JP7118770B2 - 化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物、感光性ドライフィルム、感光性ドライフィルムの製造方法、パターン化されたレジスト膜の製造方法、鋳型付き基板の製造方法、めっき造形物の製造方法及び含窒素複素環化合物 - Google Patents

化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物、感光性ドライフィルム、感光性ドライフィルムの製造方法、パターン化されたレジスト膜の製造方法、鋳型付き基板の製造方法、めっき造形物の製造方法及び含窒素複素環化合物 Download PDF

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Description

本発明は、化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物と、当該化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を備える感光性ドライフィルム、当該感光性ドライフィルムの製造方法と、前述の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物を用いるパターン化されたレジスト膜の製造方法と、前述の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物を用いる鋳型付き基板の製造方法と、当該鋳型付き基板を用いるめっき造形物の製造方法と、前述の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物に好ましく配合し得る含窒素複素環化合物に関する。
現在、ホトファブリケーションが精密微細加工技術の主流となっている。ホトファブリケーションとは、ホトレジスト組成物を被加工物表面に塗布してホトレジスト層を形成し、ホトリソグラフィー技術によってホトレジスト層をパターニングし、パターニングされたホトレジスト層(ホトレジストパターン)をマスクとして化学エッチング、電解エッチング、又は電気めっきを主体とするエレクトロフォーミング等を行って、半導体パッケージ等の各種精密部品を製造する技術の総称である。
また、近年、電子機器のダウンサイジングに伴い、半導体パッケージの高密度実装技術が進み、パッケージの多ピン薄膜実装化、パッケージサイズの小型化、フリップチップ方式による2次元実装技術、3次元実装技術に基づいた実装密度の向上が図られている。このような高密度実装技術においては、接続端子として、例えば、パッケージ上に突出したバンプ等の突起電極(実装端子)や、ウェーハ上のペリフェラル端子から延びる再配線と実装端子とを接続するメタルポスト等が基板上に高精度に配置される。
上記のようなホトファブリケーションにはホトレジスト組成物が使用されるが、そのようなホトレジスト組成物としては、酸発生剤を含む化学増幅型ホトレジスト組成物が知られている(特許文献1、2等を参照)。化学増幅型ホトレジスト組成物は、放射線照射(露光)により酸発生剤から酸が発生し、加熱処理により酸の拡散が促進されて、組成物中のベース樹脂等に対し酸触媒反応を起こし、そのアルカリ溶解性が変化するというものである。
このような化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物は、例えばめっき工程によるバンプ、メタルポスト、及びCu再配線のようなめっき造形物の形成等に用いられている。具体的には、化学増幅型ホトレジスト組成物を用いて、金属基板のような支持体上に所望の膜厚のホトレジスト層を形成し、所定のマスクパターンを介して露光し、現像して、めっき造形物を形成する部分が選択的に除去(剥離)された鋳型として使用されるホトレジストパターンを形成する。そして、この除去された部分(非レジスト部)に銅等の導体をめっきによって埋め込んだ後、その周囲のホトレジストパターンを除去することにより、バンプ、メタルポスト、及びCu再配線を形成することができる。
特開平9-176112号公報 特開平11-52562号公報
一般的に、レジストパターンを形成する場合には、その断面形状が矩形であることが望まれることが多い。特に、上記のめっき工程によるバンプやメタルポスト等の接続端子の形成や、Cu再配線の形成においては、鋳型となるレジストパターンの非レジスト部について、その断面形状が矩形であることが強く望まれる。
めっき造形物の形成プロセスにおいては、鋳型となるレジストパターンの非レジスト部の断面形状が矩形であることにより、バンプ及びメタルポスト等の接続端子や、Cu再配線の底面と、支持体との接触面積を十分に確保できる。そうすると、支持体との密着性が良好である接続端子やCu再配線を形成しやすい。また、鋳型となるレジストパターンの非レジスト部の断面形状が矩形であると、先端部が広くならず(丸くならず)フラット(平面状)である接続端子やCu再配線を形成できる。
しかし、特許文献1、2等に開示されるような、従来から知られる化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物を用いてレジストパターンを形成する場合、断面形状が矩形であるレジストパターンを形成しにくいことがしばしばある。
このように、特許文献1、2等に開示されるような、従来から知られる化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物を用いる場合、望ましい断面形状を有するレジストパターンを形成することが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、断面形状が矩形であるレジストパターンを形成しやすい化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物と、当該化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を備える感光性ドライフィルムと、当該感光性ドライフィルムの製造方法と、前述の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物を用いるパターン化されたレジスト膜の製造方法と、前述の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物を用いる鋳型付き基板の製造方法と、当該鋳型付き基板を用いるめっき造形物の製造方法と、前述の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物に好ましく配合し得る含窒素複素環化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)と、を含む化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物に、特定の構造を有しLogS値が-4.00以下である含窒素複素環化合物である含窒素複素環化合物(C)を含有させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
本発明の第1の態様は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)と、含窒素複素環化合物(C)とを含有し、
含窒素複素環化合物(C)が、下記式(c1):
-A-W-A-X (c1)
(式(c1)中、Zは下記式(c2):
Figure 0007118770000001
で表される含窒素複素環基であり、
及びAは、それぞれ独立に、単結合、又は、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-NH-、-CONH-、-NHCO-、-NHCONH-、-S-、-SO-、及び-SO-からなる群より選択される2価の基であり、
は、単結合又は置換基を有してもよい2価の環式基であり、
は、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、
式(c2)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、
~Yのうちのいずれか1つが下記式(c3)又は式(c4):
Figure 0007118770000002
で表される3価の基であり、当該3価の基が有する3つの結合手のうち一つの結合手がAに連結され、
式(c3)中、Rは、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、
~Yのうちの2つが、それぞれ独立に、-CR-、-NR-、-O-及び-S-からなる群より選択される2価の基であり、
、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である。)
で表される化合物であり、
含窒素複素環化合物(C)の溶解度Sの常用対数値LogSが-4.00以下である、化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物。
本発明の第2の態様は、基材フィルムと、基材フィルムの表面に形成された感光性樹脂層とを有し、感光性樹脂層が第1の態様にかかる化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物からなる感光性ドライフィルムである。
本発明の第3の態様は、基材フィルム上に、第1の態様にかかる化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂層を形成することを含む、感光性ドライフィルムの製造方法である。
本発明の第4の態様は、
金属表面を有する基板上に、第1の態様にかかる化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を積層する積層工程と、
感光性樹脂層に、位置選択的に活性光線又は放射線を照射して露光する露光工程と、
露光後の感光性樹脂層を現像する現像工程と、を含む、パターン化されたレジスト膜の製造方法である。
本発明の第5の態様は、
金属表面を有する基板上に、第1の態様にかかる化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を積層する積層工程と、
感光性樹脂層に、位置選択的に活性光線又は放射線を照射して露光する露光工程と、
露光後の感光性樹脂層を現像して、めっき造形物を形成するための鋳型を作成する現像工程と、を含む、鋳型付き基板の製造方法である。
本発明の第6の態様は、第5の態様にかかる方法により製造される鋳型付き基板にめっきを施して、鋳型内にめっき造形物を形成する工程を含む、めっき造形物の製造方法である。
本発明の第7の態様は、
下記式(c1-a):
-A-W-A-X (c1-a)
(式(c1-a)中、Zは下記式(c2):
Figure 0007118770000003
で表される含窒素複素環基であり、
及びAは、それぞれ独立に、単結合、又は、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-NH-、-CONH-、-NHCO-、-NHCONH-、-S-、-SO-、及び-SO-からなる群より選択される2価の基であり、
は、置換基を有してもよい2価の環式基であり、
は、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、
式(c2)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、
~Yのうちのいずれか1つが下記式(c3)又は式(c4):
Figure 0007118770000004
で表される3価の基であり、当該3価の基が有する3つの結合手のうち一つの結合手がAに連結され、
式(c3)中、Rは、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、
~Yのうちの2つが、それぞれ独立に、-CR-、-NR-、-O-及び-S-からなる群より選択される2価の基であり、
、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である。)
で表される、含窒素複素環化合物。
本発明によれば、断面形状が矩形であるレジストパターンを形成しやすい化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物と、当該化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を備える感光性ドライフィルムと、当該感光性ドライフィルムの製造方法と、前述の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物を用いるパターン化されたレジスト膜の製造方法と、前述の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物を用いる鋳型付き基板の製造方法と、当該鋳型付き基板を用いるめっき造形物の製造方法と、前述の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物に好ましく配合し得る含窒素複素環化合物を提供することができる。
≪化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物≫
化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物(以下、感光性樹脂組成物とも記す。)は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)(以下酸発生剤(A)とも記す。)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)(以下樹脂(B)とも記す。)と、含窒素複素環化合物(C)と、を含有する。感光性樹脂組成物は、必要に応じて、アルカリ可溶性樹脂(D)、含硫黄化合物(E)、酸拡散抑制剤(F)、及び有機溶剤(S)等の成分を含んでいてもよい。
感光性樹脂組成物を用いて形成されるレジストパターンの膜厚は特に限定されない。感光性樹脂組成物は厚膜のレジストパターンの形成に好ましく使用される。感光性樹脂組成物を用いて形成されるレジストパターンの膜厚は、具体的には、0.5μm以上が好ましく、0.5μm以上300μm以下がより好ましく、0.5μm以上150μm以下がさらにより好ましく、0.5μm以上200μm以下が特に好ましい。
膜厚の上限値は、例えば、100μm以下であってもよい。膜厚の下限値は、例えば、1μm以上であってもよく、3μm以上であってもよい。
以下、感光性樹脂組成物が含む、必須又は任意の成分と、感光性樹脂組成物の製造方法とについて説明する。
<酸発生剤(A)>
酸発生剤(A)は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物であり、光により直接又は間接的に酸を発生する化合物であれば特に限定されない。酸発生剤(A)としては、以下に説明する、第一~第五の態様の酸発生剤が好ましい。以下、感光性樹脂組成物において好適に使用される酸発生剤(A)のうち好適なものについて、第一から第五の態様として説明する。
酸発生剤(A)における第一の態様としては、下記式(a1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007118770000005
上記式(a1)中、X1aは、原子価gの硫黄原子又はヨウ素原子を表し、gは1又は2である。hは括弧内の構造の繰り返し単位数を表す。R1aは、X1aに結合している有機基であり、炭素原子数6以上30以下のアリール基、炭素原子数4以上30以下の複素環基、炭素原子数1以上30以下のアルキル基、炭素原子数2以上30以下のアルケニル基、又は炭素原子数2以上30以下のアルキニル基を表し、R1aは、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールチオカルボニル、アシロキシ、アリールチオ、アルキルチオ、アリール、複素環、アリールオキシ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキレンオキシ、アミノ、シアノ、ニトロの各基、及びハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。R1aの個数はg+h(g-1)+1であり、R1aはそれぞれ互いに同じであっても異なっていてもよい。また、2個以上のR1aが互いに直接、又は-O-、-S-、-SO-、-SO-、-NH-、-NR2a-、-CO-、-COO-、-CONH-、炭素原子数1以上3以下のアルキレン基、若しくはフェニレン基を介して結合し、X1aを含む環構造を形成してもよい。R2aは炭素原子数1以下5以上のアルキル基又は炭素原子数6以下10以上のアリール基である。
2aは下記式(a2)で表される構造である。
Figure 0007118770000006
上記式(a2)中、X4aは炭素原子数1以上8以下のアルキレン基、炭素原子数6以上20以下のアリーレン基、又は炭素原子数8以上20以下の複素環化合物の2価の基を表し、X4aは炭素原子数1以上8以下のアルキル、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ、炭素原子数6以上10以下のアリール、ヒドロキシ、シアノ、ニトロの各基、及びハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。X5aは-O-、-S-、-SO-、-SO-、-NH-、-NR2a-、-CO-、-COO-、-CONH-、炭素原子数1以上3以下のアルキレン基、又はフェニレン基を表す。hは括弧内の構造の繰り返し単位数を表す。h+1個のX4a及びh個のX5aはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R2aは前述の定義と同じである。
3a-はオニウムの対イオンであり、下記式(a17)で表されるフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオン又は下記式(a18)で表されるボレートアニオンが挙げられる。
Figure 0007118770000007
上記式(a17)中、R3aは水素原子の80%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。jはその個数を示し、1以上5以下の整数である。j個のR3aはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Figure 0007118770000008
上記式(a18)中、R4a~R7aは、それぞれ独立にフッ素原子又はフェニル基を表し、該フェニル基の水素原子の一部又は全部は、フッ素原子及びトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。
上記式(a1)で表される化合物中のオニウムイオンとしては、トリフェニルスルホニウム、トリ-p-トリルスルホニウム、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、ビス[4-(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド、ビス〔4-{ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホニオ}フェニル〕スルフィド、ビス{4-[ビス(4-フルオロフェニル)スルホニオ]フェニル}スルフィド、4-(4-ベンゾイル-2-クロロフェニルチオ)フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、7-イソプロピル-9-オキソ-10-チア-9,10-ジヒドロアントラセン-2-イルジ-p-トリルスルホニウム、7-イソプロピル-9-オキソ-10-チア-9,10-ジヒドロアントラセン-2-イルジフェニルスルホニウム、2-[(ジフェニル)スルホニオ]チオキサントン、4-[4-(4-tert-ブチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジ-p-トリルスルホニウム、4-(4-ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、ジフェニルフェナシルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、2-ナフチルメチル(1-エトキシカルボニル)エチルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニルメチルフェナシルスルホニウム、フェニル[4-(4-ビフェニルチオ)フェニル]4-ビフェニルスルホニウム、フェニル[4-(4-ビフェニルチオ)フェニル]3-ビフェニルスルホニウム、[4-(4-アセトフェニルチオ)フェニル]ジフェニルスルホニウム、オクタデシルメチルフェナシルスルホニウム、ジフェニルヨードニウム、ジ-p-トリルヨードニウム、ビス(4-ドデシルフェニル)ヨードニウム、ビス(4-メトキシフェニル)ヨードニウム、(4-オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウム、ビス(4-デシルオキシ)フェニルヨードニウム、4-(2-ヒドロキシテトラデシルオキシ)フェニルフェニルヨードニウム、4-イソプロピルフェニル(p-トリル)ヨードニウム、又は4-イソブチルフェニル(p-トリル)ヨードニウム、等が挙げられる。
上記式(a1)で表される化合物中のオニウムイオンのうち、好ましいオニウムイオンとしては下記式(a19)で表されるスルホニウムイオンが挙げられる。
Figure 0007118770000009
上記式(a19)中、R8aはそれぞれ独立に水素原子、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアリール、アリールカルボニル、からなる群より選ばれる基を表す。X2aは、上記式(a1)中のX2aと同じ意味を表す。
上記式(a19)で表されるスルホニウムイオンの具体例としては、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、4-(4-ベンゾイル-2-クロロフェニルチオ)フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、4-(4-ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、フェニル[4-(4-ビフェニルチオ)フェニル]4-ビフェニルスルホニウム、フェニル[4-(4-ビフェニルチオ)フェニル]3-ビフェニルスルホニウム、[4-(4-アセトフェニルチオ)フェニル]ジフェニルスルホニウム、ジフェニル[4-(p-ターフェニルチオ)フェニル]ジフェニルスルホニウムが挙げられる。
上記式(a17)で表されるフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンにおいて、R3aはフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、好ましい炭素原子数は1以上8以下、さらに好ましい炭素原子数は1以上4以下である。アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル等の直鎖アルキル基;イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等の分岐アルキル基;さらにシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基等が挙げられ、アルキル基の水素原子がフッ素原子に置換された割合は、通常、80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは100%である。フッ素原子の置換率が80%未満である場合には、上記式(a1)で表されるオニウムフッ素化アルキルフルオロリン酸塩の酸強度が低下する。
