以下、図面を参照して、本発明の1または複数の実施形態が説明される。しかしながら、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
実施形態における運転支援装置は、車両が走行する走行領域を区分するために前記走行領域に並置するように配設された複数のゲートにおけるゲート位置を表す位置情報を含む地図情報を格納する地図情報格納部と、前記走行領域での前記車両の車両位置を測定する位置測定部と、前記走行領域のうち、前記車両の走行方向に対し前記ゲート位置の通過後における通過後走行領域の渋滞状況に関する渋滞情報を通信で取得する通信部と、表示を行う表示部と、前記通信部で取得した渋滞情報に基づいて前記通過後走行領域の渋滞状況を検出する渋滞状況検出部と、前記位置測定部で測定した車両位置が前記位置情報で表されたゲート位置から所定の距離以内である場合に、前記渋滞状況検出部で検出した前記通過後走行領域の渋滞状況に基づいて、前記複数のゲートの中から、通過を推奨する推奨ゲートを求め、前記求めた推奨ゲートを前記表示部に表示するゲート案内部とを備える。このような運転支援装置について、以下、より具体的に説明する。
図1は、実施形態における運転支援装置の構成を示すブロック図である。図2は、車両に取り付けられた前記運転支援装置の撮像部を説明するための図である。図3は、推奨ゲートを説明するための図である。
実施形態における運転支援装置DSは、例えば、図1に示すように、撮像部1と、位置測定部2と、通信部3と、制御処理部4と、記憶部5と、表示部7とを備え、さらに、本実施形態では、所定の入力を行うために、入力部6を備える。
撮像部1は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って画像を生成する装置である。撮像部1は、例えば、被写体の光学像を所定の結像面上に結像する結像光学系、前記結像面に受光面を一致させて配置され、前記被写体の光学像を電気的な信号に変換するエリアイメージセンサ、および、エリアイメージセンサの出力を画像処理することで前記被写体の画像を表すデータである画像データを生成する画像処理部等を備えるデジタルカメラである。撮像部1は、区画線を検出するために、路面を含むように、車両の前方を撮像するように、前記車両に搭載される。例えば、撮像部1は、図2に示すように、車両VC内において、フロントガラス近傍の天井面(ルーフ内側面)に、路面を含むように、車両VCの前方を撮像するように、その撮影方向(光軸方向)を斜め下方に向けて配設される。これによって、撮像部1は、路面を含むように車両VCの前方を撮像することで前方画像(前方画像データ)を生成する。撮像部1は、前方画像(前方画像データ)を制御処理部4へ出力する。
位置測定部2は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、車両が走行する走行領域での車両の車両位置を測定する装置である。位置測定部2は、例えば、地球上の現在位置を測定するための衛星測位システムによって、車両位置を測定する装置、例えばGPS(Global Positioning System)受信装置であり、その測位結果(緯度X、経度Y、高度Z)を制御処理部4へ出力する。なお、GPS受信装置は、DGSP(Differential GSP)等の誤差を補正する補正機能を持ったGPS受信装置であっても良い。また、衛星測位システムの衛星は、準同期軌道を周回するいわゆるGPS衛星だけでなく、見かけ上一地域の上空に留まる準天頂衛星を含む。
通信部3は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、外部装置との間で通信信号を送受信する回路であり、例えば、無線によって通信する通信カード等である。本実施形態では、通信部3は、車両が走行する走行領域のうち、前記車両の走行方向に対しゲートのゲート位置の通過後における通過後走行領域の渋滞状況に関する渋滞情報を収容した通信信号を受信して取得する。
より具体的には、通信部3は、例えば、他の車両(他の車両に搭載された通信部)との間で通信信号を送受信し、前記通信信号には、車両を特定し識別するための車両の識別子(例えば製造番号や自動車登録番号等)および前記車両の速度(車速)を前記渋滞情報として収容する通信信号(自車状況通知通信信号)が含まれる。このような自車状況通知通信信号は、例えば、車両がゲートを通過した後、所定の時間、複数回送信される。また例えば、自車状況通知通信信号には、車両の車両位置が含まれ、自車状況通知通信信号は、所定の時間間隔で繰り返し送信される。
