に、Y方向での同じ所定範囲内における頂部443の長さである。頂部443は、Y方向に平行に直線状に延びているため、シール長TはY方向での所定の範囲内で最短であり、シール長Tyよりも短い。比較例ではシール長Tyが長いため、長いシール長Tyの範囲内でシール性が低下した箇所が発生する可能性がある。これに対して、本実施例でのシール長Tは短いため、シール性が低下した箇所が生じることを抑制でき、シール性が向上している。
外周ビード44gの側部441及び442は、振幅及び波長が略同じであり位相が略一致した波状であるがこれに限定されない。例えば、振幅及び波長の少なくとも一方が異なっていてもよいし、振幅及び波長が略同じであって位相がずれていてもよい。但し、外周ビード44gに作用した圧縮荷重に対する側部441及び442のそれぞれの反力のバランスを考慮すると、本実施例のように振幅及び波長が略同じであり位相が略一致していることが好ましい。
次に複数の変形例に係るセパレータについて説明する。図9は、第1変形例であるセパレータ37aの部分拡大平面図である。図9は、図5に対応している。セパレータ37aの外周ビード44gaの側部441a及び442aは、それぞれジグザグ状に蛇行して+Y方向に延びている。具体的には、外周ビード44gaを+Z方向側から見た場合に、稜線L1aは、直線状に延びて+Y方向に対して頂部443側に傾斜した部位と、直線状に延びて+Y方向に対して頂部443とは反対側に傾斜した部位とを交互に繰り返すように、形成されている。頂部443側に傾斜した部位と、この部位よりも+Y方向に隣接して頂部443とは反対側に傾斜した部位との間の、頂部443とは反対側の角度間隔は、90度以上に設定されているがこれに限定されない。稜線L2aについても同様に、直線状に延びて+Y方向に対して頂部443側に傾斜した部位と、直線状に延びて+Y方向に対して頂部443とは反対側に傾斜した部位とを交互に繰り返すように、形成されている。また、稜線L1a及びL2aは振幅と波長が略同じであり、位相も略同じである。第1変形例においても、頂部443は直線状であり側部441a及び442aは蛇行しているため、シール性が向上している。
図10は、第2変形例であるセパレータ37bの部分拡大平面図である。図10は、図5に対応している。セパレータ37bの外周ビード44gbは、側部441及び442bと頂部443とを有し、側部441は蛇行しているが、側部442bは蛇行しておらず直線状に延びている。ここで、蛇行した側部441は、縁372に沿って+Y方向に延びており、換言すれば基部371の縁372に対向している。ここで側部441が縁372に対向するとは、側部441と縁372との間にリブ等の凹凸状の部位は形成されていないことを意味する。外周ビード44gbに圧縮荷重が作用した際には、蛇行した側部441の反力を確保することができる。また、側部442bは直線状であるため、製造が容易であり、製造コストの増大も抑制されている。
図11は、第3変形例であるセパレータ37cの部分拡大平面図である。図10は、図5に対応している。セパレータ37cの外周ビード44gcは、側部441c及び側部442cと頂部443cとを有している。頂部443cは、側部441c及び442cと共に蛇行しており、頂部443cと側部441c及び442cとは波長が略同じであるが、頂部443cの振幅は側部441c及び442cのそれぞれよりも小さい。図11に示すように、稜線L3c及びL4cのそれぞれは、稜線L1及びL2のそれぞれよりも振幅が小さい。このため、シール長Tcは、図5に示した本実施例のシール長Tよりも長いが、図8に示した第2比較例のシール長Tyよりも短い。このような構成によっても、圧縮荷重に対する反力を確保しつつシール長を短くでき、シール性が向上している。
37、37a、37b、37c アノードセパレータ(燃料電池用のセパレータ)
371 基部
372 縁
44g、44ga、44gb、44gc 外周ビード(ビード)
441、441a、441b、441c 側部(第1側部)
442、442a、442b、442c 側部(第2側部)
443、443c頂部
T、Tc シール長
Claims (5)
- 平坦な基部と、
前記基部から一方側に突出して第1方向に延びたビードと、を備え、
前記ビードは、前記基部よりも前記一方側に位置した頂部、前記基部から傾斜して前記頂部に連続し互いに対向した第1及び第2側部、を含み、
前記第1側部は、前記第1方向に蛇行しながら延びており、
前記頂部は、前記第1方向に直線状に延びており、
前記第2側部は、前記第1方向に蛇行しながら延びており、
前記第1及び第2側部は、位相が略一致して延びている、燃料電池用のセパレータ。 - 平坦な基部と、
前記基部から一方側に突出して第1方向に延びたビードと、を備え、
前記ビードは、前記基部よりも前記一方側に位置した頂部、前記基部から傾斜して前記頂部に連続し互いに対向した第1及び第2側部、を含み、
前記第1側部は、前記第1方向に蛇行しながら延びており、
前記頂部は、前記第1方向に直線状に延びており、
前記第2側部は、前記第1方向に直線状に延びている、燃料電池用のセパレータ。 - 前記第1側部は、前記基部の外縁に対向している、請求項1又は2の燃料電池用のセパレータ。
- 前記第1方向に交差する第2方向での前記頂部の幅は、前記第1方向で一定である、請求項1乃至3の何れかの燃料電池用のセパレータ。
- 前記第1側部は、波状又はジグザク状に延びている、請求項1乃至4の何れかの燃料電池用のセパレータ。
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JP2016081909A (ja) | 2014-10-21 | 2016-05-16 | 株式会社日本自動車部品総合研究所 | 燃料電池用セパレータ |
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