JP2023086444A - めっき造形物である端子、電極、又は配線を備える基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】めっき造形物である端子、電極、又は配線を基板上に形成するためのめっき用の鋳型として使用されるパターン化された樹脂膜を、化学増幅型ポジ型感光性組成物の1回の塗布で、十分な厚さで形成し得る、めっき造形物である端子、電極、又は配線を備える基板の製造方法、及びめっき用の鋳型を備える基板の製造方法と、前述のめっき用の鋳型を備える基板の製造方法において用いられる化学増幅型ポジ型感光性組成物とを提供すること。【解決手段】活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)、及び酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)を含む化学増幅型ポジ型感光性組成物において、重量平均分子量が、15,000以下である樹脂(B)を用い、樹脂(B)に、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含有させ、アクリル樹脂(B1)を架橋し得る化合物である架橋剤(C)を用いる。【選択図】なし
Description
本発明は、化学増幅型ポジ型感光性組成物を用いて基板上にめっき用の鋳型として使用されるパターン化された樹脂膜を形成することを含む、めっき造形物である端子、電極、又は配線を備える基板の製造方法、及びめっき用の鋳型を備える基板の製造方法と、前述のめっき用の鋳型を備える基板の製造方法において用いられる化学増幅型ポジ型感光性組成物とに関する。
現在、ホトファブリケーションが精密微細加工技術の主流となっている。ホトファブリケーションとは、ホトレジスト組成物を被加工物表面に塗布してホトレジスト層を形成し、ホトリソグラフィー技術によってホトレジスト層をパターニングし、パターニングされたホトレジスト層(ホトレジストパターン)をマスクとして化学エッチング、電解エッチング、又は電気めっきを主体とするエレクトロフォーミング等を行って、半導体パッケージ等の各種精密部品を製造する技術の総称である。
また、近年、電子機器のダウンサイジングに伴い、半導体パッケージの高密度実装技術が進み、パッケージの多ピン薄膜実装化、パッケージサイズの小型化、フリップチップ方式による2次元実装技術、3次元実装技術に基づいた実装密度の向上が図られている。このような高密度実装技術においては、接続端子として、例えば、パッケージ上に突出したバンプ等の突起電極(実装端子)や、ウェーハ上のペリフェラル端子から延びる再配線と実装端子とを接続するメタルポスト等が基板上に高精度に配置される。
上記のようなホトファブリケーションにはホトレジスト組成物が使用されるが、そのようなホトレジスト組成物としては、酸発生剤を含む化学増幅型感光性組成物が知られている(特許文献1、2等を参照)。化学増幅型感光性組成物は、放射線照射(露光)により酸発生剤から酸が発生し、加熱処理により酸の拡散が促進されて、組成物中のベース樹脂等に対し酸触媒反応を起こし、そのアルカリ溶解性が変化するというものである。
このような化学増幅型感光性組成物は、パターン化された絶縁膜や、エッチング用マスクの形成の他、例えばめっき工程によるバンプ、メタルポスト、及びCu再配線のようなめっき造形物の形成等に用いられている。具体的には、化学増幅型感光性組成物を用いて、金属基板のような支持体上に所望の膜厚のホトレジスト層を形成し、所定のマスクパターンを介して露光し、現像して、めっき造形物を形成する部分が選択的に除去(剥離)された鋳型として使用されるパターン化されたレジスト膜を形成する。そして、この除去された部分(非レジスト部)に銅等の導体をめっきによって埋め込んだ後、その周囲のレジスト膜を除去することにより、バンプ、メタルポスト、及びCu再配線を形成することができる。
上記の通り、めっき造形物である端子、電極、又は配線を基板上に形成する場合、化学増幅型感光性組成物を用いて、基板上にめっき用の鋳型として使用されるパターン化された樹脂膜が形成されることが多い。
ここで、端子、電極、又は配線等がある程度の高さや厚さを有するため、端子、電極、又は配線等を形成するためのめっき用の鋳型にも、端子、電極、又は配線等の高さや厚さに応じた、例えば50μm以上や60μm以上の厚さが望まれる。
他方で、化学増幅型感光性組成物からなる感光層を基板上に形成するためには、容易さの点で、スピンコート法等の塗布法が適用されることが多い。しかし、スピンコート法等の塗布法により、化学増幅型感光性組成物からなる感光層を基板上に形成する場合、感光性層の膜厚50μmや60μm以上の厚さにするために、複数回の塗布がしばしば必要になる。
このような問題に対して、化学増幅型感光性組成物の固形分濃度を高くすることにより、1回の塗布で形成される膜の厚さを厚くできる。しかし、この場合、塗布そのものが困難であったり、塗布できても均一な塗布が困難であったりする。
ここで、端子、電極、又は配線等がある程度の高さや厚さを有するため、端子、電極、又は配線等を形成するためのめっき用の鋳型にも、端子、電極、又は配線等の高さや厚さに応じた、例えば50μm以上や60μm以上の厚さが望まれる。
他方で、化学増幅型感光性組成物からなる感光層を基板上に形成するためには、容易さの点で、スピンコート法等の塗布法が適用されることが多い。しかし、スピンコート法等の塗布法により、化学増幅型感光性組成物からなる感光層を基板上に形成する場合、感光性層の膜厚50μmや60μm以上の厚さにするために、複数回の塗布がしばしば必要になる。
このような問題に対して、化学増幅型感光性組成物の固形分濃度を高くすることにより、1回の塗布で形成される膜の厚さを厚くできる。しかし、この場合、塗布そのものが困難であったり、塗布できても均一な塗布が困難であったりする。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、めっき造形物である端子、電極、又は配線を基板上に形成するためのめっき用の鋳型として使用されるパターン化された樹脂膜を、化学増幅型ポジ型感光性組成物の1回の塗布で、十分な厚さで形成し得る、めっき造形物である端子、電極、又は配線を備える基板の製造方法、及びめっき用の鋳型を備える基板の製造方法と、前述のめっき用の鋳型を備える基板の製造方法において用いられる化学増幅型ポジ型感光性組成物とを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)、及び酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)を含む化学増幅型ポジ型感光性組成物において、重量平均分子量が、15,000以下である樹脂(B)を用い、樹脂(B)に、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含有させ、アクリル樹脂(B1)を架橋し得る化合物である架橋剤(C)を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
本発明の第1の態様は、化学増幅型ポジ型感光性組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により基板上にパターン化された樹脂膜を形成する、樹脂膜形成工程と、
パターン化された樹脂膜をめっき用の鋳型として用いてめっきを行うことにより、鋳型内にめっき造形物を形成する、めっき工程と、
基板上の鋳型を剥離する、剥離工程と、を含み、
化学増幅型ポジ型感光性組成物が、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)と、架橋剤(C)とを含み、
樹脂(B)の重量平均分子量が、15,000以下であり、
樹脂(B)が、アクリル樹脂(B1)を含み、
アクリル樹脂(B1)が、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含み、
架橋剤(C)が、フェノール性水酸基との反応によりアクリル樹脂(B1)を架橋し得る化合物であり、
樹脂膜形成工程において、基板上に化学増幅型ポジ型感光性組成物を塗布して形成された塗布膜に対して、120℃以上の温度での加熱を行う、めっき造形物である端子、電極、又は配線を備える基板の製造方法である。
パターン化された樹脂膜をめっき用の鋳型として用いてめっきを行うことにより、鋳型内にめっき造形物を形成する、めっき工程と、
基板上の鋳型を剥離する、剥離工程と、を含み、
化学増幅型ポジ型感光性組成物が、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)と、架橋剤(C)とを含み、
樹脂(B)の重量平均分子量が、15,000以下であり、
樹脂(B)が、アクリル樹脂(B1)を含み、
アクリル樹脂(B1)が、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含み、
架橋剤(C)が、フェノール性水酸基との反応によりアクリル樹脂(B1)を架橋し得る化合物であり、
樹脂膜形成工程において、基板上に化学増幅型ポジ型感光性組成物を塗布して形成された塗布膜に対して、120℃以上の温度での加熱を行う、めっき造形物である端子、電極、又は配線を備える基板の製造方法である。
本発明の第2の態様は、化学増幅型ポジ型感光性組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により、基板上にめっき用の鋳型として使用されるパターン化された樹脂膜を形成する、めっき用の鋳型を備える基板の製造方法であって、
化学増幅型ポジ型感光性組成物が、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)と、架橋剤(C)とを含み、
樹脂(B)の重量平均分子量が、15,000以下であり、
樹脂(B)が、アクリル樹脂(B1)を含み、
アクリル樹脂(B1)が、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含み、
架橋剤(C)が、フェノール性水酸基との反応によりアクリル樹脂(B1)を架橋し得る化合物であり、
基板上に化学増幅型ポジ型感光性組成物を塗布して形成された塗布膜に対して、120℃以上の温度での加熱を行う、めっき用の鋳型を備える基板の製造方法である。
化学増幅型ポジ型感光性組成物が、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)と、架橋剤(C)とを含み、
樹脂(B)の重量平均分子量が、15,000以下であり、
樹脂(B)が、アクリル樹脂(B1)を含み、
アクリル樹脂(B1)が、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含み、
架橋剤(C)が、フェノール性水酸基との反応によりアクリル樹脂(B1)を架橋し得る化合物であり、
基板上に化学増幅型ポジ型感光性組成物を塗布して形成された塗布膜に対して、120℃以上の温度での加熱を行う、めっき用の鋳型を備える基板の製造方法である。
本発明の第3の態様は、化学増幅型ポジ型感光性組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により、基板上にめっき用の鋳型として使用されるパターン化された樹脂膜を形成することを含み、
化学増幅型ポジ型感光性組成物を基板上に塗布して形成された塗布膜が、120℃以上の温度で加熱される、めっき用の鋳型を備える基板の製造方法において使用される化学増幅型ポジ型感光性組成物であって、
化学増幅型ポジ型感光性組成物が、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)と、架橋剤(C)とを含み、
樹脂(B)が、アクリル樹脂(B1)を含み、
アクリル樹脂(B1)が、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含み、
架橋剤(C)が、フェノール性水酸基との反応によりアクリル樹脂(B1)を架橋し得る化合物である、化学増幅型ポジ型感光性組成物である。
化学増幅型ポジ型感光性組成物を基板上に塗布して形成された塗布膜が、120℃以上の温度で加熱される、めっき用の鋳型を備える基板の製造方法において使用される化学増幅型ポジ型感光性組成物であって、
化学増幅型ポジ型感光性組成物が、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)と、架橋剤(C)とを含み、
樹脂(B)が、アクリル樹脂(B1)を含み、
アクリル樹脂(B1)が、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含み、
架橋剤(C)が、フェノール性水酸基との反応によりアクリル樹脂(B1)を架橋し得る化合物である、化学増幅型ポジ型感光性組成物である。
本発明によれば、めっき造形物である端子、電極、又は配線を基板上に形成するためのめっき用の鋳型として使用されるパターン化された樹脂膜を、化学増幅型ポジ型感光性組成物の1回の塗布で、十分な厚さで形成し得る、めっき造形物である端子、電極、又は配線を備える基板の製造方法、及びめっき用の鋳型を備える基板の製造方法と、前述のめっき用の鋳型を備える基板の製造方法において用いられる化学増幅型ポジ型感光性組成物とを提供することができる。
≪めっき造形物である端子、電極、又は配線を備える基板の製造方法≫
めっき造形物である端子、電極、又は配線を備える基板の製造方法は、
化学増幅型ポジ型感光性組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により基板上にパターン化された樹脂膜を形成する、樹脂膜形成工程と、
パターン化された樹脂膜をめっき用の鋳型として用いてめっきを行うことにより、鋳型内にめっき造形物を形成する、めっき工程と、
基板上の鋳型を剥離する、剥離工程と、を含む。
樹脂膜形成工程では、基板上に化学増幅型ポジ型感光性組成物を塗布して形成された塗布膜に対して、120℃以上の温度での加熱が行われる。
めっき造形物である端子、電極、又は配線を備える基板の製造方法は、
化学増幅型ポジ型感光性組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により基板上にパターン化された樹脂膜を形成する、樹脂膜形成工程と、
パターン化された樹脂膜をめっき用の鋳型として用いてめっきを行うことにより、鋳型内にめっき造形物を形成する、めっき工程と、
基板上の鋳型を剥離する、剥離工程と、を含む。
樹脂膜形成工程では、基板上に化学増幅型ポジ型感光性組成物を塗布して形成された塗布膜に対して、120℃以上の温度での加熱が行われる。
樹脂膜形成工程において用いられる化学増幅型ポジ型感光性組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)と、架橋剤(C)とを含む。
樹脂(B)の重量平均分子量は、15,000以下である。
樹脂(B)は、アクリル樹脂(B1)を含む。
アクリル樹脂(B1)は、フェノール性水酸基を有するアクリルモノマーに由来する構成単位を含む。
架橋剤(C)は、フェノール性水酸基との反応によりアクリル樹脂(B1)を架橋し得る化合物である。
樹脂(B)の重量平均分子量は、15,000以下である。
樹脂(B)は、アクリル樹脂(B1)を含む。
アクリル樹脂(B1)は、フェノール性水酸基を有するアクリルモノマーに由来する構成単位を含む。
架橋剤(C)は、フェノール性水酸基との反応によりアクリル樹脂(B1)を架橋し得る化合物である。
以下、樹脂膜形成工程、めっき工程、及び剥離工程について説明する。
<樹脂膜形成工程>
樹脂膜形成工程では、化学増幅型ポジ型感光性組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により基板上にパターン化された樹脂膜を形成する。
樹脂膜形成工程では、化学増幅型ポジ型感光性組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により基板上にパターン化された樹脂膜を形成する。
〔基板〕
基板としては、特に限定されず、従来公知の基板を用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、所定の配線パターンが形成された基板等を例示できる。基板としては、シリコン基板やガラス基板等を用いることもできる。
めっき造形物を形成するための鋳型を基板上に形成する場合、基板としては、金属表面を有する基板が好ましく用いられる。金属表面を構成する金属種としては、銅、金、アルミニウムが好ましく、銅がより好ましい。
基板としては、特に限定されず、従来公知の基板を用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、所定の配線パターンが形成された基板等を例示できる。基板としては、シリコン基板やガラス基板等を用いることもできる。
めっき造形物を形成するための鋳型を基板上に形成する場合、基板としては、金属表面を有する基板が好ましく用いられる。金属表面を構成する金属種としては、銅、金、アルミニウムが好ましく、銅がより好ましい。
〔フォトリソグラフィー法〕
化学増幅型ポジ型感光性組成物を用いて、基板上にパターン化された樹脂膜を形成するために適用されるフォトリソグラフィー法では、基板上への化学増幅型ポジ型感光性組成物の塗布による塗布膜の形成と、当該塗布膜への位置選択的な露光と、露光された塗布膜の現像液による現像が行われる。
化学増幅型ポジ型感光性組成物を用いて、基板上にパターン化された樹脂膜を形成するために適用されるフォトリソグラフィー法では、基板上への化学増幅型ポジ型感光性組成物の塗布による塗布膜の形成と、当該塗布膜への位置選択的な露光と、露光された塗布膜の現像液による現像が行われる。
典型的には、基板上に化学増幅型ポジ型感光性組成物を塗布した後、塗布膜を加熱して、有機溶媒のような揮発性の成分を膜から除去される。
樹脂膜形成工程では、基板上に化学増幅型ポジ型感光性組成物を塗布して形成された塗布膜に対して、120℃以上の温度での加熱が行われる。
このような温度で架橋を行うことにより、後述するアクリル樹脂(B1)の架橋剤(C)による架橋が良好に進行する。
塗布膜の熱分解や熱劣化を抑制する観点から、樹脂膜形成工程における、塗布膜の加熱温度は160℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。
樹脂膜形成工程における塗布膜の加熱時間は、所望する効果が損なわれない限り特に限定されない。塗布膜の加熱時間は、典型的には、1分以上120分以下が好ましく、2分以上30分以下がより好ましい。
樹脂膜形成工程では、基板上に化学増幅型ポジ型感光性組成物を塗布して形成された塗布膜に対して、120℃以上の温度での加熱が行われる。
このような温度で架橋を行うことにより、後述するアクリル樹脂(B1)の架橋剤(C)による架橋が良好に進行する。
塗布膜の熱分解や熱劣化を抑制する観点から、樹脂膜形成工程における、塗布膜の加熱温度は160℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。
樹脂膜形成工程における塗布膜の加熱時間は、所望する効果が損なわれない限り特に限定されない。塗布膜の加熱時間は、典型的には、1分以上120分以下が好ましく、2分以上30分以下がより好ましい。
基板上への化学増幅型ポジ型感光性組成物の塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法等の方法を採用することができ、スピンコート法がより好ましい。
化学増幅型ポジ型感光性組成物は、重量平均分子量が15,000以下である分子量の低い樹脂を樹脂(B)として含有する。このため、化学増幅型ポジ型感光性組成物の固形分濃度を高めても、化学増幅型ポジ型感光性組成物の粘度が過度に高くなりにくく、スピンコート法等による化学増幅型ポジ型感光性組成物の塗布が容易である。
そして、化学増幅型ポジ型感光性組成物の固形分濃度を高めることにより、1回の塗布で、厚い塗布膜を形成し得る。
化学増幅型ポジ型感光性組成物は、重量平均分子量が15,000以下である分子量の低い樹脂を樹脂(B)として含有する。このため、化学増幅型ポジ型感光性組成物の固形分濃度を高めても、化学増幅型ポジ型感光性組成物の粘度が過度に高くなりにくく、スピンコート法等による化学増幅型ポジ型感光性組成物の塗布が容易である。
そして、化学増幅型ポジ型感光性組成物の固形分濃度を高めることにより、1回の塗布で、厚い塗布膜を形成し得る。
塗布膜の膜厚は特に限定されないが、0.5μm以上が好ましく、0.5μm以上300μm以下がより好ましく、50μm以上200μm以下がさらにより好ましく、60μm以上150μm以下が特に好ましい。
上記のようにして形成された塗布膜に対して、所定のパターンのマスクを介して、活性光線又は放射線、例えば波長が300nm以上500nm以下の紫外線又は可視光線が選択的に照射(露光)される。
放射線の線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガスレーザー等を用いることができる。また、放射線には、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、γ線、電子線、陽子線、中性子線、イオン線等が含まれる。放射線照射量は、感光性組成物の組成や感光性層の膜厚等によっても異なるが、例えば超高圧水銀灯使用の場合、100mJ/cm2以上10000mJ/cm2以下である。また、放射線には、酸を発生させるために、酸発生剤(A)を活性化させる光線が含まれる。
露光後は、公知の方法を用いて露光された塗布膜を加熱することにより酸の拡散を促進させて、塗布膜中の露光された部分において、塗布膜のアルカリ現像液等の現像液に対する溶解性を変化させる。
次いで、露光された塗布膜を、従来知られる方法に従って現像し、不要な部分を溶解、除去することにより、めっき造形物を形成するための鋳型として、所定の形状にパターン化された樹脂膜が形成される。この際、現像液としては、アルカリ性水溶液が使用される。
現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n-プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]-5-ノナン等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。また、上記アルカリ類の水溶液にメタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像時間は、化学増幅型ポジ型感光性組成物の組成や塗布膜の膜厚等によっても異なるが、通常1分以上30分以下の間である。現像方法は、液盛り法、ディッピング法、パドル法、スプレー現像法等のいずれでもよい。
現像後は、流水洗浄を30秒以上90秒以下の間行い、エアーガンや、オーブン等を用いて乾燥させる。このようにして、基板の表面上に、めっき造形物を形成するための鋳型として、所定の形状にパターン化された樹脂膜が形成される。
このようにして、めっき用の鋳型を備える基板が製造される。
このようにして、めっき用の鋳型を備える基板が製造される。
〔化学増幅型ポジ型感光性組成物〕
化学増幅型ポジ型感光性組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)(以下、酸発生剤(A)とも記す。)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)(以下樹脂(B)とも記す。)と、架橋剤(C)とを含む。以下、化学増幅型ポジ型感光性組成物について、単に「感光性組成物」とも記す。
以下、化学増幅型ポジ型感光性組成物について、必須又は任意の成分と、製造方法とについて説明する。
化学増幅型ポジ型感光性組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)(以下、酸発生剤(A)とも記す。)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)(以下樹脂(B)とも記す。)と、架橋剤(C)とを含む。以下、化学増幅型ポジ型感光性組成物について、単に「感光性組成物」とも記す。
以下、化学増幅型ポジ型感光性組成物について、必須又は任意の成分と、製造方法とについて説明する。
[酸発生剤(A)]
酸発生剤(A)は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物であり、光により直接又は間接的に酸を発生する化合物であれば特に限定されない。酸発生剤(A)としては、以下に説明する、第一~第五の態様の酸発生剤が好ましい。以下、感光性組成物において好適に使用される酸発生剤(A)のうち好適なものについて、第一から第五の態様として説明する。
酸発生剤(A)は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物であり、光により直接又は間接的に酸を発生する化合物であれば特に限定されない。酸発生剤(A)としては、以下に説明する、第一~第五の態様の酸発生剤が好ましい。以下、感光性組成物において好適に使用される酸発生剤(A)のうち好適なものについて、第一から第五の態様として説明する。
酸発生剤(A)における第一の態様としては、下記式(a1)で表される化合物が挙げられる。
上記式(a1)中、X1aは、原子価gの硫黄原子又はヨウ素原子を表し、gは1又は2である。hは括弧内の構造の繰り返し単位数を表す。R1aは、X1aに結合している有機基であり、炭素原子数6以上30以下のアリール基、炭素原子数4以上30以下の複素環基、炭素原子数1以上30以下のアルキル基、炭素原子数2以上30以下のアルケニル基、又は炭素原子数2以上30以下のアルキニル基を表し、R1aは、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールチオカルボニル、アシロキシ、アリールチオ、アルキルチオ、アリール、複素環、アリールオキシ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキレンオキシ、アミノ、シアノ、ニトロの各基、及びハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。R1aの個数はg+h(g-1)+1であり、R1aはそれぞれ互いに同じであっても異なっていてもよい。また、2個以上のR1aが互いに直接、又は-O-、-S-、-SO-、-SO2-、-NH-、-NR2a-、-CO-、-COO-、-CONH-、炭素原子数1以上3以下のアルキレン基、若しくはフェニレン基を介して結合し、X1aを含む環構造を形成してもよい。R2aは炭素原子数1以下5以上のアルキル基又は炭素原子数6以下10以上のアリール基である。
X2aは下記式(a2)で表される構造である。
上記式(a2)中、X4aは炭素原子数1以上8以下のアルキレン基、炭素原子数6以上20以下のアリーレン基、又は炭素原子数8以上20以下の複素環化合物の2価の基を表し、X4aは炭素原子数1以上8以下のアルキル、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ、炭素原子数6以上10以下のアリール、ヒドロキシ、シアノ、ニトロの各基、及びハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。X5aは-O-、-S-、-SO-、-SO2-、-NH-、-NR2a-、-CO-、-COO-、-CONH-、炭素原子数1以上3以下のアルキレン基、又はフェニレン基を表す。hは括弧内の構造の繰り返し単位数を表す。h+1個のX4a及びh個のX5aはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R2aは前述の定義と同じである。
X3a-はオニウムの対イオンであり、下記式(a17)で表されるフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオン又は下記式(a18)で表されるボレートアニオンが挙げられる。
上記式(a17)中、R3aは水素原子の80%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。jはその個数を示し、1以上5以下の整数である。j個のR3aはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記式(a18)中、R4a~R7aは、それぞれ独立にフッ素原子又はフェニル基を表し、該フェニル基の水素原子の一部又は全部は、フッ素原子及びトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。
上記式(a1)で表される化合物中のオニウムイオンとしては、トリフェニルスルホニウム、トリ-p-トリルスルホニウム、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、ビス[4-(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド、ビス〔4-{ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホニオ}フェニル〕スルフィド、ビス{4-[ビス(4-フルオロフェニル)スルホニオ]フェニル}スルフィド、4-(4-ベンゾイル-2-クロロフェニルチオ)フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、7-イソプロピル-9-オキソ-10-チア-9,10-ジヒドロアントラセン-2-イルジ-p-トリルスルホニウム、7-イソプロピル-9-オキソ-10-チア-9,10-ジヒドロアントラセン-2-イルジフェニルスルホニウム、2-[(ジフェニル)スルホニオ]チオキサントン、4-[4-(4-tert-ブチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジ-p-トリルスルホニウム、4-(4-ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、ジフェニルフェナシルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、2-ナフチルメチル(1-エトキシカルボニル)エチルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニルメチルフェナシルスルホニウム、フェニル[4-(4-ビフェニルチオ)フェニル]4-ビフェニルスルホニウム、フェニル[4-(4-ビフェニルチオ)フェニル]3-ビフェニルスルホニウム、[4-(4-アセトフェニルチオ)フェニル]ジフェニルスルホニウム、オクタデシルメチルフェナシルスルホニウム、ジフェニルヨードニウム、ジ-p-トリルヨードニウム、ビス(4-ドデシルフェニル)ヨードニウム、ビス(4-メトキシフェニル)ヨードニウム、(4-オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウム、ビス(4-デシルオキシ)フェニルヨードニウム、4-(2-ヒドロキシテトラデシルオキシ)フェニルフェニルヨードニウム、4-イソプロピルフェニル(p-トリル)ヨードニウム、又は4-イソブチルフェニル(p-トリル)ヨードニウム、等が挙げられる。
上記式(a1)で表される化合物中のオニウムイオンのうち、好ましいオニウムイオンとしては下記式(a19)で表されるスルホニウムイオンが挙げられる。
上記式(a19)中、R8aはそれぞれ独立に水素原子、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアリール、アリールカルボニル、からなる群より選ばれる基を表す。X2aは、上記式(a1)中のX2aと同じ意味を表す。
上記式(a19)で表されるスルホニウムイオンの具体例としては、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、4-(4-ベンゾイル-2-クロロフェニルチオ)フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、4-(4-ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、フェニル[4-(4-ビフェニルチオ)フェニル]4-ビフェニルスルホニウム、フェニル[4-(4-ビフェニルチオ)フェニル]3-ビフェニルスルホニウム、[4-(4-アセトフェニルチオ)フェニル]ジフェニルスルホニウム、ジフェニル[4-(p-ターフェニルチオ)フェニル]ジフェニルスルホニウムが挙げられる。
上記式(a17)で表されるフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンにおいて、R3aはフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、好ましい炭素原子数は1以上8以下、さらに好ましい炭素原子数は1以上4以下である。アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル等の直鎖アルキル基;イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等の分岐アルキル基;さらにシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基等が挙げられ、アルキル基の水素原子がフッ素原子に置換された割合は、通常、80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは100%である。フッ素原子の置換率が80%未満である場合には、上記式(a1)で表されるオニウムフッ素化アルキルフルオロリン酸塩の酸強度が低下する。
