JP7119046B2 - 燃料電池搭載システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池を搭載した燃料電池搭載システムに関する。
従来から、燃料電池搭載システムの1つとして、燃料電池を備えた車両(以下「燃料電池車両」という)が知られている。燃料電池車両では、燃料となるHガス(以下「水素」という)と、酸化剤となる空気中のOガス(以下「酸素」という)とが燃料電池に供給され、両者が反応して水(水蒸気)が生成する際に発生する電力を外部に取り出して、駆動用電動機を駆動する電力として利用する。燃料電池車両は、走行時に水蒸気のみを排出し、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)等の大気汚染物質や地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO)を排出しないため、環境に優しい車両として乗用車のみならずトラック等の商用車両においても、その普及が期待されている。
他方、燃料電池の燃料である水素は最も軽い気体で非常に燃焼・爆発しやすいため、燃料電池車両では、水素の漏れ防止対策に加えて、万一水素が漏れ出した際の早期検知及び漏れ出した水素の滞留防止と速やかな排出が不可欠な対応として求められる。
特開平8-177641号公報 特開2003-211982号公報
例えば、特許文献1には、タンクに圧縮充填された天然ガスを燃料としてエンジンに供給するトラックやバス等の商用車両が記載されている。天然ガスは、水素と同様に非常に燃焼・爆発しやすい。しかしながら、特許文献1には、天然ガスの逆流漏れを防止する逆止弁についての記載はあるものの、万一天然ガスが漏れ出した場合に対する具体的な安全策についての記載はない。
また、例えば、特許文献2には、低圧水素配管に脆弱部を設けることによって、後面衝突時に車両が変形しても高圧水素配管の変形を防止する燃料電池車両が記載されているが、側面衝突時や、乗用車に比べて水素配管が長くなるトラック等の商用車両における水素の漏れ防止対策については記載されていない。
本発明は、水素漏れに対する安全性が向上した燃料電池搭載システムを提供する。
本発明は、
上下方向に対して垂直な第1方向に延在し、上下方向及び前記第1方向の双方に対して垂直な第2方向で対向する一対のサイドメンバを備えたフレーム構造を有し、
燃料電池と、
水素が圧縮充填された第1水素タンクと、
水素が圧縮充填された第2水素タンクと、
前記燃料電池と前記第1水素タンクとを接続する第1水素配管と、
前記燃料電池と前記第2水素タンクとを接続する第2水素配管と、を備える、燃料電池搭載システムであって、
前記第1水素タンクは、前記第1方向において、前記燃料電池と前記第2水素タンクとの間に配置され、
前記第1水素タンク及び前記第2水素タンクは、前記一対のサイドメンバよりも前記第2方向の外側に配置され、
前記第2水素配管は、前記第1方向で前記第1水素タンクと重なる領域において、前記第1方向から見て、前記第1水素タンクの上下方向中央よりも上方、且つ、前記第1水素タンクの上端部より下方であって、前記一対のサイドメンバよりも前記第2方向の外側、且つ、前記第1水素タンクの前記第2方向の中央よりも前記第2方向の内側に配置される。
本発明によれば、第2水素配管は、第1方向で第1水素タンクと重なる領域において、第1方向から見て、第1水素タンクの上下方向中央よりも上方、且つ、第1水素タンクの上端部より下方であって、一対のサイドメンバよりも第2方向の外側、且つ、第1水素タンクの第2方向の中央よりも第2方向の内側に配置されるので、燃料電池搭載システムが第2方向の外側から衝撃を受けた場合でも、第2水素配管は、第1水素タンクによって保護される。これにより、燃料電池搭載システムが第2方向の外側から衝撃を受けた場合に、第2水素配管が損傷して水素が漏れ出るリスクを低減しつつ、サイドメンバよりも第2方向の外側に配置された第2水素タンクと接続する第2水素配管をサイドメンバよりも第2方向の外側に配置できるので、第2水素配管の長さを短くでき、第2水素配管が損傷して水素が漏れ出るリスクをさらに低減できる。このようにして、燃料電池搭載システムは、水素漏れに対する安全性が向上する。
本発明の一実施形態の燃料電池車両を示す概略上面図である。 図1の燃料電池車両の概略側面図である。 図1のA-A断面における要部を示した図である。 図1の燃料電池車両におけるタンク固定部材の変形例を示した図である。
以下、本発明の燃料電池搭載システムの一例としての燃料電池車両の一実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面は、符号の向きに見るものとする。また、以下の説明において、前後、左右、上下の各方向は、車両の運転者から見た方向に従って記載し、図面には、車両の前方をFr、後方をRr、右方をR、左方をL、上方をU、下方をD、として示す。
[燃料電池車両]
図1及び図2に示すように、燃料電池車両1は、前後方向に延在する左右一対のサイドメンバ2と、左右のサイドメンバ2間で車幅方向に延びて左右のサイドメンバ2を連結する複数のクロスメンバ3と、によって梯子状に形成されたフレーム構造の車体を有する。左右一対のサイドメンバ2の前端部の上方には、乗員が着席する座席6が内部に設けられた客室4が設けられている。客室4は、燃料電池車両1の前部に配置されている。客室4の後方である左右のサイドメンバ2の上方には、荷台部5が設けられている。客室4の下方には、左右一対の前輪FWが設けられている。前輪FWの後方には、左右一対の後前輪RW1及び後後輪RW2が設けられている。後前輪RW1は、左右それぞれに2つずつの車輪を有し、後後輪RW2は、後前輪RW1の後方で、左右それぞれに2つずつの車輪を有する。後前輪RW1及び後後輪RW2は、左右一対のサイドメンバ2の車幅方向外側に設けられている。