特に好ましいR3aは、炭素原子数が1以上4以下、且つフッ素原子の置換率が100%の直鎖状又は分岐状のパーフルオロアルキル基であり、具体例としては、CF、CFCF、(CFCF、CFCFCF、CFCFCFCF、(CFCFCF、CFCF(CF)CF、(CFCが挙げられる。R3aの個数jは、1以上5以下の整数であり、好ましくは2以上4以下、特に好ましくは2又は3である。
好ましいフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンの具体例としては、[(CFCFPF、[(CFCFPF、[((CFCF)PF、[((CFCF)PF、[(CFCFCFPF、[(CFCFCFPF、[((CFCFCFPF、[((CFCFCFPF、[(CFCFCFCFPF、又は[(CFCFCFPFが挙げられ、これらのうち、[(CFCFPF、[(CFCFCFPF、[((CFCF)PF、[((CFCF)PF、[((CFCFCFPF、又は[((CFCFCFPFが特に好ましい。
上記式(a18)で表されるボレートアニオンの好ましい具体例としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート([B(C)、テトラキス[(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート([B(CCF)、ジフルオロビス(ペンタフルオロフェニル)ボレート([(CBF)、トリフルオロ(ペンタフルオロフェニル)ボレート([(C)BF)、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート([B(C)等が挙げられる。これらの中でも、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート([B(C)が特に好ましい。
酸発生剤(A)における第二の態様としては、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(2-フリル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(5-メチル-2-フリル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(5-エチル-2-フリル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(5-プロピル-2-フリル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3,5-ジメトキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3,5-ジエトキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3,5-ジプロポキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3-メトキシ-5-エトキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3-メトキシ-5-プロポキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3,4-メチレンジオキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)フェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(2-ブロモ-4-メトキシ)フェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(2-ブロモ-4-メトキシ)スチリルフェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)スチリルフェニル-s-トリアジン、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-(2-フリル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-(5-メチル-2-フリル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-(3,5-ジメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、トリス(1,3-ジブロモプロピル)-1,3,5-トリアジン、トリス(2,3-ジブロモプロピル)-1,3,5-トリアジン等のハロゲン含有トリアジン化合物、並びにトリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート等の下記式(a3)で表されるハロゲン含有トリアジン化合物が挙げられる。
Figure 0007118770000010
上記式(a3)中、R9a、R10a、R11aは、それぞれ独立にハロゲン化アルキル基を表す。
また、酸発生剤(A)における第三の態様としては、α-(p-トルエンスルホニルオキシイミノ)-フェニルアセトニトリル、α-(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)-2,4-ジクロロフェニルアセトニトリル、α-(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)-2,6-ジクロロフェニルアセトニトリル、α-(2-クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)-4-メトキシフェニルアセトニトリル、α-(エチルスルホニルオキシイミノ)-1-シクロペンテニルアセトニトリル、並びにオキシムスルホネート基を含有する下記式(a4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007118770000011
上記式(a4)中、R12aは、1価、2価、又は3価の有機基を表し、R13aは、置換若しくは未置換の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、又は芳香族基を表し、nは括弧内の構造の繰り返し単位数を表す。
上記式(a4)中、芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等のアリール基や、フリル基、チエニル基等のヘテロアリール基が挙げられる。これらは環上に適当な置換基、例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基等を1個以上有していてもよい。また、R13aは、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が特に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。特に、R12aが芳香族基であり、R13aが炭素原子数1以上4以下のアルキル基である化合物が好ましい。
上記式(a4)で表される酸発生剤としては、n=1のとき、R12aがフェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基のいずれかであって、R13aがメチル基の化合物、具体的にはα-(メチルスルホニルオキシイミノ)-1-フェニルアセトニトリル、α-(メチルスルホニルオキシイミノ)-1-(p-メチルフェニル)アセトニトリル、α-(メチルスルホニルオキシイミノ)-1-(p-メトキシフェニル)アセトニトリル、〔2-(プロピルスルホニルオキシイミノ)-2,3-ジヒドロキシチオフェン-3-イリデン〕(o-トリル)アセトニトリル等が挙げられる。n=2のとき、上記式(a4)で表される酸発生剤としては、具体的には下記式で表される酸発生剤が挙げられる。
Figure 0007118770000012
また、酸発生剤(A)における第四の態様としては、カチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩が挙げられる。この「ナフタレン環を有する」とは、ナフタレンに由来する構造を有することを意味し、少なくとも2つの環の構造と、それらの芳香族性が維持されていることを意味する。このナフタレン環は炭素原子数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基、水酸基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基等の置換基を有していてもよい。ナフタレン環に由来する構造は、1価基(遊離原子価が1つ)であっても、2価基(遊離原子価が2つ)以上であってもよいが、1価基であることが望ましい(ただし、このとき、上記置換基と結合する部分を除いて遊離原子価を数えるものとする)。ナフタレン環の数は1以上3以下が好ましい。
このようなカチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩のカチオン部としては、下記式(a5)で表される構造が好ましい。
Figure 0007118770000013
上記式(a5)中、R14a、R15a、R16aのうち少なくとも1つは下記式(a6)で表される基を表し、残りは炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、水酸基、又は炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基を表す。あるいは、R14a、R15a、R16aのうちの1つが下記式(a6)で表される基であり、残りの2つはそれぞれ独立に炭素原子数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、これらの末端が結合して環状になっていてもよい。
Figure 0007118770000014
上記式(a6)中、R17a、R18aは、それぞれ独立に水酸基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基、又は炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表し、R19aは、単結合又は置換基を有していてもよい炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を表す。l及びmは、それぞれ独立に0以上2以下の整数を表し、l+mは3以下である。ただし、R17aが複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。また、R18aが複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。
上記R14a、R15a、R16aのうち上記式(a6)で表される基の数は、化合物の安定性の点から好ましくは1つであり、残りは炭素原子数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、これらの末端が結合して環状になっていてもよい。この場合、上記2つのアルキレン基は、硫黄原子を含めて3~9員環を構成する。環を構成する原子(硫黄原子を含む)の数は、好ましくは5以上6以下である。
また、上記アルキレン基が有していてもよい置換基としては、酸素原子(この場合、アルキレン基を構成する炭素原子とともにカルボニル基を形成する)、水酸基等が挙げられる。
また、フェニル基が有していてもよい置換基としては、水酸基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基等が挙げられる。
これらのカチオン部として好適なものとしては、下記式(a7)、(a8)で表されるもの等を挙げることができ、特に下記式(a8)で表される構造が好ましい。
Figure 0007118770000015
このようなカチオン部としては、ヨードニウム塩であってもスルホニウム塩であってもよいが、酸発生効率等の点からスルホニウム塩が望ましい。
従って、カチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩のアニオン部として好適なものとしては、スルホニウム塩を形成可能なアニオンが望ましい。
このような酸発生剤のアニオン部としては、水素原子の一部又は全部がフッ素化されたフルオロアルキルスルホン酸イオン又はアリールスルホン酸イオンである。
フルオロアルキルスルホン酸イオンにおけるアルキル基は、炭素原子数1以上20以下の直鎖状でも分岐状でも環状でもよく、発生する酸の嵩高さとその拡散距離から、炭素原子数1以上10以下であることが好ましい。特に、分岐状や環状のものは拡散距離が短いため好ましい。また、安価に合成可能なことから、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等を好ましいものとして挙げることができる。
アリールスルホン酸イオンにおけるアリール基は、炭素原子数6以上20以下のアリール基であって、アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもされていなくてもよいフェニル基、ナフチル基が挙げられる。特に、安価に合成可能なことから、炭素原子数6以上10以下のアリール基が好ましい。好ましいものの具体例として、フェニル基、トルエンスルホニル基、エチルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基等を挙げることができる。
上記フルオロアルキルスルホン酸イオン又はアリールスルホン酸イオンにおいて、水素原子の一部又は全部がフッ素化されている場合のフッ素化率は、好ましくは10%以上100%以下、より好ましくは50%以上100%以下であり、特に水素原子を全てフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。このようなものとしては、具体的には、トリフルオロメタンスルホネート、パーフルオロブタンスルホネート、パーフルオロオクタンスルホネート、パーフルオロベンゼンスルホネート等が挙げられる。
これらの中でも、好ましいアニオン部として、下記式(a9)で表されるものが挙げられる。
Figure 0007118770000016
上記式(a9)において、R20aは、下記式(a10)、(a11)、及び(a12)で表される基である。
Figure 0007118770000017
上記式(a10)中、xは1以上4以下の整数を表す。また、上記式(a11)中、R21aは、水素原子、水酸基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基を表し、yは1以上3以下の整数を表す。これらの中でも、安全性の観点からトリフルオロメタンスルホネート、パーフルオロブタンスルホネートが好ましい。
また、アニオン部としては、下記式(a13)、(a14)で表される窒素を含有するものを用いることもできる。
Figure 0007118770000018
上記式(a13)、(a14)中、Xは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基の炭素原子数は2以上6以下であり、好ましくは3以上5以下、最も好ましくは炭素原子数3である。また、Y、Zは、それぞれ独立に少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、該アルキル基の炭素原子数は1以上10以下であり、好ましくは1以上7以下、より好ましくは1以上3以下である。
のアルキレン基の炭素原子数、又はY、Zのアルキル基の炭素原子数が小さいほど有機溶剤への溶解性も良好であるため好ましい。
また、Xのアルキレン基又はY、Zのアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなるため好ましい。該アルキレン基又はアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70%以上100%以下、より好ましくは90%以上100%以下であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロアルキル基である。
このようなカチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩として好ましいものとしては、下記式(a15)、(a16)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007118770000019
また、酸発生剤(A)における第五の態様としては、ビス(p-トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1-ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4-ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタン類;p-トルエンスルホン酸2-ニトロベンジル、p-トルエンスルホン酸2,6-ジニトロベンジル、ニトロベンジルトシレート、ジニトロベンジルトシラート、ニトロベンジルスルホナート、ニトロベンジルカルボナート、ジニトロベンジルカルボナート等のニトロベンジル誘導体;ピロガロールトリメシラート、ピロガロールトリトシラート、ベンジルトシラート、ベンジルスルホナート、N-メチルスルホニルオキシスクシンイミド、N-トリクロロメチルスルホニルオキシスクシンイミド、N-フェニルスルホニルオキシマレイミド、N-メチルスルホニルオキシフタルイミド等のスルホン酸エステル類;N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-1,8-ナフタルイミド、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-4-ブチル-1,8-ナフタルイミド等のトリフルオロメタンスルホン酸エステル類;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、(4-メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、(4-メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、(p-tert-ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート等のオニウム塩類;ベンゾイントシラート、α-メチルベンゾイントシラート等のベンゾイントシレート類;その他のジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、フェニルジアゾニウム塩、ベンジルカルボナート等が挙げられる。
この酸発生剤(A)は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、酸発生剤(A)の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分量に対し、0.1質量%以上10質量%以下とすることが好ましく、0.2質量%以上6質量%以下がとすることがより好ましく、0.5質量%以上3質量%以下とすることが特に好ましい。酸発生剤(A)の使用量を上記の範囲とすることにより、良好な感度を備え、均一な溶液であって、保存安定性に優れる感光性樹脂組成物を調製しやすい。
<樹脂(B)>
酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)としては、特に限定されず、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する任意の樹脂を用いることができる。その中でも、ノボラック樹脂(B1)、ポリヒドロキシスチレン樹脂(B2)、及びアクリル樹脂(B3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有することが好ましい。
[ノボラック樹脂(B1)]
ノボラック樹脂(B1)としては、下記式(b1)で表される構成単位を含む樹脂を使用することができる。
Figure 0007118770000020
上記式(b1)中、R1bは、酸解離性溶解抑制基を示し、R2b、R3bは、それぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。
上記R1bで表される酸解離性溶解抑制基としては、下記式(b2)、(b3)で表される基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基、ビニルオキシエチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、又はトリアルキルシリル基であることが好ましい。
Figure 0007118770000021
上記式(b2)、(b3)中、R4b、R5bは、それぞれ独立に水素原子、又は炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表し、R6bは、炭素原子数1以上10以下の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基を表し、R7bは、炭素原子数1以上6以下の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基を表し、oは0又は1を表す。
上記直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。また、上記環状のアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
ここで、上記式(b2)で表される酸解離性溶解抑制基として、具体的には、メトキシエチル基、エトキシエチル基、n-プロポキシエチル基、イソプロポキシエチル基、n-ブトキシエチル基、イソブトキシエチル基、tert-ブトキシエチル基、シクロヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、1-メトキシ-1-メチル-エチル基、1-エトキシ-1-メチルエチル基等が挙げられる。また、上記式(b3)で表される酸解離性溶解抑制基として、具体的には、tert-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニルメチル基等が挙げられる。また、上記トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリ-tert-ブチルジメチルシリル基等の各アルキル基の炭素原子数が1以上6以下の基が挙げられる。
[ポリヒドロキシスチレン樹脂(B2)]
ポリヒドロキシスチレン樹脂(B2)としては、下記式(b4)で表される構成単位を含む樹脂を使用することができる。
Figure 0007118770000022
上記式(b4)中、R8bは、水素原子又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、R9bは、酸解離性溶解抑制基を表す。