特に好ましいR3aは、炭素原子数が1以上4以下、且つフッ素原子の置換率が100%の直鎖状又は分岐状のパーフルオロアルキル基であり、具体例としては、CF3、CF3CF2、(CF3)2CF、CF3CF2CF2、CF3CF2CF2CF2、(CF3)2CFCF2、CF3CF2(CF3)CF、(CF3)3Cが挙げられる。R3aの個数jは、1以上5以下の整数であり、好ましくは2以上4以下、特に好ましくは2又は3である。
好ましいフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンの具体例としては、[(CF3CF2)2PF4]-、[(CF3CF2)3PF3]-、[((CF3)2CF)2PF4]-、[((CF3)2CF)3PF3]-、[(CF3CF2CF2)2PF4]-、[(CF3CF2CF2)3PF3]-、[((CF3)2CFCF2)2PF4]-、[((CF3)2CFCF2)3PF3]-、[(CF3CF2CF2CF2)2PF4]-、又は[(CF3CF2CF2)3PF3]-が挙げられ、これらのうち、[(CF3CF2)3PF3]-、[(CF3CF2CF2)3PF3]-、[((CF3)2CF)3PF3]-、[((CF3)2CF)2PF4]-、[((CF3)2CFCF2)3PF3]-、又は[((CF3)2CFCF2)2PF4]-が特に好ましい。
上記式(a18)で表されるボレートアニオンの好ましい具体例としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート([B(C6F5)4]-)、テトラキス[(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート([B(C6H4CF3)4]-)、ジフルオロビス(ペンタフルオロフェニル)ボレート([(C6F5)2BF2]-)、トリフルオロ(ペンタフルオロフェニル)ボレート([(C6F5)BF3]-)、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート([B(C6H3F2)4]-)等が挙げられる。これらの中でも、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート([B(C6F5)4]-)が特に好ましい。
酸発生剤(A)における第二の態様としては、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(2-フリル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(5-メチル-2-フリル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(5-エチル-2-フリル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(5-プロピル-2-フリル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3,5-ジメトキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3,5-ジエトキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3,5-ジプロポキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3-メトキシ-5-エトキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3-メトキシ-5-プロポキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3,4-メチレンジオキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)フェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(2-ブロモ-4-メトキシ)フェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(2-ブロモ-4-メトキシ)スチリルフェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)スチリルフェニル-s-トリアジン、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-(2-フリル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-(5-メチル-2-フリル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-(3,5-ジメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、トリス(1,3-ジブロモプロピル)-1,3,5-トリアジン、トリス(2,3-ジブロモプロピル)-1,3,5-トリアジン等のハロゲン含有トリアジン化合物、並びにトリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート等の下記式(a3)で表されるハロゲン含有トリアジン化合物が挙げられる。
上記式(a3)中、R9a、R10a、R11aは、それぞれ独立にハロゲン化アルキル基を表す。
また、酸発生剤(A)における第三の態様としては、α-(p-トルエンスルホニルオキシイミノ)-フェニルアセトニトリル、α-(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)-2,4-ジクロロフェニルアセトニトリル、α-(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)-2,6-ジクロロフェニルアセトニトリル、α-(2-クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)-4-メトキシフェニルアセトニトリル、α-(エチルスルホニルオキシイミノ)-1-シクロペンテニルアセトニトリル、並びにオキシムスルホネート基を含有する下記式(a4)で表される化合物が挙げられる。
上記式(a4)中、R12aは、1価、2価、又は3価の有機基を表し、R13aは、置換若しくは未置換の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、又は芳香族基を表し、nは括弧内の構造の繰り返し単位数を表す。
上記式(a4)中、芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等のアリール基や、フリル基、チエニル基等のヘテロアリール基が挙げられる。これらは環上に適当な置換基、例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基等を1個以上有していてもよい。また、R13aは、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が特に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。特に、R12aが芳香族基であり、R13aが炭素原子数1以上4以下のアルキル基である化合物が好ましい。
上記式(a4)で表される酸発生剤としては、n=1のとき、R12aがフェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基のいずれかであって、R13aがメチル基の化合物、具体的にはα-(メチルスルホニルオキシイミノ)-1-フェニルアセトニトリル、α-(メチルスルホニルオキシイミノ)-1-(p-メチルフェニル)アセトニトリル、α-(メチルスルホニルオキシイミノ)-1-(p-メトキシフェニル)アセトニトリル、〔2-(プロピルスルホニルオキシイミノ)-2,3-ジヒドロキシチオフェン-3-イリデン〕(o-トリル)アセトニトリル等が挙げられる。n=2のとき、上記式(a4)で表される酸発生剤としては、具体的には下記式で表される酸発生剤が挙げられる。
また、酸発生剤(A)における第四の態様としては、カチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩が挙げられる。この「ナフタレン環を有する」とは、ナフタレンに由来する構造を有することを意味し、少なくとも2つの環の構造と、それらの芳香族性が維持されていることを意味する。このナフタレン環は炭素原子数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基、水酸基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基等の置換基を有していてもよい。ナフタレン環に由来する構造は、1価基(遊離原子価が1つ)であっても、2価基(遊離原子価が2つ)以上であってもよいが、1価基であることが望ましい(ただし、このとき、上記置換基と結合する部分を除いて遊離原子価を数えるものとする)。ナフタレン環の数は1以上3以下が好ましい。
このようなカチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩のカチオン部としては、下記式(a5)で表される構造が好ましい。
上記式(a5)中、R14a、R15a、R16aのうち少なくとも1つは下記式(a6)で表される基を表し、残りは炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基を表す。あるいは、R14a、R15a、R16aのうちの1つが下記式(a6)で表される基であり、残りの2つはそれぞれ独立に炭素原子数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、これらの末端が結合して環状になっていてもよい。
R14a、R15a、R16aとしての炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、及びn-ヘキシル基が挙げられる。
R14a、R15a、R16aとしての炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、及びn-ヘキシルオキシ基が挙げられる。
R14a、R15a、R16aが置換基を有してもよいフェニル基である場合、好ましい置換基としては、水酸基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基等が挙げられる。
R14a、R15a、R16aとしての炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、及びn-ヘキシル基が挙げられる。
R14a、R15a、R16aとしての炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、及びn-ヘキシルオキシ基が挙げられる。
R14a、R15a、R16aが置換基を有してもよいフェニル基である場合、好ましい置換基としては、水酸基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基等が挙げられる。
上記式(a6)中、R17a、R18aは、それぞれ独立に水酸基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基、又は炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表し、R19aは、単結合又は置換基を有していてもよい炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を表す。l及びmは、それぞれ独立に0以上2以下の整数を表し、l+mは3以下である。ただし、R17aが複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。また、R18aが複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。
R17a、及びR18aとしての炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、及びn-ヘキシルオキシ基が挙げられる。
R17a、及びR18aとしての炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、及びn-ヘキシル基が挙げられる。
R19aとしての、炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エタン-1,2-ジイル基(エチレン基)、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、及びヘキサン-1,6-ジイル基が挙げられる。
R17a、及びR18aとしての炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、及びn-ヘキシルオキシ基が挙げられる。
R17a、及びR18aとしての炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、及びn-ヘキシル基が挙げられる。
R19aとしての、炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エタン-1,2-ジイル基(エチレン基)、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、及びヘキサン-1,6-ジイル基が挙げられる。
上記R14a、R15a、R16aのうち上記式(a6)で表される基の数は、化合物の安定性の点から好ましくは1つであり、残りは炭素原子数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、これらの末端が結合して環状になっていてもよい。この場合、上記2つのアルキレン基は、硫黄原子を含めて3~9員環を構成する。環を構成する原子(硫黄原子を含む)の数は、好ましくは5以上6以下である。
また、上記アルキレン基が有していてもよい置換基としては、酸素原子(この場合、アルキレン基を構成する炭素原子とともにカルボニル基を形成する)、水酸基等が挙げられる。
また、フェニル基が有していてもよい置換基としては、水酸基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基等が挙げられる。
これらのカチオン部として好適なものとしては、下記式(a7)、(a8-1)、及び(a8-2)で表されるもの等を挙げることができ、特に下記式(a8-1)、及び式(a8-2)で表される構造が好ましい。
このようなカチオン部としては、ヨードニウム塩であってもスルホニウム塩であってもよいが、酸発生効率等の点からスルホニウム塩が望ましい。
従って、カチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩のアニオン部として好適なものとしては、スルホニウム塩を形成可能なアニオンが望ましい。
このような酸発生剤のアニオン部としては、水素原子の一部又は全部がフッ素化されたフルオロアルキルスルホン酸イオン又はアリールスルホン酸イオンである。
フルオロアルキルスルホン酸イオンにおけるアルキル基は、炭素原子数1以上20以下の直鎖状でも分岐状でも環状でもよく、発生する酸の嵩高さとその拡散距離から、炭素原子数1以上10以下であることが好ましい。特に、分岐状や環状のものは拡散距離が短いため好ましい。また、安価に合成可能なことから、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等を好ましいものとして挙げることができる。
アリールスルホン酸イオンにおけるアリール基は、炭素原子数6以上20以下のアリール基であって、アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもされていなくてもよいフェニル基、ナフチル基が挙げられる。特に、安価に合成可能なことから、炭素原子数6以上10以下のアリール基が好ましい。好ましいものの具体例として、フェニル基、トルエンスルホニル基、エチルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基等を挙げることができる。
上記フルオロアルキルスルホン酸イオン又はアリールスルホン酸イオンにおいて、水素原子の一部又は全部がフッ素化されている場合のフッ素化率は、好ましくは10%以上100%以下、より好ましくは50%以上100%以下であり、特に水素原子を全てフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。このようなものとしては、具体的には、トリフルオロメタンスルホネート、パーフルオロブタンスルホネート、パーフルオロオクタンスルホネート、パーフルオロベンゼンスルホネート等が挙げられる。
これらの中でも、好ましいアニオン部として、下記式(a9)で表されるものが挙げられる。
上記式(a9)において、R20aは、下記式(a10)、(a11)、及び(a12)で表される基である。
上記式(a10)中、xは1以上4以下の整数を表す。また、上記式(a11)中、R21aは、水素原子、水酸基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基を表し、yは1以上3以下の整数を表す。これらの中でも、安全性の観点からトリフルオロメタンスルホネート、パーフルオロブタンスルホネートが好ましい。
また、アニオン部としては、下記式(a13)、(a14)で表される窒素を含有するものを用いることもできる。
上記式(a13)、(a14)中、Xaは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基の炭素原子数は2以上6以下であり、好ましくは3以上5以下、最も好ましくは炭素原子数3である。また、Ya、Zaは、それぞれ独立に少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、該アルキル基の炭素原子数は1以上10以下であり、好ましくは1以上7以下、より好ましくは1以上3以下である。
Xaのアルキレン基の炭素原子数、又はYa、Zaのアルキル基の炭素原子数が小さいほど有機溶剤への溶解性も良好であるため好ましい。
また、Xaのアルキレン基又はYa、Zaのアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなるため好ましい。該アルキレン基又はアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70%以上100%以下、より好ましくは90%以上100%以下であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロアルキル基である。
このようなカチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩として好ましいものとしては、下記式(a15-1)、(a15-2)、(a16)で表される化合物が挙げられる。
また、酸発生剤(A)における第五の態様としては、ビス(p-トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1-ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4-ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタン類;p-トルエンスルホン酸2-ニトロベンジル、p-トルエンスルホン酸2,6-ジニトロベンジル、ニトロベンジルトシレート、ジニトロベンジルトシラート、ニトロベンジルスルホナート、ニトロベンジルカルボナート、ジニトロベンジルカルボナート等のニトロベンジル誘導体;ピロガロールトリメシラート、ピロガロールトリトシラート、ベンジルトシラート、ベンジルスルホナート、N-メチルスルホニルオキシスクシンイミド、N-トリクロロメチルスルホニルオキシスクシンイミド、N-フェニルスルホニルオキシマレイミド、N-メチルスルホニルオキシフタルイミド等のスルホン酸エステル類;N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-1,8-ナフタルイミド、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-4-ブチル-1,8-ナフタルイミド等のトリフルオロメタンスルホン酸エステル類;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、(4-メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、(4-メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、(p-tert-ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート等のオニウム塩類;ベンゾイントシラート、α-メチルベンゾイントシラート等のベンゾイントシレート類;その他のジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、フェニルジアゾニウム塩、ベンジルカルボナート等が挙げられる。
酸発生剤(A)としては、下記式(a21)で表されるナフタル酸誘導体も好ましい。
(式(a21)中、R22aは、1価の有機基であり、R23a、R24a、R25a、及びR26aは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基であり、R23aとR24aと、R24aとR25aと、又はR25aとR26aとは、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
R22aとしての有機基は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。当該有機基は、炭化水素基であってもよく、O、N、S、P、ハロゲン原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。また、当該有機基の構造は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環状であっても、これらの構造の組み合わせであってもよい。
R22aとして好適な有機基としては、ハロゲン原子、及び/又はアルキルチオ基で置換されてもよい炭素原子数1以上18以下の脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上20以下のアリール基、置換基を有してもよい炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数7以上20以下のアルキルアリール基、カンファー-10-イル基、及び下式(a21a):
-R27a-(O)a-R28a-(O)b-Y1-R29a・・・(a21a)
(式(a21a)中、Y1は、単結合又は炭素原子数1以上4以下のアルカンジイル基である。R27a及びR28aは、それぞれ、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数2以上6以下のアルカンジイル基、又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数6以上20以下のアリーレン基である。R29aは、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1以上18以下のアルキル基、炭素原子数3以上12以下の脂環式炭化水素基、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数6以上20以下のアリール基、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数7以上20以下のアラルキル基である。a及びbは、それぞれ0又は1であり、a及びbの少なくとも一方は1である。)
で表される基が挙げられる。
-R27a-(O)a-R28a-(O)b-Y1-R29a・・・(a21a)
(式(a21a)中、Y1は、単結合又は炭素原子数1以上4以下のアルカンジイル基である。R27a及びR28aは、それぞれ、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数2以上6以下のアルカンジイル基、又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数6以上20以下のアリーレン基である。R29aは、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1以上18以下のアルキル基、炭素原子数3以上12以下の脂環式炭化水素基、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数6以上20以下のアリール基、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数7以上20以下のアラルキル基である。a及びbは、それぞれ0又は1であり、a及びbの少なくとも一方は1である。)
で表される基が挙げられる。
R22aとしての有機基が置換基としてハロゲン原子を有する場合、当該ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子が挙げられる。
R22aとしての有機基が、アルキルチオ基で置換された炭素原子数1以上18以下のアルキル基である場合、アルキルチオ基の炭素原子数は1以上18以下であるのがこのましい。
炭素原子数1以上18以下のアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、tert-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、tert-ペンチルチオ基、n-ヘキシルチオ基、n-ヘプチルチオ基、イソヘプチルチオ基、tert-ヘプチルチオ基、n-オクチルチオ基、イソオクチルチオ基、tert-オクチルチオ基、2-エチルヘキシルチオ基、n-ノニルチオ基、n-デシルチオ基、n-ウンデシルチオ基、n-ドデシルチオ基、n-トリデシルチオ基、n-テトラデシルチオ基、n-ペンタデシルチオ基、n-ヘキサデシルチオ基、n-ヘプタデシルチオ基、及びn-オクタデシルチオ基が挙げられる。
炭素原子数1以上18以下のアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、tert-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、tert-ペンチルチオ基、n-ヘキシルチオ基、n-ヘプチルチオ基、イソヘプチルチオ基、tert-ヘプチルチオ基、n-オクチルチオ基、イソオクチルチオ基、tert-オクチルチオ基、2-エチルヘキシルチオ基、n-ノニルチオ基、n-デシルチオ基、n-ウンデシルチオ基、n-ドデシルチオ基、n-トリデシルチオ基、n-テトラデシルチオ基、n-ペンタデシルチオ基、n-ヘキサデシルチオ基、n-ヘプタデシルチオ基、及びn-オクタデシルチオ基が挙げられる。
R22aとしての有機基が、ハロゲン原子、及び/又はアルキルチオ基で置換されてもよい炭素原子数1以上18以下の脂肪族炭化水素基である場合、当該脂肪族炭化水素基は、不飽和二重結合を含んでいてもよい。
また、当該脂肪族炭化水素基の構造は特に限定されず、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環状であっても、これらの構造の組み合わせであってもよい。
また、当該脂肪族炭化水素基の構造は特に限定されず、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環状であっても、これらの構造の組み合わせであってもよい。
R22aとしての有機基がアルケニル基である場合の好適な例としては、アリル基、2-メチル-2-プロペニル基が挙げられる。
R22aとしての有機基がアルキル基である場合の好適な例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘキサン-2-イル基、n-ヘキサン-3-イル基、n-ヘプチル基、n-ヘプタン-2-イル基、n-ヘプタン-3-イル基、イソヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、tert-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基,n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、及びn-オクタデシル基が挙げられる。
R22aとしての有機基が脂環式炭化水素基である場合、当該脂環式炭化水素基の主骨格を構成する脂環式炭化水素の例としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、及びアダマンタンが挙げられる。脂環式炭化水素基としては、これらの脂環式炭化水素から水素原子を1つ除いた基が好ましい。
R22aとしての有機基がハロゲン原子で置換された脂肪族炭化水素基である場合の好適な例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基、ヘプタフルオロ-n-プロピル基、3-ブロモプロピル基、ノナフルオロ-n-ブチル基、トリデカフルオロ-n-ヘキシル基、ヘプタデカフルオロ-n-オクチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1-ジフルオロエチル基、1,1-ジフルオロ-n-プロピル基、1,1,2,2-テトラフルオロ-n-プロピル基、3,3,3-トリフルオロ-n-プロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-n-プロピル基、2-ノルボルニル-1,1-ジフルオロエチル基、2-ノルボルニルテトラフルオロエチル基、及び3-アダマンチル-1,1,2,2-テトラフルオロプロピル基が挙げられる。
R22aとしての有機基がアルキルチオ基で置換された脂肪族炭化水素基である場合の好適な例としては、2-メチルチオエチル基、4-メチルチオ-n-ブチル基、及び2-n-ブチルチオエチル基が挙げられる。
R22aとしての有機基がハロゲン原子及びアルキルチオ基で置換された脂肪族炭化水素基である場合の好適な例としては、3-メチルチオ-1,1,2,2-テトラフルオロ-n-プロピル基が挙げられる。
R22aとしての有機基がアリール基である場合の好適な例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基が挙げられる。
R22aとしての有機基がハロゲン原子で置換されたアリール基である場合の好適な例としては、ペンタフルオロフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基が挙げられる。
R22aとしての有機基がアルキルチオ基で置換されたアリール基である場合の好適な例としては、4-メチルチオフェニル基、4-n-ブチルチオフェニル基、4-n-オクチルチオフェニル基、4-n-ドデシルチオフェニル基が挙げられる。
R22aとしての有機基がハロゲン原子及びアルキルチオ基で置換されたアリール基である場合の好適な例としては、1,2,5,6-テトラフルオロ-4-メチルチオフェニル基、1,2,5,6-テトラフルオロ-4-n-ブチルチオフェニル基、1,2,5,6-テトラフルオロ-4-n-ドデシルチオフェニル基が挙げられる。
R22aとしての有機基がアラルキル基である場合の好適な例としては、ベンジル基、フェネチル基、2-フェニルプロパン-2-イル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基が挙げられる。
R22aとしての有機基がハロゲン原子で置換されたアラルキル基である場合の好適な例としては、ペンタフルオロフェニルメチル基、フェニルジフルオロメチル基、2-フェニルテトラフルオロエチル基、2-(ペンタフルオロフェニル)エチル基が挙げられる。
R22aとしての有機基がアルキルチオ基で置換されたアラルキル基である場合の好適な例としては、p-メチルチオベンジル基が挙げられる。
R22aとしての有機基がハロゲン原子及びアルキルチオ基で置換されたアラルキル基である場合の好適な例としては、2-(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチルチオフェニル)エチル基が挙げられる。
R22aとしての有機基がアルキルアリール基である場合の好適な例としては、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、3-イソプロピルフェニル基、4-イソプロピルフェニル基、4-n-ブチルフェニル基、4-イソブチルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、4-n-ヘキシルフェニル基、4-シクロヘキシルフェニル基、4-n-オクチルフェニル基、4-(2-エチル-n-ヘキシル)フェニル基、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル基、2,5-ジ-tert-ブチルフェニル基、2,6-ジ-tert-ブチルフェニル基、2,4-ジ-tert-ペンチルフェニル基、2,5-ジ-tert-ペンチルフェニル基、2,5-ジ-tert-オクチルフェニル基、2-シクロヘキシルフェニル基、3-シクロヘキシルフェニル基、4-シクロヘキシルフェニル基、2,4,5-トリメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,4,6-トリイソプロピルフェニル基が挙げられる。
