以下、受信装置及び受信方法を適用した実施の形態の放送システムを、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
(システムの運用例)
図1は、第1の実施の形態の放送システムの運用について説明するための概要図である。この第1の実施の形態の放送システムは、放送番組間等において、視聴者の嗜好に合致した広告(アドレッサブルCM、CM:Commercial Message)を配信する放送システムとなっている。なお、CMには、商品又はサービス等の宣伝広告の他、番組の宣伝等も含まれる。
図1に示すように、第1の実施の形態の放送システムは、後述する放送局1000の各機器と、ハイブリッドキャスト対応の受信機5000と、受信機5000を管理する管理サーバ3000とを備える。また、放送システムは、視聴者の外部装置6000と、視聴者の音声操作機器7000とを備える。
視聴者の外部装置6000としては、例えばスマートホン、タブレット端末、携帯電話機、ノート型又はデスクトップ型のパーソナルコンピュータ装置等を用いることができる。音声操作機器7000は、マイクロホン部及びスピーカ部を備えており、マイクロホン部から集音した操作音声に基づいて、例えばテレビジョン受像機等の受信機5000を遠隔操作する。スピーカ部からは所望の音楽又は操作用のフィードバック音声等が出力される。
受信機5000としては、例えばテレビジョン受像機又はセットトップボックス等を用いることができる。テレビジョン受像機は、アナログ又はデジタルの地上放送、ケーブルテレビジョン放送、インターネット等のネットワークを介したネットワーク放送、又は、衛星放送等を受信する。また、データ放送又はハイブリッドキャスト等の放送通信連携サービスに対応可能なテレビジョン受像機を用いてもよい。また、セットトップボックスも、テレビジョン受像機と同様に、アナログ又はデジタルの地上放送、ケーブルテレビジョン放送、インターネット等のネットワークを介したネットワーク放送、又は、衛星放送等を受信する。また、データ放送又はハイブリッドキャスト等の放送通信連携サービスに対応可能なセットトップボックスを用いてもよい。
管理サーバ3000は、受信機5000を介してインターネット経由で視聴者が視聴した放送番組、アナログ又はデジタルの地上放送、衛星放送、又は、CS(Communication Satellites)放送を視聴した放送番組等の視聴履歴を取得して視聴者の嗜好を解析する。例えば、「Y」という層をターゲットとする「a」という放送番組を、ターゲット層「Y」に属さない或る視聴者が定期で視聴しているとの情報を管理サーバ3000が得たとする。そして、解析の結果、その視聴者はターゲット層「Y」が通常興味を示さない「m」という商品に興味がある蓋然性が高いことが判明したとする。
この場合、管理サーバ3000は、放送番組「a」のCM枠が特定の視聴者を対象とするアドレッサブルCM枠に適していると判定する。特定の視聴者とは、商品「m」に興味を持つ視聴者である。管理サーバ3000は、この解析結果を放送局1000へと提供する。なお、解析結果は、管理サーバ3000が放送局1000へ自動送信してもよいし、人手を介して放送局1000へ伝えてもよい。
広告会社ADは、管理サーバ3000の解析結果を放送局1000から取得する。そして、広告会社ADは、商品「m」の広告主MCに対して、放送番組「a」のCM枠をアドレッサブルCM枠として購入しないかと提案する。広告主MCがこれに同意すれば両者の間で契約が取り交わされる。
広告会社ADは、契約に基づき商品「m」についてのCMを放送局1000へ入稿し、放送局1000は、自身が備えるCM管理サーバを介して、アドレッサブルCMの配信に用いられるCM配信用サーバ4000へとそのCMを送信する。CM配信用サーバ4000のCMは上述の視聴者の受信機5000により受信され、商品「m」に興味を持つ視聴者の視聴時に放送(再生)される。
管理サーバ3000は、放送局1000から取得したアドレッサブルCM枠の情報に基づき、アドレッサブルCMの配信実績を受信機5000から取得し、放送局1000へと提供する。管理サーバ3000は配信実績を放送局1000へと自動送信する機能を有していてもよく、または、配信実績は人手を介して放送局1000へと伝えられてもよい。
広告会社ADは、管理サーバ3000からの配信実績を、放送局1000を介して取得し、必要に応じて広告主MCへと伝える。
(システムの概略構成)
図2は、第1の実施の形態の放送システムのシステム構成を示す図である。この図2に示すように、放送局1000は、CM管理サーバを含む放送局サーバ1100、及びセキュリティ装置1200を備える。放送局1000は、電波による放送信号を送出する。放送信号は、BS放送、CS放送、地上デジタル放送等の信号を含みうる。また、放送局1000は、デジタル放送信号、アプリケーション制御情報(AIT:Application Information Table)、放送と通信の連携による提示に関する制御情報等を送出する。
アプリケーション制御情報は、放送番組と連動するアプリケーション、起動又は終了のためのコマンド、制御情報などを含み、受信機5000で受信される。アプリケーション制御情報の伝送方式としては、例えば専用のES(Elementary Stream)による伝送方式、同じデータを繰り返し送信するデータカーセル方式、又は、通信ネットワークのサーバ上から制御信号ファイルを取得する方式等を用いることができる。後述するハイブリッドキャスト対応の受信機5000は、アプリケーション制御情報に従って、指定されたURLからアプリケーションを取得し、アプリケーションバウンダリなどの制御を実行する。
放送局1000は、放送局サーバ1100を運営する。放送局サーバ1100は、番組タイトル、番組ID、番組概要、出演者、放送日時、その他のデータのメタデータを受信機5000に提供する。
受信機5000は、放送信号を受信して各種の放送番組および各種サービス情報を受信することができる。受信機5000は、基本機能であるデジタル放送の受信機能に加えて、放送通信機能連携サービスを実現するための機能を備える。
すなわち、受信機5000は、ブロードバンドネットワーク接続機能に加えて次のような機能を備える。放送により送られてくるアプリケーション制御情報に応じてアプリケーションを実行する機能、放送と通信との連携による提示を行う機能等である。
受信機5000には、データ記録再生用のHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記録媒体5001に接続可能であると共に、表示器5002、スピーカシステム5003を接続することも可能である。これらは、受信機5000に予め含まれている場合もある。
主に、受信機5000、記録媒体5001、表示器5002、及びスピーカシステム5003により第1の実施の形態の表示装置が構成される。