また例えば、通信部3は、前記通過後走行領域の渋滞状況に関する渋滞情報を管理するサーバ装置との間でネットワークを介して通信信号を送受信し、前記通信信号には、前記渋滞情報を収容する通信信号(渋滞情報通知通信信号)が含まれる。例えば、VICS(Vehicle Information and Communicaition System、登録商標)センター等が利用できる。このVICSセンターによって提供される情報は、例えば、渋滞情報、所要時間、事故・故障車・工事情報、速度規制・車線規制情報、等である。
入力部6は、制御処理部4に接続され、例えば、定速走行の開始やその解除を指示するコマンドや、運転支援の開始やその解除を指示するコマンドや、自動運転の開始やその解除を指示するコマンドや、カーナビゲーションの開始やその解除を指示するコマンド等の各種コマンド、および、例えば定速走行の設定速度や行き先(目的地)等の各種データを運転支援装置DSに入力する機器であり、例えば、予め機能を割り付けた複数のスイッチ等である。表示部7は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、入力部6から入力されたコマンドやデータ、カーナビゲーションにかかる情報(例えば地図、経路、走行上の注意や案内、および、現在位置等)、および、後述のように運転支援装置DSによって求められた、通過を推奨する推奨ゲート等を表示する機器であり、例えば液晶ディスプレイ(LCD)および有機ELディスプレイ等の表示装置である。
本実施形態では、入力部6の一部および表示部7からタッチパネルが構成される。このタッチパネルを構成する場合において、入力部6は、その一部として、例えば抵抗膜方式や静電容量方式等の操作位置を検出して入力する位置入力装置を含む。このタッチパネルでは、表示部7の表示面上に前記位置入力装置が設けられ、表示部7に入力可能な1または複数の入力内容の候補が表示され、ユーザが、入力したい入力内容を表示した表示位置を触れると、前記位置入力装置によってその位置が検出され、検出された位置に表示された表示内容がユーザの操作入力内容として運転支援装置DSに入力される。このようなタッチパネルでは、ユーザは、入力操作を直感的に理解し易いので、ユーザにとって取り扱い易い運転支援装置DSが提供される。
記憶部5は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、運転支援装置DSの各部1~3、5~7を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御する制御プログラムや、撮像部1で生成された前方画像から、走行領域に配置される車線を示す区画線を検出する区画線検出処理プログラムや、前記外部装置から通信部3で取得した渋滞情報に基づいて、車両(自車両)の走行方向に対しゲート位置の通過後における通過後走行領域の渋滞状況を検出する渋滞状況検出プログラムや、後述のように、複数のゲートの中から、通過を推奨する推奨ゲートを求め、この求めた推奨ゲートを表示部7に表示するゲート案内プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータには、走行領域を含む地図を表す地図情報等の、各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。記憶部5は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。そして、記憶部5は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆる制御処理部4のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。なお、記憶部5は、比較的大きな記憶容量を持つハードディスク装置や、例えばDVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)等の記録媒体からデータを読み出すドライブ装置を備えても良い。そして、記憶部5は、地図情報記憶部51を機能的に備える。