式(a21a)で表される基は、エーテル基含有基である。
式(a21a)において、Y1で表される炭素原子数1以上4以下のアルカンジイル基としては、メチレン基、エタン-1,2-ジイル基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、ブタン-2,3-ジイル基、ブタン-1,2-ジイル基が挙げられる。
式(a21a)において、R27a又はR28aで表される炭素原子数2以上6以下のアルカンジイル基としては、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、ブタン-2,3-ジイル基、ブタン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ペンタン-1,3-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、ペンタン-2,3-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘキサン-1,2-ジイル基、ヘキサン-1,3-ジイル基、ヘキサン-1,4-ジイル基、ヘキサン-2,5-ジイル基、ヘキサン-2,4-ジイル基、ヘキサン-3,4-ジイル基が挙げられる。
式(a21a)において、Y1で表される炭素原子数1以上4以下のアルカンジイル基としては、メチレン基、エタン-1,2-ジイル基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、ブタン-2,3-ジイル基、ブタン-1,2-ジイル基が挙げられる。
式(a21a)において、R27a又はR28aで表される炭素原子数2以上6以下のアルカンジイル基としては、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、ブタン-2,3-ジイル基、ブタン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ペンタン-1,3-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、ペンタン-2,3-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘキサン-1,2-ジイル基、ヘキサン-1,3-ジイル基、ヘキサン-1,4-ジイル基、ヘキサン-2,5-ジイル基、ヘキサン-2,4-ジイル基、ヘキサン-3,4-ジイル基が挙げられる。
式(a21a)において、R27a又はR28aが、ハロゲン原子で置換された炭素原子数2以上6以下のアルカンジイル基である場合、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、及びフッ素原子が挙げられる。ハロゲン原子で置換されたアルカンジイル基の例としては、テトラフルオロエタン-1,2-ジイル基、1,1-ジフルオロエタン-1,2-ジイル基、1-フルオロエタン-1,2-ジイル基、1,2-ジフルオロエタン-1,2-ジイル基、ヘキサフルオロプロパン-1,3-ジイル基、1,1,2,2,-テトラフルオロプロパン-1,3-ジイル基、1,1,2,2,-テトラフルオロペンタン-1,5-ジイル基が挙げられる。
式(a21a)においてR27a又はR28aがアリーレン基である場合の例としては、1,2-フェニレン基、1,3-フェニレン基、1,4-フェニレン基、2,5-ジメチル-1,4-フェニレン基、ビフェニル-4,4’-ジイル基、ジフェニルメタン-4,4’-ジイル基、2,2,-ジフェニルプロパン-4,4’-ジイル基、ナフタレン-1,2-ジイル基、ナフタレン-1,3-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、ナフタレン-1,5-ジイル基、ナフタレン-1,6-ジイル基、ナフタレン-1,7-ジイル基、ナフタレン-1,8-ジイル基、ナフタレン-2,3-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-2,7-ジイル基が挙げられる。
式(a21a)において、R27a又はR28aが、ハロゲン原子で置換されたアリーレン基である場合、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、及びフッ素原子が挙げられる。ハロゲン原子で置換されたアリーレン基の例としては、2,3,5,6-テトラフルオロ-1,4-フェニレン基が挙げられる。
式(a21a)において、R29aで表される分岐を有してもよい炭素原子数1以上18以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘキサン-2-イル基、n-ヘキサン-3-イル基、n-ヘプチル基、n-ヘプタン-2-イル基、n-ヘプタン-3-イル基、イソヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、tert-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基が挙げられる。
式(a21a)において、R29aが、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1以上18以下のアルキル基である場合、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、及びフッ素原子が挙げられる。ハロゲン原子で置換されたアルキル基の例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ-n-プロピル基、ノナフルオロ-n-ブチル基、トリデカフルオロ-n-ヘキシル基、ヘプタデカフルオロ-n-オクチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1-ジフルオロエチル基、1,1-ジフルオロ-n-プロピル基、1,1,2,2-テトラフルオロ-n-プロピル基、3,3,3-トリフルオロ-n-プロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-n-プロピル基、1,1,2,2-テトラフルオロテトラデシル基が挙げられる。
式(a21a)において、R29aが、炭素原子数3以上12以下の脂環式炭化水素基である場合、当該脂環式炭化水素基の主骨格を構成する脂環式炭化水素の例としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、及びアダマンタンが挙げられる。脂環式炭化水素基としては、これらの脂環式炭化水素から水素原子を1つ除いた基が好ましい。
式(a21a)において、R29aはアリール基、ハロゲン化アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アラルキル基である場合、これらの基の好適な例は、R22aがこれらの基である場合と同様である。
式(a21a)で表される基の中でも好適な基は、R27aで表される基のうち硫黄原子に結合する炭素原子がフッ素原子で置換されている基である。かかる好適な基の炭素原子数は2以上18以下が好ましい。
R22aとしては、炭素原子数1以上8以下のパーフルオロアルキル基が好ましい。また、高精細なパターン化された樹脂膜を形成しやすいことから、カンファー-10-イル基もR22aとして好ましい。
式(a21)において、R23a~R26aは、水素原子又は1価の有機基である。また、R23aとR24aと、R24aとR25aと、又はR25aとR26aとは、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。例えば、R25aとR26aとが結合してナフタレン環とともに5員環を形成することにより、アセナフテン骨格を形成してもよい。
1価の有機基としては、脂環式炭化水素基、複素環基(ヘテロシクリル基)、又はハロゲン原子で置換されてもよく、分岐を有してもよい炭素原子数4以上18以下のアルキル基、アルコキシ基;ヘテロシクリルオキシ基;脂環式炭化水素基、複素環基(ヘテロシクリル基)、又はハロゲン原子で置換されてもよく、分岐を有してもよい炭素原子数4以上18以下のアルキルチオ基;ヘテロシクリルチオ基;が好ましい。
また、当該アルコキシ基の酸素原子に隣接しない任意の位置のメチレン基が-CO-で置換された基も好ましい。
当該アルコキシ基が-O-CO-結合、又は-O-CO-NH-結合で中断された基も好ましい。なお、-O-CO-結合及び-O-CO-NH-結合の左端が、アルコキシ基中のナフタル酸母核に近い側である。
さらに、脂環式炭化水素基、複素環基、又はハロゲン原子で置換されてもよく、分岐を有してもよい炭素原子数4以上18以下のアルキルチオ基も、R23a~R26aとして好ましい。
当該アルキルチオ基の硫黄原子に隣接しない任意の位置のメチレン基が-CO-で置換された基も好ましい。
当該アルキルチオ基が-O-CO-結合、又は-O-CO-NH-結合で中断された基も好ましい。なお、-O-CO-結合及び-O-CO-NH-結合の左端が、アルキルチオ基中のナフタル酸母核に近い側である。
また、当該アルコキシ基の酸素原子に隣接しない任意の位置のメチレン基が-CO-で置換された基も好ましい。
当該アルコキシ基が-O-CO-結合、又は-O-CO-NH-結合で中断された基も好ましい。なお、-O-CO-結合及び-O-CO-NH-結合の左端が、アルコキシ基中のナフタル酸母核に近い側である。
さらに、脂環式炭化水素基、複素環基、又はハロゲン原子で置換されてもよく、分岐を有してもよい炭素原子数4以上18以下のアルキルチオ基も、R23a~R26aとして好ましい。
当該アルキルチオ基の硫黄原子に隣接しない任意の位置のメチレン基が-CO-で置換された基も好ましい。
当該アルキルチオ基が-O-CO-結合、又は-O-CO-NH-結合で中断された基も好ましい。なお、-O-CO-結合及び-O-CO-NH-結合の左端が、アルキルチオ基中のナフタル酸母核に近い側である。
R23a~R26aとしては、R23aが有機基であり、R24a~R26aが水素原子であるか、R24aが有機基であり、R23a、R25a、及びR26aが水素原子であるのが好ましい。また、R23a~R26aが全て水素原子であってもよい。
R23a~R26aが、無置換のアルキル基である場合の例としては、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、tert-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基,n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基が挙げられる。
R23a~R26aが、無置換のアルコキシ基である場合の例としては、n-ブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、tert-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、2-エチルヘキシル基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、n-ウンデシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基、n-トリデシルオキシ基、n-テトラデシルオキシ基,n-ペンタデシルオキシ基、n-ヘキサデシルオキシ基、n-ヘプタデシルオキシ基、n-オクタデシルオキシ基が挙げられる。
R23a~R26aが、無置換のアルキルチオ基である場合の例としては、n-ブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、tert-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、tert-ペンチルチオ基、n-ヘキシルチオ基、n-ヘプチルチオ基、イソヘプチルチオ基、tert-ヘプチルチオ基、n-オクチルチオ基、イソオクチルチオ基、tert-オクチルチオ基、2-エチルヘキシルチオ基、n-ノニルチオ基、n-デシルチオ基、n-ウンデシルチオ基、n-ドデシルチオ基、n-トリデシルチオ基、n-テトラデシルチオ基、n-ペンタデシルチオ基、n-ヘキサデシルチオ基、n-ヘプタデシルチオ基、n-オクタデシルチオ基が挙げられる。
R23a~R26aが脂環式炭化水素基で置換されたアルキル基、アルコキシ基又はアルキルチオ基である場合に、脂環式炭化水素基の主骨格を構成する脂環式炭化水素の例としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、及びアダマンタンが挙げられる。脂環式炭化水素基としては、これらの脂環式炭化水素から水素原子を1つ除いた基が好ましい。
R23a~R26aが複素環基で置換されたアルキル基、アルコキシ基又はアルキルチオ基である場合、又はR23a~R26aがヘテロシクリルオキシ基である場合、複素環基又はヘテロシクリルオキシ基の主骨格を構成する複素環の例としては、ピロール、チオフェン、フラン、ピラン、チオピラン、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピロリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、イソオキサゾリジン、イソチアゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、クロマン、チオクロマン、イソクロマン、イソチオクロマン、インドリン、イソインドリン、ピリンジン、インドリジン、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、ナフチリジン、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、カルバゾール、カルボリン、フェナジン、アンチリジン、チアジアゾール、オキサジアゾール、トリアジン、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾフロキサン、ナフトイミダゾール、ベンゾトリアゾール、テトラアザインデンが挙げられる。また、これらの複素環のうち共役結合を有する環に水素添加した、飽和複素環も好ましい。
アルキル基、アルコキシ基又はアルキルチオ基を置換する複素環基、又はヘテロシクリルオキシ基に含まれる複素環基としては、上記の複素環から水素原子を1つ除いた基が好ましい。
アルキル基、アルコキシ基又はアルキルチオ基を置換する複素環基、又はヘテロシクリルオキシ基に含まれる複素環基としては、上記の複素環から水素原子を1つ除いた基が好ましい。
R23a~R26aが、脂環式炭化水素基を含むアルコキシ基である場合の例としては、シクロペンチルオキシ基、メチルシクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、フルオロシクロヘキシルオキシ基、クロロシクロヘキシルオキシ基、シクロヘキシルメチルオキシ基、メチルシクロヘキシルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、エチルシクロヘキシルオキシ基、シクロヘキシルエチルオキシ基、ジメチルシクロヘキシルオキシ基、メチルシクロヘキシルメチルオキシ基、ノルボルニルメチルオキシ基、トリメチルシクロヘキシルオキシ基、1-シクロヘキシルブチルオキシ基、アダマンチルオキシ基、メンチルオキシ基、n-ブチルシクロヘキシルオキシ基、tert-ブチルシクロヘキシルオキシ基、ボルニルオキシ基、イソボルニルオキシ基、デカヒドロナフチルオキシ基、ジシクロペンタジエノキシ基、1-シクロヘキシルペンチルオキシ基、メチルアダマンチルオキシ基、アダマンチルメチルオキシ基、4-ペンチルシクロヘキシルオキシ基、シクロヘキシルシクロヘキシルオキシ基、アダマンチルエチルオキシ基、ジメチルアダマンチルオキシ基が挙げられる。
R23a~R26aが、ヘテロシクリルオキシ基である場合の例としては、テトラヒドロフラニルオキシ基、フルフリルオキシ基、テトラヒドロフルフリルオキシ基、テトラヒドロピラニルオキシ基、ブチロラクトニルオキシ基、インドリルオキシ基が挙げられる。
R23a~R26aが、脂環式炭化水素基を含むアルキルチオ基である場合の例としては、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、シクロヘキシルメチルチオ基、ノルボルニルチオ基、イソノルボルニルチオ基が挙げられる。
R23a~R26aが、ヘテロシクリルチオ基である場合の例としては、フルフリルチオ基、テトラヒドロフラニルチオ基が挙げられる。
R23a~R26aが、アルコキシ基の酸素原子に隣接しない任意の位置のメチレン基が-CO-で置換された基である場合の例としては、2-ケトブチル-1-オキシ基、2-ケトペンチル-1-オキシ基、2-ケトヘキシル-1-オキシ基、2-ケトヘプチル-1-オキシ基、2-ケトオクチル-1-オキシ基、3-ケトブチル-1-オキシ基、4-ケトペンチル-1-オキシ基、5-ケトヘキシル-1-オキシ基、6-ケトヘプチル-1-オキシ基、7-ケトオクチル-1-オキシ基、3-メチル-2-ケトペンタン-4-オキシ基、2-ケトペンタン-4-オキシ基、2-メチル-2-ケトペンタン-4-オキシ基、3-ケトヘプタン-5-オキシ基、2-アダマンタノン-5-オキシ基が挙げられる。
R23a~R26aが、アルキルチオ基の硫黄原子に隣接しない任意の位置のメチレン基が-CO-で置換された基である場合の例としては、2-ケトブチル-1-チオ基、2-ケトペンチル-1-チオ基、2-ケトヘキシル-1-チオ基、2-ケトヘプチル-1-チオ基、2-ケトオクチル-1-チオ基、3-ケトブチル-1-チオ基、4-ケトペンチル-1-チオ基、5-ケトヘキシル-1-チオ基、6-ケトヘプチル-1-チオ基、7-ケトオクチル-1-チオ基、3-メチル-2-ケトペンタン-4-チオ基、2-ケトペンタン-4-チオ基、2-メチル-2-ケトペンタン-4-チオ基、3-ケトヘプタン-5-チオ基が挙げられる。
式(a21)で表される化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
酸発生剤(A)としては、下記式(a22)で表されるナフタル酸誘導体も好ましい。
Rb1としての炭化水素基が1以上のメチレン基を含む場合、メチレン基の少なくとも一部が-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-SO-、-SO2-、-CRb4Rb5-、及び-NRb6-からなる群より選択される基で置換されていてもよい。
Rb1としての炭化水素基が炭化水素環を含む場合、炭化水素環を構成する炭素原子の少なくとも1つが、N、O、P、S、及びSeからなる群より選択されるヘテロ原子又は当該ヘテロ原子を含む原子団で置換されていてもよい。
Rb4及びRb5は、それぞれ独立に水素原子、又はハロゲン原子であり、Rb4及びRb5の少なくとも一方はハロゲン原子である。
Rb6は、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下の炭化水素基である。
Ra1、及びRa2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上20以下の脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい環構成原子数5以上20以下の芳香族基、又は-Ra3-Ra4で表される基である。
Ra1、及びRa2は同時に水素原子ではない。
Ra1、又はRa2としての脂肪族炭化水素基が1以上のメチレン基を含む場合、メチレン基の少なくとも一部が、-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-SO-、-SO2-、及び-NRa5-からなる群より選択される基で置換されていてもよい。
Ra5は、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下の炭化水素基である。
Ra3は、メチレン基、-O-、-CO-、-CO-O-、-SO-、-SO2-、又は-NRa6-である。
Ra6は、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下の炭化水素基である。
Ra4は、置換基を有してもよい環構成原子数5以上20以下の芳香族基、炭素原子数1以上6以下のペルフルオロアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、又は置換基を有してもよい環構成原子数5以上20以下の芳香族複素環基を含むヘテロアリールアルキル基である。
Q1、及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子、又は炭素原子数1以上6以下のペルフルオロアルキル基である。
Lは、エステル結合である。
式(a22)中、Ra1及びRa2としての炭素原子数1以上20以下の脂肪族炭化水素基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環状であっても、これらの構造の組み合わせであってもよい。
脂肪族炭化水素基としてはアルキル基が好ましい。アルキル基の好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、及びn-デシル基が挙げられる。
Ra1及びRa2としての炭素原子数1以上20以下の脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン原子、酸素原子、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。置換基の数は任意である。Ra1及びRa2としての置換基を有する炭素原子数1以上20以下の脂肪族炭化水素基として、例えば、炭素原子数1以上6以下のペルフルオロアルキル基が挙げられる。その具体例としては、CF3-、CF3CF2-、(CF3)2CF-、CF3CF2CF2-、CF3CF2CF2CF2-、(CF3)2CFCF2-、CF3CF2(CF3)CF-、(CF3)3C-が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としてはアルキル基が好ましい。アルキル基の好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、及びn-デシル基が挙げられる。
Ra1及びRa2としての炭素原子数1以上20以下の脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン原子、酸素原子、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。置換基の数は任意である。Ra1及びRa2としての置換基を有する炭素原子数1以上20以下の脂肪族炭化水素基として、例えば、炭素原子数1以上6以下のペルフルオロアルキル基が挙げられる。その具体例としては、CF3-、CF3CF2-、(CF3)2CF-、CF3CF2CF2-、CF3CF2CF2CF2-、(CF3)2CFCF2-、CF3CF2(CF3)CF-、(CF3)3C-が挙げられる。
式(a22)中、Ra1及びRa2としての置換基を有してもよい環構成原子数5以上20以下の芳香族基は、芳香族炭化水素基でも、芳香族複素環基でもよい。
芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基や、フリル基、チエニル基等のヘテロアリール基が挙げられる。
環構成原子数5以上20以下の芳香族基が有していてもよい置換基は、Ra1及びRa2としての炭素原子数1以上20以下の脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基と同様である。
芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基や、フリル基、チエニル基等のヘテロアリール基が挙げられる。
環構成原子数5以上20以下の芳香族基が有していてもよい置換基は、Ra1及びRa2としての炭素原子数1以上20以下の脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基と同様である。
式(a22)中、Ra4としての、置換基を有してもよい環構成原子数5以上20以下の芳香族基は、Ra1及びRa2について説明した置換基を有してもよい環構成原子数5以上20以下の芳香族基と同様である。
式(a22)中、Ra4としての炭素原子数1以上6以下のペルフルオロアルキル基は、Ra1及びRa2として説明した炭素原子数1以上6以下のペルフルオロアルキル基と同様である。
式(a22)中、Ra4としての置換基を有してもよい炭素原子数7以上20以下のアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェネチル基、α-ナフチルメチル基、β-ナフチルメチル基、2-α-ナフチルエチル基、及び2-β-ナフチルエチル基等が挙げられる。
式(a22)中、ヘテロアリールアルキル基とは、アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が、N、OやS等のヘテロ原子で置換された基である。Ra4としての置換基を有してもよい環構成原子数5以上20以下の芳香族複素環基を含むヘテロアリールアルキル基の具体例としては、ピリジン-2-イルメチル基、ピリジン-3-イルメチル基、ピリジン-4-イルメチル基等が挙げられる。
式(a22)中、Ra4としての炭素原子数1以上6以下のペルフルオロアルキル基は、Ra1及びRa2として説明した炭素原子数1以上6以下のペルフルオロアルキル基と同様である。
式(a22)中、Ra4としての置換基を有してもよい炭素原子数7以上20以下のアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェネチル基、α-ナフチルメチル基、β-ナフチルメチル基、2-α-ナフチルエチル基、及び2-β-ナフチルエチル基等が挙げられる。
式(a22)中、ヘテロアリールアルキル基とは、アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が、N、OやS等のヘテロ原子で置換された基である。Ra4としての置換基を有してもよい環構成原子数5以上20以下の芳香族複素環基を含むヘテロアリールアルキル基の具体例としては、ピリジン-2-イルメチル基、ピリジン-3-イルメチル基、ピリジン-4-イルメチル基等が挙げられる。
式(a22)中、Ra5としての炭素原子数1以上6以下の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基でも芳香族炭化水素基でもこれらの組み合わせでもよい。脂肪族炭化水素基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環状であっても、これらの構造の組み合わせであってもよい。
脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等のアルキル基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等のアルキル基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基が挙げられる。
式(a22)中、Ra6としての炭素原子数1以上6以下の炭化水素基は、Ra5について説明した炭素原子数1以上6以下の炭化水素基と同様である。
式(a22)中、Rb1としての炭素原子数1以上30以下の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基でも芳香族炭化水素基でもこれらの組み合わせでもよい。脂肪族炭化水素基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環状であっても、これらの構造の組み合わせであってもよい。
脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等の鎖状の脂肪族炭化水素基や、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等の環状の脂肪族炭化水素基(炭化水素環)が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基が組み合わされた基としては、ベンジル基、フェネチル基、フリルメチル基が挙げられる。
Rb1としての炭化水素基が炭化水素環を含む場合に、炭化水素環を構成する炭素原子の少なくとも1つを置換するヘテロ原子を含む原子団としては、-CO-、-CO-O-、-SO-、-SO2-、-SO2-O-、-P(=O)-(ORb7)3が挙げられる。Rb7は、炭素原子数1以上6以下の炭化水素基であり、Ra5について説明した炭素原子数1以上6以下の炭化水素基と同様である。
脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等の鎖状の脂肪族炭化水素基や、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等の環状の脂肪族炭化水素基(炭化水素環)が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基が組み合わされた基としては、ベンジル基、フェネチル基、フリルメチル基が挙げられる。
Rb1としての炭化水素基が炭化水素環を含む場合に、炭化水素環を構成する炭素原子の少なくとも1つを置換するヘテロ原子を含む原子団としては、-CO-、-CO-O-、-SO-、-SO2-、-SO2-O-、-P(=O)-(ORb7)3が挙げられる。Rb7は、炭素原子数1以上6以下の炭化水素基であり、Ra5について説明した炭素原子数1以上6以下の炭化水素基と同様である。
式(a22)中、Rb4及びRb5としてのハロゲン原子の具体例としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
式(a22)中、Rb6としての炭素原子数1以上6以下の炭化水素基は、式(a22)におけるRa5として説明した炭素原子数1以上6以下の炭化水素基と同様である。
式(a22)中、Q1及びQ2としての炭素原子数1以上6以下のペルフルオロアルキル基としては、式(a22)におけるRa1及びRa2として説明した炭素原子数1以上6以下のペルフルオロアルキル基と同様である。
式(a22)で表される化合物において、Lとしてのエステル結合の向きは特に限定されず、-CO-O-でも-O-CO-のいずれでもよい。
式(a22-1)中のRa1が置換基を有してもよい炭素原子数1以上20以下の脂肪族炭化水素基であり、Ra1としての脂肪族炭化水素基が1以上のメチレン基を含む場合、メチレン基の少なくとも一部が、-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-SO-、-SO2-、及び-NRa5-からなる群より選択される基で置換されていてもよい、式(a22-1)で表される化合物が好ましい。
式(a22)で表される化合物は、以下のN-オルガノスルホニルオキシ化合物の製造方法で製造することができる。
式(a22)で表される化合物を製造できるN-オルガノスルホニルオキシ化合物の製造方法は、N-ヒドロキシ化合物(a’)と、スルホン酸フルオライド化合物(b’)とを、塩基性化合物(d’)の存在下に反応させることを含む、N-オルガノスルホニルオキシ化合物の製造方法であって、N-ヒドロキシ化合物(a’)と、スルホン酸フルオライド化合物(b’)とを反応させるにあたり、系中にシリル化剤(c’)が存在することを特徴とし、スルホン酸フルオライド化合物(b’)が、下記式(b1-1)で表され、シリル化剤(c’)が、N-ヒドロキシ化合物(a’)が有する窒素原子上のヒドロキシ基を、下記式(ac1)で表されるシリルオキシ基に変換し得る、N-オルガノスルホニルオキシ化合物の製造方法である。
-O-Si(Rc1)3・・・(ac1)
(式(ac1)中、Rc1は、それぞれ独立に、炭素原子数1以上10以下の炭化水素基である。)
Rb1-L-CQ1Q2-SO2-F・・・(b1-1)
(式(b1-1)中、Rb1、L、Q1、及びQ2は、それぞれ上記式(a22)におけるこれらと同様である。)
式(a22)で表される化合物を製造できるN-オルガノスルホニルオキシ化合物の製造方法は、N-ヒドロキシ化合物(a’)と、スルホン酸フルオライド化合物(b’)とを、塩基性化合物(d’)の存在下に反応させることを含む、N-オルガノスルホニルオキシ化合物の製造方法であって、N-ヒドロキシ化合物(a’)と、スルホン酸フルオライド化合物(b’)とを反応させるにあたり、系中にシリル化剤(c’)が存在することを特徴とし、スルホン酸フルオライド化合物(b’)が、下記式(b1-1)で表され、シリル化剤(c’)が、N-ヒドロキシ化合物(a’)が有する窒素原子上のヒドロキシ基を、下記式(ac1)で表されるシリルオキシ基に変換し得る、N-オルガノスルホニルオキシ化合物の製造方法である。
-O-Si(Rc1)3・・・(ac1)
(式(ac1)中、Rc1は、それぞれ独立に、炭素原子数1以上10以下の炭化水素基である。)
Rb1-L-CQ1Q2-SO2-F・・・(b1-1)
(式(b1-1)中、Rb1、L、Q1、及びQ2は、それぞれ上記式(a22)におけるこれらと同様である。)
