JP7119664B2 - 発電予備力測定装置及び発電予備力測定方法 - Google Patents

発電予備力測定装置及び発電予備力測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、発電予備力測定装置及び発電予備力測定方法に関し、例えば、太陽光発電設備の発電予備力の測定に好適に用いられる発電予備力測定装置及び発電予備力測定方法に関する。
近年、分散型電源を電力系統に接続した電力供給システムの実用化が進んでいる。このような電力供給システムでは、各需要家に設置された太陽光発電設備及び蓄電設備などの分散型電源がパワーコンディショニングシステム(PCS:Power Conditioning System)を介して電力系統に接続されている(例えば、特許文献1参照)。パワーコンディショニングシステムは、太陽光発電設備や蓄電設備から出力される直流電力を制御すると共に、直流電力を交流電力に変換して配電線へ供給する制御を行っている。
特開2017-200286号公報
近年、太陽光発電設備の増加に伴い火力発電などによる電力系統の発電予備力の確保が必要となっており、太陽光発電設備自体の発電予備力の確保も重要視されている。太陽光発電は、通常の運転条件では最大電力点追従制御(MPPT:Maximun Power Point Tracking)により最大電力点で通常運転を行っているので、発電予備力はないに等しい。一方で、太陽光発電は、出力抑制運転を行うこともあり、出力抑制運転中には一定の発電予備力(発電電力の上げ余力)を確保して運転している。しかしながら、太陽光発電では、日射量及び温度の変化によって出力が大きく変化するので、出力抑制運転中に日射量及び温度などが変化した際には、実際の発電予備力がどの程度確保されているかは不明となる。
太陽光発電設備の出力抑制運転中の発電予備力は、太陽光発電設備の太陽光パネルを発電出力抑制状態から最大電力発生状態まで出力電圧を変化させることにより求められている。しかしながら、太陽光パネルでは、電力系統の電圧の状況により有効電力が大きく変化するので、太陽光パネルの出力電圧を最大電力発生状態まで変化させることができず、発電予備力を任意に測定できない場合があった。また、日射計及び温度計などを用いて太陽光発電設備の太陽光パネルの出力電圧を算出することも検討されているが、太陽光発電設備毎に個別に日射計及び温度計を設置する必要があり、実際には実現が困難であった。このように、従来の技術では、日射計及び温度計を用いることなく、電力系統の電圧状態によらずに任意に発電予備力を測定することは困難であった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、日射計及び温度計などを用いることがなく、電力系統の電圧状態によらずに発電予備力を測定可能な発電予備力測定装置及び発電予備力測定方法を提供することを目的とする。
本発明に係る発電予備力測定装置は、光エネルギーにより発電する少なくとも1つの太陽光パネルを備えた太陽光発電部と、電力系統に接続され、前記太陽光発電部の発電電力を制御する電力制御部とを具備し、前記電力制御部は、前記太陽光パネルの出力電圧を変化させる出力電圧制御部と、前記太陽光パネルの出力電圧に基づいて、前記太陽光発電部の発電予備力を算出する発電予備力算出部とを備え、前記発電予備力算出部は、予め取得した前記太陽光パネルの第1電流電圧特性に基づいた第1最大電力と、前記出力電圧制御部により当該太陽光パネルの出力電圧を変化させて推定した前記太陽光パネルの第2電流電圧特性に基づいた第2最大電力とを対比して、前記太陽光パネルの発電予備力を算出することを特徴とする。
上記発電予備力測定装置によれば、第1電流電圧特性に基づいた第1最大電力と第2電流電圧特性に基づいた第2最大電力を対比することにより、日射計及び温度計などを用いることなく、しかも、電力系統への悪影響を低減して出力抑制運転時の太陽光発電部の発電予備力を測定できる。これにより、発電予備力測定装置は、太陽光発電部の従来より正確な発電予備力の把握が可能となるので、太陽光発電部による慣性力確保も可能となる。この結果、発電予備力測定装置は、太陽光発電の慣性力を確保できると共に、太陽光発電の発電予備力を用いたビジネスも可能となるので、太陽光発電部の運転時の出力抑制量の計算も可能となるだけでなく、太陽光発電時に生じうる補償金などの計算も容易となる。
本発明に係る発電予備力測定装置においては、前記出力電圧制御部は、前記太陽光パネルの出力電圧を開放電圧以上に変化させてから、前記太陽光パネルに電流が流れる測定電圧まで減少させ、前記発電予備力算出部は、前記開放電圧に基づいて前記第1電流電圧特性を取得し、前記測定電圧に基づいて前記第2電流電圧特性を推定することが好ましい。この構成により、発電予備力測定装置は、太陽光パネルの発電電力の最大値となる開放電圧に基づいて第1電流電圧特性を取得すると共に、太陽光パネルの実際の運転条件が反映された測定電圧に基づいて第2電流電圧特性を推定できるので、発電予備力をより正確に測定することが可能となる。
本発明に係る発電予備力測定装置においては、前記発電予備力算出部は、前記出力電圧制御部により前記太陽光パネルの出力電圧を前記開放電圧以上に変化させる過程で、前記太陽光パネルの少なくとも1つの電流電圧特性を記憶し、記憶した当該太陽光パネルの少なくとも1つの電流電圧特性に基づいて前記第2電流電圧特性を推定することが好ましい。この構成により、発電予備力測定装置は、太陽光パネルの電圧値を変化させる過程で記憶した電流電圧特性に基づいて第2電流電圧特性を推定できるので、発電予備力を更に正確に測定することが可能となる。