地図情報記憶部51は、地図情報を記憶するものである。前記地図情報は、本実施形態では、車両が走行する走行領域を区分するために前記走行領域に並置するように配設された複数のゲートにおけるゲート位置を表す位置情報、および、前記走行領域の形状を表す走行領域情報を含む。前記地図情報は、例えば車線や標識や行き先(方面)等の走行領域に付属する走行に関わる各種情報や、例えば地名およびその位置や建物名およびその位置等のカーナビゲーションに関わる各種情報等を含む。このような地図情報には、公知の地図情報が用いられて良く、いわゆるADASマップや高精度地図等と呼称される地図情報が好ましい。ADAS(Advanced Driver Assistance System、先進運転支援システム)は、自動運転の実現に向けた施策であり、ADASマップ(高精度地図)は、このADASに利用可能なデータであり、例えば、道路、路面標識、車線、道路標識、外灯、電柱、橋、トンネル、建物等の道路を走行する車両から観測可能な主要な対象物を表した3次元データであり、例えば、いわゆる地図メーカから提供されている。
例えば、前記走行領域は、道路であり、前記ゲートは、前記道路を有料道路と非有料道路とに区分するゲートである。また例えば、前記走行領域は、道路と区画領域とを含み、前記ゲートは、前記道路と前記区画領域との境界に配設されたゲートである。前記区画領域は、例えば、駐車場、テーマパークおよびサファリパーク等である。以下では、一例として、前記走行領域が道路であって、前記ゲートが前記有料道路の一例である高速道路と前記非有料道路の一例である一般道路とを区分する料金ゲートの場合について説明するが、前記走行領域および前記ゲートが上述の各場合であっても同様に説明できる。また、実施形態における運転支援装置DSは、有料道路に入るためにゲートを通過する場合でだけでなく、有料道路から出るためにゲートを通過する場合にも適用され、同様に、区画領域に入るためにゲートを通過する場合でだけでなく、区画領域から出るためにゲートを通過する場合にも適用される。
制御処理部4は、運転支援装置DSの各部1~3、5~7を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、推奨ゲートを案内することによってユーザの運転操作を支援するための回路である。制御処理部4は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。制御処理部4は、前記制御処理プログラムが実行されることによって、制御部41、区画線検出処理部42、渋滞状況検出部43およびゲート案内部44を機能的に備える。
制御部41は、運転支援装置DSの各部1~3、5~7を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、運転支援装置DSの全体制御を司るものである。
区画線検出処理部42は、撮像部1で生成された前方画像から、走行領域に配置される車線を示す区画線(ライン)を検出するものである。画像から区画線を検出する区画線検出処理には、公知の処理手法が用いられる。例えば、特開平11-167636号公報に開示されているように、予め白線(区画線の一例)を示すテンプレート画像を用意し、前記テンプレート画像とカメラで得られた画像とのマッチングを行って白線位置を検出するテンプレートマッチング法を用いて白線が求められる。あるいは、例えば、特開平7-85249号公報に開示されているように、白線探索エリア内で横方向に明度変化が探索され、明度変化の極めて少ない部分が道路部分であると判断され、明度変化の極めて少ない道路部分に隣接して該明度変化が大きい部分が白線であると判断される。あるいは、例えば、特開2007-220013号公報に開示されているように、走行路上の画像からエッジ検出により白線の候補となる構造物が検出され、前記白線の候補となる構造物の位置に対して所定の複数の相対位置にそれぞれ所定の構造物が存在するか否かが判定され、この判定結果に基づいて前記白線の候補となる構造物が白線であるか否かが判定される。ここで、前記所定の複数の相対位置および前記所定の構造物は、路上の複数の構造物が有する特有の相対位置関係を基に定められている。
渋滞状況検出部43は、前記外部装置から通信部3で取得した渋滞情報に基づいて前記通過後走行領域の渋滞状況を検出するものである。
より具体的には、渋滞状況検出部43は、例えば車車間通信(Vehicle-to-Vehicle 通信、VtoV)によって上述の自車状況通知通信信号を受信する場合では、1または複数の他の車両から受信した1または複数の自車状況通知通信信号に収容された前記他の車両の識別子を計数(合計)することによって求めた前記通過後走行領域における車両の個数(台数)と前記他の車両の速度とに基づいて前記通過後走行領域の渋滞状況として渋滞有りか否かを検出する。より詳しくは、渋滞状況検出部43は、前記求めた車両の個数と予め設定された閾値(個数判定閾値)とを比較すると共に、前記車両の速度のヒストグラムにおける最頻値を与える速度クラスの速度と予め設定された閾値(速度判定閾値)とを比較し、これら比較の各結果、前記車両の個数が前記個数判定閾値以上であって、前記速度クラスの速度が前記速度判定閾値以下である場合に、前記渋滞状況として渋滞有りと判定し、これらを除く場合には、前記渋滞状況として渋滞無しと判定する。