上記炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、例えば炭素原子数1以上6以下の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基である。直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、環状のアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記R9bで表される酸解離性溶解抑制基としては、上記式(b2)、(b3)に例示したものと同様の酸解離性溶解抑制基を用いることができる。
さらに、ポリヒドロキシスチレン樹脂(B2)は、物理的、化学的特性を適度にコントロールする目的で他の重合性化合物を構成単位として含むことができる。このような重合性化合物としては、公知のラジカル重合性化合物や、アニオン重合性化合物が挙げられる。また、このような重合性化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸類;2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2-メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2-メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシ基及びエステル結合を有するメタクリル酸誘導体類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジブチル等のジカルボン酸ジエステル類;スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシスチレン、α-メチルヒドロキシスチレン、α-エチルヒドロキシスチレン等のビニル基含有芳香族化合物類;酢酸ビニル等のビニル基含有脂肪族化合物類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有重合性化合物類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド結合含有重合性化合物類;等を挙げることができる。
[アクリル樹脂(B3)]
アクリル樹脂(B3)としては、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するアクリル樹脂であって、従来から、種々の感光性樹脂組成物に配合されているものであれば、特に限定されない。
アクリル樹脂(B3)は、例えば、-SO-含有環式基、又はラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(b-3)を含有するのが好ましい。かかる場合、レジストパターンを形成する際に、好ましい断面形状を有するレジストパターンを形成しやすい。
(-SO-含有環式基)
ここで、「-SO-含有環式基」とは、その環骨格中に-SO-を含む環を含有する環式基を示し、具体的には、-SO-における硫黄原子(S)が環式基の環骨格の一部を形成する環式基である。その環骨格中に-SO-を含む環をひとつ目の環として数え、当該環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。-SO-含有環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
-SO-含有環式基は、特に、その環骨格中に-O-SO-を含む環式基、すなわち-O-SO-中の-O-S-が環骨格の一部を形成するサルトン(sultone)環を含有する環式基であることが好ましい。
-SO-含有環式基の炭素原子数は、3以上30以下が好ましく、4以上20以下がより好ましく、4以上15以下がさらに好ましく、4以上12以下が特に好ましい。当該炭素原子数は環骨格を構成する炭素原子の数であり、置換基における炭素原子数を含まないものとする。
-SO-含有環式基は、-SO-含有脂肪族環式基であってもよく、-SO-含有芳香族環式基であってもよい。好ましくは-SO-含有脂肪族環式基である。
-SO-含有脂肪族環式基としては、その環骨格を構成する炭素原子の一部が-SO-、又は-O-SO-で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基が挙げられる。より具体的には、その環骨格を構成する-CH-が-SO-で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基、その環を構成する-CH-CH-が-O-SO-で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基等が挙げられる。
当該脂環式炭化水素環の炭素原子数は、3以上20以下が好ましく、3以上12以下がより好ましい。当該脂環式炭化水素環は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、炭素原子数3以上6以下のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。当該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式の脂環式炭化水素環としては、炭素原子数7以上12以下のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、当該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
-SO-含有環式基は、置換基を有していてもよい。当該置換基としては、例えばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、-COOR”、-OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基、シアノ基等が挙げられる。
当該置換基としてのアルキル基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましい。当該アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。これらの中では、メチル基、又はエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
当該置換基としてのアルコキシ基としては、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基が好ましい。当該アルコキシ基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、前述の置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基が酸素原子(-O-)に結合した基が挙げられる。
当該置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
当該置換基のハロゲン化アルキル基としては、前述のアルキル基の水素原子の一部又は全部が前述のハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
当該置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前述の置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の一部又は全部が前述のハロゲン原子で置換された基が挙げられる。当該ハロゲン化アルキル基としてはフッ素化アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
前述の-COOR”、-OC(=O)R”におけるR”は、いずれも、水素原子又は炭素原子数1以上15以下の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基である。
R”が直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基の場合、当該鎖状のアルキル基の炭素原子数は、1以上10以下が好ましく、1以上5以下がより好ましく、1又は2が特に好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合、当該環状のアルキル基の炭素原子数は3以上15以下が好ましく、4以上12以下がより好ましく、5以上10以下が特に好ましい。具体的には、フッ素原子、又はフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンや、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等を例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
当該置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、炭素原子数1以上6以下のヒドロキシアルキル基が好ましい。具体的には、前述の置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。
-SO-含有環式基として、より具体的には、下記式(3-1)~(3-4)で表される基が挙げられる。
Figure 0007118770000023
(式中、A’は酸素原子若しくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素原子数1以上5以下のアルキレン基、酸素原子又は硫黄原子であり、zは0以上2以下の整数であり、R10bはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、水酸基、-COOR”、-OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基、又はシアノ基であり、R”は水素原子、又はアルキル基である。)
上記式(3-1)~(3-4)中、A’は、酸素原子(-O-)若しくは硫黄原子(-S-)を含んでいてもよい炭素原子数1以上5以下のアルキレン基、酸素原子、又は硫黄原子である。A’における炭素原子数1以上5以下のアルキレン基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
当該アルキレン基が酸素原子又は硫黄原子を含む場合、その具体例としては、前述のアルキレン基の末端又は炭素原子間に-O-、又は-S-が介在する基が挙げられ、例えば-O-CH-、-CH-O-CH-、-S-CH-、-CH-S-CH-等が挙げられる。A’としては、炭素原子数1以上5以下のアルキレン基、又は-O-が好ましく、炭素原子数1以上5以下のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
zは0、1、及び2のいずれであってもよく、0が最も好ましい。zが2である場合、複数のR10bはそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
10bにおけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、-COOR”、-OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、-SO-含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、-COOR”、-OC(=O)R”、及びヒドロキシアルキル基について、上記で説明したものと同様のものが挙げられる。
以下に、前述の式(3-1)~(3-4)で表される具体的な環式基を例示する。なお、式中の「Ac」はアセチル基を示す。
Figure 0007118770000024
Figure 0007118770000025
-SO-含有環式基としては、上記の中では、前述の式(3-1)で表される基が好ましく、前述の化学式(3-1-1)、(3-1-18)、(3-3-1)、及び(3-4-1)のいずれかで表される基からなる群から選択される少なくとも一種がより好ましく、前述の化学式(3-1-1)で表される基が最も好ましい。
(ラクトン含有環式基)
「ラクトン含有環式基」とは、その環骨格中に-O-C(=O)-を含む環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつ目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。ラクトン含有環式基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。
構成単位(b-3)におけるラクトン環式基としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。具体的には、ラクトン含有単環式基としては、4~6員環ラクトンから水素原子を1つ除いた基、例えばβ-プロピオノラクトンから水素原子を1つ除いた基、γ-ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基、δ-バレロラクトンから水素原子を1つ除いた基等が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。
構成単位(b-3)としては、-SO-含有環式基、又はラクトン含有環式基を有するものであれば他の部分の構造は特に限定されないが、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって-SO-含有環式基を含む構成単位(b-3-S)、及びα位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であってラクトン含有環式基を含む構成単位(b-3-L)からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位が好ましい。
〔構成単位(b-3-S)〕
構成単位(b-3-S)の例として、より具体的には、下記式(b-S1)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0007118770000026
(式中、Rは水素原子、炭素原子数1以上5以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上5以下のハロゲン化アルキル基であり、R11bは-SO-含有環式基であり、R12bは単結合、又は2価の連結基である。)
式(b-S1)中、Rは前記と同様である。
11bは、前記で挙げた-SO-含有環式基と同様である。
12bは、単結合、2価の連結基のいずれであってもよい。本発明の効果に優れることから、2価の連結基であることが好ましい。
12bにおける2価の連結基としては、特に限定されないが、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適なものとして挙げられる。
・置換基を有していてもよい2価の炭化水素基
2価の連結基としての炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。当該脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよい。通常は飽和炭化水素基が好ましい。当該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
前記直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、1以上10以下が好ましく、1以上8以下がより好ましく、1以上5以下がさらに好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましい。具体的には、メチレン基[-CH-]、エチレン基[-(CH-]、トリメチレン基[-(CH-]、テトラメチレン基[-(CH-]、ペンタメチレン基[-(CH-]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。具体的には、-CH(CH)-、-CH(CHCH)-、-C(CH-、-C(CH)(CHCH)-、-C(CH)(CHCHCH)-、-C(CHCH-等のアルキルメチレン基;-CH(CH)CH-、-CH(CH)CH(CH)-、-C(CHCH-、-CH(CHCH)CH-、-C(CHCH-CH-等のアルキルエチレン基;-CH(CH)CHCH-、-CHCH(CH)CH-等のアルキルトリメチレン基;-CH(CH)CHCHCH-、-CHCH(CH)CHCH-等のアルキルテトラメチレン基等のアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素原子数1以上5以下の直鎖状のアルキル基が好ましい。
上記の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、水素原子を置換する置換基(水素原子以外の基又は原子)を有していてもよく、有していなくてもよい。当該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素原子数1以上5以下のフッ素化アルキル基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
上記の構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含んでもよい環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、当該環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、当該環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基等が挙げられる。上記の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては前述と同様のものが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、3以上20以下が好ましく、3以上12以下がより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂肪族炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。当該モノシクロアルカンの炭素原子数は、3以上6以下が好ましい。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂肪族炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。当該ポリシクロアルカンの炭素原子数は、7以上12以下が好ましい。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、水素原子を置換する置換基(水素原子以外の基又は原子)を有していてもよいし、有していなくてもよい。当該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
上記の置換基としてのアルキル基としては、炭素原子数1以上5以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、及びtert-ブチル基がより好ましい。
上記の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素原子数1以上5以下のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、及びtert-ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、及びエトキシ基が特に好ましい。
上記の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
上記の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前述のアルキル基の水素原子の一部又は全部が上記のハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、その環構造を構成する炭素原子の一部が-O-、又は-S-で置換されてもよい。該ヘテロ原子を含む置換基としては、-O-、-C(=O)-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)-O-が好ましい。
2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する2価の炭化水素基であり、置換基を有していてもよい。芳香環は、4n+2個のπ電子を持つ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素原子数は、5以上30以下が好ましく、5以上20以下がより好ましく、6以上15以下がさらに好ましく、6以上12以下が特に好ましい。ただし、当該炭素原子数には、置換基の炭素原子数を含まないものとする。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、及びフェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基として具体的には、上記の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基、又はヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(例えば、ビフェニル、フルオレン等)から水素原子を2つ除いた基;上記の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基、又はヘテロアリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、1-ナフチルエチル基、2-ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基);等が挙げられる。
上記のアリール基、又はヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素原子数は、1以上4以下が好ましく、1以上2以下がより好ましく、1が特に好ましい。
上記の芳香族炭化水素基は、当該芳香族炭化水素基が有する水素原子が置換基で置換されていてもよい。例えば、当該芳香族炭化水素基中の芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。当該置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
上記の置換基としてのアルキル基としては、炭素原子数1以上5以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、及びtert-ブチル基がより好ましい。
上記の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素原子数1以上5以下のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、及びtert-ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、及びエトキシ基がより好ましい。
上記の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