本発明に係る発電予備力測定装置においては、前記太陽光発電部は、複数の前記太陽光パネルを備え、前記発電予備力算出部は、算出した少なくとも1つの前記太陽光パネルの前記発電予備力に基づいて、前記太陽光発電部の発電予備力を算出することが好ましい。この構成により、発電予備力測定装置は、少なくとも1つの太陽光パネルの発電予備力に基づいて太陽光発電部の発電予備力を測定できるので、発電予備力を容易に測定することが可能となる。
本発明に係る発電予備力測定装置においては、前記太陽光発電部を複数備え、前記発電予備力算出部は、算出した少なくとも1つの前記太陽光パネルの前記発電予備力に基づいて、複数の前記太陽光発電部の発電予備力を算出することが好ましい。この構成により、発電予備力測定装置は、少なくとも1つの太陽光パネルの発電予備力に基づいて複数の太陽光発電部の発電予備力を測定できるので、発電予備力を容易に測定することが可能となる。
本発明に係る発電予備力測定方法は、予め取得した太陽光パネルの第1電流電圧特性に基づいた第1最大電力と、当該太陽光パネルの電圧を変化させることによって推定した前記太陽光パネルの第2電流電圧特性に基づいた第2最大電力とを対比して、前記太陽光パネルの発電予備力を算出する発電予備力算出工程を含むことを特徴とする。
上記発電予備力測定方法によれば、第1電流電圧特性に基づいた第1最大電力と第2電流電圧特性に基づいた第2最大電力を対比することにより、日射計及び温度計などを用いることなく、しかも、電力系統への悪影響を低減して出力抑制運転時の太陽光発電部の発電予備力を測定できる。これにより、発電予備力測定方法は、太陽光発電部の従来より正確な発電予備力の把握が可能となるので、太陽光発電部による慣性力確保も可能となる。この結果、太陽光発電の慣性力を確保できると共に、太陽光発電の発電予備力を用いたビジネスも可能となり、太陽光発電部の運転時の出力抑制量の計算も可能となるだけでなく、太陽光発電時に生じうる補償金などの計算も容易となる。
本発明に係る発電予備力測定方法においては、前記発電予備力算出工程において、前記太陽光パネルの電圧値を開放電圧以上に変化させてから、前記太陽光パネルに電流が流れる測定電圧まで減少させ、前記開放電圧に基づいて前記第1電流電圧特性を取得し、前記測定電圧に基づいて前記第2電流電圧特性を推定することが好ましい。この方法により、発電予備力測定方法は、太陽光パネルの発電電力の最大値となる開放電圧に基づいて第1電流電圧特性を取得すると共に、太陽光パネルの実際の運転条件が反映された測定電圧に基づいて第2電流電圧特性を推定できるので、発電予備力をより正確に測定することが可能となる。
本発明に係る発電予備力測定方法においては、前記太陽光パネルの電圧値を前記開放電圧以上に変化させる過程で、前記太陽光パネルの少なくとも1つの電流電圧特性を記憶し、記憶した当該太陽光パネルの少なくとも1つの電流電圧特性に基づいて前記第2電流電圧特性を推定することが好ましい。この方法により、発電予備力測定方法は、太陽光パネルの電圧値を変化させる過程で記憶した電流電圧特性に基づいて第2電流電圧特性を推定できるので、発電予備力を更に正確に測定することが可能となる。
本発明に係る発電予備力測定方法においては、前記太陽光パネルを複数有する太陽光発電部を備え、算出した少なくとも1つの前記太陽光パネルの前記発電予備力に基づいて、前記太陽光発電部の発電予備力を算出することが好ましい。この方法により、発電予備力測定方法は、少なくとも1つの太陽光パネルの発電予備力に基づいて太陽光発電部の発電予備力を測定できるので、発電予備力を容易に測定することが可能となる。
本発明に係る発電予備力測定方法においては、少なくとも1つの前記太陽光パネルを有する太陽光発電部を複数備え、算出した少なくとも1つの前記太陽光パネルの前記発電予備力に基づいて、複数の前記太陽光発電部の発電予備力を算出することが好ましい。この方法により、発電予備力測定方法は、少なくとも1つの少数の太陽光パネルの発電予備力に基づいて複数の太陽光発電部の発電予備力を測定できるので、発電予備力を容易に測定することが可能となる。
本発明によれば、日射計及び温度計などを用いることがなく、電力系統の電圧状態によらずに発電予備力を測定可能な発電予備力測定装置及び発電予備力測定方法を実現できる。
図1は、太陽光パネルの電流と電圧との関係を示す図である。 図2は、太陽光パネルの日射強度と電圧及び電流との関係を示す図である。 図3は、太陽光パネルの温度と電圧及び電流との関係を示す図である。 図4は、複数の太陽光パネルを直列接続した場合の太陽光パネルの数と電流及び電圧との関係を示す図である。 図5は、複数の太陽光パネルを並列接続した場合の太陽光パネルの数と電流及び電圧との関係を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る発電予備力測定装置の一例を示す機能ブロック図である。 図7は、本発明の実施の形態に係る電力制御部の機能ブロック図である。 図8は、本発明の実施の形態に係る発電予備力測定方法の一例を示すフロー図である。 図9は、本発明の実施の形態に係る太陽光パネルの日射量と電流電圧特性との関係を示す図である。 図10は、本発明の実施の形態に係る発電予備力測定方法の第1工程の説明図である。 図11は、本発明の実施の形態に係る発電予備力測定方法の第1工程の説明図である。 図12は、本発明の実施の形態に係る発電予備力測定方法の第2工程及び第3工程の説明図である。 図13は、本発明の実施の形態に係る発電予備力測定方法の第4工程の説明図である。 図14は、本発明の実施の形態に係る電力系統の電圧を考慮した発電予備力の説明図である。 図15は、本発明の実施の形態に係る発電予備力測定装置による発電予備力制御の説明図である。
以下、本発明の一実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態によって何ら限定されるものではない。