また例えば、サーバ装置との通信によって上述の渋滞情報通知通信信号を受信する場合では、渋滞状況検出部43は、サーバ装置からネットワークを介して受信した渋滞情報通知通信信号に収容された渋滞情報に基づいて前記通過後走行領域の渋滞状況として渋滞有りか否かを検出する。より詳しくは、渋滞状況検出部43は、前記渋滞情報が渋滞有りを表す場合には、前記渋滞状況として渋滞有りと判定し、前記渋滞情報が渋滞無しを表す場合には、前記渋滞状況として渋滞無しと判定する。
ゲート案内部44は、位置測定部2で測定した車両位置が前記位置情報で表されたゲート位置から所定の距離以内である場合に、渋滞状況検出部43で検出した前記通過後走行領域の渋滞状況に基づいて、前記複数のゲートの中から、ゲート通過後の交通の交錯を緩和するために、通過を推奨する推奨ゲートを求め、この求めた推奨ゲートを表示部7に表示するものである。前記所定の距離は、適宜に設定され、例えば、300mや、500m等に設定される。本実施形態では、ゲート案内部44は、渋滞状況検出部43で検出した前記通過後走行領域の渋滞状況に基づくだけでなく、走行領域情報によって表される通過後走行領域の形状にも基づいて、地図情報の走行領域情報を参照することにより、前記複数のゲートの中から、前記推奨ゲートを求める。
より具体的には、例えば、図3に示すように、走行領域DAが、4個の第1ないし第4区画線LM1~LM4によって示される3個の第1ないし第3車線LN1、LN2、LN3を備える第1走行区間DA1と、区画線LMの無い、第1走行区間DA1の道路幅(幅員)より道路幅の拡幅されている、前記第1走行区間DA1に続く第2走行区間DA2と、第2走行区間DA2から互いに異なる方向(例えばA方面およびB方面等)に分岐して延びる、第2走行区間DA2に続く2個の第3および第4走行区間DA3、DA4とから成り、第2走行区間DA2の一方端側に5個の第1ないし第5ゲートGT1~GT5が、走行方向に対し直交する方向に並置して配置されている場合に、第2車線LN2を走行する車両VCsの運転支援装置DSにおいて、ゲート案内部44は、位置測定部2で測定した車両VCsの車両位置Psがゲート位置Pgtから所定の距離(上述の例では300mや500m等)以内である場合に、渋滞状況検出部43で検出した通過後走行領域DAaの渋滞状況および前記通過後走行領域DAaの形状に基づいて、前記複数のゲートの中から前記推奨ゲートを求める。より詳しくは、前記通過後走行領域DAaは、ゲート位置Pgtから続く1個の共通走行領域DA34と共通走行領域DA34から分岐して続く複数の分岐走行領域(図3に示す例ではA方面に至る分岐走行領域である前記第3走行区間DA3およびB方面に至る分岐走行領域である前記第4走行区間DA4)とを備える。そして、ゲート案内部44は、渋滞状況検出部43で検出した共通走行領域DA34の渋滞状況および前記共通走行領域DA34の形状に基づいて、前記複数のゲートの中から前記推奨ゲートを求める。
より詳しくは、ゲート案内部44は、例えば、まず、前記共通走行領域DA34の走行方向に沿った前記共通走行領域DA34の長さLと予め設定された所定の長さ閾値Thlとを比較する。そして、ゲート案内部44は、前記共通走行領域DA34の長さLが前記長さ閾値Thl以下である場合であって、渋滞状況検出部43によって前記通過後走行領域の渋滞状況(ここでは前記共通走行領域DA34の渋滞状況)として渋滞有りを検出した場合に、前記複数のゲートの中から、予め設定された交錯回避ゲートを前記推奨ゲートとして求める、前記長さ閾値Thlは、例えば標準として想定したゲートの個数および分岐走行領域の車線の個数等の場合における車線の変更のし易さ等を勘案することにより適宜な長さに設定される。前記交錯回避ゲートは、交通の交錯を緩和できると想定されるゲートであり、例えば、走行領域DAのうち、車両VCsの走行方向に対しゲート位置Pgtの通過前における通過前走行領域DAbの走行方向に交差する交差方向(図3に示す例では直交する直交方法)に並置するように配設された複数のゲートGT(GT1~GT5)のうち、両端部それぞれに配置される各ゲートGT(GT1、GT5)である。