客室4の下方には、2つの燃料電池FCが搭載されている。2つの燃料電池FCは、車幅方向に並んで配置されている。左右一対のサイドメンバ2の車幅方向外側には、荷台部5よりも下方に、燃料電池FCに供給される水素が圧縮充填された2つの第1水素タンクTNK1及び2つの第2水素タンクTNK2が設けられている。
客室4の下方には、2つの燃料電池FCが収容される収容空間7が形成されている。客室4の内部と収容空間7とは、水素の流通がないように区画形成されており、収容空間7は、上方が客室4の底部によって形成された天井面に覆われ、後方が開口している。
燃料電池FCは、例えば、イオン交換膜(プロトン交換膜)を燃料極(アノード)及び酸素極(カソード)からなる一対の電極で挟んだ固体高分子形燃料電池の単セルを有し、セパレータ(バイポーラプレート)を介して単セルを数百セル重ねて直列接続した構造の燃料電池スタックが用いられる。各電極とイオン交換膜との界面付近には白金(Pt)等からなる触媒が層状に設けられ、燃料極に供給された水素は触媒の作用により電子と水素イオン(プロトン)に分解される。電子は燃料極に接続された外部回路に取り出され、水素イオンはイオン交換膜を通過して酸素極に到達する。酸素極では、触媒の作用により水素イオンと空気中の酸素と外部回路を経て到達した電子とが結合して水が生成され、この一連の過程で外部回路に取り出された電子の流れが発電電力として利用される。
2つの第1水素タンクTNK1は、左右一対のサイドメンバ2の車幅方向外側に1つずつ設けられている。本実施形態では、左右の第1水素タンクTNK1は、いずれも後前輪RW1及び後後輪RW2よりも前方に配置されている。
左右の第1水素タンクTNK1は、左右それぞれのサイドメンバ2に固定されているタンク固定部材10に支持されている。本実施形態では、タンク固定部材10は、第1水素タンクTNK1を収容し、前後方向において第1水素タンクTNK1よりも前方から第1水素タンクTNK1のよりも後方まで延びている。
第1水素タンクTNK1は、前後方向に円筒状に延びるタンク胴部と、タンク胴部の前端を塞ぐ半球状のタンク前端部と、タンク胴部の後端を塞ぐ半球状のタンク後端部と、を一体的に有している。第1水素タンクTNK1のタンク前端部の中央付近には、水素の充填及び放出を行うための充填放出孔8が設けられている。
2つの第2水素タンクTNK2は、左右一対のサイドメンバ2の車幅方向外側に1つずつ設けられている。左右の第2水素タンクTNK2は、いずれも第1水素タンクTNK1の後方に配置されている。本実施形態では、左右の第2水素タンクTNK2は、いずれも第1水素タンクTNK1の後方であって、さらに後前輪RW1及び後後輪RW2よりも後方に配置されている。
第2水素タンクTNK2は、前後方向に円筒状に延びるタンク胴部と、タンク胴部の前端を塞ぐ半球状のタンク前端部と、タンク胴部の後端を塞ぐ半球状のタンク後端部と、を一体的に有しており、タンク前端部の中央付近には、水素の充填及び放出を行うための充填放出孔9が設けられている。
第2水素タンクTNK2は、第1水素タンクTNK1よりも小径であり、前方投影面積が第1水素タンクTNK1よりも小さい。そして、第2水素タンクTNK2は、前面視で、第1水素タンクTNK1に隠れる位置に配置されている。
これにより、燃料電池車両1の走行時において、第2水素タンクTNK2によって生じる空気抵抗を低減することができる。
なお、第1水素タンクTNK1及び第2水素タンクTNK2への水素の充填は、例えば、水素ステーションに設置された水素ディスペンサのホース先端に取り付けられた充填ノズルを、第1水素タンクTNK1及び第2水素タンクTNK2の充填放出孔8、9に配管(不図示)を介して接続された水素充填インレット(不図示)に勘合させた後、水素ディスペンサから圧縮された水素を第1水素タンクTNK1及び第2水素タンクTNK2に供給することによって行うことができる。
燃料電池車両1は、燃料電池FCと、左右それぞれの第1水素タンクTNK1の充填放出孔8とを接続する左右一対の第1水素配管L1を備える。燃料電池車両1は、燃料電池FCと、左右それぞれの第2水素タンクTNK2の充填放出孔9とを接続する左右一対の第2水素配管L2を備える。
左右一対の第1水素配管L1は、いずれもサイドメンバ2の車幅方向外側において、左右それぞれの第1水素タンクTNK1それぞれの充填放出孔8と接続し、サイドメンバ2よりも車幅方向外側でサイドメンバ2に沿って前後方向に延びている。
左右一対の第2水素配管L2は、いずれもサイドメンバ2の車幅方向外側において、左右それぞれの第2水素タンクTNK2それぞれの充填放出孔9と接続し、サイドメンバ2よりも車幅方向外側、且つ、第1水素配管L1よりも車幅方向内側でサイドメンバ2に沿って前後方向に延びている。
各第1水素配管L1及び各第2水素配管L2には、前後方向において、客室4と荷台部5との間に、熱作動式過圧防止安全装置TPRD(Temperature activated Pressure Relief Device)が設けられている。
第1水素タンクTNK1及び第2水素タンクTNK2には、例えば70MPa(約700気圧)程度の高圧で水素が充填されている。そのため、外部環境の影響等によって第1水素タンクTNK1及び第2水素タンクTNK2の内部温度が上昇した場合、充填されている水素が膨張して第1水素タンクTNK1及び第2水素タンクTNK2が損傷する虞がある。熱作動式過圧防止安全装置TPRDは、第1水素タンクTNK1及び第2水素タンクTNK2の内部温度が所定温度に達すると、第1水素タンクTNK1及び第2水素タンクTNK2に充填された水素の一部を大気中に安全に放出するように作動して、第1水素タンクTNK1及び第2水素タンクTNK2が損傷するのを回避するための装置である。