酸発生剤(A)は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、酸発生剤(A)の含有量は、感光性組成物の全固形分量に対し、0.1質量%以上10質量%以下とすることが好ましく、0.2質量%以上6質量%以下とすることがより好ましく、0.5質量%以上3質量%以下とすることが特に好ましい。酸発生剤(A)の使用量を上記の範囲とすることにより、良好な感度を備え、均一な溶液であって、保存安定性に優れる感光性組成物を調製しやすい。
[樹脂(B)]
酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)は、アクリル樹脂(B1)を必須に含む。アクリル樹脂(B1)は、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を必須に含む。
樹脂(B)の重量平均分子量は、15,000以下である。
樹脂(B)は、上記のアクリル樹脂(B1)を含む限りにおいて、アクリル樹脂(B1)に加えて、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する任意の樹脂を用いることができる。樹脂(B)が、アクリル樹脂(B1)以外の樹脂を含む場合、当該樹脂としては、ノボラック樹脂(B2)、ヒドロキシスチレン樹脂(B3)、及びアクリル樹脂(B1)に該当しないアクリル樹脂(B4)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有することが好ましい。
酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)は、アクリル樹脂(B1)を必須に含む。アクリル樹脂(B1)は、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を必須に含む。
樹脂(B)の重量平均分子量は、15,000以下である。
樹脂(B)は、上記のアクリル樹脂(B1)を含む限りにおいて、アクリル樹脂(B1)に加えて、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する任意の樹脂を用いることができる。樹脂(B)が、アクリル樹脂(B1)以外の樹脂を含む場合、当該樹脂としては、ノボラック樹脂(B2)、ヒドロキシスチレン樹脂(B3)、及びアクリル樹脂(B1)に該当しないアクリル樹脂(B4)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有することが好ましい。
(アクリル樹脂(B1))
アクリル樹脂(B1))としては、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するアクリル樹脂であって、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含む限り、特に限定されない。なお、本出願の明細書及び特許請求の範囲において、後述する式(b5)~式(b7)で表される酸解離性基を有する(メタ)アクリレート由来の構成単位を含む樹脂をアクリル樹脂(B1))として定義する。
アクリル樹脂(B1))としては、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するアクリル樹脂であって、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含む限り、特に限定されない。なお、本出願の明細書及び特許請求の範囲において、後述する式(b5)~式(b7)で表される酸解離性基を有する(メタ)アクリレート由来の構成単位を含む樹脂をアクリル樹脂(B1))として定義する。
アクリル樹脂(B1)は、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位(b-0)を必須に含む。
フェノール性水酸基を有するアクリルモノマーの好適な例としては、例えば、下記式(b01)で表される化合物と、フェノール性水酸基とビニル基とを有する芳香族化合物とが挙げられる。
CH2=C(Rb01)H-CO-O-Rb02-Ar-(OH)nb・・・(b01)
(式(b01)中、Rb01は、水素原子、又は炭素原子数1以上5以下のアルキル基であり。Rb02は、単結合、又は2価の連結基であり、Arは、水酸基以外の置換基で置換されていてもよい(1+nb)価の芳香族基であり、nbは、1以上4以下の整数である。
フェノール性水酸基を有するアクリルモノマーの好適な例としては、例えば、下記式(b01)で表される化合物と、フェノール性水酸基とビニル基とを有する芳香族化合物とが挙げられる。
CH2=C(Rb01)H-CO-O-Rb02-Ar-(OH)nb・・・(b01)
(式(b01)中、Rb01は、水素原子、又は炭素原子数1以上5以下のアルキル基であり。Rb02は、単結合、又は2価の連結基であり、Arは、水酸基以外の置換基で置換されていてもよい(1+nb)価の芳香族基であり、nbは、1以上4以下の整数である。
フェノール性水酸基とビニル基とを有する芳香族化合物としては、ヒドロキシスチレン類や、ビニルヒドロキシナフタレン類が挙げられ、ヒドロキシスチレン類が好ましい。ヒドロキシスチレン類の好適な例としては、p-ヒドロキシスチレン、m-ヒドロキシスチレン、o-ヒドロキシスチレン、α-メチルp-ヒドロキシスチレン、α-メチルm-ヒドロキシスチレン、α-メチルo-ヒドロキシスチレン、α-エチルp-ヒドロキシスチレン、α-エチルm-ヒドロキシスチレン、及びα-エチルo-ヒドロキシスチレン等が挙げられる。これらの中では、p-ヒドロキシスチレン、m-ヒドロキシスチレン、及びo-ヒドロキシスチレンが好ましく、p-ヒドロキシスチレン、及びm-ヒドロキシスチレンがより好ましい。
式(b01)において、Arは水酸基以外の置換基で置換されていてもよい(1+nb)価の芳香族基である。当該芳香族基は、芳香族炭化水素基であっても、芳香族複素環基であってもよく、芳香族炭化水素基が好ましい。Arとしての芳香族基の炭素原子数は、所望する効果が損なわれない限り特に限定されない。Arとしての芳香族基の炭素原子数は、5以上40以下が好ましく、6以上30以下がより好ましく、6以上18以下がさらに好ましい。
Arが2価の芳香族炭化水素基である場合、好ましい具体例としては、p-フェニレン基、m-フェニレン基、o-フェニレン基、ナフタレン-1,2-ジイル基、ナフタレン-1,3-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、ナフタレン-1,5-ジイル基、ナフタレン-1,6-ジイル基、ナフタレン-1,7-ジイル基、ナフタレン-1,8-ジイル基、ナフタレン-2,3-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-2,7-ジイル基、ビフェニル-4,4’-ジイル基、ビフェニル-3,4’-ジイル基、ビフェニル-2,4’-ジイル基、ビフェニル-3,3’-ジイル基、ビフェニル-2,3’-ジイル基、及びビフェニル-2,2’-ジイル基が挙げられる。
これらの中では、p-フェニレン基、m-フェニレン基、及びo-フェニレン基が好ましく、p-フェニレン基、及びm-フェニレン基がより好ましい。
Arが2価の芳香族炭化水素基である場合、好ましい具体例としては、p-フェニレン基、m-フェニレン基、o-フェニレン基、ナフタレン-1,2-ジイル基、ナフタレン-1,3-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、ナフタレン-1,5-ジイル基、ナフタレン-1,6-ジイル基、ナフタレン-1,7-ジイル基、ナフタレン-1,8-ジイル基、ナフタレン-2,3-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-2,7-ジイル基、ビフェニル-4,4’-ジイル基、ビフェニル-3,4’-ジイル基、ビフェニル-2,4’-ジイル基、ビフェニル-3,3’-ジイル基、ビフェニル-2,3’-ジイル基、及びビフェニル-2,2’-ジイル基が挙げられる。
これらの中では、p-フェニレン基、m-フェニレン基、及びo-フェニレン基が好ましく、p-フェニレン基、及びm-フェニレン基がより好ましい。
Arとしての芳香族基が有してもよい置換基は、所望する効果が損なわれない範囲で特に限定されない。当該置換基の好ましい例としては、例えばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、-COOR”、-OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基、及びシアノ基等が挙げられる。
これらの置換基の具体例は、後述する-SO2-含有環式基が有してもよい置換基としての、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、-COOR”、-OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基、及びシアノ基の具体例と同様である。
これらの置換基の具体例は、後述する-SO2-含有環式基が有してもよい置換基としての、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、-COOR”、-OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基、及びシアノ基の具体例と同様である。
Rb01は、水素原子、又は炭素原子数1以上5以下のアルキル基である。炭素原子数1以上5以下のアルキル基の好適な例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、sec-ペンチル基、及びtert-ペンチル基が挙げられる。
Rb01としては、水素原子、メチル基、及びエチル基が好ましく、水素原子、及びメチル基がより好ましい。
Rb01としては、水素原子、メチル基、及びエチル基が好ましく、水素原子、及びメチル基がより好ましい。
Rb02は、単結合、又は2価の連結基である。2価の連結基としては、下記式で表される基が挙げられる。
下記式において、2価の連結基は、「*」が示された側の結合手で酸素原子に結合し、「**」が示された側の結合手でArに結合する。
-Rb03-
*-Rb03-O-**
*-Rb03-CO-O-**
*-Rb03-O-CO-**
-Rb04-O-Rb05-
-Rb04-NH-Rb05-
*-Rb04-O-Rb05-O-**
*-Rb04-O-Rb05-CO-O-**
*-Rb04-O-Rb05-O-CO-**
*-Rb04-NH-Rb05-O-**
*-Rb04-NH-Rb05-CO-O-**
*-Rb04-NH-Rb05-O-CO-**
下記式において、2価の連結基は、「*」が示された側の結合手で酸素原子に結合し、「**」が示された側の結合手でArに結合する。
-Rb03-
*-Rb03-O-**
*-Rb03-CO-O-**
*-Rb03-O-CO-**
-Rb04-O-Rb05-
-Rb04-NH-Rb05-
*-Rb04-O-Rb05-O-**
*-Rb04-O-Rb05-CO-O-**
*-Rb04-O-Rb05-O-CO-**
*-Rb04-NH-Rb05-O-**
*-Rb04-NH-Rb05-CO-O-**
*-Rb04-NH-Rb05-O-CO-**
上記式において、Rb03、Rb04、及びRb05は、それぞれ独立に、炭素原子数1以上10以下のアルキレン基である。当該アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エタン-1,2-ジイル基(エチレン基)、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、及びデカン-1,10イル基が挙げられる。
式(b01)、nbは、1以上4以下の整数であり、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
式(b01)で表される化合物の好ましい例としては、4-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、2,3-ジヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、2,4-ジヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3,4-ジヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3,5-ジヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシナフタレン-1-イル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシナフタレン-1-イル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシナフタレン-2-イル(メタ)アクリレート、7-ヒドロキシナフタレン-2-イル(メタ)アクリレート、4-(4-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレート、3-(4-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレート、2-(4-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレート、4-(3-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレート、3-(3-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレート、2-(3-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレート、4-(2-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレート、3-(2-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレート、及び2-(2-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中では、4-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、及び2-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートが好ましい。
式(b01)で表される化合物の好ましい例としては、4-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、2,3-ジヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、2,4-ジヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3,4-ジヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3,5-ジヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシナフタレン-1-イル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシナフタレン-1-イル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシナフタレン-2-イル(メタ)アクリレート、7-ヒドロキシナフタレン-2-イル(メタ)アクリレート、4-(4-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレート、3-(4-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレート、2-(4-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレート、4-(3-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレート、3-(3-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレート、2-(3-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレート、4-(2-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレート、3-(2-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレート、及び2-(2-ヒドロキシフェニル)フェニル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中では、4-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、及び2-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートが好ましい。
アクリル樹脂(B1)は、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を、アクリル樹脂(B1)の全構成単位に対して、5モル%以上含むのが好ましく、5モル%以上50モル%以下含むのがより好ましく、5モル%以上40モル%以上含むのがさらに好ましく、10モル%以上30モル%以下含むのが特に好ましい。
アクリル樹脂(B1)は、例えば、-SO2-含有環式基、又はラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(b-3)を含有するのが好ましい。かかる場合、パターン化された樹脂膜を形成する際に、好ましい断面形状を有するパターン化された樹脂膜を形成しやすい。
・-SO2-含有環式基
ここで、「-SO2-含有環式基」とは、その環骨格中に-SO2-を含む環を含有する環式基を示し、具体的には、-SO2-における硫黄原子(S)が環式基の環骨格の一部を形成する環式基である。その環骨格中に-SO2-を含む環をひとつ目の環として数え、当該環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。-SO2-含有環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
ここで、「-SO2-含有環式基」とは、その環骨格中に-SO2-を含む環を含有する環式基を示し、具体的には、-SO2-における硫黄原子(S)が環式基の環骨格の一部を形成する環式基である。その環骨格中に-SO2-を含む環をひとつ目の環として数え、当該環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。-SO2-含有環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
-SO2-含有環式基は、特に、その環骨格中に-O-SO2-を含む環式基、すなわち-O-SO2-中の-O-S-が環骨格の一部を形成するサルトン(sultone)環を含有する環式基であることが好ましい。
-SO2-含有環式基の炭素原子数は、3以上30以下が好ましく、4以上20以下がより好ましく、4以上15以下がさらに好ましく、4以上12以下が特に好ましい。当該炭素原子数は環骨格を構成する炭素原子の数であり、置換基における炭素原子数を含まないものとする。
-SO2-含有環式基は、-SO2-含有脂肪族環式基であってもよく、-SO2-含有芳香族環式基であってもよい。好ましくは-SO2-含有脂肪族環式基である。
-SO2-含有脂肪族環式基としては、その環骨格を構成する炭素原子の一部が-SO2-、又は-O-SO2-で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基が挙げられる。より具体的には、その環骨格を構成する-CH2-が-SO2-で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基、その環を構成する-CH2-CH2-が-O-SO2-で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基等が挙げられる。
当該脂環式炭化水素環の炭素原子数は、3以上20以下が好ましく、3以上12以下がより好ましい。当該脂環式炭化水素環は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、炭素原子数3以上6以下のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。当該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式の脂環式炭化水素環としては、炭素原子数7以上12以下のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、当該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
-SO2-含有環式基は、置換基を有していてもよい。当該置換基としては、例えばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、-COOR”、-OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基、シアノ基等が挙げられる。
当該置換基としてのアルキル基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましい。当該アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。これらの中では、メチル基、又はエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
当該置換基としてのアルコキシ基としては、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基が好ましい。当該アルコキシ基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、前述の置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基が酸素原子(-O-)に結合した基が挙げられる。
当該置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
当該置換基のハロゲン化アルキル基としては、前述のアルキル基の水素原子の一部又は全部が前述のハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
当該置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前述の置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の一部又は全部が前述のハロゲン原子で置換された基が挙げられる。当該ハロゲン化アルキル基としてはフッ素化アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
前述の-COOR”、-OC(=O)R”におけるR”は、いずれも、水素原子又は炭素原子数1以上15以下の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基である。
R”が直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基の場合、当該鎖状のアルキル基の炭素原子数は、1以上10以下が好ましく、1以上5以下がより好ましく、1又は2が特に好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合、当該環状のアルキル基の炭素原子数は3以上15以下が好ましく、4以上12以下がより好ましく、5以上10以下が特に好ましい。具体的には、フッ素原子、又はフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンや、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等を例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
当該置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、炭素原子数1以上6以下のヒドロキシアルキル基が好ましい。具体的には、前述の置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。
-SO2-含有環式基として、より具体的には、下記式(3-1)~(3-4)で表される基が挙げられる。
(式中、A’は酸素原子若しくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素原子数1以上5以下のアルキレン基、酸素原子又は硫黄原子であり、zは0以上2以下の整数であり、R10bはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、水酸基、-COOR”、-OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基、又はシアノ基であり、R”は水素原子、又はアルキル基である。)
上記式(3-1)~(3-4)中、A’は、酸素原子(-O-)若しくは硫黄原子(-S-)を含んでいてもよい炭素原子数1以上5以下のアルキレン基、酸素原子、又は硫黄原子である。A’における炭素原子数1以上5以下のアルキレン基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
当該アルキレン基が酸素原子又は硫黄原子を含む場合、その具体例としては、前述のアルキレン基の末端又は炭素原子間に-O-、又は-S-が介在する基が挙げられ、例えば-O-CH2-、-CH2-O-CH2-、-S-CH2-、-CH2-S-CH2-等が挙げられる。A’としては、炭素原子数1以上5以下のアルキレン基、又は-O-が好ましく、炭素原子数1以上5以下のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
zは0、1、及び2のいずれであってもよく、0が最も好ましい。zが2である場合、複数のR10bはそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
R10bにおけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、-COOR”、-OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、-SO2-含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、-COOR”、-OC(=O)R”、及びヒドロキシアルキル基について、上記で説明したものと同様のものが挙げられる。
以下に、前述の式(3-1)~(3-4)で表される具体的な環式基を例示する。なお、式中の「Ac」はアセチル基を示す。
-SO2-含有環式基としては、上記の中では、前述の式(3-1)で表される基が好ましく、前述の化学式(3-1-1)、(3-1-18)、(3-3-1)、及び(3-4-1)のいずれかで表される基からなる群から選択される少なくとも一種がより好ましく、前述の化学式(3-1-1)で表される基が最も好ましい。
・ラクトン含有環式基
「ラクトン含有環式基」とは、その環骨格中に-O-C(=O)-を含む環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつ目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。ラクトン含有環式基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。
「ラクトン含有環式基」とは、その環骨格中に-O-C(=O)-を含む環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつ目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。ラクトン含有環式基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。
構成単位(b-3)におけるラクトン環式基としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。具体的には、ラクトン含有単環式基としては、4~6員環ラクトンから水素原子を1つ除いた基、例えばβ-プロピオノラクトンから水素原子を1つ除いた基、γ-ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基、δ-バレロラクトンから水素原子を1つ除いた基等が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。
構成単位(b-3)としては、-SO2-含有環式基、又はラクトン含有環式基を有するものであれば他の部分の構造は特に限定されないが、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって-SO2-含有環式基を含む構成単位(b-3-S)、及びα位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であってラクトン含有環式基を含む構成単位(b-3-L)からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位が好ましい。
・構成単位(b-3-S)
構成単位(b-3-S)の例として、より具体的には、下記式(b-S1)で表される構成単位が挙げられる。
構成単位(b-3-S)の例として、より具体的には、下記式(b-S1)で表される構成単位が挙げられる。
式(b-S1)中、Rは前記と同様である。
R11bは、前記で挙げた-SO2-含有環式基と同様である。
R12bは、単結合、2価の連結基のいずれであってもよい。
R11bは、前記で挙げた-SO2-含有環式基と同様である。
R12bは、単結合、2価の連結基のいずれであってもよい。
R12bにおける2価の連結基としては、特に限定されないが、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適なものとして挙げられる。
・置換基を有していてもよい2価の炭化水素基
2価の連結基としての炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。当該脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよい。通常は飽和炭化水素基が好ましい。当該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
2価の連結基としての炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。当該脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよい。通常は飽和炭化水素基が好ましい。当該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
前記直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、1以上10以下が好ましく、1以上8以下がより好ましく、1以上5以下がさらに好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましい。具体的には、メチレン基[-CH2-]、エチレン基[-(CH2)2-]、トリメチレン基[-(CH2)3-]、テトラメチレン基[-(CH2)4-]、ペンタメチレン基[-(CH2)5-]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。具体的には、-CH(CH3)-、-CH(CH2CH3)-、-C(CH3)2-、-C(CH3)(CH2CH3)-、-C(CH3)(CH2CH2CH3)-、-C(CH2CH3)2-等のアルキルメチレン基;-CH(CH3)CH2-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-C(CH3)2CH2-、-CH(CH2CH3)CH2-、-C(CH2CH3)2-CH2-等のアルキルエチレン基;-CH(CH3)CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-等のアルキルトリメチレン基;-CH(CH3)CH2CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2CH2-等のアルキルテトラメチレン基等のアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素原子数1以上5以下の直鎖状のアルキル基が好ましい。
上記の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、水素原子を置換する置換基(水素原子以外の基又は原子)を有していてもよく、有していなくてもよい。当該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素原子数1以上5以下のフッ素化アルキル基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