ゲート案内部44は、前記交錯回避ゲートとしての前記両端部それぞれに配置される各ゲートGT(GT1、GT5)から、前記複数の分岐走行領域(DA3、DA4))のうち、車両VCsの行き先に対応する分岐走行領域に最も近いゲートGTを前記推奨ゲートとして求めることが好ましい。例えば、図3に示すように、第1および第2ゲートGT1、GT2が第3走行区間DA3に対向するように配置され、第4および第5ゲートGT4、GT5が第4走行区間DA4に対向するように配置されている例において、車両VCsの行き先がA方面である場合には、第1および第5ゲートGT1、GT5のうち、A方面に至る分岐走行領域である第3走行区間DA3に最も近い第1ゲートGT1が推奨ゲートとして求められる。また例えば、車両VCsの行き先がB方面である場合には、第1および第5ゲートGT1、GT5のうち、B方面に至る分岐走行領域である第4走行区間DA4に最も近い第5ゲートGT5が推奨ゲートとして求められる。
また例えば、ゲート案内部44は、前記共通走行領域DA34の長さLが前記長さ閾値Thlを超える場合であって、渋滞状況検出部43によって前記通過後走行領域の渋滞状況(ここでは前記共通走行領域DA34の渋滞状況)として渋滞無しを検出した場合に、前記複数のゲートの中から、位置測定部2で測定した車両位置に対し最短で到達するゲートを前記推奨ゲートとして求める。図3に示す例では、位置測定部2で測定した車両VCsの車両位置Psに対し最短で到達するゲート、すなわち、直進で到達する第2ゲートGT2(第2車線LN2の延長上に配設されている第2ゲートGT2)が前記推奨ゲートとして求められる。
また例えば、ゲート案内部44は、前記共通走行領域DA34の長さLが前記長さ閾値Thl以下である場合であって、渋滞状況検出部43によって前記通過後走行領域の渋滞状況(ここでは前記共通走行領域DA34の渋滞状況)として渋滞無しを検出した場合に、車両の行き先に対応する分岐走行領域に共通走行領域を介して対向するように配設されているゲートを前記推奨ゲートとして求める。図3に示す例において、車両VCsの行き先がA方面である場合、A方面に至る分岐走行領域である第3走行区間DA3に共通走行領域DA34を介して対向するように配設されている第1および第2ゲートGT1、GT2が前記推奨ゲートとして求められる。
また例えば、ゲート案内部44は、前記共通走行領域DA34の長さLが前記長さ閾値Thlを超える場合であって、渋滞状況検出部43によって前記通過後走行領域の渋滞状況(ここでは前記共通走行領域DA34の渋滞状況)として渋滞有りを検出した場合に、車両の行き先に対応する分岐走行領域における車線減少で車線の無くならない車線に最も近いゲートGTを前記推奨ゲートとして求める。図3に示す例において、車両VCsの行き先がB方面である場合であって、B方面に至る分岐走行領域である第4走行区間DA4において、紙面下側の車線が車線減少で無くならない車線である場合、この車線に最も近い第5ゲートGT5が前記推奨ゲートとして求められる。
そして、本実施形態では、ゲート案内部44は、区画線検出処理部42によって検出した区画線の終了する終了位置を位置測定部2で測定した車両位置が通過する前に、前記求めた推奨ゲートを表示部7に表示する。
なお、本実施形態では、地図情報記憶部51は、車両が走行する走行領域を区分するために前記走行領域に並置するように配設された複数のゲートにおけるゲート位置を表す位置情報を含む地図情報を格納する地図情報格納部の一例に相当する。撮像部1および制御処理部4の区画線検出処理部42は、前記走行領域に配置される車線を示す区画線を検出する区画線検出部の一例に相当する。
次に、本実施形態の動作について説明する。図4は、前記運転支援装置の動作を示すフローチャートである。図5は、前記運転支援装置で表示される表示画面を説明するための図である。図5Aは、推奨ゲートとして交錯回避ゲートを表示する表示画面を示し、図5Bは、推奨ゲートとして最短で到達できる最短到達ゲートを表示する表示画面を示す。なお、以下の説明において、例えば初期設定等によって、推奨ゲートを表示することによって運転支援する指示が入力部6から予め入力され、自車両の行き先が入力部6から予め入力されているものとする。
このような運転支援装置DSは、車両が稼働を始めると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。その制御処理プログラムの実行によって、制御処理部4には、制御部41、区画線検出処理部42、渋滞状況検出部43およびゲート案内部44が機能的に構成される。