左右一対のサイドメンバ2の間には、荷台部5よりも下方に、駆動用電動機MOTと、二次電池BATと、制御ユニットPCUと、が搭載されている。駆動用電動機MOTは、左右一対の後前輪RW1及び後後輪RW2の少なくとも一方を駆動する。二次電池BATは、リチウムイオン電池やニッケル水素電池、キャパシタ等の再充電可能な蓄電池である。制御ユニットPCUは、直流電力を交流電力に、交流電力を直流電力に変換可能であり、燃料電池車両1の走行状態に応じて、二次電池BATの充放電及び駆動用電動機MOTの入出力電力を制御する装置である。
二次電池BAT及び制御ユニットPCUは、駆動用電動機MOTよりも前方に配置されている。本実施形態では、制御ユニットPCUは、前後方向において、二次電池BATと駆動用電動機MOTとの間に配置されているが、二次電池BATと制御ユニットPCUとの位置関係は任意である。例えば、二次電池BATと制御ユニットPCUとを別個に配置してもよく、二次電池BATと制御ユニットPCUとを一つの筐体に収めたIPU(Intelligent Power Unit)として配置してもよい。
燃料電池FC、駆動用電動機MOT、二次電池BAT、及び制御ユニットPCUは、電力線Leによって電気的に接続されている。電力線Leは、駆動用電動機MOTと制御ユニットPCUとを電気的に接続する三相交流の第1電力線Le1と、燃料電池FCと制御ユニットPCUとを電気的に接続する直流の第2電力線Le2と、二次電池BATと制御ユニットPCUとを電気的に接続する直流の第3電力線Le3と、を有する。第1電力線Le1、第2電力線Le2、及び第3電力線Le3を含む電力線Leは、車幅方向において、左右一対のサイドメンバ2の間に配置されている。
燃料電池車両1において、燃料電池FCは、駆動用電動機MOTを駆動するための電力を発電する発電機として用いられる。燃料となる水素が第1水素タンクTNK1及び/又は第2水素タンクTNK2から第1水素配管L1及び/又は第2水素配管L2を通じて燃料電池FCに供給されるとともに、空気中の酸素が酸化剤として燃料電池FCに供給されることによって、燃料電池FCで直流電力が発電される。燃料電池FCで発電された直流電力は、必要に応じて昇圧コンバータ(不図示)によって昇圧された後、第2電力線Le2を通じて制御ユニットPCUへと流れ、燃料電池車両1の走行状態に応じて、制御ユニットPCUから三相交流電力に変換されて第1電力線Le1を通じて駆動用電動機MOTに供給される電力と、制御ユニットPCUから第3電力線Le3を通じて二次電池BATに充電される電力と、に分配される。燃料電池車両1の走行状態に応じて、燃料電池FCで発電された直流電力の全てが、第1電力線Le1を通じて駆動用電動機MOTに供給される場合や、制御ユニットPCUから第3電力線Le3を通じて二次電池BATに充電される場合もある。
燃料電池車両1において、二次電池BATは、駆動用電動機MOTを駆動するための電力を蓄電する蓄電池として用いられる。例えば、燃料電池車両1が発進・加速時等の通常走行時よりも大きな電力を必要とする場合には、二次電池BATから第3電力線Le3を通じて制御ユニットPCUに放電し、制御ユニットPCUにおいて、燃料電池FCで発電された直流電力と二次電池BATから放電された電力とを重畳して三相交流電力に変換し、第1電力線Le1を通じて駆動用電動機MOTに供給することができる。また、例えば、燃料電池FCの起動時や故障時、燃料の水素が枯渇した時等、燃料電池FCで発電を行わない場合、又は燃料電池FCで発電を行うことができない場合には、燃料電池車両1の走行に必要な電力を二次電池BATから第3電力線Le3を通じて制御ユニットPCUに放電し、制御ユニットPCUにおいて三相交流電力に変換して第1電力線Le1を通じて駆動用電動機MOTに供給することができる。
二次電池BATは、少なくとも一部が第1水素タンクTNK1と前後方向で重なるように配置されている。したがって、二次電池BATは、燃料電池車両1が側面衝突した場合でも、左右の第1水素タンクTNK1と、左右一対のサイドメンバ2と、によって保護される。これにより、燃料電池車両1が側面衝突した場合に、二次電池BATが損傷して高電圧の電力が漏電するリスクを低減できる。
二次電池BATの充電方法については、上述した燃料電池FCで発電された直流電力を充電する方法に加えて、燃料電池車両1に、外部電源からの電力を受電可能な充電インレット(不図示)、及び、充電インレットと二次電池BAT又は制御ユニットPCUとを電気的に接続する電力線(不図示)を設け、充電インレットを介して外部電源からの電力を充電する方法が可能であってもよい。
また、駆動用電動機MOTは、燃料電池車両1の制動時において、三相交流の回生電力を発電する発電機として機能することができる。駆動用電動機MOTで発電された三相交流の回生電力は、第1電力線Le1を通じて制御ユニットPCUへと流れ、制御ユニットPCUにおいて直流電力に変換されて、第3電力線Le3を通じて二次電池BATに充電される。
[燃料電池車両における水素漏れ防止対策]
次に、燃料電池車両1における水素漏れ防止対策について、図2及び図3を参照しながら説明する。