上記の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前述のアルキル基の水素原子の一部又は全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
・ヘテロ原子を含む2価の連結基
ヘテロ原子を含む2価の連結基におけるヘテロ原子とは、炭素原子及び水素原子以外の原子であり、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む2価の連結基として、具体的には、-O-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)-O-、-NH-、-NH-C(=O)-、-NH-C(=NH)-、=N-等の非炭化水素系連結基、これらの非炭化水素系連結基の少なくとも1種と2価の炭化水素基との組み合わせ等が挙げられる。当該2価の炭化水素基としては、上述した置換基を有していてもよい2価の炭化水素基と同様のものが挙げられ、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましい。
上記のうち、-C(=O)-NH-中の-NH-、-NH-、-NH-C(=NH)-中のHは、それぞれ、アルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。当該置換基の炭素原子数は、1以上10以下が好ましく、1以上8以下がより好ましく、1以上5以下が特に好ましい。
12bにおける2価の連結基としては、特に、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。
12bにおける2価の連結基が直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基である場合、該アルキレン基の炭素原子数は、1以上10以下が好ましく、1以上6以下がより好ましく、1以上4以下が特に好ましく、1以上3以下が最も好ましい。具体的には、前述の2価の連結基としての「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」の説明中、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基として挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
12bにおける2価の連結基が環状の脂肪族炭化水素基である場合、当該環状の脂肪族炭化水素基としては、前述の2価の連結基としての「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」の説明中、「構造中に環を含む脂肪族炭化水素基」として挙げた環状の脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
当該環状の脂肪族炭化水素基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、又はテトラシクロドデカンから水素原子が二個以上除かれた基が特に好ましい。
12bにおける2価の連結基が、ヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、当該連結基として好ましいものとして、-O-、-C(=O)-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-NH-、-NH-(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、-S-、-S(=O)-、-S(=O)-O-、一般式-Y1b-O-Y2b-、-[Y1b-C(=O)-O]m’-Y2b-、又は-Y1b-O-C(=O)-Y2b-で表される基[式中、Y1b、及びY2bはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m’は0以上3以下の整数である。]等が挙げられる。
12bにおける2価の連結基が-NH-の場合、-NH-中の水素原子はアルキル基、アシル等の置換基で置換されていてもよい。当該置換基(アルキル基、アシル基等)の炭素原子数は、1以上10以下が好ましく、1以上8以下がより好ましく、1以上5以下が特に好ましい。
式-Y1b-O-Y2b-、-[Y1b-C(=O)-O]m’-Y2b-、又は-Y1b-O-C(=O)-Y2b-中、Y1b、及びY2bは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。当該2価の炭化水素基としては、前記2価の連結基としての説明で挙げた「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
1bとしては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素原子数1以上5以下の直鎖状のアルキレン基がより好ましく、メチレン基、及びエチレン基が特に好ましい。
2bとしては、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基、及びアルキルメチレン基がより好ましい。当該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素原子数1以上5以下の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上3以下の直鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
式-[Y1b-C(=O)-O]m’-Y2b-で表される基において、m’は0以上3以下の整数であり、0以上2以下の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、式-[Y1b-C(=O)-O]m’-Y2b-で表される基としては、式-Y1b-C(=O)-O-Y2b-で表される基が特に好ましい。なかでも、式-(CHa’-C(=O)-O-(CHb’-で表される基が好ましい。当該式中、a’は、1以上10以下の整数であり、1以上8以下の整数が好ましく、1以上5以下の整数がより好ましく、1、又は2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1以上10以下の整数であり、1以上8以下の整数が好ましく、1以上5以下の整数がより好ましく、1又は2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
12bにおける2価の連結基について、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、少なくとも1種の非炭化水素基と2価の炭化水素基との組み合わせからなる有機基が好ましい。なかでも、ヘテロ原子として酸素原子を有する直鎖状の基、例えばエーテル結合、又はエステル結合を含む基が好ましく、前述の式-Y1b-O-Y2b-、-[Y1b-C(=O)-O]m’-Y2b-、又は-Y1b-O-C(=O)-Y2b-で表される基がより好ましく、前述の式-[Y1b-C(=O)-O]m’-Y2b-、又は-Y1b-O-C(=O)-Y2b-で表される基が特に好ましい。
12bにおける2価の連結基としては、アルキレン基、又はエステル結合(-C(=O)-O-)を含むものが好ましい。
当該アルキレン基は、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。当該直鎖状の脂肪族炭化水素基の好適な例としては、メチレン基[-CH-]、エチレン基[-(CH-]、トリメチレン基[-(CH-]、テトラメチレン基[-(CH-]、及びペンタメチレン基[-(CH-]等が挙げられる。当分岐鎖状のアルキレン基の好適な例としては、-CH(CH)-、-CH(CHCH)-、-C(CH-、-C(CH)(CHCH)-、-C(CH)(CHCHCH)-、-C(CHCH-等のアルキルメチレン基;-CH(CH)CH-、-CH(CH)CH(CH)-、-C(CHCH-、-CH(CHCH)CH-、-C(CHCH-CH-等のアルキルエチレン基;-CH(CH)CHCH-、-CHCH(CH)CH-等のアルキルトリメチレン基;-CH(CH)CHCHCH-、-CHCH(CH)CHCH-等のアルキルテトラメチレン基等のアルキルアルキレン基等が挙げられる。
エステル結合を含む2価の連結基としては、特に、式:-R13b-C(=O)-O-[式中、R13bは2価の連結基である。]で表される基が好ましい。すなわち、構成単位(b-3-S)は、下記式(b-S1-1)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0007118770000027
(式中、R、及びR11bはそれぞれ前記と同様であり、R13bは2価の連結基である。)
13bとしては、特に限定されず、例えば、前述のR12bにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。
13bの2価の連結基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又はヘテロ原子として酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基としては、メチレン基、又はエチレン基が好ましく、メチレン基が特に好ましい。分岐鎖状のアルキレン基としては、アルキルメチレン基、又はアルキルエチレン基が好ましく、-CH(CH)-、-C(CH-、又は-C(CHCH-が特に好ましい。
酸素原子を含む2価の連結基としては、エーテル結合、又はエステル結合を含む2価の連結基が好ましく、前述した、-Y1b-O-Y2b-、-[Y1b-C(=O)-O]m’-Y2b-、又は-Y1b-O-C(=O)-Y2b-がより好ましい。Y1b、及びY2bは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、m’は0以上3以下の整数である。なかでも、-Y1b-O-C(=O)-Y2b-が好ましく、-(CH-O-C(=O)-(CH-で表される基が特に好ましい。cは1以上5以下の整数であり、1又は2が好ましい。dは1以上5以下の整数であり、1又は2が好ましい。
構成単位(b-3-S)としては、特に、下記式(b-S1-11)、又は(b-S1-12)で表される構成単位が好ましく、式(b-S1-12)で表される構成単位がより好ましい。
Figure 0007118770000028
(式中、R、A’、R10b、z、及びR13bはそれぞれ前記と同じである。)
式(b-S1-11)中、A’はメチレン基、酸素原子(-O-)、又は硫黄原子(-S-)であることが好ましい。
13bとしては、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又は酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。R13bにおける直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、前述の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。
式(b-S1-12)で表される構成単位としては、特に、下記式(b-S1-12a)、又は(b-S1-12b)で表される構成単位が好ましい。
Figure 0007118770000029
(式中、R、及びA’はそれぞれ前記と同じであり、c~eはそれぞれ独立に1以上3以下の整数である。)
〔構成単位(b-3-L)〕
構成単位(b-3-L)の例としては、例えば前述の式(b-S1)中のR11bをラクトン含有環式基で置換したものが挙げられ、より具体的には、下記式(b-L1)~(b-L5)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0007118770000030
(式中、Rは水素原子、炭素原子数1以上5以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上5以下のハロゲン化アルキル基であり;R’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、水酸基、-COOR”、-OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基、又はシアノ基であり、R”は水素原子、又はアルキル基であり;R12bは単結合、又は2価の連結基であり、s”は0以上2以下の整数であり;A”は酸素原子若しくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素原子数1以上5以下のアルキレン基、酸素原子、又は硫黄原子であり;rは0又は1である。)
式(b-L1)~(b-L5)におけるRは、前述と同様である。
R’におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、-COOR”、-OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、-SO-含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、-COOR”、-OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基について前述したものと同様のものが挙げられる。
R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
R”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
R”が直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素原子数1以上10以下であることが好ましく、炭素原子数1以上5以下であることがさらに好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素原子数3以上15以下であることが好ましく、炭素原子数4以上12以下であることがさらに好ましく、炭素原子数5以上10以下が最も好ましい。具体的には、フッ素原子又はフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等を例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
A”としては、前述の式(3-1)中のA’と同様のものが挙げられる。A”は、炭素原子数1以上5以下のアルキレン基、酸素原子(-O-)又は硫黄原子(-S-)であることが好ましく、炭素原子数1以上5以下のアルキレン基、又は-O-がより好ましい。炭素原子数1以上5以下のアルキレン基としては、メチレン基、又はジメチルメチレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
12bは、前述の式(b-S1)中のR12bと同様である。
式(b-L1)中、s”は1又は2であることが好ましい。
以下に、前述の式(b-L1)~(b-L3)で表される構成単位の具体例を例示する。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。
Figure 0007118770000031
Figure 0007118770000032
Figure 0007118770000033
構成単位(b-3-L)としては、前述の式(b-L1)~(b-L5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、式(b-L1)~(b-L3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、前述の式(b-L1)、又は(b-L3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が特に好ましい。
なかでも、前述の式(b-L1-1)、(b-L1-2)、(b-L2-1)、(b-L2-7)、(b-L2-12)、(b-L2-14)、(b-L3-1)、及び(b-L3-5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
また、構成単位(b-3-L)としては、下記式(b-L6)~(b-L7)で表される構成単位も好ましい。
Figure 0007118770000034
式(b-L6)及び(b-L7)中、R及びR12bは前述と同様である。
また、アクリル樹脂(B3)は、酸の作用によりアクリル樹脂(B3)のアルカリに対する溶解性を高める構成単位として、酸解離性基を有する下記式(b5)~(b7)で表される構成単位を含む。
Figure 0007118770000035
上記式(b5)~(b7)中、R14b、及びR18b~R23bは、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、フッ素原子、又は炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のフッ素化アルキル基を表し、R15b~R17bは、それぞれ独立に炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のフッ素化アルキル基、又は炭素原子数5以上20以下の脂肪族環式基を表し、それぞれ独立に炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のフッ素化アルキル基を表し、R16b及びR17bは互いに結合して、両者が結合している炭素原子とともに炭素原子数5以上20以下の炭化水素環を形成してもよく、Yは、置換基を有していてもよい脂肪族環式基又はアルキル基を表し、pは0以上4以下の整数を表し、qは0又は1を表す。
なお、上記直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。また、フッ素化アルキル基とは、上記アルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子により置換されたものである。
脂肪族環式基の具体例としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。特に、シクロヘキサン、アダマンタンから1個の水素原子を除いた基(さらに置換基を有していてもよい)が好ましい。
上記R16b及びR17bが互いに結合して炭化水素環を形成しない場合、上記R15b、R16b、及びR17bとしては、高コントラストで、解像度、焦点深度幅等が良好な点から、炭素原子数2以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましい。上記R19b、R20b、R22b、R23bとしては、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
上記R16b及びR17bは、両者が結合している炭素原子とともに炭素原子数5以上20以下の脂肪族環式基を形成してもよい。このような脂肪族環式基の具体例としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。特に、シクロヘキサン、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基(さらに置換基を有していてもよい)が好ましい。
さらに、上記R16b及びR17bが形成する脂肪族環式基が、その環骨格上に置換基を有する場合、当該置換基の例としては、水酸基、カルボキシ基、シアノ基、酸素原子(=O)等の極性基や、炭素原子数1以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。極性基としては特に酸素原子(=O)が好ましい。
上記Yは、脂肪族環式基又はアルキル基であり、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。特に、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基(さらに置換基を有していてもよい)が好ましい。
さらに、上記Yの脂肪族環式基が、その環骨格上に置換基を有する場合、当該置換基の例としては、水酸基、カルボキシ基、シアノ基、酸素原子(=O)等の極性基や、炭素原子数1以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。極性基としては特に酸素原子(=O)が好ましい。
また、Yがアルキル基である場合、炭素原子数1以上20以下、好ましくは6以上15以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましい。このようなアルキル基は、特にアルコキシアルキル基であることが好ましく、このようなアルコキシアルキル基としては、1-メトキシエチル基、1-エトキシエチル基、1-n-プロポキシエチル基、1-イソプロポキシエチル基、1-n-ブトキシエチル基、1-イソブトキシエチル基、1-tert-ブトキシエチル基、1-メトキシプロピル基、1-エトキシプロピル基、1-メトキシ-1-メチル-エチル基、1-エトキシ-1-メチルエチル基等が挙げられる。
上記式(b5)で表される構成単位の好ましい具体例としては、下記式(b5-1)~(b5-33)で表されるものを挙げることができる。
Figure 0007118770000036
上記式(b5-1)~(b5-33)中、R24bは、水素原子又はメチル基を表す。
上記式(b6)で表される構成単位の好ましい具体例としては、下記式(b6-1)~(b6-26)で表されるものを挙げることができる。
Figure 0007118770000037
上記式(b6-1)~(b6-26)中、R24bは、水素原子又はメチル基を表す。
上記式(b7)で表される構成単位の好ましい具体例としては、下記式(b7-1)~(b7-15)で表されるものを挙げることができる。
Figure 0007118770000038
上記式(b7-1)~(b7-15)中、R24bは、水素原子又はメチル基を表す。
以上説明した式(b5)~(b7)で表される構成単位の中では、合成がしやすく且つ比較的高感度化しやすい点から、式(b6)で表される構成単位が好ましい。また、式(b6)で表される構成単位の中では、Yがアルキル基である構成単位が好ましく、R19b及びR20bの一方又は双方がアルキル基である構成単位が好ましい。
さらに、アクリル樹脂(B3)は、上記式(b5)~(b7)で表される構成単位とともに、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位を含む共重合体からなる樹脂であることが好ましい。
上記エーテル結合を有する重合性化合物としては、エーテル結合及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等のラジカル重合性化合物を例示することができ、具体例としては、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、上記エーテル結合を有する重合性化合物は、好ましくは、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレートである。これらの重合性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、アクリル樹脂(B3)には、物理的、化学的特性を適度にコントロールする目的で他の重合性化合物を構成単位として含めることができる。このような重合性化合物としては、公知のラジカル重合性化合物や、アニオン重合性化合物が挙げられる。