管理サーバ3000は、受信機5000を管理するとともに、受信機5000から視聴履歴を取得し、これを解析する。上述のように、管理サーバ3000は、視聴履歴の解析結果を放送局1000に自動送信してもよい。
また、管理サーバ3000は、放送局1000からアドレッサブルCM枠の情報を取得する。この情報には、例えば、アドレッサブルCM枠が設定された放送番組、アドレッサブルCM枠の時間帯等の情報が含まれる。管理サーバ3000は、アドレッサブルCM枠の情報に基づき、アドレッサブルCMの受信機5000による配信実績を取得する。上述のように、管理サーバ3000は、配信実績を放送局1000に自動送信してもよい。
主に、受信機5000、記録媒体5001、表示器5002、スピーカシステム5003、及び管理サーバ3000により第1の実施の形態の放送システムが構成される。
CM配信用サーバ4000には、放送局1000が所有するCM管理サーバ(図1参照)から、放送局1000に広告会社ADから入稿されたアドレッサブルCMが送信される。受信機5000は、CM配信用サーバ4000が保有するアドレッサブルCMのうち、所定のアドレッサブルCMを受信する。
(伝送路におけるストリーム及び情報)
図3は、第1の実施の形態の放送システムで放送信号を伝達する放送波伝送路2100及びハイブリッドキャスト伝送路2200を示す図である。この図3に示すように、各伝送路では、映像ストリーム、音声ストリーム、アプリケーション制御情報、サービス情報が伝送される。
(受信機の構成例)
図4は、第1の実施の形態の受信機5000の構成例を示す図である。この図4に示すように、受信機5000は、通信コンテンツ処理部5100と、放送コンテンツ処理部5300とを有する。通信コンテンツ処理部5100は、ネットワークに接続されるハイブリッドキャスト仕様を有する。ネットワークの接続先は、例えば上述の管理サーバ3000である。放送コンテンツ処理部5300は放送波を受信する。
通信コンテンツ処理部5100は、IP通信インターフェース5101を備える。IP通信インターフェース5101を介して取り込まれたストリームは、ストリーミング受信処理部5102で受信され、復調されたストリームがデマルチプレクサ5303で元の配列状態に復元される。デマルチプレクサ5303には、DRAM処理部5104が接続されており、このDRAM処理部5104で、プログラムを動作させ、例えば自動ダウンロードを実行させることができる。
デマルチプレクサ5303で分離された映像ストリームは、映像デコーダ5311でデコードされ、音声ストリームは、音声デコーダ5312でデコードされ、字幕ストリームは、字幕デコーダ5313でデコードされる。
デコードされた映像データ及び字幕データは、合成器5501で合成されて表示器5002に入力される。デコードされた音声データは、スピーカ部5003に入力される。
放送コンテンツ処理部5300は、放送チューナ5301を備える。放送チューナ5301で受信され復調されたストリームは、デスクランブラ5302に入力される。デスクランブラ5302では、入力ストリームが、CAS(Conditional Access System)モジュール5304からの鍵でデスクランブルされる。デスクランブラ5302でデスクランブルされたストリームは、デマルチプレクサ5303に入力される。
デマルチプレクサ5303は、データ放送用のデータをデータ放送受信処理部5330に出力する。また、デマルチプレクサ5303で分離された映像ストリームは、映像デコーダ5311でデコードされ、音声ストリームは、音声デコーダ5312でデコードされ、字幕ストリームは、字幕デコーダ5313でデコードされる。デコードされた映像データ及び字幕データは、合成器5501で合成されて表示器5002に入力される。デコードされた音声データは、スピーカシステム5003に入力される。
また、デマルチプレクサ5303で分離されたデータ放送信号は、データ放送受信処理部5330で受信され、データ放送エンジン5315に入力される。データ放送により送られてきた表示用信号は、合成器5501に入力されて表示器5502にて表示される。
受信機5000の全体的な動作は、統合制御器5200が制御する。統合制御器5200は、アプリケーション制御部5201、セキュリティ管理部5202を有する。アプリケーション制御部5201は、アプリケーション制御情報に含まれる各種情報や制御情報に基づいて、受信機5000の各ブロックを制御する。アプリケーション制御部5201は、アプリケーションにCM及びCMに関連するメッセージ等の補助情報の表示/非表示等を決定する。
セキュリティ管理部5202は、アプリケーションを管理し、セキュリティ機能を実現する。例えば、セキュリティ管理部5202は、アプリケーション認証機能を持ち、認証されたアプリケーションをマネージメントアプリケーションとして扱う。また、セキュリティ管理部5202は、アクセス制御機能、提示機能、エンフォースメント機能、放送外のマネージメントアプリケーションを対象とするリボケーション機能等を備える。なお、ここではセキュリティ管理部5202の制御とアプリケーション制御部5201の制御とを分けて記載しているが、分けずに1つの管理部として制御してもよい。
アクセス制御機能は、利用が許可されたアプリケーションに対して、映像、音声、メタデータSI情報等の放送リソースや、受信機5000の映像音声出力、ネットワークインターフェース等の受信機リソースを参照可能とする。また、アプリケーションのセキュリティクラスに応じてアクセス可能な受信機API(Application Programming Interface)を制限する。
提示制御機能は、放送事業部の意図に基づき、放送動画へのオーバーレイの可否、表示領域及びサイズ、表示/非表示等のアプリケーションの表示方法を決定する。さらに、災害報道などの緊急時において、例えばアプリケーションまたはその関連表示を一時的に非表示として、放送番組の全画面表示の制御を可能とする。
リボケーション機能は、放送事業者や利用者の利益を損なう、問題のあるアプリケーションを無効化する機能である。
アプリケーションエンジン5130は、アプリケーションを実行するための環境を形成している。アプリケーションエンジン5130としては、ハイブリッドキャストに対応するための拡張APIを備えた、例えばHTML5(Hypertext Markup Language 5)ブラウザが用いることができる。
端末連携制御部5500は、外部の連携端末との連携を実行するインターフェースである。
ここで、記録媒体5001には、上述のCM配信用サーバ4000から取得したアドレッサブルCMが格納されている。CM配信用サーバ4000に保有されるアドレッサブルCMのうち、統合制御器5200は、その受信機5000の視聴者が好みそうなものを記録媒体5001へとダウンロードする。CM配信用サーバ4000が保有するアドレッサブルCMは、視聴者の嗜好を表す「車」「スポーツ」「旅行」等のタグが付けられた複数のグループに分けられている。統合制御器5200は、管理サーバ3000から取得した、その受信機5000の視聴者の嗜好に関する情報に基づき、視聴者の嗜好に合ったタグが付与されたアドレッサブルCM群をダウンロードする。