燃料電池車両1で水素漏れが発生した場合、二次電池BAT、駆動用電動機MOT、制御ユニットPCU、及び電力線Leは、漏れ出した水素と接触すると発火点になり得る。そのため、二次電池BAT、駆動用電動機MOT、制御ユニットPCU、及び電力線Leは、燃料電池車両1で水素漏れが発生した場合に、漏れ出した水素と接触しないように配置することが好ましい。
図2に示すように、第1水素配管L1及び第2水素配管L2は、側面視で、電力線Leよりも上方に配置されている。したがって、第1水素配管L1及び/又は第2水素配管L2で水素漏れが発生した場合、第1水素配管L1及び/又は第2水素配管L2から漏れ出た水素は上方に拡散するので、第1水素配管L1及び/又は第2水素配管L2から漏れ出た水素が電力線Leと接触することを防止できる。これにより、第1水素配管L1及び/又は第2水素配管L2で水素漏れが発生した場合でも、第1水素配管L1及び/又は第2水素配管L2から漏れ出た水素が電力線Leに接触して発火することを防止できる。
また、上述したように、各第1水素配管L1及び各第2水素配管L2に設けられた熱作動式過圧防止安全装置TPRDは、前後方向において、客室4と荷台部5との間に配置されている。
したがって、熱作動式過圧防止安全装置TPRDが作動して第1水素タンクTNK1及び/又は第2水素タンクTNK2から水素が放出された場合でも、放出された水素は、図2中の矢印Aで示すように、客室4と荷台部5との間を通って、燃料電池車両1上方の大気中に排出される。これにより、熱作動式過圧防止安全装置TPRDが作動して第1水素タンクTNK1及び/又は第2水素タンクTNK2から放出された水素が、収容空間7や荷台部5の下方に滞留することを防止できる。
図3に示すように、第1水素タンクTNK1を支持して左右一対のサイドメンバ2それぞれに固定されるタンク固定部材10は、サイドメンバ2よりも車幅方向外側に配置され、第1水素タンクTNK1を支持するタンク支持部材20と、タンク支持部材20をサイドメンバ2に固定するブラケット30と、を備える。
左側の第1水素タンクTNK1を支持するタンク固定部材10と、右側の第1水素タンクTNK1を支持するタンク固定部材10とは、左右対称の構成を有している。本明細書では、左側の第1水素タンクTNK1を支持するタンク固定部材10の構成について詳細に説明し、右側の第1水素タンクTNK1を支持するタンク固定部材10の構成についての詳細な説明は省略する。
本実施形態では、タンク支持部材20は、第1水素タンクTNK1を支持して収容する収容ケースである。
タンク支持部材20は、前面視で、第1水素タンクTNK1の上方を車幅方向に延びる上面21と、第1水素タンクTNK1の下方を車幅方向に延びる下面22と、第1水素タンクTNK1の車幅方向外側を上下方向に延びる外側側面23と、第1水素タンクTNK1の車幅方向内側を上下方向に延びる内側側面24と、を有する。
タンク支持部材20は、前面視で、第1水素タンクTNK1の上下方向中央よりも上方、且つ、第1水素タンクTNK1の車幅方向中央よりも車幅方向内側において、上面21の車幅方向内側端部から車幅方向内側に向かうにしたがって下方に傾斜して、内側側面24の上端へと延びる傾斜面25をさらに有する。
ブラケット30は、前面視で、上下方向に延びる側面部31と、側面部31の下端から車幅方向外側に延びる底面部32と、を備え、略L字形状を有する。
ブラケット30は、側面部31がサイドメンバ2の車幅方向外側側面2aと当接して、サイドメンバ2に固定されている。側面部31の下端は、サイドメンバ2と当接しておらず、側面部31は、サイドメンバ2よりも下方に延びている。
ブラケット30の底面部32には、タンク支持部材20の下面22が当接し、タンク支持部材20が載置固定されている。
このようにして、第1水素タンクTNK1を支持するタンク支持部材20は、ブラケット30によってサイドメンバ2に固定されている。
前面視で、第1水素タンクTNK1の上下方向中央よりも上方、且つ、第1水素タンクTNK1の車幅方向中央よりも車幅方向内側において、タンク支持部材20とサイドメンバ2との間には、タンク支持部材20の傾斜面25とサイドメンバ2とによって囲まれた車幅方向に延びる空間部11が形成される。
第2水素配管L2は、前後方向でタンク固定部材10と重なる領域において、タンク支持部材20の傾斜面25とサイドメンバ2とによって囲まれた空間部11に配置されている。
したがって、第2水素配管L2は、前後方向で第1水素タンクTNK1と重なる領域において、前面視で、第1水素タンクTNK1の上下方向中央よりも上方、且つ、第1水素タンクTNK1の上端部より下方であって、サイドメンバ2よりも車幅方向外側、且つ、第1水素タンクTNK1の車幅方向中央よりも車幅方向内側に配置されている。
したがって、燃料電池車両1が側面衝突した場合でも、第2水素配管L2は、第1水素タンクTNK1によって保護される。これにより、燃料電池車両1が側面衝突した場合に、第2水素配管L2が損傷して水素が漏れ出るリスクを低減しつつ、サイドメンバ2よりも車幅方向外側に配置された第2水素タンクと接続する第2水素配管L2をサイドメンバ2よりも車幅方向外側に配置できるので、第2水素配管L2の長さを短くでき、第2水素配管L2が損傷して水素が漏れ出るリスクをさらに低減できる。このようにして、燃料電池車両1は、水素漏れに対する安全性が向上する。
また、第2水素配管L2は、第1水素タンクTNK1の上下方向中央よりも上方、且つ、第1水素タンクTNK1の車幅方向中央よりも車幅方向内側において、タンク支持部材20とサイドメンバ2との間に形成された空間部11に配置されているので、第2水素配管L2は、燃料電池車両1が側面衝突した場合に、第1水素タンクTNK1に加えてタンク支持部材によっても保護される。これにより、燃料電池車両1が側面衝突した場合に、第2水素配管L2が損傷するリスクをより低減できる。