図4において、まず、運転支援装置DSは、制御処理部の制御部41によって、撮像部1から、その生成した前方画像を取得し、位置測定部2から、その測定結果の車両位置を取得する(S11)。
次に、運転支援装置DSは、制御処理部4のゲート案内部44によって、付近にゲートが存在するか否かを判定する(S12)。より具体的には、ゲート案内部44は、処理S11で取得した車両位置に最も近く配置されているゲートのゲート位置を、地図情報記憶部51に記憶されている位置情報から選定(検索)し、この選定したゲート位置と処理S11で取得した車両位置とを比較し、処理S11で取得した車両位置が前記選定したゲート位置から前記所定の距離以内であるか否かを判定する。この判定の結果、前記車両位置が前記ゲート位置から前記所定の距離以内である場合には、運転支援装置DSは、付近にゲートが存在すると判定し(Yes)、次に、処理S13を実行する。一方、前記判定の結果、前記車両位置が前記ゲート位置から前記所定の距離以内ではない場合には、運転支援装置DSは、付近にゲートが存在しないと判定し(No)、処理を処理S11に戻す。したがって、自車両の付近にゲートが存在すると判定されるまで、処理S11および処理S12が繰り返し実行される。
この処理S13では、運転支援装置DSは、ゲート案内部44によって、地図情報記憶部51から通過後走行領域の形状を取得する。より具体的には、本実施形態では、ゲート案内部44は、地図情報記憶部51に記憶されている走行領域情報から、処理S12で付近に存在すると判定されたゲートに続く共通走行領域の走行領域情報を抽出し、この走行共通領域の形状、ここでは、共通走行領域の走行方向に沿った前記共通走行領域の長さを前記通過後走行領域の形状として求める。
処理S13に続く処理S14では、運転支援装置DSは、通信部3および制御処理部4の渋滞状況検出部43によって、前記通過後走行領域の渋滞状況を検出する。より具体的には、通信部3は、例えば、1または複数の他の車両から1または複数の前記渋滞情報通知通信信号を受信し、この受信した1または複数の自車状況通知通信信号に基づいて上述のように前記通過後走行領域の渋滞状況として渋滞有りか否かを検出する。また例えば、通信部3は、サーバ装置から前記渋滞状況通知通信信号を受信し、この受信した渋滞状況通知通信信号に基づいて上述のように前記通過後走行領域の渋滞状況として渋滞有りか否かを検出する。
処理S14に続く処理S15では、運転支援装置DSは、ゲート案内部44によって、処理S13で取得した通過後走行領域の形状、および、処理S14で渋滞状況検出部43によって検出した前記通過後走行領域の渋滞状況に基づいて、複数のゲートの中から推奨ゲートを選択して決定する。より具体的には、上述したように、前記長さ閾値Thlに対する共通走行領域の走行方向に沿った前記共通走行領域における長さLの長短および前記通過後走行領域における渋滞の有無の4つの組合せに応じて推奨ゲートが選択され、決定される。
処理S14に続く処理S15では、運転支援装置DSは、ゲート案内部44によって、区画線の終了を検出したか否かを判定する。より具体的には、まず、区画線検出処理部42は、処理S11で取得した前方画像から区画線を検出する。そして、ゲート案内部44は、区画線検出処理部42で検出した区画線が終了しているか否かを判定する。この判定の結果、区画線検出処理部42で検出した区画線に終端が存在する場合には、ゲート案内部44は、前記区画線が終了していると判定し(Yes)、次に、処理S19を実行する。一方、前記判定の結果、区画線検出処理部42で検出した区画線に終端が存在しない場合(例えば、図3に示す例において、車両VCsが第2走行区間DA2から比較的遠い第1走行区間DA1を走行している場合等)には、ゲート案内部44は、前記区画線が終了していないと判定し(No)、次に、処理S17を実行する。
この処理S17では、運転支援装置DSは、現在を状況を取得するために、上述の処理S11と同様に、撮像部1から、その生成した前方画像を取得し、位置測定部2から、その測定結果の車両位置を取得する。
処理S17に続く処理S18では、運転支援装置DSは、上述の処理S12と同様に、付近にゲートが存在するか否かを判定する。この判定の結果、付近にゲートが存在すると判定した場合(Yes)には、運転支援装置DSは、処理を処理S16に戻す(例えば、図3に示す例において、第1走行区間DA1を走行している車両VCsが第2走行区間DA2に近づきつつある場合等)。一方、前記判定の結果、付近にゲートが存在しないと判定した場合(No)には、運転支援装置DSは、処理S15で決定した推奨ゲートを解消し、処理を処理S11に戻す(例えば、本線の道路から分岐した、ゲートの配置されている走行領域に続く道路ではない前記本線の道路を車両が走行している場合等)。