上記の構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含んでもよい環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、当該環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、当該環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基等が挙げられる。上記の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては前述と同様のものが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、3以上20以下が好ましく、3以上12以下がより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂肪族炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。当該モノシクロアルカンの炭素原子数は、3以上6以下が好ましい。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂肪族炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。当該ポリシクロアルカンの炭素原子数は、7以上12以下が好ましい。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、水素原子を置換する置換基(水素原子以外の基又は原子)を有していてもよいし、有していなくてもよい。当該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
上記の置換基としてのアルキル基としては、炭素原子数1以上5以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、及びtert-ブチル基がより好ましい。
上記の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素原子数1以上5以下のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、及びtert-ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、及びエトキシ基が特に好ましい。
上記の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
上記の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前述のアルキル基の水素原子の一部又は全部が上記のハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、その環構造を構成する炭素原子の一部が-O-、又は-S-で置換されてもよい。該ヘテロ原子を含む置換基としては、-O-、-C(=O)-O-、-S-、-S(=O)2-、-S(=O)2-O-が好ましい。
2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する2価の炭化水素基であり、置換基を有していてもよい。芳香環は、4n+2個のπ電子を持つ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素原子数は、5以上30以下が好ましく、5以上20以下がより好ましく、6以上15以下がさらに好ましく、6以上12以下が特に好ましい。ただし、当該炭素原子数には、置換基の炭素原子数を含まないものとする。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、及びフェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基として具体的には、上記の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基、又はヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(例えば、ビフェニル、フルオレン等)から水素原子を2つ除いた基;上記の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基、又はヘテロアリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、1-ナフチルエチル基、2-ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基);等が挙げられる。
上記のアリール基、又はヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素原子数は、1以上4以下が好ましく、1以上2以下がより好ましく、1が特に好ましい。
上記の芳香族炭化水素基は、当該芳香族炭化水素基が有する水素原子が置換基で置換されていてもよい。例えば、当該芳香族炭化水素基中の芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。当該置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
上記の置換基としてのアルキル基としては、炭素原子数1以上5以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、及びtert-ブチル基がより好ましい。
上記の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素原子数1以上5以下のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、及びtert-ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、及びエトキシ基がより好ましい。
上記の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
上記の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前述のアルキル基の水素原子の一部又は全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
・ヘテロ原子を含む2価の連結基
ヘテロ原子を含む2価の連結基におけるヘテロ原子とは、炭素原子及び水素原子以外の原子であり、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む2価の連結基におけるヘテロ原子とは、炭素原子及び水素原子以外の原子であり、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む2価の連結基として、具体的には、-O-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-S-、-S(=O)2-、-S(=O)2-O-、-NH-、-NH-C(=O)-、-NH-C(=NH)-、=N-等の非炭化水素系連結基、これらの非炭化水素系連結基の少なくとも1種と2価の炭化水素基との組み合わせ等が挙げられる。当該2価の炭化水素基としては、上述した置換基を有していてもよい2価の炭化水素基と同様のものが挙げられ、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましい。
上記のうち、-C(=O)-NH-中の-NH-、-NH-、-NH-C(=NH)-中のHは、それぞれ、アルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。当該置換基の炭素原子数は、1以上10以下が好ましく、1以上8以下がより好ましく、1以上5以下が特に好ましい。
R12bにおける2価の連結基としては、特に、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。
R12bにおける2価の連結基が直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基である場合、該アルキレン基の炭素原子数は、1以上10以下が好ましく、1以上6以下がより好ましく、1以上4以下が特に好ましく、1以上3以下が最も好ましい。具体的には、前述の2価の連結基としての「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」の説明中、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基として挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
R12bにおける2価の連結基が環状の脂肪族炭化水素基である場合、当該環状の脂肪族炭化水素基としては、前述の2価の連結基としての「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」の説明中、「構造中に環を含む脂肪族炭化水素基」として挙げた環状の脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
当該環状の脂肪族炭化水素基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、又はテトラシクロドデカンから水素原子が二個以上除かれた基が特に好ましい。
R12bにおける2価の連結基が、ヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、当該連結基として好ましいものとして、-O-、-C(=O)-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-NH-、-NH-(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、-S-、-S(=O)2-、-S(=O)2-O-、一般式-Y1-O-Y2-、-[Y1-C(=O)-O]m’-Y2-、又は-Y1-O-C(=O)-Y2-で表される基[式中、Y1、及びY2はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m’は0以上3以下の整数である。]等が挙げられる。
R12bにおける2価の連結基が-NH-の場合、-NH-中の水素原子はアルキル基、アシル等の置換基で置換されていてもよい。当該置換基(アルキル基、アシル基等)の炭素原子数は、1以上10以下が好ましく、1以上8以下がより好ましく、1以上5以下が特に好ましい。
式-Y1-O-Y2-、-[Y1-C(=O)-O]m’-Y2-、又は-Y1-O-C(=O)-Y2-中、Y1、及びY2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。当該2価の炭化水素基としては、前記2価の連結基としての説明で挙げた「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
Y1としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素原子数1以上5以下の直鎖状のアルキレン基がより好ましく、メチレン基、及びエチレン基が特に好ましい。
Y2としては、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基、及びアルキルメチレン基がより好ましい。当該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素原子数1以上5以下の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上3以下の直鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
式-[Y1-C(=O)-O]m’-Y2-で表される基において、m’は0以上3以下の整数であり、0以上2以下の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、式-[Y1-C(=O)-O]m’-Y2-で表される基としては、式-Y1-C(=O)-O-Y2-で表される基が特に好ましい。なかでも、式-(CH2)a’-C(=O)-O-(CH2)b’-で表される基が好ましい。当該式中、a’は、1以上10以下の整数であり、1以上8以下の整数が好ましく、1以上5以下の整数がより好ましく、1、又は2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1以上10以下の整数であり、1以上8以下の整数が好ましく、1以上5以下の整数がより好ましく、1又は2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
R12bにおける2価の連結基について、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、少なくとも1種の非炭化水素基と2価の炭化水素基との組み合わせからなる有機基が好ましい。なかでも、ヘテロ原子として酸素原子を有する直鎖状の基、例えばエーテル結合、又はエステル結合を含む基が好ましく、前述の式-Y1-O-Y2-、-[Y1-C(=O)-O]m’-Y2-、又は-Y1-O-C(=O)-Y2-で表される基がより好ましく、前述の式-[Y1-C(=O)-O]m’-Y2-、又は-Y1-O-C(=O)-Y2-で表される基が特に好ましい。
R12bにおける2価の連結基としては、アルキレン基、又はエステル結合(-C(=O)-O-)を含むものが好ましい。
当該アルキレン基は、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。当該直鎖状の脂肪族炭化水素基の好適な例としては、メチレン基[-CH2-]、エチレン基[-(CH2)2-]、トリメチレン基[-(CH2)3-]、テトラメチレン基[-(CH2)4-]、及びペンタメチレン基[-(CH2)5-]等が挙げられる。当分岐鎖状のアルキレン基の好適な例としては、-CH(CH3)-、-CH(CH2CH3)-、-C(CH3)2-、-C(CH3)(CH2CH3)-、-C(CH3)(CH2CH2CH3)-、-C(CH2CH3)2-等のアルキルメチレン基;-CH(CH3)CH2-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-C(CH3)2CH2-、-CH(CH2CH3)CH2-、-C(CH2CH3)2-CH2-等のアルキルエチレン基;-CH(CH3)CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-等のアルキルトリメチレン基;-CH(CH3)CH2CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2CH2-等のアルキルテトラメチレン基等のアルキルアルキレン基等が挙げられる。
エステル結合を含む2価の連結基としては、特に、式:-R13b-C(=O)-O-[式中、R13bは2価の連結基である。]で表される基が好ましい。すなわち、構成単位(b-3-S)は、下記式(b-S1-1)で表される構成単位であることが好ましい。
R13bとしては、特に限定されず、例えば、前述のR12bにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。
R13bの2価の連結基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又はヘテロ原子として酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。
R13bの2価の連結基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又はヘテロ原子として酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基としては、メチレン基、又はエチレン基が好ましく、メチレン基が特に好ましい。分岐鎖状のアルキレン基としては、アルキルメチレン基、又はアルキルエチレン基が好ましく、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-、又は-C(CH3)2CH2-が特に好ましい。
酸素原子を含む2価の連結基としては、エーテル結合、又はエステル結合を含む2価の連結基が好ましく、前述した、-Y1-O-Y2-、-[Y1-C(=O)-O]m’-Y2-、又は-Y1-O-C(=O)-Y2-がより好ましい。Y1、及びY2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、m’は0以上3以下の整数である。なかでも、-Y1-O-C(=O)-Y2-が好ましく、-(CH2)c-O-C(=O)-(CH2)d-で表される基が特に好ましい。cは1以上5以下の整数であり、1又は2が好ましい。dは1以上5以下の整数であり、1又は2が好ましい。
構成単位(b-3-S)としては、特に、下記式(b-S1-11)、又は(b-S1-12)で表される構成単位が好ましく、式(b-S1-12)で表される構成単位がより好ましい。
式(b-S1-11)中、A’はメチレン基、酸素原子(-O-)、又は硫黄原子(-S-)であることが好ましい。
R13bとしては、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又は酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。R13bにおける直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、前述の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。
式(b-S1-12)で表される構成単位としては、特に、下記式(b-S1-12a)、又は(b-S1-12b)で表される構成単位が好ましい。
・構成単位(b-3-L)
構成単位(b-3-L)の例としては、例えば前述の式(b-S1)中のR11bをラクトン含有環式基で置換したものが挙げられ、より具体的には、下記式(b-L1)~(b-L5)で表される構成単位が挙げられる。
構成単位(b-3-L)の例としては、例えば前述の式(b-S1)中のR11bをラクトン含有環式基で置換したものが挙げられ、より具体的には、下記式(b-L1)~(b-L5)で表される構成単位が挙げられる。
式(b-L1)~(b-L5)におけるRは、前述と同様である。
R’におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、-COOR”、-OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、-SO2-含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、-COOR”、-OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基について前述したものと同様のものが挙げられる。
R’におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、-COOR”、-OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、-SO2-含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、-COOR”、-OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基について前述したものと同様のものが挙げられる。
R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
R”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
R”が直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素原子数1以上10以下であることが好ましく、炭素原子数1以上5以下であることがさらに好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素原子数3以上15以下であることが好ましく、炭素原子数4以上12以下であることがさらに好ましく、炭素原子数5以上10以下が最も好ましい。具体的には、フッ素原子又はフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等を例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
A”としては、前述の式(3-1)中のA’と同様のものが挙げられる。A”は、炭素原子数1以上5以下のアルキレン基、酸素原子(-O-)又は硫黄原子(-S-)であることが好ましく、炭素原子数1以上5以下のアルキレン基、又は-O-がより好ましい。炭素原子数1以上5以下のアルキレン基としては、メチレン基、又はジメチルメチレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
R”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
R”が直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素原子数1以上10以下であることが好ましく、炭素原子数1以上5以下であることがさらに好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素原子数3以上15以下であることが好ましく、炭素原子数4以上12以下であることがさらに好ましく、炭素原子数5以上10以下が最も好ましい。具体的には、フッ素原子又はフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等を例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
A”としては、前述の式(3-1)中のA’と同様のものが挙げられる。A”は、炭素原子数1以上5以下のアルキレン基、酸素原子(-O-)又は硫黄原子(-S-)であることが好ましく、炭素原子数1以上5以下のアルキレン基、又は-O-がより好ましい。炭素原子数1以上5以下のアルキレン基としては、メチレン基、又はジメチルメチレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
R12bは、前述の式(b-S1)中のR12bと同様である。
式(b-L1)中、s”は1又は2であることが好ましい。
以下に、前述の式(b-L1)~(b-L3)で表される構成単位の具体例を例示する。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。
式(b-L1)中、s”は1又は2であることが好ましい。
以下に、前述の式(b-L1)~(b-L3)で表される構成単位の具体例を例示する。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。
構成単位(b-3-L)としては、前述の式(b-L1)~(b-L5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、式(b-L1)~(b-L3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、前述の式(b-L1)、又は(b-L3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が特に好ましい。
なかでも、前述の式(b-L1-1)、(b-L1-2)、(b-L2-1)、(b-L2-7)、(b-L2-12)、(b-L2-14)、(b-L3-1)、及び(b-L3-5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
なかでも、前述の式(b-L1-1)、(b-L1-2)、(b-L2-1)、(b-L2-7)、(b-L2-12)、(b-L2-14)、(b-L3-1)、及び(b-L3-5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
また、アクリル樹脂(B1)は、酸の作用によりアクリル樹脂(B1)のアルカリに対する溶解性を高める構成単位として、酸解離性基を有する下記式(b5)~(b7)で表される構成単位を含む。
上記式(b5)~(b7)中、R14b、及びR18b~R23bは、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、フッ素原子、又は炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のフッ素化アルキル基を表し、R15b~R17bは、それぞれ独立に炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のフッ素化アルキル基、又は炭素原子数5以上20以下の脂肪族環式基を表し、それぞれ独立に炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のフッ素化アルキル基を表し、R16b及びR17bは互いに結合して、両者が結合している炭素原子とともに炭素原子数5以上20以下の炭化水素環を形成してもよく、Ybは、置換基を有していてもよい脂肪族環式基又はアルキル基を表し、pは0以上4以下の整数を表し、qは0又は1を表す。
なお、上記直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。また、フッ素化アルキル基とは、上記アルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子により置換されたものである。
脂肪族環式基の具体例としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。特に、シクロヘキサン、アダマンタンから1個の水素原子を除いた基(さらに置換基を有していてもよい)が好ましい。
脂肪族環式基の具体例としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。特に、シクロヘキサン、アダマンタンから1個の水素原子を除いた基(さらに置換基を有していてもよい)が好ましい。
上記R16b及びR17bが互いに結合して炭化水素環を形成しない場合、上記R15b、R16b、及びR17bとしては、高コントラストで、解像度、焦点深度幅等が良好な点から、炭素原子数1以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数2以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることがより好ましい。上記R19b、R20b、R22b、R23bとしては、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
上記R16b及びR17bは、両者が結合している炭素原子とともに炭素原子数5以上20以下の脂肪族環式基を形成してもよい。このような脂肪族環式基の具体例としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。特に、シクロヘキサン、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基(さらに置換基を有していてもよい)が好ましい。
さらに、上記R16b及びR17bが形成する脂肪族環式基が、その環骨格上に置換基を有する場合、当該置換基の例としては、水酸基、カルボキシ基、シアノ基、酸素原子(=O)等の極性基や、炭素原子数1以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。極性基としては特に酸素原子(=O)が好ましい。
上記Ybは、脂肪族環式基又はアルキル基であり、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。特に、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基(さらに置換基を有していてもよい)が好ましい。
さらに、上記Ybの脂肪族環式基が、その環骨格上に置換基を有する場合、当該置換基の例としては、水酸基、カルボキシ基、シアノ基、酸素原子(=O)等の極性基や、炭素原子数1以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。極性基としては特に酸素原子(=O)が好ましい。
また、Ybがアルキル基である場合、炭素原子数1以上20以下、好ましくは6以上15以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましい。このようなアルキル基は、特にアルコキシアルキル基であることが好ましく、このようなアルコキシアルキル基としては、1-メトキシエチル基、1-エトキシエチル基、1-n-プロポキシエチル基、1-イソプロポキシエチル基、1-n-ブトキシエチル基、1-イソブトキシエチル基、1-tert-ブトキシエチル基、1-メトキシプロピル基、1-エトキシプロピル基、1-メトキシ-1-メチル-エチル基、1-エトキシ-1-メチルエチル基等が挙げられる。
上記式(b5)で表される構成単位の好ましい具体例としては、下記式(b5-1)~(b5-33)で表されるものを挙げることができる。
上記式(b5-1)~(b5-33)中、R24bは、水素原子又はメチル基を表す。
上記式(b6)で表される構成単位の好ましい具体例としては、下記式(b6-1)~(b6-26)で表されるものを挙げることができる。
上記式(b6-1)~(b6-26)中、R24bは、水素原子又はメチル基を表す。
上記式(b7)で表される構成単位の好ましい具体例としては、下記式(b7-1)~(b7-15)で表されるものを挙げることができる。
上記式(b7-1)~(b7-15)中、R24bは、水素原子又はメチル基を表す。
以上説明した式(b5)~(b7)で表される構成単位の中では、合成がしやすく且つ比較的高感度化しやすい点から、式(b6)で表される構成単位が好ましい。また、式(b6)で表される構成単位の中では、Ybがアルキル基である構成単位が好ましく、R19b及びR20bの一方又は双方がアルキル基である構成単位が好ましい。
さらに、アクリル樹脂(B1)は、上記式(b5)~(b7)で表される構成単位とともに、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位を含む共重合体からなる樹脂であることが好ましい。
上記エーテル結合を有する重合性化合物としては、エーテル結合及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等のラジカル重合性化合物を例示することができ、具体例としては、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、上記エーテル結合を有する重合性化合物は、好ましくは、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレートである。これらの重合性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、アクリル樹脂(B1)には、物理的、化学的特性を適度にコントロールする目的で他の重合性化合物を構成単位として含めることができる。このような重合性化合物としては、公知のラジカル重合性化合物や、アニオン重合性化合物が挙げられる。
このような重合性化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸類;2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2-メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2-メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシ基及びエステル結合を有するメタクリル酸誘導体類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジブチル等のジカルボン酸ジエステル類;スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル基含有芳香族化合物類;酢酸ビニル等のビニル基含有脂肪族化合物類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有重合性化合物類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド結合含有重合性化合物類;等を挙げることができる。
上記の通り、アクリル樹脂(B1)は、上記のモノカルボン酸類やジカルボン酸類のようなカルボキシ基を有する重合性化合物に由来する構成単位を含んでいてもよい。しかし、より断面形状が良好な矩形である非レジスト部を含むパターン化された樹脂膜を形成しやすい点から、アクリル樹脂(B1)は、カルボキシ基を有する重合性化合物に由来する構成単位を実質的に含まないのが好ましい。具体的には、アクリル樹脂(B1)中の、カルボキシ基を有する重合性化合物に由来する構成単位の比率は、20モル%以下が好ましく、15モル%以下がより好ましく、10モル%以下が特に好ましい。