さらに、空間部11は、サイドメンバ2と、タンク支持部材20の車幅方向内側に向かうにしたがって下方に傾斜する傾斜面25と、によって囲まれた空間であるので、燃料電池車両1が側面衝突して、第1水素タンクTNK1及びタンク支持部材20が車幅方向内側に変位した場合、第2水素配管L2は、図3中の矢印Dに示すように、車幅方向内側に変位するタンク支持部材20に対して傾斜面25をスライドするように相対移動する。したがって、燃料電池車両1が側面衝突して、第1水素タンクTNK1及びタンク支持部材20が車幅方向内側に変位した場合でも、第2水素配管L2は、第1水素タンクTNK1及びタンク支持部材20から干渉を受けず、変位及び変形することが抑制される。これにより、燃料電池車両1が側面衝突した場合に、第2水素配管L2が損傷するリスクをより低減できる。
ブラケット30は、燃料電池車両1が側面衝突し、図3中の矢印Bで示される車幅方向外側からの衝撃荷重をタンク固定部材10が受けた場合に、塑性変形する座屈部33を有する。座屈部33は、ブラケット30の側面部31におけるサイドメンバ2の車幅方向外側側面2aとの当接部分の下端部に形成される。燃料電池車両1が側面衝突し、図3中の矢印Bで示される車幅方向外側からの衝撃荷重をタンク固定部材10が受けた場合、ブラケット30は、ブラケット30の座屈部33より下方部分が、図3中の矢印Cで示されるように、座屈部33を支点として車幅方向内側に向かって下方に凸の円弧状に変位するように変形する。
したがって、燃料電池車両1が側面衝突し、車幅方向外側からの衝撃荷重をタンク固定部材10が受けた場合に、ブラケット30の座屈部33が衝撃荷重を吸収する衝撃吸収部として機能するので、タンク支持部材20が変形することを抑制できる。これにより、燃料電池車両1が側面衝突し、車幅方向外側からの衝撃荷重をタンク固定部材10が受けた場合に、タンク支持部材20に支持された第1水素タンクTNK1が損傷するリスクを低減できる。
さらに、燃料電池車両1が側面衝突し、図3中の矢印Bで示される車幅方向外側からの衝撃荷重をタンク固定部材10が受けた場合に、座屈部33が塑性変形することによって衝撃荷重を吸収するので、ブラケット30に別部材の衝撃吸収部を設ける必要がなく、ブラケット30を大型化及び複雑化することなく、車幅方向外側からの衝撃荷重を吸収できる。
燃料電池車両1が側面衝突し、図3中の矢印Bで示される車幅方向外側からの衝撃荷重をタンク固定部材10が受けた場合、座屈部33が塑性変形して、ブラケット30の座屈部33より下方部分が、前面視で、図3中の矢印Cで示されるように、座屈部33を支点として車幅方向内側に向かって下方に凸の円弧状に変位する。ブラケット30の座屈部33より下方部分が、前面視で、図3中の矢印Cで示されるように、座屈部33を支点として車幅方向内側に向かって下方に凸の円弧状に変位するのに伴って、タンク支持部材20、及びタンク支持部材20に支持された第1水素タンクTNK1も、座屈部33を支点として車幅方向内側に向かって下方に凸の円弧状に変位する。第1水素タンクTNK1が座屈部33を支点として車幅方向内側に向かって下方に凸の円弧状に変位すると、第1水素タンクTNK1のタンク前端部に設けられた充填放出孔8は、座屈部33を支点として車幅方向内側に向かって下方に凸の円弧状に変位して、図3中に示した変位軌跡Eを描く。
第1水素配管L1は、前面視で、変位軌跡Eと、変位軌跡Eの一端と座屈部33とを結ぶ第1仮想直線VL1と、変位軌跡Eの他端と座屈部33とを結ぶ第2仮想直線VL2と、によって囲まれた領域Zに配置される。
第1水素配管L1を前面視で領域Zに配置することによって、図3中の矢印Bで示される車幅方向外側からの衝撃荷重をタンク固定部材10が受け、ブラケット30の座屈部33が塑性変形して第1水素タンクTNK1が変位した場合でも、第1水素タンクTNK1の充填放出孔8と接続する第1水素配管L1の変位量及び変形量を小さくすることができる。これにより、燃料電池車両1が側面衝突し、車幅方向外側からの衝撃荷重をタンク固定部材10が受けた場合に、第1水素配管L1が損傷するリスクを低減できる。
(変形例)
上述した実施形態では、ブラケット30は、前面視で、上下方向に延びる側面部31と、側面部31の下端から車幅方向外側に延びる底面部32と、を備え、略L字形状を有するものとしたが、ブラケット30は、側面部31と底面部32とを備える略L字形状でなくてもよい。
図4に示すように、変形例では、ブラケット30は、サイドメンバ2の上面2bと当接して、サイドメンバ2に固定され、車幅方向に延びる形状を有している。ブラケット30の車幅方向外側端部は、サイドメンバ2と当接しておらず、ブラケット30は、サイドメンバ2よりも車幅方向外側に延びている。ブラケット30には、タンク支持部材20の上面21が当接して、タンク支持部材20が固定されている。
本変形例では、座屈部33は、ブラケット30におけるサイドメンバ2の上面2bとの当接部分の車幅方向外側端部に形成される。燃料電池車両1が側面衝突し、図3中の矢印Bで示される車幅方向外側からの衝撃荷重をタンク固定部材10が受けた場合、ブラケット30は、ブラケット30の座屈部33より車幅方向外側部分が、図3中の矢印Cで示されるように、座屈部33を支点として車幅方向内側に向かって下方に凸の円弧状に変位するように変形する。
以上、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
例えば、本実施形態では、本発明の燃料電池搭載システムの一例として、燃料電池車両について説明したが、本発明の燃料電池搭載システムは、燃料電池車両に限らず、例えば、定置型の燃料電池搭載システムであってもよい。