一方、前記処理S19では、運転支援装置DSは、ゲート案内部44によって、処理S15で決定した推奨ゲートを表示部7に表示する。これによって区画線検出処理部42によって検出した区画線の終了する終了位置を位置測定部2で測定した車両位置が通過する前に、前記推奨ゲートが表示部7に表示される。なお、上述の処理S16において、ゲート案内部44は、前記区画線の終了する終了位置を前記前方画像から求め、前記終了位置から、自車両の方へ、予め設定された所定の距離だけ離れた位置を、推奨ゲートを表示する表示タイミングの位置として求め、位置測定部2で測定した車両位置が前記表示タイミングの位置を通過する際に、推奨ゲートを表示部7に表示しても良い。なお、一例では、撮像部1の仕様(前記結像光学系の光学特性等)から、前方画像における下端から上端までの各画素ごとに、一画素当たりの実距離が求められるので、前方画像に写り込んでいる区画線の終了位置に対応する画素位置と前記前方画像と共に処理S11で取得した車両位置とから、前記区画線の終了位置が求められる。
前記推奨ゲートは、例えば、図5Aおよび図5Bに示すように、カーナビゲーションにかかる情報を表示する表示画面(ナビ画面)60(60a、60b)に表示される。この表示画面60(60a、60b)には、走行領域情報に基づいて、自車両を含む走行方向前方の走行領域DAの平面形状が表示され、自車両の車両位置に応じた走行領域DA上の位置に、自車両を表す車両アイコンIVCsが表示され、ゲートの位置情報に応じた走行領域DA上の位置に、ゲートを表すゲートアイコンIGTが表示され、ゲート案内部44で設定された推奨ゲートを指し示す矢符付きの線分および「推奨ゲート」のテキストが表示され、走行ルートを暗示するように自車両の位置から前記推奨ゲートに至る矢符付きの線分が表示される。前記アイコンは、物事を比較的簡単な絵柄等で記号化して表現したものであり、絵、記号、図またはこれらの組合せで構成される。ゲート案内部44は、本実施形態では、公知の処理手法によって、カーナビゲーションにかかる情報を表示部7に表示する機能をさらに備え、自車両VCsの移動に応じて表示画面60(60a、60b)に表示される、カーナビゲーションにかかる情報を更新する。
このような表示において、例えば、図3に示す例において、共通走行領域DA34の長さLが前記長さ閾値Thl以下である場合であって、共通走行領域DA34の渋滞状況が渋滞有りである場合に、交錯回避ゲートが前記推奨ゲートとして求められ、車両VCsの行き先がB方面である場合には、前記交錯回避ゲートとして予め設定されている第1および第5ゲートGT1、GT5のうち、B方面に至る分岐走行領域である第4走行区間DA4に最も近い第5ゲートGT5が推奨ゲートとして求められ、図5Aに示す表示画面60aが表示部7に表示される。また例えば、図3に示す例において、共通走行領域DA34の長さLが前記長さ閾値Thlを超える場合であって、共通走行領域DA34の渋滞状況が渋滞無しである場合に、位置測定部2で測定した車両VCsの車両位置Psに対し最短で到達するゲート、すなわち、直進で到達する第2ゲートGT2が前記推奨ゲートとして求められ、図5Bに示す表示画面60bが表示部7に表示される。
処理S19に続く処理S20では、運転支援装置DSは、制御部41によって、位置測定部2から、その測定結果の車両位置を取得する。
処理S20に続く処理S21では、運転支援装置DSは、ゲート案内部44によって、処理S20で位置測定部2から取得した車両位置がゲート位置を通過したか否かを判定する。この判定の結果、前記車両位置が前記ゲート位置を通過していない場合(No)には、ゲート案内部44は、処理を処理S20に戻す。一方、前記判定の結果、前記車両位置が前記ゲート位置を通過している場合(Yes)には、ゲート案内部44は、次に、表示部7に表示している推奨ゲートの表示を消去する処理S22を実行し、次に、処理S23を実行する。したがって、車両がゲートを通過するまで、表示画面60(60a、60b)には、推奨ゲートが表示され、車両がゲートを通過すると、推奨ゲートの表示が表示画面60(60a、60b)から消去される。