アクリル樹脂(B1)において、カルボキシ基を有する重合性化合物に由来する構成単位を比較的多量に含むアクリル樹脂は、カルボキシ基を有する重合性化合物に由来する構成単位を少量しか含まないか、含まないアクリル樹脂と併用されるのが好ましい。
アクリル樹脂(B1)において、カルボキシ基を有する重合性化合物に由来する構成単位を比較的多量に含むアクリル樹脂は、カルボキシ基を有する重合性化合物に由来する構成単位を少量しか含まないか、含まないアクリル樹脂と併用されるのが好ましい。
また、重合性化合物としては、酸非解離性の脂肪族多環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、ビニル基含有芳香族化合物類等を挙げることができる。酸非解離性の脂肪族多環式基としては、特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基等が、工業上入手しやすい等の点で好ましい。これらの脂肪族多環式基は、炭素原子数1以上5以下の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
酸非解離性の脂肪族多環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル類としては、具体的には、下記式(b8-1)~(b8-5)の構造のものを例示することができる。
上記式(b8-1)~(b8-5)中、R25bは、水素原子又はメチル基を表す。
アクリル樹脂(B1)が、-SO2-含有環式基、又はラクトン含有環式基を含む構成単位(b-3)を含む場合、アクリル樹脂(B1)中の構成単位(b-3)の含有量は、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、10モル%以上50モル%以下が特に好ましく、10モル%以上30モル%以下が最も好ましい。感光性組成物が、上記の範囲内の量の構成単位(b-3)を含む場合、良好な現像性と、良好なパターン形状とを両立しやすい。
また、アクリル樹脂(B1)は、前述の式(b5)~(b7)で表される構成単位を、5モル%以上含むのが好ましく、10モル%以上含むのがより好ましく、10モル%以上50モル%以下含むのが特に好ましい。
アクリル樹脂(B1)は、上記のエーテル結合を有する重合性化合物に由来する構成単位を含むのが好ましい。アクリル樹脂(B1)中の、エーテル結合を有する重合性化合物に由来する構成単位の含有量は、0モル%以上50モル%以下が好ましく、5モル%以上40モル%以下がより好ましく、5モル%以上30モル%以下がさらに好ましい。
アクリル樹脂(B1)は、上記の酸非解離性の脂肪族多環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル類に由来する構成単位を含むのが好ましい。アクリル樹脂(B1)中の、酸非解離性の脂肪族多環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル類に由来する構成単位の含有量は、0モル%以上60モル%以下が好ましく、5モル%以上50モル%以下がより好ましく、5モル%以上30モル%以下がさらに好ましい。
アクリル樹脂(B1)のガラス転移温度の計算値は、30℃以上130℃以下であるのが好ましく、40℃以上110℃以下であるのがより好ましい。
ガラス転移温度の計算値が上記の範囲内の温度であると、架橋剤(C)によるアクリル樹脂(B1)の架橋が、120℃以上の加熱により良好に進行しやすく、また、クラックの発生を抑制しつつ、パターン化された樹脂膜を形成しやすい。
アクリル樹脂(B1)がn種の単量体からなる単独重合体、又は共重合体である場合、アクリル樹脂(B1)のガラス転移温度(Tg(℃))は、以下のFOXの式に従い算出できる。nは、1以上の整数である。
<FOXの式>
1/(Tg-273)=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
ここで、Tg1~Tgn(単位:K)、n種の単量体それぞれに関する、ホモポリマーのガラス転移温度である。例えば、単量体がアクリル酸メチルである場合、ポリアクリル酸メチルのガラス転移温度が、ホモポリマーのガラス転移温度である。
また、Wnは、Tgnを与える単量体についての、全単量体の質量に対する質量分率である。W1~Wnの総和は1である。
n種の単量体それぞれに関する、ホモポリマーのガラス転移温度は、富士通製計算化学統合プラットフォームSCIGRESS(V3.2)のQSPR機能を用いて算出できる。
ガラス転移温度の計算値が上記の範囲内の温度であると、架橋剤(C)によるアクリル樹脂(B1)の架橋が、120℃以上の加熱により良好に進行しやすく、また、クラックの発生を抑制しつつ、パターン化された樹脂膜を形成しやすい。
アクリル樹脂(B1)がn種の単量体からなる単独重合体、又は共重合体である場合、アクリル樹脂(B1)のガラス転移温度(Tg(℃))は、以下のFOXの式に従い算出できる。nは、1以上の整数である。
<FOXの式>
1/(Tg-273)=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
ここで、Tg1~Tgn(単位:K)、n種の単量体それぞれに関する、ホモポリマーのガラス転移温度である。例えば、単量体がアクリル酸メチルである場合、ポリアクリル酸メチルのガラス転移温度が、ホモポリマーのガラス転移温度である。
また、Wnは、Tgnを与える単量体についての、全単量体の質量に対する質量分率である。W1~Wnの総和は1である。
n種の単量体それぞれに関する、ホモポリマーのガラス転移温度は、富士通製計算化学統合プラットフォームSCIGRESS(V3.2)のQSPR機能を用いて算出できる。
感光性組成物が所定の量のアクリル樹脂(B1)を含有する限りにおいて、以上説明したアクリル樹脂(B1)以外のアクリル樹脂(B4)も樹脂(B)として用いることができる。このような、アクリル樹脂(B1)以外のアクリル樹脂としては、前述の式(b5)~(b7)で表される構成単位を含む樹脂であれば特に限定されない。
(ノボラック樹脂(B2))
ノボラック樹脂(B2)としては、下記式(b1)で表される構成単位を含む樹脂を使用することができる。
ノボラック樹脂(B2)としては、下記式(b1)で表される構成単位を含む樹脂を使用することができる。
上記式(b1)中、R1bは、酸解離性溶解抑制基を示し、R2b、R3bは、それぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。
上記R1bで表される酸解離性溶解抑制基としては、下記式(b2)、(b3)で表される基、炭素原子数1以上6以下の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基、ビニルオキシエチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、又はトリアルキルシリル基であることが好ましい。
上記式(b2)、(b3)中、R4b、R5bは、それぞれ独立に水素原子、又は炭素原子数1以上6以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表し、R6bは、炭素原子数1以上10以下の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基を表し、R7bは、炭素原子数1以上6以下の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基を表し、oは0又は1を表す。
上記直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。また、上記環状のアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
ここで、上記式(b2)で表される酸解離性溶解抑制基として、具体的には、メトキシエチル基、エトキシエチル基、n-プロポキシエチル基、イソプロポキシエチル基、n-ブトキシエチル基、イソブトキシエチル基、tert-ブトキシエチル基、シクロヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、1-メトキシ-1-メチル-エチル基、1-エトキシ-1-メチルエチル基等が挙げられる。また、上記式(b3)で表される酸解離性溶解抑制基として、具体的には、tert-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニルメチル基等が挙げられる。また、上記トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリ-tert-ブチルジメチルシリル基等の各アルキル基の炭素原子数が1以上6以下の基が挙げられる。
(ポリヒドロキシスチレン樹脂(B3))
ポリヒドロキシスチレン樹脂(B3)としては、下記式(b4)で表される構成単位を含む樹脂を使用することができる。
ポリヒドロキシスチレン樹脂(B3)としては、下記式(b4)で表される構成単位を含む樹脂を使用することができる。
上記式(b4)中、R8bは、水素原子又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、R9bは、酸解離性溶解抑制基を表す。
上記炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、例えば炭素原子数1以上6以下の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基である。直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、環状のアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記R9bで表される酸解離性溶解抑制基としては、上記式(b2)、(b3)に例示したものと同様の酸解離性溶解抑制基を用いることができる。
さらに、ポリヒドロキシスチレン樹脂(B3)は、物理的、化学的特性を適度にコントロールする目的で他の重合性化合物を構成単位として含むことができる。このような重合性化合物としては、公知のラジカル重合性化合物や、アニオン重合性化合物が挙げられる。また、このような重合性化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸類;2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2-メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2-メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシ基及びエステル結合を有するメタクリル酸誘導体類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジブチル等のジカルボン酸ジエステル類;スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル基含有芳香族化合物類;酢酸ビニル等のビニル基含有脂肪族化合物類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有重合性化合物類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド結合含有重合性化合物類;等を挙げることができる。
以上説明した樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、15,000以下であり、4000以上13,000以下が好ましく、4500以上9,000以下がより好ましく、5,000以上8,000以下がさらに好ましい。このような樹脂(B)の重量平均分子量が、このような範囲内であると、感光性組成物の固形分濃度を高めても、感光性組成物の粘度が過度に高くない。その結果、感光性組成物の1回の塗布でも、十分に厚い樹脂膜を形成しやすい。
樹脂(B)の重量平均分子量は、重合温度、及び重合時間等の重合条件の調整、重合触媒の種類、重合触媒の使用量の調整等の公知の方法により調整できる。
樹脂(B)が、複数の樹脂を含む場合、当該複数の樹脂のそれぞれの重量平均分子量が15,000以下であるのが好ましい。
樹脂(B)の重量平均分子量は、重合温度、及び重合時間等の重合条件の調整、重合触媒の種類、重合触媒の使用量の調整等の公知の方法により調整できる。
樹脂(B)が、複数の樹脂を含む場合、当該複数の樹脂のそれぞれの重量平均分子量が15,000以下であるのが好ましい。
また、樹脂(B)の分散度は1.05以上が好ましい。ここで、分散度とは、重量平均分子量を数平均分子量で除した値のことである。このような分散度とすることにより、所望とするめっきに対する応力耐性や、めっき処理により得られる金属層が膨らみやすくなるという問題を回避できる。
樹脂(B)の含有量は、感光性組成物の全質量に対して5質量%以上60質量%以下であるのが好ましい。
また、樹脂(B)の含有量は、感光性組成物の質量から後述する有機溶剤(S)の質量を除いた質量に対して5質量%以上98質量%以下であることが好ましく、10質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。
また、樹脂(B)の含有量は、感光性組成物の質量から後述する有機溶剤(S)の質量を除いた質量に対して5質量%以上98質量%以下であることが好ましく、10質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。
[架橋剤(C)]
感光性組成物は、架橋剤(C)を含む。架橋剤(C)は、フェノール性水酸基との反応により前述のアクリル樹脂(B1)を架橋し得る化合物である。
感光性組成物が、上記の樹脂(B)や、後述するアルカリ可溶性樹脂(D)とともに、架橋剤(C)を含む場合、感光性組成物からなる塗布膜が加熱されることで、樹脂(B)やアルカリ可溶性樹脂(D)が有するカルボキシ基やフェノール性水酸基と、架橋剤(C)とが反応して樹脂(B)やアルカリ可溶性樹脂(D)の分子鎖が架橋される。
感光性組成物は、架橋剤(C)を含む。架橋剤(C)は、フェノール性水酸基との反応により前述のアクリル樹脂(B1)を架橋し得る化合物である。
感光性組成物が、上記の樹脂(B)や、後述するアルカリ可溶性樹脂(D)とともに、架橋剤(C)を含む場合、感光性組成物からなる塗布膜が加熱されることで、樹脂(B)やアルカリ可溶性樹脂(D)が有するカルボキシ基やフェノール性水酸基と、架橋剤(C)とが反応して樹脂(B)やアルカリ可溶性樹脂(D)の分子鎖が架橋される。
感光性組成物が、重量平均分子量が15,000以下である樹脂(B)を含むことにより、感光性組成物の固形分濃度を高めても、感光性組成物の粘度が過度に高まりにくい。このため、前述の樹脂(B)を含む感光性組成物の固形分濃度を高めると、スピンコート法等の塗布法により厚い塗布膜を形成しやすい。
一方、分子量の低い樹脂(B)は、樹脂膜へのクラックの発生や、樹脂膜のめっき液耐性の体か等を招きやすい。
しかし、感光性組成物からなる塗布膜が加熱されることで、樹脂(B)やアルカリ可溶性樹脂(D)の分子鎖が架橋されると、感光性組成物を用いて樹脂膜を形成する際に、樹脂膜でのクラックの発生を抑制でき、また、めっき条件下でめっき液に接触しても形状が変化しにくい樹脂膜を形成できる。
一方、分子量の低い樹脂(B)は、樹脂膜へのクラックの発生や、樹脂膜のめっき液耐性の体か等を招きやすい。
しかし、感光性組成物からなる塗布膜が加熱されることで、樹脂(B)やアルカリ可溶性樹脂(D)の分子鎖が架橋されると、感光性組成物を用いて樹脂膜を形成する際に、樹脂膜でのクラックの発生を抑制でき、また、めっき条件下でめっき液に接触しても形状が変化しにくい樹脂膜を形成できる。
架橋剤(C)としては、例えば、1分子中に2以上のビニルオキシ基を有する多官能ビニルエーテル化合物、1分子中に2以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物、1分子中に2以上のジカルボン酸無水物基を有する多官能ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
以上説明した、架橋剤(C)としては、1分子中に2以上のビニルオキシ基を有する多官能ビニルエーテル化合物が好ましい。
架橋剤(C)が、1分子中に2以上のビニルオキシ基を有する多官能ビニルエーテル化合物である場合、樹脂(B)やアルカリ可溶性樹脂(D)が有するフェノール性水酸基やカルボキシ基がアセタール型の架橋基による架橋される。かかるアセタール型の架橋基は、酸の作用によりカルボキシ基又はフェノール性水酸基から解離し、カルボキシ基又はフェノール性水酸基を生じさせる。
そうすると、感光性組成物を用いて形成された塗布膜が露光したされた場合に、塗布膜の未露光部では、架橋剤(C)により架橋された樹脂(B)やアルカリ可溶性樹脂(D)が十分に現像液に対して難溶である一方で、露光部では、架橋部分がフェノール性水酸基やカルボキシ基に戻ることにより、露光部が、特に現像液に対して易溶になる。このため、架橋剤(C)として、1分子中に2以上のビニルオキシ基を有する多官能ビニルエーテル化合物を用いると、露光された塗布膜における露光部と未露光部とで、現像液に対する溶解性のコントラストが大きく、所望する形状にパターニングされた樹脂膜を形成しやすい。
架橋剤(C)が、1分子中に2以上のビニルオキシ基を有する多官能ビニルエーテル化合物である場合、樹脂(B)やアルカリ可溶性樹脂(D)が有するフェノール性水酸基やカルボキシ基がアセタール型の架橋基による架橋される。かかるアセタール型の架橋基は、酸の作用によりカルボキシ基又はフェノール性水酸基から解離し、カルボキシ基又はフェノール性水酸基を生じさせる。
そうすると、感光性組成物を用いて形成された塗布膜が露光したされた場合に、塗布膜の未露光部では、架橋剤(C)により架橋された樹脂(B)やアルカリ可溶性樹脂(D)が十分に現像液に対して難溶である一方で、露光部では、架橋部分がフェノール性水酸基やカルボキシ基に戻ることにより、露光部が、特に現像液に対して易溶になる。このため、架橋剤(C)として、1分子中に2以上のビニルオキシ基を有する多官能ビニルエーテル化合物を用いると、露光された塗布膜における露光部と未露光部とで、現像液に対する溶解性のコントラストが大きく、所望する形状にパターニングされた樹脂膜を形成しやすい。
多官能ビニルエーテル化合物は、1分子内に2以上のビニルオキシ基を含む有機化合物であれば特に限定されない。ビニルオキシ基が結合する母核である2価又は多価の有機基は、炭化水素基であってもよく、ヘテロ原子を含む有機基であってもよい。ヘテロ原子としては、O、S、N、P、ハロゲン原子等が挙げられる。
多官能ビニルエーテル化合物においてビニルオキシ基が結合する母核としての2価以上の有機基は、化学的に安定であることや、感光性組成物中での溶解性が良好であることから、炭化水素基であるのが好ましい。当該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても、芳香族炭化水素基であっても、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基との組み合わせであってもよく、脂肪族炭化水素基が好ましい。
多官能ビニルエーテル化合物においてビニルオキシ基が結合する母核としての2価以上の有機基が炭化水素基である場合、当該炭化水素基の炭素原子数は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。
当該炭化水素基の炭素原子数は、例えば、1以上40以下が好ましく、2以上20以下がより好ましく、2以上10以下がさらに好ましい。
当該炭化水素基の炭素原子数は、例えば、1以上40以下が好ましく、2以上20以下がより好ましく、2以上10以下がさらに好ましい。
多官能ビニルエーテル化合物が有するビニルオキシ基の数は特に限定されない。ビニルオキシ基の数は、1分子中に、2以上6以下が好ましく、2以上4以下がより好ましく、2又は3が特に好ましい。
多官能ビニルエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジビニルエーテル、ポリプロピレングリコールジビニルエーテル、1,3-プロパンジオールジビニルエーテル、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル1,5-ペンタンジオールジビニルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,8-オクタンジオールジビニルエーテル、1,10-デカンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル等の鎖状脂肪族ジビニルエーテル;1,4-シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、及び2-ビニルオキシ-5-(ビニルオキシメチル)-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン等の環状脂肪族ジビニルエーテル;1,4-ジビニロキシベンゼン、1,3-ジビニロキシベンゼン、1,2-ジビニロキシベンゼン、1,4-ジビニロキシナフタレン、1,3-ジビニロキシナフタレン、1,2-ジビニロキシナフタレン、1,5-ジビニロキシナフタレン、1,6-ジビニロキシナフタレン、1,7-ジビニロキシナフタレン、1,8-ジビニロキシナフタレン、2,3-ジビニロキシナフタレン、2,6-ジビニロキシナフタレン、2,7-ジビニロキシナフタレン、4,4’-ジビニロキシビフェニル、3,3’-ジビニロキシビフェニル、2,2’-ジビニロキシビフェニル、3,4’-ジビニロキシビフェニル、2,3’-ジビニロキシビフェニル、2,4’-ジビニロキシビフェニル、ビスフェノールAジビニルエーテル、1,4-ベンゼンジメタノールジビニルエーテル、1,3-ベンゼンジメタノールジビニルエーテル、1,2-ベンゼンジメタノールジビニルエーテル、及びナフタレン-1,4-ビスメタノールジビニルエーテル等の芳香族ジビニルエーテル;トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、及びジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の3価以上の多価ビニルエーテルが挙げられる。
感光性組成物における、架橋剤(C)の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。パターン化された樹脂膜形成時のクラックの発生を特に抑制しやすく、めっき条件下でめっき液に接触しても形状が変化しにくいパターン化された樹脂膜の形成が特に容易であることから、感光性組成物における、架橋剤(C)の使用量は、樹脂(B)の質量とアルカリ可溶性樹脂(D)の質量との合計100質量部に対して、0.5質量部以上50質量部以下が好ましく、1質量部以上30質量部以下がより好ましい。
[アルカリ可溶性樹脂(D)]
感光性組成物は、パターン化された樹脂膜クラック耐性を向上させるため、さらにアルカリ可溶性樹脂(D)を含有することが好ましい。なお、アルカリ可溶性樹脂(D)は、前述の樹脂(B)に該当しない樹脂である。ここで、アルカリ可溶性樹脂とは、樹脂濃度20質量%の樹脂溶液(溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)により、膜厚1μmの樹脂膜を基板上に形成し、2.38質量%のTMAH水溶液に1分間浸漬した際、0.01μm以上溶解する樹脂をいう。アルカリ可溶性樹脂(D)としては、ノボラック樹脂(D1)、ポリヒドロキシスチレン樹脂(D2)、及びアクリル樹脂(D3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。
感光性組成物は、パターン化された樹脂膜クラック耐性を向上させるため、さらにアルカリ可溶性樹脂(D)を含有することが好ましい。なお、アルカリ可溶性樹脂(D)は、前述の樹脂(B)に該当しない樹脂である。ここで、アルカリ可溶性樹脂とは、樹脂濃度20質量%の樹脂溶液(溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)により、膜厚1μmの樹脂膜を基板上に形成し、2.38質量%のTMAH水溶液に1分間浸漬した際、0.01μm以上溶解する樹脂をいう。アルカリ可溶性樹脂(D)としては、ノボラック樹脂(D1)、ポリヒドロキシスチレン樹脂(D2)、及びアクリル樹脂(D3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。
(ノボラック樹脂(D1))
ノボラック樹脂は、例えばフェノール性水酸基を有する芳香族化合物(以下、単に「フェノール類」という。)とアルデヒド類とを酸触媒下で付加縮合させることにより得られる。
ノボラック樹脂は、例えばフェノール性水酸基を有する芳香族化合物(以下、単に「フェノール類」という。)とアルデヒド類とを酸触媒下で付加縮合させることにより得られる。
上記フェノール類としては、例えば、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-エチルフェノール、m-エチルフェノール、p-エチルフェノール、o-ブチルフェノール、m-ブチルフェノール、p-ブチルフェノール、2,3-キシレノール、2,4-キシレノール、2,5-キシレノール、2,6-キシレノール、3,4-キシレノール、3,5-キシレノール、2,3,5-トリメチルフェノール、3,4,5-トリメチルフェノール、p-フェニルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、没食子酸、没食子酸エステル、α-ナフトール、β-ナフトール等が挙げられる。
上記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。
付加縮合反応時の触媒は、特に限定されないが、例えば酸触媒では、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、シュウ酸、酢酸等が使用される。
上記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。
付加縮合反応時の触媒は、特に限定されないが、例えば酸触媒では、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、シュウ酸、酢酸等が使用される。
なお、o-クレゾールを使用すること、樹脂中の水酸基の水素原子を他の置換基に置換すること、あるいは嵩高いアルデヒド類を使用することにより、ノボラック樹脂の柔軟性を一層向上させることが可能である。
ノボラック樹脂(D1)の重量平均分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、1000以上50000以下であることが好ましい。
(ポリヒドロキシスチレン樹脂(D2))
ポリヒドロキシスチレン樹脂(D2)を構成するヒドロキシスチレン系化合物としては、p-ヒドロキシスチレン、α-メチルヒドロキシスチレン、α-エチルヒドロキシスチレン等が挙げられる。
さらに、ポリヒドロキシスチレン樹脂(D2)は、スチレン樹脂との共重合体とすることが好ましい。このようなスチレン樹脂を構成するスチレン系化合物としては、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン等が挙げられる。
ポリヒドロキシスチレン樹脂(D2)を構成するヒドロキシスチレン系化合物としては、p-ヒドロキシスチレン、α-メチルヒドロキシスチレン、α-エチルヒドロキシスチレン等が挙げられる。
さらに、ポリヒドロキシスチレン樹脂(D2)は、スチレン樹脂との共重合体とすることが好ましい。このようなスチレン樹脂を構成するスチレン系化合物としては、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン等が挙げられる。
ポリヒドロキシスチレン樹脂(D2)の重量平均分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、1000以上50000以下であることが好ましい。
(アクリル樹脂(D3))
アクリル樹脂(D3)としては、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位、及びカルボキシ基を有する重合性化合物から誘導された構成単位を含むことが好ましい。
アクリル樹脂(D3)としては、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位、及びカルボキシ基を有する重合性化合物から誘導された構成単位を含むことが好ましい。
上記エーテル結合を有する重合性化合物としては、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル結合及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等を例示することができる。上記エーテル結合を有する重合性化合物は、好ましくは、2-メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレートである。これらの重合性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記カルボキシ基を有する重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸類;2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2-メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2-メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシ基及びエステル結合を有する化合物;等を例示することができる。上記カルボキシ基を有する重合性化合物は、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。これらの重合性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル樹脂(D3)の重量平均分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定ないが、50000以上800000以下であることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(D)の含有量は、上記樹脂(B)とアルカリ可溶性樹脂(D)との合計を100質量部とした場合、0質量部以上80質量部以下が好ましく、0質量部以上60質量部以下がより好ましい。アルカリ可溶性樹脂(D)の含有量を上記の範囲とすることによりクラック耐性を向上させ、現像時の膜減りを防ぐことができる傾向がある。
[含硫黄化合物(E)]
感光性組成物が金属基板上でのパターン形成に用いられる場合、感光性組成物が、含硫黄化合物(E)を含むのが好ましい。含硫黄化合物(E)は、金属に対して配位し得る硫黄原子を含む化合物である。なお、2以上の互変異性体を生じ得る化合物に関して、少なくとも1つの互変異性体が金属基板の表面を構成する金属に対して配位する硫黄原子を含む場合、当該化合物は含硫黄化合物に該当する。
Cu等の金属からなる表面上に、めっき用の鋳型として用いられるパターン化された樹脂膜を形成する場合、フッティング(裾引き)等の断面形状の不具合が生じる場合がある。前述の通り、上記の感光性組成物を用いる場合、断面形状の矩形性が良好であるパターン化された樹脂膜の形成が容易である。一方で、より確実に断面形状の不具合を抑制する目的で、感光性組成物が含硫黄化合物(E)を含むのが好ましい。感光性組成物が含硫黄化合物(E)を含む場合、基板における金属からなる表面上にパターン化された樹脂膜を形成する場合でも、フッティング等の断面形状の不具合の発生をより確実に抑制しやすい。
感光性組成物が金属基板上でのパターン形成に用いられる場合、感光性組成物が、含硫黄化合物(E)を含むのが好ましい。含硫黄化合物(E)は、金属に対して配位し得る硫黄原子を含む化合物である。なお、2以上の互変異性体を生じ得る化合物に関して、少なくとも1つの互変異性体が金属基板の表面を構成する金属に対して配位する硫黄原子を含む場合、当該化合物は含硫黄化合物に該当する。
Cu等の金属からなる表面上に、めっき用の鋳型として用いられるパターン化された樹脂膜を形成する場合、フッティング(裾引き)等の断面形状の不具合が生じる場合がある。前述の通り、上記の感光性組成物を用いる場合、断面形状の矩形性が良好であるパターン化された樹脂膜の形成が容易である。一方で、より確実に断面形状の不具合を抑制する目的で、感光性組成物が含硫黄化合物(E)を含むのが好ましい。感光性組成物が含硫黄化合物(E)を含む場合、基板における金属からなる表面上にパターン化された樹脂膜を形成する場合でも、フッティング等の断面形状の不具合の発生をより確実に抑制しやすい。
金属に対して配位し得る硫黄原子は、例えば、メルカプト基(-SH)、チオカルボキシ基(-CO-SH)、ジチオカルボキシ基(-CS-SH)、及びチオカルボニル基(-CS-)等として含硫黄化合物(E)に含まれる。
金属に対して配位しやすく、フッティングの抑制効果に優れることから、含硫黄化合物(E)がメルカプト基を有するのが好ましい。
金属に対して配位しやすく、フッティングの抑制効果に優れることから、含硫黄化合物(E)がメルカプト基を有するのが好ましい。
メルカプト基を有する含硫黄化合物の好ましい例としては、下記式(e1)で表される化合物が挙げられる。