まず、本実施の形態に係る太陽光パネルの出力特性について簡単に説明する。図1は、太陽光パネルの電流と電圧との関係を示す図である。図1に示すように、太陽光パネルでは、外部にかかる電圧が0Vのときの電流が短絡電流(Isc)となり、外部に流す電流が0Aのときの電圧が開放電圧(Voc)となる。また、太陽光パネルでは、電極間の負荷が大きくなるにつれて電流が減少すると共に電圧が増大する(電流電圧曲線(IV曲線)L1参照)。そのため、太陽光パネルでは、電流電圧曲線L1上で電力が最大となる最大電力(Pmax:最大電力点(最適動作点)P1参照)の際の電流が最適動作電流(Ipm)となり、電圧が最適動作電圧(Vpm)となる。太陽光パネルが通常運転をする場合には、最大電力点追従制御(MPPT)が行われる。この最大電力点追従制御では、日射量及び温度などによって変化する最大電力点P1に追従して運転できるように、太陽光パネルの電圧を変化させながら太陽光パネルの発電電力を制御する。また、太陽光パネルでは、電力系統の電力量に余裕がある場合には、最大電力点追従制御を行わず、最大電力点P1より低い電力(例えば、電力点P2参照)で運転する出力抑制運転も行われている。
図2は、太陽光パネルの日射量と電圧及び電流との関係を示す図である。図2に示すように、太陽光パネルでは、日射量によって発電電力が大きく変動する。図2に示す例では、日射量が0kW/mとなる暗状態に対して、日射量が0.2kW/mから1kW/mに増えるにつれて電流値が大幅に増大している。したがって、太陽光パネルでは、日射量に応じて最大電力点が随時変更し、これによって出力抑制運転を行っている際には太陽光パネルの発電予備力が大きく変動する。例えば、出力抑制により定格出力の半分の発電電力(点P3参照)で運転している際の日射量が、1kW/mから0.5kW/mに減少して最大電力点が低下した場合には、太陽光パネルの発電電力(点P4参照)に大幅な変化はない。しかしながら、日射量の減少後には、太陽光パネルが定格出力近傍での運転となるので、日射量の減少前に約50%(点P3参照)確保されていた太陽光パネルの発電予備力は、日射量の減少後にはほぼ0(点P4参照)となる。これに対して、定格出力近傍の発電電力(点P5参照)で運転している太陽光パネルの日射量が、0.2kW/mから1kW/mに増大して最大電力点が増大した場合には、太陽光パネルの発電電力(点P6参照)自体に大きな変化はないが、発電予備力はほぼ0%(点P5参照)から約70%(点P6参照)の発電予備力に増大する。このように、太陽光パネルは、日射量の変化に伴い発電予備力が大幅に変化することが分かる。
図3は、太陽光パネルの温度と電圧及び電流との関係を示す図である。図3に示すように、太陽光パネルでは、温度によって発電電力が変動する。図3に示す例では、温度が低温状態(点P7参照)から高温状態(点P8参照)に変化した際には、発電電力が増大して太陽光パネルの発電予備力が約10%減少する。これに対して、温度が高温状態(点P9参照)から低温状態(点P10参照)に変化した際には、発電電力が増大して太陽光パネルの発電予備力が約10%増大する。このように、太陽光パネルは、温度の変化によっても発電予備力が大幅に変化することが分かる。
図4は、複数の太陽光パネルを直列接続した場合の太陽光パネルの数と電流及び電圧との関係を示す図である。図4に示すように、太陽光パネルでは、直列接続した太陽光パネルの数に応じて発電電力が変化する。図4に示す例では、直列接続した太陽光パネルの数が1枚から10枚に増えるにつれて最大電力が増大している。この結果から、複数の太陽光パネルを備えた太陽光発電装置では、直列接続する太陽光パネルが増えるにしたがって、発電予備力が発生しやすい状況となることが分かる。
図5は、複数の太陽光パネルを並列接続した場合の太陽光パネルの数と電流及び電圧との関係を示す図である。図5に示すように、太陽光パネルでは、並列接続した太陽光パネルの数に応じて発電電力が変化する。図5に示す例では、並列接続した太陽光パネルの数が1枚から10枚に増えるにつれて最大電力が増大している。この結果から、複数の太陽光パネルを備えた太陽光発電装置では、並列接続する太陽光パネルが増えるにしたがって、発電予備力が発生しやすい状況となることが分かる。
本発明者らは、上述したような太陽光発電装置が出力抑制運転を行っている状態での日射量及び温度、並びに、太陽光発電装置の太陽光パネルの数によって変化する発電予備力に着目した。そして、本発明者は、太陽光パネルを有する太陽光発電部の電力系統に接続された電力制御部を用いて、各太陽光発電部に属する太陽光パネルの発電予備力を測定することを着想した。これにより、本発明者らは、日射計及び温度計などを用いることがなく、しかも、電力系統の電圧状態によらずに発電予備力を測定可能な発電予備力測定装置及び発電予備力測定方法を実現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。以下、本実施の形態に係る発電予備力測定装置について詳細に説明する。
図6は、本実施の形態に係る発電予備力測定装置の一例を示す機能ブロック図である。図6に示すように、本実施の形態に係る発電予備力測定装置1は、日射量及び温度などによって変化する太陽光パネルの出力抑制運転時の発電予備力を測定するものである。本実施の形態に係る発電予備力測定装置1は、複数の太陽光発電部11-1,11-2・・・11-nと、複数の太陽光発電部11-1,11-2・・・11-nが接続される電力系統12と、外部ネットワーク13と、外部サーバ14とを備える。なお、本実施の形態では、発電予備力測定装置1は、複数の太陽光発電部11-1,11-2・・・11-n(以下、単に、「太陽光発電部11」ともいう)を備える例について説明するが、太陽光発電部11は少なくとも1つ備えていればよい。また、以下においては、太陽光発電部11が太陽光パネルを備える例について説明するが、本実施の形態に係る発電予備力測定装置1は、フィルム型太陽電池などの他の各種太陽光発電装置を備えた太陽光発電部11にも適用可能である。