また、例えば、燃料電池車両1に搭載される燃料電池FCの個数は2つに限られない。燃料電池車両1に搭載される燃料電池FCの個数は、1つでもよいし、必要とする発電電力に応じて、3つ以上であってもよい。
また、例えば、燃料電池車両1に搭載される水素タンクの個数とその配置場所も上記実施形態に限られない。燃料電池車両1は、必要する水素量や他の部材との重量バランス等に応じて、第1水素タンクTNK1及び第2水素タンクTNK2に加えて、さらに別個の水素タンクが搭載されていてもよい。
また、例えば、第2水素タンクTNK2は、後前輪RW1及び後後輪RW2よりも後方に配置されていなくてもよい。第2水素タンクTNK2は、後前輪RW1及び後後輪RW2よりも前方に配置されていてもよいし、前後方向において後前輪RW1と後後輪RW2との間に配置されていてもよい。
また、例えば、タンク支持部材20は、第1水素タンクTNK1を支持して収容する収容ケースに限られない。タンク支持部材20は、例えば、第1水素タンクTNK1の左上部、左下部、右上部、右下部を前後方向に延びる4本のフレーム部材を備えるフレーム枠体等であってもよい。
また、例えば、本実施形態では、車幅方向外側からの衝撃荷重をタンク固定部材10が受けた場合に、ブラケット30の座屈部33が衝撃荷重を吸収する衝撃吸収部として機能するものとしたが、車幅方向外側からの衝撃荷重をタンク固定部材10が受けた場合に衝撃荷重を吸収する衝撃吸収部を、ブラケット30の座屈部33とは別個の部材としてもよい。
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
(1) 上下方向に対して垂直な第1方向(前後方向)に延在し、上下方向及び前記第1方向の双方に対して垂直な第2方向(左右方向)で対向する一対のサイドメンバ(サイドメンバ2)を備えたフレーム構造を有し、
燃料電池(燃料電池FC)と、
水素が圧縮充填された第1水素タンク(第1水素タンクTNK1)と、
水素が圧縮充填された第2水素タンク(第2水素タンクTNK2)と、
前記燃料電池と前記第1水素タンクとを接続する第1水素配管(第1水素配管L1)と、
前記燃料電池と前記第2水素タンクとを接続する第2水素配管(第2水素配管L2)と、を備える、燃料電池搭載システム(燃料電池車両1)であって、
前記第1水素タンク及び前記第2水素タンクは、前記一対のサイドメンバよりも前記第2方向の外側に配置され、
前記第2水素配管は、前記第1方向で前記第1水素タンクと重なる領域において、前記第1方向から見て、前記第1水素タンクの上下方向中央よりも上方、且つ、前記第1水素タンクの上端部より下方であって、前記一対のサイドメンバよりも前記第2方向の外側、且つ、前記第1水素タンクの前記第2方向の中央よりも前記第2方向の内側に配置される、燃料電池搭載システム。
(1)によれば、第2水素配管は、第1方向で第1水素タンクと重なる領域において、第1方向から見て、第1水素タンクの上下方向中央よりも上方、且つ、第1水素タンクの上端部より下方であって、一対のサイドメンバよりも第2方向の外側、且つ、第1水素タンクの第2方向の中央よりも第2方向の内側に配置されるので、燃料電池搭載システムが第2方向の外側から衝撃を受けた場合でも、第2水素配管は、第1水素タンクによって保護される。これにより、燃料電池搭載システムが第2方向の外側から衝撃を受けた場合に、第2水素配管が損傷して水素が漏れ出るリスクを低減しつつ、サイドメンバよりも第2方向の外側に配置された第2水素タンクと接続する第2水素配管をサイドメンバよりも第2方向の外側に配置できるので、第2水素配管の長さを短くでき、第2水素配管が損傷して水素が漏れ出るリスクをさらに低減できる。このようにして、燃料電池搭載システムは、水素漏れに対する安全性が向上する。
(2) (1)に記載の燃料電池搭載システムであって、
前記第1水素タンクを支持して前記一対のサイドメンバの少なくとも一方に固定されるタンク固定部材(タンク固定部材10)をさらに備え、
前記タンク固定部材は、前記サイドメンバよりも前記第2方向の外側に配置され、前記第1水素タンクを支持するタンク支持部材(タンク支持部材20)と、前記タンク支持部材を前記サイドメンバに固定するブラケット(ブラケット30)と、を備え、
前記第1方向から見て、前記第1水素タンクの上下方向中央よりも上方、且つ、前記第1水素タンクの前記第2方向の中央よりも前記第2方向の内側において、前記タンク支持部材と前記サイドメンバとの間には前記第2方向に延びる空間部(空間部11)が形成されており、
前記第2水素配管は、前記第1方向で前記タンク固定部材と重なる領域において、前記空間部に配置される、燃料電池搭載システム。
(2)によれば、第2水素配管は、第1水素タンクの上下方向中央よりも上方、且つ、第1水素タンクの第2方向の中央よりも第2方向の内側において、タンク支持部材とサイドメンバとの間に形成された空間部に配置されているので、第2水素配管は、燃料電池搭載システムが第2方向の外側から衝撃を受けた場合に、第1水素タンクに加えてタンク支持部材によっても保護される。これにより、燃料電池搭載システムが第2方向の外側から衝撃を受けた場合に、第2水素配管が損傷するリスクをより低減できる。
(3) (2)に記載の燃料電池搭載システムであって、
前記タンク支持部材は、前記第1方向から見て、前記第1水素タンクの上下方向中央よりも上方、且つ、前記第1水素タンクの前記第2方向の中央よりも前記第2方向の内側において、前記第2方向の内側に向かうにしたがって下方に傾斜する傾斜面(傾斜面25)を有し、