(式中、Re1及びRe2は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し、Re3は単結合又はアルキレン基を示し、Re4は炭素以外の原子を含んでいてもよいu価の脂肪族基を示し、uは2以上4以下の整数を示す。)
Re1及びRe2がアルキル基である場合、当該アルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、直鎖状であるのが好ましい。Re1及びRe2がアルキル基である場合、当該アルキル基の炭素原子数は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。当該アルキル基の炭素原子数としては、1以上4以下が好ましく、1又は2であるのが特に好ましく、1であるのが最も好ましい。Re1とRe2との組み合わせとしては、一方が水素原子であり他方がアルキル基であるのが好ましく、一方が水素原子であり他方がメチル基であるのが特に好ましい。
Re3がアルキレン基である場合、当該アルキレン基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、直鎖状であるのが好ましい。Re3がアルキレン基である場合、当該アルキレン基の炭素原子数は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。当該アルキレン基の炭素原子数としては、1以上10以下が好ましく、1以上5以下がより好ましく、1又は2であるのが特に好ましく、1であるのが最も好ましい。
Re4は炭素以外の原子を含んでいてもよい2価以上4価以下の脂肪族基である。Re4が含んでいてもよい炭素以外の原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。Re4である脂肪族基の構造は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状であってもよく、これらの構造を組み合わせた構造であってもよい。
下記式(e3-L1)~(e3-L7)で表される化合物も、メルカプト基を有する含硫黄化合物の好ましい例として挙げられる。
(式(e3-L1)~(e3-L7)中、R’、s”、A”、及びrは、アクリル樹脂(B1)について前述した、式(b-L1)~(b-L7)と同様である。)
下記式(e3-1)~(e3-4)で表される化合物も、メルカプト基を有する含硫黄化合物(E)の好ましい例として挙げられる。
(式(e3-1)~(e3-4)中の略号の定義については、アクリル樹脂(B1)に関して前述した、式(3-1)~(3-4)について前述した通りである。)
上記式(e3-1)~(e3-4)で表されるメルカプト化合物の好適な具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
また、メルカプト基を有する化合物の好適な例として、下記式(e4)で表される化合物が挙げられる。
(式(e4)において、Re5は、水酸基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数1以上4以下のアルキルチオ基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基、炭素数1以上4以下のメルカプトアルキル基、炭素数1以上4以下のハロゲン化アルキル基及びハロゲン原子からなる群より選択される基であり、n1は0以上3以下の整数であり、n0は0以上3以下の整数であり、n1が2又は3である場合、Re5は同一であっても異なっていてもよい。)
Re5が炭素原子数1以上4以下の水酸基を有していてもよいアルキル基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、及びtert-ブチル基が挙げられる。これらのアルキル基の中では、メチル基、ヒドロキシメチル基、及びエチル基が好ましい。
Re5が炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基である場合の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、及びtert-ブチルオキシ基が挙げられる。これらのアルコキシ基の中では、メトキシ基、及びエトキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
Re5が炭素原子数1以上4以下のアルキルチオ基である場合の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、及びtert-ブチルチオ基が挙げられる。これらのアルキルチオ基の中では、メチルチオ基、及びエチルチオ基が好ましく、メチルチオ基がより好ましい。
Re5が炭素原子数1以上4以下のヒドロキシアルキル基である場合の具体例としては、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、1-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシ-n-プロピル基、及び4-ヒドロキシ-n-ブチル基等が挙げられる。これらのヒドロキシアルキル基の中では、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、及び1-ヒドロキシエチル基が好ましく、ヒドロキシメチル基がより好ましい。
Re5が炭素原子数1以上4以下のメルカプトアルキル基である場合の具体例としては、メルカプトメチル基、2-メルカプトエチル基、1-メルカプトエチル基、3-メルカプト-n-プロピル基、及び4-メルカプト-n-ブチル基等が挙げられる。これらのメルカプトアルキル基の中では、メルカプトメチル基、2-メルカプトエチル基、及び1-メルカプトエチル基が好ましく、メルカプトメチル基がより好ましい。
Re5が炭素原子数1以上4以下のハロゲン化アルキル基である場合、ハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。Re5が炭素原子数1以上4以下のハロゲン化アルキル基である場合の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、フルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリフルオロメチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基、2-フルオロエチル基、1,2-ジクロロエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、1-クロロ-2-フルオロエチル基、3-クロロ-n-プロピル基、3-ブロモ-n-プロピル基、3-フルオロ-n-プロピル基、及び4-クロロ-n-ブチル基等が挙げられる。これらのハロゲン化アルキル基の中では、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、フルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、及びトリフルオロメチル基が好ましく、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、及びトリフルオロメチル基がより好ましい。
Re5がハロゲン原子である場合の具体例としては、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素が挙げられる。
式(e4)において、n1は0以上3以下の整数であり、1がより好ましい。n1が2又は3である場合、複数のRe5は同一であっても異なっていてもよい。
式(e4)で表される化合物において、ベンゼン環上のRe5の置換位置は特に限定されない。ベンゼン環上のRe5の置換位置は-(CH2)n0-SHの結合位置に対してメタ位又はパラ位であるのが好ましい。
式(e4)で表される化合物としては、Re5として、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、及びメルカプトアルキル基からなる群より選択される基を、少なくとも1つ有する化合物が好ましく、Re5として、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、及びメルカプトアルキル基からなる群より選択される基を1つ有する化合物がより好ましい。式(e4)で表される化合物が、Re5として、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、及びメルカプトアルキル基からなる群より選択される基を1つ有する場合、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、又はメルカプトアルキル基のベンゼン環上の置換位置は、-(CH2)n0-SHの結合位置に対してメタ位又はパラ位であるのが好ましく、パラ位であるのがより好ましい。
式(e4)において、n0は0以上3以下の整数である。化合物の調製や、入手が容易であることからn0は0又は1であるのが好ましく、0であるのがより好ましい。
式(e4)で表される化合物の具体例としては、p-メルカプトフェノール、p-チオクレゾール、m-チオクレゾール、4-(メチルチオ)ベンゼンチオール、4-メトキシベンゼンチオール、3-メトキシベンゼンチオール、4-エトキシベンゼンチオール、4-イソプロピルオキシベンゼンチオール、4-tert-ブトキシベンゼンチオール、3,4-ジメトキシベンゼンチオール、3,4,5-トリメトキシベンゼンチオール、4-エチルベンゼンチオール、4-イソプロピルベンゼンチオール、4-n-ブチルベンゼンチオール、4-tert-ブチルベンゼンチオール、3-エチルベンゼンチオール、3-イソプロピルベンゼンチオール、3-n-ブチルベンゼンチオール、3-tert-ブチルベンゼンチオール、3,5-ジメチルベンゼンチオール、3,4-ジメチルベンゼンチオール、3-tert-ブチル-4-メチルベンゼンチオール、3-tert-4-メチルベンゼンチオール、3-tert-ブチル-5-メチルベンゼンチオール、4-tert-ブチル-3-メチルベンゼンチオール、4-メルカプトベンジルアルコール、3-メルカプトベンジルアルコール、4-(メルカプトメチル)フェノール、3-(メルカプトメチル)フェノール、1,4-ジ(メルカプトメチル)フェノール、1,3-ジ(メルカプトメチル)フェノール、4-フルオロベンゼンチオール、3-フルオロベンゼンチオール、4-クロロベンゼンチオール、3-クロロベンゼンチオール、4-ブロモベンゼンチオール、4-ヨードベンゼンチオール、3-ブロモベンゼンチオール、3,4-ジクロロベンゼンチオール、3,5-ジクロロベンゼンチオール、3,4-ジフルオロベンゼンチオール、3,5-ジフルオロベンゼンチオール、4-メルカプトカテコール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メルカプトフェノール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシベンゼンチオール、4-ブロモ-3-メチルベンゼンチオール、4-(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール、3-(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール、3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール、4-メチルチオベンゼンチオール、4-エチルチオベンゼンチオール、4-n-ブチルチオベンゼンチオール、及び4-tert-ブチルチオベンゼンチオール等が挙げられる。
またメルカプト基を有する含硫黄化合物(E)としては、メルカプト基で置換された含窒素芳香族複素環を含む化合物、及びメルカプト基で置換された含窒素芳香族複素環を含む化合物の互変異性体が挙げられる。
含窒素芳香族複素環の好適な具体例としては、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、1,2,3-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン、インドール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、1H-ベンゾトリアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、及び1,8-ナフチリジンが挙げられる。
含窒素芳香族複素環の好適な具体例としては、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、1,2,3-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン、インドール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、1H-ベンゾトリアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、及び1,8-ナフチリジンが挙げられる。
さらに、下記式(e5)で表される化合物も、メルカプト基を有する含硫黄化合物(E)として好ましい。
(式(e5)中、Re01は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、又は酸解離性基であり、n2は、1以上4以下の整数であり、n3は、1又は2であり、Aeは1以上の置換基を有してもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい、(n2+n3)価の脂肪族環式基である。)
式(e5)中のAeとしては、2価、又は3価の基が好ましい。Aeとしての脂肪族環式基としては下記の基が好ましい。
上記式(e5)で表される化合物としては、下記式(e5-1)で表される化合物が好ましい。
(式(e5-1)中、Re01は、式(e5)と同様であり、Re02、及びRe06は、それぞれ独立に水素原子、又はアルキル基であるか、又はRe02とRe06とが、互いに結合して-O-、-S-、-CH2-、及び-C(CH3)2-からなる群より選択される2価基を形成してもよく、Re03、Re04、Re05、Re07は、それぞれ独立に水素原子、又はメルカプト基であり、Re08は、水素原子、又は-CO-O-Re09で表される基であり、Re09は、水素原子、炭化水素基、又は酸解離性基であり、Re01、及びRe09の少なくとも一方は、水素原子、又は酸解離性基であり、Re03、Re04、Re05、及びRe07の少なくとも1つはメルカプト基である。)
式(e5-1)において、Re09は、Re01と同様である。
上記式(e5)で表されるメルカプト化合物の好適な具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
感光性組成物が含硫黄化合物(E)を含む場合、その使用量は、上記樹脂(B)及びアルカリ可溶性樹脂(D)の合計質量100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下が好ましく、0.02質量部以上3質量部以下がより好ましく、0.05質量部以上2質量部以下が特に好ましい。
[酸拡散抑制剤(F)]
感光性組成物は酸拡散抑制剤(F)を含んでいてもよい。酸拡散抑制剤(F)としては、含窒素化合物(F1)が好ましく、さらに必要に応じて、有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(F2)を感光性組成物に含有させることができる。
感光性組成物は酸拡散抑制剤(F)を含んでいてもよい。酸拡散抑制剤(F)としては、含窒素化合物(F1)が好ましく、さらに必要に応じて、有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(F2)を感光性組成物に含有させることができる。
(含窒素化合物(F1))
含窒素化合物(F1)としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリ-n-ペンチルアミン、トリベンジルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、n-ヘキシルアミン、n-ヘプチルアミン、n-オクチルアミン、n-ノニルアミン、エチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノジフェニルアミン、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N-メチルピロリドン、メチルウレア、1,1-ジメチルウレア、1,3-ジメチルウレア、1,1,3,3,-テトラメチルウレア、1,3-ジフェニルウレア、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4-メチルイミダゾール、8-オキシキノリン、アクリジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、2,4,6-トリ(2-ピリジル)-S-トリアジン、モルホリン、4-メチルモルホリン、ピペラジン、1,4-ジメチルピペラジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピリジン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
含窒素化合物(F1)としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリ-n-ペンチルアミン、トリベンジルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、n-ヘキシルアミン、n-ヘプチルアミン、n-オクチルアミン、n-ノニルアミン、エチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノジフェニルアミン、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N-メチルピロリドン、メチルウレア、1,1-ジメチルウレア、1,3-ジメチルウレア、1,1,3,3,-テトラメチルウレア、1,3-ジフェニルウレア、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4-メチルイミダゾール、8-オキシキノリン、アクリジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、2,4,6-トリ(2-ピリジル)-S-トリアジン、モルホリン、4-メチルモルホリン、ピペラジン、1,4-ジメチルピペラジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピリジン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、アデカスタブLA-52(テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ブタン-1,2,3,4-カルボキシレート)、アデカスタブLA-57(テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ブタン-1,2,3,4-テトラカルボキシレート)、アデカスタブLA-63P(1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸メチルエステルと、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノール、及びβ,β,β’,β’-テトラメチル-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-3,9-ジエタノールとの反応生成物)、アデカスタブLA-68(1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸テトラメチルエステルと、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノール、及びβ,β,β’,β’-テトラメチル-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-3,9-ジエタノールとの反応生成物)、アデカスタブLA-72(ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケートを主成分とするヒンダードアミン)、アデカスタブLA-77Y(ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート)、アデカスタブLA-77G(ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート)、アデカスタブLA-81(ビス(1-ウンデカノキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カーボネート)、アデカスタブLA-82(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピぺリジルメタクリレート)、及びアデカスタブLA-87(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート)(いずれも、ADEKA社製)等の市販のヒンダードアミン化合物や、2,6-ジフェニルピリジン、2,4,6-トリフェニルピリジン、及び2,6-ジ-tert-ブチルピリジン等の2,6-位を炭化水素基等の置換基で置換されたピリジンを含窒素化合物(F1)として用いることもできる。
含窒素化合物(F1)は、上記樹脂(B)及び上記アルカリ可溶性樹脂(D)の合計質量100質量部に対して、通常0質量部以上5質量部以下の範囲で用いられ、0質量部以上3質量部以下の範囲で用いられることが特に好ましい。
(有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(F2))
有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(F2)のうち、有機カルボン酸としては、具体的には、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸等が好適であり、特にサリチル酸が好ましい。
有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(F2)のうち、有機カルボン酸としては、具体的には、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸等が好適であり、特にサリチル酸が好ましい。
リンのオキソ酸又はその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ-n-ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸及びそれらのエステルのような誘導体;ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸-ジ-n-ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体;ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体;等が挙げられる。これらの中でも、特にホスホン酸が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(F2)は、上記樹脂(B)及び上記アルカリ可溶性樹脂(D)の合計質量100質量部に対して、通常0質量部以上5質量部以下の範囲で用いられ、0質量部以上3質量部以下の範囲で用いられることが特に好ましい。
また、塩を形成させて安定させるために、有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(F2)は、上記含窒素化合物(F1)と同等量を用いることが好ましい。
[有機溶剤(S)]
感光性組成物は、感光性組成物の塗布性の調整や、感光性組成物を塗布して形成される塗布膜の膜厚の調整等の目的で、有機溶剤(S)を含有していてもよい。有機溶剤(S)の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来より感光性組成物に使用されている有機溶剤から適宜選択して使用することができる。
感光性組成物は、感光性組成物の塗布性の調整や、感光性組成物を塗布して形成される塗布膜の膜厚の調整等の目的で、有機溶剤(S)を含有していてもよい。有機溶剤(S)の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来より感光性組成物に使用されている有機溶剤から適宜選択して使用することができる。
有機溶剤(S)の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2-ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル、モノフェニルエーテル等の多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサン等の環式エーテル類;蟻酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシプロピオン酸メチル、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
有機溶剤(S)の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。
有機溶剤(S)を含む感光性組成物について、塗布により厚い樹脂膜を形成しやすい点で、感光性組成物全体の質量に対する、有機溶剤(S)以外の成分の質量の合計の比率は、10質量%以上50質量%以下が好ましく、30質量%以上50質量%以下がより好ましい。
表面の欠陥の発生を抑制しつつ、膜厚が均一な樹脂膜を塗布により形成しやすい点で、感光性組成物の粘度は、10Pa・s以上10,000Pa・s以下が好ましく、50Pa・s以上3,000Pa・s以下がより好ましい。
上記の粘度は、温度25℃において、E型回転粘度計を用いて測定することができる。
感光性組成物の粘度は、感光性組成物の固形分濃度を調整したり、樹脂(B)の分子量を調整したりすることにより調整できる。
有機溶剤(S)を含む感光性組成物について、塗布により厚い樹脂膜を形成しやすい点で、感光性組成物全体の質量に対する、有機溶剤(S)以外の成分の質量の合計の比率は、10質量%以上50質量%以下が好ましく、30質量%以上50質量%以下がより好ましい。
表面の欠陥の発生を抑制しつつ、膜厚が均一な樹脂膜を塗布により形成しやすい点で、感光性組成物の粘度は、10Pa・s以上10,000Pa・s以下が好ましく、50Pa・s以上3,000Pa・s以下がより好ましい。
上記の粘度は、温度25℃において、E型回転粘度計を用いて測定することができる。
感光性組成物の粘度は、感光性組成物の固形分濃度を調整したり、樹脂(B)の分子量を調整したりすることにより調整できる。
[その他の成分]
感光性組成物は、可塑性を向上させるため、さらにポリビニル樹脂を含有していてもよい。ポリビニル樹脂の具体例としては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル安息香酸、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルフェノール、及びこれらの共重合体等が挙げられる。ポリビニル樹脂は、ガラス転移点の低さの点から、好ましくはポリビニルメチルエーテルである。
感光性組成物は、可塑性を向上させるため、さらにポリビニル樹脂を含有していてもよい。ポリビニル樹脂の具体例としては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル安息香酸、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルフェノール、及びこれらの共重合体等が挙げられる。ポリビニル樹脂は、ガラス転移点の低さの点から、好ましくはポリビニルメチルエーテルである。
感光性組成物は、ルイス酸性化合物を含有するのも好ましい。感光性組成物が、ルイス酸性化合物を含むことによって、高感度の感光性組成物を得やすく、感光性組成物を用いて断面形状が矩形であるパターン化された樹脂膜をより形成しやすい。
また、感光性組成物を用いてパターンを形成する場合、パターン形成時の各工程の所要時間や、各工程間の所要時間が長い場合に、所望する形状や寸法のパターンを形成しにくかったり、現像性が悪化したりする悪影響が生じる場合がある。しかし、感光性組成物にルイス酸性化合物を配合することによって、このようなパターン形状や現像性への悪影響を緩和することができ、プロセスマージンを広くすることができる。
また、感光性組成物を用いてパターンを形成する場合、パターン形成時の各工程の所要時間や、各工程間の所要時間が長い場合に、所望する形状や寸法のパターンを形成しにくかったり、現像性が悪化したりする悪影響が生じる場合がある。しかし、感光性組成物にルイス酸性化合物を配合することによって、このようなパターン形状や現像性への悪影響を緩和することができ、プロセスマージンを広くすることができる。
ここで、ルイス酸性化合物とは、「少なくとも1つの電子対を受け取ることができる空の軌道を持つ、電子対受容体としての作用を奏する化合物」を意味する。
ルイス酸性化合物としては、上記の定義に該当し、当業者においてルイス酸性化合物であると認識される化合物であれば特に限定されない。ルイス酸性化合物としては、ブレンステッド酸(プロトン酸)に該当しない化合物が好ましく用いられる。
ルイス酸性化合物の具体例としては、フッ化ホウ素、フッ化ホウ素のエーテル錯体(例えば、BF3・Et2O、BF3・Me2O、BF3・THF等。Etはエチル基であり、Meはメチル基であり、THFはテトラヒドロフランである。)、有機ホウ素化合物(例えば、ホウ酸トリn-オクチル、ホウ酸トリn-ブチル、ホウ酸トリフェニル、及びトリフェニルホウ素等)、塩化チタン、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化ガリウム、臭化ガリウム、塩化インジウム、トリフルオロ酢酸タリウム、塩化スズ、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、テトラフルオロホウ酸亜鉛、塩化マンガン、臭化マンガン、塩化ニッケル、臭化ニッケル、シアン化ニッケル、ニッケルアセチルアセトネート、塩化カドミウム、臭化カドミウム、塩化第一スズ、臭化第一スズ、硫酸第一スズ、及び酒石酸第一スズ等が挙げられる。
また、ルイス酸性化合物の他の具体例としては、希土類金属元素の、クロリド、ブロミド、スルフェート、ニトレート、カルボキシレート、又はトリフルオロメタンスルホネートと、塩化コバルト、塩化第一鉄、及び塩化イットリウム等とが挙げられる。
ここで、希土類金属元素としては、例えばランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテチウム等である。
ルイス酸性化合物としては、上記の定義に該当し、当業者においてルイス酸性化合物であると認識される化合物であれば特に限定されない。ルイス酸性化合物としては、ブレンステッド酸(プロトン酸)に該当しない化合物が好ましく用いられる。
ルイス酸性化合物の具体例としては、フッ化ホウ素、フッ化ホウ素のエーテル錯体(例えば、BF3・Et2O、BF3・Me2O、BF3・THF等。Etはエチル基であり、Meはメチル基であり、THFはテトラヒドロフランである。)、有機ホウ素化合物(例えば、ホウ酸トリn-オクチル、ホウ酸トリn-ブチル、ホウ酸トリフェニル、及びトリフェニルホウ素等)、塩化チタン、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化ガリウム、臭化ガリウム、塩化インジウム、トリフルオロ酢酸タリウム、塩化スズ、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、テトラフルオロホウ酸亜鉛、塩化マンガン、臭化マンガン、塩化ニッケル、臭化ニッケル、シアン化ニッケル、ニッケルアセチルアセトネート、塩化カドミウム、臭化カドミウム、塩化第一スズ、臭化第一スズ、硫酸第一スズ、及び酒石酸第一スズ等が挙げられる。
また、ルイス酸性化合物の他の具体例としては、希土類金属元素の、クロリド、ブロミド、スルフェート、ニトレート、カルボキシレート、又はトリフルオロメタンスルホネートと、塩化コバルト、塩化第一鉄、及び塩化イットリウム等とが挙げられる。
ここで、希土類金属元素としては、例えばランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテチウム等である。
入手が容易であることや、その添加による効果が良好であることから、ルイス酸性化合物が、周期律表第13族元素を含むルイス酸性化合物を含有するのが好ましい。
ここで、周期律表第13族元素としては、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、及びタリウムが挙げられる。
上記の周期律表第13族元素の中では、ルイス酸性化合物の入手の容易性や、添加効果が特に優れることから、ホウ素が好ましい。つまり、ルイス酸性化合物が、ホウ素を含むルイス酸性化合物を含有するのが好ましい。
ここで、周期律表第13族元素としては、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、及びタリウムが挙げられる。