太陽光発電部11は、光エネルギーにより発電する複数の太陽光パネル15と、複数の太陽光パネル15に接続された電力制御部(PCS:Power Conditioning System)16とを備える。電力制御部16は、電力系統12に接続され、太陽光パネル15の発電電力を制御する。なお、本実施の形態では、太陽光発電部11が複数の太陽光パネル15を備えた例について説明するが、太陽光発電部11は、太陽光パネル15を少なくとも1つ備えていればよい。また、図6においては、電力制御部16が太陽光発電部11に設けられた例について示しているが、電力制御部16は、太陽光発電部11の外部に設けてもよい。
電力制御部16は、太陽光パネル15から出力される直流電力を制御すると共に、太陽光パネル15から出力される直流電力(DC)を交流電力(AC)に変換して電力系統12へ供給する制御を行う。電力制御部16は、電力系統12と太陽光パネル15との間で相互に電力を変換する。また、電力制御部16は、電力系統12と太陽光パネル15との間で電力の授受を制御する。電力制御部16は、交流電力及び直流電力の間で双方向に変換し、太陽光パネル15と電力系統12との間で電力の授受を行う。電力制御部16は、例えば、DC/DCコンバータ(DC/DC)及びAC/DCコンバータ(AC/DC)などにより上記制御を行う。
また、電力制御部16は、通信ネットワーク13を介して外部サーバ14と通信可能となっている。通信ネットワーク13としては、例えば、無線LANなどの各種無線通信ネットワーク及び光ファイバを利用した光通信及び電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)などの各種有線通信ネットワークが挙げられる。電力制御部16は、通信ネットワーク13を介して、外部サーバ14に対して各太陽光発電部11の発電予備力の情報を送信すると共に、外部サーバ14からの各種指令を受信する。外部サーバ14は、通信ネットワーク13を介して、各太陽光発電部11の電力制御部16に対して各太陽光発電部11の発電予備力を所望の範囲とするように指令する。
図7は、電力制御部16の機能ブロック図である。図7に示すように、電力制御部16は、内部に出力電圧測定部161と、出力電圧制御部162と、発電予備力算出部163と、発電予備力制御164とを備える。出力電圧測定部161、出力電圧制御部162、発電予備力算出部163及び発電予備力制御164は、マイクロコントローラ及び周辺回路を有するコンピュータシステムによって実現される。出力電圧測定部161、出力電圧制御部162、発電予備力算出部163及び発電予備力制御164は、CPUなどのプロセッサが、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などの記憶装置に記憶されたプログラムに従って各種演算を実行して周辺回路を制御することにより実現される。
上記記憶装置に記憶されたプログラムは、本実施の形態に係る発電予備力測定装置を実現するためのプログラムである。上記プログラムは、例えば、予め電力制御部16内の記憶部(不図示)にインストールされている。なお、上記プログラムは、ネットワークを介して流通可能であってもよいし、CD-ROMなどのコンピュータが読み取り可能な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)に書き込まれて流通可能であってもよい。また、電力制御部16は、内部に設けられた記憶部に機能の実現するために必要なプログラム及びパラメータなどの各種データを記憶している。
出力電圧測定部161は、太陽光発電部11に属する少なくとも1つの太陽光パネル15の発電出力を測定する。出力電圧測定部161は、例えば、太陽光発電部11内の複数の太陽光パネル15の全ての出力電圧を測定してもよく、一部の太陽光パネル15の出力電圧を測定してもよい。また、出力電圧測定部161は、複数の太陽光パネル15が接続された電力系統12を流れる出力電圧を測定してもよい。
出力電圧制御部162は、出力電圧測定部161によって測定された太陽光パネル15の発電出力に基づいて、太陽光発電部11内の少なくとも1つの太陽光パネル15の発電出力を制御する。出力電圧測定部161は、例えば、太陽光発電部11内の複数の太陽光パネル15の全ての出力電圧を変化させてもよく、一部の太陽光パネル15の出力電圧を変化させてもよい。また、出力電力制御部162は、少なくとも1つの太陽光パネル15の電圧値を所定値から開放電圧以上に変化させてから、当該太陽光パネル15に電流が流れる測定電圧まで電圧値を減少させてもよい。ここでの測定電圧とは、開放電圧以上に電圧値を上昇させた太陽光パネル15について、開放電圧から電圧値を減少させて太陽光パネル15に電流が流れ始める際の電圧値である。また、電圧値の所定値としては、上述した太陽光パネル15に電流が流れる電圧値未満であれば特に制限はない。電圧値の所定値としては、0Vがより好ましい。出力電力制御部162は、発電予備力の測定対象となる太陽光発電部11に属する太陽光パネル15の電圧値を変化させる。
発電予備力算出部163は、太陽光発電部11内の少なくとも1つの太陽光パネル15の電流電圧特性に基づいて発電予備力を算出する。発電予備力算出部163は、例えば、太陽光発電部11内の複数の太陽光パネル15の全ての電流電圧特性に基づいて発電予備力を算出してもよく、一部の太陽光パネル15の電流電圧特性に基づいて発電予備力を算出してもよい。発電予備力算出部163は、出力電圧測定部161によって測定された出力電圧及び出力電圧制御部162によって変化された太陽光パネル14の出力電圧により電流電圧特性を取得し、取得した電流電圧特性に基づいて発電予備力を算出する。