記録媒体5001へとダウンロードされたアドレッサブルCMは、DRAM処理部5104に一時格納される。その後、アドレッサブルCMは、デマルチプレクサ5303で分離され、映像ストリームは、映像デコーダ5311でデコードされ、音声ストリームは、音声デコーダ5312でデコードされ、字幕ストリームは、字幕デコーダ5313でデコードされる。
デコードされた映像データ及び字幕データは、合成器5501で合成されて表示器5002に入力される。デコードされた音声データは、合成器5502を介して、スピーカシステム5003に入力される。これにより、アドレッサブルCMが、表示器5002及びスピーカシステム5003により出力される。
アプリケーション制御部5201は、アドレッサブルCMの再生に関するアプリケーション制御情報に基づき受信機5000の各ブロックを制御して、アドレッサブルCMを所定のアドレッサブルCM枠において再生する。
(管理サーバの構成例)
図5は、管理サーバ3000のハードウェア構成図である。この図5に示すように管理サーバ3000は、CPU(Center Processing Unit)3051、ROM(Read Only Memory)3052、RAM(Random Access Memory)3053、蓄積部3054、通信部3055を有している。
蓄積部3054は、HDD又はSSD等の記憶部である。蓄積部3054には、後述する嗜好解析プログラムが記憶されている。CPU3051は、この嗜好解析プログラムに基づいて動作することで、視聴者の嗜好を解析し、解析結果(嗜好解析情報)をCM配信用サーバ4000に通知する。これにより、視聴者の嗜好に合致したアドレッサブルCMが、視聴者の受信機5000に配信され、番組の間等に挿入されて再生される。
(管理サーバの機能)
図6は、管理サーバ3000のCPU3051が、嗜好解析プログラムを実行することで実現される各機能の機能ブロック図である。CPU3051は、嗜好解析プログラムを実行することで、この図6に示すように、蓄積制御部3100、解析部3200、通信制御部3300及び音声認識部3400の各機能を実現する。
蓄積部3100は、その管理サーバ3000が管理する受信機5000における視聴履歴を蓄積する。視聴履歴には、例えば、番組タイトル、番組ID、番組概要、出演者、放送日時、その他のデータが含まれる。
また、蓄積制御部3100は、受信機5000から受信した視聴履歴、再生履歴、録画設定、視聴予約設定等を蓄積部3054に対して記憶再生制御する。また、蓄積制御部3100は、視聴者の外部装置6000から取得した嗜好情報を、蓄積部3054に対して記憶再生制御する。
また、実施の形態の放送システムでは、音声操作機器7000により、受信機5000等を音声操作可能となっている。管理サーバ3000は、音声操作機器7000から取得した操作音声を音声認識部3400で認識し、受信機5000に伝達することで、受信機5000の音声操作を可能とする。蓄積制御部3100は、音声操作機器7000から取得した受信機5000等に対する操作音声に対応する操作履歴情報を、蓄積部3054に対して記憶再生制御する。
解析部3200は、視聴履歴およびその管理サーバ3000が管理する受信機5000の視聴者の属性情報から視聴者の嗜好等を解析する。視聴者の属性情報は、事前(例えば受信機購入時等)のアンケート調査等により視聴者から得られた情報である。視聴者の属性情報には、例えば、その世帯の構成要員についての性別情報や世代情報等が含まれる。
これらの情報により、例えば、その管理サーバ3000が管理する受信機5000の視聴者の嗜好が推定される。例えば、視聴者の視聴傾向から、車好き、スポーツ好き、旅行好き、というような情報が得られる。
また例えば、ターゲット層「Y」をターゲットとする放送番組「a」で、ターゲット層「Y」の嗜好に合う商品「n」についてのCMが流れているところ、商品「m」に興味のあるターゲット層「X」に属する視聴者もやはり放送番組「a」を視聴していることが判明したとする。
この場合、例えば、解析部3200は、商品「n」についてのCM枠をアドレッサブルCM枠に設定し、ターゲット層「X」に属する視聴者に向けて商品「m」についてのアドレッサブルCMを提供することに適すると判定してもよい。
また、このほかにも、子供がいる世帯の保護者層に向け、保護者が視聴していると思われる夜の時間帯の放送番組においてアドレッサブルCM枠を設定し、子供に関連した商品のアドレッサブルCMを提供することなどが考えられる。
通信制御部3300は、例えば、解析部3200によるこれらの解析結果を放送局1000へと通知する。これらの解析結果は、放送局1000を介して広告会社ADに取得され、対象商品の広告主MCによりアドレッサブルCM枠が購入される。
また、通信制御部3300は、例えば、購入されたアドレッサブルCM枠において実際にアドレッサブルCMが配信された場合の配信実績を放送局1000へと通知する。これらの配信実績は、放送局1000を介して広告会社ADや広告主MCに報告される。
また、通信制御部3300は、解析部3200が解析した視聴者の嗜好を受信機5000に通知する。これにより、受信機5000は、CM配信用サーバ4000からアドレッサブルCMを取得する際、視聴者の嗜好に合ったアドレッサブルCMを選択的に取得することができる。
また、後述するが、通信制御部3300は、視聴者の外部装置6000及び受信機5000に対して、視聴者が希望するCMを選択するためのCMリストを送信する。このCMリストは、CM名等の一覧となっている。視聴者は、配信を希望するCMを、この一覧の中から選択して、管理サーバ3000に指定する。通信制御部は、視聴者から指定されたCMを示す情報、及び、解析部3200により、視聴者から指定されたCMに基づいて解析された視聴者の嗜好を示す嗜好解析情報をCM配信用サーバ4000に送信する。
(外部装置のハードウェア構成)
図7は、外部装置6000のハードウェア構成を示す図である。この図7に示すように、外部装置6000は、CPU6031、ROM6032、RAM6033、タイマ6034、記憶部6035、通信部6036、表示部6037、操作部6038、スピーカ部6039、及びマイクロホン部6040を有している。
記憶部6035には、指向提供アプリケーションプログラムが記憶されている。詳しくは後述するが、CPU6031は、この指向提供アプリケーションプログラムに基づいて、視聴者の嗜好を示す嗜好情報を管理サーバ3000に通知する。これにより、管理サーバ3000からCM配信用サーバ4000を介して、視聴者の嗜好に合致したCMが配信されるようになっている。