前記空間部は、前記サイドメンバと前記傾斜面とによって囲まれた空間である、燃料電池搭載システム。
(3)によれば、空間部は、サイドメンバと、タンク支持部材の第2方向の内側に向かうにしたがって下方に傾斜する傾斜面と、によって囲まれた空間であるので、燃料電池搭載システムが第2方向の外側から衝撃を受け、第1水素タンク及びタンク支持部材が第2方向の内側に変位した場合、第2水素配管は、第2方向の内側に変位するタンク支持部材に対して傾斜面をスライドするように相対移動する。したがって、燃料電池搭載システムが第2方向の外側から衝撃を受け、第1水素タンク及びタンク支持部材が第2方向の内側に変位した場合でも、第2水素配管は、第1水素タンク及びタンク支持部材から干渉を受けず、変位及び変形することが抑制される。これにより、燃料電池搭載システムが第2方向の外側から衝撃を受けた場合に、第2水素配管が損傷するリスクをより低減できる。
(4) (2)又は(3)に記載の燃料電池搭載システムであって、
前記ブラケットは、車幅方向外側からの衝撃荷重を吸収する衝撃吸収部(座屈部33)を有する、燃料電池搭載システム。
(4)によれば、燃料電池搭載システムが第2方向の外側から衝撃を受け、第2方向の外側からの衝撃荷重をタンク固定部材が受けた場合に、ブラケットの衝撃吸収部が衝撃荷重を吸収するとして機能するので、タンク支持部材が変形することを抑制できる。これにより、燃料電池搭載システムが第2方向の外側から衝撃を受け、第2方向の外側からの衝撃荷重をタンク固定部材が受けた場合に、タンク支持部材に支持された第1水素タンクが損傷するリスクを低減できる。
(5) (4)に記載の燃料電池搭載システムであって、
前記衝撃吸収部は、前記第2方向の外側からの衝撃を受けた場合に変形して衝撃荷重を吸収する座屈部である、燃料電池搭載システム。
(5)によれば、衝撃吸収部は、第2方向の外側からの衝撃を受けた場合に変形して衝撃荷重を吸収する座屈部であるので、ブラケットに別部材の衝撃吸収部を設ける必要がなく、ブラケットを大型化及び複雑化することなく、第2方向の外側からの衝撃荷重を吸収できる。
(6) (5)に記載の燃料電池搭載システムであって、
前記第1水素タンクは、前記第1方向の一端部及び他端部の少なくとも一方に、水素の充填及び放出を行うための充填放出孔(充填放出孔8)が設けられており、
前記第1水素配管は、前記第1方向から見て、前記衝撃吸収部が前記第2方向の外側からの衝撃荷重を受けて変形した場合に、前記充填放出孔が変位する変位軌跡(変位軌跡E)と、前記変位軌跡の一端と前記衝撃吸収部とを結ぶ第1仮想直線(第1仮想直線VL1)と、前記変位軌跡の他端と前記衝撃吸収部とを結ぶ第2仮想直線(第2仮想直線VL2)と、によって囲まれた領域(領域Z)に配置される、燃料電池搭載システム。
(6)によれば、第1水素配管は、第1方向から見て、衝撃吸収部が第2方向の外側からの衝撃荷重を受けて変形した場合に、充填放出孔が変位する変位軌跡と、変位軌跡の一端と衝撃吸収部とを結ぶ第1仮想直線と、変位軌跡の他端と衝撃吸収部とを結ぶ第2仮想直線と、によって囲まれた領域に配置されるので、第2方向の外側からの衝撃荷重をタンク固定部材が受け、衝撃吸収部が変形して第1水素タンクが変位した場合でも、第1水素タンクの充填放出孔と接続する第1水素配管の変位量及び変形量を小さくすることができる。これにより、燃料電池搭載システムが第2方向の外側から衝撃を受け、第2方向の外側からの衝撃荷重をタンク固定部材が受けた場合に、第1水素配管が損傷するリスクを低減できる。
(7) (1)~(6)のいずれかに記載の燃料電池搭載システムであって、
前記第2水素タンクは、
前記第1方向における投影面積が前記第1水素タンクよりも小さく、
前記第1方向の一方側から見て、前記第1水素タンクに隠れる位置に配置される、燃料電池搭載システム。
(7)によれば、第2水素タンクは、第1方向における投影面積が第1水素タンクよりも小さく、前記第1方向の一方側から見て、第1水素タンクに隠れる位置に配置されるので、燃料電池搭載システムが移動可能であった場合に、燃料電池搭載システムの移動時において、第2水素タンクによって生じる空気抵抗を低減することができる。
(8) (1)~(7)のいずれかに記載の燃料電池搭載システムであって、
二次電池(二次電池BAT)と、
電動機(駆動用電動機MOT)と、
前記燃料電池、前記二次電池、及び前記電動機を電気的に接続する電力線(電力線Le)と、をさらに備え、
前記二次電池、前記電動機、及び前記電力線は、前記第2方向において、前記一対のサイドメンバの間に配置され、
前記第1水素配管及び前記第2水素配管は、前記第2方向から見て、前記電力線よりも上方に設けられている、燃料電池搭載システム。
(8)によれば、第1水素配管及び第2水素配管は、第2方向から見て、電力線よりも上方に設けられているので、第1水素配管及び/又は第2水素配管で水素漏れが発生した場合、第1水素配管及び/又は第2水素配管から漏れ出た水素は上方に拡散するため、第1水素配管及び/又は第2水素配管から漏れ出た水素が電力線と接触することを防止できる。これにより、第1水素配管及び/又は第2水素配管で水素漏れが発生した場合でも、第1水素配管及び/又は第2水素配管から漏れ出た水素が電力線に接触して発火することを防止できる。
(9) (8)に記載の燃料電池搭載システムであって、
前記二次電池は、少なくとも一部が前記第1水素タンクと前記第1方向で重なるように配置されている、燃料電池搭載システム。