このような重合性化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸類;2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2-メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2-メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシ基及びエステル結合を有するメタクリル酸誘導体類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジブチル等のジカルボン酸ジエステル類;スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシスチレン、α-メチルヒドロキシスチレン、α-エチルヒドロキシスチレン等のビニル基含有芳香族化合物類;酢酸ビニル等のビニル基含有脂肪族化合物類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有重合性化合物類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド結合含有重合性化合物類;等を挙げることができる。
上記の通り、アクリル樹脂(B3)は、上記のモノカルボン酸類やジカルボン酸類のようなカルボキシ基を有する重合性化合物に由来する構成単位を含んでいてもよい。しかし、断面形状が良好な矩形である非レジスト部を含むレジストパターンを形成しやすい点から、アクリル樹脂(B3)は、カルボキシ基を有する重合性化合物に由来する構成単位を実質的に含まないのが好ましい。具体的には、アクリル樹脂(B3)中の、カルボキシ基を有する重合性化合物に由来する構成単位の比率は、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、5質量%以下が特に好ましい。
アクリル樹脂(B3)において、カルボキシ基を有する重合性化合物に由来する構成単位を比較的多量に含むアクリル樹脂は、カルボキシ基を有する重合性化合物に由来する構成単位を少量しか含まないか、含まないアクリル樹脂と併用されるのが好ましい。
また、重合性化合物としては、酸非解離性の脂肪族多環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、ビニル基含有芳香族化合物類等を挙げることができる。酸非解離性の脂肪族多環式基としては、特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基等が、工業上入手しやすい等の点で好ましい。これらの脂肪族多環式基は、炭素原子数1以上5以下の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
酸非解離性の脂肪族多環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル類としては、具体的には、下記式(b8-1)~(b8-5)の構造のものを例示することができる。
Figure 0007118770000039
上記式(b8-1)~(b8-5)中、R25bは、水素原子又はメチル基を表す。
アクリル樹脂(B3)が、-SO-含有環式基、又はラクトン含有環式基を含む構成単位(b-3)を含む場合、アクリル樹脂(B3)中の構成単位(b-3)の含有量は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、10質量%以上50質量%以下が特に好ましく、10質量%以上30質量%以下が最も好ましい。感光性樹脂組成物が、上記の範囲内の量の構成単位(b-3)を含む場合、良好な現像性と、良好なパターン形状とを両立しやすい。
また、アクリル樹脂(B3)は、前述の式(b5)~(b7)で表される構成単位を、5質量%以上含むのが好ましく、10質量%以上含むのがより好ましく、10質量%以上50質量%以下含むのが特に好ましい。
アクリル樹脂(B3)は、上記のエーテル結合を有する重合性化合物に由来する構成単位を含むのが好ましい。アクリル樹脂(B3)中の、エーテル結合を有する重合性化合物に由来する構成単位の含有量は、0質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上30質量%以下がより好ましい。
アクリル樹脂(B3)は、上記の酸非解離性の脂肪族多環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル類に由来する構成単位を含むのが好ましい。アクリル樹脂(B3)中の、酸非解離性の脂肪族多環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル類に由来する構成単位の含有量は、0質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上30質量%以下がより好ましい。
感光性樹脂組成物が所定の量のアクリル樹脂(B3)を含有する限りにおいて、以上説明したアクリル樹脂(B3)以外のアクリル樹脂も樹脂(B)として用いることができる。このような、アクリル樹脂(B3)以外のアクリル樹脂としては、前述の式(b5)~(b7)で表される構成単位を含む樹脂であれば特に限定されない。
以上説明した樹脂(B)のポリスチレン換算質量平均分子量は、好ましくは10000以上600000以下であり、より好ましくは20000以上400000以下であり、さらに好ましくは30000以上300000以下である。このような質量平均分子量とすることにより、基板からの剥離性を低下させることなく感光性樹脂層の十分な強度を保持でき、さらにはめっき時のプロファイルの膨れや、クラックの発生を防ぐことができる。
また、樹脂(B)の分散度は1.05以上が好ましい。ここで、分散度とは、質量平均分子量を数平均分子量で除した値のことである。このような分散度とすることにより、所望とするめっきに対する応力耐性や、めっき処理により得られる金属層が膨らみやすくなるという問題を回避できる。
樹脂(B)の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分量に対して5質量%以上60質量%以下とすることが好ましい。
<含窒素複素環化合物(C)>
感光性樹脂組成物は、下記式(c1)で表される化合物である含窒素複素環化合物(C)を含む。含窒素複素環化合物(C)について、溶解度Sの常用対数値LogSが-4.00以下である。感光性樹脂組成物が、所定の範囲内のLogS値を示す含窒素複素環化合物(C)を含むと、感光性樹脂組成物を用いて断面形状が矩形であるレジストパターンを形成しやすい。
また、含窒素複素環化合物(C)を感光性樹脂組成物に配合する場合、焦点深度(DOF)のマージンが広い感光性樹脂組成物を得やすい。
焦点深度(DOF)マージンとは、同一の露光量にて、焦点を上下にずらして露光した際に、ターゲット寸法に対するずれが所定の範囲内となる寸法でレジストパターンを形成できる焦点深度の範囲である。焦点深度(DOF)マージンは、広いほど好ましい。
めっき用の鋳型パターンは、基板に積層されたポリイミド膜等の基材に由来する反りや段差がある基板上に形成される場合がある。このため、めっき用の鋳型パターンを形成するために用いられる化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物には、基板表面の平坦性の程度によらず、所望する寸法、形状のパターンを形成できるように、焦点深度(DOF)のマージンが広いことが望まれる。
さらには、感光性樹脂組成物が含窒素複素環化合物(C)を含む場合、感光性樹脂組成物の、露光後の引き置き経時安定性(PED:post exposure delay)が良好である。引き置き経時安定性が良好であると、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を、露光後にある程度の長時間引き置いたとしても、露光された感光性樹脂層を現像する際に、パターン形状、パターン寸法への悪影響が生じにくく、所望する形状及び寸法のパターンを形成しやすい。
-A-W-A-X (c1)
(式(c1)中、Zは下記式(c2):
Figure 0007118770000040
で表される含窒素複素環基であり、
及びAは、それぞれ独立に、単結合、又は、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-NH-、-CONH-、-NHCO-、-NHCONH-、-S-、-SO-、及び-SO-からなる群より選択される2価の基であり、
は、単結合又は置換基を有してもよい2価の環式基であり、
は、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、
式(c2)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、
~Yのうちのいずれか1つが下記式(c3)又は式(c4):
Figure 0007118770000041
で表される3価の基であり、当該3価の基が有する3つの結合手のうち一つの結合手がAに連結され、
式(c3)中、Rは、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、
~Yのうちの2つが、それぞれ独立に、-CR-、-NR-、-O-及び-S-からなる群より選択される2価の基であり、
、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である。)
式(c1)中、A及びAは、それぞれ独立に、単結合、又は、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-NH-、-CONH-、-NHCO-、-NHCONH-、-S-、-SO-、及び-SO-からなる群より選択される2価の基である。A及びAとしては、それぞれ独立に、単結合、-O-、-COO-、又は、-OCO-が好ましい。
式(c1)中、Wは、単結合又は置換基を有してもよい2価の環式基である。
該Wとしての置換基を有してもよい2価の環式基を構成する環は、O、S等の窒素原子以外のヘテロ原子を含んでいてもよい。
置換基を有してもよい2価の環式基の環構成原子数は、好ましくは4以上15以下、より好ましくは5以上7以下である。
としての、置換基を有してもよい2価の環式基としては、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基及び置換基を有してもよい芳香族炭化水素基が好ましい。
2価の環式基としての、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基の脂肪族炭化水素基としては、モノシクロアルカン、又はビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基等のモノシクロアルカンジイル基;アダマンタンジイル基、ノルボルネンジイル基、イソボルネンジイル基、トリシクロデカンジイル基、テトラシクロドデカンジイル基等のポリシクロアルカンジイル基等が挙げられる。好ましくは、モノシクロアルカンジイル基である。
2価の環式基としての、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基の芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環等の芳香族環から2個の水素原子を除いた基が挙げられる。好ましくは、フェニレン基である。
としての2価の環式基が有していてもよい置換基としては、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。また、Wとしての2価の環式基が有していてもよい置換基としては、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基等の置換基で置換されていてもよく、N、O、S、P、Si、B、及びハロゲン原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい有機基を挙げることもできる。これらの置換基の中では炭化水素基が好ましい。
2価の環式基が有していてもよい置換基としての炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても、芳香族炭化水素基であっても、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基との組み合わせであってもよい。脂肪族炭化水素基は、鎖状であっても、環状であっても、鎖状構造と環状構造とを含んでいてもよく、鎖状の場合は、直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、また、不飽和結合を有していてもよい。脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、1以上10以下が好ましく、1以上8以下がより好ましく、1以上4以下がさらに好ましい。
鎖状の脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、及びネオペンチル基等が挙げられる。環状の脂肪族炭化水素基の具体例としてはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基等の環状の基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基及びナフチル基等のヘテロ原子を含まない芳香族炭化水素基や、フリル基、チエニル基及びピリジル基等の芳香族複素環基等が挙げられる。
式(c1)中、Xは、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である。
としての、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基の脂肪族炭化水素基は、鎖状であっても、環状であっても、鎖状構造と環状構造とを含んでいてもよい。鎖状の場合は、直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。また、脂肪族炭化水素基は、不飽和結合を有していてもよい。脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、1以上10以下が好ましく、1以上8以下がより好ましく、1以上5以下がさらに好ましい。
鎖状の脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、及びネオペンチル基等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基の具体例としてはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基等の環状の基が挙げられる。
としての、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基の芳香族炭化水素基としては、フェニル基及びナフチル基等のヘテロ原子を含まない芳香族炭化水素基や、フリル基、チエニル基及びピリジル基等の芳香族複素環基等が挙げられる。
以上説明したXの中では、LogSの値を低くしやすい点と、所望する添加効果を得やすい点とから、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基等の分岐鎖アルキル基や、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基及びジシクロペンタニル基等の環状の脂肪族炭化水素基や、フェニル基及びナフチル基等の芳香族炭化水素基が好ましい。
としての、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基及び置換基を有してもよい芳香族炭化水素基の置換基は、Wとしての2価の環式基が有していてもよい置換基と同様である。
式(c2)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である。
、R及びRとしての置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基は、Xとしての置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基と同様である。
また、R、R及びRとしての置換基を有してもよい芳香族炭化水素基は、Xとしての置換基を有してもよい芳香族炭化水素基と同様である。
式(c2)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である。
及びRとしての置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基は、Xとしての置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基と同様である。
また、R及びRとしての置換基を有してもよい芳香族炭化水素基は、Xとしての置換基を有してもよい芳香族炭化水素基と同様である。
式(c2)中、Rは、R~Rとの立体障害が小さい点から、メチル基が好ましい。
式(c2)中、R~Rは、メチル基、エチル基、n-プロピル基が好ましい。
式(c2)中、R~Rは、合成の容易さや工業上入手の容易しやすさの点から、水素原子が好ましい。
式(c2)中、Y~Yについて、Y~Yのうちのいずれか1つが上記式(c3)又は式(c4)で表される3価の基であり、当該3価の基が有する3つの結合手のうち一つの結合手がAに連結される。また、Y~Yのうちの2つが、それぞれ独立に、-CR-、-NR-、-O-及び-S-からなる群より選択される2価の基である。
例えば、Yが式(c3)で表される基であり、Y及びYがそれぞれ-CR-である場合、式(c2)で表される含窒素複素環基、すなわち、(c1)中のZは、式(c2-1)で表される1価の基である。また、Yが式(c4)で表される基であり、Y及びYがそれぞれ-CR-である場合、式(c2)で表される含窒素複素環基は、式(c2-2)で表される1価の基である。また、Yが-CR-であり、Yが-O-であり、Yが式(c3)で表される基である場合、式(c2)で表される含窒素複素環基は、式(c2-3)で表される1価の基である。
Figure 0007118770000042
式(c3)中、Rは、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である。
としての置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基は、Xとしての置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基と同様である。
また、Rとしての置換基を有してもよい芳香族炭化水素基は、Xとしての置換基を有してもよい芳香族炭化水素基と同様である。
~YにおけるR、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である。
、R及びRとしての置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基は、Xとしての置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基と同様である。
また、R、R及びRとしての置換基を有してもよい芳香族炭化水素基は、Xとしての置換基を有してもよい芳香族炭化水素基と同様である。
また、含窒素複素環化合物(C)の溶解度Sの常用対数値LogSは-4.00以下である。例えば、上記式(c1)に該当する化合物が使用されても、LogSが-4.00より大きいと、形状が悪くなる。
LogSは、上記のとおり溶解度Sの常用対数値である。LogSは、Windows(登録商標)版chemdraw(登録商標) prime(16.0)で算出される値である。なお、LogS値は、Windows版chemdraw prime(16.0)と同様の値が算出できるのであれば、Windows版chemdraw prime(16.0)以外のソフト等を用いて算出してもよい。
含窒素複素環化合物(C)のLogS値は、-4.00以下であればよく、例えば、-4.20以下でもよい。また、含窒素複素環化合物(C)のLogS値は、-15.00以上が好ましく、-8.00以上がより好ましい。
含窒素複素環化合物(C)の具体例として、下記化合物が挙げられる。
Figure 0007118770000043
また、上記化合物の具体例においては、A及びAが、-COO-、-OCO-、-CONH-又は-NHCO-である例について示したが、上記化合物において、-COO-、-OCO-、-CONH-、-NHCO-を、単結合、又は、-O-、-CO-、-OCOO-、-NH-、-NHCONH-、-S-、-SO-、又は、-SO-に変更した化合物も、上記式(c1)で表される化合物の具体例として挙げられる。
含窒素複素環化合物(C)は、周知の反応を適宜組み合わせて合成できる。以下に含窒素複素環化合物(C)の合成方法例を示す。
式(c1)で表され、Aが-OCO-であり、Aが-COO-であり、Xが置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である化合物は、下記式に示すように2段階のエステル化反応により合成することができる。
具体的には、まず、X-OHで表されるアルコールと、W-(COOH)で表されるジカルボン酸化合物又はその無水物とを反応させてエステル化を行うことにより、下記反応式中に記載のジカルボン酸のモノエステル化合物(中間体)を得る。その後、下記反応式中に記載のジカルボン酸のモノエステル化合物と、Z-OHで表されるアルコールとを反応させて、目的の化合物を得る。2段階のエステル化反応はどちらを先におこなってもよく、Z-OHで表されるアルコールとW-(COOH)で表されるジカルボン酸化合物又はその無水物とを反応させてエステル化を行った後に、X-OHで表されるアルコールと反応させてもよい。
なお、下記反応式中に記載のジカルボン酸のモノエステル化合物は、式(c1)で表され、Aが-OCO-であり、Aが-COO-であり、Xが水素原子である化合物である。
Figure 0007118770000044
エステル化の方法は特に限定されない。好適なエステル化方法としては、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン等の触媒の存在下にカルボジイミド化合物等の縮合剤を作用させ、カルボン酸化合物と、アルコールとを縮合させる方法が挙げられる。また、カルボン酸化合物を、塩化チオニルや三塩化リン等のハロゲン化剤と反応させてカルボン酸ハライドを生成させた後、アルコールと反応させてもよい。
式(c1)で表され、Aが-NHCO-であり、Aが-CONH-である化合物は、下記式に示すように2段階のアミド化反応により合成することができる。
具体的には、まず、X-NHで表されるアミン化合物と、W-(COOH)で表されるジカルボン酸化合物又はその無水物とを反応させてアミド化を行うことにより、下記反応式中に記載のジカルボン酸のモノアミド化合物(中間体)を得る。その後、下記反応式中に記載のジカルボン酸のモノアミド化合物と、Z-NHで表されるアミン化合物又はアンモニアとを反応させて目的の化合物を得る。2段階のアミド化反応はどちらを先におこなってもよく、Z-NHで表されるアミン化合物とW-(COOH)で表されるジカルボン酸化合物又はその無水物とを反応させてアミド化を行った後に、X-NHで表されるアミン化合物又はアンモニアと反応させてもよい。