また、記憶部6035には、ユーザが撮像し、又は、ネットワークを介して取得した画像データが記憶されている。視聴者が、この画像データで示される各画像のうち、所望の画像を指定すると、管理サーバ3000により指定された画像から視聴者の嗜好が解析され、CM配信用サーバ4000から視聴者の嗜好に合致したCMが配信されるようになっている。
なお、音声操作機器7000も、この図7に示すハードウェア構成と同様のハードウェア構成を有している。音声操作機器7000の場合、視聴者からの操作音声がマイクロホン部6040で集音され、管理サーバ装置3000に送信されるようになっている。
(アドレッサブルCMの再生)
図8は、第1の実施の形態の放送システムにおけるアドレッサブルCM再生時のタイミングチャートである。図8の例では、受信機5000の視聴者の嗜好に合ったアドレッサブルCMが、既に記録媒体5001にダウンロードされているものとする。あるいは、放送番組中に、非同期通信等により、視聴者の嗜好に合ったアドレッサブルCMを記録媒体5001にダウンロードしてもよい。
図8に示すように、第1の実施の形態の放送システムでは、放送番組の本編が開始されると、アドレッサブルCMの再生に関するハイブリッドキャストアプリケーションが起動される。ハイブリッドキャストアプリケーションは起動されるが、非表示状態に制御される。
具体的には、ハイブリッドキャストの技術仕様は、IPTVフォーラムの技術仕様及びARIB(Association of Radio Industries and Businesses)の規格として標準化されている。ARIB規格においては、放送信号に含まれるPMT(Program Map Table)が受信されると、受信機5000において、PMTに記載されるPID(Packet ID)に基づき、データ放送コンテンツであるBML(Broadcast Markup Language)コンテンツが起動される。初期状態においては、BMLコンテンツに記載されたスクリプトにより、ネットワーク上のサーバ装置からアプリケーション制御情報を取得する。取得後は、取得したアプリケーション制御情報に従ってハイブリッドキャストアプリケーションが起動される。
ハイブリッドキャストアプリケーションは、放送信号に含まれ、CM開始を予告するイベントメッセージEM1が受信されると、放送動画に重ねて所定の画面を表示する。このとき、ハイブリッドキャストアプリケーションにおいては、アプリケーション制御部5201がグラフィックスの表示を非表示状態から表示状態に制御する。つまり、ハイブリッドキャストアプリケーションが起動されると非表示に制御され、イベントメッセージEM1が受信されると、ハイブリッドキャストアプリケーション画面を透明な状態で表示する。そのため、番組本編の視聴を妨げない。ハイブリッドキャストアプリケーションにおいては、所定の条件下、このような割り込み表示およびオーバーレイ表示が可能である。イベントメッセージEM1は、CM開始時間の所定時間前(例えば1秒~数秒前等)に放送信号に含まれて放送局1000から送信される。
なお、ハイブリッドキャストアプリケーション画面は、透明状態のみならず、半透明状態での表示としてもよい。この場合においても、番組本編が完全に隠されてしまうことが無く、番組本編の視聴は妨げられない。またこのとき、視聴者向けに所定のメッセージ又はマーク等の補助情報を画面の一隅等に表示してもよい。
ハイブリッドキャストアプリケーションは、放送信号に含まれるCM開始を示すイベントメッセージEM2が受信されると、ダウンロードしたアドレッサブルCMの再生を開始する。そして、アドレッサブルCMの再生が終了した直後に、放送信号に含まれるCM終了を示すイベントメッセージEM3が受信される。アドレッサブルCMの長さはアドレッサブルCM枠の長さに合わせて設定されているので、イベントメッセージEM3の受信の直前にアドレッサブルCMの再生は終了する。
(受信機の表示画面の一例)
次に、図9は、受信機5000が表示器5002に表示する表示画面の一例である。図9に示す表示画面は、受信機5000の記録媒体5001へのアドレッサブルCMのダウンロードに先駆けて表示される。
この図9に示すように、統合制御器5200は、CM配信用サーバ4000から受信機5000の記録媒体5001にアドレッサブルCMをダウンロードする際、受信機5000の視聴者に記録媒体5001の利用許諾を求めるメッセージを表示する。メッセージ内容としては利用許諾だけでなく、「何GB使用します」といった具体的な使用量を問うメッセージ表示してもよい。これにより、視聴者が所有する記録媒体5001を勝手に使用していないことを示すことができ、また、記録媒体5001の容量をどのくらい使用するのかを示すことができる。アドレッサブルCMのダウンロードは、視聴者の許諾が得られた後、記録媒体5001が不使用である任意のタイミングで行われる。
図10は、受信機5000がアドレッサブルCMの再生時に表示器5002に表示する画面の一例である。この図10に示すように、受信機5000がCM開始の直前であることを示すイベントメッセージEM1を受信すると、ハイブリッドキャストアプリケーションは、放送動画に重ねて、CMの差し替えることを示す補助情報としてのメッセージまたはマーク等を含む半透明の画面SCaを表示してもよい。透明ではなく半透明に表示することでメッセージまたはマーク等を見えやすくする。これにより、視聴者はアドレッサブルCMが開始されることが分かるとともに、視聴者にとって興味のあるCM(広告)であることを事前に示すことができるため、視聴者は通常のCMよりも、より興味を持って視聴する。
図11は、受信機5000がアドレッサブルCMの再生時に表示器5002に表示する画面の他の例である。図11に示すように、受信機5000がCM開始を示すイベントメッセージEM2を受信すると、ハイブリッドキャストアプリケーションは、画面SCa内にアドレッサブルCMの動画SCbを配置して表示再生する。このとき、画面SCaにCM差し替え中のメッセージを表示してもよい。全画面表示される画面SCaに対し、アドレッサブルCMの動画SCbは、例えば画面SCaよりも小さい領域内に表示される。このため、CM差し替え中のメッセージが隠れることなく、そのまま表示され続ける。これにより、アドレッサブルCM中でも視聴者にアドレッサブルCMであることを示すことができ、視聴者に興味を持たせることができる。
なお、この図11の例によらず、アドレッサブルCMの動画SCbは全画面で表示してもよい。また、この際、CM差し替え中のメッセージは、アドレッサブルCMの動画SCb内に表示してもよいし、隠してもよい。つまり、アドレッサブルCMの動画SCbが全画面表示された状態でも、動画SCbの枠内にCM差し替え中のメッセージを表示してもよい。
ハイブリッドキャストアプリケーションは、アドレッサブルCMの再生終了と共に画面SCa及び動画SCbを非表示とし、表示器5002の表示を元の放送動画の画面へと戻す。