本実施の形態では、発電予備力算出部163は、予め取得した少なくとも1つの太陽光パネル15の第1電流電圧特性に基づいた第1最大電力と、出力電圧制御部162により当該少なくとも1つの太陽光パネル15の電圧値が変化されることにより推定した第2電流電圧特性に基づいた第2最大電力とを対比して、当該少なくとも1つの太陽光パネル15の発電予備力を算出する。ここでの第1電流電圧特性としては、例えば、日射量及び温度によって変化する太陽光パネル15の最大電力点を含む電流電圧特性であってもよく、太陽光パネル15の性能等に応じて予め設定された所定の電流電圧特性であってもよい。また、第2電流電圧特性としては、開放電圧から電圧値を減少させた際に太陽光パネル15に電流が流れ始める際の測定電圧の電圧値に対応する電流電圧特性であってもよく、日射量及び温度などに応じて予め設定した所定の電圧値に対応した電流電圧特性であってもよい。
また、発電予備力算出部163は、出力電圧制御部162が太陽光パネル15の電圧値を所定値より開放電圧以上に変化させた際に、開放電圧に基づいて第1電流電圧特性を取得してもよい。さらに、発電予備力算出部163は、出力電圧制御部162が開放電圧以上に増大させた電圧値を、太陽光パネル15に電流が流れ始める測定電圧まで減少させた際の電圧値に基づいて第2電流電圧特性を推定してもよい。これにより、発電予備力測定装置1は、最大電力点を含む第1電流電圧特性を取得すると共に、出力抑制運転時の運転条件に応じた第2電流電圧特性を推定できるので、発電予備力をより正確に測定することが可能となる。
さらに、発電予備力算出部163は、上述した出力電力制御部162により少なくとも1つの太陽光パネル15の電圧値を所定値より開放電圧以上に変化させる過程で、当該少なくとも1つの太陽光パネル15の電流電圧特性を記憶し、記憶した当該少なくとも1つの太陽光パネル15の電流電圧特性に基づいて第2電流電圧特性を推定してもよい。これにより、発電予備力測定装置1は、太陽光パネル15の電圧値を変化させる過程で記憶した電流電圧特性に基づいて第2電流電圧特性を推定できるので、発電予備力を更に正確に測定することが可能となる。
また、発電電予備力算出部163は、太陽光発電部11に属する少なくとも1つの太陽光パネル15の発電予備力を算出し、算出した発電予備力に基づいて太陽光発電部11全体の発電予備力を算出してもよい。これにより、発電予備力測定装置1は、少なくとも1つの太陽光パネル15の発電予備力に基づいて太陽光発電部11の発電予備力を測定できるので、発電予備力を容易に測定することが可能となる。
また、発電予備力算出部163は、複数の太陽光発電部11-1~11-nに属する少なくとも1つの太陽光発電部11に属する少なくとも1つの太陽光パネル15の発電予備力を算出し、算出した発電予備力に基づいて複数の太陽光発電部11-1~11-n全体の発電予備力を算出してもよい。これにより、発電予備力測定装置1は、少なくとも1つの太陽光パネル15の発電予備力に基づいて複数の太陽光発電部11の発電予備力を測定できるので、発電予備力を容易に測定することが可能となる。
発電予備力制御部164は、発電予備力算出部163によって算出された太陽光発電部11の発電予備力が所望の値となるように、発電予備力を制御する。発電予備力制御部164は、発電予備力算出部163によって算出された発電予備力に基づいて、太陽光パネル15の発電出力を調整することにより、太陽光発電部11の発電予備力を制御する。
次に、図8を参照して、本実施の形態に係る発電予備力制御装置1を用いた発電予備力測定方法の具体例について詳細に説明する。図8は、本実施の形態に係る発電予備力測定方法の一例を示すフロー図である。なお、本実施の形態に係る発電予備力測定方法は、図8に示す例に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
図8に示すように、本実施の形態に係る発電予備力測定方法は、太陽光パネル15の電流電圧特性を記憶しながら電圧値を所定値から開放電圧Voc以上まで増大させる第1工程ST11と、開放電圧Voc以上に増大させた太陽光パネル15の電圧値を当該太陽光パネル15に電流が流れ始める測定電圧の電圧値Vまで減少させる第2工程ST12と、第1工程ST11で記憶した電流電圧特性に基づいて、第2工程ST12で得られた電圧値Vにおける第2電流電圧特性を推定する第3工程ST13と、予め取得した太陽光パネル15の第1電流電圧特性に基づいた第1最大電力と、第3工程ST13で推定した第2電流電圧特性に基づいた第2最大電力とを対比して発電予備力を算出する第4工程ST14とを含む。以下、各工程について詳細に説明する。
図9は、本実施の形態に係る太陽光パネル15の日射量と電流電圧特性との関係を示す図である。図9に示すように、太陽光パネル15の電流電圧特性は、日射量に応じて変化するが(図9の矢印参照)、曲線の形状に変化はない。図9に示す例では、日射量が多く、太陽光パネル15の最大電力が得られる開放電圧Vocと短絡電流Iscとの間の電流電圧特性を電流電圧曲線L2-1に示し、日射量が減少した際の電圧値Vと電流値Iとの間の電流電圧特性を電流電圧曲線L2-1Aに示している。そこで、本実施の形態では、このような太陽光パネル15の電流電圧特性を用いて太陽光パネル15の発電予備力を算出する。