Figure 0007118770000045
アミド化の方法は特に限定されない。好適なアミド化方法としては、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン等の触媒の存在下にカルボジイミド化合物等の縮合剤を作用させ、カルボン酸化合物、該カルボン酸化合物のハロゲン化物や該カルボン酸化合物の酸無水物とアミンとを縮合させる方法が挙げられる。
上記エステル化やアミド化反応における原料(Z-OH、Z-NH等)は、市販品を用いてもよく、また、ピペリジン、ピペラジンや、モルホリン等に対して、周知のアルキル化方法や、カップリング反応を適用して、目的とする化合物に応じてR~Rを導入することにより合成されてもよい。
以上、式(c1)で表される化合物の製造方法について、A及びAがエステル結合又はカルボン酸アミド結合である場合について説明した。なお、A及びAがエステル結合及びカルボン酸アミド以外の結合である場合についても、エーテル結合生成反応、アシル化反応、カーボネート結合生成反応、アミノ基に対するN-置換基導入反応、ウレタン結合生成反応、チオエーテル結合生成反応、スルホキシド結合生成反応(例えば、チオエーテル結合の酸化)、及びスルホン結合生成反応についての周知の方法を適用することにより、式(c1)で表される化合物を製造可能である。
含窒素複素環化合物(C)は、上記樹脂(B)及び後述するアルカリ可溶性樹脂(D)の合計質量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上5質量部以下の範囲で用いられ、より好ましくは0.01質量部以上3質量部以下の範囲で用いられ、さらに好ましくは0.05質量部以上2質量部以下の範囲で用いられる。
<アルカリ可溶性樹脂(D)>
感光性樹脂組成物は、クラック耐性を向上させるため、さらにアルカリ可溶性樹脂(D)を含有することが好ましい。ここで、アルカリ可溶性樹脂とは、樹脂濃度20質量%の樹脂溶液(溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)により、膜厚1μmの樹脂膜を基板上に形成し、2.38質量%のTMAH水溶液に1分間浸漬した際、0.01μm以上溶解するものをいう。アルカリ可溶性樹脂(D)としては、ノボラック樹脂(D1)、ポリヒドロキシスチレン樹脂(D2)、及びアクリル樹脂(D3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。
[ノボラック樹脂(D1)]
ノボラック樹脂は、例えばフェノール性水酸基を有する芳香族化合物(以下、単に「フェノール類」という。)とアルデヒド類とを酸触媒下で付加縮合させることにより得られる。
上記フェノール類としては、例えば、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-エチルフェノール、m-エチルフェノール、p-エチルフェノール、o-ブチルフェノール、m-ブチルフェノール、p-ブチルフェノール、2,3-キシレノール、2,4-キシレノール、2,5-キシレノール、2,6-キシレノール、3,4-キシレノール、3,5-キシレノール、2,3,5-トリメチルフェノール、3,4,5-トリメチルフェノール、p-フェニルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、没食子酸、没食子酸エステル、α-ナフトール、β-ナフトール等が挙げられる。
上記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。
付加縮合反応時の触媒は、特に限定されるものではないが、例えば酸触媒では、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、シュウ酸、酢酸等が使用される。
なお、o-クレゾールを使用すること、樹脂中の水酸基の水素原子を他の置換基に置換すること、あるいは嵩高いアルデヒド類を使用することにより、ノボラック樹脂の柔軟性を一層向上させることが可能である。
ノボラック樹脂(D1)の質量平均分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、1000以上50000以下であることが好ましい。
[ポリヒドロキシスチレン樹脂(D2)]
ポリヒドロキシスチレン樹脂(D2)を構成するヒドロキシスチレン系化合物としては、p-ヒドロキシスチレン、α-メチルヒドロキシスチレン、α-エチルヒドロキシスチレン等が挙げられる。
さらに、ポリヒドロキシスチレン樹脂(D2)は、スチレン樹脂との共重合体とすることが好ましい。このようなスチレン樹脂を構成するスチレン系化合物としては、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン等が挙げられる。
ポリヒドロキシスチレン樹脂(D2)の質量平均分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、1000以上50000以下であることが好ましい。
[アクリル樹脂(D3)]
アクリル樹脂(D3)としては、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位、及びカルボキシ基を有する重合性化合物から誘導された構成単位を含むことが好ましい。
上記エーテル結合を有する重合性化合物としては、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル結合及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等を例示することができる。上記エーテル結合を有する重合性化合物は、好ましくは、2-メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレートである。これらの重合性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記カルボキシ基を有する重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸類;2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2-メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2-メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシ基及びエステル結合を有する化合物;等を例示することができる。上記カルボキシ基を有する重合性化合物は、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。これらの重合性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル樹脂(D3)の質量平均分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、50000以上800000以下であることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(D)の含有量は、上記樹脂(B)とアルカリ可溶性樹脂(D)との合計を100質量部とした場合、0質量部以上80質量部以下が好ましく、0質量部以上60質量部以下がより好ましい。アルカリ可溶性樹脂(D)の含有量を上記の範囲とすることによりクラック耐性を向上させやすい。
<含硫黄化合物(E)>
感光性樹脂組成物が金属基板上でのパターン形成に用いられる場合、感光性樹脂組成物が、含硫黄化合物(E)を含むのが好ましい。含硫黄化合物(E)は、金属に対して配位し得る硫黄原子を含む化合物である。なお、2以上の互変異性体を生じ得る化合物に関して、少なくとも1つの互変異性体が金属基板の表面を構成する金属に対して配位する硫黄原子を含む場合、当該化合物は含硫黄化合物に該当する。
Cu等の金属からなる表面上に、めっき用の鋳型として用いられるレジストパターンを形成する場合、フッティング等の断面形状の不具合が生じやすい。しかし、感光性樹脂組成物が含硫黄化合物(E)を含む場合、基板における金属からなる表面上にレジストパターンを形成する場合でも、フッティング等の断面形状の不具合の発生を抑制しやすい。なお、「フッティング」とは、基板表面とレジストパターンの接触面付近においてレジスト部が非レジスト部側に張り出してしまうことによって、非レジスト部においてトップの幅よりもボトムの幅のほうが狭くなる現象である。
感光性樹脂組成物が金属基板以外の基板上でのパターン形成に用いられる場合、感光性樹脂組成物が含硫黄化合物を含む必要は特段ない。感光性樹脂組成物が金属基板以外の基板上でのパターン形成に用いられる場合、感光性樹脂組成物の成分数の低減により、感光性樹脂組成物の製造が容易である点や、感光性樹脂組成物の製造コストを低減できる点等から、感光性樹脂組成物が含硫黄化合物(E)を含まないのが好ましい。
なお、金属基板以外の基板上でのパターン形成に用いられる感光性樹脂組成物が含硫黄化合物(E)を含むことによる不具合は特段ない。
金属に対して配位し得る硫黄原子は、例えば、メルカプト基(-SH)、チオカルボキシ基(-CO-SH)、ジチオカルボキシ基(-CS-SH)、及びチオカルボニル基(-CS-)等として含硫黄化合物に含まれる。
金属に対して配位しやすく、フッティングの抑制効果に優れることから、含硫黄化合物がメルカプト基を有するのが好ましい。
メルカプト基を有する含硫黄化合物の好ましい例としては、下記式(e1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007118770000046
(式中、Re1及びRe2は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し、Re3は単結合又はアルキレン基を示し、Re4は炭素以外の原子を含んでいてもよいu価の脂肪族基を示し、uは2以上4以下の整数を示す。)
e1及びRe2がアルキル基である場合、当該アルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、直鎖状であるのが好ましい。Re1及びRe2がアルキル基である場合、当該アルキル基の炭素原子数は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。当該アルキル基の炭素原子数としては、1以上4以下が好ましく、1又は2であるのが特に好ましく、1であるのが最も好ましい。Re1とRe2との組み合わせとしては、一方が水素原子であり他方がアルキル基であるのが好ましく、一方が水素原子であり他方がメチル基であるのが特に好ましい。
e3がアルキレン基である場合、当該アルキレン基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、直鎖状であるのが好ましい。Re3がアルキレン基である場合、当該アルキレン基の炭素原子数は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。当該アルキレン基の炭素原子数としては、1以上10以下が好ましく、1以上5以下がより好ましく、1又は2であるのが特に好ましく、1であるのが最も好ましい。
e4は炭素以外の原子を含んでいてもよい2価以上4価以下の脂肪族基である。Re4が含んでいてもよい炭素以外の原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。Re4である脂肪族基の構造は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状であってもよく、これらの構造を組み合わせた構造であってもよい。
式(e1)で表される化合物の中では、下記式(e2)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0007118770000047
(式(e2)中、Re4及びuは、式(e1)と同意である。)
上記式(e2)で表される化合物の中では、下記の化合物が好ましい。
Figure 0007118770000048
下記式(e3-L1)~(e3-L7)で表される化合物も、メルカプト基を有する含硫黄化合物の好ましい例として挙げられる。
Figure 0007118770000049
(式(e3-L1)~(e3-L7)中、R’、s”、A”、及びrは、アクリル樹脂(B3)について前述した、式(b-L1)~(b-L7)と同様である。)
上記式(e3-L1)~(e3-L7)で表されるメルカプト化合物の好適な具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 0007118770000050
下記式(e3-1)~(e3-4)で表される化合物も、メルカプト基を有する含硫黄化合物の好ましい例として挙げられる。
Figure 0007118770000051
(式(e3-1)~(e3-4)中の略号の定義については、アクリル樹脂(B3)に関して前述した、式(3-1)~(3-4)について前述した通りである。)
上記式(e3-1)~(e3-4)で表されるメルカプト化合物の好適な具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 0007118770000052
また、メルカプト基を有する化合物の好適な例として、下記式(e4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007118770000053
(式(e4)において、Re5は、水酸基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数1以上4以下のアルキルチオ基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基、炭素数1以上4以下のメルカプトアルキル基、炭素数1以上4以下のハロゲン化アルキル基及びハロゲン原子からなる群より選択される基であり、n1は0以上3以下の整数であり、n0は0以上3以下の整数であり、n1が2又は3である場合、Re5は同一であっても異なっていてもよい。)
e5が炭素原子数1以上4以下の水酸基を有していてもよいアルキル基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、及びtert-ブチル基が挙げられる。これらのアルキル基の中では、メチル基、ヒドロキシメチル基、及びエチル基が好ましい。
e5が炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基である場合の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、及びtert-ブチルオキシ基が挙げられる。これらのアルコキシ基の中では、メトキシ基、及びエトキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
e5が炭素原子数1以上4以下のアルキルチオ基である場合の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、及びtert-ブチルチオ基が挙げられる。これらのアルキルチオ基の中では、メチルチオ基、及びエチルチオ基が好ましく、メチルチオ基がより好ましい。
e5が炭素原子数1以上4以下のヒドロキシアルキル基である場合の具体例としては、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、1-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシ-n-プロピル基、及び4-ヒドロキシ-n-ブチル基等が挙げられる。これらのヒドロキシアルキル基の中では、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、及び1-ヒドロキシエチル基が好ましく、ヒドロキシメチル基がより好ましい。
e5が炭素原子数1以上4以下のメルカプトアルキル基である場合の具体例としては、メルカプトメチル基、2-メルカプトエチル基、1-メルカプトエチル基、3-メルカプト-n-プロピル基、及び4-メルカプト-n-ブチル基等が挙げられる。これらのメルカプトアルキル基の中では、メルカプトメチル基、2-メルカプトエチル基、及び1-メルカプトエチル基が好ましく、メルカプトメチル基がより好ましい。
e5が炭素原子数1以上4以下のハロゲン化アルキル基である場合、ハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。Re5が炭素原子数1以上4以下のハロゲン化アルキル基である場合の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、フルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリフルオロメチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基、2-フルオロエチル基、1,2-ジクロロエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、1-クロロ-2-フルオロエチル基、3-クロロ-n-プロピル基、3-ブロモ-n-プロピル基、3-フルオロ-n-プロピル基、及び4-クロロ-n-ブチル基等が挙げられる。これらのハロゲン化アルキル基の中では、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、フルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、及びトリフルオロメチル基が好ましく、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、及びトリフルオロメチル基がより好ましい。
e5がハロゲン原子である場合の具体例としては、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素が挙げられる。
式(e4)において、n1は0以上3以下の整数であり、1がより好ましい。n1が2又は3である場合、複数のRe5は同一であっても異なっていてもよい。
式(e4)で表される化合物において、ベンゼン環上のRe5の置換位置は特に限定されない。ベンゼン環上のRe5の置換位置は-(CHn0-SHの結合位置に対してメタ位又はパラ位であるのが好ましい。
式(e4)で表される化合物としては、Re5として、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、及びメルカプトアルキル基からなる群より選択される基を、少なくとも1つ有する化合物が好ましく、Re5として、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、及びメルカプトアルキル基からなる群より選択される基を1つ有する化合物がより好ましい。式(e4)で表される化合物が、Re5として、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、及びメルカプトアルキル基からなる群より選択される基を1つ有する場合、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、又はメルカプトアルキル基のベンゼン環上の置換位置は、-(CHn0-SHの結合位置に対してメタ位又はパラ位であるのが好ましく、パラ位であるのがより好ましい。
式(e4)において、n0は0以上3以下の整数である。化合物の調製や、入手が容易であることからnは0又は1であるのが好ましく、0であるのがより好ましい。
式(e4)で表される化合物の具体例としては、p-メルカプトフェノール、p-チオクレゾール、m-チオクレゾール、4-(メチルチオ)ベンゼンチオール、4-メトキシベンゼンチオール、3-メトキシベンゼンチオール、4-エトキシベンゼンチオール、4-イソプロピルオキシベンゼンチオール、4-tert-ブトキシベンゼンチオール、3,4-ジメトキシベンゼンチオール、3,4,5-トリメトキシベンゼンチオール、4-エチルベンゼンチオール、4-イソプロピルベンゼンチオール、4-n-ブチルベンゼンチオール、4-tert-ブチルベンゼンチオール、3-エチルベンゼンチオール、3-イソプロピルベンゼンチオール、3-n-ブチルベンゼンチオール、3-tert-ブチルベンゼンチオール、3,5-ジメチルベンゼンチオール、3,4-ジメチルベンゼンチオール、3-tert-ブチル-4-メチルベンゼンチオール、3-tert-4-メチルベンゼンチオール、3-tert-ブチル-5-メチルベンゼンチオール、4-tert-ブチル-3-メチルベンゼンチオール、4-メルカプトベンジルアルコール、3-メルカプトベンジルアルコール、4-(メルカプトメチル)フェノール、3-(メルカプトメチル)フェノール、1,4-ジ(メルカプトメチル)フェノール、1,3-ジ(メルカプトメチル)フェノール、4-フルオロベンゼンチオール、3-フルオロベンゼンチオール、4-クロロベンゼンチオール、3-クロロベンゼンチオール、4-ブロモベンゼンチオール、4-ヨードベンゼンチオール、3-ブロモベンゼンチオール、3,4-ジクロロベンゼンチオール、3,5-ジクロロベンゼンチオール、3,4-ジフルオロベンゼンチオール、3,5-ジフルオロベンゼンチオール、4-メルカプトカテコール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メルカプトフェノール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシベンゼンチオール、4-ブロモ-3-メチルベンゼンチオール、4-(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール、3-(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール、3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール、4-メチルチオベンゼンチオール、4-エチルチオベンゼンチオール、4-n-ブチルチオベンゼンチオール、及び4-tert-ブチルチオベンゼンチオール等が挙げられる。
またメルカプト基を有する含硫黄化合物としては、メルカプト基で置換された含窒素芳香族複素環を含む化合物、及びメルカプト基で置換された含窒素芳香族複素環を含む化合物の互変異性体が挙げられる。
含窒素芳香族複素環の好適な具体例としては、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、1,2,3-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン、インドール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、1H-ベンゾトリアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、及び1,8-ナフチリジンが挙げられる。
含硫黄化合物として好適な含窒素複素環化合物、及び含窒素複素環化合物の互変異性体の好適な具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 0007118770000054
感光性樹脂組成物が含硫黄化合物(E)を含む場合、その使用量は、上記樹脂(B)及び後述するアルカリ可溶性樹脂(D)の合計質量100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下が好ましく、0.02質量部以上3質量部以下がより好ましく、0.05質量部以上2質量部以下が特に好ましい。