(受信機における表示処理)
図12は、受信機5000におけるアドレッサブルCMの表示処理の手順の一例を示すフロー図である。
図12に示すように、放送番組の本編が開始され、受信機5000が放送信号に含まれるPMTを受信すると(ステップS101)、アプリケーション制御部5201がハイブリッドキャストアプリケーションを起動し非表示とする(ステップS102)。ハイブリッドキャストアプリケーションは、CM開始を予告するイベントメッセージEM1の受信を待つ(ステップS103:No)。
受信機5000がイベントメッセージEM1を受信すると(ステップS103:Yes)、ハイブリッドキャストアプリケーションは、ハイブリッドキャストアプリケーションによるアプリケーション画面を表示する。つまり、非表示状態から表示状態となる(ステップS104)。アプリケーション画面は、透明画面であっても、CMを差し替える旨のメッセージを含む画面SCaであってもよい。そして、ハイブリッドキャストアプリケーションは、CM開始を示すイベントメッセージEM2の受信を待つ(ステップS105:No)。
受信機5000がイベントメッセージEM2を受信すると(ステップS105:Yes)、ハイブリッドキャストアプリケーションは、透明画面または画面SCaに重ねてアドレッサブルCMの動画SCbを表示し、アドレッサブルCMの再生を開始する(ステップS106)。所定時間経過後、ハイブリッドキャストアプリケーションは、アドレッサブルCMの再生を終了する(ステップS107)。そして、ハイブリッドキャストアプリケーションは、(画面SCaおよび)動画SCbを非表示とする。つまり、表示状態から非表示状態となる(ステップS108)。ハイブリッドキャストアプリケーションは、CM終了を示すイベントメッセージEM3の受信を待つ(ステップS109:No)。
受信機5000がイベントメッセージEM3を受信すると(ステップS109:Yes)、受信機5000におけるアドレッサブルCMの表示処理が終了する。
近年、テレビやインターネットを介したコンテンツの視聴履歴を収集し、視聴者の嗜好や購買行動等の解析が行われている。このような解析結果は、特定の視聴者に向けたアドレッサブルCM配信に活用できる。しかしながら、通常の放送番組内のCM枠にアドレッサブルCMを差し替えて表示を行うことは困難であった。
第1の実施の形態の放送システムの受信機5000においては、ハイブリッドキャストアプリケーションが、放送信号に含まれるイベントメッセージEM1~EM3等にしたがって、適宜、アドレッサブルCMに関する画面表示を行う。これにより、放送によるCMに差し替えてアドレッサブルCMを表示再生することができる。
また、受信機5000においては、アプリケーション制御部5201によってハイブリッドキャストアプリケーションが予め起動され、非表示に制御される。予め起動されることにより、アドレッサブルCM枠の開始に合わせ、素早いタイミングで、アドレッサブルCMの再生を開始することができる。
また、受信機5000においては、放送動画からの切り替え時、ハイブリッドキャストアプリケーションが、例えばCMを差し替える旨のメッセージを含む画面SCaを表示する。これにより、放送動画からの切り替え時に生じ得るタイムラグを埋め、視聴者に違和感を抱かせることなくスムースに、アドレッサブルCMの動画に画面を遷移させることができる。
(第1の実施の形態の変形例)
図13~図15は、第1の実施の形態の変形例となる放送システムの受信機がアドレッサブルCMの再生時に表示器に表示する画面の一例である。
図13に示すように、変形例の受信機においては、ハイブリッドキャストアプリケーションが、放送動画に重ねて表示される画面SCcの余白、つまり、アドレッサブルCMの動画SCbの外枠に、再生中のアドレッサブルCMの対象視聴者を示すマークMKa等の補助情報を表示してもよい。これにより、図13の例で言えば、視聴者はすぐに「車関係」のCMと気付くことができる。
図14に示すように、変形例の受信機においては、ハイブリッドキャストアプリケーションが、放送動画に重ねて表示される画面SCdの余白に、現在再生中のアドレッサブルCMのマークMKa等の情報に加え、あるいは代えて、次に再生されるアドレッサブルCMの対象視聴者を示すマークMKb等の情報を表示してもよい。次に再生されるアドレッサブルCMを示す情報はサムネイル等であってもよい。これにより、図14の例で言えば、視聴者は「車関係」のCMから「野球関係」のCMが次に表示されることが事前に分かるので(CMの事前告知)、より視聴者に興味を抱かせることができる。
図15に示すように、変形例の受信機においては、ハイブリッドキャストアプリケーションが、アドレッサブルCMの対象視聴者の年齢層に合わせて、放送動画に重ねて表示される画面SCe,SCfの色や柄やテクスチャ等を変えてもよい。図15(a)の画面は、高齢者向けアドレッサブルCMの画面SCeの例である。図15(b)の画面は、若者向けアドレッサブルCMの画面SCfの例である。視聴者の年齢によっては画面の色などにより見易さが変わるため、画面変更することによってアドレッサブルCMをより見易くすることができる。また画面変更する際には視聴者に画面SCeやSCfを選択させることもできる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態の放送システムの説明をする。この第2の実施の形態の放送システムは、放送信号がイベントメッセージを含まない場合の例である。なお、第2の実施の形態の放送システムも第1の実施の形態の放送システムと同様の構成を備える。以下の説明においては、図4等を援用し、第1の実施の形態の構成に対応する構成には同様の符号を付することとする。
(アドレッサブルCMの再生)
図16は、第2の実施の形態のシステムにおけるアドレッサブルCM再生時のタイミングチャートである。図16の例では、管理サーバ3000が、放送局1000から通知された所定の放送番組におけるアドレッサブルCM枠の所定時刻を、予め受信機5000に通知しておく。受信機5000のハイブリッドキャストアプリケーションは、管理サーバ3000から通知された所定時刻に基づき、アドレッサブルCMを差し替え表示する。
図16に示すように、放送番組の本編が開始され、受信機5000が放送信号に含まれるPMTを受信すると、アプリケーション制御部5201によってハイブリッドキャストアプリケーションが起動される。このとき、実施の形態同様に、ハイブリッドキャストアプリケーションは非表示とされる。
ハイブリッドキャストアプリケーションは、放送番組内のCM開始を予告する所定時刻である時刻T1になると、放送動画に重ねて、例えば透明画面、また例えばCMを差し替える旨のメッセージ等の補助情報を含む半透明の画面を表示する。