そして、この処理S23では、運転支援装置DSは、例えばその稼働をオンオフするスイッチの入力操作等によって、その稼働の終了が指示されているか否かを判定する。この判定の結果、前記稼働の終了が指示されている場合(Yes)では、運転支援装置DSは、本処理を終了して稼働を終了し、一方、前記判定の結果、前記稼働の終了が指示されていない場合(No)では、運転支援装置DSは、処理を処理S11に戻す。なお、これら上述の処理S11ないし処理S22のいずれかの処理を実行している際に、前記稼働をオンオフするスイッチの入力操作があった場合には、割り込みで実行中の処理が終了され、運転支援装置DSは、その稼働を終了しても良い。
以上説明したように、実施形態における運転支援装置DSおよびこれに実装された駐車支援方法は、通過後走行領域の渋滞状況に基づいて、複数のゲートの中から、通過を推奨する推奨ゲートを求め、この求めた推奨ゲートを表示部7に表示する。これにより、運転者は、通過後走行領域の渋滞状況に基づいて求められた推奨ゲートを認識でき、この推奨ゲートを通過することで、交通の交錯を緩和するように、通過後走行領域の渋滞状況に応じて通過後走行領域を走行できる。したがって、上記運転支援装置DSおよび運転支援方法は、通過後走行領域の渋滞状況を考慮してゲート通過後の走行を支援できる。
通常、ゲートの手前に、区画線の終了する終了位置からゲートまでの間に、ゲートを選択し、この選択したゲートに向かって車両を走行させるための走行領域(図3に示す例では第2走行区間DA2)が配設されている。上記運転支援装置DSおよび運転支援方法は、前記区画線の終了する終了位置を前記車両位置が通過する前に、推奨ゲートを表示部7に表示するので、運転者は、前記区画線の終了する終了位置からゲートまでの間における前記走行領域を、推奨ゲートに向かって車両を走行させるために、有効に活用できる。
交通が交錯し易いか否かは、渋滞状況だけでなく、走行領域の形状にも依存する。上記運転支援装置DSおよび運転支援方法は、前記通過後走行領域の渋滞状況だけでなく、前記共通走行領域の形状にも基づいて推奨ゲートを求めるので、ゲート通過後の運転支援の観点からより、適切な推奨ゲートを求めることができる。
ゲート通過から分岐に至るまでの距離が比較的短く、しかも渋滞している状況では、交通が交錯し易い。このような状況でも、交通の交錯を緩和できると想定されるゲートを交錯回避ゲートとして予め設定しておき、上記運転支援装置DSおよび運転支援方法は、前記状況で前記交錯回避ゲートを推奨ゲートとして表示部7に表示する。このため、運転者は、前記交錯回避ゲートの推奨ゲートを通過することで、前記状況でも、交通の交錯を緩和可能な走行経路で通過後走行領域を走行できる。したがって、上記運転支援装置DSおよび運転支援方法は、交通の交錯を緩和するように、ゲート通過後の走行を支援できる。
上記運転支援装置DSおよび運転支援方法は、複数のゲートのうち、両端部それぞれに配置される各ゲートを交錯回避ゲートに設定するので、運転者は、走行領域の端を、走行領域の端の延長方向に沿って車両を走行させることになるので、他車両が自車両の前方で車列に割り込まれることがあっても自車両が車列に割り込む必要が無く、交通の交錯を緩和できる。
ゲート通過から分岐に至るまでの距離が比較的長く、渋滞が無い場合、運転者は、車両の行き先に対応する分岐走行領域に向かって車両を走行させ易い。上記運転支援装置DSおよび運転支援方法は、位置測定部2測定した車両位置に対し最短で到達するゲートを前記推奨ゲートとして求めて表示部7に表示するので、最短でゲートを通過できる。
なお、上述の実施形態では、前記地図情報を格納する地図情報格納部の一例として、地図情報記憶部51が用いられたが、これに限定されるものではなく、前記地図情報格納部は、他の形態であっても良い。例えば、前記地図情報格納部は、例えばDVD-ROMやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の、前記地図情報を記録することで格納する記録媒体と、例えばDVDドライブ装置やUSBインターフェース等の、前記記録媒体から前記地図情報を読み出す読出装置とを備えても良い。また例えば、前記地図情報格納部は、例えば通信カード等の、前記地図情報を管理するサーバ装置からネットワークを介して受信する受信部と、前記受信部で受信した地図情報を記憶することで格納する記憶部とを備えても良い。
また、上述の実施形態では、区画線検出処理部42は、撮像部1で生成された前方画像から画像処理によって区画線を検出したが、地図情報記憶部51に記憶されている地図情報に、区画線を表す区画線情報が含まれている場合には、区画線検出処理部42は、地図情報記憶部51に記憶されている地図情報における区画線情報から区画線を検出してもよい。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。