<酸拡散制御剤(F)>
感光性樹脂組成物は、鋳型として使用されるレジストパターンの形状や、感光性樹脂膜の引き置き安定性等の向上のため、さらに酸拡散制御剤(F)を含有することが好ましい。なお、感光性樹脂組成物が含有する上記含窒素複素環化合物(C)は酸拡散制御剤として機能し得る。本明細書においては、酸拡散制御剤(F)は、含窒素複素環化合物(C)以外の化合物として定義される。酸拡散制御剤(F)としては、含窒素化合物(F1)が好ましく、さらに必要に応じて、有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(F2)を含有させることができる。
[含窒素化合物(F1)]
含窒素化合物(F1)としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリ-n-ペンチルアミン、トリベンジルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、n-ヘキシルアミン、n-ヘプチルアミン、n-オクチルアミン、n-ノニルアミン、エチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノジフェニルアミン、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N-メチルピロリドン、メチルウレア、1,1-ジメチルウレア、1,3-ジメチルウレア、1,1,3,3,-テトラメチルウレア、1,3-ジフェニルウレア、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4-メチルイミダゾール、8-オキシキノリン、アクリジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、2,4,6-トリ(2-ピリジル)-S-トリアジン、モルホリン、4-メチルモルホリン、ピペラジン、1,4-ジメチルピペラジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピリジン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、4-ヒドロキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン誘導体等の市販のヒンダードアミン化合物や、2,6-ジフェニルピリジン、及び2,6-ジ-tert-ブチルピリジン等の2,6-位を炭化水素基等の置換基で置換されたピリジンを含窒素化合物(F1)として用いることもできる。
含窒素化合物(F1)は、上記樹脂(B)及び上記アルカリ可溶性樹脂(D)の合計質量100質量部に対して、通常0質量部以上5質量部以下の範囲で用いられ、0質量部以上3質量部以下の範囲で用いられることが特に好ましい。
[有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(F2)]
有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(F2)のうち、有機カルボン酸としては、具体的には、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸等が好適であり、特にサリチル酸が好ましい。
リンのオキソ酸又はその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ-n-ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸及びそれらのエステルのような誘導体;ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸-ジ-n-ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体;ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体;等が挙げられる。これらの中でも、特にホスホン酸が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(F2)は、上記樹脂(B)及び上記アルカリ可溶性樹脂(D)の合計質量100質量部に対して、通常0質量部以上5質量部以下の範囲で用いられ、0質量部以上3質量部以下の範囲で用いられることが特に好ましい。
また、塩を形成させて安定させるために、有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(F2)は、上記含窒素化合物(F1)と同等量を用いることが好ましい。
<有機溶剤(S)>
感光性樹脂組成物は、有機溶剤(S)を含有する。有機溶剤(S)の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来よりポジ型の感光性樹脂組成物に使用されている有機溶剤から適宜選択して使用することができる。
有機溶剤(S)の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2-ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル、モノフェニルエーテル等の多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサン等の環式エーテル類;蟻酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシプロピオン酸メチル、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
有機溶剤(S)の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。感光性樹脂組成物を、スピンコート法等により得られる感光性樹脂層の膜厚が5μm以上となるような厚膜用途で用いる場合、感光性樹脂組成物の固形分濃度が30質量%以上55質量%以下となる範囲で、有機溶剤(S)を用いるのが好ましい。
<その他の成分>
感光性樹脂組成物は、可塑性を向上させるため、さらにポリビニル樹脂を含有していてもよい。ポリビニル樹脂の具体例としては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリヒドロキシスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル安息香酸、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルフェノール、及びこれらの共重合体等が挙げられる。ポリビニル樹脂は、ガラス転移点の低さの点から、好ましくはポリビニルメチルエーテルである。
また、感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物を用いて形成される鋳型と金属基板との接着性を向上させるため、さらに接着助剤を含有していてもよい。
また、感光性樹脂組成物は、塗布性、消泡性、レベリング性等を向上させるため、さらに界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤が好ましく用いられる。
フッ素系界面活性剤の具体例としては、BM-1000、BM-1100(いずれもBMケミー社製)、メガファックF142D、メガファックF172、メガファックF173、メガファックF183(いずれも大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC-135、フロラードFC-170C、フロラードFC-430、フロラードFC-431(いずれも住友スリーエム社製)、サーフロンS-112、サーフロンS-113、サーフロンS-131、サーフロンS-141、サーフロンS-145(いずれも旭硝子社製)、SH-28PA、SH-190、SH-193、SZ-6032、SF-8428(いずれも東レシリコーン社製)等の市販のフッ素系界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シリコーン系界面活性剤としては、未変性シリコーン系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、ポリエステル変性シリコーン系界面活性剤、アルキル変性シリコーン系界面活性剤、アラルキル変性シリコーン系界面活性剤、及び反応性シリコーン系界面活性剤等を好ましく用いることができる。
シリコーン系界面活性剤としては、市販のシリコーン系界面活性剤を用いることができる。市販のシリコーン系界面活性剤の具体例としては、ペインタッドM(東レ・ダウコーニング社製)、トピカK1000、トピカK2000、トピカK5000(いずれも高千穂産業社製)、XL-121(ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、クラリアント社製)、BYK-310(ポリエステル変性シリコーン系界面活性剤、ビックケミー社製)等が挙げられる。
また、感光性樹脂組成物は、現像液に対する溶解性の微調整を行うため、酸、酸無水物、又は高沸点溶媒をさらに含有していてもよい。
酸及び酸無水物の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、n-酪酸、イソ酪酸、n-吉草酸、イソ吉草酸、安息香酸、桂皮酸等のモノカルボン酸類;乳酸、2-ヒドロキシ酪酸、3-ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、m-ヒドロキシ安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ桂皮酸、3-ヒドロキシ桂皮酸、4-ヒドロキシ桂皮酸、5-ヒドロキシイソフタル酸、シリンギン酸等のヒドロキシモノカルボン酸類;シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、1,2,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸類;無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス無水トリメリタート、グリセリントリス無水トリメリタート等の酸無水物;等を挙げることができる。
また、高沸点溶媒の具体例としては、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアニリド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1-オクタノール、1-ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ-ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセタート等を挙げることができる。
また、感光性樹脂組成物は、感度を向上させるため、増感剤をさらに含有していてもよい。
このような、酸発生剤(A)と、樹脂(B)と、含窒素複素環化合物(C)とを含み、必要に応じて、アルカリ可溶性樹脂(D)、含硫黄化合物(E)、酸拡散抑制剤(F)、及び有機溶剤(S)等の成分を含んでいてもよい感光性樹脂組成物(化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物)は、感光性樹脂組成物の塗膜に対して、130℃で5分間加熱(プリベーク)した後、23℃において2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウムの水溶液に30秒間接触させる操作を間隔をあけて2回行ったのちに純水でリンスを行ったときの膜減り速度が、0.1μm/min以上0.5μm/min以下であることが好ましい。なお、膜減り速度は、以下の式で求められる。
膜減り速度(μm/min)=(プリベーク後操作前の膜厚(μm)-2回の操作後の膜厚(μm))/水酸化テトラメチルアンモニウムの接触時間(min)
(式中、「操作」は、23℃において2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウムの水溶液に30秒間接触させる操作を意味する。「膜厚」は感光性樹脂組成物の塗膜の膜厚を意味する。また、接触時間は、30秒×2、すなわち1分間である。)
ここで、膜減り速度が速いと、感光性樹脂組成物を用いて形成されたパターンの、めっき造形物を作製するときに用いるめっき液に対する耐性が悪化しやすい。このため、従来用いられている感光性樹脂組成物については、膜減り速度を低くするように設計されている場合が多い。
他方、上記の感光性樹脂組成物では、露光後の引き置き経時安定性(PED:post exposure delay)の向上の観点と、断面形状が良好な矩形であるパターンの形成の観点とから、例えば0.1μm/min以上0.5μm/min以下のような、従来用いられている感光性樹脂組成物の膜減り速度よりも高めの膜減り速度が好ましい。
この場合、露光後の引き置き経時安定性(PED:post exposure delay)が良好である感光性樹脂組成物を得やすい。露光された感光性樹脂層を長時間放置した場合、現像時のパターン形状の不具合が感光性樹脂層の表面付近に現れやすい。しかし、上記の膜減り速度を適切な範囲で高めに設定すると、感光性樹脂層の表面が現像時にわずかに溶解することによって、引き置きによる現像後のパターン形状の不具合を緩和することができる。
このような膜減り速度を採用する場合、例えば露光後現像開始までの引き置き時間を9時間以上としても、CD(Critical Dimension)変動は10%以内と小さくすることが容易である。
感光性樹脂組成物について、膜減り速度を上記の好ましい範囲内に調整する方法は特に限定されない。膜減り速度の調製方法の好ましい方法としては、アルカリ可溶性樹脂(D)の含有量を調整する方法が挙げられる。感光性樹脂組成物中のアルカリ可溶性樹脂(D)の含有量が多いほど、上記の膜減り速度が高まる。
また、膜減り速度の調整方法の他の好ましい方法としては、樹脂(B)における、アルカリ可溶性基を有するモノマーに由来する単位の量を調整する方法が挙げられる。樹脂(B)における、アルカリ可溶性基を有するモノマーに由来する単位の量が多いほど、上記の膜減り速度が高まる。
アルカリ可溶性基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、及びクロトン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、及びイタコン酸等のジカルボン酸類;2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2-メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸、及び2-メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシ基及びエステル結合を有するメタクリル酸誘導体類;ヒドロキシスチレン、α-メチルヒドロキシスチレン、及びα-エチルヒドロキシスチレン等のフェノール性水酸基を有するビニル基含有芳香族化合物類等が挙げられる。
<化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物の調製方法>
化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物は、上記の各成分を通常の方法で混合、撹拌して調製される。上記の各成分を、混合、撹拌する際に使用できる装置としては、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミル等が挙げられる。上記の各成分を均一に混合した後に、得られた混合物を、さらにメッシュ、メンブランフィルタ等を用いて濾過してもよい。
≪感光性ドライフィルム≫
感光性ドライフィルムは、基材フィルムと、該基材フィルムの表面に形成された感光性樹脂層とを有し、感光性樹脂層が前述の感光性樹脂組成物からなるものである。
基材フィルムとしては、光透過性を有するものが好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等が挙げられるが、光透過性及び破断強度のバランスに優れる点でポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。
基材フィルム上に、前述の感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂層を形成することにより、感光性ドライフィルムが製造される。
基材フィルム上に感光性樹脂層を形成するに際しては、アプリケーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター等を用いて、基材フィルム上に乾燥後の膜厚が好ましくは0.5μm以上300μm以下、より好ましくは1μm以上300μm以下、特に好ましくは3μm以上100μm以下となるように感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥させる。
感光性ドライフィルムは、感光性樹脂層の上にさらに保護フィルムを有していてもよい。この保護フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等が挙げられる。
≪パターン化されたレジスト膜、及び鋳型付き基板の製造方法≫
上記説明した感光性樹脂組成物を用いて、金属表面を有する基板上に、パターン化されたレジスト膜を形成する方法は特に限定されない。かかるパターン化されたレジスト膜は、絶縁膜、エッチングマスク、及びめっき造形物を形成するための鋳型等として好適に用いられる。
好適な方法としては、
金属表面を有する基板上に、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を積層する積層工程と、
感光性樹脂層に、位置選択的に活性光線又は放射線を照射して露光する露光工程と、
露光後の感光性樹脂層を現像する現像工程と、
を含む、パターン化されたレジスト膜の製造方法が挙げられる。
めっき造形物を形成するための鋳型を備える鋳型付基板の製造方法は、金属表面を有する基板の金属表面上に感光性樹脂層を積層することと、現像工程において、現像によりめっき造形物を形成するための鋳型を作成することの他は、パターン化されたレジスト膜の製造方法と同様である。
感光性樹脂層を積層する基板としては、金属表面を有する基板が用いられる。金属表面を構成する金属種としては、銅、金、アルミニウムが好ましく、銅がより好ましい。上記の感光性樹脂組成物は、焦点深度(DOF)のマージンが広いため、基板表面の平坦性によらず、種々の基板を用いることができる。
感光性樹脂層は、例えば以下のようにして、基板上に積層される。すなわち、液状の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、加熱により溶媒を除去することによって所望の膜厚の感光性樹脂層を形成する。感光性樹脂層の厚さは、鋳型となるレジストパターンを所望の膜厚で形成できる限り特に限定されない。感光性樹脂層の膜厚は特に限定されないが、0.5μm以上が好ましく、0.5μm以上300μm以下がより好ましく、1μm以上150μm以下が特に好ましく、3μm以上100μm以下が最も好ましい。
基板上への感光性樹脂組成物の塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法等の方法を採用することができる。感光性樹脂層に対してはプレベークを行うのが好ましい。プレベーク条件は、感光性樹脂組成物中の各成分の種類、配合割合、塗布膜厚等によって異なるが、通常は70℃以上200℃以下で、好ましくは80℃以上150℃以下で、2分以上120分以下程度である。
上記のようにして形成された感光性樹脂層に対して、所定のパターンのマスクを介して、活性光線又は放射線、例えば波長が300nm以上500nm以下の紫外線又は可視光線が選択的に照射(露光)される。
放射線の線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガスレーザー等を用いることができる。また、放射線には、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、γ線、電子線、陽子線、中性子線、イオン線等が含まれる。放射線照射量は、感光性樹脂組成物の組成や感光性樹脂層の膜厚等によっても異なるが、例えば超高圧水銀灯使用の場合、100mJ/cm以上10000mJ/cm以下である。また、放射線には、酸を発生させるために、酸発生剤(A)を活性化させる光線が含まれる。
露光後は、公知の方法を用いて感光性樹脂層を加熱することにより酸の拡散を促進させて、感光性樹脂膜中の露光された部分において、感光性樹脂層のアルカリ溶解性を変化させる。
次いで、露光された感光性樹脂層を、従来知られる方法に従って現像し、不要な部分を溶解、除去することにより、所定のレジストパターン、又はめっき造形物を形成するための鋳型が形成される。この際、現像液としては、アルカリ性水溶液が使用される。
現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n-プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(水酸化テトラメチルアンモニウム)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]-5-ノナン等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。また、上記アルカリ類の水溶液にメタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像時間は、感光性樹脂組成物の組成や感光性樹脂層の膜厚等によっても異なるが、通常1分以上30分以下の間である。現像方法は、液盛り法、ディッピング法、パドル法、スプレー現像法等のいずれでもよい。
現像後は、流水洗浄を30秒以上90秒以下の間行い、エアーガンや、オーブン等を用いて乾燥させる。このようにして、金属表面を有する基板の金属表面上に、所望する形状にパターン化されたレジストパターンが形成される。また、このようにして、金属表面を有する基板の金属表面上に、鋳型となるレジストパターンを備える鋳型付き基板を製造できる。
≪めっき造形物の製造方法≫
上記の方法により形成された鋳型付き基板の鋳型中の非レジスト部(現像液で除去された部分)に、めっきにより金属等の導体を埋め込むことにより、例えば、バンプ及びメタルポスト等の接続端子や、Cu再配線のようなめっき造形物を形成することができる。なお、めっき処理方法は特に制限されず、従来から公知の各種方法を採用することができる。めっき液としては、特にハンダめっき、銅めっき、金めっき、ニッケルめっき液が好適に用いられる。残っている鋳型は、最後に、常法に従って剥離液等を用いて除去される。
めっき造形物を製造する際、めっき造形物形成用の鋳型となるレジストパターンの非パターン部において露出された金属表面に対してアッシング処理を行うのが好ましい場合がある。
具体的には、例えば、含硫黄化合物(E)を含む感光性樹脂組成物を用いて形成されたパターンを鋳型として用いてめっき造形物を形成する場合である。この場合、めっき造形物の金属表面に対する密着性が損なわれやすい場合がある。この不具合は、前述の式(e1)で表される含硫黄化合物(E)や、式(e4)で表される含硫黄化合物(E)を用いる場合に顕著である。