ハイブリッドキャストアプリケーションは、CM開始時刻である時刻T2になると、ダウンロードしたアドレッサブルCMの再生を開始する。そして、アドレッサブルCMの再生が終了した直後に、CM終了時刻である時刻T3となる。
(受信機における表示処理)
図17は、第2の実施の形態の放送システムの受信機5000におけるアドレッサブルCMの表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図17のフローチャートにおいて、受信機5000は事前に管理サーバ3000からアドレッサブルCM枠に関する所定時刻の情報を取得する(ステップS210)。
放送番組の本編が開始され、受信機5000が放送信号に含まれるPMTを受信すると(ステップS211)、アプリケーション制御部5201がハイブリッドキャストアプリケーションを起動し非表示とする(ステップS212)。ハイブリッドキャストアプリケーションは、CM開始を予告する時刻T1になるのを待つ(ステップS213:No)。
時刻T1になると(ステップS213:Yes)、ハイブリッドキャストアプリケーションは、透明画面、または、CMを差し替える旨のメッセージを含む画面SCaを表示する(ステップS214)。そして、ハイブリッドキャストアプリケーションは、CM開始時刻である時刻T2になるのを待つ(ステップS215:No)。
時刻T2になると(ステップS215:Yes)、ハイブリッドキャストアプリケーションは、透明画面または画面SCa内にアドレッサブルCMの動画SCbを配置して表示し、アドレッサブルCMの再生を開始する(ステップS216)。所定時間経過後、ハイブリッドキャストアプリケーションは、アドレッサブルCMの再生を終了する(ステップS217)。そして、ハイブリッドキャストアプリケーションは、(画面SCaおよび)動画SCbを非表示とする(ステップS218)。ハイブリッドキャストアプリケーションは、CM終了時刻である時刻T3になるのを待つ(ステップS109:No)。
時刻T3になると(ステップS219:Yes)、受信機5000におけるアドレッサブルCMの表示処理が終了する。
第2の実施の形態の受信機5000においては、事前に管理サーバ3000からアドレッサブルCM枠に関する所定時刻の情報を取得する。そして、ハイブリッドキャストアプリケーションが、時刻T1~T3等にしたがって、適宜、アドレッサブルCMに関する画面表示を行う。これにより、放送信号にイベントメッセージが含まれない場合であっても放送によるCMに差し替えてアドレッサブルCMを表示再生することができる。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態の放送システムの説明をする。この第3の実施の形態の放送システムは、受信機5000とは物理的に異なる、携帯端末又はパーソナルコンピュータ装置(PC)等の外部装置6000を介して、管理サーバ3000が、テレビ視聴とは関係のない情報を収集する。管理サーバ3000は、外部デバイスから収集した、テレビ視聴とは関係のない情報に基づいて、視聴者の嗜好を解析する。換言すると、視聴者は、外部装置6000を用いて、自分の嗜好を管理サーバ3000に対して通知することで、管理サーバ3000が、通知された視聴者の嗜好に対応するCMを配信する。これにより、視聴者が自分の嗜好に合致したCMを視聴可能とすることができる。
図18は、この第3の実施の形態の放送システムの概要を示す図である。この図18に示すように、第3の実施の形態の放送システムの場合、視聴者が、外部装置6000を用いて自分の嗜好を示す嗜好情報を管理サーバ3000に送信する。なお、外部装置6000としては、例えば携帯端末6000a又はパーソナルコンピュータ装置6000b等を用いることができる。
図6に示した管理サーバ3000の解析部3200は、視聴者から提供された嗜好情報に基づいて、視聴者の嗜好を解析する。通信制御部3300は、視聴者の嗜好を示す嗜好解析情報を、通信部3055を制御してCM配信用サーバ4000に送信する。これにより、視聴者の嗜好に合致したアドレッサブルCMを、受信機5000で再生して、視聴者に視聴させることができる。
具体的に説明すると、図7に示した外部装置6000のCPU6031は、記憶部6035に記憶されている指向提供アプリケーションプログラムを実行することで、図19に示す各機能を実現する。すなわち、CPU6031は、指向提供アプリケーションプログラムを実行することで、リスト取得部6050、操作検出部6060、表示制御部6070、及び、通信制御部6080を実現する。
この第3の実施の形態の場合、管理サーバ3000の通信制御部3300は、視聴者の外部装置6000に、CMリストを予め送信する。このCMリストは、例えばタレント名,番組ジャンル,商品ジャンル、CMの雰囲気、CMで使われている曲のタイトル又は歌手等を示す各情報の一覧である。通信制御部6080及びリスト取得部6050は、管理サーバ3000から送信されるCMリストを取得する。表示制御部6070は、取得されたCMリストを表示部6037に表示する。
図20(a)は、外部装置6000の表示部6037に表示されたCMリストの一例を示す図である。視聴者は、外部装置6000に表示されたCMリストから自分の嗜好に合ったタレント名又は番組ジャンル等を、操作部6038を介して指定操作する。この指定操作を検出すると、表示制御部6070は、指定されたタレントが出演しているCM又は指定されたジャンルのCM等を視聴するか否かを問うメッセージを表示部6037に表示制御する。図20(a)は、「CC CC」というタレント名のタレントが指定された例である。このため、表示制御部6070は、図20(b)に示すように、「CC CCが出演するCMを見ますか? Yes/No」等の、視聴するか否かを問うメッセージを表示部6037に表示制御する。
このメッセージに対して、視聴者が視聴することを選択すると(Yesを選択操作)、通信制御部6080は、視聴者に指定されたタレント名又は番組ジャンル等を示す情報を、嗜好情報として管理サーバ3000に送信する。
これにより、管理サーバ3000からCM配信用サーバ4000に対して視聴者の嗜好が通知され、CM配信用サーバ4000から視聴者の受信機5000に対して、視聴者の嗜好に合致したアドレッサブルCMが配信され、番組間等に再生される。
すなわち、この第3の実施の形態の場合、管理サーバ3000側で視聴者の嗜好を推定するのではなく、視聴者が自ら自分の嗜好を指定する。このため、CM配信用サーバ4000において、視聴者の嗜好に合致したアドレッサブルCMを選択して、視聴者の受信機5000に送信できる。このため、視聴者の嗜好に合致した広告を提供可能とすることができる他、上述の各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態の放送システムの説明をする。この第4の実施の形態の放送システムの場合、視聴者が、外部装置6000に記憶されている画像、又は、管理サーバ3000から取得したサンプル画像を指定する。これにより、視聴者から指定された画像に基づいて、視聴者の嗜好が推定され、推定された嗜好に対応するアドレッサブルCMが提供される。