上記の周期律表第13族元素の中では、ルイス酸性化合物の入手の容易性や、添加効果が特に優れることから、ホウ素が好ましい。つまり、ルイス酸性化合物が、ホウ素を含むルイス酸性化合物を含有するのが好ましい。
ホウ素を含むルイス酸性化合物としては、例えば、フッ化ホウ素、フッ化ホウ素のエーテル錯体、塩化ホウ素、及び臭化ホウ素等のハロゲン化ホウ素類や、種々の有機ホウ素化合物が挙げられる。ホウ素を含むルイス酸性化合物としては、ルイス酸性化合物中のハロゲン原子の含有比率が少なく、感光性組成物を低ハロゲン含有量が要求される用途にも適用しやすいことから、有機ホウ素化合物が好ましい。
有機ホウ素化合物の好ましい例としては、下記式(h1):
B(Rh1)t1(ORh2)(3-t1)・・・(h1)
(式(h1)中、Rh1及びRh2は、それぞれ独立に炭素原子数1以上20以下の炭化水素基であり、前記炭化水素基は1以上の置換基を有していてもよく、t1は0以上3以下の整数であり、Rh1が複数存在する場合、複数のRh1のうちの2つが互いに結合して環を形成してもよく、ORh2が複数存在する場合、複数のORh2のうちの2つが互いに結合して環を形成してもよい。)
で表されるホウ素化合物が挙げられる。感光性組成物は、ルイス酸性化合物として上記式(h1)で表されるホウ素化合物の1種以上を含むのが好ましい。
B(Rh1)t1(ORh2)(3-t1)・・・(h1)
(式(h1)中、Rh1及びRh2は、それぞれ独立に炭素原子数1以上20以下の炭化水素基であり、前記炭化水素基は1以上の置換基を有していてもよく、t1は0以上3以下の整数であり、Rh1が複数存在する場合、複数のRh1のうちの2つが互いに結合して環を形成してもよく、ORh2が複数存在する場合、複数のORh2のうちの2つが互いに結合して環を形成してもよい。)
で表されるホウ素化合物が挙げられる。感光性組成物は、ルイス酸性化合物として上記式(h1)で表されるホウ素化合物の1種以上を含むのが好ましい。
式(h1)においてRh1及びRh2が炭化水素基である場合、当該炭化水素基の炭素原子数は1以上20以下である。炭素原子数1以上20以下の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基であっても、芳香族炭化水素基であっても、脂肪族基と芳香族基との組み合わせからなる炭化水素基であってもよい。
炭素原子数1以上20以下の炭化水素基としては、飽和脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基が好ましい。Rh1及びRh2としての炭化水素基の炭素原子数は、1以上10以下が好ましい。炭化水素基が脂肪族炭化水素基である場合、その炭素原子数は、1以上6以下がより好ましく、1以上4以下が特に好ましい。
Rh1及びRh2としての炭化水素基は、飽和炭化水素基であっても、不飽和炭化水素基であってもよく、飽和炭化水素基であるのが好ましい。
Rh1及びRh2としての炭化水素基が脂肪族炭化水素基である場合、当該脂肪族炭化水素基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環状であっても、これらの構造の組み合わせであってもよい。
炭素原子数1以上20以下の炭化水素基としては、飽和脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基が好ましい。Rh1及びRh2としての炭化水素基の炭素原子数は、1以上10以下が好ましい。炭化水素基が脂肪族炭化水素基である場合、その炭素原子数は、1以上6以下がより好ましく、1以上4以下が特に好ましい。
Rh1及びRh2としての炭化水素基は、飽和炭化水素基であっても、不飽和炭化水素基であってもよく、飽和炭化水素基であるのが好ましい。
Rh1及びRh2としての炭化水素基が脂肪族炭化水素基である場合、当該脂肪族炭化水素基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環状であっても、これらの構造の組み合わせであってもよい。
芳香族炭化水素基の好適な具体例としては、フェニル基、ナフタレン-1-イル基、ナフタレン-2-イル基、4-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、及び2-フェニルフェニル基が挙げられる。これらの中では、フェニル基が好ましい。
飽和脂肪族炭化水素基としてはアルキル基が好ましい。アルキル基の好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、及びn-デシル基が挙げられる。
Rh1及びRh2としての炭化水素基は、1以上の置換基を有してもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルチオ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基、N-モノ置換アミノ基、N,N-ジ置換アミノ基、カルバモイル基(-CO-NH2)、N-モノ置換カルバモイル基、N,N-ジ置換カルバモイル基、ニトロ基、及びシアノ基等が挙げられる。
置換基の炭素原子数は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、1以上10以下が好ましく、1以上6以下がより好ましい。
置換基の炭素原子数は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、1以上10以下が好ましく、1以上6以下がより好ましい。
上記式(h1)で表される有機ホウ素化合物の好適な具体例としては、下記の化合物が挙げられる。なお、下記式中、Penはペンチル基を示し、Hexはヘキシル基を示し、Hepはヘプチル基を示し、Octはオクチル基を示し、Nonはノニル基を示し、Decはデシル基を示す。
ルイス酸性化合物は、上記樹脂(B)及び上記アルカリ可溶性樹脂(D)の合計質量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上5質量部以下の範囲で用いられ、より好ましくは0.01質量部以上3質量部以下の範囲で用いられ、さらに好ましくは0.05質量部以上2質量部以下の範囲で用いられる。
また、感光性組成物をめっき造形物形成用の鋳型となるパターンの形成に用いる場合、感光性組成物を用いて形成される鋳型と基板との接着性を向上させるため、さらに接着助剤を含有していてもよい。
また、感光性組成物は、塗布性、消泡性、レベリング性等を向上させるため、さらに界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤が好ましく用いられる。
フッ素系界面活性剤の具体例としては、BM-1000、BM-1100(いずれもBMケミー社製)、メガファックF142D、メガファックF172、メガファックF173、メガファックF183(いずれも大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC-135、フロラードFC-170C、フロラードFC-430、フロラードFC-431(いずれも住友スリーエム社製)、サーフロンS-112、サーフロンS-113、サーフロンS-131、サーフロンS-141、サーフロンS-145(いずれも旭硝子社製)、SH-28PA、SH-190、SH-193、SZ-6032、SF-8428(いずれも東レシリコーン社製)等の市販のフッ素系界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。
シリコーン系界面活性剤としては、未変性シリコーン系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、ポリエステル変性シリコーン系界面活性剤、アルキル変性シリコーン系界面活性剤、アラルキル変性シリコーン系界面活性剤、及び反応性シリコーン系界面活性剤等を好ましく用いることができる。
シリコーン系界面活性剤としては、市販のシリコーン系界面活性剤を用いることができる。市販のシリコーン系界面活性剤の具体例としては、ペインタッドM(東レ・ダウコーニング社製)、トピカK1000、トピカK2000、トピカK5000(いずれも高千穂産業社製)、XL-121(ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、クラリアント社製)、BYK-310(ポリエステル変性シリコーン系界面活性剤、ビックケミー社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤の具体例としては、BM-1000、BM-1100(いずれもBMケミー社製)、メガファックF142D、メガファックF172、メガファックF173、メガファックF183(いずれも大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC-135、フロラードFC-170C、フロラードFC-430、フロラードFC-431(いずれも住友スリーエム社製)、サーフロンS-112、サーフロンS-113、サーフロンS-131、サーフロンS-141、サーフロンS-145(いずれも旭硝子社製)、SH-28PA、SH-190、SH-193、SZ-6032、SF-8428(いずれも東レシリコーン社製)等の市販のフッ素系界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。
シリコーン系界面活性剤としては、未変性シリコーン系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、ポリエステル変性シリコーン系界面活性剤、アルキル変性シリコーン系界面活性剤、アラルキル変性シリコーン系界面活性剤、及び反応性シリコーン系界面活性剤等を好ましく用いることができる。
シリコーン系界面活性剤としては、市販のシリコーン系界面活性剤を用いることができる。市販のシリコーン系界面活性剤の具体例としては、ペインタッドM(東レ・ダウコーニング社製)、トピカK1000、トピカK2000、トピカK5000(いずれも高千穂産業社製)、XL-121(ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、クラリアント社製)、BYK-310(ポリエステル変性シリコーン系界面活性剤、ビックケミー社製)等が挙げられる。
また、感光性組成物は、現像液に対する溶解性の微調整を行うため、酸、酸無水物、又は高沸点溶媒をさらに含有していてもよい。
酸及び酸無水物の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、n-酪酸、イソ酪酸、n-吉草酸、イソ吉草酸、安息香酸、桂皮酸等のモノカルボン酸類;乳酸、2-ヒドロキシ酪酸、3-ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、m-ヒドロキシ安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ桂皮酸、3-ヒドロキシ桂皮酸、4-ヒドロキシ桂皮酸、5-ヒドロキシイソフタル酸、シリンギン酸等のヒドロキシモノカルボン酸類;シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、1,2,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸類;無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス無水トリメリタート、グリセリントリス無水トリメリタート等の酸無水物;等を挙げることができる。
また、高沸点溶媒の具体例としては、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアニリド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1-オクタノール、1-ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ-ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセタート等を挙げることができる。
また、感光性組成物は、感度を向上させるため、周知の増感剤をさらに含有していてもよい。
[化学増幅型ポジ型感光性組成物の調製方法]
化学増幅型ポジ型感光性組成物は、当該組成物の構成成分を通常の方法で混合、撹拌して調製される。上記の各成分を、混合、撹拌する際に使用できる装置としては、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミル等が挙げられる。上記の各成分を均一に混合した後に、得られた混合物を、さらにメッシュ、メンブランフィルタ等を用いて濾過してもよい。
化学増幅型ポジ型感光性組成物は、当該組成物の構成成分を通常の方法で混合、撹拌して調製される。上記の各成分を、混合、撹拌する際に使用できる装置としては、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミル等が挙げられる。上記の各成分を均一に混合した後に、得られた混合物を、さらにメッシュ、メンブランフィルタ等を用いて濾過してもよい。
<めっき工程>
めっき工程では、基板上に形成されたパターン化された前樹脂膜をめっき用の鋳型として用いてめっきを行うことにより、鋳型内にめっき造形物を形成する。
めっき造形物は、端子、電極、又は配線である。
めっき工程では、基板上に形成されたパターン化された前樹脂膜をめっき用の鋳型として用いてめっきを行うことにより、鋳型内にめっき造形物を形成する。
めっき造形物は、端子、電極、又は配線である。
前述の方法により形成された鋳型付き基板の鋳型中の非レジスト部(現像液で除去された部分)に、めっきにより金属等の導体を埋め込むことにより、例えば、バンプ及びメタルポスト等の接続端子、及び電極や、Cu再配線のようなめっき造形物を形成することができる。なお、めっき処理方法は特に制限されず、従来から公知の各種方法を採用することができる。めっき液としては、特にハンダめっき、銅めっき、金めっき、ニッケルめっき液が好適に用いられる。
めっき造形物を製造する際、めっき造形物形成用の鋳型となるパターン化された樹脂膜の非パターン部において露出された基板表面に対してアッシング処理を行うのが好ましい。
この場合基板表面に対する密着性に優れるめっき造形物を形成しやすい。アッシングにより、基板表面に結合又は付着した感光性組成物の成分が及ぼす、めっき造形物の密着性への悪影響を軽減できるためである。
この場合基板表面に対する密着性に優れるめっき造形物を形成しやすい。アッシングにより、基板表面に結合又は付着した感光性組成物の成分が及ぼす、めっき造形物の密着性への悪影響を軽減できるためである。
アッシング処理は、めっき造形物形成用の鋳型となるパターン化された樹脂膜に、所望する形状のめっき造形物を形成できない程度のダメージを与えない方法であれば特に限定されない。
好ましいアッシング処理方法としては酸素プラズマを用いる方法が挙げられる。基板表面を、酸素プラズマを用いてアッシングするためには、公知の酸素プラズマ発生装置を用いて酸素プラズマを発生させ、当該酸素プラズマを基板表面に対して照射すればよい。
好ましいアッシング処理方法としては酸素プラズマを用いる方法が挙げられる。基板表面を、酸素プラズマを用いてアッシングするためには、公知の酸素プラズマ発生装置を用いて酸素プラズマを発生させ、当該酸素プラズマを基板表面に対して照射すればよい。
酸素プラズマの発生に用いられるガスには、本発明の目的を阻害しない範囲で、従来、酸素とともにプラズマ処理に用いられている種々のガスを混合することができる。かかるガスとしては、例えば、窒素ガス、水素ガス、及びCF4ガス等が挙げられる。
酸素プラズマを用いるアッシング条件は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、処理時間は、例えば10秒以上20分以下の範囲であり、好ましくは20秒以上18分以下の範囲であり、より好ましくは30秒以上15分以下の範囲である。
酸素プラズマによる処理時間を上記の範囲に設定することで、パターン化された樹脂膜の形状の変化をもたらすことなく、めっき造形物の密着性改良の効果を奏しやすくなる。
酸素プラズマを用いるアッシング条件は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、処理時間は、例えば10秒以上20分以下の範囲であり、好ましくは20秒以上18分以下の範囲であり、より好ましくは30秒以上15分以下の範囲である。
酸素プラズマによる処理時間を上記の範囲に設定することで、パターン化された樹脂膜の形状の変化をもたらすことなく、めっき造形物の密着性改良の効果を奏しやすくなる。
<剥離工程>
めっき工程において、基板が備える鋳型内にめっき造形物を形成した後、剥離工程において、基板上の鋳型が剥離される。
基板上の鋳型を基板から剥離させる方法は特に限定されない。典型的には、基板からのレジスト膜の剥離に用いられている周知の剥離液を用いて、基板上の鋳型が、基板より剥離される。
めっき工程において、基板が備える鋳型内にめっき造形物を形成した後、剥離工程において、基板上の鋳型が剥離される。
基板上の鋳型を基板から剥離させる方法は特に限定されない。典型的には、基板からのレジスト膜の剥離に用いられている周知の剥離液を用いて、基板上の鋳型が、基板より剥離される。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例、及び比較例では、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(樹脂(B))として、以下のResin-B1~Resin-B6を用いた。下記構造式における各構成単位中の括弧の右下の数字は、樹脂中の構成単位の含有量(モル%)を表す。
Resin-B1の重量平均分子量は6,500である。Resin-B2の重量平均分子量は7,500である。Resin-B3の重量平均分子量は12,3000である。Resin-B4の重量平均分子量は、20,000である。Rein-B5の重量平均分子量は、40,000である。
Rein-B6の重量平均分子量は、6,000である。
Resin-B1の重量平均分子量は6,500である。Resin-B2の重量平均分子量は7,500である。Resin-B3の重量平均分子量は12,3000である。Resin-B4の重量平均分子量は、20,000である。Rein-B5の重量平均分子量は、40,000である。
Rein-B6の重量平均分子量は、6,000である。
実施例、及び比較例において、架橋剤(C)として、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルを用いた。
実施例、及び比較例において、酸拡散抑制剤(F)として、2,6-ジフェニルピリジンを用いた。
実施例、及び比較例において、有機溶剤(S)として、3-メトキシブチルアセテートを用いた。
酸発生剤(A)としての0.3質量部のPAG1、及び1質量部のPAG2、表1に記載の種類の樹脂(B)100質量部、表1に記載の量の架橋剤(C)、含硫黄化合物(E)0.05質量部、酸拡散抑制剤(F)0.05質量部、並びに界面活性剤(BYK310、ビックケミー社製)0.2質量部を、感光性組成物中の化有機溶剤(S)以外の成分の濃度が、表1に記載の濃度であるように有機溶剤(S)に均一に溶解させて、感光性組成物を得た。
得られた各実施例、及び各比較例の感光性組成物を用いて、以下の方法に従って塗布膜を形成した。
<塗布膜形成方法>
表面にスパッタリングによる厚さ200nmの銅膜が設けられた直径8インチのシリコン基板を準備した。各実施例、及び各比較例の感光性組成物を、この基板の銅層上にスピンコート法により塗布した。スピンコートは、400rpm~4000rpmの範囲内の任意の回転数で60秒間行った。回転数は、膜厚約55μmの塗布膜を形成できるように調整した。塗布膜を、ホットプレート上で、表2に記載の温度で300秒間、加熱、乾燥して塗布膜を形成した。
<塗布膜形成方法>
表面にスパッタリングによる厚さ200nmの銅膜が設けられた直径8インチのシリコン基板を準備した。各実施例、及び各比較例の感光性組成物を、この基板の銅層上にスピンコート法により塗布した。スピンコートは、400rpm~4000rpmの範囲内の任意の回転数で60秒間行った。回転数は、膜厚約55μmの塗布膜を形成できるように調整した。塗布膜を、ホットプレート上で、表2に記載の温度で300秒間、加熱、乾燥して塗布膜を形成した。
<塗布膜の膜厚、及び膜厚の均一性の評価>
形成された塗布膜について、以下の方法に従って、膜厚の平均値と、膜厚の分散とを求めた。得られた、膜厚の平均値と、膜厚の分散の値とにより、下記の基準に従い、膜厚と、膜厚の均一性とを評価した。これらの評価結果を、表2に記す。
形成された塗布膜について、以下の方法に従って、膜厚の平均値と、膜厚の分散とを求めた。得られた、膜厚の平均値と、膜厚の分散の値とにより、下記の基準に従い、膜厚と、膜厚の均一性とを評価した。これらの評価結果を、表2に記す。
(膜厚の評価)
形成された塗布膜について、任意の直径を設定した。設定された直径の両端から10mm内側の2点と、この2点間の47点とを膜厚の測定点とした。なお、膜厚の測定点の間隔は均等である。49の測定点について、分光エリプソメーターにより膜厚を測定した。得られた49の膜厚の値から、膜厚の平均値を求めた。膜厚の平均値が55μm以上である塗布膜が形成された場合を○と判定した。スピンコート時の回転数を400rpmまで下げても、膜厚の平均値が55μm以上の塗布膜が形成されなかった場合を×と判定した。
形成された塗布膜について、任意の直径を設定した。設定された直径の両端から10mm内側の2点と、この2点間の47点とを膜厚の測定点とした。なお、膜厚の測定点の間隔は均等である。49の測定点について、分光エリプソメーターにより膜厚を測定した。得られた49の膜厚の値から、膜厚の平均値を求めた。膜厚の平均値が55μm以上である塗布膜が形成された場合を○と判定した。スピンコート時の回転数を400rpmまで下げても、膜厚の平均値が55μm以上の塗布膜が形成されなかった場合を×と判定した。
(膜厚の均一性の評価)
上記の膜厚の評価において計測した、49の膜厚の値について分散(σ2)の値を求めた。得られた分散の値が4以下である場合、膜厚の均一性が〇であると判定した。得られた分散の値が4超である場合、膜厚の均一性が×であると判定した。
上記の膜厚の評価において計測した、49の膜厚の値について分散(σ2)の値を求めた。得られた分散の値が4以下である場合、膜厚の均一性が〇であると判定した。得られた分散の値が4超である場合、膜厚の均一性が×であると判定した。
得られた各実施例、及び各比較例の感光性組成物を用いて、以下の方法に従って、パターン化された樹脂膜をめっき用の鋳型として備える基板を作製した。得られた基板を用いて、以下の方法に従って、パターン化された樹脂膜のめっき液耐性の評価を行った。めっき液耐性の評価結果を表2に記す。
<パターン化された樹脂膜のめっき液耐性の評価>
膜厚の評価と同様の方法により形成された塗布膜に対して、ライン幅20μm、スペース幅20μmのラインアンドペースパターン形成用のマスクと露光装置(Ultratech社製、Ultratech ghi prisma)を用いて、露光量1900mJ/cm2にて塗布膜に対する露光を行った。露光後に、基板をホットプレート上に載置して85℃で180秒間の露光後加熱(PEB)を行った。その後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38重量%水溶液(現像液、NMD-3、東京応化工業株式会社製)を露光された塗布膜上に滴下した後に23℃で40秒間静置(パドル現像)する操作を、計5回繰り返して行った。その後、現像によりパターン化された樹脂膜の表面を60秒間流水洗浄(リンス)した後に、スピン乾燥してパターン化された樹脂膜をめっき用の鋳型として備える基板を得た。
膜厚の評価と同様の方法により形成された塗布膜に対して、ライン幅20μm、スペース幅20μmのラインアンドペースパターン形成用のマスクと露光装置(Ultratech社製、Ultratech ghi prisma)を用いて、露光量1900mJ/cm2にて塗布膜に対する露光を行った。露光後に、基板をホットプレート上に載置して85℃で180秒間の露光後加熱(PEB)を行った。その後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38重量%水溶液(現像液、NMD-3、東京応化工業株式会社製)を露光された塗布膜上に滴下した後に23℃で40秒間静置(パドル現像)する操作を、計5回繰り返して行った。その後、現像によりパターン化された樹脂膜の表面を60秒間流水洗浄(リンス)した後に、スピン乾燥してパターン化された樹脂膜をめっき用の鋳型として備える基板を得た。
パターン化された樹脂膜を備える基板を、酸性めっき液(硫酸銅めっき液)に、45℃で90分間浸漬した。浸漬前のパターン化された樹脂膜と、浸漬後のパターン化された樹脂膜とについて、ライン部の長手方向中央部のライン幅の測定を行った。なお、浸漬前と浸漬後のライン幅の測定は、同一のライン部に対して行った。浸漬後のライン幅が、浸漬前のライン幅の97%以上103%以下である場合、めっき液耐性を〇と判定した。浸漬後のライン幅が、浸漬前のライン幅の97%未満、又は103%超である場合、めっき液耐性を×と判定した。
実施例1~5によれば、前述の所定の成分を含む化学増幅型ポジ型感光性組成物に、重量平均分子量が15,000以下であり、且つフェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含むアクリル樹脂(B1)を含む樹脂(B)と、フェノール性水酸基との反応により前記アクリル樹脂(B1)を架橋し得る化合物である架橋剤(C)とを配合するとともに、基板上に化学増幅型ポジ型感光性組成物を塗布して形成された塗布膜に対して、120℃以上の温度での加熱を行う場合、めっき造形物である端子、電極、又は配線を基板上に形成するためのめっき用の鋳型として使用されるパターン化された樹脂膜を、1回の塗布で、十分な厚さで形成できるとともに、形成されたパターン化された樹脂膜のめっき液耐性が優れることが分かる。
他方、比較例1、及び比較例2によれば、前述の所定の成分を含む化学増幅型ポジ型感光性組成物に、重量平均分子量が15,000以下である樹脂(B)を配合する場合、膜厚が均一な樹脂膜の形成が困難であることが分かる。
比較例3によれば、前述の所定の成分を含む化学増幅型ポジ型感光性組成物に、重量平均分子量が15,000以下である樹脂(B)を配合する場合、膜厚が均一な樹脂膜を形成するために、化学増幅型ポジ型感光性組成物の固形分濃度を下げることにより、化学増幅型ポジ型感光性組成物の粘度を実施例で用いた化学増幅型ポジ型感光性組成物の粘度と同程度に調整すると、十分に厚い樹脂膜の形成が困難であることが分かる。
比較例4によれば、所定の成分を含む化学増幅型ポジ型感光性組成物を用いても、基板上に化学増幅型ポジ型感光性組成物を塗布して形成された塗布膜に対する加熱の温度が120℃未満であると、めっき液耐性に優れる樹脂膜の形成が困難であることが分かる。
比較例5、及び比較例6によれば、化学増幅型ポジ型感光性組成物が架橋剤(C)を含んでいなかったり、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含むアクリル樹脂(B1)を含んでいなかったりする場合、めっき液耐性に優れる樹脂膜の形成が困難であることが分かる。
比較例3によれば、前述の所定の成分を含む化学増幅型ポジ型感光性組成物に、重量平均分子量が15,000以下である樹脂(B)を配合する場合、膜厚が均一な樹脂膜を形成するために、化学増幅型ポジ型感光性組成物の固形分濃度を下げることにより、化学増幅型ポジ型感光性組成物の粘度を実施例で用いた化学増幅型ポジ型感光性組成物の粘度と同程度に調整すると、十分に厚い樹脂膜の形成が困難であることが分かる。
比較例4によれば、所定の成分を含む化学増幅型ポジ型感光性組成物を用いても、基板上に化学増幅型ポジ型感光性組成物を塗布して形成された塗布膜に対する加熱の温度が120℃未満であると、めっき液耐性に優れる樹脂膜の形成が困難であることが分かる。
比較例5、及び比較例6によれば、化学増幅型ポジ型感光性組成物が架橋剤(C)を含んでいなかったり、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含むアクリル樹脂(B1)を含んでいなかったりする場合、めっき液耐性に優れる樹脂膜の形成が困難であることが分かる。
Claims (11)
- 化学増幅型ポジ型感光性組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により基板上にパターン化された樹脂膜を形成する、樹脂膜形成工程と、
パターン化された前記樹脂膜をめっき用の鋳型として用いてめっきを行うことにより、前記鋳型内にめっき造形物を形成する、めっき工程と、
前記基板上の鋳型を剥離する、剥離工程と、を含み、
前記化学増幅型ポジ型感光性組成物が、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)と、架橋剤(C)とを含み、
前記樹脂(B)の重量平均分子量が、15,000以下であり、
前記樹脂(B)が、アクリル樹脂(B1)を含み、
前記アクリル樹脂(B1)が、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含み、
前記架橋剤(C)が、フェノール性水酸基との反応により前記アクリル樹脂(B1)を架橋し得る化合物であり、
前記樹脂膜形成工程において、前記基板上に前記化学増幅型ポジ型感光性組成物を塗布して形成された塗布膜に対して、120℃以上の温度での加熱を行う、めっき造形物である端子、電極、又は配線を備える基板の製造方法。 - 前記架橋剤(C)が、1分子中に2以上のビニルオキシ基を有する多官能ビニルエーテル化合物である、請求項1に記載のめっき造形物である端子、電極、又は配線を備える基板の製造方法。
- 前記アクリル樹脂(B1)の全構成単位に対する、フェノール性水酸基を有する前記アクリルモノマーに由来する構成単位のモル比が、5モル%以上50モル%以下である、請求項1又は2に記載の、めっき造形物である端子、電極、又は配線を備える基板の製造方法。
- 前記樹脂膜形成工程における、前記塗布膜の加熱温度が160℃以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のめっき造形物である端子、電極、又は配線を備える基板の製造方法。
- 化学増幅型ポジ型感光性組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により、基板上にめっき用の鋳型として使用されるパターン化された樹脂膜を形成する、めっき用の鋳型を備える基板の製造方法であって、
前記化学増幅型ポジ型感光性組成物が、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)と、架橋剤(C)とを含み、
前記樹脂(B)の重量平均分子量が、15,000以下であり、
前記樹脂(B)が、アクリル樹脂(B1)を含み、
前記アクリル樹脂(B1)が、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含み、
前記架橋剤(C)が、フェノール性水酸基との反応により前記アクリル樹脂(B1)を架橋し得る化合物であり、
前記基板上に前記化学増幅型ポジ型感光性組成物を塗布して形成された塗布膜に対して、120℃以上の温度での加熱を行う、めっき用の鋳型を備える基板の製造方法。 - 前記架橋剤(C)が、1分子中に2以上のビニルオキシ基を有する多官能ビニルエーテル化合物である、請求項5に記載のめっき用の鋳型を備える基板の製造方法。
- 前記アクリル樹脂(B1)の全構成単位に対する、フェノール性水酸基を有する前記アクリルモノマーに由来する構成単位のモル比が、5モル%以上50モル%以下である、請求項5又は6に記載の、めっき用の鋳型を備える基板の製造方法。
- 前記塗布膜の加熱温度が160℃以下である、請求項5~7のいずれか1項に記載のめっき用の鋳型を備える基板の製造方法。
- 化学増幅型ポジ型感光性組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により、基板上にめっき用の鋳型として使用されるパターン化された樹脂膜を形成することを含み、
前記化学増幅型ポジ型感光性組成物を基板上に塗布して形成された塗布膜が、120℃以上の温度で加熱される、めっき用の鋳型を備える基板の製造方法において使用される化学増幅型ポジ型感光性組成物であって、
前記化学増幅型ポジ型感光性組成物が、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)と、架橋剤(C)とを含み、
前記樹脂(B)が、アクリル樹脂(B1)を含み、
前記アクリル樹脂(B1)が、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含み、
前記架橋剤(C)が、フェノール性水酸基との反応により前記アクリル樹脂(B1)を架橋し得る化合物である、化学増幅型ポジ型感光性組成物。 - 前記架橋剤(C)が、1分子中に2以上のビニルオキシ基を有する多官能ビニルエーテル化合物である、請求項9に記載の化学増幅型ポジ型感光性組成物。
- 前記アクリル樹脂(B1)の全構成単位に対する、フェノール性水酸基を有する前記アクリルモノマーに由来する構成単位のモル比が、5モル%以上50モル%以下である、請求項9又は10に記載の化学増幅型ポジ型感光性組成物。
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