しかし、上記のアッシング処理を行うと、含硫黄化合物(E)を含む感光性樹脂組成物を用いて形成されたパターンを鋳型として用いても、金属表面に良好に密着しためっき造形物を形成しやすい。
なお、メルカプト基で置換された含窒素芳香族複素環を含む化合物を含硫黄化合物(E)として用いる場合については、めっき造形物の密着性に関する上記の問題は、ほとんどないか軽度である。このため、メルカプト基で置換された含窒素芳香族複素環を含む化合物を含硫黄化合物(E)として用いる場合は、アッシング処理を行なわずとも金属表面に対する密着性が良好なめっき造形物を形成しやすい。
アッシング処理は、めっき造形物形成用の鋳型となるレジストパターンに、所望する形状のめっき造形物を形成できない程度のダメージを与えない方法であれば特に限定されない。
好ましいアッシング処理方法としては酸素プラズマを用いる方法が挙げられる。基板上の金属表面を、酸素プラズマを用いてアッシングするためには、公知の酸素プラズマ発生装置を用いて酸素プラズマを発生させ、当該酸素プラズマを基板上の金属表面に対して照射すればよい。
酸素プラズマの発生に用いられるガスには、本発明の目的を阻害しない範囲で、従来、酸素とともにプラズマ処理に用いられている種々のガスを混合することができる。かかるガスとしては、例えば、窒素ガス、水素ガス、及びCFガス等が挙げられる。
酸素プラズマを用いるアッシング条件は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、処理時間は、例えば10秒以上20分以下の範囲であり、好ましくは20秒以上18分以下の範囲であり、より好ましくは30秒以上15分以下の範囲である。
酸素プラズマによる処理時間を上記の範囲に設定することで、レジストパターンの形状の変化をもたらすことなく、めっき造形物の密着性改良の効果を奏しやすくなる。
上記の方法によれば、断面形状が良好な矩形であるレジストパターンを、めっき造形物形成用の鋳型として用いることができるため、めっき造形物と基板表面との広い接触面積を確保しやすく、基板への密着性に優れるめっき造形物を製造することができる。
なお、下記式(c1-a)で表される化合物は新規化合物である。下記式(c1-a)で表される化合物は、式(c1)において、Wが置換基を有してもよい2価の環式基(W)に限定されていること以外は、式(c1)と同じであり、式(c1-a)中のZ、A、A、X、式(c2)中のR~R、Y~Y、式(c3)中のR、及び、R~Rはそれぞれ式(c1)におけるものとそれぞれ同様である。また、式(c1-a)中のWとしての置換基を有してもよい2価の環式基は、式(c1)中のWにおける置換基を有してもよい2価の環式基と同様である。
-A-W-A-X (c1-a)
(式(c1-a)中、Zは下記式(c2):
Figure 0007118770000055
で表される含窒素複素環基であり、
及びAは、それぞれ独立に、単結合、又は、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-NH-、-CONH-、-NHCO-、-NHCONH-、-S-、-SO-、及び-SO-からなる群より選択される2価の基であり、
は、置換基を有してもよい2価の環式基であり、
は、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、
式(c2)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、
~Yのうちのいずれか1つが下記式(c3)又は式(c4):
Figure 0007118770000056
で表される3価の基であり、当該3価の基が有する3つの結合手のうち一つの結合手がAに連結され、
式(c3)中、Rは、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、
~Yのうちの2つが、それぞれ独立に、-CR-、-NR-、-O-及び-S-からなる群より選択される2価の基であり、
、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である。)
式(c1-a)で表される化合物は、上記の感光性樹脂組成物以外の感光性樹脂組成物に含有させることもでき、また、感光性樹脂組成物以外の用途に用いることもできる。
式(c1-a)で表される化合物のLogS値は限定されないが、例えば上記の感光性樹脂組成物にも用いることができるという観点では、-4.00以下であることが好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔調製例1〕
(メルカプト化合物E1の合成)
調製例1では、含硫黄化合物(E)として、下記構造のメルカプト化合物E1を合成した。
Figure 0007118770000057
フラスコ内に、7-オキサノルボルナ-5-エン-2,3-ジカルボン酸無水物15.00gと、テトラヒドロフラン150.00gを加えて撹拌した。次いで、フラスコ内に、チオ酢酸(AcSH)7.64gを加え、室温で3.5時間撹拌した。その後、反応液を濃縮して、5-アセチルチオ-7-オキサノルボルナン-2,3-ジカルボン酸無水物22.11gを得た。
5-アセチルチオ-7-オキサノルボルナン-2,3-ジカルボン酸無水物22.11gと、濃度10質量%の水酸化ナトリウム水溶液30.11gとをフラスコ内に加えた後、室温で、フラスコの内容物を2時間撹拌した。次いで、フラスコ内に、濃度20質量%の塩酸(80.00g)を加えて、反応液を酸性にした。その後、酢酸エチル200gによる抽出を4回行い、メルカプト化合物E1を含む抽出液を得た。抽出液を濃縮して回収された残渣に対して、テトラヒドロフラン(THF)25.11gを加えて溶解させた。得られたTHF溶液に、ヘプタンを滴下してメルカプト化合物E1を析出させ、析出したメルカプト化合物E1をろ過により回収した。メルカプト化合物E1のH-NMRの測定結果を以下に記す。
H-NMR(DMSO-d6):δ12.10(s,2H),4.72(d,1H),4.43(s,1H),3.10(t,1H),3.01(d,1H),2.85(d,1H),2.75(d,1H),2.10(t,1H),1.40(m,1H)
Figure 0007118770000058
〔調製例2〕
(含窒素複素環化合物C1の合成)
調製例2では、含窒素複素環化合物(C)として、下記含窒素複素環化合物C1を合成した。
Figure 0007118770000059
5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物1.00g(6.09mmol)(東京化成工業製)を、2-プロパノール10g中に溶解させ、60℃で6時間撹拌したのち、2-プロパノールを減圧留去することで、中間体を得た。中間体と4-ヒドロキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン1.04g(6.09mmol)(東京化成工業製)とを塩化メチレン10gに溶解させ、WSC・HCl(カルボジイミド化合物の塩酸塩)1.45g(7.61mmol)を加え室温で24時間撹拌した。反応液を濾過し析出物を除去したのち、1%塩酸10gで1回、純水10gで3回洗浄した後、10%水酸化ナトリウム水溶液10gで1回、純水10gで3回洗浄し、その後、溶剤を留去することで、目的のC1を1.29g得た。C1のH-NMRの測定結果を以下に記す。また、反応式を以下に示す。
H-NMR(DMSO-d6):δ6.10(m,2H),4.87-4.72(m,2H),3.23(m、2H),3.10(m,2H),2.15(s,3H),1.73(m,2H),1.35-1.22(m,4H),1.20-1.10(m,6H),1.07(d,6H),0.98(d,6H)
Figure 0007118770000060
〔調製例3〕
(含窒素複素環化合物C2の合成)
調製例3では、含窒素複素環化合物(C)として、下記含窒素複素環化合物C2を合成した。
Figure 0007118770000061
5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物1.00gをフタル酸無水物0.902gに変更した以外は調製例3と同様に合成しC2を1.19g得た。C2のH-NMRの測定結果を以下に記す。また、反応式を以下に示す。
H-NMR(DMSO-d6):δ7.80-7.60(m,4H),5.20-5.08(m,2H),2.20(s、3H),1.92(dd,2H),1.45(t,2H),1.26(d,6H),1.11(s,6H),1.08(s,6H)
Figure 0007118770000062
〔調製例4〕
(含窒素複素環化合物C3の合成)
調製例4では、含窒素複素環化合物(C)として、下記含窒素複素環化合物C3を合成した。
Figure 0007118770000063
窒素雰囲気下-20℃に冷却したフラスコ内に1.13M LDA(リチウムジイソプロピルアミド)のヘキサン溶液を5.97mL加えた。次いで、t-ブチルアルコール0.500gを溶解させたTHF(テトラヒドロフラン)溶液5.00gをフラスコ内に滴下した。30分間、-20℃でフラスコの内容物を撹拌した後、フタル酸無水物1.00g(6.75mmol)を溶解させたTHF溶液10.0gをフラスコ内に滴下した。滴下後、フラスコの内容物の温度を室温まで上昇させながら、内容物を4時間撹拌した。撹拌後、水15gを加え反応を停止した。分液操作で水相を回収した後、t-ブチルメチルエーテル10gで3回、回収された水相を洗浄した。洗浄された水相に10%塩酸水溶液をpHが1になるまで加えた後、塩化メチレン10gで3回抽出した。塩化メチレン相を水洗した後、塩化メチレン相の溶媒を留去した。得られた粗成生物を塩化メチレン、ヘプタンで再沈殿し中間体を1.01g得た。中間体と4-ヒドロキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン0.777g(4.54mmol)(東京化成工業製)とを塩化メチレン10gに溶解させ、WSC・HCl 1.08g(5.67mmol)を加え室温で24時間撹拌した。反応液を濾過し析出物を除去した後、1%塩酸10gで1回、純水10gで3回洗浄した後、10%水酸化ナトリウム水溶液10gで1回、純水10gで3回洗浄し、その後、溶剤を留去することで目的のC3を0.851g得た。C3のH-NMRの測定結果を以下に記す。また、反応式を以下に示す。
H-NMR(DMSO-d6):δ7.80-7.60(m,4H),5.20-5.10(m,1H),2.18(s、3H), 1.90(dd,2H),1.47(t,2H),1.20(s,9H),1.10(s,6H),1.05(s,6H)
Figure 0007118770000064
〔調製例5〕
(含窒素複素環化合物C’2の合成)
調製例5では、下記添加剤C’2を合成した。
Figure 0007118770000065
4-ヒドロキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン1.00g(5.74mmol)(東京化成工業製)と、コハク酸モノ-tert-ブチルエステル(東京化成工業製)1.00g(5.74mmol)を塩化メチレン10gに溶解させ、WSC・HCl 1.37g(7.17mmol)を加え室温で24時間撹拌した。反応液を濾過し析出物を除去した後、1%塩酸10gで1回、純水10gで3回洗浄した後、10%水酸化ナトリウム水溶液10gで1回、純水10gで3回洗浄し、その後、溶剤を留去することで目的のC’2を1.33g得た。C’2のH-NMRの測定結果を以下に記す。また、反応式を以下に示す。
H-NMR(DMSO-d6):δ4.93(m,1H),2.44(m,4H),2.13(s,3H),1.78(dd,2H),1.41-1.31(m,11H),1.08(s,6H),1.05(s,6H)
Figure 0007118770000066
〔実施例1~12、及び比較例1~10〕
実施例1~12、及び比較例1~10では、酸発生剤(A)として下記式の化合物A1を用いた。
Figure 0007118770000067
実施例1~12、及び比較例1~10では、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(樹脂(B))として、以下の樹脂B1、B2、B3及びB4を用いた。下記構造式における各構成単位中の括弧の右下の数字は、各樹脂中の構成単位の含有量(質量%)を表す。樹脂B1の質量平均分子量Mwは106,000である。樹脂B2の質量平均分子量Mwは106,000である。樹脂B3の数平均分子量は106,000である。樹脂B4の質量平均分子量Mwは40,000であり、分散度(Mw/Mn)は2.6である。
Figure 0007118770000068
含窒素複素環化合物(C)として、実施例1~12では上記のC1~C3を用いた。比較例1~10では、含窒素複素環化合物(C)の代替の添加剤(C’)として、下記のC’1、C’2及びC’3を用いた。
Windows版chemdraw prime(16.0)で算出されたC1、C2、C3、C’1、C’2及びC’3のLogS値は、以下の通りである。
C1:-4.245
C2:-5.052
C3:-5.384
C’1:-1.473
C’2:-3.370
C’3:-4.222
Figure 0007118770000069
アルカリ可溶性樹脂(D)としては、以下の樹脂D1及びD2を用いた。
D1:ポリヒドロキシスチレン樹脂(p-ヒドロキシスチレン:スチレン=85:15(質量比)の共重合体、質量平均分子量(Mw)2500、分散度(Mw/Mn)2.4)
D2:ノボラック樹脂(m-クレゾール単独縮合体(質量平均分子量(Mw)8000)
含硫黄化合物(E)として、調製例1で得たメルカプト化合物E1を用いた。
それぞれ表1に記載の種類及び量の、酸発生剤(A)と、樹脂(B)と、含窒素複素環化合物(C)又は添加剤(C’)と、アルカリ可溶性樹脂(D)と、含硫黄化合物(E)と、界面活性剤(BYK310、ビックケミー社製)0.05質量部とを、固形分濃度が40質量%となるように、3-メトキシブチルアセテート(MA)とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PM)との混合溶剤(MA/PM=6/4(質量比))に溶解させて、各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を得た。
得られた感光性樹脂組成物を用いて、以下の方法に従って、形状と、焦点深度(DOF)のマージンと、膜減り速度と、PEDとを評価した。これらの評価結果を表1に記す。
[形状の評価]
実施例、及び比較例の感光性樹脂組成物を、直径8インチの銅基板上に塗布し、膜厚7μmの感光性樹脂層(感光性樹脂組成物の塗膜)を形成した。次いで、感光性樹脂層を130℃で5分間プリベークした。プリベーク後、ライン幅2μmスペース幅2μmのラインアンドスペースパターンのマスクと露光装置Prisma GHI5452(ウルトラテック社製)とを用いて、所定のサイズのパターンを形成可能な最低露光量の1.2倍の露光量にて、ghi線でパターン露光した。次いで、パターン露光後9時間経過した後に、基板をホットプレート上に載置して90℃で1.5分間の露光後加熱(PEB)を行った。PEBの直後に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38重量%水溶液(現像液、NMD-3、東京応化工業株式会社製)を露光された感光性樹脂層に滴下した後に23℃で30秒間静置する操作を、計2回繰り返して行った。その後、レジストパターン表面を流水洗浄(リンス)した後に、窒素ブローしてレジストパターンを得た。このレジストパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡により観察して、パターンの断面形状を評価した。
具体的には、レジストパターンの基板に接触する面とは反対の面(トップ)がフラット(平面状)であり、レジストパターン断面のトップの幅がレジストパターン断面の厚さ方向中間部分のパターン幅とほぼ同じ場合に○評価とした。また、レジストパターンのトップがラウンドする(丸くなる)か、レジストパターン断面のトップの幅がレジストパターン断面の厚さ方向中間部分のパターン幅と大きく異なる場合を×評価とした。なお、全ての実施例において、レジストパターン断面の厚さ方向中間部分のパターン幅は、レジストパターン断面の基板に接触する面(ボトム)の幅とほぼ同じであった。
[焦点深度(DOF)のマージンの評価]
[形状の評価]と同様の方法により、ライン幅2μmスペース幅2μmのラインアンドスペースパターンを形成した。この時、パターンが独立して自立可能である焦点の範囲を調べた。
焦点の範囲が32μm以上である場合を◎と判定し、焦点の範囲が28μm以上32μm未満である場合を○と判定し、焦点の範囲が28μm未満である場合を×と判定した。
[膜減り速度の評価]
実施例、及び比較例の感光性樹脂組成物を、Si基板上に塗布し、膜厚7μmの感光性樹脂層(感光性樹脂組成物の塗膜)を形成した。次いで、感光性樹脂層を130℃で5分間プリベークした。プリベーク後、感光性樹脂層に対して、23℃において2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウムの水溶液に30秒間接触させる操作を間隔をあけて2回行った後、感光性樹脂層を純水でリンスした。プリベーク後、感光性樹脂層に対して23℃において2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウムの水溶液に30秒間接触させる操作を行う前の感光性樹脂層の厚さ、及び、リンス後の感光性樹脂層の厚さを測定し、前者から後者を引いた値を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38重量%水溶液を感光性樹脂層に接触させた時間(接触時間の合計である1分間)で除した値を、膜減り速度とした。結果を表1に示す。
[PEDの評価]
[形状の評価]と同様の方法により、ライン幅2μmスペース幅2μmのラインアンドスペースパターンを形成した。この時、パターン露光後、露光後加熱(PEB)を行うまでの時間を、0時間(パターン露光直後にPEB)又は9時間として、それぞれレジストパターンを形成した。パターン露光直後にPEBを行った場合に得られたレジストパターンの最上部の線幅の平均値に対する、パターン露光後、PEBを行うまでの時間を9時間にした場合に得られたレジストパターンの最上部の線幅の平均値の割合(CD(Critical Dimension)変動率)を、求めた。
CD変動率が10%以内である場合を○と判定し、CD変動率が10%より大きい場合を×と判定した。結果を表1に示す。
Figure 0007118770000070
実施例1~12によれば、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)とに加えて、式(c1)で表されLogS値が-4.00以下である含窒素複素環化合物(C)を含むポジ型の感光性樹脂組成物は、断面形状が良好な矩形であるレジストパターンを形成でき、且つ、焦点深度(DOF)のマージンが広いことが分かる。
また、実施例1~9によれば、上記評価における膜減り量が、0.1μm/min以上0.5μm/min以下であったことも分かる。
また、実施例1~9によれば、PEDにも優れていることも分かる。
他方、比較例1~10によれば、ポジ型の感光性樹脂組成物に、含窒素複素環化合物(C)に変えて、含窒素複素環化合物(C)に該当しない含窒素複素環化合物である添加剤(C’)を含有させる場合、レジストパターンのトップの断面形状が丸くなり、断面形状が良好な矩形であるレジストパターンを形成しにくいことが分かる。また、比較例1~10では、焦点深度(DOF)のマージンの評価における焦点の範囲は24μm以下であり、焦点深度のマージンが狭かった。

Claims (10)

  1. 活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)と、含窒素複素環化合物(C)とを含有し、
    前記含窒素複素環化合物(C)が、下記化合物から選択される少なくとも一種の化合物である、化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 0007118770000071
  2. 前記化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物の塗膜に対して、130℃で5分間加熱した後、23℃において2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウムの水溶液に30秒間接触させる操作を間隔をあけて2回行ったのちに純水でリンスを行ったときの膜減り速度が、0.1μm/min以上0.5μm/min以下である、請求項1に記載の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物。
  3. さらに、アルカリ可溶性樹脂(D)を含有する、請求項1又は2に記載の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物。
  4. 前記アルカリ可溶性樹脂(D)が、ノボラック樹脂(D1)、ポリヒドロキシスチレン樹脂(D2)、及びアクリル樹脂(D3)からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項に記載の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物。
  5. さらに、金属に対して配位し得る硫黄原子を含む、含硫黄化合物(E)を含有する、請求項1~のいずれか1項に記載の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物。
  6. 基材フィルムと、前記基材フィルムの表面に形成された感光性樹脂層とを有し、前記感光性樹脂層が請求項1~のいずれか1項に記載の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物からなる感光性ドライフィルム。
  7. 基材フィルム上に、請求項1~のいずれか1項に記載の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂層を形成することを含む、感光性ドライフィルムの製造方法。
  8. 金属表面を有する基板上に、請求項1~のいずれか1項に記載の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を積層する積層工程と、
    前記感光性樹脂層に、位置選択的に活性光線又は放射線を照射して露光する露光工程と、
    露光後の前記感光性樹脂層を現像する現像工程と、を含む、パターン化されたレジスト膜の製造方法。
  9. 金属表面を有する基板上に、請求項1~のいずれか1項に記載の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を積層する積層工程と、
    前記感光性樹脂層に、活性光線又は放射線を照射して露光する露光工程と、
    露光後の前記感光性樹脂層を現像して、めっき造形物を形成するための鋳型を作成する現像工程と、を含む、鋳型付き基板の製造方法。
  10. 請求項に記載の方法により製造される前記鋳型付き基板にめっきを施して、前記鋳型内にめっき造形物を形成する工程を含む、めっき造形物の製造方法。
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