すなわち、第4の実施の形態の放送システムの場合、図7に示した外部装置6000のCPU6031は、記憶部6035に記憶されている指向提供アプリケーションプログラムを実行することで、図21に示すように上述のリスト取得部6050~通信制御部6080と共に、画像検出部6090を実現する。
画像検出部6090は、外部装置6000の記憶部6035に記憶されている画像データを検出する。表示制御部6070は、検出された画像データの画像を、表示部6037に一覧表示する。または、管理サーバ3000の通信制御部3300は、サンプル画像の一覧を、外部装置6000に送信する。外部装置6000のリスト取得部6050及び通信制御部6080は、サンプル画像の一覧を取得し、表示部6037に一覧表示する。
図22は、外部装置6000の表示部6037に一覧表示された画像を示す図である。視聴者は、表示部6037に画像が一覧表示されると、視聴者は、図22(a)に示すように、自分の嗜好に合った画像を、操作部6038を介して選択操作する。図22(a)の例は、山の画像が選択された例である。
このような画像の選択操作を検出すると、表示制御部6070は、選択された画が含まれるCMを視聴するか否かを問うメッセージを表示部6037に表示制御する。図22(a)は、山の画像が選択された例である。このため、表示制御部6070は、図22(b)に示すように、選択された山の画像を表示すると共に、例えば「このような画像が含まれるCMを見ますか? はい/いいえ」等の、視聴するか否かを問うメッセージを表示部6037に表示制御する。
このメッセージに対して、視聴者が視聴することを選択すると(「はい」を選択操作)、通信制御部6080は、視聴者に選択された画像の画像データを、嗜好情報として管理サーバ3000に送信する。
これにより、管理サーバ3000からCM配信用サーバ4000に対して視聴者の嗜好に対応する画像の画像データが送信され、CM配信用サーバ4000から視聴者の受信機5000に対して、視聴者に選択された画像を含むアドレッサブルCMが配信され、番組間等に再生される。
この第4の実施の形態の場合も、管理サーバ3000側で視聴者の嗜好を推定するのではなく、視聴者が自ら選択した、自分の嗜好に合致した画像を指定する。このため、CM配信用サーバ4000において、視聴者の嗜好に合致した画像を含むアドレッサブルCMを選択して、視聴者の受信機5000に送信できる。従って、視聴者の嗜好に合致した広告を提供可能とすることができる他、上述の各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第3の実施の形態では、視聴者は、外部装置6000を介して自分の嗜好に合った広告を選択して指定し、第4の実施の形態では、視聴者は、外部装置6000を介して自分の嗜好に合った画像を選択して指定することとした。この他、視聴者は、外部装置6000を介して、例えば旅行した場所の位置情報を管理サーバ3000に指定し、又は、通信販売で購入した商品の商品情報(購買情報)を管理サーバ3000に指定してもよい。この場合、管理サーバ3000は、位置情報又は商品情報(購買情報)を嗜好情報として取得して解析し、解析結果を嗜好解析情報としてCM配信用サーバ4000に送信する。これにより、上述と同様に、CM配信用サーバ4000から視聴者の受信機5000に対して、旅行した場所又は通信販売で購入した商品の商品情報(購買情報)で示される視聴者の嗜好に合致したCMが配信される。従って、視聴者は、自分の嗜好に対応するアドレッサブルCMを視聴することができる。
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態の放送システムの説明をする。この第5の実施の形態の放送システムは、視聴者が音声操作機器7000を用いて受信機5000の音声操作履歴に基づいて、視聴者の嗜好を推定して、推定された嗜好に対応するアドレッサブルCMを提供する例である。
図23は、このような第5の実施の形態の放送システムの概要を示す図である。この図23に示すように、第5の実施の形態の放送システムの場合、視聴者が、音声操作機器7000に対して受信機5000の動作を指示する音声を発声すると、この音声が、図7に示すマイクロホン部6040で集音される。集音された音声は、電気信号である音声データとされ、管理サーバ3000に送信される。
管理サーバ3000は、図6に示す音声認識部3400で、視聴者の音声データを認識し、受信機5000の操作コマンドに変換する。そして、管理サーバ3000の通信制御部3300が、通信部3055を介して受像機5000に操作コマンドを送信する。これにより、受像機5000を音声により遠隔操作できる。
一方、管理サーバ3000の解析部3200は、視聴者の音声データから形成した操作コマンドに基づいて、視聴者の嗜好を解析する。例えば、視聴者が「タレントAのライブを再生」との音声指示を行った場合、これを解析することで、視聴者の嗜好に「タレントA」が含まれることを解析することができる。通信制御部3300は、このような解析結果を、視聴者の嗜好を示す嗜好解析情報として、CM配信用サーバ4000に送信する。これにより、視聴者の嗜好に合致したアドレッサブルCMを、受信機5000で再生して、視聴者に視聴させることができる他、上述の各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[第6の実施の形態]
次に、第6の実施の形態の放送システムの説明をする。上述の各実施の形態は、外部装置6000を介して視聴者の嗜好を指定する例であった。これに対して、第6の実施の形態は、受像機5000が、上述の外部装置6000の機能を有している例である。この例の場合、図24に示すように、受像機5000が、録画視聴履歴、再生制御履歴、録画設定、及び、視聴予約設定等の各情報を収集して管理サーバ3000に送信する。管理サーバ装置3000は、受像機5000から受信した録画視聴履歴等の各情報に基づいて、視聴者の嗜好を解析し、嗜好解析情報をCM配信サーバ4000に送信する。CM配信サーバ4000は、視聴者の嗜好に合致したアドレッサブルCMを、視聴者の受信機5000に送信する。これにより、視聴者の嗜好に合致したアドレッサブルCMを視聴可能とすることができる。
具体的には、図4に示す受信機5000の統合制御器5200は、記憶媒体5001に記憶されている嗜好アプリケーションプログラムを実行することで、図25に示すように、情報収集部5802及び通信制御部5804の各機能を実現する。
この例の場合、受信機5000の情報収集部5802は、録画視聴履歴、再生制御履歴、録画設定、及び、視聴予約設定等の各種情報(操作ログ情報)を収集して記憶媒体5001に記憶する。通信制御部5804は、収集された操作ログ情報を記憶媒体5001から読み出し、管理サーバ3000に送信する。