図10及び図11は、本実施の形態に係る発電予備力測定方法の第1工程ST11の説明図である。図10及び図11に示すように、第1工程ST11では、出力電圧制御部162は、太陽光パネル15の電圧値を所定値(0V)から開放電圧Voc以上となる電圧値Vcまで増大させる。ここでは、発電予備力算出部163は、電圧値が増大される過程で電圧値に対応した電流電圧曲線の形状を記憶する。図10に示す例では、発電予備力算出部163が、電圧値Vに対応した電圧値Vと電流値Iとの間の電流電圧曲線L2Aと、電圧値Vに対応した電圧値Vと電流値Iとの間の電流電圧曲線L2Bと、開放電圧Vocに対応した開放電圧Vocと短絡電流Iscとの間の第1電流電圧特性に対応した電流電圧曲線L2-1とを記憶する例を示している。このように、特定の電圧値に対応した日照量の変化に伴った形状の変化が少ない電流電圧曲線に基づいて発電予備力を算出することができるので、電流電圧曲線の記憶に必要な記憶容量を削減することが可能となる。なお、発電予備力算出部163は、電圧値の増大に伴って変化する電流電圧曲線を断続的に記憶してもよく、連続的に記憶してもよい。発電予備力算出部163は、電圧値の増大に伴って変化する電流電圧曲線を断続的に記憶することにより、電流電圧曲線の記憶に必要なデータ量を削減することができる。また、発電予備力算出部163は、電圧値の増大に伴って変化する電流電圧曲線を連続的に記憶することにより、精度良く第2電流電圧特性を推定することが可能となる。また、図10及び図11に示す例では、出力電圧制御部162が太陽光パネル15の電圧値を開放電圧Vocより大きい電圧値Vcまで増大させる例について説明したが、出力電圧制御部162は、太陽光パネル15の電圧を開放電圧Vocまで増大させてもよい。
また、第1工程ST11では、出力電圧制御部162は、例えば、太陽光パネル15の起動時などの出力を上げられるときに電圧値を上昇させて、発電予備力算出部163が開放電圧Vocの第1電流電圧特性に対応する電流電圧曲線L2-1の第1最大電力の値を予め記憶しておけばよい。さらに、第1工程ST11では、出力電圧制御部162は、日照量が変化する季節毎に太陽光パネル15の電圧を変化させて、発電予備力算出部163が開放電圧Vocの第1電流電圧特性に対応する電流電圧曲線L2-1に対応した第1最大電力の値を記憶しておいてもよい。また、第1工程ST11では、出力電圧制御部162は、日照量が変化する時間毎に太陽光パネル15の電圧を変化させて、発電予備力算出部163が開放電圧Vocの第1電流電圧特性に対応する電流電圧曲線L2-1に対応した第1最大電力の値を記憶してもよい。また、発電予備力算出部163は、開放電圧Vocと第1最大電力の値を表又はグラフとして記憶しておいてもよい。また、出力電圧制御部162は、太陽光パネル15の電圧値を必ずしも0Vから増大させる必要はない。この場合、出力電圧制御部162は、太陽光パネル15の電圧値を開放電圧Voc以上に増大させて、発電予備力算出部163が開放電圧Vocを記憶しておけばよい。また、発電予備力算出部163は、温度の変化に伴う補正を考慮して発電予備力を算出してもよい。
図12は、本実施の形態に係る発電予備力測定方法の第2工程ST12及び第3工程ST13の説明図である。図12に示すように、第2工程ST12では、出力電圧制御部162は、開放電圧Voc以上まで増大させた太陽光パネル15の電圧値Vcを、日射量に応じて変化する当該太陽光パネル15に電流が流れ始める電圧値Vまで減少させる(図12の矢印参照)。そして、第3工程ST13では、発電予備力算出部163が、第1工程ST11で記憶した各電圧値(例えば、V、V、Vなど)に対応する電流電圧曲線に基づいて、第2工程ST12で得られた太陽光パネル15に電流が流れる特定の電圧値Vにおける第2電流電圧特性を推定する。図12に示す例では、発電予備力算出部163は、太陽光パネル15に電流が流れる特定の電圧値Vに対応する電圧値Vと電流値Iとの間の第2電流電圧特性に対応する電流電圧曲線L2-2を推定している。ここでは、図9に示したように、太陽光パネル15の第2電流電圧特性は、日射量に応じて変化する一方、曲線の形状に変化はない。そのため、第2工程ST12において、発電予備力算出部163は、特定の電圧値Vに対応する第2電流電圧曲線L2-2を記憶していなくとも、他の電流電圧曲線(例えば、図10の電流電圧曲線L2A,L2Bなど)を記憶していることにより、特定の電圧値Vに対応する第2電流電圧曲線L2-2を推定することが可能となる。
図13は、本実施の形態に係る発電予備力測定方法の第4工程ST14の説明図である。図13に示すように、第4工程ST14では、発電予備力算出部163は、第3工程ST13で得られた電圧値Vと電流値Iとの間の第2電流電圧特性に基づいて、第2最大電力を推定する。第4工程ST14では、発電予備力算出部163は、第3工程で推定された電圧値Vと電流値Iとの間の電流電圧曲線L2-2に基づいて、電力曲線L2-3を算出する。これにより、発電予備力算出部163は、測定時点での第2最大電力点P1が算出できるので、第1工程ST11で取得した太陽光パネル15の第1最大電力点Pmax(図1参照)と測定時点での第2最大電力点P1との差分を求めることにより、太陽光パネル15の上げ余力である発電予備力を算出することが可能となる。
また、発電予備力算出部163は、電力系統の電圧を考慮して算出してもよい。図14は、電力系統の電圧を考慮した発電予備力の説明図である。図14に示すように、上述した発電予備力測定方法では、測定対象となる太陽光パネル15の運転出力(矢印L3参照)に対する最大出力点との差分が発電予備力(矢印L4参照)として算出される。一方で、電力系統12に接続された太陽光パネル15では、太陽光パネル15と負荷との間を周期的に往復する無効電力が系統電圧として存在する。そこで、この無効電力の影響(矢印L5参照)を予め算出し、測定対象となる太陽光パネル15の運転出力(矢印L1参照)及び算出された発電予備力(矢印L4参照)との差分を求めることにより、系統電圧の影響を考慮した発電予備力(矢印L6参照)を算出することが可能となる。これにより、系統電圧の影響を排除した発電予備力を算出できるので、太陽光発電部11をより正確に抑制運転することが可能となる。
次に、図15を参照して、本実施の形態に係る発電予備力測定装置1における発電予備力の制御について詳細に説明する。図15は、本実施の形態に係る発電予備力測定装置1による発電予備力制御の説明図である。なお、図15においては、説明の便宜上、電力制御部16を省略して示している。