(9)によれば、二次電池は、少なくとも一部が第1水素タンクと第1方向で重なるように配置されているので、二次電池は、燃料電池搭載システムが第2方向の外側から衝撃を受けた場合でも、第1水素タンクとサイドメンバとによって保護される。これにより、燃料電池搭載システムが第2方向の外側から衝撃を受けた場合に、二次電池が損傷して高電圧の電力が漏電するリスクを低減できる。
1 燃料電池車両(燃料電池搭載システム)
2 サイドメンバ
8 充填放出孔
10 タンク固定部材
11 空間部
20 タンク支持部材
25 傾斜面
30 ブラケット
33 座屈部(衝撃吸収部)
FC 燃料電池
BAT 二次電池
MOT 駆動用電動機(電動機)
TNK1 第1水素タンク
TNK2 第2水素タンク
L1 第1水素配管
L2 第2水素配管
Le 電力線
E 変位軌跡
VL1 第1仮想直線
VL2 第2仮想直線
Z 領域

Claims (9)

  1. 上下方向に対して垂直な第1方向に延在し、上下方向及び前記第1方向の双方に対して垂直な第2方向で対向する一対のサイドメンバを備えたフレーム構造を有し、
    燃料電池と、
    水素が充填された第1水素タンクと、
    水素が充填された第2水素タンクと、
    前記燃料電池と前記第1水素タンクとを接続する第1水素配管と、
    前記燃料電池と前記第2水素タンクとを接続する第2水素配管と、を備える、燃料電池搭載システムであって、
    前記第1水素タンクは、前記第1方向において、前記燃料電池と前記第2水素タンクとの間に配置され、
    前記第1水素タンク及び前記第2水素タンクは、前記一対のサイドメンバよりも前記第2方向の外側に配置され、
    前記第2水素配管は、前記第1方向で前記第1水素タンクと重なる領域において、前記第1方向から見て、前記第1水素タンクの上下方向中央よりも上方、且つ、前記第1水素タンクの上端部より下方であって、前記一対のサイドメンバよりも前記第2方向の外側、且つ、前記第1水素タンクの前記第2方向の中央よりも前記第2方向の内側に配置される、燃料電池搭載システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池搭載システムであって、
    前記第1水素タンクを支持して前記一対のサイドメンバの少なくとも一方に固定されるタンク固定部材をさらに備え、
    前記タンク固定部材は、前記サイドメンバよりも前記第2方向の外側に配置され、前記第1水素タンクを支持するタンク支持部材と、前記タンク支持部材を前記サイドメンバに固定するブラケットと、を備え、
    前記第1方向から見て、前記第1水素タンクの上下方向中央よりも上方、且つ、前記第1水素タンクの前記第2方向の中央よりも前記第2方向の内側において、前記タンク支持部材と前記サイドメンバとの間には前記第2方向に延びる空間部が形成されており、
    前記第2水素配管は、前記第1方向で前記タンク固定部材と重なる領域において、前記空間部に配置される、燃料電池搭載システム。
  3. 請求項2に記載の燃料電池搭載システムであって、
    前記タンク支持部材は、前記第1方向から見て、前記第1水素タンクの上下方向中央よりも上方、且つ、前記第1水素タンクの前記第2方向の中央よりも前記第2方向の内側において、前記第2方向の内側に向かうにしたがって下方に傾斜する傾斜面を有し、
    前記空間部は、前記サイドメンバと前記傾斜面とによって囲まれた空間である、燃料電池搭載システム。
  4. 請求項2又は3に記載の燃料電池搭載システムであって、
    前記ブラケットは、前記第2方向の外側からの衝撃荷重を吸収する衝撃吸収部を有する、燃料電池搭載システム。
  5. 請求項4に記載の燃料電池搭載システムであって、
    前記衝撃吸収部は、前記第2方向の外側からの衝撃を受けた場合に変形して衝撃荷重を吸収する座屈部である、燃料電池搭載システム。
  6. 請求項5に記載の燃料電池搭載システムであって、
    前記第1水素タンクは、前記第1方向の一端部及び他端部の少なくとも一方に、水素の充填及び放出を行うための充填放出孔が設けられており、
    前記第1水素配管は、前記第1方向から見て、前記衝撃吸収部が前記第2方向の外側からの衝撃荷重を受けて変形した場合に、前記充填放出孔が変位する変位軌跡と、前記変位軌跡の一端と前記衝撃吸収部とを結ぶ第1仮想直線と、前記変位軌跡の他端と前記衝撃吸収部とを結ぶ第2仮想直線と、によって囲まれた領域に配置される、燃料電池搭載システム。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の燃料電池搭載システムであって、
    前記第2水素タンクは、
    前記第1方向における投影面積が前記第1水素タンクよりも小さく、
    前記第1方向の一方側から見て、前記第1水素タンクに隠れる位置に配置される、燃料電池搭載システム。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の燃料電池搭載システムであって、
    二次電池と、
    電動機と、
    前記燃料電池、前記二次電池、及び前記電動機を電気的に接続する電力線と、をさらに備え、
    前記二次電池、前記電動機、及び前記電力線は、前記第2方向において、前記一対のサイドメンバの間に配置され、
    前記第1水素配管及び前記第2水素配管は、前記第2方向から見て、前記電力線よりも上方に設けられている、燃料電池搭載システム。
  9. 請求項8に記載の燃料電池搭載システムであって、
    前記二次電池は、少なくとも一部が前記第1水素タンクと前記第1方向で重なるように配置されている、燃料電池搭載システム。
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