管理サーバ3000の解析部3200は、受信機5000の操作ログ情報を解析することで、例えば録画された番組又は視聴予約された番組に出演するタレント名又は番組ジャンル等を嗜好情報として抽出する。そして、抽出した嗜好情報を、CM配信用サーバ4000に送信する。これにより、受信機5000の操作ログから解析された視聴者の嗜好に合致したアドレッサブルCMを、視聴者の受信機5000を介して視聴可能とすることができる他、上述の各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[第7の実施の形態]
次に、第7の実施の形態の放送システムの説明をする。上述の第3の実施の形態及び第4の実施の形態は、外部装置6000を介して視聴者の嗜好を指定する例であった。これに対して、第7の実施の形態は、視聴者が受像機5000を操作することで、自分の嗜好を指定する例である。
(受像機によるCMリストからの選択動作)
具体的には、図4に示す受信機5000の統合制御器5200は、記憶媒体5001に記憶されている嗜好アプリケーションプログラムを実行することで、図25に示した情報収集部5802及び通信制御部5804と共に、取得部5801及び表示制御部5803の各機能を実現する。
この例の場合、受信機5000の取得部5801は、管理サーバ3000から送信されるCMリストを取得する。CMリストの各CMには、プレビュー映像がそれぞれ付加されている。表示制御部5803は、表示器5002に対して、取得されたCMリスト及びプレビュー領域を表示する。図26は、表示器5002に表示されたCMリストの表示例である。図26の例の場合、CMリストは、例えば出演しているタレントのタレント名,商品ジャンル、CMの雰囲気、CMで使われている曲のタイトル又は歌手等を示す各情報の一覧である
視聴者は、受像機5000の操作部5005を操作することで、このようなCMリストから、例えば自分の好きな商品ジャンルのCM等の、自分の嗜好に合ったCMを選択する。また、視聴者は、CMのプレビュー画像を視聴したい場合、操作部5005を操作してCMのプレビューを指定する。CMのプレビューが指定されると、表示制御部5803は、視聴者により選択されたCMに付加されているプレビュー映像を表示器5002に表示制御する。これにより、視聴者は、選択したCMを事前に確認することができる。
視聴者により嗜好に合ったCMが選択されると、通信制御部5804は、視聴者により選択されたCMを示す情報を嗜好情報として管理サーバ3000に送信する。管理サーバ3000の解析部3200は、視聴者により選択されたCMに基づいて、視聴者の嗜好を解析し、この解析結果となる嗜好解析情報をCM配信用サーバ4000に送信する。これにより、視聴者の嗜好に合致したアドレッサブルCMを、視聴者の受信機5000を介して視聴可能とすることができる他、上述の各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(受像機による画像リストからの選択動作)
以上説明した例は、管理サーバ3000から送信されるCMリストから所望のCMを選択する例であった。しかし、受像機5000の記録媒体5001に記録されている画像、又は、管理サーバ3000から取得したサンプル画像のうち、視聴者により指定された画像に基づいて推定した視聴者の嗜好に対応するアドレッサブルCMを提供してもよい。
この場合、図25に示す受像機5000の取得部5801は、管理サーバ3000からサンプル画像を取得する。また、情報収集部5802は、記録媒体5001に記憶されている視聴者が撮像した写真等の画像を収集する。表示制御部5803は、これらの画像を図22に示したように表示器5002に一覧表示する。
操作者は、一覧表示された画像の中から自分の嗜好に合致した画像を、操作部5005を介して指定操作する。通信制御部5804は、視聴者により選択された画像を嗜好情報として管理サーバ3000に送信する。管理サーバ3000の解析部3200は、視聴者により選択された画像に基づいて、視聴者の嗜好を解析し、この解析結果となる嗜好解析情報をCM配信用サーバ4000に送信する。これにより、視聴者の嗜好に合致したアドレッサブルCMを、視聴者の受信機5000を介して視聴可能とすることができる他、上述の各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第7の実施の形態の説明では、受像機5000はテレビジョン受像機として説明した。しかし、受像機5000は、アナログ又はデジタルの地上放送、ケーブルテレビジョン放送、インターネット等のネットワークを介したネットワーク放送、又は、衛星放送等を受信するセットトップボックスでもよい。
このセットトップボックスの場合、セットトップボックスの操作ログ情報を管理サーバ3000に送信することで、管理サーバ3000から受信した広告情報を、そのまま表示装置に表示するか(ストリーミング再生)又は、記憶部に一旦記憶する。そして、記憶した広告情報を、放送番組の間等の所定のタイミングで再生して出力する。これにより、上述と同様に、視聴者の嗜好に合致したアドレッサブルCMを視聴可能とすることができる。
このような実施の形態は、一例であり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上述の各実施の形態においては、受信機5000の記録媒体5001に予めダウンロードしたアドレッサブルCMを再生することとしたが、MPEG-DASH(Moving Picture Experts Group Dynamic Adaptive Streaming over Hyper Text Transfer Protocol)に基づき、CM配信用サーバ4000上のアドレッサブルCMをストリーミング再生してもよい。
また、上述の各実施の形態の説明では、放送番組内のCM枠をアドレッサブルCMに差し替える例について説明したが、インターネットにより配信されたコンテンツに対するアドレッサブルCMの挿入及び差し替えを行ってもよい。
また、図6、図19、図21及び図22に示した各機能は、CPUがプログラムに基づいて、ソフトウェアで実現することとしたが、各機能のうち、一部又は全部をハードウェアで実現してもよい。また、上述のプログラムを、コンピュータ読取可能な電子媒体に記憶しておき、この電子媒体からプログラムをコンピュータに読み取らせることで、上述の各機能をコンピュータが実現するようにしてもよい。電子媒体としては、例えばCD-ROM等の記録媒体の他、フラッシュメモリ又はリムーバブルメディア等が含まれる。さらに、ネットワークを介して接続した異なるコンピュータに構成要素を分散して記憶し、各構成要素を機能させたコンピュータ間で通信することで実現してもよい。