図15に示すように、発電予備力測定装置1においては、発電予備力の制御は、発電予備力測定装置1に属する複数の太陽光発電部11の全体で行ってもよく、一部の太陽光発電部11を対象として行ってもよく、特定の太陽光発電部11に属する一部の太陽光パネル15内で行ってもよい。図15に示す例では、発電予備力算出部1に属する3つの太陽光発電部11-1(最大発電電力:40kw),11-2(最大発電電力:70kw),11-3(最大発電電力:30kw)のそれぞれについて、発電予備力50%を確保し、全体で70kwの発電予備力を確保して運転を行っている例を示している。この場合、電力制御部16は、日射量、温度、電力系統などによって変化する太陽光発電部11-1,11-2,11-3のそれぞれについて、発電予備力を随時計算し、発電予備力を50%確保して運転している。
例えば、電力制御部16は、発電予備力算出部163によって算出された発電予備力が最大となる太陽光発電部11を選択する(例えば、太陽光発電部11-2)。次に、電力制御部16は、発電予備力算出部163によって測定された発電予備力に基づいて、出力電圧制御部162によって太陽光発電部11-2の発電電力を変化させる。そして、電力制御部16は、発電予備力制御部164を介して上記制御を太陽光発電部11-1,11-3に対して上述した発電予備力の制御及び発電電力の制御を順次繰り返すことにより、太陽光発電部11-1~11-3の発電予備力の合計が50%となるように運転する。ここでは、発電予備力算出部163は、太陽光発電部11-2全体のエリア内において、最大出力で運転している太陽光パネル15が特定できる場合には、当該太陽光パネル15の発電予備力を算出して太陽光発電部11-2の発電予備力を算出してもよい。また、発電予備力算出部163は、太陽光発電部11-2の一部のエリアA1内において、最大出力で運転している太陽光パネル15が特定できる場合には、当該太陽光パネル15の発電予備力を算出して太陽光発電部11-2の発電予備力を算出してもよい。
また、電力制御部16は、太陽光発電部11-1~11-3の全てが発電電力抑制運転されている場合には、少なくとも1つの太陽光発電部11を選択して、発電予備力を測定してもよい。この場合、電力制御部16は、特定の太陽光発電部11(例えば、太陽光発電部11-2)を選択し、出力電圧制御部162を介して選択した太陽光発電部11-2に属する太陽光パネル15(例えば、太陽光パネル15A)の出力電圧を起動時などに開放電圧Voc以上に増大させて最大電力点を算出する。そして、発電予備力算出部163は、最大電力点と任意の測定時点の最大電力とを対比して発電予備力を算出し、算出した発電予備力に基づいて太陽光発電部11-2の発電予備力を推定してもよい。ここでは、電力制御部16は、太陽光パネル15の設置方向、角度及び容量に基づいて発電予備力の算出精度を向上させてもよい。また、上述した電圧値を増大させる太陽光パネル15は、出力電圧の増大に伴う電圧上昇の影響が少ない電力系統12の電圧が低い箇所に接続されているものを選定することが好ましい。
また、電力制御部16は、発電予備力の測定の際に、出力電圧制御部162によって増大させた太陽光パネル15の発電電力を、太陽光発電部11に属する他の太陽光パネル15によって相殺させてもよい。この場合、発電電力を相殺させる太陽光パネル15は、発電電力の現象に伴う電力系統12の電圧低下の影響が少ない電力系統12の電圧が高い箇所に接続されたものとしてもよい。また、発電電力を相殺させる太陽光パネル15は、発電電力を増大させた太陽光パネル11と同じ電力系統12に接続されているものであってもよい。また、増大させた太陽光パネル15の発電電力を複数の太陽光パネル11の出力電圧を一律に下げて相殺してもよい。
また、電力制御部16は、発電予備力の測定の際に、出力電圧制御部162によって増大させた太陽光パネル15の発電電力を、同じ電力系統12に接続された太陽光パネル15の無効電力を制御して電圧変動を抑制してもよい。この場合、電力制御部16は、個別に各太陽光パネル15の発電予備力を計算した後、無効電力により電圧変動を抑制しながら最大限出力可能な発電予備力を計算してもよい。
さらに、電力制御部16は、太陽光発電部11毎に発電予備力を測定し、発電予備力を最大限確保できる太陽光発電部11の発電出力を主に下げ、他の太陽光発電部11の発電出力を上げて太陽光発電部11全体の出力の差を低減してもよい。また、電力制御部16は、特定の太陽光発電部11に属する各太陽光パネル15の発電予備力を測定し、発電予備力を最大限確保できる太陽光発電部11の発電出力を主に下げ、他の太陽光発電部11の発電出力を上げて太陽光発電部11全体の出力を一定としてもよい。
電力制御部16は、太陽光発電部11毎に出力抑制の比率を変えて発電予備力を一定に制御してもよい。また、電力制御部16は、発電予備力確保による収益と太陽光発電部11の売電価格とを考慮して、発電予備力確保の比率を変えてもよい。さらに、電力制御部16は、太陽光発電部11の出力抑制量が同一になるように調整して発電予備力を確保してもよい。
以上説明したように、上記実施の形態によれば、第1電流電圧特性に基づいた第1最大電力と第2電流電圧特性に基づいた第2最大電力を対比することにより、日射計及び温度計などを用いることなく、しかも、電力系統への悪影響を低減して出力抑制運転時の太陽光発電部11の発電予備力を測定できる。これにより、従来より正確な太陽光発電部の発電予備力の把握が可能となり、太陽光発電部による慣性力確保も可能となる。この結果、太陽光発電の慣性力を確保できると共に、太陽光発電の発電予備力を用いたビジネスも可能となり、太陽光発電部の運転時の出力抑制量の計算も可能となるだけでなく、太陽光発電時に生じうる補償金などの計算も容易となる。
本発明は、日射計及び温度計などを用いることがなく、しかも、電力系統の電圧状態によらずに発電予備力を測定可能な発電予備力測定装置及び発電予備力測定方法を実現できるという効果を有し、例えば、太陽光パネルなどを用いた太陽光発電に有効に活用可能である。
1 発電予備力測定装置
11,11-1,11-2,11-3,11-n 太陽光発電部
12 電力系統
13 ネットワーク
14 外部サーバ
15 太陽光パネル
16 電力制御部
161 出力電圧測定部
162 出力電圧制御部
163 発電予備力算出部
164 発電予備力制御部

Claims (10)

  1. 光エネルギーにより発電する少なくとも1つの太陽光パネルを備えた太陽光発電部と、
    電力系統に接続され、前記太陽光発電部の発電電力を制御する電力制御部とを具備し、
    前記電力制御部は、前記太陽光パネルの出力電圧を変化させる出力電圧制御部と、
    前記太陽光パネルの出力電圧に基づいて、前記太陽光発電部の発電予備力を算出する発電予備力算出部とを備え、
    前記発電予備力算出部は、予め取得した前記太陽光パネルの第1電流電圧特性に基づいた第1最大電力と、前記出力電圧制御部により当該太陽光パネルの出力電圧を変化させて推定した前記太陽光パネルの第2電流電圧特性に基づいた第2最大電力とを対比して、前記太陽光パネルの発電予備力を算出し、
    前記発電予備力算出部は、前記太陽光パネルに電流が流れ始める電圧と、他の電流電圧特性の曲線の形状と、に基づいて、前記第2電流電圧特性を推定することを特徴とする、発電予備力測定装置。
  2. 光エネルギーにより発電する少なくとも1つの太陽光パネルを備えた太陽光発電部と、
    電力系統に接続され、前記太陽光発電部の発電電力を制御する電力制御部とを具備し、
    前記電力制御部は、前記太陽光パネルの出力電圧を変化させる出力電圧制御部と、
    前記太陽光パネルの出力電圧に基づいて、前記太陽光発電部の発電予備力を算出する発電予備力算出部とを備え、
    前記発電予備力算出部は、予め取得した前記太陽光パネルの第1電流電圧特性に基づいた第1最大電力と、前記出力電圧制御部により当該太陽光パネルの出力電圧を変化させて推定した前記太陽光パネルの第2電流電圧特性に基づいた第2最大電力とを対比して、前記太陽光パネルの発電予備力を算出し、
    前記出力電圧制御部は、前記太陽光パネルの出力電圧を開放電圧以上に変化させてから、前記太陽光パネルに電流が流れる測定電圧まで減少させ、
    前記発電予備力算出部は、前記開放電圧に基づいて前記第1電流電圧特性を取得し、前記測定電圧に基づいて前記第2電流電圧特性を推定する、発電予備力測定装置。
  3. 前記発電予備力算出部は、前記出力電圧制御部により前記太陽光パネルの出力電圧を前記開放電圧以上に変化させる過程で、前記太陽光パネルの少なくとも1つの電流電圧特性を記憶し、記憶した当該太陽光パネルの少なくとも1つの電流電圧特性に基づいて前記第2電流電圧特性を推定する請求項2に記載の発電予備力測定装置。
  4. 前記太陽光発電部は、複数の前記太陽光パネルを備え、前記発電予備力算出部は、算出した少なくとも1つの前記太陽光パネルの前記発電予備力に基づいて、前記太陽光発電部の発電予備力を算出する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発電予備力測定装置。
  5. 前記太陽光発電部を複数備え、前記発電予備力算出部は、算出した少なくとも1つの前記太陽光パネルの前記発電予備力に基づいて、複数の前記太陽光発電部の発電予備力を算出する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発電予備力測定装置。
  6. 予め取得した太陽光パネルの第1電流電圧特性に基づいた第1最大電力と、前記太陽光パネルの電圧を変化させることによって推定した当該太陽光パネルの第2電流電圧特性に基づいた第2最大電力とを対比して、前記太陽光パネルの発電予備力を算出する発電予備力算出工程を含み、
    前記発電予備力算出工程において、前記太陽光パネルに電流が流れ始める電圧と、他の電流電圧特性の曲線の形状と、に基づいて、前記第2電流電圧特性を推定する、発電予備力測定方法。
  7. 予め取得した太陽光パネルの第1電流電圧特性に基づいた第1最大電力と、前記太陽光パネルの電圧を変化させることによって推定した当該太陽光パネルの第2電流電圧特性に基づいた第2最大電力とを対比して、前記太陽光パネルの発電予備力を算出する発電予備力算出工程を含み、
    前記発電予備力算出工程において、前記太陽光パネルの電圧値を開放電圧以上に変化させてから、前記太陽光パネルに電流が流れる測定電圧まで減少させ、
    前記開放電圧に基づいて前記第1電流電圧特性を取得し、前記測定電圧に基づいて前記第2電流電圧特性を推定する、発電予備力測定方法。
  8. 前記太陽光パネルの電圧値を前記開放電圧以上に変化させる過程で、前記太陽光パネルの少なくとも1つの電流電圧特性を記憶し、記憶した当該太陽光パネルの少なくとも1つの電流電圧特性に基づいて前記第2電流電圧特性を推定する請求項7に記載の発電予備力測定方法。
  9. 前記太陽光パネルを複数有する太陽光発電部を備え、算出した少なくとも1つの前記太陽光パネルの前記発電予備力に基づいて、前記太陽光発電部の発電予備力を算出する、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の発電予備力測定方法。
  10. 少なくとも1つの前記太陽光パネルを有する太陽光発電部を複数備え、算出した少なくとも1つの前記太陽光パネルの前記発電予備力に基づいて、複数の前記太陽光発電部の発電予備力を算出する、請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の発電予備力測定方法。
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